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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180314
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】空調ユニット、および空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/88 20180101AFI20221129BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20221129BHJP
【FI】
F24F11/88
F24F11/89
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080597
(22)【出願日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2021086908
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 忠史
(72)【発明者】
【氏名】堂前 浩
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】花田 卓弥
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA74
3L260CA03
3L260FC31
3L260JA03
3L260JA05
(57)【要約】
【課題】対象空間に配置される機器に給電する無線給電装置を比較的容易に設置する
【解決手段】空調ユニット(U)は、対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)とを備え、無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)から電力を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得する
空調ユニット。
【請求項2】
前記室内空調機(40)を制御する制御基板(CB)をさらに備え、
前記制御基板(CB)は、前記無線給電装置(70)を制御する
請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項3】
前記対象空間(S)に存在する人の数に応じて、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)に送電される電波強度を3段階以上に制御する制御部(CU)を備える
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項4】
電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下となるように、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)への給電を制御する制御部(CU)を備える
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項5】
前記機器(R)は、前記室内空調機(40)と異なる第1室内空調機(40a)であり、
前記無線給電装置(70)は、前記第1室内空調機(40a)に給電する
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項6】
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)をさらに備える
請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項7】
前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)と異なる第2室内空調機(40b)と所定の情報を送受信する
請求項6に記載の空調ユニット。
【請求項8】
前記通信部(61)は、室外空調機(20)、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または前記空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する
請求項6に記載の空調ユニット。
【請求項9】
前記通信部(61)は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)へ給電する、または所定の信号を出力する第1動作に連動して、前記機器(R)から送信される給電可否に関する情報を受信する第2動作を行う請求項6~8のいずれか1つに記載の空調ユニット。
【請求項10】
前記第1動作および前記第2動作を行う第1モードを実行させる制御部(CU)を備える
請求項9に記載の空調ユニット。
【請求項11】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、所定の時間帯に前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項12】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、前記対象空間(S)に人がいないときに前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項13】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、人の操作に応じて前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項14】
前記無線給電装置(70)は、
前記機器(R)に送電する送電部材(71)と
前記電源供給ライン(SL)に接続され、前記送電部材(71)に電力を出力する送電回路(72)とを備え、
前記送電部材(71)と前記送電回路(72)とは、互いに異なる位置に設けられる
請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項15】
前記室内空調機(40)は、吸込口(46)と、吹出口(47)と、前記吸込口(46)から前記吹出口(47)へ空気を搬送する空気通路(48)を有するケーシング(41)とを備え、
前記送電部材(71)は、前記空気通路(48)に配置される
請求項14に記載の空調ユニット。
【請求項16】
前記空気通路(48)に配置されるベルマウス(51)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項17】
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)の前記空気通路(48)に接する設置面(51c)に配置され、該設置面(51c)の形状に沿う形に形成される
請求項16に記載の空調ユニット。
【請求項18】
前記空気通路(48)に配置され、該空気通路(48)の空気と熱媒体とを熱交換させる熱交換器(53)と、
前記熱交換器(53)に付着するドレン水を回収するドレンパン(54)とをさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ドレンパン(54)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項19】
前記ケーシング(41)を建物の構造物に支持する支持部材(27)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記支持部材(27)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項20】
前記ケーシング(41)は、前記対象空間(S)の天井に形成された開口(63a)に配置され、
前記開口(63a)を覆うように前記ケーシング(41)の下面に設けられる化粧パネル(43)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記化粧パネル(43)に配置される
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項21】
前記化粧パネル(43)の天井裏側の面を第1面(64)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)に設けられる
請求項20に記載の空調ユニット。
【請求項22】
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)のうち、隣接する2辺で囲まれた隅部(66)に配置される
請求項21に記載の空調ユニット。
【請求項23】
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)の4辺のうち、いずれかの辺に沿った直線部(67)に配置される
請求項21に記載の空調ユニット。
【請求項24】
前記化粧パネル(43)の前記対象空間(S)側の面を第2面(65)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第2面(65)に設けられる
請求項20に記載の空調ユニット。
【請求項25】
前記室内空調機(40)は、前記対象空間(S)の天井裏に配置されるダクト(94)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、天井裏面と前記ダクト(94)との間において天井裏面に近い位置に配置される
請求項14に記載の空調ユニット。
【請求項26】
前記送電部材(71)は、本体部(71a)と、内部が中空に形成された樹脂製のカバー部(71b)とを備え、
前記本体部(71a)は、前記カバー部(71b)の内部に配置される
請求項14~25のいずれか1つに記載の空調ユニット。
【請求項27】
前記対象空間(S)に配置される請求項9に記載の前記空調ユニットを複数備え、
複数の前記空調ユニットが、前記機器(R)に対する前記第1動作に連動して、前記第2動作を行うことにより、どの前記空調ユニットの近傍に該機器(R)が配置されているかを判定する制御装置(C1,C2,C3,C4)を備える空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調ユニットおよび空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、倉庫や工場施設などの対象空間内に配置される警報センサや人感センサなどの受電センサに、無線で給電する無線給電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-193086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受電センサと通信する通信機器や室内空調機などが配置される天井裏などの空間には、該通信機器や室内空調機などに接続される電源ケーブルや通信ケーブルなどが敷設されている。このような空間に無線給電装置を設置する場合、さらに該無線給電装置用のケーブルを敷設することなるため、敷設するケーブルが増加することにより敷設作業が煩雑となる。その結果、無線給電装置の設置作業が難しくなる。
【0005】
本開示の目的は、対象空間に配置される機器に給電する無線給電装置を比較的容易に設置することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得する空調ユニットである。
【0007】
第1の態様では、無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)から電力を取得する。このため、商用電源と無線給電装置(70)とを接続する送電ケーブルの敷設を不要にできる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記室内空調機(40)を制御する制御基板(CB)をさらに備え、
前記制御基板(CB)は、前記無線給電装置(70)を制御する。
【0009】
第2の態様では、制御基板(CB)により無線給電装置(70)が機器(R)に給電する電力を制御できる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記対象空間(S)に存在する人の数に応じて、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)に送電される電波強度を3段階以上に制御する制御部(CU)を備える。
【0011】
第3の態様では、対象空間(S)にいる人の数に応じて、無線給電装置(70)から送信される電波による人体の影響を考慮しつつ、所定の機器(R)に給電できる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、
電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下となるように、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)への給電を制御する制御部(CU)を備える。
【0013】
第4の態様では、無線給電装置(70)から発信される電波により人体の影響を抑えるように電波強度を制御できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、
前記機器(R)は、前記室内空調機(40)と異なる第1室内空調機(40a)であり、
前記無線給電装置(70)は、前記第1室内空調機(40a)に給電する。
【0015】
第5の態様では、例えば、第1室内空調機(40a)が商用電源に接続されない空調機である場合、空調ユニット(U)から第1室内空調機(40a)に給電できるため、商用電源の位置によらず第1室内空調機(40a)を自由に設置できる。また、第1室内空調機(40a)を増設しても、商用電源から該第1室内空調機(40a)に接続する電源線の増加を抑えることができると共に、電源線を敷設する手間を省くことができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)をさらに備える。
【0017】
第6の態様では、機器(R)への給電に加えて、該機器(R)と所定の情報を送受信できる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第6の態様において、
前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)と異なる第2室内空調機(40b)と所定の情報を送受信する。
【0019】
第7の態様では、第2室内空調機(40b)との間で所定の情報のやりとりを行うことができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第6または第7の態様において、
前記通信部(61)は、室外空調機(20)、前記室外空調機(20)と前記室内空調機(40)とを有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または、前記空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する。
【0021】
第8の態様では、通信部(61)は、室外空調機(20)、空調制御コントローラ(C4)、または管理システムとの間で所定の情報を送受信できる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第6~第8の態様のいずれか1つにおいて、
前記通信部(61)は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)へ給電する、または所定の信号を出力する第1動作に連動して、前記機器(R)から送信される給電可否に関する情報を受信する第2動作を行う。
【0023】
第9の態様では、第1動作に連動する第2動作により、機器(R)に給電できるかどうかの給電可否の判断や、機器(R)が受電する電波強度を把握できる。
【0024】
本開示の第10の態様は、第9の態様において、
前記第1動作および前記第2動作を行う第1モードを実行させる制御部(CU)を備える。
【0025】
第10の態様では、第1モードを実行することで、予め機器(R)が給電可能な状態であるかを把握できる。例えば、機器(R)が給電できない、または受電する電波強度が低い場合、該機器(R)の設置位置を調整できる。
【0026】
本開示の第11の態様は、第10の態様において、
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、所定の時間帯に前記第1モードを実行させる。
【0027】
第11の態様では、機器(R)の給電の可否判断を所定の時間帯に行うことができる。所定の時間帯が、夜間である場合、無線給電装置(70)から発信される電波による人への影響を抑えることができる。
【0028】
本開示の第12の態様は、第10の態様において、
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、前記対象空間(S)に人がいないときに前記第1モードを実行させる。
【0029】
第12の態様では、人がいないときに第1モードを実行することで、無線給電装置(70)から発信される電波による人に及ぼす影響を抑えることができる。
【0030】
本開示の第13の態様は、第10の態様において、
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、人の操作に応じて前記第1モードを実行させる。
【0031】
第13の態様では、必要なときに第1モードを実行できる。
【0032】
本開示の第14の態様は、第1~第13のいずれか1つの態様において、
前記無線給電装置(70)は、
前記機器(R)に送電する送電部材(71)と
前記電源供給ライン(SL)に接続され、前記送電部材(71)に電力を出力する送電回路(72)とを備え、
前記送電部材(71)と前記送電回路(72)とは、互いに異なる位置に設けられる。
【0033】
第14の態様では、送電部材(71)と送電回路(72)とを別体として設けることができる。このことにより、送電回路(72)とを一体として設置する場合よりも、送電部材(71)の設置自由度を高くできる。
【0034】
本開示の第15の態様は、第14の態様において、
前記室内空調機(40)は、吸込口(46)と、吹出口(47)と、前記吸込口(46)から前記吹出口(47)へ空気を搬送する空気通路(48)を有するケーシング(41)とを備え、
前記送電部材(71)は、前記空気通路(48)に配置される。
【0035】
第15の態様では、空気通路(48)に配置することにより、送電部材(71)が空冷されるため、放熱による送電部材(71)の温度上昇を抑えることができる。
【0036】
本開示の第16の態様は、第15の態様において、
前記空気通路(48)に配置されるベルマウス(51)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)に設けられる。
【0037】
第16の態様では、ベルマウス(51)に送電部材(71)に設置することで、放熱による送電部材(71)の温度上昇を抑えることができる。
【0038】
本開示の第17の態様は、第16の態様において、
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)の前記空気通路(48)に接する設置面(51c)に配置され、該設置面(51c)の形状に沿う形に形成される。
【0039】
第17の態様では、送電部材(71)をベルマウス(51)の空気通路(48)に接する面に沿う形状に形成することで、空気通路(48)において送電部材(71)による空気抵抗を抑えることができる。
【0040】
本開示の第18の態様は、第15の態様において、
前記空気通路(48)に配置され、該空気通路(48)の空気と熱媒体とを熱交換させる熱交換器(53)と、
前記熱交換器(53)に付着するドレン水を回収するドレンパン(54)とをさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ドレンパン(54)に設けられる。
【0041】
第18の態様では、ドレンパン(54)が配置されるスペースは比較的広いため、送電部材(71)の設置を比較的容易に行うことができる。このような比較的広い空間に設置することで、放熱による送電部材(71)の温度上昇を抑えることできる。
【0042】
本開示の第19の態様は、第15の態様において、
前記ケーシング(41)を建物の構造物に支持する支持部材(27)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記支持部材(27)に設けられる。
【0043】
第19の態様では、送電部材(71)を支持部材(27)に設置できる。
【0044】
本開示の第20の態様は、第15の態様において、
前記ケーシング(41)は、前記対象空間(S)の天井に形成された開口(63a)に配置され、
前記開口(63a)を覆うように前記ケーシング(41)の下面に設けられる化粧パネル(43)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記化粧パネル(43)に配置される。
【0045】
第20の態様では、送電部材(71)を化粧パネル(43)に配置できる。
【0046】
本開示の第21の態様は、第20の態様において、
前記化粧パネル(43)の天井裏側の面を第1面(64)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)に設けられる。
【0047】
第21の態様では、送電部材(71)を化粧パネルの天井裏側の面の外周縁に配置できる。
【0048】
本開示の第22の態様は、第21の態様において、
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)のうち、隣接する2辺で囲まれた隅部(66)に配置される。
【0049】
第22の態様では、送電部材(71)を化粧パネル(43)の隅部(66)に配置できる。
【0050】
本開示の第23の態様は、第21の態様において、
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)の4辺のうち、いずれかの辺に沿った直線部(67)に配置される。
【0051】
第23の態様では、送電部材(71)を第1面(64)の外周縁の直線部(67)に沿って配置できる。
【0052】
本開示の第24の態様は、第20の態様において、
前記化粧パネル(43)の前記対象空間(S)側の面を第2面(65)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第2面(65)に設けられる。
【0053】
第24の態様では、送電部材(71)を化粧パネル(43)の対象空間(S)側の面に配置できる。
【0054】
本開示の第25の態様は、第14の態様において、
前記室内空調機(40)は、前記対象空間(S)の天井裏に配置されるダクト(94)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、天井裏面と前記ダクト(94)との間において天井裏面に近い位置に配置される。
【0055】
第24の態様では、送電部材(71)を天井裏面に近い位置に配置されることで、ダクト(94)を流れる空気により該ダクト(94)が加熱されても、送電部材(71)がダクト(94)から受ける熱の影響を抑えることができる。
【0056】
本開示の第26の態様は、第14~第25の態様のいずれか1つにおいて、
前記送電部材(71)は、本体部(71a)と、内部が中空に形成された樹脂製のカバー部(71b)とを備え、
前記本体部(71a)は、前記カバー部(71b)の内部に配置される。
【0057】
第26の態様では、送電部材(71)は、本体部(71a)と樹脂製のカバー部(71b)とが一体に形成される。
【0058】
本開示の第27の態様は、
前記対象空間(S)に配置される第9~13のいずれか1つの態様の前記空調ユニットを複数備え、
複数の前記空調ユニットが、前記機器(R)に対する前記第1動作に連動して、前記第2動作を行うことにより、どの前記空調ユニットの近傍に該機器(R)が配置されているかを判定する制御装置(C1)を備える空調システムである。
【0059】
第27の態様では、第1動作及び第2動作を行うことで、どの空調ユニット(U)の近傍に所定の機器(R)が配置されているか把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は、実施形態に係る空調ユニットと所定の機器が配置された室内空間の内部を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る空気調和装置の配管系統図である。
図3図3は、実施形態に係る室内空調機の内部構造を示す縦断面図である。
図4図4は、室内空調機の立体斜視図である。
図5図5は、室内空調機内の各機器と電源線の接続を示す概略図である。
図6図6は、実施形態に係る無線給電装置の構成を示す概略図である。
図7図7は、無線給電装置のアンテナを示す模式図である。図7(a)は、アンテナが取り付けられる位置を説明する図である。図7(b)は、アンテナ素子とカバー部とを示した図である。
図8図8は、制御装置、及び制御装置と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図9図9は、室内制御基板、及び室内制御基板と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図10図10は、空調ユニットの通常運転モードの制御を示したフローチャート図である。
図11図11は、空調ユニットの試運転モードの制御を示したフローチャート図である。
図12図12は、変形例3に係る空調ユニットが給電する室内空調機の図5相当図である。
図13図13は、変形例4に係る空調ユニットが給電する室内空調機の図5相当図である
図14図14は、変形例6に係る空調ユニットの構成を示す概略図である。
図15図15は、実施形態2に係る空調システムの構成を示す概略図である。
図16図16は、空調システムが適用される室内空間の内部の概略図である。
図17図17は、空調システムの室外制御基板、および室外制御基板と通信線を介して接続する機器の一部を示すブロック図である。
図18図18は、空調システムの制御を示したフローチャート図である。
図19図19は、その他の実施形態に係る室内空調機の立体斜視図である。
図20図20は、その他の実施形態に係る空調ユニットの図5相当図である。
図21図21は、その他の実施形態に係る空調ユニットの図5相当図である。
図22図22は、その他の実施形態に係る空調システムの図17相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0062】
《実施形態1》
図1に示すように、本例の空調ユニット(U)は、室内空間(S)に配置される。室内空間(S)は、本開示の対象空間(S)である。室内空間(S)は、例えば、ビル、ホテル、病院、空港、倉庫、工場などの屋内の空間である。
【0063】
室内空間(S)は、第1空間(S1)と第2空間(S2)とを有する。第1空間(S1)は、床、壁および天井に区画された空間である。第2空間(S2)は、天井裏に形成される空間である。第2空間(S2)は、壁裏または床下に形成される空間であってもよい。
【0064】
空調ユニット(U)は、室内空調機(40)と無線給電装置(70)と電源供給ライン(SL)とを備える。室内空調機(40)は、後述する空気調和装置(10)を構成する。空調ユニット(U)は、第1空間(S1)を空調する。空調ユニット(U)には、第1電源線(L1)が接続される。空調ユニット(U)には、第1電源線(L1)を介して商用電源から電力が供給される。無線給電装置(70)および電源供給ライン(SL)の詳細については後述する。
【0065】
空調ユニット(U)は、第1空間(S1)に配置される所定の機器(R)に無線で給電する。所定の機器(R)は、例えば、警報センサ(R1)、CO2センサ(R2)、リモートコントローラ(C3)、およびカメラ(R3)である。以下の説明では、これらの機器(R)を、総称して受電器(R)と呼ぶ。
【0066】
受電器(R)は、空調ユニット(U)の無線給電装置(70)から発信される電波により給電される。具体的に、受電器(R)は、無線給電装置(70)からの電波を受電する受電装置(図示省略)と、受電装置を介して給電された電気を蓄電するバッテリー(図示省略)とを備える。このように、受電器(R)は、無線給電装置(70)からの電波により給電される。受電器(R)は、無線給電装置(70)のみから給電されてもよいし、無線給電装置(70)および商用電源の両方から給電されてもよい。
【0067】
受電器(R)は、空調ユニット(U)と所定の情報を送受信する。例えば、警報センサ(R1)は、第1空間(S1)に人がいることを検出して、空調ユニット(U)に信号を送信する。COセンサ(R2)は、第1空間(S1)のCO濃度を検出して、空調ユニット(U)に信号を送信する。リモートコントローラ(C3)は、ユーザの操作により空調ユニット(U)にON/OFFの信号や運転モードの変更指示の信号を送信したり、空調ユニット(U)から所定の情報を受信したりする。リモートコントローラ(C3)は、可搬式である。カメラ(R3)は、第1空間(S1)にいる人の数を検出して空調ユニットに信号を送信する。
【0068】
-空気調和装置の全体構成-
図2に示すように、空気調和装置(10)は、室外空調機(20)と室内空調機(40)と液連絡管(12)とガス連絡管(13)とを備える。室外空調機(20)と室内空調機(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。具体的に、冷媒回路(11)は、室外空調機(20)に設けられる熱源側回路(11a)と、室内空調機(40)に設けられる利用側回路(11b)とが、液連絡管(12)およびガス連絡管(13)により互いに接続されることで構成される。
【0069】
冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)と膨張弁(23)と室内熱交換器(53)と四方切換弁(25)とを有する。
【0070】
〈室外空調機〉
室外空調機(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外空調機(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外ファン(26)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、および室外制御基板(C1)を有する。室外制御基板(C1)についての詳細は後述する。
【0071】
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
【0072】
室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。
【0073】
膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液連絡管(12)に接続されていればよく、室内空調機(40)に設けられてもよい。
【0074】
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)と第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)はガス連絡管(13)に繋がる。
【0075】
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態では、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し、かつ、第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する。第2状態では、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し、かつ、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する。
【0076】
四方切換弁(25)の切換に応じて、冷媒回路(11)は第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を蒸発器とし、室外熱交換器(22)を放熱器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とし、室外熱交換器(22)を蒸発器とする冷凍サイクルである。
【0077】
〈室内空調機〉
図3および図4に示すように、室内空調機(40)は、天井埋込式である。室内空調機(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)と、室内制御基板(C2)と、電源供給ライン(SL)と、無線給電装置(70)とを有する。
【0078】
-ケーシング-
ケーシング(41)は、室内空間(S)の天井に形成された開口(63a)に配置される(図1参照)。具体的に、ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、化粧パネル(43)とを有する。
【0079】
ケーシング本体(42)は、複数の側壁を有し、平面視で4つの短辺と4つの長辺とを交互に繋いで八角形を形成している。ケーシング本体(42)は、下方に向く開口が形成される。ケーシング本体(42)は、天井の開口(63a)を介して第2空間(S2)に配置される。ケーシング本体(42)の側壁のうち、短辺を有する4つの短側壁(42a)のそれぞれに支持部材(27)が設けられている。
【0080】
支持部材(27)は、ケーシング(41)を、建物の構造物に固定する部材である。建物の構造物は、第2空間(S2)において上下方向に延びる金属棒で構成される吊り下げ具(90)である。支持部材(27)は、L形の金属片で構成されている。各支持部材(27)は、吊り下げ具(90)とナット等の締結部材により固定される。このことで、ケーシング本体(42)は、第2空間(S2)内に保持される。吊り下げ具(90)同士は、連結部材(91)により固定される。連結部材(91)は、防振等の目的で設けられる金属部材である。
【0081】
化粧パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口面に着脱可能に設けられる。化粧パネル(43)は、ケーシング本体(42)に取り付けられた状態において、天井面の開口(63a)を覆う。化粧パネル(43)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(44)と、パネル本体(44)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。パネル本体(44)の中央には、1つの吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。パネル本体(44)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。各吹出口(47)は、側縁部に沿うように延びている。
【0082】
化粧パネル(43)の4つの角部のそれぞれには、各吹出口(47)と連続するように補助吹出口が形成される。各吹出口(47)には、フラップ(57)が設けられる。フラップは、吹出口(47)を開閉する。フラップ(57)は、吹出口(47)の長手方向に沿って延びる長板状に形成される。フラップ(57)の縦断面の形状は略円弧状である。ケーシング(41)の内部には、吸込口(46)から吹出口(47)までの間の空気通路(48)が形成される。なお、化粧パネル(43)の天井裏側の面を、本開示の第1面(64)とし、化粧パネル(43)の室内空間側の面を、本開示の第2面(65)とする。
【0083】
-フィルタ-
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
【0084】
-ベルマウス-
ベルマウス(51)は、空気通路(48)に配置される。具体的に、ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。ベルマウス(51)は、枠部(51a)と円筒部(51b)とから構成される。枠部(51a)は平坦な円形に形成される。具体的に、枠部(51a)の内枠および外枠はそれぞれ円形に形成される。枠部(51a)の内枠に円筒部(51b)の下端が接続される。
【0085】
-室内ファン-
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)の回転軸の位置は、ベルマウス(51)の円筒部(51b)の筒軸の位置と一致する。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、ベルマウス(51)側から吸い込んだ空気を径方向外方へ搬送する。
【0086】
-室内熱交換器-
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、ケーシング本体(42)の4つの側面に沿うように折り曲げられている。室内熱交換器(53)は、利用熱交換器に対応する。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。室内熱交換器(53)は、本開示の熱交換器(53)である。
【0087】
-ドレンパン-
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、室内空調機(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。室内空調機(40)は、ドレンポンプ(58)とドレン管(図示省略)とを有する。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を、ドレン管を経由してケーシング(41)の外部へ排出する。
【0088】
-室内制御基板-
室内制御基板(C2)は、本開示の制御基板(CB)である。また、室内制御基板(C2)は、本開示の制御部(CU)でもある。室内制御基板(C2)は、電装品箱(60)に収容される。電装品箱(60)は、ケーシング(41)に配置される。具体的に、電装品箱(60)は、ベルマウス(51)の枠部(51a)の下方に配置される。
【0089】
-第1通信装置-
室内空調機(40)は、第1通信装置(61)を有する。第1通信装置(61)は、本開示の通信部(61)である。第1通信装置(61)は、室内空間(S)の受電器(R)と所定の情報を送受信する。所定の情報は、例えば、カメラ(R3)が検出した人数の情報や、COセンサ(R2)が検出したCO値や、受電器(R)の給電可否に関する情報などである。給電可否の情報については後述する。
【0090】
-電源供給ライン-
図5に示すように、電源供給ライン(SL)は、無線給電装置(70)に電力を供給するラインである。具体的に、電源供給ライン(SL)は、第1電源線(L1)と第2電源線(L2)とを含む。第1電源線(L1)は、商用電源と、室内空調機(40)に配置される外部電源端子(59)とを接続する。第2電源線(L2)は、外部電源端子(59)と、室内空調機(40)内に配置される室内ファン(52)、ドレンポンプ(58)、第1通信装置(61)、および室内制御基板(C2)等の無線給電装置(70)を除いた各種の機器とを接続する。電源供給ライン(SL)は、第2電源線(L2)に接続された、外部電源端子(59)、室内ファン(52)、ドレンポンプ(58)、第1通信装置(61)、および室内制御基板(C2)も含む。
【0091】
-無線給電装置-
無線給電装置(70)は、室内空間(S)において該無線給電装置(70)から離れて配置される受電器(R)に対して、電波の送信により電力を伝送する空間伝送型のワイヤレス電力伝送装置である。
【0092】
無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)である室内制御基板(C2)と第3電源線(L3)により接続される(図5参照)。このように、無線給電装置(70)には、室内制御基板(C2)を介して電力が供給される。
【0093】
図6および図7に示すように、無線給電装置(70)は、送電回路(72)とアンテナ(71)とを有する。送電回路(72)とアンテナ(71)とは配線により接続される。送電回路(72)は、電装品箱(60)に配置される(図3参照)。送電回路(72)では、電波の周波数および電力の少なくとも一方に基づいて、アンテナ(71)に出力される電波の強度が制御される。
【0094】
アンテナ(71)は、本開示の送電部材(71)である。アンテナ(71)は、送電回路(72)から出力された給電用の電波を発信する。受電器(R)は、アンテナ(71)から発信された電波を受電することで給電される。アンテナ(71)は、送電回路(72)と異なる位置に設けられる。具体的に、アンテナ(71)は、空気通路(48)に配置される。より具体的に、アンテナ(71)は、ベルマウス(51)の枠部(51a)の上面(51c)に設けられる。枠部(51a)の上面は、本開示の設置面(51c)である。
【0095】
アンテナ(71)は、アンテナ素子(71a)とカバー部(71b)とを有する。アンテナ素子(71a)は、本開示の本体部(71a)である。アンテナ素子(71a)は、金属線で構成される。カバー部(71b)は、内部が中空の樹脂製の部材である。アンテナ素子(71a)は、カバー部(71b)の内部に配置されることで、アンテナ素子(71a)とカバー部(71b)とが一体に構成される。カバー部(71b)は、ベルマウス(51)の枠部(51a)の上面(51c)に沿った形状に形成される。具体的に、枠部(51a)の上面(51c)は、上面視において円弧状であるため、カバー部(71b)は、上面視において円弧状に形成される。カバー部(71b)は扁平に形成される。
【0096】
-第1制御装置-
図8に示すように、空気調和装置(10)は、第1制御装置(C)を有する。第1制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。第1制御装置(C)は、室内空調機(40)及び室外空調機(20)を制御する。第1制御装置(C)は、室外制御基板(C1)、室内制御基板(C2)、及びリモートコントローラ(C3)を含む。
【0097】
室外制御基板(C1)、室内制御基板(C2)、及びリモートコントローラ(C3)のそれぞれには、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
【0098】
第1制御装置(C)は、複数の第1通信線を含む。室外制御基板(C1)、室内制御基板(C2)、およびリモートコントローラ(C3)は、これらの第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。
【0099】
第1制御装置(C)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、ドレンポンプ(58)、および第1通信装置(61)と接続する複数の第2通信線を含む。
【0100】
第1制御装置(C)は、少なくとも、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、ドレンポンプ(58)、および送電回路(72)に制御信号を出力する。
【0101】
図5および図9に示すように、室内制御基板(C2)は、送電回路(72)と第3通信線(M3)により接続される。室内制御基板(C2)は、第3通信線(M3)を介して無線給電装置(70)を制御する。具体的に、室内制御基板(C2)は、第1通信装置(61)から受信した情報に基づいて、無線給電装置(70)から電波の発信またはその停止、および無線給電装置(70)が発信する電波強度を制御する。
【0102】
室内制御基板(C2)は、取得部(101)、判定部(102)、および記憶部(103)を有する。取得部(101)は、第1通信装置(61)から送信される各受電器(R)の給電可否に関する情報等を取得する。給電可否に関する情報は、例えば、受電器(R)に給電可能であるか否かの情報や、受電器(R)が受電する電波強度などを含む。判定部(102)は、取得部(101)が取得した各受電器(R)の給電可否に関する情報に基づいて、各受電器(R)について、給電の可否や、受電器(R)が受電する電波強度などを判定する。記憶部(103)には、判定部(102)による判定結果が記憶される。室内制御基板(C2)の判定動作については後述する。
【0103】
-運転動作-
空気調和装置(10)の運転動作について説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
【0104】
冷房運転では、第1制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。第1制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。第1制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
【0105】
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は吹出口(47)から室内空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
【0106】
暖房運転では、第1制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。第1制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。第1制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
【0107】
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は吹出口(47)から室内空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
【0108】
-空調ユニットの動作-
空調ユニット(U)の動作について説明する。空調ユニット(U)の動作には、第1動作と第2動作とが含まれる。
【0109】
第1動作は、空調ユニット(U)が受電器(R)に電力を供給する動作である。具体的には、第1動作では、無線給電装置(70)は、室内制御基板(C2)により所定の周波数および所定の電力に調節された電波をアンテナ(71)から発信する。具体的に、室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に存在する人の数に応じて、電波強度を3段階以上に制御する。室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)から発信される電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下となるように、無線給電装置(70)から受電器(R)への給電を制御する。ここで、電波による人体の影響を考慮した指標は、例えば、電界強度と周波数との関係に基づく値、所定の時間の平均の電界強度、所定時間未満における電界強度の少なくとも1つに基づく指標である。電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下に制御することで、室内空間(S)に人がいても電波による人体への影響を抑えつつ、受電器(R)に給電することが可能となる。
【0110】
第2動作は、第1動作に連動して、空調ユニット(U)が、各受電器(R)から送信される給電可否に関する情報の取得をする動作である。具体的に、第2動作では、第1動作が実行された後、第1通信装置(61)は、給電可否に関する情報を取得する。
【0111】
-給電モード-
給電モードは、通常運転モードと試運転モードとを有する。通常運転モードは、空調ユニット(U)から受電器(R)に給電するモードである。試運転モードは、空調ユニット(U)が受電器(R)の給電可否に関する情報を取得するモードである。試運転モードは、例えば、空調ユニット(U)または受電器(R)を室内空間(S)に新設した場合や、空調ユニット(U)または受電器(R)のメンテンナンス時に行われる。以下、それぞれの運転モードについて説明する。
【0112】
-通常運転モードの制御-
通常運転モードでは、第1動作が実行される。通常運転モードにより、各受電器(R)は無線給電装置(70)から送信される電波を受電し、受電器(R)に設けられるバッテリに充電できる。
【0113】
室内制御基板(C2)は、所定期間において累積の給電時間が所定時間以下となるように、無線給電装置(70)から受電器(R)への給電を制御する。例えば、無線給電装置(70)は、所定期間が24時間である場合、24時間において給電時間の累積時間が規定の時間以下となるように、間欠的または連続的に給電するように制御される。
【0114】
次に、通常給電モードの制御の一例について、図10を参照しながら説明する。以下の説明では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)から送信される電波強度を「強」、「中」、「弱」、「ゼロ」の4段階に制御する。室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人がいないときは電波強度を「強」に設定する。室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人が1~3人いるときは、電波強度を「中」に設定する。室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人が4~6人いるときは、電波強度を「弱」に設定する。室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人が7人以上いるときは、無線給電装置(70)から電波強度をゼロにする(無線給電装置(70)は電波を送信しない)。
【0115】
ステップST11では、室内制御基板(C2)は、室内空間(S)の人の有無を判定する。室内空間(S)に人がいないと判定されたとき(ステップST11のYES)、ステップST12が実行される。室内空間(S)に人がいると判定されたとき(ステップST12のNO)、ステップST13が実行される。
【0116】
ステップST12では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)の電波強度を「強」に設定する。
【0117】
ステップST13では、室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人の数が1~3人であるかを判定する。人の数が1~3人であると判定されたとき(ステップST13のYES)、ステップST14が実行される。人の数が1~3人でないと判定されたとき(ステップST13のNO)、ステップST15が実行される。
【0118】
ステップST14では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)の電波強度を「中」に設定する。
【0119】
ステップST15では、人の数が4~6人であるかを判定する。人の数が4~6人であると判定されたとき(ステップST15のYES)、ステップST16が実行される。人の数が4~6人でないと判定されたとき(ステップST15のNO)、人の数が7人以上であるため、無線給電装置(70)から電波が送信されず、ステップST11が再び実行される。
【0120】
ステップST16では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)の電波強度を「弱」に設定する。
【0121】
ステップST17では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)から電波送信を開始させる。
【0122】
ステップST18では、室内制御基板(C2)は、電波送信の累積時間が所定の時間となったか判定する。累積時間が所定の時間であると判定されると(ステップST18のYES)、その日の給電動作は終了する。累積時間が所定の時間でないと判定されると(ステップST18のNO)、第1動作を継続した状態で再びステップST1が実行される。
【0123】
-試運転モードの制御-
試運転モードでは、第1動作および第2動作が実行される。試運転モードにより、各受電器(R)が給電可であるか否か、および、各受電器(R)の受電電波の強度を判定できる。試運転モードは、所定の時間帯に実行される。所定の時間帯は、例えば、室内空間(S)に人がいない夜間などである。試運転モードの制御について、図11を参照しながら説明する。
【0124】
ステップST21では、室内制御基板(C2)は、現在の時刻が所定の時刻(夜間)であるか否かを判定する。現在の時刻が所定の時刻である場合(ステップST21のYES)、ステップST22が実行される。現在の時刻が所定の時刻でない場合(ステップST21のNO)、ステップST21が再び実行される。
【0125】
ステップST22では、室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)に第1動作を実行させる。具体的に、無線給電装置(70)は電波を発信する。
【0126】
ステップST23では、室内制御基板(C2)は、第1通信装置(61)に第2動作を実行させる。具体的に、第1通信装置(61)は、ステップST22の第1動作に連動して、各受電器(R)から送信される受電可否に関する情報を受信する。
【0127】
ステップST24では、室内制御基板(C2)は、ステップST23において取得した受電可否に関する情報に基づいて、各受電器(R)について、給電可能か否かを判定する。また、室内制御基板(C2)は、給電可能であると判定した場合は、受電電波強度の強さについても判定する。
【0128】
ステップST25では、室内制御基板(C2)は、ステップST24において各受電器(R)について判定結果を記憶する。
【0129】
-実施形態1の効果-
本実施形態の空調ユニット(U)は、室内空間(S)を空調する室内空調機(40)と、室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、室内空間(S)に配置される受電器(R)に給電する無線給電装置(70)とを備える。無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)から電力を取得する。
【0130】
無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)から取得する。このため、商用電源から無線給電装置(70)へ直接送電する電源ケーブルの敷設を不要にできる。また、無線給電装置(70)を室内空調機(40)の内部に配置することで、室内空調機(40)と無線給電装置(70)とを別々設置する手間が省け、作業負担を軽減できる。さらに、無線給電装置(70)を内蔵した室内空調機(40)を提供できる。
【0131】
本実施形態の空調ユニット(U)は、室内空調機(40)を制御する室内制御基板(C2)(制御基板)をさらに備える。室内制御基板(C2)は、無線給電装置(70)を制御する。室内制御基板(C2)により、無線給電装置(70)から電波を発信するタイミングや電波強度などを制御できる。
【0132】
本実施形態の空調ユニット(U)は、室内空間(S)に存在する人の数に応じて、無線給電装置(70)から受電器(R)に送電される電波強度を3段階以上に制御する室内制御基板(C2)(制御部(CU))を備える。室内空間(S)存在する人の数に応じて電波強度を3段階以上に細かく制御することで、室内空間(S)の人数に応じて電波による人体への影響を考慮しつつ、受電器(R)に給電できる。
【0133】
本実施形態の空調ユニット(U)は、電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下となるように、無線給電装置(70)から受電器(R)への給電を制御する室内制御基板(C2)(制御部(CU))を備える。所定値を適宜設定することで、給電の際に人体への影響を抑えた電波強度の電波を発信できる。
【0134】
本実施形態の空調ユニット(U)は、受電器(R)と所定の情報を送受信する第1通信装置(61)(通信部)をさらに備える。このことにより、空調ユニット(U)は、受電器(R)への給電に加え、受電器(R)からの給電可否の情報等を受信できる。
【0135】
本実施形態の空調ユニット(U)では、第1通信装置(61)は、空調ユニット(U)が受電器(R)へ給電する第1動作に連動して、受電器(R)から送信される給電可否に関する情報を受信する第2動作を行う。
【0136】
第1動作に連動する第2動作により、受電器(R)が給電できるかどうかの給電可否の判断を行うことができる。
【0137】
本実施形態の空調ユニット(U)は、第1動作および第2動作を行う試運転モード(第1モード)を実行させる室内制御基板(C2)(制御部(CU))を備える。この試運転モードを実行することで、室内空間(S)に配置されている各受電器(R)について、給電可能であるか否かや、受電する電波強度の程度を判断できる。この試運転モードにより、例えばある受電器(R)が給電不可であったり、電波強度が弱いと判定された場合、該受電器(R)は空調ユニット(U)から比較的離れた位置にあることを把握できる。
【0138】
本実施形態の空調ユニット(U)では、第1動作は、空調ユニット(U)が受電器(R)に給電する動作であり、室内制御基板(C2)(制御部(CU))は、所定の時間帯に試運転モード(第1モード)を実行させる。例えば、所定の時間帯を室内空間(S)に人がいない夜間とすることで、電波による人体への影響を抑えて第1動作を行うことができる。
【0139】
本実施形態の空調ユニット(U)では、無線給電装置(70)は、受電器(R)に送電するアンテナ(71)(送電部材)と、電源供給ライン(SL)に接続され、アンテナ(71)に電力を出力する送電回路(72)とを備える。アンテナ(71)と送電回路(72)とは、互いに異なる位置に設けられる。このことで、アンテナ(71)と送電回路(72)とが一体である場合よりも、アンテナ(71)の設置自由度を高くすることができる。
【0140】
本実施形態の空調ユニット(U)において、室内空調機(40)は、吸込口(46)と、吹出口(47)と、空気通路(48)を有するケーシング(41)とを備える。アンテナ(71)は、空気通路(48)に配置される。アンテナ(71)は、空気通路(48)を流れる空気により空冷される。このことで、電波を発信する際に発熱するアンテナ(71)の温度上昇を抑えることができる。
【0141】
本実施形態の空調ユニット(U)は、空気通路(48)に配置されるベルマウス(51)をさらに備える。アンテナ(71)は、ベルマウス(51)に設けられる。ベルマウス(51)に配置されることで、アンテナ(71)を空冷できる。
【0142】
本実施形態の空調ユニット(U)では、アンテナ(71)は、ベルマウス(51)の前記空気通路(48)に接する上面(51c)(設置面)に配置され、該上面(51c)の形状に沿う形に形成される。円弧状に形成されたベルマウス(51)枠部(51a)の上面(51c)に沿って、アンテナ(71)は、該上面(51c)に沿う平坦な円弧状に形成される。このことで、ベルマウス(51)においてアンテナ(71)が通風抵抗となることを抑制できる。
【0143】
本実施形態の空調ユニット(U)では、アンテナ(71)は、アンテナ素子(71a)(本体部)と、内部が中空に形成された樹脂製のカバー部(71b)とを備える。アンテナ素子(71a)は、カバー部(71b)内に配置される。このように、アンテナ素子(71a)とカバー部(71b)とを一体に形成できる。
【0144】
〈実施形態1の変形例1〉
本例では、試運転モードが上記実施形態と異なる。具体的に、本例では、室内制御基板(C2)は、室内空間(S)に人がいないときに試運転モード(第1モード)を実行させる。
【0145】
ここで、「室内空間(S)に人がいないとき」とは、例えば、室内空間(S)に配置されるカメラ(R3)がいることを検出していない間であってもよいし、人が室内空間(S)に立ち入らない夜間であってもよい。また、警報センサ(R1)が室内空間(S)に人いることを検知しない間を「室内空間(S)に人がいないとき」としてもよい。
【0146】
このように、本例の試運転モードは、室内空間(S)に人がいないときに行われるため、無線給電装置(70)から発信される電波による人体への影響を考慮して第1動作を行うことができる。
【0147】
〈実施形態1の変形例2〉
本例では、試運転モードが上記実施形態および上記変形例1と異なる。具体的に、室内制御基板(C2)は、人の操作に応じて試運転モード(第1モード)を実行させる。
【0148】
ここで、「人の操作に応じて試運転モードを実行させる」とは、例えば、ユーザがリモートコントローラ(C3)を用いて、空調ユニット(U)に試運転モードを実行させる旨の指示を室内制御基板(C2)に送る場合である。このように、ユーザは必要に応じて所望のタイミングで空調ユニット(U)に試運転モードを実行させることができる。
【0149】
〈実施形態1の変形例3〉
本例の空調ユニット(U)は、室内空間(S)に配置される受電器(R)と、同じ室内空間(S)に配置される第1室内空調機(40a)に給電する。
【0150】
図12に示すように、第1室内空調機(40a)は、空調ユニット(U)の室内空調機(40)と異なる。具体的に、第1室内空調機(40a)には、無線給電装置(70)が接続されていない。言い換えると、第1室内空調機(40a)には、無線給電装置(70)が設けられていない。
【0151】
第1室内空調機(40a)は、無線給電装置(70)から送電電波を受ける受電部(80)と、受電部(80)から出力される電気を蓄電するバッテリ(81)とを有する。第1室内空調機(40a)は、室内空間(S)に複数配置されていてもよい。
【0152】
このように本例の無線給電装置(70)は、第1室内空調機(40a)に給電できる。また、第1室内空調機(40a)には商用電源から電力を供給しなくても空調ユニット(U)から電力を賄うことができれば、第1室内空調機(40a)に接続される電源線を敷設する手間を省くことができる。ひいては、商用電源の位置を考慮することなく比較的自由に第1室内空調機(40a)を配置できる。
【0153】
〈実施形態1の変形例4〉
本例の空調ユニット(U)は、室内空間(S)に配置される受電器(R)と、同じ室内空間(S)に配置される第2室内空調機(40b)と所定の情報を送受信する。
【0154】
図13に示すように、第2室内空調機(40b)は、空調ユニット(U)の室内空調機(40)と異なる。第2室内空調機(40b)は、空調ユニット(U)と所定の情報を送受信する第2通信装置(62)を備える。
【0155】
本例の空調ユニット(U)の第1通信装置(61)は、第2室内空調機(40b)の第2通信装置(62)との間で所定の情報を送受信する。所定の情報は、室内ファン(52)の回転数、空気の吹き出し温度、吸い込み温度、またはフラップ(57)の角度など室内空調機(40)および第2室内空調機(40b)が備える機器に関する情報などを含む。
【0156】
また、第1通信装置(61)は、第2室内空調機(40b)の第2通信装置(62)を介して室内空間に配置される特定の受電器(R)と所定の情報を送受信してもよい。具体的に、特定の受電器(R)が第1通信装置(61)と情報を送受信できない距離にあり、かつ、第2通信装置(62)と情報を送受信できる距離にある場合、第2通信装置を中継機として用いることで、第1通信装置(61)と該特定の受電器(R)とは、所定の情報を送受信できる。このように、受電器(R)が空調ユニット(U)から比較的遠い距離に配置されていても、第1通信装置(61)は該受電器(R)と所定の情報を送受信できる。
【0157】
〈実施形態1の変形例5〉
本例の空調ユニット(U)では、試運転モードにおける第1動作は、第1通信装置(61)が受電器(R)に対して所定の信号を送信する動作である。所定の信号を受信した受電器(R)は、空調ユニット(U)に給電可否に関する情報を送信する。
【0158】
このように、本例の試運転モードでは、第1動作において無線給電装置(70)から電波が送信されないため、人体への影響を抑えることができる。その結果、室内空間(S)の人の有無に関わらず試運転モードを実行できる。
【0159】
〈実施形態1の変形例6〉
図14に示すように、本例の空調ユニット(U)は、可変風量制御(Valiable Air Volume:VAV)ユニットを有する。具体的に、本例の空調ユニット(U)は、室内空調機(40)として、ダクト型空調ユニット(85)と、吹出ダクト(94)と、吸込ダクト(95)と、無線給電装置(70)とを有する。
【0160】
ダクト型空調ユニット(85)は、第2空間(S2)に配置される。ダクト型空調ユニット(85)は、ユニットケーシング(88)と、ファン(86)と、熱交換器(87)とを有する。ユニットケーシング(88)には、空気入口(92)と空気出口(93)とが形成されている。空気入口(92)には、吸込ダクト(95)の一端が接続されている。
【0161】
吸込ダクト(95)の他端は、室外空間に連通している。空気出口(93)には、吹出ダクト(94)の一端が接続している。吹出ダクト(94)は、本開示のダクト(94)である。吹出ダクト(94)には2つの分岐ダクト(96)が接続される。分岐ダクト(96)は、第1空間(S1)に連通する。分岐ダクト(96)のそれぞれには、開度可変式の空調ダンパ(97)が設けられている。空調ダンパ(97)の開度により、第1空間(S1)に吹き出す空気量が調節される。空調ダンパ(97)は、制御装置(図示省略)により制御される。
【0162】
吹出ダクト(94)は、天井裏面(63)の上方に所定の間隔を空けて配置される。吹出ダクト(94)は、金属製である。天井裏面(63)は、樹脂製である。本例のアンテナ(71)は、吹出ダクト(94)の下面と天井裏面(63)との間において天井裏面(63)に近い位置に配置される。具体的に、アンテナ(71)は、天井裏面(63)上に配置される。
【0163】
ファン(86)の運転により、室外空気を吸い込んだ吸込ダクト(95)の空気は、空気入口(92)を介してユニットケーシング(88)内に流入する。ユニットケーシング(88)内の空気は、熱交換器(87)により空調されて空気出口(93)から吹出ダクト(94)に流入する。吹出ダクト(94)内の空気は、空調ダンパ(97)により空気流量が調節されて第1空間(S1)に吹き出す。
【0164】
本例の空調ユニット(U)では、アンテナ(71)は、樹脂製の天井裏面に配置されているため、金属製の吹出ダクト(94)が加熱されることで発する熱によるアンテナ(71)の影響を抑えることができる。
【0165】
《実施形態2》
実施形態2では、空調システム(200)について説明する。図15に示すように、空調システム(200)は、1つの室外空調機(20)と、複数の空調ユニット(U,U,…,U)とを有する。本例の空調システム(200)は、1つの室外空調機(20)と複数の室内空調機(40,40,…,40)とが液連絡管(12)およびガス連絡管(13)により接続された空気調和装置(10)を有する。
【0166】
図16に示すように、本例の空調システム(200)は、1つの室外空調機(20)と3つの空調ユニット(第1空調ユニット(U1)、第2空調ユニット(U2)、および第3空調ユニット(U3))を備える。3つの空調ユニット(U1,U2,U3)は、同一の室内空間(S)に配置される。各空調ユニット(U)の室内空調機(40)には、無線給電装置(70)が設けられている。各無線給電装置(70)は、室内空調機(40)の電源供給ラインに接続される。
【0167】
本例の空調システム(200)において、室外制御基板(C1)は本開示の制御装置(C1)である。図17に示すように、室外制御基板(C1)は、各空調ユニット(U)の室内制御基板(C2)と通信線により接続されている。
【0168】
室外制御基板(C1)は、3つの空調ユニット(U1,U2,U3)が、受電器(R)に対する第1動作に連動して、第2動作を行う。室外制御基板(C1)は、受電器(R)から受信した給電可否に関する情報に基づいて、どの空調ユニット(U)の近傍に該受電器(R)が配置されているかを判定する。
【0169】
例えば、受電器(R)は、空調ユニット(U)から第1動作による電波を受電すると、受電した電波強度に関する情報を空調ユニット(U)に送信する。具体的に、受電電波の強度が、強、中、弱の3段階に分けられている場合、ある空調ユニット(U)から受電した電波強度が「強」であれば、受電器(R)は、該空調ユニット(U)の近傍にあることがわかる。一方、ある空調ユニット(U)から受電した電波強度が「弱」であれば、受電器(R)は、該空調ユニット(U)から比較的離れた位置にあることがわかる。また、第1動作に連動して、室外制御基板(C1)が受電器(R)から給電可否に関する情報を取得しなかった場合、該受電器(R)は、故障しているか、電源がOFFの状態か、または、室内空間(S)の外に移動していることがわかる。
【0170】
本例の空調システム(200)が行う制御の一例について、図18を参照しながら説明する。以下では、複数の受電器(R)のうち対象となる受電器(R)を対象受電器(Rt)とする。
【0171】
ステップST31では、室外制御基板(C1)は、第1空調ユニット(U1)に第1動作を実行させる。
【0172】
ステップST32では、室外制御基板(C1)は、第1空調ユニット(U1)に第2動作を実行させる。
【0173】
ステップST33では、室外制御基板(C1)は、対象受電器(Rt)から取得した給電可否に関する情報に基づいて、受電電波の強度を判定する。室外制御基板(C1)は、給電可否に関する情報を取得しなかった場合、対象受電器(Rt)は第1空調ユニット(U1)からの電波を受電しなかったと判定する。
【0174】
ステップST34では、室外制御基板(C1)は、第2空調ユニット(U2)に第1動作を実行させる。
【0175】
ステップST35では、室外制御基板(C1)は、第2空調ユニット(U2)に第2動作を実行させる。
【0176】
ステップST36では、室外制御基板(C1)は、対象受電器(Rt)からの給電可否に関する情報に基づいて、受電電波強度を判定する。室外制御基板(C1)は、給電可否に関する情報を取得しなかった場合、対象受電器(Rt)は第2空調ユニット(U2)からの電波を受電しなかったと判定する。
【0177】
ステップST37では、室外制御基板(C1)は、第3空調ユニット(U3)に第1動作を実行させる。
【0178】
ステップST38では、室外制御基板(C1)は、第3空調ユニット(U3)に第2動作を実行させる。
【0179】
ステップST39では、室外制御基板(C1)は、対象受電器(Rt)からの給電可否に関する情報に基づいて、受電電波強度を判定する。室外制御基板(C1)は、給電可否に関する情報を取得しなかった場合、対象受電器(Rt)は第3空調ユニット(U3)からの電波を受電しなかったと判定する。
【0180】
ステップST40では、室外制御基板(C1)は、ステップST33、ステップST36、およびステップST39における判定結果に基づいて、対象受電器(Rt)が第1~第3空調ユニット(U1~U3)うちどの空調ユニット(U)の近傍に配置されているかを判定する。例えば、第1空調ユニット(U1)および第2空調ユニット(U2)が発信した電波に対する受電電波の強度が、“弱”であり、第3空調ユニット(U3)が発信した電波に対する受電電波の強度が、“強”である場合、対象受電器(Rt)は、第3空調ユニット(U3)の近傍に配置されていると判定される。
【0181】
本例の空調システム(200)によると、第1空間(S1)に配置された複数の受電器(R,R,…R)のそれぞれを対象受電器(Rt)とすることで、各受電器(R)についてどの空調ユニット(U)の近傍に配置されているか把握することができる。
【0182】
加えて、室外制御基板(C1)が、対象受電器(Rt)から給電可否に関する情報を取得しなかった場合、該対象受電器(Rt)は故障しているか、該室内空間(S)にないことを把握することができる。
【0183】
加えて、受電器(R)が移動体である場合、上記判定を定期的に行うことで、該受電器(R)がどの位置に移動しているか把握することができる。
【0184】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0185】
アンテナ(71)は、ドレンパン(54)に設けられてもよい。ドレンパン(54)が配置されるスペースは比較的広いため、アンテナ(71)の設置を比較的容易に行うことができる。このような比較的広いスペースに設置することで、放熱によるアンテナ(71)の温度上昇を抑えることできる。
【0186】
アンテナ(71)は、支持部材(27)に設けられてもよい(図1参照)。支持部材(27)はケーシング(41)外に設けられているため、このような位置にアンテナ(71)を設けることで、アンテナ(71)の放熱による温度上昇を抑えることができる。
【0187】
アンテナ(71)は、第2空間(S2)に設けられる吊り下げ具(90)、または、該吊り下げ具(90)同士を連結する連結部材(91)(図1参照)に設けられてもよい。
【0188】
アンテナ(71)は、化粧パネル(43)に配置されてもよい。図19に示すように、アンテナ(71)は、化粧パネル(43)の天井裏側の面である第1面(64)の外周縁部(68)に設けられてもよい。具体的に、アンテナ(71)は、第1面(64)の外周縁部(68)のうち隣接する2辺で囲まれた隅部(66)に配置される(図19の網掛け部分))。ケーシング本体(42)は、上面視において八角形に形成されるため、隅部(66)において比較的広い設置スペースを確保できる。このことにより、隅部(66)には、アンテナ(71)と送電回路(72)とを一体として配置することができる。その結果、アンテナ(71)と送電回路(72)とを接続する配線を短くできる分、送電回路(72)からアンテナ(71)への電力ロスを抑えることができる。アンテナ(71)は、隅部(66)上に接してなくてもよく、隅部(66)の上方に配置されていてもよい。また、本例のアンテナ(71)は、化粧パネル(43)の第1面(64)の外周縁部(68)の4辺のいずれかの辺に沿う直線部(67)(図19の斜線部分)に配置されてもよい。
【0189】
アンテナ(71)は、化粧パネル(43)の室内空間側の面である第2面(65)に設けられてもよい。このような位置に配置することで、アンテナ(71)のメンテンナンスを比較的容易に行うことができる。
【0190】
無線給電装置(70)は、電源供給ライン(SL)に接続されていればよい。例えば、図20に示すように、無線給電装置(70)に接続される第3電源線(L3)は、第2電源線(L2)に接続されてもよい。また、図21に示すように、無線給電装置(70)が室内空調機(40)外に配置される場合、第3電源線(L3)は、第1電源線(L1)に接続されてもよい。
【0191】
無線給電装置(70)と室内制御基板(C2)を接続する電源線(第3電源線(L3))および通信線(第3通信線(M3))は、同一配線であってもよい。
【0192】
無線給電装置(70)は、室内制御基板(C2)と第3通信線(M3)と接続されていなくてもよく無線で接続されていてもよい。
【0193】
室外制御基板(C1)は、本開示の制御基板(CB)であってもよい。室外制御基板(C1)は、本開示の制御部(CU)であってもよい。室外制御基板(C1)は、第1通信装置(61)と所定の情報を送受信してもよい。この場合、受電器(R)から送信された所定の情報は、第1通信装置(61)に受信された後、室外制御基板(C1)に送信される。その際、第1通信装置(61)と室外制御基板(C1)との間の通信は、室内空調機(40)と室外空調機(20)との間を繋ぐ第1通信線が用いられてもよい。また、室外制御基板(C1)は、第1通信装置(61)から受信した所定の情報に基づいて、通信線を介して無線給電装置(70)を制御してもよい。
【0194】
リモートコントローラ(C3)は、本開示の制御基板(CB)を有していてもよい。リモートコントローラ(C3)は、本開示の制御部(CU)であってもよい。
【0195】
無線給電装置(70)は、本開示の制御基板(CB)を有してもよい。無線給電装置(70)は、本開示の制御部(CU)を有していてもよい。
【0196】
図22に示すように、空調システム(200)は、空調制御コントローラ(C4)を有してもよい。空調制御コントローラ(C4)は、空気調和装置(10)全体の運転を制御することで、例えばビル内の各部屋に設けられた室内空調機(40)の運転を制御する。空調制御コントローラ(C4)は、空気調和装置(10)が設けられるビル内の管理室等に設けられる。空調制御コントローラ(C4)は、ビル外の建屋に設けられてもよい。この場合、空調制御コントローラ(C4)は、外部ネットワークを介して遠隔で該ビルの空気調和装置(10)を制御する。
【0197】
空調制御コントローラ(C4)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとを含む。図22の例では、空調制御コントローラ(C4)は、室外制御基板(C1)に通信線により接続される。このことで、第1通信装置(61)は、空調制御コントローラ(C4)との間で所定の情報を送受信する。この場合、受電器(R)から送信された所定の情報は、室内制御基板(C2)及び室外制御基板(C1)を介して空調制御コントローラ(C4)に受信される。その後、空調制御コントローラ(C4)は、受信した所定の情報に基づいて、通信線を介して無線給電装置(70)を制御する。空調制御コントローラ(C4)は、直接第1通信装置(61)と所定の情報を送受信してもよい。
【0198】
空調制御コントローラ(C4)は、各室内制御基板(C2)と通信線により接続されてもよい。また、空調制御コントローラ(C4)は、無線給電装置(70)を制御してもよい。すなわち、空調制御コントローラ(C4)は、本開示の制御部(CU)の一例であってもよい。また、空調制御コントローラ(C4)は、本開示の制御部(CU)であってもよい。
【0199】
上記各実施形態および各変形例において、空気調和装置(10)が設けられる建物(ビル等)に、該ビルのエネルギーを管理するBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)などの管理システムが設けられている場合、第1通信装置(61)は、該管理システムと所定の情報を送受信してもよい。この場合、受電器(R)から送信された所定の情報は管理システムに受信される。該管理システムは、受信した所定の情報に基づいて、通信線を介して無線給電装置(70)を制御してもよい。
【0200】
実施形態1において、無線給電装置(70)から発信される電波強度は、3段階以上に制御されていればよい。多段階に電波強度を制御することで、電波強度を細かく調節できる。このことにより、室内空間(S)の人数に応じた細かい電波強度の制御を行うことができる。電波強度は、単位時間あたりの室内空間(S)にいる人の人数に基づいて調節されてもよい。また、電波強度は、受電器(R)が受電した電波強度に基づいて調節されてもよい。無線給電装置(70)から発信される電波強度の制御は、試運転モードにおいて行われてもよい。
【0201】
実施形態1の試運転モードは、定期的に行われてもよい。このことにより、各受電器(R)について給電可否の情報を定期的に取得できる。試運転モードを実行する時間帯に、受電器(R)が受電しなかった場合、受電器(R)は、受電しなかった旨の情報を空調ユニット(U)に送信してもよい。この情報を受信した空調ユニット(U)は、受電しなかった受電器(R)を判別できる。
【0202】
給電可否の情報には、受電器(R)が給電不可であるという情報が含まれてもよい。また、給電可否の情報には、各受電器(R)のバッテリ残量が含まれてもよい。
【0203】
実施形態1の変形例3において、空調ユニット(U)は、第1室内空調機(40a)と無線または有線で所定の情報を送受信できてもよい。
【0204】
実施形態1の変形例4において、空調ユニット(U)は、第2室内空調機(40b)に無線給電できてもよい。
【0205】
実施形態1の室内空調機(40)は、冷温水コイルを備えたファンコイルユニット型であってもよい。
【0206】
実施形態1の変形例6の室内空調機(40)は、可変冷媒量システム(いわゆるVRV:Valiable Refrigerant Volume)を備えていてもよい。
【0207】
実施形態2の第1動作は、空調ユニット(U)が受電器(R)へ給電する動作であってもよいし、または所定の信号を出力する動作であってもよい。第1動作が受電器(R)に給電する動作であれば、電波の人への影響を考慮して夜間など第1空間(S1)に人がいないときに判定動作を行うことが好ましい。また、第1動作が所定の信号を送信する動作である場合、第1空間(S1)に人がいるときに判定動作を行ってもよい。
【0208】
実施形態2において、空調システム(200)は、空調ユニット(U)を2台以上有していればよい。また、複数の空調ユニット(U)は同一の室内空間(S)に配置されていなくてもよく、複数の室内空間(S)に配置されていてもよい。
【0209】
実施形態2において、本開示の制御装置(C2,C3)は、室内制御基板(C2)であってもよいし、リモートコントローラ(C3)であってもよい。本開示の制御装置(C4)は、空調制御コントローラ(C4)であってもよい。また、本開示の制御装置(C1,C2,C3,C4)は、室内空調機(40)や室外空調機(20)とは別体として構成された装置であってもよい。
【0210】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0211】
以上説明したように、本開示は、空調ユニットおよび空調システムについて有用である。
【符号の説明】
【0212】
S 室内空間(対象空間)
C1 室外制御基板(制御装置)
C2 室内制御基板(制御装置)
C3 リモートコントローラ(制御装置)
C4 空調制御コントローラ(制御装置)
CB 制御基板
CU 制御部
27 支持部材
40 室内空調機
40a 第1室内空調機
40b 第2室内空調機
41 ケーシング
43 化粧パネル
46 吸込口
47 吹出口
48 空気通路
51 ベルマウス
51c 上面(設置面)
53 熱交換器
54 ドレンパン
61 第1通信装置(通信部)
63a 開口
64 第1面
65 第2面
66 隅部
67 直線部
68 外周縁部
70 無線給電装置
71 アンテナ(送電部材)
71a アンテナ素子(本体部)
71b カバー部
72 送電回路
94 吹出ダクト(ダクト)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と
前記対象空間(S)に存在する人の数に応じて、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)に送電される電波強度を3段階以上に制御する制御部(CU)と
を備え、
前記無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得する
空調ユニット。
【請求項2】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部(61)は、室外空調機(20)、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する
空調ユニット。
【請求項3】
前記室内空調機(40)を制御する制御基板(CB)をさらに備え、
前記制御基板(CB)は、前記無線給電装置(70)を制御する
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項4】
電波による人体の影響を考慮した指標が所定値以下となるように、前記無線給電装置(70)から前記機器(R)への給電を制御する制御部(CU)を備える
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項5】
前記機器(R)は、前記室内空調機(40)と異なる第1室内空調機(40a)であり、
前記無線給電装置(70)は、前記第1室内空調機(40a)に給電する
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項6】
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)をさらに備える
請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項7】
前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)と異なる第2室内空調機(40b)と前記所定の情報を送受信する
請求項2または6に記載の空調ユニット。
【請求項8】
前記通信部(61)は、室外空調機(20)、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または前記空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する
請求項6に記載の空調ユニット。
【請求項9】
前記通信部(61)は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)へ給電する、または所定の信号を出力する第1動作に連動して、前記機器(R)から送信される給電可否に関する情報を受信する第2動作を行う請求項6~8のいずれか1つに記載の空調ユニット。
【請求項10】
前記第1動作および前記第2動作を行う第1モードを実行させる制御部(CU)を備える
請求項9に記載の空調ユニット。
【請求項11】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、所定の時間帯に前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項12】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、前記対象空間(S)に人がいないときに前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項13】
前記第1動作は、前記空調ユニット(U)が前記機器(R)に給電する動作であり、
前記制御部(CU)は、人の操作に応じて前記第1モードを実行させる
請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項14】
前記無線給電装置(70)は、
前記機器(R)に送電する送電部材(71)と
前記電源供給ライン(SL)に接続され、前記送電部材(71)に電力を出力する送電回路(72)とを備え、
前記送電部材(71)と前記送電回路(72)とは、互いに異なる位置に設けられる
請求項1または2に記載の空調ユニット。
【請求項15】
前記室内空調機(40)は、吸込口(46)と、吹出口(47)と、前記吸込口(46)から前記吹出口(47)へ空気を搬送する空気通路(48)を有するケーシング(41)とを備え、
前記送電部材(71)は、前記空気通路(48)に配置される
請求項14に記載の空調ユニット。
【請求項16】
前記空気通路(48)に配置されるベルマウス(51)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項17】
前記送電部材(71)は、前記ベルマウス(51)の前記空気通路(48)に接する設置面(51c)に配置され、該設置面(51c)の形状に沿う形に形成される
請求項16に記載の空調ユニット。
【請求項18】
前記空気通路(48)に配置され、該空気通路(48)の空気と熱媒体とを熱交換させる熱交換器(53)と、
前記熱交換器(53)に付着するドレン水を回収するドレンパン(54)とをさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記ドレンパン(54)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項19】
前記ケーシング(41)を建物の構造物に支持する支持部材(27)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記支持部材(27)に設けられる
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項20】
前記ケーシング(41)は、前記対象空間(S)の天井に形成された開口(63a)に配置され、
前記開口(63a)を覆うように前記ケーシング(41)の下面に設けられる化粧パネル(43)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、前記化粧パネル(43)に配置される
請求項15に記載の空調ユニット。
【請求項21】
前記化粧パネル(43)の天井裏側の面を第1面(64)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)に設けられる
請求項20に記載の空調ユニット。
【請求項22】
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)のうち、隣接する2辺で囲まれた隅部(66)に配置される
請求項21に記載の空調ユニット。
【請求項23】
前記化粧パネル(43)は、矩形に形成され、
前記送電部材(71)は、前記第1面(64)の外周縁部(68)の4辺のうち、いずれかの辺に沿った直線部(67)に配置される
請求項21に記載の空調ユニット。
【請求項24】
前記化粧パネル(43)の前記対象空間(S)側の面を第2面(65)としたときに、
前記送電部材(71)は、前記第2面(65)に設けられる
請求項20に記載の空調ユニット。
【請求項25】
前記室内空調機(40)は、前記対象空間(S)の天井裏に配置されるダクト(94)をさらに備え、
前記送電部材(71)は、天井裏面と前記ダクト(94)との間において天井裏面に近い位置に配置される
請求項14に記載の空調ユニット。
【請求項26】
前記送電部材(71)は、本体部(71a)と、内部が中空に形成された樹脂製のカバー部(71b)とを備え、
前記本体部(71a)は、前記カバー部(71b)の内部に配置される
請求項14~25のいずれか1つに記載の空調ユニット。
【請求項27】
前記対象空間(S)に配置される請求項9に記載の前記空調ユニットを複数備え、
複数の前記空調ユニットが、前記機器(R)に対する前記第1動作に連動して、前記第2動作を行うことにより、どの前記空調ユニットの近傍に該機器(R)が配置されているかを判定する制御装置(C1,C2,C3,C4)を備える空調システム。
【請求項28】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)と、
を備える空調ユニットを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部(61)は、前記空調ユニットが前記機器(R)へ給電する、または所定の信号を出力する第1動作に連動して、前記機器(R)から送信される給電可否に関する情報を受信する第2動作を行い、
前記対象空間(S)に配置される複数の前記空調ユニットが、前記機器(R)に対する前記第1動作に連動して、前記第2動作を行うことにより、どの前記空調ユニットの近傍に該機器(R)が配置されているかを判定する制御装置(C1,C2,C3,C4)を備える空調システム。