(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179439
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】インライン製造装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
C23C14/24 K
C23C14/24 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082295
(22)【出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0065373
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ユ ドゥソン
(72)【発明者】
【氏名】ベク ギョンミン
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョンオク
(72)【発明者】
【氏名】イ ユジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ミョンス
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA01
4K029JA01
4K029KA01
(57)【要約】
【課題】インライン製造装置の複数のチャンバ内で基板の温度上昇を防止でき、工程チャンバの内部が複雑にならないため製造装置の性能低下およびメンテナンスにおける困難性を防止できるインライン製造装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態によるインライン製造装置は、基板を輸送するキャリア、前記キャリアにより輸送される前記基板に製造工程が行われる複数の工程チャンバ、および前記キャリアに隣接して配置されて前記キャリアとともに移動可能な冷却部を含み得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を輸送するキャリアと、
前記キャリアにより輸送される前記基板に製造工程が行われる複数の工程チャンバと、
前記キャリアに隣接して配置され、前記キャリアとともに移動可能な冷却部と、を含む、
インライン製造装置。
【請求項2】
前記キャリアを駆動するキャリア駆動部をさらに含み、
前記キャリア駆動部は冷却部駆動部を含む、
請求項1に記載のインライン製造装置。
【請求項3】
前記キャリア駆動部は前記冷却部に電気エネルギーを供給する冷却部電源部をさらに含む、請求項2に記載のインライン製造装置。
【請求項4】
前記冷却部は前記キャリアに付着する、
請求項3に記載のインライン製造装置。
【請求項5】
前記冷却部はパイプを含み、
前記パイプには冷却水または冷却気体が供給される、
請求項4に記載のインライン製造装置。
【請求項6】
前記冷却気体は非活性気体である、
請求項5に記載のインライン製造装置。
【請求項7】
前記冷却部は前記キャリアと離隔して配置される、
請求項3に記載のインライン製造装置。
【請求項8】
前記冷却部は複数の冷却気体供給部を含む、
請求項7に記載のインライン製造装置。
【請求項9】
前記複数の冷却気体供給部は前記キャリアに取り付けられる前記基板の表面に対応するように均一な間隔に配置される、
請求項8に記載のインライン製造装置。
【請求項10】
前記複数の冷却気体供給部は冷却気体が噴射される気体噴射孔である、
請求項9に記載のインライン製造装置。
【請求項11】
前記冷却気体は非活性気体である、
請求項10に記載のインライン製造装置。
【請求項12】
前記複数の工程チャンバは第1方向に一列に配置され、
前記キャリアは前記基板を前記第1方向と角度をなす方向に取り付けて前記第1方向に沿って前記基板を輸送する、
請求項1に記載のインライン製造装置。
【請求項13】
前記角度は前記第1方向と垂直をなす角度である、
請求項12に記載のインライン製造装置。
【請求項14】
基板を輸送するキャリアと、
前記キャリアにより輸送される前記基板に製造工程が行われる複数の工程チャンバと、
前記キャリア内に設けられた冷却部と、を含む、
インライン製造装置。
【請求項15】
前記キャリアを駆動するキャリア駆動部をさらに含み、
前記キャリア駆動部は冷却部駆動部を含む、
請求項14に記載のインライン製造装置。
【請求項16】
前記キャリア駆動部は前記冷却部に電気エネルギーを供給する冷却部電源部をさらに含む、
請求項15に記載のインライン製造装置。
【請求項17】
前記冷却部は前記キャリア内に設けられたパイプを含み、
前記パイプには冷却水または冷却気体が供給される、
請求項16に記載のインライン製造装置。
【請求項18】
前記冷却部は冷却気体が噴射される気体噴射孔である、
請求項16に記載のインライン製造装置。
【請求項19】
前記複数の工程チャンバは第1方向に一列に配置され、
前記キャリアは前記基板を前記第1方向と角度をなす方向に取り付けて前記第1方向に沿って前記基板を輸送する、
請求項14に記載のインライン製造装置。
【請求項20】
前記角度は前記第1方向と垂直をなす角度である、
請求項19に記載のインライン製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はインライン製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インライン製造装置を用いて表示装置などの製造する際、工程対象基板が工程に用いられる複数のチャンバを通過しながら基板の上に複数の薄膜が蒸着される。
【0003】
工程対象基板が順次に複数のチャンバで各工程が行われるほど基板の温度が高くなる。
【0004】
基板の温度が高まるほど基板は熱によって変形する場合があり、これにより基板の表面が平坦に保持されなくなる。基板の表面が平坦に保持されなくなると工程の正確度が低くなる。
【0005】
また、基板の上に工程を行うチャンバの内部が複雑になると、チャンバの性能低下およびメンテナンスが難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態はインライン製造装置の複数のチャンバ内で基板の温度上昇を防止でき、工程チャンバの内部が複雑にならず、製造装置の性能低下およびメンテナンスにおける困難性を防止できるインライン製造装置を提供する。
【0007】
なお、実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、実施形態に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によるインライン製造装置は、基板を輸送するキャリア、前記キャリアにより輸送される前記基板に製造工程が行われる複数の工程チャンバ、および前記キャリアに隣接して配置されて前記キャリアとともに移動可能な冷却部を含む。
【0009】
前記インライン製造装置は前記キャリアを駆動するキャリア駆動部をさらに含み、前記キャリア駆動部は冷却部駆動部を含んでもよい。
【0010】
前記キャリア駆動部は前記冷却部に電気エネルギーを供給する冷却部電源部をさらに含んでもよい。
【0011】
前記冷却部は前記キャリアに付着してもよい。
【0012】
前記冷却部は前記キャリアと離隔して配置されてもよい。
【0013】
前記冷却部はパイプを含み、前記パイプには冷却水または冷却気体が供給されてもよい。
【0014】
前記冷却部は複数の冷却気体供給部を含んでもよい。
【0015】
前記複数の冷却気体供給部は前記キャリアに取り付けられる前記基板の表面に対応するように均一な間隔に配置されてもよい。
【0016】
前記複数の冷却気体供給部は冷却気体が噴射される気体噴射孔であってもよい。
【0017】
前記冷却気体は非活性気体であってもよい。
【0018】
前記複数の工程チャンバは第1方向に一列に配置され、前記キャリアは前記基板を前記第1方向と角度をなす方向に取り付けて前記第1方向に沿って前記基板を輸送してもよい。
【0019】
前記角度は前記第1方向と垂直をなす角度であってもよい。
【0020】
実施形態によるインライン製造装置は基板を輸送するキャリア、前記キャリアにより輸送される前記基板に製造工程が行われる複数の工程チャンバ、および前記キャリア内に設けられた冷却部を含んでもよい。
【0021】
実施形態によるインライン製造装置によれば、インライン製造装置の複数のチャンバ内で基板の温度上昇を防止でき、工程チャンバの内部が複雑にならないため製造装置の性能低下およびメンテナンスにおける困難性を防止できる。
【0022】
なお、実施形態の効果は上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想および領域から外れない範囲で多様に拡張できることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態によるインライン製造装置の概念図である。
【
図2】一実施形態によるインライン製造装置の斜視図である。
【
図3】一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す正面図である。
【
図4】一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【
図5】一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【
図6】他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【
図7】他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【
図8】他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【
図9】他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付する。
【0026】
また、添付する図面は本明細書に開示された実施形態を簡単に理解できるようにするためのものであり、本明細書に開示された技術的思想は添付する図面によって制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0027】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さが誇張して示される。そして図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さが誇張して示される。
【0028】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向側に「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0029】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0030】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0031】
また、明細書全体で、「連結される」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に接続されること、または位置や機能によって相異なる名称で称されたが一体のものを意味する。
【0032】
以下では図面を参照して多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0033】
図1および
図2を参照して一実施形態によるインライン製造装置について説明する。
図1は一実施形態によるインライン製造装置の概念図であり、
図2は一実施形態によるインライン製造装置の斜視図である。
【0034】
図1および
図2を参照すると、一実施形態によるインライン製造装置100は基板ローディング/アンローディング部101と工程部102を含む。
【0035】
インライン製造装置100のローディング/アンローディング部101と工程部102は第1方向DR1に沿って一列に配置される。
【0036】
ローディング/アンローディング部101は基板を支持して輸送するキャリア110と基板待機チャンバ120を含む。
【0037】
工程部102は複数のチャンバ130,140,150,160を含む。具体的には、工程部102は予熱チャンバ130と第1工程チャンバ140、第2工程チャンバ150、第3工程チャンバ160を含む。
【0038】
図示する実施形態によれば、工程部102は第1工程チャンバ140、第2工程チャンバ150、第3工程チャンバ160を含むことを説明したが、これに限定されず、工程部102が含むチャンバの数は変更可能である。
【0039】
ローディング/アンローディング部101はキャリア駆動部10を含み、キャリア駆動部10は後述する冷却部駆動部11と冷却部電源部12を含む。
【0040】
ローディング/アンローディング部101のキャリア110は工程が行われる基板が取り付けられた後、基板を支持し、
図1の矢印で表示したように、工程部102の複数のチャンバ130,140,150,160に沿って基板を順次に輸送した後再びローディング/アンローディング部101に戻った後、工程が完了した基板はアンローディングされる。
【0041】
キャリア110は基板を垂直方向、より具体的には第1方向DR1と垂直をなす第2方向DR2に立てた状態で支持して輸送できる。また、キャリア110は一列に配置された複数のチャンバ130,140,150,160に沿って第1方向DR1と並んだ方向に基板を輸送できる。
【0042】
以下、
図1および
図2とともに
図3および
図4を参照して一実施形態によるインライン製造装置の一部分についてより具体的に説明する。
図3は一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す正面図である。
図4は一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す側面図である。
【0043】
図3および
図4を参照すると、一実施形態によるインライン製造装置100のキャリア110は基板1000を垂直方向の第2方向DR2に立てた状態で支持して輸送する。
【0044】
基板1000を垂直方向の第2方向DR2に立てた状態で支持して輸送する場合、基板1000の移動時キャリア110が占める面積が狭くなり、これにより基板1000を効率的に移動できる。
【0045】
しかし、本発明はこれに限定されず、キャリア110は基板1000を第1方向DR1と一定の角度をなすように傾いた状態で支持して輸送することもできる。
【0046】
実施形態によるインライン製造装置100はキャリア110に隣接して配置される冷却部2000をさらに含む。
【0047】
冷却部2000はキャリア110を中心にキャリア110に取り付けられる基板1000と逆方向に位置する。
【0048】
冷却部2000はキャリア110に隣接して配置されてキャリア110の移動に応じて共に移動でき、基板1000を移動する状態または基板1000を工程部102のチャンバ130,140,150,160に輸送した状態で基板1000を冷却できる。冷却部2000はキャリア110に付着し、キャリア110と一定間隔離隔して設けることもできる。また、冷却部2000はキャリア110の内部に取り付けられることもできる。
【0049】
図面に示していないが、実施形態によるインライン製造装置100は、工程部102のチャンバ130,140,150,160の少なくとも一部の内部に取り付けられた追加冷却部をさらに含むこともできる。
【0050】
先に
図1および
図2を参照して説明した通り、実施形態によるインライン製造装置100のローディング/アンローディング部101はキャリア駆動部10を含み、キャリア駆動部10は冷却部駆動部11と冷却部電源部12を含む。
【0051】
キャリア駆動部10の冷却部駆動部11は、キャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を感知し、感知された基板1000の表面温度に応じて、キャリア110に隣接するように配置されてキャリア110とともに移動可能な冷却部2000の動作を制御する。
【0052】
キャリア駆動部10の冷却部電源部12は冷却部2000に電気エネルギーを供給する。
【0053】
冷却部電源部12は有線電源、または充電可能なバッテリなどの移動可能な電源であってもよい。より具体的には冷却部電源部12はレール(rail)形状を有し、レール型電源はインライン製造装置100の上面に沿って配置されたり、下面に沿って配置されたり、側面に沿って配置されてもよい。また、冷却部電源部12はインライン製造装置100の上面に沿って配置されたり、下面に沿って配置されたり、側面に沿って配置される電源供給用レールに沿って移動する無線バッテリでもあり得る。
【0054】
ローディング/アンローディング部101でキャリア110に取り付けられた基板1000は工程が行われる間、工程部102の複数のチャンバ130,140,150,160に沿って順次に移動し、このように、複数のチャンバ130,140,150,160に沿って移動して工程が行われ、基板1000の温度が上昇し、このように基板1000の温度が上昇する場合、基板1000が熱によって変形され、基板1000の表面が平坦にならず、そのため基板1000に蒸着される薄膜の表面の高さが不均一になり、これにより製造される装置の不良が発生し得る。
【0055】
本実施形態によるインライン製造装置100は、基板1000が取り付けられるキャリア110に隣接する冷却部2000を含み、キャリア110を用いて基板1000を取り付けおよび移動しながら基板1000の表面温度を感知して基板1000が不必要に加熱される場合、冷却部2000を用いて基板1000の表面温度を低くすることができる。したがって、工程中に基板1000の表面温度が不必要に高まることを防止し、基板1000の表面温度上昇による不良発生を防止できる。
【0056】
また、本実施形態によるインライン製造装置100によれば、キャリア110に隣接して配置されてキャリア110とともに移動可能な冷却部2000を含み、キャリア駆動部10内の冷却部駆動部11を用いて冷却部2000を制御することによって、工程部102の複数のチャンバ130,140,150,160の内部構造を複雑にしないので、インライン製造装置100の故障などの発生を減らすことができる。
【0057】
また、工程部102の複数のチャンバ130,140,150,160に電気エネルギーを供給する電源部と区分される冷却部電源部12を介して冷却部2000に電気エネルギーを供給することによって、工程部102の複数のチャンバ130,140,150,160に電気エネルギーを効果的に伝達し、工程部102の動作に影響を与えない。
【0058】
また、冷却部2000はキャリア110に隣接して配置されてキャリア110とともに移動可能なので、冷却部2000に故障が発生する場合、複数のチャンバ130,140,150,160を修理する必要なく、キャリア110と冷却部2000のみローディング/アンローディング部101に移動させた後、冷却部2000を個別に修理できる。
【0059】
また、冷却部2000は基板1000を積載して保管する保管部に設けられる場合、基板1000が工程部102に流入したり、搬出された状態でのみ冷却されるが、本実施形態によるインライン製造装置100の冷却部2000は基板1000を取り付けて輸送するキャリア110に隣接して配置されてキャリア110とともに移動可能であるため、基板1000の輸送前後だけでなく、輸送中にも所望する位置で必要に応じて基板1000をすぐに冷却できる。
【0060】
以下、
図1乃至
図4とともに
図5を参照して一実施形態によるインライン製造装置の一部分についてより具体的に説明する。
図5は一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【0061】
図1乃至
図4とともに
図5を参照すると、本実施形態によるインライン製造装置100の冷却部2000はパイプ2001を含み、パイプ2001を介して冷却水や冷却気体が移動する。
【0062】
パイプ2001は冷却部2000の表面のキャリア110に隣接する表面に設けられ、パイプ2001はキャリア110に取り付けられる基板1000の表面と均一に対応するように配置される。
【0063】
冷却部2000のパイプ2001に冷却水や冷却気体を注入することによって、キャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を低くすることができる。
【0064】
冷却水は低温の液体形態の物質はすべて適用可能であり、冷却気体は非活性気体であり得、例えばアルゴン(Ar)またはヘリウム(He)のような非活性気体であり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0065】
基板1000の表面温度が不必要に高まる場合、キャリア駆動部10内の冷却部駆動部11の駆動によって冷却部2000のパイプ2001に冷却水や冷却気体が注入される。これにより、キャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を低くすることができる。
【0066】
先に
図1および
図2と
図3および
図4を参照して説明した実施形態によるインライン製造装置100の多くの特徴は、本実施形態による冷却部2000を含む本実施形態によるインライン製造装置にすべて適用可能である。
【0067】
以下、
図1乃至
図4とともに
図6および
図7を参照して一実施形態によるインライン製造装置の一部分についてより具体的に説明する。
図6および
図7は他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【0068】
図1乃至
図4とともに
図6および
図7を参照すると、本実施形態によるインライン製造装置100の冷却部2000は複数の冷却気体供給部2002を含み、複数の冷却気体供給部2002はキャリア110に取り付けられる基板1000の表面に対応するように一定の間隔に配置される。
【0069】
冷却部2000は複数の冷却気体供給部2002を介してキャリア110に冷却気体202を供給することによって、キャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を低くすることができる。
【0070】
冷却部2000の複数の冷却気体供給部2002は冷却気体202が噴射される気体噴射孔であり得る。冷却気体202は冷却気体は非活性気体であり、例えばアルゴン(Ar)またはヘリウム(He)のような非活性気体であり得るが、これに限定されない。
【0071】
基板1000の表面温度が不必要に高まる場合、キャリア駆動部10内の冷却部駆動部11の駆動によって冷却部2000の複数の冷却気体供給部2002を介して冷却気体202が供給されることによって、キャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を低くすることができる。
【0072】
先に
図1および
図2と
図3および
図4を参照して説明した実施形態によるインライン製造装置100の多くの特徴は、本実施形態による冷却部2000を含む本実施形態によるインライン製造装置にすべて適用可能である。
【0073】
以下、
図1乃至
図4とともに
図8および
図9を参照して一実施形態によるインライン製造装置の一部分についてより具体的に説明する。
図8および
図9は他の一実施形態によるインライン製造装置の一部を示す図である。
【0074】
図1乃至
図4とともに
図8および
図9を参照すると、本実施形態によるインライン製造装置100はキャリア110に付着した冷却部1101を含む。
【0075】
先に説明した実施形態によるインライン製造装置とは異なり、本実施形態による製造装置の冷却部1101はキャリア110内に設けることができる。
【0076】
例えば、
図9に示すように、キャリア110内に設けられた冷却部1101は冷却水や冷却気体が移動できるパイプ形態でってもよい。しかし、冷却部1101はこれに限定されず、キャリア110内に設けられた複数の冷却気体供給部の形態であり得、その他に多様な方式の冷却部1101をキャリア110内に設けることができる。
【0077】
基板1000の表面温度が不必要に高まる場合、キャリア駆動部10内の冷却部駆動部11の駆動によってキャリア110内に設けられた冷却部1101に冷却水や冷却気体が供給されてキャリア110に取り付けられた基板1000の表面温度を低くすることができる。
【0078】
先に
図1および
図2並びに
図3および
図4を参照して説明した実施形態によるインライン製造装置100の多くの特徴は、本実施形態による冷却部2000を含む本実施形態によるインライン製造装置にすべて適用可能である。
【実施例0079】
以下、
図10を参照して一実験例について説明する。
図10は一実験例の結果を示すグラフである。
【0080】
本実験例では冷却部を設けない二つの場合(A、B)と冷却部を設けた二つの場合(C、D)について14個の基板の上にアルミニウムを約600nmの厚さで蒸着した後、基板表面の温度を測定し、その結果を
図10に示す。
【0081】
図10のX軸は1~14番目の基板を表し、
図10のY軸は各基板の表面温度を表す。
【0082】
図10を参照すると、実施形態によるインライン製造装置のように、冷却部を含む場合、冷却部を設けない場合に比べて、基板表面の温度が低いことが分かった。
【0083】
以下、
図11を参照して他の一実験例について説明する。
図11は一実験例の結果を示すグラフである。
【0084】
本実験例では銅を約700nmの厚さ、約1100nmの厚さ、および約1700nmの厚さで蒸着し、冷却部を設けない場合(A)と冷却部を設けた場合(B)について基板表面の温度を測定し、その結果を折れ線グラフで示す。
【0085】
図11を参照すると、実施形態によるインライン製造装置のように、冷却部を含む場合、冷却部を設けない場合に比べて、基板表面の温度が低く、その差は約28℃であることが分かった。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付する図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属することは当然である。