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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179997
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】シート状媒体の供給装置および使用装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/14 20060101AFI20221129BHJP
B65H 3/12 20060101ALI20221129BHJP
B65H 3/48 20060101ALI20221129BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20221129BHJP
【ＦＩ】
B65H1/14 322A
B65H3/12 330Z
B65H3/48 320A
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021086860
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥一
【テーマコード（参考）】
3F048
3F343
【Ｆターム（参考）】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA05
3F048BB02
3F048CB12
3F048DC14
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA33
3F343HD16
3F343JB03
3F343JD28
3F343KB04
3F343LA04
3F343LA14
3F343LC02
3F343MA03
3F343MA13
3F343MA32
3F343MB09
3F343MC03
(57)【要約】
【課題】積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が下方等に曲がっている場合でも、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができるシート状媒体の供給装置等を提供する。
【解決手段】供給装置は、上下移動する積載板と、積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、積載された上位側のシート状媒体の左右の側端に送風する左右の側端送風部と、吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置に配置され、最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器とを備え、左右の検出器の一方又は双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される。
【選択図】図１４
【解決手段】供給装置は、上下移動する積載板と、積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、積載された上位側のシート状媒体の左右の側端に送風する左右の側端送風部と、吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置に配置され、最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器とを備え、左右の検出器の一方又は双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される。
【選択図】図１４
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される供給装置。
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される供給装置。
【請求項2】
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置に配置され、前記左右の側端送風部の送風で浮揚する前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触し得る部品と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触する前記部品との接触の強さが弱まる状態にする第２動作が実行される供給装置。
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置に配置され、前記左右の側端送風部の送風で浮揚する前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触し得る部品と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触する前記部品との接触の強さが弱まる状態にする第２動作が実行される供給装置。
【請求項3】
前記第１動作は、前記左右の検出器の双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記積載板を現状の位置よりも上げる動作である請求項１に記載の供給装置。
【請求項4】
前記第１動作は、前記左右の検出器の一方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の他方と同じ側にある前記左右の側端送風部の他方の送風を強める動作である請求項１に記載の供給装置。
【請求項5】
前記第１動作は、前記積載板を現状の位置よりも上げる動作を加えた動作である請求項４に記載の供給装置。
【請求項6】
前記第２動作は、前記積載板を現状の位置よりも下げる動作である請求項２に記載の供給装置。
【請求項7】
前記第２動作は、前記左右の検出器の双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の側端送風部の送風を弱める動作である請求項２に記載の供給装置。
【請求項8】
前記第２動作は、前記左右の検出器の一方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の一方と同じ側にある前記左右の側端送風部の一方の送風を弱める動作である請求項２に記載の供給装置。
【請求項9】
前記第２動作は、前記積載板に積載しているシート状媒体の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作である請求項２に記載の供給装置。
【請求項10】
前記第１動作は、実行された後に前記左右の検出器の双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出しなくなったときに停止する請求項１に記載の供給装置。
【請求項11】
前記第１動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない請求項１に記載の供給装置。
【請求項12】
前記第２動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない請求項２に記載の供給装置。
【請求項13】
前記左右の検出器が、前記吸引部を挟んだ左右対称の位置に配置されている請求項１又は２に記載の供給装置。
【請求項14】
前記積載板の前記搬出方向の下流側の端部に接近して配置され、積載されるシート状媒体の搬出時の先端を揃える先端壁を備え、
前記左右の検出器が、前記先端壁よりも前記搬出方向の上流側の位置に配置されている請求項１、２又は１３に記載の供給装置。
前記左右の検出器が、前記先端壁よりも前記搬出方向の上流側の位置に配置されている請求項１、２又は１３に記載の供給装置。
【請求項15】
前記部品が、前記左右の側端送風部からの送風で浮揚する最上位のシート状媒体の左右端部の上面に接触して高さを制限する左右の制限部材である請求項２に記載の供給装置。
【請求項16】
積載されるシート状媒体を供給先に搬出して供給するシート状媒体の供給装置と、
前記供給装置から供給されるシート状媒体に処理を施す処理装置と、
を備え、
前記シート状媒体の供給装置が、請求項１乃至１５のいずれか１項に記載の供給装置で構成されているシート状媒体の使用装置。
前記供給装置から供給されるシート状媒体に処理を施す処理装置と、
を備え、
前記シート状媒体の供給装置が、請求項１乃至１５のいずれか１項に記載の供給装置で構成されているシート状媒体の使用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート状媒体の供給装置および使用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、用紙束を用紙積載台に積載し、空気を用紙搬送部材の通気孔を通じて吸引して、用紙束の用紙を用紙搬送部材に吸着して搬送する給紙装置であって、記用紙搬送部材と用紙搬送部材よりも下方に配置されたガイド部との間が、用紙搬送部材により搬送されている用紙が通過する開口部となっており、ガイド部は、用紙の搬送方向と直交する方向に延在する中央部及び前記中央部の両側の各側部を有し、開口部の用紙の入口側では各側部が中央部よりも低くされた給紙装置が記載されている。
【0003】
特許文献２には、複数の用紙を積層状態で載置するとともに上下動可能に支持された用紙積載台と、給紙方向の下流側の方向よりも幾分上側に傾斜した方向に向かって送風するノズルを有した先端エアー送風部と、規制高さに位置する最上部の用紙の左側と右側とから用紙にむかって水平方向等に送風するためのノズルを有した側端エアー送風部と、ベルト機構とベルトの内側に配置される吸引ダクトとからなり、最上部の用紙を吸着して送り出す吸着送出部と、吸着送出部で送り出された用紙を給紙方向に搬送する挿入ガイドや搬送ローラからなる搬送部と、中央センサおよび端部センサからなるカール検出センサを備えた給紙装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が下方又は上方に曲がっている場合でも、例えばその左右の端部が下方又は上方に曲がっていないときのシート状媒体を吸着して搬出する動作を行うだけの場合に比べて、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができるシート状媒体の供給装置および使用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明（１）は、
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸着部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される供給装置である。
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸着部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体を搬出時の幅方向における部分の高低差が縮小する状態にする第１動作が実行される供給装置である。
【0007】
この発明（２）は、
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置に配置され、前記左右の側端送風部の送風で浮揚する前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触し得る部品と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触する前記部品との接触の強さが弱まる状態にする第２動作が実行される供給装置である。
シート状媒体を積載して上下移動する積載板と、
前記積載板に積載された最上位のシート状媒体を吸引部に吸着させてから搬送部に運んで供給先に供給するよう搬出する搬出装置と、
前記積載された上位側のシート状媒体の搬出方向の上流側から見たときの左右の側端に送風する左右の側端送風部と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置に配置され、前記左右の側端送風部の送風で浮揚する前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触し得る部品と、
前記吸引部を挟んだ左右の位置であって前記搬出方向では同じ位置になるよう配置され、前記最上位のシート状媒体の左右の端部側で下方又は上方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器と、
を備え、
前記左右の検出器の一方又は双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記最上位のシート状媒体の上面の一部が接触する前記部品との接触の強さが弱まる状態にする第２動作が実行される供給装置である。
【0008】
この発明（３）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、前記左右の検出器の双方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記積載板を現状の位置からよりも上げる動作である供給装置である。
この発明（４）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、前記左右の検出器の一方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の他方と同じ側にある前記左右の側端送風部の他方の送風を強める動作である供給装置である。
この発明（５）は、上記発明（４）の供給装置において、前記第１動作が、前記積載板を現状の位置よりも上げる動作を加えた動作である供給装置である。
この発明（４）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、前記左右の検出器の一方が前記下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の他方と同じ側にある前記左右の側端送風部の他方の送風を強める動作である供給装置である。
この発明（５）は、上記発明（４）の供給装置において、前記第１動作が、前記積載板を現状の位置よりも上げる動作を加えた動作である供給装置である。
【0009】
この発明（６）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作が、前記積載板を現状の位置よりも下げる動作である供給装置である。
この発明（７）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作は、前記左右の検出器の双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の側端送風部の送風を弱める動作である供給装置である。
この発明（８）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作が、前記左右の検出器の一方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の一方と同じ側にある前記左右の側端送風部の一方の送風を弱める動作である供給装置である。
この発明（９）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作が、前記積載板に積載しているシート状媒体の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作である供給装置である。
この発明（７）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作は、前記左右の検出器の双方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の側端送風部の送風を弱める動作である供給装置である。
この発明（８）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作が、前記左右の検出器の一方が前記上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、前記左右の検出器の一方と同じ側にある前記左右の側端送風部の一方の送風を弱める動作である供給装置である。
この発明（９）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作が、前記積載板に積載しているシート状媒体の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作である供給装置である。
【0010】
この発明（１０）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、実行された後に前記左右の検出器の双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出しなくなったときに停止される供給装置である。
この発明（１１）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない供給装置である。
この発明（１２）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない供給装置である。
この発明（１１）は、上記発明（１）の供給装置において、前記第１動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない供給装置である。
この発明（１２）は、上記発明（２）の供給装置において、前記第２動作は、前記左右の検出器の検出ができない搬出時の幅の狭いシート状媒体と特定の種類のシート状媒体が使用される場合に実行されない供給装置である。
【0011】
この発明（１３）は、上記発明（１）又は（２）の供給装置において、前記左右の検出器が、前記吸引部を挟んだ左右対称の位置に配置されている供給装置である。
この発明（１４）は、上記発明（１）、（２）又は（１３）の供給装置において、前記積載板の前記搬出方向の下流側の端部に接近して配置され、積載されるシート状媒体の搬出時の先端を揃える先端壁を備え、前記左右の検出器が、前記先端壁よりも前記搬出方向の上流側の位置に配置されている供給装置である。
この発明（１５）は、上記発明（２）の供給装置において、前記部品が、前記左右の側端送風部からの送風で浮揚する最上位のシート状媒体の左右端部の上面に接触して高さを制限する左右の制限部材である供給装置である。
この発明（１４）は、上記発明（１）、（２）又は（１３）の供給装置において、前記積載板の前記搬出方向の下流側の端部に接近して配置され、積載されるシート状媒体の搬出時の先端を揃える先端壁を備え、前記左右の検出器が、前記先端壁よりも前記搬出方向の上流側の位置に配置されている供給装置である。
この発明（１５）は、上記発明（２）の供給装置において、前記部品が、前記左右の側端送風部からの送風で浮揚する最上位のシート状媒体の左右端部の上面に接触して高さを制限する左右の制限部材である供給装置である。
【0012】
また、この発明（１６）は、積載されるシート状媒体を供給先に搬出して供給するシート状媒体の供給装置と、前記供給装置から供給されるシート状媒体に処理を施す処理装置と、を備え、前記シート状媒体の供給装置が、上記発明（１）から（１５）のいずれかの供給装置で構成されているシート状媒体の使用装置である。
【発明の効果】
【0013】
上記発明（１）によれば、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が下方に曲がっている場合でも、例えばその左右の端部が下方又は上方に曲がっていないときのシート状媒体を吸着して搬出する動作を行うだけの場合に比べて、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（２）によれば、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が上方に曲がっている場合でも、そのシート状媒体の上面の一部が接触する部品との接触の強さが弱まらない状態にする動作を行う場合に比べて、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（２）によれば、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が上方に曲がっている場合でも、そのシート状媒体の上面の一部が接触する部品との接触の強さが弱まらない状態にする動作を行う場合に比べて、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
【0014】
上記発明（３）によれば、第１動作として、左右の検出器の双方が下方に曲がっている量が一定量であることを検出した場合に積載板を現状の位置に止めている場合に比べて、搬出時の左右の端部の両方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良になることを抑制して搬出することができる。
上記発明（４）によれば、第１動作として、左右の検出器の一方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出した場合に左右の側端送風部の他方における送風を強める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の片方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（５）によれば、第１動作として積載板を上げる動作を加えて行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の一方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を容易に抑制して搬出することができる。
上記発明（４）によれば、第１動作として、左右の検出器の一方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出した場合に左右の側端送風部の他方における送風を強める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の片方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（５）によれば、第１動作として積載板を上げる動作を加えて行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の一方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を容易に抑制して搬出することができる。
【0015】
上記発明（６）によれば、第２動作として、積載板を現状の位置に止めている場合に比べて、搬出時の左右の端部が上方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（７）によれば、第２動作として、左右の検出器の双方が上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出した場合に左右の側端送風部の送風を弱める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の両方が上方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（８）によれば、第２動作として、左右の検出器の一方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに左右の検出器の一方と同じ側にある側端送風部の一方の送風を弱める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の一方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（９）によれば、第２動作として、積載板に積載しているシート状媒体の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作を行わない場合に比べて、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が上方又は下方に曲がっている場合でも、そのシート状媒体の搬出ミスや搬出不良が発生することを未然に抑制できる。
上記発明（７）によれば、第２動作として、左右の検出器の双方が上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出した場合に左右の側端送風部の送風を弱める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の両方が上方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（８）によれば、第２動作として、左右の検出器の一方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに左右の検出器の一方と同じ側にある側端送風部の一方の送風を弱める動作を行わない場合に比べて、搬出時の左右の端部の一方が下方に曲がっているシート状媒体でも、搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（９）によれば、第２動作として、積載板に積載しているシート状媒体の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作を行わない場合に比べて、積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が上方又は下方に曲がっている場合でも、そのシート状媒体の搬出ミスや搬出不良が発生することを未然に抑制できる。
【0016】
上記発明（１０）によれば、第１動作が必要以上に実行されることが避けられる。
上記発明（１１）によれば、第１動作が不要な時期に実行されることが避けられる。
上記発明（１２）によれば、第２動作が不要な時期に実行されることが避けられる。
上記発明（１１）によれば、第１動作が不要な時期に実行されることが避けられる。
上記発明（１２）によれば、第２動作が不要な時期に実行されることが避けられる。
【0017】
上記発明（１３）によれば、左右の検出器が吸着部を挟んで左右の対称になる位置に配置されていない場合に比べて、積載板に積載されたシート状媒体の左右の端部が上方又は下方に曲がっている量を検出しやすくなる。
上記発明（１４）によれば、左右の検出器が先端壁よりも搬出方向上流側の位置に配置されていない場合に比べて、シート状媒体の左右の端部が上方又は下方に曲がっている量を搬送部に運ばれる前に適切に検出することができる。
上記発明（１５）によれば、最上位のシート状媒体の左右端が上方に曲がっていてその左右端の上面が左右の制限部材に接触することがあっても、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
上記発明（１４）によれば、左右の検出器が先端壁よりも搬出方向上流側の位置に配置されていない場合に比べて、シート状媒体の左右の端部が上方又は下方に曲がっている量を搬送部に運ばれる前に適切に検出することができる。
上記発明（１５）によれば、最上位のシート状媒体の左右端が上方に曲がっていてその左右端の上面が左右の制限部材に接触することがあっても、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができる。
【0018】
上記発明（１６）によれば、供給装置において積載板に積載されたシート状媒体の搬出時における左右の端部が下方又は上方に曲がっている場合でも、そのシート状媒体を搬出ミスや搬出不良の発生を抑制して搬出することができ、供給装置から処理装置にシート状媒体が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて良好に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第１の実施の形態に係るシート状媒体の使用装置の側面図である。
【図2】第１の実施の形態に係るシート状媒体の供給装置の側面図である。
【図3】供給装置の内部を側方から見た状態の概要図である。
【図4】供給装置の内部を上方から見た状態の概要図である。
【図5】供給装置の吸引部、搬送部等を斜め下方から見た状態の概要図である。
【図6】供給装置の吸引部、搬送部等を側方から見た状態の概要図である。
【図7】供給装置の吸引部等を搬出方向の上流側から見た状態の概要図である。
【図8】供給装置の駆動系の構成を上方から見た状態の概要図である。
【図9】供給装置の制御系の概略構成図である。
【図10】供給装置の正常な供給動作の状態例の概要図である。
【図11】左右端部側の部分が下方に曲がっているシート状媒体を使用したときの供給動作の一状態例の概要図である。
【図12】供給装置の左右の検出器等の部分の概略図である。
【図13】供給装置の左右の検出器等の部分を上方から見た状態の概略図である。
【図14】供給装置における第１動作を行う搬出補助制御のフローチャート図である。
【図15】第１動作の状態例の概要図である。
【図17】第１動作の別の状態例の概要図である。
【図19】第１動作の更に別の状態例の概要図である。
【図21】第２の実施の形態に係る供給装置における第２動作を行う搬出補助制御のフローチャート図である。
【図22】左右端部側の部分が上方に曲がっているシート状媒体を使用したときの供給動作の一状態例の概要図である。
【図23】（Ａ）は第２動作の状態変化例の概要図、（Ｂ）は別の第２動作の状態変化例の概要図である。
【図24】（Ａ）は更に別の第２動作を要する給紙動作の状態例の概要図、（Ｂ）は（Ａ）の第２動作の実行後の状態変化例の概要図である。
【図25】（Ａ）は更に他の第２動作を要する給紙動作の状態例の概要図、（Ｂ）は（Ａ）の第２動作の実行後の状態変化例の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
第１の実施の形態．
図１には、第１の実施の形態に係るシート状媒体の使用装置１００が示されている。図２には、第１の実施の形態に係るシート状媒体の供給装置１が示されている。
以下の説明では、図面に矢印Ｘで示す方向を装置の幅方向、矢印Ｙで示す方向を装置の高さ方向、矢印Ｚで示す方向を上記幅方向および高さ方向のそれぞれに直交する装置の奥行方向とする。図面中の矢印Ｘと矢印Ｚの交差部に付した丸印は、装置の奥行方向（矢印Ｚ）が図面と直交する下方に向いていることを示している。
図１には、第１の実施の形態に係るシート状媒体の使用装置１００が示されている。図２には、第１の実施の形態に係るシート状媒体の供給装置１が示されている。
以下の説明では、図面に矢印Ｘで示す方向を装置の幅方向、矢印Ｙで示す方向を装置の高さ方向、矢印Ｚで示す方向を上記幅方向および高さ方向のそれぞれに直交する装置の奥行方向とする。図面中の矢印Ｘと矢印Ｚの交差部に付した丸印は、装置の奥行方向（矢印Ｚ）が図面と直交する下方に向いていることを示している。
【0022】
＜シート状媒体の使用装置＞
シート状媒体の使用装置１００は、図１に示されるように、積載されるシート状媒体９を搬出して供給するシート状媒体の供給装置１と、供給装置１から供給されるシート状媒体９に処理を施す処理装置１２０とを備えている。
シート状媒体９は、シート状の形態からなる媒体であって供給装置１での収容および搬出と処理装置１２０での搬送および処理とが可能な媒体である。図１に示す符号２００は、画像形成システム１００Ａ等を設置した場所の設置面である。
シート状媒体の使用装置１００は、図１に示されるように、積載されるシート状媒体９を搬出して供給するシート状媒体の供給装置１と、供給装置１から供給されるシート状媒体９に処理を施す処理装置１２０とを備えている。
シート状媒体９は、シート状の形態からなる媒体であって供給装置１での収容および搬出と処理装置１２０での搬送および処理とが可能な媒体である。図１に示す符号２００は、画像形成システム１００Ａ等を設置した場所の設置面である。
【0023】
このシート状媒体の使用装置１００は、処理装置１２０としてシート状媒体９に画像を形成する画像形成装置１２０Ａを採用し、供給装置１と接続して組み合わせた画像形成システム１００Ａとして構成されている。
また、シート状媒体９としては、画像の形成が可能な媒体であって所定のサイズに裁断された用紙、コート紙、フィルム、箔、シート状布、封筒等に代表される記録媒体が使用される。
また、シート状媒体９としては、画像の形成が可能な媒体であって所定のサイズに裁断された用紙、コート紙、フィルム、箔、シート状布、封筒等に代表される記録媒体が使用される。
【0024】
処理装置１２０の一例である画像形成装置１２０Ａは、図１に示されるように、所要の外観形状からなる筐体１２１の内部に、シート状媒体９に画像を形成する処理部１２３の一例である像形成部１２３Ａ、筐体１２１内でシート状媒体９を搬送する搬送路Ｒｔ等が配置されている。
【0025】
像形成部１２３Ａは、例えば電子写真方式、インク記録方式等の像形成方式で構成される部分である。この像形成部１２３Ａは、その像形成方式、配置、数等の構成について特に限定されるものではない。
図１に一点鎖線で示すＲｔ１は、供給装置１から供給されるシート状媒体９を像形成部１２３Ａに導入するよう搬送する導入搬送路であり、搬送ロール１２５、搬送ガイド等で構成されている。また、一点鎖線で示すＲｔ２は、像形成部１２３Ａを通過したシート状媒体９を図示しない収容部や後処理部に排出するよう搬送する排出搬送路であり、図示しない搬送ロール、搬送ガイド等で構成されている。
図１に一点鎖線で示すＲｔ１は、供給装置１から供給されるシート状媒体９を像形成部１２３Ａに導入するよう搬送する導入搬送路であり、搬送ロール１２５、搬送ガイド等で構成されている。また、一点鎖線で示すＲｔ２は、像形成部１２３Ａを通過したシート状媒体９を図示しない収容部や後処理部に排出するよう搬送する排出搬送路であり、図示しない搬送ロール、搬送ガイド等で構成されている。
【0026】
この画像形成システム１００Ａでは、供給装置１からシート状媒体９が処理装置１２０の一例である画像形成装置１２０Ａに供給されると、その画像形成装置１２０Ａにおいて供給されたシート状媒体９に対して画像の形成が行われる。
【0027】
【0028】
筐体１０は、所要の骨格構造を形成する支持フレームや、外観を形成する外装パネル等で構成されている。筐体１０は、大別すると、図１から図３に示されるように、上部１１と、上部１１より下方に存在する上下２段（上段および下段）の供給部１２，１３と、上部１１および供給部１２，１３の片側の端部に存在する搬出部１４とを備えた構造になっている。
【0029】
上段の供給部１２と下段の供給部１３はいずれも、図１から図４等に示されるように、トレイ等の収容体１７Ａ，１７Ｂと、シート状媒体９を積載する積載部２０Ａ，２０Ｂと、収容体１７Ａ，１７Ｂの内部で積載部２０Ａ，２０Ｂを上下に昇降させる昇降手段３０と、積載部２０Ａ，２０Ｂにそれぞれ積載されるシート状媒体９を搬出部１４にむけて矢印Ｄで示す方向（搬出方向Ｄ）に搬出する搬出手段４０Ａ，４０Ｂ等を備えている。
【0030】
まず、上記収容体１７Ａ，１７Ｂは、筐体１０の手前側（装置奥行方向Ｚの上流側）に引き出し可能に取り付けられている。
この収容体１７Ａ，１７Ｂは、装置奥行方向Ｚの上流側の端部および下流側の端部に側壁板を有し、装置幅方向Ｘに開放された形態からなる本体部を備えている。装置奥行方向Ｚの上流側の側壁板には、前壁部１７２が取り付けられており、その前壁部１７２の上部に取っ手用の開口１７５が設けられている。
この収容体１７Ａ，１７Ｂは、装置奥行方向Ｚの上流側の端部および下流側の端部に側壁板を有し、装置幅方向Ｘに開放された形態からなる本体部を備えている。装置奥行方向Ｚの上流側の側壁板には、前壁部１７２が取り付けられており、その前壁部１７２の上部に取っ手用の開口１７５が設けられている。
【0031】
また、収容体１７Ａ，１７Ｂは、本体部の開放された一方（搬出方向Ｄの下流側）の端部において積載部２０Ａ，２０Ｂに積載されたシート状媒体９の搬出方向Ｄの下流側になる搬出時の先端９ｓを揃えて位置決めする先端壁１７３と、本体部の引き出し方向の左右側部と筐体１０の内壁部の間に設けられた図示しないスライドレール、ラッチ機構等の移動装置が設けられている。先端壁１７３の上端の中央には、図４や図７に示されるように、切り欠き状の凹部１７３ｂが形成されている。
【0032】
次に、上記積載部２０Ａ，２０Ｂは、上部にシート状媒体９を積載する積載面２１が形成された板状の部材（積載板）で構成されており、収容体１７Ａ，１７Ｂの内部に対して上下に移動可能に取り付けられている。
【0033】
この積載部２０Ａ，２０Ｂは互いに同じ構成になっているので、以下では特に必要がある場合を除いて積載部２０Ａを代表して説明する。
積載部２０Ａは、図３、図４等に示されるように、そのシート状媒体９の搬出方向Ｄの下流側から見たときの左右になる左右の側端部から突出する吊り下げ部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄを有しており、その吊り下げ部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄが収容体１７Ａの本体部における側壁板に設けられたガイド孔１７４に沿って案内されることで上下に移動可能になっている。積載部２０Ａは、ガイド孔１７４の上下方向の長さ分だけ少なくとも移動可能になっている。
積載部２０Ａは、図３、図４等に示されるように、そのシート状媒体９の搬出方向Ｄの下流側から見たときの左右になる左右の側端部から突出する吊り下げ部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄを有しており、その吊り下げ部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄが収容体１７Ａの本体部における側壁板に設けられたガイド孔１７４に沿って案内されることで上下に移動可能になっている。積載部２０Ａは、ガイド孔１７４の上下方向の長さ分だけ少なくとも移動可能になっている。
【0034】
さらに、積載部２０Ａは、図２から図４等に示されるように、その各積載面２１に左右の側壁２５Ｌ，２５Ｒと後端壁２６を備えている。ここで、左（Ｌ）と右（Ｒ）は、図４に示されるように搬出方向Ｄの上流側から見たときの左側と右側を示すものとする。
【0035】
側壁２５Ｌ，２５Ｒは、図４や図５に示されるように、シート状媒体９における左右側端に接触する接触面２５１を有しており、その接触面２５１で積載面２１に積載するシート状媒体９の搬出時における左右の側端を揃えて位置決めするとともに当該左右の側端を搬出方向Ｄに沿って案内する。供給部１２、１３では、シート状媒体９の送り幅方向の中央位置を搬送時の基準位置として搬送を行う方式、いわゆるセンターレジ方式を採用している。この関係で、側壁２５Ｌ，２５Ｒは、その全体が収容体１７Ａ，１７Ｂの底部において左右方向Ｌ，Ｒに移動可能に設けられている。
一方、後端壁２６は、シート状媒体９における後端に接触する接触面を有しており、その接触面によりシート状媒体９における搬出方向Ｄの上流側になる後端を揃えて位置決めする。このため、後端壁２６は、その全体が積載面２１の固定面部２１Ａに搬出方向Ｄに沿って形成されたスライド溝に対して移動可能に設けられている。
一方、後端壁２６は、シート状媒体９における後端に接触する接触面を有しており、その接触面によりシート状媒体９における搬出方向Ｄの上流側になる後端を揃えて位置決めする。このため、後端壁２６は、その全体が積載面２１の固定面部２１Ａに搬出方向Ｄに沿って形成されたスライド溝に対して移動可能に設けられている。
【0036】
上記昇降手段３０は、図３、図４等に示されるように、４本のワイヤ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄと、ワイヤ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄのいずれかが掛け渡されるプーリ３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄおよび補助プーリ３３ａ，３３ｂと、左側巻取りプーリ３４Ｌと、右側巻取りプーリ３４Ｒと、昇降駆動装置３７を備えている。
【0037】
４本のワイヤ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄは、その終端を、積載部２０Ａの４箇所に設けられた吊り下げ部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄにそれぞれ振り分けて連結されている。
掛けプーリ３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄは、収容体１７Ａの左右の側壁板における各ガイド孔１７４の上端の上方部分に１つずつ回転可能に設けられている。補助プーリ３３ａ，３３ｂは、掛けプーリ３２ａ，３２ｂと左側巻取りプーリ３４Ｌの間においてワイヤ３１ａ，３１ｂを必要な経路を辿るよう引き回すよう収容体１７Ａの側壁板に回転可能に設けられている。
左側巻取りプーリ３４Ｌは、左側に配置されるワイヤ３１ａ，３１ｂを巻き取るよう収容体１７Ａの底面部に配置されている。右側巻取りプーリ３４Ｒは、右側に配置されるワイヤ３１ｃ，３１ｄを巻き取るよう収容体１７Ａの底面部に配置されている。
掛けプーリ３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄは、収容体１７Ａの左右の側壁板における各ガイド孔１７４の上端の上方部分に１つずつ回転可能に設けられている。補助プーリ３３ａ，３３ｂは、掛けプーリ３２ａ，３２ｂと左側巻取りプーリ３４Ｌの間においてワイヤ３１ａ，３１ｂを必要な経路を辿るよう引き回すよう収容体１７Ａの側壁板に回転可能に設けられている。
左側巻取りプーリ３４Ｌは、左側に配置されるワイヤ３１ａ，３１ｂを巻き取るよう収容体１７Ａの底面部に配置されている。右側巻取りプーリ３４Ｒは、右側に配置されるワイヤ３１ｃ，３１ｄを巻き取るよう収容体１７Ａの底面部に配置されている。
【0038】
また、昇降駆動装置３７は、モータ、ギヤ機構等で構成される駆動装置であり、正逆の方向に回転が切り替え可能になっている。昇降駆動装置３７は、筐体１０の奥側の部位に配置されている。この昇降駆動装置３７には、左側巻取りプーリ３４Ｌと右側巻取りプーリ３４Ｒが取り付けられて収容体１７Ａの底面部に回転可能に設けられた回転軸３５の一端部が、着脱連結が可能なカップリング機構３６を介して接続されている。
【0039】
この昇降手段３０は、昇降駆動装置３７を所要の一方向に所要の量だけ回転駆動させてワイヤ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄを巻き取ることにより、積載部２０Ａを上昇移動させる。また昇降手段３０は、昇降駆動装置３７を反対の方向に所要の量だけ回転駆動させてワイヤ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄを繰り出すことにより、積載部２０Ａを下降移動させる。
【0040】
昇降駆動装置３７は、積載部２０Ａに積載されるシート状媒体９の最上部の位置を検出する高さ位置センサ７１の検出情報を利用して駆動が制御される。具体的には、昇降駆動装置３７は、高さ位置センサ７１により検出されるシート状媒体９の最上部の位置が予め定める高さ位置に達したという情報を得ることにより駆動が停止させられる。高さ位置センサ７１は、例えば、図３，図６等に示されるように収容体１７Ａの先端壁１７３における切り欠き部１７３ｂから見えるシート状媒体９の最上部の位置（高さ位置）を検出するよう配置されている。
【0041】
また、積載部２０Ａにおいては、図３、図４、図６等に示されるように、側壁２５Ｌ，２５Ｒの接触面２５１に、積載部２０Ａ，２０Ｂにそれぞれ積載される上位側のシート状媒体９の左右側端に空気を吹き付けるように送る左右の側端送風部の一部を構成する左右の送風口５０が設けられている。
【0042】
送風口５０は、図４等に示されるように、左の側壁２５Ｌに搬出方向Ｄに間隔をあけて設けた２つの送風口５０Ａ，５０Ｂと、右の側壁２５Ｒに搬出方向Ｄに間隔をあけて設けた２つの送風口５０Ｃ，５０Ｄを備えている。このうち送風口５０Ａと送風口５０Ｄとは、搬出方向Ｄにおいて対向する位置にそれぞれ配置されている。また、左側の送風口５０Ａ，５０Ｂは、例えば、実際に空気が吹き出される吹き出し部が水平方向に長い開口形状になっている。さらに、右側の送風口５０Ｃ，５０Ｄは、例えば、実際に空気が吹き出される吹き出し部が上下方向に長い開口形状になっている。
【0043】
また、送風口５０Ａ，５０Ｂは、図８に示されるように、左の側壁２５Ｌの内部に配置された左の側端送風部の残り部分を構成する左の側端送風装置６１Ｌに図示しない送風ダクトを介して接続されている。一方、送風口５０Ｃ，５０Ｄは、右の側壁２５Ｒの内部に配置された右の側端送風部の残り部分を構成する右の側端送風装置６１Ｒに図示しない送風ダクトを介して接続されている。上記各側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒは、各送風ダクト内の流路を開閉する図示しない開閉弁がそれぞれ併設されている。
【0044】
この左右の側端送風部は、搬出手段４０Ａ，４０Ｂにおける後述する吸引部４１にシート状媒体９を吸着させるときに、その積載面２１上に積載される上位側の複数のシート状媒体９の左右側端に対して空気を送風口５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃ，５０Ｄからそれぞれ吹き付けるように送風する。
これにより、積載部２０Ａでは、上位側の複数のシート状媒体９Ｔが浮揚させられて上下方向で分離した状態にさせられる（図８参照）。
これにより、積載部２０Ａでは、上位側の複数のシート状媒体９Ｔが浮揚させられて上下方向で分離した状態にさせられる（図８参照）。
【0045】
さらに、積載部２０Ａにおいては、図３、図７等に示されるように、側壁２５Ｌ，２５Ｒの接触面２５１に、積載部２０Ａ，２０Ｂに積載されるシート状媒体９の左右側端の上面に接触して所要の高さに制限する複数の制限手段５５が設けられている。
【0046】
制限手段５５は、図３，図４等に示されるように、左の側壁２５Ｌにおいて、送風口５０Ａよりも搬出方向Ｄ上流側の位置に設けた１つの制限手段５５Ａと、送風口５０Ｂの搬出方向Ｄの下流側および上流側になる両脇の位置に設けた２つの制限手段５５Ｂ，５５Ｃとを備えている。
また、制限手段５５は、図４等に示されるように、右の側壁２５Ｒにおいて、送風口５０Ｃと送風口５０Ｄの間に設けた１つの制限手段５５Ｅと、送風口５０Ｄの搬出方向Ｄの下流側になる位置に設けた２つの制限手段５５Ｅ，５５Ｆとを備えている。
また、制限手段５５は、図４等に示されるように、右の側壁２５Ｒにおいて、送風口５０Ｃと送風口５０Ｄの間に設けた１つの制限手段５５Ｅと、送風口５０Ｄの搬出方向Ｄの下流側になる位置に設けた２つの制限手段５５Ｅ，５５Ｆとを備えている。
【0047】
これらの制限手段５５Ａ～５５Ｆは、図４等に示されるように、例えば、側壁２５Ｌ，２５Ｒの各接触面２５１の所要の高さ位置から積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１の上方に対して所要の長さで突出する板状の部材を用いて構成されている。
また、制限手段５５Ａ～５５Ｆの下面である接触面５５１は、例えば、図６や図７に示されるように、後述する吸引部４１における枠体４２の最下端になる吸着領域ＶＥの最下部４２ｄの高さと同じ高さか又は最下部４２ｄの高さよりも高い高さになっている。図６等における二点鎖線ＶＬは、枠体４２の最下部４２ｄを通る仮想の水平延長直線である。
さらに、制限手段５５Ａ～５５Ｆは、積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１の上にシート状媒体９を積載する作業時（積載部２０Ａ等が最下降位置に移動したとき）に、例えば、側壁２５Ｌ，２５Ｒの内部に格納されて各接触面２５１から突出しない状態になるよう構成されている。
また、制限手段５５Ａ～５５Ｆの下面である接触面５５１は、例えば、図６や図７に示されるように、後述する吸引部４１における枠体４２の最下端になる吸着領域ＶＥの最下部４２ｄの高さと同じ高さか又は最下部４２ｄの高さよりも高い高さになっている。図６等における二点鎖線ＶＬは、枠体４２の最下部４２ｄを通る仮想の水平延長直線である。
さらに、制限手段５５Ａ～５５Ｆは、積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１の上にシート状媒体９を積載する作業時（積載部２０Ａ等が最下降位置に移動したとき）に、例えば、側壁２５Ｌ，２５Ｒの内部に格納されて各接触面２５１から突出しない状態になるよう構成されている。
【0048】
この制限手段５５Ａ～５５Ｆは、上記したように左右の側端送風部における送風口５０から空気が吹き付けられて上位側の複数のシート状媒体９Ｔが浮揚させられるとき、その
浮揚する上位側の複数のシート状媒体９Ｔ（実際は最上位のシート状媒体９Ａ）における左右側端を上方から押さえる。
これにより、積載部２０Ａでは、その浮揚するシート状媒体９Ｔが積載部２０Ａの積載面２１上において所要の高さに止められる。
浮揚する上位側の複数のシート状媒体９Ｔ（実際は最上位のシート状媒体９Ａ）における左右側端を上方から押さえる。
これにより、積載部２０Ａでは、その浮揚するシート状媒体９Ｔが積載部２０Ａの積載面２１上において所要の高さに止められる。
【0049】
ちなみに、収容体１７Ａには、図４から図６等に示されるように、先端壁１７３の凹部１７３ｂよりも搬出方向Ｄの下流側の位置に、上記浮揚するシート状媒体９Ｔが搬出方向Ｄへ不用意に移動してしまうことを制止する制止部材１７６が２つ設けられている。制止部材１７６は、例えば板状の部材からなるものであり、その上端が先端壁１７３の凹部１７３ｂ内に存在して先端壁１７３の上端から上方に所定の長さだけ突出する状態で設けられている。
【0050】
上記搬出手段４０Ａ，４０Ｂは、図２、図３、図５等に示されるように、積載部２０Ａ，２０Ｂにそれぞれ積載されるシート状媒体９のうち最上位のシート状媒体９を吸着して運ぶ吸引部４１と、吸引部４１で吸着されて運ばれるシート状媒体９を搬出する搬送部４５と、吸引部４１に吸着された最上位のシート状媒体９Ａの下方に空気を吹き付けるよう送風する先端送風部と、後述する第１搬出路Ｒｈ１を構成する図示しない案内部材等を備えている。
【0051】
このうち吸引部４１は、図３から図８等に示されるように、収容体１７Ａ，１７Ｂの搬出方向Ｄの下流側の端部で先端壁１７３よりも内側になる上部の位置において積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１と向き合う状態で配置されている。
吸引部４１は、内部が中空で下方面が開口した立方体状の枠体４２と、枠体４２の下面開口において少し上方にずれた内側の位置に設けられ、所要のパターンで配置された複数の吸気口４３ａを有する吸引板４３と、複数の吸気口４３ａにそれぞれ分岐して接続された複数の分岐吸気管４４ａ等を備えた吸引ヘッドとして構成されている。この吸引ヘッドは、複数の分岐吸気管４４ａと接続される吸引ダクト又はパイプ４４と、この吸引ダクト又はパイプ４４を通して空気を吸引する吸引駆動装置６３とに接続されている。
吸引部４１は、内部が中空で下方面が開口した立方体状の枠体４２と、枠体４２の下面開口において少し上方にずれた内側の位置に設けられ、所要のパターンで配置された複数の吸気口４３ａを有する吸引板４３と、複数の吸気口４３ａにそれぞれ分岐して接続された複数の分岐吸気管４４ａ等を備えた吸引ヘッドとして構成されている。この吸引ヘッドは、複数の分岐吸気管４４ａと接続される吸引ダクト又はパイプ４４と、この吸引ダクト又はパイプ４４を通して空気を吸引する吸引駆動装置６３とに接続されている。
【0052】
この吸引部４１は、吸引駆動装置６３を作動させて上記吸引ヘッドの吸引板４３において吸引力を発生させることにより、枠体４２の最下部４２aにシート状媒体９を接触させた状態で吸着する。
このため、吸引部４１は、図４や図５に示されるように、その枠体４２の最下部４２aで囲まれる四角形の面領域が吸着領域ＶＥになっている。本実施の形態における吸引部４１の吸着領域ＶＥは、積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１における搬出方向Ｄの下流側の端部寄りの部分でかつ搬出方向Ｄと交差する左右方向Ｌ，Ｒにおけるほぼ中央の部分とに対向する程度の面積からなる領域である。
このため、吸引部４１は、図４や図５に示されるように、その枠体４２の最下部４２aで囲まれる四角形の面領域が吸着領域ＶＥになっている。本実施の形態における吸引部４１の吸着領域ＶＥは、積載部２０Ａ，２０Ｂの各積載面２１における搬出方向Ｄの下流側の端部寄りの部分でかつ搬出方向Ｄと交差する左右方向Ｌ，Ｒにおけるほぼ中央の部分とに対向する程度の面積からなる領域である。
【0053】
【0054】
まず、吸引部４１は、枠体４２の上部における支持部４２ｂが、その上方に搬出方向Ｄに沿って平行する状態で配置された２本のガイドレール４１５に対して移動可能に取り付けられている。ガイドレール４１５は、筐体１０の一部である内部フレーム１９に固定して配置された支持フレーム４１８に設けられている。
また、吸引部４１は、枠体４２の上部における接続部４２ｃが、ガイドレール４１５の上方で搬出方向Ｄの上流側および下流側に離して配置された１組のプーリ４１６Ａ, ４１６Ｂに掛け回されて所要の方向に所要の距離だけ駆動する移動ベルト４１７の一部に固定されている。一方のプーリ４１６Ｂは、図６に示されるように、モータ、伝達機構等で構成される進退駆動装置６４から正逆方向の回転動力を受けて所要の方向に回転駆動するようになっている。
また、吸引部４１は、枠体４２の上部における接続部４２ｃが、ガイドレール４１５の上方で搬出方向Ｄの上流側および下流側に離して配置された１組のプーリ４１６Ａ, ４１６Ｂに掛け回されて所要の方向に所要の距離だけ駆動する移動ベルト４１７の一部に固定されている。一方のプーリ４１６Ｂは、図６に示されるように、モータ、伝達機構等で構成される進退駆動装置６４から正逆方向の回転動力を受けて所要の方向に回転駆動するようになっている。
【0055】
吸引部４１は、シート状媒体９の吸引時においては、吸着領域ＶＥが積載部２０Ａの積載面２１と向き合う位置（吸引位置）に停止している。
次に、吸引部４１は、その吸着が完了した後に進退駆動装置６４を作動させて移動ベルト４１７を動かすことにより、搬送部４５に接近して吸着した最上位のシート状媒体９Ａの搬出時の先端９ｓを搬送部４５に受け渡す位置（受渡位置）まで前進移動させられる。次に、吸引部４１は、受け渡しが完了した後に進退駆動装置６４を作動させて移動ベルト４１７を動かすことにより、受渡位置から吸引位置に戻るよう後進移動させられる。
次に、吸引部４１は、その吸着が完了した後に進退駆動装置６４を作動させて移動ベルト４１７を動かすことにより、搬送部４５に接近して吸着した最上位のシート状媒体９Ａの搬出時の先端９ｓを搬送部４５に受け渡す位置（受渡位置）まで前進移動させられる。次に、吸引部４１は、受け渡しが完了した後に進退駆動装置６４を作動させて移動ベルト４１７を動かすことにより、受渡位置から吸引位置に戻るよう後進移動させられる。
【0056】
次に、搬送部４５は、収容体１７Ａ，１７Ｂにおける先端壁１７３よりも搬出方向Ｄの下流側になる外側で吸引部４１よりも搬出方向Ｄの下流側になる位置に配置されている。
【0057】
この搬送部４５は、図５や図６に示されるように、回転軸４６１に複数のロール部を取り付けた駆動搬送ロール４６と駆動搬送ロール４６の下部に接触して従動回転する従動搬送ロール４７とからなる一対の搬送ロールと、第１搬出路Ｒｈ１の通路空間を形成する図示しない搬送案内部材等で構成されている。
【0058】
駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７からなる一対の搬送ロールは、図５に示されるように、搬出方向Ｄの上流側から見たとき、その各ロール部が先端壁１７３における凹部１７３ｂの左右方向の範囲内に収まる状態で配置されている。
駆動搬送ロール４６は、図８に示されるようにモータ、ギヤ伝達機構等で構成される搬出駆動装置６６から回転軸４６１に伝達される回転動力により搬出動作時に矢印で示す方向（図６参照）に回転駆動するようになっている。
図５における符号４５２は、吸引部４１に吸着されて運ばれるシート状媒体９の搬出時の先端９ｓを、搬送部４５のロール間（駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７の接触部）に導入するよう案内する導入案内部材を示す。
駆動搬送ロール４６は、図８に示されるようにモータ、ギヤ伝達機構等で構成される搬出駆動装置６６から回転軸４６１に伝達される回転動力により搬出動作時に矢印で示す方向（図６参照）に回転駆動するようになっている。
図５における符号４５２は、吸引部４１に吸着されて運ばれるシート状媒体９の搬出時の先端９ｓを、搬送部４５のロール間（駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７の接触部）に導入するよう案内する導入案内部材を示す。
【0059】
搬送部４５は、吸引部４１に吸着されて搬送部４５に運ばれる途上のシート状媒体９の搬出時の先端９ｓの通過を検出する前段位置センサ７２Ａからの検出情報を受けて回転始動する一方で、搬送部４５から送り出されたシート状媒体９の搬出時の後端の通過を検出する後段位置センサ７２Ｂからの検出情報を受けて回転駆動を停止する。ただし、搬送部４５は、シート状媒体９の供給動作の実行中は駆動し続けるように構成することも可能である。
前段位置センサ７２Ａは、図６や図８に示されるように、駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７からなる一対の搬送ロールよりも搬出方向Ｄの上流側の近傍位置に配置される。後段位置センサ７２Ｂは、駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７からなる一対の搬送ロールよりも搬出方向Ｄの下流側の近傍位置に配置される。この前段位置センサ７２Ａと後段位置センサ７２Ｂとしてはいずれも、例えば、光学式の非接触型センサが使用される。
前段位置センサ７２Ａは、図６や図８に示されるように、駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７からなる一対の搬送ロールよりも搬出方向Ｄの上流側の近傍位置に配置される。後段位置センサ７２Ｂは、駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７からなる一対の搬送ロールよりも搬出方向Ｄの下流側の近傍位置に配置される。この前段位置センサ７２Ａと後段位置センサ７２Ｂとしてはいずれも、例えば、光学式の非接触型センサが使用される。
【0060】
次に、先端送風部は、図４から図６や図８に示されるように、空気を吹き出す吹き出し口４８ａを有するエアーノズル４８と、吹き出し口４８ａから吹き出した空気を所要の方向に案内して流すエアー案内板４９とを備えている。
【0061】
エアーノズル４８は、吸引部４１に吸着された最上位のシート状媒体９Ａの搬出時の先端９Ａｓと先端壁１７３よりも搬出方向Ｄの下流側になる位置に配置されている。エアーノズル４８は、吹き出し口４８ａを搬送部４５における一対の搬送ロールである駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７の間の隙間から搬出方向Ｄの上流側に向いた状態で配置し、その吹き出し口４８ａから空気が搬出方向Ｄの斜め上方に吹き出されるよう構成されている。
また、エアーノズル４８は、図６や図８に示されるように、吹き出し口４８ａにつながれる通気路４８ｂを図示しない送風ダクトを介して吹き出し用の空気を送る先端送風装置６５に接続されている。
また、エアーノズル４８は、図６や図８に示されるように、吹き出し口４８ａにつながれる通気路４８ｂを図示しない送風ダクトを介して吹き出し用の空気を送る先端送風装置６５に接続されている。
【0062】
エアー案内板４９は、図６に示されるように、その下面に、上に凸になる湾曲面の案内窪み４９ａを設けた板状の部材である。案内窪み４９ａは、図１０において太い破線の曲がった矢印として例示されるように、エアーノズル４８の吹き出し口４８ａから吹き出した空気を吸引部４１に吸着された最上位のシート状媒体９Ａの下方に向けて進ませるよう案内する。このエアー案内板４９は、吸引部４１の枠体４２の搬出方向Ｄの下流側の側部に取り付けられている。これにより、エアー案内板４９は、吸引部４１の進退移動に合わせて移動する。
【0063】
先端送風部のエアーノズル４８は、例えば、吸引部４１の吸着動作が開始される情報を受けて先端送風装置６５が始動して所要のタイミングで空気の吹き出しの開始および停止が行われる。
【0064】
上記搬出部１４は、図２や図３に示されるように、上段の供給部１２から搬出手段４０Ａにて搬出されるシート状媒体９を外部に搬出する第１搬出路Ｒｈ１と、下段の供給部１３から搬出手段４０Ｂにて搬出されるシート状媒体９を外部に搬出する第２搬出路Ｒｈ２を備えている。
【0065】
第１搬出路Ｒｈ１および第２搬出路Ｒｈ２は、筐体１０の他の側部１０Ｂに設けた排出口１８の排出ロール１４２にまで最終的に至るよう途中で合流しながら配置される排出搬送路であり、そのいずれも破線で示す一対の搬送ロール、図示しない搬送案内部材等で構成されている。
【0066】
また、この供給装置１は、図３や図９に示されるように、供給装置１を制御する制御装置１５が設けられている。制御装置１５は、中央演算処理装置（ＣＰＵ等）、読み出し専用メモリ（ＲＯＭ）、読み書き可能メモリ（ＲＡＭ）、入出力装置等を備えて構成されている。この制御装置１５は、供給装置１に装備させるものに限らず、供給装置１を併用する画像形成システム１００Ａに装備させるものや、画像形成システム１００Ａにおける制御装置の一部として構成したものでもよい。
【0067】
また、制御装置１５は、操作上の設定の入力や動作状態等に関する各種の情報の表示が行われる液晶パネル、操作キー等からなる操作表示装置１６、画像形成システム１００Ａ等に接続して使用される外部接続端末と通信する通信部１７、各種センサを含む検出器等と接続されて制御に必要な情報を取得する。検出器としては、上記した高さ位置センサ７１、前段位置センサ７２Ａ，後段位置センサ７２Ｂ、供給装置１の筐体１０内の温度、湿度等の環境状況を検出する環境センサ７３等が挙げられる。
さらに、制御装置１５は、制御対象として、昇降手段３０における昇降駆動装置３７、左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒ、吸引部４１における吸引駆動装置６３および進退駆動装置６４、先端送風部における先端送風装置６５、搬送部４５における搬出駆動装置６６等の駆動制御回路と接続されている。
さらに、制御装置１５は、制御対象として、昇降手段３０における昇降駆動装置３７、左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒ、吸引部４１における吸引駆動装置６３および進退駆動装置６４、先端送風部における先端送風装置６５、搬送部４５における搬出駆動装置６６等の駆動制御回路と接続されている。
【0068】
そして、制御装置１５は、中央演算処理装置が、操作表示装置１６の入力設定情報や検出器の各種検出情報を取り込みつつ、読み出し専用メモリに予め保存されている各種プログラムやデータに沿って演算して、制御対象に所要の制御信号を送るよう作動する。
また、この制御装置１５は、後述する搬出補助制御も行うように構成されている。
また、この制御装置１５は、後述する搬出補助制御も行うように構成されている。
【0069】
＜シート状媒体の供給動作＞
次に、このシート状媒体の供給装置１によるシート状媒体９の供給動作について説明する。
次に、このシート状媒体の供給装置１によるシート状媒体９の供給動作について説明する。
【0070】
供給装置１では、制御装置１５が外部接続端末や画像形成システム１００Ａから供給動作の指令を受けると、収容部１２，１３に所要のシート状媒体９が収容されていることが確認された後、一連の供給動作が実行される。ここでは、供給動作について上段の供給部１２を代表して説明する。
【0071】
まず、上段の供給部１２では、昇降手段３０Ａによる積載部２０Ａの上昇移動が開始される。これにより、収容体１７Ａの内部において積載部２０Ａが、図１０に例示されるように、積載部２０Ａの積載面２１に積載されたシート状媒体９の最上位が高さ位置センサ７１の検出情報を参照しながら所要の供給準備高さになるまで上昇移動させられる。このとき積載部２０Ａは、その積載面２１が供給準備高さに対応した高さ位置ｈ１まで上昇して停止する。
【0072】
続いて、積載部２０Ａにおいては、積載部２０Ａの供給準備高さまでの上昇移動が完了すると、左右の側壁２５Ｌ、２５Ｒにある左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒが始動してシート状媒体９の浮揚作業が開始されるとともに、搬出手段４０Ａの吸引部４１における吸引駆動装置６３が始動して吸引作業が開始される。
【0073】
この際、積載部２０Ａでは、左右の側壁２５Ｌ、２５Ｒにある送風口５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃ，５０Ｄから所要の風量からなる空気がそれぞれ吹き出され、積載面２１上に積載されているシート状媒体９のうち上位側にある複数のシート状媒体９Ｔの左右側端に吹き付けられる。これにより、上位側にある複数のシート状媒体９Ｔは、図１０に例示されるように、左右側端からの空気の流入により上方に浮揚して互いが上下方向で分離した状態にされる。
【0074】
このときの浮揚した複数のシート状媒体９Ｔは、その最上位にあるシート状媒体９Ａの左右側端の上面が制限手段５５Ａ～５５Ｆの各接触面５５１に接触してそれ以上の上昇移動が阻止されるとともに、またその高さが吸着領域ＶＥにおける最下部４２ｄの高さとほぼ同じ高さに制限される。
【0075】
またこの際、積載部２０Ａでは、吸引作業を行う吸引位置に停止している吸引部４１の吸引板４３で所要の吸引力（白抜きの矢印）が発生する。
これにより、上記浮揚した複数のシート状媒体９Ｔのなかで最上位にあるシート状媒体９Ａは、図１０に例示されるように、その搬出方向Ｄの先端側の部分９Ａｋが、吸引部４１における枠体４２の下端部で囲まれて負圧の状態になった吸着領域ＶＥに吸い寄せられて吸着される。
これにより、上記浮揚した複数のシート状媒体９Ｔのなかで最上位にあるシート状媒体９Ａは、図１０に例示されるように、その搬出方向Ｄの先端側の部分９Ａｋが、吸引部４１における枠体４２の下端部で囲まれて負圧の状態になった吸着領域ＶＥに吸い寄せられて吸着される。
【0076】
このとき吸着された最上位のシート状媒体９Ａは吸引部４１に少し上昇して吸着されるので、図１０に示されるように、その下方にある上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間に間隙が生じる。
また、この吸着された最上位のシート状媒体９Ａの搬出時の先端９Ａｓは、吸着領域ＶＥと向き合っていないため、吸着領域ＶＥから搬出方向Ｄの下流側の外れた位置で枠体４２に取り付けられたエアー案内板４９の下面の取付け根本側の部分に接近してフリーな状態におかれる。
また、この吸着された最上位のシート状媒体９Ａの搬出時の先端９Ａｓは、吸着領域ＶＥと向き合っていないため、吸着領域ＶＥから搬出方向Ｄの下流側の外れた位置で枠体４２に取り付けられたエアー案内板４９の下面の取付け根本側の部分に接近してフリーな状態におかれる。
【0077】
続いて、最上位のシート状媒体９Ａの吸引部４１への吸着が完了すると、先端送風部における先端送風装置６５が始動して吸着した最上位のシート状媒体９Ａとそれ以外のシート状媒体９との分離作業が開始されるとともに、吸引部４１における進退駆動装置６４が始動して吸引部４１の搬送部４５に向けた前進移動が開始される。
【0078】
この際、先端送風部では、図１０に太い破線の矢印で例示されるように、エアーノズル４８の吹き出し口４８ａから所要の空気が搬出方向Ｄの上流側の斜め上方に吹き出され、その空気がエアー案内板４９の案内窪み４９ａに案内されて吸引部４１に吸着された最上位のシート状媒体９Ａの下方の空間に向けて送られる。
これにより、その空気が吸着された最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間に吹き込まれて移動し、その結果として、上位２番目のシート状媒体９Ｂが最上位のシート状媒体９Ａから下方に遠ざけられて分離された状態になる。
これにより、その空気が吸着された最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間に吹き込まれて移動し、その結果として、上位２番目のシート状媒体９Ｂが最上位のシート状媒体９Ａから下方に遠ざけられて分離された状態になる。
【0079】
またこの際、搬出手段４０Ａでは、吸引部４１が吸引位置から受渡位置まで前進移動する。これにより、吸引部４１に吸着された最上位のシート状媒体９Ａは、搬出方向Ｄの下流側にある搬送部４５に接近して搬送部４５に受け渡される。すなわち、吸引部４１に吸着されて運ばれるシート状媒体９Ａの先端９Ａｓが、搬送部４５における一対のロール間である駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７の接触部に導入される。
【0080】
さらにこの際、搬出手段４０Ａの搬送部４５は、受け渡される最上位のシート状媒体９Ａの先端９Ａｓの通過が前段位置センサ７２Ａにより検出されると、搬出駆動装置６６が始動してシート状媒体９の搬出作業が開始される。
【0081】
これにより、吸引部４１から受け渡された最上位のシート状媒体９Ａは、搬送部４５における駆動搬送ロール４６と従動搬送ロール４７との間に挟持されて搬送され、積載部２０Ａおよび収容体１７Ａから搬出されて第１搬出路Ｒｈ１に送り込まれる。
この際、搬出されるシート状媒体９Ａは、その左右側端が左右の側壁２５Ｌ，２５Ｒの各接触面２５１に接触して案内されながら搬出方向Ｄに移動するので、その搬出時の姿勢が斜向した状態にならず正常な状態で搬出される。
一方、この最上位のシート状媒体９Ａの搬出が開始されると、吸引部４１では吸引駆動装置６３が作動を停止して吸引作業を終了する。
この際、搬出されるシート状媒体９Ａは、その左右側端が左右の側壁２５Ｌ，２５Ｒの各接触面２５１に接触して案内されながら搬出方向Ｄに移動するので、その搬出時の姿勢が斜向した状態にならず正常な状態で搬出される。
一方、この最上位のシート状媒体９Ａの搬出が開始されると、吸引部４１では吸引駆動装置６３が作動を停止して吸引作業を終了する。
【0082】
このときの搬送部４５は、搬出される最上位のシート状媒体９Ａの後端の通過が後段位置センサ７２Ｂによる検出されると、搬出駆動装置６６が作動を停止して搬出作業を終了する。またこのときの吸引部４１は、上記後段位置センサ７２Ｂによる検出がなされると、後進移動がなされて受渡位置から吸引位置に戻される。
【0083】
以上により、上段の供給部１２からは、最上位のシート状媒体９Ａが第１搬出路Ｒｈ１を経由して排出口１８から排出された後、供給先である画像形成装置１２０Ａ（の第１導入搬送路Ｒｔ１）に供給される。
【0084】
また供給装置１では、下段の供給部１３からも、上段の供給部１２における上記供給動作の場合とほぼ同様に、積載部２０Ｂに積載されるシート状媒体９が第２搬出路Ｒｈ２を経由して排出口１８から排出された後、供給先に供給される。
さらに、画像形成システム１００Ａでは、供給装置１から処理装置１２０の一例である画像形成装置１２０Ａにシート状媒体９が供給されると、そのシート状媒体９に対して画像の形成が行われる。
さらに、画像形成システム１００Ａでは、供給装置１から処理装置１２０の一例である画像形成装置１２０Ａにシート状媒体９が供給されると、そのシート状媒体９に対して画像の形成が行われる。
【0085】
しかし、この供給装置１においては、図１１、図１７および図１９に例示されるように、積載部２０Ａ等の積載面２１に積載されたシート状媒体９の搬出時の左右の双方又は一方の端部９ｃ、９ｄが中央部から一定量以上ずれて下方に曲がっていると、側端送風部の送風口５０からの送風で浮揚させる際、上位側の複数のシート状媒体９Ｔにおける左右の側端９ｃ、９ｄどうしの間に空気を流入させることが難しくなる。
つまり、そのシート状媒体９の下方に曲がっている左右の双方又は一方の端部９ｃ、９ｄが送風口５０から吹き付けられる空気の進路上の障害になり、その空気が上位側の複数のシート状媒体９Ｔの左右側端どうしの間に平常時のように分散して良好に流れ込まないことがある。
つまり、そのシート状媒体９の下方に曲がっている左右の双方又は一方の端部９ｃ、９ｄが送風口５０から吹き付けられる空気の進路上の障害になり、その空気が上位側の複数のシート状媒体９Ｔの左右側端どうしの間に平常時のように分散して良好に流れ込まないことがある。
【0086】
この結果、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目以降のシート状媒体９Ｂ，９Ｃ,・・との分離が十分になされず、最上位のシート状媒体９Ａに上位２番目のシート状媒体９Ｂ等を含んだ複数のシート状媒体９が重なり合ったまま搬出される重送に代表される搬出不良が発生することがある。
また、最上位のシート状媒体９Ａの湾曲している部分が導入案内部材４５２等の周辺の部品に必要以上に強く当たって角部が折れ曲がること（ドックイヤー）等の搬出不良が発生することや、搬出の途中で詰まって搬出不能になること（ジャム）が発生することもある。
また、最上位のシート状媒体９Ａの湾曲している部分が導入案内部材４５２等の周辺の部品に必要以上に強く当たって角部が折れ曲がること（ドックイヤー）等の搬出不良が発生することや、搬出の途中で詰まって搬出不能になること（ジャム）が発生することもある。
【0087】
＜供給装置の更なる構成＞
そこで、供給装置１は、図５、図７、図１２、図１３等に示されるように、積載部２０Ａ等の積載面２１上に積載された最上位のシート状媒体９Ａの搬送時における左右Ｌ，Ｒの端部９ｃ、９ｄ側で下方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒを設けたうえで、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの一方又は双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、最上位のシート状媒体９Ａを搬出時の幅方向における部分の高低差Δｈが縮小する状態にする第１動作が実行されるよう構成されている。
そこで、供給装置１は、図５、図７、図１２、図１３等に示されるように、積載部２０Ａ等の積載面２１上に積載された最上位のシート状媒体９Ａの搬送時における左右Ｌ，Ｒの端部９ｃ、９ｄ側で下方に曲がっている量を個別に検出する左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒを設けたうえで、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの一方又は双方が下方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、最上位のシート状媒体９Ａを搬出時の幅方向における部分の高低差Δｈが縮小する状態にする第１動作が実行されるよう構成されている。
【0088】
左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒは、図７、図８、図１２等に示されるように、筐体１０内で積載面２１の上方の部位において吸引部４１を挟んだ左右の位置であって搬出方向Ｄで同じになる位置に配置されている。検出器７４Ｌと検出器７４Ｒは、その各検出面（中心部）が積載面２１の搬出方向Ｄ下流側の端部２１ｓとの離間距離Ｎがほぼ同じなるよう配置されている。
【0089】
本実施の形態における検出器７４Ｌ，７４Ｒは、図１２、図１３等に示されるように、その検出面が吸引部４１の吸着領域ＶＥを挟んで左右対称になる位置にも配置されている。このため、検出器７４Ｌと検出器７４Ｒは、その各検出面の吸引部４１における吸着領域ＶＥの左端との離間距離Ｍａと吸着領域ＶＥの右端との離間距離Ｍｂとがほぼ同じになるよう配置されている。また、図１２における符号ＶＥｃは、吸引部４１における吸着領域ＶＥの左右方向の中心部を示す。
【0090】
また、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒは、例えば、シート状媒体９の上面部分との距離Ｋを測定することが可能な光学式の距離センサを用いて左側および右側の曲がり量検出センサとして構成されている。左の検出器７４Ｌは、シート状媒体９の左の端部側の上面部分との距離Ｋ１を測定する。また、右の検出器７４Ｒは、シート状媒体９の右の端部側の上面部分との距離Ｋ２を測定する。
また、この検出器７４Ｌ，７４Ｒについては、例えば、図１３に破線で囲んで例示する領域ＫＥ１，ＫＥ２の一部又は全部を検出可能領域にできるよう構成することが好ましい。この領域ＫＥ１，ＫＥ２は、吸引部４１における吸着領域ＶＥの左右の領域のうち、搬出時の幅Ｗが最大幅Wmaxであるシート状媒体９の左右の端部側の部分の曲がっている状態を検出することが可能な領域になる。
また、この検出器７４Ｌ，７４Ｒについては、例えば、図１３に破線で囲んで例示する領域ＫＥ１，ＫＥ２の一部又は全部を検出可能領域にできるよう構成することが好ましい。この領域ＫＥ１，ＫＥ２は、吸引部４１における吸着領域ＶＥの左右の領域のうち、搬出時の幅Ｗが最大幅Wmaxであるシート状媒体９の左右の端部側の部分の曲がっている状態を検出することが可能な領域になる。
【0091】
さらに、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒは、図９に示されるように、制御装置１５に接続されて検出情報が送信されるようになっている。
検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出は、シート状媒体９の供給動作のなかで最上位のシート状媒体９Ａが吸引部４１に吸着された後に検出が行われる。この検出の際、側端送風部の送風口５０からの送風は行われている。
検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出は、シート状媒体９の供給動作のなかで最上位のシート状媒体９Ａが吸引部４１に吸着された後に検出が行われる。この検出の際、側端送風部の送風口５０からの送風は行われている。
【0092】
また、検出器７４Ｌ，７４Ｒでは、その検出面から最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の部分までの実際の距離Ｋ１，Ｋ２がそれぞれ測定される。
しかし、検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報としては、その各検出面から吸引部４１の最下部４２ａの高さを基準にした基準高さ（仮想線）ＶＬまでの距離ｋｃ（図１２参照）を、実際に測定した距離Ｋ１，Ｋ２からそれぞれ差し引いた値（Ｋ１－ｋｃ、Ｋ２－ｋｃ）が使用される。この場合の検出情報は、吸着された最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の部分の高さとそのシート状媒体９Ａの中央部（吸着された部分）の高さ（吸着部分の高さ）との差の情報（曲がり量ΔＫ又はずれ量）として得られることになる。
しかし、検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報としては、その各検出面から吸引部４１の最下部４２ａの高さを基準にした基準高さ（仮想線）ＶＬまでの距離ｋｃ（図１２参照）を、実際に測定した距離Ｋ１，Ｋ２からそれぞれ差し引いた値（Ｋ１－ｋｃ、Ｋ２－ｋｃ）が使用される。この場合の検出情報は、吸着された最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の部分の高さとそのシート状媒体９Ａの中央部（吸着された部分）の高さ（吸着部分の高さ）との差の情報（曲がり量ΔＫ又はずれ量）として得られることになる。
【0093】
制御装置１５では、検出器７４Ｌ，７４Ｒからの検出情報が得られると、第１動作を行う搬出補助制御の１つの判別ステップとして、その検出情報である曲がり量ΔＫが予め定める一定量の閾値Ｋｄ以上であるか否かが判別される。
閾値Ｋｄは、供給動作において上記した搬出不良や搬出不可が発生しやすくなるときの状況を考慮して適宜設定される。この閾値Ｋｄについては、例えば、吸引部４１の最下部４２ｄの高さである基準高さＶＬと先端壁１７３の上端部（又は制止部材１７６の上端部）との高低差ｋｓ（図１２参照）より小さい値に設定することができる。この閾値Ｋｄとしては、例えば５ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲内で設定することができる。
閾値Ｋｄは、供給動作において上記した搬出不良や搬出不可が発生しやすくなるときの状況を考慮して適宜設定される。この閾値Ｋｄについては、例えば、吸引部４１の最下部４２ｄの高さである基準高さＶＬと先端壁１７３の上端部（又は制止部材１７６の上端部）との高低差ｋｓ（図１２参照）より小さい値に設定することができる。この閾値Ｋｄとしては、例えば５ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲内で設定することができる。
【0094】
第１の動作は、図１６（Ｂ）に例示されるように、左右Ｌ，Ｒの端部９ｃ、９ｄ側の双方又は一方の部分が下方に一定量以上の量で曲がっている最上位のシート状媒体９Ａを搬出時の幅方向（両矢印Ｌ，Ｒで示す方向）における部分の高低差Δｈが縮小する状態にする動作であればよいが、本実施の形態では以下の動作を採用している。
【0095】
すなわち、第１の動作としては、図１２や図１４に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの双方が下方に曲がっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｄ以上であることを検出したときに、積載部２０Ａを現状の位置よりも上げる動作（第１動作Ａ）を採用している。また、第１の動作としては、図１４、図１７、図１９等に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの一方が下方に曲がっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｄ以上であることを検出したときに、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの他方と同じ側にある左右の側端送風部の他方の送風口５０からの送風を強める動作（第１動作Ｂ）を採用している。
【0096】
ここで、積載板の一例である積載部２０Ａの現状の位置とは、供給動作における吸引作業を行う際に積載部２０Ａ等が上昇して吸着準備位置として停止されるときの積載面２１の最新の高さ位置ｈ１（図１５参照）である。吸着準備位置は、積載しているシート状媒体９が供給により減少することに合わせて徐々に上昇させるので、供給動作の進行に応じて変更される。
【0097】
また、積載部２０Ａの現状の位置よりも上げる程度は、最上位のシート状媒体９Ａにおける曲がっている部分の左右の高低差Δｈ１，Δｈ２の双方が縮小した状態にするために必要とされる上昇の値に設定される。この上昇させる値は、例えば、閾値ｋｄ以上の値に設定することができる。
【0098】
積載部２０Ａ等を上昇させる動作は、昇降手段３０における昇降駆動装置３７を積載板が所要の量だけ上昇移動させる内容で作動させることにより行われる。
【0099】
次に、左右の側端送風部の他方の送風口５０からの送風を強める程度は、最上位のシート状媒体９Ａにおける曲がっている部分の左右の高低差Δｈ１，Δｈ２の該当する方が縮小した状態にするために必要とされる風力の強さ（風量又は風速のレベル）の値に設定される。この際、最上位のシート状媒体９Ａにおける曲がっている部分に対応する左右の側端送風部の一方の送風口５０における送風は、通常のレベルのままとする。
この送風を強める値は、例えば、下方に曲がっている部分が風力により持ち上げられるに必要な強さの値に設定することができる。ただし、この際、強められた送風により最上位のシート状媒体９Ａを含む浮揚する上位側のシート状媒体９Ｔが乱れた動きをするような強め方をする値に設定しないことは言うまでもない。
この送風を強める値は、例えば、下方に曲がっている部分が風力により持ち上げられるに必要な強さの値に設定することができる。ただし、この際、強められた送風により最上位のシート状媒体９Ａを含む浮揚する上位側のシート状媒体９Ｔが乱れた動きをするような強め方をする値に設定しないことは言うまでもない。
【0100】
側端送風部の送風を弱める動作は、左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒの駆動速度を低下させることや、上記した開閉弁の開度を低下させることにより行う。
【0101】
また、第１動作を行う搬出補助制御は、その補助制御が必要なときに実行され、その補助制御が不要なときは実行しないようにしている。
搬出補助制御が不要な情報としては、例えば、左右の検出器検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出ができない搬出時の幅Ｗが比較的狭いシート状媒体を使用する場合の情報や、予め設定される特定の種類のシート状媒体を使用する場合の情報等が挙げられる。この搬出補助制御が不要な情報については、供給装置１に予め制御データの一部としてＲＯＭ等の記憶手段に格納されているか、又は後から任意に追加して保存することも可能になっている。
搬出補助制御が不要な情報としては、例えば、左右の検出器検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出ができない搬出時の幅Ｗが比較的狭いシート状媒体を使用する場合の情報や、予め設定される特定の種類のシート状媒体を使用する場合の情報等が挙げられる。この搬出補助制御が不要な情報については、供給装置１に予め制御データの一部としてＲＯＭ等の記憶手段に格納されているか、又は後から任意に追加して保存することも可能になっている。
【0102】
ちなみに、搬出時の幅Ｗが比較的狭いシート状媒体は、その左右の端部側の部分が下方に曲がることが少ない傾向にあるため、搬出補助制御の対象にする必要性が低い。また、上記特定の種類のシート状媒体とは、例えば、封筒などの媒体である。この封筒の場合は、その搬出時における左右の端部側で曲がっていないにもかかわらず、積載面２１に積載した段階において左右方向の一方に傾いた状態になることが多く、このような特性をもつ媒体についても搬出補助制御の対象にする必要性が低い。
【0103】
また、第１動作は、予め設定した量や動作時間に達したときに終了させればよいが、その他にも、第１動作が実行された後に左右の検出器検出器７４Ｌ，７４Ｒの双方が、曲がっている量ΔＫが一定量である閾値Ｋｄ以上であることを検出しなくなったことを確認することで動作を停止するよう構成してよい。
【0104】
以上の第１動作を行う搬出補助制御は、制御装置１５の制御動作の１つとして実行されるよう構成されている。
この搬出補助制御を実行するためのプログラムやデータは、予め読取専用メモリに保存される。
この搬出補助制御を実行するためのプログラムやデータは、予め読取専用メモリに保存される。
【0105】
＜搬出補助制御＞
そして、この搬出補助制御を実行することが可能な供給装置１では、シート状媒体９の供給動作が開始されると、図１４に示されるように、まず制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報がある否かの確認が行われる。
そして、この搬出補助制御を実行することが可能な供給装置１では、シート状媒体９の供給動作が開始されると、図１４に示されるように、まず制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報がある否かの確認が行われる。
【0106】
供給装置１では、制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報があると判断された場合には、今回要求された一連の供給動作では搬出補助制御を行わないこととされるが、反対に搬出補助制御を不要とする情報がないと判断された場合には、次の情報処理が行われる。
【0107】
続いて、供給装置１では、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒにより検出される曲がり量ΔＫ（＝Ｋ１－ｋｃ、Ｋ２－ｋｃ）の検出情報を取り込み、その曲がり量ΔＫが閾値Ｋｄ以上であるか否かを確認する。検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出は、上記したように最上位のシート状媒体９Ａが吸引部４１に吸着された状態で行われる。
【0108】
このとき曲がり量ΔＫが閾値Ｋｄよりも小さいと判断された場合は、そのときの供給動作では搬出補助制御が不要であるとみなして実行しない。また、このとき曲がり量ΔＫが閾値Ｋｄ以上であると判断された場合は、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報の双方であるか否かの確認が行われる。
搬出補助制御が必要になる場合は、１つのシート状媒体９の供給動作ごとに行われる。
搬出補助制御が必要になる場合は、１つのシート状媒体９の供給動作ごとに行われる。
【0109】
そして、供給装置１では、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報の双方が閾値Ｋｄ以上であると判断した場合は、吸引作業を完了させるまでの間に第１動作Ａが実行される。
検出情報の双方が閾値Ｋｄ以上であると判断される場合とは、図１２に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の部分の双方が下方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。この曲がっている原因は、主に下向きカールが発生している場合であるが、それに限定されない。
検出情報の双方が閾値Ｋｄ以上であると判断される場合とは、図１２に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の部分の双方が下方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。この曲がっている原因は、主に下向きカールが発生している場合であるが、それに限定されない。
【0110】
第１動作Ａは、積載部２０Ａ等を現状の位置ｈ１よりも上げるという動作であるため、制御装置１５により、積載部２０Ａ等をその積載面２１が所定の高さ位置ｈｔ（図１５参照）まで上昇移動させるよう昇降駆動装置３７を作動させる制御として実行される。
【0111】
これにより、供給装置１では、図１５に示されるように、吸引部４１に最上位のシート状媒体９Ａが吸着された状態において、積載部２０Ａが所定の高さ位置ｈｔまで上昇移動して停止する。
このときの停止する高さ位置ｈｔは、予め決めた高さ位置（移動量）でもよいが、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫが閾値Ｋｄよりも小さくなったときに停止させるよう制御されたときの高さ位置になる。なお積載部２０Ａが第１動作Ａのときに上昇移動する動作を予め決めた移動量だけ移動したときに停止させるよう構成する場合、その移動量は使用者等により変更できるようにしてよい。
このときの停止する高さ位置ｈｔは、予め決めた高さ位置（移動量）でもよいが、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫが閾値Ｋｄよりも小さくなったときに停止させるよう制御されたときの高さ位置になる。なお積載部２０Ａが第１動作Ａのときに上昇移動する動作を予め決めた移動量だけ移動したときに停止させるよう構成する場合、その移動量は使用者等により変更できるようにしてよい。
【0112】
このため、供給装置１では、積載部２０Ａが吸引部４１に接近するので、その積載面２１に積載されているシート状媒体９も吸引部４１に接近するようになり、その積載されているシート状媒体９が側端送風部の送風口５０Ａから５０Ｄの送風で浮揚している上位側のシート状媒体を介在させた状態で最上位のシート状媒体９Ａを下面側から押し上げるように作用する。
またこのとき積載部２０Ａの上昇移動に伴い上方に移動する積載されているシート状媒体９は、その上位側のシート状媒体が側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風で吹き付けられている空気を受けて浮揚して上方に移動するものも発生するので、すでに浮揚しているシート状媒体９Ｔと協働して最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部９ｃ，９ｄもその下面側から上方に押し上げ得るように作用する。
またこのとき積載部２０Ａの上昇移動に伴い上方に移動する積載されているシート状媒体９は、その上位側のシート状媒体が側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風で吹き付けられている空気を受けて浮揚して上方に移動するものも発生するので、すでに浮揚しているシート状媒体９Ｔと協働して最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部９ｃ，９ｄもその下面側から上方に押し上げ得るように作用する。
【0113】
この結果、図１６（Ａ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、その左右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられるように上昇して、その幅方向における高低差Δｈが縮小する状態にされる。具体的には、図１６（Ｂ）に示されるように、第１動作Ａの実行前における最上位のシート状媒体９Ａの左右の高低差Δｈ１，Δｈ２が、それよりも小さい高低差Δｈ３，Δｈ４になる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図１６（Ａ）に破線矢印で例示されるように、側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風による空気が、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図１６（Ａ）に破線矢印で例示されるように、側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風による空気が、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
【0114】
このときの第１動作Ａは、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｄよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第１動作Ａが終了したものとされる。
また供給装置１では、第１動作Ａが終了すると、制御装置１５の制御により上記高さ位置ｈｔに停止していた積載部２０Ａ等が元の高さ位置ｈ１に下降して戻される。また、第１動作Ａの終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第１動作Ａが終了したものとされる。
また供給装置１では、第１動作Ａが終了すると、制御装置１５の制御により上記高さ位置ｈｔに停止していた積載部２０Ａ等が元の高さ位置ｈ１に下降して戻される。また、第１動作Ａの終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0115】
続いて、供給装置１では、吸引部４１が吸引位置から受渡位置に前進移動するとともに、先端送風部におけるエアーノズル４８から空気の吹き付けが行われる。
【0116】
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図１５や図１６（Ａ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にあり、またその左右の端部側の部分の下方に曲がっている部分が持ち上げられている状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の左右の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の左右の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
【0117】
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の左右の端部が下方に曲がっている場合でも、上記第１動作Ａを行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0118】
一方、この供給装置１では、図１４に示されるように、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報が閾値Ｋｄ以上になったのは左右の双方ではないと判断した場合は、左と右のいずれであるかの確認が行われる。
【0119】
このとき供給装置１においては、制御装置１５により検出情報が閾値Ｋｄ以上になったのが左の検出器７４Ｌの検出情報であると判断された場合は、第１動作Ｂとして、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｃ，５０Ｄからの送風を強める動作（第１動作Ｂ１）が実行される。この第１動作Ｂ１も、第１動作Ａの場合と同様に、吸引作業を完了させるまでの間に実行される。
【0120】
左の検出器７４Ｌの検出情報だけが閾値Ｋｄ以上になったと判断される場合とは、図１７や図１８（Ａ）に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの左の端部側の部分が下方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。この場合は、図１８（Ａ）に例示されるように、最上位のシート状媒体９Ａの左の端部側の下方に曲がっている部分の上面に、左の送風口５０Ａ等からの送風の空気（破線の矢印）が当たり、その曲がって左の端部９ｃを更に下方に押し下げるように作用するようになる。
【0121】
第１動作Ｂ１は、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｃ，５０Ｄからの送風を強めるという動作であるため、制御装置１５により、右の側端送風部を構成する右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力を強めるように変更する制御として実行される。
【0122】
これにより、供給装置１では、図１８（Ｂ）に例示されるように、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの強くなった送風の空気（長くなった破線の矢印）が、最上位のシート状媒体９Ａを含む上位側のシート状媒体９Ｔの右の端部どうしの間に送り込まれて流入する。この流入した強めの空気が、最上位のシート状媒体９Ａの左の端部９ｃ側に達するように流れることで下方に曲がっている左の端部９ｃを下面側から押し上げるように作用する。上位２番目のシート状媒体９Ｂの左の端部側が下方に曲がっている場合も、同様の作用が発生する。
【0123】
この結果、図１８（Ｂ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、その左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられるように上昇して、その幅方向における高低差Δｈ（左の高低差Δｈ１）が縮小する状態にされる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで媒体９Ａ全体の幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図１８（Ｂ）に破線矢印で例示されるように、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ等からの送風による空気も、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで媒体９Ａ全体の幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図１８（Ｂ）に破線矢印で例示されるように、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ等からの送風による空気も、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
【0124】
このときの第１動作Ｂ１は、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｄよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第１動作Ｂ１が終了したものとされる。また供給装置１では、第１動作Ｂ１が終了すると、制御装置１５の制御により右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第１動作Ｂ１の終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第１動作Ｂ１が終了したものとされる。また供給装置１では、第１動作Ｂ１が終了すると、制御装置１５の制御により右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第１動作Ｂ１の終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0125】
続いて、供給装置１では、吸引部４１が吸引位置から受渡位置に前進移動するとともに、先端送風部におけるエアーノズル４８から空気の吹き付けが行われる。
【0126】
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図１８（Ｂ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にあり、またその左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられている状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端左側の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して左側の角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端左側の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して左側の角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
【0127】
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の左の端部が下方に曲がっている場合でも、上記第１動作Ｂ１を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0128】
また、供給装置１においては、制御装置１５により検出情報が閾値Ｋｄ以上になったのが右の検出器７４Ｌの検出情報であると判断された場合は、図１４に示されるように、第１動作Ｂとして、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ，５０Ｂからの送風を強める動作（第１動作Ｂ２）が実行される。この第１動作Ｂ２も、第１動作Ａの場合と同様に、吸引作業を完了させるまでの間に実行される。
【0129】
右の検出器７４Ｒの検出情報だけが閾値Ｋｄ以上になったと判断される場合とは、図１９や図２０（Ａ）に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの右の端部側の部分が下方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。この場合は、図２０（Ａ）に例示されるように、最上位のシート状媒体９Ａの右の端部側の下方に曲がっている部分の上面に、右の送風口５０Ｄ等からの送風の空気（破線の矢印）が当たり、その曲がって右の端部９ｄを更に下方に押し下げるように作用するようになる。
【0130】
第１動作Ｂ２は、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ，５０Ｂからの送風を強めるという動作であるため、制御装置１５により、左の側端送風部を構成する左の側端送風装置６１Ｌから発生する送風の風力を強めるように変更する制御として実行される。
【0131】
これにより、供給装置１では、図２０（Ｂ）に例示されるように、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ等からの強くなった送風の空気（長くなった破線の矢印）が、最上位のシート状媒体９Ａを含む上位側のシート状媒体９Ｔの左の端部どうしの間に送り込まれて流入する。この流入した強めの空気が、最上位のシート状媒体９Ａの右の端部９ｄ側に達するように流れることで下方に曲がっている右の端部９ｄを下面側から押し上げるように作用する。上位２番目のシート状媒体９Ｂの右の端部側が下方に曲がっている場合も、同様の作用が発生する。
【0132】
この結果、図２０（Ｂ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、その右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられるように上昇して、その幅方向における高低差Δｈ（右の高低差Δｈ２）が縮小する状態にされる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで媒体９Ａ全体の幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図２０（Ｂ）に破線の矢印で例示されるように、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの送風による空気も、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
また、この最上位のシート状媒体９Ａの右の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられることで媒体９Ａ全体の幅方向における高低差Δｈが縮小するので、図２０（Ｂ）に破線の矢印で例示されるように、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの送風による空気も、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂとの間や、浮揚している上位側のシート状媒体９Ｔの左右端部どうしの間にも流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
【0133】
このときの第１動作Ｂ２も、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｄよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第１動作Ｂ２が終了したものとされる。
また供給装置１では、第１動作Ｂ２が終了すると、制御装置１５の制御により左の側端送風装置６１Lから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第１動作Ｂ２の終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第１動作Ｂ２が終了したものとされる。
また供給装置１では、第１動作Ｂ２が終了すると、制御装置１５の制御により左の側端送風装置６１Lから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第１動作Ｂ２の終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0134】
これ以後は、第１動作Ｂ１の場合と同様に、供給動作における残りの動作が続行される。
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図２０（Ｂ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にあり、またその左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられている状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、上位２番目のシート状媒体９Ｂを含んで重送されて搬送部４５に受け渡されるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の右側の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図２０（Ｂ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にあり、またその左の端部側の下方に曲がっている部分が持ち上げられている状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、上位２番目のシート状媒体９Ｂを含んで重送されて搬送部４５に受け渡されるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の右側の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
【0135】
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の右の端部が下方に曲がっている場合でも、上記第１動作Ｂ２を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0136】
なお、第１の実施の形態では、上記第１動作Ｂ１，Ｂ２において、上記第１動作Ａとしての積載部２０Ａ等を現状の位置よりも上げる動作を追加して行ってもよい。
このときの積載部２０Ａの上昇させたときの高さ位置ｈｔは、第１動作Ａのときにおける高さ位置ｈｔと同じ位置でもよいが、相乗効果を得る観点からは、第１動作Ａのときにおける高さ位置ｈｔよりも低い位置にした方が好ましい。
第１動作Ｂ１，Ｂ２を実行する際に、第１動作Ａとしての積載部２０Ａ等を現状の位置よりも上げる動作も併せて行った場合は、その追加した動作を行わない場合に比べると、
左右の端部９ｃ、９ｄの一方が下方に曲がっている最上のシート状媒体９Ａでも、搬出ミスや搬出不良の発生が容易に抑制されて搬出されるようになる。
このときの積載部２０Ａの上昇させたときの高さ位置ｈｔは、第１動作Ａのときにおける高さ位置ｈｔと同じ位置でもよいが、相乗効果を得る観点からは、第１動作Ａのときにおける高さ位置ｈｔよりも低い位置にした方が好ましい。
第１動作Ｂ１，Ｂ２を実行する際に、第１動作Ａとしての積載部２０Ａ等を現状の位置よりも上げる動作も併せて行った場合は、その追加した動作を行わない場合に比べると、
左右の端部９ｃ、９ｄの一方が下方に曲がっている最上のシート状媒体９Ａでも、搬出ミスや搬出不良の発生が容易に抑制されて搬出されるようになる。
【0137】
第２の実施の形態.
図２１には、第２の実施の形態に係るシート状媒体の供給装置１の一部（搬出補助制御に関する構成）が示されている。
第２の実施の形態に係る供給装置１は、第１の実施の形態に係る供給装置１と対比した場合、搬出補助制御における第１動作を第２動作に変更した点で相違し、その点以外は同じ構成になっている。このため以下の説明と図面では、共通する同じ構成部分については第１の実施の形態で用いた符号を同様に付し、その説明を必要な場合を除いて省略する。
図２１には、第２の実施の形態に係るシート状媒体の供給装置１の一部（搬出補助制御に関する構成）が示されている。
第２の実施の形態に係る供給装置１は、第１の実施の形態に係る供給装置１と対比した場合、搬出補助制御における第１動作を第２動作に変更した点で相違し、その点以外は同じ構成になっている。このため以下の説明と図面では、共通する同じ構成部分については第１の実施の形態で用いた符号を同様に付し、その説明を必要な場合を除いて省略する。
【0138】
第２の実施の形態における第２動作は、図２２、図２４（Ａ）、図２５（Ａ）等に例示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの一方又は双方が上方に曲がっている量が一定量以上であることを検出したときに、最上位のシート状媒体９Ａの上面の一部が接触する制限手段５５等の部品５との接触の強さが弱まる状態にする動作である。
【0139】
制御装置１５では、第１の実施の形態における制御装置１５の場合と同様に検出器７４Ｌ，７４Ｒからの検出情報が得られると、第２動作を行う搬出補助制御の１つの判別ステップとして、その検出情報である曲がり量ΔＫが予め定める一定量の閾値Ｋｅ以上であるか否かが判別される。
【0140】
閾値Ｋｅは、左右の端部側の双方又は一方が上方に曲がっている最上位のシート状媒体９Ａの供給動作においても第１の実施の形態で説明した搬出不良や搬出不可が発生するので、その搬出不良や搬出不可が発生しやすくなるときの状況を考慮して適宜設定される。この閾値Ｋｅについても、例えば、吸引部４１の最下部４２ａの高さである基準高さＶＬと先端壁１７３の上端部（又は制止部材１７６の上端部）との高低差ｋｓ（図１２参照）より小さい値に設定することができる。
【0141】
第２の動作は、左右Ｌ，Ｒの端部９ｃ、９ｄ側の双方又は一方の部分が下方に一定量以上の量で曲がっている最上位のシート状媒体９Ａの上面の一部が接触する制限手段５５との接触の強さが弱まる状態にする動作であればよいが、本実施の形態では以下の動作を採用している。
【0142】
すなわち、第２の動作としては、図２１から図２３（Ａ）に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの双方および一方が上方にがっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｅ以上であることを検出したときに、積載部２０Ａを現状の位置よりも下げる動作（第２動作Ａ）を採用している。
なお第２の動作は、第２動作Ａに代えて、図２１や図２３（Ｂ）に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの双方が上方に曲がっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｅ以上であることを検出したときに、左右の側端送風部を構成する各送風口５０からの送風を弱める動作（第２動作Ｂ）を採用することが可能である。
なお第２の動作は、第２動作Ａに代えて、図２１や図２３（Ｂ）に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの双方が上方に曲がっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｅ以上であることを検出したときに、左右の側端送風部を構成する各送風口５０からの送風を弱める動作（第２動作Ｂ）を採用することが可能である。
【0143】
また、第２の動作としては、図２１、図２４、図２５等に示されるように、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの一方が下方に曲がっている量ΔＫが一定量である閾値ｋｅ以上であることを検出したときに、閾値ｋｅ以上である曲がり量を検出した検出器７４Ｌ又は７４Ｒと同じ側にある左右の側端送風部の一方の送風を弱める動作（第２動作Ｃ）を採用している。
【0144】
ここで、積載部２０Ａの現状の位置よりも下げる程度は、最上位のシート状媒体９Ａにおける上方に曲がっている端部９ｃ、９ｄが接触している制限手段５５との接触の強さを弱めるために必要とされる距離の値に設定される。この下げる値は、例えば、閾値ｋｅ以上の値に設定することができる。
積載部２０Ａ等を下げる動作は、昇降手段３０における昇降駆動装置３７を積載台２０等が所要の量だけ下降移動させる内容で作動させることにより行われる。
積載部２０Ａ等を下げる動作は、昇降手段３０における昇降駆動装置３７を積載台２０等が所要の量だけ下降移動させる内容で作動させることにより行われる。
【0145】
また、左右の側端送風部を構成する各送風口５０の送風を弱める程度は、最上位のシート状媒体９Ａにおける上方に曲がっている端部９ｃ、９ｄが接触している制限手段５５との接触の強さを弱めるために必要とされる低減した風力の強さ（風量又は風速のレベル）の値に設定される。
側端送風部の送風を弱める動作は、左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒの双方又は一方の駆動速度を低下させることや、上記した開閉弁の開度を低下させることにより行う。
側端送風部の送風を弱める動作は、左右の側端送風部における左右の側端送風装置６１Ｌ，６１Ｒの双方又は一方の駆動速度を低下させることや、上記した開閉弁の開度を低下させることにより行う。
【0146】
また、この第２動作を行う搬出補助制御に関する他の構成は、第１の実施の形態における搬出補助制御の構成とほぼ同じである。
【0147】
＜搬出補助制御＞
そして、この搬出補助制御を実行することが可能な供給装置１では、シート状媒体９の供給動作が開始されると、図２１に示されるように、まず制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報がある否かの確認が行われる。
この際、供給装置１では、制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報があると判断された場合には、今回要求された一連の供給動作では搬出補助制御を行わないこととされるが、反対に搬出補助制御を不要とする情報がないと判断された場合には、次の情報処理が行われる。
そして、この搬出補助制御を実行することが可能な供給装置１では、シート状媒体９の供給動作が開始されると、図２１に示されるように、まず制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報がある否かの確認が行われる。
この際、供給装置１では、制御装置１５により搬出補助制御を不要とする情報があると判断された場合には、今回要求された一連の供給動作では搬出補助制御を行わないこととされるが、反対に搬出補助制御を不要とする情報がないと判断された場合には、次の情報処理が行われる。
【0148】
続いて、供給装置１では、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒにより検出される曲がり量ΔＫ（＝Ｋ１－ｋｃ、Ｋ２－ｋｃ）の検出情報を取り込み、その曲がり量ΔＫが閾値Ｋｅ以上であるか否かを確認する。
検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出は、上記したように最上位のシート状媒体９Ａが吸引部４１に吸着された状態で行われる。また、曲がり量ΔＫは、実際に測定される高さ、Ｋ２がいずれも基準線の二点鎖線ＶＬよりも上になるので、マイナスの数値になる。このため曲がり量ΔＫは、閾値Ｋｅとの対比では絶対値で扱われる。
検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出は、上記したように最上位のシート状媒体９Ａが吸引部４１に吸着された状態で行われる。また、曲がり量ΔＫは、実際に測定される高さ、Ｋ２がいずれも基準線の二点鎖線ＶＬよりも上になるので、マイナスの数値になる。このため曲がり量ΔＫは、閾値Ｋｅとの対比では絶対値で扱われる。
【0149】
このとき曲がり量ΔＫが閾値Ｋｅよりも小さいと判断された場合は、そのときの供給動作では搬出補助制御が不要であるとみなして実行しない。また、このとき曲がり量ΔＫが閾値Ｋｅ以上であると判断された場合は、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報の双方であるか否かの確認が行われる。
【0150】
そして、供給装置１では、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報の双方が閾値Ｋｄ以上であると判断した場合は、吸引作業を完了させるまでの間に第２動作Ａが実行される。
第２動作Ａは、積載部２０Ａ等を現状の位置ｈ１よりも下げるという動作であるため、制御装置１５により、積載部２０Ａ等をその積載面２１が所定の高さ位置ｈｓ（図２３（Ａ）参照）まで下降移動させるよう昇降駆動装置３７を作動させる制御として実行される。
第２動作Ａは、積載部２０Ａ等を現状の位置ｈ１よりも下げるという動作であるため、制御装置１５により、積載部２０Ａ等をその積載面２１が所定の高さ位置ｈｓ（図２３（Ａ）参照）まで下降移動させるよう昇降駆動装置３７を作動させる制御として実行される。
【0151】
これにより、供給装置１では、図２３（Ａ）に示されるように、吸引部４１に最上位のシート状媒体９Ａが吸着された状態において、積載部２０Ａが所定の高さ位置ｈｓまで下降移動して停止する。
このときの停止する高さ位置ｈｓは、予め決めた高さ位置（移動量）でもよいが、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫが閾値Ｋｅよりも小さくなったときに停止させるよう制御されたときの高さ位置になる。なお積載部２０Ａが第２動作Ａのときに下降移動する動作を予め決めた移動量だけ移動したときに停止させるよう構成する場合、その移動量は使用者等により変更できるようにしてよい。
このときの停止する高さ位置ｈｓは、予め決めた高さ位置（移動量）でもよいが、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫが閾値Ｋｅよりも小さくなったときに停止させるよう制御されたときの高さ位置になる。なお積載部２０Ａが第２動作Ａのときに下降移動する動作を予め決めた移動量だけ移動したときに停止させるよう構成する場合、その移動量は使用者等により変更できるようにしてよい。
【0152】
このため、供給装置１では、積載部２０Ａが吸引部４１から遠ざかるので、その積載面２１に積載されているシート状媒体９も吸引部４１から遠ざかるようになり、また、積載されているシート状媒体９と浮揚している上位側のシート状媒体９が最上位のシート状媒体９Ａから下方に遠ざかるようになる。これにより、積載されているシート状媒体９および浮揚している上位側のシート状媒体９と送風口５０からの送風の空気とが、最上位のシート状媒体９Ａを上方に押し上げる作用が少なくなる（又は弱まる）。
【0153】
この結果、図２３（Ａ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、吸引部４１に吸着されている中央部を除いた部分が下方に少し下がる状態になり、その左右の端部９ｃ、９ｄが制限手段５５Ａ，５５Ｂ等と接触している強さが弱まる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの左右の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの左右の側端との間に側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの左右の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの左右の側端との間に側端送風部の送風口５０Ａ、５０Ｄ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いが分離された状態になる。
【0154】
このときの第２動作Ａは、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｄよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第２動作Ａが終了したものとされる。
また供給装置１では、第２動作Ａが終了すると、制御装置１５の制御により上記高さ位置ｈｓに停止していた積載部２０Ａ等が元の高さ位置ｈ１に上昇して戻される。また、第２動作Ａの終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第２動作Ａが終了したものとされる。
また供給装置１では、第２動作Ａが終了すると、制御装置１５の制御により上記高さ位置ｈｓに停止していた積載部２０Ａ等が元の高さ位置ｈ１に上昇して戻される。また、第２動作Ａの終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0155】
続いて、供給装置１では、吸引部４１が吸引位置から受渡位置に前進移動するとともに、先端送風部におけるエアーノズル４８から空気の吹き付けが行われる。
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図２３（Ａ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の左右の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
このときの吸引部４１に吸着されている最上位のシート状媒体９Ａは、図２３（Ａ）に示されるように、上位２番目のシート状媒体９Ｂが分離された状態にある。
このため、このときの最上位のシート状媒体９Ａは、エアーノズル４８からの空気の吹き付けにより上位２番目のシート状媒体９Ｂとの分離もなされ、上位２番目のシート状媒体９Ｂと一緒に搬送部４５に受け渡されて重送になるおそれがない。また、最上位のシート状媒体９Ａは、その先端の左右の角部が導入案内部材４５２（図５参照）等に不用意に衝突して角部が折れ曲がるおそれや、搬送部４５に達する前に詰まった状態になるおそれもない。
【0156】
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の左右の端部の双方が上方に曲がっている場合でも、上記第２動作Ａを行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0157】
また、この供給装置１では、上記第２動作Ａに代えて、図２１や図２３（Ｂ）に示されるように、左右の側端送風部を構成する各送風口５０からの送風を弱める第２動作Ｂを実行してもよい。
この第２動作Ｂを実行した場合も、上記第２動作Ａを実行した場合とほぼ同様の状態変化や作用効果が得られる。
この第２動作Ｂを実行した場合も、上記第２動作Ａを実行した場合とほぼ同様の状態変化や作用効果が得られる。
【0158】
一方、この供給装置１では、図２１に示されるように、制御装置１５が左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒの検出情報が閾値Ｋｅ以上になったのは左右の双方ではないと判断した場合は、左と右のいずれであるかの確認が行われる。
【0159】
このとき供給装置１においては、制御装置１５により検出情報が閾値Ｋｅ以上になったのが左の検出器７４Ｌの検出情報であると判断された場合は、第２動作として、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｃ，５０Ｄからの送風を弱める動作（第２動作Ｃ１）が実行される。この第２動作Ｃ１も、第２動作Ａの場合と同様に、吸引作業を完了させるまでの間に実行される。
【0160】
左の検出器７４Ｌの検出情報だけが閾値Ｋｄ以上になったと判断される場合とは、図２４（Ａ）に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの左の端部側の上方に曲がっている部分が制限手段５５Ａに下方から押し付けられて、その制限手段５５Ａから内側に離れた部分が上方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。
【0161】
第２動作Ｃ１は、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｃ，５０Ｄからの送風を弱めるという動作であるため、制御装置１５により、右の側端送風部を構成する右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力を弱めるように変更する制御として実行される。
【0162】
これにより、供給装置１では、図２４（Ｂ）に例示されるように、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの弱くなった送風の空気（短くなった破線の矢印）が、最上位のシート状媒体９Ａを含む浮揚しているシート状媒体９の左の端部９ｃどうしが下方に少し下がる。これにより、浮揚している上位側のシート状媒体９の左の端部が、最上位のシート状媒体９Ａの左の端部９ｃを上方に押し上げる作用が少なくなる（又は弱まる）。
【0163】
この結果、図２４（Ｂ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、その左の端部９ｃが下方に少し下がる状態になり、その左の端部９ｃが制限手段５５Ａ等と接触している強さが弱まる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等の左の端部が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの左の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの左の側端との間に側端送風部の送風口５０Ａ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いの左端部どうしが分離された状態になる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等の左の端部が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの左の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの左の側端との間に側端送風部の送風口５０Ａ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いの左端部どうしが分離された状態になる。
【0164】
このときの第２動作Ｃ１は、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｅよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第２動作Ｃ１が終了したものとされる。また供給装置１では、第２動作Ｃ１が終了すると、制御装置１５の制御により左の側端送風装置６１Ｌから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第２動作Ｃ１の終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第２動作Ｃ１が終了したものとされる。また供給装置１では、第２動作Ｃ１が終了すると、制御装置１５の制御により左の側端送風装置６１Ｌから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第２動作Ｃ１の終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0165】
続いて、供給装置１では、吸引部４１が吸引位置から受渡位置に前進移動するとともに、先端送風部におけるエアーノズル４８から空気の吹き付けが行われる。この後の給紙動作は、上記第２動作Ｂが行われた場合とほぼ同様の作用効果が得られる。
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の左の端部が上方に曲がっている場合でも、上記第２動作Ｃ１を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の左の端部が上方に曲がっている場合でも、上記第２動作Ｃ１を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0166】
また、供給装置１においては、制御装置１５により検出情報が閾値Ｋｅ以上になったのが右の検出器７４Ｒの検出情報であると判断された場合は、図２１に示されるように、第２動作として、右の側端送風部を構成する送風口５０Ｄからの送風を弱める動作（第２動作Ｃ２）が実行される。
【0167】
右の検出器７４Ｒの検出情報だけが閾値Ｋｅ以上になったと判断される場合とは、図２５（Ａ）に例示されるように、少なくとも最上位のシート状媒体９Ａの右の端部側の上方に曲がっている部分が制限手段５５Ｂに下方から押し付けられて、その制限手段５５Ｂから内側に離れた部分が上方に一定量以上曲がっている状態にあるときが該当する。
【0168】
第２動作Ｃ２は、左の側端送風部を構成する送風口５０Ａ，５０Ｂからの送風を弱めるという動作であるため、制御装置１５により、左の側端送風部を構成する左の側端送風装置６１Ｌから発生する送風の風力を弱めるように変更する制御として実行される。
これにより、供給装置１では、図２５（Ｂ）に例示されるように、左の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの弱くなった送風の空気（短くなった破線の矢印）が、最上位のシート状媒体９Ａを含む浮揚しているシート状媒体９の右の端部９ｄどうしが下方に少し下がる。これにより、浮揚している上位側のシート状媒体９の右の端部が、最上位のシート状媒体９Ａの右の端部９ｄを上方に押し上げる作用が少なくなる（又は弱まる）。
これにより、供給装置１では、図２５（Ｂ）に例示されるように、左の側端送風部を構成する送風口５０Ｄ等からの弱くなった送風の空気（短くなった破線の矢印）が、最上位のシート状媒体９Ａを含む浮揚しているシート状媒体９の右の端部９ｄどうしが下方に少し下がる。これにより、浮揚している上位側のシート状媒体９の右の端部が、最上位のシート状媒体９Ａの右の端部９ｄを上方に押し上げる作用が少なくなる（又は弱まる）。
【0169】
この結果、図２５（Ｂ）に示されるように、最上位のシート状媒体９Ａは、その右の端部９ｄが下方に少し下がる状態になり、その右の端部９ｄが制限手段５５Ｂ等と接触している強さが弱まる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等の右の端部が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの右の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの右の側端との間に側端送風部の送風口５０Ｄ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いの左端部どうしが分離された状態になる。
また、最上位のシート状媒体９Ａと上位２番目のシート状媒体９Ｂは、上位２番目のシート状媒体９Ｂ等の右の端部が下方に下がるので、最上位のシート状媒体９Ａの右の側端と上位２番目のシート状媒体９Ｂの右の側端との間に側端送風部の送風口５０Ｄ等からの送風による空気が流入しやすくなり、その空気の介在により互いの左端部どうしが分離された状態になる。
【0170】
このときの第２動作Ｃ２は、制御装置１５により、左右の検出器７４Ｌ，７４Ｒで検出される曲がり量ΔＫの双方が閾値Ｋｅよりも小さくなったことが確認された段階で停止される。
供給装置１では、以上により第２動作Ｃ２が終了したものとされる。また供給装置１では、第２動作Ｃ２が終了すると、制御装置１５の制御により右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第２動作Ｃ２の終了により、吸引作業も完了することとなる。
供給装置１では、以上により第２動作Ｃ２が終了したものとされる。また供給装置１では、第２動作Ｃ２が終了すると、制御装置１５の制御により右の側端送風装置６１Ｒから発生する送風の風力が通常の強さに戻される。また、第２動作Ｃ２の終了により、吸引作業も完了することとなる。
【0171】
続いて、供給装置１では、吸引部４１が吸引位置から受渡位置に前進移動するとともに、先端送風部におけるエアーノズル４８から空気の吹き付けが行われる。この後の給紙動作は、上記第２動作Ｂが行われた場合とほぼ同様の作用効果が得られる。
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の右の端部が上方に曲がっている場合でも、上記第２動作Ｃ２を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
したがって、この供給装置１では、積載部２０Ａ等に積載されたシート状媒体９（９Ａ）の右の端部が上方に曲がっている場合でも、上記第２動作Ｃ２を行わない場合に比べると、そのシート状媒体９（９Ａ）が搬出ミスや搬出不良の発生が抑制されて搬出される。
【0172】
変形例．
この発明は、上記各実施の形態で例示した構成例に限定されるものではなく、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
この発明は、上記各実施の形態で例示した構成例に限定されるものではなく、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0173】
第１の実施の形態においては、第１動作を実行する際に、第２の実施の形態における第２動作を組み合わせて実行するよう構成してもよい。
【0174】
第２の実施の形態において最上位のシート状媒体９Ａの左右の端部９ｃ,９ｄが接触する部品５は、制限手段５５に限らず、制限手段５５以外のものであってもよい。
また、上記第２動作としては、上記第２動作例に代えて又は併せて、積載台２０等に積載している上方に曲がっているシート状媒体９の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作を採用してもよい。この場合は、例えば、その積載し直す作業を促すメッセージを操作表示装置１６に表示させることで使用者に報知するように構成すればよい。
また、上記第２動作としては、上記第２動作例に代えて又は併せて、積載台２０等に積載している上方に曲がっているシート状媒体９の上下を逆にした状態で積載し直す作業を促す動作を採用してもよい。この場合は、例えば、その積載し直す作業を促すメッセージを操作表示装置１６に表示させることで使用者に報知するように構成すればよい。
【0175】
上記各実施の形態では、供給装置１における吸引部４１として、最上位のシート状媒体９Ａをベルト下面に吸引により吸着させて搬出方向Ｄの搬送部４５に運ぶよう回転する吸引搬送ベルトを使用する吸引ベルト搬送機構により構成した吸引部を適用してもよい。
【0176】
また、上記各実施の形態では、シート状媒体の使用装置１００として、上記処理装置１２０が画像形成装置１２０Ａである画像形成システム１００Ａを例示したが、これに限定されない。使用装置１００は、供給装置１から供給されるシート状媒体９を所要の処理を施す処理装置１２０を有するものであればよい。
使用装置１００としては、例えば、処理装置１２０がインクをシート状媒体９等に付着させる印刷装置である印刷システムや、処理装置１２０が液体塗料をシート状媒体９等に塗する塗装装置である塗装システムや、処理装置１２０がシート状媒体９を乾燥させる乾燥装置である乾燥システム等が挙げられる。
使用装置１００としては、例えば、処理装置１２０がインクをシート状媒体９等に付着させる印刷装置である印刷システムや、処理装置１２０が液体塗料をシート状媒体９等に塗する塗装装置である塗装システムや、処理装置１２０がシート状媒体９を乾燥させる乾燥装置である乾燥システム等が挙げられる。
【符号の説明】
【0177】
１…シート状媒体の供給装置
９ …シート状媒体
９ｓ…搬出時の先端
９ｃ…左の端部
９ｄ…右の端部
９Ａ…最上位のシート状媒体
９Ｔ…上位側のシート状媒体
２０…積載部（積載板の一例）
４０…搬出手段（搬出装置）
４１…吸着部
４５…搬送部
５０…送風口（側端送風部の一部）
７４Ｌ…左の曲がり量検出センサ（左の検出器の一例）
７４Ｒ…右の曲がり量検出センサ（右の検出器の一例）
１００…シート状媒体の使用装置
１００Ａ…画像形成システム
１２０…処理装置
１２０Ａ…画像形成装置（処理装置の一例）
１７６…先端壁
Ｄ …搬出方向
Ｌ …左
Ｒ …右
ｈ１…高さ位置（現状の位置の一例）
ｈｔ…上げたときの高さ位置（現状の位置よりも上げた位置の一例）
ｈｚ…下げたときの高さ位置（現状の位置よりも下げた位置の一例）
９ …シート状媒体
９ｓ…搬出時の先端
９ｃ…左の端部
９ｄ…右の端部
９Ａ…最上位のシート状媒体
９Ｔ…上位側のシート状媒体
２０…積載部（積載板の一例）
４０…搬出手段（搬出装置）
４１…吸着部
４５…搬送部
５０…送風口（側端送風部の一部）
７４Ｌ…左の曲がり量検出センサ（左の検出器の一例）
７４Ｒ…右の曲がり量検出センサ（右の検出器の一例）
１００…シート状媒体の使用装置
１００Ａ…画像形成システム
１２０…処理装置
１２０Ａ…画像形成装置（処理装置の一例）
１７６…先端壁
Ｄ …搬出方向
Ｌ …左
Ｒ …右
ｈ１…高さ位置（現状の位置の一例）
ｈｔ…上げたときの高さ位置（現状の位置よりも上げた位置の一例）
ｈｚ…下げたときの高さ位置（現状の位置よりも下げた位置の一例）
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】