(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180305
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/00 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
H01F27/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071176
(22)【出願日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066087
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ジ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070CB06
5E070CB13
5E070DA13
(57)【要約】
【課題】コイル部品を開示する。
【解決手段】
本発明の一側面によるコイル部品は、本体と、上記本体内に配置されるコイル部と、上記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ上記コイル部と連結される第1及び第2外部電極と、上記本体の一面に配置され、上記第2外部電極を貫通するマーキング部と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に配置されるコイル部と、
前記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ前記コイル部と連結される第1及び第2外部電極と、
前記本体の一面に配置され、前記第2外部電極を貫通するマーキング部と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記本体の一面で前記第1及び第2外部電極の間に配置された下部絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記マーキング部と前記下部絶縁層は同一の材質を含む、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記下部絶縁層と前記マーキング部は互いに連結される、請求項2又は3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記下部絶縁層と前記マーキング部は互いに一体化されている、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記マーキング部の一側面は、前記本体の一面と連結された前記本体の一端面まで延びている、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第2外部電極のうち前記本体の一面に配置された領域は、前記マーキング部により2つの領域に分割される、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記本体は、それぞれ前記本体の一面と連結されて互いに向かい合う一端面と他端面を有し、
前記第1外部電極は、前記本体の一端面に配置され、前記本体の一端面に露出した前記コイル部の一端部と連結される第1連結部と、前記第1連結部から前記本体の一面に延びる第1パッド部と、を含み、
前記第2外部電極は、前記本体の他端面に配置され、前記本体の他端面に露出した前記コイル部の他端部と連結される第2連結部と、前記第2連結部から前記本体の一面に延びる第2パッド部と、を含み、
前記マーキング部は前記第2パッド部を貫通する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記本体の一面を除いた残りの面を覆う表面絶縁層をさらに含む、請求項2又は3に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記本体の一面を除いた残りの面を覆う表面絶縁層をさらに含む、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記マーキング部は、前記第2外部電極から突出して形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記本体の内部に配置された基板をさらに含み、
前記コイル部は、
前記基板の互いに向かい合う両面にそれぞれ配置された第1及び第2コイルパターンと、前記基板を貫通して前記第1及び第2コイルパターンのそれぞれの内側端部を連結するビアと、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記コイル部は巻き取り型コイルである、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の1つであるインダクター(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシター(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器のさらなる高性能化及び小型化に伴い、電子機器に用いられる電子部品は、その数が増加し、小型化してきている。
【0004】
一方、コイル部品には、プリント回路基板などに実装される方向の識別、相互インダクタンス変化の予測などを目的として、マーキング部が形成されることができる。
【0005】
かかるマーキング部を形成する時には一般にスクリーン印刷を用いるため、マーキング部の印刷の厚さの分だけ、コイル部品の厚さが厚くなることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-164170号公報(2015.09.10.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態による目的の1つは、マーキング部の印刷後にも薄型化が可能であり、インダクタンス特性の低下が少ないコイル部品を提供することにある。
【0008】
本発明の実施形態による目的の他の1つは、別途の追加工程なしにコイル部品にマーキング部を印刷することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によると、本体と、上記本体内に配置されるコイル部と、上記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ上記コイル部と連結される第1及び第2外部電極と、上記本体の一面に配置され、上記第2外部電極を貫通するマーキング部と、を含むコイル部品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によると、マーキング部の印刷のための別途の追加工程段階を省略することができ、マーキング部の印刷後にも従来の工法に比べて薄い厚さのコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1のコイル部品を下部側から見て示した図である。
【
図3】
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【
図6】
図1のコイル部品のマーキング部の形成工程を示した図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【
図8】
図7のコイル部品を下部側から見て示した図である。
【
図9】
図7のIII-III'線に沿った断面を示す図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願で用いられた用語は、特定の実施形態を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。また、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0013】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間において物理的に直接接触する場合のみを意味するのではなく、他の構成が各構成要素の間に介在し、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触する場合までを包括する概念で用いられる。
【0014】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。
【0015】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義されることができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付け、これについての重複説明は省略する。
【0017】
電子機器には種々の電子部品が用いられるが、かかる電子部品の間には、ノイズの除去などを目的として種々のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0018】
すなわち、電子機器において、コイル部品は、パワーインダクター(Power Inductor)、高周波インダクター(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示した斜視図である。
図2は
図1のコイル部品を下部側から見て示した図である。
図3は
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
図4は
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
図5は
図1のコイル部品の底面図である。
図6は
図1のコイル部品のマーキング部の形成工程を示した図である。
【0020】
図1から
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000は、本体100と、基板200と、コイル部300と、外部電極410、420と、マーキング部500と、表面絶縁層600と、下部絶縁層610と、を含み、絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0021】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観を成すものであって、内部にコイル部300と基板200が配置される。
【0022】
本体100は、全体的に六面体形状を有することができる。
【0023】
本体100は、
図1から
図5の方向を基準として、長さ方向(L)に互いに向かい合う第1面101及び第2面102、幅方向(W)に互いに向かい合う第3面103及び第4面104、厚さ方向(T)に向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体100の第1~第4面101、102、103、104はそれぞれ、本体100の第5面105と第6面106を連結する本体100の壁面に該当する。以下では、本体100の両端面(一端面及び他端面)は本体の第1面101及び第2面102を意味し、本体100の両側面(一側面及び他側面)は本体の第3面103及び第4面104を意味し、本体100の一面及び他面はそれぞれ本体100の第5面105及び第6面106を意味することができる。
【0024】
本体100は、例示的に、後述の外部電極410、420及び表面絶縁層600が形成された本実施形態によるコイル部品1000が、2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、上述の数値は、工程誤差などを反映していない設計上の数値に過ぎないため、工程誤差と認められる範囲までは、本発明の範囲に属するとすべきである。
【0025】
上述のコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0026】
上述のコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0027】
上述のコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の長さ方向(T)の中央部における長さ方向(L)-幅方向(W)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、幅方向(W)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、幅方向(W)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0028】
または、コイル部品1000の長さ、幅、及び厚さはそれぞれ、マイクロメータ測定法により測定されてもよい。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータで零点を設定し、マイクロメータのチップの間に本実施形態によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバーを回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは、1回測定された値を意味してもよく、複数回測定された値の算術平均を意味してもよい。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用可能である。
【0029】
本体100は、絶縁樹脂と磁性材料を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性材料が絶縁樹脂に分散した磁性複合シートを1つ以上積層して形成されることができる。磁性材料は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0030】
フェライトは、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0031】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0032】
金属磁性粉末は非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末はFe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0033】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0034】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性材料を含むことができる。ここで、磁性材料が異なる種類であるとは、樹脂に分散された磁性材料が、平均直径、組成、結晶性、及び形状のうち何れか1つによって互いに区別されることを意味する。
【0035】
一方、以下では、磁性材料が金属磁性粉末であることを前提に説明するが、本発明の範囲が、絶縁樹脂に金属磁性粉末が分散された構造を有する本体100のみに及ぶわけではない。
【0036】
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0037】
本体100は、後述の基板200及びコイル部300を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートがコイル部300及び基板200のそれぞれの中央部を貫通する貫通孔に充填されることで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
基板200は本体100の内部に配置される。基板200は、後述のコイル部300を支持する構成である。
【0039】
基板200は、エポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性絶縁樹脂、または感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、基板200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
無機フィラーとしては、シリカ(二酸化ケイ素、SiO2)、アルミナ(酸化アルミニウム、Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)からなる群から選択される少なくとも1つ以上が使用できる。
【0041】
基板200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、基板200は、より優れた剛性を提供することができる。基板200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、本実施形態によるコイル部品1000の厚さの薄型化において有利である。また、同一のサイズの本体100を基準として、コイル部300及び/または金属磁性粉末が占める体積を増加させることができ、部品特性を向上させることができる。基板200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部300の形成のための工程数が減少して生産コストの低減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0042】
基板200の厚さは、例えば、10μm以上50μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0043】
コイル部300は本体100の内部に配置され、コイル部品1000の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクターとして活用される場合、コイル部300は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することで、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0044】
コイル部300は、コイルパターン311、312と、ビア320と、引き出し部331、332と、を含む。具体的に、
図1から
図4の方向を基準として、本体100の第6面106と向かい合う基板200の下面に第1コイルパターン311及び第1引き出し部331が配置され、本体100の第5面105と向かい合う基板200の上面に第2コイルパターン312及び第2引き出し部332が配置される。
【0045】
ビア320は、基板200を貫通し、第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312のそれぞれの内側端部に接触して連結される。第1及び第2引き出し部331、332は、第1及び第2コイルパターン311、312と連結されて本体100の第1及び第2面101、102に露出し、後述の第1及び第2外部電極410、420とそれぞれ連結される。このようにすることで、コイル部300は、第1及び第2外部電極410、420の間で全体的に1つのコイルとして機能することができる。
【0046】
第1コイルパターン311と第2コイルパターン312はそれぞれ、コア110を軸として少なくとも1つのターン(turn)を形成した平面スパイラル状の形態であることができる。例えば、第1コイルパターン311は、基板200の下面において、コア110を軸として少なくとも1つのターン(turn)を形成することができる。
【0047】
引き出し部331、332はそれぞれ、本体100の第1及び第2面101、102に露出する。具体的に、第1引き出し部331は本体100の第1面101に露出し、第2引き出し部332は本体100の第2面102に露出する。
【0048】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの導電層を含むことができる。
【0049】
例えば、第2コイルパターン312、ビア320、及び第2引き出し部332を基板200の上面側にめっきにより形成する場合、第2コイルパターン312、ビア320、及び第2引き出し部332はそれぞれ、シード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、何れか1つの電解めっき層の表面に沿って他の1つの電解めっき層が形成されたコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、何れか1つの電解めっき層の一面にのみ他の1つの電解めっき層が積層された形状で形成されてもよい。シード層は、無電解めっき法またはスパッタリングなどの気相蒸着法などにより形成されることができる。第2コイルパターン312、ビア320、及び第2引き出し部332のそれぞれのシード層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。第2コイルパターン312、ビア320、及び第2引き出し部332のそれぞれの電解めっき層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。
【0050】
他の例として、基板200の下面側に配置された第1コイルパターン311及び第1引き出し部331と、基板200の上面側に配置された第2コイルパターン312及び第2引き出し部332を互いに別に形成した後、基板200に一括して積層してコイル部300を形成する場合、ビア320は、高融点金属層と、高融点金属層の融点より低い融点を有する低融点金属層と、を含むことができる。ここで、低融点金属層は、鉛(Pb)及び/またはスズ(Sn)を含む半田で形成されることができる。低融点金属層は、一括積層時の圧力及び温度によって少なくとも一部が溶融され、例えば、低融点金属層と第2コイルパターン312との間の境界には金属間化合物層(Inter Metallic Compound Layer、IMC Layer)が形成されることができる。
【0051】
コイルパターン311、312及び引き出し部331、332は、例えば、
図3及び
図4に図示されたように、基板200の下面及び上面にそれぞれ突出して形成されることができる。他の例として、第1コイルパターン311と第1引き出し部331は基板200の下面に突出して形成され、第2コイルパターン312と第2引き出し部332は基板200の上面に埋め込まれて上面が基板200の上面に露出することができる。この場合、第2コイルパターン312の上面及び/または第2引き出し部332の上面には凹部が形成され、基板200の上面と第2コイルパターン312の上面、及び/または第2引き出し部332の上面は、同一平面上に位置しない。
【0052】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0053】
絶縁膜IFは、コイル部300と本体100との間、及び基板200と本体100との間に配置される。絶縁膜IFは、コイルパターン311、312及び引き出し部331、332が形成された基板200の表面に沿って形成されることができるが、これに制限されるものではない。絶縁膜IFは、コイル部300と本体100を絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含むことができるが、これに制限されるものではない。他の例として、絶縁膜IFは、パリレンではなくエポキシ樹脂などの絶縁物質を含んでもよい。絶縁膜IFは気相蒸着法により形成されることができるが、これに制限されるものではない。他の例として、絶縁膜IFは、コイル部300が形成された基板200の両面に、絶縁膜IFを形成するための絶縁フィルムを積層及び硬化することで形成されてもよく、コイル部300が形成された基板200の両面に、絶縁膜IFを形成するための絶縁ペーストを塗布及び硬化することで形成されてもよい。一方、前述の理由から、絶縁膜IFは本実施形態において省略可能な構成である。すなわち、本実施形態によるコイル部品1000の設計された作動電流及び電圧で本体100が十分な電気的抵抗を有する場合であれば、絶縁膜IFは本実施形態において省略可能である。
【0054】
外部電極410、420は、本体100に互いに離隔して配置されてコイル部300と連結される。本実施形態では、外部電極410、420は、本体100の第6面106に互いに離隔して配置されたパッド部412、422と、本体100の第1及び第2面101、102に配置された連結部411、421と、を含む。
【0055】
具体的に、第1外部電極410は、本体100の第1面101に配置され、本体100の第1面101に露出した第1引き出し部331と接触する第1連結部411と、第1連結部411から本体100の第6面106に延びた第1パッド部412と、を含む。
【0056】
第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置され、本体100の第2面102に露出した第2引き出し部332と接触する第2連結部421と、第2連結部421から本体100の第6面106に延びた第2パッド部422と、を含む。
【0057】
第1及び第2パッド部412、422は、本体100の第6面106に互いに離隔して配置される。
図1から
図3及び
図5を参照すると、後述のマーキング部500が第1及び第2パッド部412、422の何れか1つを貫通して形成されることができる。本実施形態では、マーキング部500が第2外部電極420に含まれる第2パッド部422を貫通して形成されることができる。
【0058】
連結部411、421とパッド部412、422は同一の工程でともに形成され、相互間に境界が形成されずに一体に形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0059】
外部電極410、420は、スパッタリングなどの気相蒸着法及び/またはめっき法により形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0060】
外部電極410、420は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
外部電極410、420は、単層または複数層の構造で形成されることができる。例えば、第1外部電極410は、銅(Cu)を含む第1導電層と、第1導電層に配置され、ニッケル(Ni)を含む第2導電層と、第2導電層に配置され、スズ(Sn)を含む第3導電層と、を含むことができる。第2導電層及び第3導電層のうち少なくとも1つは第1導電層を覆う形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。第2導電層及び第3導電層のうち少なくとも1つは、本体100の第6面106上にのみ配置されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。第1導電層は、めっき層であるか、銅(Cu)及び銀(Ag)のうち少なくとも1つを含む導電性粉末と樹脂を含む導電性樹脂を塗布及び硬化することで形成された導電性樹脂層であることができる。第2及び第3導電層はめっき層であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0062】
マーキング部500は、本実施形態によるコイル部品1000をプリント回路基板などに実装する場合、実装方向の識別のために形成されることができる。マーキング部500によりコイル部300の巻き取り方向が分かるため、コイル部品1000の実装時に相互インダクタンスの影響などを予測することができる。電子機器が小型化するほど、コイル部品1000も小型化し、プリント回路基板などに実装時にコイル部品1000の間の隣接距離が近くなるため、相互インダクタンスを予測するためのマーキング部500の構成はさらに重要である。
【0063】
マーキング部500は、外部電極410、420のパッド部412、422が配置された本体100の第6面106に配置されることができ、第1及び第2外部電極410、420のうち何れか1つを貫通するように形成されることができる。また、マーキング部500が第1及び第2外部電極410、420のうち何れか1つを貫通することで、マーキング部500の側面を第1及び第2外部電極410、420のうち何れか1つが取り囲むように形成されることができる。
【0064】
図1から
図3及び
図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000では、マーキング部500は、第6面106に配置され、第2外部電極420を貫通することができる。マーキング部500は、後述の下部絶縁層610の印刷工程でともに形成されるが、マーキング部500を印刷する吐出部の形状によって、多角形、円形、楕円形、及び直線形などの多様な形態で形成されることができる。
【0065】
マーキング部500は、本体100の第6面106と接する一面と、マーキング部500の一面と向かい合う他面と、を有し、マーキング部500の他面は第2外部電極420と同一のレベルに位置してもよく、第2外部電極420から突出して形成されてもよい。マーキング部500の厚さが第2外部電極420の第2パッド部422の厚さより厚く形成される場合にはマーキング部500が第2外部電極420から突出して形成されるが、この場合、マーキング部500の厚さは約20μm、第2パッド部422の厚さは約15μmで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0066】
マーキング部500は、複数の本体100が互いに連続的に形成されているコイルバーのレベルで、複数の本体100の第6面106に対応する領域に、後述の下部絶縁層610の印刷とともに行われるマーキング部500の印刷工程により形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0067】
マーキング部500は磁性材料を含まないため、マーキング部500の体積が増加するほど本体100の磁性材料の有効体積が減少し、部品特性が悪化する恐れがある。そこで、本実施形態では、マーキング部500を本体100の第5面105に別途のスクリーン印刷工程により形成していた従来の工法とは異なって、本体100の第6面106に下部絶縁層610の印刷工程を行うと同時にマーキング部500の印刷工程を行うことで、マーキング部500と下部絶縁層610を一度に実現することにより、前述の問題を解決することができる。
【0068】
より詳細に、マーキング部500を別途の印刷工程により本体100の第5面105上に形成すると、後述の表面絶縁層600の厚さに加えてマーキング部500の厚さが追加され、部品特性に寄与する磁性材料の有効体積が減少するのに対し、本実施形態では、本体100の第6面106にマーキング部500が直接配置され、結果として、コイル部品1000の全厚さが、従来の工法に比べてマーキング部500の厚さの分だけ薄く形成されることができる。また、別途のマーキング部500の印刷工程が省略できるため、生産性が高くなるという効果も期待することができる。
【0069】
ここで、マーキング部500の厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(Cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたマーキング部500の最外側の境界線と本体100の第6面106とを連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたマーキング部500の最外側の境界線と本体100の第6面106とを連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0070】
マーキング部500を形成する詳細な工程順序は、
図6を参照して説明する。
【0071】
図6は
図1のコイル部品1000のマーキング部500の形成工程を示した図である。
【0072】
図6を参照すると、(a)で、磁性材料を含む本体100が形成され、(b)で、後述の下部絶縁層610とマーキング部500が絶縁印刷工程によりともに形成されることができる。(c)で、上述の外部電極410、420を形成するためにめっき工程が行われることができ、この時、予め形成された下部絶縁層610とマーキング部500は、本体100の第6面106上で一種のめっきレジストとして機能することができる。その結果、本体100の第6面106において、下部絶縁層610とマーキング部500を除いた残りの領域に、導電性物質を含む外部電極410、420が形成されることができる。(d)で、後述の表面絶縁層600が、本体100の第5面105及び本体100の側面を成す第1面~第4面101、102、103、104に形成され、第1面101及び第2面102で外部電極410、420の連結部411、421を覆うことができる。
【0073】
マーキング部500は、後述の下部絶縁層610と互いに同一の工程で形成されるため、下部絶縁層610と同一の材質を含むことができる。具体的に、マーキング部500は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiOx、またはSiNxを含むことができる。また、マーキング部500は、無機フィラーのような絶縁フィラーをさらに含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0074】
図1から
図3及び
図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100の第6面106で外部電極410、420の第1パッド部412と第2パッド部422との間の領域に配置される下部絶縁層610をさらに含むことができる。
【0075】
下部絶縁層610は、厚さが約15μmであることができる。ここで、下部絶縁層610の厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示された本体100の第6面106と接する下部絶縁層610の内部面に該当する内側の境界線と、下部絶縁層610の外部面に該当する外側の境界線とを連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち、等間隔の少なくとも3本以上の線分のそれぞれの長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0076】
下部絶縁層610は、外部電極410、420をめっきにより形成する際に用いられためっきレジストであることができる。下部絶縁層610は、本体100の第6面106全体に下部絶縁層610形成用絶縁物質を形成した後、外部電極410、420のパッド部412、422が配置される領域、及びマーキング部500が配置される領域に対応する一部を除去することで形成されることができる。または、下部絶縁層610は、本体100の第6面106のうちパッド部412、422及びマーキング部500が配置される領域を除いた領域に、下部絶縁層610形成用絶縁物質を選択的に形成することで形成されることができる。
【0077】
上述のように、下部絶縁層610はマーキング部500と同一の製造工程段階で形成されることができる。したがって、下部絶縁層610及びマーキング部500は互いに同一の材質を含むことができ、本体100の第6面106を基準とした厚さが同一の値を有することができる。
【0078】
下部絶縁層610は、印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法により下部絶縁層610形成用絶縁物質を形成することで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0079】
下部絶縁層610は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiOx、またはSiNxを含むことができる。下部絶縁層610は、無機フィラーのような絶縁フィラーをさらに含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0080】
本実施形態によるコイル部品1000は、本体100の第1面~第5面101、102、103、104、105に配置される表面絶縁層600をさらに含むことができる。
【0081】
表面絶縁層600は、本体100の第5面105から本体100の第1~第4面101、102、103、104の少なくとも一部に延びることができる。本実施形態では、表面絶縁層600は、本体100の第1~第5面101、102、103、104、105のそれぞれに配置され、本体100の第1及び第2面101、102上に配置された表面絶縁層600は外部電極410、420の連結部411、421を覆うことができる。
【0082】
本体100の第1~第5面101、102、103、104、105のそれぞれに配置された表面絶縁層600のうち少なくとも一部は互いに同一の工程で形成され、両者間に境界が形成されない一体の形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0083】
表面絶縁層600は、印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法により表面絶縁層600形成用絶縁物質を形成することで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0084】
表面絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiOx、またはSiNxを含むことができる。表面絶縁層600は、無機フィラーのような絶縁フィラーをさらに含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0085】
(第2実施形態)
図7は本発明の他の実施形態によるコイル部品2000を概略的に示す斜視図である。
図8は
図7のコイル部品2000を下部側から見て示した図である。
図9は
図7のIII-III'線に沿った断面を示す図である。
図10は
図7のコイル部品2000の底面図である。
【0086】
図7から
図10を参照すると、本発明の他の実施形態によるコイル部品2000は、本発明の一実施形態によるコイル部品1000と比較した時に、マーキング部500の配置及び形態が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なるマーキング部500についてのみ説明する。本実施形態のその他の構成は、本発明の第1実施形態での説明をそのまま適用することができる。
【0087】
マーキング部500は、外部電極410、420のパッド部412、422が配置された本体100の第6面106に配置されることができ、第1及び第2外部電極410、420のうち何れか1つに位置するように形成されることができる。本実施形態によるコイル部品2000では、マーキング部500は第6面106に配置され、第2外部電極420の第2パッド部422上に配置されることができる。
【0088】
マーキング部500は、下部絶縁層610と互いに同一の絶縁印刷工程段階で形成されるとともに、下部絶縁層610と互いに連結されることができる。また、マーキング部500と下部絶縁層610は相互間に境界が形成されずに一体化された形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0089】
図7から
図10を参照すると、マーキング部500が直線の長い形態を有する場合、マーキング部500の一側面は本体100の第2面102まで延びることができ、マーキング部500の他側面は下部絶縁層610と互いに連結されることができる。また、第2外部電極420のうち本体100の第6面106に配置された第2パッド部422は、マーキング部500により、側面が本体100の第3面103に接する第1領域と、側面が本体100の第4面104に接する第2領域とに分割されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0090】
(第3実施形態)
図11は本発明のさらに他の実施形態によるコイル部品3000を概略的に示す斜視図である。
【0091】
図11を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるコイル部品3000は、本発明の一実施形態によるコイル部品1000と比較した時に、コイル部300の構成及び基板200の有無において異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なるコイル部300についてのみ説明する。本実施形態のその他の構成は、本発明の第1実施形態での説明をそのまま適用することができる。
【0092】
本実施形態によるコイル部品3000は、巻き取りタイプのコイル部300を含むことができる。この場合、本実施形態によるコイル部品3000は基板200を含まない。
【0093】
コイル部300は、金属線及び金属線の表面を被覆する被覆層を含む銅ワイヤ(Cu-wire)などの金属ワイヤを巻き取って形成された巻き取りコイルであることができる。したがって、コイル部300の複数のターン(turn)のそれぞれの表面全体は被覆層で被覆される。
【0094】
一方、金属ワイヤは平角線であることができるが、これに制限されるものではない。平角線でコイル部300を形成した場合、コイル部300の各ターン(turn)の断面は直四角形の形態であることができる。
【0095】
被覆層は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0096】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、または削除などによって本発明を多様に修正及び変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえる。
【符号の説明】
【0097】
100 本体
110 コア
200 基板
300 コイル部
311、312 コイルパターン
320 ビア
331、332 引き出し部
410、420 外部電極
411、421 連結部
412、422 パッド部
500 マーキング部
600 表面絶縁層
610 下部絶縁層
IF 絶縁膜
1000、2000、3000 コイル部品