(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179856
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】二次電池の冷却構造
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6557 20140101AFI20221129BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221129BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20221129BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20221129BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20221129BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20221129BHJP
【FI】
H01M10/6557
H01M10/613
H01M10/651
H01M10/625
H01M10/6568
H01M10/6563
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086633
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敦
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH08
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】本発明は、樹脂層を介して空間内に発生したガスを、流体の流れに伴って外装体の外部へ押し出すことを可能とし、二次電池を素早く冷却することができる二次電池の冷却構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の二次電池の冷却構造は、流体を循環させる循環回路10と、前記循環回路10に連通する接続口7を有する外装体3と、前記外装体3に収容され、樹脂フィルムで密封して形成された平板状の電極積層体4と、備え、前記外装体3と、前記電極積層体4とは離間して設けられ、前記外装体3と、前記電極積層体4との間には、前記流体が流通する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を循環させる循環回路と、
前記循環回路に連通する接続口を有する外装体と、
前記外装体に収容され、樹脂フィルムで密封して形成された平板状の電極積層体と、
備え、
前記外装体と、前記電極積層体とは離間して設けられ、
前記外装体と、前記電極積層体との間には、前記流体が流通することを特徴とする二次電池の冷却構造。
【請求項2】
前記接続口は、第1接続口と、第2接続口と、を有し、
前記外装体は、平面視において、一対の第1外装体辺と、前記第1外装体辺に直交する一対の第2外装体辺とで形成される略四角形形状を有し、
前記第1接続口および前記第2接続口は、前記第1外装体辺上に設けられ、
前記電極積層体は、平面視において、前記一対の第1外装体辺と向かい合う第1電極積層体辺と、前記一対の第2外装体辺と向かい合う第2電極積層体辺とで形成され、前記外装体よりも小さい略四角形形状を有し、
前記第1外装体辺と、前記第1電極積層体辺との間には、第1冷却流路が設けられ、
前記第2外装体辺と、前記第2電極積層体辺との間には、第2冷却流路が設けられ、
前記第1冷却流路の断面積は、前記第2冷却流路の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の冷却構造。
【請求項3】
前記第1接続口と前記第2接続口とは、それぞれ前記第1冷却流路と前記第2冷却流路が交差する領域に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の二次電池の冷却構造。
【請求項4】
前記第1接続口および前記第2接続口は、前記第1冷却流路と重なる位置に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の二次電池の冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気を動力源とする電気自動車や、エンジンとモータを組み合わせて走行するハイブリッドカーが注目を集めており、これらに搭載する電池モジュールが種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、2層以上の樹脂フィルム層を積層した構造を有するラミネートフィルムからなる電池素子外装材を備える電池モジュール(二次電池)を開示している。
特許文献1に記載の電池モジュールは、ガス透過性を有する樹脂層を収納する外装体を有し、樹脂層を介して空間内に発生したガスは、安全弁機構を介して外部に排出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電池モジュールの冷却構造では、外装体内の隅部や外装体内の内壁と樹脂層との間にガスが滞留してしまうことがあり、ガスの除去が十分でない場合がある。そして、ガスの除去が十分でないと、冷媒等の流体の流れに支障が生じ、電池モジュールの冷却に時間が掛かることがある。
【0006】
そこで本発明は、二次電池の内部に発生したガスを十分に除去しつつ、二次電池を素早く冷却することができる二次電池の冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の一態様に係る二次電池の冷却構造は、流体を循環させる循環回路と、前記循環回路に連通する接続口を有する外装体と、前記外装体に収容され、樹脂フィルムで密封して形成された平板状の電極積層体と、備え、前記外装体と、前記電極積層体とは離間して設けられ、前記外装体と、前記電極積層体との間には、前記流体が流通することを特徴とする。
【0008】
[2]上記[1]の二次電池の冷却構造では、前記接続口は、第1接続口と、第2接続口と、を有し、前記外装体は、平面視において、一対の第1外装体辺と、前記第1外装体辺に直交する一対の第2外装体辺とで形成される略四角形形状を有し、前記第1接続口および前記第2接続口は、前記第1外装体辺上に設けられ、前記電極積層体は、平面視において、前記一対の第1外装体辺と向かい合う第1電極積層体辺と、前記一対の第2外装体辺と向かい合う第2電極積層体辺とで形成され、前記外装体よりも小さい略四角形形状を有し、前記第1外装体辺と、前記第1電極積層体辺との間には、第1冷却流路が設けられ、前記第2外装体辺と、前記第2電極積層体辺との間には、第2冷却流路が設けられ、前記第1冷却流路の断面積は、前記第2冷却流路の断面積よりも小さくてもよい。
【0009】
[3]上記[2]の二次電池の冷却構造では、前記第1接続口と前記第2接続口とは、それぞれ前記第1冷却流路と前記第2冷却流路が交差する領域に設けられてもよい。
【0010】
[4]上記[2]の二次電池の冷却構造では、前記第1接続口および前記第2接続口は、前記第1冷却流路と重なる位置に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
上記[1]の態様によれば、外装体と、電極積層体との間には、流体が流通する。そのため、二次電池の内部に発生したガスを十分に除去しつつ、二次電池を素早く冷却することができる二次電池の冷却構造を提供することができる。
【0012】
上記[2]の態様では、第1冷却流路の断面積は、第2冷却流路の断面積よりも小さい。そのため、第1冷却流路を流れる流体の流速を高めると共に、第2冷却流路を流れる流体の流速を抑えることで、流体の流量分配を均等化させつつ、流体中に発生するガスの排出性を高めることができる。
【0013】
上記[3]の態様では、第1接続口と第2接続口とは、それぞれ第1冷却流路および第2冷却流路が交差する領域に設けられている。そのため、第1冷却流路を流れる流体の流速を利用して、第1冷却流路および第2冷却流路が交差する領域に滞留するガスをより効率的に除去することが可能となる。
【0014】
上記[4]の態様では、第1接続口および第2接続口は、第1冷却流路51と重なる位置に設けられる。そのため、第1冷却流路を流れる流体の流速をより早めることができる。よって、第1冷却流路を流れる流体の流速を利用して、第1冷却流路および第2冷却流路が交差する領域に滞留するガスをより効率的に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る二次電池の冷却構造を概略的に示すフロー図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る二次電池の冷却構造が備える二次電池を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴を分かりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の形状、寸法比率等は図示するものに限らないものとする。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池1の冷却構造100を概略的に示すフロー図である。
図1に示すように、二次電池1の冷却構造100は、流体を循環させる循環回路10と、複数の二次電池1を備える蓄電モジュールパック20と、を有する。
【0018】
循環回路10および蓄電モジュールパック20には、冷却溶媒(冷媒)である流体が循環している。流体として、気体や液体を用いることができる。例えば、流体は、フッ素系不活性液体等の絶縁性の液体である。流体は、絶縁性の液体であるため、後述する内部バスパー14を直接冷却することができ、冷却性能を高めることが可能となる。
【0019】
循環回路10は、液体分離タンクSTと、ラジエータRADと、サーモバルブSVと、ポンプPと、ヒーターHと、を備える。本実施形態では、循環回路10は、ヒーターHを備えるが、ヒーターHを備えなくてもよい。
以下の説明では、循環回路10に流体を流通させたときに、蓄電モジュールパック20を基準として、液体が蓄電モジュールパック20から流出する方向を「上流側」とし、流体が蓄電モジュールパック20に流入する方向を「下流側」として説明する。
【0020】
気液分離タンクSTは、蓄電モジュールパック20から流入した流体の気体と液体とを分離する。気液分離タンクSTの下流側は、気液分離タンクSTで分離された液体が、流体として循環している。
気液分離タンクSTの上流側は、蓄電モジュールパック20に接続されている。気液分離タンクSTの下流側は、ラジエータRADの上流側およびサーモバルブSVの上流側に接続されている。
【0021】
ラジエータRADは、流体と外気との熱交換を行う。ラジエータRADの下流側は、サーモバルブSVの上流側に接続されている。
サーモバルブSVは、流体の温度によって切り替わる三方弁である。サーモバルブSVの下流側は、ポンプPの上流側に接続されている。
ポンプPは、蓄電モジュールパック20の要求出力に応じて、蓄電モジュールパック20を介して、流体を循環回路10に供給する。ポンプPの下流側は、ヒーターHの上流側に接続されている。
【0022】
ヒーターHは、流体の温度を調節する機能を有する。ヒーターHの下流側は、蓄電モジュールパック20に接続されている。ヒーターHが設けられていない場合は、ポンプPの下流側が、蓄電モジュールパック20に接続されている。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る二次電池1の冷却構造100が備える二次電池1を概略的に示す平面図である。
図3は、
図2のIII-III断面図である。
図4は、
図2のIV-IV断面図である。
図5は、
図2のV-V断面図である。
【0024】
二次電池1は、平面視において、長方形状の板状部材である。二次電池1は、例えば、パウチ型リチウムイオン二次電池である。
図2から
図5中、D1方向は、平面視における二次電池1の長手方向を示す。D2方向は、平面視における二次電池1の幅方向を示す。D3方向は、平面視における二次電池1の奥行き方向である。
図2から
図5に示すように、二次電池1は、外装体3と、外装体3に収容された平板状の電極積層体4と、外部端子11と、を備える。
【0025】
外装体3は、二次電池1の外壁を形成する。外装体3は、側壁35(
図3から
図5参照)と、一対の第1外装体辺31と、一対の第2外装体辺32と、で形成される略四角形形状を有する。外装体3は、循環回路10に連通する接続口7を有する。
【0026】
側壁35は、平面視において、長方形の板状部材である。側壁35は、平面視において、D1方向に長手方向を有する。
第1外装体辺31は、平面視において(D3方向から見て)、側壁35から起立する。第1外装体辺31は、二次電池1の長手方向であるD1方向に沿っている。
第2外装体辺32は、第1外装体辺31と同じ方向に側壁35から起立し、第1外装体辺31に直交する。
第1外装体辺31と第2外装体辺32とで形成される外装体3の四隅は、R面取りされている。
外装体3は、D3方向における側壁35とは反対側から、蓋体36(
図3から
図5参照)により封がされ、外装体3の内部に充填された流体が漏れない構成になっている。
図2では、説明の都合上、蓋体36を省略している。
【0027】
電極積層体4は、平面視において、一対の第1外装体辺31と向かい合う第1電極積層体辺43と、一対の第2外装体辺32と向かい合う第2電極積層体辺44とで形成され、外装体3よりも小さい略四角形形状を有している。電極積層体4は、平面視において、長方形状の板状部材である。
【0028】
電極積層体4は、電極体41を樹脂フィルム42で密封して形成されている。
電極体41は、正極、負極、正極と負極間に配置される電解質層で構成されている。電極体41の中心は、平面視において、樹脂フィルム42の中心に位置する。
【0029】
樹脂フィルム42は、D3方向の内側に向けて電極体41を挟み込んでいる。樹脂フィルム42は、ガス透過性を有する(金属を含まない)絶縁性樹脂で形成されている。以下の説明では、樹脂フィルム42のうち、電極体41を挟み込んでいる部分を樹脂フィルム本体部42Aといい、D1方向から見て樹脂フィルム本体部42Aを囲む部分を樹脂フィルム周縁部42Bという。
【0030】
樹脂フィルム本体部42Aは、
図3および
図4に示すように、側壁35と、蓋体36との間に隙間無く設けられている。樹脂フィルム本体部42Aの外側面は、D1方向に沿う第1電極積層体辺43と、D2方向に沿う第2電極積層体辺44とを形成している。
樹脂フィルム周縁部42Bは、電極体41を挟み込むことなく、D3方向で重なっている。樹脂フィルム周縁部42BのD3方向の厚さは、樹脂フィルム本体部42AのD3方向の厚さよりも薄くなっている。
図3から
図5に示すように、外装体3と、電極積層体4とは、樹脂フィルム周縁部42Bに対応する位置において、離間して設けられている。樹脂フィルム周縁部42Bと、側壁35および蓋体36と、の間に設けられた空間には、流体が充填されている。
【0031】
第1外装体辺31と、第1電極積層体辺43との間には、第1冷却流路51が設けられている。具体的に、第1冷却流路51は、第1外装体辺31と、第1電極積層体辺43と、側壁35と、蓋体36と、により囲まれた部分である。
【0032】
第2外装体辺32と、第2電極積層体辺44との間には、第2冷却流路52が設けられている。具体的に、第2冷却流路52は、第2外装体辺32と、第2電極積層体辺44と、側壁35と、蓋体36と、により囲まれた部分である。
【0033】
図2に示すように、平面視において、第1外装体辺31から第1電極積層体辺43までの第1幅H1は、第2外装体辺32から第2電極積層体辺44までの第2幅H2よりも狭い。
図3から
図4示すように、側壁35から蓋体36までの第3幅H3は一律であるため、第1冷却流路51のD1-D2断面の断面積は、第2冷却流路52のD2-D3断面の断面積よりも小さい。
第1冷却流路51と第2冷却流路52が交差する領域には、第3冷却流路53を有する。第3冷却流路53は、電極積層体4の四隅の外部に位置する。
【0034】
接続口7は、第1接続口71と、第2接続口72とを有する。第1接続口71および第2接続口72は、第1外装体辺31上に設けられている。第1接続口71と第2接続口72とは、第1外装体辺31上におけるそれぞれ第3冷却流路53に対応した位置に設けられている。第1接続口71と第2接続口72とは、それぞれ第3冷却流路53に連通している。
【0035】
外部端子11は、第2外装体辺32から突出している。外部端子11は、正極端子12と、負極端子13とを有する。
図1に示すように、二次電池1の冷却構造100は、複数の二次電池1を備えている。複数の二次電池1は、隣り合って配置されている。二次電池1の正極端子12と、隣り合う二次電池1の負極端子13とは、内部バスパー14によって電気的に接続されている。内部バスパー14は、樹脂フィルム42(樹脂フィルム周縁部42B)に接続されている。また、二次電池1の正極端子12と負極端子13とは、不図示のハーネスによって、不図示の外部機器と電気的に接続されている。内部バスパー14周辺の空間には、流体が充填されている。
【0036】
本実施形態において、正極端子12は、例えば、アルミニウム合金からなる。そのため、熱伝導性に優れている。本実施形態において、負極端子13は、例えば、銅合金からなる。そのため、熱伝導性に優れている。
【0037】
蓄電モジュールパック20が備える複数の二次電池1同士は、冷媒流路21によって接続されている。複数の二次電池1(単位セル)は、不図示の金属型包装材によって密封された構造でもよいが、蓄電モジュールパック20の構造は特に限定されない。
【0038】
[二次電池1の冷却構造100の作用・効果]
以下、二次電池1の冷却構造100の作用について説明する。
二次電池1が充放電を開始すると、二次電池1は、発熱して高温になるとともに、電極体41からガスが発生する。発生したガスは、樹脂フィルム42を透過し、樹脂フィルム42と、外装体3との間に設けられた空間に流出する。
【0039】
循環回路10のポンプPを駆動すると、高温になった二次電池1に対して、二次電池1の第1接続口71に向かって流体が流れ込む。流体は、第3冷却流路53から第1冷却流路51および第2冷却流路52に対して流れ込む。第1冷却流路51および第2冷却流路52に対して流れ込む流体の流量は、一定量かつ同量である。第1冷却流路51のD1-D3断面の断面積は、第2冷却流路52のD2-D3断面の断面積よりも小さいため、第1冷却流路51を流れる流体の流速v1は、第2冷却流路52を流れる流体の流速v2よりも速くなる。
【0040】
二次電池1と、流体との間で熱交換が行われることで、二次電池1は冷却される。二次電池1中の流体は、第2接続口72から気液分離タンクSTに排出される。
【0041】
以下、二次電池1の冷却構造100の効果について説明する。
本実施形態の構成では、外装体3と、電極積層体4との間には、流体が流通する。そのため、二次電池1の内部に発生したガスを十分に除去しつつ、二次電池1を素早く冷却することができる二次電池1の冷却構造100を提供することができる。
【0042】
本実施形態の構成では、第1冷却流路51のD1-D3断面の断面積は、第2冷却流路52のD2-D3断面の断面積よりも小さい。そのため、第1冷却流路51を流れる流体の流速v1を高めると共に、第2冷却流路52を流れる流体の流速v2を抑えることで、流体の流量分配を均等化させつつ、流体中に発生するガスの排出性を高めることができる。
【0043】
本実施形態の構成では、第1接続口71と第2接続口72とは、それぞれ第1冷却流路51および第2冷却流路52が交差する領域(第3冷却流路53)に設けられ、それぞれ第3冷却流路53に連通している。そのため、第1冷却流路51を流れる流体の流速v1を利用して、第1冷却流路51および第2冷却流路52が交差する領域(第3冷却流路53)に滞留するガスをより効率的に除去することが可能となる。
【0044】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について説明する。第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第2実施形態は、第1接続口71と第2接続口72が設けられている位置である。
第2実施形態に係る二次電池1の冷却構造100では、第1接続口71および第2接続口72は、第1冷却流路51と重なる位置に設けられる。第1接続口71および第2接続口72は、第1冷却流路51に連通している。
【0045】
第2実施形態の構成では、第1冷却流路51を流れる流体の流速v1をより早めることができる。そのため、第1冷却流路51を流れる流体の流速v1を利用して、第1冷却流路51および第2冷却流路52が交差する領域(第3冷却流路53)に滞留するガスをより効率的に除去することが可能となる。
【0046】
[変形例]
本実施形態において、第1接続口71および第2接続口72は、一対の第1外装体辺31のうち一方の第1外装体辺31にのみ設けられている構成について説明したが、これに限られない。第1接続口71および第2接続口72は、一対の第1外装体辺31のそれぞれに設けられていてもよい。具体的に、一対の第1外装体辺31のうち一方の第1外装体辺31には、第1接続口71が設けられ、一対の第1外装体辺31のうち他方の第1外装体辺31には、第2接続口72が設けられていてもよい。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…二次電池、3…外装体、4…電極積層体、7…接続口、10…循環回路、31…第1外装体辺、32…第2外装体辺、42…樹脂フィルム、43…第1電極積層体辺、44…第2電極積層体辺、51…第1冷却流路、52…第2冷却流路、71…第1接続口、72…第2接続口、100…冷却構造、