(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179965
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】パネル型スピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20221129BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20221129BHJP
H04R 1/24 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H04R17/00
H04R1/02 103B
H04R1/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086808
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石垣 静香
(72)【発明者】
【氏名】白戸 博紀
【テーマコード(参考)】
5D004
5D018
【Fターム(参考)】
5D004AA07
5D004CD07
5D004FF09
5D018AB02
(57)【要約】
【課題】圧電素子の損傷を低減するパネル型スピーカを提供する。
【解決手段】アクチュエータによってパネルを振動させて、当該パネルから音波を出力させるパネル型スピーカであって、前記アクチュエータは、振動板と、前記振動板の少なくとも一面に配置された圧電素子とを備え、前記圧電素子は平面視中央部分において、前記振動板が露出する開口部を有し、前記開口部により前記振動板が露出する部分において、前記振動板が前記パネルに結合される、パネル型スピーカとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータによってパネルを振動させて、当該パネルから音波を出力させるパネル型スピーカであって、
前記アクチュエータは、
振動板と、
前記振動板の少なくとも一面に配置された圧電素子とを備え、
前記圧電素子は平面視中央部分において、前記振動板が露出する開口部を有し、前記開口部により前記振動板が露出する部分において、前記振動板が前記パネルに結合される、パネル型スピーカ。
【請求項2】
前記アクチュエータは、
前記開口部により前記振動板が露出する部分に設けられる、前記振動板の一方の面と他方の面とを貫通する貫通穴と、
前記貫通穴に通されるねじとをさらに備え、
前記開口部は、前記貫通穴を囲むように設けられ、
前記振動板は、前記ねじにより前記パネルに結合される、
請求項1に記載のパネル型スピーカ。
【請求項3】
前記アクチュエータは、
前記開口部により前記振動板が露出する部分に設けられる、前記振動板の一方の面と他方の面とを貫通する複数の貫通穴と、
前記複数の貫通穴のそれぞれに通される複数のねじとをさらに備え、
前記開口部は、前記複数の貫通穴を囲むように設けられ、
前記振動板は、前記複数のねじにより前記パネルに結合され、
前記複数の貫通穴は、前記振動板のたわみ振動の伝搬方向に沿った方向に設けられる、請求項1に記載のパネル型スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル型スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子を用いたアクチュエータ(振動アクチュエータ)により、ディスプレイのディスプレイパネルを振動させることにより、ディスプレイをスピーカにするディスプレイスピーカ(パネル型スピーカ)がある。ディスプレイスピーカでは、振動アクチュエータとディスプレイパネルとの間に加振部が設けられる。加振部は、例えば、ディスプレイパネルの背面に、両面粘着テープ等で貼り付けられる。さらに、加振部は、例えば、振動アクチュエータの圧電素子の中央部に、両面粘着テープ等で貼り付けられる。これにより、加振部は、振動アクチュエータの振動をディスプレイパネルに伝えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加振部に貼り付けられた振動アクチュエータの圧電素子が振動すると、圧電素子に応力がかかり、圧電素子にダメージ(損傷)が加わることがある。
【0005】
本発明は、圧電素子の損傷を低減するパネル型スピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
アクチュエータによってパネルを振動させて、当該パネルから音波を出力させるパネル型スピーカであって、
前記アクチュエータは、
振動板と、
前記振動板の少なくとも一面に配置された圧電素子とを備え、
前記圧電素子は平面視中央部分において、前記振動板が露出する開口部を有し、前記開口部により前記振動板が露出する部分において、前記振動板が前記パネルに結合される、パネル型スピーカとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧電素子の損傷を低減するパネル型スピーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のディスプレイスピーカ10の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、変形例1のディスプレイスピーカ11の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、変形例1の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、変形例2のディスプレイスピーカ12の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、変形例2の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例3の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、変形例4のディスプレイスピーカ13の構成例を示す図である。
【
図9】
図7は、変形例4の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0010】
ここでは、振動アクチュエータが、ディスプレイのディスプレイパネルに設けられ、当該ディスプレイをディスプレイスピーカとして機能させる場合について、説明する。ディスプレイスピーカは、ディスプレイパネルを振動アクチュエータ(アクチュエータ)によって、振動させることで、ディスプレイパネルから音波を出力(放出)させる装置である。
【0011】
〈実施形態〉
(構成例)
図1は、本実施形態のディスプレイスピーカ10の構成例を示す図である。
図1は、ディスプレイスピーカ10を上方から見下ろした断面図である。
図1のディスプレイスピーカ10は、ディスプレイパネル100、加振部200、振動アクチュエータ300を含む。加振部200は、本体部210、ディスプレイパネル側の両面粘着テープ221、振動アクチュエータ側の両面粘着テープ222を含む。振動アクチュエータ300は、振動板310、振動板310のディスプレイパネル側の面(第1面とする)に貼り付けられる圧電素子320、振動板310の第1面の反対側の面(第2面とする)に貼り付けられる圧電素子330を含む。1つのディスプレイパネル100に複数の加振部200及び振動アクチュエータ300が取り付けられてもよい。ここで、
図1の右から左の方向をx方向、
図1の紙面の裏面から表面の方向をy方向、
図1の下から上の方向(振動アクチュエータ300からディスプレイパネル100の方向)をz方向とする。ディスプレイスピーカ10と、x方向、y方向、z方向との位置関係は、他の図においても同様である。ディスプレイパネル100は、パネルの一例である。ディスプレイスピーカは、パネル型スピーカの一例である。振動アクチュエータ300は、アクチュエータの一例である。
【0012】
ディスプレイパネル100は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等などに含まれるディスプレイパネルである。
【0013】
加振部200は、振動アクチュエータ300の振動をディスプレイパネル100に伝達する。加振部200の本体部210は、例えば、柱状(例えば、四角柱、円柱など)の物体であり、互いにほぼ平行な上面と下面とを有する。加振部200は、例えば、樹脂、金属などである。上面及び下面のうち一方の面に、両面粘着テープ221が貼り付けられ、他方の面に両面粘着テープ222が貼り付けられる。ここでは、上面に両面粘着テープ221が貼り付けられ、下面に両面粘着テープ221が貼り付けられるとする。両面粘着テープ221は、加振部200の本体部210をディスプレイパネル100の背面に貼り付けて固定する。両面粘着テープ222は、加振部200の本体部210を振動アクチュエータ300の振動板310に貼り付けて固定する。加振部200は、圧電素子320に接触することなく、振動板310に固定される。加振部200は、両面粘着テープ221、222により、ディスプレイパネル100と振動アクチュエータ300との間に固定される。両面粘着テープ221、222の代わりに、接着剤等が使用されてもよい。加振部200とディスプレイパネル100とが一体化していてもよい。振動アクチュエータ300の振動板310は、加振部200を介して、ディスプレイパネル100に結合される。
【0014】
振動アクチュエータ300の振動板310は、長方形の板状の部材であって、厚み方向に直交する方向に表面(第1面)及び裏面(第2面)を有する。振動板310の形状は、
円形や楕円形であってもよい。また、振動板310の形状は、左右対称であって、上下対称の形状であれば、他の形状であってもよい。表面は、裏面にほぼ平行である。また、振動板310は、振動板310の表面がディスプレイパネル100の背面とほぼ平行となるように配置される。圧電素子320、330は、電圧を印加すると、電圧に応じて形状が変形する素子である。圧電素子320、330は、圧電効果を示すセラミックなどの板状の材料による素子である。圧電素子320、330には、電圧を印加するための電極が取り付けられる。圧電素子320は、振動板310の第1面に貼り付けられる。圧電素子330は、振動板310の第2面に貼り付けられる。圧電素子320は、振動板310の中央部分が第1面側から見て露出するように、開口部をする。圧電素子320は、中央部分に開口部を有する。振動板310は、圧電素子320の開口部により、振動板310の第1面の中央部分に露出する部分(露出部分)を有する。当該開口部に、加振部200の両面粘着テープ222が貼り付けられることにより、振動板310と加振部200とが接着される。このとき、圧電素子320と加振部200とは接触しない。なお、圧電素子330は、振動板310に貼り付けられなくてもよい(圧電素子330がなくてもよい)。第1面、第2面は、xy平面上にある。
【0015】
図2は、本実施形態の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
図2は、振動アクチュエータ300を第1面側から見た図である。振動アクチュエータ300の振動板310の第1面には、開口部を有する圧電素子320が貼り付けられている。また、振動板310の中央部分(第1面の中心を含む部分、平面視中央部分)は、圧電素子320の開口部により露出している。ここで、振動板310の形状が長方形である場合、振動板310の第1面(第2面)の中心は、長方形の2つの対角線の交点である。また、振動板310の形状が円形または楕円形である場合、振動板310の第1面(第2面)の中心は、円形または楕円形の中心である。振動板310の形状が他の形状であっても、振動板310の第1面(第2面)の中心は、例えば重心などによって定義され得る。圧電素子320の開口部の大きさ(振動板310の露出部分の大きさ)は、振動板310に貼り付けられる加振部200の本体部210の下面の大きさ(
図2において点線で囲まれた部分)よりも大きい。これにより、圧電素子320と加振部200とが接触しない。ここでは、圧電素子320の開口部は、長方形(正方形)としているが、加振部200の形状に合わせて、円形であったりしてもよい。圧電素子320の面積を大きくするために、圧電素子320の開口部の大きさをできるだけ小さくすることが望ましい。圧電素子320の面積を大きくすることで、ディスプレイスピーカ10の出力(最大出力)をより大きくすることができる。また、振動アクチュエータ300を第1面側から見たとき、圧電素子320の外側の端は、振動板310の端の内側にあることが望ましい。圧電素子320の外側の端が、振動板310の端の外側にあると、圧電素子320が損傷しやすくなる。振動板310の第2面に貼り付けられる圧電素子330についても同様である。
【0016】
(変形例1)
ここで、本実施形態の変形例1を説明する。変形例1は、上記の構成例と共通点を有する。ここでは、主に上記の構成例との相違点について説明する。
【0017】
図3は、変形例1のディスプレイスピーカ11の構成例を示す図である。
図3は、ディスプレイスピーカ11を上方から見下ろした断面図である。
図3のディスプレイスピーカ11は、ディスプレイパネル100、加振部200、振動アクチュエータ300を含む。加振部200は、本体部210、ディスプレイパネル側の両面粘着テープ221、ねじ230を含む。振動アクチュエータ300は、振動板310、圧電素子320、圧電素子330を含む。振動板310は、中央部分に貫通穴を有する。貫通穴の中心は、振動板310の中心と一致する。貫通穴の断面の形状は、例えば、円形である。加振部200とディスプレイパネル100とが一体化していてもよい。
【0018】
図4は、変形例1の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
図4は、振動アクチュエータ300を第1面側から見た図である。振動アクチュエータ300の振動板310の中央部分には、ねじ230を通すための貫通穴が空けられている。圧電素子320の中央部分には、振動板310の貫通穴が露出するように、開口部が設けられている。
【0019】
上記の構成例では、加振部200と振動アクチュエータ300とは、両面粘着テープ222によって、固定されていた。変形例1では、加振部200と振動アクチュエータ300とは、ねじ230によって、固定される。変形例1では、振動板310は、中央部分にねじ230が通る貫通穴を有する。また、振動板310の第2面に貼り付けられる圧電素子330は、圧電素子320と同様に、振動板310の第2面の中央部分を露出する開口部を有する。また、加振部200の本体部210は、振動アクチュエータ300側に、ねじ230を固定するためのねじ穴を有する。振動アクチュエータ300を加振部200に固定する際、ねじ230を振動板310の第2面側から貫通穴に通し、第1面側ある加振部200の本体部210にねじ止めする。すなわち、振動アクチュエータ300は、ねじ230により、加振部200を介して、ディスプレイパネル100に結合される。これにより、両面粘着テープ222により固定する場合に比べ、強力に固定(結合)される。また、両面粘着テープ222により固定する場合に比べ、耐久性が上がる。ねじ230の代わりにボルト及びナットが使用されてもよい。
【0020】
(変形例2)
ここで、本実施形態の変形例2を説明する。変形例2は、上記の構成例、変形例と共通点を有する。ここでは、主に上記の構成例、変形例との相違点について説明する。
【0021】
図5は、変形例2のディスプレイスピーカ12の構成例を示す図である。
図5は、ディスプレイスピーカ12を上方から見下ろした断面図である。
図5のディスプレイスピーカ12は、ディスプレイパネル100、加振部200、振動アクチュエータ300を含む。加振部200は、本体部210、ディスプレイパネル側の両面粘着テープ221、ねじ230を含む。振動アクチュエータ300は、振動板310、圧電素子320、圧電素子330を含む。振動板310は、中央部分に貫通穴を有する。加振部200とディスプレイパネル100とが一体化していてもよい。変形例2は、変形例1と同様に、ねじ230により、加振部200と振動アクチュエータ300とを固定する構成である。変形例2では、圧電素子320の面積をより大きくするために、加振部200の本体部210の振動アクチュエータ300側の大きさを小さくしている。加振部200の本体部210の振動アクチュエータ300側の大きさは、ねじ230を支持しうる大きさとしている。一方、加振部200の本体部210のディスプレイパネル100側の大きさは、より大きいことが望ましい。ディスプレイパネル100と加振部200との接着面の面積が小さくなると、加振部200がディスプレイパネル100から外れる可能性が高くなるからである。ここで、加振部200の本体部210は、圧電素子320と接触しない形状とされる。本体部210の振動アクチュエータ300側(ディスプレイパネル100側より小さくなっている部分)のz方向の長さは、圧電素子320の厚さ(z方向の長さ)よりも長い。これにより、加振部200と圧電素子320とは接触しない。
【0022】
図6は、変形例2の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
図6は、振動アクチュエータ300を第1面側から見た図である。変形例2の振動アクチュエータ300の振動板310の露出部分は、変形例1の振動板310の露出部分に比べ、小さい。よって、変形例2の圧電素子320の面積は、変形例1の圧電素子320の面積よりも大きい。これにより、ディスプレイスピーカ10の出力(最大出力)をより大きくすることができる。
【0023】
(変形例3)
ここで、本実施形態の変形例3を説明する。変形例3は、上記の構成例、変形例と共通点を有する。ここでは、主に上記の構成例、変形例との相違点について説明する。
【0024】
図7は、変形例3の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
図7は、振動アクチュエータ300を第1面側から見た図である。変形例3の振動アクチュエータ300では、圧電素子320が2つの圧電素子320A、320Bに分かれている。また、圧電素子320A、320Bは、加振部200が貼り付けられる振動板310の露出部分を避けて、振動板310に貼り付けられる。圧電素子320A、320Bは、加振部200が貼り付けられる振動板310の露出部分以外の部分に貼り付けられる。ここでは、2つの圧電素子が振動板310の第1面に貼り付けられるとしたが、2以上の圧電素子が貼り付けられてもよい。これにより、圧電素子320に開口部を設けなくてもよいので、圧電素子320の加工が容易になる。また、振動板310の第2面に貼り付けられる圧電素子330についても同様である。
【0025】
(変形例4)
ここで、本実施形態の変形例4を説明する。変形例4は、上記の構成例、変形例と共通点を有する。ここでは、主に上記の構成例、変形例との相違点について説明する。
【0026】
図8は、変形例4のディスプレイスピーカ13の構成例を示す図である。
図8は、ディスプレイスピーカ13を上方から見下ろした断面図である。
図8のディスプレイスピーカ13は、ディスプレイパネル100、加振部200、振動アクチュエータ300を含む。加振部200は、本体部210、ディスプレイパネル側の両面粘着テープ221、第1ねじ230A、第2ねじ230Bを含む。振動アクチュエータ300は、振動板310、圧電素子320、圧電素子330を含む。振動板310は、中央部分に第1貫通穴及び第2貫通穴を有する。第1貫通穴の中心及び第2貫通穴の中心は、振動板310の中心を通り、x方向に平行な直線上に存在する。第1貫通穴の中心から振動板310の中心までの距離と、第2貫通穴の中心から振動板310の中心までの距離は一致する。例えば、貫通穴の中心から振動板310の中心までの距離が、貫通穴の中心から最も近い振動板310の端部までの距離よりも短い場合に、当該貫通穴が振動板310の中央部分に存在するとする。また、第1貫通穴及び第2貫通穴は、振動板310の中心の近傍に存在する。加振部200とディスプレイパネル100とが一体化していてもよい。変形例4は、変形例1、2と同様に、第1ねじ230A、第2ねじ230Bにより、加振部200と振動アクチュエータ300とを固定する構成である。変形例4では、振動板310のたわみ振動を抑制するために、2つのねじ(第1ねじ230A、第2ねじ230B)により、加振部200と振動アクチュエータ300とを固定する。ここでは、振動板310のx方向がz方向に弓なりになるたわみ振動が発生しているとする。すなわち、
図8において、圧電素子320、330に印加された電圧により、振動板310のx方向がz方向に弓なりになるたわみ振動が発生する。すなわち、振動板310のx方向にたわみ振動が伝搬する。ここでは、振動板310のたわみ振動が伝搬する方向に沿った方向に複数の貫通穴が設けられる。振動板310の中心を通り、x方向に平行な直線上に存在する、振動板310の第1貫通穴及び第2貫通穴と、第1ねじ230A及び第2ねじ230Bにより、振動板310の振動をより効率的にディスプレイパネル100に伝達することができる。振動板310のy方向がz方向に弓なりになるたわみ振動が発生する場合、振動板310の中心を通り、y方向に平行な直線上に振動板310の第1貫通穴及び第2貫通穴を設けてもよい。2以上の貫通穴及び2以上のねじにより、加振部200と振動アクチュエータ300とが固定されてもよい。たわみ振動の伝搬方向に、より多くの位置で固定されることにより、振動モードが分散されて、広い帯域にわたって振動板310の振動をより効率的にディスプレイパネル100に伝達することができる。
【0027】
図9は、変形例4の振動アクチュエータ300の構成例を示す図である。
図9は、振動
アクチュエータ300を第1面側から見た図である。変形例4の振動アクチュエータ300の振動板310は、振動板310の中心を通り、x方向に平行な直線上に、第1貫通穴、第2貫通穴を有する。圧電素子320は、第1貫通穴、第2貫通穴を露出させる開口部を有する。
【0028】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態のディスプレイスピーカ10は、ディスプレイパネル100、加振部200、振動アクチュエータ300を有する。振動アクチュエータ300は、振動板310、圧電素子320、圧電素子330を有する。加振部200は、圧電素子320、圧電素子330に接触することなく、振動板310に固定される。ディスプレイスピーカ10によれば、加振部200が、圧電素子320、圧電素子330に接触しないことで、圧電素子320、圧電素子330が加振部200に接触する構成に比べて、圧電素子320、圧電素子330のダメージ(損傷)を抑制することができる。また、ディスプレイスピーカ10によれば、振動アクチュエータ300と加振部200とを強固に結合することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 ディスプレイスピーカ
11 ディスプレイスピーカ
12 ディスプレイスピーカ
13 ディスプレイスピーカ
100 ディスプレイパネル
200 加振部
210 本体部
221 両面粘着テープ
222 両面粘着テープ
230 ねじ
300 振動アクチュエータ
310 振動板
320 圧電素子
330 圧電素子