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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180061
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】タイルカーペットセット
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/02 20060101AFI20221129BHJP
   E04F 15/16 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A47G27/02 101A
E04F15/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086965
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸井田 春香
(72)【発明者】
【氏名】植村 茂弘
【テーマコード(参考)】
2E220
3B120
【Fターム(参考)】
2E220AA31
2E220AA33
2E220AA51
2E220AC01
2E220BB02
2E220GA24X
2E220GB37X
3B120AB15
3B120BC03
3B120CA13
(57)【要約】
【課題】量産性及び取扱性が損なわれることなく、平面充填したときに2種類の寸法基準目印を現出させることのできる、利便性に優れたタイルカーペットセットを提供する。
【解決手段】タイルカーペットセットは、所定寸法からなる矩形状のタイルカーペットの複数を有し、タイルカーペットを縦横に平面充填してタイル集合体を形成する。タイル集合体は、回転非対称な模様が施されたタイルカーペットの複数を含み、該タイルカーペットを向きを異ならせて配置して形成される。また、タイル集合体を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印と第2寸法基準目印とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔でタイル集合体に繰り返し現れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定寸法からなる矩形状のタイルカーペットの複数を有し、前記タイルカーペットを縦横に平面充填してタイル集合体を形成するタイルカーペットセットであって、
前記タイル集合体は、回転非対称な模様が施されたタイルカーペットの複数を含み、該タイルカーペットを向きを異ならせて配置して形成され、
前記タイル集合体を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印と第2寸法基準目印とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れる、
タイルカーペットセット。
【請求項2】
前記第1寸法基準目印を形成する第1模様と、前記第1模様とは異なる外観をなして前記第2寸法基準目印を形成する第2模様と、を有し、
前記回転非対称な模様が施されたタイルカーペットには、前記第1模様が回転非対称に施されるとともに、前記第2模様が回転対称に施され、
前記回転非対称な模様が施されたタイルカーペットが向きを変えて配置されることにより前記第1模様が所定間隔で形成される、
請求項1に記載のタイルカーペットセット。
【請求項3】
前記タイルカーペットの各々は外形形状が正方形をなし、
前記タイル集合体を形成した場合に、縦方向及び横方向の双方において、前記第1寸法基準目印及び前記第2寸法基準目印が現れる、
請求項1又は2に記載のタイルカーペットセット。
【請求項4】
第1のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットの縦方向及び横方向に隣接して配置される第2のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットの対角方向に隣接して配置される第3のタイルカーペットと、を含み、
前記第1のタイルカーペットの前記第1模様は、90°回転対称であり、
前記第2のタイルカーペットの前記第1模様は、前記縦方向及び前記横方向のうちのいずれか一方の中心線に関して線対称であり、
前記第3のタイルカーペットの前記第1模様は、前記正方形のいずれか一方の対角線に関して線対称である、
請求項2又は3に記載のタイルカーペットセット。
【請求項5】
前記第1寸法基準目印及び前記第2寸法基準目印は、それぞれ、前記タイル集合体を形成した場合に、前記第1模様及び前記第2模様によって形成される直線模様を用いた2つの格子パターンにより示される、
請求項2から4のいずれか一項に記載のタイルカーペットセット。
【請求項6】
2つの前記格子パターンのうちの一方に用いられる前記直線模様は、破線であり、
該破線における線の切れ目が第3寸法基準目印として所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れる、
請求項5に記載のタイルカーペットセット。
【請求項7】
前記タイル集合体を形成した場合に、太線状からなる縞模様における色の切り替わり箇所により前記第1寸法基準目印が示されるとともに、隣接するタイルカーペット間において地色を異ならせることにより、前記第2寸法基準目印が示される、
請求項1に記載のタイルカーペットセット。
【請求項8】
回転非対称な模様が施された第1のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットと配色パターンが異なり、180°回転対称な図形が施された第2のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットと図形が同じで、前記第2のタイルカーペットと配色パターンが同じ第3のタイルカーペットと、
前記第2のタイルカーペットと図形が同じで、前記第1のタイルカーペットと配色パターンが同じ第4のタイルカーペットと、を含み、
前記タイル集合体は、同一配色パターンのタイルカーペットを千鳥状に配置して形成される、
請求項7に記載のタイルカーペットセット。
【請求項9】
前記タイル集合体は、前記第1、第2寸法基準目印の各々の寸法間隔の最小公倍数からなる縦横寸法に充填したタイルカーペットの群を、隣接する群同士で向きを異ならせて配置して形成される、請求項8に記載のタイルカーペットセット。
【請求項10】
前記タイルカーペットの各々は、外観および向きを識別可能な識別マークを有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のタイルカーペットセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横に平面充填されるタイルカーペットの複数により構成されるタイルカーペットセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正方形や長方形などの矩形パネル形状を有するタイルカーペットが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1、2には、平面充填したときに、タイルカーペット同士の境界(目地)を跨いで模様が連続し、統一感のあるパターンが形成されるタイルカーペットセットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-88676号公報
【特許文献2】特許第5538374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タイルカーペットを平面充填したタイル集合体上に机や椅子などの家具を設置する際には、動線サイズを考慮してレイアウトするのが一般的である。動線サイズとは、人が動線上を移動する上で必要な幅であり、一人で正面を向いて通る場合は60cm、横歩きの場合は30cm、二人がすれ違う場合は120cmといわれている。また、家具の寸法は、例えば日本では尺貫法に由来して30cmを基準寸法として、その倍数で規定されていることが多い。そのため、床面に30cmの目安となる目印があると、家具等のレイアウトを考える上で便利である。また、寸法単位である1mの目安となる目印が床面にあると、所定距離を測るときの目安となり、例えば、ソーシャルディスタンスを確保するための立ち位置などを示すマークを配置しやすい。
【0005】
上述したように、床面に寸法を示す目印(以下、「寸法基準目印」と称する)があると、様々な場面で便利であるが、平面充填したときに複数種類の寸法基準目印が現れるようなタイルカーペットは提供されていない。
実現するにも、模様の異なる多種類のタイルカーペットが必要になると、量産性の面で不利である上、汚損時の張替えなどに備えて予備のタイルカーペットを用意しておくことも難しく、量産性及び取扱性に優れるというタイルカーペットの利点が損なわれてしまう。
【0006】
本発明の目的は、量産性及び取扱性があまり損なわれることなく、平面充填したときに複数種類の寸法基準目印を現出させることのできる、利便性に優れたタイルカーペットセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るタイルカーペットセットは、
所定寸法からなる矩形状のタイルカーペットの複数を有し、前記タイルカーペットを縦横に平面充填してタイル集合体を形成するタイルカーペットセットであって、
前記タイル集合体は、回転非対称な模様が施されたタイルカーペットの複数を含み、該タイルカーペットを向きを異ならせて配置して形成され、
前記タイル集合体を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印と第2寸法基準目印とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るタイルカーペットセットによれば、量産性及び取扱性が損なわれることなく、平面充填したときに複数種類の寸法基準目印を現出させることができ、利便性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体を示す図である。
図2図2A図2Cは、第1の実施の形態に係るタイルカーペットセットを構成する3種類のタイルカーペットを示す図である。
図3図3A図3Bは、第1の実施の形態に係るタイルカーペットセットにおける個々のタイルカーペットの配置を示す図である。
図4図4は、変形例1に係るタイルカーペットにより形成されるタイル集合体を示す図である。
図5図5A図5Cは、変形例1に係るタイルカーペットセットを構成する3種類のタイルカーペットを示す図である。
図6図6は、変形例2に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体を示す図である。
図7図7A図7Cは、変形例2に係るタイルカーペットセットを構成する3種類のタイルカーペットを示す図である。
図8図8は、変形例3に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体を示す図である。
図9図9は、変形例4に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体を示す図である。
図10図10は、第2の実施の形態に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体の一例を示す図である。
図11図11A図11Dは、第2の実施の形態に係るタイルカーペットセットを構成する4種類のタイルカーペットを示す図である。
図12図12は、第2の実施の形態に係るタイルカーペットセットにより形成されるタイル集合体の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るタイルカーペットセット10は、主に室内の床面に敷設されて使用される。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るタイルカーペットセット10により形成されるタイル集合体1を示す図である。図2A図2Cは、タイルカーペットセット10を構成する第1~第3タイルカーペット11~13を示す図である。図3A図3Bは、タイルカーペットセット10における第1~第3タイルカーペット11~13の配置を示す図である。なお、図1及び図3A図3Cでは、参照文字「A」、「B」、「C」の向きにより、第1~第3タイルカーペット11~13の向きを表している。
【0012】
図1に示すように、タイル集合体1は、一辺がX[cm]の正方形形状のタイルカーペットTCを平面充填することにより形成される。図1では、タイルカーペットTC同士の境界である目地(符号略)を破線で示している。以下において、タイルカーペットTCの一辺X[cm]を、「タイルサイズX[cm]」と称する。なお、タイル集合体1において、目地は、タイルカーペットTCの周縁部分に施されている模様の同一性により、ほぼ視認不能となっている。
【0013】
タイルカーペットセット10(図1の太線で囲まれた部分)は、タイル集合体1を形成する場合に縦横に繰り返される最小単位であり、所定の規則に従って配列される複数枚のタイルカーペットTCで構成される。第1の実施の形態では、タイルカーペットセット10は、第1~第3タイルカーペット11~13により構成されている。
【0014】
タイル集合体1には、第1間隔L1[cm]の目安となる第1寸法基準目印M1と、第2間隔L2[cm]の目安となる第2寸法基準目印M2とが、縦横に形成されている。第1間隔L1及び第2間隔L2は、例えば、タイルサイズX以下に設定される。
【0015】
第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、第1間隔L1及び第2間隔L2を視覚的に認識できればよい。例えば、タイル集合体1に形成される直線状のパターン自体が第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2となってもよい。また例えば、タイル集合体1に形成されるパターンによって浮かび上がる仮想的な直線が第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2となってもよい(変形例2参照)。
【0016】
第1の実施の形態では、第1寸法基準目印M1は、縦方向及び横方向に第1間隔L1で配置された実線の直線模様により形成される格子パターンである。同様に、第2寸法基準目印M2は、縦方向及び横方向に第2間隔L2で配置された実線の直線模様により形成される格子パターンである。第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、それぞれの格子パターンの直線模様(線幅、色彩など)により区別可能となっている。図1では、第1寸法基準目印M1は、所定幅を有する網掛け直線で示され、第2寸法基準目印M2は、第1寸法基準目印M1よりも幅広の白抜き直線で示されている。利用者は、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を視認して、第1間隔L1及び第2間隔L2を知得することができる。
【0017】
タイル集合体1において、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、第1間隔L1と第2間隔L2の最小公倍数を1周期Tとして、同じ位置関係で現れる。第1間隔L1、第2間隔L2及びタイルサイズXは、タイルカーペットTCが縦方向にM枚、横方向にN枚配列されたM×N配列のタイルカーペットセット10において、縦方向の長さ(MX[cm])及び横方向の長さ(NX[cm])が、周期Tの倍数となるように設定される。
【0018】
特に、タイルサイズXと第2間隔L2が同じであり、かつ、タイルサイズX(=第2間隔L2)のn倍が第1間隔L1で割り切れる場合、タイルカーペットセット10は、n×n配列となる。例えば、第1間隔L1を15[cm]、30[cm]又は37.5[cm]とし、第2間隔L2を50[cm]とした場合、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、150[cm]間隔で周期的に現れる。したがって、このときのタイルサイズXを50[cm]とすると、3×3配列の9枚のタイルカーペットTCによりタイルカーペットセット10を構成することができる。
【0019】
以下において、寸法設定の一例として、第1間隔L1が30[cm]、第2間隔L2及びタイルサイズXが50[cm]であり、タイルカーペットセット10の繰り返しの周期Tが150[cm]となる場合について説明する。この場合、図1に示すように、タイルカーペットセット10は、3×3配列で構成される。
【0020】
タイルカーペットTCには、それぞれ、縦方向及び横方向において第1寸法基準目印M1を形成する第1模様P1と、第2寸法基準目印M2を形成する第2模様P2とが加飾される。第1模様P1及び第2模様P2は、例えば、ポリウレタンなどの樹脂基材に、プリント加工により加飾される。
【0021】
第1の実施の形態では、タイルカーペットTCに加飾される模様を工夫して、構成枚数よりも少ない種類(具体的には、3種類)のタイルカーペットTCでタイルカーペットセット10が構成されている。
具体的には、タイルカーペットTCは、異なる模様が施された第1~第3タイルカーペット11~13で構成されている。また、第1~第3タイルカーペット11~13には、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2が所定間隔で重なるように第1模様P1及び第2模様P2が形成されている。さらに、第1~第3タイルカーペット11~13は、第1模様P1及び第2模様P2に関して、以下の特徴を有している。
【0022】
第1タイルカーペット11は、タイルカーペットセット10を形成するに際して基準となるタイルカーペットであり、図3A図3Bでは、3×3配列の中央に配置されている。第1タイルカーペット11の縦方向及び横方向に隣接して第2タイルカーペット12が配置され、対角方向に隣接して第3タイルカーペット13が配置される。
【0023】
図2Aに示すように、第1タイルカーペット11の第1模様P11及び第2模様P21は、90°回転対称(4回回転対称)に形成されている。第1模様P11及び第2模様P21は、縦方向及び横方向の中心線S1、S2及び正方形の対角線S3,S4に関して対称であるともいえる。したがって、第1タイルカーペット11は、向きを90°ずつ回転させても、見え方は変化しない。
具体的には、第1タイルカーペット11の第1模様P11及び第2模様P21は、それぞれ、縦方向及び横方向に2分割(全体を4分割)するように「+」形状に形成されている。図2Aでは、幅広の第2模様P21の内側に、第1模様P11が形成されている。
【0024】
第1タイルカーペット11において、第1模様P11及び第2模様P21から周縁までの長さは、それぞれ、L2/2で表される。第1模様P11及び第2模様P21から周縁までの長さとは、第1模様P11及び第2模様P21の線幅の中央から、線幅方向に近い側の周縁までの長さである。第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13の説明においても同じである。L2=50[cm]の場合、第1模様P11及び第2模様P21から周縁までの長さは、いずれも25[cm]となる。
【0025】
第2タイルカーペット12は、第1タイルカーペット11の縦方向及び横方向に隣接して配置されるタイルカーペットである。第2タイルカーペット12の当接辺12aが第1タイルカーペット11と当接する。
【0026】
図2Bに示すように、第2タイルカーペット12の第1模様P12は、横方向の中心線S2に関して対称に形成されている。
具体的には、縦方向に延びる第1模様P12は、第1間隔L1で2本形成されている。当接辺12a側の第1模様P12から周縁(当接辺12a)までの長さは、L1-L2/2に設定される。このとき、他方の第1模様P12から周縁(当接辺12aとは反対側の辺)までの長さは、3L2/2-2L1で表される。L1=30[cm]、L2=50[cm]の場合、第1模様P12から周縁までの長さは、それぞれ、5[cm]、15[cm]となる。
また、横方向に延びる第1模様P12は、縦方向に2分割するように、横方向の中心線S2に沿って形成されており、第2模様P22と重なっている。
【0027】
また、第2タイルカーペット12の第2模様P22は、第1タイルカーペット11の第2模様P21と同様に、90°回転対称に形成されている。具体的には、第2模様P22は、縦方向及び横方向に2分割(全体を4分割)するように「+」形状に形成されている。第2模様P22から周縁までの長さは、L2/2で表される。L2=50[cm]の場合、第1模様P12から周縁までの長さは、25[cm]となる。
【0028】
第3タイルカーペットは、第1タイルカーペット11の対角方向に隣接して配置されるタイルカーペットである。第3タイルカーペット12の頂点13aが第1タイルカーペット11と当接する。
【0029】
図2Cに示すように、第3タイルカーペット13の第1模様P13は、対角線S3に関して対称に形成されている。
具体的には、縦方向に延びる第1模様P13は、第1間隔L1で2本形成されており、周縁からの長さが、それぞれ、L1-L2/2、3L2/2-2L1に設定されている。第2タイルカーペット12の縦方向に延びる第1模様P12と同じである。縦方向の第1模様P13と同様に、横方向に延びる第1模様P13も、周縁からの長さが、それぞれ、L1-L2/2、3L2/2-2L1に設定されている。L1=30[cm]、L2=50[cm]の場合、第1模様P13から周縁までの長さは、縦方向及び横方向において、5[cm]、15[cm]となる。
【0030】
また、第3タイルカーペット13の第2模様P23は、第1タイルカーペット11の第1模様P11と同様に、90°回転対称に形成されている。具体的には、第1模様P13は、縦方向及び横方向に2分割(全体を4分割)するように「+」形状に形成されている。第1模様P13から周縁までの長さは、L2/2で表される。L2=50[cm]の場合、第1模様P13から周縁までの長さは、25[cm]となる。
【0031】
第1~第3タイルカーペット11~13は、それぞれ、図3A図3Bに示すように配列される。図3Bにおいて、参照文字「A」、「B」、「C」は、それぞれ、第1~第3タイルカーペット11~13に対応し、参照文字の向きにより、図2A図2Cに示す状態を基準とする第1~第3タイルカーペット11の向きを表している。図1においても同様である。
第1タイルカーペット11が方向性を有していないのに対して、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13は方向性を有しており、向きを90°ずつ回転させると、見え方が変化する。すなわち、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13には、回転非対称な模様が施されている。
【0032】
図3A図3Bに示すように、第2タイルカーペット12は、適宜回転した向きで、第1タイルカーペット11の縦方向及び横方向に隣接して配置される。図3A図3Bにおいて、隣り合う第2タイルカーペット12同士は90°回転した向きとなっており、第1タイルカーペット11を挟んで縦方向又は横方向に対向する第2タイルカーペット12同士は180°回転した向きとなっている。そして、第1タイルカーペット11の第1模様P11及び第2模様P21は、第2タイルカーペット12の第1模様P12及び第2模様P22と連結されている。
【0033】
また、第3タイルカーペット12は、適宜回転した向きで、第1タイルカーペット11の対角方向に隣接して配置される。図3A図3Bにおいて、隣り合う第3タイルカーペット13同士は90°回転した向きとなっており、第1タイルカーペット11を挟んで対角方向に対向する第3タイルカーペット13同士は180°回転した向きとなっている。第3タイルカーペット12の2辺は、第2タイルカーペット12と当接する。当接部分において、第2タイルカーペット12の第1模様P12及び第2模様P22は、第3タイルカーペット13の第1模様P13及び第2模様P23と連結される。
【0034】
隣接する第1タイルカーペット11及び第2タイルカーペット12において、当接部分を挟む第1模様P11、P12は、間隔L1で配置されることになる。隣接する第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13においても、当接部分を挟む第1模様P12、P13は、間隔L1で配置されることになる。したがって、タイルカーペットセット10には、間隔L1の第1寸法基準目印M1を示す格子パターンが形成される。
また、隣接する第1タイルカーペット11及び第2タイルカーペット12において、当接部分を挟む第2模様P21、P22は、間隔L2で配置されることになる。隣接する第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13においても、当接部分を挟む第2模様P22、P23は、間隔L2で配置されることになる。したがって、タイルカーペット10には、間隔L2の第2寸法基準目印M2を示す格子パターンが形成される。
【0035】
第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13は、第1タイルカーペット11に対して向きを変えた状態で配置されるので、外観及び向きを識別可能な識別マークを有することが好ましい。識別マークは、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13の表面に付されてもよいし、裏面に付されてもよい。利用者は、識別マークを参照して第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13の外観及び向きを容易に把握することができるので、敷設する際の作業性が向上する。
【0036】
第1~第3タイルカーペット11が図3Aに示すように配列されたタイルカーペットセット10を、縦横に繰り返し配置することで、図1に示すタイル集合体1が形成される。
【0037】
このように、第1の実施の形態に係るタイルカーペットセット10は、所定寸法からなる矩形状の3種類のタイルカーペットTC(複数種類のタイル)で構成され、タイルカーペットTCを縦横に平面充填してタイル集合体1を形成する。タイル集合体1は、回転非対称な模様が施された第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13を含み、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13を向きを異ならせて配置して形成される。また、タイル集合体1を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットTCの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印M1と第2寸法基準目印M2とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔でタイル集合体1に繰り返し現れる。
【0038】
タイルカーペットセット10によれば、利用者は、タイル集合体1に形成される第1寸法基準目印M1により第1間隔L1を知得できるとともに、第2寸法基準目印M2により第2間隔L2を知得することができる。したがって、机や椅子などの家具を設置する場合に、間隔の異なる2種類の第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を目安とすることができるので、利便性が向上する。例えば、第1間隔L1を30[cm]、第2間隔L2を50[cm]とした場合、第1寸法基準目印M1を目安にして、動線サイズを考慮したレイアウトで家具を設置することもできるし、第2寸法基準目印M2を目安にして、ソーシャルディスタンスを考慮したレイアウトで家具を設置することもできる。
また、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13は向きを変えて使用されるため、タイルカーペットセット10の構成枚数よりも少ない種類のタイルカーペットTCでタイルカーペットセット10を構成することができる。したがって、タイルカーペットTCの量産性が著しく損なわれることはなく、さらに、汚損時の張替えなどに備えて用意しておく予備のタイルカーペットTCの在庫も少なくてすむ。
このように、タイルカーペットセット10によれば、量産性及び取扱性が損なわれることなく、平面充填したときに2種類の第1及び第2寸法基準目印M1、M2を現出させることができ、利便性が格段に向上する。
【0039】
また、タイルカーペットセット10は、第1寸法基準目印M1を形成する第1模様P1と、第1模様P1とは異なる外観をなして第2寸法基準目印M2を形成する第2模様P2と、を有する。回転非対称な模様が施された第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13には、第1模様P1が回転非対称に施されるとともに、第2模様P2が回転対称に施されており、第2タイルカーペット12及び第3タイルカーペット13が向きを変えて配置されることにより、第1模様P1が所定間隔で形成される。
第2模様P2は、90°回転対称であり、タイルカーペットTCの向きに関わらず連結されて第2寸法基準目印M2が形成されるので、タイル集合体1に第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を形成するようなタイルカーペットTCを設計する上で、第1模様P1だけを検討すればよく、設計作業が容易化される。
【0040】
また、タイルカーペットセット10において、タイルカーペットTCの各々は外形形状が正方形をなし、タイル集合体1を形成した場合に、縦方向及び横方向の双方において、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2が現れる。
これにより、利用者は、縦方向及び横方向のそれぞれにおいて、間隔の異なる2種類の第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を目安として家具等を設置することができるので、利便性がさらに向上する。
【0041】
また、タイル集合体1は、第1タイルカーペット11(第1のタイル)と、第1タイルカーペット11の縦方向及び横方向に隣接して配置される第2タイルカーペット12(第2のタイル)と、第1タイルカーペット11の対角方向に隣接して配置される第3タイルカーペット13(第3のタイル)と、を含む。第1タイルカーペット11の第1模様P11は、90°回転対称であり、第2タイルカーペット12の第1模様P12は、横方向の中心線S2(縦方向及び横方向のうちの一方の中心線)に関して線対称であり、第3タイルカーペット13の第1模様P13は、正方形の対角線S3に関して線対称である。
これにより、第1~第3タイルカーペット11~13を適宜回転させて平面充填したときに、第1模様P11~P13が組み合わされて、第1寸法基準目印M1が形成される。
【0042】
また、タイルカーペットセット10において、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、それぞれ、タイル集合体1を形成した場合に、第1模様P1及び第2模様P2によって形成される直線模様を用いた2つの格子パターンにより示される。
これにより、利用者は、間隔の異なる2種類の第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を、タイル集合体1に形成される模様から直接的に認識することができる。
【0043】
また、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、隣接する第1~第3タイルカーペット11~13間の境界(目地)以外に現れる。すなわち、第1~第3タイルカーペット11~13において、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を形成する第1模様P11~P13及び第2模様P21~P22は、周縁部分ではなく、第1~第3タイルカーペット11~13の内部に形成されている。
これにより、第1~第3タイルカーペット11~13の周縁部分に第1模様P11~P13及び第2模様P21~P22を形成する場合に比較して、第1模様P11~P13及び第2模様P21~P22を精度よく適切に加飾することができる。また、経時的に周縁部分が摩耗することによる影響を受けにくく、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2の精度を長期にわたって確保することができる。
【0044】
[変形例1]
図4は、変形例1に係るタイルカーペットセット10-1により形成されるタイル集合体1-1を示す図である。図5A図5Cは、変形例1に係るタイルカーペットセット10-1を構成する第1~第3タイルカーペット11-1~13-1を示す図である。
【0045】
変形例1に係るタイル集合体1-1に形成される模様は、第1の実施の形態で説明したタイル集合体1に形成される模様と同じである。変形例1では、第1~第3タイルカーペット11-1~13-1に加飾されている第1模様P11-1~P13-1及び第2模様P21-1~P23-1が、第1の実施の形態と異なる。変形例1では、タイル集合体1-1の目地が、第2寸法基準目印M2と一致するように、第1模様P11-1~P13-1及び第2模様P21-1~P23-1が形成されている。以下の記載では、主として、第1の実施の形態との相違部分について説明する。
【0046】
図5A図5Cに示すように、第1~第3タイルカーペット11-1~13-1は、第1寸法基準目印M1を形成する第1模様P11-1~P13-1と、第2寸法基準目印M2を形成する第2模様P21-1~P23-1を有する。第2模様P21-1~P23-1は、90°回転対称であり、タイル集合体1-1を形成するときの第1~第3タイルカーペット11-1~13-1の向きに関わらず連結され、第2寸法基準目印M1を形成する。一方、第1模様P11-1~P13-1は、第1~第3タイルカーペット11-1~13-1が向きを変えて配置されることにより互いに組み合わされ、第1寸法基準目印M1を形成する。すなわち、第1~第3タイルカーペット11-1~13-1は、第1の実施の形態と同様の対称性を有している。
【0047】
具体的には、図5Aに示すように、第1タイルカーペット11-1の第1模様P11-1及び第2模様P21-1は、90°回転対称(4回回転対称)に形成されている。具体的には、第1タイルカーペット11-1の第1模様P11-1は、縦方向及び横方向において周縁からの長さが同じとなるように「#」形状に形成されている。第1模様P11-1から周縁までの長さは、(L2-L1)/2で表される。
また、第1タイルカーペット11-1の第2模様P21-1は、第1タイルカーペット11-1の周縁に沿って形成されている。第2模様P21-1の幅は、タイル集合体1-1における第2模様P2の線幅の1/2である。
【0048】
第2タイルカーペット12-1は、当接辺12-1aにおいて、第1タイルカーペット11-1と当接する。図5Bに示すように、第2タイルカーペット12-1の第1模様P12-1は、横方向の中心線S2に関して対称に形成されている。
具体的には、縦方向に延びる第1模様P12-1は、第1間隔L1で2本形成されている。当接辺12-1aから遠い方の1本は、第2タイルカーペット12-1の周縁に沿って形成されており、第2模様P22-1と重なっている。この第1模様P12-1の幅は、タイル集合体1-1における第1模様P1の線幅の1/2である。
横方向に延びる第1模様P12-1は、第1間隔L1で2本形成されており、周縁からの長さが、それぞれ、(L2-L1)/2に設定されている。
また、第2タイルカーペット12-1の第2模様P22-1は、第1タイルカーペット11-1と同様に、第2タイルカーペット12-1の周縁に沿って形成されている。
【0049】
第3タイルカーペット13-1は、頂点13-1aにおいて、第1タイルカーペット11-1と当接する。第3タイルカーペット13-1の第1模様P13-1は、対角線S3に関して対称に形成されている。
具体的には、縦方向に延びる第1模様P13-1は、第1間隔L1で2本形成されている。頂点13-1aから遠い方の1本は、第3タイルカーペット13-1の周縁に沿って形成されており、第2模様P23-1と重なっている。
横方向に延びる第1模様P13-1も同様に、第1間隔L1で2本形成されている。そして、頂点13-1aから遠い方の1本は、第3タイルカーペット13-1の周縁に沿って形成されており、第2模様P23-1と重なっている。
また、第3タイルカーペット13-1の第2模様P23-1は、第1タイルカーペット11-1と同様に、第3タイルカーペット13-1の周縁に沿って形成されている。
【0050】
第1~第3タイルカーペット11-1~13-1を、図4に示すように配置することにより、タイルカーペットセット10-1には、間隔L1の第1寸法基準目印M1を示す格子パターン及び間隔L2の第2寸法基準目印M2を示す格子パターンが形成される。このタイルカーペットセット10-1を、縦横に繰り返し配置することで、図3に示すタイル集合体1-1が形成される。
【0051】
変形例1に係るタイルカーペットセット10-1は、第1の実施の形態と同様の構成を有しているといえ、同様の作用効果が得られる。
【0052】
[変形例2]
図6は、変形例2に係るタイルカーペットセット10-2により形成されるタイル集合体1-2を示す図である。図7A図7Cは、変形例2に係るタイルカーペットセット10-2を構成する第1~第3タイルカーペット11-2~13-2を示す図である。
【0053】
第1の実施の形態では、タイル集合体1に形成される直線状のパターン自体が第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2となっていたのに対して、変形例2では、タイル集合体1-2に形成されるパターンによって浮かび上がる仮想的な直線が第1寸法基準目印M1となっている。以下の記載では、主として、第1の実施の形態との相違部分について説明する。
【0054】
図7A図7Cに示すように、第1~第3タイルカーペット11-2~13-2は、第1寸法基準目印M1を形成する第1模様P11-2~P13-2と、第2寸法基準目印M2を形成する第2模様P21-2~P23-2を有する。第2模様P21-2~P23-2は、90°回転対称であり、タイル集合体1-1を形成するときの第1~第3タイルカーペット11-2~13-2の向きに関わらず連結され、第2寸法基準目印M1を形成する。一方、第1模様P11-2~P13-2は、第1~第3タイルカーペット11-1~13-1が向きを変えて配置されることにより互いに組み合わされ、第1寸法基準目印M1を形成する。すなわち、第1~第3タイルカーペット11-2~13-2は、第1の実施の形態と同様の対称性を有している。
【0055】
変形例2では、第2模様P21-2~P23-2は、第1の実施の形態と同様に、縦方向及び横方向に2分割(全体を4分割)するように「+」形状に形成されている。
第2寸法基準目印M2は、タイル集合体1-2において、第2模様P21-2~P23-2が連結されてなる格子パターンにより直接的に認識される。
【0056】
一方、第1模様P11-2~P13-2は、タイル集合体1-2において、第1間隔L1を直径とする同一サイズの円が互いに接して縦横に配置された円パターンが形成されるような模様となっている。
第1寸法基準目印M1は、タイル集合体1-2上に描出された図形から直接的に認識されるものではないが、規則的に配列されている円によって浮かび上がる配列方向に沿う仮想線を第1寸法基準目印M1として利用できる。利用者は、例えば、隣接する円の接点を結ぶ仮想線(図6参照)を第1寸法基準目印M1として認識することもできるし、円の中心を結ぶ仮想線を第1寸法基準目印M1として認識することもできる。
【0057】
なお、変形例2とは逆に、円パターンに基づく仮想線が第2寸法基準目印M2を形成し、格子パターンが第1寸法基準目印M1を形成するようにしてもよい。
【0058】
[変形例3]
図8は、変形例3に係るタイルカーペットセット10-3により形成されるタイル集合体1-3を示す図である。
【0059】
第1寸法基準目印M1の間隔L1と、第2寸法基準目印M2の間隔L2とが、下記の式(1)の関係を満たしている。
L2=(2n+1)・L1/2 ・・・(1)
nは1以上の整数
【0060】
例えば、L1=30[cm]、n=1とした場合、L2=45[cm]となる。タイルサイズXの2倍が第1間隔L1で割り切れるので、タイルカーペットセット10-3は、図8に示すように、2×2配列となる。
【0061】
この場合、第1~第3タイルカーペット11-3~13-3の第2模様P2が90°回転対称であること、及び、第1タイルカーペット11-3の第1模様P1は、90°回転対称であり、第2タイルカーペット12-3の第1模様P1は、縦方向の中心線に関して線対称であり、第3タイルカーペット13-3の第1模様P1は、正方形の対角線に関して線対称であることは、第1の実施の形態でも説明したとおりである。
さらに、第2タイルカーペット12-3の第1模様P1は、縦方向に加えて横方向の中心線に関しても線対称となり、第3タイルカーペット13-3の第1模様は、90°回転対称となる。
【0062】
すなわち、第1寸法基準目印M1の間隔L1と、第2寸法基準目印M2の間隔L2とが、上記の式(1)の関係を満たす場合、タイルカーペットセット10-3を、1枚の第1タイルカーペット11-3、2枚の第2タイルカーペット12-3及び1枚のタイルカーペット13-3の計4枚で構成することができ、第2タイルカーペット12-3が互いに90°回転した向きで配置されることとなる。第1タイルカーペット11-3及び第3タイルカーペット13-3は、90°回転対称であり、向きを気にせずに敷設することができ、敷設作業が格段に向上する。
なお、以上においては正方形のタイルカーペットの一辺を45[cm]とし、第1寸法基準目印M1の間隔L1=30[cm]、第2寸法基準目印M2の間隔L=45[cm]とする場合を示したが、このほかに例えば、タイルカーペットの一辺を50[cm]とした上で、第1寸法基準目印M1の間隔L1=約33.3[cm]と、第2寸法基準目印M2の間隔L=50[cm]とし、第1模様を2×2配列のタイルカーペットに均等分割してタイルカーペットセットを構成することも可能である。
【0063】
[変形例4]
図9は、変形例4に係るタイルカーペットセット10-4により形成されるタイル集合体1-4を示す図である。
変形例4では、第1の実施の形態のタイル集合体1(図1参照)と同様に、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2は、それぞれ、タイル集合体1-4を形成した場合に、第1模様P1及び第2模様P2によって形成される直線模様を用いた2つの格子パターンにより示されている。
【0064】
変形例4において、第1模様P1は、第1間隔L1で狭い切れ目が入った破線で形成されており、L1角の格子の各辺が中点で分断されている。すなわち、破線における線の切れ目が第3寸法基準目印として、所定の寸法間隔L3(=L1/2)でタイル集合体1-4に繰り返し現れている。これにより、利用者は、第1間隔L1及び第2間隔L2に加えて、L1/2や3×L1/2の間隔(L1=30[cm]の場合は、15[cm]や45[cm])を知得できるので、利便性がさらに向上する。
【0065】
[第2の実施の形態]
図10は、第2の実施の形態に係るタイルカーペットセット20により形成されるタイル集合体2の一例を示す図である。図11A図11Dは、タイルカーペットセット20を構成する第1~第4のタイルカーペット21~24を示す図である。なお、図10では、参照文字「A-1」、[B-1]、「A-2」、「B-2」の向きにより、第1~第4のタイルカーペット21~24の向きを表している。
【0066】
図10に示すように、タイル集合体2は、一辺がX[cm]の正方形形状のタイルカーペットTC2を平面充填することにより形成される。図10では、タイルカーペットTC2同士の境界である目地(符号略)を破線で示している。
【0067】
タイルカーペットセット20(図10の太線で囲まれた部分)は、タイル集合体2を形成する場合に縦横に繰り返される最小単位であり、所定の規則に従って配列される複数枚のタイルカーペットTC2で構成される。第2の実施の形態では、タイルカーペットセット20は、第1~第4のタイルカーペット21~24により構成されている。
【0068】
タイル集合体2には、第1間隔L1[cm]の目安となる第1寸法基準目印M1が、横方向のみに形成されており、第2間隔L2[cm]の目安となる第2寸法基準目印M2が、縦方向及び横方向に形成されている。第1間隔L1及び第2間隔L2は、例えば、タイルサイズX以下に設定される。
すなわち、第1~第4のタイルカーペット21~24には、タイル集合体2を形成した場合に、横方向に第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2が現れ、縦方向に第2寸法基準目印M2のみが現れるような模様が形成されている。具体的には、第1~第4のタイルカーペット21~24には、図11A図11Dに示すように、タイル領域を横方向に分割するように色彩が施されている。
【0069】
第1タイルカーペット21には、左側に幅L1で第1色彩C11(第1模様)が施され、右側に幅L2-L1で第2色彩C21(第2模様)が施されている。第2タイルカーペット22には、中央に幅L1で第3色彩C12(第3模様)が施され、右側及び左側に幅(L2-L1)/2で第4色彩C22(第4模様)が施されている。
第3タイルカーペット23には、左側に幅L1で第3色彩C12が施され、右側に幅L2-L1で第4色彩C22が施されている。第4のタイルカーペット24には、中央に幅L1で第1色彩C11が施され、右側及び左側に幅(L2-L1)/2で第2色彩C21が施されている。
【0070】
すなわち、第1タイルカーペット21の模様と、第3タイルカーペット23の模様は、図形が同じで、色彩(配色パターン)が異なる模様であるといえる。また、第2タイルカーペット22の模様と、第4のタイルカーペット24の模様も、図形が同じで、色彩(配色パターン)が異なる模様であるといえる。例えば、第1色彩C11と第3色彩C12、及び第2色彩C21と第4色彩C22は、淡色と濃色の関係にある。第1タイルカーペット21及び第3タイルカーペット23は、180°回転させて向きを変えた状態でも配置されるので、外観及び向きを識別可能な識別マークを有することが好ましい。
【0071】
第1~第4のタイルカーペット21~24の模様は、いずれも、同じ色彩が一方向に連続する模様であるので、タフト機により、安価に製造することができる。なお、第1~第4のタイルカーペット21~24の模様は、第1の実施の形態同様に、例えば、ポリウレタンなどの樹脂基材に、プリント加工により加飾されてもよい。
【0072】
第1タイルカーペット21及び第3タイルカーペット23は、左右非対称であり、向きを180°回転させることにより、見え方が変化する。これに対して、第2タイルカーペット22及び第4のタイルカーペット24は、左右対称、すなわち、180°回転対称であり、向きを180°回転させても、見え方は変化しない。以下において、図11A図11Dに示す向きを「正位」、180°回転させた向きを「逆位」と称する。
【0073】
図10に示すように、タイルカーペットセット20において、第1タイルカーペット21及び第3タイルカーペット23は、適宜回転した向きで配置される。具体的には、正位の第1タイルカーペット21、正位の第2タイルカーペット22、逆位の第1タイルカーペット21、正位の第3タイルカーペット23、正位の第4のタイルカーペット24、及び逆位の第3タイルカーペット23を、横方向に順に並べることで、タイルカーペットセット20が構成される。
【0074】
タイル集合体2において、タイルカーペットセット20は、横方向に並べて配置される。また、タイルカーペットセット20は、縦方向については、図形が同じで色彩(配色パターン)が異なるタイルカーペットが交互に千鳥状に並ぶ。すなわち、縦方向については、第1タイルカーペット21と第3タイルカーペット23が交互に並ぶように、また、第2タイルカーペット22と第4のタイルカーペット24が交互に並ぶように、タイルカーペットセット20を横方向に3タイルずらしながら配置される。
【0075】
タイル集合体2において、横方向には、幅広の色彩部分の境界(色の切り替わり箇所)、すなわち、縦縞のパターンにより、第1間隔L1を示す第1寸法基準目印M1が形成される。また、タイル集合体2において、縦方向及び横方向には、色彩の濃淡の境界により、第2間隔L2を示す第2寸法基準目印M2が形成される。
【0076】
このように、第2の実施の形態に係るタイルカーペットセット20は、所定寸法からなる矩形状の第1~第4のタイルカーペット21~24(複数種類のタイル)で構成され、第1~第4のタイルカーペット21~24を縦横に平面充填してタイル集合体2(タイル集合体)を形成する。タイル集合体2は、回転非対称な模様が施された第1タイルカーペット21及び第3タイルカーペット23を含み、第1タイルカーペット21及び第3タイルカーペット23を向きを異ならせて配置して形成される。また、タイル集合体2を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットTC2の模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印M1と第2寸法基準目印M2とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔でタイル集合体2に繰り返し現れる。
【0077】
タイルカーペットセット20によれば、第1の実施の形態に係るタイルカーペット10と同様の作用効果が得られる。すなわち、タイルカーペットセット20によれば、量産性及び取扱性が損なわれることなく、平面充填したときに2種類の第1及び第2寸法基準目印M1、M2を現出させることができ、利便性が格段に向上する。
【0078】
また、タイルカーペットセット20において、第1~第4のタイルカーペット21~24の模様は、タイル集合体2を形成した場合に、横方向(縦方向及び横方向の何れか一方)に第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2が現れ、縦方向(何れか他方)に第2寸法基準目印M2のみが現れる模様である。つまり、第1~第4のタイルカーペット21~23の模様は、同じ色彩が一方向に連続する模様である。
これにより、第1~第4のタイルカーペット21~24を、タフト機により、安価に製造することができる。
【0079】
また、タイル集合体2を形成した場合に、太線状からなる縞模様における色の切り替わり箇所により前記第1寸法基準目印M1が示されるとともに、隣接するタイルカーペットTC2間において地色を異ならせることにより、第2寸法基準目印M2が示される。
これにより、タイル集合体2に、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を容易かつ鮮明に形成することができる。
【0080】
また、タイルカーペットセット20は、以下のように表現することもできる。すなわち、タイルカーペットセット20は、一辺の長さがL2の矩形形状の第1タイルカーペット21(第1のタイル)と、第1タイルカーペット21と隣接して配置される第2タイルカーペット22(第2のタイル)を含み、第1タイルカーペット21は、幅L1の第1色彩C11(第1模様)と幅L2-L1の第2色彩C21(第2模様)とを有し、第2タイルカーペット22は、幅L1の第3色彩C12(第3模様)を中央部に有し、その両側に幅(L2-L1)/2、且つ、第2色彩C21と異なる第4色彩C22(第4模様)を有する。
【0081】
また、タイルカーペットセット20は、第1タイルカーペット21(第1のタイル)と同一形状且つ同一図柄で、配色の異なる第3タイルカーペット23(第3のタイル)と、第2タイルカーペット22(第2のタイル)と同一形状且つ同一図柄で配色の異なる第4のタイルカーペット24(第4のタイル)と、を含む。
【0082】
また、タイルカーペットセット20は、図12に示すように配置されて、タイル集合体2-1を形成してもよい。すなわち、図12に示すタイル集合体2-1は、第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2の各々の寸法間隔の最小公倍数からなる縦横寸法に充填した第1~第4タイルカーペット21~24からなるタイル群31、32を、隣接するタイル群31、32同士で向きを異ならせて配置して形成されている。具体的には、タイル群31、32は、互いに90°回転した姿勢で配置されている。
この場合、利用者は、縦方向及び横方向のそれぞれにおいて、間隔の異なる2種類の第1寸法基準目印M1及び第2寸法基準目印M2を目安として家具等を配置することができるので、利便性がさらに向上する。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0084】
また、実施の形態で示したタイルサイズX、第1間隔L1及び第2間隔L2の寸法は一例であり、適宜変更することができる。例えば、タイルサイズXは、第2間隔L2と異なる値に設定されてもよい。また例えば、ヤード・ポンド法の寸法単位に従って第1間隔L1又は第2間隔L2が設定されてもよい。
【0085】
また例えば、上述した実施の形態では、タイル集合体における異なる寸法間隔の寸法基準目印として、第1、第2の合計2種類を設ける場合を示したが、より利便性を上げるためにさらに異なる寸法間隔の寸法基準目印を追加し、合計3種類以上にすることも可能である。この場合には、例えば、追加する寸法基準目印の寸法間隔を、他の寸法基準目印の半分の寸法にすれば、タイルカーペットの模様の種類が増加するのも防止できる。
さらに、上述した実施の形態では、寸法基準目印を線や破線、図形模様等によって表現する場合を示したが、寸法基準目印は見分けがつくものであれば足りるため、例えば色違いや縫製方向違いなど、他の表現方法を採用したり、これらと線等とを併用したりすることも可能である。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
1 タイル集合体
10 タイルカーペットセット
TC、11~13 タイルカーペット
L1 第1間隔
L2 第2間隔
M1 第1寸法基準目印
M2 第2寸法基準目印
P1 第1模様
P2 第2模様
X タイルサイズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定寸法からなる矩形状のタイルカーペットの複数を有し、前記タイルカーペットを縦横に平面充填してタイル集合体を形成するタイルカーペットセットであって、
前記タイル集合体は、回転非対称な模様が施されたタイルカーペットの複数を含み、該タイルカーペットを向きを異ならせて配置して形成され、
前記タイル集合体を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印と第2寸法基準目印とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れ
前記第1寸法基準目印の前記寸法間隔と、前記第2寸法基準目印の前記寸法間隔とは、互いに約数又は倍数の関係にない2種類の有理数からなる、
タイルカーペットセット。
【請求項2】
前記第1寸法基準目印を形成する第1模様と、前記第1模様とは異なる外観をなして前記第2寸法基準目印を形成する第2模様と、を有し、
前記回転非対称な模様が施されたタイルカーペットには、前記第1模様が回転非対称に施されるとともに、前記第2模様が回転対称に施され、
前記回転非対称な模様が施されたタイルカーペットが向きを変えて配置されることにより前記第1模様が所定間隔で形成される、
請求項1に記載のタイルカーペットセット。
【請求項3】
前記タイルカーペットの各々は外形形状が正方形をなし、
前記タイル集合体を形成した場合に、縦方向及び横方向の双方において、前記第1寸法基準目印及び前記第2寸法基準目印が現れる、
請求項1又は2に記載のタイルカーペットセット。
【請求項4】
第1のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットの縦方向及び横方向に隣接して配置される第2のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットの対角方向に隣接して配置される第3のタイルカーペットと、を含み、
前記第1のタイルカーペットの前記第1模様は、90°回転対称であり、
前記第2のタイルカーペットの前記第1模様は、前記縦方向及び前記横方向のうちのいずれか一方の中心線に関して線対称であり、
前記第3のタイルカーペットの前記第1模様は、前記正方形のいずれか一方の対角線に関して線対称である、
請求項2又は3に記載のタイルカーペットセット。
【請求項5】
前記第1寸法基準目印及び前記第2寸法基準目印は、それぞれ、前記タイル集合体を形成した場合に、前記第1模様及び前記第2模様によって形成される直線模様を用いた2つの格子パターンにより示される、
請求項2から4のいずれか一項に記載のタイルカーペットセット。
【請求項6】
2つの前記格子パターンのうちの一方に用いられる前記直線模様は、破線であり、
該破線における線の切れ目が第3寸法基準目印として所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れる、
請求項5に記載のタイルカーペットセット。
【請求項7】
前記タイル集合体を形成した場合に、太線状からなる縞模様における色の切り替わり箇所により前記第1寸法基準目印が示されるとともに、隣接するタイルカーペット間において地色を異ならせることにより、前記第2寸法基準目印が示される、
請求項1に記載のタイルカーペットセット。
【請求項8】
回転非対称な模様が施された第1のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットと配色パターンが異なり、180°回転対称な図形が施された第2のタイルカーペットと、
前記第1のタイルカーペットと図形が同じで、前記第2のタイルカーペットと配色パターンが同じ第3のタイルカーペットと、
前記第2のタイルカーペットと図形が同じで、前記第1のタイルカーペットと配色パターンが同じ第4のタイルカーペットと、を含み、
前記タイル集合体は、同一配色パターンのタイルカーペットを千鳥状に配置して形成される、
請求項7に記載のタイルカーペットセット。
【請求項9】
前記タイル集合体は、前記第1、第2寸法基準目印の各々の寸法間隔の最小公倍数からなる縦横寸法に充填したタイルカーペットの群を、隣接する群同士で向きを異ならせて配置して形成される、請求項8に記載のタイルカーペットセット。
【請求項10】
前記タイルカーペットの各々は、外観および向きを識別可能な識別マークを有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のタイルカーペットセット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係るタイルカーペットセットは、
所定寸法からなる矩形状のタイルカーペットの複数を有し、前記タイルカーペットを縦横に平面充填してタイル集合体を形成するタイルカーペットセットであって、
前記タイル集合体は、回転非対称な模様が施されたタイルカーペットの複数を含み、該タイルカーペットを向きを異ならせて配置して形成され、
前記タイル集合体を形成した場合に、それぞれのタイルカーペットの模様の組合せにより、縦方向及び横方向の少なくとも一方において、第1寸法基準目印と第2寸法基準目印とがそれぞれ異なる所定の寸法間隔で前記タイル集合体に繰り返し現れ
前記第1寸法基準目印の前記寸法間隔と、前記第2寸法基準目印の前記寸法間隔とは、互いに約数又は倍数の関係にない2種類の有理数からなる。