(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180117
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】回転電機の冷却構造
(51)【国際特許分類】
H02K 9/06 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
H02K9/06 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087042
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP09
5H609QQ02
5H609QQ13
5H609RR27
5H609RR33
5H609RR38
(57)【要約】
【課題】回転軸と交差する方向から筐体内に空気を導入するときの圧力損失を抑制できる回転電機の冷却構造を提供する。
【解決手段】回転電機の冷却構造は、ステータおよびロータを収容する筐体と、ロータの回転軸方向と交差する方向から筐体内に冷却風を導入するダクトと、を備え、ダクトは、回転軸方向およびダクトの延長方向と交差する高さ方向の流路幅を曲線状に変化させる一対の渦抑制部を内部に有する。各々の渦抑制部は、ダクトの入口側に臨み、高さ方向の流路幅を狭める第1領域と、第1領域に接続され、ダクトの出口側に向けて高さ方向の流路幅を広げる第2領域を有する凸形状をなしている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータおよびロータを収容する筐体と、
前記ロータの回転軸方向と交差する方向から前記筐体内に冷却風を導入するダクトと、を備え、
前記ダクトは、前記回転軸方向および前記ダクトの延長方向と交差する高さ方向の流路幅を曲線状に変化させる一対の渦抑制部を内部に有し、
各々の前記渦抑制部は、前記ダクトの入口側に臨み、前記高さ方向の流路幅を狭める第1領域と、前記第1領域に接続され、前記ダクトの出口側に向けて前記高さ方向の流路幅を広げる第2領域を有する凸形状をなしている
回転電機の冷却構造。
【請求項2】
前記ダクトの延長方向での前記渦抑制部の前記第2領域の長さは、前記ダクトの延長方向での前記渦抑制部の前記第1領域の長さよりも長く設定されている
請求項1に記載の回転電機の冷却構造。
【請求項3】
前記渦抑制部は、前記ダクトの内面に後付け可能な部材として構成される
請求項1または請求項2に記載の回転電機の冷却構造。
【請求項4】
前記筐体と前記ダクトの出口側の端部は、前記ステータに設けられたコイルエンドに臨む位置で接続されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1のように、回転軸と接続されたファンの回転により放熱器に冷却風を導く冷却構造を備えた回転電機が提案されている。また、送風機により筐体内に空気を導入してコイルを冷却する空冷方式の回転電機も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転軸と交差する径方向から筐体内に外気を導入する空冷方式の回転電機では、送風機から入口ダクトにかけての空気の流れは縮小流れとなり、また入口ダクトから回転電機内にかけての空気の流れは拡大流れとなる。このとき、入口ダクトの前後で流路形状の幾何学的不連続性が大きいと、空気の渦が発生することで圧力損失(エネルギー損失)が生じてしまう。コイルの冷却効率を向上させる観点からは、かかる圧力損失を抑制することが重要となる。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、回転軸と交差する方向から筐体内に空気を導入するときの圧力損失を抑制できる回転電機の冷却構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る回転電機の冷却構造は、ステータおよびロータを収容する筐体と、ロータの回転軸方向と交差する方向から筐体内に冷却風を導入するダクトと、を備え、ダクトは、回転軸方向およびダクトの延長方向と交差する高さ方向の流路幅を曲線状に変化させる一対の渦抑制部を内部に有する。各々の渦抑制部は、ダクトの入口側に臨み、高さ方向の流路幅を狭める第1領域と、第1領域に接続され、ダクトの出口側に向けて高さ方向の流路幅を広げる第2領域を有する凸形状をなしている。
【0007】
ダクトの延長方向での渦抑制部の第2領域の長さは、ダクトの延長方向での渦抑制部の第1領域の長さよりも長く設定されていてもよい。
また、渦抑制部は、ダクトの内面に後付け可能な部材として構成されていてもよい。
また、筐体とダクトの出口側の端部は、ステータに設けられたコイルエンドに臨む位置で接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様の回転電機の冷却構造によれば、回転軸と交差する方向から筐体内に空気を導入するときの圧力損失を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る回転電機の一例の外観を示す斜視図である。
【
図3】比較例での冷却構造における空気の流れを模式的に示す図である。
【
図4】比較例の空気導入ダクト側の空気の流れを模式的に示す拡大図である。
【
図5】(a)は本実施形態での冷却構造における空気の流れを模式的に示す図であり、(b)は渦抑制部の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態の空気導入ダクト側の空気の流れを模式的に示す拡大図である。
【
図7】実施例の熱流体解析の解析モデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
【0011】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z方向は回転軸と平行な方向とする。X方向は、Z方向と直交する方向であって、
図2の左右方向に対応する。Y方向は、X方向とZ方向との両方と直交する方向であって、
図2の紙面奥行方向に対応する。なお、図面において、必要に応じて回転電機の回転軸を符号AXで示す。
【0012】
図1は、本実施形態に係る回転電機の一例の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1のXZ平面の断面図である。本実施形態の回転電機は、例えば、乗物の駆動輪に対して負荷を発生させて路行状態を再現する試験装置(ダイナモメータ)に適用される。なお、本実施形態の回転電機は、ダイナモメータに限定されず他の用途に適用されてもよい。
【0013】
回転電機1は、例えばインナーロータ型のモータであって、ステータ2と、ロータ3と、モータシャフト4と、筐体5とを備える。
【0014】
ステータ2は、円筒形状であって、回転軸AXを中心とする中央の空間部分にロータ3を収容する。ステータ2の内周には軸方向に沿って複数のスロット(不図示)が形成され、各スロットにはコイルが巻回されている。コイルのコイルエンド部6は、ステータ2の軸方向両端(回転電機1の負荷側と反負荷側)においてそれぞれステータ2から張り出し、軸方向と交差する平面(XY平面)で環状をなしている。
【0015】
ロータ3は、永久磁石(不図示)が配置された鉄心を備え、わずかなエアギャップを隔ててステータ2の内側に配置される。モータシャフト4は、回転軸AXに沿ってロータ3の鉄心中央に嵌入され、筐体5に設けられた軸受7a,7bにより回転可能に軸支される。モータシャフト4の負荷側は、筐体5を貫通して回転電機1の外側に突出している。
【0016】
回転電機1においては、コイルの電流制御によりステータ2の磁界を順番に切り替えることで、ロータ3の磁界との吸引力または反発力が生じる。これにより、ロータ3およびモータシャフト4が回転し、回転電機1が駆動する。このとき、通電によってコイルは発熱する。
【0017】
筐体5は、略円筒形状の全体形状をなす本体部10を有する。本体部10は、ステータ2およびロータ3を内部に収容するとともに、モータシャフト4を軸支する。また、筐体5は、負荷側および反負荷側のコイルエンド部6をそれぞれ空冷するための空気導入ダクト11および空気排出ダクト12を有している。
【0018】
空気導入ダクト11は、軸方向に間隔をあけて筐体5に2つ設けられている。各々の空気導入ダクト11は、回転軸AXと直交する径方向(X方向)に延び、外形および横断面形状が矩形状をなすダクトである。各々の空気導入ダクト11の一端側は筐体外と連通し、その他端側は本体部10のコイルエンド部6に臨む位置にそれぞれ接続されている。また、空気導入ダクト11の一端側には送風機13が配置される。これにより、送風機13を駆動させることで冷却風が空気導入ダクト11を通過して筐体5の本体部10に導入され、コイルエンド部6がそれぞれ空冷される。
【0019】
空気排出ダクト12は、空気導入ダクト11と同様に、軸方向に間隔をあけて筐体5に2つ設けられている。各々の空気排出ダクト12は、回転軸AXと直交する径方向(X方向)に延び、外形および横断面形状が矩形状をなすダクトである。各々の空気排出ダクト12の一端側は、本体部10のコイルエンド部6に臨む位置にそれぞれ接続され、その他端側が筐体5の外と連通している。また、空気排出ダクト12の一端側は、空気導入ダクト11の他端側に対して、XY平面上で回転軸AXを中心として180°回転対称となる位置にある。つまり、筐体5の本体部10には、各々のコイルエンド部6に対して、空気導入ダクト11と空気排出ダクト12が一対ずつ配置されている。
【0020】
図3は、比較例での冷却構造における空気の流れを模式的に示す図である。空気導入ダクト11の他端側から筐体5の本体部10に導入された空気は、コイルエンド部6の外周に沿って左回り方向と右回り方向の両側から本体部10内を流れ、コイルエンド部6から熱を奪いつつ空気排出ダクト12に向かう。これにより、各々のコイルエンド部6が全周に亘って空冷される。その後、コイルエンド部6と熱交換した空気は、空気排出ダクト12を経て筐体の外に排出される。
【0021】
また、
図4は、比較例の空気導入ダクト11側の空気の流れを模式的に示す拡大図である。上記構成の回転電機1では、送風機13から空気導入ダクト11にかけての空気の流れは縮小流れとなり、また空気導入ダクト11から筐体5の本体部10にかけての空気の流れは拡大流れとなる。このとき、
図3、
図4に示す比較例のように、空気導入ダクト11の前後での流路形状の幾何学的不連続性が大きいと、空気導入ダクト11の手前や筐体5の本体部10において空気の渦vo1、vo2が発生する。かかる渦vo1、vo2は、空気流の圧力損失(エネルギー損失)につながり、コイルエンド部6を空冷するときの冷却効率を低下させる一因となる。
【0022】
かかる事象の対策として、本実施形態の空気導入ダクトには、流路形状の幾何学的連続性を高めるために渦抑制部14が設けられている。以下、
図5、
図6を参照して渦抑制部14の構成について説明する。
ここで、渦抑制部14の構成は、負荷側と反負荷側の2つの空気導入ダクト11でいずれも共通である。そのため、以下の説明では、回転電機1の負荷側での空気導入ダクト11の構成を説明し、反負荷側の構成に関する重複説明はいずれも省略する。
【0023】
本実施形態の空気導入ダクト11には、ダクト内部において回転軸方向および空気導入ダクトの延長方向と直交する高さ方向(Y方向)の一対の壁面にそれぞれ渦抑制部14が上下に対向して形成されている。渦抑制部14は、空気導入ダクトの延長方向(X方向)に沿って、高さ方向(Y方向)の流路幅を曲線状に変化させる構成であり、流路の幅方向(Z方向)にかけての形状は一定である。
【0024】
渦抑制部14の形状は、ダクトのY方向の各壁面でいずれも共通であり、
図5(b)に示すように、流路側の輪郭がダクト内側に向けて凸となる形状である。渦抑制部14は、空気導入ダクト11の延長方向に沿って入口側から順に、流路側の輪郭形状の異なる第1領域14aと第2領域14bを有する。
【0025】
渦抑制部14の第1領域14aは、空気導入ダクト11の入口側に臨み、ダクト内側に向かうY方向の突出量が曲線状に増加する形状をなす。つまり、一対の渦抑制部14を対向させて空気導入ダクト11に配置すると、第1領域14aの部位では空気導入ダクト11のY方向の流路幅が出口側に向けて曲線状に狭まってゆく。これにより、空気導入ダクト11の入口側の縮小流れにおいて、流路の形状が曲線状に変化することで剥離流の発生が抑制されるので、空気導入ダクト11の入口側は渦が生じにくくなる。そのため、
図4の比較例と比べると、
図6の渦vo1’は小さくなる。
【0026】
渦抑制部14の第2領域14bは、第1領域14aと接続され、空気導入ダクト11の出口側に向けてY方向の突出量が曲線状に減少してゆく形状をなす。つまり、一対の渦抑制部14を対向させて空気導入ダクト11に配置すると、第2領域14bの部位では空気導入ダクト11のY方向の流路幅が出口側に向けて曲線状に広がっていく。これにより、空気導入ダクト11から筐体5の本体部10への拡大流れにおいて、流路の形状が曲線状に変化することで剥離流の発生が抑制されるとともに、空気導入ダクト11と本体部10の接続部分での形状の変化が緩やかになることで、筐体5の本体部10内で渦が生じにくくなる。そのため、
図4の比較例と比べると、
図6の渦vo2’は小さくなる。
【0027】
ここで、渦抑制部14で規定される空気導入ダクト11の流路形状に関しては、入口側の勾配が急峻でも剥離流は生じにくいが、出口側の勾配が急峻であると剥離流が生じやすくなる。したがって、渦抑制部14の形状は、入口側の勾配よりも出口側の勾配が小さい形状であることが好ましい。
【0028】
以上の観点から、空気導入ダクト11の延長方向における第2領域14bの長さは、第1領域14aの長さと比べて長く設定されている。これにより、渦抑制部14の第1領域14aでの勾配は第2領域14bと比べて急峻である一方、第2領域14bでの勾配は第1領域14aと比べてなだらかな形状となる。例えば、空気導入ダクト11の延長方向における第2領域14bの長さは、第1領域14aの長さに対して十分に長くなるように少なくとも2倍以上に設定される。なお、空気導入ダクト11の延長方向における第1領域14aの長さを短くするほど第2領域14bの長さが長くなり、空気導入ダクト11の延長方向における第2領域14bでの勾配は緩やかになる。
【0029】
上記の渦抑制部14における流路側の輪郭形状は、例えば、円弧形状、楕円形状を組み合わせて適宜設定することができる。例えば、渦抑制部14の流路側の輪郭形状として、長軸および短軸の長さの異なる2種類の1/4楕円を組み合わせた形状としてもよい。また、渦抑制部14の流路側の輪郭形状として、NACAにより規定された翼型の形状を適用してもよい。
【0030】
ここで、渦抑制部14は、空気導入ダクト11と一体に形成されていてもよく、空気導入ダクト11内に接着やボルト等によって渦抑制部14の部材を後付けで固定して形成してもよい。渦抑制部14の部材を後付けする場合、部品の交換により空気導入ダクト11の流路形状を微調整することも容易となる。
【0031】
以上のように、上記実施形態の回転電機1は、ステータ2およびロータ3を収容する本体部10と、ロータ3の回転軸方向と交差する径方向から本体部10内に冷却風を導入する空気導入ダクト11と、を備える。空気導入ダクト11は、回転軸方向および空気導入ダクトの延長方向と交差する高さ方向の流路幅を曲線状に変化させる一対の渦抑制部14を内部に有している。そして、各々の渦抑制部14は、高さ方向の流路幅を狭める第1領域14aと、空気導入ダクト11の出口側に向けて高さ方向の流路幅を広げる第2領域14bを有する凸形状をなしている。
上記の渦抑制部14により、空気導入ダクト11の入口側と出口側において流路の形状が曲線状に変化することで剥離流が抑制され、圧力損失を抑制することができる。
【0032】
(実施例)
以下、本発明の実施例における熱流体解析について説明する。
実施例では、本実施形態の同様の構成の回転電機を対象として、XY平面の二次元的な解析モデルで熱流体解析を行い、渦抑制部の有無による圧力損失の変化を確認した。
図7は、実施例の熱流体解析の解析モデルを示す図である。
【0033】
図7の解析モデルは、ダイナモメータにおけるコイルエンド部を模している。解析モデルの各部寸法はダイナモメータの代表的な寸法に対応している。また、解析モデルでは、流れを安定させるため上流側と下流側の流路をそれぞれ矩形状に延長させている。
【0034】
図7に示すように、入口側と出口側の延長部分の流路寸法は長さ400mm、幅170mmであり、筐体と接続されるダクト部分(空気導入ダクト、空気排出ダクト)の寸法は、長さ112.57mm、幅150mmである。また、筐体の内径は460mm(R230mm)、コイルエンド部の外径は340mm、コイルエンド部と筐体との間隔は60mmとした。また、渦抑制部の寸法は、全長112.57mm、第1領域の長さを15mm、ダクト内側への突出量を30mmに設定した。
【0035】
熱流体解析では、出口側の圧力を0Pa、流速を39m/sにそれぞれ設定し、入口側の圧力値を圧力損失の値として算出した。渦抑制部のない比較例の場合、圧力損失の値は1532Paであった。これに対し、渦抑制部を設けた実施例の場合、圧力損失の値は1366Paであった。したがって、渦抑制部を設けた実施例の場合、比較例に対して圧力損失が約11%低減する効果を得ることができた。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0037】
例えば、上記実施形態における空気導入ダクト11および空気排出ダクト12の配置は一例であって、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、空気導入ダクト11および空気排出ダクト12は径方向に対して傾斜して延長していてもよい。また、1つのコイルエンド部6に対して空気導入ダクト11および空気排出ダクト12を複数対配置してもよい。例えば、空気導入ダクト11および空気排出ダクト12を90°ずらして2つずつ円周方向に交互に配置してもよい。
【0038】
また、本実施形態では、本体部の軸方向の両側にそれぞれ空気導入ダクト11を配置する例を示したが、軸方向の一方側にのみ空気導入ダクト11を設け、ステータ2とロータ3のエアギャップを介して他方側に冷却風を送る構成としてもよい。
【0039】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1…回転電機、2…ステータ、3…ロータ、4…モータシャフト、5…筐体、6…コイルエンド部、10…本体部、11…空気導入ダクト、12…空気排出ダクト、13…送風機、14…渦抑制部、14a…第1領域、14b…第2領域