(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180150
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】危険情報抽出システム、及び危険情報抽出モデル
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221129BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087086
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐平
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 明史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信幸
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅紀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業ワードに関連性の高い危険情報を抽出できる危険情報抽出システム及び危険情報抽出モデルを提供する。
【解決手段】危険情報抽出システム100は、取得部110と、危険情報抽出部112と、を含む。取得部110は、実施予定の作業に関する作業ワードを取得する。危険情報抽出部112は、危険情報抽出モデルに対して、取得部110が取得した作業ワードを入力し、作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を所定の提示部114へ出力する。危険情報抽出モデルは、学習用の作業―危険度対応情報を学習データとして、機械学習によって学習されたモデルであり、危険情報データベース108に記載された危険情報に対して危険度ランク付けを行い、危険情報を出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部と、危険情報抽出部とを含む危険情報抽出システムであって、
前記取得部は、実施予定の作業に関する作業ワードを取得し、
前記危険情報抽出部は、危険情報抽出モデルに対して、前記取得部が取得した前記作業ワードを入力し、前記作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を所定の提示部へ出力する、
危険情報抽出システムにおいて、
前記危険情報抽出モデルは、学習用の作業―危険度対応情報を学習データとして、機械学習によって学習されたモデルであり、
危険情報データベースに記載された危険情報に対して危険度ランク付けを行い、前記危険情報を出力する。
【請求項2】
前記学習用の作業―危険度対応情報は、作業情報と、それぞれの作業情報に対応する危険度情報とを含み、
前記作業情報は、危険な行動内容又は状態の情報を含み、
前記危険度情報は危険度の大きさの情報を含む、
請求項1に記載の危険情報抽出システム。
【請求項3】
前記危険情報抽出部は、前記危険情報に関して、前記作業ワードと前記危険情報との相関値、及び前記危険情報の件数の少なくとも一つを出力する請求項1又は請求項2に記載の危険情報抽出システム。
【請求項4】
前記提示部を更に含み、
前記提示部は、前記危険情報の表示形式について、ユーザ操作に応じた、所定の項目による並べ替え機能、及び絞り込み機能の少なくとも一つをもつ請求項1~請求項3の何れか1項に記載の危険情報抽出システム。
【請求項5】
前記危険情報データベースに記載された危険情報の種別として、全社労災情報、及び部門別のヒヤリハット情報の少なくとも一つを含み、それぞれの種別に応じて前記危険度ランク付けを行う請求項1~請求項4の何れか1項に記載の危険情報抽出システム。
【請求項6】
前記危険情報に対するユーザ評価を受け付け、受け付けたユーザ評価に基づいて、前記危険情報抽出モデルの前記危険情報の出力、又は前記提示部の前記危険情報の提示を調整する請求項1~請求項5の何れか1項に記載の危険情報抽出システム。
【請求項7】
学習用の作業―危険度対応情報に前記ユーザ評価を反映した前記学習データを用いて、前記危険情報抽出モデルを機械学習によって再学習させる請求項6に記載の危険情報抽出システム。
【請求項8】
前記危険情報の出力又は提示から、予め定めた特定ワードが含まれる前記危険情報を除外する請求項1~請求項7の何れか1項に記載の危険情報抽出システム。
【請求項9】
学習用の作業―危険度対応情報を学習データとして、機械学習によって学習された危険情報抽出モデルであって、取得された実施予定の作業に関する作業ワードが入力され、前記作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を出力する、
危険情報抽出モデル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、危険情報抽出システム、及び危険情報抽出モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
過去の災害、事故等を検索して提供するシステムがある。
【0003】
例えば、入力に対して適切な安全情報を提供するための安全情報提供システムがある(特許文献1参照)。この安全情報提供システムでは、過去の災害事例に関する災害情報を、学習用情報から機械学習によって互いに関連する関連語のセットを特定する等、各種情報を用いて検索して提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような技術分野において、労災の防止のためのシステムが求められている。例えば、化学工場においては、これまで多くの労災事例、ヒヤリハット(以下、ヒヤリと省略する場合がある)の情報が蓄積され、利用されている。しかし実際に作業前に行う危険予知活動においては、ユーザの知識と経験に基づいた上で過去の事例を抽出して利用するのが通常であった。このような、ユーザの経験則に基づく事例の抽出の場合、本来抽出すべき適切な事例を抽出できない場合が想定される。
【0006】
本開示の課題は、上記課題を鑑みて成されたものであり、作業ワードに関連性の高い危険情報を抽出できる危険情報抽出システム、及び学習済みモデルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の危険情報抽出システムは、取得部と、危険情報抽出部とを含む危険情報抽出システムであって、前記取得部は、実施予定の作業に関する作業ワードを取得し、前記危険情報抽出部は、危険情報抽出モデルに対して、前記取得部が取得した前記作業ワードを入力し、前記作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を所定の提示部へ出力する、危険情報抽出システムにおいて、前記危険情報抽出モデルは、学習用の作業―危険度対応情報を学習データとして、機械学習によって学習されたモデルであり、危険情報データベースに記載された危険情報に対して危険度ランク付けを行い、前記危険情報を出力する。
【0008】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記学習用の作業―危険度対応情報は、作業情報と、それぞれの作業情報に対応する危険度情報とを含み、前記作業情報は、危険な行動内容又は状態の情報を含み、前記危険度情報は危険度の大きさの情報を含むようにしてもよい。
【0009】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記危険情報抽出部は、前記危険情報に関して、前記作業ワードと前記危険情報との相関値、及び前記危険情報の件数の少なくとも一つを出力するようにしてもよい。
【0010】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記提示部を更に含み、前記提示部は、前記危険情報の表示形式について、ユーザ操作に応じた、所定の項目による並べ替え機能、及び絞り込み機能の少なくとも一つをもつようにしてもよい。
【0011】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記危険情報データベースに記載された危険情報の種別として、全社労災情報、及び部門別のヒヤリハット情報の少なくとも一つを含み、それぞれの種別に応じて前記危険度ランク付けを行うようにしてもよい。
【0012】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記危険情報に対するユーザ評価を受け付け、受け付けたユーザ評価に基づいて、前記危険情報抽出モデルの前記危険情報の出力、又は前記提示部の前記危険情報の提示を調整するようにしてもよい。
【0013】
また、本開示の危険情報抽出システムは、学習用の作業―危険度対応情報に前記ユーザ評価を反映した前記学習データを用いて、前記危険情報抽出モデルを機械学習によって再学習させるようにしてもよい。
【0014】
また、本開示の危険情報抽出システムは、前記危険情報の出力又は提示から、予め定めた特定ワードが含まれる前記危険情報を除外するようにしてもよい。
【0015】
本開示の危険情報抽出モデルは、学習用の作業―危険度対応情報を学習データとして、機械学習によって学習された危険情報抽出モデルであって、取得された実施予定の作業に関する作業ワードが入力され、前記作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を出力する。
【発明の効果】
【0016】
本開示の危険情報抽出システムによれば、作業ワードに関連性の高い危険情報を抽出することができる、という効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施形態に係るリスクアセスメント結果の一例を図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る危険情報抽出システムのハードウェアとしての構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る危険情報抽出システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】危険情報を表示した表示画面の一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る危険情報抽出システムの処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の技術の実施形態について図面を用いて説明する。
【0019】
まず、本開示において提案する危険情報抽出システムの概要について説明する。
【0020】
第1に、危険情報抽出システムでは、各部署のリスクアセスメント結果を教師データとして、機械学習等の手法により被害の大きさ(危険度)を危険情報抽出モデルとして学習する。リスクアセスメント結果とは、種々の作業について作業内容と危険度との対応の蓄積である。リスクアセスメント結果が、本開示の学習用の作業―危険度対応情報の一例である。
【0021】
リスクアセスメント結果は、作業情報と、危険度情報が含まれる。本開示の実施形態に係るリスクアセスメント結果の一例を
図1に示す。リスクアセスメント結果には、
図1に示すように、例えば、作業ごとの分類、危険度、作業場所、及び、作業内容が含まれる。なお、リスクアセスメント結果は、作業が実際の作業者の実体験であるか、想定であるかを問わない。分類、作業場所、及び、作業内容が本開示の作業情報の一例であり、危険度が本開示の危険度情報の一例である。
【0022】
分類は、例えば、作業についての作業分類、ヒヤリの型が挙げられる。作業分類は実作業、事務、等の当該作業どのような作業であるかの分類であり、ヒヤリの型は当該作業に対するヒヤリハットの種類である。危険度は、危険度が高いものがAからDまで危険度の大きさの情報がランク付けされる。作業場所は作業が行われる場所である。作業内容は、ヒヤリハットが生じた状況における作業の具体的な説明であり、危険な行動内容又は状態の情報といえる。なお、分類、及び危険度で用いている要素は一例であり、他の項目及び要素を用いてもよい。例えば、危険度として数値で表される被害の大きさを更に用いて、ランクと組み合わせてもよい。
【0023】
以上のようなリスクアセスメント結果を用いて危険情報抽出モデルを学習し、過去に提出又は蓄積されたヒヤリハット情報、労災情報を危険度によって自動的にランク付けして抽出する。抽出した結果は、危険度順(被害の大きい順)に表示可能である。なお、危険度のランク付けは人が修正又は調整することも可能である。
【0024】
第2に、危険情報抽出システムでは、抽出結果において、設備、作業内容と危険度の関連性を明示する。例えば、ヒヤリハット、及び労災の型を、設備、及び場所等に紐づけし、分類、解析を可能とする。
【0025】
第3に、危険情報抽出システムでは、抽出に用いる辞書を、全社労災情報と各部門別のヒヤリハット情報で使い分けることで、関連ワードを拡大し、類似事例をより広範囲で見つけ出すことができる。例えば、他工場の薬傷危険物、又は可燃性物質等を類似物として検索するといったことである。
【0026】
第4に、危険情報抽出システムでは、特定ワードを含むファイルの除外や検索しないワードを設定することで余分なデータを取り除いた事例を抽出することができるようにする。
【0027】
危険情報抽出システム100のハードウェアとしての構成を
図2に示す。CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0028】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、観測評価プログラムが格納されている。
【0029】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0030】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボード又は音声入力用のマイクを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0031】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能してもよい。
【0032】
通信インタフェース17は、端末等の他の機器と通信するためのインタフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0033】
次に、危険情報抽出システム100の機能的な構成について説明する。
【0034】
図3は、本実施形態の危険情報抽出システム100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、危険情報抽出システム100は、情報記憶部102と、学習部104と、モデル記憶部106と、危険情報データベース108と、取得部110と、危険情報抽出部112と、提示部114とを含む。なお、提示部114を危険情報抽出システム100の外部に設け、外部連携させるようにしてもよい。
【0035】
情報記憶部102には、上記リスクアセスメント結果が格納されている。リスクアセスメント結果は、危険情報抽出モデルの学習に用いられる。
【0036】
学習部104は、情報記憶部102に格納されている学習用のリスクアセスメント結果を用いて機械学習を行い、学習した危険情報抽出モデルをモデル記憶部106に格納する。危険情報抽出モデルは、学習データについて、作業情報を入力として、危険情報データベース108に記載された危険情報に対して危険度のランク付けを行い、正解となる危険情報を出力するようにパラメータを学習する。パラメータの学習には任意の深層学習の手法を用いればよい。なお、危険情報抽出モデルは、危険情報データベース108の辞書である全社労災情報と、部門別のヒヤリハット情報とに分けてそれぞれ学習を行う。
【0037】
モデル記憶部106には、学習部104で学習された危険情報抽出モデルが格納される。危険情報抽出モデルは、作業ワードが入力されると、危険情報データベース108を参照し、記載された危険情報に対して危険度ランク付けを行い、危険情報を出力するように学習されている。
【0038】
危険情報データベース108には、抽出時に参照する危険情報が格納されている。危険情報は、種別として、全社労災情報と、部門別のヒヤリハット情報とに辞書が分けられている。このように全体と部門とで辞書を分けることにより、特定の環境に絞った危険情報の抽出ができるようにする。
【0039】
また、危険情報データベース108には、全社労災情報と、部門別のヒヤリハット情報のほかに、外部労災情報として例えば社外の労災事例集などを含めることもできる。また危険情報には、作業日の気候に関する情報や、作業者の経験年数、作業者の体格等の情報を含めることができる。これらの補足的情報により危険度の補正を行ってもよい。
【0040】
取得部110は、実施予定の作業に関する作業ワードを取得する。作業ワードは、ユーザから入力されたものを取得する。作業ワードとは、例えば、「反応器循環ポンプストレーナー清掃」などの作業に関連する複数の単語あるいは文章である。
【0041】
危険情報抽出部112は、危険情報抽出モデルに対して、取得部110が取得した作業ワードを危険情報抽出モデルに入力し、作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を出力する。また、危険情報抽出部112は、危険情報抽出モデルが抽出してきた危険情報のデータに対して、作業ワードと当該危険情報との相関値、及び危険情報の件数を計算して出力する。相関値は、危険情報抽出モデルにより学習して出力させるようにしてもよいし、危険情報の出力結果から計算してもよい。
【0042】
提示部114は、危険情報抽出部112が出力した危険情報を、所定の表示形式で提示する。また、提示部114は、ユーザ操作に応じた、各項目による並べ替え機能、及び絞り込み機能を有する。また、提示部114は、特定ワードが含まれる危険情報を除外して提示する。例えば、「議事録」、「水平展開事例リスト」等の危険情報は作業者が抽出では求めていない場合が多いため、これらの特定ワードを含む危険情報を除外することが想定される。
【0043】
危険情報を表示させた表示画面50の一例を
図4に示す(表示画面50は表示部16に表示させる)。表示画面50への表示は提示部114の機能により行う。
図4に示すように、表示画面50は、検索ボックス52に入力された作業ワードに対して、危険情報の検索結果56を表示する。また、項目絞り込み機能54を用いて、項目を絞り込んで検索できる。項目は、原因、事象等が一例である。検索結果56は、危険情報を一覧で表示し、詳細ボタンで危険情報の詳細画面を表示できるようになっている。一覧は、項目として、被害の大きさを降順・昇順で並べ替え可能とする。また、統計情報58として、作業ワードと危険情報との相関値、及び危険情報の件数を示す情報を表示する。また、統計情報58にチェックボックス等を設けて、検索結果56を絞り込みできるようにしてもよい。なお、検索結果56に表示される危険情報は、危険情報データベース108から参照されたデータである。このような危険情報の検索結果56、及び統計情報58により、ユーザは、事前に発生し得る事故を想定して、対策を検討することができる。
【0044】
なお、表示画面50において、危険情報の表示に対してユーザ評価を受け付けるようにしてもよい。評価を受け付ける場合には、良い/悪い等を示す評価ボタンを設置する。ユーザ評価を用いて、例えば、危険情報の出力又は表示を調整するようにしてもよい。危険情報抽出モデルの危険情報の出力を調整する場合には、学習部104により危険情報抽出モデルのパラメータを重み付け等して再学習するようにしてもよい。表示を調整する場合には、提示部114の提示において、危険情報の提示の優先順位を定めておき、ユーザ評価に応じて優先順位を調整するようにしてもよい。なお、表示画面50が本開示の表示形式の一例である。
【0045】
次に、
図5を参照して、危険情報抽出システム100における作用を説明する。CPU11がROM12又はストレージ14からプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、CPU11が危険情報抽出システム100の各部として機能し、以下の処理が行なわれる。なお、予め学習部104により、危険情報抽出モデルが学習されているとする。
【0046】
ステップS100において、取得部110は、実施予定の作業に関する作業ワードを取得する。なお、作業ワードと共に、全社労災情報、又は部門別のヒヤリハット情報の指定を受け付けて、
【0047】
ステップS102において、危険情報抽出部112は、危険情報抽出モデルに対して、取得部110が取得した作業ワードを危険情報抽出モデルに入力し、作業ワードに関連が高くかつ危険度がランク付けされた危険情報を出力する。ここで出力される危険情報が
【0048】
ステップS104において、提示部114は、危険情報抽出部112が出力した危険情報を、例えば表示画面50に表示させることにより、提示する。
【0049】
ステップS106において、提示部114は、ユーザ操作を受け付けたか否かを判定する。ユーザ操作とは、ここでは、各項目による並べ替え機能、及び絞り込み機能、他の画面遷移等を含む。ユーザ操作を受け付けた場合には、ステップS108へ移行し、ユーザ操作を受け付けなかった場合(例えば、提示した表示画面50を閉じた場合)には、処理を終了する。
【0050】
ステップS108において、提示部114は、ユーザ操作に応じた機能を実行して、危険情報を再提示する。例えば、ユーザが絞り込み機能を実行した場合には、指定された危険情報に絞り込んで表示画面50に表示する。ユーザが並べ替え機能を実行した場合には、指定された並べ替えの条件に沿って危険情報を表示画面50に表示する。その他、操作に応じて危険情報を表示画面50に表示させる。
【0051】
以上説明した構成及び作用により、本実施形態に係る危険情報抽出システム100は、作業ワードに関連性の高い危険情報を抽出することができる。
【0052】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0053】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
100 危険情報抽出システム
102 情報記憶部
104 学習部
106 モデル記憶部
108 危険情報データベース
110 取得部
112 危険情報抽出部
114 提示部