(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179722
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20221125BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164438
(22)【出願日】2022-10-13
(62)【分割の表示】P 2019051206の分割
【原出願日】2019-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】相馬 孝生
(72)【発明者】
【氏名】中原 慎一
(72)【発明者】
【氏名】宮島 健
(72)【発明者】
【氏名】山崎 潤
(57)【要約】
【課題】データの送信元と送信先との間で種々のサービスを実現すること。
【解決手段】情報処理装置は、第1の機器から送信されたデータを受信する第1の通信手段と、前記データを分析する分析手段と、前記分析手段による分析結果に応じて、前記データに対して、自動応答するか又は手動応答するかを判断する判断手段と、前記判断手段により自動応答すると判断された場合は前記データに対する自動応答データを作成して前記第1の機器に送信し、前記判断手段により手動応答すると判断された場合は第2の機器の操作者の入力操作に応じて作成された応答データを前記第1の機器に送信する送信手段と、を有し、前記データが第3の機器を制御するためのデータである場合に、前記第3の機器の制御結果に基づき自動応答データを作成し、前記データが第3の機器を制御するためのデータでない場合には、前記データに対する自動応答データを作成するオート機能手段を更に有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機器から送信されたデータを受信する第1の通信手段と、
前記データを分析する分析手段と、
前記分析手段による分析結果に応じて、前記データに対して、自動応答するか又は手動応答するかを判断する判断手段と、
前記判断手段により自動応答すると判断された場合は前記データに対する自動応答データを作成して前記第1の機器に送信し、前記判断手段により手動応答すると判断された場合は第2の機器の操作者の入力操作に応じて作成された応答データを前記第1の機器に送信する送信手段と、
を有し、
前記データが第3の機器を制御するためのデータである場合に、前記第3の機器の制御結果に基づき自動応答データを作成し、
前記データが第3の機器を制御するためのデータでない場合には、前記データに対する自動応答データを作成するオート機能手段を更に有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の機器は、信号機、所定の対象をセンシングするセンサ、又はRPAを実現する機器のいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
第1の機器から送信されたデータを受信する第1の通信手順と、
前記データを分析する分析手順と、
前記分析手順で分析した分析結果に応じて、前記データに対して、自動応答するか又は手動応答するかを判断する判断手順と、
前記判断手順で自動応答すると判断された場合は前記データに対する自動応答データを作成して前記第1の機器に送信し、前記判断手順で手動応答すると判断された場合は第2の機器の操作者の入力操作に応じて作成された応答データを前記第1の機器に送信する送信手順と、
をコンピュータが実行し、
前記データが第3の機器を制御するためのデータである場合に、前記第3の機器の制御結果に基づき自動応答データを作成し、
前記データが第3の機器を制御するためのデータでない場合には、前記データに対する自動応答データを作成するオート機能手順を更に前記コンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
第1の機器から送信されたデータを受信する第1の通信手順と、
前記データを分析する分析手順と、
前記分析手順で分析した分析結果に応じて、前記データに対して、自動応答するか又は手動応答するかを判断する判断手順と、
前記判断手順で自動応答すると判断された場合は前記データに対する自動応答データを作成して前記第1の機器に送信し、前記判断手順で手動応答すると判断された場合は第2の機器の操作者の入力操作に応じて作成された応答データを前記第1の機器に送信する送信手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記データが第3の機器を制御するためのデータである場合に、前記第3の機器の制御結果に基づき自動応答データを作成し、
前記データが第3の機器を制御するためのデータでない場合には、前記データに対する自動応答データを作成するオート機能手順を更に前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばEC(Electronic Commerce)サイト上において、ユーザからの問い合わせをチャットボット(チャットボットは、単に「ボット」又は「BOT」とも称される。)にて自動で回答するサービス(例えば、顧客サポートサービス)が行われている。例えば、定型的な内容で回答可能な質問はチャットボットにより回答し、定型的な内容の回答が困難な質問はオペレータに繋ぐことにより、オペレータの省力化等が図られている。
【0003】
また、ユーザとチャットボットとの間で交わされる会話データをもとに、マーケティングに活用可能な情報を取得する技術も知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、ユーザ(人間)と、チャットボット(機械)又はオペレータ(人間)との間で、会話データ等の各種データのやりとりが行われていた。これに対して、近年では人工知能技術の発達等により、チャットボットが人間のように振る舞うこともあり、データのやりとりに際して、データの送信元や送信先が機械であるか人間(正確には人間が操作するPCやスマートフォン等)であるかを区別する必要がなくなってきている。
【0006】
したがって、データの送信元及び送信先が機械であるか人間であるかを区別することなく、データの送信元と送信先との間で様々なサービスを実現することができると考えられる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、データの送信元と送信先との間で種々のサービスを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態における情報処理装置は、第1の機器から送信されたデータを受信する第1の通信手段と、前記データを分析する分析手段と、前記分析手段による分析結果に応じて、前記データに対して、自動応答するか又は手動応答するかを判断する判断手段と、前記判断手段により自動応答すると判断された場合は前記データに対する自動応答データを作成して前記第1の機器に送信し、前記判断手段により手動応答すると判断された場合は第2の機器の操作者の入力操作に応じて作成された応答データを前記第1の機器に送信する送信手段と、を有し、前記データが第3の機器を制御するためのデータである場合に、前記第3の機器の制御結果に基づき自動応答データを作成し、前記データが第3の機器を制御するためのデータでない場合には、前記データに対する自動応答データを作成するオート機能手段を更に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
データの送信元と送信先との間で種々のサービスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】顧客サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【
図3】サービス提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】ユーザ端末に表示されるチャット画面の一例を示す図である。
【
図5】オペレータ端末に表示されるオペレータチャット画面の一例を示す図である。
【
図6】スーパーバイザ端末に表示されるスーパーバイザ画面の一例を示す図である。
【
図7】ユーザ端末に表示されるアンケート画面の一例を示す図である。
【
図8】ATM操作サポートサービス及び資産運用サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【
図9】プリンタのトナー及び冷蔵庫内の食材の購入サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態(以降、「本実施形態」と表す。)について説明する。本実施形態では、任意の機器間でデータを送受信することにより種々のサービスを実現するシステムについて説明する。なお、データの送信元及び送信先となる機器は、ユーザが操作する機器(例えばPCやスマートフォン等)であってもよいし、必ずしもユーザが操作するとは限らない機器(例えばセンサ等)であってもよい。
【0012】
本実施形態では、サービスの一例として、或る機器又はこの機器の利用者(ユーザ)に対して何等かのサポートサービスを提供する場合について説明する。サポートサービスの具体例としては、例えば、ECサイト上で利用者(ユーザ)からの問い合わせに回答する顧客サポートサービス、センサからの問い合わせ(例えば起動要否の問い合わせ等)に対してセンサの動作を制御(例えば起動動作等を制御)するサービス等が挙げられる。なお、以降では、サポートを受ける側の機器を「フロント側機器」又は単に「被サポート側」、必要に応じて被サポート側をサポートする機器を「バックヤード側機器」又は単に「サポート側」とも表す。
【0013】
<全体構成>
まず、本実施形態に係るシステムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムには、サービス提供装置10と、1以上のフロント側機器20と、1以上のバックヤード側機器30とが含まれる。サービス提供装置10とフロント側機器20とは、例えばインターネット等の任意のネットワークを介して通信可能に接続される。同様に、サービス提供装置10とバックヤード側機器30とは、任意のネットワークを介して通信可能に接続される。
【0015】
フロント側機器20は、所定のサポートサービスを受ける機器である。例えば顧客サポートサービスをユーザが受ける場合には、フロント側機器20としては、ユーザが操作するPCやスマートフォン等であるユーザ端末21が挙げられる。
【0016】
また、フロント側機器20としては、必ずしもユーザ(人間)が操作するとは限らない各種機器22であってもよい。このような各種機器22としては、例えば、ATM(Automatic Teller Machine)、レジスタ端末、自動販売機、家電製品、監視装置、信号機、任意の対象(例えば、動植物や機械等)をセンシングするセンサ、RPA(Robotic Process Automation)を実現する機器、各種IoT(Internet of Things)機器等が挙げられる。
【0017】
バックヤード側機器30は、必要に応じてフロント側機器20に所定のサポートサービスを提供したり、サポートサービスの提供に必要な情報を提供したりする機器である、例えば顧客サポートサービスを提供する場合には、バックヤード側機器30としては、オペレータが操作するPC等であるオペレータ端末31a、オペレータを管理するスーパーバイザが操作するPC等であるスーパーバイザ端末31b等が挙げられる。
【0018】
また、バックヤード側機器30としては、必ずしも人間が操作するとは限らない各種機器32であってもよい。このような各種機器32としては、例えば、銀行システムや在庫管理システム等の業務システム、ATM、レジスタ端末、自動販売機、家電製品、監視装置、信号機、任意の対象(例えば、動植物や機械等)をセンシングするセンサ、警告装置、RPAを実現する機器、各種IoT機器等が挙げられる。
【0019】
サービス提供装置10は、自動応答によってフロント側機器20に所定のサポートサービスを提供したり、必要に応じてフロント側機器20をバックヤード側機器30に接続して所定のサポートサービスを提供したりするコンピュータ又はコンピュータシステムである。
【0020】
ここで、サービス提供装置10には、機能部として、第1の通信機能部110と、分析機能部120と、マニュアル機能部130と、オート機能部140と、第2の通信機能部150とが含まれる。
【0021】
第1の通信機能部110は、フロント側機器20との間で各種データの送受信を行う。すなわち、第1の通信機能部110は、フロント側機器20からデータを受信して、受信したデータを分析機能部120に渡す。また、第1の通信機能部110は、分析機能部120から渡されたデータを該当のフロント側機器20に送信する。
【0022】
ここで、第1の通信機能部110が送受信する各種データは、任意のデータでよい。このようなデータとしては、例えば、文字データ、画像データ、動画データ、音データ、匂いデータ、通信データ、制御データ等が挙げられる。
【0023】
分析機能部120は、第1の通信機能部110から受け取ったデータの分析と、この分析結果に応じたスイッチングとを行う。また、分析機能部120は、マニュアル機能部130やオート機能部140から受け取ったデータを第1の通信機能部110に渡す。ここで、分析機能部120には、データ分析機能部121と、スイッチング機能部122とが含まれる。
【0024】
データ分析機能部121は、第1の通信機能部110から受け取ったデータを分析して、当該データと、分析結果とをスイッチング機能部122に渡す。分析結果には、例えば、当該データのステータスを表す第1の分析結果と、当該データのスイッチング先(つまり、当該データの送信先)を判断するための第2の分析結果とが含まれる。
【0025】
スイッチング機能部122は、データ分析機能部121から受け取った第2の分析結果に基づいて、データのスイッチング先がマニュアル機能部130又はオート機能部140のいずれであるかを判断する。そして、スイッチング機能部122は、この判断結果に応じて、当該データと、第1の分析結果とをマニュアル機能部130又はオート機能部140のいずれかに渡す。
【0026】
マニュアル機能部130は、スイッチング機能部122からデータと第1の分析結果とを受け取ると、オペレータやスーパーバイザ等の人間によって応答するためのマニュアル制御を行う。また、マニュアル機能部130は、第2の通信機能部150から受け取ったデータを分析機能部120に渡す。
【0027】
ここで、マニュアル機能部130には、マニュアル制御に関する各種処理を実行するマニュアル制御機能部131が含まれる。また、マニュアル制御機能部131には、モニタリング部132と、アラート部133とが含まれる。
【0028】
モニタリング部132は、スイッチング機能部122から受け取った第1の分析結果をモニタリングする。例えば、モニタリング部132は、第1の分析結果が表すステータスが回数や頻度等をモニタリングする。
【0029】
アラート部133は、モニタリング部132によるモニタリング結果から所定の通知先にアラートを通知するか否かを判断する。そして、アラート部133は、アラートを通知すると判断した場合、所定の通知先(例えば、スーパーバイザ端末31b等)にアラートを通知する。
【0030】
オート機能部140は、スイッチング機能部122からデータと第1の分析結果とを受け取ると、チャットボットやAI(Artificial Intelligence)によって実現される対話システム等によって自動応答するためのオート制御を行う。また、オート機能部140は、第2の通信機能部150から受け取ったデータを分析機能部120に渡す。
【0031】
ここで、オート機能部140には、オート制御に関する各種処理を実行するオート制御機能部141が含まれる。また、オート制御機能部141には、機器制御部142と、自動応答部143とが含まれる。
【0032】
機器制御部142は、スイッチング機能部122から受け取ったデータが各種機器32を制御するためのデータであるか否かを判断する。そして、機器制御部142は、各種機器32を制御するためのデータであると判断した場合、当該データを第2の通信機能部150に渡したり、当該データに基づく制御データを作成した上で、作成した制御データを第2の通信機能部150に渡したりする。
【0033】
自動応答部143は、スイッチング機能部122から受け取ったデータに対する自動応答データを作成する。そして、自動応答部143は、作成した自動応答データを分析機能部120に渡す。これにより、第1の通信機能部110を介して、自動応答データがフロント側機器20に送信される。
【0034】
第2の通信機能部150は、バックヤード側機器30との間で各種データの送受信を行う。すなわち、第2の通信機能部150は、マニュアル制御機能部131から受け取ったデータをオペレータ端末31aやスーパーバイザ端末31b等に送信したり、オート機能部140から受け取ったデータを各種機器32に送信したりする。また、第2の通信機能部150は、オペレータ端末31aやスーパーバイザ端末31b等から受信したデータをマニュアル制御機能部131に渡したり、各種機器32から受信したデータをオート機能部140に渡したりする。
【0035】
ここで、第2の通信機能部150が送受信する各種データは、任意のデータでよい。このようなデータとしては、例えば、文字データ、画像データ、動画データ、音データ、匂いデータ、通信データ、制御データ等が挙げられる。
【0036】
なお、
図1に示すサービス提供装置10の機能構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、サービス提供装置10に含まれる各機能部のうちの一部の機能部を他の装置(例えば、クラウドサーバ等)が有していてもよい。また、例えば、サービス提供装置10に含まれる各機能部は複数のコンピュータに分散されていてもよい。
【0037】
(実施例1)
以降では、実施例1として、フロント側機器20であるユーザ端末21に対して、ECサイト上における顧客サポートサービスを提供する場合について説明する。ここで、顧客サポートサービスについて、
図2を参照しながら説明する。
図2は、顧客サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【0038】
図2に示すように、顧客サポートサービスでは、ユーザは、例えば、ユーザ端末21に表示されたECサイト1000に含まれる顧客サポートチャット画面1110でチャットにより、例えば商品説明や各種問い合わせ等の顧客サポートを受けることができる。このとき、実施例1のサービス提供装置10は、以下の(1)~(4)により顧客サポートサービスを提供する。
【0039】
(1)ユーザ端末21に対して、オペレータ端末31aのオペレータが応答することで、顧客サポートサービスを提供する。
【0040】
(2)ユーザ端末21に対して、自動応答部143により実現される自動応答BOTが応答することで、顧客サポートサービスを提供する。
【0041】
(3)ユーザ端末21に対して、基本的に自動応答BOTが応答するが、ユーザの希望等によりオペレータ端末31aのオペレータに切り替えて、このオペレータが応答することで、顧客サポートサービスを提供する。
【0042】
(4)ユーザ端末21に対して、基本的に自動応答BOTが応答するが、ユーザと自動応答BOTとのチャット内容(例えば、会話データのステータス)をモニタリングし、必要に応じてオペレータに切り替えて顧客サポートサービスを提供したり、スーパーバイザ端末31bにアラートを通知したりする。
【0043】
以降では、一例として、ユーザ端末21のユーザに対して、上述した顧客サポートサービスを提供する場合に、サービス提供装置10が実行する処理(サービス提供処理)について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、サービス提供処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
第1の通信機能部110は、フロント側機器20(本実施例ではユーザ端末21)から送信されたデータを受信する(ステップS101)。そして、第1の通信機能部110は、当該データを分析機能部120に渡す。
【0045】
ここで、ユーザ端末21のユーザは、例えば、
図4(a)に示す顧客サポートチャット画面1110のメッセージ入力欄1112に所望の文字又は文字列を入力した上で、送信ボタン1113を押下することで、この文字又は文字列が含まれるデータをユーザ端末21からサービス提供装置10に送信することができる。なお、
図4(a)に示す顧客サポートチャット画面1110には、ユーザと、自動応答BOT又はオペレータとの間のチャット履歴が表示されるチャット表示欄1111が含まれる。
【0046】
次に、分析機能部120のデータ分析機能部121は、第1の通信機能部110から受け取ったデータを分析する(ステップS102)。そして、データ分析機能部121は、当該データと、分析結果(第1の分析結果及び第2の分析結果)とをスイッチング機能部122に渡す。
【0047】
ここで、データ分析機能部121は、例えば、第1の分析結果として、当該データに含まれる文字又は文字列のステータスを分析する。例えば、ステータスとして「BAD」、「NORMAL」、「GOOD」の3つがある場合、データ分析機能部121は、当該データに含まれる文字又は文字列がいずれのステータスを表すものであるかを分析する。データ分析機能部121は、例えば、予め設定されたネガティブな意味の単語(例えば、「意味不明」、「よくわからない」、「解決できない」、「不良品」、「返金」等)が当該データに含まれる場合はステータスを「BAD」とし、予め設定されたポジティブな意味の単語(例えば、「購入したい」、「わかりました」、「解決できた」、「ありがとう」等)が当該データに含まれる場合はステータスを「GOOD」とし、「BAD」でも「GOOD」でもない場合はステータスを「NORMAL」とすればよい。
【0048】
なお、ステータスが「BAD」と分析される単語やステータスが「GOOD」と分析される単語は、例えば、サービス提供装置10の管理者等により予め設定されてもよいし、ユーザからのフィードバック(例えばアンケート等)に基づいて機械学習の手法により学習されてもよい。
【0049】
また、例えば、データ分析機能部121は、ステータスと、その強度とを分析してもよい。具体的には、「ステータス=GOOD、強度=2」、「ステータス=NORMAL、強度=0」、「ステータス=BAD、強度=1」等としてもよい。更に、複数のステータスとその強度とを組み合わせて、例えば、「ステータス=GOOD、強度=2、かつ、ステータス=BAD、強度=1」等としてもよい。ここで、強度は、例えば、予め設定された単語や文字列(又は、機械学習の手法により学習された単語や文字列)の発生頻度等により算出されればよい。なお、ステータス及び強度のリセットは、手動で行われてもよいし、予め設定されたタイミングで自動で行われてもよい。
【0050】
また、データ分析機能部121は、例えば、第2の分析結果として、当該データのスイッチング先を分析する。例えば、データ分析機能部121は、デフォルト状態のスイッチング先を「オート」とし、オペレータと繋ぐことがユーザより希望された場合にスイッチング先「マニュアル」とすればよい。
【0051】
ここで、ユーザ端末21のユーザは、例えば、
図4(b)に示す問い合わせ1114に対して「はい」ボタン1115を押下することにより、オペレータと繋ぐことを希望することができる。なお、このような問い合わせ1114は、例えば、自動応答BOTが回答できないような質問がユーザにより行われた場合に表示される。ただし、これに限られず、ユーザは、任意のタイミングでオペレータと繋ぐことを希望することができてもよい。
【0052】
なお、例えば、ユーザに対しては自動応答BOTが応答すると共に、このユーザと自動応答BOTとの間のやりとりをスーパーバイザがスーパーバイザ端末31b上で監視してもよい。このような場合には、第2の分析結果として、スイッチング先を「オートかつマニュアル」とすればよい。
【0053】
次に、分析機能部120のスイッチング機能部122は、上記のステップS102の第2の分析結果が示すスイッチング先が「マニュアル」又は「オート」のいずれかであるかを判断する(ステップS103)。スイッチング先が「マニュアル」である場合、スイッチング機能部122は、当該データと、第1の分析結果とをマニュアル機能部130に渡す。一方で、スイッチング先が「オート」である場合、スイッチング機能部122は、当該データをオート機能部140に渡す。
【0054】
なお、例えば、スイッチング先が「オートかつマニュアル」である場合には、スイッチング機能部122は、当該データと第1の分析結果とをマニュアル機能部130に渡すと共に、当該データをオート機能部140に渡せばよい。
【0055】
ステップS103でスイッチング先が「マニュアル」であると判断された場合、マニュアル機能部130のモニタリング部132は、第1の分析結果をモニタリングする(ステップS104)。このとき、モニタリング部132は、例えば、第1の分析結果が表すステータス毎に、そのステータスが発生した回数や頻度等をモニタリングする。
【0056】
次に、マニュアル機能部130のアラート部133は、上記のステップS104のモニタリング結果からアラートを通知するか否かを判断する(ステップS105)。例えば、アラート部133は、ステータス「BAD」が所定の回数以上発生した場合やステータス「BAD」が発生した頻度が所定の閾値以上である場合等に、アラートを通知すると判断すればよい。アラートを通知しない場合、アラート部133は、当該データを第2の通信機能部150に渡す。
【0057】
ステップS105でアラートを通知すると判断されなかった場合又はステップS106に続いて、マニュアル機能部130のアラート部133は、所定の通知先にアラートを通知する(ステップS106)。例えば、アラート部133は、スーパーバイザ端末31bにアラートを通知する。そして、アラート部133は、当該データを第2の通信機能部150に渡す。
【0058】
これにより、例えば、ステータス「BAD」が所定の回数以上となった場合やステータス「BAD」の頻度が所定の閾値以上となった場合等(つまり、顧客サポートにおけるユーザ対応に何等かの問題又は問題の予兆が発生した場合)に、スーパーバイザ端末31bには、アラートが通知される。このため、スーパーバイザは、例えば、ユーザ対応の主体を自動応答BOTからオペレータに切り替えたり、オペレータからスーパーバイザに切り替えたりすることができる。
【0059】
第2の通信機能部150は、マニュアル機能部130から受け取ったデータをオペレータ端末31aやスーパーバイザ端末31b等に送信する(ステップS107)。ここで、第2の通信機能部150は、ユーザ対応を行っているオペレータのオペレータ端末31aのみに当該データを送信してもよいし、スーパーバイザが当該オペレータを監視している場合には更にスーパーバイザ端末31bにも当該データを送信してもよい。
【0060】
次に、第2の通信機能部150は、オペレータ端末31aからの応答データを受信する(ステップS108)。そして、応答データは、マニュアル機能部130及び分析機能部120を介して、第1の通信機能部110に渡される。
【0061】
ここで、オペレータ端末31aを操作するオペレータは、例えば、
図5に示すオペレータチャット画面2000のメッセージ入力欄2003に所望の文字又は文字列を入力した上で、送信ボタン2004を押下することで、この文字又は文字列が含まれる応答データをオペレータ端末31aからサービス提供装置10に送信することができる。
【0062】
なお、
図5に示すオペレータチャット画面2000には、例えば、当該オペレータが対応している顧客サポートのユーザに関する情報が表示されるチャット対応一覧2001と、ユーザとのチャットの内容(履歴)が表示されるチャット表示欄2002と、チャット表示欄2002に表示されるチャット内容のユーザを切り替える切替タブ2005とが含まれる。また、
図5に示すオペレータチャット画面2000には、エスカレーションボタン2006と、定型文入力欄2007とが含まれる。
【0063】
オペレータは、エスカレーションボタン2006を押下することで、例えば、ユーザ対応をスーパーバイザに切り替えることができるようになる。これにより、オペレータは、例えば、自身では対応が困難な問い合わせ等に関するユーザ対応をスーパーバイザに切り替えることができる。また、オペレータは、定型文入力欄2007から定型文を選択することで、予め決められた定型文を表す文字又は文字列が含まれる応答データをオペレータ端末31aからサービス提供装置10に送信することができる。
【0064】
ここで、スーパーバイザが操作するスーパーバイザ端末31bには、例えば、
図6に示すスーパーバイザ画面3000が表示される。
図6に示すスーパーバイザ画面3000には、当該スーパーバイザが監視しているオペレータ及び自動応答BOTに関する情報が表示されるチャットルーム一覧3001と、チャットルーム一覧3001に表示されているオペレータ及び自動応答BOTのうちの選択した対象のチャットの内容(履歴)が表示されるチャット表示欄3002とが含まれる。また、チャットルーム一覧3001には、警告欄3011が含まれる。警告欄3011には、ユーザ対応との中でアラートが通知された場合に、アラートが発生したことを示す警告マーク「!」が表示される。
【0065】
なお、警告欄3011には、より詳細な情報(例えば、ステータス「BAD」の発生回数や発生頻度等)が表示されてもよい。
【0066】
ステップS103でスイッチング先が「オート」であると判断された場合、オート機能部140の機器制御部142は、スイッチング機能部122から受け取ったデータが各種機器32を制御するためのデータであるか否かを判断する(ステップS109)。当該データが各種機器32を制御するためのデータである場合、機器制御部142は、当該データを第2の通信機能部150に渡す。一方で、当該データが各種機器32を制御するためのデータでない場合、機器制御部142は、当該データを自動応答部143に渡す。
【0067】
ステップS109で当該データが各種機器32を制御するためのデータであると判断された場合、第2の通信機能部150は、各種機器32のうちの該当の機器に対して当該データを送信する(ステップS110)。これにより、該当の機器が制御され、この制御結果が返信される。このような制御としては種々の制御が考えられるが、例えば、銀行システムから預金口座情報を取得したり、センサを起動させたり、認証システムで認証を行ったり等が挙げられる。
【0068】
ステップS109で当該データが各種機器32を制御するためのデータであると判断されなかった場合又はステップS110に続いて、自動応答部143は、自動応答データを作成する(ステップS111)。そして、自動応答データは、オート機能部140及び分析機能部120を介して、第1の通信機能部110に渡される。
【0069】
ここで、自動応答部143は、既知のチャットボットやAI等に用いられる機械学習手法や対話システム技術等を用いて、ユーザ端末21から送信されたデータに応答するための自動応答データを作成すればよい。例えば、ユーザ端末21から送信されたデータが商品問い合わせを示す文字列である場合、自動応答部143は、この商品問い合わせに対する回答を示す文字列を自動応答データとして作成すればよい。
【0070】
このとき、当該データが各種機器32を制御するためのデータである場合には、自動応答部143は、この制御に対する制御結果にも基づいて自動応答データを作成する。例えば、制御結果として預金口座情報が得られた場合には、自動応答部143は、預金口座の残高情報等が含まれる自動応答データが作成される。
【0071】
ステップS108又はステップS111に続いて、第1の通信機能部110は、応答データ又は自動応答データをユーザ端末21に送信する(ステップS112)。これにより、ユーザ端末21の顧客サポートチャット画面1110には、応答データが示す文字若しくは文字列又は自動応答データが示す文字若しくは文字列が表示される。すなわち、ユーザ端末21のユーザが送信した問い合わせに対して、自動応答BOT又はオペレータによる回答が表示される。
【0072】
なお、本実施例では、ユーザは文字又は文字列を表すデータ(つまり、文字データ)をサービス提供装置10に送信したが、例えば、画像データや動画データ、音声データ等をサービス提供装置10に送信してもよい。同様に、サービス提供装置10は、画像データや動画データ、音声データ等を応答データ又は自動応答データとしてユーザ端末21に送信してもよい。
【0073】
また、ユーザ端末21には、例えば、顧客サポートサービスの前に、
図7(a)に示す問い合わせ開始画面4100が表示されてもよい。
図7(a)に示す問い合わせ開始画面4100では、ユーザは、例えば、チャットに用いる言語を言語設定欄4101で設定したり、チャット中に表示されるニックネームをニックネーム設定欄4102で設定したり、問い合わせ内容を問い合わせメニュー4103から選択したりすることができる。
【0074】
また、ユーザ端末21には、例えば、顧客サポートサービスの終了後に、
図7(b)に示すアンケート画面4200が表示されてもよい。
図7(b)に示すアンケート画面4200では、ユーザは、例えば、顧客サポートの満足度を満足度評価欄4201で評価したり、オペレータの対応をオペレータ評価欄4202で評価したり、その他の意見を自由記入欄4203に記入したりすることができる。
【0075】
(実施例2)
次に、実施例2として、フロント側機器20であるATM22aに対して、ATM操作サポートサービス及び資産運用サポートサービスを提供する場合について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、ATM操作サポートサービス及び資産運用サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【0076】
図8に示すように、ATM操作サポートサービス及び資産運用サポートサービスでは、フロント側機器20であるATM22aの利用者に対して、実施例1と同様に、自動応答BOT又はオペレータとのチャットにより、ATM操作サポートや資産運用サポートを提供することができる。このとき、ATM22a上で残高照会等が行われた場合には、機器制御部142により残高確認サーバ32aから残高情報が取得され、ATM22a上に表示される。
【0077】
また、例えば、ATM22aが故障した場合等には、機器制御部142により故障修復に必要な情報がATM保守サーバ32bから取得されて、この情報をATM22aに自動応答データとして送信する。これにより、ATM22aは自動的に故障を修復することができる。
【0078】
(実施例3)
次に、実施例3として、フロント側機器20であるプリンタ22cがトナーの残量を示すデータをサービス提供装置10に送信すると共に、フロント側機器20である冷蔵庫22dが食材の在庫を示すデータをサービス提供装置10に送信して、バックヤード側機器30であるスマートフォン32c上に表示させて、購入サポートサービスを提供する場合について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、プリンタのトナー及び冷蔵庫内の食材の購入サポートサービスの一例を模式的に説明する図である。
【0079】
このとき、自動応答BOTにより、トナーの残量が少ない場合(所定の閾値以下である場合)や所定の食材の在庫が少ない場合(所定の閾値以下である場合)には、スマートフォン32cに対して、トナー残量が少なったことを示すデータや食材の在庫が少なくなったことを示すデータを送信する。これにより、スマートフォン32cの利用者は、例えば、外出先でも自宅にあるプリンタ22cのトナー残量や冷蔵庫22d内の食材の残量が少なくなったことを知ることができ、トナーや食材を購入することができるようになる。なお、トナーの残量が少なくない場合や所定の食材の在庫が少なくない場合には、自動応答BOTは、何もしないとしてもよいし、トナーの残量や食材の在庫量を示すデータをスマートフォン32cに送信してもよい。
【0080】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るシステムでは、フロント側機器20に対して、サービス提供装置10がバックヤード側機器30と連携して、種々のサービスを提供することができる。このとき、サービス提供装置10は、フロント側機器20から送信されたデータに対して、AIや対話システム等により実現されるBOTにより自動応答を行ったり、バックヤード側機器30にデータを送信したりする。このように、サービス提供装置10による自動応答とバックヤード側機器30による応答とを組み合わせすることで、例えば、バックヤード側機器30を人間が操作している場合等に、人間の省力化を図ることができるようになる。
【0081】
なお、上述した顧客サポートサービスやATM操作サポートサービス、資産運用サポートサービス、購入サポートサービスは一例であって、これらに限られない。本実施形態は、フロント側機器20から送信されたデータに対して、このデータに応じて、サービス提供装置10が自動応答したり、バックヤード側機器30が応答したりすることによって実現されるサービスであれば、任意のサービスが提供可能である。
【0082】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 サービス提供装置
20 フロント側機器
30 バックヤード側機器
110 第1の通信機能部
120 分析機能部
121 データ分析機能部
122 スイッチング機能部
130 マニュアル機能部
131 マニュアル制御機能部
132 モニタリング部
133 アラート部
140 オート機能部
141 オート制御機能部
142 機器制御部
143 自動応答部
150 第2の通信機能部