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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179660
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221125BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20221125BHJP
【FI】
G06F3/041 570
G06F3/041 580
G06F3/0487
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163629
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2018117374の分割
【原出願日】2018-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北村 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
(72)【発明者】
【氏名】末永 尚史
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
(57)【要約】
【課題】ユーザのタッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供すること
【解決手段】電子機器1は、タッチパネル17と、第1の検出部と、状態切替部53と、を備える。照度センサ29は、タッチパネル17への指の接近を検出する。状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29によりタッチパネル17への指の接近が検出された場合、タッチパネル17を非作動状態から作動状態に切り替える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備える電子機器において、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出手段と、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記第1の検出手段により前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の検出手段は、前記タッチパネルの背面側に配置された照度センサを有し、前記照度センサにおいて検出される照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された所定時間当たりの照度の減少量が閾値以上の場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度の値が所定値未満の場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器。
【請求項6】
角速度センサを有する第2の検出手段を備え、
前記第2の検出手段は、前記角速度センサにおいて検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きを検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近が検出され、かつ、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記照度センサは、前記タッチパネルの非作動状態において、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、照度を検出することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記非作動状態は、前記タッチパネルの待機状態を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御手段は前記タッチパネルの作動状態における前記タッチパネルの検出間隔を、前記タッチパネルの非作動状態における前記タッチパネルの検出間隔よりも短くすることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
タッチパネルを備えるコンピュータが行う制御方法であって、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出ステップと、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記検出ステップにおいて前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
タッチパネルを備えるコンピュータに、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出機能と、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記検出機能において前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御機能と、
を実現させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の電子機器は、作動状態において、ユーザのタッチ操作を検出するタッチパネルを備えている。これらの電子機器は、ユーザがタッチ操作を行わない間、いわゆる非作動状態に移行することにより、電力の消費を低減する。非作動状態において、タッチパネルが所定の操作を検出した後に作動状態に復帰する。電子機器は、作動状態に復帰すると、タッチパネルの操作に応じた動作を開始する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-16776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1等の一般的な技術では、タッチパネルを作動状態に復帰させるために、ユーザがタッチパネルとは異なる操作部に対して所定の操作を行う必要があった。従って、ユーザがタッチパネルを操作しようとしてから、実際にタッチパネルがユーザのタッチ操作を検出するまでに一定の時間を要した。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザのタッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の電子機器は、
タッチパネルを備え、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出手段と、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記第1の検出手段により前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザのタッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態である電子機器の概略図である。
図2】電子機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3A】電子機器の表示領域における照度センサの設置形態を示す模式図である。
図3B図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
図4図2の電子機器の機能的構成のうち、検出間隔制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5図4の機能的構成を有する図1の電子機器が実行する検出間隔制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[構成]
図1は、本発明の第1実施形態である電子機器1の概略図である。
図1に示すように、本実施形態の電子機器1は、所謂スマートウォッチと称される腕時計型の装置として構成されている。また、電子機器1は、第1表示部18及び第2表示部24を備えており、第1表示部18の上に第2表示部24が積層されている。さらに、第2表示部24の上には、後述するタッチパネル17が設けられている。このため、電子機器1においては、第1表示部18の表示に第2表示部24の表示を重ね合わせて表示することが可能であると共に、表示内容にタッチ操作することが可能となっている。
【0010】
又、ユーザの所謂チルト動作に伴って、表示の変更が行われる。電子機器1は、通常、第2表示部24の表示内容を表示しており、ユーザのチルト動作を検出すると第1表示部18の表示内容を表示する。
以下で詳述するが、第2表示部24は、所謂セグメント液晶であって、例えば、7セグメントの時計表示を行うことが出来る。又、第2表示部24の下層にある第1表示部18は、所謂有機ELディスプレイであって、7セグメントの時計表示のバックライトとして機能することがある。或いは、電子機器1が、第2表示部24のセグメント液晶の全ての領域を透過状態に制御することによって、第1表示部18の有機ELディスプレイに、電子メールの受信情報や地図情報等の高度な情報を表示させることもできる。ユーザは、タッチパネル17を介して、これらの地図情報等の表示内容をタッチ操作することが出来る。
【0011】
このような、タッチパネル17を備える電子機器1は、本発明の一実施形態において、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作を検出する。電子機器1は、タッチパネル17の非作動状態において、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作を検出した場合、タッチパネル17を非作動状態から作動状態に切り替える。なお、タッチ操作とは異なる動作は、例えば、以下に詳述するタッチパネルへの指の接近や所定のチルト動作等である。
このように、電子機器1は、タッチ操作とは異なる動作を検出することによって、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出して、タッチパネル17を作動状態に復帰させる。これにより、ユーザにタッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0012】
[ハードウェア構成]
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電子機器1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶部14と、RTC(Real Time Clock)部15と、ドライブ16と、タッチパネル17と、第1表示部18と、第1入力部19と、ブルートゥース(登録商標)アンテナ20と、ブルートゥース(登録商標)モジュール21と、無線LAN(Local Area Network)アンテナ22と、無線LANモジュール23と、第2表示部24と、脈拍センサ25と、地磁気センサ26と、加速度センサ27と、ジャイロセンサ28と、照度センサ29と、第2入力部30と、GPS(Global Positioning System)アンテナ31と、GPSモジュール32と、を備えている。
【0013】
CPU11は、第1CPU11Aと、第2CPU11Bとによって構成される。
第1CPU11Aは、各種演算処理を行い、OSの処理を実行することにより、電子機器1におけるスマートフォンに類する機能を制御する。本実施形態において、第1CPU11Aは、ブルートゥース(登録商標)モジュール21あるいは無線LANモジュール23を介して受信した電子メールの着信や気象情報に関するメッセージ等を第1表示部18に表示させたり、タッチパネル17を介して入力される操作を受け付けたりする。また、第1CPU11Aは、第1入力部19を介して入力される音声を認識したり、その他、スマートフォンに類する機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。
また、本実施形態において、第1CPU11Aは、RTC部15から所定タイミングで時刻信号を取得する。
【0014】
第2CPU11Bは、特定のプログラムの処理を実行することにより、第2表示部24に対する表示の指示を行ったり、各種センサの検出結果を取得したり、その他、腕時計の機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。本実施形態において、第2CPU11Bは、第1CPU11Aから入力された時刻信号を基準として、時刻を計算したり、時刻、曜日あるいは日付等を第2表示部24に表示させたりする。第2CPU11Bが実行する特定のプログラムの処理(時刻の計算等)は、第1CPU11Aが実行するOSの処理に比べて単純な動作であることから処理負荷が小さく、低消費電力で実行可能である。また、そのため、第2CPU11Bに要求されるハードウェアのスペックは、第1CPU11Aに比べて低いもので足りる。
【0015】
ROM12は、第1CPU11A及び第2CPU11Bそれぞれからデータの読み出しが可能であり、第1CPU11A及び第2CPU11Bが実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。例えば、ROM12は、第1CPU11Aが実行するOSのプログラムやOSの管理下で実行される各種プログラム、あるいは、第2CPU11Bが実行する特定のプログラム(ここでは、腕時計の機能を実現する組み込み用プログラム)のプログラムを格納する。
【0016】
RAM13は、第1CPU11A及び第2CPU11Bそれぞれからデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第1CPU11A及び第2CPU11Bに作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、RAM13は、第1CPU11AがOSを実行する際のシステム領域やワークエリアを提供したり、第2CPU11Bが特定のプログラムを実行する際の記憶領域を提供したりする。
【0017】
記憶部14は、第1CPU11A及び第2CPU11Bそれぞれからデータの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。記憶部14には、スマートフォンに類する各種機能や腕時計の機能等において生成された各種データ(各種設定内容のデータ等)が記憶される。
【0018】
ドライブ16には、半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。リムーバブルメディア41は、各種センサによって検出されたデータ等の各種データを記憶することができる。
タッチパネル17は、第2表示部24の表示画面上に設けられた静電容量方式または抵抗膜式等のタッチパネルである。タッチパネル17は、操作面に対するユーザのタッチ操作位置と操作内容とを検出して当該操作に応じた信号を発生させて、入力信号として第1CPU11Aに出力する。
【0019】
第1表示部18は、有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode)によって構成され、第1CPU11Aの制御に従って、各種情報を表示画面に表示する。
第1入力部19は、音声を電気信号に変換するマイクを備え、入力された音声(操作のための音声コマンド等)を示す信号を第1CPU11Aに出力する。
【0020】
ブルートゥースアンテナ20は、ブルートゥースの規格に基づく電磁波を送受信するアンテナであり、例えばモノポールアンテナ等によって構成される。ブルートゥースアンテナ20は、ブルートゥースモジュール21から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換してブルートゥースモジュール21に出力したりする。
ブルートゥースモジュール21は、第1CPU11Aの指示に従って、ブルートゥースアンテナ20を介して他の装置に信号を送信する。また、ブルートゥースモジュール21は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1CPU11Aに出力する。
【0021】
無線LANアンテナ22は、無線LANモジュール23によって利用される無線通信に対応した周波数の電波を受信可能なアンテナであり、例えばループアンテナやロッドアンテナによって構成される。無線LANアンテナ22は、無線LANモジュール23から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換して無線LANモジュール23に出力したりする。
無線LANモジュール23は、第1CPU11Aの指示に従って、無線LANアンテナ22を介して他の装置に信号を送信する。また、無線LANモジュール23は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1CPU11Aに出力する。
【0022】
GPSアンテナ31は、GPSにおける衛星から発信される電波を受信して電気信号に変換し、変換した電気信号(以下、「GPS信号」と称する。)をGPSモジュール32に出力する。
GPSモジュール32は、GPSアンテナ31から入力されたGPS信号に基づいて、電子機器1の位置(緯度、経度、高度)及びGPSによって示される現在時刻を検出する。また、GPSモジュール32は、検出した位置及び現在時刻を示す情報を第2CPU11Bに出力する。
【0023】
第2表示部24は、部分的にまたは全体的に光を透過可能なPN(Polymer Network)液晶ディスプレイから構成され、第2CPU11Bの制御に従って、各種情報を表示画面に表示、例えば、セグメント表示をする。
本実施形態において、第2表示部24であるPN液晶ディスプレイは、図3Bに示すように、上述した第1表示部18である有機ELディスプレイの表示画面上に積層されている。このPN液晶ディスプレイは、電位が掛けられていない部位では液晶分子が不規則に並び、光を反射するようになっている。つまり、この電位が掛けられていない部位において、PN液晶ディスプレイによる表示がなされることとなる。一方、電位が掛けられた部位では、液晶分子が表示画面に対して垂直に整列するので、光を透過可能となっている。つまり、この電位が掛けられた部位では、上述の有機ELディスプレイからの光を透過可能となるので、当該PN液晶ディスプレイを介して当該有機ELディスプレイによる表示を視認することができる。即ち、電子機器1の表示領域では、第1表示部18による表示に第2表示部24による表示を重ね合わせた状態で表示することができるようになっている。
【0024】
脈拍センサ25は、電子機器1の裏面側(ユーザの腕に面する側)に設置され、電子機器1が装着されたユーザの脈拍を検出する。
地磁気センサ26は、地磁気の方向を検出し、検出した地磁気の方向を示す情報を第2CPU11Bに出力する。
加速度センサ27は、電子機器1における3軸方向の加速度を検出し、検出した加速度を示す情報を第2CPU11Bに出力する。
ジャイロセンサ28は、第2の検出部に含まれており、電子機器1における3軸方向の角速度を検出し、検出した角速度を示す情報を第2CPU11Bに出力する。第2CPU11Bに出力された角速度を示す情報は、第1CPU11Aに伝達される。第1CPU11Aは、後述するように、角速度を示す情報に基づいて、タッチパネル17のタッチ操作の検出間隔を調整する処理(後述する、検出間隔制御処理)を実行する。
照度センサ29は、第1の検出部に含まれており、第1表示部18の裏面側の所定箇所に設置され、電子機器1の表示領域における明るさとして、例えば照度を検出し、検出した照度を示す情報を第2CPU11Bに出力する。第1CPU11Aは、後述するように、照度センサ29によって検出された明るさに基づいて、第1表示部18の表示画面の輝度を調整する処理や、タッチパネル17のタッチ操作の検出間隔を調整する処理(後述する、検出間隔制御処理)を実行する。なお、第2表示部24が不透過状態の場合、照度センサ29への所定量の入射光がセグメント表示によって一部遮られるが、照度センサ29は照度を検出することができる。
第2入力部30は、各種ボタンで構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0025】
図3Aは、電子機器1の表示領域における照度センサ29の設置形態を示す模式図である。また、図3Bは、図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
図3Aに示すように、照度センサ29は、第1表示部18及び第2表示部24の表示領域における所定箇所(図3Bにおいては、破線で示す中央右下の位置)に設置される。
また、図3Bに示すように、電子機器1の表示領域は、表面側からカバーガラスCG、タッチパネル17、第2表示部24、第1表示部18、黒色シートBS、メイン基板MBの順に積層された断面構造を有している。
【0026】
これらのうち、黒色シートBSは、第2表示部24及び第1表示部18を透過して視認した場合の発色を調整する部材であり、本実施形態では、黒色が視認される構成となっている。また、黒色シートBSの一部には、貫通穴Hが形成されており、この貫通穴Hの中に照度センサ29が設置されている。そのため、照度センサ29には、電子機器1の表示領域における表面側から光が入射する構造となっており、電子機器1が明るい外光下に置かれ、表示領域の照度が高くなっていることや、電子機器1のタッチパネル17をユーザが指で操作し、指によって覆われることで表示領域の照度が低くなっていること等を検出することができる。
【0027】
[機能的構成]
図4は、図1の電子機器1の機能的構成のうち、検出間隔制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
検出間隔制御処理とは、センサ情報取得部51が取得した照度の変化量(減少量)に基づいて、予備動作検出部52がユーザのタッチ操作の予備動作を検出することによって、状態切替部53がタッチパネル17の状態を切替え、検出間隔制御部54がタッチパネル17の検出間隔を制御する、一連の処理をいう。
【0028】
検出間隔制御処理を実行する場合には、図4に示すように、CPU11において、センサ情報取得部51と、予備動作検出部52と、状態切替部53と、検出間隔制御部54が機能する。
【0029】
センサ情報取得部51は、種々のセンサが検出した情報を取得する。例えば、照度センサ29が検出した明るさに関する情報としての照度を取得する。或いは、センサ情報取得部51は、ジャイロセンサ28が検出した角速度を取得する。
【0030】
予備動作検出部52は、所定の条件を満たす場合に、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出する。例えば、予備動作検出部52は、センサ情報取得部51によって取得された照度及び/又は角速度に基づいて、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出する。
【0031】
状態切替部53は、予備動作検出部52による予備動作の検出に応じて、タッチパネル17の状態を切り替える。例えば、非作動状態において、予備動作検出部52が予備動作を検出すると、状態切替部53は、タッチパネル17を作動状態に切り替える。
本実施形態における非作動状態とは、作動状態と比較して、タッチパネル17の検出間隔が長い状態である。又、後述する待機状態とは、タッチパネル17がユーザの指の接触を検出しない状態である。即ち、本実施形態における非作動状態は、待機状態を含む状態である。
【0032】
検出間隔制御部54は、状態切替部53の切り替えに応じて、タッチパネル17のタッチ操作の検出間隔を調整する。検出間隔とは、例えば、ユーザの指のタッチパネル17への接触を検出するための間隔である。検出間隔が短い場合、タッチパネル17は、ユーザの指の接触を頻繁に検出するため、ユーザはタッチパネル17を快適に操作することが可能となる。
【0033】
また、記憶部14の一領域には、センサ情報記憶部141が設定される。センサ情報記憶部141には、照度センサ29によって取得された、照度に関する情報が記憶される。
【0034】
[検出間隔制御処理]
図5は、図4の機能的構成を有する図1の電子機器1が実行する検出間隔制御処理の流れを説明するフローチャートである。
検出間隔制御処理は、例えば、電子機器1の電源が入っている間実行されている。又、本実施形態において、ジャイロセンサ28は常時角速度を検出可能であり、且つ、照度センサ29は、常時照度を検出可能な状態となっている。
【0035】
ステップS11において、ジャイロセンサ28は、角速度を検出する。ジャイロセンサ28が角速度を検出すると、処理はステップS12に進む。
【0036】
ステップS12において、センサ情報取得部51は、検出された角速度を取得し、予備動作検出部52へ角速度の情報を伝達する。予備動作検出部52は、角速度が閾値以上であるか否か判定する。
角速度が閾値未満である場合、処理はステップS11に戻る。一方、角速度が閾値以上である場合、処理はステップS13に進む。例えば、ユーザが電子機器1の表示部を観察するためにチルトの動作を行うと、角速度が閾値以上となる。従って、角速度が閾値以上である場合、予備動作検出部52は、この後タッチパネル17の操作が行われると推定し、予備動作を検出する。
ここで、閾値は、例えば、ユーザが表示部を観察するときのチルト動作によって生じる、平均的な角速度を統計的に算出した値である。
【0037】
ステップS13では、ユーザのチルト動作に伴い、表示内容は第2表示部24の7セグメント時計表示から、第1表示部18の有機ELディスプレイの表示内容に変更されている状態である。このように有機ELディスプレイが表示されている状態において、照度センサ29は、照度を検出する。照度センサ29が照度を検出すると、処理はステップS14に進む。
【0038】
ステップS14において、センサ情報取得部51は、検出された照度を取得し、予備動作検出部52へ照度の情報を伝達する。予備動作検出部52は、照度の変化量(減少量)が所定値以上であるか否か判定する。本実施形態における照度の変化量は、例えば、照度の減少量である。
照度の変化量が所定値未満である場合、処理はステップS13に戻る。一方、照度の変化量が所定値以上である場合、処理はステップS15に進む。例えば、ユーザが有機ELディスプレイの表示内容を操作するためにタッチパネル17に指を近づける動作が行われると、タッチパネル17の下層に設けられた照度センサ29への入射光が遮られるため、照度の変化量が所定値以上となる。従って、予備動作検出部52は、照度の変化量が所定値以上である場合、ユーザの予備動作を検出する。
【0039】
ここで、照度の変化量は、例えば、ユーザがタッチパネル17に指を接触させたときの照度と、ユーザがタッチパネル17から指を遠ざけたときの照度との差を、統計的に算出した値である。又、変化量を検出する時間間隔は、ユーザがタッチパネル17へ指を近づけるための所要時間から導出される、所定の時間間隔である。
【0040】
ステップS15において、状態切替部53は、タッチパネル17を作動状態にする。
ステップS15の処理は、上記のように、予備動作検出部52が、ジャイロセンサ28を介してユーザのチルト動作を検出し、且つ、照度センサ29を介してタッチパネル17への指の接近を検出した場合に行われる処理である。予備動作検出部52は、これらの条件を満たす場合に、ユーザがタッチパネル17をタッチ操作するための予備動作を検出する。
【0041】
ステップS16において、状態切替部53がタッチパネル17を作動状態にすると、検出間隔制御部54は、タッチパネル17の検出間隔を、非作動状態と比較して相対的に短くする。
【0042】
ステップS17において、照度センサ29は、照度を検出する。照度センサ29が照度を検出すると、処理はステップS18に進む。
【0043】
ステップS18において、センサ情報取得部51は、検出された照度を取得し、予備動作検出部52へ照度の情報を伝達する。予備動作検出部52は、照度が閾値以上であるか否か判定する。
照度が閾値未満である場合、ユーザは依然としてタッチパネル17を操作していることが推定される。このため、処理はステップS16に戻り、検出間隔制御部54は、現在の作動状態における検出間隔を維持する。
一方、ステップS18において、予備動作検出部52は、照度が閾値以上であると判定した場合、ユーザはタッチパネル17を操作していない可能性が高いと推定される。このため、処理はステップS19に進み、状態切替部53はタッチパネル17を、作動状態から非作動状態に切り替える。状態切替部53がタッチパネル17を非作動状態にすると、検出間隔制御部54は、検出間隔を作動状態と比べて相対的に長くする。
【0044】
ステップS19において、タッチパネル17が非作動状態に切り替えられると、処理はステップS20に進む。ステップS20において、終了条件を満たすか否かが判定される。終了条件は、例えば、電子機器1の電源が切られることである。終了条件を満たす場合、検出間隔制御処理は終了し、満たさない場合、処理はステップS11に戻る。
【0045】
このように、予備動作検出部52において、チルト動作や照度センサへの指の接近等の、タッチ操作とは異なる動作が検出された場合、タッチパネル17は作動状態になる。即ち、電子機器1が、ユーザがタッチパネル17を操作するための予備動作を検出すると、タッチパネル17は、特殊なタッチ操作や物理ボタンの押下等の他の操作なしで作動状態となる。このため、ユーザは即座にタッチ操作を開始することが出来る。これにより、本実施形態によれば、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが可能となる。
【0046】
以上のように構成される、タッチパネル17を備える電子機器1は、第1の検出部と、状態切替部53と、を備える。
照度センサ29は、タッチパネル17への指の接近を検出する。
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29によりタッチパネル17への指の接近が検出された場合、タッチパネル17を非作動状態から作動状態に切り替える。
これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0047】
第1の検出部は、タッチパネル17の背面側に配置された照度センサ29を有し、照度センサ29において検出される照度に基づいて、タッチパネル17への指の接近を検出する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、照度に基づいてタッチパネル17への指の接近を検出する。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0048】
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29により検出された照度に基づいて、タッチパネル17への指の接近が検出された場合、タッチパネル17の動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、照度に基づいてタッチパネル17への指の接近を検出する。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0049】
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29により検出された所定時間当たりの照度の減少量が閾値以上の場合、タッチパネル17の動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、照度の減少量に基づいて、タッチパネルの動作状態を切り替える。これにより、ユーザは即座にタッチ操作を開始することが出来る。
【0050】
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29により検出された照度の値が所定値未満の場合、タッチパネル17の動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、照度が所定値よりも低い場合、タッチパネルの動作状態を切り替える。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0051】
電子機器1は、ジャイロセンサ28を有する第2の検出手段を備える。第2の検出手段は、ジャイロセンサ28において検出された角速度に基づいて、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作として電子機器1の動きを検出する。
このように、電子機器1は、角速度の値に基づいて動きを検出することが出来る。
【0052】
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、ジャイロセンサ28により検出された角速度に基づいて、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作として電子機器1の動きが検出された場合、タッチパネル17を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、角速度に基づいて、タッチパネルの動作状態を切り替える。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0053】
状態切替部53は、タッチパネル17の非作動状態において、照度センサ29により検出された照度に基づいて、タッチパネル17への指の接近が検出され、かつ、ジャイロセンサ28により検出された角速度に基づいて、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作として電子機器1の動きが検出された場合、タッチパネル17を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する。
このように、電子機器1は、非作動状態において、角速度及び照度に基づいて、タッチパネル17の動作状態を切り替える。これにより、より精度良く動作状態の切替を行うことが可能であるとともに、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0054】
照度センサ29は、タッチパネル17の非作動状態において、ジャイロセンサ28により検出された角速度に基づいて、タッチパネル17へのタッチ操作とは異なる動作として電子機器1の動きが検出された場合、照度を検出する。
このように、電子機器1は、角速度の検出結果に基づいて、照度を検出することにより、タッチパネル17の動作状態を切り替える。これにより、より精度良く動作状態の切替を行うことが可能であるとともに、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0055】
電子機器1における、非作動状態は、前記タッチパネルの待機状態を含む。
このように、電子機器1は、非作動状態及び待機状態において、タッチパネル17の動作状態を切り替えることが可能である。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0056】
検出間隔制御部54は、タッチパネル17の作動状態におけるタッチパネル17の検出間隔を、タッチパネル17の非作動状態におけるタッチパネル17の検出間隔よりも短くする。
このように、電子機器1は、予備動作検出部52によって、ユーザのタッチ操作の予備動作が検出されると、タッチパネル17の検出間隔を相対的に短くする。電子機器1は、検出間隔を短くすることによって、ユーザの指の接触を精度よく検出可能となる。これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0057】
[変形例]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。以下では、変形例について説明する。
【0058】
<第1変形例>
上述の実施形態では、予備動作検出部52が、閾値以上の角速度を検出し(ステップS12)、且つ、所定値以上の照度の変化量を検出する場合(ステップS14)に、状態切替部53は、タッチパネル17を作動状態に切り替えるが、異なる条件で切り替えてもよい。
変形例として、照度センサ29において検出される照度の絶対値に基づいて、タッチパネル17の状態が切り替えられてもよい。即ち、ステップS12において閾値以上の角速度が検出されたのち、ステップS13において照度が検出される処理までは同一であるが、ステップS14における照度の判定の対象が照度の「変化量」ではなく照度の「絶対値」である点が異なる。
【0059】
本変形例では、照度の絶対値が所定値未満である場合、処理はステップS15に進み、タッチパネル17が作動状態に切り替えられる。即ち、予備動作検出部52が、閾値以上の角速度を検出し(ステップS12)、且つ、所定値未満の照度を検出する場合(ステップS14の変形例)に、状態切替部53は、タッチパネル17を作動状態に切り替える。
【0060】
本変形例の電子機器1は、主としてジャイロセンサ28によってユーザの視認動作が検出され、その検出の補助として照度センサ29の検出値が用いられる。換言すれば、ユーザの腕の動きに応じたジャイロセンサ28の出力値が閾値を超えることによって、ユーザの視認動作を検出する。このとき、照度センサ29の検出値が低いと、ユーザの指がタッチパネル17に接近していると推定される。従って、電子機器1は、ユーザがタッチパネル17を操作しようとしているものと判定し、タッチパネル17を作動状態に切り替える制御を行う。
このように、ユーザは、タッチパネル17を操作する前に、タッチパネル17を作動状態にするために、別途操作を行う必要がない。このため、本変形例によれば、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0061】
<第2変形例>
他の変形例として、上述の実施形態では、予備動作検出部52は、角速度及び照度によって、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出したが、これに限られない。
即ち、予備動作検出部52は、角速度及び照度の何れか一方の値のみに基づいて、予備動作を検出してもよい。角速度のみが予備動作の検出に用いられる場合、ステップS13~S14の処理が省略される。又、照度のみが予備動作の検出に用いられる場合、ステップS11~S12の処理が省略される。
【0062】
角速度のみが予備動作の検出に用いられる場合には、電子機器1は、ユーザの腕の動きに応じたジャイロセンサ28の出力値が閾値を超えることによって、ユーザがタッチ操作を行うために腕を動かす予備動作が行われたものと推定される。このとき、タッチパネル17は作動状態に切り替えられる。
一方、照度のみが予備動作の検出に用いられる場合には、電子機器1は、タッチパネル17へのユーザの指の接近に応じた照度センサ29の出力値が閾値未満であることによって、ユーザの指がタッチパネル17に接近する予備動作が行われたものと推定される。このとき、タッチパネル17は作動状態に切り替えられる。なお、本変形例における照度は、照度の絶対値でも変化量の何れであってもよい。
本変形例によっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。即ち、このため、本変形例によれば、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0063】
<第3変形例>
上述の実施形態におけるステップS13では、ユーザのチルト動作に伴い、表示部は第2表示部24の7セグメント時計表示から、第1表示部18の有機ELディスプレイの表示に変更されている状態であるが、これに限られない。
即ち、他の変形例として、上述の実施形態におけるステップS11~S12の処理が省略されて、照度センサ29がステップS13において照度を検出する際、第2表示部24が、7セグメント時計表示を行っている状態でもよい。このとき、照度センサ29は、セグメント表示によって遮られた状態でも、照度を検出することが可能である。従って、ステップS13~S14、及びステップS17の処理が、上述の実施形態と同様に行われる。
【0064】
この場合、ステップS13において、照度の変化量が所定値以上であるとき、予備動作検出部52は予備動作を検出する。予備動作が検出されると、上述の実施形態と同様の処理によって、タッチパネル17の検出間隔は相対的に短くなるように制御される。
例えば、ユーザが、チルト動作ではなく物理ボタンを押下することによって、第2表示部24の7セグメント時計表示から、第1表示部18の有機ELディスプレイの表示に変更する場合にも、本変形例が適用される。この場合、7セグメント時計表示の間に、タッチパネル17が予め作動状態になっているため、表示が有機ELディスプレイ変更されたとき、ユーザは即座にタッチ操作を行うことが可能である。即ち、本変形例によれば、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。
【0065】
<第4変形例>
上述の実施形態において、予備動作検出部52が予備動作を検出した後、ステップS16において検出間隔制御部54がタッチパネル17の検出間隔を相対的に短くするが、これに加えて、以下の制御が行われてもよい。
他の変形例として、ステップS19において非作動状態に切り替えられると、検出間隔制御部54は、検出間隔を相対的に長くするだけではなく、ユーザのタッチ操作を全く検出しない待機状態となるような制御を行ってもよい。
本変形例によれば、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供するとともに、非作動状態及び待機状態においてより省電力なタッチパネル17を実現することが可能となる。
【0066】
<第5変形例>
他の変形例として、上述の実施形態では、予備動作検出部52は、角速度及び照度によって、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出したが、これに限られない。
例えば、非作動状態において、照度センサ29は、照度を検出しないオフ状態で維持されており、ジャイロセンサ28の出力値が閾値を超えた場合に、照度を検出するオン状態に切り替えられてもよい。そして、オン状態となった照度センサ29によって取得された照度の絶対値が所定値未満、或いは、照度の減少量が所定値以上であるときに、タッチパネル17が作動状態に切り替えられる。
これにより、タッチ操作を検出するまでに時間を要さない電子機器を提供することが出来る。さらに、電子機器1は、非作動状態において、照度センサ29をオフ状態に維持できるため、省電力が実現される。
【0067】
<第6変形例>
他の変形例として、変形例5の電子機器1は、角速度の検出の後に照度の検出を行うことによって、ユーザのタッチ操作の予備動作を検出したが、これに限られない。
例えば、電子機器1は、照度の検出の後に角速度の検出を行ってもよい。この場合には、非作動状態において、ジャイロセンサ28をオフ状態にすることが出来る。或いは、電子機器1は、角速度と照度とを並行して検出する処理を行ってもよい。予備動作を検出するための角速度と照度との閾値は、上述の実施形態と同一の閾値と同一の値が用いられてもよい。
【0068】
なお、上述の全ての実施形態において、第1の検出部は照度センサ29を含むが、光を検出するセンサであれば、他の如何なるセンサを備えていてもよい。同様に、第2の検出部はジャイロセンサ28を含むが、ユーザの動きを検出するセンサであれば、他の如何なるセンサを備えていてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される電子機器1は、スマートウォッチを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、検出間隔制御処理の機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0070】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が電子機器1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。例えば、状態切替部53と検出間隔制御部54とは、一つの制御部として構成されてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0071】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0072】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア41により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア41は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図4の記憶部14に含まれる半導体メモリ等で構成される。
【0073】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などにより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0075】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
タッチパネルを備える電子機器において、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出手段と、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記第1の検出手段により前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記第1の検出手段は、前記タッチパネルの背面側に配置された照度センサを有し、前記照度センサにおいて検出される照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近を検出することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする付記2に記載の電子機器。
[付記4]
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された所定時間当たりの照度の減少量が閾値以上の場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする付記3に記載の電子機器。
[付記5]
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度の値が所定値未満の場合、前記タッチパネルの動作状態を非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする付記3又は4に記載の電子機器。
[付記6]
角速度センサを有する第2の検出手段を備え、
前記第2の検出手段は、前記角速度センサにおいて検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きを検出することを特徴とする付記1から5のいずれか一に記載の電子機器。
[付記7]
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする付記6に記載の電子機器。
[付記8]
前記制御手段は、前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記タッチパネルへの指の接近が検出され、かつ、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御することを特徴とする付記7に記載の電子機器。
[付記9]
前記照度センサは、前記タッチパネルの非作動状態において、前記角速度センサにより検出された角速度に基づいて、前記タッチパネルへのタッチ操作とは異なる動作として前記電子機器の動きが検出された場合、照度を検出することを特徴とする付記8に記載の電子機器。
[付記10]
前記非作動状態は、前記タッチパネルの待機状態を含むことを特徴とする付記1から9のいずれか一に記載の電子機器。
[付記11]
前記制御手段は前記タッチパネルの作動状態における前記タッチパネルの検出間隔を、前記タッチパネルの非作動状態における前記タッチパネルの検出間隔よりも短くすることを特徴とする付記1から10のいずれか一に記載の電子機器。
[付記12]
タッチパネルを備えるコンピュータが行う制御方法であって、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出ステップと、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記検出ステップにおいて前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
[付記13]
タッチパネルを備えるコンピュータに、
前記タッチパネルへの指の接近を検出する第1の検出機能と、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記検出機能において前記タッチパネルへの指の接近が検出された場合、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する制御機能と、
を実現させることを特徴とする制御プログラム。
【符号の説明】
【0076】
1・・・電子機器,11・・・CPU,11A・・・第1CPU,11B・・・第2CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・記憶部,15・・・RTC部,16・・・ドライブ,17・・・タッチパネル,18・・・第1表示部,19・・・第1入力部,20・・・ブルートゥースアンテナ,21・・・ブルートゥースモジュール,22・・・無線LANアンテナ,23・・・無線LANモジュール,24・・・第2表示部,25・・・脈拍センサ,26・・・地磁気センサ,27・・・加速度センサ,28・・・ジャイロセンサ,29・・・照度センサ,30・・・第2入力部,31・・・GPSアンテナ,32・・・GPSモジュール,41・・・リムーバブルメディア,CG・・・カバーガラス,BS・・・黒色シート,MB・・・メイン基板,H・・・貫通穴,51・・・センサ情報取得部,52・・・予備動作検出部,53・・・状態切替部,54・・・検出間隔制御部,141・・・センサ情報記憶部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度値を検出する照度センサと、
ユーザによる動作を検出する動作検出手段と、
表示内容を第1表示形式で表示するように表示手段を制御する第1制御部と、
表示内容を前記第1表示形式とは異なる第2表示形式で表示するように表示手段を制御する第2制御部と、
入力を受け付けた場合に入力信号を前記第1制御部に出力するタッチパネルと、
を備え、
前記第1制御部及び前記第2制御部は協働して、
前記第2表示形式で表示内容が表示されている状態で、前記動作検出手段によってチルト動作又はチルト動作以外の動作を検出された場合に、表示内容を前記第1表示形式で表示されるように制御し、
表示内容を前記第2表示形式で表示させている状態で、前記動作検出手段が前記チルト動作以外の動作を検出した場合には、表示内容を第1表示形式での表示に変更させる前に前記照度センサによる検出を実行させ、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサによって検出された照度値が第1の条件を満たしていると判別した場合に、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示手段は、第1表示部と第2表示部とを有し、
前記第1表示部は表示内容を前記第1表示形式で表示し、
前記第2表示部は表示内容を前記第2表示形式で表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1表示部は、有機ELディスプレイであり、
前記第2表示部は、セグメント液晶であり、
前記第2表示形式は、7セグメント形式である、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1制御部及び前記第2制御部は協働して、
表示内容を前記第2表示形式で表示させている状態で、前記動作検出手段が前記チルト動作を検出した場合には、表示内容を前記第1表示形式での表示に変更したうえで前記照度センサによる検出を実行させる、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
物理ボタン部をさらに備え、
前記動作検出手段は、前記物理ボタン部への入力が検出された場合に、ユーザによって行われた動作が前記チルト動作以外の動作であると検出する、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の電子機器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の電子機器は、
照度値を検出する照度センサと、
ユーザによる動作を検出する動作検出手段と、
表示内容を第1表示形式で表示するように表示手段を制御する第1制御部と、
表示内容を前記第1表示形式とは異なる第2表示形式で表示するように表示手段を制御する第2制御部と、
入力を受け付けた場合に入力信号を前記第1制御部に出力するタッチパネルと、
を備え、
前記第1制御部及び前記第2制御部は協働して、
前記第2表示形式で表示内容が表示されている状態で、前記動作検出手段によってチルト動作又はチルト動作以外の動作を検出された場合に、表示内容を前記第1表示形式で表示されるように制御し、
表示内容を前記第2表示形式で表示させている状態で、前記動作検出手段が前記チルト動作以外の動作を検出した場合には、表示内容を第1表示形式での表示に変更させる前に前記照度センサによる検出を実行させ、
前記タッチパネルの非作動状態において、前記照度センサによって検出された照度値が第1の条件を満たしていると判別した場合に、前記タッチパネルを非作動状態から作動状態に切り替えるように制御する、
ことを特徴とする。