(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179497
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】TERT免疫原性組成物及びそれを用いた治療方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/00 20060101AFI20221125BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221125BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20221125BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221125BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20221125BHJP
A61K 39/29 20060101ALI20221125BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20221125BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221125BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20221125BHJP
C07K 14/025 20060101ALN20221125BHJP
C07K 14/18 20060101ALN20221125BHJP
C07K 14/02 20060101ALN20221125BHJP
C12N 9/00 20060101ALN20221125BHJP
C12N 15/52 20060101ALN20221125BHJP
【FI】
A61K39/00 H
A61P35/00
A61P37/04
A61K39/395 U
A61K39/39
A61K39/29
A61K39/12
A61K45/00
A61K31/7088
C07K14/025 ZNA
C07K14/18
C07K14/02
C12N9/00
C12N15/52 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022143569
(22)【出願日】2022-09-09
(62)【分割の表示】P 2019517839の分割
【原出願日】2017-09-29
(31)【優先権主張番号】62/402,695
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/468,124
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(71)【出願人】
【識別番号】516142001
【氏名又は名称】ザ ウィスター インスティテュート オブ アナトミー アンド バイオロジー
(71)【出願人】
【識別番号】509320254
【氏名又は名称】イノビオ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ウェイナー
(72)【発明者】
【氏名】チエン イェン
(57)【要約】
【課題】がんの治療方法、詳細には、腫瘍を治療し、腫瘍に対する防御を与える免疫原性組成物を提供する。
【解決手段】最適化コンセンサスTERT抗原を含む組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセンサスTERT抗原をコードする核酸分子を含む免疫原性組成物であって、前記コンセンサスTERT抗原が、
a)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と、
b)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
c)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、前記完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記免疫原性組成物。
【請求項2】
a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と、
b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、前記完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を更に含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
MAGE A1、gp100、ウイルス抗原、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の抗原をコードする核酸を更に含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
前記ウイルス抗原が、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、またはヒトパピローマウイルス(HPV)由来の抗原である、請求項3に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記HBV抗原が、HBVコア抗原またはHBV表面抗原、またはこれらの組み合わせである、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記HCV抗原が、HCV NS34A抗原、HCV NS5A抗原、HCV NS5B抗原、HCV NS4B抗原、またはこれらの組み合わせである、請求項5に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記HPV抗原が、HPV6型E6抗原、HPV6型E7抗原、HPV11型E6抗原、HPV11型E7抗原、HPV16型E6抗原、HPV16型E7抗原、HPV18型E6抗原、HPV18型E7抗原、またはこれらの組み合わせである、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
免疫チェックポイント阻害剤を更に含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記核酸分子が、
a)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
b)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、
c)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、前記完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、
c)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、前記完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
前記核酸が、プラスミドである、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
1つ以上のプラスミドを含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
アジュバントを更に含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
前記アジュバントが、IL-12、IL-15、IL-28、またはRANTESである、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
がんの治療または予防が必要な対象のがんを治療または予防する方法であって、請求項1に記載の免疫原性組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項16】
前記投与が、電気穿孔ステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
免疫チェックポイント阻害剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記免疫原性組成物及び前記免疫チェックポイント阻害剤が単一の製剤中で前記対象に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記免疫原性組成物及び前記免疫チェックポイント阻害剤が別々に前記対象に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記がんが、メラノーマ、頭頸部癌、前立腺癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、肛門癌、血液癌、卵巣癌、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
a)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
b)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、
c)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、前記完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項22】
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、
b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、
c)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、前記完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を更に含む、請求項21に記載の核酸分子。
【請求項23】
前記核酸が、プラスミドである、請求項21に記載の核酸分子。
【請求項24】
a)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と、
b)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
c)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、前記完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む、アミノ酸分子。
【請求項25】
a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と、
b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、前記完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含む前記フラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を更に含む、請求項24に記載のアミノ酸分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年9月30日出願の米国仮特許出願第62/402,695号及び米国仮特許出願第2017年3月7日出願の同第62/468,124号に対する優先権を主張し、それらの全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本明細書では、がんを治療するための組成物及び方法、詳細には、腫瘍増殖を治療し、腫瘍増殖に対する防御を与える免疫原性組成物を開示する。
【背景技術】
【0003】
がんは世界及び米国における主要な死因の一つであり、最も多い死因の第二位であって、全死亡の約四分の一を占める。がんは正常な細胞から腫瘍細胞に変化した一つの細胞から起こる。かかる変化は多くの場合、前がん性病巣から悪性腫瘍へと進行する多段階過程である。この進行には、加齢、遺伝性の寄与、ならびに(例えば、紫外線及び電離放射線などの)物理的発がん因子、(例えば、アスベスト、タバコの煙の成分などの)化学的発がん因子、及び(例えば、ある種のウイルス、細菌、及び寄生虫などの)生物学的発がん因子などの外的作因への曝露をはじめとする、多くの因子が寄与する。
【0004】
がんの予防、診断及び治療は多くの異なる形態をとり得る。予防としては、(例えば、特定の遺伝子変異体などの)素因の検査、(例えば、喫煙、食生活、及び運動量などの)習慣の改変、ならびに(例えば、ヒトパピローマウイルス、B型肝炎ウイルスなどの)ウイルスに対するワクチン接種を挙げることができる。治療としては、化学療法、放射線療法、ならびに腫瘍またはがん性組織の外科的除去を挙げることができる。多数の予防及び治療方法が利用可能であるにも拘わらず、かかる方法は多くの場合、身近ながんの効果的な予防及び/または治療において、限定的な成功を収めるのみである。
【0005】
従って、疾患の進行に対する保護の臨床上の管理を容易にするための、がんの予防及び/または治療用組成物及びがんの予防及び/または治療方法の特定及び開発に対するニーズが存在する。更に、がんに罹患した対象において、疾患の進行を遅延させる及び/または死亡率を減少させるために、より有効な治療が求められている。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、本発明は、コンセンサスTERT抗原をコードする核酸分子を含む免疫原性組成物に関する。一実施形態では、コンセンサスTERT抗原は、a)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と、b)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、c)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0007】
一実施形態では、免疫原性組成物は、a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と、b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を更に含む。
【0008】
一実施形態では、免疫原性組成物は、MAGE A1、gp100、ウイルス抗原、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の抗原をコードするヌクレオチド配列を更に含む。一実施形態では、ウイルス抗原は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、またはヒトパピローマウイルス(HPV)由来の抗原である。一実施形態では、HBV抗原は、HBVコア抗原またはHBV表面抗原、またはこれらの組み合わせである。一実施形態では、HCV抗原は、HCV NS34A抗原、HCV NS5A抗原、HCV NS5B抗原、HCV NS4B抗原、またはこれらの組み合わせである。一実施形態では、HPV抗原は、HPV6型E6抗原、HPV6型E7抗原、HPV11型E6抗原、HPV11型E7抗原、HPV16型E6抗原、HPV16型E7抗原、HPV18型E6抗原、HPV18型E7抗原、またはこれらの組み合わせである。
【0009】
一実施形態では、免疫原性組成物は、免疫チェックポイント阻害剤を含む。
【0010】
一実施形態では、核酸分子は、a)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、b)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、c)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。
【0011】
一実施形態では、免疫原性組成物は、a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、c)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を更に含む。
【0012】
一実施形態では、核酸分子は、プラスミドである。
【0013】
一実施形態では、免疫原性組成物は、1つ以上のプラスミドを含む。
【0014】
一実施形態では、免疫原性組成物は、アジュバントを更に含む。一実施形態では、アジュバントは、IL-12、IL-15、IL-28、またはRANTESである。
【0015】
一実施形態では、本発明は、がんの治療または予防が必要な対象のがんを治療または予防する方法であって、コンセンサスTERT抗原をコードする核酸分子を含む免疫原性組成物を対象に投与することを含む方法に関する。一実施形態では、投与の方法は、電気穿孔ステップを含む。一実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することを更に含む。
【0016】
一実施形態では、免疫原性組成物及び免疫チェックポイント阻害剤は、単一の製剤中で対象に投与される。一実施形態では、免疫原性組成物及び免疫チェックポイント阻害剤は別々に対象に投与される。
【0017】
一実施形態では、がんは、メラノーマ、頭頸部癌、前立腺癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、肛門癌、血液癌、卵巣癌、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0018】
一実施形態では、本発明は、a)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、b)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、c)配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、及び配列番号55からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。
【0019】
一実施形態では、核酸分子は、a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と、b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列と95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列と、c)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、及び配列番号69からなる群から選択されるヌクレオチド配列のフラグメントであって、完全長のヌクレオチド配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を更に含む。
【0020】
一実施形態では、核酸分子は、プラスミドである。
【0021】
一実施形態では、本発明は、a)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と、b)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、c)配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、及び配列番号56からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含むアミノ酸分子に関する。
【0022】
一実施形態では、アミノ酸分子は、更に、a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と、b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列のフラグメントであって、完全長のアミノ酸配列の少なくとも95%を含むフラグメントと、からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1-1】(A)~(E)は、pTyrの構築を示す。
【
図1-2】(A)~(E)は、pTyrの構築を示す。
【
図2】(A)及び(B)は、免疫化ストラテジー、及びTyr DNAワクチン接種による細胞媒介性免疫応答の誘導をそれぞれ示す実験結果を示す。
【
図3】対照及び免疫化マウスのフロー蛍光活性化細胞選別(FACS)を示す実験結果を示す。
【
図4】(A)及び(B)は、免疫化マウスにおけるチロシナーゼ特異性抗体の誘導を示す実験結果を示す。
【
図5】(A)及び(B)は、それぞれ、対照及び免疫化マウスにおける、腫瘍負荷後のカプラン-マイヤー生存率曲線及び腫瘍容積曲線を示す実験結果を示す。
【
図6A】免疫化及び非免疫化マウスにおけるMDSC細胞数を示す実験結果を示す。
【
図6B】免疫化及び非免疫化マウスにおけるMDSC細胞数を示す実験結果を示す。
【
図7】pVax1及びpTyrによって免疫化されたマウスにおけるMDSCに対する染色を示す実験結果を示す。
【
図8】(A)及び(B)は、MDSCによるMCP-1の分泌を示す実験結果を示す。
【
図9】記載した動物の間におけるTyrヌクレオチド配列の系統発生上の関係を示す実験結果を示す。
【
図10-1】(A)(本明細書においてpGX1411としても知られる)pPRAMEのプラスミドマップの概説図、(B)DAPIを用いた核に対する、及びコンセンサスPRAME抗原に対する、RD及び293T細胞の染色、並びに(C)非トランスフェクト細胞(「対照」)、pVAXでトランスフェクトされた細胞(「pVAX」)、及びpPRAMEでトランスフェクトされた細胞(「PRAME-pVAX」)由来のライセート中のコンセンサスPRAME抗原に関するウェスタンブロッティングを示す実験結果を示す。
【
図10-2】(A)(本明細書においてpGX1411としても知られる)pPRAMEのプラスミドマップの概説図、(B)DAPIを用いた核に対する、及びコンセンサスPRAME抗原に対する、RD及び293T細胞の染色、並びに(C)非トランスフェクト細胞(「対照」)、pVAXでトランスフェクトされた細胞(「pVAX」)、及びpPRAMEでトランスフェクトされた細胞(「PRAME-pVAX」)由来のライセート中のコンセンサスPRAME抗原に関するウェスタンブロッティングを示す実験結果を示す。
【
図11】(A)及び(B)は、マウス群に対してインターフェロン-ガンマ(interferon gamma)(IFN-γ)のスポット形成単位(spot forming unit)(SFU)/10
6脾細胞をプロットしたグラフを示す実験結果を示す。
【
図12-1】(A)(本明細書においてpGX1409としても知られる)pNY-ESO-1のプラスミドマップの概説図、(B)DAPIを用いた核に対する、及びコンセンサスNY-ESO-1抗原に対する細胞の染色、並びに(C)非トランスフェクト細胞(「対照」)、pVAXでトランスフェクトされた細胞(「pVAX」)、及びpNY-ESO-1でトランスフェクトされた細胞(「pNY-ESO-1」)由来のRD及び293Tライセート中のコンセンサスNY-ESO-1抗原に関するウェスタンブロッティングを示す実験結果を示す。
【
図12-2】(A)(本明細書においてpGX1409としても知られる)pNY-ESO-1のプラスミドマップの概説図、(B)DAPIを用いた核に対する、及びコンセンサスNY-ESO-1抗原に対する細胞の染色、並びに(C)非トランスフェクト細胞(「対照」)、pVAXでトランスフェクトされた細胞(「pVAX」)、及びpNY-ESO-1でトランスフェクトされた細胞(「pNY-ESO-1」)由来のRD及び293Tライセート中のコンセンサスNY-ESO-1抗原に関するウェスタンブロッティングを示す実験結果を示す。
【
図13】マウス群に対してインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)のスポット形成単位(SFU)/10
6脾細胞をプロットしたグラフを示す。
【
図14】マウス群に対してインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)のスポット形成単位(SFU)/10
6脾細胞をプロットしたグラフを示す。
【
図15】種々のガンとそれらの関連するガン抗原(複数可)の一部を示す概説図を示す。
【
図16】TERTコンストラクトの模式的設計を示す。合成コンセンサスhTERTを、5つの変異を有するヒトTERTに対して、その機能を失わせるために設計した。天然RhTERTは、2つの変異を有するアカゲザルTERTをコードするものである。両方のコンストラクトを最適化した。表は、最適化されたTERTと、ヒト、アカゲザル、及びマウスで同定された天然TERTとの間のタンパク質相同性を示す。
【
図17】(A)~(B)は、アカゲザル天然ペプチドに対するマウスTERT特異的IFN-γ応答の特性評価を示す。(A)免疫スケジュール。マウス(各群n=8)をIM/電気穿孔により天然RhTERT及び合成コンセンサスhTERTで、0、2、及び4週目に免疫した。(B)アカゲザルペプチドを用いたIFN-γ ELISpotアッセイにより測定した、ワクチン接種したマウスから単離された脾細胞100万個当たりのTERT特異的IFN-γのスポット形成単位(SFU)の頻度。
【
図18-1】(A)~(C)は、アカゲザルTERT特異的IFN-γ応答の特性評価を示す。(A)免疫スケジュール。アカゲザル(各群n=5)をIM/電気穿孔により天然RhTERTまたは合成コンセンサスhTERT及びrhIL-12で、0、4、8、及び12週目に免疫した。(B及びC)天然アカゲザルペプチド及び合成コンセンサスhTERTペプチドを用いたIFN-γ ELISpotアッセイにより測定した、ワクチン接種したマウスから単離された脾細胞100万個当たりのTERT特異的IFN-γのスポット形成単位(SFU)の頻度。
【
図18-2】(A)~(C)は、アカゲザルTERT特異的IFN-γ応答の特性評価を示す。(A)免疫スケジュール。アカゲザル(各群n=5)をIM/電気穿孔により天然RhTERTまたは合成コンセンサスhTERT及びrhIL-12で、0、4、8、及び12週目に免疫した。(B及びC)天然アカゲザルペプチド及び合成コンセンサスhTERTペプチドを用いたIFN-γ ELISpotアッセイにより測定した、ワクチン接種したマウスから単離された脾細胞100万個当たりのTERT特異的IFN-γのスポット形成単位(SFU)の頻度。
【
図19】合成コンセンサスhTERT(pGX1434)がマウスに強いT細胞応答を誘導し、TC-1腫瘍増殖を遅延させることを示す実験結果を示す。(左)マウスを、0、20、40、または60μgのpGX1434で2週間隔で3回免疫した。マウスのT細胞応答を5週目に評価したところ、pGX1434が強いT細胞応答を誘導したことが示された。(右)マウスに25×10
4個のTC-1細胞を移植した。その後、マウスを、25μgのpGX1434で1週間隔で4回免疫した。腫瘍体積を32日間にわたり測定したところ、pGX1434で処置したマウスではナイーブマウスと比較して腫瘍体積が減少していることが示された。
【
図20】マウスにおけるSynCon hTERT(pGX1434)の免疫原性を示す実験結果を示す。
【
図21】(A)及び(B)は、SynCon hTERT(pGX1434)及びmut-hTERT(pGX1406)がTC-1腫瘍増殖の同様な制御を与えることを示す実験結果を示す。
【
図22】(A)及び(B)は、非ヒト霊長類(NHP)におけるhTERTの免疫原性を実証する実験の実験計画を示す。(A)は、例示的な免疫スケジュールを示す。(B)は、異なる群に投与したコンストラクトを示した表を示す。pGX1434:hTERT、pGX1406:Mut-hTERT、pGX1447:Mut-rhTERT、pGX1404:WT-1、pGX1108:PSMA、pGX6006:rhIL-12。
【
図23】(A)及び(B)は、SynCon hTERTがNHPにおいて自己寛容を破綻させることを実証する実験結果を示す。(A)は、天然アカゲザルTERTに対する応答が群1の動物でPD3及びPD4に検出されたことを示す実験結果を示す。(B)は、天然アカゲザルTERTに対する応答が群2の動物でPD3及びPD4に検出されたことを示す実験結果を示す。
【
図24】(A)~(C)は、SynConの設計が自己寛容を破綻させることを可能とすることを実証する実験結果を示す。(A)は、異なるコンストラクトの天然配列に対する同一性(%)を示した表を示す。(B)は、TERT特異的IFNγ応答を示す実験結果を示す。(C)は、アカゲザルTERT特異的IFNγ応答を示す実験結果を示す。
【
図25】(A)及び(B)は、SynCon hTERTのNHP免疫原性を実証する実験結果を示す。(A)SynCon hTERT、PSMA、WT-1及びIL-12の組み合わせを用いて生じたTERT応答を示す実験結果を示す。(B)mut-hTERT、PSMA、WT-1及びIL-12の組み合わせを用いて生じたTERT応答を示す実験結果を示す。
【
図26】(A)~(C)は、SynCon hTERTのNHP免疫原性を実証する実験結果を示す。(A)TERT、PSMA、WT-1及びIL-12の組み合わせを用いて生じたTERT応答を示す実験結果を示す。(B)TERT、PSMA、WT-1及びIL-12の組み合わせを用いて生じたPSMA応答を示す実験結果を示す。(C)TERT、PSMA、WT-1及びIL-12の組み合わせを用いて生じたWT-1応答を示す実験結果を示す。
【
図27】(A)及び(B)は、多価SynConワクチンの幅を実証する実験結果を示す。(A)は、用いられた免疫スケジュールを示す。(B)は、免疫後に同定された抗原特異的T細胞の割合(%)を示す。
【
図28】(A)及び(B)は、多価SynConワクチンが腫瘍量を減少させ、生存率を高めることを示す実験結果を示す。(A)は、用いられた免疫スケジュールを示す。(B)は、WT1、PSMA及びSynCon mTERTの組み合わせで免疫した動物の平均腫瘍体積及び生存率(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、合成コンセンサスTERT抗原を、単独で、または少なくとも1種類の更なるがん抗原もしくは免疫チェックポイントタンパク質の阻害剤と組み合わせて含む免疫原性組成物、及び疾患または障害を治療するための当該組成物の使用方法に関する。一実施形態では、免疫原性組成物は、TERT及び少なくとも1種類の更なるがん抗原コンセンサス配列を含む。免疫原性組成物中に含有させることができるがん抗原コンセンサス配列としては、限定されるものではないが、チロシナーゼ(Tyr)、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、チロシナーゼ関連タンパク質1(Tyrp1)、がん・精巣抗原(NY-ESO-1)、B型肝炎ウイルス抗原、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、前立腺6回膜貫通上皮抗原(STEAP)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、及びウィルムス腫瘍1抗原(WT-1)が挙げられる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、がんの予防または治療が必要な対象のがんを予防または治療するためのがん抗原の組み合わせを与えることができる。
【0025】
上記核酸及びそれに対応したコードされる組換えがん抗原のアミノ酸配列の一つの設計方法は、天然がん抗原の全体のアミノ酸配列中の、特定のアミノ酸を変更する変異を導入することである。変異の導入は、当該がん抗原が哺乳類の対象間で普遍的に適用することができない程に当該がん抗原を大きく改変することはなく、例えばヒトまたは犬の対象に適用することができるが、該変異の導入は、得られるアミノ酸配列が許容範囲を超える、すなわち、免疫応答を生起させるために外来抗原と見なされるのに十分な程度に抗原を変化させる。別な方法は、対応する天然がん抗原に対する、少なくとも85%であり99%までのアミノ酸配列同一性、少なくとも90%であり98%までの配列同一性、少なくとも93%であり98%までの配列同一性、または、少なくとも95%であり98%までの配列同一性を有する組換えがん抗原を作成することとし得る。いくつかの例において、上記組換えがん抗原は、相当する天然がん抗原に対する、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を有する。上記天然がん抗原は、特定のがんまたはがん腫瘍に通常に関与する抗原である。がん抗原によっては、該がん抗原のコンセンサス配列は哺乳類全体にわたる、または類の亜型内であり、またはウイルス株もしくは血清型全体にわたることができる。いくつかのがん抗原は、当該がん抗原のアミノ酸配列の野生型から大幅には変わらない。いくつかのがん抗原は、種間で大きく異なる核酸/アミノ酸配列を有するため、コンセンサス配列を生起させることができない。これらの例においては、許容範囲を超えて免疫応答を生起させることとなる組換えがん抗原は、該組換えがん抗原が、対応する天然がん抗原に対する、少なくとも85%であり99%までのアミノ酸配列同一性、少なくとも90%であり98%までの配列同一性、少なくとも93%であり98%までの配列同一性、少なくとも95%であり98%までの配列同一性を有する場合に生起される。いくつかの例において、上記組換えがん抗原は、対応する天然がん抗原に対する、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を有する。上述の取り組みは、最終的な組換えがん抗原が、上記で議論したような未変異がん抗原のアミノ酸配列に対するパーセントで表した類似性を有するように、組み合わせることができる。
【0026】
上記組換えがん抗原は、抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体の応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(tumor necrosis factor alpha)(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(regulatory T cell)(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができる。
【0027】
上記免疫原性組成物は、PD-1及びPDL-1などのチェックポイント阻害剤に対する抗体と更に組み合わせて、細胞性免疫応答及び体液性免疫応答の両方の刺激を増加させてもよい。抗PD-1または抗PDL-1抗体を用いることが、PD-1またはPDL-1がT細胞及び/またはB細胞の応答を抑制することを防止する。全体として、免疫系によって認識されるがん抗原を設計することが、がん細胞による他の形態の免疫抑制に打ち勝つことを助け、これらの免疫原性組成物は、(抗PD-1及び抗PDL-1抗体療法などの)抑制療法または阻害療法と組み合わせて用い、更にT細胞及び/またはB細胞応答を増加させることができる。
【0028】
1.定義
特に定義していない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書が優先となる。本発明の実施または試験において、本明細書中に記載されたものと同様または同等の方法及び材料を用いることはできるが、例示的な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及する全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の引用文献は、引用によりそれらの全体が組み入れられる。なお、本明細書で開示した材料、方法、及び実施例は単なる例示であり、限定することを意図していない。本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とするものであり、限定することを意図しない。
【0029】
本明細書で用いられる「を含む(comprise)(s)」、「を含む(include)(s)」、「を有する(having)」、「を有する(has)」、「できる(can)」、「を含む(contain)(s)」という用語、及びその変形は、付加的な行為あるいは構造の可能性を妨げない、制限しない移行句、用語、または単語であることを意図している。単数形である「a」、「and」、及び「the」は、文脈上例外が明記されていない限り、複数形の意味を持つこともある。本開示は、明示的に記載されているかどうかに関わらず、本明細書に示される実施形態または要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「から実質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態も企図する。
【0030】
本明細書中の数値範囲の記述について、同程度の精度でその間に入る各数が明示的に企図される。例えば、6~9という範囲の場合、6及び9に加えて7及び8という数が企図され、6.0~7.0という範囲の場合、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0という数が明示的に企図される。
【0031】
本明細書で用いられる「アジュバント」は、本明細書の以下に記載される核酸分子及びコード核酸配列によりコードされる抗原の免疫原性を高めるために本明細書に記載の免疫原性組成物に添加される任意の分子を意味する。
【0032】
本明細書で用いられる「抗体」は、クラスIgG、IgM、IgA、IgD、もしくはIgEの抗体、またはそのフラグメントもしくは誘導体(Fab、F(ab’)2、Fdを含む)、ならびにその一本鎖抗体、ダイアボディ、二重特異性抗体、二機能性抗体、及び誘導体を意味する。抗体は、哺乳動物の血清サンプルから単離された抗体、ポリクローナル抗体、親和性精製抗体、またはこれらの混合物のうち、所望のエピトープまたはそれに由来する配列に対する十分な結合特異性を示すものとすることができる。
【0033】
本明細書で用いられる「コード配列」または「コード化核酸」は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNAまたはDNA分子)を意味する。コード配列は、核酸の投与先である個体または哺乳動物の細胞中の発現を誘導できるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと機能的に連結した、開始及び終了シグナルを更に含むことができる。
【0034】
本明細書で用いられる「相補体」または「相補的」は、ある核酸が、ヌクレオチド間または核酸分子のヌクレオチド類似体間のワトソン・クリック(例えば、A-/U及びC-G)またはフーグスティーン型塩基対を表わすことができることを意味する。
【0035】
本明細書で用いられる「コンセンサス」または「コンセンサス配列」は、異なる生物由来の同一の遺伝子に関する、複数の配列のアライメント分析に基づくポリペプチド配列を意味する。コンセンサスポリペプチド配列をコードする核酸配列を調製することができる。コンセンサス配列を含むタンパク質及び/またはかかるタンパク質をコードする核酸分子を含む免疫原性組成物を用いて、抗原に対する幅広い免疫を誘導することができる。
本明細書で互換的に用いられる、「電気穿孔」、「電気透過処理」、「界面動電増強」(「EP」)は、生体膜に微細経路(細孔)を生じさせるための膜貫通電場パルスの使用を意味する。こうした微細経路の存在により、プラスミド、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬剤、イオン、及び水などの生体分子が、細胞膜の片側から他方の側に通過することが可能になる。
【0036】
本明細書において核酸配列に関して用いられる「フラグメント」は、本明細書記載の抗原と交差反応する哺乳類中における免疫応答を誘発することができるポリペプチドをコードする核酸配列、またはその一部を意味する。上記フラグメントは、以下に述べるタンパク質フラグメントをコードする種々のヌクレオチド配列の少なくとも1種より選択されるDNAフラグメントとすることができる。フラグメントは、以下に述べる核酸配列の1種または複数種の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、以下に述べる核酸配列の少なくとも1種の、少なくとも20のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも30のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも40のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも50のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも60のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも70のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも80のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも90のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも100のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも150のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも200のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも250のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも300のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも350のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも400のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも450のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも500のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも550のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも600のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも650のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも700のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも750のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも800のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも850のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも900のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも950のヌクレオチドまたはそれ以上、少なくとも1000のヌクレオチドまたはそれ以上を含むことができる。
【0037】
ポリペプチド配列に関して用いられる「フラグメント」または「免疫原性フラグメント」は、本明細書記載の抗原と交差反応する哺乳類中における免疫応答を誘発することができるポリペプチドを意味する。上記フラグメントは、以下の種々のアミノ酸配列の少なくとも1種より選択されるポリペプチドフラグメントとすることができる。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスタンパク質のフラグメントは、本明細書開示のタンパク質配列の、少なくとも20のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも30のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも40のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも50のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも60のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも70のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも80のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも90のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも100のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも110のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも120のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも130のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも140のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも150のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも160のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも170のアミノ酸またはそれ以上、少なくとも180のアミノ酸またはそれ以上を含むことができる。
【0038】
本明細書で用いられる用語「遺伝子コンストラクト」は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子またはRNA分子を指す。コード配列は、核酸分子の投与先である個体の細胞中の発現を誘導できるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと機能的に連結した、開始及び終了シグナルを含む。本明細書で用いられる「発現可能な形態」という用語は、個体の細胞中に存在しているときにコード配列が発現するように、タンパク質をコードするコード配列に機能的に連結している必要な調節要素を含んでいる遺伝子コンストラクトを指す。
【0039】
本明細書において用いられる用語「相同性」は、相補性の程度を指す。部分的な相同性または完全な相同性(すなわち、同一性)が存在し得る。完全に相補的な配列が標的核酸へハイブリダイズすることを少なくとも部分的に阻害する部分的に相補的な配列は、機能的用語「実質的に相同な」を用いて表される。cDNAまたはゲノムクローンなどの二本鎖核酸配列に関して用いられる場合、本明細書において用いられる用語「実質的に相同な」とは、低ストリンジェンシー条件下で二本鎖核酸配列の鎖へハイブリダイズすることができるプローブを指す。一本鎖核酸配列に関して用いられる場合、本明細書において用いられる用語「実質的に相同な」とは、低ストリンジェンシー条件下で一本鎖核酸テンプレート配列へハイブリダイズすることができる(すなわち、該配列の補体である)プローブを指す。
【0040】
本明細書において、2以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈で用いられる「同一」または「同一性」は、当該配列が指定領域にわたって指定の割合の同一残基を有することを意味する。この割合を計算するには、2の配列を最適に整列させ、指定領域にわたって2の配列を比較し、両配列の同一残基が発生する位置の数を確定して一致位置の数を得て、一致位置の数を指定領域の総位置数で割り、計算結果に100を掛けることにより、配列同一性のパーセント値を得ることができる。2の配列の長さが異なるか、アライメントにより1または複数の付着末端が生じ、指定の比較領域に単一配列のみが含まれる場合には、単一配列の残基を計算の分母に含めるが、分子には含めない。DNAとRNAを比較する場合には、チミン(T)とウラシル(U)を同等と見なすことができる。同一性の計算は、手動で行なう、またはBLAST、BLAST 2.0等のコンピューター配列アルゴリズムを使用して行うことができる。
【0041】
本明細書で用いられる「免疫応答」は、抗原の導入に応答して、宿主の免疫系、例えば哺乳動物の免疫系が活性化することを意味する。この免疫応答は、細胞性もしくは体液性の形態、またはその両方とすることができる。
【0042】
本明細書で用いられる「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、互いに共有結合している少なくとも2のヌクレオチドを意味する。一本鎖を表現することにより、相補鎖の配列も定義される。従って、核酸は、表現される一本鎖の相補鎖も包含する。ある核酸の多くの変異体を、所与の核酸として同一目的で使用できる。従って、核酸は、実質的に同一の核酸及びその相補体も包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列とハイブリダイズできるプローブを提供する。従って、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。
【0043】
核酸は一本鎖または二本鎖とすることができ、二本鎖と一本鎖の両方の配列の一部分を含むこともできる。核酸は、DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、またはハイブリッドとすることができ、核酸はデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの組み合わせを含むことができ、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、及びイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含むことができる。核酸は、化学合成法または組換え法により取得できる。
【0044】
本明細書で用いられる「機能的に連結」は、遺伝子と空間的に接続しているプロモーターの制御下で遺伝子が発現することを意味する。プロモーターは、その制御下にある遺伝子の5’(上流)または3’(下流)に位置できる。プロモーターと遺伝子の間の距離は、プロモーターの派生元遺伝子において当該プロモーターが制御する遺伝子とプロモーターの間の距離とほぼ同一とすることができる。当技術分野で知られているように、プロモーター機能を失うことなく、この距離の変化に適応することができる。
【0045】
本明細書で用いられる「ペプチド」、「タンパク質」、または「ポリペプチド」は、アミノ酸の結合配列を意味することができ、天然、合成、または、天然及び合成の修飾あるいはその組み合わせとすることができる。
【0046】
本明細書で用いられる「プロモーター」は、核酸の細胞中発現を授与、活性化、または増強することのできる合成分子または天然由来分子を意味する。プロモーターは、発現を更に増強し、且つ/または空間的発現及び/またはその一時的発現を改変する目的で、1または複数の特定の転写調節配列を含むことができる。プロモーターは遠位のエンハンサーエレメントまたは抑制エレメントを含むこともでき、このエンハンサーエレメントまたは抑制エレメントは、転写開始部位から数千塩基対も離れた場所に位置できる。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む源に由来することができる。プロモーターは、発現が発生する細胞、組織、もしくは臓器に関して、もしくは発現が生じる発生段階に関して、恒常的もしくは差次的に遺伝子成分の発現を調節でき、または、例えば生理的ストレス、病原体、金属イオン、誘発剤等の外部刺激に応答して遺伝子成分の発現を調節できる。プロモーターの代表例として、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレータープロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-TRプロモーター、CMVIEプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。
【0047】
「シグナルペプチド」及び「リーダー配列」は、本明細書で互換的に用いられ、本明細書に記載のタンパク質のアミノ末端に結合することができるアミノ酸配列を指す。一般に、シグナルペプチド/リーダー配列は、タンパク質の局在化を指示する。本明細書で使用するシグナルペプチド/リーダー配列は、タンパク質を産生する細胞からタンパク質を分泌し易くすることができる。シグナルペプチド/リーダー配列は、細胞からの分泌時に、タンパク質(しばしば成熟タンパク質と呼ばれる)の残余から切断されることが多い。シグナルペプチド/リーダー配列は、タンパク質のアミノ末端(すなわち、N末端)に結合する。
【0048】
本明細書で用いられる、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、例えば核酸の複合混合物において、第1の核酸配列(例えばプローブ)が第2の核酸配列(例えば標的)とハイブリダイズする際の条件を意味する。ストリンジェントな条件は配列に依存するため、状況によって異なる。ストリンジェントな条件は、所定のイオン強度pHにおける特定の配列に対する融点(Tm)より約5~10℃低くなるように選択することができる。Tmは、(規定のイオン強度、pH、及び核酸濃度下で)標的に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度とすることができる(標的配列は過剰に存在するので、Tmにおいて、プローブの50%が平衡状態で占有される)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0~8.3において約1.0M未満のナトリウムイオン、例えば約0.01~1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば10~50ヌクレオチド)では最低約30℃、長いプローブ(例えば約50ヌクレオチド超)では最低約60℃とすることができる。ストリンジェントな条件は、ホルムアミド等の不安定化剤の添加によって達成することもできる。選択的または特異的ハイブリダイゼーションの場合、陽性シグナルはバックグラウンドハイブリダイゼーションの少なくとも2~10倍とすることができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件例には、以下の条件が含まれる:50%ホルムアミド、5倍SSC、及び1%SDS、42℃でのインキュベート。または、5倍SSC、1%SDS、65℃でのインキュベート、0.2倍SSC、0.1%SDS中65℃での洗浄。
【0049】
本明細書で用いられる「対象」は、本明細書に記載の免疫原性組成物で免疫を得ることを望むかまたは必要とする哺乳類を意味する。哺乳類は、ヒト、チンパンジー、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、マウス、またはラットとすることができる。
【0050】
本明細書で用いられる、「実質的に相補的」は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540個、またはそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸の領域にわたって、第1の配列が第2の配列の相補体と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であること、あるいは、2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
【0051】
本明細書で用いられる、「実質的に同一」は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540個またはそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸の領域にわたって、第1の配列と第2の配列が少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であること、あるいは、核酸に関して、第1の配列が第2の配列の相補体と実質的に相補的である場合を意味する。
【0052】
本明細書で用いられる、「治療」または「治療する」は、疾患を予防するか、抑制するか、抑圧するかまたは完全に除去することで動物を疾患から防御することを意味することができる。疾患を予防することは、その疾患の発症前に動物に本発明の免疫原性組成物を投与することを含む。疾患を抑制することは、その疾患の誘導後でその疾患の臨床的出現前に、動物に本発明の免疫原性組成物を投与することを含む。疾患を抑圧することは、その疾患の臨床的出現後に、動物に本発明の免疫原性組成物を投与することを含む。
【0053】
核酸に関して本明細書で用いられる、「変異体」は、(i)基準ヌクレオチド配列の一部分もしくはフラグメント;(ii)基準ヌクレオチド配列もしくはその一部分の相補体;(iii)基準核酸もしくはその相補体と実質的に同一の核酸;または(iv)ストリンジェントな条件下で、基準核酸、その相補体、もしくはその実質的に同一の配列とハイブリダイズする核酸を意味する。
【0054】
ペプチドまたはポリペプチドに関して用いられる、「変異体」は、アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によりアミノ酸配列が異なっているが、少なくとも1つの生物活性を保持しているものである。また、変異体は、基準タンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、少なくとも1つの生物活性を保持するアミノ酸配列を有するタンパク質も意味することができる。アミノ酸の保存的置換、すなわち、あるアミノ酸を類似特性(例えば、荷電領域の親水性、程度、及び分布)の別のアミノ酸に置換することは、当技術分野では、通常は軽微な変化を伴うものと認識されている。こうした軽微な変化は、当技術分野で理解されているように、アミノ酸の疎水性親水性指標(hydropathic index)を検討することにより部分的に特定できる。Kyteら、J.Mol.Biol.157:105~132(1982)。アミノ酸の疎水性親水性指標は、その疎水性と電荷の考察に基づく。類似の疎水性親水性指標を有するアミノ酸は置換可能であり、その後もタンパク質機能を維持することが当技術分野において公知である。一態様において、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性を用いて、生物機能を保持したタンパク質となる置換を明らかにすることもできる。ペプチドに関連してアミノ酸の親水性を検討することにより、そのペプチドの局所的な最大平均親水性を計算でき、抗原性及び免疫原性とよく相関すると報告されている有用な尺度となる。米国特許第4,554,101号(この文献は、参照により全体が本明細書に組み入れられる)。当技術分野で理解されているように、類似の親水性値を有するアミノ酸を置換すると、例えば免疫原性等の生物活性を保持したペプチドが得られる。親水性値が互いに±2以内のアミノ酸を用いて、置換を実施できる。アミノ酸の疎水性指標及び親水性値の両方とも、そのアミノ酸の特定の側鎖の影響を受ける。こうした知見と一致して、生物機能に適合するアミノ酸置換とは、アミノ酸の相対的類似性、特に当該アミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存するものと理解されており、この相対的類似性は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、その他の特性により明らかになる。
【0055】
変異体は、完全遺伝子配列またはそのフラグメントの全長にわたって実質的に同一な核酸配列であってもよい。核酸配列は、遺伝子配列またはそのフラグメントの全長にわたって80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であってもよい。変異体は、アミノ酸配列またはそのフラグメントの全長にわたって実質的に同一なアミノ酸配列であってもよい。アミノ酸配列は、アミノ酸配列またはそのフラグメントの全長にわたって80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であってもよい。
【0056】
本明細書で用いられる、「ベクター」は、複製起点を含む核酸配列を意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、または酵母人工染色体とすることができる。ベクターは、DNAベクターまたはRNAベクターとすることができる。ベクターは、自己複製過剰染色体ベクター、及び一実施形態では、発現プラスミドである。ベクターは、1種または複数種の非相同核酸配列を含有するまたは包含することができる。
【0057】
2.合成コンセンサスTERT
本発明は、TERT抗原の最適化コンセンサス配列を提供する。一実施形態では、最適化コンセンサス配列によってコードされた抗原は、哺乳動物に免疫応答を誘導することができる。一実施形態では、最適化コンセンサス配列によってコードされた抗原は、抗原を免疫応答を誘導することができる免疫源として特に有効なものとするエピトープ(複数可)を含むことができる。
【0058】
最適化コンセンサス配列は、2以上の天然のTERT抗原に由来するコンセンサス配列とすることができる。最適化コンセンサス配列は、コンセンサス配列及び/または発現を向上させるための改変を有することができる。改変には、コドン最適化、RNA最適化、翻訳開始効率を高めるためのコザック配列の付加、及び/または免疫原性を高めるための免疫グロブリンリーダー配列の付加が挙げられる。最適化コンセンサス配列によってコードされるTERT抗原は、例えば、限定されるものではないが、免疫グロブリンE(IgE)または免疫グロブリン(IgG)シグナルペプチドを含む免疫グロブリンシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、最適化コンセンサス配列によってコードされる抗原は、ヘマグルチニン(HA)タグを有することができる。最適化コンセンサス配列によってコードされるTERT抗原は、対応する天然抗原よりも強い細胞性及び/または体液性免疫応答を誘発するように設計することができる。最適化コンセンサス配列によってコードされるTERT抗原は、寛容を破綻させ、抗がん免疫療法と相乗作用を示すように設計することができる。
【0059】
一実施形態では、最適化コンセンサスTERTは、天然のヒトTERTに対する寛容を破綻させるように設計される。一実施形態では、ヒト最適化コンセンサスTERTをコードする配列は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載されるものである。一実施形態では、ヒト最適化コンセンサスTERTによってコードされる抗原は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列を有する。
【0060】
一実施形態では、最適化コンセンサスTERTは、天然のマウスTERTに対する寛容を破綻させるように設計される。一実施形態では、マウス最適化コンセンサスTERTをコードする配列は、配列番号49、または配列番号51に記載されるものである。一実施形態では、マウス最適化コンセンサスTERTによってコードされる抗原は、配列番号50、または配列番号52に記載されるアミノ酸配列を有する。
【0061】
一実施形態では、最適化コンセンサスTERTは、天然のアカゲザルTERTに対する寛容を破綻させるように設計される。一実施形態では、アカゲザル最適化コンセンサスTERTをコードする配列は、配列番号53、または配列番号55に記載されるものである。一実施形態では、マウス最適化コンセンサスTERTによってコードされる抗原は、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列を有する。
【0062】
一実施形態では、最適化コンセンサスによりコードされたTERT抗原は、1つ以上の調節エレメントと機能的に連結される。一実施形態では、調節エレメントは、リーダー配列である。一実施形態では、IgEのリーダーをコードする配列と機能的に連結された最適化コンセンサスDNA配列は、配列番号45、配列番号49、及び配列番号53に記載されるものである。一実施形態では、IgEのリーダー配列と機能的に連結された、最適化コンセンサスによりコードされたTERT抗原は、配列番号46、配列番号50、及び配列番号54に記載されるものである。
【0063】
一実施形態では、調節エレメントは、開始コドンである。したがって、一実施形態では、本発明は、5’末端に開始コドンを有するヌクレオチド配列と機能的に連結された、配列番号47、配列番号51、配列番号55に記載される核酸配列、またはそれらのフラグメントもしくはホモログに関する。一実施形態では、本発明は、N末端の開始コドンによってコードされたアミノ酸(例えばメチオニン)と機能的に連結された、配列番号48、配列番号52、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列、またはそれらのフラグメントもしくはホモログに関する。
【0064】
一実施形態では、調節エレメントは、少なくとも1つの終止コドンである。したがって、一実施形態では、本発明は、3’末端に少なくとも1つの終止コドンを有するヌクレオチド配列と機能的に連結された、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載される核酸配列、またはそれらのフラグメントもしくはホモログに関する。一実施形態では、ヌクレオチド配列は、翻訳停止の効率を高めるために2個の終止コドンと機能的に連結される。
【0065】
一実施形態では、TERT抗原をコードする最適化コンセンサス配列は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列を有するペプチドをコードすることができる。一実施形態では、最適化コンセンサス配列は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載されるヌクレオチド配列を有することができる。いくつかの実施形態では、配列は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載されるヌクレオチド配列の全長にわたって少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するヌクレオチド配列とすることができる。他の実施形態では、配列は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列とすることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、最適化コンセンサスTERT抗原は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載される核酸配列の全長にわたって少なくとも約96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するDNA配列からの転写産物であるRNAによってコードされてもよい。いくつかの実施形態では、最適化コンセンサスTERT抗原は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも約96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードするRNAによってコードされてもよい。
【0067】
最適化コンセンサスコードTERT抗原は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号8に記載されるアミノ酸配列を有するペプチドとすることができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有することができる。
【0068】
配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56と95%相同なタンパク質の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、免疫原性フラグメントは、リーダー配列を含まない。
【0069】
一実施形態では、最適化コンセンサスTERT抗原の免疫原性フラグメントは、完全長の最適化コンセンサスTERT抗原の少なくとも1つの免疫優性またはサブ免疫優性エピトープをコードする最適化コンセンサスTERT抗原をコードする。
【0070】
いくつかの実施形態は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55の完全長の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含む、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55の免疫原性フラグメントに関する。免疫原性フラグメントは、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントと少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。いくつかの実施形態では、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0071】
3.免疫原性組成物
一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、合成コンセンサスTERT抗原、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。一実施形態では、TERT抗原は、ヒトTERT抗原(hTERT)である。hTERTは、テロメアの末端のTTAGGGタグを合成して染色体の短縮による細胞死を防止するヒトテロメラーゼ逆転写酵素である。過増殖細胞は、hTERTの異常に高い発現を示す場合がある。hTERTの異常発現は、HCV及びHPVに感染した過増殖細胞でも生じる場合がある。したがって、HPV及びHCVに対する免疫療法は、異常なレベルでhTERTを発現する細胞を標的化することによって向上させることができる。HPV及びHCV抗原については、下記により詳しく述べる。一態様では、hTERTがん抗原は、その全容を参照により援用する2013年12月23日出願の米国特許出願第14/139,660号によって更に定義することができる。
【0072】
一実施形態では、TERT抗原は、非ヒトTERT抗原である。非ヒトTERT抗原としては、限定されるものではないが、マウスTERT(mTERT)及びアカゲザルTERT(rhTERT)が挙げられる。
【0073】
TERT遺伝子をトランスフェクトした樹状細胞でTERTを発現させることで、抗原特異的にCD8+細胞傷害性T細胞を誘導し、CD4+T細胞を誘発することができる。したがって、老化を遅らせ、抗原提示細胞(APC)が選択された抗原を提示する能力を持続させるための抗原提示細胞(APC)内でのhTERTの発現の利用を、例えば本明細書に述べられる方法のような免疫療法で用いることができる。
【0074】
TERT抗原は、限定されるものではないが、悪性黒色腫、前立腺癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、肛門癌、頭頸部癌、及び血液癌を含む任意の数のがんと関連付ける、またはこれらのがんにより発現させることができる。したがって、本明細書に述べられるTERT抗原を含む場合には、かかるワクチンを、限定されるものではないが、悪性黒色腫、前立腺癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、肛門癌、頭頸部癌、及び血液癌を含む任意の数のがんを罹患した対象を治療するために使用することができる。
【0075】
TERT抗原は、抗原特異的T細胞及び/または高力価の抗体反応を誘導することにより、抗原を発現するがんまたは腫瘍を標的とした、または抗原を発現するがんまたは腫瘍に対する反応性を有する免疫応答を誘導または誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、細胞性、体液性、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であってよい。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、インターフェロン-γ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子α(TNF-α)の誘導または分泌を含み得る。他の実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、限定されるものではないが、例えば、MHCの提示をダウンレギュレートする因子、抗原特異的調節性T細胞(Treg)をアップレギュレートする因子、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン類、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連線維芽細胞、免疫抑制細胞が産生する可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び下記により詳しく述べる免疫チェックポイント分子などの抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種類以上の免疫抑制因子を低減または阻害することができる。
【0076】
TERT抗原は、それに対する抗TERT免疫応答を誘導することができる免疫原としてTERT抗原を特に効果的なものとするタンパク質エピトープを含み得る。TERT抗原は、完全長の翻訳産物、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせを含み得る。TERT抗原は、コンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0077】
TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸配列を、コドンの使用及び対応するRNA転写産物に関して最適化することができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、発現についてコドン及びRNA最適化することができる。いくつかの実施形態では、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を高めるためのコザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、翻訳停止の効率を高めるための複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0078】
TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、免疫グロブリンE(IgE)のリーダー配列をコードしてもよい。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がTERT抗原またはコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列とペプチド結合によってそれぞれ連結されるようにIgEリーダー配列を更にコードすることができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードしたヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチドを含まない、または有さない。
【0079】
いくつかの実施形態では、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、異種核酸配列であってよく、かつ/または1以上の異種核酸配列を有することができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸または残基が別のアミノ酸または残基にそれぞれ置き換えられる、すなわち置換されるように野生型TERT抗原に対して変異させることができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸を、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列中の1以上の残基が別の残基にそれぞれ置き換えられる、すなわち置換されるように野生型TERT抗原に対して変異させることにより、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原、またはそれらの組み合わせが投与される哺乳動物において免疫系をTERTに対して寛容でなくすことができる。TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原をコードする核酸は、TERT抗原またはコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列中のアルギニン589、アスパラギン酸1005、またはアルギニン589及びアスパラギン酸1005の両方がチロシン残基に置き換えられる、すなわち置換されるように野生型TERT抗原に対して変異させることができる。
【0080】
一態様では、TERT抗原は、それぞれ配列番号24及び配列番号58のアミノ酸配列をコードする配列番号23または配列番号57の核酸配列であってよい。配列番号23及び配列番号57は、IgEリーダー配列に連結されたTERT抗原をコードする。一実施形態では、TERT抗原は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、TERT抗原は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、TERT抗原は、配列番号23または配列番号57に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、TERT抗原は、配列番号24または配列番号58に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。TERT抗原は、配列番号24または配列番号58に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0082】
いくつかの実施形態は、TERT抗原と相同なタンパク質、TERT抗原の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。配列と95%以下の相同性、配列と96%以下の相同性、配列と97%以下の相同性、配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0083】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0084】
いくつかの実施形態は、完全長のTERT抗原と特定の同一性(%)を有するタンパク質、TERT抗原の免疫原性フラグメント、及びTERT抗原と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のTERT配列と80%以下の同一性、完全長のTERT配列と85%以下の同一性、完全長のTERT配列と90%以下の同一性、完全長のTERT配列と91%以下の同一性、完全長のTERT配列と92%以下の同一性、完全長のTERT配列と93%以下の同一性、完全長のTERT配列と94%以下の同一性、完全長のTERT配列と95%以下の同一性、完全長のTERT配列と96%以下の同一性、完全長のTERT配列と97%以下の同一性、完全長のTERT配列と98%以下の同一性、及び完全長のTERT配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるTERT抗原と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0085】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0086】
いくつかの実施形態は、配列番号23または配列番号57のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号23または配列番号57の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号23または配列番号57のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号23または配列番号57のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0087】
更に、TERT抗原のアミノ酸配列は、配列番号24または配列番号58である。IgEリーダーに連結されたTERT抗原のアミノ酸配列は、配列番号24または配列番号58である。IgEリーダーに連結されたTERT抗原のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載されるタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載されるタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載されるタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載されるタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載されるタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0089】
いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号24または配列番号58に記載される完全長のアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0090】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。タンパク質のフラグメントは、タンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号24または配列番号58の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号24または配列番号58の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0091】
配列番号24または配列番号58の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号18と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0092】
配列番号24または配列番号58の免疫原性フラグメントと同一なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号24または配列番号58に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0093】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0094】
配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、30個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、45個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、60個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、75個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、90個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、120個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、150個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、180個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、210個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、240個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、270個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、360個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、420個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、480個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、540個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、600個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、660個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、720個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、780個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、840個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、900個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、960個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1020個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1080個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1140個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1200個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1260個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1320個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1380個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1440個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1500個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1560個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1620個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1680個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1740個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1800個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1860個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1920個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1980個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2040個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2100個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2160個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2220個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2280個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2340個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2400個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2460個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2520個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2580個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2640個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2700個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2760個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2820個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2880個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2940個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3000個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3060個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3120個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3180個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3240個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3
360個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3420個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3480個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号23または配列番号57のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。
【0095】
フラグメントは、60個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、75個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、90個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、120個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、150個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、180個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、210個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、240個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、300個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、420個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、480個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、600個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、660個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、780個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、840個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、900個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、960個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1020個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1080個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1140個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1200個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1260個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1320個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1380個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1440個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1500個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1560個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1620個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1680個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1740個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1800個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1860個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1920個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1980個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2040個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2100個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2160個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2220個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2280個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2340個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2400個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2460個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2520個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2580個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2640個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2700個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2760個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2820個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2860個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2940個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3000個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3060個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3120個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3180個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3240個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3300個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3360個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3420個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3480個よりも少ないヌクレオチド、及び、いくつかの実施形態では、3510個よりも少ないヌクレオチドを含むことができる。
【0096】
配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、15個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、18個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、21個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、24個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、30個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、36個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、42個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、48個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、54個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、60個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、66個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、72個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、90個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、120個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、150個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、180個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、210個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、240個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、270個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、330個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、360個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、390個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、420個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、450個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、480個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、510個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、540個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、570個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、600個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、630個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、660個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、690個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、720個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、750個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、780個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、810個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、840個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、870個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、900個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、930個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、960個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、990個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1020個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1050個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1080個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1110個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1140個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1170個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1200個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1230個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1260個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1290個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1320個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1350個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1380個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1410個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1440個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1470個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1500個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号58のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。
【0097】
フラグメントは、24個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、30個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、36個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、42個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、48個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、54個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、60個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、72個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、90個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、120個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、150個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、180個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、210個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、240個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、260個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、290個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、320個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、350個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、380個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、410個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、440個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、470個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、500個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、530個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、560個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、590個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、620個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、650個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、680個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、710個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、740個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、770個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、800個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、830個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、860個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、890個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、920個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、950個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、980個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1010個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1040個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1070個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1200個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1230個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1260個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1290個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1320個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1350個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1380個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1410個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1440個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1470個よりも少ないアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、1500個よりも少ないアミノ酸を含むことができる。
【0098】
一実施形態では、TERT抗原は、合成コンセンサスTERT抗原である。特定の実施形態では、合成コンセンサスTERTは、天然のTERT抗原に対して、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、15個以上、20個以上、30個以上、または50個以上のアミノ酸変異を有する。
【0099】
一実施形態では、コンセンサスhTERT抗原は、配列番号46のアミノ酸配列をコードする配列番号45の核酸配列であってよい。配列番号45は、IgEリーダー配列に連結されたコンセンサスhTERT抗原をコードする。コンセンサスhTERT抗原は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスhTERT抗原は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。一実施形態では、コンセンサスhTERT抗原は、配列番号48のアミノ酸配列をコードする配列番号47の核酸配列であってよい。配列番号47は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されないコンセンサスhTERT抗原をコードする。
【0100】
一実施形態では、コンセンサスmTERT抗原は、配列番号50のアミノ酸配列をコードする配列番号49の核酸配列であってよい。配列番号49は、IgEリーダー配列に連結されたコンセンサスmTERT抗原をコードする。コンセンサスmTERT抗原は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスmTERT抗原は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。一実施形態では、コンセンサスmTERT抗原は、配列番号52のアミノ酸配列をコードする配列番号51の核酸配列であってよい。配列番号51は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されないコンセンサスmTERT抗原をコードする。
【0101】
一実施形態では、コンセンサスrhTERT抗原は、配列番号54のアミノ酸配列をコードする配列番号53の核酸配列であってよい。配列番号53は、IgEリーダー配列に連結されたコンセンサスrhTERT抗原をコードする。コンセンサスrhTERT抗原は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスrhTERT抗原は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。一実施形態では、コンセンサスrhTERT抗原は、配列番号56のアミノ酸配列をコードする配列番号55の核酸配列であってよい。配列番号55は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されないコンセンサスrhTERT抗原をコードする。
【0102】
いくつかの実施形態では、コンセンサスTERT抗原は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55に記載される核酸配列の全長にわたって少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスTERT抗原は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスTERT抗原は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0103】
いくつかの実施形態は、コンセンサスTERT抗原と相同なタンパク質、コンセンサスTERT抗原の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。配列と95%以下の相同性、配列と96%以下の相同性、配列と97%以下の相同性、配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0104】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0105】
いくつかの実施形態は、完全長のコンセンサスTERT抗原と特定の同一性(%)を有するタンパク質、コンセンサスTERT抗原の免疫原性フラグメント、及びコンセンサスTERT抗原と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のコンセンサスTERT配列と80%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と85%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と90%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と91%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と92%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と93%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と94%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と95%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と96%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と97%以下の同一性、完全長のコンセンサスTERT配列と98%以下の同一性、及び完全長のコンセンサスTERT配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるコンセンサスTERT抗原と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0106】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0107】
いくつかの実施形態は、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントと、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0108】
更に、一実施形態では、コンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスTERT抗原のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46に記載されるタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0110】
いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56と同一なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載される完全長のアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0111】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。タンパク質のフラグメントは、タンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0112】
配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0113】
配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0114】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0115】
配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、30個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、45個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、60個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、75個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、90個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、120個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、150個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、180個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、210個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、240個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、270個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、360個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、420個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、480個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、540個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、600個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、660個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、720個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、780個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、840個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、900個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、960個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1020個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1080個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1140個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1200個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1260個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1320個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1380個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1440個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1500個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1560個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1620個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1680個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1740個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1800個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1860個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1920個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、1980個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2040個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2100個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2160個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2220個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2280個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2340個以上のヌクレオチドを
含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2400個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2460個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2520個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2580個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2640個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2700個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2760個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2820個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2880個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、2940個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3000個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3060個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3120個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3180個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3240個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3300個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3360個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3420個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、3480個以上のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、または配列番号55のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。
【0116】
フラグメントは、60個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、75個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、90個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、120個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、150個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、180個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、210個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、240個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、300個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、420個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、480個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、600個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、660個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、780個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、840個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、900個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、960個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1020個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1080個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1140個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1200個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1260個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1320個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1380個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1440個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1500個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1560個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1620個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1680個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1740個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1800個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1860個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1920個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、1980個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2040個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2100個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2160個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2220個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2280個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2340個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2400個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2460個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2520個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2580個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2640個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2700個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2760個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2820個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2860個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、2940個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3000個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3060個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3120個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3180個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3240個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3300個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3360個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3420個よりも少ないヌクレオチド、いくつかの実施形態では、3480個よりも少ないヌクレオチド、及び、いくつかの実施形態では、3510個よりも少ないヌクレオチドを含むことができる。
【0117】
配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、15個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、18個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、21個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、24個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、30個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、36個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、42個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、48個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、54個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、60個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、66個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、72個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、90個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、120個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、150個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、180個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、210個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、240個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、270個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、300個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、330個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、360個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、390個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、420個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、450個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、480個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、510個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、540個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、570個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、600個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、630個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、660個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、690個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、720個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、750個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、780個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、810個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、840個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、870個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、900個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、930個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、960個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、990個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1020個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1050個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1080個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1110個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1140個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1170個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番
号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1200個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1230個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1260個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1290個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1320個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1350個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1380個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1410個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1440個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1470個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、免疫優性エピトープを含む配列を含む、1500個以上のアミノ酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、または配列番号56のフラグメントは、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。
【0118】
フラグメントは、24個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、30個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、36個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、42個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、48個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、54個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、60個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、72個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、90個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、120個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、150個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、180個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、210個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、240個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、260個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、290個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、320個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、350個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、380個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、410個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、440個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、470個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、500個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、530個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、560個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、590個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、620個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、650個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、680個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、710個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、740個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、770個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、800個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、830個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、860個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、890個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、920個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、950個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、980個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1010個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1040個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1070個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1200個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1230個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1260個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1290個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1320個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1350個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1380個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1410個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1440個よりも少ないアミノ酸、いくつかの実施形態では、1470個よりも少ないアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、1500個よりも少ないアミノ酸を含むことができる。
【0119】
本発明は抗がん免疫原性組成物に関する。該免疫原性組成物は1種または複数種のがん抗原を含むことができる。該免疫原性組成物は腫瘍の増殖を防止することができる。該免疫原性組成物は腫瘍の増殖を低減することができる。該免疫原性組成物は腫瘍細胞の転移を防止することができる。上記がん抗原に応じて、該免疫原性組成物は、限定されるものではないが、肝癌、前立腺癌、メラノーマ、血液癌、頭頚部癌、膠芽腫、再発性呼吸器乳頭腫症、肛門癌、子宮頸癌及び脳癌を治療することを対象とすることができる。
【0120】
上記免疫原性組成物の開発における第一歩は、免疫系によって認識されず、自己抗原であるがん抗原を特定することである。特定されたがん抗原を、免疫系によって認識されるようにするために、自己抗原から外来抗原へと変化させる。組換えがん抗原の核酸及びアミノ酸配列の、自己抗原から外来抗原への再設計は、免疫系による抗原の許容範囲を超える。許容範囲を超えるために、下記に記載するようないくつかの再設計手段をがん抗原に対して適用することができる。
【0121】
上記免疫原性組成物の組換えがん抗原は自己抗原とは認識されず、従って許容範囲を超える。許容範囲の逸脱は、抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体の応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができる。
【0122】
特定の実施形態において、上記免疫原性組成物は、以下を誘導することにより、腫瘍排除を媒介するまたは腫瘍細胞の増殖を防止することができる。すなわち、(1)単球走化性タンパク質-1(monocyte chemoattractant protein-1)(MCP-1)の生成を阻止し、それによって骨髄系由来サプレッサー細胞(myeloid derived suppressor cell)(MDSC)を阻害し、腫瘍の増殖を抑制する抗体を生成するためのB細胞応答を介する体液性免疫応答、(2)腫瘍細胞を攻撃し、死滅させるためのCD8+などの細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte)(CTL)の増加、(3)ヘルパーT細胞応答の増加、及び(4)IFN-γ及びTFN-αを介した炎症性反応の増加、あるいは、上記項目の組み合わせである。上記免疫原性組成物は、無腫瘍生存率を30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、及び45%増加させることができる。上記免疫原性組成物は、腫瘍の大きさを免疫化後に30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、及び60%低減することができる。上記免疫原性組成物は、単球走化性タンパク質-1(MCP―1)、骨髄系由来サプレッサー細胞によって分泌されるサイトカインの増加を防止及び阻止することができる。上記免疫原性組成物は、腫瘍生存率を30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、及び60%増加させることができる。
【0123】
上記免疫原性組成物は、該免疫原性組成物を投与した対象における細胞性免疫応答を、該免疫原性組成物を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、上記免疫原性組成物は、該免疫原性組成物を投与した対象における細胞性免疫応答を、該免疫原性組成物を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0124】
上記免疫原性組成物は、該免疫原性組成物を投与した対象におけるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)濃度を、該免疫原性組成物を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、上記免疫原性組成物は、該免疫原性組成物を投与した対象におけるIFN-γ濃度を、該免疫原性組成物を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0125】
上記免疫原性組成物は核酸ワクチンとすることができる。一実施形態では、核酸ワクチンはDNAワクチンである。DNAワクチンは、米国特許第5,593,972号、第5,739,118号、第5,817,637号、第5,830,876号、第5,962,428号、第5,981,505号、第5,580,859号、第5,703,055号、及び第5,676,594号に開示され、これらは参照により全体が本明細書に組み入れられる。上記DNAワクチンは、該ワクチンが染色体に組み込まれることを阻害する要素または反応剤を更に含むことができる。
【0126】
上記免疫原性組成物はRNAワクチンとすることができる。該RNAワクチンは細胞中に導入することができる。RNAワクチンはRNAワクチンが染色体に組み込まれることを阻害する要素または反応剤を更に含むことができる。
【0127】
上記免疫原性組成物は、限定されないが、例えば、米国特許第4,510,245号、第4,797,368号、第4,722,848号、第4,790,987号、第4,920,209号、第5,017,487号、第5,077,044号、第5,110,587号、第5,112,749号、第5,174,993号、第5,223,424号、第5,225,336号、第5,240,703号、第5,242,829号、第5,294,441号、第5,294,548号、第5,310,668号、第5,387,744号、第5,389,368号、第5,424,065号、第5,451,499号、第5,453,364号、第5,462,734号、第5,470,734号、第5,474,935号、第5,482,713号、第5,591,439号、第5,643,579号、第5,650,309号、第5,698,202号、第5,955,088号、第6,034,298号、第6,042,836号、第6,156,319号及び第6,589,529号に記載されるワクチンなどの、弱毒生ワクチン、抗原を送達するための組換えベクターを用いたワクチン、サブユニットワクチン、及び糖タンパク質ワクチンとすることができ、上記特許はそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
【0128】
本発明の免疫原性組成物は、当該ワクチン自体が疾病や死を引き起こすことのないように安全であること;疾病に対して防御するものであること;中和抗体を誘導すること;T細胞の防御応答を誘導すること;ならびに投与が容易であり、副作用が少なく、生物学的に安定であり、及び用量当たりのコストが低いことなどの、有効なワクチンに求められる特徴を有することができる。上記免疫原性組成物は、以下に議論するがん抗原を含有することにより、これらの特徴のいくつかまたは全てを達成することができる。
【0129】
より詳細に後述するように、上記免疫原性組成物は、1種または複数種の免疫チェックポイント分子の1種または複数種の阻害剤(すなわち、免疫チェックポイント阻害剤)を更に含むことができる。免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。免疫チェックポイント阻害剤は、MHCクラスによる提示、T細胞による提示及び/もしくはその分化、B細胞による提示及び/もしくはその分化、任意のサイトカイン、ケモカインまたは免疫細胞の増殖及び/もしくは分化のための信号伝達などの免疫系における任意の要素の抑制を防止する、任意の核酸またはタンパク質である。これもより詳細に後述するように、上記免疫原性組成物は、PD-1、PDL-1、CTLA4、TIM3及び/またはLAG3などのチェックポイント阻害剤に対する抗体と更に組み合わせて、細胞性免疫応答及び体液性免疫応答の両方の刺激を増加させてもよい。免疫チェックポイントタンパク質を標的とした抗体を使用することで、免疫チェックポイントタンパク質がT細胞及び/またはB細胞の応答を抑制することが防止される。
【0130】
免疫原性組成物は、抗原、またはそのフラグメントもしくは変異体も含むことができる。抗原は、対象に免疫応答を誘導するものであればなんでもよい。抗原は、核酸配列、アミノ酸配列、またはこれらの組み合わせであってよい。核酸配列は、DNA、RNA、cDNA、これらの変異体、これらのフラグメント、またはこれらの組み合わせとすることができる。核酸は、ペプチド結合によって抗原に連結されたリンカーまたはタグ配列をコードする更なる配列も含むことができる。アミノ酸配列は、タンパク質、ペプチド、これらの変異体、これらのフラグメント、またはこれらの組み合わせとすることができる。
【0131】
抗原は、例えば、ウイルス、寄生虫、細菌、真菌、または哺乳動物などの任意の数の生物に由来するタンパク質、核酸、またはこれらのフラグメント、またはこれらの変異体、またはこれらの組み合わせに含まれ得る。抗原は、自己免疫疾患、アレルギー、または喘息に関連するものでもよい。他の実施形態では、抗原は、がん、ヘルペス、インフルエンザ、B型肝炎、C型肝炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連するものでもよい。
【0132】
いくつかの抗原は、強い免疫応答を誘導することができる。他の抗原は、弱い免疫応答を誘導することができる。抗原は、TERT抗原と組み合わされる際により強い免疫応答を誘発することができる。
【0133】
a.がん抗原
上記免疫原性組成物は1種または複数種のがん抗原を含むことができる。該がん抗原は核酸配列、アミノ酸配列、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列はDNA、RNA、cDNA、それらの変異体、それらのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列はまた、がん抗原にペプチド結合によって連結したリンカーまたはタグ配列をコードする更なる配列を含むことができる。上記アミノ酸配列は、タンパク質、ペプチド、それらの変異体、それらのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。がん抗原は組換えがん抗原とすることができる。
【0134】
本発明との関連において、「腫瘍抗原」または「過剰増殖性疾患抗原」または「過剰増殖性疾患に関連した抗原」とは、がんなどの特定の過剰増殖性疾患に一般的な抗原のことを指す。本明細書で検討される抗原は、例として含まれるものに過ぎない。このリストは、除外的であることを意図したものではなく、当業者には更なる例がただちに明らかとなろう。
【0135】
がん抗原、または腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞媒介性免疫応答を誘発する腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。本発明の抗原結合部分の選択は、治療される特定の種類のがんに応じて決まる。腫瘍抗原は当該技術分野では周知のものであり、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、β-ヒト線毛性性腺刺激ホルモン、α-フェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、Her2/neu、サバイビン及びテロメラーゼ、前立腺がん腫瘍抗原-1 (PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体及びメソテリンが挙げられる。
【0136】
一実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍に関連した1種以上の抗原性がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃の標的抗原として機能し得る多くのタンパク質を発現する。これらの分子としては、限定されるものではないが、メラノーマにおけるMART-1、チロシナーゼ、及びGP100、ならびに前立腺癌における前立腺性酸フォスファターゼ(PAP)及び前立腺特異抗原(PSA)などの組織特異抗原が挙げられる。他の標的分子は、がん遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子群に属する。標的抗原の更に別の群として、腫瘍胎児性抗原などのがん胎児性抗原(CEA)がある。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンは、個々の腫瘍に固有の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。CD19、CD20及びCD37などのB細胞分化抗原は、B細胞リンパ腫における標的抗原の別の候補である。これらの抗原のいくつか(CEA、HER-2、CD19、CD20、イディオタイプ)は、モノクローナル抗体を用いた受動免疫療法の標的として用いられているが、その成果は限定的である。
【0137】
本発明において言及される腫瘍抗原の種類は、腫瘍特異抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)であってもよい。TSAは腫瘍細胞に固有であり、体内の他の細胞には発生しない。TAA関連抗原は腫瘍細胞に固有ではなく、抗原に対する免疫寛容の状態を誘導することができない条件下では正常細胞でも発現する。腫瘍での抗原の発現は、免疫系が抗原に応答することを可能とする条件下で生じ得る。TAAは、免疫系が未成熟で応答できない胎児発生中に正常細胞で発現する抗原であってよく、または、正常細胞で極めて低いレベルで通常存在しているが腫瘍細胞では大幅に高いレベルで発現する抗原であってもよい。
【0138】
TSA抗原またはTAA抗原の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2などの分化抗原、およびMAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15などの腫瘍特異的多系列抗原;例えばCEAなどの過剰発現する胎児抗原;例えばp53、Ras、HER-2/neuなどの過剰発現する腫瘍遺伝子および変異した腫瘍抑制遺伝子;染色体転座によって生じる固有の腫瘍抗原;BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RARなど;ならびに、例えばエプスタイン・バー・ウイルス抗原EBVA及びヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7などのウイルス抗原。他の大型のタンパク質ベースの抗原としては、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、β-カテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4、791Tgp72、α-フェトプロテイン、β-HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3\CA27.29\BCAA、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68\P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733\EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90\Mac-2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、及びTPSが挙げられる。
【0139】
TERT抗原及び場合により1種以上の免疫チェックポイントタンパク質を標的とする1種以上の抗体を、腫瘍抗原、またはそのフラグメントもしくは変異体と関連付けるかまたは組み合わせることができる。がんマーカーは、特定のがん細胞に対して存在するか、または特定のがん細胞に対してアップレギュレートされた既知のタンパク質である。自己に対する寛容を破綻させるようにかかるマーカーを代表する抗原を生成する方法により、がんワクチンを作製することができる。かかるがんワクチンは、TERT抗原、及び場合により免疫応答を増大させるために1種以上の免疫チェックポイントタンパク質を標的とした1種以上の抗体、及び場合により1種以上の更なる腫瘍抗原を含むことができる。以下は、いくつかの例示的な腫瘍抗原である。
【0140】
(1)チロシナーゼ(Tyr)
本発明の免疫原性組成物はがん抗原チロシナーゼ(Tyr)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。チロシナーゼは、微生物及び植物及び動物の組織中に見出すことができる、チロシンヒドロキシラーゼ及びドーパオキシダーゼ触媒活性を有する銅含有酵素である。詳細には、チロシナーゼは、チロシンなどのフェノールの酸化によりメラニンまたはその他の色素の生成を触媒する。TYR遺伝子の変異が、哺乳類における眼皮膚白皮症をもたらし、TYR遺伝子の非病理学的遺伝子多型が皮膚の色素沈着の変化に寄与する。
【0141】
更に、メラノーマなどのがんまたは腫瘍において、チロシナーゼは無制御になり、メラニン合成の増加に繋がり得る。従って、チロシナーゼはメラノーマに関連するがん抗原であり得る。メラノーマに罹患した対象において、チロシナーゼは細胞傷害性T細胞認識の標的となり得る。しかしながら、いくつかの例において、(メラノーマを始めとする)がんまたは腫瘍に対する免疫応答が抑制され、腫瘍形成及び/または増殖を支援する微小環境をもたらし、従って疾患進行に繋がり得る。
【0142】
免疫抑制は骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)により助長されることが可能であり、該MDSCは未成熟マクロファージ、顆粒球、樹状細胞、及び骨髄細胞の混合集団である。骨髄細胞は骨髄前駆細胞及び未成熟の骨髄細胞(immature myeloid cell)(IMC)の不均質集団であり得る。MDSCのマーカーとしては、Gr-1及びCD11bの発現(すなわち、Gr-1+及びCD11b+細胞)を挙げることができる。
【0143】
MDSCの循環は慢性感染に起因して増加し、MDSC数の拡大は自己免疫及び炎症に関連し得る。特に、MDSCの増殖(腫瘍またはがん性組織中での存在)が腫瘍の増殖ならびに免疫検出からの回避及び/または免疫調節を助長し、それ故に、MDSCは抗がんワクチンに対する免疫応答に影響し得る。
【0144】
MDSCはGタンパク質シグナル伝達調整因子2(Regulator of G-protein signaling 2)(Rgs2)によって調節され、Rgs2は腫瘍由来のMDSC中で高度に発現し得る。Rgs2はまた、例えば骨髄細胞などの種々の細胞中で広範に発現し得る。腫瘍を有するマウス由来のMDSCは、腫瘍を有さないマウス由来のMDSCと異なる作用を示し得る。かかる相違の一つは、ケモカインMCP-1生成の上方制御であることが可能であり、MCP-1はMDSCにより分泌される。MCP-1は、CCR2、単球上に存在するGタンパク質共役受容体(G-protein coupled receptor)(GPCR)、内皮細胞、及びT細胞を通じたシグナル伝達により、細胞遊走を促進し得る。従って、MCP-1は内皮細胞の遊走を引き起こし、それによって血管新生を促進し得る。中和抗体を介したMCP-1の阻止が血管新生を阻害することができ、従って、腫瘍の転移の低減及び生存率の増加に繋げることができる。このように、MCP-1は血管新生因子と考えることができる。MDSCはMCP-1分泌の他に増殖因子を分泌し、それによって更に腫瘍の増殖に寄与し得る。
【0145】
Tyr抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0146】
本明細書において実証されるように、Tyr抗原は、がん細胞または腫瘍細胞(例えば、メラノーマ細胞)に対する抗原特異性T細胞及び高力価抗体応答を誘導する。詳細には、Tyr抗原は、(1)単球走化性タンパク質-1(MCP―1)の生成を阻止し、それによって骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を阻害し、腫瘍の増殖を抑制する抗体を生成するためのB細胞応答を介する体液性免疫応答、(2)腫瘍細胞を攻撃し、死滅させるためのCD8+などの細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の増加、(3)ヘルパーT細胞応答の増加、及び(4)IFN-γ及びTFN-αを介した炎症性反応の増加、あるいは、上記項目の組み合わせを誘導することによる、免疫媒介性の腫瘍排除のための重要な標的である。このように、Tyr抗原(例えば、コンセンサスTyr抗原であり、より詳細には後述)を含む免疫原性組成物が、がんまたは腫瘍組織内に存在するMDSC数を低減することにより免疫抑制を防止し、MCP-1の生成または分泌を低減することによりがんまたは腫瘍組織の血管新生を阻止するため、これらの免疫原性組成物によって、腫瘍形成及び腫瘍増殖に対して防御免疫応答が提供される。従って、如何なる利用者も、腫瘍の形成、腫瘍の転移、及び腫瘍の増殖に対して広範な免疫を提供するTyr抗原を含むように、本発明の免疫原性組成物を設計することができる。
【0147】
Tyr抗原は、該抗原を、対抗する抗Tyr免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。Tyr抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。Tyr抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0148】
コンセンサスTyr抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスTyr抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTyr抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスTyr抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0149】
コンセンサスTyr抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(immunoglobulin E)(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスTyr抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスTyr抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスTyr抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTyr抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0150】
コンセンサスTyr抗原は核酸配列 配列番号1とすることができ、配列番号1はアミノ酸配列 配列番号2をコードする。配列番号1はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスTyrタンパク質をコードする。コンセンサスTyrタンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスTyrタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態において、コンセンサスTyr抗原は、配列番号1に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスTyr抗原は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスTyr抗原は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0152】
いくつかの実施形態は、Tyrコンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、Tyrコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0153】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0154】
いくつかの実施形態は、全長のTyrコンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記Tyrコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記Tyrコンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のTyrコンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のコンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のTyrコンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のTyrコンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるTyrタンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0155】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0156】
いくつかの実施形態は、配列番号1のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号1の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号1のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号1のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0157】
更に、コンセンサスTyrタンパク質のアミノ酸配列は配列番号2である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTyrタンパク質のアミノ酸配列は配列番号2である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTyrタンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0158】
いくつかの実施形態は、配列番号2に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0159】
いくつかの実施形態は、配列番号2と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0160】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号2の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号2の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0161】
配列番号2の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号2に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0162】
配列番号2の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0163】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0164】
(2)チロシナーゼ関連タンパク質1(TYRP1)
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原チロシナーゼ関連タンパク質1(TYRP1)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。TYRP1は、TYRP1遺伝子によりコードされ、75kDaの膜貫通型糖タンパク質であり、正常及び悪性の両方のメラニン形成細胞及びメラノーマ細胞中で発現する。TYRP1は、チロシナーゼと同様に、小眼球症関連転写因子(Microphthalmia Transcription Factor)(MITF)に結合し得るMボックスと呼ばれるmodifiedを含み、MITFは色素沈着、細胞の増殖及び分化において、メラニン形成細胞内における中心的な役割を果たす。TYRP1はチロシナーゼの安定化を助けることが可能であり、ヘテロ二量体を形成することが可能であり、該二量体はチロシナーゼ媒介性の細胞毒性を弱毒化することによりメラニン形成細胞の早期の死を防止し得る。
【0165】
チロシナーゼに関して上述した通り、チロシナーゼ関連タンパク質1(TYRP-1)はまた、メラニン形成細胞のメラニンの合成及び色素機構に関与し、メラノーマに罹患した対象における免疫系によって認識され得る。従って、TYRP-1はメラノーマに関連する抗原であり得る。
【0166】
TYRP-1抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0167】
TYRP-1抗原は、該抗原を、対抗する抗TYRP-1免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。TYRP-1抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。TYRP-1抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0168】
コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0169】
コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスTYRP-1抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-1抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0170】
コンセンサスTYRP-1抗原は核酸配列 配列番号3とすることができ、配列番号3はアミノ酸配列 配列番号4をコードする。配列番号3はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスTYRP-1タンパク質をコードする。コンセンサスTYRP-1タンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスTYRP-1タンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-1抗原は、配列番号3に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスTYRP-1抗原は、配列番号4に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスTYRP-1抗原は、配列番号4に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0172】
いくつかの実施形態は、TYRP-1コンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、TYRP-1コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0173】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0174】
いくつかの実施形態は、全長のTYRP-1コンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記TYRP-1コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記TYRP-1コンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のTYRP-1コンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるTYRP-1タンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0175】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0176】
いくつかの実施形態は、配列番号3のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号3の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号3のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号3のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0177】
更に、コンセンサスTYRP-1タンパク質のアミノ酸配列は配列番号4である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTYRP-1タンパク質のアミノ酸配列は配列番号4である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTYRP-1タンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0178】
いくつかの実施形態は、配列番号4に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0179】
いくつかの実施形態は、配列番号4と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号4に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0180】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスTYRP-1タンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号4の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号4の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0181】
配列番号4の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号4に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0182】
配列番号4の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号4に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0183】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0184】
(3)チロシナーゼ関連タンパク質2(TYRP2)
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原チロシナーゼ関連タンパク質2(TYRP2、ドーパクロムトートメラーゼ(dopachrome tautomerase)(DCT)としても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。TYRP2/DCTは、TYRP2/DCT遺伝子によりコードされ、519のアミノ酸で構成されるタンパク質であり、正常及び悪性の両方のメラニン形成細胞及びメラノーマ細胞中で発現する。TYRP2/DCTは、チロシナーゼ及びTYRP1と協同して、メラニン形成細胞中でのL-チロシンのメラニンへの転化において機能を果たす、十分に特徴付けされたメラニン形成細胞特異性酵素である。DCTは、詳細には、メラニン前駆体であるL-ドーパクロムの5,6-ジヒドロインドール-2-カルボン酸(5,6-dihydroindole-2-carboxylic acid)(DHICA)への互変異性化を触媒し、DHICAは続いて、(上述したように)TYRP1によって酸化され、ユーメラニンを形成する。研究により、TYRP2/DCTは、DNA損傷性薬剤に対する特異性を有する、メラノーマ細胞の薬剤耐性の媒介物であり得ることが示されている。TYRP2/DCTはメラノーマ中で高度に発現することが度々報告されていることから、このメラニン形成細胞特異性酵素は、種々の抗がんDNA損傷性薬剤に対するメラノーマの固有の耐性表現型に寄与する重要な役割を果たしている。
【0185】
チロシナーゼに関して上述した通り、チロシナーゼ関連タンパク質2(TYRP-2)もまた、メラニンの合成に関与し、メラノーマに罹患した対象における免疫系によって認識され得る。更に、TYRP-2はメラノーマ細胞における薬剤耐性を媒介し得る。従って、TYRP-2はメラノーマに関連する抗原であり得る。
【0186】
TYRP-2抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0187】
TYRP-2抗原は、該抗原を、対抗する抗TYRP-2免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。TYRP-2抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。TYRP-2抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0188】
コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0189】
コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスTYRP-2抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-2抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0190】
コンセンサスTYRP-2抗原は核酸配列 配列番号5とすることができ、配列番号5はアミノ酸配列 配列番号6をコードする。配列番号5はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスTYRP-2タンパク質をコードする。コンセンサスTYRP-2タンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスTYRP-2タンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0191】
いくつかの実施形態において、コンセンサスTYRP-2抗原は、配列番号5に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスTYRP-2抗原は、配列番号6に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスTYRP-2抗原は、配列番号6に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0192】
いくつかの実施形態は、TYRP-2コンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、TYRP-2コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0193】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0194】
いくつかの実施形態は、全長のTYRP-2コンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記TYRP-2コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記TYRP-2コンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のTYRP-2コンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるTYRP-2タンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0195】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0196】
いくつかの実施形態は、配列番号5のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号5の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号5のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号5のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0197】
更に、コンセンサスTYRP-2タンパク質のアミノ酸配列は配列番号6である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTYRP-2タンパク質のアミノ酸配列は配列番号6である。IgEリーダーに連結したコンセンサスTYRP-2タンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態は、配列番号2に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0199】
いくつかの実施形態は、配列番号6と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号6に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0200】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号6の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号6の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0201】
配列番号6の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号6に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0202】
配列番号6の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号6に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0203】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0204】
(4)メラノーマ関連抗原4(Melanoma-associated Antigen 4)(MAGEA4)
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原メラノーマ関連抗原4(MAGEA4)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。MAGE-A4は、MAGE-A4遺伝子によりコードされ、317のアミノ酸で構成されるタンパク質であり、雄の生殖細胞及び消化器癌、食道癌及び肺癌などの種々の組織型の腫瘍細胞中で発現する。MAGE-A4は、腫瘍性タンパク質、ガンキリンに結合する。このMAGE-A4に特異的な結合はそのC末端により媒介される。研究により、外因性MAGE-A4は、in vitroにおいて、ガンキリン過剰発現細胞の接着非依存性増殖を部分的に阻害することができ、ヌードマウスにおいて、これらの細胞から転位した腫瘍の形成を阻害することができることが示されている。この阻害はMAGE-A4とガンキリンとの間の結合に依存し、ガンキリンとMAGE-A4との間の相互作用がガンキリン媒介性の発癌を阻害することを示唆している。腫瘍組織中でのMAGEの発現は腫瘍の発生の原因ではなくその結果であり、MAGE遺伝子は、初期の腫瘍細胞を標的にして破壊することにより、免疫過程に関与するように思われる。
【0205】
メラノーマ関連抗原4(MAGEA4)は、胚発生ならびに腫瘍の形質転換及び/または進行に関与し得る。MAGEA4は通常、精巣及び胎盤において発現する。しかしながら、MAGEA4は、多くの異なる種類の腫瘍、例えば、メラノーマ、頭頚部扁平上皮癌、肺癌、及び乳癌において発現し得る。従って、MAGEA4は種々の腫瘍に関連する抗原であり得る。
【0206】
MAGEA4抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0207】
MAGEA4抗原は、該抗原を、対抗する抗MAGEA4免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。MAGEA4抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。MAGEA4抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0208】
コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0209】
コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスTyr抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスMAGEA4抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスMAGEA4抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0210】
コンセンサスMAGEA4抗原は核酸配列 配列番号7とすることができ、配列番号7はアミノ酸配列 配列番号8をコードする。配列番号7はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスMAGEA4タンパク質をコードする。コンセンサスMAGEA4タンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスMAGEA4タンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0211】
いくつかの実施形態において、コンセンサスMAGEA4抗原は、配列番号7に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスMAGEA4抗原は、配列番号8に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスMAGEA4抗原は、配列番号8に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0212】
いくつかの実施形態は、MAGEA4コンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、MAGEA4コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0213】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0214】
いくつかの実施形態は、全長のMAGEA4コンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記MAGEA4コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記MAGEA4コンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のMAGEA4コンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるMAGEA4タンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0215】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0216】
いくつかの実施形態は、配列番号7のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号7の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号7のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号7のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0217】
更に、コンセンサスMAGEA4タンパク質のアミノ酸配列は配列番号8である。IgEリーダーに連結したコンセンサスMAGEA4タンパク質のアミノ酸配列は配列番号8である。IgEリーダーに連結したコンセンサスMAGEA4タンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0218】
いくつかの実施形態は、配列番号8に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0219】
いくつかの実施形態は、配列番号8と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号8に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0220】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号8の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号8の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0221】
配列番号8の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号8に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0222】
配列番号8の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号8に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0223】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0224】
(5)成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原成長ホルモン放出ホルモン(GHRH、成長ホルモン放出因子(growth-hormone-releasing factor)(GRFまたはGHRF)またはソマトクリニンとしても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。GHRHは、視床下部の弓状核で生成される44アミノ酸ペプチドホルモンである。GHRHは視床下部により分泌され、脳下垂体からの成長ホルモンの放出、成長、代謝、及び体の構造の調節剤の放出を刺激する。GHRHはまた成長ホルモンの生成物も刺激する。GHRHの拮抗物質は、例えば、骨肉腫、膠芽腫、前立腺癌、腎臓癌、膵臓癌、結腸直腸癌、及び乳癌などの種々のがんの増殖を阻害する。従って、GHRHは種々の腫瘍に関連する抗原であり得る。
【0225】
GHRH抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0226】
GHRH抗原は、該抗原を、対抗する抗GHRH免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。GHRH抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。GHRH抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0227】
コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0228】
コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスGHRH抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスGHRH抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0229】
コンセンサスGHRH抗原は核酸配列 配列番号9とすることができ、配列番号9はアミノ酸配列 配列番号10をコードする。配列番号9はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスGHRHタンパク質をコードする。コンセンサスGHRHタンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスGHRHタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0230】
いくつかの実施形態において、コンセンサスGHRH抗原は、配列番号9に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスGHRH抗原は、配列番号10に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスGHRH抗原は、配列番号10に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0231】
いくつかの実施形態は、GHRHコンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、GHRHコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0232】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0233】
いくつかの実施形態は、全長のGHRHコンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記GHRHコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記GHRHコンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のGHRHコンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のGHRHコンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のGHRHコンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるGHRHタンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0234】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0235】
いくつかの実施形態は、配列番号9のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号9の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号9のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号9のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0236】
更に、コンセンサスGHRHタンパク質のアミノ酸配列は配列番号10である。IgEリーダーに連結したコンセンサスGHRHタンパク質のアミノ酸配列は配列番号10である。IgEリーダーに連結したコンセンサスGHRHタンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0237】
いくつかの実施形態は、配列番号10に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0238】
いくつかの実施形態は、配列番号10と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0239】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号10の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号10の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0240】
配列番号10の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号10に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0241】
配列番号10の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0242】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0243】
(6)MART-1/メラン-A
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原MART-1(メラン-Aとしても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。MART-1は、MLANA遺伝子によりコードされ、118のアミノ酸のタンパク質であり、単一の膜貫通ドメインを含有し、殆どのメラノーマ細胞中で発現する。MART-1は構造タンパク質と複合体を形成し、その発現、安定性、輸送及び、メラノソームの構造及び成熟に必要なプロセシングに影響を与える。従って、MART-1は哺乳類の色素沈着を調節するために必要不可欠である。メラノソームの成熟における欠陥が、がんに対する罹患性と結び付けられてきた。MART-1は、それに限定されないが、メラノーマを始めとする多数のがんにおいて発現し得る。
【0244】
T細胞によって認識されるメラノーマ抗原(melanoma antigen recognized by T cells)(MART-1)としても知られるメラン-Aは、メラニン形成細胞の分化抗原であり、正常な皮膚、網膜、及びメラニン形成細胞中に存在し得る。メラン-Aは小胞体及びメラノソームと関連付けることができる。メラン-Aは、メラノーマ細胞上の抗原として細胞傷害性T細胞によって認識され得るが、例えば、明細胞肉腫及びメラニン性神経線維腫などの、メラニン形成細胞起源またはその分化を有する(すなわち、細胞がメラノソームを有する。)その他の腫瘍にも関連し得る。従って、メラン-Aは、メラノソームを有する細胞由来の種々の腫瘍に関連する抗原であり得る。
【0245】
メラン-A抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0246】
メラン-A抗原は、該抗原を、対抗する抗メラン-A免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。メラン-A抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。メラン-A抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0247】
コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0248】
コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスメラン-A抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスメラン-A抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0249】
コンセンサスメラン-A抗原は核酸配列 配列番号11とすることができ、配列番号11はアミノ酸配列 配列番号12をコードする。配列番号11はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスメラン-Aタンパク質をコードする。コンセンサスメラン-Aタンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスメラン-Aタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0250】
いくつかの実施形態において、コンセンサスメラン-A抗原は、配列番号11に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスメラン-A抗原は、配列番号12に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスメラン-A抗原は、配列番号12に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0251】
いくつかの実施形態は、メラン-Aコンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、メラン-Aコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0252】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0253】
いくつかの実施形態は、全長のメラン-Aコンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記メラン-Aコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記メラン-Aコンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のメラン-Aコンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるメラン-Aタンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0254】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0255】
いくつかの実施形態は、配列番号11のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号11の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号11のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号11のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0256】
更に、コンセンサスメラン-Aタンパク質のアミノ酸配列は配列番号12である。IgEリーダーに連結したコンセンサスメラン-Aタンパク質のアミノ酸配列は配列番号12である。IgEリーダーに連結したコンセンサスメラン-Aタンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0257】
いくつかの実施形態は、配列番号12に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0258】
いくつかの実施形態は、配列番号12と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号12に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0259】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号12の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号12の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0260】
配列番号12の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号12に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0261】
配列番号12の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0262】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0263】
(7)NY-ESO-1
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原ニューヨーク食道癌-1(NY-ESO-1、CTAG1とも呼ばれる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。NY-ESO-1は、CTAG1B遺伝子によりコードされ、グリシンに富むN末端領域及び極端に疎水性のC末端領域を有する180のアミノ酸の長鎖タンパク質である。NY-ESO-1は、正常な組織中では発現が制限されるが、がんにおいて多くの場合発生する。NY-ESO-1は、限定されないが、膀胱癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、頭頚部癌、メラノーマ、非小細胞性肺癌、卵巣癌、膵臓癌、滑膜癌及び前立腺癌を始めとする多数のがんにおいて発現し得る。
【0264】
がん・精巣抗原(NY-ESO-1)は精巣及び卵巣で発現し得る。NY-ESO-1は種々のがんに関連し、体液性免疫応答を誘導し得る。がんまたは腫瘍に罹患した対象はNY-ESO-1に対する免疫原性をもつようになり得る。従って、NY-ESO-1は種々の腫瘍に関連する抗原であり得る。
【0265】
NY-ESO-1抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0266】
NY-ESO-1抗原は、NY-ESO-1抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、NY-ESO-1抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、NY-ESO-1抗原は、NY-ESO-1抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、NY-ESO-1抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0267】
NY-ESO-1抗原は、NY-ESO-1抗原を投与した対象におけるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の濃度を、NY-ESO-1抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、NY-ESO-1抗原は、NY-ESO-1抗原を投与した対象におけるIFN-γ濃度を、NY-ESO-1抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0268】
NY-ESO-1抗原は、該抗原を、対抗する抗NY-ESO-1免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。NY-ESO-1抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。NY-ESO-1抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0269】
コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0270】
コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスNY-ESO-1抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0271】
コンセンサスNY-ESO-1抗原は核酸配列 配列番号13とすることができ、配列番号13はアミノ酸配列 配列番号14をコードする。配列番号13はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスNY-ESO-1タンパク質をコードする。コンセンサスNY-ESO-1タンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスNY-ESO-1タンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0272】
いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-1抗原は、配列番号13に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスNY-ESO-1抗原は、配列番号14に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスNY-ESO-1抗原は、配列番号14に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0273】
いくつかの実施形態は、NY-ESO-1コンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、NY-ESO-1コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0274】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0275】
いくつかの実施形態は、全長のNY-ESO-1コンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記NY-ESO-1コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記NY-ESO-1コンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のNY-ESO-1コンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるNY-ESO-1タンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0276】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0277】
いくつかの実施形態は、配列番号13のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号13の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号13のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号13のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0278】
更に、コンセンサスNY-ESO-1タンパク質のアミノ酸配列は配列番号14である。IgEリーダーに連結したコンセンサスNY-ESO-1タンパク質のアミノ酸配列は配列番号14である。IgEリーダーに連結したコンセンサスNY-ESO-1タンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0279】
いくつかの実施形態は、配列番号14に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0280】
いくつかの実施形態は、配列番号14と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号14に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0281】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号14の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号14の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0282】
配列番号14の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号14に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0283】
配列番号14の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号14に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0284】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0285】
(8)NY-ESO-2
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原ニューヨーク食道癌-2(NY-ESO-2;がん・精巣抗原2、ESO2、及びLAGE1としても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。NY-ESO-2は、がん・精巣抗原のESO/LAGEファミリーに属する自己免疫原性腫瘍抗原である。NY-ESO-2は、メラノーマ、乳癌、膀胱癌及び前立腺癌を始めとする多数のがんにおいて発現することが可能であり、通常は精巣において発現する。加えて、NY-ESO-2は、メラノーマ、非小細胞性肺癌、膀胱癌、前立腺癌及び頭頸部癌の腫瘍試料の25~50%に観察され得る。NY-ESO-2をコードする遺伝子はまた、メラノーマ特異性細胞傷害性Tリンパ球によって認識される腫瘍抗原である、CAMELと名付けられたタンパク質をコードする別な読み取り枠も含有する。
【0286】
NY-ESO-1と同様に、NY-ESO-2は精巣及び卵巣で発現し得る。NY-ESO-2もまた、種々の癌に関連し、癌または腫瘍に罹患した対象において免疫原性となり得る。従って、NY-ESO-2は多数の腫瘍に関連する抗原であり得る。
【0287】
NY-ESO-2抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現する癌または腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍または癌の増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0288】
NY-ESO-2抗原は、NY-ESO-2抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、NY-ESO-2抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、NY-ESO-2抗原は、NY-ESO-2抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、NY-ESO-2抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0289】
NY-ESO-2抗原は、NY-ESO-2抗原を投与した対象におけるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の濃度を、NY-ESO-2抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、NY-ESO-2抗原は、NY-ESO-2抗原を投与した対象におけるIFN-γ濃度を、NY-ESO-2抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0290】
NY-ESO-2抗原は、該抗原を、対抗する抗NY-ESO-2免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。NY-ESO-2抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。NY-ESO-2抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0291】
コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0292】
コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスNY-ESO-2抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0293】
コンセンサスNY-ESO-2抗原は核酸配列 配列番号15とすることができ、配列番号15はアミノ酸配列 配列番号16をコードする。配列番号1はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスNY-ESO-2タンパク質をコードする。コンセンサスNY-ESO-2タンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスNY-ESO-2タンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0294】
いくつかの実施形態において、コンセンサスNY-ESO-2抗原は、配列番号15に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスNY-ESO-2抗原は、配列番号16に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスNY-ESO-2抗原は、配列番号16に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0295】
いくつかの実施形態は、NY-ESO-2コンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、NY-ESO-2コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0296】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0297】
いくつかの実施形態は、全長のNY-ESO-2コンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記NY-ESO-2コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記NY-ESO-2コンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のNY-ESO-2コンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるNY-ESO-2タンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0298】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0299】
いくつかの実施形態は、配列番号15のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号15の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号15のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号15のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0300】
更に、コンセンサスNY-ESO-2タンパク質のアミノ酸配列は配列番号16である。IgEリーダーに連結したコンセンサスNY-ESO-2タンパク質のアミノ酸配列は配列番号16である。IgEリーダーに連結したコンセンサスNY-ESO-2タンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0301】
いくつかの実施形態は、配列番号16に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0302】
いくつかの実施形態は、配列番号16と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号16に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0303】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号16の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号16の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0304】
配列番号16の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号16に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0305】
配列番号16の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0306】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0307】
(9)PRAME
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原PRAME、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。PRAMEは、PRAME遺伝子によってコードされ、509のアミノ酸から構成されるタンパク質であり、精巣、胎盤、子宮内膜、卵巣、副腎中、ならびにメラノーマ、肺癌、腎臓癌、及び頭頚部癌由来の組織中で発現する。PRAMEはまた、成人及び小児の急性白血病ならびに多発性骨髄腫においても発現する。PRAMEは、HLA-A24によって提供される場合、細胞傷害性応答を誘発することができる免疫原性ナノペプチドを含有する。研究により、培養された細胞中におけるPRAMEの過剰発現が、より遅い増殖速度の原因であるカスパーゼ非依存の細胞死を誘導することが示されている。他の研究により、PRAMEの過剰発現はまた、レチノイン酸受容体(retinoic acid receptor)(RAR)のシグナル伝達に拮抗することによって増殖または生存を利し、腫瘍化の過程に原因として関与することが実証されている。RARシグナル伝達の妨害により、細胞の増殖、発生及び分化の調節が損なわれる。
【0308】
PRAMEは、がん・精巣抗原MAGE、BAGE、及びGAGEに類似した発現パターン、すなわち精巣における発現を有し得る。しかしながら、PRAMEはヒトメラノーマ及び急性白血病において発現し得る。PRAMEは細胞溶解性Tリンパ球によって認識され得る。従って、PRAMEはメラノーマ及び白血病に関連する抗原であり得る。
【0309】
PRAME抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0310】
PRAME抗原は、PRAME抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、PRAME抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、PRAME抗原は、PRAME抗原を投与した対象における細胞性免疫応答を、PRAME抗原を投与していない対象における細胞性免疫応答と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0311】
PRAME抗原は、PRAME抗原を投与した対象におけるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の濃度を、PRAME抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、PRAME抗原は、PRAME抗原を投与した対象におけるIFN-γ濃度を、PRAME抗原を投与していない対象におけるIFN-γ濃度と比較して、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0312】
PRAME抗原は、該抗原を、対抗する抗PRAME免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。PRAME抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。PRAME抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0313】
コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0314】
コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスPRAME抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPRAME抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0315】
コンセンサスPRAME抗原は核酸配列 配列番号17とすることができ、配列番号17はアミノ酸配列 配列番号18をコードする。配列番号17はIgEリーダー配列に連結するコンセンサスPRAMEタンパク質をコードする。コンセンサスPRAMEタンパク質はIgEリーダー配列及びHAタグに連結することができる。その他の実施形態において、コンセンサスPRAMEタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを有さなくともよい、すなわち該配列及び/または該タグに連結しなくてもよい。
【0316】
いくつかの実施形態において、コンセンサスPRAME抗原は、配列番号17に示される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、コンセンサスPRAME抗原は、配列番号18に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列とすることができる。コンセンサスPRAME抗原は、配列番号18に示されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列とすることができる。
【0317】
いくつかの実施形態は、PRAMEコンセンサスタンパク質に相同なタンパク質、PRAMEコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列に対する95%までの相同性、コンセンサス配列に対する96%までの相同性、コンセンサス配列に対する97%までの相同性、コンセンサス配列に対する98%までの相同性及び99%までを有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるタンパク質に対して相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0318】
いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書における核酸コード配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書開示のコンセンサスタンパク質のコード配列に対して相同な、本明細書開示のコード配列を有する核酸分子は、本明細書開示の相同なタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0319】
いくつかの実施形態は、全長のPRAMEコンセンサスタンパク質に対するパーセントで表した特定の同一性を有するタンパク質、上記PRAMEコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び上記PRAMEコンセンサスタンパク質に対する同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。全長のPRAMEコンセンサス配列に対する80%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する85%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する90%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する91%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する92%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する93%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する94%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する95%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する96%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する97%までの同一性、全長のPRAMEコンセンサス配列に対する98%までの同一性、及び全長のPRAMEコンセンサス配列に対する99%までの同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするかかる核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメント及び本明細書に示されるPRAMEタンパク質に対して上記に示されるものと類似のパーセントで表された同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
【0320】
いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、上記核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を有さない。
【0321】
いくつかの実施形態は、配列番号17のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号17の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%とすることができる。フラグメントは、配列番号17のフラグメントに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であることができる。フラグメントは、配列番号17のフラグメントに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であることができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0322】
更に、コンセンサスPRAMEタンパク質のアミノ酸配列は配列番号18である。IgEリーダーに連結したコンセンサスPRAMEタンパク質のアミノ酸配列は配列番号18である。IgEリーダーに連結したコンセンサスPRAMEタンパク質のアミノ酸配列はHAタグに連結していてもよい。
【0323】
いくつかの実施形態は、配列番号18に対して相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示されるコンセンサスタンパク質配列に対して99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0324】
いくつかの実施形態は、配列番号18と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号18に示される全長コンセンサスアミノ酸配列に対して99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0325】
いくつかの実施形態において、上記タンパク質はリーダー配列を有しない。いくつかの実施形態において、上記タンパク質はIgEリーダーを有しない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。配列番号18の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号18の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0326】
配列番号18の免疫原性フラグメントに対して相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号18に対して95%以上相同であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書におけるコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0327】
配列番号18の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。かかる免疫原性フラグメントは、配列番号18に示されるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるタンパク質の、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーなどの免疫グロブリンリーダーであるリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を有さない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えばIgEリーダーなどのリーダー配列を有さない。
【0328】
タンパク質のN末端へのシグナルペプチドまたはリーダー配列の連結に関して本明細書において言及するように、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドコード配列を有さないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端メチオニンを置換する。
【0329】
(10)PSA
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原前立腺特異性抗原(PSA;γ-セミノタンパク質またはカリクレイン-3(kallikrein-3)(KLK3)としても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。PSAは前立腺上皮細胞及び前立腺癌細胞によって生成されるアンドロゲン制御セリンプロテアーゼであり、KLK3遺伝子によってコードされる。PSAは前立腺癌の血清マーカーとしてしばしば用いられる。PSAは組織カリクレインファミリーの一員であり、活性な酵素を放出する酵素前駆体の開裂後に、精液の凝塊物中のセミノゲリンを開裂し、それによって精液を溶解して精子を自由に泳がせる。加えて、PSAの酵素活性は亜鉛濃度によって調節される、すなわち高い亜鉛濃度はPSAの酵素活性を阻害する。
【0330】
PSA抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0331】
PSA抗原は、該抗原を、対抗する抗PSA免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。PSA抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。PSA抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0332】
コンセンサスPSA抗原は、配列番号64のアミノ酸配列をコードする配列番号63の核酸配列であってよい。コンセンサスPSAタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスPSAタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスPSA配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0333】
いくつかの実施形態では、コンセンサスPSA抗原は、配列番号63に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスPSA抗原は、配列番号64に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスPSA抗原は、配列番号64に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0334】
いくつかの実施形態は、PSAコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、PSAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0335】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0336】
いくつかの実施形態は、完全長のPSAコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、PSAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びPSAコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のPSAコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のPSAコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のPSAコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるPSAタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0337】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0338】
いくつかの実施形態は、配列番号63のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号63の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号63のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号63のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0339】
更に、コンセンサスPSAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号64である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号64である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSAタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0340】
いくつかの実施形態は、配列番号64と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0341】
いくつかの実施形態は、配列番号64と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号64に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0342】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号64の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号64の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0343】
配列番号64の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号64と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0344】
配列番号64の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号64に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0345】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0346】
コンセンサスPSA抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスPSA抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSA抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスPSA抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0347】
コンセンサスPSA抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスPSA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスPSA抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスPSAP抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0348】
いくつかの実施形態において、コンセンサスPSA抗原をコードする核酸は非相同な核酸配列とすることができ、及び/または1種または複数種の非相同な核酸配列を含むことができる。
【0349】
(11)PSMA
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原前立腺特異性膜抗原(prostate specific membrane antigen)(PSMA;グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(Glutamate carboxypeptidase II)(GCPII)、N-アセチル-L-アスパルチル-L-グルタマートペプチダーゼI(N-acetyl-L-aspartyl-L-glutamate peptidase I)(NAALADase I)、及びNAAGペプチダーゼとしても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。PSMAは葉酸ヒドロラーゼ1(folate hydrolase 1)(FOLH1)遺伝子によってコードされる。PSMAは膜中及び細胞外空間中に存在することが知られている亜鉛金属酵素である。PSMAはヒト前立腺において高度に発現し、前立腺癌において上方制御される。PSMAはまた、腎臓、乳房、及び結腸の固形腫瘍などのその他のがんにおいて過剰発現することも知られている。
【0350】
PSMA抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0351】
PSMA抗原は、該抗原を、対抗する抗PSMA免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。PSMA抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。PSMA抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0352】
コンセンサスPSMA抗原は、配列番号66のアミノ酸配列をコードする配列番号65の核酸配列であってよい。コンセンサスPSMAタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスPSMAタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスPSMA配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0353】
いくつかの実施形態では、コンセンサスPSMA抗原は、配列番号65に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスPSMA抗原は、配列番号66に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスPSMA抗原は、配列番号66に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0354】
いくつかの実施形態は、PSMAコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、PSMAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0355】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0356】
いくつかの実施形態は、完全長のPSMAコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、PSMAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びPSMAコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のPSMAコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のPSMAコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のPSMAコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるPSMAタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0357】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0358】
いくつかの実施形態は、配列番号65のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号65の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号65のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号65のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0359】
更に、コンセンサスPSMAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号66である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSMAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号66である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSMAタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0360】
いくつかの実施形態は、配列番号66と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0361】
いくつかの実施形態は、配列番号66と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号66に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0362】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号66の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号66の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0363】
配列番号66の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号66と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0364】
配列番号66の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号66に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0365】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0366】
コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0367】
コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスPSMAP抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0368】
いくつかの実施形態において、コンセンサスPSMA抗原をコードする核酸は非相同な核酸配列とすることができ、及び/または1種または複数種の非相同な核酸配列を含むことができる。
【0369】
(12)STEAP
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原前立腺の6回膜貫通上皮抗原(six-transmembrane epithelial antigen of the prostate)(STEAP)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。STEAPはSTEAP1遺伝子によってコードされる金属還元酵素である。STEAPは前立腺組織において広く発現し、がん細胞中で上方制御される。STEAPは6回膜貫通タンパク質であることが予測され、細胞-細胞間結合に存在する細胞表面抗原である。
【0370】
STEAP抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0371】
STEAP抗原は、該抗原を、対抗する抗STEAP免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。STEAP抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。STEAP抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0372】
コンセンサスSTEAP抗原は、配列番号68のアミノ酸配列をコードする配列番号67の核酸配列であってよい。コンセンサスSTEAPタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスSTEAPタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスSTEAP配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0373】
いくつかの実施形態では、コンセンサスSTEAP抗原は、配列番号67に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスSTEAP抗原は、配列番号68に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスSTEAP抗原は、配列番号68に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0374】
いくつかの実施形態は、STEAPコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、STEAPコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0375】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態 では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0376】
いくつかの実施形態は、完全長のSTEAPコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、STEAPコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びSTEAPコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のSTEAPコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のSTEAPコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のSTEAPコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるSTEAPタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0377】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0378】
いくつかの実施形態は、配列番号67のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号67の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号67のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号67のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0379】
更に、コンセンサスSTEAPタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号68である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスSTEAPタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号68である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスSTEAPタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0380】
いくつかの実施形態は、配列番号68と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0381】
いくつかの実施形態は、配列番号68と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号68に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0382】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号68の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号68の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0383】
配列番号68の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号68と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0384】
配列番号68の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号68に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0385】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0386】
コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0387】
コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスSTEAP抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0388】
いくつかの実施形態において、コンセンサスSTEAP抗原をコードする核酸は非相同な核酸配列とすることができ、及び/または1種または複数種の非相同な核酸配列を含むことができる。
【0389】
(13)PSCA
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原前立腺特異性幹細胞抗原(prostate specific stem cell antigen)(PSCA)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。PSCAはグリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinositol)(GPI)固着細胞表面タンパク質であり、アンドロゲン応答遺伝子によってコードされる。PSCAはGPI固着細胞表面抗原のThy-1/Ly-6ファミリーの一員である。PSCAは前立腺癌、膀胱癌、及び膵臓癌を始めとする多くのがんにおいて上方制御される。
【0390】
PSCA抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0391】
PSCA抗原は、該抗原を、対抗する抗PSCA免疫応答を誘導することができる免疫原として特に有効にするタンパク質エピトープを含むことができる。PSCA抗原は全長翻訳産物、その変異体、そのフラグメントまたはそれらの組み合わせを含むことができる。PSCA抗原はコンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0392】
コンセンサスPSCA抗原は、配列番号70のアミノ酸配列をコードする配列番号69の核酸配列であってよい。コンセンサスPSCAタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスPSCAタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスPSCA配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0393】
いくつかの実施形態では、コンセンサスPSCA抗原は、配列番号69に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスPSCA抗原は、配列番号70に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスPSCA抗原は、配列番号70に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0394】
いくつかの実施形態は、PSCAコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、PSCAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0395】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0396】
いくつかの実施形態は、完全長のPSCAコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、PSCAコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びPSCAコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のPSCAコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のPSCAコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のPSCAコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるPSCAタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0397】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0398】
いくつかの実施形態は、配列番号69のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号69の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号69のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号69のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0399】
更に、コンセンサスPSCAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号70である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSCAタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号70である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスPSCAタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0400】
いくつかの実施形態は、配列番号70と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0401】
いくつかの実施形態は、配列番号70と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号70に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0402】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号70の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号70の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0403】
配列番号70の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号70と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0404】
配列番号70の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号70に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0405】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0406】
コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸配列は、コドン使用頻度及び相当するRNA転写物に関して最適化することができる。コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸は、発現に関して最適化されたコドン及びRNAとすることができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を向上させるために、コザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸は、翻訳終了の効率を向上させるために、複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0407】
コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸はまた、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列もコードすることができる。コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がペプチド結合によりコンセンサスPSCA抗原のアミノ酸配列に連結するように、IgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸はまた、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列も含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を有さない、すなわち該ヌクレオチド配列を含まない。
【0408】
いくつかの実施形態において、コンセンサスPSCA抗原をコードする核酸は非相同な核酸配列とすることができ、及び/または1種または複数種の非相同な核酸配列を含むことができる。
【0409】
(14)MAGE A1
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原メラノーマ関連抗原1(melanoma-associated antigen 1)(MAGE A1)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。MAGE A1は、MAGE A1遺伝子によりコードされ、280のアミノ酸のタンパク質であり、腫瘍細胞及び生殖細胞によって発現されることのみが見出されている。MAGE A1が正常な生体組織中で抑制されることは、DNAのメチル化に基づく。これらの遺伝子は、多くの種類の腫瘍において、ゲノム全体での脱メチル化過程の中で活性になり、これが多くの場合腫瘍の発生を伴う。詳細には、悪性形質転換の間に、これらの遺伝子が活性化され、発現し、免疫系によって認識され攻撃を受ける抗原性標的になり得る。従って、MAGE遺伝子は、一部の初期の腫瘍細胞を標的として免疫破壊することによって免疫過程に関与する。MAGE A1は、限定されないが、メラノーマ、肺癌及び食道扁平上皮癌を始めとする多くのがんにおいて発現し得る。
【0410】
MAGE A1抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0411】
(15)WT1
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原ウィルムス腫瘍1(Wilm’s tumor 1)(WT1)、そのフラグメント、その変異体を含むことができる。WT1は、プロリン/グルタミンリッチDNA-結合領域をN末端に、且つ、4の亜鉛フィンガーモチーフをC―末端に含む転写因子である。WT1は、泌尿生殖器系の正常な発達に関与しており、多くの因子、例えば、腫瘍抑制因子として知られるp53、及び細胞毒性薬による治療後に多数の部位でWT1を切断するセリンプロテアーゼHtrA2と相互作用する。
【0412】
WT1の変異は、腫瘍形成または癌形成、例えば、ウィルムス腫瘍またはWT1を発現する腫瘍をもたらし得る。ウィルムス腫瘍は、限定されないが、例えば、肝組織、尿路系組織、リンパ組織、及び肺組織などの他の組織に転移する前に片方または両方の腎臓に形成されることが多い。従って、ウィルムス腫瘍は、転移性腫瘍と考えることができる。ウィルムス腫瘍は、通常、低年齢の子供(例えば、5歳未満)に散発型及び遺伝型の両方で起こる。WT1がん抗原は更に、2013年12月23日出願のPCT/US13/75141に規定され、該出願はこれにより、参照によりその全体が組み入れられる。
【0413】
WT-1抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0414】
従って、上記免疫原性組成物を用いて、ウィルムス腫瘍を患っている対象を治療することができる。上記免疫原性組成物を、限定されないが、メラノーマ、前立腺癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、肛門癌、頭頸部癌、及び血液癌を始めとする任意の数のがんに罹患した対象の治療に用いることができる。上記免疫原性組成物を用いて、WT1を発現するがんまたは腫瘍を有する対象を治療して、対象内におけるかかる腫瘍の発症を防ぐこともできる。WT1抗原は、天然の「正常」WT1遺伝子とは異なり得るため、WT1抗原発現腫瘍に対して治療または予防を提供することができる。従って、天然WT1遺伝子とは異なるWT1抗原配列(すなわち、変異WT1遺伝子または変異WT1配列)が本明細書において提供される。
【0415】
天然WT1遺伝子の転写産物は、様々なmRNAに加工され、得られたタンパク質は、免疫応答を誘導する価値が全て同じではない。本明細書に記載の変異WT1遺伝子により、選択的処理を避け、1つの全長転写産物を産生し、エフェクターT及びB細胞応答がより強く誘導される。第1の変異WT1配列は、改変ジンクフィンガーを有するCON WT1、すなわち、ConWT1-Lと称される。配列番号19は、改変ジンクフィンガーを有するWT1抗原CON WT1をコードする核酸配列である。配列番号20は、改変ジンクフィンガーを有するWT1抗原CON WT1のアミノ酸配列である。第2の変異WT1配列は、ジンクフィンガーを有しないCON WT1、すなわち、ConWT1-Sと称される。配列番号21は、ジンクフィンガーを有しないWT1抗原CON WT1をコードする核酸配列である。配列番号22は、改変ジンクフィンガーを有しないWT1抗原CON WT1のアミノ酸配列である。
【0416】
WT1抗原は、2以上の種由来のコンセンサス抗原(または免疫原)配列であり得る。WT1抗原は、コンセンサス配列、及び/または、改良発現用の改変を含み得る。改変には、コドン最適化、RNA最適化、翻訳開始を増大させるためのコザック配列(例えば、GCC ACC)の付加、及び/または、WT1抗原の免疫原性を増大させるための免疫グロブリンリーダー配列の付加を含み得る。WT1抗原は、限定されないが、例えば、免疫グロブリンE(IgE)シグナルペプチドまたは免疫グロブリンG(IgG)シグナルペプチドなどの免疫グロブリンシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを含み得る。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、血球凝集素(hemagglutinin)(HA)タグを含み得る。WT1コンセンサス抗原は、対応するコドン最適化WT1抗原よりもより強く広範な細胞性及び/または体液性免疫応答を誘発するように設計されていてもよい。
【0417】
WT1コンセンサス抗原は、1または複数のジンクフィンガーに1または複数の変異を含み、それにより対応するコドン最適化WT1抗原よりもより強く広範な細胞性及び/または体液性免疫応答を誘発することができる。上記1または複数の変異は、1または複数のジンクフィンガーで亜鉛イオンに配位する1種または複数種のアミノ酸の置換であり得る。亜鉛イオンに配位する1種または複数種のアミノ酸は、CCHHモチーフであり得る。従って、いくつかの実施形態において、上記1または複数の変異は、CCHHモチーフの1、2、3、または4全てのアミノ酸の置換であり得る。
【0418】
他の実施形態において、上記1または複数の変異は、配列番号20の残基312、317、342、及び347が、システイン(C)以外の任意の残基であり、配列番号20の残基330、334、360、及び364が、ヒスチジン(H)以外の任意の残基であるものである。特に、上記1または複数の変異は、配列番号20の残基312、317、330、334、342、347、360、及び364が、グリシン(G)であるものである。
【0419】
他の実施形態において、1または複数のジンクフィンガーがWT1コンセンサス抗原から除去され得る。1、2、3、または4全てのジンクフィンガーがWT1コンセンサス抗原から除去され得る。
【0420】
WT1コンセンサス抗原は、配列番号20をコードする核酸配列番号19であり得る。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号19に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する核酸配列であり得る。他の実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であり得る。
【0421】
さらに他の実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であり得る。但し、配列番号20の残基312、317、342、及び347は、システイン(C)以外の任意の残基であり、配列番号20の残基330、334、360、及び364は、ヒスチジン(H)以外の任意の残基である。他の実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であり得る。但し、配列番号20の残基312、317、330、334、342、347、360、及び364は、グリシン(G)である。
【0422】
WT1コンセンサス抗原は、配列番号20のアミノ酸配列であり得る。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列であり得る。WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列であり得るが、但し、配列番号20の残基312、317、342、及び347は、システイン(C)以外の任意の残基であり、配列番号20の残基330、334、360、及び364は、ヒスチジン(H)以外の任意の残基である。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号20に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列であり得る。但し、配列番号20の残基312、317、330、334、342、347、360、及び364は、グリシン(G)である。
【0423】
WT1コンセンサス抗原は、配列番号22をコードする核酸配列番号21であり得る。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号21に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する核酸配列であり得る。他の実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号22に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であり得る。
【0424】
WT1コンセンサス抗原は、配列番号22のアミノ酸配列であり得る。いくつかの実施形態において、WT1コンセンサス抗原は、配列番号22に記載の核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するアミノ酸配列であり得る。
【0425】
配列番号20及び配列番号22の免疫原性フラグメントが得られる。免疫原性フラグメントは、配列番号20及び/または配列番号22の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントは、配列番号20の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。但し、配列番号20の残基312、317、342、及び347が免疫原性フラグメントに存在する場合、これらの残基は、システイン(C)以外の任意の残基であり、配列番号20の残基330、334、360、及び364が免疫原性フラグメントに存在する場合、これらの残基は、ヒスチジン(H)以外の任意の残基である。他の実施形態において、免疫原性フラグメントは、配列番号20の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。但し、配列番号20の残基312、317、330、334、342、347、360、及び364が免疫原性フラグメントに存在する場合、これらの残基は、グリシン(G)である。
【0426】
いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば、免疫グロブリンE(IgE)リーダー配列などの免疫グロブリンリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントはリーダー配列を含まない。
【0427】
配列番号20及び22の免疫原性フラグメントに同一性を有するアミノ酸配列をもつタンパク質の免疫原性フラグメントが得られる。かかるフラグメントは、配列番号20及び/または配列番号22に95%以上の同一性を有するタンパク質の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1タンパク質配列の免疫原性フラグメントに96%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1タンパク質配列の免疫原性フラグメントに97%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1タンパク質配列の免疫原性フラグメントに98%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1タンパク質配列の免疫原性フラグメントに99%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば、IgEリーダー配列などの免疫グロブリンリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントはリーダー配列を含まない。
【0428】
いくつかの実施形態は、配列番号19及び配列番号21の免疫原性フラグメントに関する。免疫原性フラグメントは、配列番号19及び/または配列番号21の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば、IgEリーダー配列などの免疫グロブリンリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントはリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0429】
配列番号19及び配列番号21の免疫原性フラグメントに同一性を有するヌクレオチド配列を持つ核酸の免疫原性フラグメントが得られる。かかるフラグメントは、配列番号19及び/または配列番号21に95%以上の同一性を有する核酸の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含み得る。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1核酸配列の免疫原性フラグメントに96%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1核酸配列の免疫原性フラグメントに97%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1核酸配列の免疫原性フラグメントに98%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のWT1核酸配列の免疫原性フラグメントに99%以上の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントは、リーダー配列、例えば、IgEリーダー配列などの免疫グロブリンリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、免疫原性フラグメントはリーダー配列をコードするコード配列を有さない。
【0430】
(16)FAP
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。FAP抗原は、抗原特異的T細胞及び/または高力価の抗体反応を誘導することにより、抗原を発現するがんまたは腫瘍を標的とした、または抗原を発現するがんまたは腫瘍に対する反応性を有する免疫応答を誘導または誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、細胞性、体液性、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であってよい。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、インターフェロン-γ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子α(TNF-α)の誘導または分泌を含み得る。他の実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、限定されるものではないが、例えば、MHCの提示をダウンレギュレートする因子、抗原特異的調節性T細胞(Treg)をアップレギュレートする因子、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン類、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連線維芽細胞、免疫抑制細胞が産生する可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び下記により詳しく述べる免疫チェックポイント分子などの抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種類以上の免疫抑制因子を低減または阻害することができる。
【0431】
FAP抗原は、それに対する抗FAP免疫応答を誘導することができる免疫原としてFAP抗原を特に効果的なものとするタンパク質エピトープを含み得る。PSMA抗原は、完全長の翻訳産物、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせを含み得る。FAP抗原は、コンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0432】
コンセンサスFAP抗原は、配列番号60のアミノ酸配列をコードする配列番号59の核酸配列であってよい。コンセンサスFAPタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスFAPタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスFAP配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0433】
いくつかの実施形態では、コンセンサスFAP抗原は、配列番号59に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスFAP抗原は、配列番号60に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスFAP抗原は配列番号60に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0434】
いくつかの実施形態は、FAPコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、FAPコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0435】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0436】
いくつかの実施形態は、完全長のFAPコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、FAPコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びFAPコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のFAPコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のFAPコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のFAPコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるFAPタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0437】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0438】
いくつかの実施形態は、配列番号59のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号59の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号59のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号59のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0439】
更に、コンセンサスFAPタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号60である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスFAPタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号60である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスFAPタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0440】
いくつかの実施形態は、配列番号60と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0441】
いくつかの実施形態は、配列番号60と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号60に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0442】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号60の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号60の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0443】
配列番号60の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号60と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0444】
配列番号60の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号60に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0445】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0446】
コンセンサスFAP抗原をコードする核酸配列を、コドンの使用及び対応するRNA転写産物に関して最適化することができる。コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、発現についてコドン及びRNA最適化することができる。いくつかの実施形態では、コンセンサスFAP抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を高めるためのコザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、翻訳停止の効率を高めるための複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0447】
コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、免疫グロブリンE(IgE)のリーダー配列をコードしてもよい。コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がコンセンサスFAP P抗原のアミノ酸配列とペプチド結合によって連結されるようにIgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードしたヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチドを含まない、または有さない。
【0448】
いくつかの実施形態では、コンセンサスFAP抗原をコードする核酸は、異種核酸配列であってよく、かつ/または1以上の異種核酸配列を有することができる。
【0449】
(17)FSHR
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。FSHR抗原は、抗原特異的T細胞及び/または高力価の抗体反応を誘導することにより、抗原を発現するがんまたは腫瘍を標的とした、または抗原を発現するがんまたは腫瘍に対する反応性を有する免疫応答を誘導または誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、細胞性、体液性、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であってよい。いくつかの実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、インターフェロン-γ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子α(TNF-α)の誘導または分泌を含み得る。他の実施形態では、誘導または誘発される免疫応答は、限定されるものではないが、例えば、MHCの提示をダウンレギュレートする因子、抗原特異的調節性T細胞(Treg)をアップレギュレートする因子、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン類、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連線維芽細胞、免疫抑制細胞が産生する可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び下記により詳しく述べる免疫チェックポイント分子などの抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種類以上の免疫抑制因子を低減または阻害することができる。
【0450】
FSHR抗原は、それに対する抗FSHR免疫応答を誘導することができる免疫原としてFSHR抗原を特に効果的なものとするタンパク質エピトープを含み得る。PSMA抗原は、完全長の翻訳産物、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせを含み得る。FSHR抗原は、コンセンサスタンパク質を含むことができる。
【0451】
コンセンサスFSHR抗原は、配列番号62のアミノ酸配列をコードする配列番号61の核酸配列であってよい。コンセンサスFSHRタンパク質は、IgEリーダー配列及びHAタグと連結することができる。他の実施形態では、コンセンサスFSHRタンパク質は、IgEリーダー配列及び/またはHAタグを含まない、またはこれらと連結されなくともよい。コンセンサスFSHR配列は、限定されるものではないが、開始コドン及び少なくとも1つの終止コドンを含む調節配列と機能的に連結されてもよい。
【0452】
いくつかの実施形態では、コンセンサスFSHR抗原は、配列番号61に記載される核酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列であってよい。他の実施形態では、コンセンサスFSHR抗原は、配列番号62に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列であってよい。コンセンサスFSHR抗原は配列番号62に記載されるアミノ酸配列の全長にわたって、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列であってよい。
【0453】
いくつかの実施形態は、FSHRコンセンサスタンパク質と相同なタンパク質、FSHRコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及び相同タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列と95%以下の相同性、コンセンサス配列と96%以下の相同性、コンセンサス配列と97%以下の相同性、コンセンサス配列と98%以下の相同性、及び99%以下の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるタンパク質と相同なタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0454】
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列と相同な本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
【0455】
いくつかの実施形態は、完全長のFSHRコンセンサスタンパク質と特定の同一性(%)を有するタンパク質、FSHRコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、及びFSHRコンセンサスタンパク質と同一性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。完全長のFSHRコンセンサス配列と80%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と85%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と90%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と91%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と92%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と93%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と94%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と95%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と96%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と97%以下の同一性、完全長のFSHRコンセンサス配列と98%以下の同一性、及び完全長のFSHRコンセンサス配列と99%以下の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードするそのような核酸分子を提供することができる。同様に、本明細書に記載される免疫原性フラグメント及び本明細書に記載されるFSHRタンパク質と上記に示したような同様の同一性(%)を有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
【0456】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
【0457】
いくつかの実施形態は、配列番号61のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号61の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であってよい。フラグメントは、配列番号61のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%相同であってよい。フラグメントは、配列番号61のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であってよい。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
【0458】
更に、コンセンサスFSHRタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号62である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスFSHRタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号62である。IgEリーダーに連結されたコンセンサスFSHRタンパク質のアミノ酸配列は、HAタグに連結されてもよい。
【0459】
いくつかの実施形態は、配列番号62と相同なタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0460】
いくつかの実施形態は、配列番号62と同一性を有するタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と85%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と91%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と92%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と93%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と94%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と96%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と97%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号62に記載される完全長のコンセンサスアミノ酸配列と99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
【0461】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。配列番号62の免疫原性フラグメントを提供することができる。免疫原性フラグメントは、配列番号62の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0462】
配列番号62の免疫原性フラグメントと相同なアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号62と95%以上の相同性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントと99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0463】
配列番号62の免疫原性フラグメントと同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントを提供することができる。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号62に記載されるアミノ酸配列と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列、例えば免疫グロブリンリーダー、例えばIgEリーダーを含む。いくつかの実施形態では、フラグメントは、リーダー配列を含まない。いくつかの実施形態では、フラグメントは、例えばIgEリーダーのようなリーダー配列を含まない。
【0464】
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して本明細書で言及する場合、シグナルペプチド/リーダー配列は、シグナルペプチドのコード配列を含まないそのタンパク質をコードする核酸配列の開始コドンによってコードされるタンパク質のN末端のメチオニンを置換する。
【0465】
コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸配列を、コドンの使用及び対応するRNA転写産物に関して最適化することができる。コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、発現についてコドン及びRNA最適化することができる。いくつかの実施形態では、コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸配列は、翻訳の効率を高めるためのコザック配列(例えば、GCC ACC)を含むことができる。コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、翻訳停止の効率を高めるための複数の終止コドン(例えば、TGA TGA)を含むことができる。
【0466】
コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、免疫グロブリンE(IgE)のリーダー配列をコードしてもよい。コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列のアミノ酸配列がコンセンサスFSHR P抗原のアミノ酸配列とペプチド結合によって連結されるようにIgEリーダー配列を更にコードすることができる。コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードしたヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチドを含まない、または有さない。
【0467】
いくつかの実施形態では、コンセンサスFSHR抗原をコードする核酸は、異種核酸配列であってよく、かつ/または1以上の異種核酸配列を有することができる。
【0468】
(18)gp100
本発明の免疫原性組成物は、がん抗原糖タンパク質100(glycoprotein 100)(gp100;Trp2及びプレメラノソームタンパク質(premelanosome protein)(PMEL)としても知られる)、そのフラグメント、またはその変異体を含むことができる。gp100はPMEL遺伝子によりコードされる。gp100は、段階IからIIへのメラノソームの成熟に関与する際に、メラノソームの生合成において中心的な役割を果たす、661のアミノ酸から構成される70kDaの1型膜貫通糖タンパク質である。gp100は多胞体内に線条を形成させ、プレメラノソームの生合成に直接関与する。gp100は成熟したメラノソームに比較してプレメラノソームにおいて富化されるが、増殖する新生のメラニン形成細胞により及び腫瘍の増殖の間に過剰発現する。gp100タンパク質は、メラノーマ患者の末梢血由来及び腫瘍浸潤リンパ球由来の細胞傷害性Tリンパ球によって認識される、種々の免疫原性エピトープを含む。
【0469】
gp100抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0470】
(19)ウイルス抗原
上記がん抗原はウイルス抗原、そのフラグメント、またはその変異体とすることができる。上記ウイルス抗原はB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、またはヒトパピローマウイルス(HPV)由来の抗原とすることができる。HPVとしては、後述するように、HPV6、HPV11、HPV16、またはHPV18とすることができる。
【0471】
上記ウイルス抗原は抗原特異性T細胞及び/または高力価抗体応答を誘導し、それによって上記抗原を発現するがんまたは腫瘍に向かうまたはこれに反応性を有する免疫応答を誘導するまたは誘発することができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、または細胞性及び体液性免疫応答の両方であることができる。いくつかの実施形態において、誘導されるまたは誘発される細胞性免疫応答としては、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)及び/または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の誘導または分泌を挙げることができる。その他の実施形態において、誘導されるまたは誘発される免疫応答は、限定されないが、例えば、MHCによる提示を下方制御する因子、抗原特異性の調節性T細胞(Tregs)、PD-L1、FasL、IL-10及びTFG-βなどのサイトカイン、腫瘍関連マクロファージ、腫瘍関連繊維芽細胞、免疫抑制細胞によって生成される可溶性因子、CTLA-4、PD-1、MDSC、MCP-1、及び免疫チェックポイント分子を上方制御する因子などの、上記抗原を発現する腫瘍またはがんの増殖を促進する1種または複数種の免疫抑制因子を低減または阻害することができ、上記免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。
【0472】
(a)B型肝炎ウイルス抗原
上記ウイルス抗原はB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus)(HBV)由来の抗原、そのフラグメント、またはその変異体とすることができる。HBV抗原は肝癌に関連し、または肝癌を発生させ得る。いくつかの実施形態において、HBV抗原は、プラスミド(複数可)などの、HBV由来の1種または複数種の抗原をコードする非相同な核酸分子(複数可)とすることができる。HBV抗原は、全長であるかまたは全長タンパク質の免疫原性フラグメントとすることができる。
【0473】
HBV抗原はコンセンサス配列及び/または発現を向上させるための1または複数の改変を含むことができる。上記改変コンセンサス配列には、コンストラクトの免疫原性を増加させるためのコドン最適化、RNA最適化、及び高効率免疫グロブリンリーダー配列の付加を始めとする遺伝的改変を含めることができる。コンセンサスHBV抗原は、IgEまたはIgGシグナルペプチドなどの免疫グロブリンシグナルペプチド等のシグナルペプチドを含んでいてもよく、いくつかの実施形態において、HAタグを含んでいてもよい。該免疫原は、相当するコドン最適化免疫原よりもより強力でより広範な細胞性免疫応答を誘発するように設計することができる。
【0474】
HBV抗原はHBVコアタンパク質、HBV表面タンパク質、HBV DNAポリメラーゼ、遺伝子XによりコードされるHBVタンパク質、それらのフラグメント、それらの変異体、またはそれらの組み合わせとすることができる。HBV抗原はHBV遺伝子型Aコアタンパク質、HBV遺伝子型Bコアタンパク質、HBV遺伝子型Cコアタンパク質、HBV遺伝子型Dコアタンパク質、HBV遺伝子型Eコアタンパク質、HBV遺伝子型Fコアタンパク質、HBV遺伝子型Gコアタンパク質、HBV遺伝子型Hコアタンパク質、HBV遺伝子型A表面タンパク質、HBV遺伝子型B表面タンパク質、HBV遺伝子型C表面タンパク質、HBV遺伝子型D表面タンパク質、HBV遺伝子型E表面タンパク質、HBV遺伝子型F表面タンパク質、HBV遺伝子型G表面タンパク質、HBV遺伝子型H表面タンパク質、それらのフラグメント、それらの変異体、またはそれらの組み合わせとすることができる。HBV抗原はコンセンサスHBVコアタンパク質、またはコンセンサスHBV表面タンパク質とすることができる。
【0475】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Aコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Aコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Aコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0476】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Bコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Bコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Bコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0477】
更にその他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Cコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Cコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Cコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0478】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Dコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Dコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Dコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0479】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Eコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Eコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Eコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0480】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Fコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Fコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Fコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0481】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Gコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Gコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Gコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0482】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Hコンセンサスコア核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型Hコアタンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Hコンセンサスコアタンパク質配列とすることができる。
【0483】
更にその他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Aコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型A表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Aコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0484】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Bコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型B表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Bコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0485】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Cコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型C表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Cコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0486】
更にその他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Dコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型D表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Dコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0487】
いくつかの実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Eコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型E表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Eコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0488】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Fコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型F表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Fコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0489】
更にその他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Gコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型G表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Gコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0490】
その他の実施形態において、HBV抗原はHBV遺伝子型Hコンセンサス表面核酸配列コンストラクト、HBV遺伝子型H表面タンパク質に対するコンセンサス配列に連結したIgEリーダー配列、またはHBV遺伝子型Hコンセンサス表面タンパク質配列とすることができる。
【0491】
(b)C型肝炎ウイルス抗原
上記ウイルス抗原はC型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus)(HCV)由来の抗原、そのフラグメント、またはその変異体とすることができる。HCV抗原は肝癌に関連し、または肝癌を発生させ得る。いくつかの実施形態において、HCV抗原は、プラスミド(複数可)などの、HCV由来の1種または複数種の抗原をコードする非相同な核酸分子(複数可)とすることができる。HCV抗原は、全長であるかまたは全長タンパク質の免疫原性フラグメントとすることができる。
【0492】
HCV抗原はコンセンサス配列及び/または発現を向上させるための1または複数の改変を含むことができる。上記改変コンセンサス配列には、コドン最適化、RNA最適化、及びコンストラクトの免疫原性を増加させるための高効率免疫グロブリンリーダー配列の付加を始めとする遺伝的改変を含めることができる。コンセンサスHCV抗原は、IgEまたはIgGシグナルペプチドなどの免疫グロブリンシグナルペプチド等のシグナルペプチドを含んでいてもよく、いくつかの実施形態においてHAタグを含んでいてもよい。該免疫原は、相当するコドン最適化免疫原よりもより強力でより広範な細胞性免疫応答を誘発するように設計することができる。
【0493】
HCV抗原は、HCVヌクレオカプシドタンパク質(すなわち、コアタンパク質)、HCVエンベローブタンパク質(例えば、E1及びE2)、HCV非構造タンパク質(例えば、NS1、NS2、NS3、NS4a、NS4b、NS5a、及びNS5b)、それらのフラグメント、それらの変異体、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0494】
(c)ヒトパピローマウイルス
上記ウイルス抗原はHPV由来の抗原、そのフラグメント、またはその変異体とすることができる。HPV抗原はHPV16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、及び58型由来とすることができ、これらは子宮頸癌、直腸癌、及び/またはその他のがんを発生させる。HPV抗原はHPV6型及び/または11型由来とすることができ、これらは尖圭コンジロームを発生させ、頭頚部癌の原因であることが知られている。HPV抗原はHPV16型及び/または18型由来とすることができ、これらは子宮頸癌を発生させる。HPV抗原はHPV6型、11型及び/または16型由来とすることができ、これらはRRP及び肛門癌を発生させる。HPVがん抗原は更に、2007年7月30日出願の米国特許第8,168,769号、2010年1月21日出願の米国特許第8,389,706号、2011年10月21日出願の米国特許出願第13/271,576号、及び2013年3月12日出願の米国特許出願第61/777,198号によって規定され、これらのそれぞれは、その全体が参照により組み入れられる。
【0495】
HPV抗原は、各HPV型由来のHPV E6またはE7ドメインとすることができる。例えば、HPV16型(HPV16)に関し、HPV16抗原はHPV16 E6抗原、HPV16 E7抗原、それらのフラグメント、変異体、または組み合わせを含むことができる。同様に、HPV抗原はHPV6 E6及び/もしくはE7、HPV11 E6及び/もしくはE7、HPV16 E6及び/もしくはE7、HPV18 E6及び/もしくはE7、HPV31 E6及び/もしくはE7、HPV33 E6及び/もしくはE7、HPV52 E6及び/もしくはE7、またはHPV58 E6及び/もしくはE7、それらのフラグメント、変異体あるいは組み合わせとすることができる。
【0496】
(d)ヘルペスウイルス
上記ウイルス抗原はヘルペスウイルス抗原であってもよい。ヘルペスウイルス抗原はCMV、HSV1、HSV2、VZV、CeHV1、EBV、ロゼオロウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びMuHVの群より選択される抗原とすることができる。
【0497】
コンセンサスタンパク質HCMV-gB(配列番号26)、コンセンサスタンパク質HCMV-gM(配列番号28)、コンセンサスタンパク質HCMV-gN(配列番号30)、コンセンサスタンパク質HCMV-gH(配列番号32)、コンセンサスタンパク質HCMV-gL(配列番号34)、コンセンサスタンパク質HCMV-gO(配列番号36)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL128(配列番号38)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL130(配列番号40)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL-131A(配列番号42)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL-83(pp65)(配列番号44)。
【0498】
配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、または配列番号44をコードする配列を含む核酸配列。上記コンセンサスアミノ酸配列をコードする核酸分子が生起される。免疫原性組成物は、ヒトにおける安定性及び発現を最適化するために生起されるこの配列の群より選択される1種または複数種の免疫原性タンパク質のコンセンサス版をコードする1種または複数種の核酸配列を含んでいてもよい。コンセンサスタンパク質HCMV-gBをコードする核酸配列(配列番号25)、コンセンサスタンパク質HCMV-gMをコードする核酸配列(配列番号27)、コンセンサスタンパク質HCMV-gNをコードする核酸配列(配列番号29)、コンセンサスタンパク質HCMV-gHをコードする核酸配列(配列番号31)、コンセンサスタンパク質HCMV-gLをコードする核酸配列(配列番号33)、コンセンサスタンパク質HCMV-gOをコードする核酸配列(配列番号35)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL128をコードする核酸配列(配列番号37)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL130をコードする核酸配列(配列番号39)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL-131Aをコードする核酸配列(配列番号41)、コンセンサスタンパク質HCMV-UL-83(pp65)をコードする核酸配列(配列番号43)。上記核酸配列は更に5’末端に連結するコード化IgEリーダーを有することができる。
【0499】
臨床分離物からの進化的分岐及び一般的な流通しているヒト株の中での広範な遺伝的差異の観点から、各免疫原性タンパク質に対するコンセンサスアミノ酸配列が生起された。gB、gM、gH、gL、gE、gI、gK、gC、gD、UL128、UL130、UL-131A及びUL-83(pp65)に対するコンセンサスアミノ酸配列は、ヒト臨床分離物由来の配列に基づくものであった。gNタンパク質の大きな進化的分岐により、コンセンサス配列は、血液検査で最も陽性を示すgN-4を代表する、7種の血清型の1種(gN-4c)のみから生起された。同様に、gOの場合には、特定の血清型が、gN-4c血清型に連結するという報告から、コンセンサスアミノ酸配列は、8種の血清型の1種(gO-5)から生起された。
【0500】
上述のように、上記ヘルペスウイルス抗原はコンセンサスヘルペスウイルスとすることができる。コンセンサスヘルペスウイルス抗原はシグナルペプチドを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、IgEリーダーがN末端に連結する。本明細書に記載のように、コンセンサス配列のN末端に連結するシグナルペプチドに言及する場合には、詳細には、当該コンセンサス配列のN末端Xaa残基がシグナルペプチドによって置換された実施形態を含むことが意図される。すなわち、本明細書において用いられるXaaとは、任意のアミノ酸を指すまたはアミノ酸を指さないことが意図される。配列番号26、28、30、32、34、36、38、40、42、44に示される本明細書に記載のコンセンサス配列を含むタンパク質は、N末端Xaaを有さない配列を含んでいてもよい。
【0501】
それぞれの特定の例において、ヘルペスウイルス免疫原性タンパク質コンセンサス配列のN末端に、IgEリーダー配列を含むアミノ酸配列が生起された。いくつかの実施形態において、2種以上のヘルペスウイルス抗原が、タンパク質分解開裂部位によって互いに連結した融合タンパク質として発現する核酸コンストラクトが提供される。フューリンタンパク質分解開裂部位は、コンストラクトによって発現される融合タンパク質においてヘルペスウイルス抗原に連結し得るタンパク質分解開裂部位の例である。上記ヘルペスファミリーのウイルスがん抗原は更に、米国特許出願第13/982,457号に開示される任意の抗原とすることができ、該出願の内容はその全体が参照により組み入れられる。
【0502】
4.免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた免疫原性組成物
上記免疫原性組成物は、1種または複数種の免疫チェックポイント分子の1種または複数種の阻害剤(すなわち、免疫チェックポイント阻害剤)を更に含むことができる。免疫チェックポイント分子はより詳細に後述する。免疫チェックポイント阻害剤は、MHCクラスによる提示、T細胞による提示及び/もしくはその分化、B細胞による提示及び/もしくはその分化、任意のサイトカイン、ケモカインまたは免疫細胞の増殖及び/または分化のための信号伝達などの免疫系における任意の要素の抑制を防止する任意の核酸またはタンパク質である。
【0503】
かかる阻害剤は核酸配列、アミノ酸配列、低分子、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列は、DNA、RNA、cDNA、それらの変異体、それらのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列はまた、ペプチド結合により免疫チェックポイント阻害剤に連結するリンカー配列またはタグ配列をコードする更なる配列を含むこともできる。上記低分子は酵素基剤、タンパク質もしくは核酸に結合するリガンド(またはその類似体)、あるいは生物学的過程の調節剤として働く、低分子量、例えば800ドルトン未満の有機または無機化合物とすることができる。上記アミノ酸配列はタンパク質、ペプチド、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0504】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、抗原、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせをコードする1種または複数種の核酸配列とすることができる。その他の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は抗原、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0505】
a.免疫チェックポイント分子
免疫チェックポイント分子は核酸配列、アミノ酸配列、低分子、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列は、DNA、RNA、cDNA、それらの変異体、それらのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記核酸配列はまた、ペプチド結合により免疫チェックポイント阻害剤に連結するリンカー配列またはタグ配列をコードする更なる配列を含むこともできる。上記低分子は、酵素基剤、タンパク質もしくは核酸に結合するリガンド(またはその類似体)、または生物学的過程の調節剤として働く、低分子量、例えば800ドルトン未満の有機または無機化合物とすることができる。上記アミノ酸配列は、タンパク質、ペプチド、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。免疫チェックポイント分子は、少なくとも1種類の免疫チェックポイントタンパク質の阻害剤であってよい。免疫チェックポイントタンパク質としては、限定されるものではないが、PD-1、PD-L1、CTLA4、TIM3及びLAG3が上げられる。
【0506】
b.抗免疫チェックポイント分子抗体
上述のように、免疫チェックポイント阻害剤は抗体とすることができる。上記抗体は抗原(すなわち、上記の免疫チェックポイント分子)と結合または反応することができる。従って、上記抗体は、抗免疫チェックポイント分子抗体または免疫チェックポイント分子抗体と見なし得る。上記抗体は、に含まれる核酸配列によりコードすることができる。
【0507】
上記抗体としては、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドを挙げることができる。上記重鎖ポリペプチドとしては、可変重鎖(variable heavy chain)(VH)領域及び/または少なくとも1種の定常重鎖(Constant heavy chain)(CH)領域を含むことができる。上記少なくとも1種の定常重鎖領域としては、定常重鎖領域1(CH1)、定常重鎖領域2(CH2)、及び定常重鎖領域3(CH3)、及び/またはヒンジ領域を挙げることができる。
【0508】
いくつかの実施形態において、上記重鎖ポリペプチドはVH領域及びCH1領域を含むことができる。その他の実施形態において、上記重鎖ポリペプチドはVH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、及びCH3領域を含むことができる。
【0509】
上記重鎖ポリペプチドは相補性決定領域(complementarity determining region)(「CDR」)セットを含むことができる。上記CDRセットはVH領域の3の高度可変領域を含むことができる。これらのCDRは、重鎖ポリペプチドのN末端から発して、それぞれ「CDR1」、「CDR2」、及び「CDR3」によって示される。重鎖ポリペプチドのCDR1、CDR2、及びCDR3は抗原への結合または抗原の認識に寄与することができる。
【0510】
上記軽鎖ポリペプチドは可変軽鎖(variable light chain)(VL)領域及び/または定常軽鎖(constant light chain)(CL)領域を含むことができる。軽鎖ポリペプチドは相補性決定領域(「CDR」)セットを含むことができる。上記CDRセットはVL領域の3の高度可変領域を含むことができる。これらのCDRは、軽鎖ポリペプチドのN末端から発して、それぞれ「CDR1」、「CDR2」、及び「CDR3」と表される。軽鎖ポリペプチドのCDR1、CDR2、及びCDR3は抗原への結合または抗原の認識に寄与することができる。
【0511】
上記抗体は、それぞれ、CDRに土台を提供し、CDRの互いの相対的な空間的関係を規定する重鎖及び軽鎖フレームワーク(framework)(「FR」)セットの間に組み付けられた重鎖及び軽鎖相補性決定領域(「CDR」)セットを含み得る。CDRセットは、重鎖または軽鎖V領域の3の高度可変領域を含むことができる。これらの領域は、重鎖または軽鎖ポリペプチドのN末端から発して、それぞれ「CDR1」、「CDR2」、及び「CDR3」と表される。従って、抗原結合部位は、各重鎖及び軽鎖V領域由来のCDRセットを含む6のCDRを含むことができる。
【0512】
上記抗体は免疫グロブリン(Ig)とすることができる。Igは、例えば、IgA、IgM、IgD、IgE、及びIgGとすることができる。上記免疫グロブリンは重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドを含むことができる。免疫グロブリンの重鎖ポリペプチドはVH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、及びCH3領域を含むことができる。免疫グロブリンの軽鎖ポリペプチドはVL領域及びCL領域を含むことができる。
【0513】
加えて、タンパク質分解酵素パパインはIgG分子を優先的に開裂していくつかのフラグメントを生成し、その内の2つ(F(ab)フラグメント)はそれぞれ無傷の抗原結合部位を含む共有結合性ヘテロ二量体を含む。酵素ペプシンはIgG分子を開裂してF(ab’)2フラグメントを始めとするいくつかのフラグメントを与えることができ、F(ab’)2は両方の抗原結合部位を含む。従って、上記抗体はFabまたはF(ab’)2とすることができる。Fabは上記重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドを含むことができる。Fabの重鎖ポリペプチドは上記VH領域及びCH1領域を含むことができる。Fabの軽鎖ポリペプチドは上記VL領域及びCL領域を含むことができる。
【0514】
上記抗体は多クローン性または単クローン性とすることができる。上記抗体はキメラ抗体、一本鎖抗体、親和性成熟抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、または完全なヒト抗体とすることができる。上記ヒト化抗体は、1種または複数種の非ヒト種由来の相補性決定領域(CDR)及びヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する所望の抗原に結合する非ヒト種由来の抗体とすることができる。
【0515】
(1)PD-1抗体
上記抗免疫チェックポイント分子抗体は、抗PD-1抗体(本明細書においては「PD-1抗体」とも呼ばれる)、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。PD-1抗体はニボルマブとすることができる。上記抗PD-1抗体はPD-1活性を阻害し、それによって腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導し、誘発し、または増加させ、腫瘍の増殖を低減することができる。
【0516】
(2)PD-L1抗体
上記抗免疫チェックポイント分子抗体は、抗PD-L1抗体(本明細書においては「PD-L1抗体」とも呼ばれる)、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせとすることができる。上記抗PD-L1抗体はPD-L1活性を阻害し、それによって腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導し、誘発し、または増加させ、腫瘍の増殖を低減することができる。
【0517】
(3)CTLA4抗体
抗免疫チェックポイント分子抗体は、抗CTLA4抗体(本明細書で「CTLA4抗体」とも呼ばれる)、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせであってよい。抗CTLA4抗体は、CTLA4活性を阻害することにより、腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導、誘発、または増大させ、腫瘍増殖を低減することができる。
【0518】
(4)TIM3抗体
抗免疫チェックポイント分子抗体は、抗TIM3抗体(本明細書で「TIM3抗体」とも呼ばれる)、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせであってよい。抗TIM3抗体は、TIM3活性を阻害することにより、腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導、誘発、または増大させ、腫瘍増殖を低減することができる。
【0519】
(5)LAG3抗体
抗免疫チェックポイント分子抗体は、抗LAG3抗体(本明細書で「LAG3抗体」とも呼ばれる)、その変異体、そのフラグメント、またはそれらの組み合わせであってよい。抗LAG3抗体は、LAG3活性を阻害することにより、腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導、誘発、または増大させ、腫瘍増殖を低減することができる。
【0520】
5.コンストラクト及びプラスミド
上記免疫原性組成物は、上述の抗原及び/または抗体をコードする核酸コンストラクトまたはプラスミドを含むことができる。上記核酸コンストラクトまたはプラスミドは、1種または複数種の非相同な核酸配列を含むまたは含有することができる。本明細書においては、上述の抗原及び/または抗体をコードする核酸配列を含むことができる遺伝子コンストラクトが提供される。上記遺伝子コンストラクトは、機能する染色体外分子として細胞内に存在する。上記遺伝子コンストラクトは、動原体、末端小粒またはプラスミドもしくはコスミドを含む線状微小染色体とすることができる。上記遺伝子コンストラクトは、1種または複数種の非相同な核酸配列を含むまたは含有することができる。
【0521】
上記遺伝子コンストラクトは、上述の抗原及び/または抗体をコードする核酸により細胞にトランスフェクトするために有用であることができ、該トランスフェクション後に、該トランスフェクトされた宿主細胞は培養され、上述の抗原及び/または抗体の発現が起こる条件下に維持される。
【0522】
安定性及び高い水準での発現のために、コード配列を最適化することができる。いくつかの例において、分子内結合に起因して形成される二次構造などのRNAの二次構造形成を低減するために、コドンが選択される。
【0523】
遺伝子コンストラクトは、上記に述べた抗原及び/または抗体を任意の順序で発現するプラスミドの形態とすることができる。
【0524】
発現ベクター
ベクターは、環状プラスミドまたは直鎖状核酸であってよい。環状プラスミド及び直鎖状核酸は、適切な対象細胞内で特定のヌクレオチド配列の発現をもたらすことが可能である。ベクターは、終結シグナルに機能的に連結することができる、抗原をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを有することができる。ベクターは、ヌクレオチド配列の適正な翻訳に必要な配列も含むことができる。対象とするヌクレオチド配列を含むベクターはキメラでもよく、これはその要素の少なくとも1つが他の要素の少なくとも1つに対して異種のものであることを意味する。発現カセット内のヌクレオチド配列の発現は、構成性プロモーター、または宿主細胞がなんらかの特定の外的刺激に曝露される場合にのみ転写を開始する誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。多細胞生物の場合では、プロモーターは、特定の組織または臓器または発生の段階に特異的なものとすることもできる。
【0525】
RNAベクター
一実施形態では、核酸はRNA分子である。したがって、一実施形態では、本明細書は1以上のMAYV抗原をコードするRNA分子を提供する。RNAはプラス鎖とすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、RNA分子は、逆転写のようないずれの中間的複製ステップも必要とせずに細胞が翻訳することができる。本発明で有用なRNA分子は、5’キャップ(例えば、7-メチルグアノシン)を有することができる。このキャップはRNAのインビボ翻訳を促進することができる。本発明で有用なRNA分子の5’ヌクレオチドは、5’三リン酸基を有することができる。キャップされたRNAでは、これは5’-5’架橋を介して7-メチルグアノシンに連結され得る。RNA分子は、3’ポリAテールを有することができる。RNAは、その3’末端付近にポリAポリメラーゼ認識配列(例えば、AAUAAA)も有することができる。本発明で有用なRNA分子は一本鎖であってよい。いくつかの実施形態では、RNA分子は、裸のRNA分子である。一実施形態では、RNA分子は、ベクター内に含まれる。
【0526】
一実施形態では、RNAは、5’及び3’UTRを有する。一実施形態では、5’UTRは0~3000ヌクレオチドの長さである。コード領域に付加される5’及び3’UTRの長さは、限定されるものではないが、UTRの異なる領域にアニールするPCR用のプライマーを設計することなどを含む異なる方法によって変化させることができる。この手法を用いることで、当業者であれば、転写されたRNAのトランスフェクション後の最適な翻訳効率を得るために必要な5’および3’UTRの長さを改変することができる。
【0527】
5’及び3’UTRは、対象とする遺伝子の天然に存在する内因性の5’及び3’UTRであってよい。あるいは、対象とする遺伝子に内在しないUTR配列を、順方向及び逆方向プライマーにUTR配列を組み込むか、または任意の他の鋳型の改変によって付加することもできる。対象とする遺伝子に内在しないUTR配列の使用は、RNAの安定性及び/または翻訳効率を改変するうえで有用となり得る。例えば、3’UTR配列内の高AUエレメントはRNAの安定性を低下させ得ることが知られている。したがって、3’UTRを、当該技術分野では周知のUTRの性質に基づいて転写後のRNAの安定性を高めるように選択または設計することができる。
【0528】
一実施形態では、5’UTRは、内因性遺伝子のコザック配列を有してもよい。あるいは、対象とする遺伝子に内在していない5’UTRが上記に述べたようにPCRによって付加されている場合、5’UTR配列を付加することによってコンセンサスコザック配列を設計しなおしてもよい。コザック配列は、特定のRNA転写産物の翻訳の効率を高めることができるが、効率的な翻訳を可能とするためにすべてのRNAで必要とされるわけではないようである。多くのRNAのコザック配列の必要条件は当該技術分野では周知のものである。他の実施形態では、5’UTRは、細胞内でRNAゲノムが安定しているRNAウイルス由来のものとすることができる。他の実施形態では、各種のヌクレオチド類似体を3’または5’UTR内に用いることでRNAのエキソヌクレアーゼによる分解を抑制することができる。
【0529】
一実施形態では、RNAは、細胞内でのリボソームの結合、翻訳の開始、及びRNAの安定性を決定する5’末端のキャップと3’ポリ(A)テールの両方を有する。
【0530】
一実施形態では、RNAはヌクレオシド改変されたRNAである。ヌクレオシド改変RNAは、より高い安定性、免疫原性が低いかまたはないこと、及び向上した翻訳など、非改変RNAと比較して特定の利点を有している。
【0531】
環状及び直鎖状ベクター
ベクターは、細胞ゲノム内に組み込まれることによって標的細胞を形質転換することができる、または染色体外に存在し得る(例えば、複製起点を有する自己複製プラスミド)環状プラスミドとすることができる。
【0532】
ベクターは、pVAX、pcDNA3.0、もしくはprovax、または、抗原をコードするDNAを発現し、細胞が配列を免疫系によって認識される抗原に翻訳することを可能とする他の任意の発現ベクターとすることができる。
【0533】
電気穿孔によって対象に効率的に送達させることができ、1種以上の所望の抗原を発現することが可能な直鎖状核酸免疫原性組成物、または直鎖状発現カセット(「LEC」)も提供される。LECは、リン酸骨格を有さない任意の直鎖状DNAとすることができる。かかるDNAは、1種以上の抗原をコードすることができる。LECは、プロモーター、イントロン、終止コドン、及び/またはポリアデニル化シグナルを含むことができる。抗原の発現は、プロモーターによって制御することができる。LECは、抗生物質耐性遺伝子及び/またはリン酸骨格を含まなくともよい。LECは、所望の抗原遺伝子の発現と無関係な他のヌクレオチド配列を含まなくともよい。
【0534】
LECは、直鎖化できる任意のプラスミドに由来するものとすることができる。プラスミドは、抗原を発現することが可能なものとすることができる。プラスミドは、pNP(Puerto Rico/34)またはpM2(New Caledonia/99)とすることができる。プラスミドは、WLV009、pVAX、pcDNA3.0、もしくはprovax、または、抗原をコードするDNAを発現し、細胞が配列を免疫系によって認識される抗原に翻訳することを可能とする他の任意のプラスミドとすることができる。
【0535】
LECは、pcrM2とすることができる。LECは、pcrNPとすることができる。pcrNP及びpcrMRは、それぞれpNP(Puerto Rico/34)及びpM2(New Caledonia/99)に由来するものとすることができる。
【0536】
プロモーター、イントロン、終止コドン、及びポリアデニル化シグナル
上記ベクターは、上述の抗原及び/または抗体をコードする非相同な核酸を含むことができ、1種または複数種のがん抗原コード配列(複数可)の上流とすることができる開始コドンと、上述の抗原及び/または抗体のコード配列(複数可)の下流とすることができる終止コドンとを更に含むことができる。
【0537】
ベクターはプロモーターを有することができる。プロモーターは、遺伝子発現をもたらし、単離された核酸の発現を調節することが可能な任意のプロモーターであってよい。かかるプロモーターは、本明細書に述べられる抗原配列を転写するDNA依存性RNAポリメラーゼによる転写に必要とされるシス作用型配列エレメントである。異種核酸の発現をもたらすために用いられるプロモーターの選択は、特定の用途に応じて決まる。プロモーターは、天然の条件における転写開始部位からの距離とほぼ同じベクター内の転写開始部位からの距離に配置することができる。しかしながら、プロモーターの機能を喪失させることなくこの距離を変えることもできる。
【0538】
上記開始コドン及び終止コドンは、上述の抗原及び/または抗体のコード配列(複数可)とインフレームとすることができる。上記ベクターは、上述の抗原及び/または抗体のコード配列(複数可)に機能的に連結するプロモーターを含むことができる。上述の抗原及び/または抗体のコード配列(複数可)に機能的に連結するプロモーターは、シミアンウイルス40(simian virus 40)(SV40)由来のプロモーター、マウス乳腺癌ウイルス(mouse mammary tumor virus)(MMTV)プロモーター、ウシ免疫不全ウイルス(bovine immunodeficiency virus)(BIV)長末端反復(long terminal repeat)(LTR)プロモーターなどのヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)(HIV)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(avian leukosis virus)(ALV)プロモーター、CMV前初期プロモーター、エプスタイン・バー・ウイルス(Epstein Barr virus)(EBV)プロモーター、またはラウス肉腫ウイルスRous sarcoma virus(RSV)プロモーターなどのサイトメガロウイルス(cytomegalovirus)(CMV)プロモーターとすることができる。上記プロモーターは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、またはヒトメタロチオネインなどのヒト遺伝子からのプロモーターとすることもできる。上記プロモーターは、筋肉または皮膚特異性プロモーターなどの組織特異性プロモーターとすることができ、天然もしくは合成とすることができる。かかるプロモーターの例は、米国特許出願公開第US20040175727号に記載され、その内容は全体として本明細書に組み入れられる。
【0539】
上記ベクターは、ポリアデニル化シグナルを含むことができ、該シグナルは、上述の抗原及び/または抗体のコード配列(複数可)の下流とすることができる。ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bovine growth hormone)(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(human growth hormone)(hGH)ポリアデニル化シグナル、またはヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルとすることができる。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4ベクター(インビトロジェン、サンディエゴ、カリフォルニア州)由来のポリアデニル化シグナルとすることができる。
【0540】
上記ベクターはまた、上述の抗原及び/または抗体の上流にエンハンサーも含むことができる。上記エンハンサーは発現にとって必要なものとすることができる。上記エンハンサーはヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンまたはCMV、HA、RSVまたはEBVなどのウイルスエンハンサーとすることができる。ポリヌクレオチド機能エンハンサーは、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号、及びWO94/016737に記載されており、それぞれの内容は参照により全体が組み入れられる。
【0541】
ベクターは、エンハンサーと、機能的スプライスドナー部位及びアクセプター部位を含むイントロンとを含むことができる。ベクターは、効率的な終結を行うため、構造遺伝子の下流に転写終結領域を含むことができる。終結領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得てもよく、または異なる遺伝子から得てもよい。
【0542】
多重ベクター
免疫原性組成物は、単一のプラスミドのような単一の核酸分子の複数のコピー、または2種以上の異なるプラスミドのような2種以上の異なる核酸分子の複数のコピーを含むことができる。例えば、免疫原性組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種以上の複数の異なる核酸分子含むことができる。かかる組成物は、2、3、4、5、6種、またはそれよりも多いの複数の異なるプラスミドを含むことができる。
【0543】
免疫原性組成物は、単一の抗原のコード配列を合わせて含むプラスミドなどの核酸分子を含むことができる。一実施形態では、抗原はFAPである。免疫原性組成物は、複数の抗原のコード配列を合わせて含むプラスミドなどの核酸分子を含むことができる。例として、一実施形態では、抗原は、TERT及び更なるがん抗原から選択される複数の抗原である。例示的な一実施形態では、抗原は、WT-1及びTERTである。例示的な一実施形態では、抗原は、PSMA及びTERTである。別の例示的な実施形態では、抗原は、TERT、WT-1及びPSMAである。免疫原性組成物は、1種以上の抗原及び1種以上のがん抗原のコード配列を合わせて含むプラスミドなどの核酸分子を含むことができる。
【0544】
複製起点
上記ベクターは、当該ベクターを染色体外に維持し、且つ、細胞中でベクターの複数のコピーを産生するために、哺乳類の複製起点も含むこともできる。上記ベクターはインビトロジェン(サンディエゴ、カリフォルニア州)からのpVAX1、pCEP4またはpREP4とすることができ、これらは、エプスタイン・バー・ウイルスの複製起点と、核抗原EBNA-1のコード領域とを含むことができ、統合しないで高いコピー数のエピソーム複製を生起させることができる。上記ベクターは、pVAX1または本明細書に記載の変異体プラスミドなどの改変を伴うpVax1変異体とすることができる。変異体pVax1プラスミドは骨格ベクタープラスミドpVAX1(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州)の2998塩基対の変異体である。CMVプロモーターは塩基137~724に位置する。T7プロモーター/促進部位は塩基664~683にある。マルチクローニングサイトは塩基696~811にある。ウシGHポリアデニル化シグナルは塩基829~1053にある。カナマイシン耐性遺伝子は塩基1226~2020にある。pUCオリジンは塩基2320~2993にある。
【0545】
インビトロジェンより入手可能なpVAX1の配列に基づいて、本明細書に記載されるプラスミド1~6の骨格として用いられるpVAX1の配列中に、以下の変異が見出された。
【0546】
C>G241 CMVプロモーター中
C>T 1942 骨格、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル(bovine growth hormone polyadenylation signal)(bGHpolyA)の下流
A>- 2876 骨格、カナマイシン遺伝子の下流
C>T 3277 pUC複製起点(Ori)高コピー数変異(Nucleic Acid Research 1985を参照のこと)
G>C 3753 RNASeH部位の上流のpUC Oriの最末端
骨格中、CMVプロモーターの上流で、塩基対2、3及び4がACTからCTGに変化している。
【0547】
上記ベクターの骨格はpAV0242とすることができる。上記ベクターは、複製欠損アデノウイルス5型(Ad5)ベクターとすることができる。
【0548】
上記ベクターは、調節配列も含むこともでき、これは、当該ベクターを投与された哺乳類またはヒト細胞中での遺伝子発現に十分に適することができる。本明細書開示の1種または複数種のがん抗原配列は、宿主細胞内においてコード配列をより効率的に転写することができるコドンを含むことができる。
【0549】
上記ベクターは、pSE420(インビトロジェン、サンディエゴ、カリフォルニア)とすることができ、それを大腸菌(Escherichia coli)(E.Coli)中でのタンパク質産生のために用いることができる。上記ベクターは、pYES2(インビトロジェン、サンディエゴ、カリフォルニア州)とすることもでき、それを酵母のサッカロマイセス・セレビシエ株でのタンパク質産生に用いることができる。上記ベクターは、MAXBAC(商標)完全バキュロウイルス発現系(インビトロジェン、サンディエゴ、カリフォルニア州)のものとすることもでき、それを昆虫細胞中でのタンパク質産生に用いることができる。上記ベクターはまた、pcDNA IまたはpcDNA3(インビトロジェン、サンディエゴ、カリフォルニア州)とすることもでき、それを哺乳類細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(Chinese hamster ovary)(CHO)細胞中でのタンパク質産生に用いてもよい。上記ベクターは、常法によりタンパク質を産生するための発現ベクターまたは系、及びSambrookら、Molecular Cloning and Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor(1989)を始めとする、容易に入手可能な出発物質とすることができ、Sambrookらは全体が参照により組み入れられる。
【0550】
6.医薬組成物
上記免疫原性組成物は医薬組成物の形態とすることができる。該医薬組成物は上記免疫原性組成物を含むことができる。上記医薬組成物は約5ナノグラム~約10mgの本発明の抗原をコードする核酸分子を含むことができる。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組成物は約25ナノグラム~約5mgの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約50ナノグラム~約1mgの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約0.1~約500マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約1~約350マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約5~約250マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約10~約200マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約15~約150マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約20~約100マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約25~約75マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約30~約50マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約35~約40マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約100~約200マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約10マイクログラム~約100マイクログラムの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約20マイクログラム~約80マイクログラムの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約25マイクログラム~約60マイクログラムの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約30マイクログラム~約50マイクログラムの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は約35マイクログラム~約45マイクログラムの核酸を含む。いくつかの好ましい実施形態において、上記医薬組成物は約0.1~約500マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの好ましい実施形態において、上記医薬組成物は約1~約350マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの好ましい実施形態において、上記医薬組成物は約25~約250マイクログラムの核酸を含有する。いくつかの好ましい実施形態において、上記医薬組成物は約100~約200マイクログラムの核酸を含有する。
【0551】
いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組成物は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100ナノグラムの核酸を含む。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995または1000マイクログラムの核酸を含むことができる。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5もしくは10mgまたはそれを超える核酸を含むことができる。
【0552】
いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100ナノグラム以下の核酸を含むことができる。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、または1000マイクログラム以下の核酸を含むことができる。いくつかの実施形態において、上記医薬組成物は1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10mg以下の核酸を含むことができる。
【0553】
上記医薬組成物は、用いられる投与様式に従って、製剤目的の他の剤を更に含むことができる。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合、該組成物は無菌であり、発熱因子を有さず、且つ微粒子を有さない。一実施形態では、等張性の製剤が用いられる。一般的に、等張性のための添加剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール及びラクトースを挙げることができる。いくつかの場合、リン酸緩衝生理食塩水などの等張溶液が用いられる。安定化剤としてはゼラチン及びアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、上記製剤に血管収縮剤が添加される。
【0554】
上記免疫原性組成物は、薬学的に許容し得る賦形剤を更に含むことができる。薬学的に許容し得る賦形剤は、ビヒクル、アジュバント、担体、または希釈剤としての機能的分子とすることができる。薬学的に許容し得る賦形剤は、界面活性剤を含み得るトランスフェクション促進剤、例えば免疫刺激複合体(immune-stimulating complexes)(ISCOMS)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを始めとするLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体、スクアレン及びスクアレンなどの小胞、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、もしくはナノ粒子、または他の公知のトランスフェクション促進剤とすることができる。
【0555】
上記トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタマート(LGS)を始めとするポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタマートである。一実施形態では、ポリ-L-グルタマートは、6mg/ml未満の濃度で免疫原性組成物中に存在する。トランスフェクション促進剤は、界面活性剤、例えば免疫刺激複合体(ISCOMS)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを始めとするLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体ならびにスクアレン及びスクアレンなどの小胞を含むことができ、ヒアルロン酸を用いて、遺伝子コンストラクトと一体化させて投与することもできる。いくつかの実施形態において、上記免疫原性組成物は、トランスフェクション促進剤、例えば脂質、レシチンリポソームまたはDNAリポソーム混合物(例えば、W09324640参照)などの当該技術分野で公知の他のリポソームを始めとするリポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、またはナノ粒子、または他の公知のトランスフェクション促進剤を含むことができる。一実施形態では、トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタマート(LGS)を始めとするポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。免疫原性組成物中のトランスフェクション剤の濃度は、4mg/ml未満、2mg/ml未満、1mg/ml未満、0.750mg/ml未満、0.500mg/ml未満、0.250mg/ml未満、0.100mg/ml未満、0.050mg/ml未満、または0.010mg/ml未満である。
【0556】
薬学的に許容可能な賦形剤は、アジュバントとすることができる。該アジュバントは、別のプラスミドから発現される他の遺伝子であることが可能であり、または、上記免疫原性組成物中に上記プラスミドと組み合わせてタンパク質として送達される。上記アジュバントはα-インターフェロン(IFN-α)、β-インターフェロン(IFN-β)、γ-インターフェロン、血小板由来増殖因子(platelet derived growth factor)(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、上皮成長因子(epidermal growth factor)(EGF)、皮膚T細胞誘因性ケモカイン(cutaneous T cell-attracting chemokine)(CTACK)、上皮胸腺発現ケモカイン(epithelial thymus-expressed chemokine)(TECK)、粘膜関連上皮ケモカイン(mucosae-associated epithelial chemokine)(MEC)、IL-12、IL-15、MHC、CD80、欠失され、且つ、IgE由来のシグナルペプチドを任意に含むシグナル配列を有するIL-15を始めとするCD86からなる群より選択することができる。アジュバントは、IL-12、IL-15、IL-28、CTACK、TECK、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、上皮成長因子(EGF)、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、またはそれらの組み合わせとすることができる。代表的な実施形態において、アジュバントはIL-12である。
【0557】
有用なアジュバントとすることができる他の遺伝子としては、MCP-1、MIP-la、MIP-1p、IL-8、RANTES、L-セレクチン、P-セレクチン、E-セレクチン、CD34、GlyCAM-1、MadCAM-1、LFA-1、VLA-1、Mac-1、pl50.95、PECAM、ICAM-1、ICAM-2、ICAM-3、CD2、LFA-3、M-CSF、G-CSF、IL-4、変異体型IL-18、CD40、CD40L、血管増殖因子、線維芽細胞増殖因子、IL-7、神経成長因子、血管内皮細胞増殖因子、Fas、TNF受容体、Flt、Apo-1、p55、WSL-1、DR3、TRAMP、Apo-3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL-R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c-jun、Sp-1、Ap-1、Ap-2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP-1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL-R3、TRAIL-R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2及びその機能的フラグメントをコードするものが挙げられる。
【0558】
7.特定のがん治療用の組み合わせ免疫原性組成物
上記免疫原性組成物は、特定のがんまたは腫瘍を治療するための、TERT抗原と1種または複数種の上述のがん抗原との種々の組み合わせの形態とすることができる。1種または複数種のがん抗原の組み合わせに応じて、種々のがんまたはその他の腫瘍の種類が免疫原性組成物による標的とし得る。これらのがんとしては、メラノーマ、血液癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)、肺癌腫、食道扁平上皮癌、膀胱癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、頭頚部癌、脳癌、肛門癌、非小細胞性肺癌、膵臓癌、滑液癌、前立腺癌、精巣癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸乳頭腫症、皮膚癌及び胃癌を挙げることができる。
【0559】
a.メラノーマ
上記免疫原性組成物は、メラノーマを治療または予防するために、TERT抗原と、チロシナーゼ、PRAME、またはGP100-Trp2などの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、メラノーマの治療または予防のために、がん抗原チロシナーゼ、PRAME、またはGP100-Trp2の1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIのいずれかの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、メラノーマの治療または予防に適用し得る。
【0560】
b.頭頸部癌
上記免疫原性組成物は、頭頸部癌を治療または予防するために、TERT抗原と、1種または複数種のがん抗原HPV 16 E6/E7とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、頭頸部癌の治療または予防のために、がん抗原HPV 16 E6/E7を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIのいずれかの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、頭頸部癌の治療または予防に適用し得る。
【0561】
c.再発性呼吸器乳頭種症/肛門癌
上記免疫原性組成物は、再発性呼吸器乳頭種症または肛門癌を治療または予防するために、TERT抗原と、HPV 6、HPV11、またはHPV 16などの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、再発性呼吸器乳頭種症または肛門癌の治療または予防のために、がん抗原HPV 6、HPV11、またはHPV16の1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、再発性呼吸器乳頭種症または肛門癌の治療または予防に適用し得る。
【0562】
d.子宮頸癌
上記免疫原性組成物は、子宮頸癌を治療または予防するために、TERT抗原と、HPV 16 E6/E7またはHPV 18 E6/E7などの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、子宮頸癌の治療または予防のために、HPV 16 E6/E7またはHPV 18 E6/E7などのがん抗原の1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、子宮頸癌の治療または予防に適用し得る。
【0563】
e.肝癌
上記免疫原性組成物は、肝癌を治療または予防するために、TERT抗原と、HBVコア抗原、HBV表面抗原、HCVNS34A、HCVNS5A、HCVNS5B、またはHCVNS4Bなどの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、肝癌の治療または予防のために、がん抗原HBVコア抗原、HBV表面抗原、HCVNS34A、HCVNS5A、HCVNS5B、またはHCVNS4Bの1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、肝癌の治療または予防に適用し得る。
【0564】
f.膠芽腫
上記免疫原性組成物は、膠芽腫を治療または予防するために、TERT抗原と、1種または複数種のがん抗原CMVとを含むことができる。該免疫原性組成物は更に、膠芽腫の治療または予防のために、CMVをがん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、膠芽腫の治療または予防に適用し得る。
【0565】
g.前立腺
上記免疫原性組成物は、前立腺癌を治療または予防するために、TERT抗原と、PSA、PSMA、またはSTEAPなどの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、前立腺癌の治療または予防のために、がん抗原PSA、PSMA、またはSTEAPの1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、MAGE-A1、またはWTIの1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、前立腺癌の治療または予防に適用し得る。
【0566】
h.血液癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)
上記免疫原性組成物は、白血病、リンパ腫及び骨髄腫などの血液癌を治療または予防するために、TERT抗原と、PRAME及びWT1などの1種または複数種のがん抗原とを組み合わせることができる。該免疫原性組成物は更に、白血病、リンパ腫及び骨髄腫などの血液癌の治療または予防のために、がん抗原PRAME及びWT1の1種または複数種を、がん抗原NY-ESO-1、またはMAGE-A1の1種または複数種と組み合わせることができる。がん抗原の他の組み合わせもまた、白血病、リンパ腫及び骨髄腫などの血液癌の治療または予防に適用し得る。
【0567】
i.卵巣がん
免疫原性組成物は、卵巣がんを治療または予防するために、TERT抗原と、卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)などの1種以上のがん抗原とを組み合わせることができる。免疫原性組成物は更に、卵巣がんを治療または予防するために、FSHRと、がん抗原NY-ESO-1、またはMAGE-A1の1つ以上とを組み合わせることができる。卵巣がんを治療または予防するためにがん抗原の他の組み合わせも適用することができる。
【0568】
j.他のがん
免疫原性組成物は、癌を治療または予防するために、TERT抗原と、FAPなどの1種以上のがん抗原とを組み合わせることができる。免疫原性組成物は更に、癌を治療または予防するために、FAPと、がん抗原NY-ESO-1、またはMAGE-A1の1つ以上とを組み合わせることができる。がんを治療または予防するためにがん抗原の他の組み合わせも適用することができる。
【0569】
8.ワクチン接種方法
本明細書では、上述の1種または複数種のがん抗原の遺伝子コンストラクト及びタンパク質を供給するための医薬製剤を用いるがんの治療または予防方法が提供され、該医薬製剤は、上記遺伝子コンストラクト及びタンパク質を、特定の有効な免疫原であって、それに対抗して1種または複数種のがん抗原に対する免疫応答を誘導することができる免疫原とするエピトープを含む。治療上の及び/または予防上の免疫応答を誘導するために、免疫原性組成物の投与方法、すなわちワクチン接種方法を提供することができる。上記ワクチン接種過程は、哺乳類において、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原に対する免疫応答を生起させることができる。上記免疫原性組成物を個体に投与し、哺乳類の免疫系の活性を調節し免疫応答を高めることができる。上記免疫原性組成の投与は、細胞内で発現し、その上で、免疫系が細胞性応答、体液性応答、または細胞性応答及び体液性応答を認識及び誘導する細胞表面に送達される核酸分子としての、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原のトランスフェクションとすることができる。本明細書で議論される免疫原性組成物を哺乳類に投与することにより、哺乳類において、上記免疫原性組成物の投与を用いて、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原に対する免疫応答を誘導または誘発することができる。
【0570】
哺乳類への上記免疫原性組成の投与、及びその上での上記ベクターの哺乳類の細胞内への送達に当たり、トランスフェクトされた細胞は、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原を発現し分泌することとなる。これらの分泌されるタンパク質、すなわち合成抗原は免疫系によって異物として認識され、免疫系は、上記1種または複数種のがん抗原に対して作成される抗体、及び上記1種または複数種のがん抗原に特異的に対抗するT細胞応答を含み得る免疫応答を開始することとなる。いくつかの例において、本明細書において議論される免疫原性組成物を投与した哺乳類は予備刺激された免疫系を有することとなり、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原を負荷された場合、上記予備刺激された免疫系が、後続の本明細書開示のがん抗原を、体液性免疫応答、細胞性免疫応答、または体液性及び細胞性免疫応答の両方のいずれかを通じて、速やかに取り除くことができることとなる。上記免疫原性組成物を個体に対して投与し、当該個体の免疫系の活性を調節し、それによって免疫応答を高めることができる。
【0571】
免疫原性組成物の投与方法は米国特許第4,945,050号及び第5,036,006号に記載され、これらの両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0572】
哺乳類内で免疫応答を誘発するために、哺乳類に上記ワクチンを投与することができる。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、牛、豚、羊、ヤギ、レイヨウ、バイソン、水牛、ウシ属、鹿、ハリネズミ、象、ラマ、アルパカ、マウス、ラット、またはニワトリとすることができる。
【0573】
上記免疫原性組成物の用量は、1μg~10mg-活性成分/kg-体重/回とすることができ、20μg~10mg-成分/kg-体重/回とすることができる。上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31日毎に投与することができる。有効な治療のための免疫原性組成物投与の回数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれを超える回数とすることができる。
【0574】
a.免疫原性組成物による免疫応答の生起方法
上記免疫原性組成物を用いて、哺乳類における、治療上のまたは予防上の免疫応答を含む免疫応答を生起させることができる。上記免疫応答は、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原に向かう抗体及び/またはキラーT細胞を生起させる。かかる抗体及びT細胞は単離することができる。
【0575】
いくつかの実施形態は、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原に対する免疫応答の生起方法を提供し、該方法は個体に対して上記免疫原性組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態は、1種または複数種の上述のがん抗原を発現するがんまたは腫瘍に対する、個体への予防的なワクチン接種方法を提供し、該方法は上記免疫原性組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態は、1種または複数種の上記がん抗原を発現するがんまたは腫瘍に罹患した個体への治療上のワクチン接種方法を提供し、該方法は上記免疫原性組成物を投与することを含む。上記免疫原性組成物の投与に先立つ、本明細書開示の1種または複数種のがん抗原を発現するがんまたは腫瘍の診断は、常法によって行うことができる。
【0576】
b.上記免疫原性組成物によるがん治療方法
上記免疫原性組成物を用いて、哺乳類またはそれを必要とする対象のがんまたは腫瘍(例えば、メラノーマ、頭頚部癌、子宮頸癌、肝癌、前立腺癌、血液癌、食道扁平上皮癌、胃癌)に反応性を有するまたはこれに向かう免疫応答を、哺乳類において生起または誘発することができる。誘発された免疫応答は癌または腫瘍の増殖を防止することができる。
【0577】
上記誘発された免疫応答は、がん細胞または腫瘍細胞の転移を防止及び/または低減することができる。従って、上記免疫原性組成物を、該免疫原性組成物を投与される哺乳類または対象におけるがんまたは腫瘍を治療及び/または予防する方法に用いることができる。上記免疫原性組成物中に用いられる抗原に応じて、治療されるがんまたは腫瘍に基づく腫瘤としては、限定されないが、メラノーマ、血液癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)、肺癌腫、食道扁平上皮癌、膀胱癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、頭頚部癌、脳癌、肛門癌、非小細胞性肺癌、膵臓癌、滑液癌、前立腺癌、精巣癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸乳頭腫症、皮膚癌及び胃癌などの任意の種類のがんとすることができる。
【0578】
いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、(1)単球走化性タンパク質-1(MCP-1)の生成を妨害する抗体を生起させ、それによって骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を阻止し、腫瘍の増殖を抑制するB細胞応答を介する体液性免疫、(2)腫瘍細胞を攻撃して死滅させるCD8+などの細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の増加、(3)Tヘルパー細胞応答の増加、及び(4)IFN-γ及びTFN-αを介した炎症反応の増加、あるいは、上記の組み合わせを含むことにより、腫瘍細胞の除去を媒介し、または腫瘍細胞の増殖を防止することができる。
【0579】
いくつかの実施形態において、上記免疫応答は、上記免疫原性組成物を投与された対象における種々の組織または系(例えば、脳または神経系等)に対する損傷またはその炎症を引き起こすことのない、体液性免疫応答及び/または抗原特異性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を生起させることができる。
【0580】
いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、対象において、無腫瘍生存率を増加させることができる、腫瘍量を低減することができる、腫瘍生存率を増加させることができる、またはそれらの組み合わせである。投与された免疫原性組成物は、対象において、無腫瘍生存率を20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、及び60%増加させることができる。投与された免疫原性組成物は、免疫化後の対象において、腫瘍量を20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、及び70%低減することができる。投与された免疫原性組成物は、対象における単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、骨髄系由来サプレッサー細胞によって分泌されるサイトカインの増加を防止及び阻止することができる。いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、対象におけるがんまたは腫瘍組織内のMCP-1の増加を防止及び阻止し、それにより対象におけるがんまたは腫瘍組織の血管新生を低減することができる。
【0581】
投与された免疫原性組成物は、対象において、腫瘍生存率を20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、及び70%増加させることができる。いくつかの実施形態において、上記免疫原性組成物を末梢に投与して(より詳細に後述する)、当該免疫原性組成物を投与された対象において損傷を与えるまたは疾病もしくは死を引き起こすことなく、上記1種または複数種のがん抗原を発現するがんまたは腫瘍を除去する、すなわち削除するために、がんもしくは腫瘍細胞またはがんもしくは腫瘍組織を標的とする抗原特異性免疫応答を確立することができる。
【0582】
投与された免疫原性組成物は、対象における細胞性免疫応答を約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、対象における細胞性免疫応答を約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0583】
投与された免疫原性組成物は、対象におけるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)濃度を約50倍~約6000倍、約50倍~約5500倍、約50倍~約5000倍、約50倍~約4500倍、約100倍~約6000倍、約150倍~約6000倍、約200倍~約6000倍、約250倍~約6000倍、または約300倍~約6000倍増加させることができる。いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、対象におけるIFN-γ濃度を、約50倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、4600倍、4700倍、4800倍、4900倍、5000倍、5100倍、5200倍、5300倍、5400倍、5500倍、5600倍、5700倍、5800倍、5900倍、または6000倍増加させることができる。
【0584】
上記免疫原性組成物の用量は、1μg~10mg-活性成分/kg-体重/回とすることができ、20μg~10mg-成分/kg-体重/回とすることができる。上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31日毎に投与することができる。有効な治療のための免疫原性組成物投与の回数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回とすることができる。
【0585】
(1)免疫チェックポイント標的化抗体との併用療法
本発明はまた、上述の免疫原性組成物を用いる哺乳類における免疫応答の増加方法にも関する。上述の免疫原性組成物は、上記がん抗原ならびに上述のPD1抗体及び/またはPDL1抗体を含むことができる。上記組み合わせは単一の製剤中であることもでき、または別個であって続けて投与することもできる(初めにがん抗原、その後に免疫チェックポイント抗体、または初めに免疫チェックポイント抗体、その後にがん抗原のいずれであってもよい)。いくつかの実施形態において、上記がん抗原は、免疫チェックポイント抗体を対象に投与する約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、0.25時間、0.5時間、0.75時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、または8週前に投与することができる。他の実施形態において、免疫チェックポイント抗体は、上記がん抗原を対象に投与する約約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、0.25時間、0.5時間、0.75時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、または8週前に投与することができる。
【0586】
上記がん抗体と免疫チェックポイント抗体との組み合わせは、上記がん抗体のみを含む免疫原性組成物よりもより効率的に免疫系を誘導する。このより効率的な免疫応答は、特定のがんの治療及び/または予防において高い効能を提供する。上記免疫原性組成物において免疫チェックポイント抗体と組み合わせて用いられる上記抗原に応じて、治療されるがんまたは腫瘍に基づく腫瘤としては、限定されないが、メラノーマ、血液癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)、肺癌腫、食道扁平上皮癌、膀胱癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、頭頚部癌、脳癌、肛門癌、非小細胞性肺癌、膵臓癌、滑液癌、前立腺癌、精巣癌、肝癌、子宮頸癌、再発性呼吸乳頭腫症、皮膚癌及び胃癌などの任意の種類のがんとすることができる。
【0587】
いくつかの実施形態において、上記免疫応答を約0.5倍~約15倍、約0.5倍~約10倍、または約0.5倍~約8倍増加させることができる。あるいは、上記免疫原性組成物を投与された対象における免疫応答を、少なくとも約0.5倍、少なくとも約1.0倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5.0倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6.0倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7.0倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8.0倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9.0倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10.0倍、少なくとも約10.5倍、少なくとも約11.0倍、少なくとも約11.5倍、少なくとも約12.0倍、少なくとも約12.5倍、少なくとも約13.0倍、少なくとも約13.5倍、少なくとも約14.0倍、少なくとも約14.5倍、または少なくとも約15.0倍増加させることができる。
【0588】
更に他の代わりの実施形態において、上記免疫原性組成物を投与された対象における上記免疫応答を、約50%~1500約%、約50%~約1000%、または約50%~約800%増加させることができる。他の実施形態において、上記免疫原性組成物を投与された対象における上記免疫応答を、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約650%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、少なくとも約1000%、少なくとも約1050%、少なくとも約1100%、少なくとも約1150%、少なくとも約1200%、少なくとも約1250%、少なくとも約1300%、少なくとも約1350%、少なくとも約1450%、または少なくとも約1500%増加させることができる。
【0589】
上記免疫原性組成物の用量は、1μg~10mg-活性成分/kg-体重/回とすることができ、20μg~10mg-成分/kg-体重/回とすることができる。上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31日毎に投与することができる。有効な治療のための免疫原性組成物投与の回数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回とすることができる。
【0590】
(2)がん
上記免疫原性組成物を用いて、哺乳類またはそれを必要とする対象において、腫瘍に対して反応性を有するまたは腫瘍に向かう、哺乳類における免疫応答を生起させるまたは誘発させることができる。誘発される免疫応答は腫瘍の増殖を防止することができる。誘発される免疫応答は腫瘍の増殖を低減することができる。誘発される免疫応答はがん細胞または腫瘍細胞の転移を防止及び/または低減することができる。従って、上記免疫原性組成物は、当該免疫原性組成物を投与される哺乳類または対象において、がんを治療する及び/または予防する方法に用いることができる。
【0591】
いくつかの実施形態において、上記投与された免疫原性組成物は、(1)単球走化性タンパク質-1(MCP-1)の生成を阻止する抗体を生起させ、それによって骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を阻害し、メラノーマの増殖を抑制するB細胞応答を介する体液性免疫、(2)メラノーマ細胞を攻撃して死滅させるCD8+などの細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の増加、(3)Tヘルパー細胞応答の増加、及び(4)IFN-γ及びTFN-αを介した炎症反応の増加、あるいは、上記の組み合わせを含むことにより、腫瘍細胞の除去を媒介し、または腫瘍細胞の増殖を防止することができる。
【0592】
いくつかの実施形態において、投与された免疫原性組成物は、対象において、無腫瘍生存率を増加させることができ、腫瘍量を低減することができ、腫瘍生存率を増加させることができ、またはそれらの組み合わせである。投与された免疫原性組成物は、対象において、無腫瘍生存率を30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、及び45%増加させることができる。投与された免疫原性組成物は、免疫化後の対象において、腫瘍量を30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、及び60%低減することができる。投与された免疫原性組成物は、対象の腫瘍組織の血管新生を低減することができる。投与された免疫原性組成物は、対象において、腫瘍生存率を30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、及び60%増加させることができる。
【0593】
9.投与経路
上記免疫原性組成物または医薬組成物を、経口、非経口、舌下、経皮、経直腸、経粘膜、局所、吸入、口腔投与、胸腔内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻内、髄腔内、及び関節内、またはそれらの組み合わせを始めとする異なる経路で投与することができる。獣医学的使用では、通常の獣医学的実践に従い、上記組成物を適切に許容し得る配合剤として投与することができる。獣医は、特定の動物に最も適した投与レジメン及び投与経路を、容易に決定することができる。上記免疫原性組成物を、伝統的なシリンジ、針なし注射装置、「微粒子衝撃遺伝子銃」、または他の物理的方法、例えば電気穿孔法(electroporation)(「EP」)、「水力学的方法」、または超音波により投与することができる。
【0594】
in vivo電気穿孔法、リポソーム介在法、ナノ粒子促進法、組換えアデノウイルス、組換えアデノウイルス関連ウイルス及び組換えワクシニアウイルスなどの組換えベクターを用いる、及び用いないDNA注入(DNAワクチン投与とも称される)を含むいくつかの周知の技術により哺乳類に上記免疫原性組成物の上記ベクターを投与することができる。上記免疫原性組成物の上記1種または複数種のがん抗原は、in vivo電気穿孔を伴うDNA注入により投与することができる。
【0595】
a.電気穿孔法
上記免疫原性組成物または医薬組成物は電気穿孔によって投与することができる。上記免疫原性組成物の電気穿孔による投与は、細胞膜に可逆的な孔を形成させるのに効果的なエネルギーパルスを、哺乳動物の所望の組織に送達するように構成することができる電気穿孔装置を用いて達成することができる。一実施形態では、エネルギーパルスは、ユーザーにより入力されたプリセット電流に近い定電流である。電気穿孔装置は、電気穿孔構成要素及び電極アセンブリまたはハンドルアセンブリを含むことができる。電気穿孔構成要素は、制御器、電流波形発生器、インピーダンステスター、波形ロガー、入力要素、ステータス報告要素、コミュニケーションポート、メモリー要素、電源、及び電源スイッチを始めとする電気穿孔装置の1種または複数種の様々な要素を含み、それらを組み込むことができる。電気穿孔は、プラスミドによる細胞のトランスフェクションを容易化するin vivo電気穿孔装置、例えばCELLECTRA(登録商標)EPシステム(Inovio Pharmaceuticals,Inc.、ブルーベル、ペンシルベニア州)またはElgenエレクトロポレーター(Inovio Pharmaceuticals,Inc.)を用いて達成することができる。
【0596】
本発明の免疫原性組成物の投与を促進することができる電気穿孔装置及び電気穿孔法の例としては、内容が全体として参照により本明細書に組み入れられた、Draghia-Akliらによる米国特許第7,245,963号、Smithらにより提出された米国特許公開第2005/0052630号に記載されたそれらのものが挙げられる。投与を促進するのに用いることができる他の電気穿孔装置及び電気穿孔法としては、その全体として参照により本明細書に組み入れられた、2006年10月17日出願の米国特許仮出願第60/852,149号及び2007年10月10日出願の同第60/978,982号に対して35USC119(e)による利益を主張する、2007年10月17日出願の同時係属中及び共有の米国特許出願第11/874072号に提供されたものが挙げられる。
【0597】
Draghia-Akliらによる米国特許第7,245,963号には、体内または植物内の選択された組織の細胞中への生体分子の導入を促進するためのモジュラー電極システム及びその使用が記載されている。該モジュラー電極システムは、複数の針電極、皮下注射針、プログラム可能な定電流パルス制御器から複数の針電極への導電的連結を提供する電気コネクター、及び電源を含むことができる。オペレーターが、支持構造上に搭載された複数の針電極を掴み、体内または植物内の選択された組織にそれらをしっかりと挿入することができる。その後、皮下注射針を介して、生体分子を選択された組織へ投与する。プログラム可能な定電流パルス制御器を活性化して、定電流の電気パルスを複数の針電極に印加する。印加された定電流電気パルスは、複数の電極間での細胞への生体分子導入を促進する。米国特許第7,245,963号の全体的内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0598】
Smithらにより提出された米国特許公開第2005/0052630号には、体内または植物内の選択された組織の細胞中への生体分子導入を効果的に促進するために用いることができる電気穿孔装置が記載されている。該電気穿孔装置は、操作がソフトウエアまたはファームウエアに特定される電気運動装置(electro-kinetic device)(「EKD装置」)を備える。EKD装置は、ユーザー制御に基づく一列の電極とパルスパラメータ入力との間で一連のプログラム可能な定電流パルスパターンを生成し、電流波形データの保存及び取得を可能にする。電気穿孔装置は、針電極、注射針用の中央注入チャネル、及び取外し可能なガイドディスクのアレイを有する交換可能な電極ディスクも備える。米国特許公開第2005/0052630号の全体的内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0599】
米国特許第7,245,963号及び米国特許公開第2005/0052630号に記載された電極アレイ及び方法は、筋肉などの組織だけでなく、他の組織または臓器にも深く浸透させるように適合させることができる。電極アレイの形態によって、注射針(to deneurological system the biomolecule of choice)が、標的臓器にも完全に挿入され、電極によって予め描かれた領域の標的組織に垂直に注射投与される。一実施形態では、米国特許第7,245,963号及び米国特許公開第2005/005263号に記載されるように、電極は、20mm長及び21ゲージである。
【0600】
加えて、電気穿孔装置及びその使用を組み込んだいくつかの実施形態で予期される通り、以下の特許:1993年12月28日発行の米国特許第5,273,525号、2000年8月29日発行の米国特許第6,110,161号、2001年7月17日発行の同第6,261,281号、2005年10月25日発行の同第6,958,060号、及び2005年9月6日発行の米国特許第6,939,862号に記載された電気穿孔装置が存在する。更に、種々の装置のいずれかを用いたDNAの投与に関係する2004年2月24日発行の米国特許第6,697,669号、及びDNAの注入の方法が注目された2008年2月5日発行の米国特許第7,328,064号に提示される主題を含む特許が、本明細書で企図される。先の特許は、全体として参照により組み入れられる。
【0601】
10.免疫原性組成物の製剤方法
本明細書において、本明細書で議論する免疫原性組成物を構成する免疫原性組成物の製造方法が提供される。上記核酸分子を、当該技術分野で公知の方法を用いて、大規模発酵タンクでの細胞培養物に接種するために用いることができる。
【0602】
EP装置で用いられる本発明の核酸分子は、公知の装置及び技術の組み合わせを用いて調合または製造することができる。一実施形態では、該DNAプラスミドは、2007年5月23日出願の米国特許出願公開第20090004716号に記載される最適化されたプラスミド製造技術を用いて製造される。いくつかの例において、これらの研究で用いた核酸分子は、10mg/mL以上の濃度で調合することができる。該製造技術はまた、米国特許出願第60/939792号に記載されたものに加えて、2007年7月3日発行の許諾対象特許である米国特許第7,238,522号に記載されたものを始めとする、当業者に公知の様々な装置及びプロトコルも含むまたは組み入れている。先に参照した出願及び特許である、米国特許出願第60/939,792号及び米国特許第7,238,522号はそれぞれが、それらの全体がこれらにより組み入れられる。
【0603】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって示される多くの態様を有する。
【0604】
11.実施例
【0605】
実施例1
pTyrの構築
【0606】
図1A及び
図9に示すように、チロシナーゼ(Tyr)は多くの異なる生物中に存在し得る。従って、
図1Aに示される生物由来のTyrに相当する配列を整列させ、コンセンサスTyrに関して最も共通性のあるアミノ酸及び/またはヌクレオチドを選択することによりコンセンサスTyrを生成させた。各生物に関する相当するTyr配列はGenBank(NCBI)より入手した。このように、上記コンセンサスTyrは、種を跨いでTyr配列の保存要素を反映していた。
【0607】
上記コンセンサスTyrをコードする核酸配列を、IgEリーダー配列を含むように適合させた。詳細には、IgEリーダー配列を、フレーム中、コンセンサスTyr核酸配列の上流に融合させた(
図1B)。次に、得られた配列をpVax1発現ベクター中に挿入し、コザック配列がIgEリーダー配列及びコンセンサスTyrをコードする核酸配列の前に位置するように、チロシナーゼコンストラクトすなわちプラスミド(pTyr)を作成した。
【0608】
制限酵素分析により、コンセンサスTyr核酸配列のpVax1への挿入を確認した。
図1Cに示すように、DNAアガロースゲル(すなわち、BamH1/Xho1と名付けられたレーン)上でコンセンサスTyr核酸配列はpVax1プラスミドから分離され、これにより、pVax1ベクターはコンセンサスTyr核酸配列を含有することを確認した。
【0609】
HeLa細胞をpTyrによりトランスフェクトすることにより、コンセンサスTyrの発現を確認した。ヒト抗Tyr抗体によるウェスタンブロッティングにより、HeLa細胞中のコンセンサスTyrタンパク質の発現を確認した(
図1D)。GPF染色により、トランスフェクトされたHeLa細胞中のコンセンサスTyrタンパク質の発現を更に確認した(
図1E)。上記ウェスタンブロッティング及び染色実験の両方において、
【0610】
実施例2
pTyrのワクチン接種が細胞媒介性免疫応答を誘導した
【0611】
上記pTyrを用いてマウスにワクチン接種し、pTyrにより細胞性免疫応答が誘導されるかを評価した。
図2Aに示す免疫ストラテジーを用いて、C57/B6マウスを免疫化した。一部のマウスがpVax1によって免疫化された一方、他のマウスはpTyrによって免疫化された。pTyrによって免疫化したマウスを更に以下の群:(1)pTyrの5μg投与、(2)pTyrの20μg投与、(3)pTyrの30μg投与、及び(4)pTyrの60μg投与に分けた。
【0612】
上記免疫化ストラテジーの35日目において、C57B/6マウスより脾細胞を単離し、インターフェロン-γ(IFN-γ)の誘導をIFN-γ ELISpot分析により評価した。
図2Bに示すように、pTyrの20μg投与が最も高い濃度のIFN-γを誘導した。
【0613】
更に、pTyrに対する細胞性免疫応答を、免疫化したBalb/cマウス及びC57B/6マウスにおいて評価した。マウスをpVax1またはpTyrのいずれかによって免疫化した。3回目の免疫化の2週後に脾細胞を単離し、コンセンサスTyrペプチドにより刺激した。刺激後に、IFN-γ分泌脾細胞の数を、1種について3組の刺激剤ウェル中のスポット数の平均として算出した。このアッセイは、C57/B6マウスがpTyrワクチン接種に対して好適であったことを示した(データは示さず)。
【0614】
実施例3
pTyrワクチン接種はサイトカイン、IFN-γ及びTNF-αを増加させた
【0615】
pTyr及びpVax1によって免疫化されたマウスにおいてサイトカインの生成を調べた。マウスを
図2Aに示すストラテジーを用いて免疫化した。該免疫化ストラテジーの35日目に、免疫化マウスから単離した細胞をTyrペプチドで終夜刺激した。刺激後に、FACSにより多機能応答の分析を測定した。詳細には、上記分析はCD8
+及びCD4
+T細胞を調べた。FACSは、サイトカインIL-2、TNF-α、及びIFN-γ陽性のT細胞の同定が可能であった。pVax1によって免疫化したマウスに比較して、pTyrによって免疫化したマウスにおいては、CD44hi細胞の内、相当な割合のCD8
+T細胞がIFN-γを生成した(
図3)。
【0616】
実施例4
pTyrワクチン接種に応答してTyr特異性抗体が生成される
【0617】
pTyrをワクチン接種したマウスにおける体液性免疫応答を調べた。詳細には、C57BI/6マウス(n=4)をpTyrまたはpVax1のいずれかによって、2週の間隔で3回免疫化した。各免疫化は20μg/筋内注射及びこれに続くMID-EPを用いた電気穿孔により構成した。3回目の免疫化後(すなわち、35日目)にマウスより血清を採取し、全IgG特異性HRP標識二次抗体を用いたELISAによって抗体力価を測定した。血清は
図4Aに示すように希釈した。
図4Aに示すように、pTyrによって免疫化したマウスによって、Tyrに対する特異性抗体が生成した。なお、
図4Aにおいて、pTyrによって免疫化したマウスは塗り潰した丸で表し、
図4Aにおいて、pVax1によって免疫化したマウスは白抜きの三角で表す。
【0618】
更に、免疫化マウス由来の血清を生理食塩水で1:20、1:40、1:80、1:160、1:320、及び1:640で希釈した。各血清希釈液を、Tyrペプチドが入った個々のウェルに1種について3組で添加した(50μl/ウェル)。90日目及び120日目での再検査において、全ての免疫化群のマウスに関して、免疫前血清と比較してTyr特異性力価のピークの増加が検知された。各一連の希釈ポイントにおける3組の独立した実験の代表的な結果を
図4Bに示す。これらのデータは、pTyrによって免疫化したマウスにおいて、pTyrによる免疫化がTyr特異性抗体の生成を誘導することを更に示した。
【0619】
実施例5
pTryをワクチン接種したマウスは腫瘍負荷に対して生存率が増加する
【0620】
pTyrを更に分析し、pTyrワクチン接種が腫瘍からの保護を提供し得るかを決定した。詳細には、C57BI/6マウス(群当たり10頭)をpTyrまたはpVax1のいずれかによって、2週の間隔で免疫化した。各免疫化は20μg/筋内注射及びこれに続くMID-EPを用いた電気穿孔により構成した。3回目の免疫化の1週後(すなわち、35日目)に、免疫化マウスに、腫瘍の径が200mm2を超えるまで皮内にB16メラノーマを負荷した。
【0621】
続いて、免疫化マウスの群における無腫瘍生存率及び腫瘍容積を評価した。
図5A(カプラン-マイヤー生存率曲線)に示すように、pTyrによって免疫化したマウスは、pVax1をワクチン接種したマウスに比較して、無腫瘍生存率が向上し(すなわち、腫瘍負荷後40日目以降40%)(p=0.05)、pVax1をワクチン接種したマウスは、腫瘍負荷後20日目までに全て死亡した。pTyrによって免疫化したマウスはまた、pVax1によって免疫化したマウスに比較して腫瘍容積も低下した(すなわち、約50%)(
図5B)。なお、
図5A及び5Bの両方に関して、pVax1によって免疫化したマウスは塗り潰した四角で表し、pTyrによって免疫化したマウスは塗り潰した丸で表す。従って、これらのデータは、pTyrワクチン接種がメラノーマに対する保護、すなわち無腫瘍生存率の増加及び腫瘍容積の低下を提供することを示した。
【0622】
実施例6
pTyrをワクチン接種したマウス由来の腫瘍においてMDSC数が減少する
【0623】
pTyrによって免疫化したマウス及び非免疫化マウスにおけるMDSC数を調べ、pTyrのワクチン接種が、それぞれの群のマウス由来の腫瘍中のMDSC濃度を変化させるかを調査した。詳細には、免疫化マウス及び非免疫化マウスにおいてGr-1+及びCD11b+細胞の割合を調べた。
【0624】
図6及び7に示すように、pTyrによって免疫化したマウス由来の腫瘍内においては、非免疫化マウスと比較して、MDSC濃度が顕著に低下した(p=0.0004)。非免疫化マウスにおけるMDSC数のパーセンテージは40.00±4.826であった。pTyrによって免疫化したマウスMDSC数のパーセンテージは5.103±0.7718であった。従って、これらのデータは、pTyrによる免疫化が、pTyrをワクチン接種したマウスの腫瘍内のMDSC数を低減させたことを示した。
【0625】
実施例7
pTyrワクチン接種によりMCP-1濃度が低下する
【0626】
MDSCはサイトカインMCP-1を分泌することが可能であり、MCP-1は内皮細胞の遊走による血管形成すなわち血管新生を促進する。上述のpTyrのワクチン接種の腫瘍中のMDSC濃度に対する効果を前提として、pTyrのワクチン接種後にMCP-1濃度を調べた。
【0627】
図8Aに示すように、B16メラノーマ内のMDSCはMCP-1を分泌し得る。従って、pTyrによって免疫化したマウス及びpVax1によって免疫化したマウスにB16メラノーマを負荷し、pTyr免疫化がMCP-1濃度を変化させるかを調べた。ナイーブマウスを更なる対照として含めた。負荷後に、MDSCを腫瘍組織から直接単離し、MCP-1サイトカイン濃度をELISAにより分析した。実験は1種3組で行い、2回繰り返した。
【0628】
図8Bに示すように、B16メラノーマまたは腫瘍組織内のMDSCは顕著にMCP-1を分泌した(pVax1で免疫化したマウスを参照のこと)。しかしながら、pTyrによって免疫化したマウスは、MCP-1濃度の顕著な増加はなかった。むしろ、pTyrによって免疫化したマウスにおけるMCP-1濃度は、pVax1によって免疫化したマウスよりも約3分の1の低さであった。従って、これらのデータは、pTyrのワクチン接種が、pTyrによって免疫化したマウスの腫瘍内のMDSCによるMCP-1分泌の水準を低減することを示した。
【0629】
実施例8
pPRAMEの構築
【0630】
PRAMEに関してコンセンサス配列を生起させ、コンセンサスPRAME抗原をコードするヌクレオチド配列を、発現ベクターまたはプラスミドpVAX(本明細書においてpVAX1としても知られる)のBamHI及びXhoI制限酵素部位に挿入し、pGX1411(本明細書においてpPRAMEとしても知られる)を得た(
図10Aを参照のこと)。
【0631】
pPRAMEがコンセンサスPRAME抗原の発現をもたらすことを確認するために、pVAX及びpPRAMEをRD細胞及び293T細胞中にトランスフェクトした。DAPIを用いて細胞核を染色し、コンセンサスPRAME抗原も蛍光染色した。この染色を、DAPIとコンセンサスPRAME抗原の染色との組み合わせと共に
図10Bに示す。これらの染色により、PRAMEコンセンサス抗原がpPRAMEから発現され、pVAXでトランフェクトされた細胞中ではコンセンサスPRAME抗原が検知されなかったこと(すなわち、負の対照)が実証された。
【0632】
加えて、トランスフェクトされた細胞由来のライセートのウェスタンブロッティング分析を用いて、トランスフェクトされた細胞中のコンセンサスPRAME抗原の発現を確認した(
図10C)。非トランスフェクト細胞及びpVAXでトランスフェクトされた細胞を負の対照として用いた(
図10Cの、それぞれ「対照」及び「pVAX」と名付けられたレーンを参照のこと)。
図10Cにおいて、β-アクチンの検知をローディング・対照として用いた。まとめとして、トランスフェクトされた細胞の染色及びトランスフェクトされた細胞由来のライセートのウェスタンブロッティングにより、ベクターpPRAMEが細胞内でのコンセンサスPRAME抗体の発現をもたらすことが実証された。
【0633】
実施例9
pPRAMEのワクチン接種に対するインターフェロン-ガンマ応答
【0634】
上述のpPRAMEを用いてマウスにワクチン接種し、pPRAMEによって細胞性免疫応答が誘導されるかを評価した。C57BL/6マウスを群に分けた。第1の群はナイーブであり、pPRAMEを接種されなかった。第2、第3、第4、第5、及び第6の群のマウスは、それぞれ5μg、10μg、15μg、25μg、及び50μgのpPRAMEの接種を受けた。
【0635】
免疫化後に、上記C57BL/6マウスより脾細胞を単離し、IFN-γ ELISpot分析によりインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の誘導について評価した。
図11A及び11Bに示すように、各pPRAMEの投与によって、負の対照であるナイーブマウスとは異なり、IFN-γの生成または分泌が誘導された。特に、非ワクチン接種マウスに比較して、ワクチン接種したマウスにおいて約3000倍~約4500倍IFN-γ濃度が増加した。従って、これらのデータは、コンセンサスPRAME抗原をコードするpPRAMEのワクチン接種が、非ワクチン接種と比較して増加したIFN-γ濃度によって証明されるように、細胞性免疫応答を誘導することを実証した。
【0636】
実施例10
pNY-ESO-1の構築
【0637】
NY-ESO-1に関してコンセンサス配列を生起させ、コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードするヌクレオチド配列を、発現ベクターまたはプラスミドpVAX(本明細書においてpVAX1としても知られる)のBamHI及びXhoI制限酵素部位に挿入し、pGX1409(本明細書においてpNY-ESO-1としても知られる)を得た(
図12Aを参照のこと)。
【0638】
pNY-ESO-1がコンセンサスNY-ESO-1抗原の発現をもたらすことを確認するために、pVAX及びpNY-ESO-1を細胞中にトランスフェクトした。DAPIを用いて細胞核を染色し、コンセンサスNY-ESO-1抗原も蛍光染色した。この染色を、DAPIとコンセンサスNY-ESO-1抗原の染色との組み合わせと共に
図12Bに示す。これらの染色により、NY-ESO-1コンセンサス抗原がpNY-ESO-1から発現され、pVAXでトランフェクトされた細胞中ではコンセンサスNY-ESO-1抗原が検知されなかったこと(すなわち、負の対照)が実証された。
【0639】
更に、293T及びRDのトランスフェクトされた細胞由来のライセートのウェスタンブロッティング分析を用いて、トランスフェクトされた細胞中のコンセンサスNY-ESO-1抗原の発現を確認した(
図12C)。非トランスフェクト細胞及びpVAXでトランスフェクトされた細胞を負の対照として用いた(
図12Cの、それぞれ「対照」及び「pVAX」と名付けられたレーンを参照のこと)。
図12Cにおいて、α-アクチンの検知をローディング・対照として用いた。まとめとして、トランスフェクトされた細胞の染色及びトランスフェクトされた細胞由来のライセートのウェスタンブロッティングにより、ベクターpNY-ESO-1が細胞内でのコンセンサスNY-ESO-1抗体の発現をもたらすことが実証された。
【0640】
実施例11
pNY-ESO-1のワクチン接種に対するインターフェロン-ガンマ応答
【0641】
上述のpNY-ESO-1を用いてマウスにワクチン接種し、pNY-ESO-1によって細胞性免疫応答が誘導されるかを評価した。C57BL/6マウスを群に分けた。第1の群はナイーブであり、pNY-ESO-1を接種されなかった。第2及び第3の群のマウスは、それぞれ25μg及び50μgのpNY-ESO-1の接種を受けた。
【0642】
免疫化後に、上記C57BL/6マウスより脾細胞を単離し、IFN-γ ELISpot分析によりインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の誘導について評価した。
図13に示すように、各pPRAMEの投与によって、負の対照であるナイーブマウスとは異なり、IFN-γの生成または分泌が誘導された。特に、非ワクチン接種マウスに比較して、ワクチン接種したマウスにおいて約700倍~約1100倍IFN-γ濃度が増加した。従って、これらのデータは、コンセンサスNY-ESO-1抗原をコードするpNY-ESO-1のワクチン接種が、非ワクチン接種と比較して増加したIFN-γ濃度によって証明されるように、細胞性免疫応答を誘導することを実証した。
【0643】
実施例12
pNY-ESO-2のワクチン接種に対するインターフェロン-ガンマ応答
【0644】
NY-ESO-2に関してコンセンサス配列を生起させ、コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードするヌクレオチド配列を、発現ベクターまたはプラスミドpVAX(本明細書においてpVAX1としても知られる)のマルチクローニング部位に挿入し、pNY-ESO-2を得た。
【0645】
このpNY-ESO-2を用いてマウスにワクチン接種し、pNY-ESO-2により細胞性免疫応答が誘導されるかを評価した。C57BL/6マウスを群に分けた。第1の群はナイーブであり、pNY-ESO-2を接種されなかった。第2及び第3の群のマウスは、それぞれ25μg及び50μgのpNY-ESO-2の接種を受けた。
【0646】
免疫化後に、上記C57BL/6マウスより脾細胞を単離し、IFN-γ ELISpot分析によりインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の誘導について評価した。
図14に示すように、各pNY-ESO-2の投与によって、負の対照であるナイーブマウスとは異なり、IFN-γの生成または分泌が誘導された。特に、非ワクチン接種マウスに比較して、ワクチン接種したマウスにおいて約400倍~約500倍IFN-γ濃度が増加した。従って、これらのデータは、コンセンサスNY-ESO-2抗原をコードするpNY-ESO-2のワクチン接種が、非ワクチン接種と比較して増加したIFN-γ濃度によって証明されるように、細胞性免疫応答を誘導することを実証した。
【0647】
前述の詳細な説明及び添付の実施例は単に例証であり、添付された特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義される本発明の範囲の限定としてみなすべきではないことが理解される。
【0648】
開示された実施形態に対する、様々な変更及び修正は当業者に明白であろう。そのような変更及び修正は、本発明の化学構造、代替物、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤または使用の方法に関するものを限定することなく含み、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0649】
実施例13
合成コンセンサスhTERT
【0650】
本明細書に示される実験は、本明細書に述べられる方法を用いて設計及び作製された合成コンセンサスhTERTが、非ヒト霊長類で寛容を破綻させる能力を評価するために設計されたものである。アカゲザルTERTとおよそ96%の同一性を有する合成コンセンサスhTERT(pGX1434)を設計した。アカゲザルを、合成コンセンサスhTERTをコードするプラスミド、または天然のRhTERTをコードするプラスミドのいずれかにより、IL12アジュバントの存在下で免疫した。合成コンセンサスhTERT(pGX1434)をコードするヌクレオチド配列は配列番号45により与えられる。合成コンセンサスhTERT(pGX1434)のアミノ酸配列は配列番号46により与えられる。サルを4回免疫し、細胞性免疫応答をELISpotアッセイにより評価した。天然RhTERTと比較して合成コンセンサスhTERTによる免疫は、より強力な免疫応答を誘発することが観察された(400SFU/106に対して1200SFU/106)。
【0651】
5つの変異を有する合成コンセンサスhTERTを、ヒトTERTについて、その機能を失わせるために設計した。天然RhTERTは、2つの変異を有するアカゲザルTERTをコードするものとした。両方のコンストラクトを最適化した。TERTコンストラクトの模式的設計を
図16に示す(上)。
図16は、最適化されたTERTと、ヒト、アカゲザル、及びマウスで同定された天然TERTとの間のタンパク質相同性も示す(
図16(下))。
【0652】
アカゲザル天然ペプチドに対するマウスTERT特異的IFN-γ応答の特性を評価するために実験を行った。マウス(各群n=8)をIM/電気穿孔により天然RhTERT及び合成コンセンサスhTERTで、0、2、及び4週目に免疫した。DNAワクチンによる免疫スケジュールを
図17Aに示す。ワクチン接種したマウスから単離された脾細胞100万個当たりのTERT特異的IFN-γのスポット形成単位(SFU)の頻度を、アカゲザルペプチドを用いたIFN-γ ELISpotアッセイにより測定した。RhTERT及び合成コンセンサスhTERTによる免疫化が強い細胞性免疫応答を誘発することが観察された(
図17B)。
【0653】
アカゲザルTERT特異的IFN-γ応答の特性を評価するために実験を行った。アカゲザル(各群n=5)をIM/電気穿孔により天然RhTERTまたは合成コンセンサスhTERT、及びrhIL-12で、0、4、8、及び12週目に免疫した。DNAワクチンによる免疫スケジュールを
図18Aに示す。ワクチン接種したマウスから単離された脾細胞100万個当たりのTERT特異的IFN-γのスポット形成単位(SFU)の頻度を、天然アカゲザルペプチド及び合成コンセンサス(SynCon)hTERTペプチドを用いたIFN-γ ELISpotアッセイにより測定した。合成コンセンサスhTERTは、RhTERTと比較して、非ヒト霊長類において寛容を破綻させるより高い能力を示すことが観察された(
図18B及び
図18C)。
【0654】
更に、実験を行ってT細胞応答及び腫瘍増殖に対する合成コンセンサスhTERT(pGX1434)の効果を評価した。マウスを、0、20、40、または60μgのpGX1434で2週間隔で3回免疫した。マウスのT細胞応答を5週目に評価したところ、pGX1434が強いT細胞応答を誘導したことが示された(
図19(左))。腫瘍増殖を評価するため、マウスに25×10
4個のTC-1細胞を移植した。その後、マウスを、25μgのpGX1434で1週間隔で4回免疫した。腫瘍体積を32日間にわたり測定したところ、pGX1434で処理したマウスではナイーブマウスと比較して腫瘍体積が減少していることが示された(
図19(右)、
図20及び
図21)。
【0655】
本明細書に示される実験は、合成コンセンサスhTERTが寛容を破綻させ、強い細胞性免疫応答を誘導し、腫瘍増殖を低減させたことを実証するものである。合成コンセンサスhTERTは、ネオアンチゲン様免疫応答を誘発して寛容を破綻させる能力に関して天然の自己抗原よりも優れている。
【0656】
実施例14
SynCon hTERTは、NHPの寛容を破綻させる
【0657】
NHPにIL-12の存在下または非存在下で(
図22B、群1及び2)pGX1434によって誘導した免疫応答を評価し、Wave1抗原の組み合わせ(
図22B、群3)でpGX1434により誘導した免疫応答を評価するために実験を行った。SynConの設計が寛容を破綻させることができるか否かを判定し(
図22B、群4)、合成SynCon hTERTがNHPにおいて寛容を破綻させる能力を評価する(
図22B、群1~4)ために更に実験を計画した。
【0658】
実験計画を
図22Aに示す。これらの実験で使用した製剤は、1.0mLの20×SSC中、3.0mg/コンストラクトで1mLの注射体積とした。
【0659】
実験の結果を
図23~
図26に示す。天然アカゲザルTERTに対する応答が、pGX1434+pGX6006の群においてPD3及びPD4で検出された(
図23)。pGX1406は、0.20mgのpGX6006を含む多価Wave1製剤中で組み合わされた場合にpGX1434と比較してより強いTERT応答を誘導している(
図25)。PD4のSynCon PSMA及びSynCon WT-1特異的応答はpGX1434及びpGX1406を含む群で同様であった。
【0660】
WT-1、TERT、及びPSMAの多価製剤は、IFNγ ELISpotによりマウスにおいて、またCD8+T細胞コンパートメントにおいてより強い免疫応答を誘導し(
図27)、WT1、PSMA、及びコンセンサスmTERTの組み合わせで免疫したマウスは低い腫瘍量及び高い生存率を示した(
図28)。
【0661】
本明細書に示される実験は、合成コンセンサスhTERTが非ヒト霊長類において寛容を破綻させ、強い細胞性免疫応答を誘導したことを実証するものである。
【0662】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載される発明。
【外国語明細書】