(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180098
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】水性ボールペン用インク組成物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/18 20060101AFI20221129BHJP
B43K 1/08 20060101ALI20221129BHJP
B43K 7/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
C09D11/18
B43K1/08 100
B43K7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087016
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祐一
【テーマコード(参考)】
2C350
4J039
【Fターム(参考)】
2C350GA03
2C350HA09
4J039BC09
4J039EA47
4J039EA48
4J039GA27
(57)【要約】
【課題】 インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する水性ボールペン用インク組成物を提供する。
【解決手段】
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、下記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物を含むことを特徴とする。
【化1】
〔上記一般式(I)中、R
1は炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、R
2及びR
4は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R
3はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、R
5は2価の炭化水素基を表し、R
6は水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。〕
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物を含むことを特徴とする、水性ボールペン用インク組成物。
【化1】
〔上記一般式(I)中、R
1は炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、R
2及びR
4は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R
3はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、R
5は2価の炭化水素基を表し、R
6は水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。〕
【請求項2】
前記ポリアルキレンオキシド変性物の含有量がインク組成物全量に対して、0.05~5質量%であることを特徴とする請求項1記載の水性ボールペン用インク組成物。
【請求項3】
剪断速度383sec-1における粘度が3000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具用水性インク組成物。
【請求項4】
剪断速度383sec-1における粘度が100mPa・s以下、かつ、粘性指数n値が0.8以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性ボールペン用インク組成物。
【請求項5】
前記請求項1~4のいずれか一つに記載の水性ボールペン用インク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
【請求項6】
ペン先チップホルダー内におけるボールの直径が0.15~2.0mmであることを特徴とする、請求項5記載の水性ボールペン
【請求項7】
ペン先チップホルダー内におけるボールの軸方向(上下方向)の移動距離が15~80μmであることを特徴とする、請求項5又は6記載の水性ボールペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する水性ボールペン用インク組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクのペン先からの漏れ防止や、描線の滲みも少ない水性ボールペン用インク組成物などとしては、例えば、
1)水溶性ポリオキシアルキレンポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて誘導された、オキシエチレン単位の含有量が少なくとも60重量%である水溶性ポリウレタン化合物(C)からなることを特徴とする水性ボールペン用インク改質剤(例えば、特許文献1参照)、
2)水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなることを特徴とする、筆記具用水性インク組成物(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1及び2の水性ボールペン用インク組成物などは、未だ十分でなく、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する水性ボールペン用インク組成物が切望されているのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-311148号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】特開2020-105273号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する、水性ボールペン用インク組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、特定のポリアルキレンオキシド変性物を含むことなどにより、上記目的の水性ボールペン用インク組成物などが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】
すなわち、本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、下記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物を含むことを特徴とする。
【化1】
〔上記一般式(I)中、R
1は炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、R
2及びR
4は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R
3はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、R
5は2価の炭化水素基を表し、R
6は水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。〕
前記ポリアルキレンオキシド変性物の含有量はインク組成物全量に対して、0.05~5質量%であることが好ましい。
前記剪断速度383sec
-1における粘度は、3000mPa・s以下であることが好ましい。
前記剪断速度383sec
-1における粘度は、100mPa・s以下、かつ、粘性指数n値が0.8以下であることが好ましい。
本発明の水性ボールペンは、前記組成の水性ボールペン用インク組成物を搭載したことを特徴とする。
ペン先チップホルダー内におけるボールの直径は0.15~2.0mmであることが好ましい。
ペン先チップホルダー内におけるボールの軸方向(上下方向)の移動距離は15~80μmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する水性ボールペン用インク組成物及びこれを搭載した水性ボールペンが提供される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の水性ボールペン用インク組成物を収容した水性ボールペンのインクリフィルの一例を示す縦断面図である。
【
図2】
図1のインクリフィルにおけるボールチップのボールの軸方向への移動量(ボールペンチップのボールとボール受け座とのクリアランス)を説明するためのボールペンチップの要部を縦断面態様で示す説明図である。
【
図3】本発明の水性ボールペンの一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述する実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、下記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物を含むことを特徴とするものである。
【化2】
〔上記一般式(I)中、R
1は炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、R
2及びR
4は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R
3はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、R
5は2価の炭化水素基を表し、R
6は水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。〕
【0011】
〔ポリアルキレンオキシド変性物〕
本発明に用いるポリアルキレンオキシド変性物は、上記一般式(I)で表されるものであり、主鎖にウレタン構造及び親水性のアルキレンオキシ基を有し、末端に炭化水素基を有する変性されたポリアルキレンオキシド変性物(ウレタン系コポリマー)である。
本発明では、上記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物は、下記の製造法で得られたものを使用でき、また、市販品があれば、それらを使用することができる。
上記一般式(I)中、R1は炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、R2及びR4は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、R5は2価の炭化水素基を表し、R6は水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
【0012】
上記一般式(I)中のR1は、炭素数2~36でm価の炭化水素基を表し、好ましくは2価~8価の炭化水素基である。R1で表される炭化水素基は、その炭素原子-炭素原子間に酸素原子を含んでもよい。また、R2及びR4は、各々独立に、炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素原子数2~4のアルキレン基である。
上記一般式(1)中のR3は、ウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、好ましくは2価~4価の炭化水素基である。R3で表される炭化水素基の炭素原子数としては1~10が好ましい。また、R5は、2価の炭化水素基を表し、その炭素原子数は8~36が好ましく、12~24がより好ましい。R5で表される2価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基から水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられ、中でも、アルキレン基であることが好ましい。
上記一般式(1)中のR6は、水素原子又はヒドロキシ基を表し、R6が水素原子である場合には、R5の2価の炭化水素基と共に末端基となる。
【0013】
上記一般式(I)中のmは、R1で表される炭化水素基の価数と同じであり、2以上の整数である。hは、R3で表される炭化水素基の価数-1であり、1以上の整数である。
また、上記一般式(I)中のkは、(O-R2)構造の繰り返し数(重合度)であって、0~1000の範囲の整数であればよい。また、nは、(R4-O)構造の繰り返し数(重合度)であって、0~1000の範囲の整数であればよい。なお、一般式(I)中、k及びnの両方が0になることはない。
【0014】
〈一般式(1-a)で表される化合物〉
本発明では、一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(1-a)で表される化合物が好ましい。
【化3】
【0015】
上記一般式(1-a)中、R11は炭素数2~12でm1価の炭化水素基を表し、R12及びR14は各々独立に炭素数1~4で2価の炭化水素基を表し、R13はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh1+1価の炭化水素基を表し、R15は1価の炭化水素基を表す。m1は2以上の整数であり、h1は1以上の整数であり、k1及びn1は括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k1及びn1の両方が0になることはない。
【0016】
ここで、一般式(1-a)中のR12、R13、R14、m1、h1、k1、及びn1は、一般式(1)中のR2、R3、R4、m、h、k、及びnに相当し、定義は同じであり、中でも、好ましい態様は以下のとおりである。
即ち、一般式(1-a)において、R11で表される炭化水素基の炭素数としては、2~12であり、2~4が好ましい。R11で表される炭化水素基は、鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、鎖状の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
R13で表される炭化水素基は脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
n1は好ましくは2であり、h1は好ましくは1である。k1としては、好ましくは1~500の整数であり、より好ましくは100~300の整数である。n1としては、好ましくは1~200の整数であり、より好ましくは10~100の整数である。
また、一般式(1-a)中のR15は、一般式(I)中のR6が水素原子である場合の「R5-R6」で表される基に相当し、好ましい例も同様である。
一般式(1-a)では、R15はアルキル基(つまり、一般式(I)中のR5で表される2価の炭化水素基が分岐状のアルキレン基で、R6が水素原子である構造)であることが好ましい。
【0017】
この一般式(1-a)で表される化合物は、例えば、「R11-[(O-R12)k1-OH]m1(ここで、R11、R12、k1、及びm1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルポリオールと、「R13-(NCO)h1+1(ここで、R13及びh1は上記の定義と同じ)」で表されるポリイソシアネートと、「HO-(R14-O)n1-R15(ここで、R14、R15、及びn1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルモノアルコールと、を反応させる方法により得られることが好ましい。ここで、反応に用いる原料である、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、及びポリエーテルモノアルコールは、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0018】
上記の方法にて一般式(1-a)で表される化合物を得る場合、一般式(1-a)中のR11~R15で表される炭化水素基は、用いる3つの原料「R11-[(O-R12)k1-OH]m1」、「R13-(NCO)h1+1」、及び「HO-(R14-O)n1-R15」により、それぞれ決定される。
上記3つの原料の仕込み比は、特に限定されるものでなく、例えば、ポリエーテルポリオール及びポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と、の比がNCO:OH=0.8:1~1.4:1の範囲となることが好ましい。
【0019】
「R11-[(O-R12)k1-OH]m1で表されるポリエーテルポリオールは、m1価のポリオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得られる。
従って、一般式(1-a)で表される化合物の合成に用いられるm1価のポリオールの構造により、R11で表される炭化水素基が決定される。また、m1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R12で表される炭化水素基が決定される。
【0020】
ここで、ポリオールとしては、2価~8価のものが好ましく、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ペンタトリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、4-プロピル-3,4,5-ヘプタントリオール、2,4-ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,4-ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4-ペンタンテトロール、2,3,4,5-ヘキサンテトロール、1,2,4,5-ペンタンテトロール、1,3,4,5-ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
本発明においては、2価のアルコール、特に、エチレングリコールが好ましい。
【0021】
また、上記したm1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるために、炭素原子数2~4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
【0022】
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。また、共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すk1は0~1000の範囲であればよく、1~500の範囲が好ましく、100~300の範囲がより好ましい。
全R12に占めるエチレン基の割合は、全R12中の50質量%~100質量%の範囲であることが好ましい。
「R11-[(O-R12)k1-OH]m1の分子量は、500~10万のものが好ましく、1000~5万のものが特に好ましい。
【0023】
「R13-(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。
従って、一般式(1-a)で表される化合物の合成に用いられるポリイソシアネートにより、R13で表される炭化水素基が決定される。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ-、トリ-、テトライソシアネート等が挙げられる。本発明では、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
【0024】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテル
ジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中では、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0025】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0027】
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,5,2’,5’-テトラメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4-イソシオントフェニル)メタン、3,3’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジメトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、4,4’-ジエトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチル-5,5’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジクロロジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ベンゾフェノン-3,3’-ジイソシアネート等が挙げられる。
【0028】
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,7-ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
【0029】
ポリイソシアネートとしては、上記のポリイソシアネートのダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)が用いられてもよく、また、上記のポリイソシアネートをアミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
更に、これらのポリイソシアネートとポリオールとを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いてもよい。ここで用いるポリオールとしては、2価~8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。
なお、「R13-(NCO)h1+1」として、3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、上記のウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0030】
「HO-(R14-O)n1-R15」で表されるポリエーテルモノアルコールは、1価のアルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、1価のアルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
従って、一般式(1-a)で表される化合物の合成に用いる1価のアルコールにより、R15で表される炭化水素基が決定される。また、1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R14で表される炭化水素基が決定される。
【0031】
ここでいう1価のアルコールは、下記一般式(II)、(III)、又は(IV)で表されるアルコールである。よって、R15は、下記一般式(II)~(IV)において水酸基を除いた基に相当する。
一般式(II):Ra-OH
一般式(III):Rb-CH(Rc)-Rd-OH
一般式(IV):Re-CH(Rf)-OH
上記一般式(II)~(IV)中、Ra、Rb、Rc、Re、及びRfは、各々独立に炭化水素基を表し、具体的には例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の炭化水素基が挙げられる。
【0032】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2-オクチルドデシル、2-ドデシルヘキサデシル、2-テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐-イソステアリル等が挙げられる。
【0033】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0034】
一般式(III)中、Rdは2価の炭化水素基を表し、具体的には、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等が挙げられる。
これらの炭化水素基としては、前に挙げられた、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、及びシクロアルケニル基からそれぞれ水素原子を1つ除いてなる、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、及びシクロアルケニレン基が挙げられる。
また、上記した1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるために、炭素原子数2~4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
【0035】
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。また、共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すn1は0~1000の範囲であればよく、1~200の範囲が好ましく、10~200の範囲がより好ましい。
また、全R14に占めるエチレン基の割合は、全R14の50質量%~100質量%の範囲が好ましく、65質量%~100質量%の範囲がより好ましい。
【0036】
一般式(1-a)で表される化合物を製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80~90℃で1~3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
「R11-[(O-R12)k1-OH]m1」で表されるポリエーテルポリオール(a)と、「R13-(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネート(b)と、「HO-(R14-O)n1-R15」で表されるポリエーテルモノアルコール(c)と、を反応させる場合には、一般式(I-a)で表される化合物(コポリマー)以外のものも副生することがある。
例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては、一般式(I-a)で表されるc-b-a-b-c型のコポリマーが生成するが、その他、c-b-c型、c-b-(a-b)x-a-b-c型等のコポリマーが副生することがある。
この場合、一般式(1-a)で表されるc-b-a-b-c型のコポリマーを分離することなく、このコポリマーを含む混合物の状態で、本発明の水性ボールペン用インク組成物に使用してもよい。
【0037】
本発明に用いる一般式(1-a)で表される化合物としては、特開平9-71766号公報に挙げられた化合物が好適に用いられる。
本発明では、一般式(1-a)で表される化合物としては、特に、PEG-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマーが好適である。かかるコポリマーは、商品名「アデカノールGT-700」として株式会社ADEKAから市販されている。
【0038】
〈一般式(1-b)で表される化合物〉
本発明では、一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(1-2)で表される化合物が好ましい。
【化4】
【0039】
上記一般式(1-b)中、R21は炭素数6~36でm2価の飽和炭化水素基を表し、R22は、メチルジフェニレン基、ヘキサメチレン基、メチルジシクロヘキシレン基、3-メチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシレン基、ジメチルフェニレン基、又はトリレン基を表し、R23は水素原子又はメチル基を表す。n2は90~900の整数を表し、m2は1~5の整数を表す。
ここで、R21としては、炭素数6~36の飽和炭化水素基であることが望ましく、中でも、炭素数6~36の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましい。
【0040】
一般式(1-b)で表される化合物は、「H-(O-CHR23CH2)n2-OH(ここで、R23及びn2は上記の定義と同じ)」で表されるポリアルキレンオキシド化合物と、「HO-R21(ここで、R21は上記の定義と同じ)」で表される1価の疎水性アルコールと、「R22<(NCO)2(ここで、R22は上記の定義と同じ)」で表されるジイソシアネート化合物と、を原料として、これらを反応させることにより得られる。
【0041】
「H-(O-CHR23CH2)n2-OH」で表されるポリアルキレンオキシド化合物としては、具体的には、ポリエチレレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド(好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体)等が挙げられる。
これらのポリアルキレンオキシド化合物の中でも、好ましくはエチレンオキシド基を70質量%以上含有するポリアルキレンオキシド化合物であり、より好ましくはエチレンオキシド基を95質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物である。
【0042】
「HO-R21」で表される1価の疎水性アルコールとしては、水への溶解性が0.4質量%以下の範囲にあるアルコールが好ましく、具体的には、例えば、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキルアルコール、2-オクチルドデカノール及びベヘニルアルコール等が挙げられ、セチルアルコール及びベヘニルアルコールが挙げられる。これらの1価の疎水性アルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
1価の疎水性アルコールは、ポリアルキレンオキシド化合物1モルに対して、0.2モル~1.0モルの割合で使用することが好ましく、0.25モル~0.70モルの割合で使用することがより好ましい。
「R22<(NCO)2」で表されるジイソシアネート化合物として具体的には、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(HMDI)、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,8-ジメチルベンゾール-2,4-ジイソシアネート及び2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の中でも、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(HMDI)及び1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好
ましい。これらのジイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
ジイソシアネート化合物は、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコール化合物の末端水酸基の合計モル数([-OH]のモル数)1モルに対して、イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数([-NCO]のモル数)で0.67モル~0.91モルの割合で使用することが好ましく、0.70モル~0.90モルの割合で使用することが好ましい。
【0045】
上記した、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコールとジイソシアネート化合物とを反応させる方法としては、例えば、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解や分散させて反応させる方法;固体を粉末状に粉砕(粉末状)もしくは液状に溶融して両者を均一に混合した後、所定の温度に加熱して反応させる方法等が挙げられる。
一般式(1-b)で表される化合物の合成方法としては、特開2013-116941号公報の段落〔0049〕~〔0051〕に記載された方法が好適に用いられる。
本発明では、一般式(1-b)で表される化合物として、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(メチレンジフェニルジイソシアネート/PEG-400)コポリマー、即ち、商品名「アクペック HU タイプC」として住友精化株式会社より市販されている化合物が好適である。
【0046】
このポリアルキレンオキシド変性物の含有量は、インク組成物全量に対して、0.05~5質量%であることが好ましく、更に好ましくは、0.1~3質量%であることが望ましい。
このポリアルキレンオキシド変性物の含有量が、インク組成物全量に対して0.05質量%以上であると、粘度付与が十分となり、滲み、およびインク垂れもなく、本発明の効果を好適に発揮することができ、一方、5質量%以下とすることにより、粘度が高くなりすぎることを抑制し、インク追従性を良好に維持し、筆記時のカスレも生じることがなく、良好な筆記性能を維持することができる。
【0047】
〈水性ボールペン用インク組成物〉
本発明の水性ボールペン用インク組成物には、少なくとも、上記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物を含有することを特徴とするものであり、その他に、色材、水溶性溶剤、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)を含むことが好ましく、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、潤滑剤、増粘剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
【0048】
本発明に用いる色材としては、水に溶解もしくは分散する全ての染料、酸化チタン等の従来公知の無機系および有機顔料系、顔料を含有した樹脂粒子顔料、樹脂エマルションを染料で着色した疑似顔料、白色系プラスチック顔料、シリカや雲母を基材とし表層に酸化鉄や酸化チタンなどを多層コーティングした顔料、熱変色性顔料、光変色性粒子等を制限なく使用することができる。
染料としては、例えば、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6-C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などが挙げられる。
【0049】
無機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。より具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0050】
熱変色性顔料としては、発色剤として機能するロイコ色素と、該ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となる顕色剤及び上記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールすることができる変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.1~6μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された熱変色性顔料などを挙げることができる。
光変色性粒子としては、例えば、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などから選択される1種以上と、テルペンフェノール樹脂などの樹脂とにより構成される光変色性粒子や、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などから選択される1種以上と、有機溶媒と、酸化防止剤、光安定剤、増感剤などの添加剤とを含む光変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.1~6μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された光変色性粒子などを挙げることができる。
【0051】
本発明(実施例等含む)において、「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320-X100(日機装社製)〕にて、測定したD50の値である。
上記熱変色性顔料のマイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、壁膜がウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂等となる樹脂原料を使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより熱変色性マイクロカプセル顔料を製造することができる。この熱変色性顔料では、ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度、消色温度を好適な温度に設定することができる。
また、上記光変色性粒子のマイクロカプセル化法としては、上述の熱変色性の樹脂粒子の製造と同様に調製することができる。
この光変色性粒子は、フォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などを好適に用いることにより、例えば、室内照明環境(室内での白熱灯、蛍光灯、ランプ、白色LEDなどから選ばれる照明器具)において無色であり、紫外線照射環境(200~400nm波長の照射、紫外線を含む太陽光での照射環境)で発色する性質を有するものとすることができる。
【0052】
これらの色材は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらの色材のうち、水に分散する顔料や、樹脂粒子顔料、疑似顔料、白色系プラスチック顔料、多層コーティングした顔料、熱変色性顔料、光変色性粒子等の平均粒子径は、ボール径、インク組成・粘度などにより変動するが、平均粒子径が0.02~6μmのものが望ましい。
これらの色材の含有量は、インクの描線濃度に応じて適宜増減することが可能であるが、インク組成物全量に対して、0.1~40質量%(以下、「質量%」を「%」という)、好ましくは、1~20質量%が望ましい。
【0053】
用いることができる水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3-ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。この水溶性溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して、5~40%とすることが望ましい。
【0054】
用いることができる分散剤としては、ノニオン、アニオン界面活性剤や水溶性樹脂が用いられる。好ましくは水溶性高分子が用いられる。
用いることができる潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、リン酸エステル、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
用いることができる増粘剤としては、公知のものが使用でき、具体的には、アルカリ膨潤会合型エマルション、アルカリ膨潤型エマルション、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、キサンタンガム、サクシノグリカンなどの多糖類群、架橋型アクリル酸重合体、結晶セルロース、レオザンガム、ジェランガム、モンモリロナイト系粘土鉱物等無機系の増粘剤などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0055】
pH調整剤としては、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンや、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなとの炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水和物などが挙げられる。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、チアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
上記分散剤、潤滑剤、増粘剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などの各成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの市販品があればそれを使用することができる
【0056】
また、本発明では、必要に応じて、粘度調整、並びに、固着力向上の点から、水溶性樹脂を用いることができる。具体的には、ポリアクリル酸、水溶性スチレン-アクリル樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水溶性エステル-アクリル樹脂、エチレン-マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性ウレタン樹脂等の分子内に疎水部を持つ水溶性樹脂、また、ポリオレフィン系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、スチレン-ブタジエンエマルジョン、スチレンアクリロニトリルエマルジョンなどの樹脂エマルジョンなどから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、上記の水溶性樹脂および樹脂エマルジョンからそれぞれ1種類以上、計2種類以上の使用が望ましい。
【0057】
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、他の水性インク組成物の製造方法と比べて特に変わるところはなく製造することができる。
すなわち、本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、上記式(I)で表されるポリアルキレンオキシド変性物に、色材、水溶性溶剤、その他の各成分をミキサー等、更に、例えば、強力な剪断を加えることができるビーズミル、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて撹拌条件を好適な条件に設定等して混合撹拌することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって水性ボールペン用インク組成物を製造することができる。
【0058】
また、本発明の水性ボールペン用インク組成物のpH(25℃)は、使用性、安全性、インク自身の安定性、インク収容体とのマッチング性の点からpH調整剤などにより5~10に調整されることが好ましく、更に好ましくは、6~9.5とすることが望ましい。
【0059】
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、剪断速度383sec-1における粘度が25℃で3000mPa・sec以下であることが好ましく、更に好ましくは、1000mPa・sec以下、特に好ましくは、1~100mPa・secの範囲が望ましい。
この粘度が上記剪断速度で3000mPa・sを越えて粘度が高くなると、インク流量が低下し、筆感が重くなり、滑らかに書きづらくなり、一方、1mPa・sec以上とすることにより、筆跡の滲みや裏抜け抑制効果が発揮されやすくなる。
【0060】
更に好ましくは、筆記性の点、インクの安定性の点から、25℃における383sec-1の粘度が100mPa・s以下、かつ粘性指数n値が0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは、80mPa・s以下、かつ粘性指数n値が0.2以上0.75以下であることが望ましい。
なお、本発明(後述する実施例等も含む)で規定する「粘性指数n値」は、擬塑性を表す指標をいい、ニュートン・オストワルドの粘度式におけるずり速度と見かけ粘度の関係から算出した値である。
これらの各剪断速度における上記粘度値の範囲、粘性指数n値の範囲の調整等は、用いるポリアルキレンオキシド変性物、溶媒となる水、色材などを好適に組み合せ、これらの各含有量を好適に調整すること、更に、好適な混練方法などの選択により行うことができる。
【0061】
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、ボールペンチップなどのペン先部を備えたボールペンに搭載される。
本発明における水性ボールペンとしては、例えば、上記組成の水性ボールペン用インク組成物を直径が0.15~2.0mmのボールを備えたボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。直径が上記範囲のボールを備えたものであれば、用いる水性ボールペンの構造などは、特に限定されず、特に、上記水性インク組成物をポリプロピレン製の樹脂製チューブのインク収容管に充填し、先端のステンレスチップ(ボールは超鋼合金)を有するリフィールの水性ボールペンに仕上げたものが望ましい。
更に、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の水性ボールペン用インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペンであってもよいものである。
【0062】
図1~4は、本発明の水性ボールペン用インク組成物を、金属チップ、樹脂チップなどのボールペンチップを備えたインクリフィル、並びに、ボールペンに搭載して使用に供する場合の水性ボールペンの一例を示す各図面である。
本発明の水性ボールペン用インク組成物を収容したインクリフィル10としては、例えば、
図1に示すように、ボールペンチップ15と、継手部材14と、インク収容管11とから構成されるものが挙げられる。インク収容管11は、ポリプロピレン製などの樹脂製の管であり、その内部には本発明の水性ボールペン用インク組成物12が収容されており、更に、このインク組成物12の後端にはインク追従体13が収容されている。
【0063】
インクリフィル10の先端部には、継手部材14を介してボールペンチップ15が装着されている。このボールペンチップ15は、
図1及び
図2に示すように、ホルダー16と、これに抱持される超硬合金製の筆記ボール17とによって構成されている。ホルダー16は、円柱状に形成され、その先端側が先細形状のボール保持部となるテーパー部16aと、後端側の外周が小径となっている連結部16bと、ホルダー後端からテーパー部16aの中途部分までの内部空間として形成されたバック孔16cとで構成されている。筆記ボール17を受けるホルダー16の先端部分は、
図2に示すように、ボールハウス16d
、筆記ボール17を抱持するカシメ部16e、バック孔16cに連通するインク誘導孔16f及びインク溝16g、ボール受け座16hが形成されている。
【0064】
この水性ボールペンの実施形態において、ボールペンチップ15の筆記ボール17とボール受け座16hとのクリアランス、すなわち、筆記ボール17の軸方向(上下方向)の移動量(移動距離)Lは、インク直流の防止の点、大粒子径の樹脂粒子を含むインクを適切に吐出させる点、初筆性を確保する点から、15~80μmとすることが好ましい。
【0065】
このインクリフィル10は、例えば、
図3及び
図4に示すような、ノック式の水性ボールペン20に搭載され、使用に供されるものとなる。このノック式の水性ボールペン20は、三本(黒色、赤色、青色)の水性ボールペン用のインクリフィル10を先軸21と後軸22とが螺合により着脱自在となる軸筒23の軸先24から、夫々の筆記先端部を選択的に出没可能とした複式の水性ボールペンである。この水性ボールペン20のノック機構30は、各3本の水性ボールペン用チューブ10…を着脱可能に嵌着すると共に、リターンスプリングとなるバネ31…を挿通したノック体32…を備えたものであり、ノック体32の一つを下方にノックすることにより選択的に出没可能とし、使用に供することとなっている。図示符号25はゴム部材やエラストマー部材から構成されるグリップ部であり、26はクリップ部である。なお、インクリフィル10の内径(直径)は、1.5~3.0mm、インク追従体の充填長は5~20mmに設定されるものが好ましく、また、ノック機構を構成するリターンスプリングであるバネ31としては、上記好ましい範囲となるバネ乗数、使用時加重、収納時加重のものが用いられる。更に、
図3及び
図4では、複式の水性ボールペンとしたが、単式の水性ボールペンとしてもよいものである。
【0066】
このように構成される本発明の水性ボールペン用インク組成物及びこれを搭載した水性ボールペンが、何故、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有するものとなるのは、上記ポリアルキレンオキシド変性物がインク中で均一に分散しやすく、かつ、ネットワーク構造の構築と、剪断応力による構造の破壊がスムーズであるため、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味なるためと推測される。
本発明の水性ボールペン用インク組成物及びこれを搭載した水性ボールペンでは、本発明の効果を発揮せしめる持続効果が極めて優れており、しかも、その効果の発現期間・持続時間も長く、更に水性であるために経時的な安定性にも優れたものとなる。
【実施例0067】
次に、水性ボールペン用インク組成物及びこれを搭載した水性ボールペンの実施例1~10及び比較例1~5により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
【0068】
〔実施例1~10及び比較例1~5〕
下記表1に示す配合処方にしたがって、常法により各水性ボールペン用インク組成物を調製した。
得られた各水性ボールペン用インク組成物(全量100質量%)について、下記各方法により剪断速度383sec-1(25℃)における粘度(mPa・s)の測定、粘性指数n値、下記構造の水性ボールペンを作製して、下記各評価方法によりインク垂れ性、書き味、描線滲み性、描線の擦れ性の各評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
【0069】
〔剪断速度383sec-1(25℃)における粘度、粘性指数n値の測定方法〕
EMD型粘度計(東京計器社製)〕を用いて、測定温度25℃で剪断速度383sec-1のインク粘度(mPa・s)を測定した。
また、粘性指数n値は、ニュートン・オストワルドの粘度式におけるずり速度と見かけ粘度の関係、すなわち、s=μDn
n:粘性指数、s:ずり応力、μ:非ニュートン粘性係数、D:ずり速度から算出した。
【0070】
(水性ボールペン)
ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:ユニボールシグノUMN-307〕の軸を使用し、
図1に準拠する内径3.8mm、長さ113mmのポリプロピレン製インク収容管とボールペンチップ(ホルダー:ステンレス製、ボール:超硬合金ボール、ボール径0.5mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに、上記で得られた各水性ボールペン用インク組成物を充填し、インク後端にポリブテンからなるインク追従体を充填して水性ボールペン(各5本)を作製した。筆記ボール17の軸方向(上下方向)の移動量(移動距離)Lは、20μmであった。
【0071】
〔インク垂れ性の評価方法〕
上記で調製し、24時間経過した各水性ボールペン用インク組成物をボールペンに充填した後、25℃、60%RHの環境下で24時間ペン体を下向きに放置し、ペン先からのインク直流現象を以下の評価基準にて評価した。
評価基準:
A:全く漏れない、もしくは僅かな濡れが認められる。
B:直径0.5mm以上のインク溜まりが認められる。
C:インクが滴下する。
【0072】
〔書き味の評価方法}
記で調製し、24時間経過した各水性ボールペン用インク組成物をボールペンに充填した後、市販のPPC用紙に「VENENO」と筆記して、その書き味を下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:非常に滑らか。
B:滑らか。
C:やや重さを感じる。
D:重い。
【0073】
〔描線の滲み性の評価方法〕
上記で調製し、24時間経過した各水性ボールペン用インク組成物をボールペンに充填した後、筆記用紙にらせん筆記を手書きにて行い、描線の滲み具合を目視により以下の評価基準にて評価した。
評価基準:
A:滲みなく鮮明な筆跡。
B:若干滲みがあり、やや不鮮明な筆跡
C:滲みが著しく、不鮮明な筆跡。
【0074】
〔描線の擦れ性の評価方法〕
上記で調製し、24時間経過した各水性ボールペン用インク組成物をボールペンに充填した後、筆記用紙にらせん筆記を手書きにて行い、描線の滲み具合を目視により以下の評価基準にて評価した。
評価基準:
A:擦れなく鮮明な筆跡。
B:若干擦れがあり、やや不鮮明な筆跡
C:擦れが著しく、不鮮明な筆跡。
【0075】
【0076】
上記表1中の*1~*5は、下記のとおりである。
*1:三菱ケミカル社製、平均粒子径0.1μm
*2:青色着色樹脂粒子、平均粒子径1.2μm
*3:赤色熱変色粒子、平均粒子径3.0μm、消色温度60℃
*4:ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー(PEG-400と飽和メチレンジフェニルジイソシアネート(SMDI)の共重合体の両末端をステアリルPEG/PPG-8/6でブロックしたもの)。「アクペックHU-C2002」(住友精化社製)
*5:PEG-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマー、「アデカノールGT-700」(ADEKA社製)
【0077】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1~10の水性ボールペン用インク組成物を搭載した水性ボールペンは、本発明の範囲外となる比較例1~5に較べ、インク垂れ性がなく、描線の滲みもない、滑らかな書き味を有する水性ボールペン用インク組成物、これを搭載した水性ボールペンとなることが確認された。