IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特開2022-180334ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択
<>
  • 特開-ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択 図1
  • 特開-ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択 図2
  • 特開-ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択 図3
  • 特開-ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180334
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ジェスチャに基づくカテーテルの一部分の選択
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20221129BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20221129BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20221129BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A61B34/20
G06F3/01 570
A61B34/10
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022083640
(22)【出願日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】17/328,287
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・コルゴスキ
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】イラン・ゴールデンバーグ
【テーマコード(参考)】
4C160
5E555
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK05
4C160KK12
4C160KK70
4C160MM38
5E555AA01
5E555AA46
5E555BA22
5E555BA38
5E555BB22
5E555BB38
5E555BC01
5E555BE17
5E555CA10
5E555CA42
5E555CB21
5E555CB66
5E555CB69
5E555CC03
5E555DA01
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB53
5E555DC43
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】医療システムを提供すること。
【解決手段】一実施形態では、医療システムは、生きている対象の身体部分に挿入されるように構成されたカテーテルと、ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供するように構成されたディスプレイと、プロセッサであって、身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることと、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することと、ユーザによるカテーテルの一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
生きている対象の身体部分に挿入されるように構成されたカテーテルと、
ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供するように構成されたディスプレイと、
プロセッサであって、
前記身体部分内の前記カテーテルの位置を追跡することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、医療システム。
【請求項2】
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の画像を捕捉するように構成されたカメラを更に備え、前記プロセッサが、前記カテーテルの前記追跡された位置及び前記捕捉された画像に応答して、前記カテーテルの前記一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記ヘッドマウント装置が、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現と、前記カメラによって捕捉された前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記画像と、を前記ディスプレイに同時にレンダリングするように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記ヘッドマウント装置が、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを含む仮想物体で前記ディスプレイを増強しながら、前記ディスプレイを通して視認可能な、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを提供するように構成された光学シースルーディスプレイを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記カテーテルが、複数の電極を含み、
前記プロセッサが、前記電極の位置を追跡するように構成されており、
前記プロセッサが、前記カテーテルの前記電極のうちの1つの電極を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つの電極が、前記身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、
前記プロセッサが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを認識することに応答して、心内電位図を前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電極のうちの前記1つが、前記身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、
前記プロセッサが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ジェスチャが、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記プロセッサが、
前記ヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルが、拡張可能な遠位端アセンブリと、前記拡張可能な遠位端アセンブリ上に配設されている複数の電極と、を備え、
前記プロセッサが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
医療方法であって、
ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイ上に提供することと、
生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を含む、医療方法。
【請求項12】
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の画像を捕捉することを更に含み、前記認識することが、前記カテーテルの前記追跡された位置及び前記捕捉された画像に応答して、前記カテーテルの前記一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ディスプレイが、前記ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれ、
前記レンダリングすることが、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現と、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記捕捉された画像と、を前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記提供することが、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを含む仮想物体で前記ディスプレイを増強しながら、前記ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれる光学シースルーディスプレイを通して視認可能な、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記カテーテルの電極の位置を追跡することを更に含み、前記認識することが、前記カテーテルの前記電極のうちの1つの電極を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つの電極によって、前記身体部分の組織から電気活動を感知することを更に含み、前記レンダリングすることが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを前記認識することに応答して、心内電位図を前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つの電極によって、前記身体部分の組織から電気活動を感知することと、
前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを前記認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ジェスチャが、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザによって着用されたヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することを更に含み、前記レンダリングすることが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記レンダリングすることが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記カテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、
ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行わせる、ソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用デバイスに関し、特に、但し限定することなく、カテーテルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療処置は、カテーテルなどのプローブを患者の身体内に配置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、位置感知システムが開発されてきた。磁気的位置感知は、当該技術分野において既知の方法のうちの1つである。磁気的位置感知において、磁界発生器は通常、患者の外部の既知の位置に配置される。プローブの遠位端内の磁界センサは、これらの磁界に応答して電気信号を生成し、これらの信号は、プローブの遠位端の座標位置を判定するために処理される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に説明されている。位置はまた、インピーダンス又は電流ベースのシステムを使用して追跡されてもよい。
【0003】
これらのタイプのプローブ又はカテーテルが極めて有用であると証明されている医療処置の1つは、心不整脈の治療におけるものである。心不整脈及び特に心房細動は、特に老年人口では、一般的かつ危険な病状として持続している。
【0004】
心不整脈の診断及び治療には、心臓組織、とりわけ心内膜の電気的特性をマッピングすること、及びエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、不要な電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか又は修正することができる。アブレーションプロセスは、非導電性の損傷部を形成することによって不要な電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作るためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングの後にアブレーションを行う2工程の処置において、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを含むカテーテルを心臓の内部に前進させ、複数のポイントでデータを得ることによって、心臓内の各ポイントにおける電気活動が感知及び測定される。次いで、これらのデータを利用して、このアブレーションを行うべき心内膜の標的領域を選択する。
【0005】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは、心臓内の電気活動を刺激及びマッピングし、異常な電気活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈に挿入された後、関心の心臓の心腔内へとガイドされる。典型的なアブレーション処置は、その遠位端に1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを心腔内に挿入することを伴う。参照電極は、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって提供され得る。RF(高周波)電流をアブレーションカテーテルの先端電極を通して印加し、先端電極と不関電極との間の先端電極の周囲の媒質、すなわち、血液及び組織に電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触する電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、心臓組織内に非導電性である損傷部が形成される。
【0006】
したがって、アブレーションカテーテル又は他のカテーテルを体内、特に心内膜組織近くに配置させる場合、カテーテルの遠位先端部をその組織と直接接触させることが望ましい。この接触は、例えば、遠位先端部と体組織との間の接触を測定することによって、確かめることができる。米国特許出願公開第2007/0100332号、同第2009/0093806号、及び同第2009/0138007号には、カテーテル内に埋め込まれた力センサを使用して、カテーテルの遠位先端部と、体腔内の組織との間の接触圧力を検知する方法が記載されている。
【0007】
米国特許第5,935,079号、同第5,891,095号、同第5,836,990号、同第5,836,874号、同第5,673,704号、同第5,662,108号、同第5,469,857号、同第5,447,529号、同第5,341,807号、同第5,078,714号、及びカナダ特許出願第2,285,342号を含むいくつかの参考文献には、電極と組織との接触を判定するための方法が報告されている。これらの参考文献のうちのいくつか、例えば、米国特許第5,935,079号、同第5,836,990号、及び同第5,447,529号では、先端電極とリターン電極との間のインピーダンスを測定することによって、電極と組織との接触が判定されている。’529号特許に開示されているように、血液を通るインピーダンスは、組織を通るインピーダンスよりも低いことが一般に知られている。したがって、組織接触は、一組の電極全体のインピーダンス値を、1つの電極が組織と接触していることが分かっているとき及び、1つの電極が血液のみと接触していることが分かっているときに予め測定されたインピーダンス値と比較することによって検出されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の更に別の実施形態によれば、医療システムであって、生きている対象の身体部分に挿入されるように構成されたカテーテルと、ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供するように構成されたディスプレイと、プロセッサであって、身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることと、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することと、ユーザによるカテーテルの一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、医療システム、が提供される。
【0009】
更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、ユーザの手の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成されたカメラを備え、プロセッサは、カテーテルの追跡された位置及び捕捉された画像に応答して、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識するように構成されている。
【0010】
また更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、ユーザによって着用されるように構成され、かつディスプレイを含むヘッドマウント装置を備え、ヘッドマウント装置は、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現と、カメラによって捕捉されたユーザの手の少なくとも一部の画像とをディスプレイに同時にレンダリングするように構成されている。
【0011】
追加的に、本開示の一実施形態によれば、システムは、ユーザによって着用されるように構成され、かつディスプレイを含むヘッドマウント装置を含み、ヘッドマウント装置は、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とを含む仮想物体でディスプレイを増強しながら、ディスプレイを通して視認可能な、ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供するように構成された光学シースルーディスプレイを備える。
【0012】
更に、本開示の一実施形態によれば、カテーテルは、複数の電極を含み、プロセッサは、電極の位置を追跡するように構成されており、プロセッサは、カテーテルの電極のうちの1つの電極を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識するように構成されている。
【0013】
更に、本開示の一実施形態によれば、1つの電極は、身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、プロセッサは、感知された電気活動及び1つの電極を選択するジェスチャを認識することに応答して、心内電位図をディスプレイにレンダリングするように構成されている。
【0014】
また更に、本開示の一実施形態によれば、電極のうちの1つは、身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、プロセッサは、感知された電気活動及び1つの電極を選択するジェスチャを認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成するように構成されている。
【0015】
追加的に、本開示の一実施形態によれば、ジェスチャは、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む。
【0016】
更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、ユーザによって着用されるように構成され、かつディスプレイを含むヘッドマウント装置を備え、プロセッサは、ヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することと、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、仮想カメラから見た、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている。
【0017】
更に、本開示の一実施形態によれば、カテーテルは、拡張可能な遠位端アセンブリと、拡張可能な遠位端アセンブリ上に配設されている複数の電極とを備え、プロセッサは、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングするように構成されている。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、医療方法であって、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイ上に提供することと、生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることと、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することと、ユーザによるカテーテルの一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を含む、医療方法、も提供される。
【0019】
また更に、本開示の一実施形態によれば、方法は、ユーザの手の少なくとも一部の画像を捕捉することを含み、認識することは、カテーテルの追跡された位置及び捕捉された画像に応答して、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することを含む。
【0020】
追加的に、本開示の一実施形態によれば、ディスプレイは、ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれ、レンダリングすることは、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現と、ユーザの手の少なくとも一部の捕捉された画像とをディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0021】
更に、本開示の一実施形態によれば、提供することは、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とを含む仮想物体でディスプレイを増強しながら、ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれる光学シースルーディスプレイを通して視認可能な、ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供することを含む。
【0022】
更に、本開示の一実施形態によれば、方法は、カテーテルの電極の位置を追跡することを含み、認識することは、カテーテルの電極のうちの1つの電極を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することを含む。
【0023】
また更に、本開示の一実施形態によれば、方法は、1つの電極によって、身体部分の組織から電気活動を感知することを含み、レンダリングすることは、感知された電気活動及び1つの電極を選択するジェスチャを認識することに応答して、心内電位図をディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0024】
追加的に、本開示の一実施形態によれば、方法は、1つの電極によって、身体部分の組織から電気活動を感知することと、感知された電気活動及び1つの電極を選択するジェスチャを認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成することと、を含む。
【0025】
更に、本開示の一実施形態によれば、ジェスチャは、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む。
【0026】
更に、本開示の一実施形態によれば、方法は、ユーザによって着用されたヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することを含み、レンダリングすることは、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、仮想カメラから見た、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0027】
また更に、本開示の一実施形態によれば、レンダリングすることは、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、カテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0028】
また、本開示の更に別の実施形態によれば、プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、CPUに、生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、追跡された位置に応答して、解剖学的マップ内のカテーテルの表現とをディスプレイにレンダリングすることと、カテーテルの一部分を選択する、ユーザの手の少なくとも一部のジェスチャを認識することと、ユーザによるカテーテルの一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行わせる、ソフトウェア製品、も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
図1】本発明の実施形態に従って構築され、動作する医療システムの概略図である。
図2図1のシステムで使用するための、身体部分内のカテーテルを示す概略図である。
図3】ジェスチャを実行する手のビューを提供し、かつ身体部分の解剖学的マップの内部と、解剖学的マップ内の図2のカテーテルの表現とをレンダリングするディスプレイの概略図である。
図4図1のシステムの操作方法における工程を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
概論
前述のように、マッピングの後にアブレーションを行う2工程の手技において、通常、1つ又は2つ以上の電極を備えるカテーテルを心臓の中に前進させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気的活動を感知し、測定している。次いで、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的領域が選択される。
【0031】
具体的には、電気活動は、不整脈の発生源を見出すために、医師による分析のための心内電位図(IEGM)トレースとして表示され得る。心臓内の組織と接触していないカテーテル電極は、一般に心臓組織からの何らかの電気信号及び遠距離場信号を測定する。カテーテル電極が心臓組織と接触している場合には、信号の振幅は主に組織の導電率に基づき、遠距離場は小さい。したがって、医師は一般に、組織と接触している電極のIEGMトレースを分析することに注力する。
【0032】
1つ又は2つ以上の電極を有するフォーカルカテーテルの場合、典型的には、医師による分析のために表示されるIEGMトレースは1本である。医師は、信号を供給しているカテーテル電極が組織と接触しているか否かを信号の形態に基づいて迅速に判定することができる。しかしながら、様々な組織位置から電気的活動を同時に捕捉する多電極カテーテルは、単一のディスプレイ上に複数のIEGMトレースのデータを同時に表示する場合がある。場合によっては、IEGMトレースの数が多すぎて、どのIEGMトレースが組織と接触している電極によって供給されており、どのIEGMトレースがそうでないのかを医師が簡単に判断できないことがある。
【0033】
多電極カテーテルの一例に、米国カリフォルニア州アーバインのBiosense Webster Inc.製の48以上の電極を備えるOctaray(登録商標)カテーテルがある。Octarayは、シャフトの遠位端に配置された8本の偏向可能なアームを含み、偏向可能なアームのそれぞれが6つの電極を含む。バスケットカテーテルなどの一部のカテーテルは、より多くの電極、例えば、限定するものではないが、120個の電極を含み得る。
【0034】
上述のマッピング中に電極の接触を判定する必要性に加えて、効果的なアブレーションは一般にアブレーション電極と組織との間の十分な接触を必要とするため、アブレーション処置を実行する医師は、電極と組織との接触を監視する。電極の数が少ない場合には、接触の監視は、電極で観察されるインピーダンスや電極に加えられる力などの接触の程度を数値又はグラフで表示することによって行うことができる。しかしながら、アブレーション処置で使用される活性電極の数が増加するのに伴い、医師が個々の電極の任意のパラメータを監視することが次第に困難になる。電極接触の場合、この問題は、ほとんどの場合に接触の変化に伴って接触を測定するパラメータも変化するという事実によって悪化する。
【0035】
本発明の実施形態は、マッピング又はアブレーション処置などの医療処置中に、心室などの身体部分の解剖学的マップ内のカテーテル及びその電極の三次元(3D)表現をユーザが見るユーザインターフェースを提供することによって、上記の問題を解決する。解剖学的マップは、以前のアブレーションポイント又は電気的活性化情報などの情報を識別する構造特徴部及び/又はタグを含み得る。次いで、ユーザは、例えば、どの電極が、身体部分の組織と十分に接触しているかなど、身体部分(及びその特徴)に対してカテーテルを容易に見ることができる。ユーザの1つ又は複数の手(又はその一部)もまた、ユーザが、電極のうちの1つ又は2つ以上などのカテーテルの一部分を選択するための(ソフトウェアによって認識される)手のジェスチャをすることができるように、カテーテルの表現及び解剖学的マップと共に、(以下により詳細に記載される、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)のシースルーディスプレイを使用することによって、又は室内若しくはHMD上に取り付けられたカメラで手の画像を捕捉することを介して)スクリーン上に示され得る。次いで、選択に関連付けられたアクション、例えば、選択された電極によって感知されたIEGMを表示することか、又は選択された電極から電気解剖学的マップ内へ電気活動を捕捉することが、実行され得る。異なるジェスチャタイプを使用して、異なるアクションを実行することができる。例えば、ユーザは、ある電極を指差して、その電極に関連付けられたIEGMを見るか、又はある電極をつまんで、マッピングのためにその電極を選択することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ユーザは、アイレベルビデオ表示画面と、前方向きカメラとを含むHMDを着用する。カメラは、ユーザの手(又はその一部)の画像を捕捉し、手(又はその一部)の画像を、3Dカテーテル表現及び解剖学的マップの内部3Dビューと共に、アイレベルビデオ表示画面上に表示する。手の画像及び/又はカテーテル表現は、ユーザの1つ又は複数の指が単一の電極を容易に選択することができる一方、指が、カテーテル上の任意の電極を選択するために容易に動き回ることができるように、適宜スケーリングされる。いくつかの実施形態では、カテーテル表現及び解剖学的マップの内部は、ユーザが(HMD)を、例えば、異なる向き及び/又は位置に移動させることによって操作され得る仮想カメラの視点から見ることができる。いくつかの実施形態では、仮想カメラは、カテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリ(例えば、バスケット)の内部に配設され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、HMDは、カテーテルの追跡された位置に応答して、カテーテルの3D表現と、身体部分の解剖学的マップの内部の3Dビューとを含む仮想物体でディスプレイを増強しながら、ディスプレイを通して見られる手(又はその一部)のビューを提供する光学シースルーディスプレイを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、手のビュー、カテーテルの表現、及び解剖学的マップの内部は、ディスプレイモニタ、タブレット、又は任意の好適なディスプレイデバイス上に表示され得る。
【0039】
システムの説明
本発明の実施形態に従って構築され動作する医療システム20の概略図である、図1をこれより参照する。システム20は、生きている対象(例えば、患者28)の身体部分に挿入されるように構成されたカテーテル40を含む。医師30は、カテーテル40(例えば、米国カリフォルニア州アーバインのBiosense Webster,Inc.が製造したバスケットカテーテル)を、カテーテル40の近位端付近のマニピュレータ32及び/又はシース23からの偏向を使用して、カテーテル40の細長い偏向可能な要素22を操作することによって、患者28の心臓26の目標位置に誘導する。図示された実施形態では、医師30は、カテーテル40を使用して、心臓腔の電気解剖学的マッピング及び心臓組織のアブレーションを実行する。
【0040】
カテーテル40は、拡張可能な遠位端アセンブリ35(例えば、バスケットアセンブリ)を含み、遠位端アセンブリ35は、折り畳まれた構成でシース23を通って挿入され、カテーテル40がシース23を出た後にのみ、遠位端アセンブリ35は、その意図された機能形状を取り戻す。遠位端アセンブリ35を折り畳まれた構成で収容することにより、シース23はまた、標的位置に到達するまでの途中での血管外傷を最小限に抑える働きをする。
【0041】
カテーテル40は、電気活動を感知するための、及び/又はアブレーション電力を印加して身体部分の組織をアブレーションするための、拡張可能な遠位端アセンブリ35上に配置された複数の電極48を含む。カテーテル40はまた、拡張可能な遠位端アセンブリ35の近位の偏向可能な要素22上に配設された近位電極21を含み得る。カテーテル40は、偏向可能な要素22の遠位縁部(すなわち、遠位端アセンブリ35の近位縁部)に磁気位置センサ(図示せず)を組み込み得る。必ずしもそうではないが、典型的には、磁気センサは、単軸センサ(Single-Axis Sensor、SAS)である。第2の磁気センサ(図示せず)が、アセンブリ35上の任意の好適な位置に含まれてもよい。第2の磁気センサは、例えば、サイズを考慮して、一例として、三軸センサ(Triple-Axis Sensor、TAS)又は二軸センサ(Dual-Axis Sensor、DAS)、又はSASであってもよい。アセンブリ35上に配設された磁気センサ、近位電極21、及び電極48は、偏向可能な要素22を通って延びるワイヤによって、コンソール24内の様々な駆動回路に接続される。
【0042】
いくつかの実施形態では、システム20は、磁気センサの間の距離からバスケットアセンブリ35の伸長を推定することによって、心臓26の心臓腔内において、カテーテル40のバスケットアセンブリ35の楕円率、及びその伸長/格納状態を推定する磁気感知サブシステムを備える。患者28は、ユニット43によって駆動される1つ又は2つ以上の磁場発生器コイル42を含むパッドによって発生した磁場内に置かれる。コイル42によって発生した磁場は、身体部分が位置する領域に交番磁場を送信する。送信された交番磁場は、位置及び/又は方向を示す磁気センサ内の信号を生成する。生成された信号は、コンソール24に送信され、プロセッサ41への対応する電気入力となる。
【0043】
外部磁場及び磁気センサを使用する位置及び/又は方向の感知方法は、様々な医療用途において、例えば、Biosense-Webster製のCARTO(登録商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び、同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に記載されている。
【0044】
典型的には汎用コンピュータの一部であるプロセッサ41は、好適なフロントエンド及びインターフェース回路44を介して更に接続されて、身体表面電極49から信号を受信する。プロセッサ41は、ケーブル39を通して患者28の胸部まで延びるワイヤによって、身体表面電極49に接続される。
【0045】
一実施形態では、プロセッサ41は、カテーテル40の算出された位置座標に応答して、カテーテル40の少なくとも一部の表現31及びマッピングされた身体部分(例えば、解剖学的又は電気解剖学的マップ)をディスプレイ27にレンダリングする。
【0046】
プロセッサ41は、通常、本明細書に記載の機能を実施するようにソフトウェアでプログラムされる。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードされてもよい。あるいは代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの非一時的実体的媒体に提供及び/又は記憶されてもよい。
【0047】
医療システム20はまた、カテーテル40に接続され、電極48のうちの1つ又は2つ以上と近位電極21との間に電気信号を印加するように構成されたアブレーション電力発生器69(RF信号発生器など)を含み得る。医療システム20はまた、灌注液を貯蔵するように構成された灌注リザーバ71と、灌注リザーバ71及びカテーテル40に接続されるように構成され、灌注液を灌注リザーバ71から灌注管を介し、カテーテル40の灌注孔を通してポンプ輸送するように構成されたポンプ73と、を含み得る。
【0048】
図1に示される実施例の例解は、単に概念を分かりやすくする目的で選択されている。図1は、簡略化及び明確にするため、開示技法に関する要素のみを示す。システム20は、典型的に、開示される技術には直接関連せず、したがって図1及び対応する説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を備える。システム20の要素、及び本明細書に記載の方法は、例えば、心臓26の組織のアブレーションを制御するために、更に適用されてもよい。
【0049】
カテーテル40は、本明細書ではバスケットカテーテルとして記載されている。拡張可能な遠位端アセンブリ35は、任意の好適な数のスプラインと、任意の好適な数の電極と、スプラインごとの任意の好適な数の電極と、を含み得る。カテーテル40は、任意の好適なカテーテルタイプ、例えば、バルーンカテーテル、投げ縄型カテーテル、グリッド形状カテーテル、又は可撓性スプラインの遠位端が一緒に接続されていない可撓性スプラインカテーテルとして実装され得る。
【0050】
ここで、図2を参照すると、図2は、図1のシステム20内で使用するための、心臓26などの身体部分内のカテーテル40を示す概略図である。図2は、拡張可能な遠位端アセンブリ35上の電極48のいくつか(図2に見ることができるもの-単純化のために、一部のみがラベル付けされている)は、心臓26の組織と接触していない一方で、他の電極48(図2では見えないが、矢印75を使用して示されている)は、心臓26の組織と接触していることを示す。カテーテル40及び電極48のポジシヨン(位置及び向き)は、任意の好適な追跡方法、例えば、図1を参照して上述した方法を使用して追跡され得る。
【0051】
医師30又は医療システム20の別のユーザは、ディスプレイ27(図1)などのディスプレイ、又は表示画面81を含むヘッドマウント装置79(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD))を使用して、身体部分に対するカテーテル40及び電極48の位置を見ることができる。カテーテル40、電極48、及び身体部分の内部は、(図2に示されるように)身体部分内及び/又は拡張可能な遠位端アセンブリ35内に実質的に配置され、医師30によって操作され得る仮想カメラ83から見ることができる。仮想カメラ83は、ユーザインターフェース(ジョイスティックなど)を使用して、及び/又はヘッドマウント装置79を移動させることによって、操作され得る。図2は、仮想カメラ83の視野を示す点線85を示す。
【0052】
医師30は、手のジェスチャを使用して、電極48のうちの1つ又は2つ以上を含む、カテーテル40の一部分を選択し得る。図3を参照して以下により詳細に説明されるように、医師30が、ディスプレイ81上で、カテーテル40の表現及び電極48に対する自分の手を見ることができるように、医師30の手(若しくはその一部)(又は手の画像)も、ディスプレイ81(又は他の好適なディスプレイ)上に示され得る。
【0053】
手のジェスチャは、カメラ77で捕捉された画像を分析することによって追跡され得る。カメラ77は、医療処置が実行されている部屋内、又はヘッドマウント装置79の前面上、又は任意の適切な位置に配設され得る。代替的又は追加的に、手のジェスチャは、任意の好適な追跡技術、例えば、グローブを着用している医師30の手及び指の動きを追跡するために、グローブ内にセンサを有する仮想現実グローブを使用するグローブベースの技術を使用して、追跡され得る。センサとしては、以下のセンサ、すなわち、指の曲げを測定するための機械式、ピエゾ抵抗式、又は光ファイバー式のうちの1つ又は2つ以上が挙げられ得る。他のセンサとしては、手の動きを追跡するためのジャイロスコープ、加速度計、及び/又は磁力計が挙げられる。グローブからの信号は、プロセッサ41に送信されて、手の動き及び/又はジェスチャを識別するためにソフトウェアによって処理される。
【0054】
ヘッドマウント装置79は、医師30(又は任意の好適なユーザ)によって着用されるように構成されている。本明細書で医師30があるタスクを実行していると記載されるとき、そのタスクは、任意の好適なユーザによっても実行され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ81は、医師30の手が自分の前に配置されているときに医師30がディスプレイ81を通して自分の手(又はその一部)を見ることができる光学シースルーディスプレイを備える。他の実施形態では、ディスプレイ81は、図3を参照してより詳細に説明されるように、カメラ77によって捕捉された手(又はその一部)の画像(例えば、ビデオ)がディスプレイ81上に示される、アイレベルビデオディスプレイである。
【0055】
ここで、図3を参照する。図3は、ジェスチャを実行している手のビュー87と、身体部分の解剖学的マップ89の内部のレンダリングと、解剖学的マップ89内の図2のカテーテル40の表現91のレンダリングとを提供するディスプレイ81の概略図である。図2も参照する。
【0056】
図3は、電極48が身体部分の組織に対向している(すなわち、図3の図面のページ内に向かっている)ので、拡張可能な遠位端アセンブリ35の電極48が隠れて見えない状態の拡張可能な遠位端アセンブリ35の内側を示す。医師30が、「隠れた」電極48を見て選択することを可能にするために、電極48の位置は、表現93として、表現91上に示されている(簡略化のために一部のみがラベル付けされている)。図3は、表現93のうちの1つの上でつまむアクションを実行している手(ビュー87)を示す。次いで、対応する電極48が、選択される。図3の例では、つまむアクションは、選択された電極48によって感知されたIEGM95の表示を引き起こす。いくつかの実施形態では、表現91は、「隠れた」電極48の位置を見るために、半透明レンダリングを使用してカテーテル40を示してもよい。
【0057】
ヘッドマウント装置79のディスプレイ81が光学シースルーディスプレイを備える実施形態では、ディスプレイ81上に見られるビュー87は、自分の前に配置された医師30の実際の手である。次いで、手が、解剖学的マップ89及びカテーテル40の表現91と共に見られるように、解剖学的マップ89及び表現91(表現93を含む)が、ディスプレイ81上に増強される。手の動きは、カメラ77によって捕捉された画像に基づいて、又は医師30によって着用された追跡グローブ若しくは任意の好適な方法を使用して、カテーテル40を追跡するために使用される座標フレームに位置合わせされ得る。表現91及び解剖学的マップ89のサイズは、1本の指で指差す又は2本の指でつまむなどのジェスチャを使用して、単一の電極を容易に選択し得るように、(手の実際の捕捉された画像に基づいて、又は手の推定されたサイズに基づいてのいずれかで)ディスプレイ81上で見られる手のサイズに従ってスケーリングされる。
【0058】
ヘッドマウント装置79のディスプレイ81がアイレベルビデオディスプレイである実施形態では、ビュー87は、カメラ77によって捕捉された手(又はその一部)の画像(例えば、ビデオ)を含む。ビュー87、解剖学的マップ89、及び表現91(表現93を含む)が、プロセッサ41によってディスプレイ81にレンダリングされる。手の動きは、カメラ77によって捕捉された画像に基づいて、又は医師30によって着用される追跡グローブ若しくは任意の好適な方法を使用して、カテーテル40を追跡するために使用される座標フレームに位置合わせされ得る。手のビュー87、及び/又は表現91、並びに解剖学的マップ89のサイズは、1本の指で指差す又は2本の指でつまむなどのジェスチャを使用して単一の電極を容易に選択し得るようにスケーリングされ得る。
【0059】
ここで図4を参照すると、図4は、図1のシステム20の操作方法における工程を含むフローチャート100である。図2も参照する。フローチャート100を参照して以下に説明される工程は、工程が所与の処理順序を必要としない限り、任意の好適な順序で実行されてもよく、工程のいくつかは同時に実行されてもよい。
【0060】
カテーテル40は、生きている対象の身体部分(例えば、心臓26の心腔)に挿入されるように構成されている。カテーテル40の電極48、及びカテーテル40の電極48は、身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されている。プロセッサ41(図1)は、身体部分内のカテーテル40の位置(例えば、位置、向き、及びローリング)を追跡する(ブロック102)ように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、カテーテル40の電極48の位置を追跡するように構成されている。任意の好適な追跡方法、例えば、図1を参照して上述した追跡方法が使用され得る。
【0061】
カメラ77を含む実施形態では、カメラ77は、医師30の手(又はその一部)の少なくとも1つの画像(例えば、ビデオ)を捕捉する(ブロック104)ように構成されている。
【0062】
ディスプレイ81は、医師30の手(又はその一部)のビュー87(図3)を提供する(ブロック106)ように構成されている。ヘッドマウント装置79のディスプレイ81が光学シースルーディスプレイを備える実施形態では、ディスプレイ81上に見られるビュー87は、自分の前に配置された医師30の実際の手である。ヘッドマウント装置79のディスプレイ81がアイレベルビデオディスプレイである実施形態では、ビュー87は、カメラ77によって捕捉された手(又はその一部)の画像(例えば、ビデオ)を含み、プロセッサ41は、手(又はその一部)の画像をディスプレイ81にレンダリングするように構成されている。
【0063】
プロセッサ41は、医師30の手(又はその一部)のビュー87をディスプレイ81が提供している間、身体部分の解剖学的マップ89の内部の三次元ビューと、カテーテル40の追跡された位置に応答して、解剖学的マップ89内のカテーテル40の表現91(及び電極48の表現93)とをディスプレイ81にレンダリングする(ブロック108)ように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、医師30の手(又はその一部)のビューをディスプレイ81が提供している間、仮想カメラ83から見た、身体部分の解剖学的マップ89の内部の三次元ビューと、解剖学的マップ89内のカテーテル40の表現91(及び電極48の表現93)とをディスプレイ81にレンダリングするように構成されている。仮想カメラ83は、任意選択で、カテーテル40の拡張可能な遠位端アセンブリ35の内部に配設される。
【0064】
ディスプレイ81がヘッドマウント装置79に含まれるビデオディスプレイであるいくつかの実施形態では、ディスプレイ81は、身体部分の解剖学的マップ89の内部の三次元ビューと、カテーテル40の追跡された位置に応答して、解剖学的マップ89内のカテーテル40の表現91(及び電極48の表現93)と、カメラ77によって捕捉された画像(例えば、ビデオ)に含まれる医師30の手(又はその一部)のビュー87と、をディスプレイ81に同時にレンダリングする(ブロック110)ように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、医師30によって着用された仮想現実グローブに基づいて、ビュー87を生成するように構成され得る。
【0065】
ディスプレイ81がヘッドマウント装置79に含まれ、かつ光学シースルーディスプレイを含むいくつかの実施形態では、光学シースルーディスプレイは、身体部分の解剖学的マップ89の内部の三次元ビューと、カテーテル40の追跡された位置に応答して、解剖学的マップ89内のカテーテル40の表現91(及び電極48の表現93)とを含む仮想物体でディスプレイ81を増強しながら、ディスプレイ81を通して視認可能な医師30の手(又はその一部)のビューを提供する(ブロック112)ように構成されている。
【0066】
いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、ヘッドマウント装置79又は任意の好適なユーザインターフェース(ジョイスティックなど)の動きに応答して、仮想カメラ83を操作するユーザ入力を受信する(ブロック114)ように構成されている。仮想カメラ83の動きに応答して、ディスプレイ81内に示される表現91及び解剖学的マップ89のビューが変化する。
【0067】
プロセッサ41は、カテーテル40の一部分及び/又はカテーテル40の電極48のうちの1つを選択する、医師30の手(又はその一部)のジェスチャを認識する(ブロック116)ように構成されている。プロセッサ41は、カメラ77によって捕捉された画像の分析、及び/又はディスプレイ81に表示された画像の分析、及び/又は、例えば、追跡グローブの動きなどの他のジェスチャ追跡方法に基づいて、ジェスチャを認識し得る。カテーテル40の一部分又は電極48のうちの1つへの手又は指の近接は、ディスプレイ81に表示された画像の分析、及び/又は手又は指の追跡された位置に対するカテーテル40及び/又は電極48の追跡された位置から判定され得る。ジェスチャは、以下、例として、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含み得る。
【0068】
プロセッサ41は、医師30によるカテーテル40の一部分の(又は電極48のうちの1つの)選択を認識することに応答して、アクションを実行する(ブロック118)ように構成されている。次に例示的なアクションが続く。いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、選択された電極48の感知された電気活動及びその電極48を選択するジェスチャを認識することに応答して、IEGM95をディスプレイ81にレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、選択された電極48の感知された電気活動及びその電極48を選択するジェスチャを認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成するように構成されている。
【0069】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0070】
本発明の様々な特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これらも単一の実施形態に組み合わされて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0071】
上述の実施形態は、例として引用されており、本発明は、上記の明細書に具体的に図示及び記載されたものに限定されない。むしろ本発明の範囲は、上記の明細書で説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、従来技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
生きている対象の身体部分に挿入されるように構成されたカテーテルと、
ユーザの手の少なくとも一部のビューを提供するように構成されたディスプレイと、
プロセッサであって、
前記身体部分内の前記カテーテルの位置を追跡することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、医療システム。
(2) 前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の画像を捕捉するように構成されたカメラを更に備え、前記プロセッサが、前記カテーテルの前記追跡された位置及び前記捕捉された画像に応答して、前記カテーテルの前記一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記ヘッドマウント装置が、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現と、前記カメラによって捕捉された前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記画像と、を前記ディスプレイに同時にレンダリングするように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記ヘッドマウント装置が、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを含む仮想物体で前記ディスプレイを増強しながら、前記ディスプレイを通して視認可能な、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを提供するように構成された光学シースルーディスプレイを備える、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記カテーテルが、複数の電極を含み、
前記プロセッサが、前記電極の位置を追跡するように構成されており、
前記プロセッサが、前記カテーテルの前記電極のうちの1つの電極を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0073】
(6) 前記1つの電極が、前記身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、
前記プロセッサが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを認識することに応答して、心内電位図を前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記電極のうちの前記1つが、前記身体部分の組織から電気活動を感知するように構成されており、
前記プロセッサが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記ジェスチャが、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む、実施態様5に記載のシステム。
(9) 前記ユーザによって着用されるように構成され、かつ前記ディスプレイを含むヘッドマウント装置を更に備え、前記プロセッサが、
前記ヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記カテーテルが、拡張可能な遠位端アセンブリと、前記拡張可能な遠位端アセンブリ上に配設されている複数の電極と、を備え、
前記プロセッサが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0074】
(11) 医療方法であって、
ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイ上に提供することと、
生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、
前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を含む、医療方法。
(12) 前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の画像を捕捉することを更に含み、前記認識することが、前記カテーテルの前記追跡された位置及び前記捕捉された画像に応答して、前記カテーテルの前記一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記ディスプレイが、前記ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれ、
前記レンダリングすることが、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現と、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記捕捉された画像と、を前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記提供することが、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを含む仮想物体で前記ディスプレイを増強しながら、前記ユーザによって着用されるヘッドマウント装置に含まれる光学シースルーディスプレイを通して視認可能な、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを提供することを含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記カテーテルの電極の位置を追跡することを更に含み、前記認識することが、前記カテーテルの前記電極のうちの1つの電極を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ジェスチャを認識することを含む、実施態様11に記載の方法。
【0075】
(16) 前記1つの電極によって、前記身体部分の組織から電気活動を感知することを更に含み、前記レンダリングすることが、前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを前記認識することに応答して、心内電位図を前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記1つの電極によって、前記身体部分の組織から電気活動を感知することと、
前記感知された電気活動及び前記1つの電極を選択する前記ジェスチャを前記認識することに応答して、電気解剖学的マップを生成することと、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記ジェスチャが、以下、すなわち、つまむジェスチャ、指差すジェスチャ、又は触れるジェスチャのうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記ユーザによって着用されたヘッドマウント装置の動きに応答して、仮想カメラを操作するユーザ入力を受信することを更に含み、前記レンダリングすることが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記レンダリングすることが、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部の前記ビューを前記ディスプレイが提供している間、前記カテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリ内に配設された仮想カメラから見た、前記身体部分の前記解剖学的マップの前記内部の前記三次元ビューと、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの前記表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、実施態様11に記載の方法。
【0076】
(21) プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生きている対象の身体部分内のカテーテルの位置を追跡することと、
ユーザの手の少なくとも一部のビューをディスプレイが提供している間、前記身体部分の解剖学的マップの内部の三次元ビューと、前記追跡された位置に応答して、前記解剖学的マップ内の前記カテーテルの表現とを前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記カテーテルの一部分を選択する、前記ユーザの前記手の前記少なくとも一部のジェスチャを認識することと、
前記ユーザによる前記カテーテルの前記一部分の選択を認識することに応答して、アクションを実行することと、を行わせる、ソフトウェア製品。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】