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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179674
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】位相変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/18 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
H01P1/18
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163725
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2021500706の分割
【原出願日】2019-07-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0080786
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン-マン カン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ヘ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ファン ソ
(72)【発明者】
【氏名】デ-ミョン パク
(72)【発明者】
【氏名】へ リ ロ
(72)【発明者】
【氏名】キョ ジン チョ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウォン ソ
(57)【要約】
【課題】小型化、軽量化が可能な位相変換装置を提供する。
【解決手段】位相変換装置は、一面に回路パターンが形成した1つ以上の固定回路基板を含む細長型の固定基板部と、固定基板部を囲みながら固定基板部に固定されるガイディングブラケット及びガイディングブラケットと固定基板部の少なくとも一面との間に配置されてガイディングブラケットによってガイドされ、固定回路基板上の回路パターンとのカップリングする導電性ストリップを形成した1つ以上の移動回路基板が含まれる1つ以上の移動基板部を含む。ガイディングブラケットは、固定基板部上に配置された1つ以上のカット片を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に回路パターンを形成した1つ以上の固定回路基板を含む細長型の固定基板部と、
前記固定基板部を囲みながら前記固定基板部に固定されるガイディングブラケットと、
前記ガイディングブラケットと前記固定基板部の少なくとも一面との間に配置されて前記ガイディングブラケットによってガイドされ、前記固定回路基板上の回路パターンとカップリングする導電性ストリップを形成した1つ以上の移動回路基板が含まれる1つ以上の移動基板部と、を含み、
前記ガイディングブラケットは、前記固定基板部上に配置された1つ以上のカット片を備えることを特徴とする位相変換装置。
【請求項2】
前記ガイディングブラケットは、前記固定基板部の一面上に配置する第1のカット片、及び前記固定基板部の他面上に配置し、前記第1のカット片に分離締結自在な第2のカット片を含むことを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項3】
前記移動基板部は、
前記移動基板部の一面に前記移動基板部の長さ方向に沿って延び、前記ガイディングブラケットによってガイドされるガイディングリブが含まれる移動ハウジングを含むことを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項4】
前記ガイディングブラケットは、前記移動基板部と接触する複数のローラを含むことを特徴とする請求項3に記載の位相変換装置。
【請求項5】
前記ガイディングリブは、前記複数のローラ間に位置し、前記複数のローラによってガイドされることを特徴とする請求項4に記載の位相変換装置。
【請求項6】
前記第1のカット片は、前記第1のカット片の一端部に形成した第1の結合部及び前記第1のカット片の他端部に形成した第2の結合部を含み、前記第2のカット片は、前記第2のカット片の一端に形成した第3の結合部及び前記第2のカット片の他端部に形成した第4の結合部を含み、前記第1の結合部及び第2の結合部は、それぞれ前記第3の結合部及び第4の結合部に分離締結自在であることを特徴とする請求項2に記載の位相変換装置。
【請求項7】
前記固定基板部は、その端に形成した側面溝を含み、
前記ガイディングブラケットは前記側面溝に締結され、前記固定基板部の長さ方向の移動が制限されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項8】
前記固定基板部は、さらにベース基板を含み、前記固定回路基板は、前記ベース基板の両面に配置し、
前記移動基板部は、前記固定基板部の一面と前記第1のカット片との間の空間及び前記固定基板部の他面と前記第2のカット片との間の空間に配置することを特徴とする請求項2に記載の位相変換装置。
【請求項9】
前記ベース基板は、2.0以上の誘電率を有する材料で製造したことを特徴とする請求項8に記載の位相変換装置。
【請求項10】
前記移動基板部の内側面には、突出ピンを形成し、前記突出ピンは、前記移動回路基板に形成した結合ホールに挿入されて前記移動基板部を固定することを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項11】
前記移動基板部の内側面と前記移動回路基板との間には板バネが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項12】
前記ガイディングブラケットは、複数のカット片を備え、
前記複数のカット片は、互いに対して分離かつ結合可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項13】
前記ガイディングブラケットは、前記固定基板部の断面および前記移動基板部の断面を完全に取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項14】
前記ガイディングブラケットは、2つ以上あることを特徴とする請求項1に記載の位相変換装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のうちのいずれか1項に記載の位相変換装置を含む通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位相変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述した内容は、単に本開示に関する背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
アンテナは、水平ビームがカバレッジ面で最も効率的であり、干渉や損失のために、所定の角度で傾斜するように設計する必要性が生じる場合がある。この時、アンテナの傾きを機械的に下方傾斜するように設けることは、作業者の現場訪問と作業中の電源遮断の必要など、いくつかの理由で非常に煩わしいのである。このような煩わしさをなくすために、前記のような機械的なビームチルト方式ではなく、電気的ビームチルト方式が用いられる。
【0004】
電気的ビームチルト方式は、多重移相器(MLPS)に基づく方式である。電気的ビームチルト方式は垂直に配列した各アンテナの放射素子に給電する信号の位相差を変換する方式である。電気的ビームチルト方式に関連する技術としては、米国特許番号第6,86
4,837号などを挙げられる。
【0005】
一方、電気的ビームチルトのためには、位相変換装置を備えることが一般的である。位相変換装置は、RFアナログ信号処理端で位相変調機能を実行するために、位相配列アンテナのビーム制御をはじめとする様々な分野で用いられる。位相変換装置の原理は、入力信号を適切に遅延させて入力信号と出力信号との間の位相差が発生するようにするものであり、伝送線路の物理的な長さを変化させることと、伝送線路内の信号伝達速度を変化させる方法などで具現する。
【0006】
このような位相変換装置に関する技術としては、例示的に、米国特許公開第2005/94号が挙げられるが、これは1つの入力ポートと5組の出力ポートを備えた固定基板部と可変ストリップを備えた移動回路基板を開示している。ただし、前記のような背景技術は、位相変換装置の一方の面のみに固定基板部と移動回路基板を設けた構造をとっており、空間活用に制約がある。また、凸部の繰り返す摩擦で移動機構の耐久性が弱く、スロットの長さの制限により、移動範囲変更に対応することが困難であるという欠点がある。
【0007】
一方、最近の移動通信システムの基地局や中継器で広く用いられるアンテナは、様々な帯域のサービスをするためのマルチバンド周波数のアンテナである場合が多い。このようなマルチバンドアンテナは、いろんな帯域の周波数の位相を個別に調整する必要がある。そのために、位相変換装置の数量が多くなければならず、それに伴う空間的な制約が伴うという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決するために、アンテナの内部空間の中で、位相変換装置の空間をより増やす方法を使用しているが、これにより、比較的アンテナ要素の空間が減るという問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、簡単な構成を有することで、小型化、軽量化が可能な位相変換
装置を提供することに主な目的がある。
【0010】
また、本発明は、アンテナの内部で少ないスペースを占めることで、空間活用性が高い位相変換装置を提供することに主な目的がある。
【0011】
また、本発明は、修理及び再組立が容易な位相変換装置を提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によると、一面に回路パターンを形成した1つ以上の固定回路基
板を含む細長型の固定基板部と、前記固定基板部を囲みながら前記固定基板部に固定されるガイディングブラケット及び前記ガイディングブラケットと前記固定基板部の少なくとも一面との間に配置して前記ガイディングブラケットによってガイドされ、前記固定回路基板上の回路パターンとカップリングする導電性ストリップを形成した1つ以上の移動回
路基板が含まれる1つ以上の移動基板部と、を含む位相変換装置を提供する。ガイディングブラケットは、固定基板部上に配置された1つ以上のカット片を備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る位相変換装置の斜視図である。
図2図1のA部分の断面図である。
図3】本発明の一実施例に係る位相変換装置の分解斜視図である。
図4】(a)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の移動基板部の構成を示す斜視図であり、(b)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の移動基板部の構成及び結合関係を示す底面斜視図である。
図5】本発明の一実施例に係る位相変換装置の固定基板部の平面図及び移動基板部の底面図である。
図6】(a)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置のガイディングブラケットを結合した状態を示す斜視図であり、(b)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置のガイディングブラケットが分離した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を通じて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するに当り、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断した場合には、その詳しい説明は省く。
【0015】
本発明に係る実施例の構成要素を説明するにあたって、第1の、第2の、i)、ii)、a)、b)などの符号を用いる場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためだけのものであり、その符号によって、該当構成要素の本質または順番や順序などが限定されない。明細書のある部分がある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは明示的に逆となる記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0016】
本明細書で、図1のx軸方向を「横方向」、y軸方向を「縦方向」、z軸の方向を「高さ方向」に設定することとする。一方、固定基板部100を基準に説明するために「幅方向」は「横方向」と、「長さ方向」は、縦方向と同じ意味で使用することにする。
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の斜視図である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る位相変換装置は、固定基板部100、
移動基板部200、及びガイディングブラケット300を含む。
【0019】
また、外部装置と本発明の一実施例に係る位相変換装置をつなぐためのホルダー400を含んでよい。
【0020】
固定基板部100は、アンテナ信号の信号移動経路である回路パターン111を含む。固定基板部100は、1つ以上のポートを含み、ポートを介してアンテナケーブルと
つながる。固定基板部100に形成した回路パターン111は、アンテナケーブルからアンテナ信号を伝達され、アンテナ信号の移動経路を提供する。
【0021】
移動基板部200は、固定基板部100の一面または他面に形成する。移動基板部200は、ガイディングブラケット300によって位置ずれが防止される。また、移動基板部200は、ガイディングブラケット300によってガイドされ、固定基板部100の長さ方向に摺動する。移動基板部200が固定基板部100の長さ方向に摺動することで、固定基板部100上でその位置が変化する。このように移動基板部200の固定基板部100に対する相対的な配置が変更することで、下で説明する内容のように、アンテナ信号の移動経路の形状または長さを変化させることができる。このように、アンテナ信号の移動経路の変化に応じてアンテナ信号の位相が変化する。
【0022】
移動基板部200が固定基板部100に接触する方式は、移動基板部200の一面が固定基板部100に形成した回路パターン111に面対面で接触する面接触方式であってもよい。このように面接触方式をとることで、ボールタイプ等の構成が回路パターン111に接触するなどの点接触方式に比べて、固定基板部100及び移動基板部200が相対的に破損が少なくなる。
【0023】
一方、移動基板部200は、固定基板部100の両面上に形成することができる。これはガイディングブラケット300が固定基板部100の両面方向に位置して移動基板部200の外側で移動基板部200の位置ずれを防止することで可能になる。
【0024】
本実施例は、移動基板部200が固定基板部100の両面に形成する構成をとることで、固定基板部100の両面で、アンテナ信号の位相変換が可能な構成を有する。このように、本発明の一実施例に係る位相変換装置は、固定基板部100の両面で位相変換が可能なので、回路基板の一面でのみ位相変換が可能な構成に比べて装置が占める体積が少なく、空間活用性が優れている。
【0025】
ガイディングブラケット300は、固定基板部100の周りに1つ以上が配置され、固定基板部100に固定する。移動基板部200は、ガイディングブラケット300と固定基板部100との間に配置され、ガイディングブラケット300の存在によって位置ずれが防止される。
【0026】
また、ガイディングブラケット300は、移動基板部200をガイドし、移動基板部200は、ガイディングブラケット300によって定められた領域で固定基板部100の長さ方向に沿って摺動する。特にガイディングブラケット300は、下で説明するように、レール構造を有し、移動基板部200をスムーズにガイドすることで、固定基板部100及び移動基板部200の表面の損傷を軽減することができる。
【0027】
ガイディングブラケット300は、1つ以上のカット片からなり、本発明の一実施
例にて、二つのカット片が分離及び結合自在に構成することができる。ガイディングブラケット300を容易に分離及び結合できる構成をとることで、ガイディングブラケット300によって拘束される移動基板部200及び固定基板部100を容易に分離、分解する
ことができる。すなわち、本実施例に係る位相変換装置は、分離または分解が容易な構成をとることで、修理及び再組み立てが容易である。
【0028】
ホルダー400は、本実施例に係る位相変換装置を外部の構成に結合させる媒介体の役割をする。ホルダー400は、一側が固定基板部100に固定され、他側に締結孔が形成され、アンテナの外部装置につながる。ホルダー400に形成した締結孔を介して外部装置と本実施例に係る位相変換装置が直接結合するか、またはボルトなどの結合要素によって締結することができる。
【0029】
一方、ホルダー400は、移動基板部200と隣接して移動基板部200にかかる掛り顎を有し、これにより、移動基板部200の位置ずれを防止することができる。このとき、ガイディングブラケット300及びホルダー400によって移動基板部200の位置を二重にガイドすることで、移動基板部200が正確な位置に配置される。
【0030】
図2図1のA部分の断面図である。
【0031】
図3は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の分解斜視図である。
【0032】
以下、図2及び図3を参照し、本発明の一実施例に係る位相変換装置の細部の構成及び結合関係について説明する。
【0033】
固定基板部100は、アンテナ内部の少なくとも一側に固定結合する細長型板状の構造を有してもよい。固定基板部100は、少なくとも一面に形成した回路パターン111を含む。具体的には、固定基板部100の固定回路基板110には、回路パターン111を形成する。
【0034】
回路パターン111は、移動基板部200の移動回路基板220に形成したストリップ221と接触及びカップリングする部分及び接触しない部分に区分することができる。各回路パターン111の端部には、別途ケーブルとつながるポートが形成され、アンテナ信号が入力または出力される。
【0035】
一方、本発明の一実施例にて、固定基板部100は、ベース基板120及びその両面に形成した固定回路基板110を含み、ここで回路パターン111は、2つの固定回路基板110の一面上にそれぞれ形成する。
【0036】
この場合、ベース基板120は、高誘電率を有する材料で製造する。これは、ベース基板120の一側に形成した固定回路基板110から発生した電磁場がベース基板120の他側に形成した固定回路基板110に流れる電流信号に影響を与えることを防止するためである。
【0037】
固定回路基板110の回路パターン111には、電流信号が流れるようになり、このような電流信号の流れによって誘導電場が形成する。本発明の一実施例に係る位相変換装置は、固定基板部100の一面だけでなく、他面にも電流信号が流れる。このような構造上で、固定基板部100の一面に形成した回路パターン111に流れる電流信号によって発生する誘導電場によって固定基板部100の他面に形成した回路パターン111に流れる電流信号が妨げられるおそれがある。
【0038】
本実施例は、高誘電率を有するベース基板120を両側の固定回路基板110の間に配置することで、ベース基板120の一側に配置した固定回路基板110から発生する電場が他側に配置した固定回路基板110上の信号の流れに影響を与えることを防止する
ことができる。
【0039】
本発明の一実施例にて、ベース基板120は、テフロン(登録商標)素材で製造する。テフロン(登録商標)の誘電率は、測定条件に応じて異なるが、約2以上の誘電率を有することで、ベース基板120の一側に配置した固定回路基板110から発生する電場がベース基板120の他側に配置した固定回路基板110に影響を与えることを効果的に防止することができる。
【0040】
また、ベース基板120をテフロン(登録商標)素材で製造する場合に、広い温度範囲で物理的性質を維持することができ、優れた耐熱性を有することで、固定回路基板110が熱損傷を受けることを防止する効果もある。
【0041】
一方、固定基板部100の端には、側面溝130を形成する。固定基板部100の側面溝130には、ガイディングブラケット300を固定する。具体的に、ガイディングブラケット300を構成する第1のカット片310または第2のカット片320の各端部を固定することができる。
【0042】
側面溝130の幅は、ガイディングブラケット300の第1のカット片310または第2のカット片320の各端部の幅と同じか、各端部よりわずかに大きくてもよい。固定回路基板110の側面溝130によってガイディングブラケット300の固定回路基板110の長さ方向への移動が制限される。
【0043】
移動基板部200は、ガイディングブラケット300及び固定基板部100の一面の間に配置する。
【0044】
移動基板部200は、移動ハウジング210及び移動ハウジング210内に配置する移動回路基板220を含む。一方、本実施例では、移動基板部200は、移動ハウジング210と移動回路基板220を分離した構成を1つの例示として説明するが、これとは異なり、移動基板部200は、移動ハウジング210と移動回路基板220を一体に形成した構成であってもよい。移動ハウジング210は、固定基板部100の一面及び他面上に配置される。
【0045】
移動回路基板220は、移動ハウジング210に形成した空間に配置することができる。
【0046】
移動回路基板220の一面は、固定回路基板110に形成した回路パターン111と接触及びカップリングすることができる。
【0047】
移動ハウジング210の固定基板部100の長さ方向に沿った摺動と連動して移
動回路基板220が固定基板部100上で摺動することによって移動回路基板220と固定回路基板110との間の接触状態が変化する。前記接触状態の変化に応じて、アンテナ信号の移動経路の長さ及び形態が変化する。
【0048】
移動基板部200の外側には、ガイディングブラケット300を配置する。
【0049】
ガイディングブラケット300は、例示的に、第1のカット片310と第2のカット片320で構成することができる。また、ガイディングブラケット300は、第1のカット片310及び第2のカット片320にそれぞれつながる1つ以上のローラ330と回転軸340を含む。
【0050】
第1のカット片は、固定基板部100の一側の領域に配置する。
【0051】
第1のカット片310は、第2のカット片320とその端部が結合固定され、第1のカット片310の一端または両端は固定基板部100に形成した側面溝130に配置固定することで、固定基板部100の長さ方向への離脱を防止する。この時、第1のカット片310の端部の幅は、側面溝130に嵌合することで、ガイディングブラケット300の揺れを防止する程度である。
【0052】
第1のカット片310は、第2のカット片320と結合して高さ方向での位置離脱が防止され、固定基板部100の側面溝130に固定配置することで長さ方向位置ずれを防止する。これにより、第1のカット片310に結合した回転軸340及び回転軸340に結合したローラ330も位置ずれが防止される。また、第1のカット片310の位置が固定されることで、第1のカット片310と固定基板部100との間に配置した移動基板部200も位置ずれが防止される。
【0053】
第2のカット片320は、固定基板部100の他側領域に配置することができる。
【0054】
第2のカット片320は、第1のカット片310とその端部が結合固定され、第
2のカット片320の一端または両端は固定基板部100に形成した側面溝130に配置固定することで固定基板部100の長さ方向への離脱を防止する。この時、第2のカット片320の端部の幅は、側面溝130に嵌合することでガイディングブラケット300の揺れを防止できる程度である。
【0055】
また、第2のカット片320は、第1のカット片310と結合して高さ方向の位
置離脱が防止され、固定基板部100の側面溝130に固定配置することで長さ方向での位置ずれが防止される。これにより、第2のカット片320に結合した回転軸340及び回転軸340に結合したローラ330も位置ずれが防止される。また、第2のカット片320の位置が固定されることで、第2のカット片320と固定基板部100との間に配置した移動基板部200も位置ずれが防止される。
【0056】
ローラ330は、第1のカット片310及び第2のカット片320の内側面に結合した回転軸340につながる。
【0057】
ローラ330は、複数配置することができる。複数のローラ330は、互いに離間してもよい。複数のローラ330間で離間した距離は移動ハウジング210のガイディングリブ211の横幅と同じか、僅かに大きい。この時、複数のローラ330間で形成した離間空間にガイディングリブ211が配置され、ガイディングリブ211の横方向離脱を防止する。これで、複数のローラ330が移動基板部200をガイドすることができる。
【0058】
ローラ330の一面は、移動基板部200の一面のうち、ガイディングリブ21
1が形成されていない面の一部に接触する。具体的にはローラ330の一面は、移動ハウジング210のうちのガイディングリブ211に隣接する面に接触する。ローラ330は、移動基板部200が固定基板部100の長さ方向に沿って摺動する際に移動ハウジング210の一面に接触した状態を維持し、回転軸340を中心に回転する。
【0059】
ローラ330は、移動基板部200の摺動時に移動基板部200の移動ハウジン
グ210との接触状態を維持することから、移動基板部200の高さ方向での振動を防止して移動基板部200の摺動をスムーズにすることができる。これにより移動回路基板220の高さ方向での振動も防止するので、移動回路基板220に形成したストリップ221と、固定回路基板110に形成した回路パターン111との接触が安定的に維持される。
【0060】
回転軸340は、ガイディングブラケット300の内側面に結合する。例示的に、回転軸340は、ガイディングブラケット300の内側面に回転自在に結合する。回転軸340がガイディングブラケット300の内側面に回転自在に結合した場合、ローラ330は、回転軸340に固定結合する。この場合、回転軸340が回転することによってローラ330も一緒に回転する。
【0061】
一方、回転軸340は、ガイディングブラケット300の内側面に固定結合する。このとき、ローラ330は、回転軸340に固定結合するのではなく、回転軸340上で回転自在に配置される。この場合、移動基板部200の移動時に回転軸340は回転せずに、ローラ330が独立して回転するようになる。
【0062】
図4の(a)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の移動基板部の構成を示す斜視図である。
【0063】
図4の(b)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の移動基板部の構成及び結合関係を示す底面斜視図である。
【0064】
以下、図4の(a)及び(b)を参照し、本発明の一実施例に係る位相変換装置の移動基板部200の各構成及び結合関係について説明する。
【0065】
前述したように、移動基板部200は、移動ハウジング210及び移動回路基板220を含む。また、移動ハウジング210と移動回路基板220との間に板バネ230を含んでよい。
【0066】
移動ハウジング210は、ガイディングリブ211及び移動基板配置部212を含む。
【0067】
ガイディングリブ211は、移動ハウジング210の外面上に形成する。本発明の一実施例にて、ガイディングリブ211は、移動ハウジング210の一面上から突出し、移動ハウジング210の長さ方向に延びた形態であってもよい。
【0068】
ガイディングリブ211は、移動ハウジング210の外側に隣接して配置するガイディングブラケット300によって位置ずれが防止される。ガイディングリブ211がガイディングブラケット300によって位置ずれが防止されることで移動ハウジング210の位置ずれが防止される。具体的には、先に説明したように、ガイディングブラケット300のローラ330によってガイディングリブ211及び移動ハウジング210の位置ずれを防止する。
【0069】
また、移動ハウジング210の摺動時に、ガイディングリブ211は、ガイディングブラケット300によってガイドされる。これにより、移動ハウジング210は、ガイディングブラケット300によってガイドされながら、固定基板部100の長さ方向に沿って摺動する。ガイディングリブ211の存在によって移動ハウジング210の内部に配置する移動回路基板220の固定基板部100の横方向での揺れが防止されるから、移動回路基板220と固定回路基板110との間で安定した接触が可能になる。
【0070】
一方、移動基板部200の上面のうち、ガイディングリブ211が形成されていない部分は、本発明の一実施例にて、平坦面で形成する。このような平坦面は、ローラ330の一面に接触する。このような構成は、前述したように移動基板部200の摺動時に移動ハウジング210及び移動回路基板220の高さ方向での振動を防止することで、スト
リップ221と回路パターン111の安定した接触を可能にする。
【0071】
移動基板配置部212は、移動回路基板220が位置する空間である。移動基板配置部212は、移動ハウジング210及び固定基板部100の間に移動回路基板220が位置する空間を形成するように構成する。移動基板配置部212の横及び縦の幅は移動回路基板220の横及び縦の幅と同等か、もしくは僅かに大きい。
【0072】
移動基板配置部212に移動回路基板220を配置することで、移動ハウジング210の摺動と連動して移動回路基板220も固定基板部100上で摺動してその位置が変化する。
【0073】
移動基板配置部212の一面と移動回路基板220との間に形成した空間には付勢力を有する板バネ230を配置する。板バネ230は、移動回路基板220を固定基板部100の方向に持続的に押付け、これにより、移動回路基板220と固定基板部100は安定的に接触を維持することができる。
【0074】
一方、移動基板配置部212には、移動回路基板220の側面方向への揺れを防止するために移動基板配置部212の内側面から延びた突出ピン213を形成する。
【0075】
この場合、移動回路基板220には、移動基板配置部212の突出ピン213を挿入するための結合ホール222を形成し、この時、結合ホール222に突出ピン213が挿入されて移動回路基板220を固定することで、移動回路基板220の側面方向での振れ及び位置ずれを防止することができる。一方、板バネ230は、突出ピン213が通過するための貫通穴を形成することが望ましい。一方、移動回路基板220には、突出ピン213を挿入するために結合ホール222ではなく結合溝を形成してもよい。
【0076】
移動回路基板220は、移動ハウジング210の移動基板配置部212に配置する。移動回路基板220は、固定回路基板110と接触する面上に配置するストリップ221を含む。また、移動回路基板220には、結合ホール222を形成する。
【0077】
移動回路基板220上に形成したストリップ221は、固定回路基板110に形成した回路パターン111と接触及びカップリングすることができる。
【0078】
移動ハウジング210の固定基板部100の長さ方向に沿った摺動と連動して移動回路基板220が固定基板部100の一側面上で摺動することによってストリップ221と回路パターン111の接触態様が変化する。移動回路基板220の移動及び配置の状態に応じて、ストリップ221と回路パターン111の接触状態が変化し、前記接触状態の変化によってアンテナ信号の移動経路の長さ及び形態が変化する。
【0079】
移動回路基板220に形成した結合ホール222は、移動ハウジング210上に形成した突出ピン213に結合して移動回路基板220を移動ハウジング210に固定させることで移動回路基板220の揺れ及び位置ずれを防止することができる。
【0080】
図5は、本発明の一実施例に係る位相変換装置の固定基板部100の平面図及び移動基板部200の底面図である。
【0081】
以下、図5を参照し、本発明の一実施例に係る位相変換装置の固定回路基板110上の回路パターン111に移動回路基板220のストリップ221がカップリングするプロセスを説明する。
【0082】
図5には、移動回路基板220に形成するストリップ221がU字状を有し、移動基板部200上で中央部を基準に、各ストリップ221が対称する形態を有する構成を図示した。しかし、ストリップ221の形態及び配置は、回路パターン111の変更及び設計上の必要に応じて異なるように構成できることは自明である。
【0083】
固定回路基板110上の回路パターン111のうちの一部は、移動回路基板220の下面に形成したストリップ221と接触及びカップリングする。移動回路基板220は、移動ハウジング210内の移動基板配置部212に位置して移動ハウジング210が移動するにつれて固定基板部100の長さ方向に摺動する。
【0084】
移動回路基板220は、固定回路基板110の長さ方向に移動しながら、回路パターン111とストリップ221の接触状態が変化し、このような接触状態の変化に応じて信号経路の長さ及び形態に変化をもたらす。移動回路基板220の移動に伴う信号経路の長さ及び形態の変化に応じてアンテナ信号の位相変換が行われる。
【0085】
図6の(a)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置のガイディングブラケット300が結合した状態を示す斜視図である。
【0086】
図6の(b)は、本発明の一実施例に係る位相変換装置のガイディングブラケット300が分離した状態を示す斜視図である。
【0087】
以下、図6の(a)及び(b)を参照し、本発明の一実施例に係る位相変換装置のガイディングブラケット300の構成及び結合関係を説明する。
【0088】
ガイディングブラケット300は、第1のカット片310及び第2のカット片320を含む。
【0089】
第1のカット片310の一端には、第1の結合部311を形成し、第1のカット片310の他端には、第2の結合部312を形成する。第2のカット片320の一端には、第3の結合部321を形成し、第2のカット片320の他端には、第4の結合部322を形成する。第1の結合部311は、第3の結合部321と締結し、第2の結合部312は、第4の結合部322と締結する。
【0090】
本発明の一実施例にて、第1のカット片310の第1の結合部311は、第1のカット片310の一側端部から延びて突出する形態であってもよい。第1の結合部311の一端は、第1のカット片310の外側方向に突出し、第3の結合部321が締結する掛り顎を有する構成であってもよい。また、第1の結合部311の一面は、第3の結合部321が容易に締結するようにテーパ状であってもよい。
【0091】
一方、第2のカット片320の第3の結合部321は、第2のカット片320の一側端部から延びて突出する形態であってもよい。第3の結合部321の一端は、第2のカット片320の内側方向に突出し、第1の結合部311が締結する掛り顎を有する構成であってもよい。また、第3の結合部321の一面は、第1の結合部311が容易に締結できるようテーパ状であってもよい。
【0092】
第1の結合部311の掛り顎及び第3の結合部321の掛り顎は、互いにかみ合って締結することで、第1のカット片310と第2のカット片320の結束を維持する。第1の結合部311と第3の結合部321は、締結が容易になるように付勢力を有する部材であってもよい。
【0093】
本発明の一実施例にて、第1のカット片310の第2の結合部312は、第1のカット片310の他側面の端部から延び、一端が第1のカット片310の外側方向に突出した形態であってもよい。
【0094】
一方、第2のカット片320の第4の結合部322は、第2のカット片320の他側面部の端部から延び、第1のカット片310の第2の結合部312の一端が締結する掛り溝または掛りホールを有する構成であってもよい。第2の結合部312の端部は、第4の結合部322の掛り溝または掛りホールに締結する掛り顎を有する構成であってもよい。また、第2の結合部312の端部は、その一面が第4の結合部322に対する締結を容易にするようにテーパ状であってもよい。
【0095】
第4の結合部322の掛り溝または掛りホールの幅は、第2の結合部312の幅と同程度に形成することで、第2の結合部312が固定基板部100の長さ方向に揺れないように固定することができる。このように第4の結合部322は、掛り溝または掛りホールの形態を有することで、第2の結合部312が固定基板部100の高さ方向の動きだけでなく、長さ方向に動くことも防止することで、ガイディングブラケット300の安定した締結を可能にする。
【0096】
すなわち、本発明の一実施例にて、第2の結合部312及び第4の結合部322を先に締結することで、第1のカット片310及び第2のカット片320が固定基板部100の長さ方向に沿って動くことを防止した後に、第1の結合部311及び第3の結合部321を締結することで、第1のカット片310及び第2のカット片320の安定的かつ便利な結合が可能である。
【0097】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本実施例の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本実施例の技術思想の範囲を限定するものではない。本実施例の保護範囲は請求の範囲によって解釈するべきであり、その同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈するべきである。
【0098】
[関連出願の参照]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2018年07月11日付にて韓国に出願した特許出願番号第10-2018-0080786号に対して優先権を主張する。
【符号の説明】
【0099】
100:固定基板部 300:ガイディングブラケット
110:固定回路基板 310:第1のカット片
111:回路パターン 311:第1の結合部
120:ベース基板 312:第2の結合部
130:側面溝 320:第2のカット片
200:移動基板部 321:第3の結合部
210:移動ハウジング 322:第4の結合部
211:ガイディングリブ 330:ローラ
212:移動基板配置部 340:回転軸
213:突出ピン 400:ホルダー
220:移動回路基板
221:ストリップ
222:結合ホール
230:板バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6