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特開2022-180320高アスペクト比強度ロッドを有する光ケーブル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180320
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】高アスペクト比強度ロッドを有する光ケーブル
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
G02B6/44 366
G02B6/44 376
G02B6/44 371
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082041
(22)【出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/192,444
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/494,104
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509094034
【氏名又は名称】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ヘンソン ピー. トランド
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エー.ヴァイマン
【テーマコード(参考)】
2H201
【Fターム(参考)】
2H201AX22
2H201BB06
2H201BB08
2H201BB22
2H201BB25
2H201BB67
2H201BB69
2H201DD06
2H201DD14
2H201KK08
(57)【要約】
【課題】ケーブル内の高いファイバ充填密度を促進すること。
【解決手段】光ファイバケーブルは、ケーブルジャケットと、ケーブルジャケット内の中心チューブと、中心チューブ内の光ファイバと、中心チューブの周囲の多数の半剛性ロッドとを含むことができる。各ロッドは、少なくとも2:1のアスペクト比を有する断面形状を有することができる。ロッドは、中心チューブの周囲に螺旋状に適用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルジャケットと、
前記ケーブルジャケット内の中心チューブと、
前記中心チューブ内の複数の光ファイバと、
前記中心チューブの周囲および前記ケーブルジャケット内の複数の半剛性ロッドであって、各ロッドは少なくとも2:1のアスペクト比を有する断面形状を有する複数の半剛性ロッドとを備える光ファイバケーブル。
【請求項2】
各ロッドは、略矩形の断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記複数の半剛性ロッドは、前記中心チューブの周囲に螺旋状に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
各半剛性ロッドは、ファイバ強化プラスチック材料を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記複数の半剛性ロッドの幅の合計が、前記中心チューブの円周の1/2よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記複数のロッドは、前記中心チューブの周囲に均等に分布した少なくとも6本の半剛性のロッドを備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記複数の光ファイバは少なくとも144本の光ファイバを備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
前記複数の光ファイバはローラブルリボンの形態であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記ケーブルジャケットの外径が7mm~18mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項10】
ケーブルジャケット外径に対する総ロッド剛性の比が、20kN/mm~50kN/mmの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の光ファイバケーブル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年5月24日付の米国仮特許出願第63/192,444号「Cable for air blown applications using rollable ribbon units and rectangular fiber-reinforced plastic (FRP) rods」の優先権を主張し、その出願は引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
光ファイバケーブルは、ジャケット内に封入された2本以上の光ファイバを備える。ファイバは、個々のファイバが一般にマトリックス材料と呼ばれる接着剤で結合されたリボンの形態であり得る。いわゆる「ローラブル」または部分結合されたリボンでは、接着剤のパッチがファイバに沿って断続的に分散され、ファイバがコンパクトな形状をとることを可能にし、それによってケーブル内の高いファイバ充填密度を促進する。
【0003】
光ファイバケーブルは、設置を容易にする以下の様々な強度構成要素を含むことができる。例えば、ケーブルは、設置荷重に耐えることができるように、ケーブルの中心に半剛性ロッドまたは同様の強度部材を含むことができる。いわゆる「ルースチューブ」構成では、ファイバ(例えば、ローラブルリボン)は、中心強度部材を取り囲む多数のバッファチューブ内にグループ化され得る。一般に「中心コア」と呼ばれる別の構成では、ファイバ(例えば、ローラブルリボン)はケーブルの中央(例えば、コアチューブ内)に配置される。中心コア構成では、半剛性強度部材は、コアに沿って、すなわちケーブルの長さに沿って直線的に延びるように配置されてもよい。このような強度部材は、コアチューブの両側に、すなわち180度離れて配置されてもよい。また、中心コアケーブルのコアチューブの周りに強度部材を螺旋状に撚り合わせることも知られており、これにより、直線状に配置された強度部材よりも低い最小ケーブル曲げ半径が可能になる。中心コアケーブルは、一般に、ルースチューブケーブルよりも高いファイバ充填密度を達成することができる。
【0004】
ブローイングまたはジェッティングと呼ばれる設置方法では、圧縮空気を使用してケーブルジャケットとダクト壁との間の摩擦を低減することにより、ケーブルをより容易に挿入することができる。「マイクロケーブル」と呼ばれることもある極小径ケーブル(例えば、10mm~20mm程度)は、ブローイングによって、それに対応して小さなダクトに取り付けることができる。ブローイングされた設置に寄与する高いファイバ重点密度を有する小径ケーブルを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、中心チューブの周囲にロッドを有する光ファイバケーブルに関する。例示的な実施形態において、光ファイバケーブルは、ケーブルジャケットと、ケーブルジャケット内の中心チューブと、中心チューブ内の複数の光ファイバと、中心チューブの周囲の複数の半剛性ロッドとを含み得る。各ロッドは、少なくとも2:1のアスペクト比、すなわち少なくとも高さの2倍の幅を有する断面形状を有する。それにもかかわらず、他のケーブル、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討することによって当業者に明らかであるか、または明らかになるであろう。このようなすべての追加のシステム、方法、特徴、および利点は、この詳細な説明に含まれ、明細書の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0006】
本発明は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による光ファイバケーブルの斜視図である。
図2図2は、本発明の例示的な実施形態による、図1の光ファイバケーブルの断面図である。
図3A図3Aは、本発明の例示的な実施形態による、図1および図2の光ファイバケーブルのロッドの断面図である。
図3B図3Bは、図3Aと同様に、ロッドの別の例を示す。
図3C図3C図3Aおよび図3Bと同様に、ロッドの別の例を示す。
図4図4は、本発明の例示的な実施形態による、ローラブルリボンの平面図である。
図5図5は、図4のローラブルリボンの断面図である
図6図6は、本発明の例示的な実施形態によるケーブルの実施例の表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
中心コアケーブルは、高いファイバ充填密度を提供することができるが、中心コアケーブル内に直線状に配置された半剛性強度部材、すなわち、強度部材がケーブルの長手方向軸線に平行に延びる場合には、ブローイング性能を阻害し得る優先曲げ面を生成する傾向がある。以下に説明するように、中心チューブの周囲に均等に配置された多くの半剛性の高アスペクト比強度部材は、ケーブル径を増加させることなく、ブローイングされた設置のための十分な剛性を提供することができる。
【0009】
図1および図2(正確な縮尺ではない)に示すように、本発明の例示的な実施形態では、光ファイバケーブル100は、概して、中心チューブ104と、中心チューブ104内に含まれる光ファイバ106(例えば、リボンの形態で)と、中心チューブ104の周囲に螺旋状に配置された複数の半剛性ロッド108とを含み得る要素を含むチューブ状のケーブルジャケットを102を含み得る。ジャケット102の外面または外周面は、ブローイング性能を向上させるために、リッジまたは溝を設けることができる。
【0010】
「螺旋状」に配置されるとは、各ロッド108がケーブル100の中心軸または長手軸(不図示)の周囲に実質的に螺旋状の経路をたどることを意味する。ロッド108の螺旋状配置は、ケーブルの曲げ半径を最小にするのに有用である。それにもかかわらず、他の実施形態(不図示)では、ロッドは、中心チューブの周囲に直線状に配置されてもよい。すなわち、他の実施形態では、各ロッドは、ケーブルの長手方向軸線に実質的に平行な経路をたどることができる。
【0011】
図3Aに示されるように、例示的な実施形態では、ロッド108(図1および図2)の一例であるロッド108Aは、幅(W)および高さ(H)によって規定される矩形断面形状を有する。(それぞれWとHに対応するx軸とy軸の空間参照系も示した。)幅は高さより大きい場合がある。例えば、ロッド108Aの幅(W)は、ロッド108Aの高さ(H)の少なくとも2倍であってもよい。言い換えると、ロッド108Aのアスペクト比(すなわち、W:H)は、少なくとも2:1であってもよい。アスペクト比とは、長方形または細長い幾何学的図形の最長距離と最短距離との比率である。より好ましくは、ロッド108Aのアスペクト比は、約2.5:1であり得る。ロッド108Aは、例えば、1.37mmの幅および0.55mmの高さを有することができる。
【0012】
再び図1および図2を参照する。ロッド108は、幅または長辺の一方が中心チューブ104の外面に面し(すなわち、一部を覆い)、反対側の幅または長辺がケーブルジャケット102の内面に面して配置されてもよい。ロッド108の短い側(「高さ」)は、ケーブルの中心に対してほぼ半径方向に延びている。
【0013】
図3Aに示す実施形態では、各ロッド108Aは断面形状が矩形であるが、他の実施形態では、このようなロッドは、同様のアスペクト比を有する他の形状を有してもよい。図3Bに示されるように、別の例示的な実施形態では、ロッド108(図1および図2)の別の例であるロッド108Bは、正確に矩形の断面形状を有しておらず、むしろ、ロッド108Bが丸い角部を有するので、実質的に矩形の断面形状のみを有する。例えば、製造プロセスのために、正確に直角な各部を有するロッドを製造することができない場合がある。それにもかかわらず、上述のロッド108A(図3A)と同様に、ロッド108Bは、少なくとも2:1、より好ましくは約2.5:1のアスペクト比(すなわち、W:H)を有することができる。ロッド108Bは、例えば、1.37mmの幅および0.55mmの高さを有することができる。
【0014】
図3Cに示されるように、別の例示的な実施形態では、ロッド108Cは、楕円形の断面形状を有する。それにもかかわらず、上述のロッド108A(図3A)および108B(図3B)と同様に、ロッド108Cは、少なくとも2:1、より好ましくは約2.5:1のアスペクト比(すなわち、W:H)を有することができる。ロッド108Cは、例えば、1.37mmの幅および0.55mmの高さを有することができる。図3A図3Cに関して上述した実施例を考慮すると、当業者は、さらに他の実施形態では、このようなロッドは、少なくとも2:1のアスペクト比を有するさらに他の断面形状を有し得ることを理解するであろう。
【0015】
再び図1および図2を参照すると、ロッド108は、中心チューブ104の周囲にほぼ均等に分布していてもよい。すなわち、隣接するロッド108(それぞれ中心チューブ104の周囲に螺旋状に配置される)間の間隔は、実質的に一定であり得る。当業者に理解されるように、ロッド108間の間隔は、ケーブル100のたわみ、製造公差等により、正確に一定ではなく実質的に一定であってもよく、ロッド108の経路は、正確に螺旋状ではなく実質的に螺旋状であってもよい。
【0016】
ロッド108は、中心チューブ104の外周面の一部を覆い得る。この部分は、中心チューブ104の表面積または円周の所定量またはパーセンテージとして表すことができる。例えば、ロッド108は、中心チューブ104の外周面の1/2よりも多くを覆うことができる。言い換えると、ロッド108の幅(W)の合計は、中心チューブ104の外周面の円周の1/2より大きくてもよい。より好ましくは、ロッド108は、中心チューブ104の外周面の60%以上を覆うことができる。すなわち、ロッド108の幅の合計は、中心チューブ104の外周面の円周の60%より大きくてもよい。これは、次の式で表すことができる。
nW/πD>0.6
ここで、nはロッド108の数、Dは中心チューブの外径、Wは各ロッド108の上記幅である。
【0017】
ロッド108の数(n)は、ケーブル100の外径(OD)、光ファイバ106の数などの様々な要因に基づいて選択することができる。例示的な実施形態では、ケーブル100は、7~18mmの範囲のODを有することができる。ODが7~18mmであるケーブル100は、各々が200~250ミクロンの直径を有する少なくとも144本の光ファイバ106を含むことができる。例えば、7~18mmケーブル100は、少なくとも、このような144本の光ファイバ106および6~18本のロッド108を有することができる。より好ましくは、7~18mmのケーブル100は、少なくとも、このような288本の光ファイバ106および8~18本のロッド108を有することができる。それにもかかわらず、より一般的には、本発明のいくつかの例示的な実施形態によるケーブルは、少なくとも6本のロッド108を有することができる。
【0018】
各ロッド108は、ファイバ強化プラスチック(FRP)またはロッド108を半剛性にする他の材料で作ることができる。半剛性という用語は、ロッド108が圧縮剛性または剛性であるが、上述した螺旋状の経路に従うのに十分な柔軟性を有することを意味する。当業者に理解されるように、FRPは、一般に約80%重量のガラスファイバおよび20%重量の熱硬化性ポリマーからなる熱硬化性複合材料である。ガラスファイバは、例えば、一般にEガラス(電気絶縁性ガラス)として知られている種類であってもよく、熱硬化性ポリマーは、例えば、エポキシ、ウレタンアクリレート等であってもよい。
【0019】
図4に示すように、上述の光ファイバ(例えば、図1および図2中の複数の光ファイバ106)は、いわゆる「ローラブル」または「部分結合」光ファイバリボン400の1つまたは複数の形態であってもよい。ローラブル光ファイバリボン400は、一般にマトリックス材料404と呼ばれる接着剤のパッチを用いて、それらの長さに沿って断続的に互いに接合された複数の光ファイバ402を含む。光ファイバ402が互いに平行に配列された状態で平坦(すなわち、平面内)に敷設された場合にローラブルな光ファイバリボン400は、図4および図5に示すように、ほぼ平坦な、すなわちリボン形状を有するにもかかわらず、マトリクス材料404の断続的な(連続的ではない)分布は、光ファイバ402を十分に自由または拘束されない状態にし、図2の断面に示された形状のような、コンパクトな束またはほぼ円筒状の形状に転がるか、またはそうでなければそれを仮定することができる。ローラブルファイバリボン400は、コンパクトな円筒形状を前提としているので、多数の光ファイバ402が比較的小さな断面積を占めることができ、したがって、高いファイバ充填密度を有するケーブル(図4および図5において不図示)を可能にする。しかし、ローラブル光ファイバリボン400は、図4および図5に示されているような平面またはリボン形状を仮定している。マスフュージョンスプライシング技術は、ローラブル光ファイバリボン400に好ましく適用することができる。
【0020】
図4に示されたマトリクス材料404のパターン、または本明細書に記載されたローラブル光ファイバリボン400の他の特性は、単なる例として意図されており、当業者は、他のタイプのローラブル光ファイバリボンが適切であることを認識するであろう。このような全てのローラブル光ファイバリボンが有する共通の特徴は、マトリックス材料404の断続的な(連続的ではない)分布がリボンに十分な柔軟性を提供して、リボンを上述の束形状又は円筒形状に巻き取ることができ、しかも、平らにしたときにリボン形状に戻ることができることである。「ローラブル」という用語は、光ファイバリボンとの関連で当業者には理解され、具体的には、マトリックス材料404の連続的ではなく断続的な分布によって提供されるこの特性を有するリボンを指す。「ローラブル」リボンは、マトリックス材料がファイバの長さに沿って連続的に分布している、当技術分野で一般に「フラット」または「カプセル化」リボンと呼ばれるものと対比することができる。フラットリボンにおいて、ファイバは、マトリクス材料内に完全にカプセル化されてもよい。カプセル化光ファイバリボンの剛性は、ケーブルにおける高いファイバ充填密度を達成するための課題を提示する。上述したように、ローラブルリボン構造は、マスフュージョンスプライシングを可能にしながら、この問題を克服する。便宜上、本明細書では、「ローラブルリボン」という用語は、ファイバの長さに沿ってマトリックス材料で互いに断続的に結合された複数の光ファイバを意味すると定義される。
【0021】
上述のケーブル100(図1および図2)のいくつかの例では、複数の光ファイバ106は、各々が12本の光ファイバ106を有する少なくとも12本のローラブルリボンの形態であってもよい。ケーブル100の他の例では、複数の光ファイバ106は、各々が12本の光ファイバ106を有する少なくとも24本のローラブルリボンの形態であってもよい。それにもかかわらず、さらに他の実施形態(不図示)では、光ファイバは、緩んでいてもよく、すなわち、リボン状でなくてもよい。そのような実施形態では、光ファイバは、スレッドによって束ねられてもよい。例示的なケーブル100は、複数のローラブルリボンの束の周囲にスレッド110を含むことができる(明確にするために、図2には単一の例示的なスレッド110のみが示されている)。さらに他の実施形態では、光ファイバは、フラット、すなわち、カプセル化リボンの形態であってもよい。中心チューブ104と光ファイバ106との間の防水テープ112(図1および図2)の層などの追加の特徴も含まれ得る。
【0022】
ロッド108が高アスペクト比(例えば、矩形)の断面形状を有し、円形または他の1:1アスペクト比の断面形状を有していない理由は、ケーブル100のODに対するケーブル100全体の剛性の望ましいバランスを達成することに関連する。言い換えると、低アスペクト比(例えば、円形)の断面形状を有するロッドではなく、高アスペクト比の断面形状を有するロッドを使用する根拠は、ロッドごとに他のロッド形状と同じレベルの剛性を維持しながら(またはそれを超えて)ケーブルODを低減することである。ロッド108は、ケーブル100の他の要素(例えば、ファイバ106、中心チューブ104等)よりも、ケーブル100全体の剛性にはるかに多く寄与する(約90~95%)ため、ロッド108の剛性は、以下の比較(すなわち、矩形と円形)計算の焦点となり得る。断面2次モーメントはロッドの剛性に直接対応し、次の方程式によって、円形と矩形のロッド断面の比較が可能になる。
円:
【数1】
ここで、Dはロッド径である。
矩形:
【数2】
および
【数3】
ここで、bはロッドベース(すなわち、幅)およびhはロッドの高さである。
【0023】
矩形ロッド108(図1および図2)で、h<bの場合、最小面積慣性モーメント、したがって最小剛性は、そのx軸(すなわちlx)の周囲にあり、さらに議論される。等価慣性を達成するために、円形ロッド(不図示)の直径は、以下の計算を必要とする。
【数4】
【0024】
市販されている一般的なサイズである1.37×0.55mmの矩形のFRPロッドを例に挙げる。これらの寸法を上記の式に入力すると、円形ロッドの直径は0.79mmになる。矩形ロッドの同じレベルの剛性を達成するために、円形ロッドは、ケーブル全体の直径(OD)に0.48mmの追加、すなわち、矩形の高さと、中心チューブの周りのほぼ均等な分散のためにロッドの直径に2を乗じたものとの差に寄与する。これは、(a)ケーブルジャケットの厚さが固定され(つまり、同じ寸法)、(b)設備の制約によりロッドの数も固定される(すなわち同じ剛性)ことを前提としている。
【0025】
矩形ロッドと円形ロッドとの前述の比較の基礎は、同様のアスペクト比を有する他のロッドに拡張することができる。本明細書に開示された発明の概念によれば、中心コアケーブル(例えば、スペースが限られており、ケーブルの剛性が重要な考慮事項であるブローイング設置を目的としたもの)は、円形または他のより低いアスペクト比のロッドではなく、少なくとも2:1のアスペクト比を有するロッドを備える。
【0026】
図6において、表600は、本発明の例示的な実施形態による光ファイバケーブルのいくつかの実施例を提供する。以下の実施例では、各ロッドの剛性は、1.37×0.55mmの寸法を有し、重量比で80%のEガラスおよび重量比で20%の熱硬化性ポリマーを含む複合材料からなるロッド108の上述の例を用いて計算され得る。それにもかかわらず、結果として生じる剛性(キロニュートンまたは「kN」の単位)は、他の寸法のロッドについても同じであろう材料特性であることに留意されたい。例示的なロッド108のこれらの特性を使用する計算(不図示)は、約32kN(または1%の線歪あたり320N)の最小ロッド剛性をもたらす。
【0027】
第1の実施例(表600のケーブル実施例#1)では、ケーブルは、7mmのODを有し、各々が200μmの直径を有する144本のファイバから構成され得る。中心チューブ104の外周面の1/2よりも多くを覆うロッド108の上記の例示的な特性を使用して、このようなケーブル内のロッドの数は6であると計算することができる。また、この実施例における6本のロッドの各々が32kNの剛性を有することができるので、6本のロッドすべてが一緒に、または合計で192kNの総ロッド剛性を有することになると計算することもできる。この192kNの「総ロッド剛性」をケーブルODの7mmで割ると、ケーブルのこの第1の実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性27.4kN/mmの比が得られる。
【0028】
第2の実施例(表600のケーブル実施例#2)では、ケーブルは、12.9mmのODを有し、各々が200μmの直径を有する864本のファイバから構成され得る。中心チューブ104の外表面の1/2よりも多くを覆うロッド108の上記の例示的な特性を使用して、このようなケーブル内のロッドの数は少なくとも18であると計算することができる。また、この実施例における18本のロッドの各々が32kNの剛性を有することができるので、18本のロッドすべてが一緒に、または合計で576kNの総ロッド剛性を有することになると計算することもできる。576kNの総ロッド剛性を12.9mmのケーブルODで割ると、このケーブルの第2の実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性の比44.7kN/mmが得られる。
【0029】
第3の実施例(表600のケーブル実施例#3)では、ケーブルは、8.5mmのODを有し、各々が250μmの直径を有する144本のファイバから構成され得る。中心チューブ104の外周面の1/2よりも多くを覆うロッド108の上記の例示的な特性を使用して、このようなケーブル内のロッドの数は8であると計算することができる。また、この実施例における8本のロッドの各々が32kNの剛性を有することができるので、8本のロッドすべてが一緒に、または合計で256kNの総ロッド剛性を有することになると計算することもできる。256kNの総ロッド剛性を8.5mmのケーブルODで割ると、このケーブルの第3の実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性の比30.1kN/mmが得られる。
【0030】
第4の実施例(表600のケーブル実施例#4)では、ケーブルは、14.5mmのODを有し、各々が250μmの直径を有する864本のファイバから構成され得る。中心チューブ104の外周面の1/2よりも多くを覆うロッド108の上述の例示的な特性を使用して、このようなケーブル内のロッドの数は少なくとも18であると計算することができる。また、この実施例における18本のロッドの各々が32kNの剛性を有することができるので、18本のロッドすべてが一緒に、または合計で576kNの総ロッド剛性を有することになると計算することもできる。576kNの総ロッド剛性を14.5mmのケーブルODで割ると、ケーブルのこの第4の実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性の比39.7kN/mmが得られる。
【0031】
第5の実施例(表600のケーブル実施例#5)では、ケーブルは18mmのODを有し、18本のロッドを有する。この実施例では、任意の数のファイバが存在してもよい。なお、第1~第4の実施例に示したファイバの本数はあくまで一例であり、同様のケーブルであっても他の本数であってもよい。この実施例における18本のロッドの各々は、32kNの剛性を有することができるので、18本のロッド全ては、一緒に、または合計で、576kNの総ロッド剛性を有することになる。576kNの総ロッド剛性を18.0mmのケーブルODで割ると、ケーブルのこの第5の実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性の比32.0kN/mmが得られる。
【0032】
表600のケーブル実施例では、ケーブルODに対する総ロッド剛性の比は、27.4kN/mmから44.7kN/mmの範囲である。他のケーブルの実施例は、本明細書の教示および例を考慮すると、当業者には容易に生じるであろう。概して、20kN/mmから50kN/mmの範囲のケーブルODに対する総ロッド剛性の比を有する、本発明の例示的実施形態によるケーブルが考えられる。好ましくは、このようなケーブルは、25kN/mm~45kN/mmの範囲のケーブルODに対する総ロッド剛性の比を有することができる。さらにより好ましくは、そのようなケーブルは、30kN/mm~40kN/mmの範囲のケーブルODに対する総ロッド剛性の比を有することができる。
【0033】
本発明の1つまたは複数の例示的な実施形態または例示的な実施形態を上述した。しかしながら、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、記載された特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6