(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179850
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】予測装置、学習装置、予測方法、学習情報の生産方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20221129BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20221129BHJP
【FI】
G16H50/30
G16Y10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086618
(22)【出願日】2021-05-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】高木 基成
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】従来技術においては、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できなかった。
【解決手段】一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部と、一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得部と、2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、学習情報を用いて取得する予測部と、1以上の予測値を出力する予測出力部とを具備する予測装置により、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部と、
一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得部と、
前記2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、前記学習情報を用いて取得する予測部と、
前記1以上の予測値を出力する予測出力部とを具備する予測装置。
【請求項2】
前記教師データは、異なる2以上の各時期の同一の種類の検査値と、前記2以上の各時期の体重測定値とを有する、請求項1記載の予測装置。
【請求項3】
前記学習情報は、2以上の教師データに対して線形回帰分析を行うことにより取得された演算式である、請求項1または請求項2記載の予測装置。
【請求項4】
前記教師データは、他の2以上の種類の検査値を有し、
前記学習情報は、前記他の2以上の各検査値の種類の重要度に基づいて選択された他の1以上の各種類に対応する1以上の検査値と前記体重測定値との組である2以上の縮退教師データを用いて取得された情報である、請求項3記載の予測装置。
【請求項5】
前記目標取得部は、
前記一のユーザの最近の体重測定値を用いて、前記2以上の目標体重値を取得する、請求項1から請求項4いずれか一項に記載の予測装置。
【請求項6】
前記目標取得部は、
前記一のユーザの最近の体重測定値から2以上の各所定値を減じた値を取得する、請求項5記載の予測装置。
【請求項7】
前記学習情報格納部には、
出力する2以上の各予測値の種類に対応する学習情報が格納され、
前記予測部は、
前記2以上の各予測値の種類ごとに、当該種類に対応する学習情報を取得し、当該学習情報を用いて、前記2以上の各目標体重値に対応する予測値を取得し、
前記予測出力部は、
前記予測部が取得した2以上の各予測値の種類ごとの予測値を出力する、請求項1から請求項6いずれか一項に記載の予測装置。
【請求項8】
前記教師データには、前記一のヒトの1以上の属性値が対応付いており、
前記学習情報格納部には、1以上の属性値を用いた2以上の条件ごとに、学習情報が格納され、
前記予測部は、
前記一のユーザの1以上の属性値が合致する条件に対応する学習情報を用いて、前記2以上の各目標体重値に対応する1以上の予測値を取得する、請求項1から請求項7いずれか一項に記載の予測装置。
【請求項9】
前記2以上の各目標体重値と前記予測部が取得した1以上の各種類の予測値とを対応付けた出力情報を構成する構成部をさらに具備し、
前記予測出力部は、
前記出力情報を出力する、請求項1から請求項8いずれか一項に記載の予測装置。
【請求項10】
前記他の1以上の各種類の検査値の基準値が格納される基準値格納部をさらに具備し、
前記予測部が取得した予測値と、当該予測値に対応する基準値との比較結果に応じた出力情報を構成する構成部をさらに具備し、
前記予測出力部は、
前記出力情報を出力する、請求項1から請求項8いずれか一項に記載の予測装置。
【請求項11】
一のヒトの同時期に得られた体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データが格納される教師データ格納部と、
前記2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する学習情報取得部と、
前記学習情報を蓄積する学習情報蓄積部とを具備する学習装置。
【請求項12】
一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部と、目標取得部と、予測部と、予測出力部とにより実現される予測方法であって、
前記目標取得部が、一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得ステップと、
前記予測部が、前記2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、前記学習情報を用いて取得する予測ステップと、
前記予測出力部が、前記1以上の予測値を出力する予測出力ステップとを具備する予測方法。
【請求項13】
一のヒトの同時期に得られた体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データが格納される教師データ格納部と、学習情報取得部と、学習情報蓄積部とにより実現される学習情報の生産方法であって、
前記学習情報取得部が、前記2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する学習情報取得ステップと、
前記学習情報蓄積部が、前記学習情報を蓄積する学習情報蓄積ステップとを具備する学習情報の生産方法。
【請求項14】
一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、
一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得部と、
前記2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、前記学習情報を用いて取得する予測部と、
前記1以上の予測値を出力する予測出力部として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
一のヒトの同時期に得られた体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データが格納される教師データ格納部にアクセス可能なコンピュータを、
前記2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する学習情報取得部と、
前記学習情報を蓄積する学習情報蓄積部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重値に対応する1以上の検査値を予測する予測装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、対象者に健康管理に関する有益な情報を提供することができる情報処理装置があった。かかる情報処理装置は、身体活動もしくは生活習慣に関する生活指標の各項目と、身体の生理的な状態に関する生体指標の各項目との関連性を対象者毎に評価し、評価した関連性が所定の関連性よりも高い項目の生活指標と生体指標のセットを健康に影響する可能性がある因子として抽出する因子抽出部と、取得した項目の生活指標と生体指標の一方が、前記因子抽出部が抽出したセットに係る項目の生活指標または生体指標であるとき、前記一方の過去の値からの変化に応じて前記一方が属すセットに係る他方の入力案内を出力する入力支援部と、を備える情報処理装置である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、目標体重値(以下、適宜「目標体重」と言う。)に対する検査値の予測値が提示できなかった。特に、従来技術においては、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値を提示できなかったために、ユーザにとって目標とする検査値に改善する、または目標とする検査値に近づくための体重の段階的な状況が把握できず、減量のためのモチベーションが十分に上がらなかった。なお、検査値は、例えば、血圧、中性脂肪、HDL、LDL、血糖値である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の予測装置は、一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部と、一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得部と、2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、学習情報を用いて取得する予測部と、1以上の予測値を出力する予測出力部とを具備する予測装置である。
【0006】
かかる構成により、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。その結果、対象者に健康管理に関する有益な情報を提供することができる。
【0007】
また、本第二の発明の予測装置は、第一の発明に対して、教師データは、異なる2以上の各時期の同一の種類の検査値と、2以上の各時期の体重測定値とを有する、予測装置である。
【0008】
かかる構成により、検査値の履歴の情報を用いて、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0009】
また、本第三の発明の予測装置は、第一または第二の発明に対して、学習情報は、2以上の教師データに対して線形回帰分析を行うことにより取得された演算式である、予測装置である。
【0010】
かかる構成により、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が簡易に提示できる。
【0011】
また、本第四の発明の予測装置は、第三の発明に対して、教師データは、他の2以上の種類の検査値を有し、学習情報は、他の2以上の各検査値の種類の重要度に基づいて選択された他の1以上の各種類に対応する1以上の検査値と体重測定値との組である2以上の縮退教師データを用いて取得された情報である、予測装置である。
【0012】
かかる構成により、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が簡易かつより正確に提示できる。
【0013】
また、本第五の発明の予測装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、目標取得部は、一のユーザの最近の体重測定値を用いて、2以上の目標体重値を取得する、予測装置である。
【0014】
かかる構成により、適切な2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0015】
また、本第六の発明の予測装置は、第五の発明に対して、目標取得部は、一のユーザの最近の体重測定値から2以上の各所定値を減じた値を取得する、予測装置である。
【0016】
かかる構成により、適切な2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0017】
また、本第七の発明の予測装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、学習情報格納部には、出力する2以上の各予測値の種類に対応する学習情報が格納され、予測部は、2以上の各予測値の種類ごとに、種類に対応する学習情報を取得し、学習情報を用いて、2以上の各目標体重値に対応する予測値を取得し、予測出力部は、予測部が取得した2以上の各予測値の種類ごとの予測値を出力する、予測装置である。
【0018】
かかる構成により、取得した種類の予測値に応じた学習情報を使用することにより、精度の高い2以上の種類の予測値を提示できる。
【0019】
また、本第八の発明の予測装置は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、教師データには、一のヒトの1以上の属性値が対応付いており、学習情報格納部には、1以上の属性値を用いた2以上の条件ごとに、学習情報が格納され、予測部は、一のユーザの1以上の属性値が合致する条件に対応する学習情報を用いて、2以上の各目標体重値に対応する1以上の予測値を取得する、予測装置である。
【0020】
かかる構成により、ユーザの属性値に応じた学習情報を使用することにより、精度の高い予測値を提示できる。
【0021】
また、本第九の発明の予測装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、2以上の各目標体重値と予測部が取得した1以上の各種類の予測値とを対応付けた出力情報を構成する構成部をさらに具備し、予測出力部は、出力情報を出力する、予測装置である。
【0022】
かかる構成により、2以上の各目標体重値と予測値との関係を分かりやすく提示できる。
【0023】
また、本第十の発明の予測装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、他の1以上の各種類の検査値の基準値が格納される基準値格納部をさらに具備し、予測部が取得した予測値と、予測値に対応する基準値との比較結果に応じた出力情報を構成する構成部をさらに具備し、予測出力部は、出力情報を出力する、予測装置である。
【0024】
かかる構成により、適切に予測値を提示できる。
【0025】
また、本第十一の発明の学習装置は、一のヒトの同時期に得られた体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データが格納される教師データ格納部と、2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する学習情報取得部と、学習情報を蓄積する学習情報蓄積部とを具備する学習装置である。
【0026】
かかる構成により、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値を取得するための情報を取得できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による予測装置によれば、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施の形態1における学習装置1のブロック図
【
図3】同学習装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同説明変数選択処理の例について説明するフローチャート
【
図6】実施の形態2における予測装置2のブロック図
【
図7】同予測装置2の動作例について説明するフローチャート
【
図8】同目標体重取得処理の例について説明するフローチャート
【
図12】上記の実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、学習装置、予測装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態において、2以上の教師データを用いて学習情報を取得する学習装置について説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態における学習装置1のブロック図である。学習装置1は、格納部11、学習情報取得部12、および学習情報蓄積部13を備える。格納部11は、教師データ格納部111を備える。
【0032】
格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する教師データ、後述する学習器、後述する選択条件、後述する属性値条件である。
【0033】
教師データ格納部111には、2以上の教師データが格納される。教師データは、例えば、ユーザ識別子、ヒトの1以上の属性値に対応付いている。ユーザ識別子は、ヒトの属性値であり、例えば、ID、氏名、メールアドレス、電話番号等である。ヒトは、教師データが有する検査値の取得元の者である。
【0034】
属性値は、検査値の取得元のヒトの属性値である。属性値は、例えば、性別、年齢、年代、職業、生活習慣に関する情報(例えば、喫煙習慣の有無、喫煙量の多さのレベル、運動習慣の有無、所定期間の運動の時間、運動の多さのレベル、飲酒習慣の有無、飲酒量の多さのレベル)である。
【0035】
教師データは、体重測定値(以下、適宜「体重値」「体重」と言う)と他の1以上の種類の検査値とを対応付ける情報である。なお、体重測定値は、通常は、測定された体重の値であるが、正確でなくても良く、好ましくはないが、ユーザの自己申告の値でも良い。
【0036】
教師データは、例えば、体重測定値と他の1以上の種類の検査値とを有する情報である。教師データは、例えば、体重測定値と他の1以上の種類の検査値とをリンク付けるリンク情報である。なお、教師データを用いて、体重測定値と他の1以上の種類の検査値とを取得できれば良く、そのデータ構造等は問わない。また、他の1以上の種類の検査値は、例えば、一のヒトの健康診断の結果の値である。
【0037】
一の教師データに対応する体重測定値と他の1以上の種類の検査値とは、一のヒトの同時期に得られた情報である。同時期とは、同様の時期の意味であり、例えば、同日、1週間以内、1ヶ月以内等であり、時期の幅は種々あり得る。
【0038】
他の1以上の各種類の検査値は、体重以外の検査値である。他の1以上の種類の検査値は、例えば、肥満に関する値、血圧に関する値、脂質に関する値、血糖に関する値である。肥満に関する値は、例えば、腹囲、BMIである。血圧に関する値は、例えば、収縮期血圧、拡張期血圧である。脂質に関する値は、例えば、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールである。血糖に関する値は、例えば、空腹時血糖値、HbA1C、尿糖の有無である。なお、検査値は、通常、多値の中のいずれかの数値であるが、二値のうちのいずれかの情報(例えば、(-)または(+))でも良い。
【0039】
教師データは、1または2以上の説明変数の値と1または2以上の目的変数の値とのセットである。
【0040】
例えば、1または2以上の説明変数の値は体重であり、1または2以上の目的変数の値は一の検査値である。当該一の検査値の例は、他の1以上の種類の検査値のいずかである。
【0041】
例えば、1以上の説明変数の値は1以上の過去の体重と1以上の過去の検査値であり、1以上の目的変数の値は一の検査値である。例えば、1または2以上の説明変数の値は(今年の体重,昨年の体重,2年前の体重,3年前の体重,昨年の血圧,2年前の血圧,3年前の血圧)であり、1または2以上の目的変数の値は(今年の血圧)である。例えば、1または2以上の説明変数の値は(今年の体重,昨年の体重,2年前の体重,3年前の体重,今年の血圧,昨年の血圧,2年前の血圧,3年前の血圧)であり、1または2以上の目的変数の値は(今年の血圧)である。
【0042】
例えば、1以上の説明変数の値は、一のヒトの最新の体重と当該一のヒトの過去の2以上の異なる各時点のセットからなり、目的変数の値は最新の1以上の検査値とからなる。セットは、一の時点の体重と他の1以上の種類の検査値からなる。目的変数の値は一つの他の検査値であることは好適であるが、2以上の他の検査値でも良い。
【0043】
教師データが有する他の種類の検査値は、1種類の検査値(例えば、血圧)だけでも良いし、2種類以上の検査値(例えば、血圧と血糖値)でも良い。
【0044】
教師データを構成する各値には、取得された時を特定する時情報が対応付いていることは好適である。時情報は、例えば、年月日、日時、年月、現在からの経過期間を示す情報であるが、その詳細度やデータ構造は問わない。
【0045】
学習情報取得部12は、2以上の教師データを教師データ格納部111から取得し、当該2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する。学習情報は、1または2以上の説明変数の値が与えられた場合に、1または2以上の目的変数の値を取得するための情報である。学習情報取得部12は、後述する2以上の縮退教師データを用いて、学習情報を取得しても良い。なお、縮退教師データも教師データである、と言える。
【0046】
教師データ格納部111の一のヒトの教師データがα年分(αは2以上の自然数)の体重を含む検査値の集合である場合、学習情報取得部12は、1以上の各ヒトの教師データから、β年分(β<α)の体重を含む検査値の集合を、年をずらしながら2以上取得し、当該2以上の部分教師データを取得し、当該2以上の部分教師データを用いて、学習情報を取得することは好適である。なお、部分教師データも学習情報を取得するための教師データである。
【0047】
例えば、一のヒトの検査値の集合が6年分(教師データ「A」)存在する場合、学習情報取得部12は、基準年をずらして、当該一のヒトの検査値の集合から4年分の3つの部分教師データ(「A1」「A2」「A3」)を取得する。その結果、例えば、6年分の教師データがR個のレコード、存在する場合、学習情報取得部12は、3R個の部分教師データを取得する(
図2参照)。そして、学習情報取得部12は、3R個の部分教師データを用いて、学習情報を取得する。
【0048】
学習情報取得部12は、例えば、2以上の各属性値条件ごとに、属性値条件を満たす2以上の教師データを教師データ格納部111から取得し、当該2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する。なお、属性値条件は、1以上の属性値に関する条件である。属性値条件は、例えば、「男性&60歳以上」「男性&40代」「喫煙習慣”有”」である。属性値条件の内容は問わない。属性値条件は、格納部11に格納されている。
【0049】
教師データは、2以上の説明変数となり得る候補の値を有し、学習情報取得部12は、かかる2以上の説明変数の候補の中から重要度が選択条件を満たす1以上の説明変数を決定しても良い。重要度は、目的変数に対する影響の度合いであり、影響度、寄与度等と言っても良い。選択条件は、学習情報の取得のために選択する説明変数の条件であり、重要度に関する条件である。選択条件は、例えば、「重要度が閾値以上」「重要度が閾値より大きいこと」「重要度が上位N以内(Nは1以上の自然数)」等である。なお、選択条件は、格納部11に格納されている。なお、教師データが有する2以上の説明変数となり得る候補の中から、重要度が選択条件を満たさない説明変数が除かれた教師データを縮退教師データと言う。縮退教師データは、いわゆる次元圧縮された教師データと言っても良い。
【0050】
学習情報取得部12は、例えば、2以上の教師データが有する各目的変数の値と、説明変数の候補の値と相関係数を算出し、当該相関係数である重要度、または当該相関係数が大きな値ほど大きくなる重要度を取得する。
【0051】
学習情報取得部12は、例えば、2以上の教師データに対して、ランダムフォレストのアルゴリズムによる学習処理を行い、学習器を取得する。次に、学習情報取得部12は、例えば、当該学習器を用いて、各説明変数の重要度を取得する。
【0052】
なお、学習情報取得部12が、説明変数の各候補の重要度を取得する方法は問わない。
【0053】
学習情報は、例えば、演算式、学習器、対応表である。以下、学習情報取得部12の3種類の各学習情報ごとの処理例について説明する。
(1)学習情報が演算式である場合
【0054】
学習情報取得部12は、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データに対して回帰分析(例えば、重回帰分析)を行い、演算式を取得する。演算式は、通常、2以上の説明変数の値を入力として、一の目的変数の値を出力とする式である。なお、回帰分析自体は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0055】
演算式は、例えば、「最新の体重に対する他の種類の検査値=f(最新の体重,昨年の体重,・・・,N年前の体重,昨年の検査値,・・・,N年前の検査値)」(例えば、Nは2以上の自然数)である。演算式は、例えば、「最新の体重に対する他の種類の検査値=f(最新の体重,昨年の体重,・・・,N年前の体重)」(例えば、Nは2以上の自然数)である。演算式は、例えば、「最新の体重に対する他の種類の検査値=f(最新の体重)」である。
【0056】
なお、上記の演算式における「最新の体重」は、将来の目標体重値が代入され得る。また、演算式における入力パラメータは、将来の目標体重値のみでも良いし、2以上の時系列の体重の集合でも良いし、将来の目標体重値と最近の検査値でも良いし、将来の目標体重値と2以上の時系列の検査値の集合でも良い。演算式における入力パラメータの検査値は、出力される検査値と同じ種類の検査値でも良いし、異なる種類の検査値でも良い。
【0057】
学習情報取得部12は、例えば、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データに対して線形回帰分析を行い、線形の演算式を取得する。
【0058】
学習情報取得部12は、例えば、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データに対して非線形回帰分析を行い、非線形の演算式を取得する。
【0059】
教師データが一つの説明変数の値のみを有する場合、学習情報取得部12は、2以上の教師データに対して単回帰分析を行い、演算式を取得しても良い。かかる場合、演算式は、例えば、「最新の体重に対する他の種類の検査値=f(最新の体重)」である。なお、最新の体重に、目標体重値が代入され得る。
【0060】
学習情報取得部12は、2以上の教師データから、選択条件を用いて、選択した1以上の説明変数の値と、目的変数の値のみを用いて、演算式を取得することは好適である。つまり、学習情報取得部12は、教師データが有するデータの削減(次元圧縮)を行った後に、当該次元圧縮された2以上の教師データ(適宜、「圧縮教師データ」と言う。)に対して回帰分析を行い、演算式を取得することは好適である。
(2)学習情報が学習器である場合
【0061】
学習情報取得部12は、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データに対して、機械学習のアルゴリズムによる学習処理を行い、学習器を取得する。なお、学習器は、分類器、モデル等と言っても良い。また、機械学習の学習処理のアルゴリズムは問わない。機械学習は、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVR、SVMである。また、後述する機械学習の予測処理のアルゴリズムも、学習処理と同様、問わない。
【0062】
なお、学習情報取得部12は、取得した2以上の教師データを機械学習の学習処理のモジュールに与え、当該モジュールを実行することにより学習器を取得する。機械学習の学習処理のモジュールは、例えば、TensorFlowのライブラリ、fastText、tinySVM、R言語のrandom forestのモジュールである。また、後述する機械学習の予測処理のモジュールも、機械学習の学習処理のモジュールと同じである。
【0063】
学習情報取得部12は、2以上の教師データから、選択条件を用いて、選択した1以上の説明変数の値と、目的変数の値のみを用いて、演算式を取得することは好適である。つまり、学習情報取得部12は、教師データが有するデータの削減(次元圧縮)を行った後に、2以上の圧縮教師データに対して、機械学習のアルゴリズムによる学習処理を行い、学習器を取得することは好適である。
(3)学習情報が対応表である場合
【0064】
学習情報取得部12は、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得し、当該2以上の各教師データから、1または2以上の説明変数の値と1または2以上の目的変数の値との対応を示す対応情報を有する対応表を構成する。対応情報は、例えば、2以上の各説明変数の値を要素として有するベクトルと一の目的変数の値とを有する。対応情報は、例えば、2以上の各説明変数の値を要素として有するベクトルと一の目的変数の値とのリンクを特定するリンク情報である。
【0065】
学習情報取得部12は、2以上の各教師データから圧縮教師データを取得し、当該2以上の圧縮教師データから、1または2以上の説明変数の値と1または2以上の目的変数の値との対応を示す対応情報を有する対応表を構成することは好適である。
【0066】
学習情報蓄積部13は、学習情報取得部12が取得した学習情報を蓄積する。学習情報取得部12が2以上の属性値条件ごとに学習情報を取得した場合、学習情報蓄積部13は、属性値条件に対応付けて学習情報取得部12が取得した学習情報を蓄積する。学習情報取得部12が2以上の目的変数ごとに学習情報を取得した場合、学習情報蓄積部13は、目的変数に対応付けて学習情報取得部12が取得した学習情報を蓄積する。
【0067】
学習情報蓄積部13は、例えば、格納部11に学習情報を蓄積する。学習情報蓄積部13は、例えば、図示しない外部の装置に学習情報を蓄積する。
【0068】
格納部11、および教師データ格納部111は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0069】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0070】
学習情報取得部12、および学習情報蓄積部13は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。学習情報取得部12等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、プロセッサは、例えば、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0071】
次に、学習装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。本動作例において、目的変数ごとに学習情報を構成する場合である。
【0072】
(ステップS301)学習情報取得部12は、カウンタiに1を代入する。
【0073】
(ステップS302)学習情報取得部12は、学習情報を構成する対象のi番目の目的変数が存在するか否かを判断する。i番目の目的変数が存在する場合はステップS303に行き、i番目の目的変数が存在しない場合は処理を終了する。
【0074】
(ステップS303)学習情報取得部12は、i番目の目的変数に対応する説明変数を選択する。かかる説明変数選択処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。なお、かかるステップS303の処理は存在しなくても良い。
【0075】
(ステップS304)学習情報取得部12は、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得する。学習情報取得部12は、取得した各教師データの要素のうち、ステップS303で選択された1または2以上の説明変数に対応する値と、i番目の目的変数に対応する値とを有する圧縮教師データを取得する。なお、ステップS303の処理は存在しない場合、本ステップにおいて、学習情報取得部12は、教師データ格納部111から2以上の教師データを取得するだけである。
【0076】
(ステップS305)学習情報取得部12は、ステップS304で取得した2以上の圧縮教師データを用いて、学習情報を取得する。なお、学習情報は、例えば、演算式、学習器、または対応表であり、各々の取得方法の詳細は上述したので、ここでの説明は省略する。
【0077】
(ステップS306)学習情報蓄積部13は、ステップS305で取得された学習情報を、i番目の目的変数の識別子に対応付けて蓄積する。
【0078】
(ステップS307)学習情報取得部12は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS302に戻る。
【0079】
次に、ステップS303の説明変数選択処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0080】
(ステップS401)学習情報取得部12は、教師データ格納部111に格納されている2以上の各教師データから目的変数の値を取得する。学習情報取得部12は、2以上の各教師データから取得した目的変数の値を、各々、要素とするベクトルを構成する。なお、目的変数の値は、
図3のフローチャートにおけるi番目の目的変数の値である。
【0081】
(ステップS402)学習情報取得部12は、カウンタjに1を代入する。
【0082】
(ステップS403)学習情報取得部12は、j番目の説明変数の候補が存在するか否かを判断する。j番目の説明変数の候補が存在する場合はステップS404に行き、存在しない場合はステップS408に行く。
【0083】
(ステップS404)学習情報取得部12は、教師データ格納部111に格納されている2以上の各教師データからj番目の説明変数の候補の値を取得する。学習情報取得部12は、当該2以上の各教師データから取得したj番目の説明変数の候補の値を、各々、要素とするベクトルを構成する。
【0084】
(ステップS405)学習情報取得部12は、ステップS401で構成したベクトルと、ステップS404で構成したベクトルとの相関係数を取得する。
【0085】
(ステップS406)学習情報取得部12は、j番目の説明変数の識別子に対応付けて、重要度を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、重要度は、相関係数または相関係数に基づく情報である。
【0086】
(ステップS407)学習情報取得部12は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
【0087】
(ステップS408)学習情報取得部12は、2以上の各説明変数の識別子ごとに、対応する重要度が選択条件を満たすか否かを判断する。そして、選択条件を満たす重要度と対になる1以上の説明変数の識別子を取得する。上位処理にリターンする。なお、かかる1以上の各識別子で識別される説明変数が選択された説明変数である。
【0088】
以下、本実施の形態における学習装置1の具体的な動作例について説明する。
【0089】
今、学習装置1の教師データ格納部111には、
図5に示す教師データ管理表が格納されている。教師データ管理表は、2以上の教師データが格納されている。教師データ管理表は、「ユーザID」「検査対象」「今年からN年前までの各年の健康診断の検査値」「属性値」を有するレコードを2以上、管理している。「属性値」は、ここでは、「性別」「年代」「喫煙習慣」を有する。
【0090】
かかる状況において、学習装置1は、以下のように動作する。つまり、学習装置1は、教師データ管理表の教師データを用いて、学習情報を取得する。ここでの学習情報は、将来(ここでは、来年)の体重を受け付け、体重以外の1以上の各検査値(例えば、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、空腹時血糖、HbA1C、尿糖)の中のいずれかの予測検査値を出力するための情報である。予測検査値は、ここでは、来年の予測値である。
【0091】
また、ここでは、例えば、目的変数が「収縮期血圧」の場合について説明する。つまり、ここでは、学習装置1が、来年の目標体重を入力した場合に、来年の収縮期血圧を出力するための学習情報を取得する場合について説明する。
【0092】
まず、学習装置1の学習情報取得部12は、説明変数の候補である1年前からN年前までの各体重、および1年前からN年前までの各検査値の各々に対して、上述した方法により、重要度を取得する。なお、各検査値は、体重以外の他の種類の検査値であり、ここでは、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、空腹時血糖、HbA1C、尿糖である。
【0093】
次に、学習情報取得部12は、格納部11から選択条件(ここでは、例えば、「重要度>=閾値」を取得する。次に、学習情報取得部12は、過去3年間の収縮期血圧、および過去3年間の体重を選択した、とする。つまり、圧縮教師データは、例えば、(今年の体重,1年前の体重,2年前の体重,3年前の体重, 今年の収縮期血圧,1年前の収縮期血圧,2年前の収縮期血圧,3年前の収縮期血圧)の構造を有する。
【0094】
次に、学習情報取得部12は、
図5の教師データ管理表の各レコードから圧縮教師データを取得する。そして、学習情報取得部12は、圧縮教師データから線形回帰分析に用いる教師データを取得する。つまり、ここでは、例えば、学習情報取得部12は、ユーザID「U001」のレコードから(WE
11,HB
11)(WE
12,HB
12)(WE
13HB
13)(WE
14,HB
14)を取得する。また、学習情報取得部12は、ユーザID「U002」のレコードから(WE
21,HB
21)(WE
22,HB
22)(WE
23HB
23)(WE
24,HB
24)を取得する。そして、学習情報取得部12は、教師データ管理表のすべてのレコードから、各々、4つの圧縮教師データを取得する。
【0095】
次に、学習情報取得部12は、取得したすべての圧縮教師データに対して線形回帰分析を行い、演算式「収縮期血圧=α1×体重+C1」(α1、C1は正の定数)を取得した、とする。
【0096】
次に、学習情報蓄積部13は、検査値の種類の識別子「収縮期血圧」に対応付けて、演算式「収縮期血圧=α×体重+C」を格納部11に蓄積する。
【0097】
同様に、学習装置1の学習情報取得部12は、1以上の他の各種類の検査値に対して、2以上の圧縮教師データを取得し、当該2以上の圧縮教師データに対して線形回帰分析を行い、演算式「検査値=αn×体重+Cn」(αn、Cnは正の定数)を取得した、とする。
【0098】
次に、学習情報蓄積部13は、他の各種類の識別子に対応付けて、演算式「収縮期血圧=α×体重+C」を格納部11に蓄積する。
【0099】
以上の処理により、学習装置1の学習情報を取得できた。なお、上記の例において、学習装置1は、回帰分析により学習情報を取得したが、上述した通り、他のアルゴリズムで演算式である学習情報を取得しても良いし、機械学習の学習処理により学習器である学習情報を取得しても良いし、対応表である学習情報を取得しても良い。
【0100】
なお、学習装置1が機械学習の学習処理を行う場合、例えば、学習情報取得部12は、各教師データから、説明変数の値の集合として、(今年の体重,1年前の体重,・・・,N年前の体重,1年前の検査値,・・・,N年前の検査値)を取得する。また、学習情報取得部12は、目的変数の値として、(今年の検査値)を取得する。そして、説明変数の値の集合と目的変数の値とからなる2以上の圧縮教師データに対して学習処理を行い、学習器を取得する。なお、検査値は、収縮期血圧、拡張期血圧等であり、種々あり得る。また、Nは、「3」が好適であるが、他の値でも良い。
【0101】
また、学習装置1は、ユーザの1以上の属性値の条件ごとに、学習情報を取得しても良い。属性値の条件は、例えば、「男性&喫煙習慣「有り」」「男性&喫煙習慣「無し」」「女性&喫煙習慣「有り」」「女性&喫煙習慣「無し」」である。かかる場合、4つの学習情報が、目的変数の検査値の種類ごとに取得される。
【0102】
以上、本実施の形態によれば、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値を取得するための学習情報を取得できる。
【0103】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における学習装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、一のヒトの同時期に得られた体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データが格納される教師データ格納部にアクセス可能なコンピュータを、前記2以上の教師データを用いて、学習情報を取得する学習情報取得部と、前記学習情報を蓄積する学習情報蓄積部として機能させるためのプログラムである。
【0104】
(実施の形態2)
本実施の形態において、学習装置1が取得した学習情報を、一のユーザの将来の複数の目標体重値に適用し、当該ユーザの将来の各目標体重値に対応する1以上の目的変数の検査値(予測値を取得し、出力する予測装置について説明する。
【0105】
また、本実施の形態において、一のユーザの最新の体重測定値を用いて2以上の目標体重値を自動取得し、当該2以上の各目標体重値ごとに、予測値を取得し、出力する予測装置について説明する。
【0106】
また、本実施の形態において、2以上の種類の各目的変数に対応する学習情報を用いて、2以上の各種類の予測値を取得し、出力する予測装置について説明する。
【0107】
また、本実施の形態において、ユーザの属性値に合致した学習情報を選択し、当該選択した学習情報を用いて、予測値を取得し、出力する予測装置について説明する。
【0108】
また、本実施の形態において、1以上の目的変数の予測値と各目標体重値とを対応づけた表を構築して出力する予測装置について説明する。
【0109】
さらに、本実施の形態において、1以上の目的変数についての予測値と所定の閾値との比較結果に応じて、結果の出力を行う予測装置について説明する。
【0110】
図6は、本実施の形態における予測装置2のブロック図である。予測装置2は、格納部21、処理部22、および出力部23を備える。格納部21は、学習情報格納部211、および基準値格納部212を備える。処理部22は、目標取得部221、予測部222、および構成部223を備える。出力部23は、予測出力部231を備える。
【0111】
格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、学習情報、後述する基準値である。
【0112】
学習情報格納部211は、1または2以上の学習情報が格納される。学習情報は、出力する2以上の各予測値の種類を識別する種類識別子に対応付いていても良い。また、学習情報は、1以上の属性値を用いた条件である属性値条件に対応付いていても良い。なお、学習情報は、学習装置1が取得した情報であり、例えば、演算式、学習器、または対応表である。
【0113】
基準値格納部212には、他の1以上の各種類の検査値の基準値が格納される。基準値は、種類識別子に対応付いていることは好適である。種類識別子は、例えば、「収縮期血圧」「拡張期血圧」「中性脂肪」「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」「空腹時血糖値」「HbA1C」「尿糖の有無」である。基準値は、例えば、正常値と異常値との閾値である。
【0114】
処理部22は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、目標取得部221、予測部222、構成部223が行う処理である。
【0115】
目標取得部221は、一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する。目標取得部221は、例えば、ユーザが入力した2以上の目標体重値を取得する。
【0116】
目標取得部221は、例えば、一のユーザの最近の体重測定値を用いて、2以上の目標体重値を取得する。なお、一のユーザの最近の体重測定値は、例えば、格納部21に格納さている。また、一のユーザの最近の体重測定値は、例えば、ユーザが入力し、目標取得部221が取得した情報である。
【0117】
目標取得部221は、例えば、一のユーザの最近の体重測定値から2以上の各所定値を減じた値を取得する。目標取得部221は、例えば、一のユーザの最近の体重測定値(X)を取得し、目標体重値「X」「X-2kg」「X-4kg」「X-6kg」「X-8kg」「X―10kg」を取得する。なお、目標取得部221は、一定量分(例えば、2kg)、連続して減じて、2以上の目標体重値を取得することは好適である。
【0118】
目標取得部221は、例えば、一のユーザの最近の体重測定値(X)に応じて、異なる数の目標体重値を取得することは好適である。つまり、目標取得部221は、一のユーザの最近の体重測定値(X)と適正体重(Y)との差に基づいて、差が大きいほど、多くの数の目標体重値を取得することは好適である。なお、適正体重(Y)は、例えば、格納部21に予め格納されている。また、格納部21に、身長と適正体重(Y)との対応を示す情報(例えば、「適正体重(Y)=身長(cm)-110」、身長の幅と適正体重(Y)との対応表など)が格納されている状況において、目標取得部221は、受け付けたユーザの身長に対応する適正体重(Y)を取得し、受け付けた最近の体重測定値(X)との差異を算出し、最近の体重測定値(X)から適正体重(Y)の間のN個(Nは1以上の自然数)の目標体重値を取得することは好適である。
【0119】
予測部222は、目標取得部221が取得した2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、学習情報を用いて取得する。
【0120】
予測部222は、例えば、2以上の各予測値の種類ごとに、種類に対応する学習情報を格納部21から取得し、当該学習情報を用いて、2以上の各目標体重値に対応する予測値を取得する。
【0121】
予測部222は、例えば、一のユーザの1以上の属性値が合致する属性値条件に対応する学習情報を格納部21から取得し、当該学習情報を用いて、2以上の各目標体重値に対応する1以上の予測値を取得する。
【0122】
以下、学習情報の種類に応じた予測部222の処理について説明する。
(1)学習情報が演算式の場合
【0123】
予測部222は、目標取得部221が取得した1または2以上の各目標体重値を演算式に代入し、当該演算式を実行し、予測値を取得する。
【0124】
複数の種類の予測値を取得する場合、予測部222は、各種類に対応する演算式を格納部21から取得し、種類ごとに、1以上の各目標体重値を取得した演算式に代入し、当該演算式を実行し、予測値を取得する。
【0125】
なお、演算式が目標体重値以外の説明変数を入力パラメータとする場合、予測部222は、目標体重値以外の説明変数の値を取得し、当該説明変数の値と目標体重値とを演算式に代入し、当該演算式を実行し、予測値を取得する。
【0126】
なお、1以上の説明変数の値の集合のうち、目標体重値を除く情報は、例えば、格納部21に格納されている情報であったり、ユーザから受け付けたりした情報である。かかることは、以下でも同様である。
(2)学習情報が学習器の場合
【0127】
予測部222は、目標取得部221が取得した1または2以上の各目標体重値ごとに、目標体重値を含む1以上の説明変数の値の集合を取得する。次に、予測部222は、1または2以上の各目標体重値ごとに、1以上の説明変数の値の集合を学習器に適用し、機械学習の予測処理を行い、予測値を取得する。
【0128】
複数の種類の予測値を取得する場合、予測部222は、各種類に対応する学習器を格納部21から取得し、種類ごとに、1以上の各目標体重値を含む1以上の説明変数の値の集合を取得する。次に、予測部222は、複数の各種類ごと、1または2以上の各目標体重値ごとに、1以上の説明変数の値の集合を学習器に適用し、機械学習の予測処理を行い、予測値を取得する。
(3)学習情報が対応表の場合
【0129】
予測部222は、例えば、目標取得部221が取得した1または2以上の各目標体重値を含む1以上の説明変数の値の集合を取得する。次に、予測部222は、1または2以上の各目標体重値ごとに、1以上の説明変数の値の集合(ベクトル)に最も近似するベクトルを対応表から検索する。次に、最も近似するベクトルと対になる検査値(予測値)を対応表から取得する。
【0130】
予測部222は、例えば、目標取得部221が取得した1または2以上の各目標体重値を含む1以上の説明変数の値の集合を取得する。次に、予測部222は、1または2以上の各目標体重値ごとに、1以上の説明変数の値の集合(ベクトル)と近似条件(例えば、距離が閾値以内、距離が上位N以内)が合致する1以上のベクトルを対応表から検索する。次に、予測部222は、当該1以上の各ベクトルと対になる検査値(予測値)を対応表から取得する。次に、予測部222は、1以上の説明変数の値の集合(ベクトル)との距離を用いて、1以上の検査値(予測値)を加重平均し、一の予測値を算出する。なお、予測部222は、通常、距離が小さいほど大きな重みで、加重平均値を算出する。
【0131】
複数の種類の予測値を取得する場合、予測部222は、各種類に対応する対応表を用いて、種類ごとに、1または2以上の各目標体重値ごとに、上述した処理により、予測値を取得する。
【0132】
構成部223は、2以上の各目標体重値と予測部222が取得した1以上の各種類の予測値とを対応付けた出力情報を構成する。出力情報は、例えば、表、グラフであり、その形式は問わない。
【0133】
構成部223は、予測部222が取得した予測値と、予測値に対応する基準値との比較結果に応じた出力情報を構成する。なお、予測値が基準値に対して良好である場合(例えば、「予測値<=基準値」である場合)と、予測値が基準値に対して良好でない場合(例えば、「予測値>基準値」である場合)とで、構成部223は、異なる出力態様の出力情報を構成することは好適である。異なる出力態様とは、例えば、予測値のフォント、フォントの色、背景色等の予測値の表示属性値が異なることである。異なる出力態様とは、予測値が基準値に対して良好でない場合の目標体重値と予測値とは出力情報に含めず、予測値が基準値に対して良好である場合の目標体重値と予測値とは出力情報に含めることである。
【0134】
出力部23は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、予測値、目標体重値、出力情報である。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、外部の装置への送信とは、図示しないユーザの棚末装置への送信である。
【0135】
予測出力部231は、予測部222が取得した1以上の予測値を出力する。予測出力部231は、例えば、予測部222が取得した2以上の各予測値の種類ごとの予測値を出力する。予測出力部231は、例えば、構成部223が構成した出力情報を出力する。
【0136】
格納部21、学習情報格納部211、および基準値格納部212は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0137】
格納部21等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部21等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部21等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部21等で記憶されるようになってもよい。
【0138】
処理部22、目標取得部221、予測部222、および構成部223は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部22等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、プロセッサは、例えば、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0139】
出力部23、および予測出力部231は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部23等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0140】
なお、出力部23、および予測出力部231は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。かかる場合、予測出力部231等は、情報をユーザの図示しない端末装置に送信する。
【0141】
次に、予測装置2の動作例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0142】
(ステップS701)目標取得部221は、一のユーザの最新の体重を取得する。
【0143】
(ステップS702)目標取得部221は、一のユーザの最新の体重を用いて、1または2以上の目標体重を取得する。かかる目標体重取得処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0144】
(ステップS703)予測部222は、予測値を取得する場合に、ユーザの属性値を使用するか否かを判断する。属性値を使用する場合はステップS704に行き、属性値を使用しない場合はステップS705に行く。なお、属性値を使用するか否かは予め決まっていても良いし、ユーザの属性値を受け付けたか否かにより決定されても良い。
【0145】
(ステップS704)予測部222は、当該ユーザの1以上の属性値を取得する。
【0146】
(ステップS705)予測部222は、カウンタiに1を代入する。
【0147】
(ステップS706)予測部222は、i番目の種類の検査値の予測値を取得するか否かを判断する。i番目の種類の検査値の予測値を取得する場合はステップS707に行き、取得しない場合はステップS714に行く。なお、例えば、予測値を取得する種類は、予め決めっている。
【0148】
(ステップS707)予測部222は、i番目の種類に対応する学習情報を学習情報格納部211から取得する。なお、予測部222は、i番目の種類およびユーザの1以上の属性値に対応する学習情報を学習情報格納部211から取得しても良い。
【0149】
(ステップS708)予測部222は、カウンタjに1を代入する。
【0150】
(ステップS709)予測部222は、ステップS702で取得された目標体重の中に、j番目の目標体重が存在するか否かを判断する。j番目の目標体重が存在する場合はステップS710に行き、j番目の目標体重が存在しない場合はステップS713に行く。
【0151】
(ステップS710)予測部222は、j番目の目標体重を取得し、当該目標体重とステップS707で取得した学習情報とを用いて、i番目の種類およびj番目の目標体重に対応する予測値を取得する。なお、予測値を取得する際に、目標体重以外の説明変数の値を必要とする場合は、予測部222は、当該説明変数の値を取得し、当該値をも用いて予測値を取得する。
【0152】
(ステップS711)予測部222は、i番目の種類およびj番目の目標体重に対応付けて、ステップS710で取得した予測値を図示しないバッファに蓄積する。なお、ここで、構成部223は、i番目の種類に対応する基準値を基準値格納部212から取得し、当該基準値と取得した予測値とを比較し、比較結果を取得し、図示しないバッファに、予測値に対応付けて蓄積しても良い。
【0153】
(ステップS712)予測部222は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS709に戻る。
【0154】
(ステップS713)予測部222は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS706に戻る。
【0155】
(ステップS714)構成部223は、図示しないバッファに格納されている予測値を用いて、出力情報を構成する。なお、構成部223は、図示しないバッファに格納されている比較結果をも用いて、出力情報を構成しても良い。
【0156】
(ステップS715)予測出力部231は、ステップS714で構成された出力情報を出力する。処理を終了する。
【0157】
次に、ステップS702の目標体重取得処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0158】
(ステップS801)目標取得部221は、ユーザの身長を取得する。
【0159】
(ステップS802)目標取得部221は、ステップS801で取得した身長に対応する適正体重を取得する。
【0160】
(ステップS803)目標取得部221は、「最新の体重>適正体重」であるか否かを判断する。「最新の体重>適正体重」であればステップS804に行き、「最新の体重>適正体重」でなければステップS805に行く。
【0161】
(ステップS804)目標取得部221は、最新の体重(X)から適正体重(Y)になるまで、「xキログラム(kg)」減じて行き、n個(nは1以上の自然数)の目標体重を取得する。目標取得部221は、例えば、「X」「X-xキログラム」「X-2xキログラム」・・・「X-nxキログラム」「適正体重(Y)」を目標体重として取得する。
【0162】
(ステップS805)目標取得部221は、例えば、適正体重(Y)等を目標体重として取得する。なお、適正体重(Y)等とは、適正体重(Y)のみでも良いし、「X+xキログラム」「X+2xキログラム」・・・「適正体重(Y)」でも良い。
【0163】
以下、本実施の形態における予測装置2の具体的な動作例について説明する。
【0164】
今、予測装置2の格納部21には、一のユーザの最新の体重「74.1」を含む、2019年の健康診断の結果が格納されている、とする。また、格納部21に一のユーザの2018年以前の健康診断の結果も格納されていることは好適である。
【0165】
また、学習情報格納部211には、検査値の種類(検査項目)ごとの学習情報が格納されている、とする。ここでの検査項目は、「収縮期血圧」「拡張期血圧」「中性脂肪」「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」「空腹時血糖値」「HbA1C」「尿糖の有無」である、とする。
【0166】
さらに、格納部21には、各検査項目の基準値が格納されている、とする。ここでの基準値は、「基準値」「保険指導判定値」「受診推奨判定値」の3種類である、とする。「基準値」は、正常な範囲の値である。「保険指導判定値」は、指導が必要な範囲の値である。「受診推奨判定値」は、医療期間への受診を推奨する範囲の値である。
【0167】
そして、予測装置2の目標取得部221は、まず、一のユーザの最新の体重「74.1」を取得する。次に、目標取得部221は、最新の体重「74.1」に対して、当該体重と、10kg減までの2kgごとの減量の値「74.1」「72.1」「70.1」「68.1」「66.1」「64.1」を取得した、とする。
【0168】
次に、学習装置1が取得した検査値の種類(検査項目)ごとの学習情報を用いて、検査項目ごとに、目標取得部221はが取得した6つの各体重ごとに、体重の値を学習情報に適用し、予測値を取得する。
【0169】
次に、構成部223は、2以上の各目標体重値と予測部222が取得した1以上の各種類の予測値とを対応付けた出力情報を構成する。また、構成部223は、出力情報を構成する際に、予測部222が取得した予測値と、予測値に対応する基準値(ここでは、「保険指導判定値」および「受診推奨判定値」)との比較結果を取得する。そして、構成部223は、「保険指導判定値」または「受診推奨判定値」の範囲の予測値および2019年の測定値を、他の値と比較して目立つ態様の出力情報を構成する。
【0170】
次に、予測出力部231は、構成部223が構成した出力情報を出力する。かかる出力例は、
図9である。
【0171】
図9の表を見たユーザは、来年(ここでは、2020年)までの減量目標を確かに持つことができる。
【0172】
以上、本実施の形態によれば、1または2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0173】
また、本実施の形態によれば、検査値の履歴の情報を用いて、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0174】
また、本実施の形態によれば、適切な2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できる。
【0175】
また、本実施の形態によれば、取得した種類の予測値に応じた学習情報を使用することにより、精度の高い2以上の種類の予測値を提示できる。
【0176】
また、本実施の形態によれば、ユーザの属性値に応じた学習情報を使用することにより、精度の高い予測値を提示できる。
【0177】
さらに、本実施の形態によれば、2以上の各目標体重値と予測値との関係を分かりやすく提示できる。
【0178】
なお、本実施の形態における予測装置2は、学習装置1の機能を有しても良い。かかる場合の予測装置3のブロック図は、
図10である。かかる予測装置3は、格納部31、処理部32、および出力部23を備える。格納部31は、教師データ格納部111、学習情報格納部211、基準値格納部212を備える。処理部32は、学習情報取得部12、学習情報蓄積部13、目標取得部221、予測部222、および構成部223を備える。
【0179】
また、予測装置2はサーバとして機能し、1または2以上の端末装置4と通信し、端末装置4に出力情報等を送信しても良い。かかる場合の予測装置2と1以上の端末装置4とを有する予測システムAのブロック図は、
図11である。
【0180】
端末装置4は、情報を格納し得る端末格納部41、指示や情報を受け付ける端末受付部42、各種の処理を行う端末処理部43、指示や情報を予測装置2に送信する端末送信部44、情報を受信する端末受信部45、および情報を出力する端末出力部46を具備する。なお、端末装置4は、公知の装置により実現可能であるので、詳細な説明を省略する。
【0181】
また、例えば、端末装置4は、予測装置2に対して、指示を送信する。そして、予測装置2は、指示を受信し、当該指示により、上述した処理を実行する。そして、予測装置2の出力部23は、処理部22が取得した出力情報等を端末装置4に送信する。次に、端末装置4は、出力情報等を受信し、出力する。かかる出力例は、
図9である。
【0182】
なお、
図11において、予測装置2は、サーバであり、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバであるが、その種類は問わない。また、端末装置4はユーザが使用する装置であり、例えば、パソコン、タブレット端末、スマートフォンであるが、その種類は問わない。
【0183】
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における予測装置2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、一のヒトの体重測定値と他の1以上の種類の検査値とが対応付けられた2以上の教師データを用いて取得された学習情報が格納される学習情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、一のユーザの将来の2以上の目標体重値を取得する目標取得部と、前記2以上の各目標体重値に対応する将来の1以上の検査値の各種類の予測値を、前記学習情報を用いて取得する予測部と、前記1以上の予測値を出力する予測出力部として機能させるためのプログラムである。
【0184】
また、
図12は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の予測装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図12は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図13は、システム300のブロック図である。
【0185】
図12において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0186】
図13において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0187】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の予測装置2等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0188】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の予測装置2等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0189】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0190】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0191】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0192】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0193】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0194】
以上のように、本発明にかかる予測装置2は、2以上の各目標体重値に対する検査値の予測値が提示できるという効果を有し、健康増進を支援する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0195】
1 学習装置
2、3 予測装置
4 端末装置
11、21、31 格納部
12 学習情報取得部
13 学習情報蓄積部
22、32 処理部
23 出力部
111 教師データ格納部
211 学習情報格納部
212 基準値格納部
221 目標取得部
222 予測部
223 構成部
231 予測出力部