(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180071
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/04 20060101AFI20221129BHJP
D06F 39/00 20200101ALI20221129BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20221129BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20221129BHJP
D06F 39/02 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
D06F58/04
D06F39/00 A
D06F39/08 301A
D06F58/02 Q
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086979
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AB24
3B166BA83
3B166BA86
3B166CA02
3B166CA03
3B166CA04
3B166CA05
3B166CA06
3B166CA15
3B166CA17
3B166CA28
3B166CB04
3B166CB13
3B166CC01
3B166CC02
3B166CD01
3B166CD05
3B166CD15
3B166DA03
3B166DA35
3B166DC12
3B166DC14
3B166DC43
3B166DC44
3B166DC47
3B166DE06
3B166FA01
3B166FA06
3B166FB01
3B166FB09
3B166GA05
3B166GA06
3B166GA07
3B166GA12
3B166GA22
3B166GA45
3B166GB02
3B166HA16
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】本発明は、制御基板と接続される機器の配線の引き回しを容易にする洗濯機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、筐体1と、筐体1内に備えられた外槽10と、外槽10に内挿され洗濯物を投入する投入口を備えたドラム11と、外槽10に洗剤及び水を供給する給水ユニット30と、ドラム11内に風を吹き出す乾燥ユニット40と、洗濯機の運転を制御する制御ユニット20と、を備える。給水ユニット30、乾燥ユニット40、制御ユニット20は、筐体1の上部であって左右方向に並んで配置した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体内に備えられた外槽と、前記外槽に内挿され洗濯物を投入する投入口を備えたドラムと、前記外槽に洗剤及び水を供給する給水ユニットと、前記ドラム内に風を吹き出す乾燥ユニットと、洗濯機の運転を制御する制御ユニットと、を備え、
前記給水ユニット、前記乾燥ユニット、前記制御ユニットは、前記筐体の上部であって左右方向に並んで配置したことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御ユニットは、前記給水ユニットと前記乾燥ユニットの間に配置したことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御ユニットは、制御部品を実装する制御基板と、前記制御基板を支持する支持台と、前記支持台に装着し、前記制御基板を覆うケース体とを備え、
前記乾燥ユニット側に位置する前記ケース体の一方の側面には、前記乾燥ユニットと前記制御基板とを電気的に接続するための第1配線を引き出すための第1切欠き部を備え、
前記給水ユニット側に位置する前記ケース体の他方の側面には、前記給水ユニットと前記制御基板とを電気的に接続するための第2配線を引き出すための第2切欠き部を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項3において、
前記制御ユニットは、前記ケース体が下方に位置し、前記支持台が上方に位置するように配置したことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項4において、
前記ケース体は金属で構成され、
前記筐体の上部には、前記給水ユニット、前記乾燥ユニット、前記制御ユニットを覆う金属製の上面カバーを配置したことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラム式洗濯乾燥機に関する技術として、例えば特許文献1~3に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1には、筐体内に備えた外槽と、外槽に内包され、衣類を投入する金属製の洗濯槽と、洗濯槽を誘導加熱するインダクションモジュールと、インダクションモジュールを制御するモジュール制御部とを備えたドラム式洗濯乾燥機が記載されている。モジュール制御部は、ドラム式洗濯乾燥機を正面から見て、筐体の上部右端に配置するようにしている。
【0004】
また、特許文献2には、筐体内に備えた外槽と、外槽に内包され、衣類を投入する洗濯槽と、洗濯槽を回転駆動するモータと、筐体の上部に配置された給水手段と、筐体の上部に配置され、洗濯、すすぎ、脱水等の動作を制御する制御基板を備えたドラム式洗濯機が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、筐体内に備えた外槽と、外槽に内包され、衣類を投入する洗濯槽と、洗濯槽を回転駆動するモータと、筐体の上部後方に配置された給水ユニットと、筐体の上部右端に配置された乾燥ユニットと、筐体の上部前側に配置されたメインの制御基板と、筐体の上部中央に配置された無線通信装置を備えたドラム式洗濯乾燥機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2020-530330号公報
【特許文献2】特開2010-63750号公報
【特許文献3】特開2020-48615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、洗剤を自動で投入する洗剤自動投入機構を持つ給水ユニットを備えた洗濯機がある。洗剤自動投入機構を持つ給水ユニットは筐体の上部に搭載される。筐体の上部には、上記給水ユニットに加え、乾燥ユニット等も搭載され、これらを搭載する制御基板の位置によっては、制御基板と給水ユニット、乾燥ユニットと接続する配線が長くなるといった課題がある。上記した特許文献1及び2では、制御装置と給水ユニット、乾燥ユニットと接続する配線については、一切考慮されていなかった。
【0008】
また、特許文献3では、制御基板と給水ユニットが前後方向に並んで左端に配置され、乾燥ユニットが右端に配置されているため、制御基板と乾燥ユニットと制御基板との配線が長くなるといった課題がある。さらに、制御基板は延焼防止のため、金属製のカバーで全周を覆う必要があり、部品点数が増加するといった課題がある。さらにまた、特許文献3では、筐体の上部中央に無線通信装置が配置されているため、制御基板を覆う金属製のカバーが通信を阻害しないように配慮する必要があった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、制御基板と接続される機器の配線の引き回しを容易にする洗濯機を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、制御基板を覆う金属製カバーの使用量を低減し、コストを抑制する洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、筐体と、前記筐体内に備えられた外槽と、前記外槽に内挿され洗濯物を投入する投入口を備えたドラムと、前記外槽に洗剤及び水を供給する給水ユニットと、前記ドラム内に風を吹き出す乾燥ユニットと、洗濯機の運転を制御する制御ユニットと、を備え、前記給水ユニット、前記乾燥ユニット、前記制御ユニットは、前記筐体の上部であって左右方向に並んで配置したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記構成に加え、制御基板を覆うケース体を金属で構成し、前記筐体の上部には、前記給水ユニット、前記乾燥ユニット、前記制御ユニットを覆う金属製の上面カバーを配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、制御基板と接続される機器の配線の引き回しを容易にする洗濯機を提供することができる。
【0014】
また、本発明によれば制御基板を覆う金属製カバーの使用量を低減し、コストを抑制する洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示す側方から見た断面図である。
【
図3】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の上面図である。
【
図4】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の一部を分解した外観斜視図である。
【
図5】
図4の支持台21に制御基板22を覆うケース体23を取付けた状態を示す外観斜視図である。
【
図6】
図4の支持台21に制御基板22を覆うケース体23を取付けた状態を示す外観斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100に上カバーを装着する状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
【0017】
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0018】
図1は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の外観斜視図である。
図2は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示す側方から見た断面図である。
図3は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の上面図である。
図1乃至
図3を用いて、ドラム式洗濯機100の構成と動作を説明する。
【0019】
まず、説明に供する各方向を定義する。本実施例では、ドラム式洗濯機100を使用者の視点から見た時の水平方向が左右方向、高さ方向が上下方向、奥行き方向が前後方向とする。
【0020】
図1において、ドラム式洗濯機100の外側を構成する筐体1は、両側面と背面とが一体の鋼板で形成され上方から見た形状がU字状の筐体本体1bと、筐体本体1bの下方に配置されたアンダープレート(図示せず)と、筐体本体1bの前面を覆う前面カバー1a(
図4)と、上部に配置された上面カバー1cとで構成されている。また、筐体1の前面には、開閉可能なドア2が配置されている。
【0021】
筐体1の背面上部には水道栓からドラム式洗濯機100に給水するための給水ホース接続口7(
図3)が備えられている。ドア2は、前面カバー1aに設けたヒンジで開閉可能に支持されている。ドア2は、ドア開放取っ手2aを引くことで、ロック機構が外れて前側に向かって開き、ドア2を前面カバー1aに押し付けることでロックされて閉じる。
【0022】
前面カバー1aは、外槽10(
図2)の開口部と同中心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
【0023】
ドア2には、操作スイッチ等を配置した操作部3が備えられている。操作部3は、ガラスタッチパネル方式となっており、筐体1の内部に備えられている制御ユニット20(
図2)に電気的に接続している。
【0024】
筐体1の背面には、排水を行うための排水ホース8(
図3)が取り付けられている。
【0025】
ドラム式洗濯機100の筐体1の内部には、水を溜める外槽10が備えられている。外槽10は、洗濯物を収容するためのドラム11を内挿する。外槽10は、ばね(図示せず)を介して筐体1から吊るされており、外槽10の重心位置を左右から吊り下げる。外槽10の下部は、筐体1に固定された防振部材12で支持されている。
【0026】
外槽10の後方には、ドラム11と接続された回転軸4を備え、この回転軸4にはプーリー5が接続されている。プーリー5には、ベルト6を介してモータ13が接続されている。そして、モータ13は、ベルト6、プーリー5、回転軸4を介してドラム11を回転駆動している。
【0027】
制御ユニット20は、モータ13の回転数を制御する。
【0028】
また、制御ユニット20はドラム式洗濯機100に備えられた振動センサ(図示せず)のセンサ値の取得を行う。脱水工程時に、ドラムに投入した衣類のアンバランスによって、振動センサが検知した外槽10の振動振幅が予め設定された閾値を超えると、脱水工程を一時停止して、ドラム11を正転、逆転させ、衣類のアンバランスを修正した上で脱水工程のやり直しを行う。モータ13が駆動すると、ドラム11は正転、逆転の両方向に回転駆動される。
【0029】
ドラム11の内周面には、ドラム内の洗濯水を外槽10に排水するための複数個の脱水孔11aと、ドラム11の周方向に間隔をおいて配置され、ドラム内に投入された衣類を持ち上げるための複数個のバッフル14が備えられている。バッフル14はドラム11の前後方向に延びるように設置している。
【0030】
外槽10の開口部と筐体1の投入口は、前後方向に伸縮しやすいベローズ15により接続される。ベローズ15は、環状の弾性部材で成形され、ドア2を閉めることでドラム11を水封する。また、筐体1の投入口、外槽10の開口部、ドラム11の開口部は連通しており、ドア2を開くことでドラム11内への衣類の出し入れが可能となる。
【0031】
筐体1の上部であって給水ホース接続口7の前部には、給水弁31を備えた給水ユニット30(
図3)が備えられている。この給水ユニット30には、洗剤を収容するための洗剤収容部32aと、仕上剤を収容するための仕上剤収容部32bを備えている。洗剤収容部32aと仕上剤収容部32bは、ホースを介して給水弁31に接続されている。給水ユニット30は前側に引き出すことが可能であり、引き出した状態で使用者は洗剤及び仕上剤を洗剤収容部32a、仕上剤収容部32bを投入する。
【0032】
洗濯時において、給水弁31が開くと、給水ホース接続口7から水が流入し、洗剤収容部32aを介して外槽10に給水される。洗剤収容部32aには、予め洗剤が入れられており、供給された水と共に、洗剤が外槽10に投入される。また、同様に、すすぎ時には、供給された水と共に、仕上剤収容部32bから仕上剤が外槽10に投入される。
【0033】
外槽10の下部に備えられた排水ホース8の排水経路には、排水ポンプ(図示せず)が備えられている。排水ポンプを動作しない場合には外槽10に給水した水が外槽10内に溜まり、排水ポンプを動作させた場合には外槽10の洗濯水が排水ホース8からドラム式洗濯機100の機外に排水される。
【0034】
また、筐体1(外槽10)の上部には、衣類の乾燥を行う乾燥ユニット40が備えられている。乾燥ユニット40は、空気を加熱するヒータが配置された加熱部41と、加熱部41に空気を送風するための送風ファン42とを備えている。
【0035】
本実施例の制御ユニット20、給水ユニット30、乾燥ユニット40は、筐体1の前後方向に延びており、また制御ユニット20、給水ユニット30、乾燥ユニット40は、左右方向に並んで配置されている。本実施例では、左右方向において、制御ユニット20と乾燥ユニット40との間に、給水ユニット30を配置している。
【0036】
次に、
図4から
図7を用いて、制御ユニット20の構成及び制御ユニット20の取付け方法について説明する。
図4は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100の一部を分解した外観斜視図である。
図4では、制御ユニット20を乾燥ユニット40側に寄せた状態を示しており、またドラム式洗濯機100を右側前方から見た状態を示している。
図5は、
図4の支持台21に制御基板22を覆うケース体23を取付けた状態を示す外観斜視図である。
図5では、ドラム式洗濯機100を右側前方から見た状態を示している。
図6は、
図4の支持台21に制御基板22を覆うケース体23を取付けた状態を示す外観斜視図である。
図6では、ドラム式洗濯機100を左側前方から見た状態を示している。
図7は、本発明の実施例に係るドラム式洗濯機100に上カバーを装着する状態を示す外観斜視図である。
【0037】
制御ユニット20は、筐体1の前後方向に延びた支持台21と、支持台21に取付けられ、制御部品を実装する制御基板22と、支持台21に取り付けられ、制御基板22を覆うケース体23を備えている。ケース体23は、金属製部材で構成されている。
【0038】
図4に示すように、制御基板22には、乾燥ユニット40、モータ13等と電気的に接続される配線24a,24bが接続される。配線24a,24b(第1配線)は、一端側のコネクタ(図示せず)が乾燥ユニット40、モータ13に接続され、他端側のコネクタ(図示せず)が制御基板22に接続される。排水ポンプやモータ13に接続された配線24a,24bは、筐体1の下方から上方に向かって配線され、制御ユニット20(支持台21)の下部を通り、制御ユニット20の左側から制御基板22に接続される。給水ユニット30と接続される配線24c(第2配線)は、一端側のコネクタが制御基板22に接続され、他端側のコネクタが筐体1の右側に突出するように配線されている。
【0039】
次に、各配線24a,24b,24cが制御基板22に接続された状態において、支持台21の上方から制御基板22を覆うようにケース体23を装着する(
図5、
図6)。
【0040】
ケース体23の左側面には、切欠き部23a,23b(第1切欠き部)が形成されており、この切欠き部23a,23bから配線24a,24bが引き出されている(
図6)。一方、ケース体23の右側面には、切欠き部23c(第2切欠き部)が形成されており、この切欠き部23cから配線24cが引き出されている(
図5)。
【0041】
支持台21にケース体23を装着した状態から、支持台21を左側に向かって引っくり返すと(
図5の矢印参照)、支持台21は給水ユニット30と乾燥ユニット40との間に収まる。制御ユニット20は、上下及び左右が反転し、支持台21が上方に位置すると共に、ケース体23が下方に位置している。
【0042】
また、切欠き部23a,23bが右側面に位置し、この切欠き部23a,23bから引き出された配線24a,24bが維持される。すなわち、乾燥ユニット40側に位置するケース体23の一方の側面には、乾燥ユニット40と制御基板22とを電気的に接続するための配線24a,24bを引き出すための切欠き部23a,23bが位置する。
【0043】
一方、切欠き部23cは左側面に位置し、切欠き部23cから引き出された配線24cも左側に移動する。すなわち、給水ユニット30側に位置するケース体23の他方の側面には、給水ユニット30と制御基板22とを電気的に接続するための配線24cを引き出すための切欠き部23cが位置する。左側に移動した配線24cの他端は、給水ユニット30に接続する。配線24cの他端は、給水ユニット30がある左側に移動するので、制御ユニット20と給水ユニット30との接続作業を容易に行うことができる。このようにして、制御基板22と給水ユニット30、乾燥ユニット40、モータ13等との配線が完了する。
【0044】
本実施例によれば、左右方向において制御ユニット20を中心としてその左右に給水ユニット30、乾燥ユニット40を配置するようにしているので、配線の引き回しが容易となり、配線の作業性を向上することができる。また、配線の長さを短くすることができるので、コストを低減することができる。なお、本実施例では、制御ユニット20を中心としてその左右に給水ユニット30、乾燥ユニット40を配置したが、配置構成はこれに限定されるものでは無い。給水ユニット30、乾燥ユニット40、制御ユニット20は、筐体1の上部であって左右方向に並んで配置するようにすれば良い。
【0045】
制御基板22と給水ユニット30、乾燥ユニット40、モータ13等との配線が完了後、筐体1(前面カバー1a、筐体本体1b)の上部には、金属製の上面カバー1cを配置し、制御ユニット20、給水ユニット30、乾燥ユニット40の上部を覆う(
図7)。制御基板22は、下方が金属製のケース体23で覆われ、上部が金属製の上面カバー1cで覆われる。すなわち、制御基板22は、全周囲を金属製の部材で覆われる。制御基板22は、安全性を向上させるために全周囲を金属製の部材で覆う必要がある。本実施例の制御基板22は、下方及び側面をケース体23で覆った後、上方を上面カバー1cで覆うようにしているので、制御基板22の上方を覆う金属製の部材を別途用意する必要がなく、コストを低減できると共に、作業性を向上することができる。
【0046】
次に上記構成において、ドラム式洗濯機100の動作を説明する。このように構成されたドラム式洗濯機100では、まず利用者がドア2にある操作部3の電源ボタンを押すことで、ドラム式洗濯機100が起動する。そして、利用者はドア開放取っ手2aを引き、ドア2を開いてドラム11内に衣類を投入する。そして、利用者はドア2を閉じた後、操作部3のスイッチを操作することで洗い工程の運転が開始される。
【0047】
洗い工程では、給水弁31を開いて、給水ホース接続口7から供給した水を給水ホース32及び洗剤収容部32aを介して、洗剤とともに外槽10に供給する。この時、モータ13の回転数と電流値に基づいて算出される衣類容量が多いほど、洗い工程での給水量が多くなる。この後、ドラム11を正転、停止、逆転、停止を繰り返す洗い動作を所定時間行う。この時、衣類がバッフル14によって持ち上げられて落下する動作が繰り返されることで衣類の洗浄力が高められる。
【0048】
洗い工程終了後、脱水工程に移行する。脱水工程では、初めに衣類が張り付かない低速回転数でドラム11を回転させる。低速回転数では、洗い工程で水を含んだ衣類がドラム11の回転時にバッフル14によって持ち上げられ、衣類が落下する際にドラム11の内周面に広げられる。衣類が広がり始めたら、ドラム11の回転数を徐々に上昇させて、遠心力によりドラム11に衣類を張り付ける。ドラム11に衣類が張り付くと、ドラム11の回転数を上昇させて、外槽10の振動が増加する外槽10の共振区間を通過させながら、目標回転数まで到達させて、衣類に含まれる水を遠心脱水する。
【0049】
脱水工程を行った後、すすぎ工程を行う。このすすぎ工程では、給水弁31を開いて、給水ホース接続口7から供給した水を仕上剤収容部32bを介して、外槽10に供給する。また、洗い工程と同様に、算出した衣類容量が多いほど、給水量が多くなる。また、このすすぎ工程では洗い工程と同様に、ドラム11の正転、停止、逆転、停止の動作を繰り返す。この時、バッフル14によって持ち上げられた衣類が落下する攪拌動作を所定時間行う。
【0050】
その後、前記した脱水工程及びすすぎ工程を所定回数繰り返し、最終脱水工程に移行する。
【0051】
脱水工程終了後、乾燥工程に移行する。乾燥工程では、ドラム11を正転、停止、逆転、停止を繰り返しながら、加熱部41及び送風ファン42を動作させ、送風ファン42から送風された空気を加熱部41で加熱し、ドラム11内に温風を送風する。ドラム11内では、ドラム11の回転によって持ち上げられた衣類に温風を当て、衣類に含まれる水分を蒸発させる。そして、乾燥工程を所定時間動作させた後、加熱部41、送風ファン42,モータ13を停止させて、乾燥工程を終了する。
【0052】
以上説明したように本実施例によれば、筐体1の上部であって左右方向において給水ユニット30、乾燥ユニット40、制御ユニット20を並べて配置するようにしているので、配線の引き回しが容易となり、配線の作業性を向上することができる。また、配線の長さを短くすることができるので、コストを低減することができる。
【0053】
さらに本実施例によれば、制御基板22の下方及び側面をケース体23で覆った後、制御基板22の上方を上面カバー1cで覆うようにしているので、制御基板22の上方を覆う金属製の部材を別途用意する必要がなく、コストを低減できると共に、作業性を向上することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
【符号の説明】
【0055】
1…筐体、1a…前面カバー、1b…筐体本体、1c…上面カバー、2…ドア、2a…ドア開放取っ手、3…操作部、4…回転軸、5…プーリー、6…ベルト、7…給水ホース接続口、8…排水ホース、10…外槽、11…ドラム、12…防振部材、13…モータ、14…バッフル、15…ベローズ、20…制御ユニット、21…支持台、22…制御基板、23…ケース体、23a,23b,23c…切欠き部、24a,24b,24c…配線、30…給水ユニット、31…給水弁、32a…洗剤収容部、32b…仕上剤収容部、40…乾燥ユニット、41…加熱部、42…送風ファン