(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180097
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】リモートワーク支援システム
(51)【国際特許分類】
G10L 15/10 20060101AFI20221129BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20221129BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20221129BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20221129BHJP
【FI】
G10L15/10 500Z
G10L17/00 200C
G10L15/10 200W
G10L15/22 460Z
G10L15/00 200U
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087015
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】小田原 健雄
(72)【発明者】
【氏名】仙谷 幸法
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸太郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減を図ることができるリモートワーク支援システムを提供する。
【解決手段】リモートワーク支援システム1において、リモートワーカ端末100は、音声を取得する音声取得部110と、音声取得部110によって取得された音声を解析することにより、リモートワーカの仕事の状況を判断する制御部140(判断部)と、制御部140(判断部)による判断結果を、前記リモートワーカ以外の第三者(同居者)に通知する制御部140(通知部)と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を取得する音声取得部と、
前記音声取得部によって取得された音声を解析することにより、リモートワーカの仕事の状況を判断する判断部と、
前記判断部による判断結果を、前記リモートワーカ以外の第三者に通知する通知部と、
を具備する、
リモートワーク支援システム。
【請求項2】
前記リモートワーカの声紋データが格納された声紋データ格納部を具備し、
前記判断部は、
前記音声取得部によって取得された音声と前記声紋データ格納部に格納された前記声紋データとを照合し、前記音声取得部によって取得された音声のうち、前記リモートワーカの音声と判断された音声に基づいて前記リモートワーカの仕事の状況を判断する、
請求項1に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項3】
前記判断部は、
前記リモートワーカの仕事の状況として、前記リモートワーカがリモート会議中であるか否かを判断する、
請求項1又は請求項2に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項4】
前記判断部は、
前記音声取得部によって取得された音声からリモート会議の開始を表す開始トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を開始したと判断する、
請求項3記載のリモートワーク支援システム。
【請求項5】
前記判断部は、
前記音声取得部によって取得された音声からリモート会議の終了を表す終了トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を終了したと判断する、
請求項3又は請求項4に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項6】
前記判断部は、
前記音声取得部によって取得された音声を解析することにより、前記リモートワーカのリモート会議中の発言量を算出し、
前記通知部は、
算出された前記発言量に応じて、前記通知の態様を異なる態様とする、
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項7】
リモート会議のスケジュールを登録するスケジュール登録部を具備し、
前記判断部は、
前記リモートワーカがリモート会議中であると判断した場合、当該リモート会議が前記スケジュール登録部に登録されたものか否かを判断し、
前記通知部は、
当該リモート会議が前記スケジュール登録部に登録されたものか否かに応じて、前記通知の態様を異なる態様とする、
請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項8】
前記判断部は、
前記リモートワーカがリモート会議中でないと判断した場合、前記リモートワーカの仕事への集中度を判断し、
前記通知部は、
前記集中度に応じて、前記通知の態様を異なる態様とする、
請求項3から請求項7までのいずれか一項に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項9】
前記リモートワーカの周囲の騒音の大きさを計測する騒音計測部を具備し、
前記通知部は、
計測された前記騒音の大きさを、当該リモートワーカに通知可能である、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のリモートワーク支援システム。
【請求項10】
前記第三者は、前記リモートワーカの同居者、又は前記リモートワーカとともに働く他のワーカである、
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のリモートワーク支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートワーク支援システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リモートワーク支援システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
近年、働き方の変化の一つとして、リモートワークが増加している。リモートワークを支援する技術として、特許文献1には、データベースから読み出した声紋データと、リモート会議での発言の音声から作成した声紋データとを照合することにより、発言者を特定し、発言者のプロフィールを表示したり、発言者に応じた色でLEDを点灯したりするシステムが記載されている。これにより、リモート会議の参加者は、容易に発言者を識別することができる。
【0004】
一方で、リモートワークは、リモートワーカの周囲の第三者にとってはストレスの一因となり得る。例えば、リモートワークが在宅で行われる場合、リモートワーカの同居者は、リモートワーカの仕事の状況を把握できないため、生活音を気にせず家事や育児をしてもよいのか、リモートワーカに話しかけてよい状況であるのか等が分からない。このように、リモートワーカ以外の第三者は、リモートワーカに気を使うことで、ストレスが高まるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減を図ることができるリモートワーク支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部によって取得された音声を解析することにより、リモートワーカの仕事の状況を判断する判断部と、前記判断部による判断結果を、前記リモートワーカ以外の第三者に通知する通知部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記リモートワーカの声紋データが格納された声紋データ格納部を具備し、前記判断部は、前記音声取得部によって取得された音声と前記声紋データ格納部に格納された前記声紋データとを照合し、前記音声取得部によって取得された音声のうち、前記リモートワーカの音声と判断された音声に基づいて前記リモートワーカの仕事の状況を判断するものである。
【0010】
請求項3においては、前記判断部は、前記リモートワーカの仕事の状況として、前記リモートワーカがリモート会議中であるか否かを判断するものである。
【0011】
請求項4においては、前記判断部は、前記音声取得部によって取得された音声からリモート会議の開始を表す開始トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を開始したと判断するものである。
【0012】
請求項5においては、前記判断部は、前記音声取得部によって取得された音声からリモート会議の終了を表す終了トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を終了したと判断するものである。
【0013】
請求項6においては、前記判断部は、前記音声取得部によって取得された音声を解析することにより、前記リモートワーカのリモート会議中の発言量を算出し、前記通知部は、算出された前記発言量に応じて、前記通知の態様を異なる態様とするものである。
【0014】
請求項7においては、リモート会議のスケジュールを登録するスケジュール登録部を具備し、前記判断部は、前記リモートワーカがリモート会議中であると判断した場合、当該リモート会議が前記スケジュール登録部に登録されたものか否かを判断し、前記通知部は、当該リモート会議が前記スケジュール登録部に登録されたものか否かに応じて、前記通知の態様を異なる態様とするものである。
【0015】
請求項8においては、前記判断部は、前記リモートワーカがリモート会議中でないと判断した場合、前記リモートワーカの仕事への集中度を判断し、前記通知部は、前記集中度に応じて、前記通知の態様を異なる態様とするものである。
【0016】
請求項9においては、前記リモートワーカの周囲の騒音の大きさを計測する騒音計測部を具備し、前記通知部は、計測された前記騒音の大きさを、当該リモートワーカに通知可能であるものである。
【0017】
請求項10においては、前記第三者は、前記リモートワーカの同居者、又は前記リモートワーカとともに働く他のワーカである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0019】
請求項1においては、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減を図ることができる。
【0020】
請求項2においては、声紋データ格納部の負荷を低減しつつ、想定しない通知が行われるのを防ぐことができる。
【0021】
請求項3においては、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
【0022】
請求項4においては、リモートワーカがリモート会議中であるか否かの判断の精度を向上させることができる。
【0023】
請求項5においては、リモートワーカがリモート会議中であるか否かの判断の精度を向上させることができる。
【0024】
請求項6においては、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
【0025】
請求項7においては、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
【0026】
請求項8においては、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
【0027】
請求項9においては、リモートワーカは、リモート会議しても支障がない環境にあるかどうかを判断することができる。
【0028】
請求項10においては、同居者又は他のワーカにかかるストレスの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係るリモートワーク支援システムの構成を示したブロック図。
【
図2】仕事状況の通知制御の前半部分を示したフローチャート。
【
図3】仕事状況の通知制御の後半部分を示したフローチャート。
【
図5】(a)スケジュールにある会議が始まったときの通知の態様を示したイメージ図。(b)スケジュールにない会議が始まったときの通知の態様を示したイメージ図。
【
図6】(a)会議中ではないが、集中/作業しているときの通知の態様を示したイメージ図。(b)会議中ではない状態で周囲の音を拾ったときの通知の態様を示したイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
まず、
図1を用いて、本発明の一実施形態に係るリモートワーク支援システム1の構成の概要について説明する。
【0031】
リモートワーク支援システム1は、リモートワークを支援するシステムである。具体的には、リモートワーク支援システム1は、リモートワークを行う者(以下、「リモートワーカ」という)の仕事の状況(忙しさ等)を判断し、その判断結果を当該リモートワーカ以外の第三者に通知することで、当該第三者にかかるストレスの軽減を図るものである。本実施形態においては、リモートワーカは、在宅で勤務を行うものとする。また、前記第三者とは、リモートワーカの同居者(配偶者など)であるものとする。リモートワーク支援システム1は、リモートワーカ端末100及び同居者端末200を具備する。
【0032】
リモートワーカ端末100は、リモートワーカが使用する端末である。リモートワーカ端末100としては、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。リモートワーカ端末100には、音声取得部110、データ格納部120、スケジュール登録部130及び制御部140が備えられている。
【0033】
音声取得部110は、音声等の音情報を取得するものである。音声取得部110としては、例えばマイクロフォンが用いられる。音声取得部10は、音情報として、リモートワーカが発する音声や、音声取得部110やリモートワーカの周囲で生じる全般の音を取得可能に構成される。
【0034】
データ格納部120は、各種のデータを格納するものである。データ格納部120は、前記データとして、リモートワーカの声紋データを格納している。また、データ格納部120は、前記データとして、後述する開始トリガーワード及び終了トリガーワードを格納している。
【0035】
スケジュール登録部130は、リモートワーカのスケジュールを登録するものである。スケジュール登録部130は、リモートワーカによって、仕事のスケジュールを登録可能に構成されている。スケジュール登録部130は、仕事のスケジュールとして、リモート会議(以下、単に「会議」ということもある)が行われる予定の日時を登録可能に構成されている。
【0036】
制御部140は、各種の制御を行うものである。制御部140は、RAMやROM等の記憶部や、CPU等の演算処理部等により構成される。制御部140は、音声取得部110、データ格納部120及びスケジュール登録部130からデータを取得可能に構成されている。前記記憶部には、音声取得部10によって取得された音情報が記憶(蓄積)される。
【0037】
また、制御部140は、音声認識機能を有している。具体的には、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声を文字情報として認識(テキスト化)することができ、音声取得部110によって取得された音声の文字情報と、データ格納部120に格納された開始トリガーワード及び終了トリガーワードとを比較することで、リモートワーカが会議を行っているか否かを判定することができる。
【0038】
また、制御部140は、声紋認証機能を有している。具体的には、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声の声紋データを作成し、作成した当該声紋データと、データ格納部120に格納されたリモートワーカの声紋データとを比較することで、当該音声がリモートワーカの音声であるか否かを判定することができる。
【0039】
制御部140は、このような音声認識機能や声紋認証機能等を用いて、音声取得部110によって取得された音声を解析することにより、リモートワーカの仕事の状況を判断することができる。この判断手法の詳細については後述する。制御部140は、その判断結果に応じた制御指示を、後述する同居者端末200に対して行うことができる。
【0040】
また、制御部140は、音声取得部110によって取得された音の大きさ(音量)を計測することができる。
【0041】
同居者端末200は、リモートワーカの同居者が使用(所有)する端末である。同居者端末200としては、例えばスマートフォンが用いられる。同居者端末200には、制御部210及び表示部220が備えられる。
【0042】
制御部210は、各種の制御を行うものである。制御部210は、RAMやROM等の記憶部や、CPU等の演算処理部等により構成される。制御部210は、リモートワーカ端末100の制御部140から制御指示を受信可能に構成される。制御部210は、制御部140からの制御指示に応じて、後述する表示部220を制御することができる。
【0043】
表示部220は、各種の表示を行うものである。表示部220は、所定の表示を行うことにより、リモートワーカの仕事の状況を通知する。具体的には、表示部220は、赤信号、黄信号又は青信号のいずれかを表示(点灯)させることで、リモートワーカの仕事の状況(仕事の忙しさ、仕事への集中度、仕事への専念の必要性等)を同居者に認識させる。なお、リモートワーカの仕事の忙しさ等は、赤信号、黄信号、青信号の順で高くなる(赤信号>黄信号>青信号となる)。すなわち、赤信号は、リモートワーカの仕事の忙しさ等が「大」であり、黄信号は、リモートワーカの仕事の忙しさ等が「中」であり、青信号は、リモートワーカの仕事の忙しさ等が「小」であることを示している。
【0044】
次に、
図2から
図4を参照して、リモートワーカの仕事の状況を通知するための制御(仕事状況の通知制御)について説明する。なお、
図2から
図4に示す制御は、リモートワーカ端末100の電源がONされると開始され、リモートワーカ端末100の電源がOFFされると終了する。また、音声取得部10は、リモートワーカ端末100が起動している間、常時音情報を取得している。
【0045】
図2に示すステップS11において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に青信号を表示させる。これにより、同居者に青信号が通知される。
【0046】
制御部140は、ステップS11の処理を行った後、ステップS12に移行する。
【0047】
ステップS12において、制御部140は、開始トリガーワードを検知したか否かを判定する。ここで、「開始トリガーワード」とは、会議(リモート会議)の開始を表すワード(会議の開始時に用いられる)ワードであり、例えば「お疲れ様です」、「お世話になります」等である。この処理において、制御部140は、音声認識機能を用いて、音声取得部110によって取得された音声をテキスト化し、テキスト化された当該音声と、データ格納部120に格納された開始トリガーワードとを比較する。そして、制御部140は、テキスト化された当該音声に開始トリガーワードが含まれている場合、開始トリガーワードを検知したと判定する。一方、制御部140は、テキスト化された当該音声に開始トリガーワードが含まれていない場合、開始トリガーワードを検知していないと判定する。
【0048】
制御部140は、開始トリガーワードを検知したと判定した場合(ステップS12で「YES」)、ステップS13に移行する。一方、制御部140は、開始トリガーワードを検知していないと判定した場合(ステップS12で「NO」)、ステップS40に移行する。ステップS40の処理については後述する。
【0049】
なおステップS12で「YES」の場合とは、リモートワーカが会議を開始した(と推定される)ことを示している。一方、ステップS12で「NO」の場合とは、リモートワーカが会議を開始していない(と推定される)ことを示している。ステップS12においては、開始トリガーワードを用いることにより、単なる独り言と会議の開始とを区別して判断することができる。
【0050】
ステップS13において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に赤信号を表示させる。これにより、同居者に赤信号が通知される。
【0051】
制御部140は、ステップS13の処理を行った後、ステップS14に移行する。
【0052】
ステップS14において、制御部140は、重要会議フラグがOFFであるか否かを判定する。ここで、「重要会議フラグ」とは、開始された(行われている)会議が重要な会議であるか否かを示すものである。後述するように、本実施形態においては、開始された会議がスケジュールにある会議であるのか否かによって、重要会議フラグのON、OFFが行われる。
【0053】
制御部140は、重要会議フラグがOFFであると判定した場合(ステップS14で「YES」)、ステップS15に移行する。一方、制御部140は、重要会議フラグがONであると判定した場合(ステップS14で「NO」)、ステップS23に移行する。
【0054】
ステップS15において、制御部140は、開始された会議がスケジュールにある会議であるか否かを判定する。この処理において、制御部140は、開始された会議がスケジュール登録部130に登録されたものか否かによって判定を行う。具体的には、制御部140は、スケジュール登録部130に登録された会議の予定時間(予定開始時刻から予定終了時刻まで)を参照し、現在の時刻が当該予定時間内又は当該予定時間に近い(例えば予定開始時刻の5分前から予定終了時刻の5分後までに収まる)場合、開始された会議がスケジュールにある会議であると判断する。一方、制御部140は、現在の時刻が、スケジュール登録部130に登録された会議の予定開始時刻に近くない場合、開始された会議がスケジュールにある会議でない(スケジュールにない会議である)と判断する。
【0055】
制御部140は、開始された会議がスケジュールにある会議であると判定した場合(ステップS15で「YES」)、ステップS16に移行する。一方、制御部140は、開始された会議がスケジュールにある会議でないと判定した場合(ステップS15で「NO」)、ステップS22に移行する。
【0056】
ステップS16において、制御部140は、所定期間の音情報を取得する。この処理において、制御部140は、所定期間(例えば1分間)における、音声取得部110によって取得された音情報を取得する。
【0057】
制御部140は、ステップS16の処理を行った後、ステップS17に移行する。
【0058】
ステップS17において、制御部140は、音声を検知したか否かを判定する。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音情報に音声(人が発した声)が含まれているか否かを判定する。
【0059】
制御部140は、音声を検知したと判定した場合(ステップS17で「YES」)、ステップS18に移行する。一方、制御部140は、音声を検知していないと判定した場合(ステップS17で「NO」)、
図3に示すステップS21に移行する。
【0060】
ステップS18において、制御部140は、声紋認証を行う。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声を声紋データ化する。
【0061】
制御部140は、ステップS18の処理を行った後、
図3に示すステップS19に移行する。
【0062】
図3に示すステップS19において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であるか否かを判定する。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声の声紋データと、データ格納部120に予め格納されたリモートワーカの声紋データとを比較する。そして、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声の声紋データと、データ格納部120に予め格納されたリモートワーカの声紋データとが一致すると判断した場合、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であると判定する。一方、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声の声紋データと、データ格納部120に予め格納されたリモートワーカの声紋データとが一致しないと判断した場合、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声でないと判定する。
【0063】
制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であると判定した場合(ステップS19で「YES」)、ステップS20に移行する。一方、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声でないと判定した場合(ステップS19で「NO」)、ステップS21に移行する。
【0064】
なおステップS19で「YES」の場合とは、行われている会議が、リモートワーカの発言が多い(リモートワーカが主体的に発言している)会議であることを示している。一方、ステップS19で「NO」の場合とは、行われている会議が、リモートワーカの発言が少ない(もっぱら相手の話を聞いている)会議であることを示している。すなわち、本実施形態においては、所定期間(例えば1分間)におけるリモートワーカによる発言の有無に基づいて、会議でのリモートワーカの発言量(リモートワーカの発言の多い会議であるのか少ない会議であるのか)を判断している。
【0065】
ステップS20において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に赤信号を表示させる(赤信号のままとする)。これにより、同居者に赤信号が通知される。同居者は、赤信号が通知されることで、リモートワーカの仕事の忙しさ等が「大」であることを把握することができる。
【0066】
一方、ステップS21において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に黄信号を表示させる。これにより、同居者に黄信号をお知らせする。同居者は、黄信号が通知されることで、リモートワーカの仕事の忙しさ等が「中」であることを把握することができる。
【0067】
制御部140は、ステップSS20又はS21の処理を行った後、ステップS29に移行する。
【0068】
ステップS29において、制御部140は、終了トリガーワードを検知したか否かを判定する。ここで、「終了トリガーワード」とは、会議の終了を表す(会議の終了時に用いられる)ワードであり、例えば「お疲れ様でした」、「失礼します」等である。この処理において、制御部140は、音声認識機能を用いて、音声取得部110によって取得された音声をテキスト化し、テキスト化された当該音声と、データ格納部120に格納された終了トリガーワードとを比較する。そして、制御部140は、テキスト化された当該音声に終了トリガーワードが含まれている場合、終了トリガーワードを検知したと判定する。一方、制御部140は、テキスト化された当該音声に終了トリガーワードが含まれていない場合、終了トリガーワードを検知していないと判定する。
【0069】
制御部140は、終了トリガーワードを検知したと判定した場合(ステップS29で「YES」)、ステップS30に移行する。一方、制御部140は、終了トリガーワードを検知していないと判定した場合(ステップS29で「NO」)、
図2のステップS14に処理を戻す。
【0070】
一方、
図2に示すステップS22において、制御部140は、重要会議フラグをONする。
【0071】
このように、スケジュールにない会議の方がスケジュールにある会議よりも緊急性が高いと考えられるため、制御部140は、開始された会議がスケジュールにない会議の場合、重要会議フラグをONする。一方、制御部140は、スケジュールにある会議の場合、重要会議フラグをOFFのままとする(ステップS14、ステップS15でYES)。
【0072】
制御部140は、ステップS22の処理を行った後、ステップS23に移行する。
【0073】
ステップS23において、制御部140は、所定期間の音情報を取得する。この処理において、制御部140は、所定期間(例えば5分間)における、音声取得部110によって取得された音情報を取得する。なお、この所定期間(例えば5分間)は、ステップS16における所定期間(例えば1分間)よりも長い時間に設定することが望ましい。
【0074】
制御部140は、ステップS23の処理を行った後、ステップS24に移行する。
【0075】
ステップS24において、制御部140は、音声を検知したか否かを判定する。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音情報に音声が含まれているか否かを判定する。
【0076】
制御部140は、音声を検知したと判定した場合(ステップS24で「YES」)、ステップS25に移行する。一方、制御部140は、音声を検知していないと判定した場合(ステップS24で「NO」)、
図3に示すステップS28に移行する。
【0077】
ステップS25において、制御部140は、声紋認証を行う。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声を声紋データ化する。
【0078】
制御部140は、ステップS25の処理を行った後、ステップS26に移行する。
【0079】
図3に示すステップS26において、制御部140は、ステップS19と同様の方法により、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であるか否かを判定する。
【0080】
制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であると判定した場合(ステップS26で「YES」)、ステップS27に移行する。一方、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声でないと判定した場合(ステップS26で「NO」)、
図2のステップS23に処理を戻す。
【0081】
ステップS27において、制御部140は、ステップS29と同様の方法により、終了トリガーワードを検知したか否かを判定する。
【0082】
制御部140は、終了トリガーワードを検知したと判定した場合(ステップS27で「YES」)、ステップS28に移行する。一方、制御部140は、終了トリガーワードを検知していないと判定した場合(ステップS27で「NO」)、
図2のステップS23に処理を戻す。
【0083】
ステップS28において、制御部140は、重要会議フラグをOFFする。
【0084】
制御部140は、ステップS28の処理を行った後、ステップS30に移行する。
【0085】
ステップS30において、制御部140は、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に青信号を表示させる。これにより、同居者に青信号をお知らせする。
【0086】
このように、重要会議フラグがONされているときには、リモートワーカの音声のみによって終了トリガーワードを検知している。一方、重要会議フラグがOFFされているときには、終了トリガーワードの発声元は問わない(ステップS19でのYES、NOに関わらず、ステップS29に進む)。このようにして、重要会議フラグがONされているときには、重要会議フラグがOFFされているときと比べて、青信号に戻す条件を厳しくしている。
【0087】
制御部140は、ステップS30の処理を行った後、
図2のステップS12に処理を戻す。制御部140は、リモートワーカ端末100の電源がOFFになるまで、ステップS12からステップS30(及びステップS40)の処理を繰り返す。そして、制御部140は、リモートワーカ端末100の電源がOFFになると、仕事状況の通知制御を終了させる。
【0088】
以上のように、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、制御部140による解析結果に応じて、同居者に赤信号、黄信号又は青信号のいずれかが通知されることにより、同居者はリモートワーカの仕事の状況を把握することができる。同居者は、通知された信号の色に応じて、過ごし方を工夫することができる。
【0089】
具体的には、同居者は、赤信号が通知された場合(
図3のステップS20)、仕事(会議)の邪魔にならないように生活音をできるだけ出さないようにするべきであると判断することができる。一方、同居者は、黄信号が通知された場合(
図3のステップS21)、リモートワーカの仕事の邪魔にならない程度において、多少の生活音を出してもかまわないと判断することができる。また、同居者は、青信号が通知された場合(
図3のステップS30)、自由に家事、育児をしたり、家事、育児の助けのためにリモートワーカに声かけしてもかまわないと判断することができる。
【0090】
このように、同居者は、リモートワーカの仕事の状況を把握できるため、リモートワーカの仕事の状況に応じて、過ごし方やリモートワーカに対する接し方(声をかけてよいのか)等を判断することが可能となる。このため、リモートワーカに気を使うことによるストレスを軽減することができる。
【0091】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、行われている会議が前もって予定されていたもの(スケジュール登録部130に登録されたもの)か否かに応じて、同居者への通知の態様を異なる態様としている。以下、具体的に説明する。
【0092】
図5に示すように、スケジュールにある会議、及びスケジュールにない会議のいずれにおいても、リモートワーカが発言している場合には同居者に赤信号が通知され(
図2のステップS13、
図3のステップS20)、会議が終了した(終了トリガーワードを検知した)場合には同居者に青信号が通知される(
図3のステップS30)。また、
図5(a)に示すように、スケジュールにある会議においては、リモートワーカによる発言が所定期間(例えば1分間)ない場合(
図2のステップS17でNO)、同居者に黄信号が通知される(
図3のステップS21)。これに対して、
図5(b)に示すように、スケジュールにない会議においては、リモートワーカによる発言量に関わらず(例えば、リモートワーカによる発言が所定期間(例えば1分間)ない場合であっても)、同居者に赤信号が通知される(
図2のステップS13)。このように、スケジュールにない会議(緊急性の高い重要な会議)においては、リモートワーカによる発言量(発言の有無)にかかわらず、常に赤信号で通知することで、同居者にリモートワーカの仕事の忙しさ等が「大」であることを知らせることができる。
【0093】
また、
図5(b)に示すように、スケジュールにない会議においては、音声の検知が所定期間(例えば5分間)ない場合(
図2のステップS24でNO)、同居者に青信号が通知される(
図3のステップS30)。これは、スケジュールにない会議は緊急性が高いことが多いため、スケジュールにある会議と比べて、「お疲れ様でした」等の終了トリガーワードを言わない可能性が高いと考えられるからである。このため、実際は会議が終了しているにもかかわらず、いつまでも赤信号のままとならないように、リモートワーカによる発言が所定期間(例えば5分間)ない場合には、青信号に変更するようにしている。
【0094】
次に、
図4を用いて、
図2のステップS40の非会議時処理について説明する。
図2のステップS40の非会議時処理は、リモートワーカが会議を行っていないときの通知の制御を行うものである。
【0095】
ステップS100において、制御部140は、所定期間の音情報を取得する。この処理において、制御部140は、所定期間(例えば1分間)における、音声取得部110によって取得された音情報を取得する。
【0096】
制御部140は、ステップS100の処理を行った後、ステップS101に移行する。
【0097】
ステップS101において、制御部140は、ステップS12と同様の方法により、開始トリガーワードを検知したか否かを判定する。
【0098】
制御部140は、開始トリガーワードを検知したと判定した場合(ステップS101で「YES」)、
図2のステップS13に処理を戻す。一方、制御部140は、開始トリガーワードを検知していないと判定した場合(ステップS101で「NO」)、ステップS102に移行する。
【0099】
ステップS102において、制御部140は、音声を検知したか否かを判定する。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音情報に音声が含まれているか否かを判定する。
【0100】
制御部140は、音声を検知したと判定した場合(ステップS102で「YES」)、ステップS103に移行する。一方、制御部140は、音声を検知していないと判定した場合(ステップS102で「NO」)、ステップS108に移行する。
【0101】
ステップS103において、制御部140は、声紋認証を行う。この処理において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声を声紋データ化する。
【0102】
制御部140は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
【0103】
ステップS104において、制御部140は、ステップS19と同様の方法により、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であるか否かを判定する。
【0104】
なおステップS104で「YES」の場合とは、リモートワーカが独り言をつぶやきながら仕事に集中している(と推定される)ことを示している。一方、ステップS104で「NO」の場合とは、リモートワーカ以外のもの(例えばテレビ)から音声が発せられていることを示している。
【0105】
制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声であると判定した場合(ステップS104で「YES」)、ステップS105に移行する。一方、制御部140は、音声取得部110によって取得された音声がリモートワーカの声でないと判定した場合(ステップS104で「NO」)、ステップS108に移行する。
【0106】
ステップS105において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に黄信号を表示させる。これにより、同居者には黄信号が通知される。
【0107】
制御部140は、ステップS105の処理を行った後、ステップS106に移行する。
【0108】
ステップS106において、制御部140は、リモートワーカが集中状態であるか否かを判定する。制御部140は、集中状態であるか否かを、カメラなどを用いて判断する。例えば、制御部140は、リモートワーカが着席中であったり、独り言が小さかったりする場合には、リモートワーカが集中状態であると判断する。一方、制御部140は、リモートワーカが離席中であったり、独り言が大きかったり、誰かと会話していたりする場合には、リモートワーカが集中状態でないと判断する。
【0109】
制御部140は、リモートワーカが集中状態であると判定した場合(ステップS106で「YES」)、
図2に示すステップS40を終了させ、
図2のステップS12に処理を戻す。一方、制御部140は、リモートワーカが集中状態でないと判定した場合(ステップS106で「NO」)、ステップS107に移行する。
【0110】
ステップS107において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に青信号を表示させる。これにより、同居者には青信号が通知される。
【0111】
制御部140は、ステップS107の処理を行った後、
図2に示すステップS40を終了させ、
図2のステップS12に処理を戻す。
【0112】
一方、ステップS108において、制御部140は、音声取得部110によって取得された音(騒音)が一定値(例えば60dB)以上の音量であるか否かを判定する。
【0113】
制御部140は、音声取得部110によって取得された音が一定値以上の音量であると判定した場合(ステップS108で「YES」)、ステップS110に移行する。一方、制御部140は、音声取得部110によって取得された音が一定値以上の音量でないと判定した場合(ステップS108で「NO」)、ステップS109に移行する。
【0114】
なおステップS108で「NO」の場合とは、リモートワーカが黙って仕事に集中している(と推定される)ことを示している。一方、ステップS108で「YES」の場合とは、リモートワーカの周囲の騒音が比較的大きいことを示している。
【0115】
ステップS109において、制御部140は、同居者端末200(制御部210)に対して制御指示を行うことで、後述する同居者端末200の表示部220に黄信号を表示させる。これにより、同居者に黄信号をお知らせする。
【0116】
一方、ステップS110において、制御部140は、リモートワーカ端末100の表示部(不図示)の表示によって、周囲の騒音が大きいことをリモートワーカに通知する。
【0117】
制御部140は、ステップS109又はS110の処理を行った後、
図2に示すステップS40を終了させ、
図2のステップS12に処理を戻す。
【0118】
このように、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、会議が行われていない場合でも、リモートワーカの仕事への集中度等に応じて、同居者への通知の態様を異なる態様としている。以下、具体的に説明する。
【0119】
図6(a)に示すように、会議中ではないが、リモートワーカが仕事に集中あるいは作業しているときには(
図4のステップS106でYES)、同居者に黄信号が通知される(
図4のステップS105)。一方、リモートワーカが仕事に集中していない、あるいは作業が終了したときには(
図4のステップS106でNO)、同居者に青信号が通知される(
図4のステップS107)。これにより、同居者は、リモートワーカの仕事の状況を細かく知ることができる。
【0120】
また、
図6(b)に示すように、会議中ではない状態でリモートワーカの周囲の音(騒音)を拾ったときには、騒音の音量が比較的大きい場合には(
図4のステップS108でYES)、同居者に青信号が通知され(
図2のステップS11)、騒音の音量が比較的小さい場合には(
図4のステップS108でNO)、同居者に黄信号が通知される(
図4のステップS109)。これにより、同居者は、リモートワーカの仕事の状況を細かく知ることができる。また、騒音の音量が比較的大きい場合には(
図4のステップS108でYES)、「周囲の音が聞こえます」等の文章をリモートワーカ端末100の表示部(不図示)に表示することにより、騒音が大きいことをリモートワーカに通知する(
図4のステップS110)。これにより、リモートワーカは、これからリモート会議しても支障がない環境にあるかどうかを判断することができる。
【0121】
以上のように、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、リモートワーカの同居者は、リモートワーカの仕事の状況を把握できるため、リモートワーカの仕事の状況に応じて、過ごし方やリモートワーカに対する接し方(声をかけてよいのか)等を判断することができる。また、仕事の状況を通知する作業を、リモートワーカ自身が行う必要がないため、通知が忘れられる(通知が行われない)のを防止することができる。また、リモートワーカは普段どおりリモートワークを行うだけでよい(すなわち、リモートワーカの無意識下で通知が行われる)ため、リモートワーカの負担を軽減することができる。
【0122】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、データ格納部120にはリモートワーカ1人の声紋データを格納しておくだけでよく、他の者の声紋データを格納しておく必要がない。このため、複雑なデータベースが必要ない。また、解析の負荷が少なく、認証精度を確保し易い。
【0123】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、開始トリガーワードの検知により通知の制御が開始されるので、カレンダーに登録していない急な打ち合わせや、リモートワーカ端末100とは異なる別のデバイスでの通話にも対応することができる。
【0124】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1においては、同居者(第三者)は、既に所有している機器(スマートフォンやIoT機器)でリモートワーカの仕事の状況を知ることができるため、専用の機器を購入する必要がない。
【0125】
以上の如く、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1は、
音声を取得する音声取得部110と、
前記音声取得部110によって取得された音声を解析することにより、リモートワーカの仕事の状況を判断する制御部140(判断部)と、
前記制御部140(判断部)による判断結果を、前記リモートワーカ以外の第三者(同居者)に通知する制御部140(通知部)と、
を具備するものである。
【0126】
このように構成されることにより、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減を図ることができる。
具体的には、リモートワーカ以外の第三者(リモートワーカの同居者等)は、リモートワーカの仕事の状況を把握できるため、リモートワーカの仕事の状況に応じて、過ごし方やリモートワーカに対する接し方(声をかけてよいのか)等を判断することができる。
また、仕事の状況を通知する作業を、リモートワーカ自身が行う必要がないため、通知が忘れられる(通知が行われない)のを防止することができる。また、リモートワーカは普段どおりリモートワークを行うだけでよいため、リモートワーカの負担を軽減することができる。
【0127】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1は、
前記リモートワーカの声紋データが格納されたデータ格納部120(声紋データ格納部)を具備し、
前記制御部140(判断部)は、
前記音声取得部110によって取得された音声と前記データ格納部120に格納された前記声紋データとを照合し、前記音声取得部110によって取得された音声のうち、前記リモートワーカの音声と判断された音声に基づいて前記リモートワーカの仕事の状況を判断する(
図2のステップS17、S18、
図3のステップS19)ものである。
【0128】
このように構成されることにより、制御部140のデータベース(声紋データ格納部)の負荷を低減しつつ、想定しない通知が行われるのを防ぐことができる。
具体的には、リモートワーカ1人の声紋データを格納しておくだけでよいので、声紋データ格納部(データベース)の負荷を低減することができる。
また、リモートワーカ以外の者(同居者又は他のワーカ等)の音声に基づいて通知が行われるのを防止することができる。
【0129】
また、前記制御部140(判断部)は、
前記リモートワーカの仕事の状況として、前記リモートワーカがリモート会議中であるか否かを判断するものである。
【0130】
このように構成されることにより、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
具体的には、リモートワーカ以外の第三者(リモートワーカの同居者等)は、リモートワーカが会議中であるか否かに応じて、過ごし方やリモートワーカに対する接し方(声をかけてよいのか)等を判断することができる。
【0131】
また、前記制御部140(判断部)は、
前記音声取得部110によって取得された音声からリモート会議の開始を表す開始トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を開始したと判断する(
図2のステップS12)ものである。
【0132】
このように構成されることにより、リモートワーカがリモート会議中であるか否かの判断の精度を向上させることができる。
具体的には、開始トリガーワードの検出に基づいて会議の開始を判断するので、単なる独り言に基づいて、会議が開始したと誤って判断してしまうのを抑制することができる。
【0133】
また、前記制御部140(判断部)は、
前記音声取得部110によって取得された音声からリモート会議の終了を表す終了トリガーワードを検出することにより、前記リモートワーカがリモート会議を終了したと判断する(
図3のステップS27、S29)ものである。
【0134】
このように構成されることにより、リモートワーカがリモート会議中であるか否かの判断の精度を向上させることができる。
具体的には、終了トリガーワードの検出に基づいて会議の終了を判断するので、実際には会議が終了しているにもかかわらず会議中と通知したままとなるのを抑制することができる。
【0135】
また、前記制御部140(判断部)は、
前記音声取得部110によって取得された音声を解析することにより、前記リモートワーカのリモート会議中の発言量を算出し(
図2のステップS16)、
前記制御部140(通知部)は、
算出された前記発言量に応じて、前記通知の態様を異なる態様とする(
図2のステップS20、S21)ものである。
【0136】
このように構成されることにより、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
具体的には、リモートワーカの発言が多い会議であると通知された場合、第三者は、できるだけ仕事の邪魔にならない(例えば音を立てない)ように生活や仕事をした方がよいと判断することができる。一方、リモートワーカの発言が少ない会議であると通知された場合、第三者は、許容される範囲で多少の声や音を出して生活や仕事をしてもよいと判断することができる。
【0137】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1は、
リモート会議のスケジュールを登録するスケジュール登録部130を具備し、
前記制御部140(判断部)は、
前記リモートワーカがリモート会議中であると判断した場合、当該リモート会議が前記スケジュール登録部130に登録されたものか否かを判断し(
図2のステップS15)、
前記制御部140(通知部)は、
当該リモート会議が前記スケジュール登録部130に登録されたものか否かに応じて、前記通知の態様を異なる態様とする(ステップS16~S21、S29、ステップS22~S28)ものである。
【0138】
このように構成されることにより、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
具体的には、スケジュール登録部に登録されていない(すなわち、予定にない)会議は、スケジュール登録部に登録されている(すなわち、予定にある)会議よりも緊急度が高いため、重要度が高いと考えられる。このため、例えば、スケジュール登録部に登録されていない会議の方が、スケジュール登録部に登録されている会議よりも、重要度が高いと認識できる態様で通知することにより、第三者は、例えば、スケジュール登録部に登録されていない会議の場合、できるだけ仕事の邪魔にならない(例えば音を立てない)ように生活や仕事をした方がよいと判断し、スケジュール登録部に登録されている会議の場合、許容される範囲で多少の声や音を出して生活や仕事をしてもよいと判断することができる。
【0139】
また、前記制御部140(判断部)は、
前記リモートワーカがリモート会議中でないと判断した場合(
図2のステップS12でNO)、前記リモートワーカの仕事への集中度を判断し(
図4のステップS106)、
前記制御部140(通知部)は、
前記集中度に応じて、前記通知の態様を異なる態様とする(
図4のステップS105、ステップS107)ものである。
【0140】
このように構成されることにより、リモートワーカ以外の第三者にかかるストレスの軽減をより図ることができる。
具体的には、第三者は、例えば、リモートワーカの仕事への集中度が高い場合、できるだけ仕事の邪魔にならない(例えば音を立てない)ように生活や仕事をした方がよいと判断し、集中度がそれほど高くない場合、許容される範囲で多少の声や音を出して生活や仕事をしてもよいと判断することができる。
【0141】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1は、
前記リモートワーカの周囲の騒音の大きさを計測する制御部140(騒音計測部)を具備し、
前記制御部140(通知部)は、
計測された前記騒音の大きさを、当該リモートワーカに通知可能である(
図4のステップS110)ものである。
【0142】
このように構成されることにより、リモートワーカは、リモート会議しても支障がない環境にあるかどうかを判断することができる。
具体的には、大きな騒音は会議の妨げとなるため、リモートワーカは、通知された騒音の大きさに基づいて、今の環境でリモート会議を行ってもよいか、或いは別の場所でリモート会議を行った方がよいかを判断することができる。
【0143】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0144】
例えば、本実施形態においては、リモートワーカの仕事の状況を赤信号、黄信号、青信号の表示によって通知するものとしたが、通知の方法はこれに限定されるものではなく、任意の方法とすることができる。例えば、文章でリモートワーカの仕事の状況を通知してもよく、また音やバイブレーションの違いにより、リモートワーカの仕事の状況を通知してもよい。
【0145】
また、本実施形態においては、リモートワーカの仕事の状況を同居者が所有する端末(同居者端末200)に通知するものとしたが、通知先の装置はこれに限定されるものではなく、任意のものとすることができる。例えば、同居者が確認可能な位置に、通知を行うための他の装置を別途設けてもよい。また、同居者端末200(通知先の装置)は、必ずしも制御部210を備えていなくてもよい。すなわち、リモートワーカ端末100の制御部140によって表示部220の表示の制御を直接行うようにしてもよい。
【0146】
また、リモートワーク支援システム1の各構成要素(音声取得部110やスケジュール登録部130等)が設けられる場所は、本実施形態のものに限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0147】
また、本実施形態においては、会議が行われている場合に、リモートワーカの発言がない場合に黄信号で通知するものとしたが(
図2のステップS17でNO、ステップS21)、リモートワーカ端末100がミュートになっているか否かを判断し、ミュートになっている場合に黄信号で通知するものとしてもよい。これは、リモートワーカ端末100がミュートになっている場合とは、リモートワーカが主体的に話す会議ではないことを示しているからである。
【0148】
また、本実施形態においては、会議が行われている場合に、リモートワーカの発言があるか否かによって、赤信号で通知するか、又は黄信号で通知するものとしたが(
図2のステップS17からステップS21)、所定期間(例えば1分間)におけるリモートワーカによる発言量が所定量以上である(あるいは所定量を超える)場合、赤信号で通知し、所定期間におけるリモートワーカによる発言量が所定量未満である(あるいは所定量以下である)場合、黄信号で通知するようにしてもよい。
【0149】
また、本実施形態においては、重要会議フラグがONされているときには、リモートワーカの音声のみによって終了トリガーワードを検知するものとしたが(ステップS22~S27)、終了トリガーワードの発声元を問わないようにしてもよい。また、本実施形態においては、重要会議フラグがOFFされているときには、終了トリガーワードの発声元は問わないものとしたが(ステップS29)、リモートワーカの音声のみによって終了トリガーワードを検知するようにしてもよい。また、本実施形態においては、開始トリガーワードの発声元は問わないものとしたが(ステップS12)、リモートワーカの音声のみによって開始トリガーワードを検知するようにしてもよい。
【0150】
また、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1は、リモートワーカは在宅で勤務する場合に使用するものとしたが、サテライトオフィスで勤務を行う場合にも使用することができる。この場合、リモートワーカの仕事の状況は、当該リモートワーカとともにサテライトオフィスで働く他のワーカに通知されるようにしてもよい。これにより、他のワーカは、当該リモートワーカの仕事の状況に応じて、仕事の仕方やリモートワーカに対する接し方(声をかけてよいのか)等を判断することができる。
【0151】
具体的には、他のワーカに赤信号が通知された場合、当該他のワーカは、リモートワーカに話しかけるのを控えたり、他の者と話すときに小声で話すようにするべきと判断することができる。これにより、リモートワーカへの配慮や情報漏洩の防止を図ることができる。また、他のワーカに黄信号が通知された場合、当該他のワーカは、許容される範囲で多少の声や音を出して仕事をしてもよいと判断することができる。また、他のワーカに青信号が通知された場合、当該他のワーカは、リモートワーカに声かけしてもかまわないと判断することができ、また他の者と話しても情報漏洩の危険性が少ないと判断することができる。
【0152】
以上の如く、本実施形態に係るリモートワーク支援システム1において、前記第三者は、前記リモートワーカの同居者、又は前記リモートワーカとともに働く他のワーカであるものである。
【0153】
このように構成されることにより、同居者又は他のワーカにかかるストレスの軽減を図ることができる。
【符号の説明】
【0154】
1 リモートワーク支援システム
100 リモートワーカ端末
110 音声取得部
120 データ格納部
130 スケジュール登録部
140 制御部