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特開2022-179464バッテリー容量可変制御装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179464
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】バッテリー容量可変制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221125BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20221125BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/00 P
B60L58/13
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083388
(22)【出願日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0065154
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢 秀
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC13
5H125EE27
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】バッテリー耐久性を最適に維持すると共に、制限されたバッテリー残容量を活用して長距離走行を可能にするバッテリー容量可変制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明バッテリー容量可変制御装置は、バッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC情報を出力するセンサ部と、センサ部を通じて出力された実際のSOC情報に基づいてバッテリーの容量制限率を設定する入力部と、入力部で設定された容量制限率に応じてバッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させて仮想の設定SOC情報を出力し、設定SOC情報に基づいてバッテリー使用量を設定する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC(State Of Charge)情報を出力するセンサ部と、
前記センサ部を通じて出力された前記実際のSOC情報に基づいて前記バッテリーの容量制限率を設定する入力部と、
前記入力部で設定された前記容量制限率に応じて前記バッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させて仮想の設定SOC情報を出力し、前記設定SOC情報に基づいて前記バッテリーの使用量を設定する制御部と、を備えることを特徴とするバッテリー容量可変制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記容量制限率に応じて選択的に上限SOC情報及び下限SOC情報を設定し、
前記設定SOC情報は、基準SOC情報から前記上限SOC情報及び前記下限SOC情報を除いて設定されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー容量可変制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、運転者の入力によって予め設定された非常走行モードへの駆動が要請されることによって前記非常走行モードを駆動するか否かを判断し、前記非常走行モードの駆動時に前記設定SOC情報に前記下限SOC情報を含ませることを特徴とする請求項2に記載のバッテリー容量可変制御装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記実際のSOC情報に基づいて、運転者の入力によって前記容量制限率を設定するか又は認証された診断装置を通じた入力によって前記容量制限率を設定することを特徴とする請求項1に記載のバッテリー容量可変制御装置。
【請求項5】
前記入力部は、運行パターン及び充放電パターンが格納されたデータベースから情報が伝達され、前記運行パターン及び前記充放電パターンを分析して前記容量制限率を設定することを特徴とする請求項1に記載のバッテリー容量可変制御装置。
【請求項6】
センサ部を通じてバッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC(State Of Charge)情報を出力する実際のSOC情報出力ステップと、
前記センサ部を通じて出力された前記実際のSOC情報に基づいて入力部を通じて前記バッテリーの容量制限率を設定する容量制限率設定ステップと、
前記入力部で設定された前記容量制限率に基づいて、制御部を通じて前記バッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させて仮想の設定SOC情報を出力する設定SOC情報出力ステップと、を有することを特徴とするバッテリー容量可変制御方法。
【請求項7】
前記設定SOC情報出力ステップは、運転者の入力によって予め設定された非常走行モードへの駆動要請が伝達された場合、前記制御部を通じて前記非常走行モードを駆動するか否かを判断する非常走行モード判断ステップを含むことを特徴とする請求項6に記載のバッテリー容量可変制御方法。
【請求項8】
前記非常走行モード判断ステップは、前記制御部を通じて一般走行モードに該当すると判断された場合、前記設定SOC情報に基づいて走行距離、走行戦略、充電制御情報を出力することを特徴とする請求項7に記載のバッテリー容量可変制御方法。
【請求項9】
前記設定SOC情報出力ステップは、前記制御部を通じて前記容量制限率に応じて選択的に上限SOC情報及び下限SOC情報を設定するステップを含み、
前記設定SOC情報は、基準SOC情報から前記上限SOC情報及び前記下限SOC情報を除いて設定されることを特徴とする請求項7に記載のバッテリー容量可変制御方法。
【請求項10】
前記非常走行モード判断ステップは、前記制御部を通じて非常走行モードに該当すると判断された場合、前記設定SOC情報に前記下限SOC情報を含ませることを特徴とする請求項9に記載のバッテリー容量可変制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー容量可変制御装置及び方法に関し、より詳細には、電気自動車に搭載される高電圧バッテリー容量を必要に応じて可変することによって、バッテリーの耐久性を向上させることができるバッテリー容量可変制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電気自動車において、SOC(State Of Charge)は、HEV(Hybrid Electric Vehicle)によって一定の範囲に位置するように制御される。
【0003】
このような制御をSOCバランシング(Balancing)制御といい、このようなSOCバランシングにおいて、留まっていようとするSOC又はSOC範囲を中心(Center)SOCという。
【0004】
付言すると、一般の電気自動車は、走行可能距離を確保するために高電圧バッテリーの全SOC区間のうちの大部分を使用しているが、これとは異なり、ハイブリッド電気自動車(HEV)は、高電圧バッテリーの全区間を使用するよりは特定の中心SOCを基準にバッテリーを運営する。
【0005】
これによって、HEV自動車は、走行中に実際のSOCが中心SOCから離れる場合、最適の動作ライン(Optimal Operation Line)運転制御のような効率的な制御ができないため、SOCを変化させる制御を行う。
【0006】
このとき、システム効率の下落が生じ、燃費低下につながる可能性があり、実際のSOCが中心SOCに位置することができない主な理由としては、運転者による偏差(急加減速走行、過激走行など)、充放電特性及び/又は走行条件(下り坂走行、渋滞走行などが挙げられる)による偏差に起因する。
【0007】
更に、バッテリーは、できる限り低いSOC領域で使用されることが安全/耐久性の面で有利である。即ち、車両システム及びバッテリー特性によって最適のSOC使用区間は異なり、これを効率的に制御することでバッテリー耐久性及び燃費の面で最適の制御が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-007546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、バッテリー耐久性を最適に維持すると共に、制限されたバッテリー残容量を活用して長距離走行を可能にするバッテリー容量可変制御装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるバッテリー容量可変制御装置は、バッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC(State Of Charge)情報を出力するセンサ部と、前記センサ部を通じて出力された前記実際のSOC情報に基づいて前記バッテリーの容量制限率を設定する入力部と、前記入力部で設定された前記容量制限率に応じて前記バッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させて仮想の設定SOC情報を出力し、前記設定SOC情報に基づいて前記バッテリーの使用量を設定する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
前記制御部は、前記容量制限率に応じて選択的に上限SOC情報及び下限SOC情報を設定し、前記設定SOC情報は、基準SOC情報から前記上限SOC情報及び前記下限SOC情報を除いて設定され得る。
前記制御部は、運転者の入力によって予め設定された非常走行モードへの駆動が要請されることによって前記非常走行モードを駆動するか否かを判断し、前記非常走行モードの駆動時に前記設定SOC情報に前記下限SOC情報を含ませ得る。
前記入力部は、前記実際のSOC情報に基づいて、運転者の入力によって前記容量制限率を設定するか又は認証された診断装置を通じた入力によって前記容量制限率を設定し得る。
前記入力部は、運行パターン及び充放電パターンが格納されたデータベースから情報が伝達され、前記運行パターン及び前記充放電パターンを分析して前記容量制限率を設定し得る。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるバッテリー容量可変制御方法は、センサ部を通じてバッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC(State Of Charge)情報を出力する実際のSOC情報出力ステップと、前記センサ部を通じて出力された前記実際のSOC情報に基づいて入力部を通じて前記バッテリーの容量制限率を設定する容量制限率設定ステップと、前記入力部で設定された前記容量制限率に基づいて、制御部を通じて前記バッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させて仮想の設定SOC情報を出力する設定SOC情報出力ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
前記設定SOC情報出力ステップは、運転者の入力によって予め設定された非常走行モードへの駆動要請が伝達された場合、前記制御部を通じて前記非常走行モードを駆動するか否かを判断する非常走行モード判断ステップを含み得る。
前記非常走行モード判断ステップは、前記制御部を通じて一般走行モードに該当すると判断された場合、前記設定SOC情報に基づいて走行距離、走行戦略、充電制御情報を出力し得る。
前記設定SOC情報出力ステップは、前記制御部を通じて前記容量制限率に応じて選択的に上限SOC情報及び下限SOC情報を設定するステップを含み、前記設定SOC情報は、基準SOC情報から前記上限SOC情報及び前記下限SOC情報を除いて設定され得る。
前記非常走行モード判断ステップは、前記制御部を通じて非常走行モードに該当すると判断された場合、前記設定SOC情報に前記下限SOC情報を含ませ得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気自動車に搭載されるバッテリーの容量をバッテリーの運行パターン、充放電パターンなどに応じて、バッテリーの実使用領域を選択的に制限してバッテリー耐久性を最適に維持すると共に、非常走行モードでは、制限されたバッテリー残容量を活用して長距離走行を可能にすることによって、バッテリーを効率的に使用することができ、バッテリー寿命を延長することができる効果を有する。
【0015】
また、本発明によれば、運転者の入力によってバッテリーの実使用領域を自由に制限し、このときのバッテリーの実使用領域を耐久性及び出力の面で最も効率的な区間に設定することができるため、電気自動車に使用される高電圧バッテリーに対して小容量のバッテリーを運用するような容易な運用ができるようにする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する設定SOC情報を示す第1実施例の図である。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する設定SOC情報を示す第2実施例の図である。
図4】本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する非常走行モード要請による設定SOC情報を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する実際のSOC情報に対する設定SOC情報を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリー容量可変制御方法を順次に示すフローチャートである。
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリー容量可変制御方法に対するSOC変換グラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本発明の利点及び特徴、並びにそれを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。
【0019】
しかし、本発明は、以下に開示する実施形態によって限定されるものではなく、それぞれ異なる様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義され。
【0020】
なお、本発明を説明する際に、関連する公知技術などが本発明の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合、それに関する詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置を概略的に示す図であり、図2は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する設定SOC情報を示す第1実施例の図である。
【0022】
そして、図3は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する設定SOC情報を示す第2実施例の図であり、図4は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する非常運転モード要請による設定SOC情報を示す図であり、図5は、本発明の一実施形態によるバッテリー容量可変制御装置に対する実際のSOC情報に対する設定SOC情報を示す図である。
【0023】
一般的に、製品群による適用の容易性が高く、高エネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気駆動源によって駆動する電気自動車(Electric Vehicle:EV)又はハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle:HEV)、電力貯蔵装置(Energy Storage System:ESS)などの電力供給源であるバッテリーに応用される。
【0024】
このようなバッテリーは、通常1つ以上のバッテリーを含み、セルの種類は特に限定されず、再充電可能なリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池で構成される。
【0025】
バッテリーは、充電及び放電が繰り返されるにつれて性能が徐々に劣化する特性があり、このような劣化は、バッテリーの充放電サイクルが増加するにつれて徐々に容量が減少する現象から確認が可能である。
【0026】
バッテリーの劣化は、主に電気化学的反応の不可逆性からその原因を見つけることができ、即ちバッテリーの充放電サイクルが増加すると、時効効果(Aging effect)によって電気化学的反応に関与する物質特性が劣化することによって、充電及び放電時に伴う電気化学的反応が可逆的になされなくなるためである。
【0027】
通常、バッテリーの劣化は、使用可能な電気的エネルギーの減少をもたらし、それによってバッテリーからエネルギーが供給される装置や使用する装置の使用時間が短縮し、出力特性が低下する。
【0028】
例えば、電気自動車の場合、バッテリーが劣化すると、同一の条件で運行をしても一度の充電で運行できる距離がその分短くなり、それによって電気自動車に使用されるバッテリーに対して、劣化の程度に関係なく性能を一定に維持できる技術が組み込まれる必要がある。
【0029】
即ち、バッテリーは短い走行距離を繰り返し走行することによって充放電サイクルが頻繁に生じると、バッテリーを高SOC(State Of Charge)領域でのみ繰り返し使用するようになり、またバッテリーの充電が間欠的に行われると、バッテリーを必要な容量に対して広い可用範囲で使用するようになる。
【0030】
そのため、車両に使用されるリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池からなるバッテリーの基本特性上、高SOC領域の使用、又は広い可用範囲の使用が繰り返し行われると、通常バッテリーの耐久性は低下することになる。
【0031】
このため、本実施形態によるバッテリー容量可変制御装置は、図1に示すように、センサ部100、入力部200、及び制御部300を含む。
【0032】
先ず、センサ部100は、バッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC(State Of Charge)情報を出力する。
【0033】
ここで、電気的特性値は、バッテリーの電圧、充放電時に導線に流れる電流、バッテリーの温度などを意味し、このような電気的特性値は、充電又は放電容量の計算、SOC推定などのバッテリーの状態を把握するために測定される。
【0034】
このため、センサ部100は、制御部300の制御信号によってバッテリーの電気的特性値を測定する。
【0035】
このようなセンサ部100を通じた電気的特性値の測定は、予め設定された間隔で周期的に行うが、ユーザ又は制御部300を管理する上位システムの要請によって行うこともできる。
【0036】
センサ部100は、図示していないが、別途の電圧測定器及び/又は電流測定器及び/又は温度測定器などを含む。
【0037】
電圧測定器はバッテリーの全電圧及び/又はバッテリー内に含まれる各セルの電圧を測定し、電流測定器はバッテリーの充放電時のバッテリーと電力供給手段又は負荷との間に連結された抵抗素子に流れる電流の大きさを測定し、温度測定器はバッテリーの充放電時のバッテリーの温度を測定する。
【0038】
センサ部100は、電圧測定器、電流測定器、及び温度測定器に限定されず、またバッテリーの電気的特性を感知できる全ての測定装置を含むものと理解すべきである。
【0039】
そして、入力部200は、センサ部100から繰り返し出力される実際のSOC情報に基づいてバッテリーの容量制限率を設定する。
【0040】
入力部200は、センサ部100から出力された実際のSOC情報の累積を通じて算出された運行パターン及び充放電パターンが格納されたデータベースDBから当該情報が伝達され、伝達された運行パターン及び充放電パターンを用いて容量制限率を自動的に設定する。
【0041】
また、入力部200は、センサ部100を通じて測定された実際のSOC情報に基づく運転者の入力、即ち車両のクラスタ、AVN(Audio Video Nevigation)メニューなどを通じた入力によって容量制限率を設定するか、又は認証された診断装置、一例として診断ツール、スキャナなどを用いて容量制限率を設定することもできる。
【0042】
結果として、入力部200は、このように運転パターン及び充放電パターンを用いて自動的に容量制限率を設定する方式、及び運転者の入力又は診断装置を用いて直接容量制限率を設定する方式を複合的に用いて容量制限率を設定する。
【0043】
一方、制御部300は、入力部200で設定された容量制限率に応じて、バッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変させ、仮想の設定SOC情報20をディスプレイ部400に出力する。
【0044】
即ち、制御部300は、0%~100%を使用領域とする基準SOC情報10に対して、入力部200を通じて容量制限率が設定されると、これに基づいて、使用領域を可変させて該当する仮想のSOC情報20を車両のクラスタ又はAVNメニューのようなディスプレイ部400に表示されるように出力する。
【0045】
制御部300は設定SOC情報20に応じてバッテリーの使用量を設定し、このように設定された設定SOC情報20は、例えば容量制限率を20%、60%などに設定されるが、基準SOC情報10から容量制限率を除いた使用領域の場合、バッテリーに対する高SOC領域の頻度が低く可用範囲が比較的低い特性を有する、即ち耐久性及び充放電性能が最適の領域になる。
【0046】
図2に示すように、本実施形態による制御部300は容量制限率が20%に設定されることによって上限SOC情報及び下限SOC情報30を設定し、このような設定SOC情報20は、0%~100%を使用領域とする基準SOC情報10から、上限SOC情報及び下限SOC情報30を除いて設定される。
【0047】
即ち、入力部200を通じて容量制限率が20%に設定されることによって、制御部300は、上限SOC情報及び下限SOC情報30をそれぞれ10%とし、基準SOC情報10の10%~90%を仮想の設定SOC情報20とし、これを使用領域100%に該当するものに加工して出力する。
【0048】
これによって、運転者が車両のクラスタやAVNメニューなどを通じて使用領域を確認すると、基準SOC情報の10%~90%に該当する使用領域を設定SOC情報20として確認することができ、結局、運転者は、上限SOC情報及び下限SOC情報30を除いた設定SOC情報20に該当する使用領域のみを用いて車両の制御が行われるため、高SOC領域が繰り返し使用されるか又は必要な容量に対して広い可用範囲で使用されることによって、バッテリーの耐久性が低下する問題を未然に防止することができる。
【0049】
そのほかにも、仮に運行パターン及び充放電パターンを分析した結果、入力部200を通じて容量制限率が60%に設定されると、制御部300は、上限SOC情報及び下限SOC情報30をそれぞれ30%とし、基準SOC情報10の30%~70%を仮想の設定SOC情報20とし、これを使用領域100%に該当するものに加工して出力することもできる。
【0050】
そして、図3に示すように、本実施形態による制御部300は、容量制限率を20%に設定することによって上限SOC情報及び下限SOC情報30を設定し、設定SOC情報20を0%~100%を使用領域とする基準SOC情報10から、上限SOC情報及び下限SOC情報を除いて設定される。
【0051】
即ち、入力部200を通じて容量制限率を20%に設定することによって、制御部300は、上限SOC情報及び下限SOC情報をそれぞれ10%とし、基準SOC情報の10%~90%を仮想の設定SOC情報とし、これを使用領域100%に該当するものに加工して出力する。
【0052】
これによって、運転者が車両のクラスタやAVNメニューなどを通じて使用領域を確認すると、基準SOC情報の10%~90%に該当する使用領域を設定SOC情報として確認することができ、結局、運転者は、基準SOC情報10から上限SOC情報及び下限SOC情報30を除いた設定SOC情報20に該当する使用領域を用いて車両の制御が行われるため、高SOC領域が繰り返し使用されることによってバッテリー耐久性が低下する問題を未然に防止することができる。
【0053】
本実施形態では、仮に入力部200を通じて容量制限率が60%に設定されると、制御部300は、上限SOC情報及び下限SOC情報30をそれぞれ30%とし、上述の実施形態とは異なり、基準SOC情報10の20%~60%を仮想の設定SOC情報20に加工して出力することもできる。
【0054】
これは、バッテリーのタイプや特性によって可用のSOC情報がそれぞれ異なることもあるため、入力部200を通じて容量制限率が60%に設定されるとしても、バッテリーのタイプや特性に応じて耐久性及び出力に最も有利な30%~70%又は20%~60%を使用領域100%とした仮想の設定SOC情報10に加工して出力するためである。
【0055】
付言すると、通常バッテリーにおいて、耐久性及び出力に有利な、即ち最適性能を具現できる領域は、低SOC領域であるため、バッテリーのタイプ又は特性に応じて、上述の実施形態とは異なり、20%~60%を使用領域100%にした仮想の設定SOC情報(10)を加工して出力することである。
【0056】
入力部200を通じて容量制限率を60%に設定することによって、30%~70%又は20%~60%に設定SOC情報2を加工することを説明したが、これは定められたものではなく、容量制限率内でバッテリーのタイプや特性に応じて耐久性及び出力に最も有利な別の範囲に加工して仮想の設定SOC情報を出力することもできる。
【0057】
一方、図4に示すように、制御部300は、予め設定された非常走行モードを駆動時に、実際のSOC情報に含まれる下限SOC情報30が仮想の設定SOC情報20に含まれるように変換し、これを使用領域100%とした仮想の設定SOC情報20を出力する。
【0058】
一例として、非常走行モードは、長距離走行モードに設定され、仮に高SOC領域でのみバッテリーの使用が繰り返し行われ、必要な容量に対して広い可用範囲でバッテリーが使用されているが、ナビゲーション情報などを用いて所定の距離以上の目的地が設定される場合、非常走行モードに設定する。
【0059】
従って、上述の第1実施形態と同様に、入力部200を通じて容量制限率を60%に設定し、上限SOC情報及び下限SOC情報30をそれぞれ30%にして仮想のSOC情報を出力した場合、非常走行モードを駆動時に、図4に示すように、下限SOC情報の30%が仮想の設定SOC情報20に含まれ(最適性能を具現できる領域は、低SOC領域であるため)、結局基準SOC情報10の0~70%に該当する設定SOC情報20を出力する。
【0060】
従って、本実施形態では、バッテリーの使用頻度及び可用範囲に応じて使用される実際のSOC情報に対する設定SOC情報20に対する基準SOC情報の使用領域100%の範囲を縮小設定し、図5に示すように、当該基準SOC情報の範囲内で設定SOC情報20を加工して出力することによって、バッテリーの耐久性を最適に維持する。
【0061】
また、本実施形態では、非常走行モードを駆動時に残っている残容量を活用できるようにすることによって、運転者にバッテリーの耐久性のための運転ができるように自由度を提供する。
【0062】
以下、図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリー容量可変制御方法を順次に示すフローチャートであり、図7は、本発明の他の実施形態によるバッテリー容量可変制御方法に対するSOC変換グラフを示す図である。
【0063】
図6に示すように、本実施形態による容量可変制御方法を順次に説明すると、以下の通りである。
【0064】
センサ部100を通じてバッテリーの電気的特性値を測定して実際のSOC情報を出力する(ステップS100)。
【0065】
このとき、センサ部100から出力された実際のSOC情報に基づいて、入力部200を通じてバッテリーの容量制限率を設定する(ステップS200)。
【0066】
ここで、入力部200は、センサ部100から出力された実際のSOC情報の累積を通じて算出された運行パターン及び充放電パターンが格納されたデータベースDBから当該情報が伝達され、このように伝達された運行パターン及び充放電パターンを分析して容量制限率を自動的に設定する。
【0067】
また、入力部200は、センサ部100を通じて測定された実際のSOC情報に基づく運転者の入力、即ち車両のクラスタ、AVN(Audio Video Nevigation)メニューなどを通じた入力によって容量制限率を設定するか、又は認証された診断装置、一例として診断ツール、スキャナなどを用いて容量制限率を設定する。
【0068】
結果として、入力部200は、このように運転パターン及び充放電パターンを用いて自動的に容量制限率を設定する方式、及び運転者の入力又は診断装置を用いて直接容量制限率を設定する方式を複合的に用いて容量制限率を設定する。
【0069】
このように、入力部200で設定された容量制限率、一例として60%容量制限率に基づいて、制御部300を通じてバッテリーが充放電される使用領域を選択的に可変し、30%~70%に該当する仮想の設定SOC情報(20)を出力する(ステップS300)。
【0070】
このような仮想の設定SOC情報20の出力は、図7に示すように、一次関数形態で具現され、例えば容量制限率を20%とし、基準SOC情報(10)の10%~90%を仮想の設定SOC情報100%に該当するものに加工しようとする際には、1.25×x-12.5(xは、実際のSOC値)の変換式を通じて設定SOC情報を出力することができる。
【0071】
参考として、SOC変換式の場合、容量制限率に応じてそれぞれ異なって設定することができ、その結果、容量制限率が増加するほど傾きも増加する形態になる。
【0072】
仮に運転者の入力によって予め設定された非常走行モードへの駆動要請が伝達されると(ステップS310)、制御部300は、可用のバッテリーの充放電パワー、即ち仮想の設定SOC情報20の出力のために加工した0%~30%及び70%~100%に該当する上限SOC情報及び下限SOC情報が入力され(ステップS110)、これを通じて非常走行モードを駆動するか否かを判断する(ステップS400)。
【0073】
一例として、非常走行モードは、長距離走行モードに設定され、仮に高SOC領域でのみバッテリーの使用が繰り返し行われ、必要な容量に対して広い可用範囲でバッテリーが使用されているが、ナビゲーション情報などを用いて所定の距離以上の目的地が設定される場合、非常走行モードに設定する。
【0074】
仮に非常走行モードを駆動するか否かを判断して(ステップS400)、上記のように設定された非常走行モードが行われるべきものと判断されると、入力された実際のSOC情報に含まれる上限SOC情報及び下限SOC情報30に基づいて(ステップS110)、仮想の設定SOC情報20、即ち下限SOC情報30を含む仮想のSOC情報20に変換する(ステップS410)。
【0075】
このように、非常走行モードを駆動するか否かの判定結果(ステップS400)、下限SOC情報30を含む設定SOC情報20を出力し(ステップS410)、30%~70%に該当する仮想の設定SOC情報20を選択的に出力すると、出力されたSOC情報を用いて選択的に車両走行距離を計算して出力するか(ステップS500)、又は充電警告などの車両走行戦略を出力するか(ステップS600)、又は緩速又は急速充電のような充電制御情報を出力する(ステップS700)。
【0076】
従って、本実施形態では、充放電パターンなどに応じて、バッテリーの実使用領域を選択的に制限してバッテリー耐久性を最適に維持すると共に、制限された設定SOC情報20によるバッテリー容量を活用するか、又は下限SOC情報30を含む設定SOC情報20によるバッテリー容量を活用し、選択的な走行を可能にすることによって、バッテリーを効率的に使用することができ、結果としてバッテリー寿命を延長することができる。
【0077】
本発明は、電気自動車に搭載されるバッテリーの容量を、バッテリーの運行パターン、充放電パターンなどに応じて、バッテリーの実使用領域を選択的に制限してバッテリー耐久性を最適に維持すると共に、非常走行モードでは、制限されたバッテリー残容量を活用して長距離走行を可能にすることによって、バッテリーを効率的に使用することができ、バッテリー寿命を延長することができる効果を有する。
【0078】
そして、本発明は、運転者の入力によって、バッテリーの実使用領域を自由に制限し、このとき、バッテリーの実使用領域を耐久性及び出力の面で最も効率的な区間に設定することができるため、電気自動車に使用される高電圧バッテリーに対して小容量のバッテリーを運用するような容易な運用ができるようにする効果を有する。
【0079】
以上、本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、これらから様々な変形が可能であり、上記で説明した実施形態の全て又は一部を選択的に組み合わせて構成できる点を理解すべきである。従って、本発明の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められる。
【符号の説明】
【0080】
10 基準SOC情報
20 設定SOC情報
30 下限SOC情報
100 センサ部
200 入力部
300 制御部
400 ディスプレイ部
DB データベース

図1
図2
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図5
図6
図7