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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179975
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】猫の爪の研磨・研削器
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A01K13/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086825
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】520441981
【氏名又は名称】合同会社NeCoNe
(74)【代理人】
【識別番号】100141472
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 善弘
(72)【発明者】
【氏名】庄田 優
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴弘
(57)【要約】
【課題】猫が爪を研磨するとともに爪先を効率よく研削することができる猫の爪の研磨・研削器を提供する。
【解決手段】猫の爪を研磨・研削するための研磨・研削面1aを上面に有する猫の爪の研磨・研削器であって、猫の爪を研削するための研削面2aを少なくとも一方の側面に有する研削部材2と複数の波形形状を側面に有する中芯3とライナー4とを有し、研削部材2の端面、中芯3の波型形状を有する端面およびライナー4の端面が猫の爪の研磨・研削器の上面に形成されており、研削部材2の研削面2aと中芯3の側面との間に空間が形成されており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通していることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
猫の爪を研磨・研削するための研磨・研削面を上面に有する猫の爪の研磨・研削器であって、猫の爪を研削するための研削面を少なくとも一方の側面に有する研削部材と複数の波形形状を側面に有する中芯とライナーとを有し、研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が猫の爪の研磨・研削器の上面に形成されており、研削部材の研削面と中芯の側面との間に空間が形成されており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器の上面と連通している猫の爪の研磨・研削器。
【請求項2】
複数のライナーと複数の中芯とが交互に積層されてなる積層段ボールを有し、複数の積層段ボールの間に当該積層段ボールのライナーと直交する方向で研削部材が設けられている請求項1に記載の猫の爪の研磨・研削器。
【請求項3】
複数の研削部材と複数の中芯と複数のライナーとがそれぞれ並行に積層され、ライナーの側面が中芯の側面と接触し、研削部材の研削面が中芯の側面と接触している請求項1に記載の猫の爪の研磨・研削器。
【請求項4】
複数の研削部材と複数の中芯と複数のライナーとがそれぞれ同心円状に積層され、ライナーの側面が中芯の側面と接触し、研削部材の研削面が中芯の側面と接触している請求項1に記載の猫の爪の研磨・研削器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫の爪の研磨・研削器に関する。さらに詳しくは、本発明は、猫の爪の研磨と爪の研削とを同時に行なうことができる猫の爪の研磨・研削器に関する。
【背景技術】
【0002】
猫は、古くなった爪の外層を取り除くために爪を磨く習性を有している。猫が爪を磨くことは、一般に猫の爪研ぎ、猫の爪の研磨などと称されている。猫の爪研ぎは、猫の習性であることから、一般家庭内で猫を飼育しているとき、猫が部屋内の壁面、柱、家具などに爪を立てて爪を研ぐため、当該壁面などが猫によって傷つけられることがある。
【0003】
猫が部屋内の壁面、柱、家具などに爪を立てて爪を研ぐことを防止するために、近年、爪を研ぐための猫の爪研ぎ器として、例えば、複数枚の段ボール紙を積層接着して形成された積層段ボールの積層断面または波状の折曲部を爪研ぎの研磨部とし、当該研磨部が外側に露出するようにして前記積層段ボールが着脱自在にケースに収納されているとともに、当該ケース内に紙片収納部を備えている猫の爪研ぎ器が提案されている(例えば、特許文献1の請求項1参照)。
【0004】
しかし、前記猫の爪研ぎ器を用いた場合、猫の爪を研ぐことができたとしても、猫の鋭い爪先を研削することができないため、猫が部屋内の壁面、柱、家具などに爪を立てて爪研ぎをして当該壁面などに傷をつける行為を完全には抑制することができない。
【0005】
したがって、前記猫の爪研ぎ器を使用するにしても猫の爪研ぎとは別に猫の爪を切ることが必要であるが、猫は、習性的に爪を切られることを嫌がるため、無理に猫の爪を切ろうとすると猫に引掻かれたり、噛みつかれたりして怪我をすることがある。
【0006】
そこで、猫の爪を研磨することによって減少させることができる爪研ぎ器として、爪磨き素材積層段ボールまたは麻生地の裏側に研磨材を塗布した素材を木製板または積層段ボールなどの芯台の間に挟んで固着させて爪の研磨をすることができる機能を有する研磨材付き猫の爪研ぎ器が提案されている(例えば、特許文献2の請求項1参照)。
【0007】
しかし、前記研磨材付き猫の爪研ぎ器は、特許文献2の図1および図2に示されているように、表面から順に積層段ボールまたは麻生地4、研磨材2、木製板または積層段ボール1、研磨材3、および積層段ボールまたは麻生地5が設けられていることから、猫が表面層である積層段ボールまたは麻生地4を引掻いて破らなければ爪研ぎ器に内蔵されている研磨材2が外部に露出しないため、常態の使用では猫の爪を研削することができない。また、猫が前記研磨材付き猫の爪研ぎ器の表面層である積層段ボールまたは麻生地4を引掻いて破ることによって研磨材2が外部に露出したとしても、ざらざらしている研磨材2の付着面に猫の前足の肉球(掌球)および爪先が擦れるため、猫は、当該爪研ぎ器を本能的に忌避し、使用しなくなる。
【0008】
他の猫の爪研ぎ器として、段ボールとグリット(砂)層とが直接的に接触して積層されている猫の爪研ぎ器が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、特許文献3の図3には、段ボールシート40とライナー30とからなる段ボール25が、2枚の裏打ちシート110の間に砂粒子150が挟まれているグリット(砂)層100と直接的に接触して積層されている猫の爪研ぎ器が記載され、図4~8には、砂粒子180が裏打ちシート170に付着しているサンドペーパー片160が2枚のライナー30の間に挟まれて積層されている猫の爪研ぎ器が記載されている。
【0009】
しかし、特許文献3の図4図7および図8に記載されている猫の爪研ぎ器では、サンドペーパー片160の砂粒子180が付着している面が裏打ちシート110で覆われているため、猫の爪を効率よく研削することができない。図5に示される猫の爪研ぎ器では、サンドペーパー片160の砂粒子180が付着している面がシールシート190で覆われているため、猫の爪を効率よく研削することができない。図6に示される猫の爪研ぎ器では、ペーパー片160の砂粒子180が付着している面同士が積層されているため、猫の爪を効率よく研削することができない。
【0010】
そこで、前記猫の爪研ぎ器において、猫の爪を研削することができるようにするために、サンドペーパー片160をライナー30の面よりも高くなるよう突出させることが考えられる。しかし、ライナー30の面よりもサンドペーパー片160を突出させた場合、突出しているサンドペーパー片160が猫の足裏の肉球と接触し、猫は、肉球にサンドペーパー片160が接触することを嫌がるため、猫の爪研ぎ器を使用しなくなることから、当該猫の爪研ぎ器では猫の爪研ぎ効果を十分に発現させることができない。
【0011】
また、前記猫の爪研ぎ器において、サンドペーパー片160が猫の足裏の肉球と接触しないようにするために、サンドペーパー片160をライナー30と同一平面となるようにサンドペーパー片160とライナー30とを積層するか、またはサンドペーパー片160をライナー30の面よりも凹ませてサンドペーパー片160とライナー30とを積層することが考えられる。しかし、いずれも場合においても、猫の爪がサンドペーパー片に引っ掛からないため、猫の爪を効率よく研削することができない。
【0012】
したがって、近年においては、猫が爪を研磨するとともに爪先を効率よく研削することができる猫の爪の研磨・研削器の開発が待ち望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003-333951号公報
【特許文献2】実用新案登録第3112443号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0206079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、猫が爪を研磨するとともに爪先を効率よく研削することができる猫の爪の研磨・研削器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
(1) 猫の爪を研磨・研削するための研磨・研削面を上面に有する猫の爪の研磨・研削器であって、猫の爪を研削するための研削面を少なくとも一方の側面に有する研削部材と複数の波形形状を側面に有する中芯とライナーとを有し、研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が猫の爪の研磨・研削器の上面に形成されており、研削部材の研削面と中芯の側面との間に空間が形成されており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器の上面と連通している猫の爪の研磨・研削器、
(2) 複数のライナーと複数の中芯とが交互に積層されてなる積層段ボールを有し、複数の積層段ボールの間に当該積層段ボールのライナーと直交する方向で研削部材が設けられている前記(1)に記載の猫の爪の研磨・研削器、
(3) 複数の研削部材と複数の中芯と複数のライナーとがそれぞれ並行に積層され、ライナーの側面が中芯の側面と接触し、研削部材の研削面が中芯の側面と接触している前記(1)に記載の猫の爪の研磨・研削器、および
(4) 複数の研削部材と複数の中芯と複数のライナーとがそれぞれ同心円状に積層され、ライナーの側面が中芯の側面と接触し、研削部材の研削面が中芯の側面と接触している前記(1)に記載の猫の爪の研磨・研削器
に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の猫の爪の研磨・研削器によれば、猫が爪を研磨するとともに爪先を効率よく研削することができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の猫の爪の研磨・研削器の一実施態様を示す概略平面図である。
図2図1に示される猫の爪の研磨・研削器の円Xで囲まれている部分の概略拡大図である。
図3】本発明の猫の爪の研磨・研削器において、積層段ボールの上面に設けられている凹部または貫通孔に研削部材が挿入されている箇所の縦断面における概略説明図である。
図4】本発明の猫の爪の研磨・研削器において、積層段ボールと他の積層段ボールとの間に研削部材が挟まれている箇所の縦断面における概略説明図である。
図5】本発明の猫の爪の研磨・研削器の他の一実施態様を示す概略平面図である。
図6図5に示される本発明の猫の爪の研磨・研削器の円Yで囲まれている部分の概略拡大図である。
図7】本発明の猫の爪の研磨・研削器の他の一実施態様を示す概略平面図である。
図8】本発明の猫の爪の研磨・研削器を猫に使用する前後の猫の前足の爪の先端の状態を示す概略説明図である。
図9】本発明の実施例1において、猫が本発明の猫の爪の研磨・研削器を使用した後の当該猫の爪の研磨・研削器の上面の図面代用写真である。
図10】本発明の実施例1において、猫が本発明の猫の爪の研磨・研削器を使用した後の猫の前足の爪を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の猫の爪の研磨・研削器は、猫の爪を研磨・研削するための研磨・研削面を上面に有する猫の爪の研磨・研削器であり、猫の爪を研削するための研削面を少なくとも一方の側面に有する研削部材と複数の波形形状を側面に有する中芯とライナーとを有し、研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が猫の爪の研磨・研削器の上面に形成されており、研削部材の研削面と中芯の側面との間に空間が形成されており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器の上面と連通している。
【0019】
本発明の猫の爪の研磨・研削器は、段ボールの中芯の波形形状が存在している面を猫が爪で引掻くという猫の習性を利用したものである。猫が本発明の猫の爪の研磨・研削器の上面を引掻いたとき、当該猫の爪の研磨・研削器の上面に存在している研削部材の端面と中芯の端面とライナーの端面とによって猫の爪を研磨することができるとともに、猫の爪が研削部材と中芯との間の空間に入り、当該空間に存在している研削部材の研削面によって猫の爪先を研削することができる。
【0020】
したがって、本発明の猫の爪の研磨・研削器を猫に用いたとき、猫が自ら爪を研磨するとともに爪先を研削するので、従来のようにヒトが爪切りで猫の爪を切るという煩雑でかつ猫が嫌がる作業が不要となることから、本発明の猫の爪の研磨・研削器は、猫を飼育している飼い主にとって非常に有用なものである。
【0021】
なお、本発明において、猫の爪の研磨・研削器の上面は、猫の爪の研磨・研削器において、猫が爪を研磨し、研削する面(研磨・研削面)である。猫の爪の研磨・研削は、猫の爪の研磨および研削を意味する。
【0022】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の上面に猫の爪を研磨するための研磨面が形成されている。研磨面は、猫の爪の研磨・研削器の上面に存在する、研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面によって形成されている。
【0023】
研削部材は、その少なくとも一方の側面に猫の爪を研削するための研削面を有する。研削面は、研削部材の一方の側面のみに形成されていてもよく、研削部材の両側面に形成されていてもよい。研削面は、猫の爪を効率よく研削する観点から、研削部材の両側面に形成されていることが好ましい。
【0024】
研削部材の研削面は、研磨材が付着している面であってもよく、猫の爪の研削が可能な凹凸を有する面であってもよい。
【0025】
研削部材は、例えば、研磨材を基材に付着させることによって研削面を形成させた研削部材、金属製ヤスリなどが挙げられる。研磨部材は、本発明の猫の爪の研磨・研削器の軽量化の観点から、研磨材を基材に付着させた研磨部材が好ましい。
【0026】
研削部材に使用される研磨材としては、例えば、砂などの天然研磨材、アルミナ粒子、炭化ケイ素粒子などの人造研磨材などが挙げられるが、本発明は、かかる研磨材の種類によって限定されるものではない。研磨材の粒度は、R6010に規定されている。
【0027】
研削部材に使用される基材としては、例えば、紙、織布、不織布、木板、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリプロピレンなどの樹脂板、アクリルフォーム、ポリウレタンフォームなどの発泡樹脂(スポンジ)板、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴムなどのゴム板、金属板などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0028】
研削部材としては、例えば、基材として紙が使用されているJIS R6252に規定の研磨紙(紙やすり);基材として布が使用されているJIS R6251に規定の研磨布(布やすり);JIS R6253に規定の耐水研磨紙(耐水(サンド)ペーパー);木板、樹脂板、発泡樹脂(スポンジ)板、ゴム板、金属板などの基材の表面に研磨材(研磨粒子)を付着させた研削部材などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。研削部材は、研磨紙(紙やすり)、研磨布または耐水研磨紙であることが好ましく、研磨布または耐水研磨紙であることがより好ましい。
【0029】
研削部材として研磨紙、研磨布、耐水研磨紙などの研削部材を用いる場合、当該研磨部材は、例えば、研磨材の付着面が外部に露出するように2つ折りにされている研磨部材、当該2つ折りにされた研削部材の内面同士が両面粘着テープ、接着剤などで貼り合わされている研磨部材、当該2つ折りにされた研削部材の内面にスポンジ、ゴムなどの弾力性を有する基材、樹脂板、厚紙などの補強材が挟まれ、研削部材と補強材とが貼り合わされている積層構造を有する研磨部材、スポンジ、ゴムなどの弾力性を有する基材の一方の面または両面に両面粘着テープ、接着剤などで研削部材が貼り合わされている積層構造を有する研削部材など形態で用いることができる。弾力性を有する基材の一方の面または両面に研削部材が貼り合わされている積層構造を有する研削部材は、その表面が弾力性を有する基材に基づく弾力性を有するので、研削面で猫の爪の先端を容易に捉えることができるという利点を有する。研削部材は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、板状(プレート状)の形状を有することが好ましい。
【0030】
研削部材の表面に付着している研磨材のJIS R6010に規定の粗さは、特に限定されないが、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、60~1000番程度であることが好ましく、80~600番程度であることがより好ましく、100~240番程度であることがさらに好ましい。
【0031】
研削部材は、猫の爪が猫の爪の研磨・研削器の上面と摺擦することによって猫の爪を効率よく研磨・研削するために、少なくとも一方の側面に研削面を有する。研削部材は、その上面にも研削面を有していてもよい。研削面は、猫の爪の研磨・研削器の平面に向かって上下方向を逆にして当該猫の爪の研磨・研削器を使用したときでも猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、研削部材の両側面に設けられていることが好ましく、研削部材の上面および両側面に設けられていることがより好ましい。
【0032】
猫の爪の研磨・研削器の平面において、研削部材の平面形状は、猫に不快感を与えずに猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から線状であることが好ましい。線状には、例えば、直線状、曲線状、波線状などが挙げられるが、本発明は、かかる線状の形態によって限定されるものではない。研削部材の平面形状は、猫の爪の研磨・研削器の製造が容易であり、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から直線状であることが好ましい。線状の研削部材の線幅は、研削部材の種類によって異なるので一概には決定することができない。線状の研削部材の線幅は、猫が猫の爪の研磨・研削器の上面を引掻いたときの研削部材の機械的強度を維持し、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、0.5~5mmであることが好ましく、0.5~3mmであることがより好ましく、0.8~1.5mmであることがさらに好ましい。猫の爪の研磨・研削器の平面において、研削部材の長さは、猫の爪の研磨・研削器の形状およびその大きさなどによって異なるので一概には決定することができないことから、猫の爪の研磨・研削器の形状およびその大きさなどに応じて適宜決定することが好ましい。
【0033】
研削部材は、猫の爪の研磨・研削器の全幅にわたって形成されていてもよく、猫の爪の研磨・研削器の中央部分に形成されていてもよく、猫の爪の研磨・研削器の所々に点在して形成されていてもよく、本発明は、猫の爪の研磨・研削器における研削部材の配置によって限定されるものではない。研削部材は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、猫の爪の研磨・研削器の全幅またはその近傍まで形成されていることが好ましい。
【0034】
本発明の猫の爪の研磨・研削器は、研削部材と複数の波形形状を側面に有する中芯とライナーとを有する。研削部材、中芯およびライナーは、それぞれの面が猫の爪の研磨・研削器の平面に対して垂直方向となるように猫の爪の研磨・研削器に配置されていることが好ましい。
【0035】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)に研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在しており、研削部材の側面に設けられている研削面と中芯の側面との間に中芯の波形形状に基づく空間が存在しており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器の上面と連通しているので、猫が爪を立てて猫の爪の研磨・研削器の上面を引掻いたとき、猫の爪の先端は、研削部材、中芯およびライナーに引っかかるので研磨されるとともに、当該空間に存在している研削部材の研削面で摺擦されるので研削される。
【0036】
ライナーには、一般に段ボールに使用されているライナーを用いることができる。ライナーは、通常、平面形状を有するが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、湾曲していてもよく、波型形状などの形状を有していてもよい。ライナーの側面に前記研磨材を接着したり、研磨紙(紙やすり)などの研磨材を貼付したりすることにより、研削面が形成されていてもよい。ライナーの側面に研削面が形成されている場合、当該研削面で猫の爪が摺擦するので、猫の爪を効率よく研削することができる。研削面は、ライナーの片面に設けられていてもよく、両面に設けられていてもよいが、猫の爪を効率よく研削する観点からライナーの両面に設けられていることが好ましい。
【0037】
中芯には、一般に段ボールに使用されている中芯を用いることができる。中芯は、複数の波型形状を有する。中芯の波型形状としては、例えば、JIS Z1516(2003)に規定の段ボールに使用される中芯が有する波型形状などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0038】
ライナーおよび中芯の数は、猫の爪の研磨・研削器の形状およびその大きさなどによって異なるので一概には決定することができないことから、猫の爪の研磨・研削器の形状およびその大きさなどに応じて適宜決定することが好ましい。
【0039】
研削部材、中芯およびライナーは、それぞれ接点を接着剤で接着することにより、一体化することができる。
【0040】
研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面は、猫の爪の研磨・研削面である。また、研削部材の端面が存在しておらず、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面は、猫の爪の研磨面である。
【0041】
研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨・研削面)は、猫の爪の研磨・研削器の上面のみに形成されていてもよく、猫の爪の研磨・研削器の上面および下面の双方に形成されていてもよい。
【0042】
研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨・研削面)が猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)のみに形成されている場合、その下面(猫の爪の研磨・研削器の裏面)は、研削部材の端面が存在しておらず、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨面)であってもよく、例えば、紙面などのように研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面のいずれもが存在していない平面であってもよい。
【0043】
猫の爪の研磨・研削器の下面(猫の爪の研磨・研削器の裏面)が研削部材の端面が存在しておらず、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨面)である場合、猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)で猫の爪を研磨・研削し、猫の爪を研削しないで研磨するとき、猫の爪の研磨・研削器を裏返しにし、猫の爪の研磨・研削器の下面(猫の爪の研磨・研削器の裏面)で猫の爪を研磨することができる。このように猫の爪の研磨・研削器の下面(猫の爪の研磨・研削器の裏面)が研削部材の端面が存在しておらず、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨面)である場合、猫が当該猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)を使用することによって猫の爪が過度に研削される前に、当該猫の爪の研磨・研削器を裏返しにして中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨面)を猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)とすることにより、猫の爪の過度の研削を防止することができる。
【0044】
したがって、猫が本発明の猫の爪の研磨・研削器を使用して猫の爪の研削が終了した後、さらに猫が当該猫の爪の研磨・研削器を使用して猫の爪の研磨を続けることができるようにする観点から、猫の爪の研磨・研削器の上面(猫の爪の研磨・研削器の平面)が研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨・研削面)であり、猫の爪の研磨・研削器の下面(猫の爪の研磨・研削器の裏面)が研削部材の端面が存在しておらず、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が存在している面(研磨面)であることが好ましい。
【0045】
また、猫の爪の研磨・研削器の上面および下面の双方に研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が形成されている場合、上面が猫の爪によって傷んだときに上面と下面とをひっくり返すことにより、猫の爪の研磨・研削器の下面を有効に利用することができるので、猫の爪の研磨・研削器の長寿命化を図ることができる。
【0046】
猫が好んで猫の爪の研磨・研削器の上面を爪で引掻く方向に個性差がある。したがって、猫の爪の研磨・研削器の研削部材の側面は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、猫の爪の研磨・研削器の上面を爪で引掻く方向に対して交差する方向に配置することが好ましい。猫が爪で引掻く方向に対して交差する方向は、猫が爪で引掻く方向と垂直の方向および猫が爪で引掻く方向に対して垂直よりもやや斜めの方向を意味する。また、猫の爪の研磨・研削器のライナーは、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、猫が爪で引掻く方向に対して平行となる方向に設けられていることが好ましい。猫が爪で引掻く方向に対して平行となる方向は、猫が爪で引掻く方向と平行となる方向および猫が爪で引掻く方向に対してやや斜めの方向を意味する。
【0047】
以上のようにして本発明の猫の爪の研磨・研削器が構成される。本発明の猫の爪の研磨・研削器の大きさおよび形状は、特に限定されず、猫の爪の研磨・研削器1が使用される場所などに応じて適宜調整することができる。
【0048】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の平面形状は、長方形であってもよく、円形、楕円形、三角形、他の多角形、不定形などの形状であってもよい。また、本発明の猫の爪の研磨・研削器の立体形状は、特に限定されず、例えば、標準的な直方体状であってもよく、立方体状であってもよく、断面形状がアルファベットのS字状、U字状等の形状である立体形状であってもよく、円柱状、球状、円錐状などの形状であってもよい。また、本発明の猫の爪の研磨・研削器は、猫用ベッドのソファ面に配設してもよい。
【0049】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の大きさの一例として、縦が20~80cmであり、横幅が10~30cmである直方体、平面形状が円形であり、円形の直径が20~80cmである円柱体などが挙げられる。猫の爪の研磨・研削器の厚さは、特に限定されないが、猫の爪の研磨・研削器の使用性および機械的強度を考慮して、例えば、1~10cm程度であることが好ましい。
【0050】
本発明の猫の爪の研磨・研削器を固定するために型枠内に装着してもよい。また、本発明の猫の爪の研磨・研削器を筒状体に挿入して用いてもよい。筒状体の側面に猫の爪の研磨・研削器を外部に露出させるための露出窓が設けられ、開口部に猫の爪の研磨・研削器を挿入または離脱させるための猫の爪の研磨・研削器の導入口が設けられていることが好ましい。型枠および筒状体は、いずれも、段ボール、ボール紙、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、AS樹脂、ABS樹脂などの樹脂、木材などで作製することができる。
【0051】
本発明の猫の爪の研磨・研削器を型枠内に固定して使用する場合、使用済みの猫の爪の研磨・研削器を型枠から取り外し、新たな猫の爪の研磨・研削器と交換して型枠に組み込むことができるので、型枠を再利用することができる。
【0052】
また、本発明の猫の爪の研磨・研削器を複数のブロックに分割して作製しておき、傷んだ猫の爪の研磨・研削器のブロックを新しい猫の爪の研磨・研削器のブロックと交換することができるようにしてもよい。
【0053】
また、本発明の猫の爪の研磨・研削器には、当該猫の爪の研磨・研削器を配置する床面に対して垂直方向に起立させて使用することができる。この場合、床面と接する猫の爪の研磨・研削器の面に転倒防止用スタンドが取り付けられていてもよく、柱、壁などに取り付けるためにフックなどの取付け具、両面粘着テープなどの取り付け手段が猫の爪の研磨・研削器に設けられていてもよい。
【0054】
以下に本発明の猫の爪の研磨・研削器を図面に基づいて説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施態様のみに限定されるものではなく、本発明の範囲内で当該図面に記載の実施態様以外の実施態様を有していてもよい。
【0055】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の第1の実施態様を図1に示す。図1は、本発明の猫の爪の研磨・研削器1の一実施態様を示す概略平面図である。図1に示される猫の爪の研磨・研削器の円Xで囲まれている部分の概略拡大図を図2に示す。
【0056】
本発明の猫の爪の研磨・研削器1の第1の実施態様では、図2に示されるように、猫の爪の研磨・研削器1は、猫の爪を研削するための研削面2aを少なくとも一方の側面に有する研削部材2と複数の波形形状を側面に有する中芯3とライナー4とを有する。猫の爪の研磨・研削器1の上面には、研削部材2の端面、中芯3の波型形状を有する端面およびライナー4の端面が形成されている。研削部材2の研削面2aと中芯3の側面3aとの間に空間Sが形成されており、空間Sは、猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通している。
【0057】
第1の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1は、図2に示されるように、複数の中芯3と複数のライナー4とが交互に積層されている積層段ボール5を有している。研削部材2は、複数の積層段ボール5の間で積層段ボール5のライナー4と直交する方向で設けられている。
【0058】
研削部材2と積層段ボール5とは、猫が爪を立てて猫の爪の研磨・研削器1の表面を引掻いたときに両者がずれないようにするために、両者を押圧することによって固定されていてもよく、研削部材2と積層段ボール5とが接着剤、両面粘着テープなどの接着手段で一体化されていてもよい。研削部材2と積層段ボール5とが接着剤で一体化されている場合、猫の爪を効率よく研削部材2で研磨・研削する観点から、研削部材2の猫の爪が接触する部分に接着剤が付着しないようにすることが好ましい。
【0059】
積層段ボール5は、図2に示されるように、複数の中芯3と複数のライナー4とが交互に隣接して積層している。例えば、3層の中芯3を有する積層段ボール5では、ライナー4、中芯3、ライナー4、中芯3、ライナー4、中芯3およびライナー4の順序で中芯3とライナー4とが積層されている。中芯3とライナー4との接触部分は、一般に使用されている段ボールと同様に接着剤によって接着することができる。
【0060】
積層段ボール5には、例えば、JIS Z1516(2003)に規定されている段ボールを用いることができる。段ボールの種類には、主として両面段ボールおよび複両面段ボールがあるが、本発明では、いずれも用いることができる。段ボールの段の種類としては、例えば、JIS Z1516(2003)に規定されているA段(記号:AF)、B段(記号:BF)、C段(記号:CF)などがあるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0061】
図1に示されている、隣接している研削部材2同士の間隔Lは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、10~100mm程度であることが好ましく、20~50mm程度であることがより好ましい。猫の爪の研磨・研削器1に設けられる研削部材2の数は、猫の爪の研磨・研削器1の形状およびその大きさなどによって異なるので一概には決定することができないことから、猫の爪の研磨・研削器1の形状およびその大きさなどに応じて適宜決定することが好ましい。研削部材2の数は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、その上限値は、猫の爪の研磨・研削器1の大きさなどによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
【0062】
研削部材2の端部は、図1および図2に示されるように、猫の爪の研磨・研削器1の上面で露出するように設けられる。例えば、図3に示されるように、積層段ボール5の上面に凹部(図示せず)が設けられているか、または積層段ボール5に貫通孔(図示せず)が設けられており、研削部材2と中芯3との間で空間Sが形成されるように当該凹部または貫通孔内に研削部材2が挿入されていてもよい。また、図4に示されるように、積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に空間Sが形成されるように研削部材2が挟まれていてもよい。
【0063】
なお、図3は、本発明の猫の爪の研磨・研削器1において、積層段ボール5の上面に凹部(図示せず)が設けられているか、または積層段ボール5に貫通孔(図示せず)が設けられており、研削部材2と中芯3との間で空間Sが形成されるように当該凹部または貫通孔内に研削部材2が挿入されている猫の爪の研磨・研削器1の縦断面における概略説明図である。図4は、本発明の猫の爪の研磨・研削器1において、積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に空間Sが形成されるように研削部材2が挟まれている猫の爪の研磨・研削器1の縦断面における概略説明図である。
【0064】
図3において、(a)は猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2が突出しているときの猫の爪の研磨・研削器1の縦断面における概略説明図、(b)は猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に研削部材2が設けられているときの猫の爪の研磨・研削器1の概略縦断面図、(c)は猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように研削部材2が設けられているときの猫の爪の研磨・研削器1の縦断面における概略説明図である。
【0065】
本発明においては、研削部材2は、図3(a)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面から突出していてもよく、図3(b)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に研削部材2が設けられていてもよく、図3(c)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように形成されていてもよい。
【0066】
図3に示される猫の爪の研磨・研削器1のなかでは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、研削部材2は、図3(b)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面および下面よりも内部に設けられているか、または図3(c)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように形成されていることが好ましく、図3(b)に示されるように猫の爪の研磨・研削器1の上面および下面よりも内部に設けられていることがより好ましい。図3(b)に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2の下面は、猫の爪の研磨・研削器1の下面と同一平面となるように形成されていてもよい。図3(c)に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2は、猫の爪の研磨・研削器1の下面よりも内部に設けられていてもよい。なお、図3に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2の側面に研削面(図示せず)が形成されている。
【0067】
図3(a)に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面から突出している研削部材2の高さは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、好ましくは0~1mm、より好ましくは0~0.5mmである。
【0068】
図3(b)に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。また、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪が過度に研削されることを抑制する観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上である。
【0069】
図4に示される猫の爪の研磨・研削器1では、積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に空間Sが形成されるように研削部材2が挟まれている。研削部材2の側面に存在する研削面(図示せず)と中芯3の側面との間の空間Sは、研削部材2の研削面と中芯3の側面が有する波形形状とによって形成されている。
【0070】
図4に示される猫の爪の研磨・研削器1では、図3に示される猫の爪の研磨・研削器1と同様に、積層段ボール5の上面に凹部(図示せず)が設けられているか、または積層段ボール5に貫通孔(図示せず)が設けられており、研削部材2と中芯3との間で空間Sが形成されるように当該凹部または貫通孔内に研削部材2が挿入されていることが好ましい。
【0071】
図4に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2の上面および下面が猫の爪の研磨・研削器1の上面および下面と同一平面上に存在している。研削部材2の上面および下面は、猫の爪の研磨・研削器1の上面および下面から突出していてもよく、猫の爪の研磨・研削器1の上面および下面よりも内部に設けられていてもよい。研削部材2は、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように形成されているか、または猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に設けられていることが好ましい。図4に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2の側面に研削面(図示せず)が形成されている。
【0072】
図4に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2が突出している場合、突出している研削部材2の高さは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、0~1mm程度であることが好ましく、0~0.5mm程度であることがより好ましい。
【0073】
図4に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に研削部材2が存在している場合、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。また、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪が過度に研削されることを抑制する観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上である。
【0074】
研削部材2は、猫の爪の研磨・研削器1の生産効率を高める観点から、図4に示されるように積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に挟まれていることが好ましい。また、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、研削部材2として板状(プレート状)の研削部材を用い、図3および図4に示されるように、研削部材2が猫の爪の研磨・研削器1の平面に対して垂直方向で猫の爪の研磨・研削器1に配設されていることが好ましい。
【0075】
研削部材2は、例えば、積層段ボール5の凹部または貫通孔の内面、または研削部材2に接着剤を付着させた後、研削部材2を当該凹部または貫通孔に挿入することにより、積層段ボール5と接着させてもよく、複数の積層段ボール5を用い、積層段ボール5の中芯3の側面と研削部材2の側面との接触部に接着剤を塗布し、中芯3の側面と研削部材2の側面とを接着させてもよい。
【0076】
図1および図2に示される猫の爪の研磨・研削器1の上面において、中芯3とライナー4との配列方向が並行であり、研削部材2とライナー4との配列方向が直交する方向である。図2に示されるように、研削部材2の研削面2aと中芯3の側面3aとの間に空間Sが形成されており、空間Sが猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通している。したがって、猫が猫の爪の研磨・研削器1の上面を足で引っ掻いたとき、空間Sに猫の足の爪が入り込み、空間Sに存在している研削部材2の研削面2aに猫の爪が摺擦するので、猫の爪を効率よく研削することができる。
【0077】
猫の爪の研磨・研削器1において、研削部材2とライナー4とは、直交する方向で設けられている。図2に示される研削部材2とライナー4との間の角度θは、理想的には直角(90°)である。しかし、角度θは、必ずしも直角である必要がなく、45~90°であることが好ましく、60~90°であることがより好ましく、90°であることがさらに好ましい。
【0078】
図1に示される猫の爪の研磨・研削器1では、猫の爪の研磨・研削器1は、型枠6内に固定して使用されている。
【0079】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の第2の実施態様を図5に示す。図5は、本発明の猫の爪の研磨・研削器1の一実施態様を示す概略平面図である。図5に示される猫の爪の研磨・研削器1の円Yで囲まれている部分の概略拡大図を図6に示す。
【0080】
図5および図6に示されるように、猫の爪の研磨・研削器1は、猫の爪を研削するための研削面を側面に有する研削部材2と、波形形状の中芯3と、平板形状のライナー4とを有する。研削部材2の端面、中芯3の波型形状を有する端面およびライナー4の端面は、猫の爪の研磨・研削器1の上面(猫の爪の研磨・研削器1の平面)に形成されている。
【0081】
複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とは、それぞれ並行に積層されている。ライナー4の側面は、中芯3の側面と接触し、研削部材2の側面は、中芯3の側面と接触している。研削部材2の両側面は、中芯3の側面と接触していることが好ましい。図6に示されるように、研削部材2の研削面2aと中芯3の側面3aとの間に空間Gが形成されている。空間Gは、猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通している。
【0082】
中芯3とライナー4とは、積層されており、積層体を形成している。中芯3とライナー4との積層体には、前記積層段ボール5を用いることができる。積層段ボール5は、複数の中芯3と複数のライナー4とを交互に隣接して積層させることによって形成されている。積層段ボール5の構成は、前記と同様であることが好ましい。
【0083】
図5に示されている、隣接している研削部材2同士の間隔Lは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、10~100mm程度であることが好ましく、20~50mm程度であることがより好ましい。猫の爪の研磨・研削器1に設けられる研削部材2の数は、猫の爪の研磨・研削器1の形状およびその大きさなどによって異なるので一概には決定することができないことから、猫の爪の研磨・研削器1の形状およびその大きさなどに応じて適宜決定することが好ましい。研削部材2の数は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、その上限値は、猫の爪の研磨・研削器1の大きさなどによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
【0084】
研削部材2の端部は、猫の爪の研磨・研削器1の上面で露出するように設けられる。研削部材2は、図3に示されるように積層段ボール5の上面に凹部(図示せず)または貫通孔(図示せず)を設け、当該凹部または貫通孔内に挿入されていてもよく、図4に示されるように積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に挟まれていてもよい。積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に研削部材2が挟まれている場合、図4に示されるように、研削部材2の側面に形成されている研削面と中芯3の波形形状を有する側面との間で空間Sが形成されている。
【0085】
研削部材2は、積層段ボール5の機械的強度を高める観点から、積層段ボール5の上面に凹部または貫通孔を設け、当該凹部または貫通孔内に挿入されていることが好ましい。研削部材2は、猫の爪の研磨・研削器1の生産効率を高める観点から、図4に示されるように積層段ボール5の中芯3と他の積層段ボール5aの中芯3との間に挟まれていることが好ましい。また、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、研削部材2として板状(プレート状)の研削部材を用い、図3および図4に示されるように、研削部材2が猫の爪の研磨・研削器1の平面に対して垂直方向で猫の爪の研磨・研削器1に配設されていることが好ましい。
【0086】
研削部材2は、例えば、積層段ボール5の凹部または貫通孔の内面、または研削部材2に接着剤を付着させた後、研削部材2を当該凹部または貫通孔に挿入することにより、積層段ボール5と接着させてもよく、複数の積層段ボール5を用い、積層段ボール5と研削部材2との界面に接着剤を塗布し、積層段ボール5と研削部材2とを接着させてもよい。
【0087】
研削部材2は、前述した図3および図4に示されている研削部材2の実施態様と同様であることが好ましい。
【0088】
図5および図6に示される猫の爪の研磨・研削器1では、複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とは、それぞれ並行に積層されている。図6に示されるように、研削部材2の研削面2aと中芯3の側面3aとの間に空間Gが形成されており、空間Gが猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通している。したがって、猫が猫の爪の研磨・研削器1の上面を足で引っ掻いたとき、空間Gに猫の足の爪が入り込み、空間Gに存在している研削部材2の研削面2aに猫の爪が摺擦して研削されるので、猫の爪を効率よく研削することができる。図6に示される研削部材2の幅と研削部材2’の幅は、相違しているが、同一であってもよく、相違していてもよい。
【0089】
猫の爪の研磨・研削器1において、研削部材2と中芯3とライナー4とは、それぞれ並行に積層されているが、本発明の目的が阻害されない範囲内で、それぞれ傾斜角を有するように積層されていてもよい。
【0090】
図5に示される猫の爪の研磨・研削器1は、型枠6内に固定して使用されている。本発明の猫の爪の研磨・研削器1として複数の積層段ボール5を用意し、傷んだ積層段ボール5を新しい積層段ボール5と交換することができるようにしてもよい。この場合、本発明の猫の爪の研磨・研削器1は、例えば、図5に示されるように、積層段ボール5の端部に取付け鍔7を設け、取付け鍔7を型枠6内に配設した固定部材8に挿入して固定することができる。固定部材8としては、例えば、ゴム、スポンジ、エラストマーなどからなる弾性体、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂などの樹脂成形品などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0091】
また、取付け鍔7として猫の爪の研磨・研削器1の研削部材2を利用してもよい。取付け鍔7として研削部材2を利用した場合、傷んだ猫の爪の研磨・研削器1の研削部材2を固定部材8から取り外すことにより、新たな猫の爪の研磨・研削器1と交換することができる。
【0092】
本発明の猫の爪の研磨・研削器の第3の実施態様を図7に示す。本発明の第3の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1では、複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とは、それぞれ同心円状に積層されている。ライナー4の側面は、中芯3の側面と接触し、研削部材2の側面は、中芯3の側面と接触している。研削部材2の研削面と中芯3の側面との間に空間Dが形成されており、空間Dが猫の爪の研磨・研削器1の上面と連通している。
【0093】
第3の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1では、複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とがそれぞれ同心円状に積層されているのに対し、第2の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1では複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とがそれぞれ並行に積層されている点で、第3の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1は、第2の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1と相違している。
【0094】
第3の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1は、第2の実施態様の猫の爪の研磨・研削器と対比して、複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とがそれぞれ同心円状に積層されている点を除き、第2の実施態様の猫の爪の研磨・研削器1と同様であることが好ましい。
【0095】
第3の実施態様の猫の爪の研磨・研削器のでは、複数の研削部材2と複数の中芯3と複数のライナー4とは、接着剤で一体化させることができる。
【0096】
中芯3とライナー4との積層体には、前記積層段ボール5を用いることができる。積層段ボール5は、複数の中芯3と複数のライナー4とを交互に隣接して積層させることによって形成されている。積層段ボール5の構成は、前記と同様であることが好ましい。
【0097】
猫の爪の研磨・研削器1の研削部材2と中芯3とライナー4とは、同心円状に配列されているが、必ずしも完全に同心円状である必要がなく、本発明の目的を阻害しない範囲内でそれぞれ歪曲していてもよい。
【0098】
隣接している研削部材2同士の間隔は、図1に示される猫の爪の研磨・研削器1の研削部材2同士の間隔Lと同様であることが好ましい。また、猫の爪の研磨・研削器1に設けられる研削部材2の数は、猫の爪の研磨・研削器1の大きさなどによって異なるので一概には決定することができないことから、猫の爪の研磨・研削器1の大きさなどに応じて適宜決定することが好ましい。研削部材2の数は、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、その上限値は、猫の爪の研磨・研削器1の大きさなどによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
【0099】
研削部材2は、図1に示される猫の爪の研磨・研削器1と同様に、猫の爪の研磨・研削器1の上面から突出していてもよく、猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に設けられていてもよく、猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように形成されていてもよい。これらの猫の爪の研磨・研削器1の実施態様のなかでは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、研削部材2が猫の爪の研磨・研削器1の上面と同一平面となるように形成されているか、または猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に設けられていることが好ましく、猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に設けられていることがより好ましい。
【0100】
図7に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2が突出している場合、突出している研削部材2の高さは、猫の爪を効率よく研磨・研削するとともに猫に不快感を与えないようにする観点から、0~1mm程度であることが好ましく、0~0.5mm程度であることがより好ましい。
【0101】
図7に示される猫の爪の研磨・研削器1において、猫の爪の研磨・研削器1の上面よりも内部に研削部材2が存在している場合、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪を効率よく研磨・研削する観点から、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。また、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の研削面が存在している位置までの深さは、猫の爪が過度に研削されることを抑制する観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上である。
【0102】
図7に示される猫の爪の研磨・研削器1では、研削部材2の研削面と中芯3の側面との間に空間Dが形成されているので、空間Dに猫の足の爪が入り込み、空間Dに存在している研削部材2の研削面に猫の爪が摺擦するので、猫の爪を効率よく研削することができる。
【0103】
猫の爪の研磨・研削器1の大きさは、特に限定されず、猫の爪の研磨・研削器1が使用される場所などに応じて適宜調整することができる。本発明の猫の爪の研磨・研削器1の一例として、猫の爪の研磨・研削器1の平面形状が外径20~80cmの円形であり、厚さが1~10cm程度である円柱状を有する猫の爪の研磨・研削器が挙げられる。図7に示される猫の爪の研磨・研削器1の中央部には空間Pが存在している。空間Pには、必要により、猫の爪の研磨・研削器1を基板(図示せず)に固定するための芯材(図示せず)が挿入されていてもよい。
【0104】
以上説明したように、本発明の猫の爪の研磨・研削器1は、猫が段ボールの上面を爪で引掻くという猫の習性を利用したものである。本発明の猫の爪の研磨・研削器1は、猫の爪を研削するための研削面を少なくとも一方の側面に有する研削部材と複数の波形形状を側面に有する中芯とライナーとを有し、研削部材の端面、中芯の波型形状を有する端面およびライナーの端面が猫の爪の研磨・研削器の上面に形成されており、研削部材の研削面と中芯の側面との間に空間が形成されており、当該空間が猫の爪の研磨・研削器の上面と連通していることから、猫が猫の爪の研磨・研削器1の上面を引掻いたときに爪を研磨すると同時に爪先を研削するので、従来のようにヒトが爪切りで猫の爪を切るという煩雑でかつ猫が嫌がる作業が不要となる。
【0105】
したがって、本発明の猫の爪の研磨・研削器1は、猫を飼育している猫の飼い主、猫の愛好家などにとって非常に有用なものとして使用することが期待される。
【実施例0106】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0107】
実施例1
図1に示される実施態様の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。より具体的には、段ボールとしてB段(記号:BF)の中芯3およびライナー4を有する段ボールを用意し、縦の長さが50cmであり、横の長さが12cmであり、高さが3cmである直方体状の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。また、研削部材2として耐水(サンド)ペーパー(粒度:100番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面同士を両側面粘着テープ〔(株)ニトムズ製、品番:T4010〕で貼付した研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約2mm)を用いた。猫の爪の研磨・研削器1の上面には、長手方向に対して直角方向に2.5cmの等間隔で幅が11cm、深さが3cmの切り込み(凹部)18本を入れ、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の上端までの深さが2mmとなるように各切り込みにそれぞれ研削部材2を挿入した。猫の爪の研磨・研削器1の下面は、研削部材2が設けられていないので、中芯3の端面およびライナー4の端面が存在している。
【0108】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器1を型枠内に入れた後、その上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、前記猫の爪の研磨・研削器1を飼い猫に5日間自由に使用させた。猫の爪の研磨・研削器1を猫に使用する前後の猫の前足の爪の先端の状態を図8に示す。猫の前足の爪9の先端は、猫の爪の研磨・研削器1の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器1の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。
【0109】
また、猫の爪の研磨・研削器1を猫に5日間自由に使用させた後の猫の爪の研磨・研削器1の上面の図面代用写真を図9に、猫の前足の爪の図面代用写真を図10に示す。図9に示されるように、猫の爪の研磨・研削器1の上面には猫の爪による引掻き傷が見受けられた。また、猫の前足の爪の先端は、図10の丸印で囲まれている部分に示されているように、猫の爪の研磨・研削器1を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0110】
猫の爪の研磨・研削器1を使用した後、当該猫の爪の研磨・研削器1の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0111】
実施例2
実施例1において、研削部材として、研磨布(粒度:80番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面に厚さが0.15mmであるポリプロピレン製シートを挟んで接着させた研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約0.5mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして猫の爪の研磨・研削器を作製した。
【0112】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器を型枠内に入れた後、実施例1と同様にしてその上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、前記猫の爪の研磨・研削器を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、実施例1と同様に、猫の爪の研磨・研削器の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、当該猫の爪の研磨・研削器を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0113】
また、前記猫の爪の研磨・研削器を使用した後、当該猫の爪の研磨・研削器の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0114】
実施例3
実施例1において、研削部材として、研磨布(粒度:240番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面に厚さが0.15mmであるポリプロピレン製シートを挟んで接着させた研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約0.5mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして猫の爪の研磨・研削器を作製した。
【0115】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器を型枠内に入れた後、実施例1と同様にしてその上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、前記猫の爪の研磨・研削器を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、実施例1と同様に、猫の爪の研磨・研削器の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、当該猫の爪の研磨・研削器を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0116】
また、前記猫の爪の研磨・研削器を使用した後、当該猫の爪の研磨・研削器の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0117】
実施例4
図1に示される実施態様の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。より具体的には、段ボールとしてB段(記号:BF)の中芯3およびライナー4を有する段ボールを用意し、研削部材2として耐水(サンド)ペーパー(粒度:100番)を用いた。
【0118】
耐水(サンド)ペーパーの裏面に両側面粘着テープ〔(株)ニトムズ製、品番:T4010〕の片面を貼付した後、耐水(サンド)ペーパーに貼付した両側面粘着テープの剥離紙を剥離して両側面粘着テープの粘着面を露出させた。
【0119】
図1の紙面に向かって真ん中から上方の研削部材2には、当該耐水(サンド)ペーパーの研削面が上方に向くようにして耐水(サンド)ペーパーを配置して耐水(サンド)ペーパーの粘着面を段ボールに貼り付け、耐水(サンド)ペーパーの研削面と、当該研削面と隣接する段ボールの中芯3とが接し、猫の爪の研磨・研削器1の上面から耐水(サンド)ペーパーの上端までの深さが2mmとなるようにして研削面と当該隣接する段ボールを配置した。また、図1の紙面に向かって真ん中から下方の研削部材2には、当該耐水(サンド)ペーパーの研削面が下方に向くようにして耐水(サンド)ペーパーを配置して耐水(サンド)ペーパーの粘着面を段ボールに貼り付け、耐水(サンド)ペーパーの研削面と、当該研削面と隣接する段ボールの中芯3とが接し、猫の爪の研磨・研削器1の上面から耐水(サンド)ペーパーの上端までの深さが2mmとなるようにして研削面と当該隣接する段ボールを配置した。
【0120】
猫の爪の研磨・研削器1の上面の長手方向に対して直角方向に2.5cmの等間隔で耐水(サンド)ペーパーが位置するように各段ボールを配置して縦の長さが50cmであり、横の長さが12cmであり、高さが3cmである直方体状の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。猫の爪の研磨・研削器1の下面は、研削部材2が設けられていないので、中芯3の端面およびライナー4の端面が存在している。
【0121】
次に、前記で得られた猫の爪の研磨・研削器1を型枠内に入れた後、その上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、猫の爪の研磨・研削器1を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、実施例1と同様に、猫の爪の研磨・研削器1の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器1の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、猫の爪の研磨・研削器1を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0122】
また、猫の爪の研磨・研削器1を使用した後、猫の爪の研磨・研削器1の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0123】
実施例5
図5に示される実施態様の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。より具体的には、段ボールとしてB段(記号:BF)の中芯3およびライナー4を有する片面段ボールを用意し、中芯3、ライナー4および研削部材2を並列に配置し、研削部材2の両面が片面段ボールの中芯3と接するようにして縦の長さが50cmであり、横の長さが12cmであり、高さが3cmである直方体状の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。
【0124】
なお、研削部材2として耐水(サンド)ペーパー(粒度:100番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面同士を両側面粘着テープ〔(株)ニトムズ製、品番:T4010〕で貼付した研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約2mm)を用い、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の上端までの深さが2mmとなるように調整し、猫の爪の研磨・研削器1の長手方向に対して直角方向に2.5cmの等間隔で研削部材2を配置した。
【0125】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器1を型枠内に入れた後、その上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、猫の爪の研磨・研削器1を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、猫の爪の研磨・研削器1の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器1の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、猫の爪の研磨・研削器1を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0126】
また、猫の爪の研磨・研削器1を使用した後、猫の爪の研磨・研削器1の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0127】
実施例6
実施例5において、研削部材として、研磨布(粒度:180番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面に厚さが0.15mmであるポリプロピレン製シートを挟んで接着させた研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約0.5mm)を用いたこと以外は、実施例5と同様にして猫の爪の研磨・研削器を作製した。
【0128】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器を型枠内に入れた後、実施例5と同様にしてその上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、前記猫の爪の研磨・研削器を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、研磨・研削器の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、当該猫の爪の研磨・研削器を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0129】
また、前記猫の爪の研磨・研削器を使用した後、当該猫の爪の研磨・研削器の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0130】
実施例7
図7に示される実施態様の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。より具体的には、段ボールとしてB段(記号:BF)の中芯3およびライナー4を有する片面段ボールを用意し、研削部材2の両面が片面段ボールの中芯3と接するようにして段ボールを円形に巻回することにより、平面形状における直径が30cmであり、高さが3cmである円柱状の猫の爪の研磨・研削器1を作製した。
【0131】
なお、研削部材2として耐水(サンド)ペーパー(粒度:100番)の研削面が外部に位置するように2つ折りに折り曲げ、折り曲げた内面同士を両側面粘着テープ〔(株)ニトムズ製、品番:T4010〕で貼付した研削部材(縦:10.8cm、横:2.8cm、厚さ:約2mm)を用い、猫の爪の研磨・研削器1の上面から研削部材2の上端までの深さが2mmとなるように調整し、2.5cmの等間隔で研削部材2を配置した。
【0132】
前記で得られた猫の爪の研磨・研削器1を型枠内に入れた後、その上面(研磨・研削面)を上向きにして床の上に置き、猫の爪の研磨・研削器1を飼い猫に5日間自由に使用させた。その結果、猫の前足の爪の先端は、猫の爪の研磨・研削器1の使用前では図8(a)に示されるように尖っていたのに対し、猫の爪の研磨・研削器1の使用後には図8(b)に示されるように研削されていることが確認された。このことから、猫の前足の爪の先端は、猫の爪の研磨・研削器1を使用することにより、効率よく研削されていることがわかる。
【0133】
また、猫の爪の研磨・研削器1を使用した後、猫の爪の研磨・研削器1の上面(研磨・研削面)と下面(研磨面)とを逆にすることにより、猫の爪を下面(研磨面)で研磨することができた。
【0134】
以上の結果から、本発明の猫の爪の研磨・研削器を猫に用いることにより、猫の爪を研磨することができるとともに、爪切りなどを使用しなくても猫の爪先を効率よく研削することができるという優れた効果が奏されることがわかる。
【符号の説明】
【0135】
1 猫の爪の研磨・研削器
2,2’研削部材
2a 研削部材の研削面
3 中芯
3a 中芯の側面
4 ライナー
5,5a積層段ボール
6 型枠
7 取付け鍔
8 固定部材
9 猫の前足の爪

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10