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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180167
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】空気圧工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20221129BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20221129BHJP
   B25C 1/04 20060101ALN20221129BHJP
   B25C 7/00 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
B25F5/00 D
B25F5/00 Z
H02K7/18 A
B25C1/04
B25C7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087116
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】井田 慶介
【テーマコード(参考)】
3C064
3C068
5H607
【Fターム(参考)】
3C064AA09
3C064AB01
3C064AC09
3C064BA01
3C064BA02
3C064BA12
3C064BA13
3C064BA15
3C064BB17
3C064BB52
3C064BB53
3C064BB81
3C064BB83
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA87
3C064CA88
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB62
3C064CB71
3C064CB81
3C064CB83
3C064CB86
3C068AA01
3C068BB01
3C068CC02
3C068GG03
5H607BB02
5H607CC05
5H607CC07
5H607CC09
5H607DD18
5H607FF26
(57)【要約】
【課題】機械の大型化または重量化を最小限としつつ、電源と必要とする装置を搭載可能な空気圧工具を提供する。
【解決手段】圧縮空気によって駆動する駆動機構と、圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置20と、前記風力発電装置20に供給される空気を制御するために操作可能に設けられた操作部22と、を備えるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気によって駆動する駆動機構と、
圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置と、
前記風力発電装置に供給される空気を制御するために操作可能に設けられた操作部と、
を備える、
空気圧工具。
【請求項2】
前記操作部は、前記空気圧工具のグリップを作業者が把持したときに、前記グリップを把持した作業者の手の指が届く範囲に設けられている、
請求項1に記載の空気圧工具。
【請求項3】
前記風力発電装置に空気を供給するエア流路には、前記風力発電装置へ供給される空気の量を調整する調整部が設けられている、
請求項1または2のいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項4】
圧縮空気を噴き出して清掃を行うエアダスタを更に備え、
前記操作部が操作されたときに圧縮空気が供給されるエア流路は、前記エアダスタに空気を供給する第1のエア流路と、前記風力発電装置に空気を供給する第2のエア流路と、に分岐している、
請求項1~3のいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項5】
照明装置を更に備え、
前記操作部が操作されたときに、前記風力発電装置が発電した電力により、前記照明装置が点灯するようにした、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項6】
前記操作部は、ON状態を保持可能に構成されている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気圧工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部から供給された圧縮空気を使用して作動する空気圧工具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場等で使用される工具として、暗所での作業に便利なように照明機能を備えたものが存在する。しかしながら、照明機能には電源が必要であるため、それらのほとんどは電動工具である。電源確保等の問題があるため、照明機能を搭載した空気圧工具は普及していない。とはいえ、空気圧工具に一次電池や二次電池を搭載すれば、照明機能を搭載することは可能である。
【0003】
例えば、特許文献1には、電池式の照明装置を備えた空気圧工具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2および3には、空気圧工具において圧縮空気の排気や給気によってファンを回転させて発電を行い、発電した電気を電池やコンデンサ等に貯めることで電気を使用できるようにした発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-209567号公報
【特許文献2】実開平2-100788号公報
【特許文献3】特開2010-69589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した特許文献1に記載の構成では、電池切れの対応が必要となるという問題や、電池の分だけ工具本体が大きく重くなるという問題があった。
【0007】
また、上記した特許文献2または3に記載の構成では、電池切れの問題は改善されるものの、電池の分だけ工具本体が大きく重くなるという問題は避けられなかった。特に、電池切れが起きないように容量の大きい電池を搭載すると、機械が大型化してしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、機械の大型化または重量化を最小限としつつ、電源と必要とする装置を搭載可能な空気圧工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明は、圧縮空気によって駆動する駆動機構と、圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置と、前記風力発電装置に供給される空気を制御するために操作可能に設けられた操作部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記の通りであり、圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置を備えるとともに、風力発電装置に供給される空気を制御するために操作可能に設けられた操作部を備える。よって、操作部を操作することで、作業者が任意のタイミングで発電を行うことができるので、容量の大きい電池を搭載する必要がなく、電池を小型化または不要化することができる。なお、特許文献2または3に記載されたような従来の発明では、作業者が任意のタイミングで発電を行うことができないため、電池切れを防止するには容量の大きい電池を搭載する必要があった。この点、本発明によれば、任意のタイミングで発電を行うことができるので、電池を搭載しないことも可能であるし、また仮に電池を搭載するとしても、容量の小さい電池とすることができる。よって、機械の大型化または重量化を最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】空気圧工具の左側面図である。
図2】空気圧工具の右側面図である。
図3】空気の流量の調整部の内部構造を説明するための一部拡大断面図である。
図4】風力発電装置の内部構造を示す斜視図である。
図5】変形例1に係る空気圧工具の一部拡大左側面図である。
図6】変形例1に係る空気圧工具の斜視図である。
図7】変形例2に係る空気圧工具の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図1~4を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態に係る空気圧工具10は、外部から供給された圧縮空気を使用して作動する打ち込み工具である。この空気圧工具10は、圧縮空気によって駆動する駆動機構を備え、この駆動機構によって射出口14aからファスナーを打ち出すように構成されている。なお、本実施形態においては打ち込み工具を空気圧工具10の例として挙げているが、空気圧工具10としては、打ち込み工具に限らず、圧縮空気によって駆動する駆動機構(空気圧によって生じるエネルギーを機械的な直線運動や回転運動などの仕事に変換する機構)を備えたものであればよい。
【0014】
この空気圧工具10は、図1および図2に示すように、内部に駆動機構を備えた出力部11と、出力部11から直交方向に突出するように設けられたグリップ12と、グリップ12に操作可能に設けられたトリガ13と、出力部11の先端に突出するように設けられたノーズ部14と、ノーズ部14の後方に接続されたマガジン15と、マガジン15とノーズ部14との間に設けられたファスナー供給部16と、グリップ12の後端に設けられたエンドキャップ部18と、圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置20と、空気圧工具10の側面に押下操作可能に設けられた操作部22と、前記操作部22の反対側の空気圧工具10の側面に設けられた継手部材23と、風力発電装置20に空気を供給するエア流路30と、作業箇所を照らすための照明装置38と、を備える。
【0015】
出力部11は、図1および図2に示すように、駆動機構を内蔵した円筒状の部位である。本実施形態に係る駆動機構は、圧縮空気の力を利用したピストン運動によりドライバを作動させ、ドライバによってファスナーを打ち込むようになっている。ドライバは、ファスナーを打ち出すためにノーズ部14の方向へと移動可能となっている。打ち込み方向に移動したドライバは、ノーズ部14内にセットされたファスナーを打ち出す。ドライバによって打ち出されたファスナーは、ノーズ部14の先端に開口する射出口14aから射出される。
【0016】
この空気圧工具10を作業者が使用するときには、グリップ12を握り込んで把持し、トリガ13を引き操作する。この操作により上記した駆動機構が作動してファスナーが打ち出される。なお、トリガ13は、グリップ12を握り込んだ手の人差し指がかかる位置に設けられている。
【0017】
マガジン15内には、連結ファスナーが収容されており、この連結ファスナーの先頭のファスナーが、ファスナー供給部16を経由して、ノーズ部14(打ち込み動作前のドライバの真下)へと順次供給されるようになっている。具体的には、ファスナー供給部16は、一端がマガジン15の内部と連通し、他端がノーズ部14の内部と連通するように設けられており、ファスナーの送り機構を備えている。このファスナー供給部16にマガジン15から引き出された連結ファスナーがセットされることで、ファスナーの送り機構によって先頭ファスナーがノーズ部14へと供給される。なお、本実施形態に係るファスナーの送り機構は、ファスナーの打ち出しに使用した圧縮空気の排気によって作動するため、ファスナーの打ち出し後に次の先頭ファスナーがノーズ部14へと供給されるようになっている。
【0018】
グリップ12の後端には、エア供給用のエアホースを接続するためのエンドキャップ部18が設けられている。特に図示しないが、エアホースはエアコンプレッサ等のエア供給源に接続されており、エア供給源から供給された圧縮空気を空気圧工具10に供給可能となっている。エアホースを介してエンドキャップ部18から供給された圧縮空気は、グリップ12及び出力部11の内部に形成されたエアチャンバに貯留される。エアチャンバに貯留された圧縮空気は、駆動機構や風力発電装置20に供給されて使用される。
【0019】
風力発電装置20は、エアチャンバから供給された圧縮空気により発電を行う装置である。この風力発電装置20は、図4に示すように、ファン20aを備えており、圧縮空気が供給されたときに、圧縮空気の風圧でファン20aが回転して発電を行うようになっている。
【0020】
なお、エアチャンバ内の圧縮空気は、継手部材23によって工具のハウジングの外に取り出せるように構成されており、この継手部材23に管部材を取り付けることでエア流路30が形成されている。エア流路30は、曲げられないチューブで形成してもよいし、フレキシブルチューブで形成してもよい。このエア流路30の下流側の端部は、風力発電装置20に接続されている。
【0021】
このエア流路30への圧縮空気の供給は、操作部22によって操作可能である。本実施形態に係る操作部22は、図2に示すように機械の右側面に設けられており、作業者がグリップ12を右手で把持したときに、右手の親指で操作可能な位置に設けられている。この操作部22が押下操作されると、継手部材23の内側(ハウジング内部)において弁体が開き、エアチャンバ内の圧縮空気が継手部材23を経由してエア流路30に流入する。エア流路30に流入した圧縮空気は、風力発電装置20に供給され、発電に使用される。このように、操作部22は、風力発電装置20に供給される空気を制御するために、操作可能に設けられている。
【0022】
なお、エア流路30の中途には、図1に示すように、風力発電装置20へ供給される空気の量を調整する調整部31が設けられている。本実施形態に係る調整部31は、図3に示すように、ダイヤル31aと弁体31bとを備えており、ダイヤル31aが操作されたときに弁体31bがエア流路30内を進退するように構成されている。このように弁体31bが進退することでエア流路30の流路面積が変動し、圧縮空気の流量を調節することができる。本実施形態に係るダイヤル31aは、ネジ式であり、回転量を調節することで流路を絞ることが可能である。このように調整部31で流量を調節することで、風力発電装置20の負荷や発電量を調節することができる。
【0023】
なお、本実施形態に係る調整部31はネジ式の操作手段(ダイヤル31a)を備えているが、これに限らず、例えば操作手段を押下式とし、操作手段の押下量によって圧縮空気の流量を調節できるようにしてもよい。また、調整部31は、操作手段を設けずに、風力発電装置20へ供給される空気の量が一定量となるように流路を絞るものであってもよい。また、調整部31は、管路の面積を部分的に広くすることで、風力発電装置20における流速を低下させる構造であってもよい。
【0024】
また、本実施形態においては、調整部31が風力発電装置20の上流側に配置されているが、これに限らず、調整部31を風力発電装置20の下流側に配置しても同様の効果を得ることができる。
【0025】
本実施形態においては、風力発電装置20で発電された電力は照明装置38によって使用される。本実施形態に係る照明装置38は、風力発電装置20の基板に直接接続されたライト(LED等)である。この照明装置38は、作業方向前方(ノーズ部14の先端方向)を照らすように配置されている。
【0026】
本実施形態においては、風力発電装置20と照明装置38とを直結することで、電池なしでも照明装置38を使用することができる。すなわち、操作部22が押下操作されて風力発電装置20が発電を行っている間は、照明装置38が点灯し、操作部22が操作されなくなって風力発電装置20が停止すると、照明装置38が消灯するように構成されている。
【0027】
なお、風力発電装置20を連続的に作動させるために、操作部22をオン状態にホールドできるようにしてもよい。例えば、押下操作を1回行うごとにオン・オフが切り替わるオルタネイト動作を行うスイッチで操作部22を構成してもよい。または、操作部22を押下した状態で回転させると、オン状態を維持できるようにしてもよい。このように操作部22をオン状態にホールドできるようにすれば、作業者が操作部22から指を離しても発電が継続されるので、例えば、照明装置38を点灯したままにすることも可能である。
【0028】
なお、本実施形態においては電池を使用していないが、これに限らず、風力発電装置20が発電した電気をバッテリやコンデンサに蓄電して使用するようにしてもよい。本発明によれば、空気圧工具10が電池を備える場合でも、電池を小型化することができる。空気圧工具10が電池を備えるようにすれば、発電のタイミングと電気使用のタイミングとをずらすことができるので、風力発電装置20による発電が、空気圧工具10の作動(打ち込み動作)に影響することを防止できる。例えば、照明を使用しながら打込み作業を行う場合、風力発電装置20が圧縮空気を消費することで、駆動機構が使用できる圧縮空気が減ってしまうと、打込能力が低下するおそれがある。この点、小型電池を備えていれば予め蓄電した電気で照明が使用できるので、打込能力の低下を防止することができる。
なお、空気圧工具10が電池を備える場合、風力発電装置20および照明装置38のいずれか一方または両方を、電池と一体にユニット化し、このユニットを空気圧工具10に取り付けてもよい。このように装置をユニット化することで、それぞれの装置をつなぐ配線が不要となる。なお、このユニットは、本体中心部(マガジン15の周辺部。例えば、図1に示す風力発電装置10の位置)に配置することが可能である。このように電池を含むユニットを本体中心部に配置することで、機械のバランス(重心位置)を良好に保つことができる。
【0029】
また、風力発電装置20で発電された電力の用途は、照明装置38に限らない。電源を必要とする任意の装置に使用することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、圧縮空気の風圧を利用して発電可能な風力発電装置20を備えるとともに、風力発電装置20に供給される空気を制御するために操作可能に設けられた操作部22を備える。よって、操作部22を操作することで、作業者が任意のタイミングで発電を行うことができるので、容量の大きい電池を搭載する必要がなく、電池を小型化または不要とするができる。よって、機械の大型化または重量化を最小限とすることができる。
【0031】
また、操作部22は、空気圧工具10のグリップ12を作業者が把持したときに、グリップ12を把持した作業者の手の指が届く範囲に設けられている。このため、工具を持ち替えることなく風力発電装置20を操作することができる。
【0032】
また、風力発電装置20に空気を供給するエア流路30には、風力発電装置20へ供給される空気の量を調整する調整部31が設けられている。このため、風力発電装置20への負荷を制御することができる。
【0033】
また、照明装置38を更に備え、操作部22が操作されたときに、風力発電装置20が発電した電力により、照明装置38が点灯するようになっている。すなわち、風力発電装置20で発電した電気が蓄電されずに、直接、照明装置38で使用されるようになっている。このような構成によれば、電池を使用せずに照明装置38を使用できる。なお、このように風力発電装置20の発電電圧によって照明装置38への供給電圧が決定されるような構成の場合、調整部31を操作して風力発電装置20へ供給される空気の量を調整することで、照明装置38の明るさを調節することも可能である。
【0034】
また、操作部22は、ON状態を保持可能に構成してもよい。このように構成すれば、操作部22から手を離しても風力発電装置20に空気を供給し続けることができる。例えば、操作部22から手を離しても、照明装置38を点灯させ続けることができる。
【0035】
(変形例1)
上記した実施形態においては、エア流路30から供給されたエアを風力発電装置20でのみ使用しているが、これに限らない。例えば、図5および図6に示すように、エア流路30から供給されたエアをエアダスタ40と風力発電装置20とで共用してもよい。
【0036】
エアダスタ40は、圧縮空気をノズルから噴き出して清掃を行うものであり、エアダスタ40のノズル先端部に、噴出し口41がファスナーの射出方向に向けて開口している。本変形例に係るエアダスタ40のノズルは、図5に示すように、ノーズ部14の側部に、ノーズ部14と平行に配置されており、エアダスタ40の噴出し口41がファスナーの射出方向に向けて開口している。このため、ファスナーの打ち出し位置を狙う姿勢のまま、打ち出し位置付近のゴミを吹き飛ばすことができるようになっている。
【0037】
本変形例に係るエア流路30は、図5および図6に示す分岐部32において2つに分岐している。2つに分岐した一方はエアダスタ40に空気を供給する第1のエア流路33であり、他方は風力発電装置20に空気を供給する第2のエア流路34となっている。本変形例においては、操作部22が操作されたときにエア流路30に圧縮空気が供給され、この圧縮空気が2つの分岐した流路に供給可能となっている。
【0038】
なお、本変形例に係る分岐部32には、分岐した流路のどちらに圧縮空気を供給するかを切り替えるための流路切替部35が設けられている。この流路切替部35は、外部からの操作を受付可能な切替操作部35aを備えている。この切替操作部35aが操作されることで、第1のエア流路33と第2のエア流路34のどちらに圧縮空気を供給するかを切り替えることができる。例えば、切替操作部35aを押下操作するごとに、どちらの流路に圧縮空気を供給するかが切り替わるようになっている。このように流路切替部35を備えることで、操作部22が操作されたときの動作を切り替えることができる(すなわち、エアダスタ40を作動させるのか、風力発電装置20(照明装置38)を作動させるのかを切り替えることができる)。
【0039】
このように、本変形例に係る構成は、圧縮空気をノズルから噴き出して清掃を行うエアダスタ40を更に備え、操作部22が操作されたときに圧縮空気が供給されるエア流路30は、エアダスタ40に空気を供給する第1のエア流路33と、風力発電装置20に空気を供給する第2のエア流路34と、に分岐している。このように、1つのエア流路30を2つに分岐させることで、配管を最小限とすることができる。
【0040】
なお、本変形例に係る構成では、分岐部32に流路切替部35を設け、第2のエア流路34に流量調節弁(調整部31)を設けている。しかしながら、これに限らず、他の方法で流路の切り替えを行うようにしてもよい。例えば、分岐部32に流路切替部35を設け、流量調節弁は使用しないようにしてもよい。また、分岐部32に流路切替部35を設ける代わりに、第1のエア流路33と第2のエア流路34とにそれぞれ流量調節弁(調整部31)を設け、この流量調節弁を予め操作しておくことで、操作部22が操作されたときに圧縮空気が供給される経路を決定できるようにしてもよい。また、分岐部32に流路切替部35を設け、第2のエア流路34に流量調節弁(調整部31)を設ける代わりに、第1のエア流路33に流量調節弁(調整部31)を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、流路切替部35を設けず、流路の切り替えも行わないようにしてもよい。すなわち、操作部35aが操作されたときに2つの流路に同時に圧縮空気が供給されるようにしてもよい。
【0042】
(変形例2)
上記した変形例1においては、エア流路30を、エアダスタ40に空気を供給する第1のエア流路33と、風力発電装置20に空気を供給する第2のエア流路34とに分岐したが、これに限らず、流路をそれぞれ独立して設けてもよい。すなわち、図7に示すように、エアダスタ40に空気を供給する管路を、風力発電装置20に空気を供給するエア流路30とは独立して設けてもよい。
【0043】
この変形例2においては、工具側面の操作部22(図2参照)を操作することでエアダスタ40に圧縮空気が供給されて、噴出し口41からエアが吹き出すようになっている。
【0044】
また、エンドキャップ部18に、エアチャンバと連通した空気の取出し口が設けられており、この空気の取出し口は、エンドキャップ部18の近傍に配置された操作部45で開閉操作が可能となっている。この操作部45が押下操作されることで、エア流路30を経由して風力発電装置20に圧縮空気が供給される。
【0045】
本変形例に係るエア流路30は、マガジン15の側面に沿って配置され、風力発電装置20まで延設されている。具体的には、エア流路30は、上流側の端部がエンドキャップ部18に接続されて開始している。このエア流路30は、マガジン15の後方(出力部11とは反対側)の側面に沿って下方に延び、その後、マガジン15の底面に沿って前方(ノーズ部14の方向)に延びている。そして、マガジン15を超えた先で、下流側の端部が風力発電装置20に接続されている。ただし、このようなエア流路30の配置は例示に過ぎず、他の位置にエア流路30を設けてもよいことは言うまでもない。
【0046】
このように、風力発電装置20用のエア流路30は、エアダスタ40から独立して設けてもよい。更には、風力発電装置20用の操作部45とエアダスタ40用の操作部22とを個別に設けてもよい。
【0047】
なお、本変形例では、風力発電装置20用の操作部45とエアダスタ40用の操作部22とを別々に設けたが、これに限らず、1つの操作部で、風力発電装置20用の流路とエアダスタ40用の流路とのどちらにエアを流すかを切り替えられるようにしてもよい。すなわち、風力発電装置20用のエア流路30を、エアダスタ40から独立して設けるとともに、この2つの流路への圧縮空気の供給を1つの操作部で操作できるようにしてもよい。例えば、工具側面の操作部22をダイヤル式として、そのダイヤルを第1の位置に操作した場合には風力発電装置20用の流路にエアを流し、そのダイヤルを前記第1の位置とは異なる第2の位置に操作した場合にはエアダスタ40用の流路にエアを流すような態様としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 空気圧工具
11 出力部
12 グリップ
13 トリガ
14 ノーズ部
14a 射出口
15 マガジン
16 ファスナー供給部
18 エンドキャップ部
20 風力発電装置
20a ファン
22 操作部
23 継手部材
30 エア流路
31 調整部
31a ダイヤル
31b 弁体
32 分岐部
33 第1のエア流路
34 第2のエア流路
35 流路切替部
35a 切替操作部
38 照明装置
40 エアダスタ
41 噴出し口
45 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7