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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180154
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ガス遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/835 20060101AFI20221129BHJP
   H01H 33/915 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H01H33/835
H01H33/915
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087095
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】太田 剛史
【テーマコード(参考)】
5G001
【Fターム(参考)】
5G001AA06
5G001BB03
5G001CC03
5G001DD03
5G001DD07
5G001EE01
5G001EE13
(57)【要約】
【課題】高性能を維持しつつ、機器を大型化せずに大電流に対応するガス遮断器を実現する。
【解決手段】ガス遮断器(100)は、電流を遮断するガス遮断器(100)であって、アーク放電(Z)による熱ガスが発生するアーク放電空間(60)と連通しシリンダ(20)の中心軸側に設けられた第1ガス流路(13)と、第1ガス流路(13)と連通しピストン(40)内に設けられた第2ガス流路(45)と、第2ガス流路(45)と外部とを連通する排気口(46)と、を備え、シリンダ(20)は、電流の遮断開始から遮断状態にかけて、ピストン(40)に対して移動し、排気口(46)の一部は、電流の遮断状態のシリンダ側面体(23)に対向して重なる位置に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を遮断するガス遮断器であって、
第1接触子と、
前記第1接触子に対して相対的に移動することにより前記第1接触子と接離可能な第2接触子と、
前記第2接触子に対して固定され、嵌挿されているピストンに摺動可能に配置されるシリンダと、
前記第1接触子と前記第2接触子とが開離することにより、前記第1接触子と前記第2接触子との間に生じるアーク放電による熱ガスが発生するアーク放電空間と連通し、前記シリンダの中心軸側に設けられた第1ガス流路と、
前記第1ガス流路と連通し、前記ピストン内に設けられた第2ガス流路と、
前記第2ガス流路と外部とを連通する排気口と、
を備え、
前記シリンダは、電流の遮断開始から前記電流の遮断状態にかけて、前記ピストンに対して前記第1接触子と離れる方向に移動し、
前記排気口の一部は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重なる位置に配置されている、ガス遮断器。
【請求項2】
前記排気口は、第1排気口と第2排気口とを有し、
前記第1排気口は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重ならない位置に配置され、
前記第2排気口は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重なる位置に配置されている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記電流の遮断状態において、前記排気口と対向して重なる前記シリンダの側面の内側には、前記排気口の一部を覆う閉鎖部材が配置されている、請求項1または2に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記閉鎖部材は、前記シリンダの移動に応じて移動可能であり、
前記閉鎖部材は、前記電流の遮断状態において、前記電流の通電状態と比べて、前記排気口のより広い面積を覆う、請求項3に記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記閉鎖部材の材質は樹脂である、請求項3または4に記載のガス遮断器。
【請求項6】
前記閉鎖部材は、引張りバネの一端に固定され、
前記引張りバネの他端は、前記ピストンにおける前記閉鎖部材より前記第1接触子側の位置に固定され、
前記電流の遮断状態において、前記閉鎖部材は、前記引張りバネが伸びている状態で前記排気口の一部を覆う、請求項3から5のいずれか1項に記載のガス遮断器。
【請求項7】
前記閉鎖部材は、圧縮バネの一端に固定され、
前記圧縮バネの他端は、前記ピストンにおける前記閉鎖部材よりも前記第1接触子から離れる側の位置に固定され、
前記電流の遮断状態において、前記閉鎖部材は、前記圧縮バネが縮んでいる状態で前記排気口の一部を覆う、請求項3から5のいずれか1項に記載のガス遮断器。
【請求項8】
前記閉鎖部材に第1磁石が配置され、
前記ピストンに第2磁石が設置され、
前記電流の通電状態において、前記閉鎖部材は、前記第1磁石および前記第2磁石の磁力によって、前記排気口の前記第1接触子側に復帰する、請求項3から5のいずれか1項に記載のガス遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統における故障電流を遮断するために用いられ、接触子間に発生したアーク放電に消弧ガスを吹き付けてアーク放電を消弧するガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、短絡故障発生時等の電流の遮断動作において発生するアーク放電にガスを吹き付けて消弧するガス遮断器が知られている。例えば、引用文献1には、消弧ガスを内包するパッファシリンダを備え、アーク放電による熱ガスを冷却するため、熱ガスを取り込む熱ガス処理空間が設けられているガス遮断器が開示されている。引用文献1に記載されているガス遮断器は、熱ガス処理空間を囲う壁面部に複数の排気穴が設けられており、下流側の排気穴の断面積を上流側の排気穴の断面積よりも小さく形成することで、排気の方向を規定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/066119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、ガス遮断器が大型化してしまうという問題がある。ガス遮断器を大電流に対応させようとすると、アークのエネルギーが高くなる。ガス遮断器の性能を維持したまま高いアークのエネルギーに対応するには、多量の熱ガスを排出しなければならない。しかしながら、引用文献1に記載されているガス遮断器は、多量の熱ガスを排出するために複数の排気穴を設けるためには、排気穴を設ける壁面部を大きくする必要があり、その結果、ガス遮断器が大型化してしまう。
【0005】
本発明の一態様は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、高性能を維持しつつ、機器を大型化せずに大電流に対応するガス遮断器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るガス遮断器は、電流を遮断するガス遮断器であって、第1接触子と、前記第1接触子に対して相対的に移動することにより前記第1接触子と接離可能な第2接触子と、前記第2接触子に対して固定され、嵌挿されているピストンに摺動可能に配置されるシリンダと、前記第1接触子と前記第2接触子とが開離することにより、前記第1接触子と前記第2接触子との間に生じるアーク放電による熱ガスが発生するアーク放電空間と連通し、前記シリンダの中心軸側に設けられた第1ガス流路と、前記第1ガス流路と連通し、前記ピストン内に設けられた第2ガス流路と、前記第2ガス流路と外部とを連通する排気口と、を備え、前記シリンダは、電流の遮断開始から前記電流の遮断状態にかけて、前記ピストンに対して前記第1接触子と離れる方向に移動し、前記排気口の一部は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重なる位置に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、高性能を維持しつつ、機器を大型化せずに大電流に対応するガス遮断器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るガス遮断器の概略構成の一例を示す断面図であり、通常の通電状態を示す。
図2】前記ガス遮断器の閉鎖部材の動作を説明するための断面図である。
図3】前記ガス遮断器の開極動作中の状態を示す断面図である。
図4】前記ガス遮断器の遮断状態を示す断面図である。
図5】前記ガス遮断器の変形例を説明するための断面図である。
図6】前記ガス遮断器の他の変形例を説明するための断面図である。
図7】比較対象としてのガス遮断器の概略構成の一例を示す断面図であり、通常の通電状態を示す。
図8】前記ガス遮断器の遮断状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
図1は本発明の実施形態に係るガス遮断器100の概略構成の一例を示す断面図であり、通常の通電時であるガス遮断器100の通常の通電状態を示す。まず、本発明の実施形態に係るガス遮断器100の概要について説明する。ガス遮断器100は、電力系統における短絡電流等を遮断するために用いられる。ガス遮断器100は、故障電流等を遮断する際、後述する開極動作を行うことで、故障電流等を遮断する。開極動作中、アーク接触子(第2接触子31)間にアーク放電が発生する。ガス遮断器100は、消弧ガスを発生したアーク放電に吹き付けて、アーク放電を消弧する。
【0010】
アーク放電により発生する熱ガスは高温となるため、ガス遮断器100からの熱ガスの排気に対策が必要となる。前記対策として、熱ガスを分散させて排気することが考えられる。しかしながら、ただ排気口を複数設けるだけだと、排気口を設ける箇所を大きくする必要があり、ガス遮断器100が大型化してしまう。
【0011】
そこで、ガス遮断器100は、熱ガスの排気口の一部を、電流の遮断状態におけるシリンダの側面に対向して重なる位置に配置する。これにより、ガス遮断器100は、大電流に対応するガス遮断器であっても、性能を落とさずに機器の小型化を実現することができる。以下に本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
(ガス遮断器の構成)
図1に基づき、ガス遮断器100の概略構成について説明する。なお、以下においては、図1に示すように、軸Pに平行な方向をx方向、軸Pに垂直な方向をy方向とし、第1固定部Mから第2固定部Nに向かう方向(シリンダ20が第1接触子3から離れる方向)をx方向プラス側として説明する。
【0013】
ガス遮断器100は、図示にはない密閉容器の中に設けられている。密閉容器は、接地された金属又は碍子などから構成され、その内部には電気絶縁媒体として、絶縁ガスが充填されている。ガス遮断器100は、密閉容器に絶縁固定されている。
【0014】
図1に示すように、ガス遮断器100は、第1固定部Mと、第2固定部Nと、可動部Kと、を備えている。第1固定部Mと、第2固定部Nと、可動部Kと、は軸Pを中心軸として同軸上に配置されている。第1固定部M及び第2固定部Nの位置は密閉容器に対して固定され、可動部Kは、軸Pの軸方向に沿って移動可能に設けられている。可動部Kは第1固定部Mに対して接離自在に配置されている。また、可動部Kには第2固定部Nの一部が嵌挿され、可動部Kは嵌挿された第2固定部Nの一部に対して摺動可能に配置されている。第1固定部Mと、第2固定部Nと、可動部Kと、について以下に詳しく説明する。
【0015】
(第1固定部)
第1固定部Mは、固定通電接触子1と、通電部2と、第1接触子3と、を備えている。固定通電接触子1は、軸Pを中心軸とし、軸Pに略平行に延伸する筒状の導体である。固定通電接触子1は、ガス遮断器100の外部と電気的に接続されている。固定通電接触子1は密閉容器に絶縁固定されている。
【0016】
第1接触子3は、軸Pの略軸上に軸Pに沿って延伸する導体である。第1接触子3は、固定通電接触子1内に配置され、通電部2を介して固定通電接触子1に固定され且つ電気的に接続されている。開極時には、固定通電接触子1から通電部2を介して第1接触子3に電流が流れる。
【0017】
(可動部)
可動部Kは、操作棒10と、シリンダ20と、第2接触子31と、ノズル32と、可動通電接触子33と、を備えている。
【0018】
操作棒10は、軸Pの略軸上に延伸する円柱上の部材である。シリンダ20と、第2接触子31と、ノズル32と、可動通電接触子33と、は操作棒10に固定されている。操作棒10が図示しない駆動装置によりx方向に移動することにより、操作棒10に固定されている各構成要素は操作棒10と一体的に移動する。
【0019】
操作棒10は、操作部11とガス流路部12とを備え、x方向プラス側が操作部11となり、x方向マイナス側がガス流路部12となる。ガス流路部12は、中空部材で構成されており、内部は第1ガス流路13となる。ガス流路部12の周囲にはシリンダ20が配置されている。第1ガス流路13は、後述するシリンダ20に設けられているパッファ室21のシリンダ20の中心軸P側に設けられている。
【0020】
第1ガス流路13は、後述するアーク放電空間60と連通している。第1ガス流路13を形成する第1ガス流路側面体14には、第1ガス流路13と後述する第2ガス流路45とを連通する連通口15が形成されている。連通口15は、x方向において、シリンダ20のx方向プラス側の端部から操作部11のx方向マイナス側の端部までの間に形成されている。連通口15の形は特に限定されず、例えば、丸穴又は長手方向に長穴であってもよい。また、連通口15は、第1ガス流路側面体14の周方向に均等に形成されていることが望ましい。
【0021】
シリンダ20は、x方向マイナス側の端部に、軸Pを中心とする、半径が異なる2つの同心円で囲まれたドーナツ状の底面22を備える。底面22は操作棒10のx方向マイナス側の端部の外周から、底面22の外側の円に向かって面が延伸して形成されている。つまり、底面22の内側の円は、操作棒10のx方向マイナス側の端部と一致し、底面22は操作棒10のx方向マイナス側の端部に固定されている。
【0022】
シリンダ20は、底面22の外側の円から軸Pに沿って延伸するシリンダ側面体23を備えている。シリンダ側面体23と第1ガス流路側面体14との間の空間には、後述するピストン40の一部である嵌挿部41が、x方向プラス側から嵌挿され、ピストン40に摺動可能に配置されている。パッファ室21は、底面22とシリンダ側面体23と第1ガス流路側面体14と後述するピストン40とにより形成されている。言い換えると、シリンダ20は、ピストン40と第2接触子31との間に消弧ガスを内包するパッファ室21を形成する。シリンダ20は導体で構成されている。
【0023】
底面22のx方向マイナス側には、軸P側から順に、第2接触子31と、ノズル32と、可動通電接触子33と、が固定されている。
【0024】
第2接触子31は、筒状であり、通常の通電状態において第1接触子3の外周に接するように底面22に固定されている。第2接触子31は、第1接触子3に対して相対的に移動することにより第1接触子3と接離可能である。第1接触子3と第2接触子31とが開離することにより、第2接触子31間にアーク放電が生じる。
【0025】
ノズル32は、第2接触子31と可動通電接触子33との間に配置され、消弧ガス及び熱ガスを整流する。ノズル32の軸P側の内面は、x方向プラス側からx方向マイナス側に向かって開くように傾斜している。ノズル32は、絶縁性能を有し、材質として、例えば、フッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))を採用することができる。
【0026】
底面22の第2接触子31とノズル32との間には、吹付口24が形成されている。シリンダ20が、ピストン40に対して相対的にx方向プラス側(長手方向)へ移動すると、底面22と後述するピストン40の嵌挿部41との距離が縮まり、パッファ室21の体積が小さくなるため、消弧ガスが圧縮される。圧縮された消弧ガスは、吹付口24からノズル32に向かって吹き出し、ノズル32に整流されてアーク放電空間60のアーク放電に吹き付けられる。
【0027】
可動通電接触子33は、筒状であり、通常の通電状態において固定通電接触子1の内面に接するように底面22に固定されている。
【0028】
(第2固定部)
第2固定部Nは、ピストン40と、閉鎖部材50と、を備えている。ピストン40は、軸Pを中心軸とし、軸Pとに略平行に延伸する筒状の導体である。ピストン40は、ガス遮断器100の外部と電気的に接続されている。
【0029】
ピストン40の内径は、操作棒10の外径よりも大きく、操作棒10はピストン40の内側に配置されている。ピストン40のx方向マイナス側の端部は、ピストン40の径方向の内側及び外側に突出した嵌挿部41が設けられており、嵌挿部41はシリンダ20に嵌挿されている。
【0030】
ピストン40のx方向プラス側の端部は、支持部42を介して密閉容器に絶縁固定されている。支持部42には、操作棒10がx方向に移動できるような孔43が形成されている。孔43の内径は操作棒10の外径よりも大きく、ピストン40の内径よりも小さい。ピストン40内には、嵌挿部41と、支持部42と、ピストン側面体44と、操作棒10とにより第2ガス流路45が形成されている。第2ガス流路45は、第1ガス流路13と連通する。また、ピストン側面体44には、第2ガス流路45とガス遮断器100の外部とを連通する排気口46が形成されている。排気口46について詳しく説明する。
【0031】
(排気口)
排気口46は、第1ガス流路13に取り入れられた、後述するアーク放電空間60においてアーク放電により熱せられた熱ガスを、第2ガス流路45からガス遮断器100の外部、すなわち密閉容器に充填された絶縁ガス内に排気する。排気口46の一部は、電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重なる位置に配置されている。
【0032】
排気口46は、ピストン側面体44に1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。本実施形態では、排気口46として、第1排気口46aと第2排気口46bとが形成されている。第1排気口46aは、電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重ならない位置に配置され、第2排気口46bは、電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重なる位置に配置されている。言い換えると、第1排気口46aは、アーク放電空間60から遠い下流側に形成され、第2排気口46bは、アーク放電空間60に近い上流側に形成されている。第1排気口46a及び第2排気口46bが上流と下流とに分かれて形成されることで、熱ガスが分かれて流れ、下流側の第1排気口46aから熱ガスが排気されやすくなる。
【0033】
また、第1排気口46aと第2排気口46bとは、電流の遮断状態において、第1排気口46aと第2排気口46bとの間に連通口15が位置するように配置されている。これにより、閉鎖部材50がない場合であっても、開極動作の開始時は、第2排気口46bから熱ガスが多く排気され、開極動作の後半では第1排気口46aからの熱ガスの排気が多くなり、熱ガスの分散排気に有利となる。
【0034】
排気口46は、電流の遮断状態において、排気口46の一部がシリンダ側面体23に対向して重なるように配置されていればよい。例えば、排気口46は、第1排気口46aと第2排気口46bとがつながっている1つの穴であってもよい。その場合、第1排気口46aと第2排気口46bとがつながった穴の一部が、電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重なる位置に配置されていればよい。また、第1排気口46a又は第2排気口46bとして、それぞれ複数の穴を有していてもよい。第1排気口46a及び第2排気口46bの形は特に限定されず、例えば、丸穴又は長手方向に長穴であってもよい。また、第1排気口46a及び第2排気口46bは、ピストン側面体44の周方向に均等に形成されていることが望ましい。
【0035】
第1排気口46a及び第2排気口46bの大きさは特に限定されないが、上流側の第2排気口46bの大きさを下流側の第1排気口46aの大きさよりも小さくすることで下流側の第1排気口46aから熱ガスが排気されやすくなる。
【0036】
(閉鎖部材)
図2に基づき、閉鎖部材50について説明する。図2は、ガス遮断器100の閉鎖部材50の動作を説明するための断面図である。図2の状態1001は通常の通電状態を示し、図2の状態1002は遮断状態を示す。
【0037】
閉鎖部材50は、電流の遮断状態において、第2排気口46bと対向して重なるシリンダ側面体23の内側に配置され、排気口46の一部である第2排気口46bを覆う。また、閉鎖部材50は、シリンダ20の移動に応じて移動可能であり、閉鎖部材50は、電流の遮断状態において、電流の通電状態と比べて、排気口46のより広い面積を覆う。これにより、遮断状態において、第2排気口46bとシリンダ側面体23とが重なっても、閉鎖部材50が第2排気口46bを覆うので、第2ガス流路45から外部へ排気される熱ガスからシリンダ側面体23を守ることができ、シリンダ20の劣化を防ぐことができる。
【0038】
具体的には、閉鎖部材50は、筒状の部材であり、シリンダ側面体23の内側、且つ、ピストン側面体44の外側に、ピストン側面体44に対して摺動可能に配置されている。閉鎖部材50のx方向プラス側の端部には、軸Pとは反対側に凸となる凸部50aが配置されている。凸部50aの高さL1は、ピストン側面体44からシリンダ側面体23までの径方向の距離L2よりも高い。これにより、シリンダ20がx方向プラス側に移動した場合、シリンダ側面体23のx方向プラス側の端部23aが凸部50aに接触し、閉鎖部材50がシリンダ20と共にx方向プラス側に摺動する。
【0039】
また、閉鎖部材50の第1接触子3側の端部50bは、引張りバネ51の一端51aに固定されている。引張りバネ51の他端51bは、ピストン40における閉鎖部材50より第1接触子3側の位置である、嵌挿部41の閉鎖部材50側の面41aに固定されている。
【0040】
状態1001に示すように、通常の通電状態において引張りバネ51が縮んだ状態で、第2排気口46bよりも嵌挿部41側に閉鎖部材50が配置され、閉鎖部材50は第2排気口46bに重ならない。また、遮断状態では、状態1002に示すように、シリンダ20がx方向プラス側に移動するに伴い、シリンダ側面体23の端部23aに凸部50aが押されてx方向プラス側に閉鎖部材50が摺動する。そして、引張りバネ51が伸びている状態で閉鎖部材50が第2排気口46bを覆う。その後、引張りバネ51の弾性力により閉鎖部材50は通常の通電状態の位置に復帰する。これにより、閉鎖部材50は他の動力を必要とせず、遮断状態において第2排気口46bを塞いでいた位置から、通常の通電状態の位置まで戻ることができる。
【0041】
なお、引張りバネ51の固定位置は前記に限定されず、引張りバネ51が伸びている状態で閉鎖部材50が排気口46の一部を覆い、引張りバネ51の弾性力により閉鎖部材50が通常の通電状態の位置まで戻るように固定されていればよい。
【0042】
閉鎖部材50の材料は、金属または樹脂とすることができる。例えば、閉鎖部材50のフッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))などの樹脂素材とすることで、熱ガスにより閉鎖部材50がとける際の蒸発潜熱により、熱ガスの冷却効果が期待できる。
【0043】
閉鎖部材50は、電流の遮断状態において、排気口46のシリンダ側面体23に対向して重なる部分を覆えばよい。例えば、排気口46が第1排気口46aと第2排気口46bとがつながっている1つの穴である場合、閉鎖部材50は、電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重なる、第1排気口46aと第2排気口46bとがつながった穴の一部を覆う。なお、閉鎖部材50は省略可能である。
【0044】
<ガス遮断器の動作>
図1図3及び図4に基づき、ガス遮断器100の各状態の動作について以下に説明する。図3は、ガス遮断器100の開極動作中の状態を示す断面図である。図4は、ガス遮断器100の遮断状態を示す断面図である。
【0045】
(通常の通電状態)
通常の通電時であるガス遮断器100の通常の通電状態では、図1に示すように、固定通電接触子1と可動通電接触子33とが接触している。そのため、ガス遮断器100の上流側の外部から供給された電流は、固定通電接触子1から可動通電接触子33を通り、シリンダ20及びピストン40を介して、ガス遮断器100の下流側の外部に流れ、電流を通電する。また、通常の通電状態では、引張りバネ51は縮んだ状態であり、ピストン40において、閉鎖部材50は第2排気口46bよりも嵌挿部41側に位置している。
【0046】
(開極動作中)
ガス遮断器100が配置されている電力系統に短絡電流等が発生し、開極動作が開始されると、図3に示すように動作する。すなわち、ガス遮断器100において、操作棒10が図示しない駆動装置によりx方向プラス側に移動されることにより、可動通電接触子33がxプラス側に移動し、固定通電接触子1と可動通電接触子33が離れる。これにより、ガス遮断器100における通電路は通常の通電状態から変更され、固定通電接触子1から通電部2を介して第1接触子3を通り、第2接触子31、シリンダ20及びピストン40を介して、ガス遮断器100の下流側の外部に流れる。その後、第1接触子3から第2接触子31が離れると、第2接触子31間にアーク放電Zが発生する。
【0047】
第1接触子3と第2接触子31とノズル32とに囲まれて形成されるアーク放電空間60における気体はアーク放電Zに熱せられ、熱ガスとなり膨張する。膨張した熱ガスは、図3の矢印Gに示すように、アーク放電空間60から第1ガス流路13に導入される。そして、連通口15を通って第2ガス流路45に流れ、さらに第1排気口46a及び第2排気口46bにより分散されて熱ガスがガス遮断器100の外部に排気される。
【0048】
また、開極動作が開始されると、シリンダ20がx方向プラス側に移動し、パッファ室21が圧縮されることで、吹付口24から消弧ガスがアーク放電Zに吹き付けられる。言い換えると、シリンダ20は、電流の遮断開始から電流の遮断状態にかけて、ピストン40に対して第1接触子3と離れる方向に移動して消弧ガスをアーク放電Zに吹き付ける。
【0049】
(遮断状態)
開極動作の後半では、アーク放電Zに吹き付けられた消弧ガスにより、アーク放電Zは冷却されて導電性を失い、ガス遮断器100が配置された電力系統の電流は、交流の零点で遮断される。
【0050】
アーク放電Zに吹き付けられた消弧ガスは、熱ガスと同ルート又はノズル32を通って、ガス遮断器100外部に排気される。また、遮断状態では、図4に示すように、閉鎖部材50により、第2排気口46bが覆われるため、シリンダ20の内面へ熱ガスが吹き付けることを回避することができる。その後、閉鎖部材50は引張りバネ51の弾性力により、通常の通電状態の位置に戻る。これにより、ガス遮断器100も通常の通電状態に戻る。
【0051】
〔変形例〕
図5及び図6に基づき、前記実施形態の変形例について以下に説明する。図5は、ガス遮断器100の変形例であるガス遮断器100Aを説明するための断面図である。図5の状態2001は通常の通電状態を示し、図5の状態2002は遮断状態を示す。図6は、ガス遮断器100の変形例であるガス遮断器100Bを説明するための断面図である。図6の状態3001は通常の通電状態を示し、図6の状態3001は遮断状態を示す。なお、以下では前記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、前記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0052】
(磁石)
図5に示すように、ガス遮断器100Aはガス遮断器100と比較して、引張りバネ51に代えて第1磁石52aおよび第2磁石52bを有していることが異なり、その他の構成は同じである。
【0053】
ガス遮断器100Aでは、閉鎖部材50の第1接触子3側の端部50bには第1磁石52aが配置され、ピストン40の嵌挿部41の第1磁石52aに対向する位置である面41aには、第1磁石52aを磁力により引き付ける第2磁石52bが設置されている。
【0054】
状態2001に示すように、通常の通電状態において第1磁石52aと第2磁石52bとが引き合った状態で、第2排気口46bよりも嵌挿部41側に閉鎖部材50が配置され、閉鎖部材50は第2排気口46bに重ならない。また、遮断状態では、状態2002に示すように、シリンダ20がx方向プラス側に移動するに伴い、シリンダ側面体23の端部23aに凸部50aが押されてx方向プラス側に閉鎖部材50が摺動する。そして第1磁石52aと第2磁石52bとが離れた状態で閉鎖部材50が第2排気口46bを覆う。その後、第1磁石52aと第2磁石52bとの引き合う磁力により閉鎖部材50は通常の通電状態の位置(第2排気口46bの第1接触子3側)に復帰する。
【0055】
なお、第1磁石52aと第2磁石52bの種類及び固定位置は前記に限定されず、第1磁石52aと第2磁石52bの磁力により閉鎖部材50が通常の通電状態の位置まで戻るように固定されていればよい。
【0056】
(圧縮バネ)
図6に示すように、ガス遮断器100Bはガス遮断器100と比較して、引張りバネ51に代えて圧縮バネ53を有していることが異なり、その他の構成は同じである。
【0057】
ガス遮断器100Bでは、閉鎖部材50の第1接触子3と離れる側の端部である凸部50aの面50cは、圧縮バネ53の一端53aに固定されている。圧縮バネ53の他端53bは、ピストン40における面50cに対向する位置である面42a(ピストン40における閉鎖部材50よりも第1接触子3から離れる側の位置)に固定されている。
【0058】
状態3001に示すように、通常の通電状態において圧縮バネ53が伸びた状態で、第2排気口46bよりも嵌挿部41側に閉鎖部材50が配置され、閉鎖部材50は第2排気口46bに重ならない。遮断状態では、状態3002に示すように、シリンダ20がx方向プラス側に移動するに伴い、シリンダ側面体23の端部23aに凸部50aが押されてx方向プラス側に閉鎖部材50が摺動する。そして圧縮バネ53が縮んでいる状態で閉鎖部材50が第2排気口46bを覆う。その後、圧縮バネ53の弾性力により閉鎖部材50は通常の通電状態の位置に戻る。
【0059】
なお、圧縮バネ53の固定位置は前記に限定されず、圧縮バネ53が縮んでいる状態で閉鎖部材50が排気口46の一部を覆い、圧縮バネ53の弾性力により閉鎖部材50が通常の通電状態の位置まで戻るように固定されていればよい。
【0060】
(効果)
図7及び図8に基づき、ガス遮断器100が奏する効果について以下に説明する。図7は、比較対象としてのガス遮断器200の概略構成の一例を示す断面図であり、通常の通電状態を示す。図8は、ガス遮断器200の遮断状態を示す断面図である。なお、以下では、前記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、前記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。
【0061】
図7及び図8に示すように、ガス遮断器200は、第2ガス流路45と外部を連通する排気口が、第1排気口46aのみである。このため、アーク放電Zにより熱せられた熱ガスが第1排気口46aに集中して排気されるので、第1排気口46a周辺において、密閉容器内の絶縁ガスの流速が早くなるなどの影響により、絶縁ガスの絶縁性能の低下し、絶縁破壊を生じるおそれがある。また、熱ガスにより第1排気口46a周辺の金属が溶け損耗するなどの現象が生じるおそれがある。
【0062】
それに対して、ガス遮断器100は、図1に示すように、熱ガスを排気するために、排気口46として第1排気口46a及び第2排気口46bが設けられている。これにより、開極動作中は複数の排気口から熱ガスを分散して排気することができ、排気口46を形成する材料の損耗などを防ぐことができる。また、例えば密閉容器の特定部分に集中して熱ガスが当たることを防止し、密閉容器の劣化を防止することができる。さらに、熱ガスの流速を遅くすることができるので、絶縁ガスの絶縁性能の低下を防ぐことができる。
【0063】
また、ガス遮断器100では、第2排気口46bが電流の遮断状態のシリンダ側面体23に対向して重なる位置に配置されているため、機器を大きくせずに排気口を増やすことができる。さらに、開極動作の後半においては、閉鎖部材50により第2排気口46bが覆われる。これにより、シリンダ20内面への熱ガスの吹き付けを遮ることができるため、シリンダ20内面が荒れて生じるガス漏れによるパッファ機能の性能低下を防ぐことができる。その結果、性能を保ったまま機器を大きくせずに排気口を増やすことができるため、大電流に対応する場合であっても、高性能を維持しつつ、機器の小型化を実現することができる。
【0064】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るガス遮断器(100・100A・100B)は、電流を遮断するガス遮断器であって、第1接触子(3)と、前記第1接触子に対して相対的に移動することにより前記第1接触子と接離可能な第2接触子(31)と、前記第2接触子に対して固定され、嵌挿されているピストン(40)に摺動可能に配置されるシリンダ(20)と、前記第1接触子と前記第2接触子とが開離することにより、前記第1接触子と前記第2接触子との間に生じるアーク放電(Z)による熱ガスが発生するアーク放電空間(60)と連通し、前記シリンダの中心軸(P)側に設けられた第1ガス流路(13)と、前記第1ガス流路と連通し、前記ピストン内に設けられた第2ガス流路(45)と、前記第2ガス流路と外部とを連通する排気口(46)と、を備え、前記シリンダは、電流の遮断開始から前記電流の遮断状態にかけて、前記ピストンに対して前記第1接触子と離れる方向に移動し、前記排気口の一部は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重なる位置に配置されている。
【0065】
前記構成によれば、電流の遮断開始状態においては、排気口全体から熱ガスを排気することができるので、熱ガスが集中して排気されることを回避することができる。これにより、ガス遮断器とガス遮断器の外側に設けられた容器との間の絶縁ガスの絶縁性能を低下させることなく、熱ガスをガス遮断器の外部に排気することができる。
【0066】
また、電流の遮断状態におけるシリンダの側面に対向して重なる位置に排気口が設けられているため、電流の遮断状態におけるシリンダの側面の位置を避けて排気口を設ける必要がなく、排気口の有効面積を増やすために装置を大きくする必要がない。
【0067】
その結果、大電流に対応するガス遮断器であっても、性能を落とさずに機器の小型化を実現することができる。
【0068】
本発明の態様2に係るガス遮断器(100・100A・100B)は、前記態様1において、前記排気口(46)は、第1排気口(46a)と第2排気口(46b)とを有し、前記第1排気口は、前記電流の遮断状態の前記シリンダ(20)の側面(シリンダ側面体23)に対向して重ならない位置に配置され、前記第2排気口は、前記電流の遮断状態の前記シリンダの側面に対向して重なる位置に配置されていてもよい。
【0069】
前記構成によれば、複数の排気口を設けることで、熱ガスが分かれて流れ、1つの排気口への熱ガスの排気の集中が回避できる。
【0070】
本発明の態様3に係るガス遮断器(100・100A・100B)は、前記態様1または2において、前記電流の遮断状態において、前記排気口(第2排気口46b)と対向して重なる前記シリンダの側面(シリンダ側面体23)の内側には、前記排気口の一部を覆う閉鎖部材(50)が配置されていてもよい。
【0071】
前記構成によれば、シリンダの内面に熱ガスが吹付けられることを回避することができる。
【0072】
本発明の態様4に係るガス遮断器(100・100A・100B)は、前記態様3において、前記閉鎖部材(50)は、前記シリンダ(20)の移動に応じて移動可能であり、前記閉鎖部材は、前記電流の遮断状態において、前記電流の通電状態と比べて、前記排気口(46)のより広い面積を覆っていてもよい。
【0073】
前記構成によれば、開極開始時点では排気面積を多くし、遮断状態にかけて閉鎖部材によりシリンダの側面と重なる排気口を覆うことができる。
【0074】
本発明の態様5に係るガス遮断器(100・100A・100B)は、前記態様3または4において、前記閉鎖部材(50)の材質は樹脂であってもよい。前記構成によれば、熱ガスによって樹脂が溶けることで、蒸発潜熱により熱ガスが冷却される。
【0075】
本発明の態様6に係るガス遮断器(100)は、前記態様3から5のいずれかにおいて、前記閉鎖部材(50)は、引張りバネ(51)の一端(51a)に固定され、前記引張りバネの他端(51b)は、前記ピストン(40)における前記閉鎖部材より前記第1接触子側の位置(面41a)に固定され、前記電流の遮断状態において、前記閉鎖部材は、前記引張りバネが伸びている状態で前記排気口の一部(第2排気口46b)を覆っていてもよい。
【0076】
前記構成によれば、電流の遮断状態において閉鎖部材が排気口を覆った後、他の動力を必要とせずに閉鎖部材とシリンダとをもとの位置に戻すことができる。
【0077】
本発明の態様7に係るガス遮断器(100B)は、前記態様3から5のいずれかにおいて、前記閉鎖部材(50)は圧縮バネ(53)の一端(53a)に固定され、前記圧縮バネの他端(53b)は、前記ピストン(40)における前記閉鎖部材よりも前記第1接触子から離れる側の位置(面50b)に固定され、前記電流の遮断状態において、前記閉鎖部材は、前記圧縮バネが縮んでいる状態で前記排気口の一部(第2排気口46b)を覆っていてもよい。前記構成によれば、態様6と同様の効果を奏することができる。
【0078】
本発明の態様8に係るガス遮断器(100A)は、前記態様3から5のいずれかにおいて、前記閉鎖部材(50)に第1磁石(52a)が配置され、前記ピストン(40)に第2磁石(52b)が設置され、前記電流の通電状態において、前記閉鎖部材は、前記第1磁石および前記第2磁石の磁力によって、前記排気口(46)の前記第1接触子側に復帰してもよい。前記構成によれば、態様6と同様の効果を奏することができる。
【0079】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
3 第1接触子
13 第1ガス流路
20 シリンダ
21 パッファ室
23 シリンダ側面体(シリンダの側面)
31 第2接触子
40 ピストン
45 第2ガス流路
46 排気口
46a 第1排気口
46b 第2排気口
50 閉鎖部材
51 引張りバネ
52a 第1磁石
52b 第2磁石
53 圧縮バネ
60 アーク放電空間
100、100A、100B ガス遮断器
P 軸(中心軸)
Z アーク放電
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8