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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180276
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】集積回路、基板及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20221129BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H01L27/04 F
H01L27/04 V
G06F3/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174914
(22)【出願日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2021087037
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 啓介
(72)【発明者】
【氏名】小川 陽平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 有希男
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AV02
5F038AV20
5F038BE05
5F038CD02
5F038CD09
5F038DF05
5F038DT02
5F038DT03
5F038DT12
5F038DT17
5F038DT19
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】機能性を向上する。
【解決手段】半導体集積回路3は、特性の異なる抵抗器6が接続されVcc及びGNDと接続可能な端子11を持つ半導体集積回路3であって、抵抗器6の何れかの端子の電位を変化させたときの抵抗器6の特性に基づく端子11の電気的特性の変化から複数の設定条件を読み取り記憶部18に記憶させ、記憶部18に記憶させた複数の設定条件を半導体集積回路3を用いるときの設定条件として使用する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特性の異なるインピーダンス素子が接続され所定の電位の電源部と接続可能な端子を持つ集積回路であって、
前記インピーダンス素子の何れかの端子の電位を変化させたときの前記インピーダンス素子の特性に基づく前記端子の電気的特性の変化から複数の設定条件を読み取り記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶させた前記複数の設定条件を前記集積回路を用いるときの設定条件として使用する
集積回路。
【請求項2】
前記集積回路は、
前記端子の信号を入力する信号入力部と、
前記インピーダンス素子の何れかの端子と電気的に接続し前記電位を変化させる信号を出力する信号出力部を制御可能な制御部と
を有し、
前記制御部は、
前記信号出力部の制御に基づく前記端子の電気的特性の第1の遷移状態と前記第1の遷移状態よりも後の第2の遷移状態とから複数の設定条件を読み取らせる
ことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号と電気的特性が異なる第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定条件成立後の前記信号入力部の第3信号を受けさせ、前記第1信号に対応する設定条件と前記第3信号に対応する設定条件とを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記インピーダンス素子は、プルアップ抵抗器又はプルダウン抵抗器の何れか一方であり、
前記端子は、前記プルアップ抵抗器を介して電源電圧に接続するか、又は前記プルダウン抵抗器を介して接地され、
前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器は、互いに複数種類の抵抗値を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記制御部は、
前記設定条件に応じ実装された、互いに異なる2種類の抵抗値を有する前記プルアップ抵抗器か、互いに異なる2種類の抵抗値を有する前記プルダウン抵抗器かの何れか1つの抵抗値に基づく前記端子の電位の変化から複数の設定条件を読み取らせる
ことを特徴とする請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後の前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号に対応する設定条件と前記第3信号に対応する設定条件とを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項5に記載の集積回路。
【請求項7】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後において、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号に対応する設定条件と前記第3信号に対応する設定条件とを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後において、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号の電位に応じた1ビットと、前記第3信号の電位に応じた1ビットとを異なる桁として組み合わせた、1端子あたり2ビットの設定条件を前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記制御部は、
前記設定条件に応じ実装された、互いに異なる複数種類の抵抗値を有する前記プルアップ抵抗器か、互いに異なる複数種類の抵抗値を有する前記プルダウン抵抗器かの何れか1つの抵抗値に基づく前記端子の電位の変化から複数の設定条件を読み取らせる
ことを特徴とする請求項4に記載の集積回路。
【請求項10】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後の前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号に対応する設定条件と前記第3信号に対応する設定条件とを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後において、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号に対応する設定条件と前記第3信号に対応する設定条件とを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから所定時間経過後において、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第3信号を受けさせてから所定時間経過後において、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の第4信号を受けさせ、前記第1信号の電位と、前記第3信号の電位と、前記第4信号の電位とに応じた、1端子あたり2ビットよりも多くの設定条件を前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項11に記載の集積回路。
【請求項13】
前記制御部は、
前記信号出力部の出力を断した状態で前記信号入力部から前記第1信号を受けさせた後で、前記信号出力部から該第1信号とロジックレベルが異なる前記第2信号を出力させ、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから、前記プルアップ抵抗器又は前記プルダウン抵抗器の抵抗値が高いほど前記第2信号を出力させてからの経過時間に応じた電位の変化が小さい、前記信号入力部の前記第3信号を受けさせ、前記第1信号の電位と、前記第2信号を出力させた後で前記信号出力部の出力を断させてから前記第3信号のロジックレベルが変化するまでの経過時間とに応じた、1端子あたり2ビットよりも多くのの設定条件を前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項11に記載の集積回路。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13の何れかに記載の集積回路を有する基板であって、
前記集積回路の前記端子と接続される前記インピーダンス素子と、
前記インピーダンス素子と接続される前記電源部と
を有することを特徴とする基板。
【請求項15】
請求項14に記載の基板を有する電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路、基板及び電子機器に関し、例えば画像形成装置に搭載された基板に実装された集積回路に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路においては、本来は出力として使用する端子を、電源投入時にはハイ・インピーダンスにすることで、端子に接続されたプルアップ抵抗器又はプルダウン抵抗器による端子の電位(1又は0)を読み取り、半導体集積回路のIC(Integrated Circuit)チップ内部の設定値として使用することが、一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-45481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような半導体集積回路において、回路の構成によっては、情報取り込みに使用できる端子数を十分に確保できない場合がある。しかしながらこのような場合においても半導体集積回路は、1端子あたり1ビットしか情報を取り込むことができず、十分な設定数を確保できない場合があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、機能性を向上し得る集積回路、基板及び電子機器を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の集積回路においては、特性の異なるインピーダンス素子が接続され所定の電位の電源部と接続可能な端子を持つ集積回路であって、インピーダンス素子の何れかの端子の電位を変化させたときのインピーダンス素子の特性に基づく端子の電気的特性の変化から複数の設定条件を読み取り記憶部に記憶させ、記憶部に記憶させた複数の設定条件を集積回路を用いるときの設定条件として使用するようにした。
【0007】
また本発明の基板においては、上述した集積回路を有し、集積回路の端子と接続されるインピーダンス素子と、インピーダンス素子と接続される電源部とを設けるようにした。
【0008】
さらに本発明の基板においては、上述した基板を設けるようにした。
【0009】
本発明は、同一のインピーダンス素子実装位置に実装されるインピーダンス素子が、互いに電気的特性が異なるインピーダンス素子のうち何れか1つのインピーダンス素子が選択されて実装されることにより、インピーダンス素子の電気的特性に応じた複数の設定条件を読み取ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば機能性を向上し得る集積回路、基板及び電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】プリンタの構成を示す図である。
図2】第1の実施の形態による基板の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施の形態による抵抗器実装位置及び抵抗定数の組み合わせを示すブロック図であり、(A)は設定値3、(B)は設定値2、(C)は設定値1、(D)は設定値0である。
図4】第1の実施の形態による抵抗器実装位置MPuに抵抗器が実装された場合の経過時間と信号線Lの電位Vcとの関係を示すグラフである。
図5】第1の実施の形態による抵抗器実装位置MPlに抵抗器が実装された場合の経過時間と信号線Lの電位Vcとの関係を示すグラフである。
図6】第1の実施の形態によるIOバッファ制御部とIOバッファとの間の信号を示すタイミングチャートであり、(A)は設定値3、(B)は設定値2、(C)は設定値1、(D)は設定値0である。
図7】第1の実施の形態による設定値読取処理手順を示すフローチャートである。
図8】第2の実施の形態による基板の構成を示すブロック図である。
図9】第2の実施の形態による基板の構成において、コンデンサ及び対向デバイスを等価な負荷容量を持つコンデンサに置き換えた状態を示すブロック図である。
図10】第2及び第3の実施の形態による抵抗器実装位置及び抵抗定数の組み合わせを示すブロック図であり、(A)は設定値7、(B)は設定値6、(C)は設定値5、(D)は設定値4、(E)は設定値3、(F)は設定値2、(G)は設定値1、(H)は設定値0である。
図11】第2及び第3の実施の形態による抵抗器実装位置MPuに抵抗器が実装された場合の経過時間と信号線Lの電位Vcとの関係を示すグラフである。
図12】第2及び第3の実施の形態による抵抗器実装位置MPlに抵抗器が実装された場合の経過時間と信号線Lの電位Vcとの関係を示すグラフである。
図13】第2及び第3の実施の形態によるIOバッファ制御部とIOバッファとの間の信号を示すタイミングチャート(1)であり、(A)は設定値7、(B)は設定値6、(C)は設定値5、(D)は設定値4である。
図14】第2及び第3の実施の形態によるIOバッファ制御部とIOバッファとの間の信号を示すタイミングチャート(2)であり、(A)は設定値3、(B)は設定値2、(C)は設定値1、(D)は設定値0である。
図15】第2の実施の形態による設定値読取処理手順を示すフローチャートである。
図16】第2の実施の形態による設定値読み替え対応表である。
図17】第3の実施の形態による基板の構成を示すブロック図である。
図18】第3の実施の形態による基板の構成において、コンデンサ及び対向デバイスを等価な負荷容量を持つコンデンサに置き換えた状態を示すブロック図である。
図19】第3の実施の形態による設定値読取処理手順を示すフローチャートである。
図20】第3の実施の形態による設定値読み替え対応表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1-1.プリンタの構成]
図1に示すように、プリンタ1は、例えばカラー用電子写真式プリンタであり、用紙に対し、所望の画像を印刷する。プリンタ1は、筐体の内部に図2に示す基板2等の種々の部品が配置されている。プリンタ1は、例えば基板2に搭載された半導体集積回路3により全体を統括制御する。
【0013】
[1-2.基板の構成]
図2に示すように、基板2は、半導体集積回路3、OSC4、抵抗器6(抵抗器6s又は6w)、コンデンサ8及び対向デバイス10が搭載されている。半導体集積回路3は、複数形成されている端子のうちの1つの端子である端子11が信号線Lに接続されており、該信号線Lは、対向デバイス10に接続されている。このため半導体集積回路3と対向デバイス10とは、信号線Lで接続されている。
【0014】
半導体集積回路3は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、IOバッファ12、IOバッファ制御部14、送信部16及び記憶部18を有している。IOバッファ12は、LVTTL(Low Voltage TTL)入出力バッファである。LVTTLの入力電位閾値は、Lowレベルと判定される閾値であるVilが0.8[V]、Highレベルと判定される閾値であるVihが2.0[V]である。
【0015】
制御部としてのIOバッファ制御部14は、IOバッファ12を制御する論理回路であり、IOバッファ12と3本の信号線である信号線Loe、信号線Lout及び信号線Linで相互に接続されており、信号線Loe及び信号線Loutにそれぞれoe信号及びout信号を出力すると共に、信号入力部としての信号線Linからin信号を入力する。このIOバッファ制御部14は、IOバッファ12をハイ・インピーダンス状態(以下では、Hi-z状態とも呼ぶ)にする場合、out信号に関わらず信号線Loeにoe信号としてLowレベルである”0”を出力する(以下では、oe=0とするとも呼ぶ)。以下では、IOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にすることを、信号線Lの出力を断する(すなわちオープンする)とも呼ぶ。一方、IOバッファ制御部14は、IOバッファ12を介し信号線Lに”1”を出力する場合、信号線Loeにoe信号としてHighレベルである”1”を出力する(以下では、oe=1とするとも呼ぶ)と共に、信号出力部としての信号線Loutにout信号としてHighレベルである”1”を出力する(以下では、out=1とするとも呼ぶ)。また一方、IOバッファ制御部14は、IOバッファ12を介し信号線Lに”0”を出力する場合、oe=1とすると共に、信号線Loutにout信号としてLowレベルである”0”を出力する(以下では、out=0とするとも呼ぶ)。さらにIOバッファ制御部14は、信号線LからIOバッファ12を介し信号線Linからin信号を入力することにより、in信号の値を読み取る。
【0016】
送信部16は、半導体集積回路3の本来の使い方において、対向デバイス10への出力信号txを送信する論理回路である。IOバッファ制御部14は、IOバッファ12を介し出力信号txを信号線Lに出力する場合、信号線Loutにout信号としてtxを出力する(以下では、out=txとするとも呼ぶ)と共に、oe=1とすることにより、IOバッファ12の信号制御権を、送信部16に移譲する。
【0017】
記憶部18は、端子11からIOバッファ制御部14が読み取った、半導体集積回路3において初期動作時に使用する設定値である、設定値3、設定値2、設定値1又は設定値0の何れか1つを記憶する。OSC4は、発振器又は発振子であり、半導体集積回路3にクロックを供給する。クロック周波数は10[MHz](周期0.1[μs])とする。
【0018】
抵抗器6は、チップ抵抗器等の抵抗素子であり、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方の位置に、抵抗器6s又は6wの何れか一方のみが実装される。すなわち、抵抗器実装位置MPu及びMPlの両方に抵抗器6が実装されることはない。以下では、抵抗器6s及び6wをまとめて抵抗器6とも呼び、抵抗器実装位置MPu及びMPlをまとめてインピーダンス素子実装位置としての抵抗器実装位置MPとも呼ぶ。抵抗器実装位置MPuに実装された抵抗器6は、一方の外部電極が信号線Lに、他方の外部電極がVccである3.3[V]に接続される。一方、抵抗器実装位置MPlに実装された抵抗器6は、一方の外部電極が信号線Lに、他方の外部電極がGNDである0[V]に接続される。抵抗器6sの定数(すなわち抵抗値)である抵抗定数Rsは、例えば2[kΩ]である。抵抗器6wの定数(すなわち抵抗値)である抵抗定数Rwは、例えば10[kΩ]である。
【0019】
コンデンサ8は、チップコンデンサ等により構成されており、一方の外部電極が信号線Lに、他方の外部電極が0[V]に接続されることにより、信号線Lと0[V]との間の容量成分として機能する。コンデンサ8の静電容量値は、C=50[pF]とする。対向デバイス10は、半導体集積回路3が出力したデータを受信するデバイスである。
【0020】
[1-3.抵抗器実装位置及び抵抗定数の組み合わせについて]
図3(A)、図3(B)、図3(C)及び図3(D)は、抵抗器6が基板2に実装され得る抵抗器実装位置MPu及びMPlと、抵抗器6の抵抗定数Rs及びRwとの組み合わせを示している。半導体集積回路3は、抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rとの組み合わせによる4種類のパターンに応じて、信号線Lから4種類の設定値である、設定値3、設定値2、設定値1又は設定値0を読み取る。図3の各図の抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rと、半導体集積回路3が読み取る設定値とは、以下の通りである。
【0021】
図3(A):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Rs、設定値=3
図3(B):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Rw、設定値=2
図3(C):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Rw、設定値=1
図3(D):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Rs、設定値=0
【0022】
すなわち、例えば図3(A)の場合、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Rsの抵抗器6sが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないとき、半導体集積回路3が設定値3を読み取ることを表している。
【0023】
また、上述したように、抵抗器実装位置MPu及びMPlは、下記の通りである。
抵抗器実装位置MPu:信号線Lと3.3[V]との間
抵抗器実装位置MPl:信号線Lと0[V]との間
【0024】
さらに、上述したように、抵抗定数Rs及びRwは、下記の通りである。
抵抗定数Rs:2[kΩ]
抵抗定数Rw:10[kΩ]
【0025】
[1-4.経過時間と信号線の電位との関係]
[1-4-1.抵抗器実装位置MPuに抵抗器6s又は6wが実装された場合]
図4は、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6s又は6wが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=0[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフである。このグラフにおいては、抵抗器実装位置MPuに実装され得る抵抗器6の定数は抵抗定数Rs(2[kΩ])又は抵抗定数Rw(10[kΩ])の何れかであり、これら2つのケースにおける電位変化が示されている。信号線Lの電位Vc[V]は、スタートからの時間t(秒)を用いて以下の(1)式で表現される。
【0026】
【数1】
【0027】
ここで、eはネイピア数(2.718・・・)であり、τは時定数(単位:秒)である。抵抗定数Rs(2[kΩ])及びRw(10[kΩ])の場合、τの値はそれぞれ抵抗定数Rsが2[kΩ]の場合は(2)式、抵抗定数Rwが10[kΩ]の場合は(3)式のように与えられる。
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
このグラフから、抵抗定数Rs(2[kΩ])の場合、遅くとも95[μs]には信号線Lの電位VcがVih(2[V])を超えており、これは、遅くとも95[μs]後にはIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み取ることを意味する。一方で、抵抗定数Rw(10[kΩ])の場合、早くとも135[μs]までは信号線Lの電位VcがVil(0.8[V])を超えておらず、これは、早くても135[μs]後まではIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み取ることを意味する。例えば、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)を開始してから115[μs]後には、抵抗定数Rs(2[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み出し、抵抗定数Rw(10[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み出すことが言える。
【0031】
[1-4-2.抵抗器実装位置MPlに抵抗器6s又は6wが実装された場合]
図5は、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6s又は6wが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=3.3[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフである。このグラフにおいては、抵抗器実装位置MPlに実装され得る抵抗器6の定数は抵抗定数Rs(2[kΩ])又は抵抗定数Rw(10[kΩ])の何れかであり、これら2つのケースにおける電位変化が示されている。信号線Lの電位Vc[V]は、スタートからの時間t(秒)を用いて以下の(4)式で表現される。
【0032】
【数4】
【0033】
ここで、e及びτは、図4における説明と同様である。
【0034】
このグラフから、抵抗定数Rs(2[kΩ])の場合、遅くとも145[μs]には信号線Lの電位VcがVil(0.8[V])を下回っており、これは、遅くとも145[μs]後にはIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み取ることを意味する。一方で、抵抗定数Rw(10[kΩ])の場合、早くとも250[μs]までは信号線Lの電位VcがVih(2[V])を上回ったままであり、これは、早くとも250[μs]まではIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み取ることを意味する。例えば、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)を開始してから200[μs]後には、抵抗定数Rs(2[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み出し、抵抗定数Rw(10[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み出すことが言える。
【0035】
[1-5.タイミングチャートについて]
図6に、抵抗器実装位置MP及び抵抗定数Rのそれぞれの組み合わせにおける、IOバッファ制御部14とIOバッファ12との間の信号(out信号、oe信号及びin信号)のタイミングチャートを示す。それぞれ、図6(A)は、図3(A)に示した設定値3の場合のタイミングチャートTC3、図6(B)は、図3(B)に示した設定値2の場合のタイミングチャートTC2、図6(C)は、図3(C)に示した設定値1の場合のタイミングチャートTC1、図6(D)は、図3(D)に示した設定値0の場合のタイミングチャートTC0を示している。
【0036】
ここで、in信号は、図4及び図5で示した信号線Lの電位Vc[V]から、LVTTLバッファであるIOバッファ12が”0”又は”1”を読み取った結果である。IOバッファ12は、Vc>Vih(2.0[V])である場合、in信号が”1”である(以下ではin=1とも呼ぶ)と判定する。またIOバッファ12は、Vil(0.8[V])<Vc<Vih(2.0[V])である場合、in信号が不定(”0”か”1”か定かではない)と判定する。さらにIOバッファ12は、Vc<Vil(0.8[V])である場合、in信号が”0”である(以下ではin=0とも呼ぶ)と判定する。
【0037】
[1-6.設定値読取処理]
次に、半導体集積回路3の電源投入時においてファームウェアが立ち上がる前にIOバッファ制御部14が設定値を読み取る処理である、設定値読取処理の具体的な処理手順である設定値読取処理手順RT1について、図6のタイミングチャート及び図7のフローチャートを用いて、抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rとの組み合わせによる4パターンに対し説明する。IOバッファ制御部14は、設定値読取処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0038】
[1-6-1.設定値3の場合]
まず、図3(A)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Rsの抵抗器6sが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=3の場合について、図6(A)に示すタイミングチャートTC3を用いて説明する。
【0039】
電源が投入されると、ステップSP1においてIOバッファ制御部14は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0において第1時点における第1信号としてのin信号の値を読み取り、ステップSP2へ移る。なお実際には、半導体集積回路3に電源が投入され、該半導体集積回路3のリセット信号がオンからオフにされた際に、IOバッファ制御部14は、時刻T0においてin信号の値を読み取る。ここでは、抵抗器6sが抵抗器実装位置MPuに実装され信号線Lが3.3[V]でプルアップされているため、in信号=”1”となる。ステップSP2においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”1”であったため、IOバッファ制御部14はステップSP2において肯定結果を得て、ステップSP3へ移る。
【0040】
ステップSP3においてIOバッファ制御部14は、時刻T1において、out=0/oe=1としてIOバッファ12を、第2時点における第2信号としての”0”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP4へ移る。このステップSP3においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力する。
【0041】
ステップSP4においてIOバッファ制御部14は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、115[μs]経過後の時刻T4において第3時点における第3信号としてのin信号の値を読み取り、ステップSP7へ移る。なお、IOバッファ制御部14は、OSC4のクロック周波数が10[MHz](周期0.1[μs])であるため、1150クロックウェイトすることで115[μs]の経過をカウントする。ここでは、抵抗定数Rsである。この場合、時刻T2(図4におけるt=0[μs])から95[μs]経過後には抵抗定数Rsの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”となっていることから、時刻T2から95[μs]以上が経過した時刻T4においてもin=”1”となる。
【0042】
ステップSP7においてIOバッファ制御部14は、時刻T8においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP8へ移る。
【0043】
ステップSP8においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値と、ステップSP4において読み取ったin信号の値とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP9へ移る。具体的にIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での2ビットのうち最上位ビットとすると共に、ステップSP4において読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での2ビットのうち最下位ビットとする。この場合、ステップSP1において読み取ったin信号の値は”1”であるため設定値の最上位ビットは”1”、ステップSP4において読み取ったin信号の値は”1”であるため設定値の最下位ビットは”1”となり、IOバッファ制御部14は、現在の設定値は2進数表示で”11b”であると判定し、この”11b”から、設定値は3であると判定する。
【0044】
ステップSP9においてIOバッファ制御部14は、判定した設定値を記憶部18へ記憶し、ステップSP10へ移り設定値読取処理手順RT1を終了する。このようにIOバッファ制御部14は、in信号の値を2回読み取り、それぞれ、1回目に読み取ったin信号の値と、2回目に読み取ったin信号の値とを設定値における2進数表示での最上位ビットと最下位ビットとして扱い、設定値を判定する。
【0045】
[1-6-2.設定値2の場合]
次に、図3(B)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Rwの抵抗器6wが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=2の場合について、図6(B)に示すタイミングチャートTC2を用いて説明する。
【0046】
電源が投入されると、ステップSP1においてIOバッファ制御部14は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0においてin信号の値を読み取り、ステップSP2へ移る。ここでは、抵抗器6wが抵抗器実装位置MPuに実装され信号線Lが3.3[V]でプルアップされているため、in信号=”1”となる。ステップSP2においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”1”であったため、IOバッファ制御部14はステップSP2において肯定結果を得て、ステップSP3へ移る。
【0047】
ステップSP3においてIOバッファ制御部14は、時刻T1において、out=0/oe=1としてIOバッファ12を”0”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP4へ移る。
【0048】
ステップSP4においてIOバッファ制御部14は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、115[μs]経過後の時刻T4においてin信号の値を読み取り、ステップSP7へ移る。ここでは、抵抗定数Rwである。この場合、時刻T2(図4におけるt=0[μs])から135[μs]経過前までは抵抗定数Rwの場合の信号線Lの電位Vc<Vil(0.8[V])となりin=”0”を維持していることから、時刻T2から135[μs]が経過する前の時刻T4においてもin=”0”となる。
【0049】
ステップSP7においてIOバッファ制御部14は、時刻T8においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP8へ移る。
【0050】
ステップSP8においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値と、ステップSP4において読み取ったin信号の値とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP9へ移る。この場合、ステップSP1において読み取ったin信号の値は”1”であるため設定値の最上位ビットは”1”、ステップSP4において読み取ったin信号の値は”0”であるため設定値の最下位ビットは”0”となり、IOバッファ制御部14は、現在の設定値は2進数表示で”10b”であると判定し、この”10b”から、設定値は2であると判定する。
【0051】
ステップSP9においてIOバッファ制御部14は、判定した設定値を記憶部18へ記憶し、ステップSP10へ移り設定値読取処理手順RT1を終了する。
【0052】
[1-6-3.設定値1の場合]
次に、図3(C)に示すように、抵抗器実装位置MPlに抵抗定数Rwの抵抗器6wが実装され、抵抗器実装位置MPuに何も実装されないパターンである、設定値=1の場合について、図6(C)に示すタイミングチャートTC1を用いて説明する。
【0053】
電源が投入されると、ステップSP1においてIOバッファ制御部14は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0においてin信号の値を読み取り、ステップSP2へ移る。ここでは、抵抗器6wが抵抗器実装位置MPlに実装され信号線Lが0[V]でプルダウンされているため、in信号=”0”となる。ステップSP2においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”0”であったため、IOバッファ制御部14はステップSP2において否定結果を得て、ステップSP5へ移る。
【0054】
ステップSP5においてIOバッファ制御部14は、時刻T1において、out=1/oe=1としてIOバッファ12を”1”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP6へ移る。このステップSP5においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力する。
【0055】
ステップSP6においてIOバッファ制御部14は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、200[μs]経過後の時刻T7において第3時点における第3信号としてのin信号の値を読み取り、ステップSP7へ移る。なお、IOバッファ制御部14は、OSC4のクロック周波数が10[MHz](周期0.1[μs])であるため、2000クロックウェイトすることで200[μs]の経過をカウントする。ここでは、抵抗定数Rwである。この場合、時刻T2(図5におけるt=0[μs])から250[μs]経過前までは抵抗定数Rwの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”を維持していることから、時刻T2から250[μs]が経過する前の時刻T7においてもin=”1”となる。
【0056】
ステップSP7においてIOバッファ制御部14は、時刻T8においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP8へ移る。
【0057】
ステップSP8においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値と、ステップSP6において読み取ったin信号の値とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP9へ移る。この場合、ステップSP1において読み取ったin信号の値は”0”であるため設定値の最上位ビットは”0”、ステップSP6において読み取ったin信号の値は”1”であるため設定値の最下位ビットは”1”となり、IOバッファ制御部14は、現在の設定値は2進数表示で”01b”であると判定し、この”01b”から、設定値は1であると判定する。
【0058】
ステップSP9においてIOバッファ制御部14は、判定した設定値を記憶部18へ記憶し、ステップSP10へ移り設定値読取処理手順RT1を終了する。
【0059】
[1-6-4.設定値0の場合]
次に、図3(D)に示すように、抵抗器実装位置MPlに抵抗定数Rsの抵抗器6sが実装され、抵抗器実装位置MPuに何も実装されないパターンである、設定値=0の場合について、図6(D)に示すタイミングチャートTC0を用いて説明する。
【0060】
電源が投入されると、ステップSP1においてIOバッファ制御部14は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0においてin信号の値を読み取り、ステップSP2へ移る。ここでは、抵抗器6sが抵抗器実装位置MPlに実装され信号線Lが0[V]でプルダウンされているため、in信号=”0”となる。ステップSP2においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”0”であったため、IOバッファ制御部14はステップSP2において否定結果を得て、ステップSP5へ移る。
【0061】
ステップSP5においてIOバッファ制御部14は、時刻T1において、out=1/oe=1としてIOバッファ12を”1”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP6へ移る。
【0062】
ステップSP6においてIOバッファ制御部14は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、200[μs]経過後の時刻T7においてin信号の値を読み取り、ステップSP7へ移る。ここでは、抵抗定数Rsである。この場合、時刻T2(図5におけるt=0[μs])から145[μs]経過後には抵抗定数Rsの場合の信号線Lの電位Vc<Vil(0.8[V])となりin=”0”となっていることから、時刻T2から145[μs]以上が経過した時刻T7においてもin=”0”となる。
【0063】
ステップSP7においてIOバッファ制御部14は、時刻T8においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP8へ移る。
【0064】
ステップSP8においてIOバッファ制御部14は、ステップSP1において読み取ったin信号の値と、ステップSP6において読み取ったin信号の値とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP9へ移る。この場合、ステップSP1において読み取ったin信号の値は”0”であるため設定値の最上位ビットは”0”、ステップSP6において読み取ったin信号の値は”0”であるため設定値の最下位ビットは”0”となり、IOバッファ制御部14は、現在の設定値は2進数表示で”00b”であると判定し、この”00b”から、設定値は0であると判定する。
【0065】
ステップSP9においてIOバッファ制御部14は、判定した設定値を記憶部18へ記憶し、ステップSP10へ移り設定値読取処理手順RT1を終了する。
【0066】
[1-7.効果等]
以上の構成において基板2は、半導体集積回路3において初期動作時に使用する設定値に応じて、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに抵抗値の強弱が異なる抵抗器6s又は6wの何れか一方を実装するようにした。すなわち基板2は、プルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器の抵抗値に強弱をつけるようにした。
【0067】
また半導体集積回路3は、まずハイ・インピーダンス状態において端子11の状態を読み取って1ビットの設定を取り込み、次に、端子11を、先程読み取った状態とはロジックレベルが異なるように一度0出力又は1出力状態にしてから、もう一度ハイ・インピーダンス状態に戻し、一定時間後に端子11の状態を再び読み取り、もう1ビットの設定値を取り込むようにした。このため半導体集積回路3は、1端子である端子11において、2ビットの設定値を取り込むことができる。
【0068】
これにより半導体集積回路3は、従来のような、1種類の抵抗値により構成されたプルアップ抵抗器又はプルダウン抵抗器により1端子あたり1ビットの設定値をハイ・インピーダンス状態において読み取る場合と比較して、設定値等の情報の取り込みに使用できる端子数が従来と同一である場合であっても、従来と比べて2倍の設定数の情報を取り込むことができる。
【0069】
ここで、抵抗器6を省略し、シリアルインターフェースICを信号線Lに接続することにより、該シリアルインターフェースICからin信号として設定値となる2進数の値を半導体集積回路3に入力することにより、半導体集積回路3が設定値を読み取ることも考えられる。しかしながらその場合、シリアルインターフェースICを追加する必要があるため、基板2の構成が複雑化してしまうと共にコストアップしてしまう。
【0070】
これに対し基板2は、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、抵抗器6s又は6wの何れか一方を実装するようにした。このため基板2は、構成を簡素化すると共に低廉化できる。
【0071】
以上の構成によれば集積回路としての半導体集積回路3は、特性としての抵抗値の異なるインピーダンス素子としての抵抗器6が接続され所定の電位の電源部としてのVcc及びGNDと接続可能な端子11を持つ半導体集積回路3であって、抵抗器6の何れかの端子の電位を変化させたときの抵抗器6の特性に基づく端子11の電気的特性の変化から複数の設定条件を読み取り記憶部18に記憶させ、記憶部18に記憶させた複数の設定条件を半導体集積回路3を用いるときの設定条件として使用するようにした。
【0072】
これにより半導体集積回路3は、同一の抵抗器実装位置MPに実装される抵抗器6が、互いに電気的特性が異なる抵抗器6のうち何れか1つの抵抗器6が選択されて実装されることにより、抵抗器6の電気的特性に応じた複数の設定条件を読み取ることができる。
【0073】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.プリンタの構成]
図1と、図2と対応する部材に同一符号を付した図8とに示すように、第2の実施の形態による第2の実施の形態によるプリンタ101は、第1の実施の形態によるプリンタ1と比較して、基板2に代えて基板102が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0074】
[2-2.基板の構成]
図8に示すように、第2の実施の形態による第2の実施の形態による基板102は、第1の実施の形態による基板2と比較して、半導体集積回路3に代えて半導体集積回路103が設けられていると共に、抵抗器6(抵抗器6s又は6w)に代えて抵抗器6(抵抗器6a、6b、6c又は6d)が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。第2の実施の形態による半導体集積回路103は、第1の実施の形態による半導体集積回路3と比較して、IOバッファ制御部14に代えてIOバッファ制御部114が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0075】
記憶部18は、図16に示す設定値読み替え対応表TB1(後述する)を予め記憶している。また記憶部18は、IOバッファ制御部114から受信したin信号の値を記憶する。IOバッファ制御部14は、記憶部18に格納した複数のin信号の値に基づき、設定値読み替え対応表TB1(図16)を参照し、設定値を決定する。さらに記憶部18は、端子11からIOバッファ制御部114が読み取った、半導体集積回路103において初期動作時に使用する設定値である、設定値7、設定値6、設定値5、設定値4、設定値3、設定値2、設定値1又は設定値0の何れか1つを記憶する。
【0076】
図9に、コンデンサ8及び対向デバイス10を等価な負荷容量を持つコンデンサ9に置き換えた状態の基板102を示す。コンデンサ9の静電容量値は、C=50[pF]とする。コンデンサ8は、信号線Lと0[V]との間の寄生容量を含んでいても良い。
【0077】
抵抗器6は、チップ抵抗器等の抵抗素子であり、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方の位置に、抵抗器6a、6b、6c又は6dの何れか1つのみが実装される。すなわち、抵抗器実装位置MPu及びMPlの両方に抵抗器6が実装されることはない。以下では、抵抗器6a、6b、6c及び6dをまとめて抵抗器6とも呼ぶ。抵抗器6a、6b、6c及び6dそれぞれの抵抗定数Ra、Rb、Rc及びRdは、例えば、1[kΩ]、5.1[kΩ]、20[kΩ]及び100[kΩ]である。
【0078】
[2-3.抵抗器実装位置及び抵抗定数の組み合わせについて]
図10(A)、図10(B)、図10(C)、図10(D)、図10(E)、図10(F)、図10(G)及び図10(H)は、抵抗器6が基板102に実装され得る抵抗器実装位置MPu及びMPlと、抵抗器6の抵抗定数Ra、Rb、Rc及びRdとの組み合わせを示している。半導体集積回路103は、抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rとの組み合わせによる8種類のパターンに応じて、信号線Lから8種類の設定値である、設定値7、設定値6、設定値5、設定値4、設定値3、設定値2、設定値1又は設定値0を読み取る。図10の各図の抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rと、半導体集積回路103が読み取る設定値とは、以下の通りである。
【0079】
図10(A):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Ra、設定値=7
図10(B):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Rb、設定値=6
図10(C):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Rc、設定値=5
図10(D):抵抗器実装位置MPu、抵抗定数Rd、設定値=4
図10(E):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Rd、設定値=3
図10(F):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Rc、設定値=2
図10(G):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Rb、設定値=1
図10(H):抵抗器実装位置MPl、抵抗定数Ra、設定値=0
【0080】
すなわち、例えば図10(A)の場合、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Raの抵抗器6aが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないとき、半導体集積回路103が設定値7を読み取ることを表している。
【0081】
[2-4.経過時間と信号線の電位との関係]
[2-4-1.抵抗器実装位置MPuに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合]
図11は、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=0[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフである。このグラフにおいては、抵抗器実装位置MPuに実装され得る抵抗器6の定数は抵抗定数Ra(1[kΩ])、Rb(5.1[kΩ])、Rc(20[kΩ])又はRd(100[kΩ])の何れかであり、これら4つのケースにおける電位変化が示されている。信号線Lの電位Vc[V]は、スタートからの時間t(秒)を用いて上述した(1)式で表現される。
【0082】
抵抗定数Ra(1[kΩ])、Rb(5.1[kΩ])、Rc(20[kΩ])及びRd(100[kΩ])の場合、τの値はそれぞれ抵抗定数Raが1[kΩ]の場合は(5)式、抵抗定数Rbが5.1[kΩ]の場合は(6)式、抵抗定数Rcが20[kΩ]の場合は(7)式、抵抗定数Rdが100[kΩ]の場合は(8)式のように与えられる。
【0083】
【数5】
【0084】
【数6】
【0085】
【数7】
【0086】
【数8】
【0087】
このグラフから、抵抗定数Ra(1[kΩ])の場合、遅くとも47[μs]には信号線Lの電位VcがVih(2[V])を超えており、これは、遅くとも47[μs]後にはIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み取ることを意味する。一方で、抵抗定数Rb(5.1[kΩ])の場合、早くとも70[μs]までは信号線Lの電位VcがVil(0.8[V])を超えておらず、これは、早くても70[μs]後まではIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み取ることを意味する。例えば、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)を開始してから60[μs]後には、抵抗定数Ra(1[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み出し、抵抗定数Rb(5.1[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み出すことが言える。
【0088】
[2-4-2.抵抗器実装位置MPlに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合]
図12は、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=3.3[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフである。このグラフにおいては、抵抗器実装位置MPlに実装され得る抵抗器6の定数は抵抗定数Ra(1[kΩ])、Rb(5.1[kΩ])、Rc(20[kΩ])又はRd(100[kΩ])の何れかであり、これら4つのケースにおける電位変化が示されている。信号線Lの電位Vc[V]は、スタートからの時間t(秒)を用いて上述した(4)式で表現される。
【0089】
ここで、e及びτは、図11における説明と同様である。
【0090】
このグラフから、抵抗定数Ra(1[kΩ])の場合、遅くとも71[μs]には信号線Lの電位VcがVil(0.8[V])を下回っており、これは、遅くとも71[μs]後にはIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み取ることを意味する。一方で、抵抗定数Rb(5.1[kΩ])の場合、早くとも127[μs]までは信号線Lの電位VcがVih(2[V])を上回ったままであり、これは、早くとも127[μs]まではIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み取ることを意味する。例えば、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)を開始してから100[μs]後には、抵抗定数Ra(1[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”0”を読み出し、抵抗定数Rb(5.1[kΩ])の場合はIOバッファ12が信号線Lから”1”を読み出すことが言える。
【0091】
[2-5.タイミングチャートについて]
図13及び図14に、抵抗器実装位置MP及び抵抗定数Rのそれぞれの組み合わせにおける、IOバッファ制御部114とIOバッファ12との間の信号(out信号、oe信号及びin信号)のタイミングチャートを示す。それぞれ、図13(A)は、図10(A)に示した設定値7の場合のタイミングチャートTC7、図13(B)は、図10(B)に示した設定値6の場合のタイミングチャートTC6、図13(C)は、図10(C)に示した設定値5の場合のタイミングチャートTC5、図13(D)は、図10(D)に示した設定値4の場合のタイミングチャートTC4、図14(A)は、図10(E)に示した設定値3の場合のタイミングチャートTC3、図14(B)は、図10(F)に示した設定値2の場合のタイミングチャートTC2、図14(C)は、図10(G)に示した設定値1の場合のタイミングチャートTC1、図14(D)は、図10(H)に示した設定値0の場合のタイミングチャートTC0を示している。
【0092】
ここで、第1の実施の形態と同様に、in信号は、図11及び図12で示した信号線Lの電位Vc[V]から、LVTTLバッファであるIOバッファ12が”0”又は”1”を読み取った結果である。IOバッファ12は、Vc>Vih(2.0[V])である場合、in信号が”1”である(以下ではin=1とも呼ぶ)と判定する。またIOバッファ12は、Vil(0.8[V])<Vc<Vih(2.0[V])である場合、in信号が不定(”0”か”1”か定かではない)と判定する。さらにIOバッファ12は、Vc<Vil(0.8[V])である場合、in信号が”0”である(以下ではin=0とも呼ぶ)と判定する。
【0093】
図13に示す時刻Tua、Tub、Tuc及びTudは、それぞれ、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6a、6b、6c及び6dが実装された場合の、時刻T2からin=1が確定するまでの時間である。また図14に示す時刻Tda、Tdb、Tdc及びTddは、それぞれ、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6a、6b、6c及び6dが実装された場合の、時刻T2からin=0が確定するまでの時間である。
【0094】
図13に示す時刻Tiub、Tiuc及びTiudは、それぞれ、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6b、6c及び6dが実装された場合の、時刻T2からin信号が不定となるまでの時間である。また図14に示す時刻Tidb、Tidc及びTiddは、それぞれ、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6b、6c及び6dが実装された場合の、時刻T2からin信号が不定となるまでの時間である。
【0095】
図11及び図12より、第2の実施の形態においてはそれぞれ以下の値となる。抵抗器実装位置MPuに抵抗器6aが実装された場合、時刻Tua=47[μs]。抵抗器実装位置MPuに抵抗器6bが実装された場合、時刻Tiub=70[μs]、時刻Tub=238[μs]。抵抗器実装位置MPuに抵抗器6cが実装された場合、時刻Tiuc=277[μs]、時刻Tuc=932[μs]。抵抗器実装位置MPuに抵抗器6dが実装された場合、時刻Tiud=1388[μs]。抵抗器実装位置MPlに抵抗器6aが実装された場合、時刻Tda=71[μs]。抵抗器実装位置MPlに抵抗器6bが実装された場合、時刻Tidb=127[μs]、時刻Tdb=362[μs]。抵抗器実装位置MPlに抵抗器6cが実装された場合、時刻Tidc=500[μs]、時刻Tdc=1417[μs]。抵抗器実装位置MPlに抵抗器6dが実装された場合、時刻Tidd=2503[μs]。
【0096】
図13及び図14に示す時刻T3、T4及びT5は、それぞれ、図15の設定値読取処理手順RT101におけるステップSP15、SP16及びSP17、又は、ステップSP20、SP21及びSP22においてIOバッファ制御部114がin信号の値を読み取る時刻である。
【0097】
抵抗器実装位置MPuに抵抗器6が実装された場合、時刻T3、T4及びT5は、時刻Tua<時刻T3<時刻Tiub、時刻Tub<時刻T4<時刻Tiuc、時刻Tuc<時刻T5<時刻Tiudとなる時刻が設定される。具体的に、第2の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6が実装された場合、時刻T3=60[μs]、時刻T4=260[μs]、時刻T5=1100[μs]とする。
【0098】
抵抗器実装位置MPlに抵抗器6が実装された場合、時刻T3、T4及びT5は、時刻Tda<時刻T3<時刻Tidb、時刻Tdb<時刻T4<時刻Tidc、時刻Tdc<時刻T5<時刻Tiddとなる時刻が設定される。具体的に、第2の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6が実装された場合、時刻T3=100[μs]、時刻T4=450[μs]、時刻T5=1600[μs]とする。
【0099】
[2-6.設定値読み替え対応表について]
ここで、設定値読取処理手順RT101(図15)におけるステップSP11(第1時点)においてIOバッファ制御部114が読み取ったin信号の値を第1時点読取値とも呼ぶ。また、設定値読取処理手順RT101におけるステップSP15又はSP20(第3時点)においてIOバッファ制御部114が読み取ったin信号の値を第3時点読取値とも呼ぶ。さらに、設定値読取処理手順RT101におけるステップSP16又はSP21(第4時点)においてIOバッファ制御部114が読み取ったin信号の値を第4時点読取値とも呼ぶ。さらに、設定値読取処理手順RT101におけるステップSP17又はSP22(第4時点)においてIOバッファ制御部114が読み取ったin信号の値を第5時点読取値とも呼ぶ。
【0100】
図16に、設定値読み替え対応表TB1を示す。設定値読み替え対応表TB1は、設定値読取処理手順RT101における第1時点、第3時点、第4時点及び第5時点においてIOバッファ制御部114が4回読み取ったin信号の値を、実際の現在の設定値に読み替える(すなわち変換する)表である。例えば、第1時点読取値、第3時点読取値、第4時点読取値及び第5時点読取値が全て”1”であった場合、現在の設定値は7(すなわち2進数表示で”111b”)となる。
【0101】
[2-7.設定値読取処理]
次に、半導体集積回路103の電源投入時においてファームウェアが立ち上がる前にIOバッファ制御部114が設定値を読み取る処理である、設定値読取処理の具体的な処理手順である設定値読取処理手順RT101について、図13及び図14のタイミングチャート並びに図15のフローチャートを用いて、抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rとの組み合わせによる8種類のパターンのうち代表として3パターンに対し説明する。IOバッファ制御部114は、設定値読取処理手順RT101を開始し、ステップSP11へ移る。
【0102】
[2-7-1.設定値7の場合]
まず、図10(A)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Raの抵抗器6aが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=7の場合について、図13(A)に示すタイミングチャートTC7を用いて説明する。
【0103】
電源が投入されると、ステップSP11においてIOバッファ制御部114は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0において第1時点における第1信号としてのin信号の値である第1時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP12へ移る。なお実際には、半導体集積回路103に電源が投入され、該半導体集積回路103のリセット信号がオンからオフにされた際に、IOバッファ制御部114は、時刻T0においてin信号の値を読み取る。ここでは、抵抗器6aが抵抗器実装位置MPuに実装され信号線Lが3.3[V]でプルアップされているため、in信号=”1”となる。ステップSP12においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”1”であったため、IOバッファ制御部114はステップSP12において肯定結果を得て、ステップSP13へ移る。
【0104】
ステップSP13においてIOバッファ制御部114は、時刻T1において、out=0/oe=1としてIOバッファ12を、第2時点における第2信号としての”0”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP14へ移る。このステップSP13においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力する。
【0105】
ステップSP14においてIOバッファ制御部114は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、60[μs]経過後、ステップSP15へ移る。なお、IOバッファ制御部114は、OSC4のクロック周波数が10[MHz](周期0.1[μs])であるため、600クロックウェイトすることで60[μs]の経過をカウントする。
【0106】
ステップSP15においてIOバッファ制御部114は、時刻T3において第3時点における第3信号としてのin信号の値である第3時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から260[μs]経過後、ステップSP16へ移る。
【0107】
ステップSP16においてIOバッファ制御部114は、時刻T4において第4時点における第4信号としてのin信号の値である第4時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から1100[μs]経過後、ステップSP17へ移る。
【0108】
ステップSP17においてIOバッファ制御部114は、時刻T5において第5時点における第5信号としてのin信号の値である第5時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。ここでは、抵抗定数Raである。この場合、時刻T2(図11におけるt=0[μs])から47[μs]経過後には抵抗定数Raの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”となっていることから、時刻T2から47[μs]以上が経過した時刻T3、T4及びT5においてもin=”1”となる。
【0109】
ステップSP23においてIOバッファ制御部114は、時刻T6においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP24へ移る。
【0110】
ステップSP24においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11、SP15、SP16及びSP17において読み取ったin信号の値に基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部114は、ステップSP11、SP15、SP16及びSP17において読み取った第1時点読取値、第3時点読取値、第4時点読取値及び第5時点読取値は全て”1”であったため、設定値読み替え対応表TB1(図16)を参照し、現在の設定値は7(すなわち2進数表示で”111b”)であると判定する。
【0111】
ステップSP25においてIOバッファ制御部114は、判定した設定値を記憶部18に記憶し、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT101を終了する。このようにIOバッファ制御部114は、in信号の値を4回読み取り、第1時点読取値、第3時点読取値、第4時点読取値及び第5時点読取値に基づき、設定値読み替え対応表TB1(図16)を参照し、設定値を判定する。
【0112】
[2-7-2.設定値5の場合]
次に、図10(C)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Rcの抵抗器6cが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=5の場合について、図13(C)に示すタイミングチャートTC5を用いて説明する。
【0113】
電源が投入されると、ステップSP11においてIOバッファ制御部114は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0において第1時点における第1信号としてのin信号の値である第1時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP12へ移る。ここでは、抵抗器6cが抵抗器実装位置MPuに実装され信号線Lが3.3[V]でプルアップされているため、in信号=”1”となる。ステップSP12においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”1”であったため、IOバッファ制御部114はステップSP12において肯定結果を得て、ステップSP13へ移る。
【0114】
ステップSP13においてIOバッファ制御部114は、時刻T1において、out=0/oe=1としてIOバッファ12を、第2時点における第2信号としての”0”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP14へ移る。このステップSP13においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力する。
【0115】
ステップSP14においてIOバッファ制御部114は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、60[μs]経過後、ステップSP15へ移る。
【0116】
ステップSP15においてIOバッファ制御部114は、時刻T3において第3時点における第3信号としてのin信号の値である第3時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から260[μs]経過後、ステップSP16へ移る。
【0117】
ステップSP16においてIOバッファ制御部114は、時刻T4において第4時点における第4信号としてのin信号の値である第4時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から1100[μs]経過後、ステップSP17へ移る。
【0118】
ステップSP17においてIOバッファ制御部114は、時刻T5において第5時点における第5信号としてのin信号の値である第5時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。ここでは、抵抗定数Rcである。この場合、時刻T2(図11におけるt=0[μs])から277[μs]経過前までは抵抗定数Rcの場合の信号線Lの電位Vc<Vil(0.8[V])となりin=”0”を維持していることから、時刻T2から277[μs]が経過する前の時刻T3及びT4においてもin=”0”となる。またこの場合、時刻T2(図11におけるt=0[μs])から1100[μs]経過後には抵抗定数Rcの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”となっていることから、時刻T2から1100[μs]以上が経過した時刻T5においてもin=”1”となる。
【0119】
ステップSP23においてIOバッファ制御部114は、時刻T6においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP24へ移る。
【0120】
ステップSP24においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11、SP15、SP16及びSP17において読み取ったin信号の値に基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取った第1時点読取値は”1”であり、ステップSP15及びSP16において読み取った第3時点読取値及び第4時点読取値は”0”であり、ステップSP17において読み取った第5時点読取値は”1”であったため、設定値読み替え対応表TB1(図16)を参照し、現在の設定値は5(すなわち2進数表示で”101b”)であると判定する。
【0121】
ステップSP25においてIOバッファ制御部114は、判定した設定値を記憶部18に記憶し、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT101を終了する。
【0122】
[2-7-3.設定値1の場合]
次に、図10(G)に示すように、抵抗器実装位置MPlに抵抗定数Rbの抵抗器6bが実装され、抵抗器実装位置MPuに何も実装されないパターンである、設定値=1の場合について、図14(C)に示すタイミングチャートTC1を用いて説明する。
【0123】
電源が投入されると、ステップSP11においてIOバッファ制御部114は、out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、一定時間経過後の時刻T0において第1時点における第1信号としてのin信号の値である第1時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP12へ移る。ここでは、抵抗器6bが抵抗器実装位置MPlに実装され信号線Lが0[V]でプルダウンされているため、in信号=”0”となる。ステップSP12においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値が”1”であるか否かを判定する。ここでは、in信号の値が”0”であったため、IOバッファ制御部114はステップSP12において否定結果を得て、ステップSP18へ移る。
【0124】
ステップSP18においてIOバッファ制御部114は、時刻T1において、out=1/oe=1としてIOバッファ12を、第2時点における第2信号としての”1”を出力する状態にし、一定時間経過後、ステップSP19へ移る。このステップSP18においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取ったin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力する。
【0125】
ステップSP19においてIOバッファ制御部114は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、100[μs]経過後、ステップSP20へ移る。
【0126】
ステップSP20においてIOバッファ制御部114は、時刻T3において第3時点における第3信号としてのin信号の値である第3時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP19においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から450[μs]経過後、ステップSP21へ移る。
【0127】
ステップSP21においてIOバッファ制御部114は、時刻T4において第4時点における第4信号としてのin信号の値である第4時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP19においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から1600[μs]経過後、ステップSP22へ移る。
【0128】
ステップSP22においてIOバッファ制御部114は、時刻T5において第5時点における第5信号としてのin信号の値である第5時点読取値を読み取って記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。ここでは、抵抗定数Rbである。この場合、時刻T2(図12におけるt=0[μs])から127[μs]経過前までは抵抗定数Rbの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”を維持していることから、時刻T2から127[μs]が経過する前の時刻T3においてもin=”1”となる。またこの場合、時刻T2(図12におけるt=0[μs])から362[μs]経過後には抵抗定数Rbの場合の信号線Lの電位Vc<Vil(0.8[V])となりin=”0”となっていることから、時刻T2から362[μs]以上が経過した時刻T4及びT5においてもin=”0”となる。
【0129】
ステップSP23においてIOバッファ制御部114は、時刻T6においてout=tx/oe=1としてIOバッファ12の信号制御権を送信部16に移譲し、ステップSP24へ移る。
【0130】
ステップSP24においてIOバッファ制御部114は、ステップSP11、SP20、SP21及びSP22において読み取ったin信号の値に基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部114は、ステップSP11において読み取った第1時点読取値は”0”であり、ステップSP15において読み取った第3時点読取値は”1”であり、ステップSP16及びSP17において読み取った第4時点読取値及び第5時点読取値は”0”であったため、設定値読み替え対応表TB1(図16)を参照し、現在の設定値は1(すなわち2進数表示で”001b”)であると判定する。
【0131】
ステップSP25においてIOバッファ制御部114は、判定した設定値を記憶部18に記憶し、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT101を終了する。
【0132】
[2-8.効果等]
以上の構成において基板102は、半導体集積回路103において初期動作時に使用する設定値に応じて、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに抵抗値の強弱が異なる抵抗器6a、6b、6c又は6dの何れか1つを実装するようにした。すなわち基板102は、プルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器の抵抗値に強弱をつけるようにした。
【0133】
また半導体集積回路103は、まずハイ・インピーダンス状態において端子11の状態を読み取って1ビットの設定を取り込み、次に、端子11を、先程読み取った状態とはロジックレベルが異なるように一度0出力又は1出力状態にしてから、もう一度ハイ・インピーダンス状態に戻し、その後互いに異なるタイミング(時刻T3、T4及びT5)で端子11の状態を3回再び読み取り、もう3ビットの設定値を取り込むようにした。このため半導体集積回路103は、1端子である端子11において、3ビット(8通り)の設定値を取り込むことができる。
【0134】
これにより半導体集積回路103は、従来のような、1種類の抵抗値により構成されたプルアップ抵抗器又はプルダウン抵抗器により1端子あたり1ビットの設定値をハイ・インピーダンス状態において読み取る場合と比較して、設定値等の情報の取り込みに使用できる端子数が従来と同一である場合であっても、従来と比べて4倍の設定数の情報を取り込むことができる。
【0135】
他の点においても第2の実施の形態による半導体集積回路103は、第1の実施の形態による半導体集積回路3と同様の作用効果を奏し得る。
【0136】
[3.第3の実施の形態]
[3-1.プリンタの構成]
図1と、図8と対応する部材に同一符号を付した図17とに示すように、第3の実施の形態によるプリンタ201は、第2の実施の形態によるプリンタ101と比較して、基板102に代えて基板202が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0137】
[3-2.基板の構成]
図17に示すように、第3の実施の形態による基板202は、第2の実施の形態による基板102と比較して、半導体集積回路103に代えて半導体集積回路203が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。第3の実施の形態による半導体集積回路203は、第2の実施の形態による半導体集積回路103と比較して、IOバッファ制御部114に代えてIOバッファ制御部214が設けられていると共に計時部20が追加されている点が設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。図18は、コンデンサ8及び対向デバイス10を等価な負荷容量を持つコンデンサ9に置き換えた状態の基板202である。
【0138】
計時部20は、IOバッファ制御部214の制御により、設定値読取処理手順RT201(後述する)におけるステップSP14又はSP19においてIOバッファ12がハイ・インピーダンス状態にされた時点(時刻T2)から、ステップSP31又はSP32においてin信号が反転するまでの時間であるロジックレベル反転計測時間Tuを計測する。
【0139】
[3-3.抵抗器実装位置及び抵抗定数の組み合わせについて]
図10に示すように、抵抗器6が基板202に実装され得る抵抗器実装位置MPu及びMPlと、抵抗器6の抵抗定数Ra、Rb、Rc及びRdとの組み合わせは、第2の実施の形態と同様である。
【0140】
[3-4.経過時間と信号線の電位との関係]
[3-4-1.抵抗器実装位置MPuに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合]
図11に示すように、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPuに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=0[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフは、第2の実施の形態と同様である。
【0141】
[3-4-2.抵抗器実装位置MPlに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合]
図12に示すように、RC回路のステップ応答計算式を用いて、抵抗器実装位置MPlに抵抗器6a、6b、6c又は6dが実装された場合において、IOバッファ12がハイ・インピーダンス状態(oe=0)場合の、信号線L=3.3[V]でスタートしてからの信号線Lの電位Vc[V]の電位変化を示すグラフは、第2の実施の形態と同様である。
【0142】
[3-5.タイミングチャートについて]
図13及び図14に示すように、抵抗器実装位置MP及び抵抗定数Rのそれぞれの組み合わせにおける、IOバッファ制御部214とIOバッファ12との間の信号(out信号、oe信号及びin信号)のタイミングチャートは、第2の実施の形態と同様である。
【0143】
[3-6.設定値読み替え対応表について]
ここで、設定値読取処理手順RT201(図19)におけるステップSP11(第1時点)においてIOバッファ制御部214が読み取ったin信号の値を第1時点読取値とも呼ぶ。
【0144】
図20に、設定値読み替え対応表TB201を示す。設定値読み替え対応表TB201は、設定値読取処理手順RT201においてIOバッファ制御部214が1回読み取ったin信号の値と、ロジックレベル反転計測時間Tuとを、実際の現在の設定値に読み替える表である。設定値読み替え対応表TB201においては、抵抗器6a、6b、6c又は6dの4種類の抵抗値に合わせて、それぞれ所定の時間幅が設定された、ロジックレベル反転計測時間Tuの4通りの判定範囲が設定されている。IOバッファ制御部214は、計測したロジックレベル反転計測時間Tuが、設定値読み替え対応表TB201における4通りの判定範囲の何れに該当するか判定する。第3の実施の形態においては、抵抗器6の実装位置が抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れにおいても、ロジックレベル反転計測時間Tuの4通りの判定範囲は互いに同一に設定されている。例えば、第1時点読取値が”1”であり、ロジックレベル反転計測時間Tuが80[μs]未満であった場合、現在の設定値は7(すなわち2進数表示で”111b”)となる。
【0145】
[3-7.設定値読取処理]
次に、半導体集積回路203の電源投入時においてファームウェアが立ち上がる前にIOバッファ制御部214が設定値を読み取る処理である、設定値読取処理の具体的な処理手順である設定値読取処理手順RT201について、図13及び図14のタイミングチャートと、図15と対応するステップに同一符号を付した図19のフローチャートを用いて、抵抗器実装位置MPと抵抗定数Rとの組み合わせによる8種類のパターンのうち代表として3パターンに対し説明する。設定値読取処理手順RT201は、設定値読取処理手順RT101(図15)と比較して、ステップSP15、SP16及びSP17に代えてステップSP31が、ステップSP20、SP21及びSP22に代えてステップSP32が、ステップSP24に代えてステップSP224が、それぞれ設けられている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。IOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT201を開始し、ステップSP11へ移る。
【0146】
[3-7-1.設定値7の場合]
まず、図10(A)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Raの抵抗器6aが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=7の場合について、図13(A)に示すタイミングチャートTC7を用いて説明する。
【0147】
ステップSP11~SP13においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP14へ移る。ステップSP14においてIOバッファ制御部214は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、ステップSP31へ移る。
【0148】
ステップSP31においてIOバッファ制御部214は、第3時点における第3信号としてのin信号の値をクロック周期で読み取って監視し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から、in信号がin=”0”からin=”1”へ変化する(すなわち読取値のロジックレベルが反転する)までの時間を計時部20により計測して記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。IOバッファ制御部214は、OSC4のクロック周波数が10[MHz](周期0.1[μs])であるため、0.1[μs]間隔でin信号の値を監視する。ここでは、抵抗定数Raである。この場合、時刻T2(図11におけるt=0[μs])から47[μs]経過後には抵抗定数Raの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”となっていることから、計時部20により計測される時間であるロジックレベル反転計測時間Tuは47[μs]である。
【0149】
ステップSP23においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP224へ移る。
【0150】
ステップSP224においてIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取ったin信号の値と、ステップSP31において計測した時間とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取った第1時点読取値は”1”であり、ステップSP31において計測したロジックレベル反転計測時間Tuは47[μs]であったため、設定値読み替え対応表TB201(図20)を参照し、現在の設定値は7(すなわち2進数表示で”111b”)であると判定する。
【0151】
ステップSP25においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT201を終了する。このようにIOバッファ制御部214は、時刻T0においてin信号の値(第1時点読取値)を1回読み取り、時刻T1においてこのin信号の値とはロジックレベルが異なる値をout信号から出力し、時刻T2において再びIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にしてから、in信号の値が時刻T0において読み取った値に変化するまでのロジックレベル反転計測時間Tuを計測し、第1時点読取値とロジックレベル反転計測時間Tuとに基づき、設定値読み替え対応表TB201(図20)を参照し、設定値を判定する。
【0152】
[3-7-2.設定値5の場合]
次に、図10(C)に示すように、抵抗器実装位置MPuに抵抗定数Rcの抵抗器6cが実装され、抵抗器実装位置MPlに何も実装されないパターンである、設定値=5の場合について、図13(C)に示すタイミングチャートTC5を用いて説明する。
【0153】
ステップSP11~SP13においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP14へ移る。ステップSP14においてIOバッファ制御部214は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、ステップSP31へ移る。
【0154】
ステップSP31においてIOバッファ制御部214は、第3時点における第3信号としてのin信号の値をクロック周期で読み取って監視し、ステップSP14においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から、in信号がin=”0”からin=”1”へ変化する(すなわち読取値のロジックレベルが反転する)までの時間を計時部20により計測して記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。ここでは、抵抗定数Rcである。この場合、時刻T2(図11におけるt=0[μs])から932[μs]経過後には抵抗定数Rcの場合の信号線Lの電位Vc>Vih(2.0[V])となりin=”1”となっていることから、計時部20により計測される時間であるロジックレベル反転計測時間Tuは932[μs]である。
【0155】
ステップSP23においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP224へ移る。
【0156】
ステップSP224においてIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取ったin信号の値と、ステップSP31において計測した時間とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取った第1信号読取値は”1”であり、ステップSP31において計測したロジックレベル反転計測時間Tuは932[μs]であったため、設定値読み替え対応表TB201(図20)を参照し、現在の設定値は5(すなわち2進数表示で”101b”)であると判定する。
【0157】
ステップSP25においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT201を終了する。
【0158】
[3-7-3.設定値1の場合]
次に、図10(G)に示すように、抵抗器実装位置MPlに抵抗定数Rbの抵抗器6bが実装され、抵抗器実装位置MPuに何も実装されないパターンである、設定値=1の場合について、図14(C)に示すタイミングチャートTC1を用いて説明する。
【0159】
ステップSP11、SP12及びSP18においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP19へ移る。ステップSP19においてIOバッファ制御部214は、時刻T2において再度out=0/oe=0としてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にして、ステップSP32へ移る。
【0160】
ステップSP32においてIOバッファ制御部214は、第3時点における第3信号としてのin信号の値をクロック周期で読み取って監視し、ステップSP19においてIOバッファ12をハイ・インピーダンス状態にした時点(時刻T2)から、in信号がin=”1”からin=”0”へ変化する(すなわち読取値のロジックレベルが反転する)までの時間を計時部20により計測して記憶部18に記憶し、ステップSP23へ移る。ここでは、抵抗定数Rbである。この場合、時刻T2(図12におけるt=0[μs])から362[μs]経過後には抵抗定数Rbの場合の信号線Lの電位Vc<Vil(0.8[V])となりin=”0”となっていることから、計時部20により計測される時間であるロジックレベル反転計測時間Tuは362[μs]である。
【0161】
ステップSP23においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP224へ移る。
【0162】
ステップSP224においてIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取ったin信号の値と、ステップSP32において計測した時間とに基づいて、現在の設定値を判定し、ステップSP25へ移る。具体的にIOバッファ制御部214は、ステップSP11において読み取った第1時点読取値は”1”であり、ステップSP32において計測したロジックレベル反転計測時間Tuは362[μs]であったため、設定値読み替え対応表TB201(図20)を参照し、現在の設定値は1(すなわち2進数表示で”001b”)であると判定する。
【0163】
ステップSP25においてIOバッファ制御部214は、設定値読取処理手順RT101(図15)と同様の処理を行い、ステップSP26へ移り設定値読取処理手順RT201を終了する。
【0164】
[3-8.効果等]
以上の構成において基板202は、半導体集積回路203において初期動作時に使用する設定値に応じて、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに抵抗値の強弱が異なる抵抗器6a、6b、6c又は6dの何れか1つを実装するようにした。すなわち基板202は、プルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器の抵抗値に強弱をつけるようにした。
【0165】
また半導体集積回路203は、まずハイ・インピーダンス状態において端子11の状態を読み取って1ビットの設定を取り込み、次に、端子11を、先程読み取った状態とはロジックレベルが異なるように一度0出力又は1出力状態にしてから、もう一度ハイ・インピーダンス状態に戻し、その後端子11の状態が変化するまでの時間(ロジックレベル反転計測時間Tu)を計測するようにした。このため半導体集積回路203は、1端子である端子11において、3ビット(8通り)の設定値を取り込むことができる。
【0166】
これにより半導体集積回路203は、従来のような、1種類の抵抗値により構成されたプルアップ抵抗器又はプルダウン抵抗器により1端子あたり1ビットの設定値をハイ・インピーダンス状態において読み取る場合と比較して、設定値等の情報の取り込みに使用できる端子数が従来と同一である場合であっても、従来と比べて4倍の設定数の情報を取り込むことができる。
【0167】
また半導体集積回路203は、端子11をもう一度ハイ・インピーダンス状態に戻してからその後端子11の状態が変化するまでの時間(ロジックレベル反転計測時間Tu)で設定値を判定するようにしたため、ロジックレベル反転計測時間Tuが短いほど、短時間で設定値を判定できる。このため半導体集積回路203は、端子11をもう一度ハイ・インピーダンス状態に戻してから所定時間間隔で端子11の状態を複数回読み取る方式(第2の実施の形態)と比較して、ロジックレベル反転計測時間Tuが短い設定値の場合、短時間で設定値を判定できる。
【0168】
他の点においても第3の実施の形態による半導体集積回路203は、第2の実施の形態による半導体集積回路103と同様の作用効果を奏し得る。
【0169】
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる2種類の抵抗値を有する抵抗器6s又は6wの何れか一方を実装する場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる3種類以上の任意の数の抵抗値を有する複数の抵抗器の何れか一方を実装することにより、1端子あたり3ビット以上の設定値を読み取っても良い。
【0170】
また上述した実施の形態においては、インピーダンス素子として抵抗器6を用いる場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器6に加えて、インピーダンス素子として信号線Lに直列にコイルを追加しても良い。
【0171】
さらに上述した第1の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる抵抗値を有する抵抗器6s又は6wの何れか一方を実装する場合について述べた。本発明はこれに限らず、コンデンサ8を、互いに異なる静電容量値を有する複数のコンデンサ8から選択して実装することにより、設定値を半導体集積回路3が読み取っても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
【0172】
さらに上述した第1の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、チップ抵抗器である抵抗器6s又は6wの何れか一方を実装する場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、可変抵抗器を実装し、設定値に応じて該可変抵抗器の抵抗値を2[kΩ]又は10[kΩ]に切り替えても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様に可変抵抗器の抵抗値を4通りに切り替えても良い。
【0173】
さらに上述した第1の実施の形態においては、1回目に読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での最上位ビットとして扱い、2回目に読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での最下位ビットとして扱う場合について述べた。本発明はこれに限らず、1回目に読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での最下位ビットとして扱い、2回目に読み取ったin信号の値を設定値における2進数表示での最上位ビットとして扱っても良い。
【0174】
さらに上述した第1の実施の形態においては、設定値読取処理手順RT1(図7)のステップSP1において、時刻T0において第1時点における第1信号としてのin信号の値を読み取る場合について述べた。本発明はこれに限らず、時刻T1よりも前の任意の時点においてin信号の値を読み取っても良い。第2及び第3の実施の形態においても同様である。
【0175】
さらに上述した第2の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる4種類の抵抗値を有する抵抗器6a、6b、6c又は6dの何れか1つを実装し、端子11の状態を4回測定して1端子あたり8通りの設定値を得る場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる3種類の抵抗値を有する複数の抵抗器の何れか1つを実装し、端子11の状態を3回測定して、1端子あたり6通りの設定値を得ても良い。又は、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる5種類以上の任意の数の抵抗値を有する複数の抵抗器の何れか1つを実装し、端子11の状態を5回以上の任意の回数だけ測定して、1端子あたり10通り以上の任意の数の設定値を得ても良い。
【0176】
さらに上述した第3の実施の形態においては、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる4種類の抵抗値を有する抵抗器6a、6b、6c又は6dの何れか1つを実装し、ロジックレベル反転計測時間Tuをプルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器それぞれで4通りずつ分類することにより、1端子あたり8通りの設定値を得る場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる3種類の抵抗値を有する複数の抵抗器の何れか1つを実装し、ロジックレベル反転計測時間Tuをプルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器それぞれで3通りずつ分類することにより、1端子あたり6通りの設定値を得ても良い。又は、抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れか一方に、互いに異なる5種類以上の任意の数の抵抗値を有する複数の抵抗器の何れか1つを実装し、ロジックレベル反転計測時間Tuをプルアップ抵抗器及びプルダウン抵抗器それぞれで5通り以上の任意の数ずつ分類することにより、1端子あたり10通り以上の任意の数の設定値を得ても良い。
【0177】
さらに上述した第3の実施の形態においては、設定値読み替え対応表TB201(図20)において、抵抗器6の実装位置が抵抗器実装位置MPu又はMPlの何れにおいても、ロジックレベル反転計測時間Tuの4通りの判定範囲を互いに同一に設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、抵抗器6の実装位置が抵抗器実装位置MPuの場合と抵抗器実装位置MPlの場合とで、ロジックレベル反転計測時間Tuの4通りの判定範囲を互いに異なる値に設定しても良い。
【0178】
さらに上述した実施の形態における抵抗器6の抵抗定数Rと、コンデンサ8の静電容量値と、OSC4のクロック周波数等とは、一例であり、それ以外の値を用いても良い。すなわち本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0179】
さらに上述した実施の形態においては、IOバッファ12としてLVTTLを用いる場合について述べた。本発明はこれに限らず、LVCMOS(Low Voltage CMOS)等、他の種々の形態のバッファを用いても良い。
【0180】
さらに上述した実施の形態においては、Vccの電圧を3.3[V]とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、Vccの電圧を例えば5.0[V]等、他の種々の電圧としても良い。
【0181】
さらに上述した実施の形態においては、電子機器としてのプリンタ1、101又は201に搭載された基板2、102又は202の半導体集積回路3、103又は203に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral:複合機)等、他の種々の電子機器に搭載された基板の半導体集積回路に本発明を適用しても良い。
【0182】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また、本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明は、例えばプリンタに搭載された基板に実装された集積回路で利用できる。
【符号の説明】
【0184】
1、101、201……プリンタ、2、102、202……基板、3、103、203……半導体集積回路、4……OSC、6s、6w、6a、6b、6c、6d……抵抗器、8、9……コンデンサ、10……対向デバイス、11……端子、12……IOバッファ、14、114、214……IOバッファ制御部、16……送信部、18……記憶部、20……計時部、TB1、TB201……設定値読み替え対応表、L、Loe、Lout、Lin……信号線、tx……出力信号、MPu、MPl……抵抗器実装位置、Rs、Rw、Ra、Rb、Rc、Rd……抵抗定数。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図20