IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ルミカの特許一覧

<>
  • 特開-ペット用液状食品の蓄圧式吐出製品 図1
  • 特開-ペット用液状食品の蓄圧式吐出製品 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180081
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ペット用液状食品の蓄圧式吐出製品
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/30 20160101AFI20221129BHJP
   A23K 50/48 20160101ALI20221129BHJP
【FI】
A23K10/30
A23K50/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086994
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】原田 士郎
(72)【発明者】
【氏名】多田 晃
(72)【発明者】
【氏名】福島 博
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA04
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB04
2B150AE13
2B150AE17
2B150CE25
(57)【要約】
【課題】フレーバーやサプリメントを含む犬や猫などのペット用の食品の長期保管や使用に適し、スプレー状や液滴を吐出する蓄圧式吐出製品を提供する。
【解決手段】第一の液状食品41が収容された第一の内袋21と、第一の内袋21が収容された缶31と、缶31内の第一の内袋21の周囲に収容された加圧気体と、を有し、前記第一の液状食品41が、フレーバーおよび/またはサプリメントを含むペット用液状食品の蓄圧式吐出製品1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の液状食品が収容された第一の内袋と、
前記第一の内袋が収容された缶と、
前記缶内の前記第一の内袋の周囲に収容された加圧気体と、を有し、
前記第一の液状食品が、フレーバーおよび/またはサプリメントを含むペット用液状食品の蓄圧式吐出製品。
【請求項2】
前記フレーバーが、フルーツフレーバー、チキンフレーバー、および魚介フレーバーからなる群から選択される1以上のフレーバーである、請求項1に記載の蓄圧式吐出製品。
【請求項3】
前記サプリメントが、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、アミノ酸、糖質、食物繊維、植物抽出物、および乳酸菌からなる群から選択される1以上のサプリメントである、請求項1または2に記載の蓄圧式吐出製品。
【請求項4】
前記第一の液状食品の基材が、水または油である、請求項1~3のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
【請求項5】
前記ペットが、イヌ、またはネコである請求項1~4のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
【請求項6】
前記缶内に、第二の液状食品が収容された第二の内袋を有し、前記第一の液状食品と、前記第二の液状食品とが、混合されて吐出される吐出部を有する、請求項1~5のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
【請求項7】
前記第一の液状食品の基材が水であり、前記第二の液状食品の基材が油である請求項6記載の蓄圧式吐出製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用液状食品の蓄圧式吐出製品に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットは、ペットとの生活から癒しを求めたりする観点などから多くの家庭で飼育されている。ペットの家庭内飼育の増加や、ペットの健康に配慮した生活慣習や設備の向上、餌の質の向上や選択肢の増加、医療技術の向上などから、ペットも長寿命化している。また、家族としてより親しみをもってペットとの生活を過ごす飼育者も増えていることから、ペットの生活の質向上を志向することも増えている。このような観点から、ペットの餌についても、多様な栄養食品を適宜調整して給餌したり、ペットの嗜好性に適した給餌なども求められている。
【0003】
特許文献1は、ビタミンE、ビタミンC、α-リポ酸、L-カルニチンからなる群より選択される酸化防止剤およびその任意の混合物を少なくともそれぞれ約100ppm、約50ppm、25ppm、50ppmを含んでなる食餌をコンパニオンペットに与えることを開示している。
【0004】
特許文献2は、(A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;(C)脱脂ゴマ;ならびに(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、を含有するペットフードを開示している。
【0005】
特許文献3は、チキン風味の増強剤として、1,5-オクタジエン-3-オール及び1,5-オクタジエン-3-オンの少なくともいずれか一方を含有し、前記1,5-オクタジエン-3-オール及び前記1,5-オクタジエン-3-オンの含有量の合計が質量基準で0.001ppm~1000ppmであるチキンフレーバー組成物を開示している。
【0006】
特許文献4は、1.コンパニオン動物の免疫応答を強化し、総合的健康状態を改善する方法であって、前記動物に有効量のβ-カロチンを含有する食餌を、前記動物によって前記β-カロチンが吸収されるために充分な時間投与する工程を含む方法を開示している。
【0007】
特許文献5は、ネコまたはイヌにおける血漿ビタミンEレベルを高める方法であって、血漿ビタミンEレベルを高めるのに十分な量のビタミンEをネコまたはイヌに与える工程を含むことを特徴とする方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007-190029号公報
【特許文献2】特開2014-138581号公報
【特許文献3】特許第6405240号公報
【特許文献4】特表2000-512859号公報
【特許文献5】特表2002-535364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~5のように、様々な組成の餌の給餌なども検討されている。しかし、餌ごとに個包装などがされていない場合、開封後、酸化劣化や光劣化しやすいものなどは、品質が維持できず、給餌したい成分を供給できない場合がある。また、風味が変化すると、ペットの食いつきが低下する場合もある。またペットの体形によっても給餌量は大きく異なるため、食べきりサイズのような包装のバリエーションを準備することは難しい場合もある。
【0010】
また、液体などの食品としても、一度の使用量は限られると、包装用の容器に収容されている。これらの一般的な容器としては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの合成樹脂容器や、瓶などが用いられており、特に茶褐色の瓶などが汎用されている。
【0011】
瓶や合成樹脂の容器は、袋状よりも長期間保存しやすい傾向があるが、これらも開栓後、気相の空気が入れ替わることで、収容されている液体調味料等が空気と接触して、長期間、複数回使用するものなどであっても保管中に酸化してしまう。
【0012】
係る状況下、本発明は、ペットへの給餌に適した新たな製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0014】
<1> 第一の液状食品が収容された第一の内袋と、
前記第一の内袋が収容された缶と、
前記缶内の前記第一の内袋の周囲に収容された加圧気体と、を有し、
前記第一の液状食品が、フレーバーおよび/またはサプリメントを含むペット用液状食品の蓄圧式吐出製品。
<2> 前記フレーバーが、フルーツフレーバー、チキンフレーバー、および魚介フレーバーからなる群から選択される1以上のフレーバーである、前記<1>に記載の蓄圧式吐出製品。
<3> 前記サプリメントが、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、アミノ酸、糖質、食物繊維、植物抽出物、および乳酸菌からなる群から選択される1以上のサプリメントである、前記<1>または<2>に記載の蓄圧式吐出製品。
<4> 前記第一の液状食品の基材が、水または油である、前記<1>~<3>のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
<5> 前記ペットが、イヌ、またはネコである前記<1>~<4>のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
<6> 前記缶内に、第二の液状食品が収容された第二の内袋を有し、前記第一の液状食品と、前記第二の液状食品とが、混合されて吐出される吐出部を有する、前記<1>~<5>のいずれかに記載の蓄圧式吐出製品。
<7> 前記第一の液状食品の基材が水であり、前記第二の液状食品の基材が油である前記<6>記載の蓄圧式吐出製品。
【発明の効果】
【0015】
本発明の蓄圧式吐出製品は、ペットへの給餌に適したものであり、長期保管や使用にも適したものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の蓄圧式吐出製品の構成に関する概要図である。
図2】本発明の蓄圧式吐出製品の構成に関する概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0018】
[本発明の蓄圧式吐出製品]
本発明の蓄圧式吐出製品は、第一の液状食品が収容された第一の内袋と、前記第一の内袋が収容された缶と、前記缶内の前記第一の内袋の周囲に収容された加圧気体と、を有し、前記第一の液状食品が、フレーバーおよび/またはサプリメントを含むペット用液状食品の蓄圧式吐出製品である。
【0019】
本発明の蓄圧式吐出製品は、缶内で加圧下に配置された内袋内に収容されているペット用液状食品を、スプレー状に噴射吐出や、液滴を吐出する。このため、保管時は、缶や内袋により空気や光から遮断されている。また、使用時も、吐出部から一方的に液状食品を吐出し、空気が内袋等に逆流して流入するようなことがない。また、細菌等も入り込みにくく、汚染等もされにくい。このため、使用や保管にあたって、空気に接触する機会が極めて少ない。よって、空気による酸化や光による劣化を防止できる。
【0020】
これにより、例えば、フレーバーやサプリメントなどの劣化しやすいものの劣化を防止することができる。よって、味や香り、性質が長期間変化しにくく、品質を維持することができる。
【0021】
さらに、保管時に漏れたりせず、持ち運びしやすい。このため、散歩中や、出先、引越時など、様々な環境でも手軽に味や香り、性質を調製した餌を給餌することができる。
【0022】
また、ペットはヒトとは許容できる栄養や添加物などが異なり、影響が不明なものもあるため、食品添加物としての使用を避けたいものもありうる。これらの食品添加物などを用いずに実質的に基材とフレーバーやサプリメントのみからなるような組成で調整して保管することができるほうが好ましいことも考えられる。本発明によれば、このような食品添加物などを含まない形態にも適している。
【0023】
[蓄圧式吐出製品101]
図1は、本発明の蓄圧式吐出製品の実施形態に係る概要図である。蓄圧式吐出製品101は、缶31の内側に配置された液状食品が収容された第一の内袋21を有する。使用時には上部のアクチュエータ5を操作することで第一の内袋に収容されている液状食品を吐出することができる。
【0024】
[缶31]
缶31は、加圧気体に対する耐圧性を有し、気密性を有する缶である。缶31は、アルミ缶などの金属製の缶などを用いることができる。缶31の内部に第一の内袋21や加圧気体などが収容される。また、缶31は、バルブやアクチュエータ5などを取り付けることができる。
【0025】
[第一の内袋21]
第一の内袋21は、第一の液状食品41を収容する容器である。これは収容する第一の液状食品41などに対する耐性を有する袋である。また、空間32の加圧気体と分離する気密性を有する。この袋は、熱可塑性樹脂の薄膜フィルムに気密性や耐溶剤性などを向上させるためにアルミ蒸着をしたシートを成形した可撓性を有する袋などを用いることができる。
【0026】
[加圧気体]
缶31の内部の第一の内袋21との間の空間32には加圧気体が収容される。加圧気体は、例えば窒素ガス、亜酸化窒素ガス、炭酸ガスまたはこれらの混合ガスなどである。缶内の圧力は、常温25℃における圧力として、0.2MPa~1.5MPa程度や、0.3MPa~1.2MPa程度とすることができる。
【0027】
第一の内袋21は注入口を介して缶31の外部のアクチュエータ5に接続されている。蓄圧式吐出製品101を使用するときは、アクチュエータ5を押すことで、第一の液状食品がスプレー状や液滴として吐出される。
【0028】
[液状食品]
第一の液状食品41(単に「液状食品」と記載する場合がある。)は、常温・常圧で液状の食品である。また、液状食品は、フレーバーやサプリメントを含有している。
【0029】
液状食品は、液状の基材と、フレーバーやサプリメント等を混合した混合物を用いることができる。基材は、ペットの食用にも適した油や、水などの液を用いることができる。
【0030】
液状食品は、油を含むことができる。油は、基材としてサラダ油やコーン油などの汎用されている食用油などを用いることができる。また、油自体を、液状食品として扱うことができる。例えば、ベニバナ油、えごま油、アマニ油(亜麻仁油)、大豆油、オリーブオイルなどを用いることができる。また、酸化により劣化しやすいことが知られている、オメガ3脂肪酸や、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸などの不飽和脂肪酸の油などにも適している。
【0031】
[フレーバー]
フレーバーは、香りや、味を調整するための成分である。また、フレーバーは、ペットの食欲を増進するためのものを用いることができる。例えば、フレーバーは、フルーツフレーバー、チキンフレーバー、および魚介フレーバーからなる群から選択される1以上のフレーバーとすることができる。フルーツフレーバーは、アップル、アプリコット、グレープ、ストロベリー、チェリー、トロピカルフルーツ、パイナップル、バナナ、ピーチ、ブルーベリー、ペアー、マンゴー、メロン、ラズベリー、柑橘類などとすることができる。
【0032】
[液状サプリメント]
サプリメントは、栄養学的または生理学的な機能を有する有効成分の摂取を目的とするものである。これらの有効成分は、例えば、ビタミンや、ミネラル、アミノ酸、脂質、糖質、食物繊維、植物抽出物、乳酸菌等でペットが食用にできる成分である。
【0033】
ビタミンは、ビタミンCや、ビタミンE、ビタミンB群などを用いることができる。ミネラルは、亜鉛や、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、要素、リンなどを用いることができる。植物抽出物としては、ポリフェノールなどを用いることができる。このポリフェノールは、例えば、おカテキンやアントシアニンなどのフラボノイド、リグナン、クマリンなどを用いることができる。食物繊維は、イヌリンなどを用いることができる。
【0034】
これらのフレーバーやサプリメントの基材に対する含有濃度は、供給量などに応じて適宜調整できる。例えば、0.01mg/L~10g/L程度や、0.1mg/L~1g/L、1mg/L~100mg/Lとすることができる。
【0035】
[ペット用食品]
蓄圧式吐出製品は、ペット用食品(ペットフード)とすることができる。ペットの嗜好性に適した調味や、栄養補強を手軽に行うことができる。また、ペットの健康のために摂取させたい成分であっても、通常のペットフードには含まれていない成分もある。これらのペットフードの調理等はヒト向けとは異なる範囲で調理が求められる場合がある。さらに、ペットの嗜好性に適したものを容易に選択できないと、摂食してもらえない可能性がある。本発明の蓄圧式吐出製品は、これらの個別対応のための調整にも適している。
【0036】
[混合吐出製品]
本発明の蓄圧式吐出製品は、缶内に、第二の液状食品が収容された第二の内袋を有し、第一の液状食品と、第二の液状食品とが、混合されて吐出される吐出部を有するものとすることができる。この蓄圧式吐出製品は、第一の液状食品の基材が水であり、第二の液状食品の基材が油であるものとすることができる。
【0037】
図2は、本発明に係る蓄圧式吐出製品の第二の実施形態を示す概要図である。蓄圧式吐出製品102は、第一の容器21と、第二の容器22を有し、これらの容器は外側容器31に収容されている。外側容器31内には窒素等が充填され、第一の容器21、第二の容器22に圧力がかかった状態となっている。第一の容器21は内部に配管が連結され、第二の容器22は内部に配管が連結されている。それぞれの配管はボタンを押すと結合部で内部の空間が接続できる構造となっている。また、ボタンが押されていない状態では、結合部は閉じた状態となり、それぞれの配管は分離されている。ボタンを押すと、混合部でそれぞれの配管が接続され、缶内に蓄圧されている圧力により第一の容器21と第二の容器22に、それぞれ収容されている第一の液状食品41と第二の液状食品42が押し出され、吐出部51から、混合された液状食品が吐出される。
【0038】
複数のフレーバーやサプリメントを供給したい場合に、各フレーバーやサプリメントを予め混合するよりも、給餌時に混合したほうが良い組み合わせや、混合することができない場合がある。このような場合、前述した構成のように、それぞれを別の内袋に収容し、使用時に混合して吐出することができる。特に、一方が水溶性のものであり、他方が油溶性のもののとき、本構成が適している。
【実施例0039】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
[実施例1~7]
[蓄圧式吐出製品の製造]
缶内に袋を一つ配置した蓄圧式吐出製品を以下のように作製して使用した。(図1参照)
(1)缶は、直径53mm、高さ165mmの金属製容器を用いた。
(2)袋は、レトルト食品用のアルミパウチで、収容量150mLのものを用いた。
(3)前記袋を、バッグオンバルブ(BOV)用のバルブに取り付けて、缶に収容した。その後、バルブと缶との隙間に窒素を充填してバルブを缶にかしめるプリチャージを行った。このときの窒素圧は、およそ0.2MPaとした。
(4)その後、袋内に、調整した液状食品を充填した。組成物は、表1に示す組成で調整した。このときの窒素圧は、0.7MPaであった。
(5)これに、アクチュエータを取り付けて、アクチュエータを押すことで、収容されている組成物を吐出できる、蓄圧式吐出製品を得た。
【0041】
[組成物の調整]
組成物は、下表1に示す組成とした。基材に、添加成分濃度が表1の組成となるように混合したものを用いた。なお、実施例4はアマニ油1質量部:ひまわり油5質量部を混合したものを用いた。実施例5は、アマニ油1質量部:ひまわり油5質量部:オリーブオイル5質量部を混合したものを用いた。
【0042】
【表1】
【0043】
・使用結果
各実施例の吐出製品を、飼育している複数の犬のドッグフードに吐出して使用した結果、フレーバーを使用したものは、各個体の好みにより、食いつきが良くなるものなどが見られた。また、サプリメントを使用したものも、通常のドッグフードと同様に摂食した。
【0044】
また、内容物が、空気中の酸素や光と接触しないものとなり、約2か月にわたって、連日少量ずつ使用しても使用感がかわらないものとなった。また、試用期間中に衛生上の問題は生じなかった。また、簡易な操作で、任意の量をペットフードに吐出することができた。また、繰り返し、容易に使用できた。また、持ち運びも容易で散歩中や出先でも容易に使用できた。また、手や周辺が汚れることなく使用できた。
【0045】
[実施例8~10]
前述の実施例1~7に準じて、2つの袋を配置したものを用いた。(図2参照)
(1)缶は、直径53mm、高さ165mmの金属製容器を用いた。
(2)袋は、レトルト食品用のアルミパウチで、収容量50mLのもの2つ用いた。
(3)前記二つの袋を、混合用のバッグオンバルブ(BOV)用のバルブに取り付けて、缶に収容した。その後、バルブと缶との隙間に窒素を充填してバルブを缶にかしめるプリチャージを行った。このときの窒素圧は、およそ0.2MPaとした。
(4)その後、袋内に、それぞれ異なる調整した液状食品(組成物)を充填した。それぞれの組成物は、表2に示す組成で調整した。このときの窒素圧は、0.7MPaであった。
(5)これに、アクチュエータを取り付けて、アクチュエータを押すことで、収容されている組成物を吐出できる、蓄圧式吐出製品を得た。
【0046】
【表2】
【0047】
前記実施例1~7と同様の使用感でドッグフードへのフレーバー追加や、サプリメント追加ができた。また、基材が油系と水系のものであっても、使用時に混合されて分散された状態で吐出することができた。また、実施例10のように、フレーバーとサプリメントの同時供与もできた。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、ペットフードなどの食品に利用することができ、産業上有用である。
【符号の説明】
【0049】
101、102 蓄圧式吐出製品
21 第一の内袋
22 第二の内袋
31 缶
41 第一の液状食品
42 第二の液状食品
5、51 アクチュエータ
図1
図2