(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179947
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
G01R 11/00 20060101AFI20221129BHJP
G01R 11/04 20060101ALI20221129BHJP
G01R 22/06 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G01R11/00 H
G01R11/04 B
G01R22/06 130H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086774
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
(57)【要約】
【課題】計量装置取付時の端子ブロックの異極端子間の短絡を防止する電力量計。
【解決手段】導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに取り付ける導体接続ねじ7を備える端子ブロック、カバーを有し、導体挿入部101cと導体側端子接続部を覆う先端部101aと導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部101bと爪部101dを有する固定部101eを有する端子先端保護部101を設け、導体に固定部の爪部に篏合する導体側穴部3A1を設け、導体側端子接続部を導体挿入部に挿入し、爪部が導体側穴部に篏合することで固定され、通信装置を計量装置から取外した状態で計量装置を端子ブロックに取り付ける時、導体接続ねじのねじ頭は導体接続ねじ用凹部に挿入され、導体接続ねじを締め付けて導体側端子接続部を端子側導体接続部に接続することで計量装置を端子ブロックに取付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部と爪部を有するスナップフィット構造の固定部を有する端子先端保護部を設け、前記導体に前記固定部の前記爪部に篏合する導体側穴部を設け、
前記導体側端子接続部を前記導体挿入部に挿入し、前記爪部が前記導体側穴部に篏合することで固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【請求項2】
導体通し穴を有するベースと導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部と引っ掛け部を有する端子先端保護部を設け、前記導体通し穴に前記引っ掛け部に篏合するベース側凹部を設け、
前記先端部を前記導体通し穴に挿入し前記引っ掛け部が前記ベース側凹部に篏合した後、前記導体側端子接続部を前記導体挿入部に挿入して固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【請求項3】
導体通し穴を有するベースと導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記ベースに前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部を有する端子先端保護部を設け、
前記導体側端子接続部を前記導体通し穴および前記導体挿入部に挿入して固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロック、カバーを有している。
図7(a)~
図7(d)は、従来の電力量計において、計量装置、端子ブロック、通信装置、カバーを組立てる手順を示した工程図である。
図7(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、
図7(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示し、
図7(c)は、計量装置に通信装置を取り付けた状態を示し、
図7(d)は、端子ブロックにカバーを取り付けて完成した電力量計を示す。
【0003】
図8(a)、(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。
図9(a)は、従来の電力量計用通信装置の外観を示し、
図9(b)は、通信装置に設けられた計量装置取付部24aを示す。計量装置は、
図8(a)~
図8(b)に示すように、電力量を表示する表示部1aと通信装置接続部1bと開閉検出部1cと導体接続部1dとセンサ接続部1eとベース取付部1fを有する回路部1、回路部1のセンサ接続部1eに接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1の導体接続部1dに接続して電源供給する導体側回路接続部3aと端子ブロックの端子9の端子側導体接続部9bと接続する導体側端子接続部3bを備えている導体3、通信装置接続部通し穴4aと通信装置取付部4bとブロック取付部4cと開閉検出部通し穴4dとケース取付部4eと導体通し穴4fと回路取付部4gを備えるベース4、それらを収納し、表示窓5aとケース側ベース取付部5bとケース防水用リブ収納部5cとケース防水用リブ5dとケース側固定ねじ取付部5eを備えているケース5で構成されている。
【0004】
通信装置は、
図9(a)~
図9(b)に示すように、計量装置接続部21a、計量装置取付部24aを有している。
【0005】
端子ブロックは、
図8(a)~
図8(b)に示すように、ブロック取付ねじ6、導体接続ねじ7、電線取付ねじ8、電線収納部9aと端子側導体接続部9bを備える端子9、ブロック側ベース取付部10aとカバー取付用雌ねじ部10bと電線通し穴10cと端子取付部10dとブロック側固定ねじ取付部10eとブロック防水用リブ収納部10fを備えるブロック10で構成されている。
【0006】
カバーは、
図8(a)~
図8(b)に示すように、検出用凸部11aとカバー防水用リブ11bを備えるカバー11とカバー取付ねじ12で構成されている。
【0007】
このように構成された計量装置、通信装置、端子ブロック、カバーを電力量計に組立てる手順を以下に記す。まず、
図7(a)に示すように、計量装置を端子ブロックの上方に配置して下方に移動させると、
図7(b)に示すように、計量装置を端子ブロックに篏合させる。
【0008】
その後、計量装置の導体側端子接続部3bを、端子ブロックの導体接続ねじ7で端子9の端子側導体接続部9bに固定し、計量装置のブロック取付部4cを、ブロック取付ねじ6で端子ブロックのブロック側ベース取付部10aに固定することで、計量装置を端子ブロックに取り付けることができる。
【0009】
このとき、ケース5のケース防水用リブ5dは、ブロック10のブロック防水用リブ収納部10fに収納される。その後、
図7(c)に示すように、通信装置の計量装置取付部24aを、計量装置のベース4の通信装置取付部4bに嵌合させ、通信装置の計量装置接続部21aを、計量装置のベース4の通信装置接続部通し穴4aを通して、回路部1の通信装置接続部1bに接続することで、通信装置を計量装置に取付ける。
【0010】
その後、
図7(d)に示すように、カバー11のカバー防水用リブをケース5のケース防水用リブ収納部に挿入し、カバー11に備えてあるカバー取付ねじ12を、ブロック10のカバー取付用雌ねじ部10bに取り付けることで、電力量計が組み立てられることになる。
【0011】
設置された端子ブロックを流用して計量装置を交換する時において、端子ブロックのブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を緩めて、取付けられた古い計量装置を取外し、新しい計量装置を端子ブロックに乗せた後、端子ブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を締付けて固定する必要がある。
【0012】
参考として、端子台に接続されている電源側給電用導線および負荷側給電用導線を取り外す必要がなく、給電制御装置の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
電力量計交換時において、端子ブロック取付ねじと導体接続ねじを緩めて取付けられた古い計量装置を取外し、新しい計量装置を端子ブロックに取り付ける際、計量装置の端子接続部が端子ブロックの異極端子間を短絡させる可能性がある。
【0015】
本発明は、計量装置取付時の端子ブロックの異極端子間の短絡を防止することができる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部と爪部を有するスナップフィット構造の固定部を有する端子先端保護部を設け、前記導体に前記固定部の前記爪部に篏合する導体側穴部を設け、前記導体側端子接続部を前記導体挿入部に挿入し、前記爪部が前記導体側穴部に篏合することで固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、導体通し穴を有するベースと導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部と引っ掛け部を有する端子先端保護部を設け、前記導体通し穴に前記引っ掛け部に篏合するベース側凹部を設け、前記先端部を前記導体通し穴に挿入し前記引っ掛け部が前記ベース側凹部に篏合した後、前記導体側端子接続部を前記導体挿入部に挿入して固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、導体通し穴を有するベースと導体側端子接続部を有する導体を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、電線を接続するとともに前記導体と接続する端子側導体接続部を備える端子、前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に取り付ける導体接続ねじを備える端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記ベースに前記導体を挿入する導体挿入部と前記導体側端子接続部を覆う先端部と前記導体接続ねじのねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部を有する端子先端保護部を設け、前記導体側端子接続部を前記導体通し穴および前記導体挿入部に挿入して固定され、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記導体接続ねじのねじ頭は前記導体接続ねじ用凹部に挿入され、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、導体側端子接続部の先端を絶縁体の端子先端保護部で覆うことにより、計量装置を端子ブロックに取り付ける時、誤って導体側端子接続部の先端が隣接する異極端子間に接触した場合、導体側端子接続部より先に絶縁体である端子先端保護部が接触するので、異極端子間の短絡を防止することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、請求項1に対して、端子先端保護部がベースに固定されるので、端子先端保護部が外れることを防止することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項2に対して、端子先端保護部がベースに一体化しているので、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の計量装置と端子先端保護部の斜視図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の計量装置分解図と端子先端保護部の斜視図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係る電力量計のベースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1(a)~
図1(d)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図1(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、
図1(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示す。
図1(c)は、
図1(a)に示す電力量計の断面図を示す。
図1(d)は、
図1(b)に示す電力量計の断面図を示す。
【0025】
図2(a)~
図2(c)は、電力量計の計量装置と端子先端保護部の斜視図である。
図2(a)は、ケースにベースが取り付けられた状態を示し、
図2(b)、
図2(c)は、端子先端保護部の斜視図を示す。
【0026】
電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置(
図9に示す上ケース23と下ケース24)と、端子ブロックと、カバーと、端子先端保護部101とを有している。
【0027】
計量装置は、ケース5と、ケース5に収納されるベース4と、ベース4に取り付けられる導体3Aとを備える。導体3Aは、端子9に接続される先端が二手になった導体側端子接続部3Abと、端子先端保護部101の固定部101eの爪部101dに篏合する導体側穴部3A1が設けられている。
【0028】
端子ブロックは、電線を接続するとともに導体3Aと接続する端子側導体接続部9bを備える端子9、導体側端子接続部3Abを端子側導体接続部9bに取り付ける導体接続ねじ7を備えている。カバーは、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆う。
【0029】
端子先端保護部101は、絶縁体からなり、
図2(b)、
図2(c)に示すように、導体側端子接続部3Abを覆う先端部101aと、導体接続ねじ7のねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部101bと、導体3Aを挿入する導体挿入部101cと、爪部101dを有するスナップフィット構造の固定部101eを有している。
【0030】
次に、このように構成された第1の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、
図2(a)に示す導体側端子接続部3Abを、
図2(c)に示す端子先端保護部101の導体挿入部101cに挿入すると、
図1(c)に示すように、端子先端保護部101の爪部101dが導体側穴部3A1に篏合することで端子先端保護部101が固定される。
【0031】
通信装置を計量装置から取外した状態で計量装置を端子ブロックに取り付ける時、
図1(c)に示すように、導体接続ねじ7のねじ頭と端子側導体接続部9bの間に隙間がある状態にあり、上方から計量装置を端子ブロックに下ろすと、導体側端子接続部3Abの二手の間に導体接続ねじ7のねじ部が挿入されると同時に、
図1(b)、
図1(d)に示すように、端子先端保護部101の導体接続ねじ用凹部101bは、導体接続ねじ7のねじ頭を避けることとなる。
【0032】
次に、導体接続ねじ7を締め付けて導体側端子接続部3Abを端子側導体接続部9bに接続することで、計量装置を端子ブロックに取付けることができる。
【0033】
このように第1の実施形態に係る電力量計によれば、導体側端子接続部3Abの先端を絶縁体からなる端子先端保護部101で覆うことにより、計量装置を端子ブロックに取り付ける時、誤って導体側端子接続部3Abの先端が隣接する異極端子間に接触した場合、導体側端子接続部3Abより先に絶縁体である端子先端保護部101が接触するので、異極端子間の短絡を防止することができる。
【0034】
なお、端子先端保護部101において、爪部101dを有するスナップフィット構造の固定部101eではなく、爪部101d(凸部)のみを有することに変更し、導体3Aにおいて、導体側穴部3A1ではなく、凹部に変更することでも同様の効果が得られる。
【0035】
(第2の実施形態)
図3(a)~
図3(d)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図3(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、
図3(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示す。
図3(c)は、
図3(a)に示す電力量計の断面図を示す。
図3(d)は、
図3(b)に示す電力量計の断面図を示す。
【0036】
図4(a)~
図4(c)は、電力量計の計量装置と端子先端保護部の斜視図である。
図4(a)は、ベース周囲の組立図を示し、
図4(b)、
図4(c)は、端子先端保護部の斜視図を示す。
【0037】
電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロックと、カバーとを有している。
【0038】
計量装置は、ケース5と、ケース5に収納されるベース4Bと、ベース4Bに取り付けられる端子先端保護部201と、端子先端保護部201に取り付けられる導体3とを備える。
図4(a)に示すように、ベース4Bは、導体通し穴4Bfと、ベース側凹部4B1を有し、導体3は、導体側端子接続部3bを有している。
【0039】
端子先端保護部201は、絶縁体からなり、
図4(b)、
図4(c)に示すように、導体側端子接続部3bを覆う先端部201aと、導体接続ねじ7のねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部201bと、導体3を挿入する導体挿入部201cと、ベース側凹部4B1に篏合する引っ掛け部201fを有している。
【0040】
端子ブロックは、電線を接続するとともに、導体3と接続する端子側導体接続部9bを備える端子9、導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに取り付ける導体接続ねじ7を備えている。カバーは、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆う。
【0041】
次に、このように構成された第2の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、
図4(a)に示すように、端子先端保護部201の先端部201aをベース4Bの導体通し穴4Bfに挿入し、端子先端保護部201の引っ掛け部201fがベース4Bのベース側凹部4B1に篏合し、導体側端子接続部3bを端子先端保護部201の導体挿入部201cに挿入して固定し、基板1、ケース5を取付けることで計量装置が組立てられる。
【0042】
通信装置を計量装置から取外した状態で計量装置を端子ブロックに取り付ける時、
図3(c)に示すように、導体接続ねじ7のねじ頭と端子側導体接続部9bの間に隙間がある状態にあり、上方から計量装置を端子ブロックに下ろすと、導体側端子接続部3bの二手の間に導体接続ねじ7のねじ部が挿入されると同時に、
図3(b)、
図3(d)に示すように、端子先端保護部201の導体接続ねじ用凹部201bは、導体接続ねじ7のねじ頭を避けることとなる。
【0043】
次に、導体接続ねじ7を締め付けて導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに接続することで、計量装置を端子ブロックに取付けることができる。
【0044】
このように第2の実施形態に係る電力量計によれば、第1の実施形態に係る電力量計に対して、端子先端保護部201の引っ掛け部201fがベース4Bのベース側凹部4B1に篏合する。即ち、端子先端保護部201がベース4Bに固定されるので、端子先端保護部201が外れることを防止することができる。
【0045】
(第3の実施形態)
図5(a)~
図5(d)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図5(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、
図5(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示す。
図5(c)は、
図5(a)に示す電力量計の断面図を示す。
図5(d)は、
図5(b)に示す電力量計の断面図を示す。
図6は、電力量計のベースの斜視図である。
【0046】
電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロックと、カバーとを有している。
【0047】
計量装置は、ケース5と、ケース5に収納されるベース4Cと、導体側端子接続部3bを有する導体3とを備える。
【0048】
図6に示すように、ベース4Cは、導体通し穴4Cfと、導体側端子接続部3bを覆う先端部4C3、導体接続ねじ7のねじ頭を避ける導体接続ねじ用凹部4C4、導体3を挿入する導体挿入部4C5を有する端子先端保護部4C2を備えている。
【0049】
端子ブロックは、電線を接続するとともに、導体3と接続する端子側導体接続部9bを備える端子9、導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに取り付ける導体接続ねじ7を備えている。カバーは、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆う。
【0050】
次に、このように構成された第3の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、
図5(c)に示すように、導体側端子接続部3bをベース4Cの導体通し穴4Cfおよび導体挿入部4C5に挿入して固定し、基板1、ケース5を取付けることで計量装置が組立てられる。
【0051】
通信装置を計量装置から取外した状態で計量装置を端子ブロックに取り付ける時、
図5(c)に示すように、導体接続ねじ7のねじ頭と端子側導体接続部9bの間に隙間がある状態にあり、上方から計量装置を端子ブロックに下ろすと、導体側端子接続部3bの二手の間に導体接続ねじ7のねじ部が挿入されると同時に、
図5(b)、
図5(d)に示すように、端子先端保護部4C2の導体接続ねじ用凹部4C4は、導体接続ねじ7のねじ頭を避けることとなる。
【0052】
次に、導体接続ねじ7を締め付けて導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに接続することで、計量装置を端子ブロックに取付けることができる。
【0053】
このように第3の実施形態に係る電力量計によれば、第2の実施形態に対して、端子先端保護部4C2がベース4Cに一体化しているので、製造コストを削減することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 回路部
1a 表示部
1b 通信装置接続部
1c 開閉検出部
1d 導体接続部
1e センサ接続部
1f ベース取付部
2 センサ部
2a センサ側回路接続部
3,3A 導体
3a,3Aa 導体側回路接続部
3b,3Ab 導体側端子接続部
3A1 導体側穴部
4,4B ベース
4a,4Ba,4Ca 通信装置接続部通し穴
4b,4Bb,4Cb 通信装置取付部
4c,4Bc,4Cc ブロック取付部
4d,4Bd,4Cd 開閉検出部通し穴
4e,4Be,4Ce ケース取付部
4f,4Bf,4Cf 導体通し穴
4g,4Bg,4Cg 回路取付部
4B1 ベース側凹部
4C2 端子先端保護部
4C3 先端部
4C4 導体接続ねじ用凹部
4C5 導体挿入部
5 ケース
5a 表示窓
5b ケース側ベース取付部
5c ケース防水用リブ収納部
5d ケース防水用リブ
5e ケース側固定ねじ取付部
6 ブロック取付ねじ
7 導体接続ねじ
8 電線取付ねじ
9 端子
9a 電線収納部
9b 端子側導体接続部
10 ブロック
10a ブロック側ベース取付部
10b カバー取付用雌ねじ部
10c 電線通し穴
10d 端子取付部
10e ブロック側固定ねじ取付部
10f ブロック防水用リブ収納部
11 カバー
11a 検出用凸部
11b カバー防水用リブ
12 カバー取付ねじ
21 ケーブル
21a 計量装置接続部
22 LED導光部
23 上ケース
24 下ケース
24a 計量装置取付部
101,201 端子先端保護部
101a,201a 先端部
101b,201b 導体接続ねじ用凹部
101c,201c 導体挿入部
101d 爪部
101e 固定部
201f 引っ掛け部