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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180004
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】提携支援システム及び提携支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221129BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221129BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086868
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】507228172
【氏名又は名称】株式会社JSOL
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 泰生
(72)【発明者】
【氏名】太田 匠
(72)【発明者】
【氏名】石坂 祐太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客の獲得を目的とする事業者と他の事業者との提携の実現を支援する提携支援システム及び提携支援方法を提供する。
【解決手段】提携支援サーバ3は、顧客保有事業者の情報に関連付けて、顧客保有事業者の顧客属性情報を複数記憶する記憶部4と、顧客保有事業者の顧客が顧客保有事業者側で利用可能な特典の付与を可能とする成果報酬情報を含む申込み条件の入力を、顧客募集事業者の端末2a、2bから受け付ける申込み条件受付部5と、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から、複数の顧客保有事業者の顧客保有事業者の情報及び顧客属性情報を提示する提示部6と、提示部6によって提示された顧客保有事業者の中から選択された顧客保有事業者の端末2a、2bに対し、申込み条件の成果報酬情報と顧客募集事業者の情報とを通知する通知部7と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の獲得を望む顧客募集事業者と予め顧客を保有する顧客保有事業者との提携を支援する提携支援システムであって、
前記顧客保有事業者の情報に関連付けて、前記顧客保有事業者の顧客属性情報を複数記憶する記憶手段と、
前記顧客募集事業者が支払う前記顧客保有事業者への成果報酬の情報を含む申込み条件の入力を、前記顧客募集事業者の端末から受け付ける申込み条件受付手段と、
前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、複数の前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示された前記顧客保有事業者の中から選択された前記顧客保有事業者の端末に対し、前記申込み条件の前記成果報酬の情報と前記顧客募集事業者の情報とを通知する通知手段と、
を備える、提携支援システム。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の人数情報を含み、
前記申込み条件は、前記顧客募集事業者の新規に獲得する顧客の目標人数情報を含み、
前記提示手段は、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、前記申込み条件の前記顧客募集事業者の前記目標人数情報よりも多い前記顧客人数情報を有する複数の前記顧客保有事業者を抽出し、抽出した前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する、請求項1に記載の提携支援システム。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の客層情報を含み、
前記申込み条件は、前記顧客募集事業者の新規に獲得する顧客の所望の客層を含み、
前記提示手段は、前記申込み条件の前記所望の客層と前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の顧客の前記客層情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、前記申込み条件の前記所望の客層の顧客を保有する複数の前記顧客保有事業者を抽出し、抽出した前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する、請求項1又は請求項2に記載の提携支援システム。
【請求項4】
前記通知手段から通知された前記申込み条件を前記顧客保有事業者が承諾した場合に、前記顧客保有事業者の顧客端末に対して、前記顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージを送信するメッセージ送信手段を備え、
前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の連絡先情報を含み、
前記メッセージ送信手段は、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の顧客の前記連絡先情報に基づいて前記内容のメッセージを送信する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の提携支援システム。
【請求項5】
前記申込み条件受付手段が受け付ける前記申込み条件は、所定の期間、及び前記所定の期間内に送信するメッセージの送信回数情報を含み、
前記メッセージ送信手段は、前記所定の期間内に前記送信回数情報に基づき前記送信回数の前記内容のメッセージを送信する、請求項4に記載の提携支援システム。
【請求項6】
前記メッセージ送信手段は、前記申込み条件の前記送信回数情報が複数回である場合、2回目以後に前記内容のメッセージを送信する際に、そのときまでに前記内容のメッセージを送信したことがない顧客に対して前記内容のメッセージを送信する、請求項5に記載の提携支援システム。
【請求項7】
前記成果報酬は、所定の内容のメッセージを前記顧客保有事業者の顧客端末に対して送信した結果、前記顧客保有事業者の顧客が前記顧客募集事業者の顧客になった場合に、前記顧客保有事業者が受け取る報酬であり、
前記メッセージの前記所定の内容は、前記顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の提携支援システム。
【請求項8】
前記提示手段は、前記顧客募集事業者と前記顧客保有事業者との提携成立情報と、提携成果情報との関係を機械学習させることによって生成される学習済みモデルを用いて、前記顧客募集事業者の提携相手の候補となる前記顧客保有事業者の情報を提示し、
前記学習済みモデルは、前記顧客募集事業者の情報と前記申込み条件と前記顧客保有事業者の情報の入力を受けて、前記顧客募集事業者と前記顧客保有事業者との提携適合度を出力可能であり、
前記提携成立情報は、過去に提携が成立した前記顧客募集事業者の情報と前記顧客保有事業者の情報と前記申込み条件とを含む情報であり、
前記提携成果情報は、前記内容のメッセージの送信数、前記顧客保有事業者の顧客の前記顧客募集事業者側への応答情報、及び前記特典の利用情報の少なくとも1つを含む、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の提携支援システム。
【請求項9】
前記顧客募集事業者の顧客の増加に応じて前記顧客募集事業者が支払い、前記顧客保有事業者が受け取る前記成果報酬を、前記顧客募集事業者の顧客の増加情報と前記申込み条件の前記成果報酬の情報とに基づいて算出する算出手段を備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の提携支援システム。
【請求項10】
前記算出手段は、2つの事業者のうち一方の事業者が前記顧客募集事業者となり、他方の事業者が前記顧客保有事業者となる態様で提携するとともに、前記一方の事業者が前記顧客保有事業者となり、前記他方の事業者が前記顧客募集事業者となる態様で提携する場合、前記一方の事業者が支払う前記成果報酬と、前記他方の事業者が支払う前記成果報酬とを相殺して前記2つの事業者の支払額を算出する、請求項9に記載の提携支援システム。
【請求項11】
顧客の獲得を望む顧客募集事業者と予め顧客を保有する顧客保有事業者との提携を支援する提携支援方法であって、
前記顧客保有事業者の情報に関連付けて、前記顧客保有事業者の顧客属性情報を記憶手段に複数記憶するステップと、
前記顧客保有事業者が受け取る成果報酬の情報を含む申込み条件の入力を、前記顧客募集事業者の端末から受け付けるステップと、
前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、複数の前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示するステップと、
前記提示手段によって提示された前記顧客保有事業者の中から選択された前記顧客保有事業者の端末に対し、前記申込み条件の前記成果報酬の情報と前記顧客募集事業者の情報とを通知するステップと、
を含む、提携支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、提携支援システム及び提携支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、会員サービスの会員に特典を付与するサービス管理システムが記載されている。第1サービス(インターネットを介して商品を販売するショッピングサービス)を提供する第1企業と第2サービスを提供する第2企業(通信回線を提供する通信サービス)とは、提携関係を有する。第1サービスを管理する第1サービス管理装置及び第2サービスを管理する第2サービス管理装置は、第1サービスと第2サービスとにおいて共通して用いられる共通ユーザ識別情報を管理している。ユーザがユーザ端末を用いて第1サービスのウェブサイトにアクセスすると、第1サービス管理装置は、当該ユーザに対応する共通ユーザ識別情報を取得し、取得した共通ユーザ識別情報によって示されるユーザが第2サービスに関する所定のユーザ条件を満たすと判定された場合に、第1サービスにおいて当該ユーザに提供可能な特典を特定する。すなわち、第1サービス及び第2サービスのそれぞれの会員であるユーザは、第2サービスを利用することによって得られる利益(特典)を第1サービスにおいて享受する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-018523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、事業者間で共通して用いられるユーザ(顧客)の情報を管理していない場合には、自社の広報や販売促進のための提携相手を見つけることは難しい。例えば、会員(顧客)数が少ない事業者が、会員の増大を目的として他の事業者と提携したい場合であっても、他の事業者が保有している会員数や会員の特徴を知ることが難しいので、提携相手の候補を見つけることが難しく、また、仮に提携相手の候補を見つけたとしても、実際に提携することは容易ではない。
【0005】
そこで、本開示は、顧客の獲得を目的とする事業者と他の事業者との提携の実現を支援することが可能な提携支援システム及び提携支援方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、顧客の獲得を望む顧客募集事業者と予め顧客を保有する顧客保有事業者との提携を支援する提携支援システムであって、前記顧客保有事業者の情報に関連付けて、前記顧客保有事業者の顧客属性情報を複数記憶する記憶手段と、前記顧客募集事業者が支払う前記顧客保有事業者への成果報酬の情報を含む申込み条件の入力を、前記顧客募集事業者の端末から受け付ける申込み条件受付手段と、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、複数の前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する提示手段と、前記提示手段によって提示された前記顧客保有事業者の中から選択された前記顧客保有事業者の端末に対し、前記申込み条件の前記成果報酬の情報と前記顧客募集事業者の情報とを通知する通知手段と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の提携支援システムであって、前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の人数情報を含み、前記申込み条件は、前記顧客募集事業者の新規に獲得する顧客の目標人数情報を含み、前記提示手段は、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、前記申込み条件の前記顧客募集事業者の前記目標人数情報よりも多い前記顧客人数情報を有する複数の前記顧客保有事業者を抽出し、抽出した前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の提携支援システムであって、前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の客層情報を含み、前記申込み条件は、前記顧客募集事業者の新規に獲得する顧客の所望の客層を含み、前記提示手段は、前記申込み条件の前記所望の客層と前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の顧客の前記客層情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、前記申込み条件の前記所望の客層の顧客を保有する複数の前記顧客保有事業者を抽出し、抽出した前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示する。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかの提携支援システムであって、前記通知手段から通知された前記申込み条件を前記顧客保有事業者が承諾した場合に、前記顧客保有事業者の顧客端末に対して、前記顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージを送信するメッセージ送信手段を備え、前記記憶手段に記憶される前記顧客属性情報は、前記顧客保有事業者の顧客の連絡先情報を含み、前記メッセージ送信手段は、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の顧客の前記連絡先情報に基づいて前記内容のメッセージを送信する。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様の提携支援システムであって、前記申込み条件受付手段が受け付ける前記申込み条件は、所定の期間、及び前記所定の期間内に送信するメッセージの送信回数情報を含み、前記メッセージ送信手段は、前記所定の期間内に前記送信回数情報に基づき前記送信回数の前記内容のメッセージを送信する。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様の提携支援システムであって、前記メッセージ送信手段は、前記申込み条件の前記送信回数情報が複数回である場合、2回目以後に前記内容のメッセージを送信する際に、そのときまでに前記内容のメッセージを送信したことがない顧客に対して前記内容のメッセージを送信する。
【0012】
本発明の第7の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかの提携支援システムであって、前記成果報酬は、所定の内容のメッセージを前記顧客保有事業者の顧客端末に対して送信した結果、前記顧客保有事業者の顧客が前記顧客募集事業者の顧客になった場合に、前記顧客保有事業者が受け取る報酬であり、前記メッセージの前記所定の内容は、前記顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容である。
【0013】
本発明の第8の態様は、上記第4の態様から上記第7の態様のいずれかの提携支援システムであって、前記提示手段は、前記顧客募集事業者と前記顧客保有事業者との提携成立情報と、提携成果情報との関係を機械学習させることによって生成される学習済みモデルを用いて、前記顧客募集事業者の提携相手の候補となる前記顧客保有事業者の情報を提示し、前記学習済みモデルは、前記顧客募集事業者の情報と前記申込み条件と前記顧客保有事業者の情報の入力を受けて、前記顧客募集事業者と前記顧客保有事業者との提携適合度を出力可能であり、前記提携成立情報は、過去に提携が成立した前記顧客募集事業者の情報と前記顧客保有事業者の情報と前記申込み条件とを含む情報であり、前記提携成果情報は、前記内容のメッセージの送信数、前記顧客保有事業者の顧客の前記顧客募集事業者側への応答情報、及び前記特典の利用情報の少なくとも1つを含む。
【0014】
本発明の第9の態様は、上記第1の態様から上記第8の態様のいずれかの提携支援システムであって、前記顧客募集事業者の顧客の増加に応じて前記顧客募集事業者が支払い、前記顧客保有事業者が受け取る前記成果報酬を、前記顧客募集事業者の顧客の増加情報と前記申込み条件の前記成果報酬の情報とに基づいて算出する算出手段を備える。
【0015】
本発明の第10の態様は、上記第9の態様の提携支援システムであって、前記算出手段は、2つの事業者のうち一方の事業者が前記顧客募集事業者となり、他方の事業者が前記顧客保有事業者となる態様で提携するとともに、前記一方の事業者が前記顧客保有事業者となり、前記他方の事業者が前記顧客募集事業者となる態様で提携する場合、前記一方の事業者が支払う前記成果報酬と、前記他方の事業者が支払う前記成果報酬とを相殺して前記2つの事業者の支払額を算出する。
【0016】
本発明の第11の態様は、顧客の獲得を望む顧客募集事業者と予め顧客を保有する顧客保有事業者との提携を支援する提携支援方法であって、前記顧客保有事業者の情報に関連付けて、前記顧客保有事業者の顧客属性情報を記憶手段に複数記憶するステップと、前記顧客保有事業者が受け取る成果報酬の情報を含む申込み条件の入力を、前記顧客募集事業者の端末から受け付けるステップと、前記記憶手段に記憶される前記顧客保有事業者の中から、複数の前記顧客保有事業者の前記顧客保有事業者の情報及び前記顧客属性情報を提示するステップと、前記提示手段によって提示された前記顧客保有事業者の中から選択された前記顧客保有事業者の端末に対し、前記申込み条件の前記成果報酬の情報と前記顧客募集事業者の情報とを通知するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、顧客の獲得を目的とする事業者と他の事業者との提携の実現を支援することが可能な提携支援システム及び提携支援方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示に係る提携支援システムの基本的な概要を示す図である。
図2】本開示に係る提携支援システムを示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る提携支援システムを示す図である。
図4】提携支援サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る提携支援システムの処理を説明するフローチャートである。
図6】提携相手となる候補を表示した画面から会社Aが提携相手を選択している状態を説明する図である。
図7】メッセージの一例と会員登録画面の一例を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る提携支援サーバを示す図である。
図9】第2実施形態に係る提携支援システムの処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本開示に係る提携支援システムの基本的な概要を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本開示に係る提携支援システムは、顧客の獲得を望む事業者(顧客募集事業者)と予め顧客を保有する他の事業者(顧客保有事業者)との提携を支援する。この提携支援システムにおける提携態様は、顧客募集事業者と当該顧客募集事業者の所望するターゲット顧客を保有する顧客保有事業者とのカップリングを実現し、顧客保有事業者が保有するターゲット顧客に対して、顧客募集事業者の求める広報情報とその求めに応じた場合に得られる特典についての通知を行い、顧客募集事業者は、顧客保有事業者に通知の成果に対する報酬を支払うという提携態様である。顧客募集事業者と顧客保有事業者との提携は、顧客保有事業者の提示する顧客(既存会員)(S01)に対するメッセージの送信によって行われる(S02)。メッセージの内容は、顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が付与される内容である。これにより、顧客募集事業者の顧客が増加する可能性があるとともに、特典利用によって顧客保有事業者の売上が増大する可能性がある。そして、提携支援システムの管理者は、顧客募集事業者の顧客が増加した場合に(S03)、顧客募集事業者側の顧客の入会情報を取得し(S04)、顧客募集事業者からサービス利用料を受け取るとともに(S05)、顧客保有事業者へ顧客募集事業者からの成果報酬を支払う処理を行う(S06)。なお、以下の説明において、「メッセージ」とは、上記内容のメッセージをいう。
【0022】
図2は、本開示に係る提携支援システムを示す図である。
【0023】
図2に示すように、インターネットなどのネットワーク1には、複数の事業者(本実施形態では、会社A~会社G)のユーザ端末(端末)2a,2b、事業者の複数の会員のユーザ端末(顧客端末)20、及び提携支援サーバ3が通信可能に接続されている。
【0024】
本開示では、事業者である会社Aを、顧客の獲得を望む顧客募集事業者とし、事業者である会社B~会社G(図2では、会社D~会社Fの図示を省略している。)を、予め顧客を保有する顧客保有事業者として、提携支援システムを説明する。なお、顧客募集事業者の数、及び顧客保有事業者の数は、上記に限定されるものではない。また、本開示では、会社Aを顧客募集事業者とし、会社B~会社Gを顧客保有事業者としたが、これに限定されるものではなく、会社Aが顧客保有事業者となり、会社B~会社Gが顧客募集事業者になる場合もある。また、図2図5図7、及び図9では、会社A~会社Gを、A社~G社として図示している。
【0025】
会社Aは、例えば、自社の会員(顧客)の増加を目的として提携支援システムを利用する顧客募集事業者である。会社Aは、所望の会員数や、所望の客層(例えば、年齢、性別、居住地域、趣味嗜好、興味関心、年収、家族構成、過去の購入商品(購入履歴)等)の会員を保有している他の事業者(顧客保有事業者)との提携を望んでいる。なお、本開示では、顧客募集事業者を、自社の会員(顧客)の増加を目的とする会社としたが、これに限定されるものではない。例えば、顧客募集事業者は、住宅展示会場への来場者(顧客)の増加を目的とする不動産事業者や、自動車の試乗会への参加者(顧客)の増加を目的とする自動車販売会社などであってもよい。すなわち、本開示における顧客募集事業者が獲得を望む「顧客」とは、現実に顧客募集事業者と取引を行う客に限定されず、将来的に取引を行い得る客を含む。また、以下の説明において「顧客」のことを、「会員」と称する場合がある。
【0026】
会社B~会社Gは、複数の顧客を既に保有している顧客保有事業者であって、例えば、自社の会員による売り上げの増大や、自社の非アクティブ会員(自社のサービスを所定の期間利用していない会員)による自社のサービスの利用を目的として、提携支援システムを利用する顧客保有事業者である。
【0027】
ユーザ端末2a,2bは、提携支援サーバ3によって提供される提携支援サイトを介してサービスを受けるユーザ(本実施形態では、会社A~会社G)が使用する端末である。ユーザ端末2a,2bは、例えば、スマートフォン、コンピュータ、タブレット端末などの情報処理装置であって、情報を表示可能な表示部(図示省略)や、情報を入力可能な入力部(図示省略)を有する。なお、会社A~会社Gのユーザ端末2a,2bは、互いに同じ種類の端末に限定されるものではない。以下では、顧客募集事業者(会社A)の端末をユーザ端末2aとし、顧客保有事業者(会社B~会社G)の端末をユーザ端末2bとして説明する。
【0028】
ユーザ端末20は、顧客保有事業者の会員が使用する端末である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、コンピュータ、タブレット端末などの情報処理装置であって、情報を表示可能な表示部や、情報を入力可能な入力部を有する。
【0029】
図3は、本発明の第1実施形態に係る提携支援システムを示す図である。
【0030】
提携支援サーバ3は、記憶部4と、申込み条件受付部5と、提示部6と、通知部7と、算出部8とを備える。提携支援システムを利用する顧客募集事業者のユーザ端末2a及び顧客保有事業者のユーザ端末2bは、例えば、提携支援サーバ3によって提供される提携支援サイトのアカウントを取得し、提携支援サイトにログインして提携支援システムを利用する。
【0031】
図4は、提携支援サーバ3のハードウェア構成を示す図である。なお、ユーザ端末2a,2b,20のハードウェア構成は、表示部及び入力部を含む点以外は、提携支援サーバ3のハードウェア構成と同様であってよい。
【0032】
図4に示すように、バス17には、CPU(Central Processing Unit)10、通信部11、メモリ12、及び記憶装置13が接続されている。
【0033】
CPU10は、提携支援サーバ3全体を制御し、記憶装置13に記憶された提携支援プログラム14などのソフトウェアと協働して提携支援処理を実行することによって、申込み条件受付部(申込み条件受付手段)5、提示部(提示手段)6、通知部(通知手段)7、及び算出部(算出手段)8として機能する。なお、CPU10の機能の一部を抽出して、抽出した機能を他の情報処理装置に設け、複数の情報処理装置を用いて上記処理を実行してもよい。
【0034】
通信部11は、ユーザ端末2a,2b等の外部装置とのネットワーク1を介した通信を制御する。
【0035】
メモリ12は、提携支援プログラム14を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0036】
記憶装置13は、提携支援処理に必要とされるプログラム、データを格納するためのものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスクドライブなどの大容量記憶装置である。記憶装置13には、オペレーティングシステム(OS)15、提携支援プログラム14、記憶部(記憶手段)4が格納されている。OS15は、提携支援サーバ3の基本的な機能を実現するためのプログラムである。提携支援プログラム14は、本実施形態に係る提携支援処理を実現するためのプログラムである。記憶部4は、提携支援プログラム14によって実現される本実施形態に係る提携支援処理において使用される事業者の各種データを格納する事業者データベースである。
【0037】
記憶部4には、顧客保有事業者の情報(以下、「顧客保有事業者情報」と称する。)と顧客属性情報とが互いに関連付けられた状態で複数記憶されている。すなわち、記憶部4には、複数の顧客保有事業者の上記情報(顧客保有事業者情報及び顧客属性情報)が記憶されている。
【0038】
顧客保有事業者情報は、顧客保有事業者自身の情報であって、例えば、顧客保有事業者の会社名、年商、所在地、業種業態、事業内容などである。本実施形態では、顧客保有事業者情報は、顧客保有事業者の会社名及び事業内容である。
【0039】
顧客属性情報は、顧客の属性の情報であって、顧客全体あるいはセグメント分けされた顧客グループの属性情報であってもよいし、顧客個人の属性情報であってもよい。顧客個人の属性情報としては、例えば、顧客の年齢、性別、居住地域、趣味嗜好、興味関心、年収、家族構成、過去の購入商品(購入履歴)などがある。顧客全体あるいは顧客グループの属性情報としては、例えば、顧客全体またはグループの人数情報(以下、「顧客人数情報」という。)や、顧客個人の属性情報から導かれる顧客全体の主な客層(客層情報)などがある。本実施形態では、顧客属性情報は、顧客人数情報、顧客個人の属性情報(顧客の年齢、性別、居住地域、趣味嗜好、興味関心、年収、家族構成、過去の購入商品(購入履歴)など)、及び主な客層(客層情報)である。主な客層は、例えば、図6に示すように、「40代~男性」(会社B)、「30代~女性」(会社C)、「都市部富裕層」(会社D)、「シニア層」(会社E)、「スポーティなファッションを好む20~30代女性」(会社F)、「広く全般」(会社G)などがある。なお、顧客保有事業者の上記情報(顧客保有事業者情報及び顧客属性情報)は、提携支援サーバ3の管理者等によって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよいし、あるいは、提携支援サイトにアクセスした顧客保有事業者のユーザ端末2bによって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよい。
【0040】
図3に示すように、申込み条件受付部5は、顧客募集事業者のユーザ端末2aから顧客保有事業者のユーザ端末2bへの提携の申込み条件を受け付ける(S101)。申込み条件は、顧客募集事業者のユーザ端末2aから顧客保有事業者のユーザ端末2bへの提携の申込み内容であって、本実施形態では、顧客募集事業者が新規に獲得する顧客の目標人数情報、所望の客層、及び成果報酬情報(成果報酬の情報)を含む。目標人数情報は、新規に増加させたい人数の情報であってもよいし、あるいは顧客募集事業者の顧客全体の目標人数の情報であってもよい。成果報酬は、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に顧客保有事業者が受け取る報酬であって、顧客保有事業者が提供しているサービスにおいて利用可能な特典(例えば、クーポン、景品、ポイント加算など)の原資となるものである。成果報酬情報は、成果報酬を算出可能な情報(例えば、獲得顧客1人当たりの報酬)である。顧客保有事業者は、成果報酬情報から、上記特典を提供するために必要な原資の情報(例えば、1回のクーポン利用時の割引金額及びクーポンの発行可能枚数など)を決める。すなわち、上記特典の原資は、顧客募集事業者が負担する。
【0041】
提示部6は、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から複数の顧客保有事業者の顧客保有事業者情報及び顧客属性情報を提示する(S102)。本実施形態では、提示部6は、後述する学習済みモデルを用いて、顧客募集事業者の情報(例えば、業種業態、事業内容、所在地、規模など。以下、「顧客募集事業者情報」という。)から提携相手の候補となる顧客保有事業者情報を提示する。提示部6は、例えば、図6に示すように、会社B~会社Gの会社名及び事業内容を顧客保有事業者情報として提示するとともに、会社B~会社Gの会員数(顧客人数情報)、主な客層(客層情報)、及び抽出可能な条件(顧客の様々な属性の情報)を、顧客属性情報として提示する。提示部6が提示する複数の顧客保有事業者の顧客保有事業者情報及び顧客属性情報は、例えば、提携支援サイトの顧客募集事業者のアカウントのホーム画面等に提示され、顧客募集事業者がユーザ端末2aを用いて提携支援サーバ3にアクセスした際に、顧客募集事業者のユーザ端末2aに表示される。
【0042】
通知部7は、提示部6によって顧客募集事業者のユーザ端末2aに提示された顧客保有事業者の中から、顧客募集事業者が所定の顧客保有事業者を選択して申込みボタン(図示省略)等を押した(クリックした)場合に、選択された顧客保有事業者のユーザ端末2bに対して所定の通知内容を通知する(S103)。通知部7は、例えば、顧客保有事業者のユーザ端末2bに対してメールによって通知する。通知部7が通知する上記所定の通知内容は、提携の申込みがあった旨と、顧客募集事業者情報(会社名及び事業内容)と、申込み条件受付部5で受け付けた申込み条件(目標人数情報、所望の客層、及び成果報酬情報)とを含む。顧客募集事業者情報は、顧客募集事業者自身の情報であって、本実施形態では、顧客保有事業者の会社名及び事業内容である。なお、顧客募集事業者情報は、顧客募集事業者の会社名及び事業内容に限定されるものではなく、例えば、顧客保有事業者の会社名及び事業内容に加えて、顧客募集事業者の年商や所在地を含んでもよい。
【0043】
通知部7からの通知を受けた顧客保有事業者のユーザ端末2bは、顧客募集事業者の申込み条件の成果報酬情報を確認することができる。顧客保有事業者は、特典の利用によって自社の売上を向上させるために、あるいは自社の非アクティブ会員による自社のサービスの利用の促進を図るために、自社の会員に特典を利用してもらいたいと考えた場合、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾する(S104)。
【0044】
通知部7からの通知を受けた顧客保有事業者のユーザ端末2bが、提携の申込みを承諾すると(S104)、顧客募集事業者のユーザ端末2aに提携の申込みが承諾されたことが通知される。例えば、通知部7からの通知を受けた顧客保有事業者のユーザ端末2bの提携支援サイトのホーム画面等には、「承諾ボタン」(図示省略)が表示され、「承諾ボタン」が押される(クリックされる)と、顧客募集事業者のユーザ端末2aには、提携の申込みが承諾されたことが通知される。
【0045】
提携支援サーバ3は、顧客保有事業者のユーザ端末2bが顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾した後(S104)、提携内容、時期、手段、対象、成果報酬などを提携成立案件データベース18として蓄積する。また、提携支援サーバ3は、所定の内容のメッセージを顧客保有事業者の顧客のユーザ端末20に対して配信するように、顧客保有事業者のユーザ端末2bに対して要求する(S105)。メッセージは、顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージであって、例えば、「A社様の会員に入会すれば先着1000名様に、1000円のネットクーポンを差し上げます。A社様サイトはこちら(A社会員登録画面16へのリンク(URL))」等である(図7参照)。
【0046】
メッセージの配信要求を受けた顧客保有事業者のユーザ端末2bは、自身のアカウントから上記内容のメッセージを配信(送信)する(S106)。
【0047】
顧客保有事業者の会員が顧客募集事業者の会員になるための入会手続きをして(S107)、顧客募集事業者のユーザ端末2a側で会員登録を受け付けると(S108)、顧客募集事業者の会員が増加する。顧客募集事業者のユーザ端末2aは、入会者の入会情報(例えば、入会人数(顧客の増加情報)、入会者の氏名、連絡先等)を提携成果実績として提携支援サーバ3へ送信する(S109)。
【0048】
また、上記入会手続きをした会員には、特典が付与される。当該会員が特典を利用すると(S110)、顧客保有事業者の売上が向上する。顧客保有事業者のユーザ端末2bは、特典が利用された実績を提携成果実績として提携支援サーバ3へ送信する(S111)。
【0049】
提携支援サーバ3は、顧客募集事業者のユーザ端末2a及び顧客保有事業者のユーザ端末2bの双方からの提携成果情報を受信すると(S112)、提携成果情報を結果蓄積データベース21として蓄積する。提携成果情報は、顧客募集事業者情報、顧客保有事業者情報、送信したメッセージの送信数、メッセージから顧客募集事業者のユーザ端末2a側への顧客の応答情報(以下、単に「顧客応答情報」という。)、及び特典の利用情報(以下、単に「特典利用情報」という。)を含む。顧客募集事業者情報及び顧客保有事業者情報は、例えば、業種業態、事業内容、所在地、規模などである。顧客応答情報は、メッセージに記載のURLから顧客募集事業者の会員登録画面へアクセスした人数(又はメッセージの送信数に対する割合)であってもよいし、あるいは、メッセージに記載のURLから顧客募集事業者の会員登録画面へアクセスして現実に顧客募集事業者の顧客になった人の人数(又はメッセージの送信数に対する割合)であってもよい。特典利用情報は、提携後に顧客保有事業者側のサービスで特典を利用した人の人数であってもよく、又はメッセージの送信数に対する特典を利用した人数の割合であってもよく、又は顧客保有事業者の顧客から顧客募集事業者の顧客になった人数に対する特典を利用した人数の割合であってもよい。
【0050】
結果蓄積データベース21に蓄積された顧客募集事業者情報と顧客保有事業者情報との提携成立情報と、提携成果情報との関係を機械学習させることによって、学習済みモデルが生成または更新される(S113)。上記学習済みモデルは、顧客募集事業者情報と申込み条件と顧客保有事業者情報の入力を受けて、顧客募集事業者と顧客保有事業者との提携適合度を出力可能である。提携成立情報は、過去に提携が成立した顧客募集事業者情報と顧客保有事業者情報と申込み条件(目標人数情報、所望の客層など)とを含む情報である。提携適合度は、顧客募集事業者と顧客保有事業者との組み合わせの評価であって、提携成果の期待値の大小を示すものである。例えば、提携により獲得を所望する目標人数の達成確率が高い場合に提携適合度が高くなり、提携成果が目標人数を下回ると予想できる場合に提携適合度が低くなる。提携成果情報は、メッセージの送信数、顧客応答情報、及び特典利用情報の少なくとも1つを含み、上記学習済みモデルは、最新版の結果蓄積データベース21に蓄積された情報を用いて機械学習させることによって生成される。本実施形態では、提示部6は、上記学習済みモデルを用いて、顧客募集事業者情報(例えば、業種業態、事業内容、所在地、規模など)と申込み条件(目標人数情報、所望の客層、及び成果報酬情報)と顧客保有事業者情報(例えば、業種業態、事業内容、所在地、規模、顧客属性情報など)から、顧客募集事業者情報と顧客保有事業者情報との組み合わせの提携適合度を判定し、提携相手候補となる顧客保有事業者を提示する(S102)。すなわち、提示部6は、結果蓄積データベース21に蓄積された提携成果情報から、過去の提携の組み合わせや提携内容・成果を評価して学習した結果を利用して、顧客募集事業者に対する複数の顧客保有事業者の提携適合度をそれぞれ導き出し、提携適合度が上位の顧客保有事業者を提携相手候補として提示する(S102)。なお、本実施形態では、算出部8がインセンティブを算出する前に機械学習を行っているが、これに限定されるものではなく、例えば、インセンティブ精算処理の終了後に機械学習を行ってもよい。
【0051】
算出部8は、顧客募集事業者のユーザ端末2aが支払う提携支援システムの利用料金及び顧客保有事業者のユーザ端末2bへ支払う成果報酬(インセンティブ)を算出する。例えば、算出部8は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携成果実績(新規入会者数(顧客の増加情報)を含む)と申込み条件受付部5で受け付けた申込み条件の成果報酬情報とに基づいて、顧客募集事業者のユーザ端末2aが支払う提携支援システムの利用料金と、顧客保有事業者のユーザ端末2bが新規入会者数に応じて受け取る成果報酬とを算出する(S114)。算出部8は、算出した提携支援システムの利用料金を顧客募集事業者のユーザ端末2aに通知するとともに、成果報酬を顧客保有事業者のユーザ端末2bに通知する(S114)。提携支援サーバ3は、顧客募集事業者の提携支援システムの利用料金及び顧客保有事業者の成果報酬であるインセンティブ明細19を蓄積する。なお、本実施形態では、算出部8は、成果報酬を顧客保有事業者のユーザ端末2bに通知したが、顧客保有事業者のユーザ端末2bに通知しなくてもよい。また、本実施形態では、算出部8は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携成果実績(顧客の増加情報を含む)と申込み条件受付部5で受け付けた申込み条件の成果報酬情報とに基づいて成果報酬を算出したが、これに限定されるものではなく、例えば、顧客の増加情報及び申込み条件の成果報酬情報に加えて、メッセージの送信数も考慮して成果報酬を算出してもよい。
【0052】
算出部8が通知した提携支援システムの利用料金を顧客募集事業者のユーザ端末2aが支払うと(S115)、提携支援サーバ3は、提携支援サーバ3の管理者側の手数料を差し引くなどの精算処理を行って顧客保有事業者のユーザ端末2bへ成果報酬を支払い(S116)、顧客保有事業者のユーザ端末2bが成果報酬を受領する(S117)。すなわち、顧客募集事業者のユーザ端末2aが支払う提携支援システムの利用料金には、顧客保有事業者のユーザ端末2bが受け取る成果報酬が含まれる。
【0053】
図5は、本実施形態に係る提携支援システムの処理を説明するフローチャートである。このフローチャートでは、顧客募集事業者である会社Aと顧客保有事業者である会社Bとが提携した場合の提携支援システムの処理を示している。なお、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0054】
図5に示すように、記憶部4には、複数の顧客保有事業者(会社B~会社Gを含む)の顧客保有事業者情報(会社名、業種業態、及び事業内容)と顧客属性情報(会員数や主な客層等)とが、互いに関連付けられて記憶される(S201)。なお、図5には、会社Bの上記情報(顧客保有事業者情報及び顧客属性情報)が記憶部4に記憶される状態が図示されているが、会社C~会社Gの上記情報も記憶部4に記憶される。
【0055】
申込み条件受付部5は、A社のユーザ端末2aから申込み条件(目標人数情報、所望の客層、及び成果報酬情報)の入力を受け付ける(S202)。
【0056】
提示部6は、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から複数の顧客保有事業者(会社B~会社G)の顧客保有事業者情報及び顧客属性情報を、提携候補者リスト22(図5では、単に「リスト」としている。)として提示する(S203)。
【0057】
図6は、提携相手となる候補を表示した画面から会社Aが提携相手を選択している状態を説明する図である。
【0058】
図6に示すように、提携候補者リスト22は、本実施形態では、顧客保有事業者情報(会社名及び事業内容)と顧客属性情報(会員数、主な客層、及び抽出可能な条件)とがセットになった状態で、会社B~会社Gがタイル状に並べられたリストとなっている。本実施形態では、会社Aは、男性化粧品の販売に注力したいと考え、中年男性の会員を新規に獲得したいと考えており、会社Aのユーザ端末2aに提示された会社B~会社Gの中から、主な客層が「40代~男性」であり男性の会員を多く保有していそうな会社Bと、事業内容が「ドラッグストア」であり美容志向の高い会員を多く保有していそうな会社Gとを選択する(S204)。
【0059】
通知部7は、会社Aが提携候補者リスト22から会社Bと会社Gと選択した状態で申込みボタン(図示省略)等を押した(クリックした)場合、選択された会社B及び会社Gのユーザ端末2bに対し、提携の申込みがあったことに加え、会社Aの顧客募集事業者情報及び申込み条件を通知する(S205)。なお、図5では、通知部7が会社Bのユーザ端末2bに対して提携の申込みがあったこと等を通知している状態を図示しており、会社Gのユーザ端末2bに対する上記通知の図示を省略している。
【0060】
通知部7からの通知を受けた会社Bのユーザ端末2b及び会社Gのユーザ端末2bは、会社Aの顧客募集事業者情報(会社名及び事業内容)から会社Aの事業内容(例えば、商品「男性化粧品」の販売)を認識することができる。会社Bのユーザ端末2b及び会社Gのユーザ端末2bは、会社Aの顧客募集事業者情報及び成果報酬情報に基づいて、会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾又は拒否することができる。本実施形態では、会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを、会社Bのユーザ端末2bが承諾し、会社Gのユーザ端末2bが拒否する場合について説明する。
【0061】
会社Gのユーザ端末2bは、自社の事業内容が「ドラッグストア」であり、会社Aの商品「男性化粧品」が自社の商品と競合するので、会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを拒否する。
【0062】
会社Bは、特典の利用によって自社の売上を向上させるために、あるいは自社の非アクティブ会員による自社のサービスの利用の促進を図るために、自社の会員に特典を利用してもらいたいと考え、会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾する(S206)。
【0063】
会社Bのユーザ端末2bが会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾すると、提携支援サーバ3は、申込みが承諾された旨を会社Aのユーザ端末2aに対して通知し、会社Bのユーザ端末2bに対してメッセージの配信を要求する(S207)。
【0064】
図7は、メッセージの一例と会員登録画面の一例を示す図である。
【0065】
図7(1)に示すように、会社Bのユーザ端末2bは、自社の会員に特典を利用してもらうために、メッセージを、自社(会社B)のメールマガジン(図7(1)では「メルマガ」と示している。)の中に記載して、自社の会員のユーザ端末20に送信する(S208)。また、図7(2)に示すように、会社Bのユーザ端末2bは、メッセージを、自社の会員のメール、SMS(Short Message Service)、SNS(SOCIAL NETWORKING SERVICE)などのアカウントを利用して(図7(2)では、SMSのみを図示している。)、自社の会員のユーザ端末20に送信する(S208)。図7(1)及び(2)に示すように、会社Bのユーザ端末2bが送信するメッセージの内容は、例えば、「A社様の会員に入会すれば先着1000名様に、1000円のネットクーポンを差し上げます。A社様サイトはこちら(A社会員登録画面16へのリンク(URL))」等である。このように、会社Bのユーザ端末2bが、自社の会員のユーザ端末20に送信するメッセージの内容は、A社の会員になることを条件に特典が受けられるという内容になっている。なお、A社会員登録画面16へのアクセス解析を可能にするためのタグ(トラッキングコード)を、A社会員登録画面16のHTML(HyperText Markup Language)に埋め込む(記載する)とともに、アクセス解析においてA社会員登録画面16へのアクセスが上記メッセージからであることを認識させるためのパラメータを、上記メッセージに記載するURLに付加してもよい。
【0066】
メッセージを受けた会社Bの会員が、メッセージ内のURLから会社Aのサイトの会員登録画面16へ案内されて、会社Aの会員に登録すると(S209)、当該会員に対して、会社Bが提供しているサービスにおいて利用可能な特典(本実施形態では、ネットクーポン)が付与される。会社Aのユーザ端末2aは、新規に入会した入会者情報を提携支援サーバ3へ送信する。
【0067】
会社Bの会員が、特典を利用すると(S210)、会社Bの売上が向上する。会社Bのユーザ端末2bは、特典の利用情報を提携支援サーバ3へ送信する。
【0068】
算出部8は、会社Aの入会者情報及び会社Bの特典の利用情報から、会社Aのユーザ端末2aが支払う提携支援システムの利用料金と、会社Bのユーザ端末2bが受け取る成果報酬とを算出する(S211)。算出部8は、算出した提携支援システムの利用料金を会社Aのユーザ端末2aに通知するとともに、成果報酬を会社Bのユーザ端末2bに通知する。
【0069】
提携支援サーバ3は、会社Aのユーザ端末2aからの入金を受けると精算し(S212)、成果報酬(インセンティブ)を会社Bのユーザ端末2bへ支払う。すなわち、会社B(顧客保有事業者)への成果報酬は、会社A(顧客募集事業者)が提携支援サーバ3を介して支払う。
【0070】
上記のように構成された提携支援システムでは、提示部6は、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から複数の顧客保有事業者の顧客保有事業者情報及び顧客属性情報を提示するので、顧客募集事業者のユーザ端末2aは、提携したい顧客保有事業者を、複数の顧客保有事業者の中から顧客保有事業者情報及び顧客属性情報に基づいて選択することができる。
【0071】
また、通知部7から顧客保有事業者のユーザ端末2a側へ通知される申込み条件の成果報酬情報は、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に顧客募集事業者が顧客保有事業者へ支払う報酬(成果報酬)の情報である。このため、顧客保有事業者は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの申込みを承諾し、顧客募集事業者の顧客になることを自社の顧客へ促すことによって、成果報酬を受け取ることができる。
【0072】
また、通知部7から顧客保有事業者のユーザ端末2a側へ通知される成果報酬情報は、顧客保有事業者が提供しているサービスにおいて利用可能な特典(例えば、クーポン、景品、ポイント加算など)の原資となるものである。そして、顧客保有事業者の顧客が特典を利用した場合には、顧客保有事業者の売上が向上する。このため、顧客保有事業者は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの申込みを承諾することによって、外部原資を利用して売上の向上を図ることができる。また、顧客保有事業者は、自社の非アクティブ会員に対して上記特典を付与することができるので、自社の非アクティブ会員による自社のサービスの利用の促進を図ることができる。
【0073】
また、特典は、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に顧客保有事業者の顧客に与えられる特典であるので、特典の利用を目的とした顧客が顧客募集事業者の顧客になることを促す。このため、顧客募集事業者は、新規顧客の獲得により、顧客の増加を図ることができる。
【0074】
また、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の顧客属性情報は、顧客保有事業者の顧客の客層情報を含み、提示部6は、顧客保有事業者の客層情報を含む顧客属性情報を提示する。すなわち、顧客募集事業者のユーザ端末2aには、顧客保有事業者の顧客の客層情報が提示されるので、顧客募集事業者のユーザ端末2aは、顧客保有事業者の顧客の客層情報に基づいて、獲得したい顧客の客層を有する顧客保有事業者を選択することができる。
【0075】
また、算出部8が、顧客募集事業者のユーザ端末2aが支払う提携支援システムの利用料金及び顧客保有事業者のユーザ端末2bへ支払う成果報酬を算出するので、顧客募集事業者及び顧客保有事業者による精算作業の作業負担を低減することができる。
【0076】
このように、顧客募集事業者のユーザ端末2aは、所望の顧客属性情報を有する顧客保有事業者のユーザ端末2bに提携を申し込むことができ、また、顧客保有事業者は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの申込みを承諾することによって売上が向上する可能性がある。したがって、本実施形態によれば、顧客の獲得を目的とする事業者(顧客募集事業者)と他の事業者(顧客保有事業者)との提携の実現を支援することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、提示部6は、学習済みモデルを用いて、顧客募集事業者と顧客保有事業者との提携適合度に基づき提携相手の候補を提示したが、これに限定されるものではない。例えば、提示部6は、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から、申込み条件受付部5で受け付けた申込み条件の顧客募集事業者の目標人数情報よりも多い顧客人数情報を有する複数の顧客保有事業者を抽出して顧客募集事業者のユーザ端末2a側へ提示してもよい。この場合、提示部6から顧客募集事業者のユーザ端末2aに提示される複数の顧客保有事業者には、顧客募集事業者の目標人数情報よりも少ない人数の顧客を有する顧客保有事業者が予め除かれているので、顧客募集事業者のユーザ端末2aに対して効率よく顧客募集事業者を提示することができる。あるいは、提示部6は、申込み条件受付部5で受け付けた申込み条件の所望の客層と記憶部4に記憶される顧客保有事業者の顧客の客層情報とに基づいて、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から、申込み条件の所望の客層の顧客を保有する複数の顧客保有事業者を抽出して顧客募集事業者のユーザ端末2a側へ提示してもよい。
【0078】
また、提示部6は、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の中から複数の顧客保有事業者をランダムに抽出して顧客募集事業者のユーザ端末2a側へ提示してもよく、あるいは、記憶部4に記憶される顧客保有事業者を会社名の50音順に顧客募集事業者のユーザ端末2a側へ提示してもよい。あるいは、顧客保有事業者情報の項目についての条件を受け付け検索する機能を備えることで、検索条件に合致する顧客保有事業者を顧客募集事業者のユーザ端末2a側へ提示してもよい。これらの場合であっても、提示部6は、顧客保有事業者の少なくとも1つの顧客属性情報(顧客人数情報、顧客の年齢、性別、居住地域、趣味嗜好、興味関心、年収、家族構成、過去の購入商品(購入履歴)など)を提示するので、顧客募集事業者のユーザ端末2aは、提示部6によって提示された顧客保有事業者の顧客属性情報に基づいて、所望の属性の顧客を有する顧客保有事業者を選択することができる。
【0079】
また、本実施形態では、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の顧客属性情報に、顧客の客層情報を含めたが、客層情報を含めなくてもよい。この場合であっても、上述したように、提示部6は、顧客保有事業者の少なくとも1つの顧客属性情報(顧客人数情報、顧客の年齢、性別、居住地域、趣味嗜好、興味関心、年収、家族構成、過去の購入商品(購入履歴)など)を提示するので、顧客募集事業者のユーザ端末2aは、提示部6によって提示された顧客保有事業者の顧客属性情報に基づいて、所望の属性の顧客を有する顧客保有事業者を選択することができる。
【0080】
また、本実施形態では、申込み条件受付部5で受け付ける申込み条件に、顧客募集事業者が新規に獲得する顧客の目標人数情報、所望の客層、及び成果報酬情報を含めたが、これに限定されるものではなく、申込み条件は少なくとも成果報酬情報を含んでいればよい。
【0081】
また、本実施形態では、特典を、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に顧客保有事業者の顧客に与えられる特典としたが、これに限定されるものではなく、例えば、顧客保有事業者が開催するイベントの広告動画を視聴することを条件に顧客保有事業者の顧客に与えられる特典などであってもよい。
【0082】
また、本実施形態では、提携支援サーバ3が、顧客保有事業者のユーザ端末2b側に対してメッセージの配信を要求したが、これに限定されるものではない。特典は、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に、顧客保有事業者の顧客に与えられる特典であるので、顧客保有事業者は、自社の顧客に特典を利用してもらうためには、自社の顧客に対して顧客募集事業者の顧客になることを勧める必要がある。このため、顧客保有事業者のユーザ端末2bは、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの申込みを承諾した後、自社の顧客のユーザ端末20に対し、「顧客募集事業者の顧客なることを条件に特典を付与する」内容のメッセージを自発的に送信するなどして、顧客募集事業者の会員になることを促し、特典の利用を図ることができる。
【0083】
また、本実施形態では、顧客保有事業者のユーザ端末2bが、自社の顧客に対してメッセージを送信したが、これに限定されるものではなく、提携支援サーバ3が顧客保有事業者の顧客に対してメッセージを送信してもよいし、あるいは、顧客募集事業者(会社A)が顧客保有事業者の顧客に対してメッセージを送信してもよい。
【0084】
また、提携支援サーバ3が提携成果情報を結果蓄積データベース21として蓄積するので、顧客募集事業者のユーザ端末2aが、提携成果情報(例えば、メッセージの送信数に対する会員登録画面へアクセスした人数の割合)に基づいて、提携支援結果データベースから提携相手の候補となる顧客保有事業者を検索できるようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、顧客募集事業者のユーザ端末2aに入会した入会者の入会情報(例えば、入会人数、入会者の氏名、連絡先等)を、顧客募集事業者のユーザ端末2aが提携支援サーバ3へ送信したが、これに限定されるものではない。例えば、A社会員登録画面16へのアクセス解析を可能にするためのタグをA社会員登録画面16のHTMLに埋め込むとともに、所定のパラメータを上記メッセージに記載するURLに付加した場合には、既存のアクセス解析手段を利用することによって、入会者の入会情報を提携支援サーバ3側で取得してもよい。
【0086】
また、本実施形態では、一方の事業者(例えば、会社A)が顧客募集事業者となり、他方の事業者(例えば、会社B)が顧客保有事業者となる態様で提携したが、これに限定されるものではない。例えば、一方の事業者が顧客募集事業者となり、他方の事業者が顧客保有事業者となる態様で提携するとともに、上記一方の事業者が顧客保有事業者となり、上記他方の事業者が顧客募集事業者となる態様で提携(双方向の提携)してもよい。この場合、算出部8は、上記一方の事業者が支払う成果報酬と、上記他方の事業者が支払う成果報酬とを相殺して各事業者の支払額を算出してもよい。
【0087】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る提携支援システムは、上記第1実施形態の提携支援サーバ3が記憶部4、申込み条件受付部5、提示部6、通知部7、及び算出部8に加えてメッセージ送信部9を備えている点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。また、顧客保有事業者のユーザ端末2bが顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾するまでの処理(S201~S206)、及び算出部8によるインセンティブの算出以下の処理(S211、S212)は、上記第1実施形態と略同様であるため、以下ではその説明を省略する。
【0088】
図8は、本実施形態に係る提携支援サーバ3を示す図である。
【0089】
図8に示すように、提携支援サーバ3は、記憶部4と、申込み条件受付部5と、提示部6と、通知部7と、メッセージ送信部9と、算出部8とを備える。
【0090】
提携支援サーバ3のCPU10(図4参照)は、提携支援サーバ3全体を制御し、記憶装置13に記憶された提携支援プログラム14と協働して提携支援処理を実行することによって、申込み条件受付部5、提示部6、通知部7、メッセージ送信部(メッセージ送信手段)9、及び算出部8として機能する。
【0091】
申込み条件受付部5が受け付ける申込み条件は、上記第1実施形態で説明した顧客の目標人数情報及び成果報酬情報に加え、本実施形態では、メッセージの送信回数情報、及び提携期間(所定の期間)を含む。提携期間は、提携する期間を特定可能な情報であればよい。例えば、提携期間は、所定の提携開始日時と期間との組み合わせ(例えば、4月1日から3ヶ月)や、所定の提携開始日時と所定の提携終了日時との組み合わせ(例えば、4月1日から6月30日まで)や、メッセージの送信回数情報と送信間隔の情報との組み合わせ(例えば、4月1日から1ヶ月に1回の間隔で6回)などであってもよい。
【0092】
メッセージ送信部9は、通知部7から通知された申込み条件を顧客保有事業者のユーザ端末2bが承諾した場合に、顧客保有事業者の顧客のユーザ端末20に対して、顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージを送信する。メッセージ送信部9は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みを顧客保有事業者のユーザ端末2bが承諾した後、後述するように、顧客保有事業者のユーザ端末2b及び顧客募集事業者のユーザ端末2aの双方の顧客の連絡先情報が記憶部4に記憶されると、メッセージの送信先(顧客の連絡先情報)を特定し、特定した顧客の連絡先情報の連絡先にメッセージを送信する。メッセージは、顧客のユーザ端末20によって受信される。
【0093】
メッセージの送信先である顧客保有事業者の顧客の連絡先情報は、ネットワーク1を通じてメッセージを送信可能な連絡先の情報であって、例えば、メールアドレスやSMSのあて先やSNSのアカウント等である。顧客保有事業者の顧客の連絡先情報は、顧客保有事業者情報と関連付けられて記憶部4に記憶される。顧客保有事業者の顧客の連絡先情報は、顧客募集事業者のユーザ端末2aからの申込み条件を顧客保有事業者のユーザ端末2bが承諾する際、あるいは承諾した後に、記憶部4に記憶される。顧客保有事業者の顧客の連絡先情報は、提携支援サーバ3の管理者等によって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよいし、あるいは、提携支援サイトにアクセスした顧客保有事業者のユーザ端末2bによって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよい。なお、顧客保有事業者の顧客の連絡先情報は、顧客保有事業者のユーザ端末2bが提携支援システムを利用するために顧客保有事業者情報及び顧客属性情報を記憶部4に記憶する際に、顧客保有事業者情報及び顧客属性情報とともに記憶部4に記憶されてもよい。
【0094】
通知部7から通知された申込み条件を顧客保有事業者のユーザ端末2bが承諾した後、顧客募集事業者のユーザ端末2aには、提携の申込みが承諾された旨が通知される。その後、記憶部4は、顧客募集事業者のユーザ端末2aが既に獲得している既存の顧客の連絡先情報(会社Aの顧客の連絡先情報)を、顧客募集事業者の情報に関連付けてに記憶する。顧客募集事業者の顧客の連絡先情報は、提携支援サーバ3の管理者等によって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよいし、あるいは、提携支援サイトにアクセスした顧客募集事業者のユーザ端末2aによって提携支援サーバ3に入力されて記憶部4に記憶されてもよい。
【0095】
メッセージ送信部9は、申込み条件受付部5が受け付けた申込み条件のメッセージの送信回数情報が1回の場合には、申込み条件の提携期間内に1回のメッセージを送信する。また、メッセージ送信部9は、メッセージの送信回数情報が複数回の場合には、申込み条件の提携期間内に送信回数情報に基づき上記送信回数のメッセージを送信する。
【0096】
メッセージ送信部9は、1回目のメッセージを送信する際には、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の顧客の連絡先情報のうち、顧客募集事業者の顧客の連絡先情報とは異なる連絡先情報を抽出し、抽出した連絡先情報の一部又は全部の連絡先にメッセージを送信する。メッセージ送信部9がメッセージを既に送信した顧客の連絡先情報は、連絡済み連絡先情報として記憶される。メッセージ送信部9は、2回目以後のメッセージを送信する際に、顧客募集事業者の顧客の連絡先情報と連絡済み連絡先情報とに基づいて、そのときまでにメッセージを送信したことがない顧客の連絡先情報の連絡先にメッセージを送信する。
【0097】
図9は、本実施形態に係る提携支援システムの処理を説明するフローチャートである。このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。なお、ステップS201~ステップS206までは、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0098】
図9に示すように、メッセージ送信部9は、会社Bのユーザ端末2bが会社Aのユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾した後(S206)、会社A及び会社Bの双方の会員の連絡先情報が記憶部4に記憶されると、メッセージの送信先(会員の連絡先情報)を特定し、特定された会員の連絡先情報の連絡先にメッセージを送信する(S301)。例えば、会社A及び会社Bの双方の会員の連絡先情報が記憶部4に記憶されると、会社Aのユーザ端末2a又は会社Bのユーザ端末2bの提携支援サイトのホーム画面等に「メッセージ送信ボタン」(図示省略)が表示され、「メッセージ送信ボタン」が押される(クリックされる)と、メッセージ送信部9は、メッセージの送信先を特定した後、特定された会員の連絡先情報の連絡先にメッセージを送信する。もしくは、メッセージ送信部9は、あらかじめ設定された配信スケジュールに従って自動的にメッセージを送信することでもよい。
【0099】
メッセージを受けた会社Bの会員が、会社Aの会員に登録すると(S302)、会社Aのユーザ端末2aは、新規に入会した入会者情報を提携支援サーバ3へ送信する。
【0100】
会社Bの会員が、特典を利用すると(S303)、会社Bのユーザ端末2bは、特典の利用情報を提携支援サーバ3へ送信する。
【0101】
上記のように構成された提携支援システムでは、メッセージ送信部9は、顧客保有事業者の顧客のユーザ端末20に対して、顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージを送信する。このように、メッセージ送信部9が顧客保有事業者の顧客のユーザ端末20に対してメッセージを送信するので、顧客保有事業者のユーザ端末2bがメッセージを送信する場合とは異なり、顧客保有事業者のユーザ端末2b側の作業負担を低減することができる。
【0102】
また、メッセージ送信部9がメッセージを送信するので、メッセージの送信を顧客保有事業者のユーザ端末2bに任せる場合とは異なり、確実にメッセージを送信することができる。
【0103】
また、メッセージを受けた顧客が顧客募集事業者の顧客になることによって当該顧客に特典が付与され、この特典が利用されることによって顧客保有事業者の売上が向上する。また、顧客保有事業者は、自社の非アクティブ会員に対して上記特典を付与することができるので、自社の非アクティブ会員による自社のサービスの利用の促進を図ることができる。
【0104】
また、メッセージ送信部9は、顧客保有事業者の顧客のユーザ端末20に対して、顧客募集事業者の顧客になることを条件に特典が受けられる内容のメッセージを送信する。このように、特典は、顧客保有事業者の顧客が顧客募集事業者の顧客になることを条件に顧客保有事業者の顧客に与えられる特典であるので、特典の利用を目的に顧客募集事業者の顧客になることが促される。このため、顧客募集事業者は、新規顧客の獲得により、顧客の増加を図ることができる。
【0105】
また、申込み条件受付部5が受け付ける申込み条件は、メッセージの送信回数情報、及び提携期間を含むので、メッセージの送信という提携態様における顧客募集事業者と顧客保有事業者との提携期間を設定することができる。また、申込み条件に提携期間が含まれるので、提携の申込みを受けた顧客保有事業者のユーザ端末2bは、提携期間に基づいて、申込みを承諾するか否かを判断することができる。
【0106】
また、メッセージ送信部9は、メッセージの送信回数情報が複数回の場合には、申込み条件の提携期間内に送信回数情報に基づき上記送信回数のメッセージを送信する。このため、顧客募集事業者のユーザ端末2aは,同一の顧客保有事業者の顧客に対して複数回のメッセージを送信したい場合、同一の顧客保有事業者に対して提携の申込みを複数回しなくてもよいので、顧客募集事業者のユーザ端末2aの負担を低減することができる。また、顧客保有事業者のユーザ端末2b側も同一の顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みの承諾を複数回する必要がないので、顧客保有事業者のユーザ端末2bの負担を低減することができる。
【0107】
また、メッセージ送信部9は、1回目のメッセージを送信する際には、記憶部4に記憶される顧客保有事業者の顧客の連絡先情報のうち、顧客募集事業者の顧客の連絡先情報とは異なる連絡先情報を抽出し、抽出した連絡先情報の一部又は全部の連絡先にメッセージを送信する。このため、メッセージ送信部9は、提携を申し込む時点で顧客募集事業者及び顧客保有事業者の双方の顧客になっている人に対しては、メッセージを送信しないので、効率よく顧客に対してメッセージを送信することができる。
【0108】
また、メッセージ送信部9は、2回目以後のメッセージを送信する際に、顧客募集事業者の顧客の連絡先情報と記憶部4に記憶される連絡済み連絡先情報とに基づいて、そのときまでにメッセージを送信したことがない顧客の連絡先情報の連絡先にメッセージを送信する。すなわち、メッセージを送っても顧客募集事業者の顧客にならなかった人や、あるいは、メッセージを送ったあと顧客募集事業者の顧客になった人に対してメッセージを送信することなく、毎回、新しい人(顧客保有事業者の顧客)に対してメッセージを送信するので、効率よく顧客に対してメッセージを送信することができる。
【0109】
また、毎回、新しい顧客に対してメッセージを送信するので、顧客側の煩わしさを低減することができる。
【0110】
このように、本実施形態によれば、顧客の獲得を目的とする事業者(顧客募集事業者)と他の事業者(顧客保有事業者)との提携の実現を支援することができる。
【0111】
なお、本実施形態では、メッセージ送信部9によって2回目以後のメッセージを送信する際に、連絡済み連絡先情報として記憶される連絡先情報の連絡先へはメッセージを送信しないこととしたが、これに限定されるものではなく、連絡済み連絡先情報の連絡先にメッセージを送信してもよい。
【0112】
また、本実施形態では、申込み条件受付部5が受け付ける申込み条件に、メッセージの送信回数情報及び提携期間(所定の期間)を含めたが、これに限定されるものではなく、メッセージの送信回数情報及び提携期間を含めなくてもよい。この場合、メッセージの送信回数や提携期間等は、顧客保有事業者のユーザ端末2bが顧客募集事業者のユーザ端末2aからの提携の申込みを承諾した後に、顧客保有事業者と顧客募集事業者との間で決定してもよい。
【0113】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0114】
2a,2b:ユーザ端末(端末)
3:提携支援サーバ
4:記憶部(記憶手段)
5:申込み条件受付部(申込み条件受付手段)
6:提示部(提示手段)
7:通知部(通知手段)
8:算出部(算出手段)
9:メッセージ送信部(メッセージ送信手段)
20:ユーザ端末(顧客端末)
図1
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図9