(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180274
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221129BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150268
(22)【出願日】2021-09-15
(62)【分割の表示】P 2021087033の分割
【原出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの嗜好に応じた商品を提案する情報処理システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置が、ユーザ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるレコメンドシステムにおいて、サーバ装置10は、ユーザの電子メールデータを取得する電子メール取得部111、電子メールデータを解析してユーザが購入した商品又はサービスに係る購入データを抽出する購入データ抽出部112、購入データを記憶する購入履歴記憶部131、ユーザから商品又はサービスについて再度購入の意思の入力を受け付ける購入意思入力部113及び意思に応じてユーザに商品又はサービスを提案するレコメンド部116を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの電子メールデータを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールデータを解析して前記ユーザが購入した商品又はサービスに係る購入デ
ータを抽出する購入データ抽出部と、
前記購入データを記憶する購入履歴記憶部と、
前記ユーザから前記商品又はサービスについて再度購入の意思の入力を受け付ける購入
意思入力部をさらに備え、
前記意思に応じて前記ユーザに前記商品又はサービスを提案するレコメンド部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記第1の商品又はサービスについて再度購入したい前記意思を
入力した前記ユーザに対しては、前記第1の商品又はサービスをレコメンドし、前記第1
の商品又はサービスについて再度購入したくない前記意思を入力した前記ユーザに対して
は、前記第1の商品又はサービスとは異なる第2の商品又はサービスをレコメンドするこ
と、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記購入データには、前記商品又はサービスの提供者を示す情報が含まれ、
前記レコメンド部は、前記第1の商品又はサービスについて再度購入したくない前記意
思を入力した前記ユーザに対して、前記購入データに含まれる前記提供者とは異なる提供
者が提供している、前記第1の商品又はサービスをレコメンドすること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記購入データに基づいて、前記ユーザが前記商品又はサービス
を購入する購入間隔を推定し、前記ユーザに対応する最新の前記購入データの日付から前
記購入間隔に応じた期間が経過したタイミングで、前記商品又はサービスを前記ユーザに
提案すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記意思の入力に応じて、前記ユーザにポイントを発行するポイント発行部をさらに備
えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザから前記商品又はサービスについての好感度の入力を受け付ける好感度入力
部と、
前記レコメンド部は、前記好感度及び前記意思に応じて、前記ユーザに前記商品又はサ
ービスを提案すること、
を特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
購入履歴に応じて商品をレコメンドすることが行われている(例えば、特許文献1参照
)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが商品についてどのように感じているかを把握することは困難で
ある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、ユーザの嗜好に応じた商品を提
案することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、ユーザ
の電子メールデータを取得する電子メール取得部と、前記電子メールデータを解析して前
記ユーザが購入した商品又はサービスに係る購入データを抽出する購入データ抽出部と、
前記購入データを記憶する購入履歴記憶部と、前記ユーザから前記商品又はサービスにつ
いて再度購入の意思の入力を受け付ける購入意思入力部をさらに備え、前記意思に応じて
前記ユーザに前記商品又はサービスを提案するレコメンド部と、を備えることを特徴とす
る。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面に
より明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの嗜好に応じた商品を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るレコメンドシステムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るサーバ装置10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】電子メールデータの一例を説明する図である。
【
図5】好感度及び購入意思の両方に応じて提案する商品の決定を説明する図である。
【
図6】本実施形態のレコメンドシステムの動作について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成
を備える。
[項目1]
ユーザの電子メールデータを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールデータを解析して前記ユーザが購入した商品又はサービスに係る購入デ
ータを抽出する購入データ抽出部と、
前記購入データを記憶する購入履歴記憶部と、
前記ユーザから前記商品又はサービスについて再度購入の意思の入力を受け付ける購入
意思入力部をさらに備え、
前記意思に応じて前記ユーザに前記商品又はサービスを提案するレコメンド部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記第1の商品又はサービスについて再度購入したい前記意思を
入力した前記ユーザに対しては、前記第1の商品又はサービスをレコメンドし、前記第1
の商品又はサービスについて再度購入したくない前記意思を入力した前記ユーザに対して
は、前記第1の商品又はサービスとは異なる第2の商品又はサービスをレコメンドするこ
と、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記購入データには、前記商品又はサービスの提供者を示す情報が含まれ、
前記レコメンド部は、前記第1の商品又はサービスについて再度購入したくない前記意
思を入力した前記ユーザに対して、前記購入データに含まれる前記提供者とは異なる提供
者が提供している、前記第1の商品又はサービスをレコメンドすること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記レコメンド部は、前記購入データに基づいて、前記ユーザが前記商品又はサービス
を購入する購入間隔を推定し、前記ユーザに対応する最新の前記購入データの日付から前
記購入間隔に応じた期間が経過したタイミングで、前記商品又はサービスを前記ユーザに
提案すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記意思の入力に応じて、前記ユーザにポイントを発行するポイント発行部をさらに備
えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザから前記商品又はサービスについての好感度の入力を受け付ける好感度入力
部と、
前記レコメンド部は、前記好感度及び前記意思に応じて、前記ユーザに前記商品又はサ
ービスを提案すること、
を特徴とする情報処理システム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係るレコメンドシステムについて説明する。本実施形態の
レコメンドシステムは、ユーザに対して商品(サービスを含む。以下同じ。)をレコメン
ドしようとするものである。本実施形態のレコメンドシステムでは、ユーザが過去に購入
した商品についてユーザからの評価を受け付け、商品に対するユーザの評価に応じて、同
一の又は異なる商品をレコメンドしようとするものである。本実施形態では、ユーザから
受け付ける評価には、当該商品を再度購入する意思が含まれ、さらには、当該商品に対す
る好感度を含むこともできる。
【0012】
本実施形態では、再度購入の意思とは、購入を希望するかしないかの2つのカテゴリで
あってよい。例えば、「また買いたい」又は「二度と買わない」のカテゴリ、あるいは、
サブスクリプション型の購入(継続購入)である場合には、「継続したい」又は「退会し
たい」のカテゴリとすることができる。なお、再度の購入の意思は、それ以外のカテゴリ
であってもよいし、5段階や10段階など、購入を希望する度合を示すスコアであっても
よい。
【0013】
また、本実施形態では、好感度は、ユーザが商品に好感を抱くか否かの2つのカテゴリ
であってよい。例えば、「好き」又は「嫌い」のカテゴリとすることができる。なお、好
感度は、それ以外のカテゴリであってもよいし、5段階や10段階など、好感の度合を示
すスコアであってもよい。
【0014】
本実施形態のレコメンドシステムは、ユーザから受け付けた再度購入の意思と好感度と
に応じて、商品をレコメンドする。
【0015】
図1は、本実施形態に係るレコメンドシステムの全体構成例を示す図である。本実施形
態のレコメンドシステムは、サーバ装置10を含んで構成される。サーバ装置10は、ユ
ーザ端末20と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、
たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサ
ネット(登録商標)などにより構築されうる。
【0016】
<ハードウェア構成例>
サーバ装置10は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用
コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に
実現されてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態に係るサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。サー
バ装置10は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピ
ュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現さ
れてもよい。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
情報処理装置は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース1
04、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプ
ログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラ
ッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワークに接続するた
めのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ
、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル
通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどであ
る。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、
ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディ
スプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ装置10が備える各機
能部は、CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読
み出して実行することにより実現され、サーバ装置10が備える記憶部は、メモリ102
及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現されることができる。後述する
サーバ装置10の各機能部は、CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラ
ムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、サーバ装置10の各記憶部
は、メモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
<ソフトウェア構成例>
図3は、本実施形態に係るサーバ装置10のソフトウェア構成例を示す図である。サー
バ装置10は、電子メール取得部111、購入データ抽出部112、購入意思入力部11
3、好感度入力部114、ポイント発行部115、レコメンド部116、購入履歴記憶部
131、ルール記憶部132、ユーザ評価記憶部133、商品情報記憶部134を備える
。
【0019】
購入履歴記憶部131は、購入した商品に関する情報(以下、購入データという。)を
記憶する。購入データには、ユーザを示すユーザID、購入日、購入した商品を特定する
商品ID、取引が行われた店舗の店舗名、商品に対する支払金額、商品の送料、購入金額
などが含まれうる。購入金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料その他に応
じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額とすることができ
る。なお、購入金額として、支払金額を採用してもよい。
【0020】
ルール記憶部132は、電子メールデータを解析するためのルールを記憶する。ルール
記憶部132は、例えば、店舗ごとにルールを記憶することができる。ルールは、例えば
、電子メールデータを機械学習により学習した学習モデルであってもよい。ルール記憶部
132は、電子メールの送信元となるアドレスのパターン(アドレスそのものであっても
よいし、アドレスを正規表現等により表現したパターンであってもよい。)をさらに対応
付けて記憶するようにすることもできる。
【0021】
ユーザ評価記憶部133は、購入した商品に対するユーザの評価を記憶する。ユーザ評
価記憶部133は、ユーザID及び商品IDに対応付けて、購入意思及び好感度を記憶す
ることができる。購入意思及び好感度は、購入した商品についてユーザから入力される値
である。本実施形態では、購入意思は、再度の購入を希望するかしないか(「また買いた
い」、「サブスクリプションを継続したい」などの再度の購入を希望することと、「二度
と買わない」もしくは「サブスクリプションを解約したい」などの再度の購入を希望しな
いことと)のいずれかであるものとする。また、本実施形態では、好感度は、「好き」又
は「嫌い」のいずれかであるものとする。なお、上述したように、購入意思及び好感度は
いずれも、数値により表現するようにすることもできる。
【0022】
商品情報記憶部134は、商品に関する情報(商品情報)を記憶する。商品情報記憶部
134が記憶する商品情報には、商品を特定する商品IDに対応付けて、商品名、商品に
関連するユーザの目的、商品のカテゴリ、及び商品の属性が含まれるようにすることがで
きる。商品名は、商品の表記揺れを特定可能なパターンとしてもよい。目的は複数設定す
ることができる。例えば、ボールペンについて、「筆記」及び「装飾」の目的を設定する
などすることもできる。カテゴリは、目的ごとに設定することができる。カテゴリは複数
階層であってもよく、例えば、大分類、中分類、小分類などを設定することができる。属
性は、例えば、この商品が想定するユーザセグメントを特定する情報(デモグラフィック
情報など)としてもよいし、この商品を好きなユーザ又はセグメントを特定するための情
報(セグメント情報)としてもよい。セグメント情報は、ある商品IDを含む購入データ
に対応するユーザに共通する特徴量とすることができる。
【0023】
電子メール取得部111は、ユーザ宛ての電子メールデータを取得する。電子メール取
得部111は、メールサーバにアクセスして、POP(Post Office Protocol)、IMA
P(Internet Message Access Protocol)などのプロトコルに従って、ユーザのメールボ
ックスから電子メールデータを取得することができる。サーバ装置10は、アクセスする
メールサーバをユーザIDに対応付けて管理するメールサーバ記憶部を備えるようにし、
電子メール取得部111は、メールサーバ記憶部に登録されている全てのメールサーバに
アクセスして、電子メールデータを収集するようにすることもできる。
【0024】
購入データ抽出部112は、電子メールデータを解析して、ユーザが購入した商品に係
る購入データを抽出する。電子メールデータのうち、購入した商品に関連するものには、
その商品に関連する情報(購入データ)が含まれている。購入した商品に関連する電子メ
ールデータとは、例えば、ECサイトなどにおいてユーザが商品を購入した後に、ECサ
イトからユーザに対して確認のための通知される電子メールである。ユーザは、多様な商
品又はサービスの提供者から購入した商品について、各提供者のサーバを意識することな
く、電子メールデータのみを見ることで何をいつ購入したかを確認することができる。購
入データ抽出部112は、ルール記憶部に登録されているルールに従って電子メールデー
タから購入データを抽出することができる。購入データ抽出部112は、電子メールデー
タに含まれている送信元のアドレスがマッチするアドレスパターンに対応するルールをル
ール記憶部132から読み出して、読み出したルールに基づいて電子メールデータから購
入データを抽出することができる。また、購入データ抽出部112は、ルール記憶部13
2に記憶されている全てのルールを適用して、購入データの抽出に成功したものを使用す
るようにしてもよく、この場合には、成功したルールに対応する店舗名を特定することが
できる。購入データ抽出部112は、購入データを電子メールデータから抽出することに
より、多種多様なECサイト等の提供者のサーバにアクセスすることなく、電子メールか
ら多種多様な購入データを取得することができる。
【0025】
図4は、電子メールデータの一例を説明する図である。
図4には、EC(電子商取引)
サイトにおいて商品が購入された際に通知される電子メールである購入通知メール21の
例が示されている。購入通知メール21には、商品が購入された日時211、購入された
商品の商品名212、取引金額213(商品に対する支払金額と送料とを含む。)を示す
テキストデータが含まれている。購入データ抽出部112は、ルールに従ってこれらのデ
ータを電子メールデータから抽出し、抽出したデータに基づいて購入データを作成するこ
とができる。購入データ抽出部112は、商品名212に対応する商品IDを商品情報記
憶部134から特定することができる。
【0026】
なお、購入データ抽出部112は、購入データの好感度に相当するデータが含まれてい
るものについては、好感度を抽出するようにしてもよい。例えば、ユーザがECサイトな
どにおいて商品について設定した評価値(星など)が電子メールデータに含まれている場
合には、購入データ抽出部112は、当該評価値を好感度として取得することができる。
【0027】
また、購入データ抽出部112は、電子メールデータに、商品についてユーザが書いた
レビューが含まれている場合に、レビューを解析して好感度又は再度の購入意思を推定す
ることもできる。購入データ抽出部112は、例えば、レビューに好感又は再度購入した
い意思を示すキーワードが含まれている数と、嫌悪又は再度購入したくないことを示すキ
ーワードが含まれている数とをカウントし、これらに応じて好感度又は再度購入の意思を
推定することができる。また、購入データ抽出部112は、キーワードの有無だけでなく
、構文解析を行うことにより、商品に対する好感度及び再度購入の意思を推定するように
してもよい。また、機械学習を用いてレビューの好感度及び再度購入の意思を推定するよ
うにすることもできる。
【0028】
購入データ抽出部112は、抽出した購入データを購入履歴記憶部131に登録するこ
とができる。
【0029】
購入意思入力部113は、購入データに係る商品に対する再度購入の意思を受け付ける
。購入意思入力部113は、例えば、購入履歴記憶部131から、特定のユーザに対応す
る購入データに含まれる商品IDを重複なく抽出し、抽出したい商品IDに対応する商品
情報をユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20に対して商品情報の一覧(ユーザID及
び商品IDに対応する購入意思がユーザ評価記憶部133に登録されていないものに限定
してもよい。)を送信し、ユーザ端末20において商品の指定及び購入意思の入力を行わ
せることができる。購入意思入力部113は、指定された商品及び入力された購入意思を
ユーザ端末20から受信し、ユーザID、商品IDに対応付けて購入意思を好感度記憶部
133に登録(又は更新)することができる。
【0030】
好感度入力部114は、購入データに係る商品に対する好感度の入力を受け付ける。好
感度入力部114は、例えば、購入履歴記憶部131から、特定のユーザに対応する購入
データに含まれる商品IDを重複なく抽出し、抽出したい商品IDに対応する商品情報を
ユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20に対して商品情報の一覧(ユーザID及び商品
IDに対応する好感度がユーザ評価記憶部133に登録されていないものに限定してもよ
い。)を送信し、ユーザ端末20において商品の指定及び好感度の入力を行わせることが
できる。好感度入力部114は、指定された商品及び入力された好感度をユーザ端末20
から受信し、ユーザID、商品IDに対応付けて好感度を好感度記憶部133に登録(又
は更新)することができる。なお、購入意思及び好感度を同時に受け付けるようにするこ
とができる。
【0031】
ポイント発行部115は、購入意思及び好感度の少なくともいずれかの入力に応じてポ
イントを発行することができる。ポイントは、購入意思及び好感度の少なくともいずれか
を入力してくれたことに対する報賞としてユーザに付与することができる。ポイント発行
部115は、例えば、購入意思及び好感度が入力された商品の数に応じてポイントを発行
することができる。
【0032】
レコメンド部116は、好感度に応じて商品を提案する。レコメンド部116は、第1
の商品に好感を持つユーザに対しては、その第1の商品をレコメンドし、第1の商品に好
感を持たないユーザに対しては、第1の商品とは異なる第2の商品をレコメンドすること
ができる。レコメンド部116は、第2の商品をレコメンドする場合、第1の商品の類似
品又は代替品となる商品を第2の商品として選択することができる。商品がカテゴリ分け
されている場合、カテゴリに応じて類似品又は代替品を選択することができる。例えば、
商品に対して、大分類、中分類及び小分類が設定されている場合に、小分類が共通する商
品を類似品、中分類が共通する商品を代替品として選択することができる。
【0033】
また、レコメンド部116は、好感度及び購入意思の両方に応じて、ユーザに商品を提
案することができる。
図5は、好感度及び購入意思の両方に応じて提案する商品の決定を
説明する図である。
【0034】
同図に示すように、レコメンド部116は、好感度が良い(「好き」)場合に、再度の
購入意思がある(「また買う」)ときには、ユーザが購入した商品と同じ商品を提案する
ことができる。また、好感度が良い(「好き」)場合であっても、再度の購入意思がない
(「二度と買わない」)ときには、レコメンド部116は、ユーザが購入した商品の類似
品又は代替品を提案することができる。
【0035】
また、レコメンド部116は、好感度が悪い(「嫌い」)場合であっても、再度の購入
意思がある(「また買う」)ときには、ユーザが購入した商品と同じ商品を提案すること
もできるし、類似品又は代替品を提案することもできる。また、好感度が悪い(「嫌い」
)場合に、再度の購入意思もない(「二度と買わない」)ときには、レコメンド部116
は、ユーザが購入した商品の類似品又は代替品を提案することができる。
【0036】
また、レコメンド部116は、商品をレコメンドするにあたり、目的ごとに類似品又は
代替品を提案することができる。例えば、レコメンド部116は、購入データの商品ID
に対応する商品情報に含まれる目的ごとのカテゴリを読み出し、読み出したカテゴリ(中
分類又は小分類)と同じカテゴリ(中分類又は小分類)の他の商品を提案することができ
る。
【0037】
また、レコメンド部116は、購入データに基づいて、ユーザが商品を購入する購入間
隔を推定することができる。レコメンド部116は、ユーザに対応する最新の購入データ
の日付から、推定した購入間隔に応じた期間が経過したタイミングで商品をユーザに提案
することができる。レコメンド部116は、例えば、購入履歴記憶部131から、ユーザ
ID及び商品IDに対応する購入データのうち、過去所定期間(全期間であってもよいし
、過去1年間であってもよい。また、新しい順に所定数であってもよい。)のものを抽出
し、抽出した購入データを購入日の順に並べ、連続する2つの購入データの購入日の間隔
の集計値(平均値であってもいし、中央値であってもよいし、ベイズ学習等により推定さ
れる分布の期待値であってもよい。)を、購入間隔として推定することができる。レコメ
ンド部116は、最新の購入データの日付に、推定した購入間隔を加算した日付に、商品
のレコメンドを行うようにすることができる。
【0038】
また、レコメンド部116は、購入データに基づいて、所定期間(例えば1か月や6ヶ
月、1年など任意の期間とすることができる。)の間に商品を購入した回数(購入頻度)
が所定の閾値以上である場合には、当該商品についての好感度が悪い(「嫌い」)ときに
も、当該商品を提案するようにすることができる。また、好感度が悪い場合、レコメンド
部116は、当該商品の類似商品(小分類が同じ商品)を提案することができる。また、
好感度が悪い場合に、レコメンド部116は、当該商品の代替商品(中分類が同じ商品)
を提案することもできる。また、好感度が悪い場合に、再度購入の意思がある(「また買
いたい」)ときには、当該商品に係る目的と同じ目的の他の商品(類似商品又は代替商品
)を提案することができる。
【0039】
また、レコメンド部116は、電子メールデータから商品を特定する情報(商品名など
)と、商品に関連するキーワード(例えば、「壊れた」「使えない」「なくした」)とを
検出したことを契機として、当該商品、類似品又は代替品を提案することができる。
【0040】
また、レコメンド部116は、商品の販売者が値引き等のキャンペーンを開始したこと
を契機として、対象商品について高い好感度を設定しているユーザ又は対象消費について
再度購入する意思(「また買いたい」)を設定しているユーザに対して、対象商品を提案
することができる。
【0041】
<動作>
図6は、本実施形態のレコメンドシステムの動作について説明する図である。
【0042】
サーバ装置10は、ユーザの電子メールデータを取得し(S301)、取得した電子メ
ールデータを解析して購入データを抽出し(S302)、抽出した購入データを購入履歴
記憶部131に登録する(S303)。サーバ装置10は、ユーザから商品についての好
感度及び再度の購入意思の入力を受け付け(S305)、ユーザID及び商品IDに対応
づけてユーザ評価記憶部133に登録し、好感度及び再度の購入意思の入力に応じたポイ
ントを発行することができる(S306)。
【0043】
次に、サーバ装置10は、好感度及び購入意思に応じて提案商品を決定する(S306
)。サーバ装置10は、例えば、
図5に示すように、好感度及び購入意思に応じて、同一
商品、代替商品又は類似商品から1つ又は複数の提案商品を決定することができる。
【0044】
サーバ装置10は、購入履歴記憶部131に記憶されている購入データに基づいて、商
品ごとに購入間隔を推定し(S307)、前回の購入日から、推定した購入間隔が経過し
たか否かを判断し(S308)、購入間隔が経過している場合には(S308:YES)
、上記決定した提案商品を提案する(S309).
【0045】
以上のようにして、本実施形態のレコメンドシステムによれば、商品についてユーザか
ら入力された評価(好感度及び再度の購入意思)に応じた提案商品を、購入履歴に応じた
購入間隔のタイミングで提案することができる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするため
のものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸
脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0047】
例えば、本実施形態では、サーバ装置10は1台のコンピュータであるものとして説明
したが、複数台のコンピュータでサーバ装置10の機能部及び記憶部を分散して備えるよ
うにすることもできる。
【0048】
また、本実施形態では、再度購入の意思と好感度との両方に応じて商品のレコメンドを
行うものとしたが、これに限らず、再度購入の意思のみ、又は、好感度のみに応じて商品
のレコメンドを行うことができる。例えば、ユーザがある商品について再度購入の意思が
ある(「また買いたい」)場合に、サーバ装置10は、同一の商品、代替品、類似品をレ
コメンドすることができる。また、サーバ装置10は、ユーザがある商品について再度購
入の意思がない(「二度と買わない」)場合に、同一の商品を、異なる店舗からの購入を
勧めるレコメンドを行うこともできる。また、再度購入の意思がない場合に、サーバ装置
10は、該当商品と同じ目的を有する他の商品(代替品や類似品)を提案するようにする
こともできる。
【0049】
また、本実施形態では、電子メールデータから商品又はサービスの購入履歴を取得する
ものとしたが、これに限らず、カレンダーに登録された予定、TODOリストに登録され
た項目に基づいて、ユーザが購入した商品を特定するようにすることもできる。
【0050】
また、ECサイト等のWebページからデータを抽出(スクレイピング)したり、EC
サイトやクレジットカード会社など他社のサーバから購入データを取得するようにしても
よい。これらの購入データを補完的に利用して、電子メールデータから抽出できなかった
購入データを取得し、あるいは電子メールデータからは抽出できなかった購入データの一
部の項目を取得するようにすることができる。
【0051】
また、サーバ装置10は、カレンダーデータやTODOデータの内容から、関連する商
品を検出するようにし、検出した商品についての好感度及び再度購入の意思を受け付ける
ようにすることもできる。
【0052】
また、サーバ装置10のレコメンド部116は、カレンダーデータからユーザの空き時
間を検出し、空き時間の所定時間前のタイミングで、エンターテインメント関連の商品(
映画鑑賞や商業施設への訪問なども含む。)を提案することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 サーバ装置
20 ユーザ端末