IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社GSユアサの特許一覧

<>
  • 特開-蓄電装置 図1
  • 特開-蓄電装置 図2
  • 特開-蓄電装置 図3
  • 特開-蓄電装置 図4
  • 特開-蓄電装置 図5
  • 特開-蓄電装置 図6
  • 特開-蓄電装置 図7
  • 特開-蓄電装置 図8
  • 特開-蓄電装置 図9
  • 特開-蓄電装置 図10
  • 特開-蓄電装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179668
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20221125BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221125BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20221125BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20221125BHJP
   H01M 10/6557 20140101ALI20221125BHJP
   H01M 10/6552 20140101ALI20221125BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6557
H01M10/6552
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163648
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2017182894の分割
【原出願日】2017-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】稲益 徳雄
(72)【発明者】
【氏名】向井 寛
(72)【発明者】
【氏名】奥山 良一
(57)【要約】
【課題】蓄電素子間の過熱状態の連鎖を防止でき、発火を抑制できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置100は、複数の蓄電素子1と、蓄電素子1を冷却する冷却モジュール30とを備える。冷却モジュール30は、少なくとも蓄電素子1間に配置され、難燃化剤を内蔵し、該難燃化剤の気化時の吸熱により蓄電素子1を冷却する冷却部31を有する。発熱が生じた蓄電素子1に接触する冷却部31において、内蔵する難燃化剤が気化するときの気化熱により蓄電素子1が良好に冷却され、蓄電素子1間の過熱状態の連鎖が防止される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電素子と、
少なくとも前記蓄電素子間に配置され、難燃化剤を内蔵し、該難燃化剤の気化熱により前記蓄電素子を冷却する冷却部と
を備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記難燃化剤は、気化することで、難燃性を発現することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記難燃化剤は、非環状フッ素化エーテル、フッ素化リン酸エステル、及びホスファゼン誘導体の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
内部空間が連通するように複数の冷却部を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電素子それぞれが直方体状に形成され、
前記蓄電素子それぞれの前記冷却部が対向する長側面とは異なる面に接触して、複数の前記蓄電素子を冷却する冷却プレートを備え、
前記冷却プレートと前記冷却部との間で熱が伝導可能に構成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記冷却プレートと前記冷却部とは、前記難燃化剤、又は該難燃化剤が気化した気体が循環できるように一体化されていることを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記冷却部は、該冷却部の内圧が所定の圧力を超えた場合に、前記内圧を開放する内圧開放弁を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、自動車等の様々な機器に、充放電可能な蓄電素子が使用されている。中でも電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の電気エネルギーを動力源とする車両は、大きなエネルギーを必要とするため、複数の蓄電素子を備える大容量の蓄電装置を搭載している。
【0003】
このような蓄電装置では、通常の使用状態ではないが何らかの原因によりいずれか1つの蓄電素子の温度が過度に上昇した場合、この蓄電素子の熱が隣接する蓄電素子に伝導することにより隣接する蓄電素子が加熱される。これにより、隣接する蓄電素子の電極の活物質が自己発熱温度以上に加熱されると、この隣接する蓄電素子も自己発熱により過熱状態となってさらにその隣の蓄電素子を加熱し、連鎖的に多数の蓄電素子が過熱状態となるおそれがある。
【0004】
金属製のケースを樹脂フィルムで被覆した蓄電素子を用いる場合、蓄電素子が過熱状態となった場合、樹脂フィルムが溶融して金属製のケース同士が接触して熱伝導を助長する結果、過熱状態の連鎖が生じやすい。特に、金属製のケースを電極として用いる場合や、何らかの異常によって金属製のケースが異常な電位を有する場合、隣接する蓄電素子のケースと電気的に接触して隣接する蓄電素子に異常な電流を生じさせて、過熱状態を招くおそれがある。
【0005】
特許文献1には、蓄電素子の熱が隣り合う蓄電素子に伝導することを抑制する技術が開示されている。
【0006】
蓄電素子が非水電解質二次電池である場合、非水電解質として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )等の電解質がエチレンカーボネートを主構成成分とする非水溶媒に溶解したものが広く知られている。これらの非水溶媒は一般に揮発しやすく、引火性を有する。従って、蓄電装置において、発火を抑制することが求められている。
特許文献2には、非水電解質が、末端に少なくとも-CF2 H基を一つ含有する非環状フッ素化エーテルと、炭素-炭素π結合を有する環状カーボネート化合物と、スルトンとを含有し、非水電解質を難燃化することが開示されている。
特許文献3には、非水電解質が、炭素数が3以下の側鎖を有するフッ素化リン酸エステル及び/又はフッ素化鎖状カーボネートを含有し、これらの非水電解質の溶媒に占める割合を15~30質量%とし、非水電解質を難燃化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-195149号公報
【特許文献2】特許第5092416号公報
【特許文献3】特許第5842873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の蓄電装置においては、マイカ集積材から形成される仕切部材によって蓄電素子間の熱の伝導を抑制している。 近年、蓄電素子及び蓄電装置のさらなる容量の増大が求められている。蓄電素子の容量を増大すると、一つの蓄電素子が過熱状態となったときにその蓄電素子から放出されるエネルギー及び熱も非常に大きい。蓄電素子間の空気層や仕切部材の厚みを増せば、断熱性を高めることができるが、それらの手法では、蓄電装置としてのエネルギー密度が低下する。そのため、エネルギー密度を低下させることなく蓄電素子間の過熱状態の連鎖を防止できる新しい対策が求められている。
蓄電装置の発火を防ぐ目的で、非水電解質二次電池の非水電解質が充分な難燃性を発揮するためには、フッ素化カーボネート等を多量に混合する必要があるが、良好な電池特性を得るために、フッ素化カーボネート等の添加量には限界がある。
【0009】
本発明は、蓄電素子間の過熱状態の連鎖を防止でき、発火を抑制できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子と、少なくとも前記蓄電素子間に配置され、難燃化剤を内蔵し、該難燃化剤の気化熱により前記蓄電素子を冷却する冷却部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発熱した蓄電素子に接触する冷却部において、内蔵する難燃化剤が蓄電素子から吸熱して蒸発し、蓄電素子が良好に冷却される。冷却部は少なくとも前記蓄電素子間に配置されるので、発熱した蓄電素子に隣接する蓄電素子への熱の伝導が抑制される。従って、蓄電素子間の連鎖的伝熱が防止される。
難燃化剤は冷却部に内蔵されているので、気化した後、冷却部内で液化し、蓄電素子の冷却に再利用され、蓄電素子は効率良く冷却される。
難燃化剤が気化して冷却部から放出され、蓄電素子から引火性成分が放出された場合、引火性成分は難燃化剤によって難燃化され、蓄電装置において、発火が防止又は抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】蓄電素子の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
図3】冷却モジュールの斜視図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5】蓄電素子が発熱した場合における冷却モジュールによる冷却を説明する説明図である。
図6】難燃化剤による発火の抑制を説明する説明図である。
図7】第2実施形態に係る冷却モジュールの斜視図である。
図8】第2実施形態において内部空間が連通されている場合の説明図である。
図9】難燃化剤による発火の抑制を説明する説明図である。
図10】第3実施形態に係る冷却モジュールの斜視図である。
図11】第4実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1は蓄電素子1の斜視図である。以下、蓄電素子1がリチウムイオン二次電池である場合を説明するが、蓄電素子1はリチウムイオン二次電池には限定されない。
蓄電素子1は、蓋板2及びケース本体3を有するケース11、正極端子4、負極端子8、ガスケット6,10、破裂弁20、集電体及び電極体(不図示)を備える。
【0014】
ケース11は例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属、又は合成樹脂からなり、直方体状をなし、電極体及び電解液(不図示)を収容する。代替的に、ケースは、ラミネートシートを用いたパウチケースであってもよい。
【0015】
正極端子4は、蓋板2を貫通する軸部、及び軸部の一端に設けられた板部を有する。
正極端子4は、ガスケット6により板部の内面、及び軸部を覆われ、絶縁された状態で、蓋板2を貫通するように設けられている。
【0016】
負極端子8は、蓋板2を貫通する軸部、及び軸部の一端に設けられた板部を有する。負極端子8は、ガスケット10により板部の内面、及び軸部を覆われ、絶縁された状態で、蓋板2を貫通するように設けられている。
【0017】
電極体は、複数の正極板及び負極板がセパレータを介して交互に積層されて直方体状に形成された本体と、本体から蓋板2に向けて延びる正極タブ及び負極タブを有する積層タイプであってもよい。正極タブは、集電体を介し正極端子4に接続されている。負極タブは、集電体を介し負極端子8に接続されている。
電極体は、正極板と負極板とをセパレータを介して扁平状に巻回して得られる巻回タイプであってもよい。
電極体は、充放電サイクルに伴う膨れ(ケース11のような金属ケース、パウチケース等の外装体の膨れ)が少ない、積層タイプがより好ましい。充放電サイクルに伴う外装体の膨れが少ないので、通常の使用時に外装体が冷却部31を圧迫することが抑制される。
【0018】
正極板は、アルミニウムやアルミニウム合金等からなる板状(シート状)又は長尺帯状の金属箔である正極基材箔上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅及び銅合金等からなる板状(シート状)又は長尺帯状の金属箔である負極基材箔上に負極活物質層が形成されたものである。セパレータは、合成樹脂からなる微多孔性のシートである。
正極活物質層に用いられる正極活物質、又は負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質又は負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0019】
正極活物質としては、例えば、LiMPO4 、Li2 MSiO4 、LiMBO3 (MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のスピネル化合物、LiMO2(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。
【0020】
負極活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウム合金(リチウム-アルミニウム、リチウム-シリコン、リチウム-鉛、リチウム-錫、リチウム-アルミニウム-錫、リチウム-ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物(SiO等)、リチウム金属酸化物(Li4 Ti5 12等)、ポリリン酸化合物等が挙げられる。
【0021】
破裂弁20は、板厚を部分的に減じて形成される破断部200を有する。蓄電素子1の内圧上昇時に破断部200に沿って破断して、舌片状の部分が形成され、該部分が外側に跳ね上がることで蓋板2に開口が形成される。
【0022】
図2は本実施形態に係る蓄電装置100の斜視図、図3は冷却モジュール30の斜視図である。
蓄電装置100は、複数の蓄電素子1と、蓄電素子1を冷却する冷却モジュール30と、蓄電素子1及び冷却モジュール30を収納するケース40とを備える。図2においては、蓄電素子1が3個収納されているが、蓄電素子1の数は3個に限定されない。
ケース40は箱状をなし、例えば合成樹脂等の絶縁性の材料からなる。ケース40は蓄電素子1及び冷却モジュール30等を所定の位置に配置し、これらを衝撃から保護する。ケース40には、外部からの電気を充電し、外部へ電気を放電するための外部電極端子(不図示)が設けられている。
【0023】
冷却モジュール30は、良好な熱伝導性及び耐熱性を有する例えばアルミニウム等の金属からなってもよく、表面に絶縁膜を形成する等して、絶縁処理が施されていてもよい。
図3に示すように、冷却モジュール30は、板状の冷却部31と、冷却部31を連結する連結部32,33と、内圧開放弁34とを備える。2個の冷却部31は、隣接する蓄電素子1の長側面間に介在し、他の2個の冷却部31は両端の蓄電素子1の外側の長側面に当接する。ここで、長側面とは、図1における蓄電素子1の底面の長辺から上に延びるように設けられており、側面のうちで最も大きな面積を有する側面をいう。各冷却部31の上面の中央部には内圧開放弁34が設けられている。
冷却部31は、蓄電素子1の数に対応して設けられてもよいし、蓄電素子1間に介在し、さらに両端の蓄電素子1の外側の長側面に当接するように設けられてもよい。
内圧開放弁34の設置位置も冷却部31の上面の中央部には限定されない。
内圧開放弁34は、後述する難燃化剤Lが噴出したときに、効果的に発火を防止できる位置に設置することができる。図2に示すように、蓄電素子1の破裂弁20と、冷却部31の内圧開放弁34とが、同じ方向を向いていてもよい。内圧開放弁34は、重力方向における上方を向いていてもよい。
【0024】
冷却部31は中空である。
冷却部31には、難燃化剤Lが収容されている。
隣接する冷却部31の長側面の一端の上部は、連結部32により連結されている。連結部32は中空であり、連結する冷却部31内の気体が連結部32内を流れるように構成されている。
隣接する冷却部31の長側面の一端の下部は、連結部33により連結されている。連結部33は中空であり、連結する冷却部31内の難燃化剤Lが連結部33内を流れるように構成されている。
即ち、冷却部31、連結部32、及び連結部33は、内部空間が連通している。
【0025】
なお、外側の冷却部31は省略することができる。例えば蓄電素子1の数が5個である場合、蓄電素子1間に4個の冷却部31を配置し、4個の冷却部31を連結部32,33により連結する。外側の蓄電素子1の長側面はケース40の側面に当接させる。外側の冷却部31を設ける方が冷却効率はより良好である。
【0026】
図4は、図3のIV-IV線断面図である。
内圧開放弁34は円状の溝であり、図4に示すように、溝の底部の厚みが他の部分の厚みより薄い。内圧開放弁34は切削加工、プレス加工等により形成される。内圧開放弁34を切削加工により形成する場合、3次元NC等の曲面を切削できる装置が用いられる。内圧開放弁34をプレス加工により形成する場合、突起を有する金型により刻印を押すように形成する。
【0027】
難燃化剤Lは気化することで引火性を有するガスに対し難燃性を発現する。難燃化剤Lは気化熱が大きく、耐食性を有し、有毒ガスを発生しないものが好ましい。
難燃化剤Lは、非環状フッ素化エーテル、フッ素化リン酸エステル、及びホスファゼン誘導体の少なくともいずれかを含むのが好ましい。これらは気化することで高い難燃性を有する。
【0028】
非環状フッ素化エーテルは、下記式(1)で表されるのがより好ましい。
CX3-jj -(CFx 2-x m -O-(CFy 2-y n-CF3-kk …(1)
(但し、XはF又はCF3 。j、k、m、n、x、yは整数であり、0≦j≦3、0≦k≦3、1≦m≦3、0≦n≦1、0≦x≦2、0≦y≦2であり、少なくとも1個のフッ素原子を含む。)
具体的には、例えば、HCF2 CF2 CH2 OCF2 CF2 H、HCF2 CF2OCH2CF3 、CF3 CF2 CH2 OCF2 CF2 H、HCF2 CF2 CH2 OCHF2 、CF3 CF2 CH2 OCF2 H、(CF3 2 CHCF2 OCF2 H、CF3 CHFCF2 CH2 OCHF2 等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
フッ素化リン酸エステルは、下記式(2)で表されるのがより好ましい。
【0030】
【化1】
【0031】
(但し、j、k、l、m、n、o、x、y、zは整数であり、0≦j≦3、0≦k≦3、0≦l≦3、0≦m≦1、0≦n≦1、0≦o≦1、0≦x≦2、0≦y≦2、0≦z≦2であり、少なくとも1個のフッ素原子を含む。)
【0032】
ホスファゼン誘導体は、下記式(3)で表されるのがより好ましい。
【0033】
【化2】
【0034】
(式中、R1 ~R6 は、同一もしくは非同一の水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10の直鎖または分岐アルキル基、フッ素原子で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、フッ素原子で置換された炭素数1~10のアルコキシ基を示す。)
【0035】
ホスファゼン誘導体は、R1 ~R6のうち、少なくとも一つがフッ素原子、フッ素原子
で置換されたアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルコキシ基のいずれかである、含フッ素ホスファゼン誘導体であるのがさらに好ましい。
【0036】
含フッ素ホスファゼン誘導体の中でも、下記化3で表されるモノエトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、下記化4で表されるモノフェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンが特に好ましい。
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
難燃化剤Lの収容量は、冷却部31、及び連結部32,33の内容積、蓄電素子1の想定される発熱温度、難燃化剤Lが気化したときの体積等に基づいて、冷却部31が破損しないように設定する。
【0040】
図5は、蓄電素子1が発熱した場合における冷却モジュール30による冷却を説明する説明図である。
冷却モジュール30には、難燃化剤Lが収容されており、中央の蓄電素子1が発熱したとする。
発熱した蓄電素子1から両側の冷却部31,31に熱が伝導され、冷却部31内の難燃化剤Lが蒸発する(図5A)。難燃化剤Lが蒸発するときに気化熱が奪われ、吸熱反応により蓄電素子1は急速に冷却される。前記冷却部31内の難燃化剤Lの液量は減る。
【0041】
前記冷却部31内の気体は熱対流により上部へ流れ、それぞれ連結部32,32を通って、温度が低い外側の冷却部31へ移動する(図5B)。気体は外側の冷却部31内で凝縮し、外側の冷却部31内の難燃化剤Lの液量は増加する。
【0042】
外側の冷却部31内で増加した分、難燃化剤Lが内側の冷却部31へ連結部33を介して流れ、4つの冷却部31の難燃化剤Lの液量は等しくなる(図5C)。循環した難燃化剤Lは、また蓄電素子1の発熱を吸収し、気化して、上記と同様に循環する。
【0043】
図6は、難燃化剤による発火の抑制を説明する説明図である。
蓄電素子1の温度が急激に上昇する熱暴走が生じた場合、蓄電素子1からの吸熱量が多くなり、難燃化剤Lの蒸発量が多くなる。蓄電素子1に当接する冷却部31の内圧が所定値以上に達した場合、その冷却部31の内圧開放弁34が開放し、気化した難燃化剤Lが外部へ放出される。図6においては、蓄電素子1の両側の冷却部31の内圧開放弁34が開放し、難燃化剤Lが放出された状態を示す。外側の冷却部31の内圧も所定値以上に達した場合、内圧開放弁34が開放する。
蓄電素子1の内圧が所定値以上に達した場合、破裂弁20が開放し、揮発した電解液の引火性成分が外部へ放出される。引火性成分は、難燃化剤Lによって難燃化され、発火が防止される。
【0044】
以上のように、本実施形態の蓄電装置100は、複数の蓄電素子1と、少なくとも前記蓄電素子1間に配置され、難燃化剤Lを内蔵し、該難燃化剤Lの気化熱により前記蓄電素子1を冷却する冷却部31とを備える。
【0045】
上記構成によれば、発熱が生じた蓄電素子1に接触する冷却部31内の難燃化剤Lが気化する際に気化熱を奪うので、蓄電素子1が良好に冷却される。冷却部31は少なくとも前記蓄電素子1間に配置されるので、発熱した蓄電素子1に隣接する蓄電素子1への熱の伝導が抑制される。冷却部31を介さず、隣接する蓄電素子1へ伝熱された場合においても、発熱した蓄電素子1に対向する長側面が冷却部31により冷却される。従って、蓄電素子1に連鎖的に伝熱するのが抑制される。
冷却モジュール30の冷却の構造は簡単であり、程度が低い発熱が生じたときにも蓄電素子1を冷却できる。
難燃化剤Lは冷却部31に内蔵されているので、気化した後、冷却部31内で液化し、蓄電素子1の冷却に再利用され、蓄電素子1を効率良く冷却する。
【0046】
上述の蓄電装置100において、前記難燃化剤Lは、気化することで、引火性を有するガスに対し難燃性を発現する。
【0047】
上記構成によれば、発熱した蓄電素子1から難燃化剤Lが吸熱して気化し、内圧開放弁34から放出された場合、蓄電素子1から放出される引火性成分と混合して引火性成分が難燃化され、蓄電装置100において、発火が防止される。
【0048】
上述の蓄電装置100において、前記難燃化剤Lは、非環状フッ素化エーテル、フッ素化リン酸エステル、及びホスファゼン誘導体の少なくともいずれかを含む。
【0049】
上記構成によれば、難燃化剤Lは、気化することで、高い難燃性を有する。
【0050】
上述の蓄電装置100において、冷却モジュール30は、内部空間が連通するように複数の冷却部31を連結する連結部を有する。
【0051】
上記構成によれば、発熱した蓄電素子1に接触する一つの冷却部31内で、難燃化剤Lが気化して生じた気体が熱対流により連結部32,33内を通って、他の冷却部31へ流れる。気体は他の冷却部31内で液化し、前記一つの冷却部31へ流れて、難燃化剤Lが循環する。
従って、難燃化剤Lは蓄電素子1の冷却に再利用され、蓄電素子1は効率良く冷却される。
また、加熱された気体が連結部32,33を介し一方の冷却部31から他方の冷却部31へ流れることで、一つの蓄電素子1における、一方の冷却部31に接触する長側面と、他方の冷却部31に接触する長側面との間の温度差が低減し、蓄電素子1間の温度差が低減する。そして、気体及び難燃化剤Lの循環により、複数の蓄電素子1間の温度差を減じて効率良く冷却することができる。異常ではない、程度が低い発熱が生じた場合においても、冷却部31により、蓄電素子1からの熱が良好に放熱され、蓄電素子1間の温度差が低減される。
【0052】
上述の蓄電装置100において、前記冷却部31は、該冷却部31の内圧が所定の圧力を超えた場合に、前記内圧を開放する内圧開放弁34を有する。
【0053】
上記構成によれば、難燃化剤Lの蒸発量が多く、冷却部31の内圧が所定の圧力を超えた場合、内圧開放弁34が開放し、気体が外部へ放出される。気体の放出により冷却部31が膨れて蓄電素子1が押圧されるのが防止される。
蓄電素子1において温度が急激に上昇した場合、蓄電素子1からの吸熱量が多くなり、難燃化剤Lの蒸発量が多くなる。内圧が所定値以上に達したとき、冷却部31が開口することで、気化した難燃化剤Lが外部へ放出される。蓄電素子1の内圧が所定値以上に達した場合、蓄電素子1が開口して、揮発した電解液の引火性成分が外部へ放出される。引火性成分は、難燃化剤Lによって難燃化され、発火が防止される。
【0054】
中央ではなく、端部の蓄電素子1が発熱した場合も、上記と同様に冷却部31により吸熱され、蓄電素子1は急速に冷却される。隣接する蓄電素子1の発熱した蓄電素子1と対向する長側面も急速に冷却され、発熱した蓄電素子1からの伝熱が抑制され、蓄電素子間の過熱状態の連鎖が防止される。
なお、冷却モジュール30の構造は、図3の構造に限定されない。4つの冷却部31の長手方向の各一端の上部及び下部を、それぞれ角筒が貫通するようにして、連結部を設けてもよい。
【0055】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る冷却モジュール35の斜視図である。図中、図3と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
冷却モジュール35は、4つの冷却部31と、冷却プレート36とを備える。
冷却モジュール35は、4つの冷却部31が連結部32,33により連結されている第1実施形態と異なり、4つの冷却部31の端面31aが冷却プレート36に当接している。冷却部31には、第1実施形態と同様に、難燃化剤Lが収容されている。
冷却部31と冷却プレート36とは、内部空間が連通されていても、連通されていなくてもよい。
【0056】
図8は、本実施形態において内部空間が連通されている場合の説明図である。冷却部31間に蓄電素子1が挿入され、冷却部31及び冷却プレート36には難燃化剤Lが収容されている。
中央の蓄電素子1が発熱した場合、第1実施形態と同様に、蓄電素子1に当接する冷却部31内の難燃化剤Lが蓄電素子1から気化熱を奪って蒸発し、蓄電素子1が急冷される。この冷却部31内の難燃化剤Lの液量は減る。生じた気体は冷却プレート36を介して他の冷却部31へ流れ、凝縮により生じた難燃化剤Lが、難燃化剤Lの液量が減じた冷却部31へ流れる。難燃化剤Lはまた吸熱して蓄電素子1を冷却し、生じた気体が上述のように循環する。冷却プレート36は、当接している蓄電素子1の側面も冷却する。
【0057】
内部空間が連通されていない場合、蓄電素子1が発熱したとき、蓄電素子1に当接する冷却部31内の難燃化剤Lが蓄電素子1から気化熱を奪って蒸発し、蓄電素子1が急冷される。生じた気体は冷却プレート36により冷却され、難燃化剤Lに凝縮される。難燃化剤Lは蓄電素子1から吸熱して気化し、蓄電素子1は冷却される。
【0058】
本実施形態においても、簡単な構造の冷却モジュール35により、発熱した蓄電素子1に隣接する蓄電素子1への熱の伝導が抑制され、さらに隣接する蓄電素子1に連鎖的に伝熱するのが抑制される。
【0059】
図9は、難燃化剤Lによる発火の抑制を説明する説明図である。
蓄電素子1の温度が急激に上昇する熱暴走が生じた場合、蓄電素子1からの吸熱量が多くなり、難燃化剤Lの蒸発量が多くなる。蓄電素子1に当接する冷却部31の内圧が所定値以上に達した場合、内圧開放弁34が開放し、気化した難燃化剤Lが外部へ放出される。蓄電素子1の内圧が所定値以上に達した場合、破裂弁20が開放し、揮発した電解液の引火性成分が外部へ放出される。 引火性成分は、難燃化剤Lによって難燃化され、発火が防止される。
【0060】
本実施形態の蓄電装置は、前記蓄電素子1それぞれが直方体状に形成され、前記蓄電素子1それぞれの前記冷却部31が対向する長側面とは異なる面に接触して、複数の前記蓄電素子1を冷却する冷却プレート36を備え、前記冷却プレート36と前記冷却部31との間で熱が伝導可能に構成されている。
【0061】
上記構成によれば、冷却プレート36と前記冷却部31との間で熱が伝導されるので、良好に放熱される。難燃化剤Lが気化して生じた気体が冷却されて液化し、再度、難燃化剤Lが蓄電素子1から吸熱して蓄電素子1を冷却できる。
【0062】
上述の蓄電装置において、前記冷却プレート36と前記冷却部31とは、前記難燃化剤L、又は該難燃化剤Lが気化した気体が循環できるように一体化されている。
【0063】
上記構成によれば、発熱した蓄電素子1に接触する一つの冷却部31内で、難燃化剤Lが気化して生じた気体が熱対流により冷却プレート内を通って、他の冷却部31へ流れる。気体は他の冷却部31内で液化し、前記一つの冷却部31へ流れて、難燃化剤Lが循環する。
従って、難燃化剤Lは蓄電素子1の冷却に再利用され、蓄電素子1を効率良く冷却する。
また、一つの蓄電素子1の一方の長側面と他方の長側面との間の温度差が低減し、蓄電素子1間の温度差が低減する。そして、気体及び難燃化剤Lの循環により、複数の蓄電素子1間の温度差を減じて効率良く冷却することができる。異常ではない、程度が低い発熱が生じた場合においても、冷却部31により、蓄電素子1からの熱が良好に放熱され、蓄電素子1間の温度差が低減される。
【0064】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る冷却モジュール37の斜視図である。図中、図3と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第3実施形態の冷却モジュール37は、第1実施形態の冷却モジュール30の4つの冷却部31の底面31bが冷却プレート38に当接した構成を有する。冷却部31には、第1実施形態と同様に、難燃化剤L(不図示)が収容されている。
冷却部31と冷却プレート38とは、内部空間が連通されていない。冷却プレート38は冷却装置(不図示)により冷却するように構成してもよい。
【0065】
中央の蓄電素子1が発熱した場合、第1実施形態と同様に、蓄電素子1に当接する冷却部31内の難燃化剤Lが蒸発し、蒸発する際の気化熱により蓄電素子1が冷却される。生じた気体は他の冷却部31を流れ、凝縮により生じた難燃化剤Lが、難燃化剤Lの液量の少ない冷却部31へ流れる。冷却プレート38は蓄電素子1の底面を冷却するとともに冷却部31を冷却する。蓄電素子1に当接する冷却部31内の難燃化剤Lはまた蓄電素子1から吸熱して蒸発し、蓄電素子1が冷却される。
【0066】
本実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、簡単な構造の冷却モジュール37により、発熱した蓄電素子1に隣接する蓄電素子1への熱の伝導が抑制され、さらに隣接する蓄電素子1に連鎖的に伝熱するのが抑制される。
【0067】
蓄電素子1において温度が急激に上昇した場合、蓄電素子1からの吸熱量が多くなり、難燃化剤Lの蒸発量が多くなる。内圧が所定値以上に達したとき、内圧開放弁34が開放し、気化した難燃化剤Lが外部へ放出される。蓄電素子1の内圧が所定値以上に達した場合、破裂弁20が開放し、揮発した電解液の引火性成分が外部へ放出される。 引火性成分は、難燃化剤Lによって難燃化され、発火が防止される。
【0068】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る蓄電装置101の斜視図である。図中、図2と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
蓄電装置101は、第1実施形態に係る蓄電装置100と異なり、冷却部31を連結する連結部32,33を有さない。冷却部31は、蓄電素子1間、又は蓄電素子1とケース40の内面との間に、独立して配置されている。冷却部31には、難燃化剤L(不図示)が収容されている。
【0069】
蓄電素子1が発熱したとき、蓄電素子1に当接する冷却部31内の難燃化剤Lが蓄電素子1から気化熱を奪って蒸発し、蓄電素子1が急冷される。生じた気体は対流し、蓄電装置101の外部及び/又は外気により冷却されて難燃化剤Lに凝縮される。難燃化剤Lは蓄電素子1から吸熱して気化し、蓄電素子1は冷却される。
【0070】
本実施形態においては、冷却部31が蓄電素子1間に介在するので、第1実施形態と同様に、発熱した蓄電素子1が両側の冷却部31により冷却され、隣接する蓄電素子1への伝熱が抑制される。冷却部31を介さずに隣接する蓄電素子1へ伝熱された場合においても、発熱した蓄電素子1に対向する長側面が冷却部31により冷却される。従って、隣接する蓄電素子1に連鎖的に伝熱するのが抑制される。
【0071】
蓄電素子1において温度が急激に上昇した場合、蓄電素子1からの吸熱量が多くなり、難燃化剤Lの蒸発量が多くなる。内圧が所定値以上に達したとき、内圧開放弁34が開放し、気化した難燃化剤Lが外部へ放出される。蓄電素子1の内圧が所定値以上に達した場合、破裂弁20が開放し、揮発した電解液の引火性成分が外部へ放出される。
引火性成分は、難燃化剤Lによって難燃化され、発火が防止される。
【0072】
本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態乃至第4実施形態においては、蓄電素子1の正極端子4及び負極端子8が上を向くように配置される場合につき説明しているがこれに限定されない。正極端子4及び負極端子8が側方を向くように配置される場合においても、本発明の冷却構造を適用できる。
また、蓄電素子1がリチウムイオン二次電池である場合につき説明しているが、蓄電素子1はリチウムイオン二次電池には限定されない。蓄電素子1は、有機溶剤を有する他の二次電池であってもよいし、一次電池であってもよいし、キャパシタ等の電気化学セルであってもよい。
本発明に係る蓄電装置は、車両用の動力源として特に好適に利用することができる。また、本発明に係る蓄電装置は、蓄電システム(大規模蓄電システム、家庭用小規模蓄電システム)、太陽光や風力等の自然エネルギーと組わせた分散電源システム、鉄道向け電源システム、無人搬送車(AGV)向け電源システムといった産業用途にも好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 蓄電素子
2 蓋板
3 ケース本体
4 正極端子
8 負極端子 6、10 ガスケット
11 ケース
20 破裂弁
30、35、37 冷却モジュール
31 冷却部
32、33 連結部
34 内圧開放弁
36、38 冷却プレート
40 ケース
100、101 蓄電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破裂弁が設けられた蓋板とケース本体とを有するケースと、前記ケースに収容された電極体と、を有する蓄電素子と、
前記蓄電素子の前記ケース本体に対向し、難燃化剤を収容する冷却部であって、前記蓄電素子を冷却する冷却部と、を有し、
前記破裂弁は、前記蓋板と前記ケース本体との並び方向に開放する
電装置。
【請求項2】
前記ケース本体は、長側面と短側面とを有し、
前記冷却部は、前記ケース本体の前記長側面に対向する
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記ケース本体の前記長側面とは異なる面に接するように配置された連結部を有し、
前記連結部は、複数の前記冷却部を連結する
請求項に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記冷却部は、該冷却部の内圧が所定の圧力を超えた場合に、前記内圧を開放する内圧開放弁を有す
請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記内圧開放弁は、前記破裂弁と同じ方向を向くよう配置されている
請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記ケース本体は直方体状に形成され、
前記蓄電装置は、前記ケース本体のうちの前記冷却部が対向する面とは異なる面と対向するように配置され、前記蓄電素子を冷却する冷却プレートを有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記電極体は、正極タブ及び負極タブを有し、
前記正極タブ及び前記負極タブは、前記蓋板に向けて延びる
請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄電装置。