(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179853
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086630
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA15
2C333CA16
2C333CA49
2C333CA75
2C333CA77
2C333CA78
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上する。
【解決手段】所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件と、第1条件とは異なる所定の第2条件と、のいずれかが成立することに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことを可能とする。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、
遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件と、前記第1条件とは異なる所定の第2条件と、のいずれかが成立することに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の代表例としてパチンコ機が知られている。このパチンコ機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞することに基づいて、遊技領域に設けられた表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームを実行する。また、表示装置においては変動表示ゲームの実行権利を表示する保留表示の変化やキャラクタの表示などにより大当りとなる可能性を示唆する演出を実行可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら演出の実行を期待する遊技者の興趣を十分に向上することができなかった。本発明の目的は、遊技の興趣を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、
遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件と、前記第1条件とは異なる所定の第2条件と、のいずれかが成立することに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
【
図4】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図5】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図6】特図変動表示ゲームの結果の振分率、大当り図柄の振分率、普図確率及び天井到達ゲーム数の一例を示す図である。
【
図8】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図9】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図10】タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
【
図11】特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【
図12】特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。
【
図13】特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。
【
図14】特図普段処理を説明するフローチャートである。
【
図15】特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理を説明するフローチャートである。
【
図16】特
図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。
【
図17】特
図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。
【
図18】特図変動中処理を説明するフローチャートである。
【
図19】時短終了設定処理を説明するフローチャートである。
【
図20】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
【
図21】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
【
図22】ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。
【
図23】サポ作動設定処理を説明するフローチャートである。
【
図24】大当り終了処理を説明するフローチャートである。
【
図25】特定領域スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
【
図26】小当り残存球処理を説明するフローチャートである。
【
図27】小当り終了処理を説明するフローチャートである。
【
図28】演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。
【
図29】受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。
【
図30】受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。
【
図34】特定遊技状態での遊技の実行態様と第2特別遊技状態の実行態様を説明する図である。
【
図35】特定遊技状態での遊技の実行態様の別例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、
図2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図1及び
図2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
【0009】
ガラス枠15には、カバーガラス14の後方となる位置に遊技盤30の前面を覆う表示板350が設けられている。表示板350は遊技盤30を透視可能であるとともに、所定の表示を表示可能となっている。本実施形態の遊技機では、側端から光を導入することで像が浮かび上がる導光板で構成されているが、透明な液晶表示装置やEL表示装置で構成されていても良い。
表示板350に所定の表示がされていない状態では透明であって後方の遊技盤30の視認を妨げないようになっている。そして、表示板350に所定の表示がされた場合には、当該所定の表示の部分では後方の遊技盤30の視認性が低下することとなる。この状態では、所定の表示を透して後方の遊技盤30が視認可能であっても良いし、所定の表示により後方の遊技盤30が視認不能であっても良い。
【0010】
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
【0011】
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(
図5参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(
図1や
図2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
【0012】
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23、打球発射装置のハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
【0013】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下させるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者がハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(
図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0014】
次に、
図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
【0015】
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
【0016】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部及び下部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。センターケース40の下部に設けられた下演出装置44aは、センターケース40の下部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能となっている。
センターケース40の上部に設けられた上演出装置44bは、センターケース40の上部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能となっている。また、この上演出装置44bは、プロペラを模した回転する動作部材44cを有しており、動作部材44cの動作によっても演出を行うことが可能である。
すなわち、下演出装置44aが動作可能な第1可動部材を有する第1可動役物をなし、上演出装置44bが動作可能な第2可動部材を有する第2可動役物をなす。
【0018】
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(
図4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
【0019】
センターケース40の左下方の遊技領域32には、3つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右方の遊技領域32には、1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(
図4参照)によって検出される。
【0020】
センターケース40の下方の遊技領域32には、特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図4参照)によって検出される。
【0021】
センターケース40の右方には、特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図4参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材37bを備えており、この可動部材37bは常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図4参照)によって逆「ハ」の字状に動作され、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
【0022】
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が設けられている。特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、開放により上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図4参照)によって検出される。
【0023】
大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(
図4参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(
図4参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
【0024】
また、大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(
図4参照)が設けられている。大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな大入賞口の開放が行われないようになっている。
【0025】
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、特
図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
【0026】
一括表示装置50は、特
図1変動表示ゲーム用の特
図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特
図2変動表示ゲーム用の特
図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特
図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図1保留表示器53及び特
図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図2保留表示器54とを備える。
【0027】
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部56とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する第3遊技状態表示部56cが設けられている。なお、本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定となっているため、第3遊技状態表示部56cは使用しない。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58を備えている。
【0028】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0029】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0030】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0031】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0032】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0033】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0034】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0035】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0036】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0037】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0038】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0039】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0040】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0041】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0042】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0043】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38内の大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、特別変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0044】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
【0045】
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。
【0046】
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
【0047】
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが用意されている。
【0048】
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でRAM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるようになっている。
【0049】
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ112は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
【0050】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0051】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0052】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0053】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0054】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0055】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0056】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0057】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0058】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0059】
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設けられている。第2出力ポート134は、特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0060】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0061】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリアル通信でデータが送信される。
【0062】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eには、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0063】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0064】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
【0065】
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0066】
次に、
図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0067】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0068】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
【0069】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0070】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0071】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0072】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0073】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0074】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば表示板350を含む枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0075】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0076】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0077】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0078】
以下の説明において、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特
図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
【0079】
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
【0080】
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0081】
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
【0082】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
【0083】
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0084】
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
【0085】
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、24ms又は1648ms)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器57にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
【0086】
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や特図図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特
図1保留表示器53や特
図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0087】
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特
図1表示器51(第1変動表示装置)で特
図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特
図2表示器52(第2変動表示装置)で特
図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両方が記憶されている場合には、特
図2変動表示ゲームを特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行する。
【0088】
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特
図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特
図1変動表示ゲームよりも優先して実行するように構成されている。
【0089】
特
図1表示器51及び特
図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特
図1表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特
図2表示器52が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
【0090】
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
【0091】
また、特
図1変動表示ゲームや特
図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特
図1変動表示ゲームに対応する飾り特
図1変動表示ゲームと、特
図2変動表示ゲームに対応する飾り特
図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
【0092】
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特
図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特
図1表示器51及び特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0093】
図6に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図6(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲームの結果には、例えば
図6(a)に示すように、大当り、小当り、サポ当り及びはずれの4種類がある。本実施形態において、大当りの振分率は特
図1と特
図2で共通となっているが、特
図1と特
図2で異なっていても良い。また、
図6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定1”である場合と、“設定2”である場合と、“設定3”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。また、
図6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定4”である場合と、“設定5”である場合と、“設定6”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。
【0094】
また、
図6(a)において、小当り及びサポ当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なっていても良い。すなわち、本実施形態では、確率設定値の変更によって大当りの当選確率のみが変更され、小当り及びサポ当りの確率は変更されないようにされている。
また、小当りについては、特
図2の方が特
図1よりも振分率が高くなっている。これにより、特
図2の方が小当りとなる可能性が高くなり、小当りとなった場合は特定領域への流入により第1特別遊技状態(大当り)となる可能性が高いことから、特
図2の方が遊技者にとって有利な特図変動表示ゲームとなっている。
【0095】
図6(b)は、大当り種類の振分率の一例である。大当りには、例えば
図6(b)に示すように、大当り図柄(大当りの結果態様)として5R大当りA図柄が停止表示される5R大当りAと、5R大当りB図柄が停止表示される5R大当りBと、10R大当りA図柄が停止表示される10R大当りA、10R大当りB図柄が停止表示される10R大当りBの4種類がある。
5R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートAの普電サポート状態(特定遊技状態)となる。5R大当りBは、特別遊技状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R大当りBは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。
サポートA~Cは普電サポート状態の終了条件が異なるものであり
図6(f)に示した条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。
【0096】
図6(b)において、大当り種類の振分率は、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態によって異なっており、通常遊技状態の場合は5R大当りA及び10R大当りAが選択可能である。特定遊技状態の場合は、5R大当りB、10R大当りA及び10R大当りBが選択可能である。なお、特
図1と特
図2でそれぞれ選択率が異なっていても良い。
【0097】
図6(c)には小当り種類の振分率を示した。小当りAが最も振分率が高く、小当りB、小当りCの順に振分率が低くなっている。
また、小当りに基づく第2特別遊技状態で特別変動入賞装置38の特定領域へ遊技球が流入したことにより発生する大当りについては、小当りの種類に基づき大当り種類が選択される。小当りAに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は第1特別遊技状態の終了後にサポートAの普電サポート状態となる。小当りBに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は第1特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。小当りCに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は第1特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。なお、特
図1と特
図2でそれぞれ振分率が異なっていても良い。
【0098】
図6(d)は普図変動表示ゲームの一例である。普図変動表示ゲームの当り確率及び変動時間は遊技状態に関わらず一定である。また、普図変動表示ゲームが当りとなった場合における普通変動入賞装置37の開放時間は、普電サポート中である場合の開放時間(1648ms)の方が普電サポートでない場合の開放時間(24ms)よりも長くなっており入賞が容易となるようにしている。さらに、普電最大カウント数は1個とされており、普通変動入賞装置37に遊技球が1個入賞すると開放時間の経過前であっても普通変動入賞装置37を閉鎖するようになっている。
なお、普電サポートでない状態(第1状態)よりも普電サポートである状態(第2状態)の方が普通変動入賞装置37への入賞が容易となれば良く、確率、変動時間、開放時間又は普電最大カウント数のいずれか一つ又は複数を変化させるものであっても良い。
【0099】
また、本実施形態の遊技機では、
図6(e)に示すようにいわゆる天井機能が搭載されている。すなわち、ゲームの実行回数が天井回数(ここでは600)に達した場合に、特別遊技状態を発生せずにサポートCの普電サポート状態となるようにしている。ゲームの実行回数は、低確率状態時であれば普電サポートの有無にかかわらず常に計数を行い、高確率状態時には計数を中断する。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常時計数する。また、ゲームの実行回数は、特
図1変動表示ゲームを実行した回数と特
図2変動表示ゲームを実行した回数の合計とする。
【0100】
ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、天井回数への到達を契機とした普電サポート状態となったとき、条件装置が作動したとき(第1特別遊技状態)となっている。なお、ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、適宜変更可能であり、例えば、RAM初期化スイッチ112を操作する際にゲーム実行回数のクリアを選択したときや、RAMクリア時に替えて電源投入時としても良い。
【0101】
また、RAMクリア時のうち、設定変更を伴わないRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリアして、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリアしないようにしても良い。設定変更を伴わないRAMクリア時とは、例えば、設定キースイッチ152はオンせずにRAM初期化スイッチ112をオンしながら電源投入した時などである。このように、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリアしないようにすることで、設定変更が行われたことを判別しにくくすることが可能となる。
【0102】
図6(f)には普電サポート状態(特定遊技状態)の終了条件を示した。
サポートAの普電サポート状態では、特
図2変動表示ゲームの実行回数が10回となるか、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの合計実行回数が15回となるか、小当りAが3回導出されるか、小当りBが1回導出される、小当りBが1回導出されるか、のいずれかの条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。サポートB及びサポートCの普電サポート状態についても同様に、
図6(f)に示したゲーム数を実行することや所定回数の小当りが導出されることにより普電サポート状態が終了するようになっている。
【0103】
このように、複数種類ある小当りのそれぞれについて、終了条件となる導出回数を個別に定めることが可能であるので、単に小当りの導出だけでなくその種類についても遊技者が関心を持つようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、サポートCでは小当りAについて500回の導出を終了条件としているが、この導出回数が達成されることは困難である。すなわち、終了条件となる導出回数の設定により小当りAのように実質的に終了条件が成立しない小当り種類を設定することも可能であり、
図6(c)に示したような小当り種類の振分率だけに縛られない多彩な終了条件を設定可能となるので遊技の興趣を向上することができる。
【0104】
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
まず、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。
図7は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態ST2、第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態ST3、特定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5がある。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
【0105】
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技状態では、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
【0106】
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。主変動特図は特
図1変動表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。また、演出態様を規定する演出モードは通常ステージとされる。
【0107】
第1特別遊技状態ST2は、普電サポートがなく時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは大当りモードとされる。この第1特別遊技状態ST2では、特別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
第2特別遊技状態ST3では、普電サポート、時短については小当り導出時の状況によりある場合とない場合がある。基本的には小当り導出時の状態を引き継ぐが、特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りの導出時には小当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポート、時短が終了するため、この場合は普電サポート、時短についてはない状態となる。また、演出態様を規定する演出モードは小当りモードとされる。この第2特別遊技状態ST3では、特別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
【0108】
特定遊技状態ST4は、第1特別遊技状態ST2の後に規定ゲーム数にわたり滞在する状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。
普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。また、主変動特図は特
図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。特定遊技状態ST4は、普電サポートがあることや小当りが高頻度で発生する特
図2変動表示ゲームを主として実行するので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であって有利状態をなすものである。
【0109】
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4が終了した際に残存する第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームを実行可能な状態である。
この残保留消化状態ST5では、普電サポートはないが特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短はありとなる。普電サポートがないため始動入賞口36を狙うように発射方向は左打ちとされているが、特定遊技状態ST4に連続する短い期間であるので、左打ちの指示を明確に行わなくても良い。また、残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲームの変動時間の平均は、特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームの変動時間の平均よりも短いものとなっている。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4において主に発生する第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームを主として実行するので、通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であって有利状態をなすものである。
【0110】
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出、第2特別結果(小当り)の導出、サポ当りの導出、第1特別遊技状態の終了、第2特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消化、天井への到達により行われる。
通常遊技状態ST1において大当りとなると第1特別遊技状態ST2に移行する。第1特別遊技状態ST2の終了後は、
図6(f)に示した条件が成立するまでの期間にわたり普電サポート及び時短がある状態となり、特定遊技状態ST4に移行する。
特定遊技状態ST4や残保留消化状態ST5において大当りとなった場合も第1特別遊技状態ST2に移行し、その後に特定遊技状態ST4となる。
また、サポ当りとなった場合や天井に到達した場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となる。
【0111】
特定遊技状態ST4では、普電サポートにより普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなることにより第2始動記憶を発生可能であり、特
図2変動表示ゲームを実行可能となる。この特定遊技状態ST4において
図6(f)に示した条件が成立した場合は、普電サポートが終了し、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留があれば残保留消化状態ST5となり、残保留がなければ通常遊技状態ST1に移行する。
【0112】
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して消化するが、特に通常遊技状態ST1で大当りとなった場合には特定遊技状態ST4の開始直後には残存している第1始動記憶に基づき特
図1変動表示ゲームが実行される可能性が高い。これにより、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができる。特に、特定遊技状態ST4における1回目の特図変動表示ゲームの変動時間は、2回目以降の変動時間よりも長い変動時間(例えば100s)とされ、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができるようにしている。
また、
図6(f)に示したように、特定遊技状態ST4で特
図1変動表示ゲームを実行する場合は、特
図2変動表示ゲームのみを実行する場合よりも5ゲームだけ長く特定遊技状態ST4に滞在可能となる。この回数は第1始動記憶の上限数である4よりも多く、特定遊技状態ST4の開始時に残存している第1始動記憶に基づき特
図1変動表示ゲームを実行しても遊技者にとって不利となることはない。
【0113】
残保留消化状態ST5には、残保留である第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームが終了するまで滞在可能となっている。この残保留消化状態ST5では特定遊技状態ST4と連続した一連の演出を行うようになっている。この残保留消化状態ST5の終了後は通常遊技状態ST1に移行する。
【0114】
通常遊技状態ST1、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において、小当りとなった場合は第2特別遊技状態ST3に移行する。
第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入した場合(V入賞)は、第1特別遊技状態ST2に移行する。特別変動入賞装置38に遊技球が流入した場合は、特定領域へ流入する可能性があり、小当りの発生確率が高い特
図2変動表示ゲームを多く実行することは遊技者にとって有利なこととなる。特定領域への流入の可能性の高さは、特別変動入賞装置38の内部に設けられ、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材をレバーソレノイド38fにより動作して、特定領域への遊技球の流入を許容する状態と特定領域への遊技球の流入を不能とする状態とを切り替えることで制御するようにしている。
【0115】
また、第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入しなかった場合は、特定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5又は通常遊技状態ST1に移行する。
特定遊技状態ST4の終了条件が成立していない場合は特定遊技状態ST4に移行する。また、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。また、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており残保留も存在しない場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
【0116】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図8及び
図9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる
図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0117】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図8及び
図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0118】
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステップX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0119】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0120】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオンであるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0121】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0122】
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX12)。
【0123】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラグを所定のレジスタにセットする。
【0124】
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステップX21へ移行する。
【0125】
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップX21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であることを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。
【0126】
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。ここでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグである。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX25)。その後、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)、ステップX25に戻る。
【0127】
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
【0128】
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセットされていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップX35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状態であるか判定する(ステップX43)。
【0129】
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態である場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
【0130】
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モードに移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
【0131】
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31においてセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されない。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも50m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセーブする必要がある。
【0132】
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(
図10)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(
図8及び
図9)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
【0133】
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(
図10)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
【0134】
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特
図1及び特
図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
【0135】
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベース値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
【0136】
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信する(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンド等も送信する。
【0137】
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0138】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する特図図柄乱数、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX48)、割込みを許可する(ステップX49)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0139】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、特図図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、特図図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、特図図柄乱数、当り乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、特図図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていないため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複数種類の中から選択するようにしても良い。
【0140】
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX50)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0141】
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0142】
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0143】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0144】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0145】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、
図10のタイマ割込み処理が開始される。
【0146】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。
【0147】
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされている場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0148】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、乱数更新処理2(ステップX108)を行う。乱数更新処理1(ステップX107)では、初期値乱数更新処理の対象となっている特図図柄乱数、当り乱数の初期値(スタート値)が更新される。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を行う。
【0149】
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、特別変動入賞装置38において、特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、特別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そして、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
【0150】
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップX112)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
【0151】
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動センサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示装置153の制御に関する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0152】
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0153】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX112)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0154】
図11に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0155】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
【0156】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
【0157】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0158】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0159】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0160】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0161】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
【0162】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特
図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。そして、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特
図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0163】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理において行われる特図始動口スイッチ共通処理の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0164】
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0165】
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0166】
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。
【0167】
次いで、監視対象の始動口スイッチの特図図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0168】
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0169】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0170】
図13に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA168の処理に移行する。
【0171】
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA168の処理に移行する。
【0172】
一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、大当り乱数値がサポ当り判定値と一致するか否かによりサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理(ステップA163)を行う。そして、判定結果がサポ当りでない場合(ステップA164;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA167)、ステップA168の処理に移行する。
また、判定結果がサポ当りである場合(ステップA164;Y)には、サポ当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA165)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA166)、ステップA168の処理に移行する。
【0173】
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA169)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA170)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA171)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA172)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA173)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA170における特図情報設定処理、ステップA171における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
【0174】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0175】
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0176】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図14に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特
図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特
図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
【0177】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
【0178】
また、ステップA301にて、特
図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特
図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特
図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特
図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
【0179】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図15(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す特
図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA321)。次に、大当り乱数を判定して第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
【0180】
次に、特
図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
【0181】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特
図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特
図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特
図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特
図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特
図1変動開始処理を終了する。
【0182】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図15(a)に示した特
図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0183】
図15(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA341)。次に、大当り乱数を判定して第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
【0184】
次に、特
図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
【0185】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特
図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特
図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特
図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特
図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特
図2変動開始処理を終了する。
【0186】
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲームを実行することとなる。
【0187】
〔特
図1停止図柄設定処理〕
図16に、本実施形態の特
図1変動開始処理における特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示す。
この特
図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特
図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特
図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により大当り種類が選択される。
【0188】
その後、特
図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特
図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
【0189】
一方、大当り1フラグは大当りでない場合(ステップA431;N)は、小当りフラグ1は小当りであるかを判定し(ステップA440)、小当りである場合(ステップA440;Y)は、特
図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA441)。次に、特
図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA442)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA443)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA444)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステップA445)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
【0190】
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップA440;N)は、サポ当りフラグ1がサポ当りかを判定し(ステップA446)、サポ当りである場合(ステップA446;Y)は、特
図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA447)。次に、特
図1サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA448)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA449)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
【0191】
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA450)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA451)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステップA452)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
また、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合(ステップA446;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特
図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA453)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA454)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
【0192】
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA456)、演出コマンド設定処理(ステップA457)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA458)、特
図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA459)、特
図1停止図柄設定処理を終了する。
【0193】
〔特
図2停止図柄設定処理〕
図17に、本実施形態の特
図2変動開始処理における特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示す。なお、特
図2停止図柄設定処理は、特
図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特
図2を対象として行うものである。
この特
図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA471)、大当りである場合(ステップA471;Y)は、特
図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA472)。次に、特
図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップA473)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA474)。この処理により大当り種類が選択される。
【0194】
その後、特
図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA475)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA476)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特
図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA477)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA478)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA479)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
【0195】
一方、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA471;N)は、小当りフラグ2は小当りであるかを判定し(ステップA480)、小当りである場合(ステップA480;Y)は、特
図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA481)。次に、特
図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA482)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA483)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA484)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステップA485)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
【0196】
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップA480;N)は、サポ当りフラグ2がサポ当りかを判定し(ステップA486)、サポ当りである場合(ステップA486;Y)は、特
図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA487)。次に、特
図2サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA488)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特
図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA489)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
【0197】
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA490)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA491)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステップA492)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
また、サポ当りフラグ2がサポ当りでない場合(ステップA486;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特
図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA493)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA494)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
【0198】
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA496)、演出コマンド設定処理(ステップA497)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA498)、特
図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA499)、特
図2停止図柄設定処理を終了する。
このように各結果の停止図柄の設定を行う際に、結果にかかわらず共通の特図図柄乱数を用いることで必要な乱数の種類を少なくでき、遊技機の仕様やプログラムの簡素化を図ることができて、制御の負担を軽減することができる。
【0199】
〔特図変動中処理〕
図18に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)を示す。
この特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次いで、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停止表示時間設定手段をなす。
【0200】
次に、普電サポート中であるかを判定し(ステップA605)、普電サポート中でない場合(ステップA605;N)はステップA612に移行する。また、普電サポート中である場合(ステップA605;Y)は、特
図1の変動であるかを判定する(ステップA606)。
特
図1の変動である場合(ステップA606;Y)は、ステップA609に移行する。また、特
図1の変動でない場合(ステップA606;N)は、時間短縮変動回数2領域の時間短縮変動回数2を-1更新し(ステップA607)、時間短縮変動回数2が0になったかを判定する(ステップA608)。
【0201】
時間短縮変動回数2が0である場合(ステップA608;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する。また、時間短縮変動回数2が0でない場合(ステップA608;N)は、時間短縮変動回数1領域の時間短縮変動回数1を-1更新し(ステップA509)、時間短縮変動回数1が0になったかを判定する(ステップA610)。
時間短縮変動回数1が0である場合(ステップA610;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する。また、時間短縮変動回数1が0でない場合(ステップA610;N)は、ステップA612に移行する。
【0202】
すなわち、特
図1変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1のみが減算され、特
図2変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の両方が減算される。そして、時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2のいずれかが0となった場合に普電サポートを終了するようになっている。
【0203】
演出モード情報チェック処理(ステップA612)を行った後、残保留消化状態が終了したかを判定する(ステップA613)。ここでの残保留消化状態が終了したとは、残保留消化状態ST5の終了条件が成立した場合の他、特定遊技状態ST4の終了の際に残保留が存在しなかった場合も含む。
残保留消化状態が終了していない場合(ステップA613;N)は、ステップA616に移行する。また、残保留消化状態が終了した場合(ステップA613;Y)は、結果がはずれであるかを判定する(ステップA614)。
結果がはずれでない場合(ステップA614;N)は、ステップA616に移行する。
結果がはずれである場合(ステップA614;Y)は、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA615)、ステップA616に移行する。
【0204】
ステップA616では、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA616)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA617)。さらに、特
図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA618)、特
図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA619)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA620)。その後、特
図1表示器51における特
図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特
図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA621)、特
図2表示器52における特
図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特
図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA622)、特図変動中処理を終了する。
【0205】
〔時短終了設定処理〕
図19に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA611)を示す。この時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
【0206】
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA633)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA634)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA635)。
そして、時間短縮変動回数1領域をクリアし(ステップA636)、時間短縮変動回数2領域をクリアする(ステップA637)。なお、特定遊技状態ST4の終了条件となる小当りの種類ごとに設定された導出回数をクリアするとともに、特定遊技状態ST4において小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアするようにしても良い。
その後、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA638)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA639)、通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報をセーブして(ステップA640)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
【0207】
〔特図表示中処理〕
図20及び
図21に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)を示す。
この特図表示中処理では、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラグ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当りフラグ2と、をロードして(ステップA701)、RWMのサポ当りフラグ1領域及びサポ当りフラグ2領域をクリアする(ステップA702)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA704)。
【0208】
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA705)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA706)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA707)、大当りである場合(ステップA707;Y)は、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA710)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
【0209】
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA707;N)は、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA708)、大当りである場合(ステップA708;Y)は、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA709)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
【0210】
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「10」又は「5」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA712)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA713)。
【0211】
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。続けて、特
図1又は特
図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA718)、演出コマンド設定処理(ステップA719)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
【0212】
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA720)。本実施形態の場合、ステップA720において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。
また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機では、全て出玉のある大当りである。
【0213】
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA721)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA722)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA723)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
【0214】
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA724)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA725)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
【0215】
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA708;N)は、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA727)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA727;N)、天井到達済みフラグがあるかを判定する(ステップA728)。
天井到達済みフラグがある場合(ステップA728;Y)は、天井に到達することに基づく普電サポートの開始に関する処理を行わず、ステップA732に移行する。天井到達済みフラグは、天井に到達することに基づきセットされ、大当りの発生に基づきクリアされるようになっている。これにより、天井に到達することに基づき普電サポートが開始された場合には、大当りを経過した後でなければ新たな天井への到達に基づく普電サポートが開始されないようにすることができる。
【0216】
天井到達済みフラグがない場合(ステップA728;N)は、天井カウンタ領域の値を+1更新し(ステップA729)、天井に到達したかを判定する(ステップA730)。天井に到達していない場合(ステップA730;N)は、ステップA732に移行する。また、天井に到達した場合(ステップA730;Y)は、天井時短発動フラグ及び天井到達済みフラグをセットし(ステップA731)、ステップA732に移行する。
【0217】
ステップA732では、ロードされた小当りフラグ2が小当りかを判定して(ステップA732)、小当りである場合(ステップA732;Y)は、第2特図変動表示ゲームの小当り(特
図2小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA735)、ステップA736に移行する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA732;N)は、ロードされた小当りフラグ1が小当りかを判定して(ステップA733)、小当りである場合(ステップA733;Y)は、第1特図変動表示ゲームの小当り(特
図1小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA734)、ステップA736に移行する。
【0218】
次いで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA736)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA736;N)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理(ステップA738)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行って、ステップA741の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
【0219】
そして、普電サポート中であるかを判定し(ステップA741)、普電サポート中でない場合(ステップA741;N)は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA746)を行って、特図表示中処理を終了する。
また、普電サポート中である場合(ステップA741;Y)は、小当りの種類ごとに導出回数を積算し(ステップA742)、普電サポートの終了条件が成立したかを判定する(ステップA743)。小当りの種類ごとに積算される導出回数は、特定遊技状態ST4の開始時に0クリアされ、特定遊技状態ST4の終了まで積算が継続される。
【0220】
普電サポートの終了条件が成立していない場合(ステップA743;N)は、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了する。また、普電サポートの終了条件が成立した場合(ステップA743;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処理を行い(ステップA744)、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA745)、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了する。これにより、小当りの導出回数が
図6(f)に示した条件を満たすことで特定遊技状態ST4が終了するようになる。
【0221】
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA733;N)は、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA751)。天井時短発動フラグがある場合(ステップA751;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動回数領域2にセーブし(ステップA752)、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの実行回数の合計に基づく終了条件として505をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特
図2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として500をセーブする。また、小当りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアする。
【0222】
また、天井時短発動フラグがない場合(ステップA751;N)は、ロードされたサポ当りフラグ2がサポ当りかを判定する(ステップA753)。サポ当りでない場合(ステップA753;N)は、ロードされたサポ当りフラグ1がサポ当りかを判定する(ステップA754)。サポ当りでない場合(ステップA754;N)は、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0223】
一方、サポ当りフラグ2がサポ当りである場合(ステップA753;Y)又はサポ当りフラグ1がサポ当りである場合(ステップA754;Y)は、時間短縮判定データに対応する初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動回数領域2にセーブし(ステップA755)、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームの実行回数の合計に基づく終了条件として20をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特
図2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として15をセーブする。また、小当りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアする。
サポ作動設定処理(ステップA756)を行った後、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0224】
以上の処理では、天井へ到達したか否かの判定は特図変動表示ゲームの終了時に行っており(ステップA727~A731)、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発生した場合には、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の終了条件を設定するようにしている(ステップA751~A756)。
【0225】
天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生することは稀であり、特図変動表示ゲームの開始時において常にこれをチェックすることは制御の無駄となる。そこで、本実施形態のようにすることで、このような無駄な処理が不要となり、特図変動表示ゲームの開始時における制御を簡単なものとすることができる。
【0226】
なお、サポ当りや天井への到達に基づいてそれぞれ特定の変動パターンや結果態様を設定するようにした場合、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発生した場合には、当該特図変動表示ゲームでは開始時にサポ当りに基づく変動パターンや結果態様が選択されるが、特図変動表示ゲームの終了時に付与される特定遊技状態ST4の終了条件はサポ当りに基づく終了条件ではなく天井への到達に基づく終了条件とされる。
変動パターンや結果態様としてはサポ当りに対応したものが選択されるのに対し、付与される特定遊技状態ST4の終了条件は天井への到達に基づく終了条件となるという矛盾が生じるが、特定遊技状態ST4に移行することに変わりはないため遊技者が不満に思うことはない。特に、本実施形態の遊技機では、天井への到達に基づく終了条件の方が遊技者にとって有利であるので遊技者が不満を持つことはない。
【0227】
特図変動表示ゲームの開始時における制御に余裕がある場合には、特図変動表示ゲームの開始時に天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生するかを判定するようにしても良い。天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生する場合には、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様をはずれ結果に対応したものや天井への到達に対応したものとすることで矛盾が生じないようにすることができる。本実施形態の遊技機では、サポ当りや天井への到達に基づいて特定の変動パターンや結果態様を設定しないため、このような矛盾が生じることはない。
【0228】
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図22に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を示す。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
【0229】
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率&時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA797)。
【0230】
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(例えば、第3遊技状態表示部56c)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数1領域及び時間短縮変動回数2領域をクリアする(ステップA802、A803)。これにより普電サポート及び時短状態が終了する。さらに、天井カウンタ領域をクリアし(ステップA804)、天井時短発動フラグ領域をクリアして(ステップA805)、天井到達済みフラグ領域をクリアする(ステップA806)。なお、特定遊技状態ST4の終了条件となる小当りの種類ごとに設定された導出回数をクリアするとともに、特定遊技状態ST4において小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアするようにしても良い。
【0231】
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA807)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA808)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA809)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA810)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA811)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
【0232】
〔サポ作動処理〕
図23に、上述の特図表示中処理におけるサポ作動処理(ステップA756)を示す。
このサポ作動設定処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号及び大当り3信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA821)。次に時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA822)。ここではタイマ初期値として128msをセーブする。これにより、時短の開始に関する信号のうち、大当り3信号に関しては短い時間だけ出力されるようになる。
【0233】
次いで、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA823)。
【0234】
さらに、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA824)、普図ゲートモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA825)、確率状態フラグを維持して時短ありにするために、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグを合成する(ステップA826)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA827)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップA828)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA829)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA830)。演出モード移行情報に基づき対応するテーブルのアドレスを取得することで、変動選択テーブル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオも取得される。
【0235】
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA831)。さらに、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA832)、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA833)。ここでセーブされた情報に基づき、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後から所定回数の特図変動表示ゲームを実行することに基づき演出モードや変動選択テーブル群が移行するようになる。
【0236】
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA834)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA835)、演出コマンド設定処理(ステップA836)を行う。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA837)、演出コマンド設定処理(ステップA838)を行い、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA839)、演出コマンド設定処理(ステップA840)を行う。
そして、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA841)、演出モード移行情報領域をクリアして(ステップA842)、サポ作動設定処理を終了する。
【0237】
〔大当り終了処理〕
図24に、本実施形態の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)を示す。
この大当り終了処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA901)。時短の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、低確率&時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA902)。
【0238】
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA903)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA904)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグをセーブする(ステップA905)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする(ステップA906)。ここでは、時間短縮変動回数1領域及び時間短縮変動回数2領域に終了条件に応じた初期値をセーブする。また、小当りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアする。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、普電サポート状態及び時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値や小当りの種類ごとの終了条件となる導出回数をセットすることで、所定回数の特図変動表示ゲームの実行や所定回数の小当りの導出により普電サポート状態及び時短状態が終了するようになる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を入賞容易な状態とする特定遊技状態(時短状態、普電サポート状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
【0239】
その後、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA910)、演出コマンド設定処理(ステップA911)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「時短あり」、「時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。次いで、時間短縮変動回数1に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA914)、演出コマンド設定処理(ステップA915)を行う。
【0240】
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA918)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA917)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA918)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA919)。続いて、確率変動判定データ領域の情報をクリアし(ステップA920)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA921)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA922)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA923)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA924)、大当り終了処理を終了する。
【0241】
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図25に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示す。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA41)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA41;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA41;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA42)。
【0242】
条件装置が作動中である場合(ステップA42;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA42;N)は、特定領域スイッチに入力があるかを判定する(ステップA43)。そして、特定領域スイッチに入力がない場合(ステップA43;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定領域スイッチに入力がある場合(ステップA43;Y)は、特定領域通過フラグをセットし(ステップA44)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フラグがあることに基づき第1特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
【0243】
〔小当り残存球処理〕
図26に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)において
図26に示す処理を示す。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA861)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA861;Y)は、ステップA863に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA861;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA862)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA862;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA862;Y)は、ステップA863以降の小当りを終了するための処理を行う。
【0244】
すなわち、特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するための処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が特別変動入賞装置38に流入してから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するようにしている。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないようにしても良い。よって、ステップA861の処理は行わないようにしても良い。
【0245】
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステップA863)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ38dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステップA863;Y)は、ステップA870に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、特定領域通過がない場合(ステップA863;N)は、ステップA864に移行して第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行う。
【0246】
ステップA864以降の第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA864)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA865)。次に、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA866)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA867)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA868)、小当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップA869)、小当り残存球処理を終了する。
【0247】
一方、特定領域通過があり(ステップA863;Y)、ステップA870以降の第1特別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA870)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA871)。次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA872)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA873)。
【0248】
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA874)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA875)。
【0249】
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA876)、ラウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA877)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(5又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA878)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA879)、ラウンド数領域に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA880)。ラウンド数の上限値としては5又は10ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では4ラウンド分又は9ラウンド分の開放が行われるようにしている。
【0250】
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステップA881)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。さらに、V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA883)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA884)を行って、ステップA868に移行する。
【0251】
〔小当り終了処理〕
図27に、本実施形態の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)を示す。
この小当り終了処理では、まず、普電サポート中であるかを判定する(ステップA931)。普電サポート中である場合(ステップA931;Y)は、ステップA937に移行する。普電サポート中でない場合(ステップA931;N)は、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA932)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA933)、ステップA937に移行する。
【0252】
次に、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA937)。天井時短発動フラグがない場合(ステップA937;N)は、ステップA940に移行する。また、天井時短発動フラグがある場合(ステップA937;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(ステップA938)。ここでは時間短縮変動回数1領域に時間短縮変動回数1として505を設定し、時間短縮変動回数2領域に時間短縮変動回数2として500を設定する。また、小当りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアする。
そして、サポ作動設定処理を行い(ステップA939)、ステップA940に移行する。
【0253】
その後、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA940)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA941)。
さらに、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA942)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF、特別図柄2小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA943)。
続いて、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA944)、演出モード移行情報領域をクリアして(ステップA945)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA946)、小当り終了処理を終了する。
【0254】
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、
図28に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
【0255】
〔メイン処理〕
図28に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
【0256】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
【0257】
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
【0258】
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0259】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
【0260】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や表示板350を含む枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0261】
〔受信コマンドチェック処理〕
図29には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
【0262】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0263】
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
【0264】
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0265】
〔受信コマンド解析処理〕
図30には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
【0266】
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0267】
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0268】
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0269】
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0270】
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0271】
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0272】
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0273】
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0274】
次に、遊技の演出等について説明する。
図31には通常遊技状態ST1の通常ステージにおける演出の一例を示した。なお、他の遊技状態においても基本的には同様の表示内容とされるが、遊技状態によっては一部の表示内容について表示しないようにすることも可能である。また、通常遊技状態ST1であることや他の各遊技状態であることは、表示内容によって遊技者が判別できるようになっている。
【0275】
図31(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
【0276】
表示装置41の表示領域の右上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。第2飾りゲーム表示部82に表示される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム表示部81に表示される識別情報(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が表示されるようになっている。
【0277】
また、表示装置41の表示領域の右下部には、始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機中記憶表示部83が設けられる。
待機中記憶表示部83には、第1始動記憶や第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される。通常遊技状態ST1では第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを主として遊技が進行するため、待機中記憶表示部83には第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される。
待機中記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一に対応し、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示となるように記憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになっている。なお、待機中記憶表示部83に、特
図1変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶(第1始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、特
図2変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶(第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、の双方を表示するようにしても良い。
さらに、待機中記憶表示部83では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
【0278】
待機中記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が移行するようになっている。さらに、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、当該実行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の左上部には、第1始動記憶数(特
図1保留数)を表示する第1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特
図2保留数)を表示する第2始動記憶数表示部85bとが設けられる。
【0279】
また、表示装置41の表示領域の中央上部には、遊技状態を示す遊技状態表示86が表示され、ここでは通常遊技状態ST1であることが示されている。
また、表示領域の左下部には、特図変動表示ゲームの実行回数を表示する実行回数表示部90が設けられている。この実行回数表示部90は宝箱を模した表示であり、特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数となった場合などに遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能となっている。本実施形態の遊技機では、実行回数が「11」、「88」のような二桁ぞろ目や、「123」、「345」、「432」のような順目、「222」や「333」のような三つ揃い、「100」、「300」のようなキリ番の場合を所定回数としている。もちろん、これ以外の実行回数を所定回数としても良い。
【0280】
本実施形態では、第1特別遊技状態ST2の終了から計数を開始した特図変動表示ゲームの実行回数を示している。この計数の開始タイミングは、天井への到達を管理するために特図変動表示ゲームの実行回数の計数を開始するタイミングと一致しており、実行回数表示部90の値により天井への到達までの残り実行回数を把握可能となっている。
もちろん、これ以外の開始タイミングからの特図変動表示ゲームの実行回数を表示するようにしても良い。
【0281】
新たな特図変動表示ゲームが開始されると、
図31(b)に示すように待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ移行する演出が実行されるとともに、待機中記憶表示部83の左端以外にある飾り特図始動記憶表示が待機中記憶表示部83内において左へ移行する。さらに、第1始動記憶数表示部85aの数値が変化する。また、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で識別情報の変動表示が開始される。
【0282】
所定の変動時間が終了すると
図31(c)に示すように結果態様が停止表示される。ここでは結果がはずれとなっており、結果態様としてはずれの結果態様が表示される。結果が大当り又は小当りであった場合はそれぞれ対応する結果態様が表示される。また、結果がサポ当りであった場合ははずれの結果態様が表示されるが、サポ当りに対応した結果態様を表示するようにしても良い。
結果態様を表示する所定の停止表示時間が経過すると特図変動表示ゲームが終了し、実行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示が消去される。また、特図変動表示ゲームの終了に伴い実行回数表示部90に表示される実行回数が増加し、ここでは600回の特図変動表示ゲームを実行したことが示されている。
【0283】
図31(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始された後、
図31(e)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「遊」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われる。本実施形態の遊技機では、第1特別遊技状態の終了から大当りが発生せずに600回の特図変動表示ゲームを実行した場合に天井に到達して特定遊技状態ST4となるようにされている。この天井の到達に伴い開始される特定遊技状態ST4は遊タイムと称するものであり、この遊タイムを示す「遊」の文字が記載された示唆表示93が出現することで天井への到達を報知している。
【0284】
そして、
図31(f)に示すように天井の到達に基づく特定遊技状態ST4が開始されたことを示す「遊タイム突入!!」の報知表示94が行われ、
図31(g)に示すように遊技状態表示86に特定遊技状態ST4であることを示す「チャンスステージ」の表示がなされる。
また、特定遊技状態ST4では第2始動記憶に基づく特
図2変動表示ゲームが主として実行されるので、待機中記憶表示部83には第2始動記憶に対応した表示も行われる。第2始動記憶に対応する待機中記憶表示部83は、通常遊技状態ST1において第1始動記憶に対応する待機中記憶表示部83が表示されていた位置で同じように表示される。また、第1始動記憶に対応する待機中記憶表示部83は第2始動記憶に対応する待機中記憶表示部83の上に小さく表示される。なお、特定遊技状態ST4においては待機中記憶表示部83や実行中記憶表示部84を表示しないようにしても良い。
【0285】
図31(h)に示すように特図変動表示ゲームが終了すると、実行回数表示部90に表示された実行回数が増加する。実行回数表示部90に表示される実行回数は、天井に到達しても次回の大当りが発生するまで計数を継続するようになっている。すなわち、通常遊技状態ST1の通常ステージから、特定遊技状態ST4のチャンスステージに移行しても移行前の値を引き継いで計数を継続するようになっている。つまり、天井への到達までのゲーム数を示すことを目的として値を表示していたが、天井へ到達して当該目的が達成された後も値を引き継いて計数を継続している。また、第1の目的として天井への到達を目的として値を表示し、当該目的が達成された場合には単にゲーム数を表示するという第2の目的に変更して値を表示し、目的が変更されても値を引き継いで表示している。
【0286】
このように、本実施形態の遊技機では、天井の到達を実行回数表示部90で報知するようにしており、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様は天井への到達の有無に関係なく選択されたものとしている。これにより、天井の到達に伴い飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様を特定の変動パターンや結果態様に変更する必要がなく、制御の負担を軽減することができる。もちろん、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様を天井の到達を示す特定の変動パターンや結果態様としても良い。
【0287】
なお、実行回数表示部90は、天井の到達に伴い表示を終了し、次回の大当りに基づく第1特別遊技状態ST2の終了に伴い表示を開始するようにしても良い。また、天井の到達に伴い実行回数の表示のみを終了し、宝箱を模した表示は表示したままとしても良い。
また、実行回数表示部90は、第1特別遊技状態ST2の終了後、所定回数の特図変動表示ゲームを実行したタイミングから表示を開始するようにしても良い。また、宝箱を模した表示は第1特別遊技状態ST2の終了に伴い表示するがこの時点では実行回数の表示を行わず、実行回数の表示については第1特別遊技状態ST2の終了後、所定回数の特図変動表示ゲームを実行したタイミングから表示を開始するようにしても良い。
【0288】
また、実行回数表示部90は宝箱を模した表示に限られずどのような表示であっても良い。特図変動表示ゲームの実行回数の増加に伴い変化する表示であっても良く、例えば、特図変動表示ゲームの実行回数の増加に伴い、つぼみから徐々に膨らんで開花する表示とすることで天井への到達を示唆する表示としても良い。また、特図変動表示ゲームの実行回数の増加に伴い、宝箱の装飾や色彩が変化するようにして天井への到達を示唆するようにしても良い。
また、実行回数表示部90での実行回数の表示は、特図変動表示ゲームの終了に伴い実行回数が増加するカウントアップ方式での表示としたが、特図変動表示ゲームの終了に伴い天井到達までの残り実行回数が減少するカウントダウン方式での表示としても良い。
【0289】
また、
図31に示したように、通常遊技状態ST1の通常ステージから、特定遊技状態ST4のチャンスステージに移行しても移行前の値を引き継いで計数を継続するようにしたが、他のステージ移行の場合については移行前の値を引き継いても良いし、引き継がないでリセットするようにしても良い。値を引き継ぐか否かは値の種類に応じて決定するようにしても良い。
【0290】
例えば、
図31に示したような天井への到達までのゲーム数を値として示す場合には、第1特別遊技状態ST2に移行することや、第1特別遊技状態ST2から移行することで演出が異なるステージに移行した場合では、第1特別遊技状態ST2への移行前の値を引き継がないようにする。また、第2特別遊技状態ST3に移行することや、第2特別遊技状態ST2から移行することで演出が異なるステージに移行した場合は、第2特別遊技状態ST3への移行前の値を引き継ぐようにする。また、特定遊技状態ST4から通常遊技状態ST1に移行することで演出が異なるステージに移行した場合は移行前の値を引き継ぐようにする。さらに、通常遊技状態ST1や特定遊技状態ST4において遊技状態の移行を伴わずに同じ遊技状態の中で遊技の演出が異なる別のステージに移行した場合には、移行前のステージでの値を引き継ぐようにする。
天井への到達までのゲーム数ではなく、値として単に所定のタイミングからのゲーム数を示すだけの場合や、ゲーム数以外の値を示す場合は、上記した移行が発生した場合に移行前の値を引き継ぐようにしても良いし、引き継がないようにしても良い。
また、表示する値が所定の値に達した場合に値をリセットするようにしても良い。例えば、値が「999」に達した場合には次のゲームから値を「1」にリセットするようにしても良い。
【0291】
また、
図31に示したような実行回数表示部90による報知は、天井への到達に限られるものではなく、実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数となることに基づき実行可能である。すなわち、遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件が成立することに基づき、遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能である。
【0292】
例えば、
図31(i)に示すように実行回数が三つ揃いの111回となることに基づき報知を実行可能であり、ここでは宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「SPリーチ」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて、実行中の特図変動表示ゲームがSPリーチとなることが報知されている。
また、
図31(j)に示すように実行回数が順目の123回となることに基づき報知を実行可能であり、ここでは宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「激熱」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて、実行中の特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性が非常に高いことが報知されている。
また、実行中の特図変動表示ゲームではなく、始動記憶を対象とした示唆又は報知を行うようにしても良い。
上述のような報知は、実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数となることに基づき実行可能であるが、特定の回数において必ず行うようにしても良いし、特定の回数になっても報知を行わない場合があるようにしても良い。
【0293】
図32には、実行回数表示部90による示唆又は報知の別例を示した。この例は、特図変動表示ゲームの実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数であるか否かにかかわらず報知を実行可能とする例である。すなわち、遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件とは異なる所定の第2条件が成立することに基づき、遊技に関する示唆又は報知を行う例である。
ここでの第2条件としては演出の実行についての抽選に当選した場合とするが、特図変動表示ゲームの結果が所定の結果となる場合や、リーチやSPリーチなどの所定の変動パターンが選択された場合、始動記憶についての事前判定の結果が所定の結果であった場合、遊技者が演出ボタン25を操作した場合などであっても良い。
【0294】
図32(a)から(d)に示す例は、実行中の特図変動表示ゲームについての示唆又は報知を行う例である。
図32(a)に示すように、ここでは実行回数表示部90に表示される実行回数が「114」となっており、二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数ではない回数となっている。
このように特定の回数でない場合でも報知を実行可能であり、この場合はまず
図32(b)に示すように実行中記憶表示部84の実行中記憶表示が鍵を模した特定表示92に変化する。この特定表示92は、宝箱を模した実行回数表示部90が開いて示唆又は報知が行われることを示唆するものである。ここでは実行中の特図変動表示ゲームが対象なので実行中記憶表示が特定表示92に変化している。そして、
図32(c)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「リーチ」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われてリーチとなることが報知され、
図32(d)に示すようにリーチ状態となる。
【0295】
また、
図32(e)から(h)に示す例は、始動記憶についての事前判定結果の示唆又は報知を行う例である。
図32(e)に示すように、ここでは実行回数表示部90に表示される実行回数が「126」となっており、二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数ではない回数となっている。この特図変動表示ゲームの実行中に、
図32(f)に示すように待機中記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示が鍵を模した特定表示92に変化している。特定表示92に変化する飾り特図始動記憶表示は、示唆又は報知の対象となる始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示となっている。
そして、
図32(g)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「熱」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて始動記憶に大当りとなる可能性が高い始動記憶があることが報知され、
図32(h)に示すように飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化する。
【0296】
実行回数表示部90を用いて行われる示唆又は報知は上述のものに限られず、大当り、小当り又はSPリーチとなることや、演出で使用可能なポイントやアイテムを獲得することなど、どのようなものであっても良い。また、サポ当りが発生することを報知するようにしても良く、この場合には
図31に示したのと同様に飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様はサポ当りの有無に関係なく選択されたものとし、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様を特定の変動パターンや結果態様に変更する必要をなくして、制御の負担を軽減するようにしても良い。
【0297】
また、
図32に示した例では、報知の対象となる実行中記憶表示や飾り特図始動記憶表示を特定表示92に変化させるようにしたが、
図31に示す例においても同様に報知の対象となる実行中記憶表示や飾り特図始動記憶表示を特定表示92に変化させるようにしても良い。
また、
図31に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数になる第1条件の成立に基づき行われる報知と、
図32に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数であるか否かにかかわらず第2条件の成立に基づき行われる報知と、の両方をそれぞれ一の特図変動表示ゲームで実行可能としても良い。
また、
図31に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数になる第1条件の成立に基づき行われる報知と、
図32に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数であるか否かにかかわらず第2条件の成立に基づき行われる報知と、の両方について一の特図変動表示ゲームで実行することが選択された場合に、いずれか一方の報知を優先するようにして当該一方の報知のみ行うようにしても良い。例えば、特定の回数であることから
図31に示した報知を優先するようにしても良いし、報知する対象があることに基づき行われる
図32に示した報知を優先するようにしても良い。
【0298】
また、特図変動表示ゲームの実行中に限られず、特別遊技状態の実行中に実行回数表示部90を用いて示唆又は報知を行うようにしても良い。例えば、特別遊技状態の終了後の特定遊技状態ST4の終了条件を示唆又は報知するようにしても良い。また、大当りとなる確率を高確率と低確率のいずれかで制御可能な遊技機の場合は、特別遊技状態の終了後の確率を示唆又は報知するようにしても良い。
【0299】
特別遊技状態の実行中においては、実行回数表示部90にラウンド数を表示するようにしても良いし、獲得遊技球数を表示するようにしても良く、これらの値が所定の値となった場合に示唆表示93を出現させるようにしても良いし、値に関係なく示唆表示93を出現させるようにしても良い。また、獲得遊技球数を表示する場合には、通常遊技状態ST1での大当りの導出から、通常遊技状態ST1に戻るまでの期間であるいわゆる連荘期間で獲得した獲得遊技球数を表示するようにしても良い。また、連荘期間での大当り回数である連荘回数を実行回数表示部90に表示し、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
【0300】
また、上述の例では所定のタイミングとなると宝箱を模した実行回数表示部90が開くようにしたが、遊技者による演出ボタン25などの操作に基づき宝箱を模した実行回数表示部90が開いて示唆又は報知を行うようにしても良い。また、複数の宝箱を模した実行回数表示部90を表示し、遊技者による演出ボタン25などの操作に基づき開く宝箱を選択できるようにしても良い。
【0301】
また、実行回数表示部90に表示する実行回数は第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数としたが、任意のタイミングからの特図変動表示ゲームの実行回数とし、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。例えば、所定条件の成立に伴い特定の演出モードを発生可能とし、当該演出モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数を表示するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの実行回数ではなく、遊技の演出で獲得したポイント数を実行回数表示部90に表示し、当該ポイントが所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。また、任意のタイミングからの経過時間を実行回数表示部90に表示し、当該経過時間が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
【0302】
また、任意のタイミングからの特定の結果態様の導出回数を実行回数表示部90に表示し、当該導出回数が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。特定の結果態様としては、小当りの導出回数としても良いし、小当りのうちの特定の種類の小当り(例えば小当りA)としても良い。特に、本実施形態の遊技機では、特定遊技状態ST4において小当りの種類ごとに終了条件を満たす導出回数が定められており、特定遊技状態ST4の開始からの小当りの種類ごとの導出回数を表示することで特定遊技状態ST4の終了条件の成立の可能性を遊技者が視認することが可能となる。
また、小当りについては種類によって飾り特図変動表示ゲームの結果態様が異なるようにして小当りの種類を判別できるようにしているが、宝箱を模した実行回数表示部90から出現する示唆表示93により導出された小当りの種類を報知するようにしても良い。また、飾り特図変動表示ゲームでの小当りの結果態様を小当りの種類にかかわらず共通の結果態様とし、宝箱を模した実行回数表示部90から出現する示唆表示93により導出された小当りの種類を報知するようにしても良い。
【0303】
また、特定遊技状態ST4の開始からの特図変動表示ゲームの実行回数を実行回数表示部90に表示し、特図変動表示ゲームの実行回数による特定遊技状態ST4の終了条件の成立の可能性を遊技者が視認できるようにしても良い。さらに、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
またRTC338からの情報に基づき日時や時刻の情報を実行回数表示部90に表示し、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
【0304】
また、上述のように、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数以外の値を表示する場合には、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数を併せて表示するようにしても良い。また、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数以外の値を表示している期間では、一時的に第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数の表示を行わないようにし、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数以外の値の表示が終了した後に第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数の表示を再開するようにしても良い。
【0305】
図33には、天井への到達を示唆する到達示唆演出の別例を示した。
図33(a)、(b)に示すように特図変動表示ゲームが実行され、天井に到達するまでの残り実行回数が50ゲームとなっている。これに伴い次の特図変動表示ゲームから天井への到達を示唆する到達示唆演出が開始される。
この到達示唆演出では、まず
図33(c)に示すように到達示唆演出が開始されることを報知する報知表示95が行われ、
図33(d)に示すように表示領域の右下部に天井への到達の可能性を示唆する状態表示部96が表示される。
【0306】
状態表示部96は、
図33(d)に示すような笑顔の表示と、
図33(e)に示すようなドクロの表示と、を表示可能である。
天井への到達の条件は大当りが発生せずに規定回数の特図変動表示ゲームを実行することであり、規定回数の特図変動表示ゲームを実行する前に大当りが発生すると積算された特図変動表示ゲームの実行回数がリセットされてしまう。状態表示部96は、天井の到達まであと僅かという期間において天井へ到達できるかを示唆するものであり、実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとならない場合は、まもなく天井へ到達する可能性があり遊技者にとって有利であるとして笑顔の表示とする。
【0307】
また、実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる場合は、積算された特図変動表示ゲームの実行回数がリセットされてしまい天井への到達が遠くなってしまうので、遊技者にとって不利であるとしてドクロの表示とするようになっている。
さらに、
図6に示したように、通常遊技状態ST1で大当りとなる場合よりも、特定遊技状態ST4において大当りとなる場合の方が遊技者にとって有利であり、天井への到達まであと僅かという状態では、天井に到達する前に大当りとなってしまうよりも天井に到達してから大当りとなった方が良いため、この期間での大当りの発生が遊技者にとって不利であるとしてドクロの表示としている。
【0308】
また、
図33(f)に示すように実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが完了することで天井に到達する状況において、実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りでないことが事前判定結果により判明して天井への到達が確定した場合には、状態表示部96に「遊」の表示を行うことで天井への到達が確定したことを報知可能となっている。
以上のように状態表示部96で様々な表示を行うことにより、天井への到達を期待する遊技者の興趣を向上するようにしている。
【0309】
また、状態表示部96を表示する到達示唆演出の実行中においては、遊技者が演出の実行態様を演出ボタン25などの操作によって選択可能となっている。
選択可能な演出の実行態様としては、
図33(d)に示すような通常の演出の実行態様の他、
図33(g)に示すように特図変動表示ゲームの変動開始や停止などに関係なく到達示唆演出の全期間にわたり一連の演出映像を表示する実行態様や、
図33(h)に示すように特図変動表示ゲームの変動開始や停止などに関係なく演出において使用可能なアイテムを収集するサブゲームを表示する実行態様が挙げられる。
【0310】
図33(g)や(h)に示すような演出の実行態様では、飾り特図変動表示ゲームよりも演出表示やサブゲームが主として表示され、特図変動表示ゲームの実行や結果を遊技者に意識させないようにするものとなっている。なお、
図33(g)や(h)に示したような演出の実行態様でも、第2ゲーム表示部82において飾り特図変動表示ゲームが表示されることや、状態表示部96により天井への到達が示唆されることで、特図変動表示ゲームの実行状況は把握可能である。
【0311】
通常の遊技においては大当りとなることに対して遊技者は期待を持つので、リーチの発生など大当りの発生を煽る演出は遊技者の期待感を高めて効果的な演出となる。しかし、天井への到達が近い状況では逆に大当りとならないことに対して遊技者は期待を持つので、リーチの発生など大当りの発生を煽る演出は遊技者の不安感を高めるものとなり逆効果となる。このため、
図33(g)や(h)に示したような演出の実行態様とすることで、リーチの発生などの大当りの発生を煽る演出を行わないようにし、遊技者が不安感を持たないようにすることで遊技の興趣の低下を防止することができる。
【0312】
なお、状態表示部96では、天井へ到達可能なことを示す笑顔の表示と、天井へ到達できないことを示すドクロの表示を行うとしたが、これ以外の表示を行うようにしても良い。例えば、それぞれが示唆する天井への到達の可能性の高さが異なる3つ以上の複数の表示のうちからいずれかを表示可能とし、天井への到達の期待度を示唆するようにしても良い。
また、状態表示部96において天井への到達に関する事項以外の遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良く、上述した実行回数表示部90で行っていた示唆又は報知を状態表示部96において行うようにしても良い。
また、状態表示部96で行っていた示唆又は報知を実行回数表示部90から出現する示唆表示93により行うようにしても良い。
【0313】
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であることとなる。
したがって、遊技の進行に伴い遊技に関する示唆又は報知が行われるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
【0314】
また、遊技の演出を表示する表示手段(表示装置41)を備え、演出制御手段は、ゲームの実行回数が所定の回数となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であり、ゲームの実行回数を表示手段に表示可能であることとなる。
したがって、演出の実行タイミングを遊技者が把握可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
【0315】
また、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技球の入賞によりゲームの実行権利を発生であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37)と、を備え、遊技制御手段は、ゲームの結果が特別結果となることに基づき遊技者に有利な特別遊技状態(第1特別遊技状態ST2)を発生可能であり、変動入賞装置の動作状態を、第1状態(普電サポート無し)と、該第1状態よりも遊技球の入賞が容易な第2状態(普電サポート有り)とのいずれかで制御するように構成され、特別遊技状態の終了からのゲームの実行回数が予め定められた特定回数となることに基づき、第1状態から第2状態に変更することが可能であり、演出制御手段は、特別遊技状態の終了からのゲームの実行回数を表示手段に表示可能であり、当該ゲームの実行回数が所定の回数となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うようにしたこととなる。
したがって、天井への到達を示唆しつつ様々な情報が示唆又は報知されるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
【0316】
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、演出制御手段は、遊技の進行に伴い変化する値が所定の値となる第1条件と、第1条件とは異なる所定の第2条件と、のいずれかが成立することに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であることとなる。
したがって、遊技の進行に伴い遊技に関する示唆又は報知が行われるようになり、さらに、別の第2条件の成立でも遊技に関する示唆又は報知が行われるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
【0317】
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、演出制御手段は、遊技の演出が異なる複数のステージのうちから一のステージを選択して設定可能であり、遊技の進行に伴い変化する値が所定値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可能であり、ステージの移行があった場合に、移行前のステージでの値を移行後のステージに引き継ぐことが可能であることとなる。
したがって、ステージが移行しても引き続き遊技の進行に伴い遊技に関する示唆又は報知が行われるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
【0318】
次に、特定遊技状態ST4での遊技の進行について説明する。
図34(a)には、特定遊技状態ST4での遊技の進行の一例を示した。この例では特定遊技状態ST4の終了条件がサポートA又はサポートBである場合を示した。
第1特別遊技状態ST2で特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t11)、エンディング期間となり(t11~t12)、エンディング期間が終了すると第1特別遊技状態ST2が終了して特定遊技状態ST4となって普電サポート有りの状態となる(t12)。
また、第1特別遊技状態ST2の終了に伴い特図変動表示ゲームが開始され(t12)、識別情報を変動表示する変動時間(t12~t13)を経て結果を停止表示する停止表示時間となる(t13~t14)。停止表示時間が終了すると特図変動表示ゲームが終了する(t14)。
【0319】
ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特別遊技状態ST3となる(t14)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4で1回目の小当りAの導出であり、特定遊技状態ST4での1回目の特図変動表示ゲームであるので、特定遊技状態ST4の終了条件は成立していない。このように終了条件が成立しない小当りの導出に基づく第2特別遊技状態ST3では、結果が導出された際の状態である普電サポート有りの状態が維持される。
【0320】
第2特別遊技状態ST3では、まずファンファーレ期間となり(t14~t15)、その後に特別変動入賞装置38が開放される開放期間となり(t15~t16)、エンディング期間となって(t16~t17)第2特別遊技状態ST3が終了する。ここでは第2特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入しておらず、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始される(t17)。
この特図変動表示ゲームにおいても、識別情報を変動表示する変動時間(t17~t18)、結果を停止表示する停止表示時間(t18~t19)を経て特図変動表示ゲームが終了する(t19)。ここでは結果がはずれであり、この特図変動表示ゲームは特定遊技状態ST4での2回目の特図変動表示ゲームであるので、特定遊技状態ST4の終了条件は成立しておらず、普電サポートありの状態が維持されたまま次の特図変動表示ゲームが開始される(t19)。
【0321】
この特図変動表示ゲームにおいても、識別情報を変動表示する変動時間(t19~t20)、結果を停止表示する停止表示時間(t20~t21)を経て特図変動表示ゲームが終了する(t21)。ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特別遊技状態ST3となる(t21~t24)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4で2回目の小当りAの導出であり、特定遊技状態ST4での3回目の特図変動表示ゲームであるので、特定遊技状態ST4の終了条件は成立していない。終了条件が成立しない小当りの導出に基づく第2特別遊技状態ST3では、結果が導出された際の状態である普電サポート有りの状態が維持される。
ここでは第2特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入しておらず、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始される(t24)。
【0322】
次の特図変動表示ゲームでも識別情報を変動表示する変動時間(t24~t25)、結果を停止表示する停止表示時間(t25~t26)を経て特図変動表示ゲームが終了する(t26)。ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特別遊技状態ST3となる(t26~t29)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4で3回目の小当りAの導出であり、これにより特定遊技状態ST4の終了条件が成立している。
【0323】
特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りが導出された際には、特図変動表示ゲームの停止表示時間の終了に伴い普電サポートが終了するようになっている(t26)。これにより、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3は普電サポート無しの状態で行われることとなる。ここでは第2特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入しており、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い第1特別遊技状態ST2となる(t29)。
【0324】
図34(b)には、第2特別遊技状態ST3におけるレバーソレノイド38fの動作と、第2特別遊技状態ST3の実行態様について示した。
レバーソレノイド38fは、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材を動作するものであり、レバーソレノイド38fがONの状態ではレバー部材が特定領域を開放して遊技球の流入を許容する状態となり、レバーソレノイド38fがOFFの状態ではレバー部材が特定領域を閉鎖して遊技球の流入を不能とする状態となる。
【0325】
上段には普電サポート有りの状態で行われる第2特別遊技状態ST3の動作態様である第1動作態様を示した。この第1動作態様では、特別変動入賞装置38を開放する前のファンファーレ期間(t41~t44)の間にレバーソレノイド38fがON状態となって特定領域への遊技球の流入を許容する状態となる(t43~t44)。その後、特別変動入賞装置38を開放する開放期間では(t44~t46)、レバーソレノイド38fはOFF状態が維持されて特定領域への遊技球の流入を不能とする状態となる。開放期間の終了後、特別変動入賞装置38の閉鎖後のエンディング期間(t46~t47)でもレバーソレノイド38fはOFF状態が維持されて特定領域への遊技球の流入を不能とする状態のままとされ、第2特別遊技状態ST3が終了する。
【0326】
すなわち、第1動作態様では特別変動入賞装置38が開放される前に特定領域への遊技球の流入を許容する状態が終了しており、特別変動入賞装置38が開放される開放期間では特定領域へ遊技球が流入できない状態となる。よって、特別変動入賞装置38の開放に伴い遊技球が特別変動入賞装置38に流入しても特定領域へは流入できないこととなり、第1特別遊技状態ST3の発生は困難となる。
【0327】
これに対して下段に示す普電サポート無しの状態で行われる第2特別遊技状態ST3の動作態様である第2動作態様では、特別変動入賞装置38を開放する前のファンファーレ期間(t41~t42)の後の特別変動入賞装置38を開放する開放期間(t42~t44)において、レバーソレノイド38fがON状態となって特定領域への遊技球の流入を許容する状態となる(t43~t44)。その後、エンディング期間となって(t44~t45)、第2特別遊技状態ST3が終了する。
すなわち、第2動作態様では特別変動入賞装置38が開放されている期間に特定領域への遊技球の流入を許容する状態となるので、特別変動入賞装置38に遊技球が流入すれば特定領域へ流入する可能性があり、第1特別遊技状態ST3が発生する可能性がある。
【0328】
図34(a)の例では、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しない小当りに基づく第2特別遊技状態ST3の場合(t14~t17、t21~t24)は、第2特別遊技状態ST3は普電サポート有りの状態で行われることとなるので
図34(b)の上段に示す第1動作態様となり、特別変動入賞装置38に遊技球が流入しても特定領域へは流入できず第1特別遊技状態ST2の発生は困難である。
これに対して、特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りに基づく第2特別遊技状態ST3の場合(t26~t29)は、第2特別遊技状態ST3は普電サポート無しの状態で行われることとなるので
図34(b)の下段に示す第2動作態様となり、特別変動入賞装置38に遊技球が流入すれば特定領域へ遊技球が流入可能であり第1特別遊技状態ST3が発生する可能性がある。
【0329】
このように普電サポートの有無により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせ、小当りの導出により特定遊技状態ST4の終了条件が成立した場合にのみ第1特別遊技状態ST3が発生する可能性があるようにすることで、特定遊技状態ST4で規定回数の小当りを発生させることを目的とする新たなゲーム性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0330】
さらに、小当りの種類によりその後に設定される特定遊技状態ST4の終了条件を異ならせるとともに、特定遊技状態ST4の終了条件において小当りの種類ごとに終了条件が成立する導出回数を異ならせることで、小当りの種類や終了条件について価値の差を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0331】
図6(c)に示したように、小当りの種類によって付与される特定遊技状態ST4の終了条件が異なっており、小当りAはサポートAが付与され、小当りBはサポートBが付与され、小当りCはサポートCが付与される。サポートAからCは遊技者にとっての有利さが異なるものであり、小当りAからCは遊技者にとっての有利さが異なるものとなっている。
【0332】
図6(f)に示した特定遊技状態ST4の終了条件においては、サポートAよりもサポートBの方が遊技者にとって有利な終了条件である。この両条件は特定遊技状態ST4が終了する小当りの導出回数は共通であるが、実行可能なゲーム数が異なる。実行可能なゲーム数が多いほど小当りの導出により特定遊技状態ST4が終了する可能性が高まるので、サポートAよりもサポートBの方が遊技者にとって有利な終了条件である。
また、サポートBよりもサポートCの方が遊技者にとって有利な終了条件である。サポートBは実行可能なゲーム数がそれほど多くないため、実行可能なゲーム数が上限に達することにより特定遊技状態ST4が終了する可能性が高い。しかし、サポートCは実行可能なゲーム数が非常に多く、ほとんどの場合で小当りの導出により特定遊技状態ST4が終了することとなり、第1特別遊技状態ST2に移行する可能性が高い。
【0333】
よって、サポートAが付与される小当りAの導出により特定遊技状態ST4が終了するよりも、サポートBが付与される小当りBの導出により特定遊技状態ST4が終了する方が遊技者にとって有利である。また、サポートBが付与される小当りBの導出により特定遊技状態ST4が終了するよりもサポートCが付与される小当りCの導出により特定遊技状態ST4が終了する方が遊技者にとって有利である。なお、実行可能なゲーム数が上限に達することで特定遊技状態ST4が終了する場合が最も不利な場合となる。
【0334】
そして、サポートA、サポートBの場合は、小当りAを3回導出、小当りBを1回導出、小当りCを1回導出のいずれかで終了条件が成立するので、小当りAからCのいずれでも終了条件が成立する可能性があるようにされている。また、実行可能なゲーム数が少ないので小当りの導出により終了条件が成立する前にゲーム数が上限に達することで終了条件が成立することも多い。
【0335】
これに対してサポートCの場合は、小当りAを500回導出、小当りBを10回導出、小当りCを1回導出のいずれかで終了条件が成立するようにしているため、小当りAの導出により終了条件が成立することはほとんどない。また、実行可能なゲーム数が多いのでゲーム数により終了条件が成立する前に小当りの導出により終了条件が成立することがほとんどである。よって、実質的に小当りB又は小当りCの導出により終了条件が成立することとなり、特に、小当りCの導出により終了条件が成立する可能性が高い。
つまり、サポートCはサポートAやサポートBよりも遊技者にとって有利な終了条件で特定遊技状態ST4が終了する可能性が高く、サポートA、サポートBに比べて非常に有利なものとなっている。
【0336】
このように、特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りの導出回数を小当りの種類により異ならせることで、第1特別遊技状態ST2に移行する可能性の高さや、付与される特定遊技状態ST4の終了条件に差異を持たせることができる。
また、設定する小当りの導出回数によっては実質的に終了条件が成立する小当りを限定することが可能となり、終了条件が成立する小当りの種類について遊技機で設定されている各小当りの種類の選択確率だけでは実現できない偏りを持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。例えば、小当りの種類の選択確率は、
図6(b)に示したように小当りAが最も高く、小当りB、小当りCの順に低くなっているが、サポートCで終了条件が成立する可能性の高さは、上述の選択確率の順とは逆に小当りAが最も低く、小当りB、小当りCの順に高くなっていて小当り種類の選択確率とは逆転しており、小当りの種類の選択確率自体を変更することなく終了条件が成立する可能性の高さを任意に設定可能である。
【0337】
なお、特図変動表示ゲームの実行回数が上限に達することで特定遊技状態ST4が終了して残保留消化状態ST5となった場合において、当該残保留消化状態ST5で小当りが導出された場合には、第2特別遊技状態ST2での動作態様を
図34(b)の上段の第1動作態様とする場合と、下段の第2動作態様とする場合とが考えられる。
【0338】
残保留消化状態ST5は普電サポートなしの状態となるので、これに従い
図34(b)の下段に示した第2動作態様とするようにし、残保留消化状態ST5で小当りを導出すれば大当りとなる可能性を持たせるようにしても良い。このようにする場合は、特定遊技状態ST4の終了時に残保留となる第2始動記憶の事前判定結果に基づき小当りとなる可能性があることを示唆又は報知するようにしても良い。
また、特定遊技状態ST4の終了から残保留消化状態ST5の終了までを一連の演出として、残保留消化状態ST5に移行したことを遊技者に意識させないようにしても良い。このようにすることで特定遊技状態ST4において小当りが導出されて大当りとなったかのような印象を持たせることができる。
さらに、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームと残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲームを一連の演出として一の特図変動表示ゲームのように見せることで、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームでは小当りが導出されて大当りとなりやすいという印象を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0339】
これに対して残保留消化状態ST5で小当りが導出された場合には、
図34(b)の上段に示した第1動作態様とするようにし、残保留消化状態ST5で小当りが導出されても大当りとならないようにしても良い。このようにすれば、特定遊技状態ST4が小当りの導出により終了条件が成立して終了した場合にのみ特定領域への遊技球の流入が容易となるようにすることができ、特定遊技状態ST4で小当りを規定回数発生させることに対する価値を持たせることができる。
【0340】
また、特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合に、特定遊技状態ST4での最後の特図変動表示ゲームの結果が終了条件を満たさない小当りである場合は、第2特別遊技状態ST2での動作態様を
図34(b)の上段の第1動作態様とする場合と、下段の第2動作態様とする場合とが考えられる。
【0341】
特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合には、当該最後の特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートが終了するので、最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出されると当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3では普電サポートがない状態となる。これに従い、当該第2特別遊技状態ST3での動作態様を
図34(b)の下段に示した第2動作態様としても良い。
このようにすることで、最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出すれば、小当りの導出回数による終了条件を満たしていなくても大当りとなる可能性を持たせることができ、特定遊技状態ST4の終了により落胆する遊技者を救済するような構成とすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出させれば大当りとなるというゲーム性を持たせることもできる。
【0342】
このような構成とした場合は、小当りの導出回数による特定遊技状態ST4の終了条件を設定せずに、特図変動表示ゲームの実行回数のみを条件とする特定遊技状態ST4の終了条件を設けても良い。例えば、100回の特図変動表示ゲームを実行することのみを特定遊技状態ST4の終了条件とすれば、特定遊技状態ST4で100回の特図変動表示ゲームを実行することが可能となる上に、最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出すれば第1特別遊技状態ST2が獲得可能となるというゲーム性を持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
【0343】
これに対して、特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合には、当該最後の特図変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態ST3での動作態様を
図34(b)の上段に示した第1動作態様としても良い。
このようにすることで、小当りの導出回数が終了条件を満たさない場合には大当りとならないようにすることができ、小当りの導出回数により終了条件を満たすことに対する価値を持たせることができる。
【0344】
また、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームの結果が終了条件を満たさない小当りである場合には、最後の特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートを終了するのではなく、第2特別遊技状態ST3の終了まで普電サポート有りの状態とするようにし、第2特別遊技状態ST3の動作態様が普電サポートの有無に従うものとするようにして
図34(b)の上段に示した第1動作態様となるようにしても良い。
【0345】
また、
図35に示すように、特定遊技状態ST4の終了タイミングを、実行回数が上限に達することで終了条件が成立した場合と、小当りの導出回数により終了条件が成立した場合と、で異ならせるようにしても良い。
実行回数が上限に達することで終了条件が成立した場合は、
図35(a)に示すように特定遊技状態ST4での最後の特図変動表示ゲーム(t51~t53)で停止表示時間が終了したタイミング(t53)で普電サポートを終了して特定遊技状態ST4を終了する。
また、小当りの導出回数により終了条件が成立した場合は、
図35(b)に示すように小当りとなる特図変動表示ゲーム(t61~t63)が終了しても普電サポートを維持し、第2特別遊技状態ST2(t63~t66)が終了したタイミング(t66)で普電サポートを終了して特定遊技状態ST4を終了する。
また、第2特別遊技状態ST3での動作態様は、
図34(b)に示したように第2特別遊技状態ST3の開始時の普電サポート有無により設定されるものとする。
【0346】
このようにすることで、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出された場合にのみ、大当りとなる可能性を持たせることができる。すなわち、特定遊技状態ST4を完走して最後に小当りを導出させれば大当りとなり、特定遊技状態ST4を完走する前に小当りの導出回数により終了条件が成立してしまうと大当りとはならずに特定遊技状態ST4が終了してしまうというゲーム性を持たせることができる。
【0347】
図35(c)に示す例は、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出される例である。
この例では、特定遊技状態ST4で実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲーム(t71~t73)が実行されており、当該特図変動表示ゲームの結果が小当りとなっている。この小当りの導出は終了条件を満たさないものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t73~t76)では普電サポート有りの状態とされ、
図34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。
【0348】
第2特別遊技状態ST3の終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t76~t78)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達する特図変動表示ゲームであり、この特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートが終了して特定遊技状態ST4が終了する(t78)。この特図変動表示ゲームは結果が小当りとなるものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3では普電サポート無しの状態とされる。この第2特別遊技状態ST3では
図34(b)の下段の第2動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入して第1特別遊技状態が開始されている(t81)。
このように、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出された場合には、特定領域へ遊技球が流入して大当りとなる可能性がある。
【0349】
図35(d)に示す例は、実行回数が上限に達する前に小当りの導出により終了条件が成立した例である。
この例では、特定遊技状態ST4で実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲーム(t91~t93)が実行されており、当該特図変動表示ゲームの結果が小当りとなっている。この小当りの導出は終了条件を満たさないものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t93~t96)では普電サポート有りの状態とされ、
図34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。
【0350】
第2特別遊技状態ST3の終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t96~t98)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲームであり、普電サポート有りの状態が維持される。
この特図変動表示ゲームの終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t98~t100)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲームであるが結果が小当りであり、この小当りの導出により終了条件が成立している。この場合、特図変動表示ゲームの実行回数は上限に達していないので特図変動表示ゲームが終了しても普電サポートありの状態とされ、小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t100~t103)は普電サポート有りの状態で実行される。このため、
図34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。そして、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い普電サポートが終了して特定遊技状態ST4が終了する(t103)。
【0351】
このように、実行回数が上限に達する前に小当りの導出により終了条件が成立した場合は、大当りとならずに特定遊技状態ST4が終了する。このため、遊技者は特定遊技状態ST4の途中では小当りが導出されないことに対して期待し、特定遊技状態ST4の実行回数が上限に達する特図変動表示ゲームでは小当りの導出を期待するようになり、小当りに対する関心を高めることができて遊技の興趣を向上することができる。
【0352】
このような遊技の構成においても、
図6(f)に示したように終了条件を異ならせることで終了条件の価値を異ならせることが可能である。例えば、サポートAとサポートBは、小当りの導出による終了条件は同じであるが、サポートAの方が実行回数の上限が少ないので、小当りの導出により終了条件がする前に実行回数が上限に達する可能性が高く、サポートBよりは有利な終了条件となる。また、サポートAやサポートBは実行回数の上限がそれほど多くないので、特定遊技状態ST4において特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることはあまり期待できず、実行回数が上限に達することを主に期待する遊技性となる。
【0353】
また、サポートCは小当りAの導出により終了条件が成立する可能性はほぼないので、小当りAが導出されれば遊技者は安心するが、小当りBや小当りCの導出に対して警戒するようになる。また、実行回数の上限が多いため上限に達する可能性はそれほど高くなく、小当りBや小当りCの導出により特定遊技状態ST4が終了する可能性が高い。よって、特定遊技状態ST4が途中で終了するいわゆる転落が発生するような遊技性となり、転落の発生と特図変動表示ゲームの結果が大当りなることのいずれが先に起こるかについて関心を持ちつつ遊技を行う遊技性となり、サポートAやサポートBとは異なる遊技性を持たせることができる。
【0354】
なお、以上の実施形態では、普電サポートの有無により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせるようにしたが、普電サポートの有無に関係なく異ならせるようにしても良い。
例えば、小当りの種類により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせるようにしても良い。小当りAに基づく第2特別遊技状態ST3よりも小当りBに基づく第2特別遊技状態ST3の方が特定領域への流入の可能性が高いようにし、小当りBに基づく第2特別遊技状態ST3よりも小当りCに基づく第2特別遊技状態ST3の方が特定領域への流入の可能性が高いようにしても良い。
【0355】
また、特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせるようにしても良い。
特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数よりも少ない場合よりも、特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数より多い場合の方が特定領域への流入の可能性が高いようにしても良い。
【0356】
また、小当りの導出による終了条件では、全ての種類の小当りについてそれぞれが終了条件を構成するようにしたが、終了条件を構成しない小当り種類があるようにしても良い。例えば、小当りAが終了条件を構成しないようにし、小当りAが何回導出されても終了条件が成立しないようにしても良い。
また、小当りの導出よる終了条件では、単一種類の小当りの導出回数が所定数になることとしたが、複数種類の小当りの導出回数が所定数になることとしても良い。例えば、小当りAを3回導出するとともに小当りBを1回導出することで終了条件が成立するようにしても良い。
さらに、特図変動表示ゲームの実行回数と小当りの導出回数を組み合わせて終了条件としても良い。例えば、小当りAを3回導出するとともに特図変動表示ゲームを20回実行することを終了条件としても良い。このようにすることで、少なくとも20回の特図変動表示ゲームを実行するまでは特定遊技状態ST4となり、大当りが短時間に連続して発生してしまうことを防止できる。
【0357】
また、上述の説明では、複数種類の小当りのそれぞれに導出回数を定め、これを満たした場合に特定遊技状態ST4を終了するようにしたが、特定遊技状態ST4の終了条件以外でも同様の条件を用いることができる。
例えば、通常遊技状態ST1において小当りAを3回導出するか、小当りBを1回導出するか、小当りCを1回導出することで、遊技に関する示唆又は報知として始動記憶についての事前判定結果が示唆又は報知されるようにしても良い。また、通常遊技状態ST1においてはずれの結果態様として「246」を3回導出するか、「135」を2回導出するか、「456」を2回導出することで、遊技で使用可能なアイテムを獲得可能としても良い。また、複数個ある一般入賞口35についてそれぞれ入賞数を積算し、一般入賞口35ごとに定められた入賞数を満たすことにより特定の演出が実行されるようにしても良い。
【0358】
すなわち、小当りや特図変動表示ゲームの結果態様、複数の入賞口への入賞のように発生する事象の種類が複数あるものについて、一部又は全部の事象について発生回数を積算し、積算結果が種類ごとに定められた条件を満たすことに基づき対応する処理を行うものであればどのようなものであっても良い。
また、遊技機の構成も、上述したようないわゆる1種+2種のタイプに限られず、1種タイプ、2種タイプの遊技機であっても良い。
【0359】
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技を制御する制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、制御手段は、複数種類の事象の発生回数を事象ごとに積算し、当該積算の結果が事象ごとに定められた所定条件を満たすことに基づき対応する処理を行うようにしたこととなる。
したがって、単に事象の発生を期待するだけでなく、複数種類の事象のそれぞれについて定められた条件を満たすように発生することを期待することとなり、従来にない期待感を持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
【0360】
また、制御手段は、特定の遊技状態において導出されるゲームの結果を事象として、ゲームの結果の種類ごとに導出回数を積算し、当該積算の結果がゲームの結果の種類ごとに定められた所定条件を満たすことに基づき対応する処理として特定の遊技状態を終了するようにしたこととなる。
したがって、特図変動表示ゲームの結果が遊技状態の終了にもかかわるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
【0361】
また、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能な変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を備え、制御手段は、ゲームの結果に複数種類の特定結果(小当り)を含み、当該特定結果が導出された場合には変動入賞装置を開状態に変換するように構成され、特定の遊技状態において特定結果が導出された回数を種類ごとに積算し、当該積算の結果が特定結果の種類ごとに定められた所定条件を満たすことに基づき、特定の遊技状態(特定遊技状態ST4)を終了するように構成され、特定の遊技状態において、所定条件を満たさない特定結果の導出に基づく変動入賞装置の動作態様と、所定条件を満たすこととなる特定結果の導出に基づく変動入賞装置の動作態様と、を異ならせるようにしたこととなる。
したがって、所定条件を満たすか否かで変動入賞装置の動作態様が異なるので、遊技の興趣を向上することができる。
【0362】
また、変動入賞装置は、入賞した遊技球が流入可能な特定領域と、特定領域への遊技球の流入の可否を制御可能な制御部材と、を備え、制御手段は、ゲームの結果に複数種類の特定結果を含み、当該特定結果が導出された場合には変動入賞装置を開状態に変換し、特定領域への遊技球の流入に基づき特別遊技状態を発生可能であり、特定の遊技状態において特定結果が導出された回数を種類ごとに積算し、当該積算の結果が特定結果の種類ごとに定められた所定条件を満たすことに基づき、特定の遊技状態を終了するように構成され、特定の遊技状態において、所定条件を満たさない特定結果が導出された場合よりも、所定条件を満たすこととなる特定結果が導出された場合の方が、特定領域への遊技球の流入が容易となるようにするようにしたこととなる。
したがって、所定条件を満たすか否かで特定領域への流入の容易さが異なるので、遊技の興趣を向上することができる。
【0363】
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、入賞によりゲームの実行権利を発生可能であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能な普通変動入賞装置37と、ゲームの結果が特別結果となることに基づき、遊技球が入賞不可能な閉状態から入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、を備え、特別結果には、条件装置の作動を伴う大当りと、条件装置の作動を伴わない小当りがあり、特別遊技状態には、大当りに基づく第1特別遊技状態ST2と、小当りに基づく第2特別遊技状態ST3とがあり、制御手段(遊技制御装置100)は、普通変動入賞装置37の動作状態として、第1状態(普電サポート無し)と、第1状態よりも遊技球の入賞が容易な第2状態(普電サポート有り)のいずれかを設定可能であり、第2特別遊技状態ST3の実行態様を、第1状態である場合と第2状態である場合とで異ならせるようにしたこととなる。
したがって、第2特別遊技状態ST3の実行態様に変化が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
【0364】
また、特別変動入賞装置38は、入賞した遊技球が流入可能な特定領域を備え、制御手段は、特定領域への遊技球の流入に基づき第1特別遊技状態ST2を発生可能であり、第1状態である場合と第2状態である場合とで、第2特別遊技状態ST3における特定領域への入賞の容易さを異ならせるようにしたこととなる。
したがって、第1状態である場合と第2状態である場合とで第1特別遊技状態ST2が発生する可能性の高さが異なり遊技の興趣を向上することができる。
【0365】
また、制御手段は、所定回数のゲームを実行することで成立する第1条件と、ゲームの結果として所定の結果が所定回数導出されることで成立する第2条件と、のいずれかが成立することに基づき、第2状態から第1状態に移行するように構成され、
第1条件の成立に基づき第2状態から第1状態に移行するタイミングと、第2条件の成立に基づき第2状態から第1状態に移行するタイミングと、が異なるようにしたこととなる。
したがって、成立した条件により異なるタイミングで移行するようになり、遊技に変化が生まれ遊技の興趣を向上することができる。
【0366】
次に、ホールコンピュータなどの遊技機の外部にある外部装置へ出力する外部情報信号について説明する。
遊技制御装置100は、特別遊技状態に関する外部情報信号として、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号を出力することが可能である。
大当り1信号は、第1特別遊技状態ST2及び第2特別遊技状態ST3においてON状態となり、それ以外ではOFFとなる。
大当り2信号は、出玉のある大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合と、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において発生した出球のない大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合と、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5である場合にはON、それ以外ではOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機ではすべて出球のある大当りであるため、第1特別遊技状態ST2、特定遊技状態ST4及び残保留消化状態ST5である場合にONとなり、それ以外ではOFFとなる。なお、残保留消化状態ST5において発生した出球のない大当りに基づく第1特別遊技状態ST2と、残保留消化状態ST5である期間についてはOFFとしても良い。
【0367】
大当り3信号は、出玉のある大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合にはON、出玉のない大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機ではすべて出球のある大当りであるため、第1特別遊技状態ST2である場合にONとなる。また、サポ当り及び天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の開始時に短時間にわたりONとなる。それ以外ではOFFとなる。
大当り4信号は、第1特別遊技状態ST2においてONとなり、それ以外ではOFFとなる。
【0368】
ここで、大当り2信号と大当り3信号の出力態様は、大当りの発生による第1特別遊技状態ST2を経て特定遊技状態ST4(普電サポートありの状態)になる場合と、天井への到達やサポ当り(時短図柄当り)の導出により第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4になる場合と、で異なっている。
大当りの発生により第1特別遊技状態ST2を経て特定遊技状態ST4となる場合、大当り2信号は第1特別遊技状態ST2及び特定遊技状態ST4で継続してON状態とされる。また、大当り3信号は第1特別遊技状態ST2ではON状態とされ、第1特別遊技状態ST2が終了して特定遊技状態ST4が開始することに伴いOFF状態となる。
【0369】
天井への到達やサポ当りにより第1特別遊技状態ST2を経ずに通常遊技状態ST1から特定遊技状態ST4となる場合は、
図36(a)に示すように大当り2信号はOFF状態となっている状態から特定遊技状態ST4の開始に伴いON状態となる。また、大当り3信号はOFF状態となっている状態から、特定遊技状態ST4が開始することに伴い短時間(例えば128ms)だけON状態となるパルス信号として出力される。
なお、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4から新たな特定遊技状態ST4が開始する場合には、大当り2信号のON状態が継続している状態で大当り3信号のパルスが出力されることとなる。
【0370】
このように構成することで、詳細な情報を外部に報知することができる。すなわち、外部装置は、大当り2信号とともにパルス信号(大当り3信号のONパルス)を受信したか否かによって、開始する特定遊技状態ST4が、第1特別遊技状態ST2を経た特定遊技状態ST4と、第1特別遊技状態ST2を経ない特定遊技状態ST4と、のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0371】
この構成の場合、大当り2信号+パルス信号は、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4又はサポ当りに基づく特定遊技状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号と言える。
また、この構成は、特図変動表示ゲームの結果にサポ当りがなく天井機能がある遊技機に適用することも可能であり、その場合には、大当り2信号+パルス信号は、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号と言える。
また、この構成は、天井機能が搭載されておらずサポ当りがある遊技機に適用することも可能であり、その場合には、大当り2信号+パルス信号は、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号と言える。
【0372】
さらに、大当り2信号とともに出力するパルス信号(大当り信号のONパルス)を、天井への到達に基づき特定遊技状態ST4になる場合と、サポ当りに基づき特定遊技状態ST4になる場合と、で異ならせても良い。
具体的には、例えば
図36(b)に示すように、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の開始時には、時短の開始に関する信号として大当り2信号と大当り3信号のONパルスとを出力するとともに、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4の開始時には、時短の開始に関する信号として大当り2信号と大当り4信号のONパルスとを出力するように構成しても良い。
【0373】
このように構成することで、より詳細な情報を外部に報知することができる。すなわち、外部装置は、大当り2信号とともにパルス信号を受信したか否かによって、開始する特定遊技状態ST4が、第1特別遊技状態ST2を経たか否かを判別することが可能となり、さらに、大当り2信号とともに受信したパルス信号の種類(大当り3信号か大当り4信号)によって、開始する特定遊技状態ST4が、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4と、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4と、のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0374】
なお、天井への到達に基づき特定遊技状態ST4になる場合と、サポ当りに基づき特定遊技状態ST4になる場合と、で大当り2信号とともに出力するパルス信号の種類を異ならせるのではなく、大当り2信号とともに出力するパルス信号の出力回数を異ならせるようにしても良い。
具体的には、例えば、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の開始時には、大当り2信号と1つのパルス信号(大当り3信号のONパルス)を出力するとともに、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4の開始時には、大当り2信号と2つのパルス信号(大当り3信号のONパルス)を出力するように構成することも可能である。
【0375】
以上のことから、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、普通変動入賞装置37の状態を、第1状態(普電サポートなしの状態)と、該第1状態よりも入賞が容易な第2状態(普電サポートありの状態)と、の何れかの状態で制御するようにし、ゲームの実行回数が所定回数(天井回数)に到達することに基づいて、第2状態を開始可能であるとともに、第2状態が発生していることを特定可能な外部情報信号(例えば大当り2信号+パルス信号(大当り3信号のONパルス))を当該遊技機の外部に出力可能であるように構成することができる。
【0376】
このように構成することで、ゲームの実行回数が所定回数に到達した場合に第2状態が発生するので、従来の遊技状態の遷移とは異なる新たな遷移が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。さらに、ゲームの実行回数が所定回数に到達する場合に外部情報信号が出力され、その外部情報信号は、ゲームの実行回数が所定回数に到達したことに基づいて第2状態が発動することを特定可能な信号であるので、遊技機の外部に遊技状態を的確に報知することができる。
【0377】
さらに、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、ゲームの結果が特別結果とは異なる特定結果(サポ当り、時短図柄当り)になることに基づいて、第2状態を開始可能であるとともに、第2状態が発生していることを特定可能な外部情報信号(例えば大当り2信号+パルス信号(大当り3信号又は大当り4信号のONパルス))を当該遊技機の外部に出力可能であるように構成することができる。
【0378】
このように構成することで、ゲームの結果が特定結果になった場合に第2状態が発生するので、従来の遊技状態の遷移とは異なる新たな遷移が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。さらに、ゲームの結果が特定結果になる場合に外部情報信号が出力され、その外部情報信号は、ゲームの結果が特定結果になったことに基づいて第2状態が発動することを特定可能な信号であるので、遊技機の外部に遊技状態を的確に報知することができる。
【0379】
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、普通変動入賞装置37の構成が異なる。
【0380】
図37に示すように本変形例の普通変動入賞装置37は、上方に開口した入賞口を有し、入賞口の上部に板状の可動部材37bが備えられている。板状の可動部材37bは、入賞口を閉鎖した閉状態と、この閉状態から下方向へ回動又は後方へスライドすることで入賞口を開放した開状態とに変換可能となっている。また、閉状態である場合には、可動部材37bの上面を遊技球が転動可能となっており、この上面には左方へ向かって流下する遊技球を前後に蛇行させることで可動部材37b上に遊技球が滞留する時間を長くすることが可能な図示しない障害部材が設けられている。
【0381】
遊技盤30の右側の領域へ発射された遊技球は、点線の矢印で示すように遊技釘により右方へ誘導され、普図始動ゲート34を通過して普通変動入賞装置37の右端部へ至る。そして、普通変動入賞装置37が閉状態である場合は可動部材37bの上を左方へ流下し、普通変動入賞装置37の右端から下方の特別変動入賞装置38へ向けて流下する。すなわち、遊技盤30の右側の領域へ発射された全ての遊技球は、普通変動入賞装置37を経由して特別変動入賞装置38へ向かうようになっている。
【0382】
普通変動入賞装置37への入賞が容易な普電サポート有りの状態では、遊技球が可動部材37bの上で滞留する時間よりも短い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換されるので、発射されたほとんどの遊技球が普通変動入賞装置37に入賞するようになっている。これにより、普電サポート有りの状態では特別変動入賞装置38に遊技球が到達せず、特別変動入賞装置38が開放されても遊技球が入賞しない状態となる。
また、普通変動入賞装置37への入賞が困難な普電サポート無しの状態では、遊技球が可動部材37bの上で滞留する時間よりも長い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換されるので、発射されたほとんどの遊技球が普通変動入賞装置37に入賞せず下方へ流下するようになっている。これにより、普電サポート無しの状態では特別変動入賞装置38に遊技球が到達可能であり、特別変動入賞装置38が開放されれば遊技球が入賞可能となる。
【0383】
なお、普通変動入賞装置37への入賞が容易な普電サポート有りの状態では、普通変動入賞装置37への入賞が困難な普電サポート無しの状態よりも短い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換されれば良い。すなわち、普電サポート有りの状態では、必ずしも遊技球が可動部材37bの上で滞留する時間よりも短い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換されるものでなくても良い。普電サポート有りの状態では、特別変動入賞装置38へ流下する遊技球数が普電サポート無しの状態よりも少なければ良く、多少の遊技球が特別変動入賞装置38へ流下したとしても特別変動入賞装置38へ入賞して特定領域へ流入する可能性は低いので問題はない。
【0384】
このような構成とすることで、
図34(b)のように第2特別遊技状態ST3での動作態様を異ならせずに常に
図34(b)の下段の第2動作態様とすることで、上述したのと同様に小当りの導出により特定遊技状態ST4の終了条件が成立すれば第1特別遊技状態ST3が発生する可能性があるようにすることができる。
すなわち、
図34(a)において普電サポート有りの状態で行われる第2特別遊技状態ST3(t14~t17、t21~t24)では、発射された遊技球は普通変動入賞装置37に入賞して特別変動入賞装置38には入賞せず、特定領域へは流入できないこととなるので、第1特別遊技状態ST3の発生を困難とすることができる。
また、
図34(a)において普電サポート無しの状態で行われる第2特別遊技状態ST3(t26~t29)では、発射された遊技球は普通変動入賞装置37に入賞せずに特別変動入賞装置38に入賞可能となり、特定領域へ流入することが可能となるので、第1特別遊技状態ST3が発生する可能性があるようにすることができる。
【0385】
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、入賞によりゲームの実行権利を発生可能であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能な普通変動入賞装置37と、ゲームの結果が特別結果となることに基づき、遊技球が入賞不可能な閉状態から入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、を備え、普通変動入賞装置37は特別変動入賞装置38の上流側に設けられ、遊技球は普通変動入賞装置37が設けられた部分を経由して特別変動入賞装置38に至るように構成されていることとなる。
したがって、普通変動入賞装置37が開状態である場合は特別変動入賞装置38に遊技球が流下しないようにすることができるという変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0386】
また、普通変動入賞装置37は、可動部材37bを動作させることにより開状態と閉状態とに変換するように構成され、閉状態では可動部材37bの上面を遊技球が転動可能とするとともに開状態へ変換することにより可動部材37bの上を転動する遊技球が普通変動入賞装置37に入賞するように構成され、制御手段(遊技制御装置100)は、普通変動入賞装置37の動作状態として、第1状態(普電サポート無し)と、第1状態よりも遊技球の入賞が容易な第2状態(普電サポート有り)のいずれかを設定可能であり、第2状態では、閉状態とする時間を遊技球が可動部材37bの上面に滞留する時間よりも短い時間とすることが可能であることとなる。
したがって、第2状態では、遊技球が特別変動入賞装置38に至らないようにすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0387】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0388】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0389】
10 遊技機
41 表示装置(表示手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
300 演出制御装置(演出制御手段)