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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180281
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】車両用リアビュー警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221129BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221129BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G06T7/00 650B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204240
(22)【出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】110118695
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521550699
【氏名又は名称】宏佳騰動力科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】林 東閔
【テーマコード(参考)】
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF24
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5L096BA04
5L096CA05
5L096DA01
5L096DA03
5L096DA04
5L096FA06
5L096FA59
5L096FA77
5L096GA19
5L096GA51
5L096HA08
5L096HA11
(57)【要約】
【課題】車両用リアビュー警報システムの提供。
【解決手段】車両用リアビュー警報システムは、バックミラーモニタと、前方走行画像を出力する前方撮像装置と、後方走行画像を出力する後方撮像装置と、上記バックミラーモニタ、上記前方撮像装置、及び上記後方撮像装置に信号接続されたエッジ処理装置とを有する。上記エッジ処理装置は、上記前方走行画像及び上記後方走行画像をそれぞれ受信し、上記前方走行画像又は上記後方走行画像から車両オブジェクトを認識し、上記車両オブジェクトに応じて上記バックミラーモニタを作動させて警報画像を表示するかどうかを判定する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラーモニタと、
前方走行画像を出力する前方撮像装置と、
後方走行画像を出力する後方撮像装置と、
上記バックミラーモニタ、上記前方撮像装置、及び上記後方撮像装置に信号接続されたエッジ処理装置と
を有する車両用リアビュー警報システムであって、
上記エッジ処理装置は、上記前方走行画像及び上記後方走行画像をそれぞれ受信し、上記前方走行画像又は上記後方走行画像から車両オブジェクトを認識し、上記車両オブジェクトに応じて上記バックミラーモニタを作動させて警報画像を表示するかどうかを判定する、車両用リアビュー警報システム。
【請求項2】
上記警報画像は光の環のパターンを含む、請求項1に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項3】
上記前方撮像装置及び上記後方撮像装置は、それぞれ広角レンズを備える、請求項1に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項4】
上記エッジ処理装置は、上記前方走行画像又は上記後方走行画像の大きさに対する上記車両オブジェクトの大きさの比率に応じて上記警報画像を制御する、請求項1に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項5】
上記エッジ処理装置は、上記前方走行画像又は上記後方走行画像をm×n個(ただし、m及びnは正の整数)のブロックに分割し、
上記エッジ処理装置は、上記車両オブジェクトと重なっている上記ブロックの数を算出し、その数は重複数として定義され、
上記エッジ処理装置は、上記重複数が早期警報閾値以上であると判定した場合、上記バックミラーモニタを作動させて、光の環のパターンを含む上記警報画像を表示し、
上記エッジ処理装置は、上記重複数が、上記早期警報閾値よりも高い値である警報閾値以上であると判定した場合、上記警報画像を制御して上記光の環を変化させる、
請求項4に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項6】
上記早期警報閾値及び上記警報閾値は、調整可能な所定の値である、請求項5に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項7】
上記エッジ処理装置は、上記バックミラーモニタ、上記前方撮像装置、及び上記後方撮像装置に有線接続されている、請求項1に記載の車両用リアビュー警報システム。
【請求項8】
上記エッジ処理装置は、上記バックミラーモニタ、上記前方撮像装置、及び上記後方撮像装置に無線接続されている、請求項1に記載の車両用リアビュー警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して警報システムに関し、より具体的には車両用リアビュー警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を運転する際、運転者は通常、車両前方の道路状況に注意を集中させており、さらに、バックミラーに映る風景を見て、他車両が接近していないかどうかを知ることができる。また、道路環境は非常に複雑である。例えば、車両、歩行者、動物、信号機、交通標識、交通島、道路の車線区分線等が存在し得る。こうした様々な道路状況のため、運転者は頻繁に次の運転行動について決定しなければならない。例えば、運転者は、前の車を追い越すかどうか、車両を減速させるかどうか、信号がまだ青であるがすぐに赤になる間に交差点を渡るかどうかなどを判断することがある。
【0003】
したがって、運転者による運転判断は交通安全と密接に関わる。運転者が適時又は適切に運転判断を行えば、その運転判断は交通安全全体にとって大いに有益となり得る。対照的に、運転者が車両運転時に躊躇したり、認識が足りなかったりすると、運転者は、運転判断を行う最適なタイミングを逃してしまい、交通事故が起こる可能性が高くなる。
【0004】
例えば、運転者がスクーターに乗っている。交差点に到着する前に、運転者には、赤信号のため交差点で停車しているバス等の大型車両が見えるかもしれない。前進し続けると、運転者は、交差点に到着してバス付近でスクーターを停車させるかもしれない。スクーターは、ちょうどバスの運転者の死角領域に位置するかもしれない。信号が青に変わり、バスが方向転換したときに、バスの内輪差によってバスとスクーターとが衝突し、交通事故が発生するかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0398862号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、適時かつ適切に警報を出力して運転中の運転者を支援するための車両用リアビュー警報システムを提供することである。運転者は、警報を確認して認識を強めて行動を取ることで、交通事故のリスクを低減し、交通安全を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用リアビュー警報システムは、バックミラーモニタと、前方走行画像を出力する前方撮像装置と、後方走行画像を出力する後方撮像装置と、上記バックミラーモニタ、上記前方撮像装置、及び上記後方撮像装置に信号接続されたエッジ処理装置とを有する。上記エッジ処理装置は、上記前方走行画像及び上記後方走行画像をそれぞれ受信し、上記前方走行画像又は上記後方走行画像から車両オブジェクトを認識し、上記車両オブジェクトに応じて上記バックミラーモニタを作動させて警報画像を表示するかどうかを判定する。
【0008】
本発明の車両用リアビュー警報システムによれば、上記前方撮像装置及び上記後方撮像装置がそれぞれ車両の前方及び後方の画像を撮って、車両の前方と後方の両方の道路状況を監視する。また、上記エッジ処理装置が人工知能(AI)検知技術を実行して上記前方走行画像及び上記後方走行画像から車両オブジェクトを認識するので、正確な認識能を有する。本発明においては、警報画像が上記バックミラーモニタに表示されるため、運転者に直接的な警報効果が与えられる。言い換えれば、運転者は、上記バックミラーモニタの上記警報画像を確認すると、適切なタイミングで適時に行動を取ることができ、例えば、車両を加速させるかどうか、前の車を追い越すかどうか、車両を減速させるかどうか、車両を道路脇に駐車するかどうかなどを決定して、安全運転を実現することができる。
【0009】
例えば、スクーターの運転者がバックミラーモニタの警報画像を確認したときには、スクーターはまだバスの死角領域に入っていない。運転者は、バスの死角領域に入らないよう判断して、スクーターを道路脇に駐車したり、バスの後ろについたりすることができる。バスが曲がり切るまで待ってから前進することで、バスとの交通事故を効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の車両用リアビュー警報システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】本発明のバックミラーモニタをスクーターに適用した場合の模式図である。
図3】本発明のバックミラーモニタをバックミラーアセンブリに適用した場合の断面模式図である。
図4】本発明のバックミラーモニタを自動車に適用した場合の模式図である。
図5】本発明のバックミラーモニタ、前方撮像装置、及び後方撮像装置をスクーターに適用した場合の模式図である。
図6】本発明のバックミラーモニタ、前方撮像装置、及び後方撮像装置を自動車に適用した場合の模式図である。
図7】撮像範囲が130度である前方撮像装置及び後方撮像装置のそれぞれを示す模式図である。
図8】前方走行画像又は後方走行画像から車両オブジェクトを認識する画像認識モデルを示す模式図である。
図9】本発明の画像認識モデルを訓練するための訓練画像サンプルを示す模式図である。
図10】本発明の画像認識モデルを訓練するための訓練画像サンプルを示す模式図である。
図11】本発明の前方撮像装置から出力される前方走行画像を示す模式図である。
図12】警報画像を表示する本発明のバックミラーモニタを示す模式図である。
図13】本発明の前方撮像装置から出力される別の前方走行画像を示す模式図である。
図14】別の警報画像を表示する本発明のバックミラーモニタを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の車両用リアビュー警報システムは、車両への搭載を目的として提供される。車両は、人が運転するものであってよい。本発明の実施形態に対する説明は一人称視点であるため、車両を自車両と呼ぶ場合がある。本発明は、自車両に他車両が接近しているかどうかを判定し、運転者に対して適時に警報を発することができる。本発明が適用される車両は、電気自動車、燃料(ガソリンやディーゼル等)で動く自動車、又はハイブリッド電気自動車であってもよい。あるいは、例えば、本発明が適用される車両は、スクーター、大型オートバイ、セダン、バス、トラック、又は作業車両(engineering vehicle)であってもよい。本発明が適用される車両は上述の車両に限定されない。
【0012】
図1を参照すると、本発明の車両用リアビュー警報システムの一実施形態は、バックミラーモニタ10と、前方撮像装置20と、後方撮像装置30と、エッジ処理装置40とを有する。本発明のシステムは、車両のバッテリー50から電力を得てもよい。
【0013】
バックミラーモニタ10は、一例として液晶ディスプレイ(LCD)であってもよいが、LCDに限定されない。バックミラーモニタ10を駆動して、静止画又は動画を表示してもよい。一般的に、バックミラーモニタ10は、車両のバックミラーアセンブリのミラーと組み合わせることができる。図2及び図3を参照すると、バックミラーモニタ10をスクーター70のバックミラーアセンブリ60に適用した場合を示している。バックミラーアセンブリ60は、本質的にミラーベース61及びミラー62を有する。ミラーベース61の表側610は、スクーター70の前部を向いている。ミラーベース61の裏側611は、スクーター70の後部を向いている。ミラー62は、ミラーベース61の裏側611に取り付けられている。ミラーベース61とミラー62との間には、収容空間63が形成されている。バックミラーモニタ10は、収容空間63内に取り付けられている。ミラー62は、光透過性かつ反射性のミラーであってもよい。バックミラーモニタ10のスクリーン表面をミラー62に張り付けることで、バックミラーモニタ10のスクリーンに表示される画像がミラー62を通過するようにしてもよい。人がミラー62を見ると、ミラー62によって反射された風景だけでなく、バックミラーモニタ10によって表示された画像も見ることができる。図4を参照すると、バックミラーモニタ10を自動車71のバックミラーアセンブリ60に適用した例が示されている。
【0014】
前方撮像装置20は、車両の前側に取り付けられて車両前方の風景を撮る。後方撮像装置30は、車両の後側に取り付けられて車両後方の風景を撮る。例えば、前方撮像装置20及び後方撮像装置30は、車両用デジタルビデオレコーダー(車両用DVR)等のカメラであってよい。本発明の実施形態において、前方撮像装置20から出力される画像を前方走行画像IM_fと定義し、後方撮像装置30から出力される画像を後方走行画像IM_rと定義する。一例として図5を参照すると、前方撮像装置20及び後方撮像装置30をスクーター70に適用した場合を示している。前方撮像装置20は、スクーター70のフロントパネル700に取り付けられている。後方撮像装置30は、リアフェンダ701に取り付けられている。別の例として図6をさらに参照すると、前方撮像装置20及び後方撮像装置30を自動車71に適用した場合を示している。前方撮像装置20は、自動車71のフロントガラス710の室内側に取り付けられている。後方撮像装置30は、リアバンパー上やナンバープレート付近など、自動車71の後部711に取り付けられている。前方撮像装置20及び後方撮像装置30は、それぞれ広角レンズ21、31を備えることが好ましい。スクーター70の上面図を示す図7を参照すると、広角レンズ21、31を介して、前方撮像装置20及び後方撮像装置30はそれぞれ130度の撮像範囲を有していてもよい。
【0015】
エッジ処理装置40は、車両に取り付けられ、バックミラーモニタ10、前方撮像装置20、及び後方撮像装置30に信号接続されるものである。エッジ処理装置40は、データ送信、データ収集、データ処理、データ保存等の機能を有する。本発明の実施形態において、エッジ処理装置40は、プロセッサ41、ストレージコンポーネント42、第1の通信インターフェース43、第2の通信インターフェース44、及び第3の通信インターフェース45を有する。ストレージコンポーネント42、第1の通信インターフェース43、第2の通信インターフェース44、及び第3の通信インターフェース45は、プロセッサ41に電気的に接続されている。
【0016】
プロセッサ41は集積回路チップ(ICチップ)であってよく、例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、電子制御ユニット(ECU)が挙げられるが、これらに限定されない。ストレージコンポーネント42は、メモリ又はメモリカードであってもよい。図1及び図8を参照すると、プロセッサ41は、事前訓練済モデルである画像認識モデル410を実行する。画像認識モデル410のプログラムデータ/コードは、プロセッサ41がアクセスできるようにストレージコンポーネント42に格納される。第1の通信インターフェース43は、前方撮像装置20に信号接続されている。第2の通信インターフェース44は、後方撮像装置30に信号接続されている。第3の通信インターフェース45は、バックミラーモニタ10に信号接続されている。
【0017】
エッジ処理装置40は、バックミラーモニタ10、前方撮像装置20、及び後方撮像装置30に有線接続されていてもよい。第1の通信インターフェース43、第2の通信インターフェース44、及び第3の通信インターフェース45は、有線通信インターフェースであってもよく、したがって、バックミラーモニタ10、前方撮像装置20、及び後方撮像装置30は、内蔵又は外付けの有線通信インターフェースを有していてもよい。例えば、当該有線通信インターフェースは、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))又はユニバーサルシリアルバス(USB)であってよいが、これらに限定されない。あるいは、エッジ処理装置40は、バックミラーモニタ10、前方撮像装置20、及び後方撮像装置30に無線接続されていてもよい。第1の通信インターフェース43、第2の通信インターフェース44、及び第3の通信インターフェース45は、無線通信インターフェースであってもよく、したがって、バックミラーモニタ10、前方撮像装置20、及び後方撮像装置30は、内蔵又は外付けの無線通信インターフェースを有していてもよい。例えば、当該無線通信インターフェースは、Bluetooth(登録商標)又はBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)であってよいが、これらに限定されない。
【0018】
図8を参照すると、エッジ処理装置40のプロセッサ41は、前方撮像装置20及び後方撮像装置30からそれぞれ前方走行画像IM_f及び後方走行画像IM_rをリアルタイムで受信して前方走行画像IM_f及び後方走行画像IM_rを画像認識モデル410に入力してもよい。画像認識モデル410によって、プロセッサ41は、前方走行画像IM_f又は後方走行画像IM_rから車両オブジェクト(Obj)を認識し、車両オブジェクト(Obj)に応じてバックミラーモニタ10を作動させて警報画像を表示するかどうかを判定してもよい。好ましくは、警報画像は、光の環のパターンを含んでいてよい。したがって、画像認識モデル410によって、エッジ処理装置40は、車両用のリアルタイムAI(人工知能)検知及びリアルタイムAI警報を実行できる。
【0019】
画像認識モデル410は従来技術であり得るので、本明細書ではそのアルゴリズムの詳細な説明は行わない。例えば、「YOLO」は、物体認識のための畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルであり、ウェブサイト(https://pjreddie.com)で参照できる。未訓練モデルを訓練するためには、未訓練モデルに多くの訓練画像サンプル及び車両特徴ラベルを与える。車両特徴ラベルの車種には、大型車両(トラック、バス、作業車両等)が含まれてもよく、さらに中型・小型車両(オートバイ、スクーター、セダン、スポーツ多目的車(SUV)等)が含まれてもよい。車両特徴ラベルを確立するためのツールは「LabelImg」であり得るが、「LabelImg」はウェブサイト(https://github.com/tzutalin/labelImg)で参照できる。車両前方の風景を示す訓練画像サンプル80の例を図9に開示する。ユーザーは、「LabelImg」ツールを用いて、訓練画像サンプル80中の車影800を選択して、その車両特徴ラベルを確立することができる。車両後方の風景を示す訓練画像サンプル81の別の例を図10に開示する。ユーザーは、「LabelImg」ツールを用いて、訓練画像サンプル81中の車影810を選択して、その車両特徴ラベルを確立することができる。なお、物体認識のためのCNNモデルは先行技術であり、このモデルの導入は例示目的にすぎないため、上述のモデルは本発明の特許範囲を限定するものではない。
【0020】
したがって、訓練画像サンプル及び車両特徴ラベルにより訓練された後に、未訓練モデルは十分に訓練された画像認識モデル410となる。画像認識モデル410の当該訓練は、パーソナルコンピュータ(PC)で実行され得る。画像認識モデル410のデータ/コードは、プロセッサ41がアクセス及び実行できるようにストレージコンポーネント42に格納され得る。
【0021】
バックミラーモニタ10を作動させて警報画像を表示する判定について、まず、プロセッサ41は、一例として前方走行画像IM_f中に車両オブジェクト(Obj)を認識した場合に、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率を算出してもよい。例えば、前方走行画像IM_fの例を開示する図11を参照すると、プロセッサ41は、前方走行画像IM_fをm×n個(ただし、m及びnは正の整数)のブロック90に分割してもよい。図11において、前方走行画像IM_fは、104個のブロック90に分割されている。エッジ処理装置40のプロセッサ41は、車両オブジェクト(Obj)と重なっているブロック90の数を算出し、その数は重複数として定義される。重複数は、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率を反映する。言い換えれば、重複数(図11に示す重複ブロック91等)が大きくなると、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率がそれ応じて高くなる。上述の状態は、認識された車両と自車両との実質的な距離が短くなることを示している。逆に、重複数が少なくなると、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率がそれに応じて低くなる。上述の状態は、認識された車両と自車両との実質的な距離が長くなることを示している。エッジ処理装置40のプロセッサ41は、後述するように、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率に応じて警報画像を制御してもよい。
【0022】
図12を参照すると、エッジ処理装置40のプロセッサ41は、重複数が早期警報閾値以上であると判定すると、バックミラーモニタ10を作動させて、光の環101のパターンを含む警報画像100を早期警報機能として表示する。したがって、自車両の運転者は、光の環101を確認すると、自車両前方の大型車両をより認識することができる。その際、自車両の運転者は、前もって認識を高めて行動を取ることで、前もって自車両を減速させることができる。
【0023】
図13を参照すると、自車両が大型車両に接近している場合、前方走行画像IM_fの大きさに対する車両オブジェクト(Obj)の大きさの比率が高くなる。エッジ処理装置40のプロセッサ41は、重複数が警報閾値以上であると判定すると、警報画像100を制御して、警報機能として光の環101を変化させて、色に変化をつける。図12及び図14に示す光の環101を比較すると、光の環101が模式的なドットパターンとして図示されており、そのドット密度が色の変化を反映している。図14の光の環101は、図12の光の環101よりもドット密度が高い。例えば、光の環101は、図12に示すような薄い色から、図14に示すような濃い色になってもよい。あるいは、別の実施形態において、光の環101は、図12に示すようなオレンジ色から、図14に示すような赤色になってもよい。したがって、運転者は、自車両が大型車両に非常に接近していることを意味する光の環101の色の変化を確認する。色の変化によって、自車両の運転者に、自車両を道路脇に駐車するなどの行動を取るように警報することができる。
【0024】
早期警報閾値及び警報閾値は、プロセッサ41又はストレージコンポーネント42に格納される調整可能な所定の値であり、警報閾値は早期警報閾値よりも高い。例えば、図11及び図13に示すような前方走行画像IM_fを104個のブロックに分割し、早期警報閾値を30と予め設定してもよく、警報閾値を40と予め設定してもよい。具体的には、早期警報閾値及び警報閾値は、前方走行画像IM_fもしくは後方走行画像IM_rを分割したブロックの数に応じて、又は車両オブジェクト(Obj)の種類に応じて調整可能である。
【0025】
同様に、後方走行画像IM_rに対する車両オブジェクトへの認識機能、早期警報機能、及び警報機能は、前方走行画像IM_fに対してプロセッサ41が実行するそれらの機能から推測され得るものであり、本明細書では詳細な説明は繰り返さない。言い換えれば、エッジ処理装置40のプロセッサ41は、前方走行画像IM_f及び後方走行画像IM_rを同時に受信することから、前方走行画像IM_f又は後方走行画像IM_rのどちらから車両オブジェクト(Obj)を認識したかに関わらず、早期警報機能及び警報機能を実行できる。
【0026】
結論として、本発明のシステムは、車両用のリアルタイムAI(人工知能)検知及びリアルタイムAI警報を実行することができる。本発明のシステムは自車両に適用される。自車両が自動車であるかスクーターであるかは問わないが、特にスクーターの場合、自車両の運転者は、自車両の前方又は後方に大型車両が存在する可能性があることを意味する図12に示すような早期警報機能の光の環101を確認すると、前もって認識を高めることができる。さらに、図13に示す状況下では、自車両が前進し続けると、自車両が大型車両の死角領域に入る可能性がある。したがって、本発明において、自車両の運転者が図14に示すような警報機能の光の環101を確認したときには、自車両はまだ大型車両の死角領域に入っていない。そこで、自車両の運転者は、大型車両の死角領域に入る前に、自車両を道路脇に駐車したり、大型車両の後ろについたりすることができる。結果として、自車両は大型車両の死角領域に入ることはない。例えば、自車両は、大型車両が曲がり切るまで待ってから前進することで、大型車両との交通事故を効果的に回避することができる。
【0027】
本発明の数々の特徴及び利点を、本発明の構造及び機能の詳細と共に上述の説明に記載したが、本開示は例示的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を表現する用語の広く一般的な意味により示される全範囲まで、本発明の原理内で、特に部品の形状、大きさ、及び配置に関する詳細について変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14