(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179531
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】反射鏡ユニット及びレーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/182 20210101AFI20221125BHJP
G02B 7/198 20210101ALI20221125BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20221125BHJP
【FI】
G02B7/182
G02B7/198 100
B23K26/064 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150379
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2018216318の分割
【原出願日】2018-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】石塚 智彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 正彦
(72)【発明者】
【氏名】西尾 彰倫
(57)【要約】
【課題】角度調整時に摺動部分で発生する摩耗粉塵が反射面に移動することを防止した反射鏡ユニットを得ること。
【解決手段】反射鏡ユニット400は、反射面1a及び背面1bを有するミラー1と、ミラー1の周縁部を保持し、反射面1aを通る第1の回転軸上に挿入穴12cが形成された円筒状の第1のミラー保持部材12と、挿入穴12cに挿入されるX支軸13と、X支軸13を保持し、反射面1aを通り第1の回転軸と直交する第2の回転軸上に挿入穴15cが形成された円筒状の第2のミラー保持部材15と、挿入穴15cに挿入されるY支軸16と、Y支軸16を保持するミラー保持部材支持体18と、X支軸13と反射面1aとを隔離する第1の弾性部材14と、Y支軸16と反射面1aとを隔離する第2の弾性部材17とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射面及び前記反射面の裏面である背面を有するミラーと、
前記ミラーの周縁部を保持し、前記反射面を通る第1の回転軸上の互いに対向する2箇所に第1の止まり穴が形成された円筒状の第1のミラー保持部材と、
前記第1の止まり穴に挿入される第1の回転軸部材と、
前記第1の回転軸部材を保持し、前記反射面を通り前記第1の回転軸と直交する第2の回転軸上の互いに対向する2箇所に第2の止まり穴が形成された円筒状の第2のミラー保持部材と、
前記第2の止まり穴に挿入される第2の回転軸部材と、
前記第2の回転軸部材を保持するミラー保持部材支持体と、
前記第1のミラー保持部材に当接して、前記ミラーの向きを前記第1の回転軸回りで調整し、前記第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第1の調整部材と、
前記第1のミラー保持部材に当接して、前記ミラーの向きを前記第2の回転軸回りで調整し、前記第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第2の調整部材と、
前記第1のミラー保持部材と前記第2のミラー保持部材とに接触して、前記第1の回転軸部材と前記反射面とを隔離する第1の弾性部材と、
前記第2のミラー保持部材と前記ミラー保持部材支持体とに接触して、前記第2の回転軸部材と前記反射面とを隔離する第2の弾性部材とを備えることを特徴とする反射鏡ユニット。
【請求項2】
前記第2のミラー保持部材の内周部の前記第1の止まり穴よりも前記反射面側の部分又は前記第1のミラー保持部材の外周部に、前記第1の弾性部材を位置決めする溝が形成されており、
前記ミラー保持部材支持体の内周部の前記第2の止まり穴よりも前記反射面側の部分又は前記第2のミラー保持部材の外周部に、前記第2の弾性部材を位置決めする溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射鏡ユニット。
【請求項3】
前記ミラー保持部材支持体は、前記反射面側の端部から突出し、前記第1の弾性部材よりも前記反射面の中心に近く、かつ前記第1のミラー保持部材の前記反射面側の端部よりもミラーに近い位置まで達する光遮蔽突起部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射鏡ユニット。
【請求項4】
前記第1の止まり穴の中心軸は、前記反射面と同一平面上にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射鏡ユニット。
【請求項5】
前記第2の止まり穴は、前記反射面と同一面上にあることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の反射鏡ユニット。
【請求項6】
反射面及び前記反射面の裏面である背面を有するミラーと、
前記ミラーの周縁部を保持し、前記反射面を通る第1の回転軸上の互いに対向する2箇所に第1の止まり穴が形成された円筒状の第1のミラー保持部材と、
前記第1の止まり穴に挿入される第1の回転軸部材と、
前記第1の回転軸部材を保持し、前記反射面を通り前記第1の回転軸と直交する第2の回転軸上の互いに対向する2箇所に第2の止まり穴が形成された円筒状の第2のミラー保持部材と、
前記第2の止まり穴に挿入される第2の回転軸部材と、
前記第2の回転軸部材を保持するミラー保持部材支持体と、
前記第1のミラー保持部材の前記背面側の端部に当接して、前記ミラーの向きを前記第1の回転軸回りで調整し、前記第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第1の調整部材と、
前記第1のミラー保持部材の前記背面側の端部に当接して、前記ミラーの向きを前記第2の回転軸回りで調整し、前記第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第2の調整部材と、
前記第1のミラー保持部材と前記ミラー保持部材支持体とに接触して、前記第1の回転軸部材及び前記第2の回転軸部材と前記反射面とを隔離する弾性部材とを備えることを特徴とする反射鏡ユニット。
【請求項7】
前記ミラー保持部材支持体の前記第1のミラー保持部材の端部と対向する面又は前記第1のミラー保持部材の前記反射面側の端部に前記弾性部材を位置決めする溝が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の反射鏡ユニット。
【請求項8】
前記ミラー保持部材支持体は、前記反射面側の端部から突出し、前記弾性部材よりも前記反射面の中心に近く、かつ前記第1のミラー保持部材の前記反射面側の端部よりも前記ミラーに近い位置まで達する光遮蔽突起部を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の反射鏡ユニット。
【請求項9】
前記第1の止まり穴の中心軸は、前記反射面と同一平面上にあることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の反射鏡ユニット。
【請求項10】
前記第2の止まり穴は、前記反射面と同一面上にあることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の反射鏡ユニット。
【請求項11】
前記ミラーの前記背面側に配置されたミラー固定用弾性部材と、
前記ミラー固定用弾性部材を前記反射面と垂直な方向に圧縮する押圧部材と、
前記第1のミラー保持部材と前記押圧部材とを固定する締結部材とを有し、
前記ミラー固定用弾性部材が前記背面に接する部分の前記背面の面内方向における位置は、前記第1のミラー保持部材が前記反射面に接触する部分と同じ位置であることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の反射鏡ユニット。
【請求項12】
レーザビームを発振するレーザ発振器と、
少なくとも一つの反射鏡、少なくとも一つの光学レンズ、及び少なくとも一つの保護ウィンドウを有し、前記レーザ発振器から発振されたレーザビームを被加工物まで伝送する光路を有する加工ヘッドとを備え、
前記反射鏡の少なくとも一つに、請求項1から11のいずれか1項に記載の反射鏡ユニットを用いたことを特徴とするレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を反射する反射鏡ユニット及びレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ミラーと、円弧形状の断面を呈する凸形状部を外周に有し、ミラーの周縁部を保持するミラー保持部材である球面体と、ミラーを球面体に固定する押圧部材と、球面体を支持固定する支持体とを有する反射鏡ユニットが開示されている。特許文献1に開示される反射鏡ユニットの支持体は、第1の支持体である反射面側支持体と、第2の支持体である背面側支持体とに分割された構造となっている。特許文献1に開示される反射鏡ユニットは、球面体と支持体との相対的な位置関係を変更することにより、ミラーの角度を調整可能である。
【0003】
上記特許文献1に開示される反射鏡ユニットは、ミラーの角度を調整する場合に、反射面側支持体のテーパ穴の表面と球面体の表面及び、背面側支持体のテーパ穴の表面と球面体の表面とが当接状態にて摺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される反射鏡ユニットは、ミラーの角度調整を行う際に反射側支持体又は背面側支持体と球面体の表面とが摺動し、各当接部位にて摩耗粉塵が発生し、発生した摩耗粉塵はミラーの反射面側の光路に侵入する。
【0006】
光路に侵入した摩耗粉塵は反射鏡ユニットのミラーの反射面又は光路上に配置されているその他の光学部品に付着することによって、レーザ照射時に摩耗粉塵に起因してミラーの反射面及び光学部品の光学面が損傷する場合がある。ミラーの反射面及び光学部品の光学面が損傷した場合には、光路を伝搬するレーザ光の強度分布が空間的に変化し、所望のレーザ光の強度分布を伝送することができず、正常な加工が実施できないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、角度調整時に摺動部分で発生する摩耗粉塵が反射面に移動することを防止した反射鏡ユニットを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、反射面及び反射面の裏面である背面を有するミラーと、ミラーの周縁部を保持し、反射面を通る第1の回転軸上の互いに対向する2箇所に第1の止まり穴が形成された円筒状の第1のミラー保持部材と、第1の止まり穴に挿入される第1の回転軸部材と、第1の回転軸部材を保持し、反射面を通り第1の回転軸と直交する第2の回転軸上の互いに対向する2箇所に第2の止まり穴が形成された円筒状の第2のミラー保持部材と、第2の止まり穴に挿入される第2の回転軸部材と、第2の回転軸部材を保持するミラー保持部材支持体とを備える反射鏡ユニットである。反射鏡ユニットは、第1のミラー保持部材に当接して、ミラーの向きを第1の回転軸回りで調整し、第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第1の調整部材と、第1のミラー保持部材に当接して、ミラーの向きを第2の回転軸回りで調整し、第1のミラー保持部材に当接した状態で保持される第2の調整部材と、第1のミラー保持部材と第2のミラー保持部材とに接触して、第1の回転軸部材と反射面とを隔離する第1の弾性部材と、第2のミラー保持部材とミラー保持部材支持体とに接触して、第2の回転軸部材と反射面とを隔離する第2の弾性部材とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、角度調整時に摺動部分で発生する摩耗粉塵が反射面に移動することを防止した反射鏡ユニットを得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る反射鏡ユニットのユニット本体部の断面図
【
図3】実施の形態1に係る反射鏡ユニットの分解斜視図
【
図4】本発明の実施の形態2に係る反射鏡ユニットの反射体の断面図
【
図5】本発明の実施の形態3に係る反射鏡ユニットの反射体の断面図
【
図6】本発明の実施の形態4に係る反射鏡ユニットの分解斜視図
【
図9】本発明の実施の形態5に係る反射鏡ユニットの分解斜視図
【
図10】実施の形態5に係る反射鏡ユニットの断面図
【
図11】実施の形態5に係る反射鏡ユニットの断面図
【
図12】本発明の実施の形態6に係るレーザ加工装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態に係る反射鏡ユニット及びレーザ加工装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る反射鏡ユニットのユニット本体部の断面図である。
図2は、実施の形態1に係る反射鏡ユニットの断面図である。
図3は、実施の形態1に係る反射鏡ユニットの分解斜視図である。
図2及び
図3は、本体部50に角度調整部60を取り付けた状態を示している。
図1に示すように、反射鏡ユニット400の本体部50は、反射面1a及び反射面1aの裏面である背面1bを有するミラー1と、ミラー1の外周部を保持するミラー保持部材である球面体2と、ミラー1を球面体2に固定する押圧部材3とを有する。球面体2は、円弧形状の断面を呈する凸形状部を外周部に有し、ミラー1が配置される側とは反対側の端部に円周状の溝2bが形成されている。球面体2の開口部2cは円周状に限定されるものではなく、楕円形及び多角形形状でもよい。また、球面体2の溝2bも円周状に限定されるものではなく、楕円形及び多角形形状でもよい。以下の説明において、ミラー1、球面体2及び押圧部材3を一纏めにして反射体100と称する。ミラー1は、球面体2の球面の中心点に反射面1aの中心が位置するように配置されている。
【0013】
支持体4は、球面体2を支持固定する。支持体4は、第1の支持体である反射面側支持体4aと、第2の支持体である背面側支持体4bとに分割された構造となっている。反射面側支持体4aの背面側支持体4bと対向する面にはテーパ穴4cが形成されている。テーパ穴4cの内側面は、円錐台状のテーパ面となっている。背面側支持体4bの反射面側支持体4aと対向する面にはテーパ穴4dが形成されている。テーパ穴4dの内側面は、円錐台状のテーパ面となっている。
図1に示すように、反射面側支持体4aのテーパ穴4cのテーパ面と球面体2の外周部とは、断面で見ると、直線と円弧とが点接触する。したがって、反射面側支持体4aは、反射面1a側から球面体2に線接触して球面体2を保持固定する。背面側支持体4bのテーパ穴4dのテーパ面と球面体2の外周部とも同様に線接触する。したがって、背面側支持体4bは、背面1b側から球面体2に線接触して球面体2を保持固定する。
【0014】
弾性部材5は、球面体2が反射面側支持体4aに対して摺動する範囲において、球面体2と反射面側支持体4aとの間の気密状態を保持する。弾性部材5は、球面体2の円周状の溝2bに保持される。弾性部材5には、Vシール及びOリングを例示できる。
【0015】
ねじ6は、固定用ねじ穴4fに挿入することによって、ミラー1の角度の調整が終了した球面体2を固定する圧接固定部材である。
【0016】
角度調整部60は、調整板7、調整板7を支持体4に固定する調整板仮固定用ねじ8及び球面体2を角度調整するアジャストボルト9a,9b,9c,9dを有する。角度調整部60は、本体部50に着脱可能であり、球面体2と反射面側支持体4aとが当接した状態でミラー1の向きを調整可能である。以下の説明において、アジャストボルト9a,9b,9c,9dを区別せず全体を指す場合は、アジャストボルト9と称する。アジャストボルト9a,9cがX軸方向に並び、アジャストボルト9b,9dがY軸方向に並んでいる。調整板7には、アジャストボルト9用のねじ穴7aがあって、押圧部材3側の突出量が可変である。
【0017】
図3に示すXYZ座標系に基づいて、ミラー1の角度調整及び固定について説明する。まず、反射体100すなわち球面体2が当接されている状態の反射面側支持体4aに直接的に、又は背面側支持体4bを介して間接的に、調整板仮固定用ねじ8によって調整板7を固定する。調整板7を反射面側支持体4aに固定した状態において、背面側支持体4bを押圧固定する4本のねじ6は、緩められている。次にアジャストボルト9を押圧部材3に当て、アジャストボルト9aとアジャストボルト9cとの押し引きにより、ミラー1のY軸回りの角度調整を行い、アジャストボルト9bとアジャストボルト9dの押し引きにより、ミラー1のX軸回りの角度調整を行う。
【0018】
アジャストボルト9の押し引きによる角度調整範囲においては、弾性部材5は溝2b及び端部対向面4eから離れることのない寸法関係となっている。そのため、ミラー1の角度調整を実施した時に、球面体2と反射面側支持体4aのテーパ穴4cのテーパ面とが当接しているA点において発生する摩耗粉塵は、球面体2と支持体4との間の空間を移動する。摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することは、弾性部材5により防がれる。
【0019】
ミラー1の角度調整が終了した状態で、反射面側支持体4a及び背面側支持体4bで反射体100を挟み込み、ねじ6を締めることにより、ミラー1を固定する。
【0020】
最後に、調整板仮固定用ねじ8を緩めて、調整板7を反射面側支持体4aから取り外す。すなわち、本体部50から角度調整部60を取り外す。
【0021】
反射面側支持体4aと反射体100との接触面での応力集中による塑性変形を防止するために、接触面に硬化処理を施してもよい。硬化処理には、無電解ニッケル処理及びアルマイト処理を例示できる。
【0022】
反射体100は、ミラー1、球面体2及び押圧部材3の3部品に分割可能な構造とすることにより、ミラー1の交換を容易に行える。例えば、反射体100を支持体4に固定した後でも、球面体2の背面側から押圧部材3を取り外すことで、球面体2にミラー1を着脱することは可能となる。したがって、ミラー1を交換する場合でも、その都度、光軸調整を行う必要がない。なお、軽量化及び部品点数の削減が必要であり、かつミラー1を頻繁に交換する必要がないと想定される場合は、球面体2とミラー1とを一体成形品としてもよい。
【0023】
また、球面体2の球面の中心点にミラー1の反射面1aの中心を配置することによって、ミラー1の角度調整をした場合でも、球面体2の回転中心軸が反射面1aの中心を通るため、反射光の角度のみ調整することができる。弾性部材5は、球面体2の溝2bと反射面側支持体4aの端部対向面4eとに接触することにより球面体2と反射面側支持体4aとの間を気密封止しているが、球面体2側を溝の無い平面状とし、反射面側支持体4aの端部対向面4eに溝を形成してもよい。球面体2と反射面側支持体4aとの隙間が気密封止される構造であれば、球面体2及び反射面側支持体4aに溝を形成しなくてもよい。
【0024】
実施の形態1に係る反射鏡ユニット400は、球面体2と反射面側支持体4aとに弾性部材5が接触するため、球面体2と反射面側支持体4aのテーパ穴4cのテーパ面とが当接している箇所において発生する摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することを防止できる。
【0025】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る反射鏡ユニットの反射体の断面図である。上記実施の形態1で説明した同様のものには、同じ符号を付している。実施の形態2に係る反射体100は、弾性部材5の光路側からの散乱光等による焼損を低減するための遮蔽構造が追加されている点で、実施の形態1の反射体100と相違する。具体的には、実施の形態2に係る反射体100において、反射面側支持体4aは、端部対向面4eから反射面1aの中心側に突出する光遮蔽突起部4hを備えている。この他は、実施の形態1に係る反射体100と同様である。
【0026】
光遮蔽突起部4hは、端部対向面4eから突出し、弾性部材5よりも反射面1aの中心に近く、かつ端部2aよりもミラー1の近い位置まで達している。また、光遮蔽突起部4hは、反射体100の角度調整範囲においては、球面体2と接触しない寸法及び形状とされている。
【0027】
実施の形態2に係る反射体100は、光遮蔽突起部4hを備えるため、弾性部材5が直接散乱光に照射されることを防ぎ、散乱光によって弾性部材5が焼損することを防ぐことができる。
【0028】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る反射鏡ユニットの反射体の断面図である。実施の形態1及び実施の形態2と同様の部分には、同じ符号を付している。実施の形態3に係る反射体100は、球面体2に押圧部材3を用いてミラー1を固定する際のミラー1の変形を低減する保持機構を備える点で、実施の形態1又は実施の形態2に係る反射体100と相違する。具体的には、球面体2には、押圧部材3を固定するためのねじ穴2dが2箇所以上に設けられている。また、押圧部材3には、環状の溝3aが設けられている。また、押圧部材3には、締結部材である押圧部材固定用ねじ10が挿入される挿入穴3bが形成されている。ミラー固定用弾性部材11は、ミラー1と押圧部材3の環状の溝3aとの間に挟まれて保持されている。
【0029】
ミラー1の反射面1aは球面体2と接触し、ミラー1の背面1bは、面内方向においては、反射面1aと球面体2との接触箇所と同位置でミラー固定用弾性部材11と接触する。球面体2にミラー1を挿入し、ミラー固定用弾性部材11が取り付けられている押圧部材3を球面体2に組み付け、押圧部材固定用ねじ10を球面体2のねじ穴2dにねじ止めすることによってミラー1が固定される。
【0030】
ミラー1の外形及び開口部2cの形状は円形に限定されることはなく、楕円状又は多角形状であってもよい。また押圧部材3の環状の溝3aも円形に限定されるものではなく、ミラー1の外形状と球面体2の開口部2cの縁との間の位置に配置されているのであれば楕円状又は多角形状でもよい。また、
図5に示す押圧部材固定用ねじ10は皿ねじであるが、反射体100を小型化する必要がなければ、六角穴付きボルト等であってもよい。
【0031】
実施の形態3に係る反射体100は、ミラー1と押圧部材3との間にミラー固定用弾性部材11を配置しているため、球面体2に押圧部材3を用いてミラー1を固定する際のミラー1の変形を低減できる。
【0032】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る反射鏡ユニットの分解斜視図である。
図7及び
図8は、実施の形態4に係る反射鏡ユニットの断面図である。
図7は、
図6中のVII-VII線に沿った断面を示しており、
図8は、
図6中のVIII-VIII線に沿った断面を示している。
図6に示すXYZ座標系に基づいて、反射鏡ユニット400の構造を説明する。
【0033】
ミラー1は、一端部に反射面1aを有する円柱状である。
【0034】
第1のミラー保持部材12は、開口部12aが形成された円筒状であり、ミラー1の反射面1aとは反対側となる+Z方向を向く端部には、押圧部材固定用ねじ10を固定するためのねじ穴12bが四つ形成されている。第1のミラー保持部材12の+Z方向を向く端部には、フランジ12fが拡径方向に張り出している。また、第1のミラー保持部材12の外周部には、反射面1aを通る第1の回転軸上の互いに対向する2箇所に第1の回転軸部材であるX支軸13が挿入される挿入穴12cが形成されている。ここで、第1の回転軸は、X軸に平行な軸である。X支軸13は、X軸回りの角度調整用の軸部材である。挿入穴12cは、第1のミラー保持部材12を貫通していない第1の止まり穴である。また、第1のミラー保持部材12の外周部には、第1の弾性部材14を位置決めする溝12dが形成されている。第1のミラー保持部材12は、ミラー1の外周部を保持し、X支軸13を中心にX軸回りで回転する。
【0035】
第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15との間の隙間を気密封止する。具体的には、第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15とに接触して、X支軸13と反射面1aとを隔離する。第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12が回転する範囲において、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15との間の隙間を気密封止できる弾性体であればよい。第1の弾性部材14には、Oリング及びVシールを例示できるが、これらに限定されない。第1の弾性部材14の厚さ及び溝12dの深さは第1のミラー保持部材12をX軸回りで角度調整を実施する範囲内で、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15との間の隙間の気密を保持できる寸法関係とする。
【0036】
挿入穴12cの中心軸は、ミラー1の反射面1aと同一面上にあることが望ましい。第1のミラー保持部材12は、挿入穴12cの中心軸が回転軸となってX軸回りに回転するため、挿入穴12cの中心軸がミラー1の反射面1aと同一面上にある場合には、X軸回りの角度調整を実施してもミラー1の中心位置は移動しない。
【0037】
押圧部材3は、円板状である。押圧部材3の外形は、ミラー1の外形と同じか、ミラー1の外形よりも大きい。押圧部材3は、ミラー1と対向する面に環状の溝3aが形成されている。溝3aには、ミラー固定用弾性部材11が設置される。
【0038】
ミラー1の反射面1aは第1のミラー保持部材12と接触し、ミラー1の背面1bはミラー固定用弾性部材11と接触する。背面1bとミラー固定用弾性部材11との接触箇所の面内方向の位置は、反射面1aと第1のミラー保持部材12との接触箇所と同じである。
【0039】
第1のミラー保持部材12にミラー1を挿入し、ミラー固定用弾性部材11が取り付けられている押圧部材3を第1のミラー保持部材12に組み付け、押圧部材固定用ねじ10を第1のミラー保持部材12のねじ穴12bにねじ止めすることによってミラー1が固定される。
【0040】
ミラー1の外形及び開口部12aの形状は円形に限定されることはなく、楕円状又は多角形状であってもよい。また押圧部材3の環状の溝3aも円形に限定されるものではなく、楕円状又は多角形状でもよい。また、ねじ穴12b及び押圧部材固定用ねじ10は、
図6に示す四つに限定されるものではなく、二つ以上でありかつミラー1の保持が可能であればよい。また、
図6に示す押圧部材固定用ねじ10は六角穴付きボルトであるが、反射鏡ユニット400を小型化する必要がある場合は、皿ねじでもよい。
【0041】
第2のミラー保持部材15は、開口部15aが形成された円筒状である。第2のミラー保持部材15の外周部には、X支軸13を固定するための挿入穴15bが形成されている。開口部15aは、第1のミラー保持部材12の外周部の外形よりも大きく、第1のミラー保持部材12のX軸回りの角度調整を実施する範囲内で気密を保持できる寸法関係とする。開口部15aは、第1のミラー保持部材12のフランジ12fの外形よりも小さくなっている。
【0042】
第2のミラー保持部材15の外周部には、反射面1aを通る第1の回転軸と直交する第2の回転軸上の互いに対向する2箇所に第2の回転軸部材であるY支軸16が挿入される挿入穴15cが形成されている。ここで、第2の回転軸は、Y軸と平行な軸である。Y支軸16はY軸回りの角度調整用の軸部材である。Y軸回りのミラー1の角度調整用の挿入穴15cは、第2のミラー保持部材15を貫通していない第2の止まり穴である。また、第2のミラー保持部材15の外周部には、第2の弾性部材17を位置決めする溝15dが形成されている。第2のミラー保持部材15は、Y支軸16を中心にY軸回りに回転する。
【0043】
挿入穴15cの中心軸は、挿入穴15bと同一面上にて直交することが望ましい。つまり、挿入穴15cがミラー1の反射面1aと同一面上となることが好ましい。第2のミラー保持部材15は、挿入穴15cの中心軸が回転軸となってY軸回りに回転するため、挿入穴15cの中心軸がミラー1の反射面1aと同一面上にある場合には、Y軸回りの角度調整を実施してもミラー1の中心位置は移動しない。
【0044】
ミラー保持部材支持体18は、開口部18aが形成された筒状である。開口部18aは、第2のミラー保持部材15の挿入部の外形よりも大きく、Y軸回りの角度調整を実施する範囲内では、第2の弾性部材17により第2のミラー保持部材15との間の気密が保持される寸法関係である。ミラー保持部材支持体18は、反射面1aが配置される側の端部に、光遮蔽突起部18bを備えている。光遮蔽突起部18bの部分での内径寸法は、第1のミラー保持部材12の溝12dの内径寸法よりも小さい。光遮蔽突起部18bは、ミラー1の調整範囲においては、第1のミラー保持部材12及び第2のミラー保持部材15と接触しない寸法である。ミラー保持部材支持体18の側面には、Y支軸16を固定するための挿入穴18cが形成されている。ミラー保持部材支持体18は、ミラー1の反射面1aとは反対側となる+Z方向を向く端部に、調整支持板固定用ねじ19を固定するためのねじ穴18dが四つ形成されている。
【0045】
第2の弾性部材17は、第2のミラー保持部材15とミラー保持部材支持体18との間の隙間を気密封止する。具体的には、第2の弾性部材17は、第2のミラー保持部材15とミラー保持部材支持体18とに接触して、Y支軸16と反射面1aとを隔離する。第2の弾性部材17は、第2のミラー保持部材15が回転する範囲において、第2のミラー保持部材15とミラー保持部材支持体18との間の隙間を気密封止できる弾性体であればよい。第2の弾性部材17には、Oリング及びVシールを例示できるが、これらに限定されない。
【0046】
第2の弾性部材17の厚さ及び溝15dの深さは第2のミラー保持部材15をY軸回りで角度調整を実施する範囲内で、ミラー保持部材支持体18と第2のミラー保持部材15の間の隙間の気密を保持できる寸法関係とする。
【0047】
調整支持板20は、押圧部材3よりも外形が大きい開口部20aが形成されている。開口部20aには、2箇所に切り欠き20dが形成されている。調整支持板20は、調整支持板固定用ねじ19が挿入される挿入穴20bが四つ形成されている。また、調整支持板20には、アジャストボルト9が挿入されるねじ穴20cが四つ形成されている。第2の調整部材であるアジャストボルト9a,9cがX軸方向に並び、第1の調整部材であるアジャストボルト9b,9dがY軸方向に並んでいる。
【0048】
次に、実施の形態4に係る反射鏡ユニット400によるミラー1の角度調整及び固定について、
図6に示すXYZ座標系に基づいて説明する。まず、アジャストボルト9を第1のミラー保持部材12に当て、アジャストボルト9aとアジャストボルト9cとの押し引きにより、Y支軸16の回転軸であるY軸回りのミラー1の角度調整を行い、アジャストボルト9bとアジャストボルト9dの押し引きにより、X支軸13の回転軸であるX軸回りのミラー1の角度調整を行う。
【0049】
アジャストボルト9の押し引きによる角度調整範囲においては、第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12の溝12d及び第2のミラー保持部材15の開口部15aと離れることがない。かつ、アジャストボルト9の押し引きによる角度調整範囲においては、第2の弾性部材17は、第2のミラー保持部材15の溝15d及びミラー保持部材支持体18の開口部18aと離れることがない。そのため、ミラー1のX軸回りの角度調整を実施した際に、第1のミラー保持部材12の挿入穴12c及び第2のミラー保持部材15の挿入穴15bとX支軸13とが当接している部分において発生する摩耗粉塵は、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15との間の空間を移動する。摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することは、第1の弾性部材14により防がれる。
【0050】
また、ミラー1のY軸回りの角度調整を実施した際に、第2のミラー保持部材15の挿入穴15c及びミラー保持部材支持体18の挿入穴18cとY支軸16とが当接している部分において発生する摩耗粉塵は、第2のミラー保持部材15とミラー保持部材支持体18との間の空間を移動する。摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することは、第2の弾性部材17により防がれる。
【0051】
角度調整が終了した状態で、アジャストボルト9a,9b,9c,9dを全て第1のミラー保持部材12に当てた状態とし、その状態から全てのアジャストボルト9に均等にトルクを付与することによりミラー1を固定する。
【0052】
ミラー1を固定した後でも、アジャストボルト9を緩める必要はなく、背面側から押圧部材固定用ねじ10を緩めて押圧部材3を取り外すことができる。また、切り欠き20dが形成されているため、切り欠き20dに2本の指を挿入することにより、第1のミラー保持部材12へのミラー1の着脱が可能である。したがって、ミラー1を交換する場合でも、その都度、光軸調整を行う必要がない。
【0053】
光遮蔽突起部18bが構成されることによって、第1の弾性部材14及び第2の弾性部材17が直接散乱光に照射されることを防ぐことができる。したがって、散乱光により第1の弾性部材14及び第2の弾性部材17が焼損することを防ぐことができる。
【0054】
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5に係る反射鏡ユニットの分解斜視図である。
図10及び
図11は、実施の形態5に係る反射鏡ユニットの断面図である。
図10は、
図9中のX-X線に沿った断面を示しており、
図11は、
図9中のXI-XI線に沿った断面を示している。
図9に示すXYZ座標系に基づいて、反射鏡ユニット400の構造を説明する。実施の形態5に係る反射鏡ユニット400は、ミラー1の角度調整を実施した際に、ミラー1の反射面1aに摩耗粉塵が移動するのを防ぐ構造が実施の形態4に係る反射鏡ユニット400とは異なる。これに伴い、散乱光等による第1の弾性部材14の焼損を低減する遮蔽構造も異なっている。以下、実施の形態4とは異なる点についてのみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
【0055】
実施の形態5に係る反射鏡ユニット400では、第1のミラー保持部材12の溝12dは、反射面1a側の端部12eに形成されている。また、実施の形態5に係る反射鏡ユニット400は、第2のミラー保持部材15に溝15dが形成されていない。また、実施の形態5に係る反射鏡ユニット400は、第2の弾性部材17を備えていない。また、実施の形態5に係る反射鏡ユニット400では、光遮蔽突起部18bは、反射面1a側の端部18eから突出し、第1の弾性部材14よりも反射面1aの中心に近く、かつ第1のミラー保持部材12の反射面1a側の端部12eよりもミラー1に近い位置まで達する。なお、光遮蔽突起部18bは、ミラー1の調整範囲においては、第1のミラー保持部材12及び第2のミラー保持部材15に接触しない寸法とされている。第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12とミラー保持部材支持体18とに接触して、Y支軸16及びX支軸13と反射面1aとを隔離する。
【0056】
ミラー1のX軸回りの角度調整を実施した際に、挿入穴12c及び挿入穴15bとX支軸13とが当接している部分において発生し、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15との間の空間を移動する摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することは、第1の弾性部材14によって防がれる。また、ミラー1のY軸回りの角度調整を実施した際に、挿入穴15c及びミラー保持部材支持体18の挿入穴18cとY支軸16とが当接している部分において発生し、第2のミラー保持部材15とミラー保持部材支持体18との間の空間を移動する摩耗粉塵がミラー1の反射面1aに移動することは、第1の弾性部材14により防がれる。
【0057】
また、光遮蔽突起部18bは、第1の弾性部材14が直接散乱光に照射されることを防ぎ、散乱光により第1の弾性部材14が焼損することを防ぐことができる。
【0058】
実施の形態5において、第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12と第2のミラー保持部材15とが回転する範囲において、第1のミラー保持部材12とミラー保持部材支持体18との間を気密保持できる弾性体であればよい。
【0059】
上記の例では、第1の弾性部材14は、第1のミラー保持部材12の溝12dとミラー保持部材支持体18の反射面1a側の端部18eとの接触により気密されているが、第1のミラー保持部材12を溝のない平面状とし、ミラー保持部材支持体18の反射面1a側の端部18eに溝を形成してもよい。また、第1の弾性部材14が保持される構造であれば第1のミラー保持部材12及びミラー保持部材支持体18のどちらにも溝がなくてもよい。
【0060】
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。レーザ加工装置200は、レーザビームLBの光源であるレーザ発振器210、レーザ発振器210から発振されたレーザビームLBを伝送する伝送ファイバ211、及びレーザビームLBを不図示の被加工物に向けて出射する加工ヘッド300を有する。加工ヘッド300は、伝送ファイバ211からのレーザビームLBを発振するファイバ出射端部212と、ファイバ出射端部212から出射されるレーザビームLBを平行光とするコリメーション光学系213と、平行光となったレーザビームLBを反射伝送する二つの反射鏡201と、レーザビームLBを被加工物に向けて集光する集光光学系214と、被加工物からの飛散物を防ぐための保護ウィンドウ215とを備えている。二つの反射鏡201のうち少なくとも一方には、実施の形態1から実施の形態5のいずれかに係る反射鏡ユニット400が用いられている。
【0061】
加工ヘッド300は、レーザビームLBを伝送する光路216が含まれており、外部からの粉塵等の混入を防ぐため、気密性が求められている。また、加工ヘッド300では、2個の反射鏡201がいずれも90度の反射に用いられているが、90度に限定されるものではない。加工ヘッド300に構成される反射鏡201は二つに限定されるものでなく、一つ又は三つ以上備えていてもよい。加工ヘッド300が備える反射鏡201の少なくとも一つを実施の形態1から実施の形態5のいずれかにかかる反射鏡ユニット400とすることによって、レーザビームLBの光軸調整を実施した場合でも光路216の気密性が保たれる。またミラー1の角度調整時に反射鏡ユニット400の摺動部にて発生する摩耗粉塵が光路216に侵入することを防ぐことができる。ここでは、加工ヘッド300の光路216の部分に用いられる反射鏡201に適用する例について記載しているが、加工ヘッド300以外の部分に実施の形態1から実施の形態5のいずれかに係る反射鏡ユニット400を配置して光路を構成することもできる。
【0062】
実施の形態6に係るレーザ加工装置200は、レーザビームLBの光路216上で角度調整を行う反射鏡201において、反射面1aに粉塵摩耗が付くことを防止することができる。したがって、反射鏡201の角度調整を実施しても、角度調整時に発生する摩耗粉塵が光路216内に侵入するのを防ぎ、光学レンズ、保護ウィンドウ215及び複数の反射鏡201の焼損を防ぐことが可能な、レーザ加工装置200を得ることができる。
【0063】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 ミラー、1a 反射面、1b 背面、2 球面体、2a,12e,18e 端部、2b,3a,12d,15d 溝、2c,12a,15a,18a,20a 開口部、2d,7a,12b,18d,20c ねじ穴、3 押圧部材、3b,12c,15b,15c,18c,20b 挿入穴、4 支持体、4a 反射面側支持体、4b 背面側支持体、4c,4d テーパ穴、4e 端部対向面、4f 固定用ねじ穴、4h,18b 光遮蔽突起部、5 弾性部材、6 ねじ、7 調整板、8 調整板仮固定用ねじ、9,9a,9b,9c,9d アジャストボルト、10 押圧部材固定用ねじ、11 ミラー固定用弾性部材、12 第1のミラー保持部材、12f フランジ、13 X支軸、14 第1の弾性部材、15 第2のミラー保持部材、16 Y支軸、17 第2の弾性部材、18 ミラー保持部材支持体、19 調整支持板固定用ねじ、20 調整支持板、20d 切り欠き、50 本体部、60 角度調整部、100 反射体、200 レーザ加工装置、201 反射鏡、210 レーザ発振器、211 伝送ファイバ、212 ファイバ出射端部、213 コリメーション光学系、214 集光光学系、215 保護ウィンドウ、216 光路、300 加工ヘッド、400 反射鏡ユニット。