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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179914
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】記録装置、および液体収容体
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221129BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B41J2/175 307
B41J2/175 133
B41J2/175 305
B41J2/175 315
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086726
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】南雲 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和章
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 一郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA29
2C056EB52
2C056EB55
2C056EC19
2C056KC02
2C056KC04
2C056KD08
(57)【要約】
【課題】発光部によって液体貯留部内を照らした場合に、液体貯留部内の液体の液面が認識しにくい虞がある。
【解決手段】記録装置101は、液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッド22と、光を発する発光部301と、を備え、液体貯留部46は、液体貯留部46内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面LSの移動に応じて移動可能なフロート48と、液体貯留部46内の前記液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、を有し、フロート48は、発光部301からの前記光を受けることで、前面43Fに対面する方向から見て、光って見える前面48aを有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留可能な液体貯留部と、
前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、
光を発する発光部と、
を備え、
前記液体貯留部は、
前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、
前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、
を有し、
前記フロートは、前記発光部からの前記光を受けることで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記発光部は、前記フロートの内部に設けられ、
前記発光面は、透明または半透明であり、前記発光部からの前記光を前記フロートの前記内部から受ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記発光部は、前記液体貯留部の外に設けられ、
前記液体貯留部において前記発光部と対向する領域は、透明または半透明であり、
前記発光部は、前記フロートを前記液体貯留部の外から照らす、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記フロートは、前記フロートに入る前記発光部からの前記光を前記発光面に向かって導く、
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記フロートは、前記発光部からの前記光が入る進入面を有し、
前記発光部は、前記液体貯留部内の前記液体の液量が所定量となったときの前記進入面と対向する位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記発光部からの前記光を導く導光部をさらに備え、
前記発光部は、前記液体貯留部の外に設けられ、前記導光部を介して、前記フロートを照らす、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
前記導光部は、前記発光部からの前記光を、前記フロートに向けて照射する照射面を有し、
前記フロートは、前記照射面から照射される前記光が入る進入面を有し、
前記照射面は、前記液体貯留部内の前記液体の液量が所定量となったときの前記進入面と対向する位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
複数の前記液体貯留部を備え、
前記複数の前記液体貯留部における前記フロートを、前記導光部を介して、一つの前記発光部によって照らす、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記発光部の点灯および消灯を制御する制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記液体を前記液体貯留部内に注入可能な注入部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項11】
液体を貯留可能な液体貯留部と、
前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、
前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、
前記フロートに設けられる発光部と、
を備え、
前記フロートは、前記発光部が光を発することで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する、
ことを特徴とする液体収容体。
【請求項12】
液体を吐出する記録へッドと、光を発する発光部と、装着部と、を備える記録装置の前記装着部に装着可能な液体収容体であって、
前記液体を貯留可能な液体貯留部と、
前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、
前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、
を備え、
前記装着部に装着された状態において、
前記液体貯留部において前記発光部と対向する領域は、透明または半透明であり、
前記フロートは、前記発光部からの光を受けることで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する、
ことを特徴とする液体収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、および液体収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷用紙に液体の一例であるインクを吐出することで記録を行う記録装置の一例であるインクジェット式のプリンターが開示されている。このプリンターは、インクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給されるインクを貯留する液体貯留部を有する液体収容体と、を備える。また、このプリンターは、液体貯留部内を照らす発光部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-182834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターおよび液体収容体では、発光部によって液体貯留部内を照らした場合に、液体貯留部内のインクの液面が認識しにくい虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、液体を貯留可能な液体貯留部と、前記液体貯留部から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッドと、光を発する発光部と、を備え、前記液体貯留部は、前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、を有し、前記フロートは、前記発光部からの前記光を受けることで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する。
【0006】
液体収容体は、液体を貯留可能な液体貯留部と、前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、前記フロートに設けられる発光部と、を備え、前記フロートは、前記発光部が光を発することで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する。
【0007】
液体収容体は、液体を吐出する記録へッドと、光を発する発光部と、装着部と、を備える記録装置の前記装着部に装着可能な液体収容体であって、前記液体を貯留可能な液体貯留部と、前記液体貯留部内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面の移動に応じて移動可能なフロートと、前記液体貯留部内の前記液体を前記液体貯留部の外から視認可能な視認面と、を備え、前記装着部に装着された状態において、前記液体貯留部において前記発光部と対向する領域は、透明または半透明であり、前記フロートは、前記発光部からの光を受けることで、前記視認面に対面する方向から見て、光って見える発光面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態としての記録装置の斜視図。
図2】スキャナー部が開かれた記録装置の斜視図。
図3】スキャナー部が開かれた記録装置の他の斜視図。
図4】液体収容装置の斜視図。
図5】液体収容容器の斜視図。
図6図4に示した液体収容装置において開閉カバーおよびキャップレバーが閉状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図7図4に示した液体収容装置において開閉カバーおよびキャップレバーが開状態にある場合のd6-d6断面を示す要部断面図。
図8】液体貯留部の要部断面図。
図9】液量が下限量になったときの液体貯留部の要部断面図。
図10図9に示した液体貯留部のd10-d10断面を示す要部断面図。
図11】記録装置の電気的構成を示すブロック図。
図12】実施形態2に係る液体貯留部の要部断面図。
図13】実施形態3に係る液体貯留部の要部断面図。
図14】実施形態4に係る液体貯留部の要部断面図。
図15】実施形態5に係る液体貯留部の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。またZ軸方向は、鉛直方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0011】
1.実施形態1
実施形態1に係る記録装置101の概略構成について図1から図3を参照して説明する。本実施形態に係る記録装置101は、直方体状をなす装置本体102と、装置本体102の上部に取り付けられるスキャナー部10と、液体収容装置103と、を有し、水平面に設置されている。なお、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向はX軸に沿う+X方向または-X方向であり、媒体が搬送される搬送方向はY軸に沿う+Y方向である。
【0012】
図1図2に示すように、スキャナー部10は、装置本体102の上部に配置され、装置本体102に対して回動可能に取り付けられている。スキャナー部10では、原稿が載置され原稿を読み取るスキャナーハウジング11と原稿カバー12とが順に積層されている。原稿カバー12はスキャナーハウジング11を保護するカバーであり、スキャナーハウジング11に対して回動可能である。さらに、原稿カバー12の+Y方向の端には表示部15が取り付けられている。
【0013】
図1に実線と二点鎖線とで示すように、表示部15は、原稿カバー12と一緒にスキャナーハウジング11に対して回動可能であり、かつ、原稿カバー12に対してチルト可能である。すなわち、表示部15は、スキャナー部10の端に取り付けられ、スキャナー部10と一緒に回動可能であり、かつ、チルト可能である。
【0014】
表示部15は、タッチパネル機能を有する液晶表示モジュールで構成される。表示部15は、記録装置101の操作の案内表示や記録装置101に関する情報を報知する報知部としての機能と、記録装置101に対する各種設定を行う操作部としての機能と、を有する。ユーザーは、視認しやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15に表示される画像を参照しつつ記録装置101における各種操作を実施することができる。さらに、ユーザーは、タッチしやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15を介して記録装置101の各種設定を行うことができる。
【0015】
さらに、図3に示すように、表示部15をスキャナー部10と一緒に回動させ、表示部15が取り付けられたスキャナー部10を装置本体102に対して開くことで、液体を補充容器90から液体収容装置103の液体収容容器40に補充することができる。
【0016】
図1に示すように、記録装置101は、装置本体102の前面に、電源操作部16を有する。ユーザーが電源操作部16を操作することにより、記録装置101の電源がオンとなる通電状態と、記録装置101の電源がオフとなる電源遮断状態と、を切り替えることができる。
【0017】
図1図2に示すように、記録装置101は、装置本体102の内部に、媒体を搬送する搬送部25と、記録部20と、を有する。搬送部25は媒体を+Y方向となる搬送方向に搬送する。記録部20は、液体を用いて媒体に画像を記録可能に構成されている。図1に示すように、記録部20は、キャリッジ21と、キャリッジ21に搭載され媒体に液体を吐出する記録ヘッド22と、記録ヘッド22に液体を供給するためのチューブ23とを有している。記録ヘッド22に供給される液体は、液体収容装置103の液体収容容器40に収容されている。記録ヘッド22と液体収容容器40とは、チューブ23によって接続されている。チューブ23は液体供給部の一例である。記録装置101は、液体を吐出する記録ヘッド22と、液体収容容器40と、を備える。液体収容容器40は液体収容体の一例である。
【0018】
キャリッジ21は、ガイド軸によって支持され、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、キャリッジ21と一緒に媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド22は、不図示の共通液室、個別液室、吐出素子、およびノズルを有し、媒体に対して液体を吐出する。本実施形態に係る記録装置101は、記録ヘッド22が媒体の幅方向に移動しながら液体を媒体に噴射する動作と、媒体が搬送部25によって搬送方向に搬送される動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録する。
【0019】
次に液体収容装置103について説明する。図4図5図8に示すように、液体収容装置103は、液体を収容可能な液体収容容器40と、照明部300と、液体収容容器40が収納される筐体30と、上壁部61と、開閉カバー31と、キャップレバー50と、開閉検知部71と、ロック機構72と、を有する。なお、図4では、液体収容装置103の構成要素であるキャップレバー50の図示が省略されている。図5では、キャップレバー50が二点鎖線で図示されている。
【0020】
図4に示すように、筐体30の中には、六つの液体収容容器40が収容されている。六つの液体収容容器40は、色材として黒色の顔料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K1と、色材として黒色の染料を含むブラックの液体が収容される液体収容容器40K2と、色材として灰色の染料を含むグレーの液体が収容される液体収容容器40GRと、色材としてシアン色の顔料を含むシアンの液体が収容される液体収容容器40Cと、色材としてマゼンタ色の顔料を含むマゼンタの液体が収容される液体収容容器40Mと、色材として黄色の顔料を含むイエローの液体が収容される液体収容容器40Yとで構成される。液体収容容器40K1と、液体収容容器40K2と、液体収容容器40GRと、液体収容容器40Cと、液体収容容器40Mと、液体収容容器40Yとは、+X方向に順に配置される。
【0021】
なお、筐体30の中に収容される液体収容容器40の数は、六つに限定されず、六つよりも少なくてもよく、一つであってもよいし、六つよりも多くてもよい。液体収容容器40に収容される液体に含まれる色材は、顔料であってもよく、染料であってもよい。さらに、液体収容容器40に収容される液体は、色材が含まれない液体であってもよい。
【0022】
図5に示すように、液体収容容器40の天面42には、補充容器90から液体を注入可能な注入口41aと、大気導入口45とが設けられている。大気導入口45は、中間貯留部41bに通じており、中間貯留部41bに大気を導入可能である。さらに、図8に示すように、液体収容容器40は、天面42に対して+Z方向に位置し、液体を貯留可能な液体貯留部46を有する。
【0023】
図8図10に示すように、液体貯留部46は、前面43F、後面43B、底面43S、上面43U、右側面43R、および左側面43Lを有する。前面43Fは、液体貯留部46の+Y方向側の外形を規定する壁面である。後面43Bは、液体貯留部46の-Y方向側の外形を規定する壁面である。底面43Sは、液体貯留部46の+Z方向側の外形を規定する壁面である。上面43Uは、液体貯留部46の-Z方向側の外形を規定する壁面である。右側面43Rは、液体貯留部46の+X方向側の外形を規定する壁面である。左側面43Lは、液体貯留部46の-X方向側の外形を規定する壁面である。
【0024】
液体貯留部46には、注入口41aを含む注入部41を介して液体を注入可能である。図5図8に示すように、注入部41は、注入口41a、中間貯留部41b、流入口41c、中継流路41d、流出口41eにより構成される。中間貯留部41bは、Z軸方向において、注入口41aと液体貯留部46との間に位置し、注入口41aと通じている。図8図10に示すように、中継流路41dは、液体貯留部46の左側面43Lに設けられ、中間貯留部41bの-X方向側の側面に開口する流入口41cと、液体貯留部46の左側面43Lに開口する流出口41eと、を有し、中間貯留部41bと液体貯留部46とを通じさせる。なお、流出口41eは、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が、後述する下限量であるときのフロート48の上面より、+Z方向となる位置に開口する。これにより、フロート48の上面に液体が付着する頻度を低減できる。
【0025】
図5に示すように、液体貯留部46の上面43Uには、チューブ23と接続される導出口49dが設けられる。液体貯留部46内の液体は、導出口49dを含む導出流路49とチューブ23を介して、記録ヘッド22に供給される。よって、記録ヘッド22は、液体貯留部46から供給される液体を媒体に吐出する。図5図8に示すように、導出流路49は、排出口49a、第1接続流路49b、第2接続流路49c、導出口49dにより構成される。第1接続流路49bは、図10に示すように、液体貯留部46の左側面43Lに設けられ、左側面43Lに開口する排出口49aを有する。排出口49aは、液体貯留部46から導出流路49に液体を排出する。第2接続流路49cは、図8に示すように、液体貯留部46の上面43Uの+Z方向側に設けられ、第1接続流路49bと導出口49dとを接続する。なお、液体貯留部46は、中間貯留部41bを介して大気導入口45と通じている。排出口49aは、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が、後述する下限量であるときのフロート48の上面より、+Z方向となる位置に開口する。これにより、フロート48の上面に液体が付着する頻度を低減できる。
【0026】
図5図8に示すように、液体貯留部46の前面43Fには、窓部材43Faが設けられる。窓部材43Faは、半透明または透明な材料で構成され、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを視認することができる。窓部材43Faは視認面の一例である。窓部材43Faを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
【0027】
本実施形態における視認面は、X-Z面に沿う面である。窓部材43Faには、液体の液量が下限量であることを周知する目盛り44aや、液体の液量が上限量であることを周知する目盛り44bなどの目盛り部44が設けられている。本実施形態の下限量は、液体貯留部46内の液体が僅少となったときの液量であり、液体収容容器40への液体の補充が望ましい液量である。本実施形態の上限量は、液体収容容器40への液体の補充が不要な液量であり、液体貯留部46内に大気が一部存在する。下限量、上限量は、所定量の一例である。図8図9では、液体の液量が下限量であるときの液面LSである下限液面LLと、液体の液量が上限量であるときの液面LSである上限液面LHと、を二点鎖線で示している。
【0028】
また、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Faはなくてもよい。この場合も、ユーザーは、前面43Fを介して、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを確認することができる。よって、前面43Fは視認面の一例である。換言すると、液体貯留部46は、液体貯留部46内の液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fを有する。
【0029】
図8から図10に示すように、液体貯留部46は、フロート48を有する。なお、図10は、六つの液体収容容器40が有する各液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるときの要部断面図である。フロート48は、液体貯留部46内の液体に浮かび、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。本実施形態のフロート48は、液体貯留部46が貯留する液体より比重の小さい材料で構成される。フロート48を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が採用できる。
【0030】
図10に示すように、本実施形態のフロート48は、Z軸方向から見たとき、Y軸方向を長手方向、X軸方向を短手方向とする矩形状の薄板形状をしている。また、本実施形態のフロート48は、半透明または透明な材料で構成される。また、フロート48を構成する材料の屈折率は、大気の屈折率より大きく、かつ液体貯留部46が貯留する液体の屈折率より大きい。このため、フロート48は、例えば、フロート48の-Y方向側の側面である後面48bから進入した光を、フロート48の+Y方向側の側面である前面48aに導く、所謂導光部材としての機能を有する。よって、フロート48の外形を規定する各側面は、光を導く導光面と言える。また、後面48b、前面48a、フロート48の外形を規定する各側面は、半透明または透明であるとも言える。なお、フロート48を構成する材料の屈折率は、例えば、1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
【0031】
また、Z軸方向から見たとき、フロート48の側面と液体貯留部46の内面との間には隙間が確保されている。また、フロート48の+X方向側および-X方向側の側面には、半球状の突起48Pが設けられる。これによれば、液体貯留部46の内面において、+X方向側および-X方向側の内面が変形した場合も、フロート48と液体貯留部46の内面との間の摺動抵抗が大きくなることを抑制できる。このため、本実施形態のフロート48は、液体貯留部46に設けられる回動軸に回動可能に保持されるような構造を備えない。
【0032】
このため、本実施形態のフロート48は、図8図9に示すように、フロート48の-Z方向側の側面である上面が液面LSに沿う姿勢を維持しつつ、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。また、本実施形態のフロート48は、液体貯留部46内の液体に浮かぶ。この結果、フロート48の-Z方向側の側面である上面が、液面LSに対して-Z方向に位置する。また、フロート48の前面48aの一部が、液面LSに対して-Z方向に位置する。また、フロート48の後面48bの一部が、液面LSに対して-Z方向に位置する。
【0033】
この場合、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、少なくともフロート48の前面48aの一部が見える。また、フロート48の前面48aは、X-Z面に沿う状態を維持しつつ、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。これによれば、本実施形態の記録装置101は、例えば、液体貯留部46内の液体の液面LSが見えにくい場合であっても、フロート48の前面48aを見ることで、液体の液面LSの位置を認識できるので、液体貯留部46内にフロート48を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の液量を認識しやすい。
【0034】
図8から図10に示すように、本実施形態の照明部300は、液体貯留部46の外に設けられる。照明部300は、光を発する発光部301を有する。発光部301は可視光を発する。図8図9に示すように、発光部301は、液体貯留部46の後面43Bに対して-Y方向側となる位置に設けられる。また、発光部301は、Z軸方向において、光を発する前面301aの位置が、液体貯留部46内の液体の下限液面LLの位置に対応するように設けられる。なお、本実施形態の発光部301は、筐体30に取り付けられるが、液体貯留部46の後面43Bに取り付けられてもよい。
【0035】
その結果、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、発光部301の前面301aは、フロート48の後面48bと対向する。本実施形態の液体貯留部46の後面43Bにおいて、発光部301の前面301aと対向する領域には、窓部材43Baが設けられる。窓部材43Baは、半透明または透明な材料で構成され、発光部301が発する可視光は、窓部材43Baを透して液体貯留部46内に進入する。図10に示すように、本実施形態の照明部300は、六つの液体収容容器40が有する各液体貯留部46に対応して、X軸方向に並んで設けられる六つの発光部301を有する。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Baはなくてもよい。
【0036】
発光部301は、可視光を発することで、液体およびフロート48を含む液体貯留部46内を、窓部材43Baを透して、液体貯留部46の外から照らす。これによれば、本実施形態の記録装置101は、照明部300を備えない場合と比較して、液体貯留部46の外から液体貯留部46が貯留する液体、液体の液面LSを確認しやすい。
【0037】
また、図9に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、発光部301の前面301aから発せられる光は、フロート48の後面48bからフロート48内に進入する。フロート48の後面48bは進入面の一例である。本実施形態のフロート48は、上述のように導光部材としての機能を有する。このため、フロート48の後面48bからフロート48内に進入した発光部301からの光は、フロート48内を前面48aに向かうように導かれる。図9では、フロート48内を後面48bから前面48aに向かって導かれる光の経路OPを破線の矢印で示している。
【0038】
フロート48の前面48aに導かれた光は、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、フロート48の前面48aは光って見える。換言すると、フロート48は、発光部301からの光を受けることで、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、光って見える前面48aを有する。フロート48の前面48aは発光面の一例である。
【0039】
これによれば、本実施形態の記録装置101は、例えば、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、液体の下限液面LLが見えにくい場合であっても、フロート48の前面48aを見ることで、液体の下限液面LLの位置を認識できるので、液体貯留部46内にフロート48を設けない場合と比較して、液体貯留部46内の液体の液量を認識しやすい。
【0040】
図4に示すように、筐体30は、視認部34と、壁部36と、を有する。視認部34には、液体貯留部46の前面43Fを露出させる貫通孔35が設けられる。壁部36は視認部34に対して-Z方向に配置される。ユーザーは、視認部34の貫通孔35から、前面43Fを透して、液体貯留部46内に貯留される液体の貯留量を把握することができる。なお、液体貯留部46の前面43Fを露出させることが可能であれば、貫通孔35に代えて、視認部34に視認部34の一部を削除した切欠き形状を設けてもよい。
【0041】
なお、視認部34の貫通孔35に、図13から図15に示すように、半透明または透明な材料で構成される視認部材34aを設けてもよい。視認部材34aを構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0042】
図4に示すように、上壁部61は、六つの液体収容容器40に対応する六つのキャップレバー取り付け部62と、開閉カバー取り付け部63と、第1凹部64と、第2凹部65と、ロックピン突出穴66と、を有する。キャップレバー取り付け部62は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー取り付け部63は、X軸に沿って延びる円柱状の軸である。開閉カバー31は、開閉カバー31の一方の端が開閉カバー取り付け部63に係合されることによって、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動可能になる。
【0043】
図6図7に示すように、キャップレバー50は、端部53と、係合部51と、注入口41aを閉栓可能なキャップ54と、係合部51に設けられる突起55と、を有する。係合部51が、上壁部61のキャップレバー取り付け部62に係合されることによって、キャップレバー50は、キャップレバー取り付け部62を軸中心として回動可能になる。
【0044】
図2では、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40Mの注入口41aが密閉される位置にキャップレバー50が配置され、液体収容容器40Yの注入口41aが開かれる位置にキャップレバー50が配置されている。図2図6図7に示すように、キャップレバー50は、液体収容容器40の注入口41aを密閉する閉栓状態と、液体収容容器40の注入口41aを開く開栓状態とに回動可能になる。図3に示すように、キャップレバー50を開栓状態にすると、液体収容容器40の注入口41aが開かれ、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充することができる。
【0045】
図6に示すように、開閉カバー31はキャップレバー50および上壁部61を保護する。開閉カバー31は、開閉カバー取り付け部63を軸中心として回動し、図4に二点鎖線で示す不図示の六つのキャップレバー50を蓋う閉状態と、図4に実線で示す不図示の六つのキャップレバー50を露出させる開状態と、を取り得る。図4に示すように、開閉カバー31は、被規制部31aを有する。
【0046】
液体貯留部46に貯留される液体の貯留量が少なくなり、補充容器90から液体を液体収容容器40に補充する場合、ユーザーは、開閉カバー31を、図6に示す閉状態から図7に示す開状態にする。ユーザーは、次にキャップレバー50の端部53に指をかけ、キャップレバー50を閉栓状態から開栓状態にすることで、図7に示すように、液体収容容器40の注入口41aを密閉された状態から開かれた状態にする。そして、ユーザーは、補充容器90の先端を液体収容容器40の注入口41aの中に差し込み、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する。
【0047】
図4図6図7に示すように、第1凹部64には、注入口41aが配置される。このため、図6に示すように、キャップレバー50の閉栓状態において、第1凹部64には、キャップ54が挿入される。また、図3に示すように、液体を補充容器90から液体収容容器40の液体貯留部46に補充する場合、第1凹部64には、補充容器90の先端が挿入される。このとき、第1凹部64は、補充容器90の先端の位置をガイドするガイド部として機能する。
【0048】
第2凹部65には、キャップレバー取り付け部62と、開閉検知部71と、が配置される。開閉検知部71は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知可能に設けられる。開閉検知部71は、六つのキャップレバー50に対応して六つ設けられる。キャップレバー50の突起55は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知するための被検出部として機能する。
【0049】
本実施形態における開閉検知部71は、可動式の検出子71aを有する接触式センサーである。検出子71aは、突出する方向へ片寄せされるとともに突出と後退との変位が可能である。なお、開閉検知部71は、接触式センサーに限らず、リミットスイッチでもよいし、圧力センサー、キャップレバー50の回動角度を検知する角度センサーでもよい。また、開閉検知部71は、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知できれば、接触式センサーに限らず、透過型フォトセンサー、超音波センサー等の非接触式センサーでもよい。
【0050】
本実施形態では、図6に示すように、検出子71aが突起55に押されてその突出量が小さくなる方向へ後退し、突起55を検出することで、開閉検知部71はキャップレバー50の閉栓状態を検知する状態となる。また、図7に示すように、検出子71aが突起55に押されずに突出し、突起55を検出しないことで、開閉検知部71はキャップレバー50の開栓状態を検知する状態となる。
【0051】
図4に示すように、ロック機構72は、上壁部61の+Z方向側となる位置に設けられる。また、ロック機構72は、X軸方向において、液体収容容器40K1の注入口41aが配置される第1凹部64と隣り合い、-X方向側となる位置に設けられる。ロック機構72は、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替え可能に設けられる。
【0052】
本実施形態のロック機構72は、電磁コイルに電流を流すことで発生する磁力により、ロックピン(不図示)を直線運動させるソレノイドである。ロックピンは、ソレノイドにおける可動鉄心である。ロックピンは、ロックピンの先端が、ロックピン突出穴66内に位置する退避位置と、退避位置から+Y方向に突出する突出位置と、の間を移動可能に設けられる。
【0053】
本実施形態では、突出位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の被規制部31aの上方への移動を規制する。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行できないロック状態になる。また、退避位置にあるロックピンは、閉状態にある開閉カバー31の上方への移動を規制しない。このとき、開閉カバー31は閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態にある。
【0054】
本実施形態におけるロック機構72は、ロック機構72に通電することで、ロックピンが、突出位置から退避位置に移動する。すなわち、開閉カバー31は、ロック機構72に通電することで、ロック解除状態になり、ロック機構72への通電が停止されることでロック状態になる。よって、本実施形態における開閉カバー31は、記録装置101の電源が遮断された状態ではロック状態になる。
【0055】
次に記録装置101の電気的構成について説明する。図11に示すように、記録装置101は、制御部111を備える。制御部111には、スキャナー部10、電源操作部16、表示部15、開閉検知部71が、不図示の入力インターフェイスを介して接続される。また、制御部111には、表示部15、搬送部25、記録部20、ロック機構72、および照明部300の発光部301が、不図示の出力インターフェイスを介して接続される。報知部としての表示部15、表示部215は、表示の指示と共に受け付けた情報を指示に従って表示して報知する機能を有する。
【0056】
ここで、制御部111は、外部装置であるホスト装置210の表示部215とは、装置本体102内の不図示の通信インターフェイス、通信ケーブルまたは無線通信回線等を通じて接続される。制御部111は、データと共にそのデータに基づく情報の表示を要求する信号を表示部15とホスト装置210とのうち少なくとも一方に送信し、表示部15、表示部215にデータに基づく情報を表示させて報知する報知処理を行う。ホスト装置210としては、パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末などが挙げられる。
【0057】
制御部111は、例えば不図示のCPUおよびメモリーを内蔵し、CPUがメモリーに記憶されたプログラムを実行することにより各種の制御を行う。CPUは演算処理装置である。制御部111は、表示部15および表示部215のいずれかに情報を表示させることにより、その情報を表示によって報知させる機能を有する。
【0058】
制御部111は、開閉検知部71がキャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかを検知している検知結果に基づき、キャップレバー50の閉栓状態および開栓状態のいずれかに関する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。また、制御部111は、記録装置101の電源を遮断する操作があったときに開閉検知部71がキャップレバー50の開栓状態を検知している場合、キャップレバー50を閉栓状態にするように要求する情報を、表示部15および表示部215のいずれかに報知させる。
【0059】
制御部111は、各液体収容容器40における液体貯留部46内の液量を管理している。ユーザーは液体収容容器40の液体貯留部46に液体を注入し終えると、液体貯留部46内の液面位置に関する情報を表示部15またはホスト装置210の操作により記録装置101に入力する。制御部111は、入力した液面位置に関する情報に基づき液体注入後の液体貯留部46内の現在の液量を取得する。また、制御部111は、記録部20が排出した液体の消費量を計測し、液体収容容器40ごとに前回の液量から今回の消費量を減算することにより、液体収容容器40ごとに液体貯留部46内の現在の液量を管理する。
【0060】
制御部111は、記録部20を制御し、搬送部25により搬送される媒体に向かって液体を噴射させる液体噴射動作および印刷とは関係のない液体を噴射させるフラッシングを行わせる。また、制御部111は、不図示のメンテナンス装置を制御し、記録ヘッド22のノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を行わせる。記録装置101はキャリッジ21を媒体の幅方向に移動させる駆動源として不図示のキャリッジモーターを備え、制御部111は、記録ヘッド22の液体噴射制御とキャリッジモーターの駆動制御とによって、キャリッジ21に搭載されて移動中の記録ヘッド22に液体を噴射させる液体噴射動作を行わせる。
【0061】
制御部111は、搬送部25を制御し、不図示の媒体収容カセットから媒体を給送させるとともにその給送した媒体を所定の搬送経路に沿って搬送させる。搬送部25は、例えばローラー方式またはベルト方式の搬送機構と、その駆動源である不図示の搬送モーターとを備える。制御部111は搬送モーターの制御によって媒体の搬送制御を行う。
【0062】
制御部111は、ロック機構72への通電を制御することにより、ロック機構72を制御し、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行できないロック状態と、開閉カバー31が閉状態から開状態に移行可能なロック解除状態と、を切り替えさせる。例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量になった液体収容容器40があると、ロック機構72をロック状態からロック解除状態に移行させる。
【0063】
制御部111は、発光部301の発光状態を制御することで、記録装置101の動作状態をユーザーに報知する。また、制御部111は、発光部301の発光状態を制御することで、記録装置101の消費電力を低減する。例えば、制御部111は、発光部301を、印刷中は消灯させ、印刷をしていないときには点灯させる。また、例えば、制御部111は、ユーザーが電源操作部16を操作し記録装置101の電源がオンすると、発光部301を点灯させ、印刷中は発光部301を消灯させる。また、例えば、制御部111は、電源操作部16、表示部15、スキャナー部10、開閉カバー31等の操作が行われると、発光部301を点灯させ、一定時間操作が行われない場合に、発光部301を消灯させる。
【0064】
また、例えば、制御部111は、開閉カバー31が開状態になると、発光部301を点灯させ、閉状態になった後一定時間経過すると、発光部301を消灯させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量に近くなると、発光部301を点灯または点滅させる。これにより、液体収容容器40に液体の補充が必要であることをユーザーに報知することができる。また、例えば、制御部111は、ロック機構72がロック解除状態のとき、発光部301を点灯または点滅させる。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液量が下限量となった液体収容容器40があると、表示部15および表示部215のいずれかにその旨を表示し、液量が下限量となった液体貯留部46に対応する発光部301を、開閉カバー31が開状態から閉状態になるまで、発光部301を点灯または点滅させる。
【0065】
以上述べたように、実施形態1に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0066】
記録装置101は、液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46から供給される前記液体を媒体に吐出する記録ヘッド22と、光を発する発光部301と、を備え、液体貯留部46は、液体貯留部46内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面LSの移動に応じて移動可能なフロート48と、液体貯留部46内の前記液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、を有し、フロート48は、発光部301からの前記光を受けることで、前面43Fに対面する方向から見て、光って見える前面48aを有する。これによれば、フロート48が光って見えるので、ユーザーが液面LSを認識しやすい。
【0067】
発光部301は、液体貯留部46の外に設けられ、液体貯留部46において発光部301と対向する領域は、透明または半透明であり、発光部301は、フロート48を液体貯留部46の外から照らす。これによれば、発光部301を配置しやすい。また、発光部301のメンテナンスがしやすい。
【0068】
フロート48は、フロート48に入る発光部301からの前記光を前面48aに向かって導く。これによれば、フロート48が導光部材として機能するので、前面48aの発光状態を安定させやすい。
【0069】
フロート48は、発光部301からの前記光が入る後面48bを有し、発光部301は、液体貯留部46内の前記液体の液量が下限量となったときの後面48bと対向する位置に設けられる。これによれば、液体貯留部46内の液量が下限量になるとフロート48の前面48aが光って見えるので、液体貯留部46内の液量が下限量になったことをユーザーに報知できる。
【0070】
記録装置101は、発光部301の点灯および消灯を制御する制御部111をさらに備える。これによれば、制御部111が発光部301の点灯および消灯を制御することで、フロート48の発光状態を変更し、記録装置101の動作状態をユーザーに報知することができる。
【0071】
記録装置101は、前記液体を液体貯留部46内に注入可能な注入部41をさらに備える。これによれば、液体貯留部46は、液体を補充して使用する継ぎ足しタイプの記録装置101にも採用することができる。
【0072】
2.実施形態2
次に、本開示の一実施形態としての実施形態2の記録装置101における液体収容装置103について説明する。なお、実施形態1の液体収容装置103と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0073】
図12に示すように、実施形態2の液体収容装置103は、照明部300が、導光部302を備える点、発光部301が一つである点、において、実施形態1の液体収容装置103と異なる。発光部301は、六つの液体収容容器40に対して-Y方向側となる位置で、かつ液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置に設けられる。本実施形態の発光部301は、前面301aから発する光が+X方向に向かうように設けられる。
【0074】
導光部302は、半透明または透明な材料で構成される。導光部302は、進入面302bと、照射面302aと、後面302rと、を備える。本実施形態の導光部302は、進入面302bから進入する光を照射面302aに向けて導く導光部材である。例えば、導光部302を構成する材料は、樹脂材料であれば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が採用できる。
【0075】
進入面302bは、導光部302における-X方向側の側面であり、発光部301の前面301aと対面する位置に設けられる。進入面302bは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側に位置する。
【0076】
照射面302aは、導光部302における+Y方向側の側面である。照射面302aは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置から液体収容容器40Yにおける液体貯留部46の後面43Bより+X方向側となる位置まで延びる。照射面302aは、液体収容容器40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Yにおける液体貯留部46の窓部材43Baと対面する位置に設けられる。照射面302aは、Z軸方向において、液体貯留部46内の液体の下限液面LLの位置に対応するように設けられる。その結果、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、照射面302aは、フロート48の後面48bと対向する。
【0077】
後面302rは、導光部302における-Y方向側の側面である。後面302rは、液体収容容器40K1における液体貯留部46の後面43Bより-X方向側となる位置から液体収容容器40Yにおける液体貯留部46の後面43Bより+X方向側となる位置まで延びる。後面302rは、複数の反射面によって形成され、X軸方向に延びる鋸刃形状を有する。
【0078】
図12に示すように、発光部301の前面301aから発せられる光は、導光部302の進入面302bから導光部302内に進入する。進入面302bから導光部302内に進入した発光部301からの光は、後面302rを構成する複数の反射面、導光部302の+Z方向側の側面、-Z方向側の側面により、導光部302内を照射面302aに向かうように導かれる。照射面302aに導かれた発光部301からの光は、窓部材43Baを透して液体貯留部46内に進入し、液体およびフロート48を含む六つの液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部301は、液体貯留部46の外に設けられ、導光部302を介して、フロート48を照らす。また、本実施形態の記録装置101は、複数の液体貯留部46におけるフロート48を、導光部302を介して、一つの発光部301によって照らす。
【0079】
また、このときの液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、照射面302aに導かれた発光部301からの光は、フロート48の後面48bからフロート48内に進入し、フロート48内を前面48aに向かうように導かれる。図12では、六つのフロート48内を後面48bから前面48aに向かって導かれる光の経路OPを破線の矢印で示している。
【0080】
フロート48の前面48aに導かれた光は、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート48の前面48aは、光って見える。
【0081】
以上述べたように、実施形態2に係る記録装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
【0082】
記録装置101は、発光部301からの前記光を導く導光部302をさらに備え、発光部301は、液体貯留部46の外に設けられ、導光部302を介して、フロート48を照らす。これによれば、記録装置101において、発光部301を液体貯留部46から離れた位置に設けることができる。
【0083】
導光部302は、発光部301からの前記光を、フロート48に向けて照射する照射面302aを有し、フロート48は、照射面302aから照射される前記光が入る後面48bを有し、照射面302aは、液体貯留部46内の前記液体の液量が下限量となったときの後面48bと対向する位置に設けられる。これによれば、液体貯留部46内の液量が所定量になったことをユーザーに報知できる。
【0084】
記録装置101は、複数の液体貯留部46を備え、前記複数の液体貯留部46におけるフロート48を、導光部302を介して、一つの発光部301によって照らす。これによれば、複数のフロート48を、一つの発光部301で照らすことができる。
【0085】
3.実施形態3
次に、本開示の一実施形態としての実施形態3の記録装置101における液体収容装置103について説明する。なお、実施形態1の液体収容装置103と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0086】
図13に示すように、実施形態3の液体収容装置103は、液体収容容器40の液体貯留部46が、フロート448と、フロートガイド46Gと、窓部材43Saと、を有する点、窓部材43Baを備えない点、照明部300が導光部303を備える点、において、実施形態1の液体収容装置103と異なる。
【0087】
図13に示すように、本実施形態の液体貯留部46は、フロート448と、フロートガイド46Gと、窓部材43Saと、を有する。フロート448は、液体貯留部46内の液体に浮かび、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。フロート448は、+Z方向側の側面である底面448bと、底面448bの-Z方向に位置する傾斜面である反射面448rと、底面448bおよび反射面448rの+Y方向側に位置する側面である前面448aと、を備える。本実施形態における反射面448rのX-Y面に対する傾斜角度は45度である。
【0088】
本実施形態のフロート448を構成する材料は、実施形態1のフロート48と同じである。このため、フロート448の反射面448rの一部が、液面LSに対して-Z方向に位置する。また、フロート448の前面448aの一部が、液面LSに対して-Z方向に位置する。また、本実施形態のフロート448は、実施形態1と同様に、底面448bから進入した光を、フロート448の前面448aに導く、導光部材としての機能を有する。
【0089】
液体貯留部46のフロートガイド46Gは、フロート448を、前面448aがX-Z面に沿う状態を維持しつつ、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動するように、ガイドする。フロートガイド46Gは、Y軸方向において、フロート448が、前面43Fとフロートガイド46Gとの間に位置するように、前面43Fと間隔を置いて設けられる。フロートガイド46Gは、右側面43Rの-X方向側と、左側面43Lの+X方向側とに一対設けられ、Z軸方向に延びる突起である。一対のフロートガイド46Gどうしは、X軸方向において、間隔を置いて設けられる。このため、液体貯留部46において、フロートガイド46Gより+Y方向側の領域と、フロートガイド46Gより-Y軸方向側の領域と、は、フロートガイド46Gに遮断されることなく、連続している。
【0090】
窓部材43Saは、液体貯留部46の底面43Sにおいて、フロート448の底面448bと対向する位置に設けられる。また、窓部材43Saは、後述する導光部303の照射面303aと対面する位置に設けられる。窓部材43Saは、半透明または透明な材料で構成される。窓部材43Saを構成する材料は、実施形態1の窓部材43Baと同様の材料が採用できる。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Saはなくてもよい。
【0091】
導光部303は、半透明または透明な材料で構成される。導光部303は、進入面303bと、照射面303aと、反射面303r1,303r2,303r3と、を備える。本実施形態の導光部303は、進入面303bから進入する光を照射面303aに向けて導く導光部材である。導光部303を構成する材料は、実施形態2の導光部302と同様の樹脂材料が採用できる。本実施形態における反射面303r1,303r2,303r3のX-Y面に対する傾斜角度は45度である。
【0092】
進入面303bは、発光部301の前面301aと対面する位置に設けられる。進入面303bは、液体貯留部46の後面43Bより-Y方向側に位置する。反射面303r1は、進入面303bの+Y方向であって、液体貯留部46の後面43Bより-Y方向側に位置する。反射面303r2は、反射面303r1の+Z方向であって、液体貯留部46の底面43SよりZ軸方向において+Z方向側に位置する。反射面303r3は、反射面303r2の+Y方向であって、液体貯留部46の窓部材43Saの+Z方向側に位置する。
【0093】
照射面303aは、反射面303r3の-Z方向側に位置し、液体貯留部46の窓部材43Saの+Z方向側に位置する。照射面303aは、液体貯留部46の窓部材43Saと対面する。その結果、照射面303aは、フロート448の底面448bと対向する。
【0094】
図13に示すように、液体貯留部46内の液体の液量が下限量であるとき、発光部301の前面301aから発せられる光は、導光部303の進入面303bから導光部303内に進入する。進入面303bから導光部303内に進入した発光部301からの光は、反射面303r1,303r2,303r3を含む導光部303の側面により、導光部303内を照射面303aに向かうように導かれる。照射面303aに導かれた発光部301からの光は、窓部材43Saを透して液体貯留部46内に進入し、液体およびフロート448を含む液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部301は、液体貯留部46の外に設けられ、導光部303を介して、フロート448を照らす。
【0095】
また、照射面303aに導かれた発光部301からの光は、フロート448の底面448bからフロート448内に進入し、反射面448rを含むフロート448の側面によって、フロート448内を前面448aに向かうように導かれる。図13では、発光部301からの光が、導光部303の進入面303bから液体収容装置103の視認部材34aより+Y方向側に向かう経路OPを破線の矢印で示している。
【0096】
フロート448の前面448aに導かれた光は、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート448の前面448aは、光って見える。前面448aは発光面の一例である。
【0097】
なお、本実施形態では、液体貯留部46内の液体の液量が下限量でないとき、例えば、上限量であるときであっても、照射面303aに導かれ、液体貯留部46内に進入した発光部301からの光は、液量が下限量であるときと比較して減少するものの、液体貯留部46内の液体を介して、フロート448の底面448bからフロート448内に進入する。よって、本実施形態では、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート448の前面448aは、光って見える。これによれば、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、フロート448が光って見えるので、ユーザーが液面LSを認識しやすい。
【0098】
4.実施形態4
次に、本開示の一実施形態としての実施形態4の記録装置101における液体収容装置103について説明する。なお、実施形態1の液体収容装置103と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0099】
図14に示すように、実施形態4の液体収容装置103は、液体収容容器40の液体貯留部46が、フロート548と、フロートガイド46Gと、を有する点、窓部材43Baを備えない点、発光部301がフロート548の内部に設けられる点、において、実施形態1の液体収容装置103と異なる。
【0100】
図14に示すように、本実施形態の液体貯留部46は、フロート548と、フロートガイド46Gと、を有する。フロート548は、液体貯留部46内の液体に浮かび、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。フロート548は、発光部301と、発光部301に給電するための二次コイル301Cと、を内部に備える。発光部301は、前面301aを、フロート548の+Y方向側の側面である前面548aと対向させる姿勢で、フロート548内に設けられる。
【0101】
二次コイル301Cは、電磁誘導を利用したワイヤレス給電における受電側コイルである。二次コイル301Cが受電する電力を発光部301に供給することにより、発光部301は光を発する。二次コイル301Cは、液体貯留部46の右側面43Rと対向するように、フロート548内に設けられる。液体貯留部46の右側面43Rには、一次コイル(不図示)が設けられる。一次コイルは、ワイヤレス給電における送電側コイルであり、制御部111の制御下において、交流電圧を供給される。一次コイルは、フロート548のZ軸方向への移動に伴い移動する二次コイル301Cと対向する領域に亘って設けられる。
【0102】
本実施形態のフロート548を構成する材料は、半透明または透明な材料で構成される。フロート548を構成する材料は、実施形態1のフロート48と同様の樹脂材料が採用できる。フロート548は、液体貯留部46内の液体に浮かぶ。このとき、フロート548の前面548aの一部が、液面LSに対して-Z方向に位置する。
【0103】
液体貯留部46のフロートガイド46Gは、フロート548を、前面548aがX-Z面に沿う状態を維持しつつ、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動するように、ガイドする。フロートガイド46Gは、Y軸方向において、フロート548が、前面43Fとフロートガイド46Gとの間に位置するように、前面43Fと間隔を置いて設けられる。フロートガイド46Gは、右側面43Rの-X方向側と、左側面43Lの+X方向側とに一対設けられ、Z軸方向に延びる突起である。一対のフロートガイド46Gどうしは、X軸方向において、間隔を置いて設けられる。このため、液体貯留部46において、フロートガイド46Gより+Y方向側の領域と、フロートガイド46Gより-Y軸方向側の領域と、は、フロートガイド46Gに遮断されることなく、連続している。
【0104】
制御部111の制御下において、一次コイルに交流電圧が供給されることで、二次コイル301Cが電力を受電し、発光部301は光を+Y方向に向けて発する。フロート548の前面548aは、発光部301からの光をフロート548の内部から受ける。発光部301からの光は、フロート548の前面548aを透って、+Y方向に向かう。図14では、発光部301からの光が、液体収容装置103の視認部材34aより+Y方向側に向かう経路OPを破線の矢印で示している。
【0105】
フロート548の前面548aを透った光は、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート548の前面548aは、光って見える。前面548aは発光面の一例である。本実施形態では、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート548の前面548aは、光って見える。これによれば、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、フロート548が光って見えるので、ユーザーが液面LSを視認しやすい。
【0106】
以上述べたように、実施形態4に係る記録装置101、および液体収容容器40によれば、以下の効果を得ることができる。
【0107】
記録装置101において、発光部301は、フロート548の内部に設けられ、前面548aは、透明または半透明であり、発光部301からの光をフロート548の前記内部から受ける。これによれば、記録装置101は、フロート548のZ軸方向における位置に関わらず、フロート548の前面548aの発光状態を安定させやすい。よって、ユーザーが液面LSを認識しやすい。
【0108】
液体収容容器40は、液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面LSの移動に応じて移動可能なフロート548と、液体貯留部46内の前記液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、フロート548に設けられる発光部301と、を備え、フロート548は、発光部301が光を発することで、前面43Fに対面する方向から見て、光って見える前面548aを有する。これによれば、液体収容容器40は、フロート548のZ軸方向における位置に関わらず、フロート548の前面548aの発光状態を安定させやすい。よって、ユーザーが液面LSを認識しやすい。
【0109】
5.実施形態5
次に、本開示の一実施形態としての実施形態5の記録装置101における液体収容装置103について説明する。なお、実施形態1の液体収容装置103と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用および効果についても説明を省略する。
【0110】
図15に示すように、実施形態5の液体収容装置103は、液体収容容器40の液体貯留部46が、フロート648と、窓部材43Uaと、を有する点、窓部材43Baを備えない点、において、実施形態1の液体収容装置103と異なる。
【0111】
図15に示すように、本実施形態の液体貯留部46は、フロート648と、窓部材43Uaと、を有する。フロート648は、液体貯留部46内の液体に浮かび、液面LSのZ軸方向への移動に応じて移動する。フロート648は、+Y方向側に位置する側面である前面648rを備える。前面648rは、フロート648の-Z方向側から受ける光を、フロート648の+Y方向に向けて反射する傾斜面である。本実施形態における前面648rのX-Y面に対する傾斜角度は45度である。
【0112】
本実施形態のフロート648を構成する材料は、実施形態1のフロート48と同じ樹脂材料でもよいが、半透明でなくても良いし、透明でなくてもよい。例えば、フロート648を構成する材料は白色でもよいし、フロート648の表面にステンレス蒸着を施してもよい。フロート648は、液体貯留部46内の液体に浮かぶ。このとき、フロート648の前面648rの一部が、液面LSに対して-Z方向側に位置する。
【0113】
窓部材43Uaは、液体貯留部46の上面43Uにおいて、フロート648の前面648rの-Z方向となる位置に設けられ、前面648rと対向する。窓部材43Uaは、半透明または透明な材料で構成される。窓部材43Uaを構成する材料は、実施形態1の窓部材43Baと同様の材料が採用できる。なお、液体貯留部46を半透明または透明な材料で構成する場合には、窓部材43Uaはなくてもよい。照明部300の発光部301は、窓部材43Uaの-Z方向側となる位置に設けられ、前面301aは窓部材43Uaと対面する。また、発光部301の前面301aは、フロート648の前面648rの-Z方向となる位置に設けられ、窓部材43Uaを間に置いて、前面648rと対向する。なお、本実施形態の発光部301は、液体貯留部46の上面43Uに取り付けられるが、筐体30に取り付けられてもよい。
【0114】
図15に示すように、発光部301の前面301aから発せられる光は、窓部材43Uaを透して液体貯留部46内に進入し、フロート648を含む液体貯留部46内を照らす。換言すると、発光部301は、液体貯留部46の外に設けられ、液体貯留部46内を液体貯留部46の外から照らす。
【0115】
また、発光部301の前面301aから+Z方向に向かって発せられる光は、窓部材43Uaを透して液体貯留部46内に進入し、フロート648の前面648rに到達する。フロート648の前面648rが受けた発光部301からの光は、前面648rに反射されて+Y方向に向かい、液体貯留部46の窓部材43Faを透って、液体貯留部46の外となる液体貯留部46の+Y方向側に到達する。その結果、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート648の前面648rは、光って見える。前面648rは発光面の一例である。
【0116】
本実施形態では、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向側から液体貯留部46内を見たとき、フロート648の前面648rは、光って見える。これによれば、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、フロート648が光って見えるので、ユーザーが液面LSを認識しやすい。
【0117】
本発明の上記実施形態に係る記録装置101、および液体収容容器40は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0118】
上記実施形態において、液体収容装置103における筐体30は、視認部34、および壁部36を有さなくてもよい。そして、例えば、液体収容装置103は、筐体30を、交換可能な液体収容容器40を着脱可能に収容する装着部として機能させてもよい。この場合、例えば、実施形態1における液体収容容器40は、液体を吐出する記録へッド22と、光を発する発光部301と、筐体30と、を備える記録装置101の筐体30に装着可能な液体収容容器40であって、前記液体を貯留可能な液体貯留部46と、液体貯留部46内の前記液体に浮かび、姿勢を維持しつつ前記液体の液面LSの移動に応じて移動可能なフロート48と、液体貯留部46内の前記液体を液体貯留部46の外から視認可能な前面43Fと、を備え、筐体30に装着された状態において、液体貯留部46において発光部301と対向する領域は、透明または半透明であり、フロート48は、発光部301からの前記光を受けることで、前面43Fに対面する方向から見て、光って見える前面48aを有する。これによれば、液体収容容器40は、筐体30に装着された状態において、フロート48が光って見えるので、ユーザーが液面LSを認識しやすい。なお、実施形態5のように、発光部301が液体貯留部46の上面43Uに設けられる場合、記録装置101は発光部301を備えなくてもよい。
【0119】
上記実施形態1において、発光部301を、Z軸方向において、前面301aの位置が、液体貯留部46内の液体の上限液面LHの位置に対応するように設けてもよい。そして、液体貯留部46の後面43Bにおいて、発光部301の前面301aと対面する位置に、窓部材43Baを設けてもよい。これによれば、ユーザーが液体収容容器40に液体を補充する際に、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液量が上限量であることを報知できる。
【0120】
上記実施形態において、一つの液体貯留部46に対して、複数の発光部301を設けてもよい。例えば、実施形態1において、Z軸方向において、前面301aの位置が液体貯留部46内の液体の下限液面LLの位置に対応する発光部301と、前面301aの位置が液体貯留部46内の液体の上限液面LHの位置に対応する発光部301と、を設けてもよい。また、例えば、実施形態1において、Z軸方向において、前面301aの位置が液体貯留部46内の液体の下限液面LLの位置に対応する発光部301に加え、フロート48の上面の中央より+Y方向側の領域を-Y方向側上方から斜めに照らす発光部301を、液体貯留部46の上面43Uに設けてもよい。そして、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート48の上面は、光って見える。このとき、フロート48の上面は発光面の一例である。
【0121】
上記実施形態2において、窓部材43Baを、液体貯留部46の後面43BのZ軸方向にわたって延びるように、形成してもよい。そして、液体貯留部46内の液体の液面LSの位置に関わらず、導光部302の照射面302aが、窓部材43Baを間に置いて、フロート48の後面48bと対向するように、照射面302aを、液体貯留部46の後面43BのZ軸方向にわたって延びるように、形成してもよい。これによれば、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液体の液量に関わらず、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート48の前面48aは、光って見える。換言すると、制御部111が発光部301を点灯または点滅させることで、液体貯留部46内の液体の液面LS、およびフロート48の位置が変化した場合も、液体貯留部46の前面43Fに対面する方向である+Y方向から液体貯留部46内を見たとき、フロート48の前面48aは、光って見える。
【0122】
上記実施形態において、フロート48は、液体貯留部46内の液体に浮かぶことを条件として、複数の材料で構成してもよい。例えば、実施形態5のフロート648において、前面648rをステンレスで構成し、その他の部分をポリプロピレン(PP)で構成してもよい。
【0123】
上記実施形態において、フロートの形状は、発光面を有していれば、特に限定されない。例えば、実施形態1のフロート48は、前面48aが円形を有する円柱形状であってもよいし、前面48aが三角形の角柱形状であってもよい。また、例えば、実施形態5のフロート648を球体にし、実施形態3と同じようにフロートガイド46Gを設けてもよい。
【0124】
上記実施形態において、発光部301が発する光の色を変更可能としておき、制御部111が発光部301を点灯または点滅させるときの色を変更してもよい。例えば、実施形態1において、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より多いときには、発光部301を緑色の光で点灯させ、液体貯留部46内の液体の液量が下限量となったときには、発光部301を黄色の光で点滅させてもよい。また、例えば、制御部111は、液体貯留部46内の液体の液量が下限量より少なくなったときには、発光部301を赤色の光で点灯させてもよい。
【0125】
上記実施形態3において、液体やフロート448を含む六つの液体貯留部46内を、導光部303を介して、一つの発光部301によって照らしてもよい。この場合、例えば、導光部303を途中で分岐させることで、各液体貯留部46の窓部材43Saに対面する六つの照射面303aを設けてもよい。
【0126】
上記実施形態において、照明部300が複数の発光部301を有する場合、各発光部301が発する可視光の色が異なっていてもよい。
【0127】
上記実施形態において、複数の液体貯留部46内の各フロートの色が異なっていてもよい。
【0128】
上記実施形態3において、液体収容装置103は発光部301を備えなくてもよい。この場合、例えば、発光部301を、装置本体102において、液体収容装置103に対して-Y方向側となる位置に設けてもよいし、液体収容装置103に対して-X方向側となる位置に設けてもよい。
【0129】
上記実施形態4において、フロート548は、二次コイル301Cに代えて、発光部301に電力を供給可能な電池を備えてもよい。
【0130】
上記実施形態において、記録ヘッド22と液体収容容器40とをチューブ23によって接続しなくてもよい。この場合、記録装置101は、キャリッジ21に記録ヘッド22と液体収容容器40を搭載し、キャリッジ21が媒体の幅方向に移動しながら、記録ヘッド22が液体を媒体に噴射する液体噴射動作と、媒体が搬送部25によって搬送方向に搬送される搬送動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録してもよい。
【符号の説明】
【0131】
10…スキャナー部、11…スキャナーハウジング、12…原稿カバー、15…表示部、16…電源操作部、20…記録部、21…キャリッジ、22…記録ヘッド、23…チューブ、25…搬送部、30…筐体、31…開閉カバー、31a…被規制部、34…視認部、34a…視認部材、35…貫通孔、36…壁部、40,40K1,40K2,40GR,40C,40M,40Y…液体収容容器、41…注入部、41a…注入口、41b…中間貯留部、41c…流入口、41d…中継流路、41e…流出口、42…天面、43B…後面、43Ba…窓部材、43F…前面、43Fa…窓部材、43L…左側面、43R…右側面、43S…底面、43Sa…窓部材、43U…上面、43Ua…窓部材、44…目盛り部、45…大気導入口、46…液体貯留部、46G…フロートガイド、48,448,548,648…フロート、48a,448a,548a…前面、48b…後面、48P…突起、49…導出流路、49a…排出口、49b…第1接続流路、49c…第2接続流路、49d…導出口、50…キャップレバー、51…係合部、53…端部、54…キャップ、55…突起、61…上壁部、62…キャップレバー取り付け部、63…開閉カバー取り付け部、64…第1凹部、65…第2凹部、66…ロックピン突出穴、71…開閉検知部、71a…検出子、72…ロック機構、90…補充容器、101…記録装置、102…装置本体、103…液体収容装置、111…制御部、210…ホスト装置、215…表示部、300…照明部、301…発光部、301a…前面、301C…二次コイル、302,303…導光部、302a,303a…照射面、302b,303b…進入面、302r…後面、303r1,303r2,303r3…反射面、448b…底面、448r…反射面、648r…前面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15