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特開2022-180404抗CD33免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180404
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】抗CD33免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20221129BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20221129BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20221129BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221129BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221129BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20221129BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20221129BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20221129BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20221129BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20221129BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20221129BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20221129BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C07K19/00
C12N15/63 Z
C12N5/10
A61P35/00
A61P37/04
A61P35/02
A61K35/17 Z
C12N15/13
C12N15/12
C07K16/28
C07K14/705
C12N5/0783
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139092
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2019552109の分割
【原出願日】2018-03-23
(31)【優先権主張番号】62/476,438
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/620,139
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517435353
【氏名又は名称】レンティジェン・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LENTIGEN TECHNOLOGY, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】514124403
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディミトロフ,ディミタ・エス
(72)【発明者】
【氏名】オレンタス,リマス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ディナ
(72)【発明者】
【氏名】ドロプリク,ボロ
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ゾンユイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、抗原結合性断片、および医薬組成物を含む、CD33抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。対象におけるがんを処置または予防する方法、およびキメラ抗原受容体T細胞を作製する方法も提供する。
【解決手段】特定の配列を含むヌクレオチド配列によりコードされるCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、単離された核酸分子を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1、3、5、7、9、または11を含むヌクレオチド配列によりコードされるCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、単離された核酸分子。
【請求項2】
コードされる前記少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項3】
コードされる前記少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項4】
コードされる前記少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続されている、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項5】
コードされる前記リンカーまたはスペーサードメインが、CD8、TNFRSF19、またはCD28の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメイン連結されている、請求項4に記載の単離された核酸分子。
【請求項6】
コードされる前記細胞外CD33抗原結合性ドメインに、リーダーペプチドをコードするリーダーヌクレオチド配列が先行する、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
前記リーダーヌクレオチド配列が、配列番号14のリーダーアミノ酸配列をコードする配列番号13、または配列番号40のリーダーアミノ酸配列をコードする配列番号39、または配列番号42のリーダーアミノ酸配列をコードする配列番号41、または配列番号44のリーダーアミノ酸配列をコードする配列番号43を含むヌクレオチド配列を含む、請求項6に記載の単離された核酸分子。
【請求項8】
前記膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD8、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD83、CD86、CD134、CD137、CD154、およびTNFRSF19、またはそれらの任意の組合せを含むタンパク質の膜貫通ドメインを含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項9】
前記細胞外CD33抗原結合性ドメインをコードする核酸配列が、配列番号1、3、5、7、9、もしくは11、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む核酸配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項10】
コードされる前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインをさらに含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項11】
コードされる前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインに対してC末端側に配置されている、請求項10に記載の単離された核酸分子。
【請求項12】
コードされる前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の単離
された核酸分子。
【請求項13】
コードされる前記少なくとも1つの共刺激ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)の機能的シグナル伝達ドメイン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項12に記載の単離された核酸分子。
【請求項14】
請求項1に記載の単離された核酸分子によりコードされるキメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項15】
配列番号2、4、6、8、10、または12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含む、請求項14に記載のCAR。
【請求項16】
前記CD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、請求項15に記載のCAR。
【請求項17】
前記CD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、請求項15に記載のCAR。
【請求項18】
前記膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD8、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、およびTNFRSF19、またはそれらの任意の組合せを含むタンパク質の膜貫通ドメインを含む、請求項15に記載のCAR。
【請求項19】
前記CD8膜貫通ドメインが、配列番号27のアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項18に記載のCAR。
【請求項20】
配列番号2、4、6、8、10、もしくは12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む前記少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、および前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって前記膜貫通ドメインに接続されている、請求項15に記載のCAR。
【請求項21】
前記リンカーまたはスペーサードメインが、CD8、TNFRSF19、IgG4、またはCD28の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結されている、請求項20に記載のCAR。
【請求項22】
前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む、請求項17に記載のCAR。
【請求項23】
前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12、および4-1BB(CD137)、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む共刺激ドメインを含む、請求項22に記載のCAR。
【請求項24】
請求項1に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項25】
DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはレトロウイルスベクター、またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項24に記載のベクター。
【請求項26】
プロモーターをさらに含む、請求項24に記載のベクター。
【請求項27】
前記プロモーターが、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、自殺プロモーター、またはそれらの任意の組合せである、請求項26に記載のベクター。
【請求項28】
請求項24に記載のベクターを含む細胞。
【請求項29】
T細胞である、請求項28に記載の細胞。
【請求項30】
前記T細胞がCD8T細胞である、請求項28に記載の細胞。
【請求項31】
ヒト細胞である、請求項28に記載の細胞。
【請求項32】
請求項24に記載のベクターをT細胞に形質導入するステップを含む、細胞を作製する方法。
【請求項33】
RNA操作された細胞の集団を生成する方法であって、in vitro転写されたRNAまたは合成RNAを細胞中に導入するステップを含み、前記RNAが請求項1に記載の核酸分子を含む、方法。
【請求項34】
哺乳動物における抗腫瘍免疫をもたらす方法であって、有効量の請求項28に記載の細胞を前記哺乳動物に投与するステップを含む、方法。
【請求項35】
哺乳動物においてがんを処置または予防する方法であって、請求項15に記載のCARを、前記哺乳動物におけるがんを処置または予防するのに有効な量で前記哺乳動物に投与するステップを含む、方法。
【請求項36】
抗腫瘍有効量のヒトT細胞集団を含む医薬組成物であって、前記T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、前記CARが配列番号2、4、6、8、10、または12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、前記T細胞ががんを有するヒトのT細胞である、医薬組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD8、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154、またはそれらの任意の組合せを含むタンパク質の膜貫通ドメインを含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記T細胞が、血液学的がんを有するヒトのT細胞である、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記血液学的がんが、白血病またはリンパ腫である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記白血病が、急性骨髄性白血病(AML)、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性T細胞白血病(T-ALL)、または急性リンパ芽球性B細胞白血病(B-ALL)である、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記リンパ腫が、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記血液学的がんが多発性骨髄腫である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項43】
ヒトがんが、口腔および咽頭がん(舌、口、咽頭、頭頸部)、消化器系がん(食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓)、呼吸器系がん(喉頭、肺および気管支)、骨および関節のがん、軟組織がん、皮膚がん(黒色腫、基底細胞癌および扁平上皮癌)、小児腫瘍(神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)、中枢神経系の腫瘍(脳腫瘍、星状細胞腫、神経膠芽腫、神経膠腫)、ならびに乳房、生殖系(子宮頸部、子宮体、卵巣、外陰部、腟、前立腺、精巣、陰茎、子宮内膜)、泌尿器系(膀胱、腎臓および腎盂、尿管)、眼および眼窩、内分泌系(甲状腺)ならびに脳および他の神経系のがん、またはそれらの任意の組合せを含む成人癌を含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項44】
腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、前記T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、前記CARが、配列番号2、4、6、8、10、または12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、前記T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法。
【請求項45】
それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を前記対象に投与するステップを含み、前記T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、前記CARが、配列番号2、4、6、8、10、または12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、前記T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD8、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154、またはそれらの任意の組合せを含むタンパク質の膜貫通ドメインを含む、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
キメラ抗原受容体発現細胞を産生する方法であって、請求項1に記載の単離された核酸を細胞に導入するステップを含む、方法。
【請求項48】
請求項47に記載のキメラ抗原受容体発現細胞を産生する方法であって、前記細胞がT
細胞またはT細胞を含む細胞集団である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年1月22日出願の米国仮特許出願第62/620,139号および2017年3月24日出願の米国仮特許出願第62/476,438号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された、その全体にわたって参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。2018年3月20日に作成された前記ASCIIコピーはSequence_Listing.txtと名付けられ、124キロバイトのサイズである。
【0003】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する記載
本発明は、アメリカ合衆国保健福祉省の機関であるアメリカ国立衛生研究所とのCooperative Research and Development Agreementの実施において創出された。米国政府は本発明に対し一定の権利を有する。
【0004】
本開示の分野
本出願は、がんの分野、特に、CD33抗原結合性ドメイン、およびこのようなCD33抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)、およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0005】
背景
がんは、ヒトの健康に対する最も致命的な脅威の1つである。米国だけで、がんは毎年ほぼ130万人の新たな患者が罹患し、心血管疾患に次いで2番目に多い死因であり、死亡数の約4分の1を占めている。固形腫瘍が、これらの死亡のほとんどの原因である。ある特定のがんの医学的処置においては顕著な進歩があったものの、全てのがんについての5年全生存率は過去20年間で約10%しか改善しなかった。がんまたは悪性腫瘍は、制御されずに迅速に転移および成長し、処置を非常に困難にする。
【0006】
CD33は、67kDaの膜貫通細胞表面糖タンパク質受容体である。CD33は、シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン(SIGLEC)ファミリーのメンバーである。このファミリーのタンパク質は、シアル酸付加グリカンに結合することにより白血球の内皮細胞への接着を媒介する(Kelm S、Schauer R、Crocker PR.
Glycoconj J.1996年;13巻:913~926頁)。さらにCD33は、免疫受容体抑制性チロシンモチーフ(ITIM)を介して阻害性受容体として機能する。CD33受容体が活性化すると、CD33細胞質側末端における2つのチロシン(Y340およびY358)のリン酸化がもたらされ、CD33細胞質側末端はSHPホスファターゼのドッキング部位として機能し、カルシウム動員のダウンレギュレーションなどの阻害性シグナル伝達カスケードに関与する(Paul SP1、Taylor LS、Stansbury EK、McVicar DW Blood.2000年7月15日;96巻(2号):483~90頁)。
【0007】
CD33は骨髄細胞系列分化抗原であり、骨髄前駆細胞では高度に発現される(Andrews RG、Torok-Storb B、Bernstein ID.Blood
.1983年;62巻:124~132頁)が、分化した骨髄細胞、つまりマクロファージおよび顆粒球では低レベルでしか発現されない(Simmons D、Seed B.J Immunol.1988年;141巻:2797~2800頁)。一方、CD33は87.8%~99%の急性骨髄芽球性白血病(AML)で発現されることが報告されている(A Ehninger1ら Blood Cancer Journal(2014年)4巻、e218頁;Christina Krupkaら Blood 2014年 123巻:356~365頁)。AMLは、5年生存率約26%の重篤な疾患である(ワールドワイドウェブcancer.net/cancer-types/leukemia-acute-myeloid-aml/statisticsで入手可能)。AMLケアの現在の標準は、高用量の化学療法または高線量の放射線による寛解導入処置からなり、その後必要に応じて同種幹細胞移植およびさらなる化学療法の過程から構成される地固めが続く(ワールドワイドウェブcancer.org/cancer/acute-myeloid-leukemia/treating/typical-treatment-of-aml.htmlで入手可能)。この処置に関連する高い毒性、および骨髄抑制またはGVHDなどの合併症リスクが、より良好な治療用代替物の探求に駆り立てる。
【0008】
抗体-薬物コンジュゲート(SGN-CD33A、バダスツキシマブタリリン、Stein A.S.ら(2015年).Blood、126巻(23号)、324頁;第I~II相臨床試験NCT02706899)、二重特異性T細胞誘導抗体(AMG330、Laszlo GSら Blood 2013年:123巻(4号):554~561頁、NCT02520427)、およびCART-33細胞(Wang QSら Mol Ther.2015年1月;23巻(1号):184~91頁、NCT01864902)を含む、AMLを処置するためのいくつかの新規の手法が現在研究中である。しかし、新規の手法のうちいくつかが臨床毒性により差し止められている。SGN-CD33薬物を試験するSeattle Genetics第I相臨床試験は、肝毒性リスクにより最近保留とされた(ワールドワイドウェブbusinesswire.com/news/home/20161227005087/en/Seattle-Genetics-Announces-Clinical-Hold-Phase-1で入手可能)。ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ、Pfizer/Wyeth)は、市販後臨床試験で観察された潜在的に致死性の静脈閉塞性肝疾患の発症後、2010年に製造業者により市場から自主回収された(Jacob M.RoweおよびBob Lowenberg Blood 2013年 121巻:4838~4841頁)。FDAにより、CD33成人AMLおよび再発/難治性小児AML用にマイロターグが最近再導入されたにもかかわらず、この薬物については新たな、より保守的でより小さい投薬量、および新たなレジメンが処方されている(FDAプレスリリース2017年9月、ワールドワイドウェブfda.govで入手可能)。この処置の有効性、マイロターグに対する患者の応答の持続性、腫瘍抗原エスケープの事例、および新たなレジメン下でのその安全性プロファイルは依然として決定されていない。したがって、安全で有効かつ持続性のAML処置の必要性が依然として差し迫っている。
【0009】
キメラ抗原受容体(CAR)は、3つの本質的な単位を含むハイブリッド分子である:(1)細胞外抗原結合性モチーフ、(2)連結/膜貫通モチーフ、および(3)細胞内T細胞シグナル伝達モチーフ(Long AH、Haso WM、Orentas RJ.Lessons learned from a highly-active CD2-specific chimeric antigen receptor.Oncoimmunology.2013年;2巻(4号):e23621頁)。CARの抗原結合性モチーフは一般に、免疫グロブリン(Ig)分子の最小の結合性ドメインである単鎖断片可変(ScFv)を基にして作られる。代替の抗原結合性モチーフとして、例えば、受容体リガンド(即ち、IL-13は、腫瘍が発現するIL-13受容体に結合するよう
に操作されている)、インタクトな免疫受容体、ライブラリー由来ペプチド、および自然免疫系エフェクター分子(例えば、NKG2D)も操作されている。CAR発現のための代替の細胞標的(例えば、NKまたはガンマ-デルタT細胞)も開発中である(Brown CEら Clin Cancer Res.2012年;18巻(8号):2199~209頁;Lehner Mら PLoS One.2012年;7巻(2号):e31210頁)。CARベクターを形質導入するための最も活性なT細胞集団を定義すること、最適な培養および増殖の技術を決定すること、ならびにCARタンパク質構造自体の分子的詳細を定義することに関して、いまだにかなりの労力を要している。
【0010】
CARの連結モチーフは、IgGの定常ドメインなどの比較的安定な構造ドメインとするか、または伸長された可撓性リンカーとなるように設計することができる。IgGの定常ドメインに由来するものなどの構造モチーフを使用して、ScFv結合性ドメインをT細胞原形質膜表面から離れて延在させることができる。これは、結合性ドメインが腫瘍細胞表面膜に特に近い一部の腫瘍標的にとって重要であり得る(例えば、ジシアロガングリオシドGD2にとって;Orentasら、未公開の観察)。今日まで、CARにおいて使用されるシグナル伝達モチーフは常にCD3-ζ鎖を含んでいるが、それは、このコアモチーフが、T細胞活性化のための重要なシグナルであるからである。最初に報告された第2世代CARは、CD28シグナル伝達ドメインおよびCD28膜貫通配列を特徴としていた。このモチーフは、CD137(4-1BB)シグナル伝達モチーフを含有する第3世代CARでも同様に使用された(Zhao Yら J Immunol.2009年;183巻(9号):5563~74頁)。新たなテクノロジーの進歩に伴い、抗CD3および抗CD28抗体に連結されたビーズによるT細胞の活性化、ならびにCD28由来のカノニカルな「シグナル2」の存在がCAR自体によってコードされる必要はもはやなくなった。ビーズ活性化を使用して、第3世代ベクターは、in vitroアッセイにおいて第2世代ベクターよりも優れているわけではないことが見出され、また、白血病のマウスモデルにおいては第2世代ベクターを超える明らかな利益は得られなかった(Haso W、Lee DW、Shah NN、Stetler-Stevenson M、Yuan CM、Pastan IH、Dimitrov DS、Morgan RA、FitzGerald DJ、Barrett DM、Wayne AS、Mackall CL、Orentas RJ.Anti-CD22-chimeric antigen receptors targeting B cell precursor acute lymphoblastic leukemia,Blood.2013年;121巻(7号):1165~74頁;Kochenderfer JNら Blood.2012年;119巻(12号):2709~20頁)。これは、第2世代CD28/CD3-ζ(Lee DWら American Society of Hematology Annual Meeting.New Orleans、LA;12月7~10日、2013年)およびCD137/CD3-ζシグナル伝達形式(Porter
DLら N Engl J Med.2011年;365巻(8号):725~33頁)のCD19特異的CARの臨床的成功によって裏付けられている。CD137に加えて、OX40などの他の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーも、CARが形質導入されたT細胞において重要な持続シグナルを提供することができる(Yvon Eら
Clin Cancer Res.2009年;15巻(18号):5852~60頁)。CAR T細胞集団が培養された培養条件も等しく重要である。
【0011】
がんに対するCAR療法のより広範で有効な適応における現在の課題は、説得力のある標的の不足に関する。細胞表面抗原への結合因子を創出することは、現在容易に達成可能であるが、正常組織を見逃しながら腫瘍に対して特異的な細胞表面抗原を発見することは、依然として厄介な課題である。CAR発現T細胞により高い標的細胞特異性を与えるための1つの潜在的な方法は、コンビナトリアルCARアプローチを使用することである。1つのシステムでは、CD3-ζとCD28シグナル単位が、同じ細胞において発現され
る2つの異なるCAR構築物間で分割される;別のシステムでは、2つのCARが、同じT細胞において発現されるが、一方はより低い親和性を有し、したがって第2のCARの完全な活性のために代替的CARが最初に結合されることを必要とする(Lanitis
Eら Cancer Immunol Res.2013年;1巻(1号):43~53頁;Kloss CCら Nat Biotechnol.2013年;31巻(1号):71~5頁)。免疫療法剤としての単一のScFvベースのCARの生成のための第2の課題は、腫瘍細胞の不均一性である。少なくとも1つのグループは、標的抗原陰性集団の成長を回避することを期待して、エフェクター細胞集団が複数の抗原(HER2、IL-13Ra、EphA2)を同時に標的化する、神経膠芽腫のためのCAR戦略を開発している(Hegde Mら Mol Ther.2013年;21巻(11号):2087~101頁)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
T細胞ベースの免疫療法は、合成生物学における新たな領域になっている;複数のプロモーターおよび遺伝子産物は、これらの高度に強力な細胞を腫瘍微小環境に導くことが想定され、ここで、T細胞は、負の調節シグナルを免れることができ、かつ有効な腫瘍死滅を媒介できる。誘導性カスパーゼ9構築物のAP1903との薬物誘導性二量体化を介した望ましくないT細胞の排除は、T細胞集団を制御できる強力なスイッチが薬理学的に開始され得る1つの方法を実証している(Di Stasi Aら N Engl J Med.2011年;365巻(18号):1673~83頁)。デコイ受容体の発現によるトランスフォーミング成長因子-βの負の調節効果に対して免疫性であるエフェクターT細胞集団の創出は、エフェクターT細胞が最適な抗腫瘍活性のために操作され得る程度をさらに実証している(Foster AEら J Immunother.2008年;31巻(5号):500~5頁)。したがって、CARは、内因性T細胞受容体と類似した様式でT細胞活性化を誘発できるようであるが、今日までのこのテクノロジーの臨床適用に対する主要な障害は、CAR+T細胞の限定的なin vivo増殖、注入後の細胞の迅速な消失、および期待外れの臨床活性である。抗CD33抗体-薬物コンジュゲート(Stein A.S.ら Blood、2015年、126巻(23号)、324頁)、二重特異性T細胞誘導因子(BiTE)、(Laszlo GSら Blood 2013年:123巻(4号):554~561頁)、およびCAR T細胞(Wang QSら Mol Ther.2015年1月;23巻(1号):184~91頁)を含む、CD33陽性腫瘍を標的化するいくつかの抗体ベースの様式が現在開発中である。AMLの前臨床モデルでの最近の研究により、CD33標的化様式によるCD33陽性AML芽球および腫瘍細胞株の溶解がin vitroおよびin vivoで達成可能であることが示されているが、処置関連毒性(ワールドワイドウェブbusinesswire.com/news/home/20161227005087/en/Seattle-Genetics-Announces-Clinical-Hold-Phase-1;Rowe JMおよびLowenberg B、Blood 2013年121巻:4838~4841頁、Wang QSら Mol Ther.2015年1月;23巻(1号):184~91頁、NCT01864902で入手可能)および最適以下の有効性(Walter RBら Blood.2012年;119巻(26号):6198~6208頁;Cowan AJら Biosci 2013年;18巻(4号):1311~1334頁)を含むこの手法のいくつかの課題が、臨床の状況において明らかとなった。さらに、BiTEベースの手法では、最適なBiTE機能のための、高密度のCD33抗原発現に対する依存、およびさらなるT細胞共刺激/チェックポイント阻害が必要であることが依然として課題である(Laszlo GSら Blood.2014年;123巻(4号):554~56頁、Laszlo GSら Blood Cancer Journal(2015年)5巻、e340頁)。したがって、上述の欠点なしに特異的かつ有効な抗腫瘍効果を示し得る手法を使用する、AMLの処置のための新規の組成物
および方法を発見する、当該分野における緊急かつ長年にわたる要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、CAR組成物、ならびにがんならびに他の疾患および/または状態を処置するために使用され得る治療的方法を提供することによって、これらの要求に対処する。特に、本明細書に開示および記載される本発明は、CD33発現の調節不全と関連する疾患、障害または状態の処置に使用可能なCARを提供し、ここでCARは、形質導入T細胞において高い表面発現を示し、高度の細胞溶解ならびに形質導入T細胞のin vivoでの増殖および持続を示すCD33抗原結合性ドメインを含む。
【0014】
概要
新規の抗CD33抗体またはその抗原結合性ドメイン、およびこのようなCD33抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)、および受容体を発現する宿主細胞(例えばT細胞)、および受容体をコードする核酸分子が本明細書で提供される。CARはエフェクター細胞表面に発現される単一の分子からなっていてもよく、CARはエフェクター細胞で発現されるシグナル伝達モジュールおよび可溶性標的化モジュールから構成されていてもよく、例えば、可溶性標的化モジュールが細胞で発現されたシグナル伝達モジュールに結合すると、完全な機能的CARが形成される。CARは、形質導入T細胞での高い表面発現、高度の細胞溶解ならびに形質導入T細胞のin vivoでの増殖および持続を示す。例えば対象におけるがんを処置するための、開示されるCAR、宿主細胞、および核酸分子を使用する方法も提供される。
【0015】
したがって、一態様において、配列番号1、3、5、7、9、および11からなる群から選択される核酸配列を含む、ヒト抗CD33抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供される。
【0016】
一実施形態において、完全ヒト抗CD33抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供され、抗体またはその断片は、Fab断片、F(ab’)断片、Fv断片、および単鎖Fv(ScFv)からなる群から選択される断片を含む。
【0017】
一実施形態において、完全ヒト抗CD33抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供され、抗体またはその断片は、配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0018】
一態様において、N末端からC末端へ、配列番号1、3、5、7、9、および11からなる群から選択される核酸配列を含むヌクレオチド配列によりコードされる少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、単離された核酸分子が提供される。
【0019】
一実施形態では、コードされる細胞外CD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0020】
別の実施形態では、コードされる細胞外CD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0021】
一実施形態において、CARの標的化ドメインはモノクローナル抗体、ScFv Fab、Fab’2の形態で別々に発現され、さらなる結合タグまたはエピトープに結合させ
た、配列番号1、3、5、7、9、および11からなる群から選択される核酸配列を含む抗原標的化ドメインを含んでおり、一方、エフェクター細胞で発現されるCARの構成要素は、可溶性CARモジュールで発現されるタグまたはエピトープに結合するように特異的に導かれる結合性ドメインを含み、例えば、CARの可溶性構成要素が、細胞に結合したCARの構成要素に特異的に結合すると、完全な機能的CAR構造が形成される。
【0022】
別の実施形態において、CARの標的化ドメインはモノクローナル抗体、ScFv Fab、Fab’2の形態で別々に発現され、配列番号1、3、5、7、9、および11からなる群から選択される核酸配列を含む抗原標的化ドメイン、ならびにさらなるscFvを含み、一方、エフェクター細胞で発現されるCARの構成要素は、可溶性CARモジュールで発現されるさらなるscFvと特異的に反応するタグまたはエピトープを含み、例えば、CARの可溶性構成要素が、細胞に結合したCARの構成要素に特異的に結合すると、完全な機能的CAR構造が形成される。
【0023】
さらに別の実施形態では、コードされるCAR細胞外CD33抗原結合性ドメインが、CD33に結合する少なくとも1つのリポカリンベースの抗原結合性抗原(アンチカリン)をさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0024】
一実施形態では、コードされる細胞外CD33抗原結合性ドメインが、リンカードメインによって膜貫通ドメインに接続される、単離された核酸分子が提供される。
【0025】
別の実施形態では、コードされるCD33細胞外抗原結合性ドメインに、リーダーまたはシグナルペプチドをコードする配列が先行する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0026】
さらに別の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、および11からなる群から選択される核酸配列を含むヌクレオチド配列によりコードされる少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメインを含むCARをコードする、単離された核酸分子が提供され、CARは、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCR、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する細胞外抗原結合性ドメインをさらにコードする。
【0027】
ある特定の実施形態では、さらにコードされる細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD19 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD20 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD22 ScFv抗原結合性ドメイン、抗ROR1 ScFv抗原結合性ドメイン、抗メソセリンScFv抗原結合性ドメイン、抗CD33 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD38 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD138 ScFv抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC3 ScFv抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 ScFv抗原結合性ドメイン、抗c-Met ScFv抗原結合性ドメイン、抗PMSA ScFv抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 ScFv抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII ScFv抗原結合性ドメイン、抗GD-2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗NY-ESo-1 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列、あるいはそれらの任意の組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0028】
一態様では、本明細書で提供されるCARはリンカーまたはスペーサードメインをさらに含む。
【0029】
一実施形態では、細胞外CD33抗原結合性ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0030】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8またはCD28の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0031】
別の実施形態では、コードされるCARが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0032】
さらに別の実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0033】
一実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインに対してC末端側に配置される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0034】
別の実施形態では、コードされる少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0035】
さらなる実施形態では、コードされる少なくとも1つの共刺激ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)の機能的シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0036】
一実施形態では、リーダー配列またはシグナルペプチドをさらに含み、リーダーまたはシグナルペプチドのヌクレオチド配列が配列番号13、配列番号39、配列番号41、または配列番号43のヌクレオチド配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0037】
さらに別の実施形態では、コードされるリーダー配列が配列番号14、配列番号40、配列番号42、または配列番号44のアミノ酸配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0038】
一態様では、N末端からC末端へ、少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)が本明細書で提供される。
【0039】
一実施形態では、細胞外CD33抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片、または抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域、
またはそれらの組合せを含む、CARが提供される。
【0040】
別の実施形態において、少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、CARが提供される。
【0041】
一部の実施形態において、CARが、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCR、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む細胞外抗原結合性ドメインをさらにコードする、CARが提供される。
【0042】
一実施形態では、細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD19 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD20 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD22 ScFv抗原結合性ドメイン、抗ROR1 ScFv抗原結合性ドメイン、抗メソセリン ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD33 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD38 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD138 ScFv抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC3 ScFv抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 ScFv抗原結合性ドメイン、抗c-Met ScFv抗原結合性ドメイン、抗PMSA ScFv抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 ScFv抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII ScFv抗原結合性ドメイン、抗GD-2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗NY-ESo-1 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む、CARが提供される。
【0043】
別の実施形態において、細胞外抗原結合性ドメインが、免疫グロブリン可変重鎖単独(VH)抗CD19抗原結合性ドメイン、抗CD20 VH抗原結合性ドメイン、抗CD22 VH抗原結合性ドメイン、抗ROR1 VH抗原結合性ドメイン、抗メソセリンVH抗原結合性ドメイン、抗CD33 VH抗原結合性ドメイン、抗CD38 VH抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)VH抗原結合性ドメイン、抗CD138 VH抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)VH抗原結合性ドメイン、抗GPC2 VH抗原結合性ドメイン、抗GPC3 VH抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 VH抗原結合性ドメイン、抗c-Met VH抗原結合性ドメイン、抗PMSA VH抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 VH抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII VH抗原結合性ドメイン、抗GD-2 VH抗原結合性ドメイン、抗NY-ESO-1 TCR VH抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR VH抗原結合性ドメイン、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含むCARが提供される。
【0044】
別の実施形態において、細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD19 P 抗原結合性ドメイン、抗CD20 P 抗原結合性ドメイン、抗CD22 P 抗原結合性ドメイン、抗ROR1 P 抗原結合性ドメイン、抗メソセリン P 抗原結合性ドメイン、抗CD33 P 抗原結合性ドメイン、抗CD38 P 抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)P 抗原結合性ドメイン、抗CD138 P 抗原結合性ドメイン、抗BC
MA(CD269)P 抗原結合性ドメイン、抗GPC2 P 抗原結合性ドメイン、抗GPC3 P 抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 P 抗原結合性ドメイン、抗c-Met P 抗原結合性ドメイン、抗PMSA P 抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77
P 抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII P 抗原結合性ドメイン、抗GD-2
P 抗原結合性ドメイン、抗NY-ESO-1 TCR P 抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR P 抗原結合性ドメイン、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む天然または合成配列由来であり得る、標的抗原に特異的に結合することができるタンパク質またはペプチド(P)配列を含む、CARが提供される。別の実施形態において、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが共刺激ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含むCARが提供される。
【0045】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12、および4-1BB(CD137)、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む共刺激ドメインを含む、CARが提供される。
【0046】
一実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号15(LTG 1905 EF1a VH-2 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列(図2A))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号16(LTG 1905
EF1a VH-2 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2A))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0047】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号17(LTG 1906 Ef1a- VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列(図2B))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号18(LTG 1906 Ef1a- VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2B))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0048】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号19(LTG1936 Ef1a ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARヌクレオチド配列(図2C))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号20(LTG1936 Ef1a ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2C))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0049】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号21の核酸配列(LTG1937 Ef1a ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列(図2D))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号22のアミノ酸配列(LTG1937 Ef1a ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2D))を含むCARをコードする。
【0050】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号23の核酸配列(LTG1938 EF1a ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列(図2E))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号24のアミノ酸配列(LTG1938 EF1a ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2E))を含むCARをコードする。
【0051】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号25の核酸配列(LTG1939 EF1a_ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼ
ータ核酸配列(図2F))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号26のアミノ酸配列(LTG1939 EF1a ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2F))を含むCARをコードする。
【0052】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号69の核酸配列(LTG1927 EF1a-CD33_4 CD8 TM-CD28-CD3ゼータ核酸配列(図12A))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号70のアミノ酸配列(LTG1927 EF1a-CD33_4 CD8 TM-CD28-CDゼータアミノ酸配列(図12A))を含むCARをコードする。
【0053】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号71の核酸配列(LTG_D0033 Ef1a-CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_CD28z核酸配列(図12B))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号72のアミノ酸配列(LTG_D0033(Ef1a-CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_CD28z)アミノ酸配列(図12B))を含むCARをコードする。
【0054】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号73の核酸配列(LTG_D0034 Ef1a-CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_4-1BBz核酸配列(図12C))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号74のアミノ酸配列(LTG_D0034 Ef1a-CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_4-1BBzアミノ酸配列(図12C))を含むCARをコードする。
【0055】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号87の核酸配列(LTG_D0035 Ef1a_CD33_4 VH H CH2 CH3 IgG4_CD8TM_CD28z核酸配列(図12F))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号88のアミノ酸配列(LTG_D0035 Ef1a_CD33_4 VH H CH2 CH3 IgG4_CD8TM_CD28zアミノ酸配列(図12F))を含むCARをコードする。
【0056】
一態様では、本明細書で開示されるCARは、診断、がん患者の無増悪生存期間などの処置転帰のモニタリングおよび/もしくは予測における使用のため、またはかかる処置の進行をモニタリングするために、検出可能なマーカーを発現または含有するように改変される。
【0057】
一実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号75の核酸配列(LTG_D0015 Ef1a-CD33_4 VH CD8 BBz T2A tEGFR核酸配列(図12D))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号76のアミノ酸配列(LTG_D0015 Ef1a-CD33_4 VH CD8 BBz T2A tEGFRアミノ酸配列(図12D))を含むCARをコードする。
【0058】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号77の核酸配列(LTG_D0016 Ef1a-CD33_4 VH CD8 28z T2A tEGFR核酸配列(図12E))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号78のアミノ酸配列(LTG_D0015 Ef1a-CD33_4 VH CD8 28z T2A tEGFRアミノ酸配列(図12E))を含むCARをコードする。
【0059】
一実施形態では、開示されたCARをコードする核酸分子は、ウイルスベクターなどのベクター中に含有され得る。ベクターは、DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、もしくはレトロウイルスベクター、また
はそれらの組合せである。
【0060】
ある特定の実施形態では、ベクターは、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、構成的プロモーター、自殺プロモーターまたはそれらの任意の組合せであるプロモーターをさらに含む。
【0061】
さらに別の実施形態では、CARを発現するベクターは、自殺スイッチによって、CAR T細胞の発現を制御するため、またはCAR-T細胞を排除するために、1または複数の作動可能なエレメントを含むようにさらに改変され得る。自殺スイッチには、例えば、アポトーシス誘導性シグナル伝達カスケード、または細胞死を誘導する薬物が含まれ得る。好ましい実施形態では、CARを発現するベクターは、チミジンキナーゼ(TK)またはシトシンデアミナーゼ(CD)などの酵素を発現するようにさらに改変され得る。
【0062】
別の態様では、CARをコードする核酸分子を含む宿主細胞もまた提供される。一部の実施形態では、宿主細胞は、T細胞、例えば、対象から得られた初代T細胞である。一実施形態では、宿主細胞はCD8T細胞である。
【0063】
さらに別の態様では、抗腫瘍有効量のヒトT細胞集団を含む医薬組成物であって、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが、配列番号2、4、6、8、10、および12のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有するヒトのT細胞である、医薬組成物が提供される。がんは、とりわけ血液学的がん、例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)もしくは慢性骨髄性白血病(CML))、リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫)または多発性骨髄腫、あるいはそれらの組合せを含む。
【0064】
一実施形態において、CARの少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、医薬組成物が提供される。
【0065】
別の実施形態では、ヒトのがんは、口腔および咽頭がん(舌、口、咽頭、頭頸部)、消化器系がん(食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓)、呼吸器系がん(喉頭、肺および気管支)、骨および関節のがん、軟組織がん、皮膚がん(黒色腫、基底細胞癌および扁平上皮癌)、小児腫瘍(神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)、中枢神経系の腫瘍(脳腫瘍、星状細胞腫、神経膠芽腫、神経膠腫)、ならびに乳房、生殖系(子宮頸部、子宮体、卵巣、外陰部、腟、前立腺、精巣、陰茎、子宮内膜)、泌尿器系(膀胱、腎臓および腎盂、尿管)、眼および眼窩、内分泌系(甲状腺)ならびに脳および他の神経系のがん、またはそれらの任意の組合せを含む成人癌を含む、医薬組成物が提供される。
【0066】
さらに別の実施形態では、がんを有するヒトのヒトT細胞の集団の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物であって、がんが、1または複数の化学療法剤に対して非応答性の難治性がんである、医薬組成物が提供される。がんは、造血がん、骨髄異形成症候群、膵がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、CLL(慢性リンパ性白血病)、CML(慢性骨髄性白
血病)、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む成人B細胞悪性疾患、小児B細胞悪性疾患(B細胞系譜ALL(急性リンパ性白血病)を含む)、多発性骨髄腫、肺がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫もしくは他の血液学的がんおよび固形腫瘍、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0067】
別の態様では、CAR含有T細胞(以下「CAR T細胞」)を作製する方法が提供される。この方法は、CD33に特異的に結合する開示されるCARをコードするベクターまたは核酸分子をT細胞に形質導入し、それによって、CAR T細胞を作製することを含む。
【0068】
さらに別の態様では、RNA操作された細胞の集団を生成する方法であって、開示されるCARをコードする核酸分子のin vitro転写されたRNAまたは合成RNAを対象の細胞中に導入し、CAR細胞を生成することを含む方法が提供される。
【0069】
さらに別の態様において、細胞でのCD33発現と関連する疾患、障害または状態を診断する方法であって、(a)細胞をヒト抗CD33抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップ、ならびに(b)CD33の存在を検出するステップであって、CD33の存在が、CD33発現と関連する疾患、障害または状態を診断する、ステップを含む方法が提供される。
【0070】
一実施形態において、CD33発現と関連する疾患、障害または状態は、造血がん、骨髄異形成症候群、膵がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、CLL(慢性リンパ性白血病)、CML(慢性骨髄性白血病)、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む成人B細胞悪性疾患、小児B細胞悪性疾患(B細胞系譜ALL(急性リンパ性白血病)を含む)、多発性骨髄腫、肺がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫もしくはその他の血液学的がんおよび固形腫瘍、またはそれらの任意の組合せを含むがんである。
【0071】
別の実施形態において、哺乳動物におけるCD33と関連する疾患のリスクを診断、予後診断、または決定する方法であって、(a)試料をヒト抗CD33抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップ、ならびに(b)CD33の存在を検出するステップであって、CD33の存在が、哺乳動物におけるCD33と関連する疾患を診断する、ステップを含む、哺乳動物由来の試料におけるCD33発現を検出するステップを含む方法が提供される。
【0072】
別の実施形態において、CD33依存性のT細胞阻害を阻害する方法であって、細胞をヒト抗CD33抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、細胞は、CD33を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0073】
別の実施形態において、CD33を発現する細胞により媒介されるT細胞阻害を遮断し、哺乳動物における腫瘍増殖を阻害するように腫瘍微小環境を変化させる方法であって、単離された抗CD33抗体またはその断片を含む有効量の組成物を哺乳動物に投与するステップであって、抗体またはその断片が、配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、細胞は、CD33を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、および
それらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0074】
別の実施形態において、哺乳動物における抗腫瘍または抗がん免疫応答の免疫抑制を阻害、抑制または防止する方法であって、単離された抗CD33抗体またはその断片を含む有効量の組成物を哺乳動物に投与するステップであって、抗体またはその断片が、配列番号2、4、6、8、10、および12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、抗体またはその断片は、第1の細胞とT細胞の間の相互作用を阻害し、第1の細胞は、CD33を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0075】
別の態様では、哺乳動物において抗腫瘍免疫を誘導する方法であって、開示されるCARをコードするベクターまたは核酸分子が形質導入された治療有効量のT細胞を哺乳動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0076】
別の実施形態では、哺乳動物においてがんを処置または予防する方法であって、1つまたは複数の開示されるCARを、哺乳動物におけるがんを処置または予防するのに有効な量で哺乳動物に投与するステップを含む、方法が提供される。方法は、対象において、CARの抗原結合性ドメインと、CD33および/または1つまたは複数の上述の抗原の細胞外ドメインとの免疫複合体を形成するのに十分な条件下で、CD33および/または1つまたは複数の上述の抗原に特異的に結合する開示されるCARを発現する治療有効量の宿主細胞を対象に投与するステップを含む。
【0077】
さらに別の実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが、配列番号2、4、6、8、10もしくは12のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つの細胞外CD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法が提供される。
【0078】
さらに別の実施形態では、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが配列番号2、4、6、8、10もしくは12のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法が提供される。上述の方法の一部の実施形態では、少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体の膜貫通アルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはそれらの組合せを含む。
【0079】
さらに別の実施形態では、がんと診断されたヒトにおいて、遺伝子操作されたT細胞の持続性の集団を生成するための方法が提供される。一実施形態では、方法は、CARを発現するように遺伝子操作されたT細胞をヒトに投与するステップであって、CARが配列番号2、4、6、8、10もしくは12のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、遺伝子操作されたT細胞の
持続性の集団、またはT細胞の子孫の集団が、投与の後少なくとも1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、2年または3年にわたって、ヒトにおいて持続する、ステップを含む。
【0080】
一実施形態では、ヒト中の子孫T細胞は、メモリーT細胞を含む。別の実施形態では、T細胞は自家T細胞である。
【0081】
本明細書に記載される方法の態様および実施形態の全てにおいて、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する上述のがん、疾患、障害または状態のいずれかは、本明細書に開示されるCARのうち1または複数を使用して、処置または予防または寛解され得る。
【0082】
さらに別の態様では、上記キメラ抗原受容体T細胞を作製するためのキット、または上記対象において、腫瘍抗原の上昇した発現と関連するがん、疾患、障害もしくは状態のいずれかを予防、処置もしくは寛解するためのキットであって、上に開示された核酸分子、ベクター、宿主細胞もしくは組成物のいずれか1つまたはそれらの任意の組合せを含むコンテナ、およびキットを使用するための指示書を含むキットが提供される。
【0083】
CAR、宿主細胞、核酸ならびに方法は、本明細書に詳細に記載される具体的な態様および実施形態を超えて有用であることが理解される。本開示の前述の特色および利点は、添付の図面を参照して進む以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を有するCARの一般的なドメイン構造を示す概略図である。キメラ抗原受容体は、細胞外CD33結合性免疫グロブリン単鎖断片可変(ScFv)ドメインまたは免疫グロブリン重鎖断片可変単独(VH)ドメイン、CD8(図1A、1B、1F、1G)、TNFRSF19(図1C、1D)、IgG4(図1E)由来のヒンジドメイン、CD8(図1A、1B、1E、1F、1G)、TNFRSF19(図1C、1D)由来の膜貫通ドメイン、CD137/4-1BB(図1A、1C、1F)またはCD28(図1B、1D、1E、1G)由来の細胞内シグナル伝達共刺激ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインから構成される。一部のバイシストロニックな構築物は、リボソームスキッピング2A配列を介して、短縮されたEGFR(tEGFR)由来のタグを組み込んでいる(図1F、1G)。
図2A】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Aは、LTG 1905 EF1a VH-2 CD33-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図2B】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Bは、LTG 1906(EF1a- VH-4 CD33-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図2C】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Cは、LTG1936 EF1a ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータヌクレオチド配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図2D】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Dは、LTG1937 EF1a ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図2E】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Eは、LTG1938 EF1a ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図2F】新規の細胞外CD33抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片または連結された単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含む。図2Fは、LTG1939 EF1a ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図3】初代ヒトT細胞における抗CD33 CART表面発現を示す図である。可変重鎖単独標的化ドメインの使用によりCD33腫瘍抗原に対して再指向されたCAR T細胞を、レンチウイルス形質導入により生成した。フローサイトメトリーによりCART検出を実施した。T細胞を低温のPBS-EDTA緩衝液で2回洗浄し、CD33-Fcペプチド、その後抗Fc-AF647試薬で染色した。MACSQuant10フローサイトメーターにおいて、APCチャンネルでデータを取得した。NT-非形質導入細胞、GFP-陰性対照。
図4】免疫グロブリン重鎖可変ドメインバインダーを組み込んだ抗CD33 CAR T細胞が、in vitroでCD33陽性腫瘍の細胞溶解を実証することを示すグラフである。抗CD33構築物を発現するCAR T細胞を、ホタルルシフェラーゼが安定に形質導入されたCD33高(HL-60)、CD33中(K562)およびCD33低(Reh)標的とともに、エフェクター対標的比5、10および20で一晩インキュベートした。次いで、材料および方法に記載されるように、ルシフェラーゼ活性測定によりCARTの細胞傷害活性を評価した。N=3+/-SEM。
図5】VHベースのCD33特異的CART細胞が、CD33陽性白血病株と共培養されると高レベルのサイトカインを産生することを示すグラフである。抗CD33 CART細胞を、CD33高(THP-1、HL-60)CD33中(K562)またはCD33低(Reh)白血病株とともにE:T比10:1で一晩コインキュベートし、次いで上清をELISAによりサイトカイン濃度について分析した。N=3+/-SD。陰性対照:NT-非形質導入T細胞、1398-GFP形質導入T細胞。
図6】初代ヒトT細胞における抗CD33 CART表面発現を示す図である。ScFv標的化ドメインの使用によりCD33腫瘍抗原に対して再指向されたCAR T細胞を、レンチウイルス形質導入により生成した。フローサイトメトリーによりCAR T検出を実施した。T細胞を低温のPBS-EDTA緩衝液で2回洗浄し、CD33-Fcペプチド、その後抗Fc-AF647試薬で染色した。MACSQuant10フローサイトメーターにおいて、APCチャンネルでデータを取得した。UTD-非形質導入細胞、1398-GFP陰性対照。
図7】免疫グロブリン重鎖可変ドメインバインダーを組み込んだ抗CD33 CAR T細胞が、in vitroでCD33陽性腫瘍の細胞溶解を実証することを示すグラフである。抗CD33構築物を発現するCAR T細胞を、ホタルルシフェラーゼが安定に形質導入されたCD33高(HL-60、MOLM-14)、CD33中(K562)およびCD33低(Reh)標的とともに、エフェクター対標的比5、10および20で一晩インキュベートした。次いで、材料および方法に記載されるように、ルシフェラーゼ活性測定によりCARTの細胞傷害活性を評価した。N=3+/-SEM。
図8】CD33特異的なscFvベースおよびVHベースのCAR T細胞が、CD33陽性白血病株と共培養されると高レベルのサイトカインを産生することを示すグラフである。抗CD33 CART細胞を、CD33高(HL-60、MOLM-14)またはCD33低(Reh)白血病株とともにE:T比1:1で一晩コインキュベートし、次いで上清をELISAによりサイトカイン濃度について分析した。N=3+/-SD。陰性対照:UTD-非形質導入T細胞、1398-GFP形質導入T細胞。
図9】種々の抗CD33構築物を発現するCAR T細胞の、HL-60 CD33腫瘍細胞との長期コインキュベーションアッセイについて示す図である。抗CD33 CAR T細胞株を、培養物中でHL-60 CD33腫瘍細胞と、表示されるエフェクター対標的(E:T)比で組み合わせ、11日間維持した。次いで、共培養された細胞を採取し、フローサイトメトリーによりデータ取得した。材料および方法に記載されるように、細胞を単一の側方散乱、シングレットに基づきゲーティングし、死滅した細胞を7-AAD染色により除外した。箱は標識通りに、各条件における生存HL-60腫瘍細胞およびCD3CAR T細胞のパーセンテージを示す。UTD-非形質導入T細胞対照、1398-GFP形質導入T細胞対照、E:T 1:0はT細胞単独対照を表す。
図10】生物発光画像法を使用してin vivoで評価された、CD33標的化CAR T細胞による腫瘍拒絶動態を示すグラフである。0日目に、1.0×10のMOLM-14 CD33AML細胞をNSGマウスに接種し、研究5日目に5.0×10のCAR T細胞/マウスを投与した。14~35日目の間毎週、生物発光画像法により腫瘍負荷を評価した。A.平均放射輝度+/-SEM、N=6マウス/群。B.実験過程にわたる、各実験群におけるマウス生存のパーセンテージを示すカプランマイヤー曲線、N=6マウス/群。TA-腫瘍単独、UTD-非形質導入T細胞対照。
図11】in vivoで評価されたCD33標的化CAR T細胞の機能性を示すグラフである。0日目に、1.0×10のMOLM-14 CD33AML細胞をNSGマウスに接種し、研究5日目に5.0×10のCAR T細胞/マウスを投与した。研究19日目にマウスから血液を採取し、循環CAR T、腫瘍細胞、および炎症性サイトカインレベルについて分析した。A.CART細胞およびMOLM-14腫瘍細胞をフローサイトメトリーによりデータ取得し、CountBrightビーズを使用して細胞絶対数を決定した。B.マウス血漿中の炎症性サイトカインレベルを、MACS Human Multiplex Bead Arrayにより評価した。N=6マウス/群。TA-腫瘍単独、UTD-非形質導入T細胞対照。二元配置ANOVAおよびダネットの事後検定により群を比較した。***p<0.001、*p<0.05、NS-有意でない。
図12A】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Aは、LTG1927 EF1a CD33_4 CD8 TM CD28 CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図12B】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Bは、LTG_D0033 EF1a CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_CD28ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図12C】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Cは、LTG_D0034 Ef1a_CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_4-1BB CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図12D】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Dは、LTG_D0015 CD33_4VH CD8 BB CD3ゼータT2A tEGFR核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図12E】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Eは、LTG_D0016 CD33_4VH CD8 28 CD3ゼータT2A tEGFR核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
図12F】異なるCAR構成の状況における、新規の細胞外VH CD33_4抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、抗CD33バインダー可変重鎖断片、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインを含む。一部の配列は、CAR配列より下流に、2Aリボソームスキップ配列により分離されたtEGFRタグペプチドを含む。図12Fは、LTG_D0035 Ef1a_CD33_4 VH H CH2 CH3 IgG4_CD8TM_CD28 CD3ゼータ核酸配列を含むCARを発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」とは、文脈が明らかに他を示さない限り、単数形および複数形の両方を指す
。例えば、用語「1つの抗原」は、単数または複数の抗原を含み、語句「少なくとも1つの抗原」と等価とみなされ得る。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」とは、「含む(includes)」を意味する。したがって、「1つの抗原を含む(comprising)」とは、他の要素を排除することなく、「1つの抗原を含む(including)」を意味する。語句「および/または」とは、「および」または「または」を意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられた任意のおよび全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、ならびに全ての分子量または分子質量値は、特記しない限り、おおよそであり、便宜的に提供されていることをさらに理解すべきである。本明細書に記載されるものと類似または等価な多くの方法および材料が使用され得るが、特に適切な方法および材料が以下に記載される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図しない。種々の実施形態の再検討を容易にするために、以下の用語の説明が提供される。
【0086】
用語「約」とは、測定可能な値、例えば、量、時間的持続期間などに言及する場合、特定された値から±20%、または一部の例では±10%、または一部の例では±5%、または一部の例では±1%、または一部の例では±0.1%の変動を包含することを意味し、かかる変動は、開示される方法を実施するために適切である。
【0087】
特記しない限り、本明細書の技術用語は、従来の用法に従って使用される。分子生物学における一般的用語の定義は、Oxford University Pressによって刊行されたBenjamin Lewin、Genes VII、1999年;Blackwell Science Ltd.によって刊行されたKendrewら(編)The Encyclopedia of Molecular Biology、1994年;およびVCH Publishers,Inc.によって刊行されたRobert
A.Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference、1995年;および他の類似の参考文献中に見出すことができる。
【0088】
本開示は、CD33抗体またはその断片、およびこのようなCD33抗原結合性ドメインを有するキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。CARの機能的活性の増強は、CARを発現するT細胞の機能的活性の増強に直接関連する。これらの1つまたは複数の改変の結果として、CARは、形質導入されたCAR発現T細胞のin vivoでのT細胞増殖および持続レベルの増大と共に、高度のサイトカイン誘導性細胞溶解および形質導入T細胞での細胞表面発現の両方を示す。
【0089】
様々なタンパク質ドメインに由来する機能性部分を組み合わせる独自の能力が、キメラ抗原受容体(CAR)の重要かつ革新的な特色である。これらのタンパク質ドメイン各々の選択は、これらの具体的な組合せ方と同様に、重要な設計特色である。各設計ドメインは、様々なCARプラットフォームでリンパ球の機能を操作するのに使用可能な必須の構成要素である。例えば、細胞外結合性ドメインの選択によって、それ以外の場合では無効のCARを有効にすることができる。
【0090】
CARの細胞外抗原結合性ドメインを作り出すのに使用される、免疫グロブリン由来のタンパク質配列の非可変フレームワーク構成要素は、完全に中立であるか、自己会合してT細胞を代謝疲弊の状態にすることがあり、そのためこのCARを発現する治療的T細胞が極度に無効となる。このことは、このCARドメインの抗原結合機能とは無関係に起こる。さらに、細胞内シグナル伝達ドメイン(複数可)の選択によっても、免疫療法に使用される治療的リンパ球集団の活性および耐久性が決定され得る。これらの細胞外および細胞内ドメインによって、標的抗原と結合する能力および活性化シグナルをT細胞に伝達する能力がそれぞれ、CAR設計の重要な側面である一方で、細胞外抗原結合性断片の供給
源の選択が、CARの有効性に対して顕著な効果を有し、それゆえにCARの機能および臨床的有用性において決定的な役割を有し得ることも明らかとなっている。
【0091】
驚くべきことにかつ予想外に、ここで、宿主において抗マウス免疫応答およびCAR T排除を誘導する傾向がある、マウス由来の抗原結合性断片を使用するのではなく(マウス由来のSS1 ScFv配列を使用する、UPennの資金提供を受けた臨床試験、NCT02159716を参照)、CARに完全ヒト抗原結合性ドメインを使用することでも、CARを発現するT細胞の機能的活性が決定され得ることが発見された。
【0092】
本明細書で開示されるCARは、細胞において高レベルで発現される。CARを発現する細胞は、in vivoで高い増殖速度を有し、多量のサイトカインを産生し、CARが結合するCD33抗原を表面に有する細胞に対し高い細胞傷害活性を有する。ヒト細胞外CD33抗原結合性ドメインの使用により、in vivoでより良好に機能するCARの生成がもたらされ、一方で宿主免疫応答での抗CAR免疫の誘導およびCAR T細胞集団の死滅が回避される。完全ヒト細胞外CD33 ScFv抗原結合性ドメインを発現するCARは、i)マウス由来の結合性配列で見られる、CAR Tの持続および機能不足の防止;ii)有効となるべきCARの局所(即ち、胸膜内)送達がないこと;ならびにiii)CD33に対し高親和性および低親和性を有するバインダー両方に基づいてCAR T細胞設計を生成する能力、を含む優れた活性/特性を示す。この最後の特性により、腫瘍には正常な組織よりもCD33が多く発現していることで、親和性がより小さいバインダーは正常な組織よりも腫瘍に対しより大きい特異性を有することができ、それによりオンターゲットな腫瘍以外への毒性およびバイスタンダー細胞の死滅が防止され得るため、研究者は、CAR T産物の毒性に対する有効性、および/または組織特異性をよりよく調整することができる。
【0093】
CAR、抗体およびその抗原結合性断片、コンジュゲート、ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞、開示されたCARを使用する処置の方法、組成物およびキットのさらなる記載と共に、それらの細胞外CD33抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインの記載を含む本発明のCARの詳細な記載は以下である。
【0094】
A.キメラ抗原受容体(CAR)
本明細書で開示されるCARは、CD33に結合することが可能な少なくとも1つのCD33抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内ドメインを含む。
【0095】
キメラ抗原受容体(CAR)は、膜貫通ドメインを介してT細胞シグナル伝達ドメインに連結された、抗体の抗原結合性ドメイン(例えば、単鎖可変断片(ScFv))を含有する、人工的に構築されたハイブリッドタンパク質またはポリペプチドである。CARの特徴には、非MHC拘束様式で、モノクローナル抗体の抗原結合特性を活用して、選択された標的に向かってT細胞の特異性および反応性を再指向させるそれらの能力が含まれる。非MHC拘束的な抗原認識は、CARを発現するT細胞に、抗原プロセシングと無関係に抗原を認識する能力を与え、そうして、腫瘍エスケープの主要な機構を迂回する。さらに、T細胞中で発現される場合、CARは、有利なことに、内因性T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖およびベータ鎖と二量体化しない。
【0096】
本明細書に開示するように、CARの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインには、例えば、T細胞受容体シグナル伝達ドメイン、T細胞共刺激シグナル伝達ドメイン、またはその両方が含まれ得る。T細胞受容体シグナル伝達ドメインとは、T細胞受容体の細胞内ドメイン、例えば、限定としてではなく、CD3ゼータタンパク質の細胞内部分などを含む、CARの一部分を指す。共刺激シグナル伝達ドメインとは、抗原に対するリンパ球の効率
的な応答に必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である共刺激分子の細胞内ドメインを含む、CARの一部分を指す。
【0097】
1.細胞外ドメイン
一実施形態では、CARは、さもなければ抗原結合性ドメインまたは部分と呼ばれる標的特異的結合エレメントを含む。ドメインの選択は、標的細胞の表面を規定するリガンドの型および数に依存する。例えば、抗原結合性ドメインは、特定の疾患状態と関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択され得る。したがって、CAR中の抗原結合性ドメインに対するリガンドとして作用し得る細胞表面マーカーの例には、ウイルス、細菌および寄生生物感染、自己免疫疾患ならびにがん細胞と関連するものが含まれる。
【0098】
一実施形態では、CARは、腫瘍細胞上の抗原に特異的に結合する所望の抗原結合性ドメインを操作することによって、目的の腫瘍抗原を標的化するように操作され得る。腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞媒介性免疫応答を惹起する、腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。抗原結合性ドメインの選択は、処置される特定の型のがんに依存する。腫瘍抗原は、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン様成長因子(insulin growth factor)(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体ならびにCD33が含まれる。本明細書に開示される腫瘍抗原は、例として含まれるにすぎない。このリストは、排他的である意図はなく、さらなる例が、当業者に容易に明らかである。
【0099】
一実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍と関連する1または複数の抗原性がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃のための標的抗原として機能し得るいくつかのタンパク質を発現する。これらの分子には、組織特異的抗原、例えば、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼおよびGP 100、ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異的抗原(PSA)が含まれるがこれらに限定されない。他の標的分子は、癌遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子の群に属する。標的抗原のさらに別の群は、癌胎児性抗原(CEA)などのがん胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンが、個々の腫瘍に独自の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。B細胞分化抗原、例えば、CD19、CD20、およびCD37は、B細胞リンパ腫における標的抗原の他の候補である。これらの抗原の一部(CEA、HER-2、CD19、CD20、イディオタイプ)は、限定的な成功で、モノクローナル抗体による受動免疫療法の標的として使用されている。
【0100】
好ましい一実施形態において、腫瘍抗原はCD33であり、CD33発現と関連する腫瘍は、高レベルの細胞外タンパク質CD33を発現する肺中皮腫、卵巣および膵がん、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0101】
腫瘍抗原の型は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)でもあり得る。TSAは、腫瘍細胞に独自であり、身体中の他の細胞上には存在しない。TAAは、腫瘍細胞に独自ではなく、その代わり、抗原に対する免疫学的寛容の状態を誘導できない
条件下で正常細胞上でも発現される。腫瘍上での抗原の発現は、免疫系が抗原に応答できるようにする条件下で生じ得る。TAAは、免疫系が未熟であり応答できない胎児発生の間に正常細胞上で発現される抗原であり得、または正常細胞上では非常に低いレベルで通常存在するが、腫瘍細胞上ではかなり高いレベルで発現される抗原であり得る。
【0102】
TSAまたはTAAの非限定的な例には、以下が含まれる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2および腫瘍特異的多系列抗原、例えば、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15;過剰発現された胚抗原、例えば、CEA;過剰発現された癌遺伝子および変異した腫瘍サプレッサー遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neu;染色体転座から生じる独自の腫瘍抗原;例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7。他の大きいタンパク質ベースの抗原には、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、ベータ-カテニン、CDK4、Mum-1、p 15、p 16、43-9F、5T4、791Tgp72、アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3/CA 27.29/BCAA、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68/P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733/EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90/Mac-2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLPおよびTPSが含まれる。
【0103】
一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD19、CD20、CD22、ROR1、CD33、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、MY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCRなどを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する。
【0104】
好ましい実施形態において、CARの抗原結合性ドメイン部分は、細胞外CD33抗原を標的化する。
【0105】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 VH-2抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 VH-2抗原結合性ドメインが配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0106】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 VH-4抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号3のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 VH-4抗原結合性ドメインが配列番号4のアミノ酸配列、または配列番号4のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0107】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 ScFv9抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号5のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 ScFv9抗原結合性ドメインが配列番号6のアミノ酸配列、または配列番号6のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0108】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 ScFv10抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号7のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 ScFv10抗原結合性ドメインが配列番号8のアミノ酸配列、または配列番号8のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0109】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 ScFv12抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号9のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 ScFv12抗原結合性ドメインが、配列番号10のアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0110】
好ましい一実施形態において、細胞外CD33 ScFv15抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号11のヌクレオチド配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD33 ScFv15抗原結合性ドメインが、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0111】
本明細書に記載される特異的なCD33可変重鎖単独およびScFv抗原結合性断片または抗原バインダーの生成および結合の特徴を実施例1に示す。
【0112】
本明細書で開示されるCD33特異的CARについての種々の実施形態では、一般的図式が図1に示され、N末端からC末端へ、シグナルまたはリーダーペプチド、抗CD33ScFv、細胞外リンカー、CD8膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含み、太字テキストは連結ドメインのクローニング部位を表す。
【0113】
一実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号15の核酸配列を含み、配列番号16[LTG 1905:EF1a VH-2 CD33-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Aに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0114】
一実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号15の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号16に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[LTG
1905 EF1a VH-2 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ
アミノ酸配列(図2Aに示す)]を含むCARをコードする。
【0115】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号17の核酸配列を含み、配列番号18[LTG 1906 Ef1a- VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Bに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0116】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号17の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号18に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[LTG1906 Ef1a- VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Bに示す)]を含むCARをコードする。
【0117】
別の実施形態に置いて、CARをコードする核酸配列は、配列番号19の核酸配列を含み、配列番号20[LTG1936 Ef1a ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2Cに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0118】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号19の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号20に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[LTG1936 Ef1a ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2Cに示す)]を含むCARをコードする。
【0119】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号21の核酸配列を含み、配列番号22[LTG1937 Ef1a ScFv10 CD33 CD8
TM-41BB-CD3アミノ酸配列(図2Dに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0120】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号21の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号22に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[LTG1937 Ef1a ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3アミノ酸配列(図2Dに示す)]を含むCARをコードする。
【0121】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は配列番号23の核酸配列を含み、配列番号24に示すアミノ酸配列[LTG1938 EF1a ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Eに示す)]を含むCARをコードする。
【0122】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号23の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号24に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[LTG1938 EF1a ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Eに示す)]を含むCARをコードする。
【0123】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は配列番号25の核酸配列を含み、配列番号26に示すアミノ酸配列[(LTG1939 EF1a ScFv15
CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Fに示す)]を含むCARをコードする。
【0124】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号25の核酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含み、配列番号26に示すアミノ酸配列、またはそれに対して85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列[(LTG1939 EF1a ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Fに示す)]を含むCARをコードする。
【0125】
CD33抗原と反応する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)および単鎖断片可変(ScFv)配列を組み込んだ抗CD33 CARの表面発現について、以下の実施例2に示し表2に要約する。ScFvまたはVHを含む各CARについての発現レベルは、組換えCD33-Fcペプチド、その後AF647とコンジュゲートされた抗ヒトFcF(ab’)2断片を使用する、健康なドナー由来のLV形質導入T細胞のフローサイトメトリー分析により決定し、APCチャンネルで検出した(実施例2、図3および6参照)。VHベースの抗CD33 CAR構築物1905および1906(黒線)は2人のドナー由来のT細胞表面で容易に検出され、T細胞形質導入の再現性を実証した。一方、陰性対照である非形質導入T細胞(灰色線)、およびGFP対照(図示しない)ではCAR発現が検出されず、したがって、使用された検出方法の特異性が実証された(実施例2、図3および表2参照)。同様に、ScFvベースの抗CD33 CAR構築物1936、1937、1938および1939は、非形質導入T細胞対照(灰色線)と比較して、ヒト初代T細胞(黒線)で高度に発現された。1人のドナーの代表的な結果が示される。
【0126】
実施例2、図4および図7に示すように、以下のCARを発現するレンチウイルスベクター(LV)を作り出し、抗白血病活性について試験すると、CD33 CARの高い細胞溶解活性が実証された。各実験的CARは、4-1BB/CD3-ゼータ鎖シグナル伝達モチーフ、およびそこに特記される特異的な抗CD33結合性モチーフ/ドメインを含む。種々のCD33表面発現を有する白血病標的株4つ:HL-60およびMOLM-14(高)、RehおよびK562(低)を使用した。VHドメインベースのCAR-T構築物LTG1905およびLTG1906はCD33低K562細胞を溶解させ、LTG1906はx軸に表示されるエフェクター対標的(E:T)比でより優れた細胞溶解機能を示した(図4を参照、LTG1905およびLTG1906、それぞれ黒菱形および黒丸)。CD33高HL-60腫瘍株と組み合わせると、LTG1906は強力な死滅機能を実証したがLTG1905は実証せず、構築物LTG1906が強力であることが強調された。一方、陰性対照群:NT(非形質導入T細胞)、および1398(GFP対照が形質導入されたT細胞)ではいずれも、特異的な細胞溶解活性が発揮されなかった。したがって、本発明者らがCD33を発現する腫瘍株に対して観察した、抗CD33 CAR
LTG1906およびLTG1905の細胞溶解活性は、標的特異的かつCART依存性である。
【0127】
比較すると、ScFvベースの抗CD33 CAR構築物LTG1936およびLTG1939は、CD33高腫瘍株HL-60およびMOLM-14を効率的に溶解させることができたが、CD33低Reh腫瘍株は部分的にしか溶解させず、K562に対しては特異的な溶解活性を有しなかった(図7参照、LTG1398およびLTG1936 それぞれ白正方形および白逆三角)。この発見から、生成されたCAR構築物の効率および特異性が実証される。予想外に、このセットで試験されたさらなるCAR構築物、LTG1937およびLTG1938は、CD33高腫瘍株を溶解させるのに非効率的であり、
したがって、CART設計が些細なことではなく、可溶性抗体の特徴がCARの機能性に直接つながるわけではないことが再度実証された。
【0128】
次いで、抗CD33 CAR T細胞のサイトカイン分泌能力を評価した。腫瘍細胞をCAR T細胞または対照T細胞とともに、エフェクター対標的比10:1で一晩コインキュベートし、培養上清をELISAによりIFNガンマ、TNFアルファおよびIL-2について分析した(図5および表2参照)。注目すべきことに、CAR Tを発現する細胞LTG1905およびLTG1906は高レベルのIFNガンマ、TNFアルファおよびIL-2を産生したが、陰性対照NTおよび1398群はサイトカイン誘導をほとんど生じなかった。驚くべきことに、CD33 CAR LTG1905は、構築物LTG1906と比較して、試験を行った腫瘍株全てに対してより大きいレベルの誘導サイトカインを生じる傾向があった。この結果は、LTG1906と比較してより小さい、LTG1905のin vitroでの細胞溶解機能と対照的であり(図4参照)、複数のCAR Tの機能的エンドポイントを、構築物のベースごとに、構築物について試験する必要があることを示唆している。
【0129】
任意の特定の作用機構に限定する意図はないが、本発明の例示的なCARと関連する増強された治療機能の可能な理由には、例えば、限定としてではなく、a)より効率的なシグナル伝達を可能にする、原形質膜内での改善された側方の動き、b)脂質ラフトなどの原形質膜マイクロドメイン内の優れた位置、およびT細胞活性化と関連する膜貫通シグナル伝達カスケードと相互作用するより高い能力、c)抑制的もしくは下方調節性の相互作用から離れる優先的な動きによる、原形質膜内の優れた位置、例えば、CD45などのホスファターゼとあまり近接していないこと、もしくはそれとのより少ない相互作用、ならびにd)T細胞受容体シグナル伝達複合体(即ち、免疫シナプス)への優れたアセンブリ、またはそれらの任意の組合せが含まれると考えられる。
【0130】
本開示は、例示的な細胞外CD33可変重鎖単独およびScFv抗原結合性ドメインを用いて例示しているが、本明細書に記載されるCARにおいて使用するためのCD33抗原結合性ドメインを得るのに、CD33可変重鎖単独およびScFv抗原結合性ドメイン内のその他のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸バリアントを使用してもよい。
【0131】
標的化される所望の抗原に依存して、CARは、所望の抗原標的に対して特異的な適切な抗原結合性ドメインを含むようにさらに操作され得る。例えば、CD19が標的化される所望の抗原である場合、CD19に対する抗体が、CAR中への抗原結合ドメイン取込みとして使用され得る。
【0132】
例示的な一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD19をさらに標的化する。好ましくは、CAR中の抗原結合性ドメインは、抗CD19 ScFvであり、ここで、抗CD19 ScFvの核酸配列は、配列番号37に示される配列を含む。一実施形態では、抗CD19 ScFvは、配列番号30のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CARの抗CD19 ScFv部分は、配列番号38に示されるアミノ酸配列を含む。
【0133】
本発明の一態様では、例えば、限定としてではなく、レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、例えば、HIV-1およびHIV-LP)、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルスおよびエコーウイルス)、風疹ウイルス、コロナウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス科、ヘルペスウイルス科[例えば、1型およ
び2型単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)ならびにヘルペスウイルス]、ポックスウイルス科(例えば、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルスおよびポックスウイルス)もしくはC型肝炎ウイルスに由来する抗原、またはそれらの任意の組合せを含む非TSAまたは非TAAに結合することが可能なCARが提供される。
【0134】
本発明の別の態様では、Staphylococci、Streptococcus、Escherichia coli、PseudomonasまたはSalmonellaの細菌株に由来する抗原に結合することが可能なCARが提供される。特に、感染性細菌、例えば、Helicobacter pyloris、Legionella pneumophilia、Mycobacteria sps.の細菌株(例えば、M.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansaiiまたはM.gordonea)、Staphylococcus aureus、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitides、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes、A群Streptococcus、B群Streptococcus(Streptococcus agalactiae)、Streptococcus pneumoniaeもしくはClostridium tetaniに由来する抗原、またはそれらの組合せに結合することが可能なCARが提供される。
【0135】
2.膜貫通ドメイン
膜貫通ドメインに関して、CARは、CARの細胞外CD33抗原結合性ドメインに融合された1つまたは複数の膜貫通ドメインを含む。
【0136】
膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来し得る。供給源が天然である場合、ドメインは、任意の膜結合型または膜貫通タンパク質に由来し得る。
【0137】
本明細書に記載されるCARにおいて特に使用される膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータまたはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154に由来し得る(即ち、それらの膜貫通領域(複数可)を少なくとも含み得る)。あるいは、膜貫通ドメインは、合成であり得、その場合、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を優勢に含む。好ましくは、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンの三つ組が、合成膜貫通ドメインの各末端において見出される。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間での連結を形成し得る。グリシン-セリン二つ組は、特に適切なリンカーを提供する。
【0138】
一実施形態では、CAR中のドメインの1つと天然に関連する膜貫通ドメインが、上記膜貫通ドメインに加えて使用される。
【0139】
一部の場合には、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小化するために、かかるドメインの、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへの結合を回避するために、アミノ酸置換により選択され得る。
【0140】
一実施形態では、本発明のCAR中の膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインである。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号27の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号28のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号28のアミノ酸配列を含む
【0141】
一実施形態において、コードされる膜貫通ドメインは、配列番号28のアミノ酸配列の少なくとも1つ、2つもしくは3つの改変(例えば、置換)であるが20、10もしくは5以下の改変(例えば、置換)を有するアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列に対し95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0142】
一部の場合には、CARの膜貫通ドメインは、CD8アルファヒンジドメインを含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号29の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号30のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、CD8ヒンジドメインは、配列番号30のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0143】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8の細胞外ドメインに由来し、膜貫通CD8ドメイン、膜貫通CD28ドメイン、またはそれらの組合せに連結される、単離された核酸分子が提供される。
【0144】
一実施形態において、本発明のCARにおける膜貫通ドメインはTNFRSF19膜貫通ドメインである。一実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインは配列番号51の核酸配列を含む。一実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインは配列番号52のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインは配列番号52のアミノ酸配列を含む。
【0145】
一実施形態において、コードされる膜貫通ドメインは、配列番号52のアミノ酸配列の少なくとも1つ、2つもしくは3つの改変(例えば、置換)であるが20、10もしくは5以下の改変(例えば、置換)を有するアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列に対し95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0146】
3.スペーサードメイン
CARでは、ヒンジドメインとも呼ばれるスペーサードメインは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとの間、または細胞内ドメインと膜貫通ドメインとの間に配置され得る。スペーサードメインは、膜貫通ドメインを細胞外ドメインと連結させるように、および/または膜貫通ドメインを細胞内ドメインと連結させるように機能する、任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。スペーサードメインは、最大で300アミノ酸、好ましくは10~100アミノ酸、最も好ましくは25~50アミノ酸を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,816,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙され
るものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0148】
スペーサードメインは、好ましくは、抗原とのCARの結合を促進し、細胞中へのシグナル伝達を増強する配列を有する。結合を促進すると予測されるアミノ酸の例には、システイン、荷電アミノ酸、ならびに潜在的グリコシル化部位中のセリンおよびスレオニンが含まれ、これらのアミノ酸は、スペーサードメインを構成するアミノ酸として使用され得る。
【0149】
スペーサードメインとして、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のヒンジ領域であるアミノ酸番号118~178(配列番号31)、CD8ベータ(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号135~195、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号315~396、またはCD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号137~152の全体または一部が使用され得る。また、スペーサードメインとして、抗体H鎖またはL鎖の定常領域の一部(CH1領域またはCL領域、例えば、配列番号32に示されるアミノ酸配列を有するペプチド)が使用され得る。さらに、スペーサードメインは、人工的に合成された配列であり得る。
【0150】
さらに、CH1、(アミノ酸番号1~98)、ヒンジ、配列番号80、および対応するヌクレオチド配列番号79、(アミノ酸番号99~110)、CH2、アミノ酸配列番号81および対応するヌクレオチド配列番号80、(アミノ酸番号111~220)ならびにCH3、配列番号84および対応するヌクレオチド配列番号83、(アミノ酸番号221~327)、またはそれらの組合せ、例えばIgG4 ヒンジ CH2 CH3ドメイン、配列番号86、および対応するヌクレオチド配列番号85を含む、ヒトIgG4(UniProt ID:P01861)の定常領域を含むアミノ酸の全体または一部が使用可能である。
【0151】
一実施形態において、CARのスペーサードメインは、配列番号53の核酸配列を含むTNFRSF19ヒンジドメインを含む。一実施形態において、TNFRSF19ヒンジドメインは、配列番号54のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19ヒンジドメインは、配列番号54のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0152】
一実施形態において、CARのスペーサードメインは、配列番号55の核酸配列を含むTNFRSF19の短縮されたヒンジドメインを含む。一実施形態において、TNFRSF19の短縮されたヒンジドメインは、配列番号56のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19の短縮されたヒンジドメインは、配列番号56のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0153】
一実施形態において、TNFRSF19ヒンジおよび膜貫通ドメインは、配列番号49の核酸配列を含む。一実施形態において、TNFRSF19ヒンジおよび膜貫通ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19ヒンジおよび膜貫通ドメインは、配列番号50のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0154】
一実施形態において、配列番号57の核酸配列を含む形で、CD8aヒンジドメインはTNFRSF19膜貫通ドメインに融合された。一実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインは、配列番号58のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインに
融合されたCD8aヒンジドメインは、配列番号58のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0155】
さらにCARでは、リーダーペプチドとも呼ばれるシグナルペプチド配列を、N末端に連結することができる。シグナルペプチド配列は、多くの分泌タンパク質および膜タンパク質のN末端に存在し、15~30アミノ酸の長さを有する。細胞内ドメインとして上で言及されるタンパク質分子の多くは、シグナルペプチド配列を有するので、これらのシグナルペプチドがCARのためのシグナルペプチドとして使用され得る。一実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む。
【0156】
一実施形態において、CD8アルファリーダーペプチドは、配列番号43の核酸配列を含む。一実施形態において、CD8アルファリーダーペプチドは、配列番号44のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインは、配列番号44のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0157】
別の実施形態において、GMCSFリーダーペプチドは、配列番号39の核酸配列を含む。一実施形態において、GMCSFリーダーペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインは、配列番号40のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0158】
別の実施形態において、TNFRSF19リーダーペプチドは、配列番号41の核酸配列を含む。一実施形態において、TNFRSF19リーダーペプチド、およびCD8アルファリーダーペプチドは、配列番号42のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインは、配列番号42のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0159】
一実施形態において、上皮増殖因子受容体の短縮された配列(tEGFR)をコードするタグ配列は、配列番号67の核酸配列を含む。一実施形態において、tEGFRは配列番号68のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、tEGFRタグは配列番号68のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0160】
一実施形態において、タグ配列およびCAR配列のバイシストロニックな同時発現のために設計されるフューリン認識部位および下流T2A自己切断ペプチド配列は、配列番号65の核酸配列を含む。一実施形態において、フューリンおよびT2A配列は、配列番号66のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、tEGFRタグは、配列番号66のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0161】
一実施形態において、タグ配列およびCAR配列のバイシストロニックな同時発現のために設計される上流のフューリン認識部位およびT2A自己切断ペプチド配列およびフューリン認識下流部位は、配列番号67の核酸配列を含む。一実施形態において、フューリンおよびT2A配列は、配列番号68のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、tEGFRタグは、配列番号68のアミノ酸配列、またはそれに対して95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0162】
一実施形態において、CARの標的化ドメインはモノクローナル抗体、ScFv Fa
b、Fab’2の形態で別々に発現され、結合タグまたはエピトープを含み、一方、エフェクター細胞で発現されるCARの構成要素は、可溶性CARモジュールで発現されるタグまたはエピトープに結合するように特異的に導かれる結合性ドメインを含み、例えば、CARの可溶性構成要素が、細胞に結合した構成要素に特異的に結合すると、完全な機能的CAR構造が形成される。
【0163】
4.細胞内ドメイン
CARの細胞質ドメインまたはさもなければ細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが中に置かれた免疫細胞の正常なエフェクター機能のうち少なくとも1つの活性化を担う。用語「エフェクター機能」とは、細胞の特殊化した機能を指す。例えば、T細胞のエフェクター機能は、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性またはヘルパー活性であり得る。したがって、用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」とは、エフェクター機能シグナルを伝達し、特殊化した機能を実行するように細胞を指示する、タンパク質の部分を指す。通常は細胞内シグナル伝達ドメイン全体が使用され得るが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの短縮された部分が使用される限りにおいて、かかる短縮された部分は、それがエフェクター機能シグナルを伝達する限り、インタクトな鎖の代わりに使用され得る。したがって、用語、細胞内シグナル伝達ドメインとは、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な、細胞内シグナル伝達ドメインの任意の短縮された部分を含むことを意味する。
【0164】
CARでの使用のための細胞内シグナル伝達ドメインの好ましい例には、抗原受容体係合後にシグナル伝達を開始させるように協力して作用するT細胞受容体(TCR)および共受容体の細胞質配列、ならびにこれらの配列の任意の誘導体もしくはバリアント、および同じ機能的能力を有する任意の合成配列が含まれる。
【0165】
TCR単独を通じて生成されるシグナルが、T細胞の完全な活性化には不十分であること、および二次または共刺激シグナルもまた必要とされることは公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの別個のクラスの細胞質シグナル伝達配列によって媒介されると言われ得る:TCRを介した抗原依存的な一次活性化を開始させるもの(一次細胞質シグナル伝達配列)および二次または共刺激シグナルを提供するように抗原依存的に作用するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)。
【0166】
一次細胞質シグナル伝達配列は、刺激性の方法または阻害性の方法のいずれかで、TCR複合体の一次活性化を調節する。刺激性の様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含有し得る。
【0167】
本明細書に開示されるCARにおいて特に使用される一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例には、TCRゼータ(CD3ゼータ)、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが含まれる。ITAMの具体的な非限定的な例には、CD3ゼータ(NCBI RefSeq:NP_932170.1)のアミノ酸番号51~164、FcイプシロンRIガンマ(NCBI RefSeq:NP_004097.1)のアミノ酸番号45~86、FcイプシロンRIベータ(NCBI RefSeq:NP_000130.1)のアミノ酸番号201~244、CD3ガンマ(NCBI RefSeq:NP_000064.1)のアミノ酸番号139~182、CD3デルタ(NCBI RefSeq:NP_000723.1)のアミノ酸番号128~171、CD3イプシロン(NCBI RefSeq:NP_000724.1)のアミノ酸番号153~207、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、0022(NCBI RefSeq:NP_001762.
2)のアミノ酸番号707~847、CD79a(NCBI RefSeq:NP_001774.1)のアミノ酸番号166~226、CD79b(NCBI RefSeq:NP_000617.1)のアミノ酸番号182~229、およびCD66d(NCBI
RefSeq:NP_001806.2)のアミノ酸番号177~252の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアントが含まれる。本明細書に記載されるNCBI RefSeq IDまたはGenBankのアミノ酸配列情報に基づくアミノ酸番号は、各タンパク質の前駆体(シグナルペプチド配列などを含む)の全長に基づいて番号付けされる。一実施形態では、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータに由来する細胞質シグナル伝達配列を含む。
【0168】
好ましい実施形態では、CARの細胞内ドメインは、それ自体で、またはCARの状況で有用な任意の他の所望の細胞質ドメイン(複数可)と組み合わせて、CD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むように設計され得る。例えば、CARの細胞内ドメインは、CD3ゼータ鎖部分および共刺激シグナル伝達領域を含み得る。共刺激シグナル伝達領域とは、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の効率的な応答のために必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。かかる共刺激分子の例には、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドなどが含まれる。かかる共刺激分子の具体的な非限定的な例には、CD2(NCBI RefSeq:NP_001758.2)のアミノ酸番号236~351、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号421~458、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のアミノ酸番号207~235、CD83(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号196~210、CD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号181~220、CD137(4-1BB、NCBI RefSeq:NP_001552.2)のアミノ酸番号214~255、CD134(OX40、NCBI RefSeq:NP_003318.1)のアミノ酸番号241~277およびICOS(NCBI RefSeq:NP_036224.1)のアミノ酸番号166~199の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアントが含まれる。したがって、本明細書の開示は、4-1BBを共刺激シグナル伝達エレメントとして主に例示するが、他の共刺激エレメントが本開示の範囲内である。
【0169】
CARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列は、ランダムにまたは特定された順序で、互いに連結され得る。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、連結を形成し得る。グリシン-セリン二つ組は、特に適切なリンカーを提供する。
【0170】
一実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよびCD28のシグナル伝達ドメインを含むように設計される。別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよび4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。さらに別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインならびにCD28および4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。
【0171】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号33、配列番号45、または配列番号59にそれぞ
れ示される核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号35、配列番号47、または配列番号61にそれぞれ示される核酸配列を含む。
【0172】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号34、配列番号46、または配列番号60それぞれのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号36、または配列番号48、または配列番号62のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0173】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号34、配列番号46、または配列番号60にそれぞれ示されるアミノ酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号36、配列番号48、または配列番号62にそれぞれ示されるアミノ酸配列を含む。
【0174】
一実施形態において、CARの細胞内ドメインは、CD28のシグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、CD28のシグナル伝達ドメインは、配列番号45または配列番号59にそれぞれ示される核酸配列を含み、CD3ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号35、配列番号47、または配列番号61にそれぞれ示される核酸配列を含む。
【0175】
一実施形態において、CARの細胞内ドメインは、CD28のシグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、CD28のシグナル伝達ドメインは、配列番号46または配列番号60それぞれのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、CD3ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号36、または配列番号48、または配列番号62のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0176】
一実施形態において、CARの細胞内ドメインは、CD28のシグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、CD28のシグナル伝達ドメインは、配列番号46または配列番号60にそれぞれ示されるアミノ酸配列を含み、CD3ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号36、配列番号48、または配列番号62にそれぞれ示されるアミノ酸配列を含む。
【0177】
5.CARのさらなる記載
本明細書で開示されるCARの機能的部分もまた、本発明の範囲内に明示的に含まれる。用語「機能的部分」とは、CARに関して使用する場合、本明細書に開示されるCARの1または複数の任意の一部または断片を指し、この一部または断片は、それがその一部であるCAR(親CAR)の生物学的活性を保持する。機能的部分は、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力、または疾患を検出、処置もしくは予防する能力を保持する、CRAの一部を包含する。親CARに関して、機能的部分は、例えば、親CARの約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%またはそれ超を構成し得る。
【0178】
機能的部分は、その部分のアミノ末端もしくはカルボキシ末端において、または両方の末端において、さらなるアミノ酸を含み得、このさらなるアミノ酸は、親CARのアミノ酸配列中には見出されない。望ましくは、さらなるアミノ酸は、例えば、標的細胞を認識し、がんを検出し、がんを処置または予防するなどの、機能的部分の生物学的機能を妨害しない。より望ましくは、さらなるアミノ酸は、親CARの生物学的活性と比較して、その生物学的活性を増強する。
【0179】
本明細書に開示されるCARの機能的バリアントが、本開示の範囲内に含まれる。用語「機能的バリアント」とは、本明細書で使用する場合、親CARに対する実質的なまたは著しい配列同一性または類似性を有するCAR、ポリペプチドまたはタンパク質を指し、この機能的バリアントは、それがそのバリアントであるCARの生物学的活性を保持する。機能的バリアントは、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力を保持する、本明細書に記載されるCAR(親CAR)のバリアントを包含する。親CARに関して、機能的バリアントは、例えば、親CARに対して、少なくとも約30%、50%、75%、80%、90%、98%またはそれ超、アミノ酸配列が同一であり得る。
【0180】
機能的バリアントは、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。あるいは、またはさらに、機能的バリアントは、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を妨害も阻害もしないことが好ましい。非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を増強し得、その結果、機能的バリアントの生物学的活性は、親CARと比較して増加される。
【0181】
CARのアミノ酸置換は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的アミノ酸置換は、当該分野で公知であり、これには、ある特定の物理的および/または化学的特性を有する1つのアミノ酸が、同じまたは類似の化学的または物理的特性を有する別のアミノ酸に交換されるアミノ酸置換が含まれる。例えば、保存的アミノ酸置換は、酸性/負に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、AspまたはGlu)を置換する酸性/負に荷電した極性アミノ酸、非極性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、He、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Cys、Valなど)を置換する非極性側鎖を有するアミノ酸、塩基性/正に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、Lys、His、Argなど)を置換する塩基性/正に荷電した極性アミノ酸、極性側鎖を有する別の非荷電アミノ酸(例えば、Asn、Gin、Ser、Thr、Tyrなど)を置換する極性側鎖を有する非荷電アミノ酸、ベータ分岐側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、He、ThrおよびVal)を置換するベータ分岐側鎖を有するアミノ酸、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、His、Phe、TrpおよびTyr)を置換する芳香族側鎖を有するアミノ酸などであり得る。
【0182】
CARは、本明細書に記載される特定されたアミノ酸配列(単数または複数)から本質的になり得、その結果、他の構成要素、例えば、他のアミノ酸は、機能的バリアントの生物学的活性を著しくは変化させない。
【0183】
CAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、任意の長さであり得る、即ち、任意の数のアミノ酸を含み、但し、CAR(またはその機能的部分もしくは機能的バリアント)は、それらの生物学的活性、例えば、抗原に特異的に結合する能力、哺乳動物において罹患細胞を検出する能力、または哺乳動物において疾患を処置もしくは予防する能力などを保持する。例えば、CARは、約50~約5000アミノ酸長、例えば、50、70、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれ超アミノ酸長であり得る。
【0184】
CAR(本発明の機能的部分および機能的バリアントを含む)は、1または複数の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含み得る。かかる合成アミノ酸は、当該分野で公知であり、これには、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、-アミノ n-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-ヒドロキシプロリンおよびトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェ
ニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリン、β-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、a-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、N’-ベンジル-N’-メチル-リシン、Ν’,Ν’-ジベンジル-リシン、6-ヒドロキシリシン、オルニチン、-アミノシクロペンタンカルボン酸、a-アミノシクロヘキサンカルボン酸、a-アミノシクロヘプタンカルボン酸、a-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、γ-ジアミノ酪酸、β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニンおよびa-tert-ブチルグリシンが含まれる。
【0185】
CAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、例えばジスルフィド架橋を介した環化、もしくは酸付加塩へ変換および/または任意選択で二量体化もしくは重合、あるいはコンジュゲートされ得る。
【0186】
CAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)は、当該分野で公知の方法によって得られ得る。CARは、ポリペプチドまたはタンパク質を作製する任意の適切な方法によって作製され得る。ポリペプチドおよびタンパク質をデノボ合成する適切な方法は、Chanら、Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2000年;Peptide and Protein Drug Analysis、Reid,R.編、Marcel Dekker,Inc.、2000年;Epitope Mapping、Westwoodら編、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2001年;および米国特許第5,449,752号などの参考文献に記載されている。また、ポリペプチドおよびタンパク質は、標準的な組換え法を使用し、本明細書に記載される核酸を用いて組換え産生可能である。例えば、Sambrook et al.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、3rd ed.、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NY 2001;およびAusubel et al.、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons、NY、1994を参照のこと。さらに、一部のCAR(機能性部分およびその機能性バリアントを含む)は、植物、細菌、昆虫、哺乳動物、例えばラット、ヒトなどの供給源から単離および/または精製することができる。単離および精製方法は当技術分野で周知である。あるいは、本明細書に記載されるCAR(機能性部分およびその機能性バリアントを含む)を、企業が商業的に合成することもできる。この点で、CARは合成であっても、組換えであっても、単離されていても、かつ/または精製されていてもよい。
【0187】
B.抗体および抗原結合性断片
一実施形態は、CAR、CARを発現するT細胞、本明細書で開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性ドメインもしくは部分をさらに提供する。本明細書で使用する場合、「CARを発現するT細胞」または「CAR T細胞」とは、CARを発現するT細胞を意味し、例えば、CARの抗体由来の標的化ドメインによって決定される抗原特異性を有する。
【0188】
本明細書で使用する場合、「抗原結合性ドメイン」は、抗体およびその抗原結合性断片を含み得る。用語「抗体」は、最も広い意味で本明細書において使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(
例えば、二重特異的抗体)、およびそれらの抗原結合性断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造を包含する。抗体の非限定的な例には、例えば、当該分野で公知のインタクトな免疫グロブリン、ならびに抗原に対する結合親和性を保持するそのバリアントおよび断片が含まれる。
【0189】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体である、即ち、集団を構成する個々の抗体は、微量で存在し得る可能な天然に存在する変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性エピトープに対するものである。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られるという抗体の特徴を示すのであって、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈すべきではない。一部の例では、モノクローナル抗体は、単一クローンのBリンパ球によって産生された抗体、または単一の抗体(またはその抗原結合性断片)の抗体の軽鎖および重鎖可変領域をコードする核酸がトランスフェクトされた細胞、もしくはその子孫によって産生された抗体である。一部の例では、モノクローナル抗体は、対象から単離される。モノクローナル抗体は、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に対する影響を実質的に有さない保存的アミノ酸置換を有し得る。モノクローナル抗体の産生の例示的な方法は公知であり、例えば、Harlow & Lane、Antibodies,A Laboratory Manual、第2版 Cold Spring Harbor Publications、New York(2013年)を参照のこと。
【0190】
典型的には、免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンおよびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子を含む。2つの型の軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)が存在する。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEが存在する。
【0191】
各重鎖および軽鎖は、定常領域(または定常ドメイン)および可変領域(または可変ドメインを含有する;例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、重鎖および軽鎖の可変領域は、組み合わさって、抗原に特異的に結合する。さらなる実施形態では、重鎖可変領域のみが必要とされる。例えば、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科動物(camelid)抗体は、軽鎖の非存在下で機能的かつ安
定である(例えば、Hamers-Castermanら、Nature、363巻:446~448頁、1993年;Sheriffら、Nat.Struct.Biol.、3巻:733~736頁、1996年を参照のこと)。「VH」または「VH」への言及は、抗原結合性断片、例えば、Fv、ScFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、Fv、ScFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体軽鎖の可変ドメインを指す。
【0192】
軽鎖および重鎖の可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断された「フレームワーク」領域を含有する(例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Department of Health and Human Services、1991年を参照のこと)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。構成成分である軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である抗体のフレームワーク領域は、3次元空間にCDRを位置付けアラインさせるように機能する。
【0193】
CDRは主に、抗原のエピトープへの結合を担う。所与のCDRのアミノ酸配列境界は
、Kabatら(「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、1991年;「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(JMB 273巻、927~948頁、1997年;「Chothia」番号付けスキーム)、およびLefrancら(「 IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor
variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev.Comp.Immunol.、27巻:55~77頁、2003年;「IMGT」番号付けスキーム)に記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定され得る。各鎖のCDRは、典型的には、CDR1、CDR2およびCDR3(N末端からC末端へ)と呼ばれ、典型的には、特定のCDRが位置する鎖によっても同定される。したがって、VH CDR3は、それが見出される抗体の重鎖の可変ドメイン由来のCDR3であるが、VL CDR1は、それが見出される抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3と呼ばれる場合もある。重鎖CDRは、HCDR1、HCDR2およびHCDR3と呼ばれる場合もある。
【0194】
「抗原結合性断片」は、同族抗原を特異的に認識する能力を保持する全長抗体の部分、ならびにかかる部分の種々の組合せである。抗原結合性断片の非限定的な例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ディアボディ(diabody);直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えば、ScFv);および抗体断片から形成された多特異的抗体が含まれる。抗体断片には、抗体全体の改変によって産生された抗原結合性断片、または組換えDNA方法論を使用してde novoで合成された抗原結合性断片が含まれる(例えば、KontermannおよびDubel(編)、Antibody Engineering、1~2巻、第2版、Springer Press、2010年を参照のこと)。
【0195】
単鎖抗体(ScFv)は、適切なポリペプチドリンカーによって連結された1または複数の抗体(複数可)のVHおよびVLドメインを遺伝学的に融合された単鎖分子として含有する遺伝子操作された分子である(例えば、Birdら、Science、242巻:423~426頁、1988年;Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.、85巻:5879~5883頁、1988年;Ahmadら、Clin.Dev.Immunol.、2012年、doi:10.1155/2012/980250;Marbry、IDrugs、13巻:543~549頁、2010年を参照のこと)。ScFv中のVHドメインおよびVLドメインの分子内配向は、典型的には、ScFvにとって決定的ではない。したがって、両方の可能な配置(VHドメイン-リンカードメイン-VLドメイン;VLドメイン-リンカードメイン-VHドメイン)を有するScFvが使用され得る。
【0196】
dsFvでは、重鎖および軽鎖の可変鎖は、鎖の会合を安定化させるために、ジスルフィド結合を導入するように変異されている。VHおよびVLドメインが、単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによって、そのドメインを別の鎖の相補的ドメインとペアリングさせ、2つの抗原結合部位を創出する、二価の二重特異的抗体であるディアボディもまた含まれる(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.、90巻:6444~6448頁、1993年;Poljakら、Structure、2巻:1121~1123頁、1994年を参照のこと)。
【0197】
抗体は、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)およびヘテロコンジュゲート抗体(
例えば、二重特異的抗体)などの、遺伝子操作された形態もまた含む。Pierce Catalog and Handbook、1994~1995年(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL);Kuby,J.、Immunology、第3版、W.H.Freeman & Co.、New York、1997年もまた参照のこと。
【0198】
天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成を使用して構築され得、組換え産生され得、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuseら、Science 246巻:1275~1281頁(1989年)に記載されるように、可変重鎖および可変軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。例えば、キメラ、ヒト化、CDR移植、単鎖および二機能性抗体を作製するこれらおよび他の方法は、当業者に周知である(WinterおよびHarris、Immunol.Today 14巻:243~246頁(1993年);Wardら、Nature
341巻:544~546頁(1989年);HarlowおよびLane、上記、1988年;Hilyardら、Protein Engineering:A practical approach(IRL Press 1992年);Borrabeck、Antibody Engineering、第2版(Oxford University Press 1995年);その各々は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0199】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいてその抗原への参照抗体の結合を50%以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいてその抗原への抗体の結合を50%以上遮断する。抗体競合アッセイは公知であり、例示的な競合アッセイが本明細書で提供される。
【0200】
「ヒト化」抗体または抗原結合性断片は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(例えば、マウス、ラットまたは合成)抗体または抗原結合性断片由来の1または複数のCDRを含む。CDRを提供する非ヒト抗体または抗原結合性断片は、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト抗体または抗原結合性断片は、「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態では、全てのCDRが、ヒト化免疫グロブリン中のドナー免疫グロブリン由来である。定常領域は、存在する必要はないが、存在する場合には、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、例えば、少なくとも約85~90%、例えば、約95%以上同一であり得る。したがって、ヒト化抗体または抗原結合性断片の全ての部分は、おそらくはCDRを除いて、天然ヒト抗体配列の対応する部分と実質的に同一である。
【0201】
「キメラ抗体」は、典型的には異なる種のものである2つの異なる抗体に由来する配列を含む抗体である。一部の例では、キメラ抗体は、1つのヒト抗体由来の1または複数のCDRおよび/またはフレームワーク領域ならびに別のヒト抗体由来のCDRおよび/またはフレームワーク領域を含む。
【0202】
「完全ヒト抗体」または「ヒト抗体」は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)配列を含むが、別の種由来の配列を含まない抗体である。一部の実施形態では、ヒト抗体は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)CDR、フレームワーク領域および(存在する場合には)Fc領域を含む。ヒト抗体は、例えば、ファージディスプレイによって、ヒトゲノムに由来する配列に基づいて配列を創出するためのテクノロジーを使用して、またはトランスジェニック動物を使用して、同定および単離され得る(例えば、Barbasら Phage display:A Laboratory Manuel.第1版 New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、2004年 Print.;Lonberg、Nat.Biotech.、23巻:1117~1125頁、2005年;Lonenberg、Cu
rr.Opin.Immunol.、20巻:450~459頁、2008年を参照のこと)。
【0203】
抗体は、1または複数の結合部位を有し得る。1よりも多い結合部位が存在する場合、これらの結合部位は、互いに同一であってもよく、異なってもよい。例えば、天然に存在する免疫グロブリンは、2つの同一の結合部位を有し、単鎖抗体またはFab断片は、1つの結合部位を有するが、二重特異的または二機能性抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
【0204】
CARの任意の機能的部分に結合する能力について抗体を試験する方法は、当該分野で公知であり、これには、任意の抗体-抗原結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降および競合阻害アッセイなどが含まれる(例えば、Janewayら、以下、米国特許出願公開第2002/0197266号Al、および米国特許第7,338,929号を参照のこと)。
【0205】
また、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出可能な標識、例えば、放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などを含むように改変され得る。
【0206】
C.コンジュゲート
CAR、CARを発現するT細胞、または本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に対して特異的なモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性断片は、当業者に公知のいくつもの手段を使用して、エフェクター分子または検出可能なマーカーなどの薬剤にコンジュゲートされ得る。共有結合および非共有結合の両方の手段が使用され得る。コンジュゲートには、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体または抗原結合性断片へのエフェクター分子または検出可能なマーカーの共有結合的連結が存在する分子を含むがこれらに限定されない。当業者は、化学療法剤、抗血管新生剤、毒素、放射活性剤、例えば、125I、32P、14C、Hおよび35S、ならびに他の標識、標的部分およびリガンドなどを含む(がこれらに限定されない)種々のエフェクター分子および検出可能なマーカーが使用され得ることを理解する。
【0207】
特定のエフェクター分子または検出可能なマーカーの選択は、特定の標的分子または細胞、および所望の生物学的効果に依存する。したがって、例えば、エフェクター分子は、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)の死をもたらすために使用される細胞毒であり得る。
【0208】
エフェクター分子または検出可能なマーカーを抗体または抗原結合性断片に結合させるための手順は、エフェクターの化学構造に従って変動する。ポリペプチドは、典型的には、種々の官能基;例えば、カルボン酸(COOH)、遊離アミン(-NH)またはスルフヒドリル(-SH)基を含有し、これらは、エフェクター分子または検出可能なマーカーの結合を生じるための、抗体上の適切な官能基との反応のために利用可能である。あるいは、抗体または抗原結合性断片は、さらなる反応性官能基を曝露または結合するために誘導体化される。誘導体化は、Pierce Chemical Company、Rockford、ILから入手可能なものなどの、いくつかの公知のリンカー分子のいずれかの結合を含み得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片をエフェクター分子または検出可能なマーカーに結合させるために使用される任意の分子であり得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーの両方への共有結合を形成することが可能である。適切なリンカーは、当業者に周知であり、これに
は、直鎖もしくは分岐鎖炭素リンカー、複素環式炭素リンカーまたはペプチドリンカーが含まれるがこれらに限定されない。抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーがポリペプチドである場合、リンカーは、それらの側基を介して(例えば、システインへのジスルフィド連結を介して)構成成分アミノ酸に、または末端アミノ酸のアルファ炭素のアミノおよびカルボキシル基に結合され得る。
【0209】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,816,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙されるものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0210】
一部の実施形態では、リンカーは、細胞内条件下で切断可能であり、その結果、リンカーの切断は、細胞内環境中で、抗体または抗原結合性断片からエフェクター分子または検出可能なマーカーを放出させる。さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、例えば、抗体分解によって放出される。一部の実施形態では、リンカーは、細胞内環境中(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ内)に存在する切断剤によって切断可能である。リンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチドリンカーであり得る。一部の実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。しかし、リンカーは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長、例えば、1~2、1~3、2~5、3~10、3~15、1~5、1~10、1~15アミノ酸長であり得る。プロテアーゼには、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ得、その全ては、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して、標的細胞の内側での活性薬物の放出を生じることが公知である(例えば、DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁を参照のこと)。例えば、チオール依存的プロテアーゼであるカテプシンBによって切断可能なペプチドリンカーが使用され得る(例えば、フェニルアラニン-ロイシンまたはグリシン-フェニルアラニン-ロイシン-グリシンリンカー)。かかるリンカーの他の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,214,345号に記載されている。具体的な実施形態では、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Citruline)リンカーまたはフェニルアラニン-リシンリンカーである(例えば、バリン-シトルリンリンカーを用いたドキソルビシンの合成を記載する米国特許第6,214,345号を参照のこと)。
【0211】
他の実施形態では、切断可能なリンカーは、pH感受性、即ち、ある特定のpH値において加水分解に対して感受性である。典型的には、pH感受性リンカーは、酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソームにおいて加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニットアミド(
cis-aconitic amide)、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)が使用され得る(例えば、米国特許第5,122,368号;米国特許第5,824,805号;米国特許第5,622,929号;DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁;Nevilleら、1989年、Biol.Chem.264巻:14653~14661頁を参照のこと)。かかるリンカーは、血液中などの中性のpH条件下で比較的安定であるが、リソソームのおよそのpHであるpH5.5または5.0を下回るpHでは不安定である。ある特定の実施形態では、加水分解可能なリンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を介して治療剤に結合されたチオエーテルなど)である(例えば、米国特許第5,622,929号を参照のこと)。
【0212】
他の実施形態では、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。種々のジスルフィドリンカーが当該分野で公知であり、これには、例えば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)-、SPDBおよびSMPTを使用して形成され得るものが含まれる(例えば、Thorpeら、1987年、Cancer Res.47巻:5924~5931頁;Wawrzynczakら、Immunoconjugates:Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer(C.W.Vogel編、Oxford U.Press、1987年);Phillipsら、Cancer Res.68巻:9280~9290頁、2008年を参照のこと)。米国特許第4,880,935号もまた参照のこと。
【0213】
さらに他の具体的な実施形態では、リンカーは、マロネートリンカー(Johnsonら、1995年、Anticancer Res.15巻:1387~93頁)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1299~1304頁)または3’-N-アミドアナログ(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1305~12頁)である。
【0214】
さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、抗体分解によって放出される(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0238649号を参照のこと)。
【0215】
いくつかの実施形態では、リンカーは、細胞外環境中での切断に対して抵抗性である。例えば、コンジュゲートが細胞外環境中(例えば、血漿中)に存在する場合、コンジュゲートのサンプル中のリンカーの約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または約1%以下が切断される。リンカーが細胞外環境中での切断に対して抵抗性であるか否かは、例えば、目的のリンカーを含有するコンジュゲートを、所定の期間(例えば、2、4、8、16または24時間)にわたって血漿と共にインキュベートし、次いで、血漿中に存在する遊離のエフェクター分子または検出可能なマーカーの量を定量することによって決定され得る。コンジュゲート中で使用され得る種々の例示的なリンカーは、WO2004-010957、米国特許出願公開第2006/0074008号、米国特許出願公開第20050238649号および米国特許出願公開第2006/0024317号に記載されており、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0216】
いくつかの実施形態では、CARのコンジュゲート、CARを発現するT細胞、抗体ま
たはその抗原結合性部分、および1または複数の小分子毒素、例えば、カリチアマイシン、マイタンシノイド(maytansinoid)、ドラスタチン、アウリスタチン(auristatin)、トリコテシンおよびCC1065ならびに毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体が提供される。
【0217】
マイタンシノイド毒素部分としての使用に適切なマイタンシン(maytansine)化合物は、当該分野で周知であり、公知の方法に従って天然供給源から単離され得、遺伝子操作技術(Yuら(2002年)PNAS 99巻:7968~7973頁を参照のこと)、または公知の方法に従って合成により調製されたマイタンシノール(maytansinol)およびマイタンシノールアナログを使用して産生され得る。マイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂阻害剤である。マイタンシンは、東アフリカの低木Maytenus serrataから最初に単離された(米国特許第3,896,111号)。引き続いて、ある特定の微生物もまた、マイタンシノールおよびC-3マイタンシノールエステルなどのマイタンシノイドを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成マイタンシノールならびにその誘導体およびアナログは、例えば、米国特許第4,137,230号;米国特許第4,248,870号;米国特許第4,256,746号;米国特許第4,260,608号;米国特許第4,265,814号;米国特許第4,294,757号;米国特許第4,307,016号;米国特許第4,308,268号;米国特許第4,308,269号;米国特許第4,309,428号;米国特許第4,313,946号;米国特許第4,315,929号;米国特許第4,317,821号;米国特許第4,322,348号;米国特許第4,331,598号;米国特許第4,361,650号;米国特許第4,364,866号;米国特許第4,424,219号;米国特許第4,450,254号;米国特許第4,362,663号;および米国特許第4,371,533号に開示されており,その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。マイタンシノイドを含有するコンジュゲート、それを作製する方法、およびそれらの治療的使用は、例えば、米国特許第5,208,020号;米国特許第5,416,064号;米国特許第6,441,163号および欧州特許EP0 425 235 B1に開示されており、それらの開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0218】
さらなる毒素が、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分と共に使用され得る。例示的な毒素には、Pseudomonas外毒素(PE)、ヒマ毒、アブリン、ジフテリア毒素およびそのサブユニット、リボトキシン(ribotoxin)、リボヌクレアーゼ、サポリンおよびカリチアマイシン、ならびにボツリヌス毒素A~Fが含まれる。これらの毒素は、当該分野で周知であり、多くは、商業的供給源(例えば、Sigma Chemical Company、St.Louis、MO)から容易に入手可能である。企図される毒素には、これらの毒素のバリアントも含まれる(例えば、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと)。
【0219】
サポリンは、リボソーム複合体の60S部分を不活性化することによってタンパク質合成を破壊する、Saponaria officinalisに由来する毒素である(Stirpeら、Bio/Technology、10巻:405~412頁、1992年)。しかし、この毒素は、細胞中への特異的進入のための機構を有さず、したがって、細胞によって効率的に取り込まれるために、内在化される細胞表面タンパク質を認識する抗体または抗原結合性断片へのコンジュゲートを必要とする。
【0220】
ジフテリア毒素は、Corynebacterium diphtheriaeから単離される。典型的には、免疫毒素における使用のためのジフテリア毒素は、非特異的毒性を低減または排除するために変異される。完全な酵素活性を有するが非特異的毒性が顕著
に低減された、CRM107として公知の変異体は、1970年代以降公知であり(LairdおよびGroman、J.Virol.19巻:220頁、1976年)、ヒト臨床試験において使用されてきた。米国特許第5,792,458号および米国特許第5,208,021号を参照のこと。
【0221】
ヒマ毒は、Ricinus communis(トウゴマ)由来のレクチンRCA60である。ヒマ毒の例については、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと。Ricinus communisアグルチニン(RCA)は、それぞれ、およそ65kDおよび120kDの分子量に従って、RCA60およびRCA120と称される2つの形態で存在する(NicholsonおよびBlaustein、J.Biochim.Biophys.Acta 266巻:543頁、1972年)。A鎖は、タンパク質合成の不活性化および細胞の死滅を担う。B鎖は、ヒマ毒を細胞表面ガラクトース残基に結合させ、細胞質ゾル中へのA鎖の輸送を促進する(Olsnesら、Nature 249巻:627~631頁、1974年および米国特許第3,060,165号)。
【0222】
リボヌクレアーゼもまた、免疫毒素としての使用のために標的化分子にコンジュゲートされてきた(Suzukiら、Nat.Biotech.17巻:265~70頁、1999年を参照のこと)。例示的なリボトキシン、例えば、α-サルシン(α-sarcin)およびレストリクトシン(restrictocin)は、例えば、Rathoreら、Gene 190巻:31~5頁、1997年;ならびにGoyalおよびBatra、Biochem.345巻2部:247~54頁、2000年で議論されている。カリチアマイシンは、Micromonospora echinosporaから最初に単離されたものであり、DNA中にアポトーシスをもたらす二本鎖切断を生じさせて、エンジイン抗腫瘍抗生物質ファミリーのメンバーである(例えば、Leeら、J.Antibiot.42巻:1070~87頁、1989年を参照のこと)。この薬物は、臨床試験中の免疫毒素の毒性部分である(例えば、Gillespieら、Ann.Oncol.11巻:735~41頁、2000年を参照のこと)。
【0223】
アブリンは、Abrus precatorius由来の毒性レクチンを含む。毒性素であるアブリンa、b、cおよびdは、約63kDおよび67kDの分子量を有し、2つのジスルフィド連結されたポリペプチド鎖AおよびBから構成される。A鎖はタンパク質合成を阻害する;B鎖(アブリン-b)は、D-ガラクトース残基に結合する(Funatsuら、Agr.Biol.Chem.52巻:1095頁、1988年;およびOlsnes、Methods Enzymol.50巻:330~335頁、1978年を参照のこと)。
【0224】
CAR、CARを発現するT細胞、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に対して特異的なモノクローナル抗体、その抗原結合性断片はまた、検出可能なマーカー;例えば、ELISA、分光光度法、フローサイトメトリー、顕微鏡法または画像診断技術(例えば、コンピューター断層撮影(CT)、コンピューター体軸断層撮影(computed axial tomography)(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、核磁気共鳴画像法(NMRI)、磁気共鳴断層撮影(MTR)、超音波、光ファイバー試験および腹腔鏡下試験)による検出が可能な検出可能なマーカーとコンジュゲートされ得る。検出可能なマーカーの具体的な非限定的な例には、フルオロフォア、化学発光剤、酵素的連結、放射活性同位体および重金属または化合物(例えば、MRIによる検出のための超常磁性酸化鉄ナノ結晶)が含まれる。例えば、有用な検出可能なマーカーには、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニル(napthalenesulfonyl)塩化物、フィコエリトリン、ランタニドリン光体などを含む蛍光化合物が含まれる。ルシフェラーゼ、
緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)などの生物発光マーカーもまた使用される。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出のために有用な酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどにもコンジュゲートされ得る。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分が、検出可能な酵素とコンジュゲートされる場合、それは、識別できる反応産物を産生するために酵素が使用するさらなる試薬を添加することによって検出され得る。例えば、薬剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加が、視覚的に検出可能な着色反応産物をもたらす。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、ビオチンとコンジュゲートされ得、アビジンまたはストレプトアビジンの結合の間接的な測定を介して検出され得る。アビジン自体が酵素または蛍光標識とコンジュゲートされ得ることに留意すべきである。
【0225】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、ガドリニウムなどの常磁性薬剤とコンジュゲートされ得る。超常磁性酸化鉄などの常磁性薬剤もまた、標識として使用される。抗体は、ランタニド(例えば、ユーロピウムおよびジスプロシウム)およびマンガンともコンジュゲートされ得る。抗体または抗原結合性断片はまた、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体への結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で標識され得る。
【0226】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、放射標識されたアミノ酸とコンジュゲートされ得る。放射標識は、診断目的および治療目的の両方のために使用され得る。例えば、放射標識は、x線、発光スペクトルまたは他の診断技術によって本明細書に開示された抗原および抗原発現細胞のうち1または複数を検出するために使用され得る。さらに、放射標識は、対象における腫瘍の処置のため、例えば、神経芽細胞腫の処置のために、毒素として治療的に使用され得る。ポリペプチドのための標識の例には、以下の放射性同位体または放射性ヌクレオチド(radionucleotide)が含まれるがこれらに限定されない:H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I。
【0227】
かかる検出可能なマーカーを検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出され得、蛍光マーカーは、発せられた照明を検出するために光検出器を使用して検出され得る。酵素標識は、典型的には、酵素に基質を提供し、基質に対する酵素の作用によって産生された反応産物を検出することによって検出され、発色標識は、着色標識を単純に可視化することによって検出される。
【0228】
D.ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞
本明細書に記載されるCAR、抗体またはその抗原結合性部分(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸が、本発明の一実施形態によってさらに提供される。本発明の核酸は、本明細書に記載されるリーダー配列、抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
【0229】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、コドン改変され得る。特定の理論に束縛されないが、ヌクレオチド配列のコドン最適化は、mRNA転写物の翻訳効率を増加させると考えられる。ヌクレオチド配列のコドン最適化は、ネイティブコドンを、同じアミノ酸をコードするが、細胞内でより容易に利用可能なtRNAによって翻訳され得る別のコドンに置換し、そうして翻訳効率を増加させることを含み得る。ヌクレオチド配列の最適化
はまた、翻訳を妨害する二次mRNA構造を低減させ得、そうして翻訳効率を増加させる。
【0230】
本発明の実施形態では、核酸は、本発明のCARの抗原結合性ドメインをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。本発明の別の実施形態では、核酸は、本明細書に記載されるCAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。
【0231】
「核酸」は、本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸分子」を含み、一般に、一本鎖または二本鎖の、合成のまたは天然供給源から得られた(例えば、単離および/または精製された)ものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得、未改変のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間に見出されるホスホジエステルの代わりに、天然、非天然または変更されたヌクレオチド間連結、例えば、ホスホロアミデート(phosphoroamidate)連結またはホスホロチオエート連結を含有し得る、DNAまたはRNAのポリマーを意味する。一部の実施形態では、核酸は、いずれの挿入、欠失、逆位および/または置換も含まない。しかし、一部の場合には、本明細書で議論されるように、核酸は、1または複数の挿入、欠失、逆位および/または置換を含むことが適切であり得る。
【0232】
組換え核酸は、天然に存在しない配列を有するもの、または配列の2つのさもなければ分離されたセグメントの人工的な組合せによって作製される配列を有するものであり得る。この人工的な組合せは、化学的合成によって、またはより一般的には、例えばSambrookら、上記に記載されるものなどの遺伝子操作技術による、核酸の単離されたセグメントの人工的操作によって達成される場合が多い。核酸は、当該分野で公知の手順を使用する化学的合成および/または酵素的ライゲーション反応に基づいて構築され得る。例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記を参照のこと。例えば、核酸は、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増加させるように、もしくはハイブリダイゼーションの際に形成される二重鎖の物理的安定性を増加させるように設計された種々に改変されたヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチド)を使用して化学合成され得る。核酸を生成するために使用され得る改変型ヌクレオチドの例には、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-置換されたアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン(mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシルおよび2,6-ジアミノプリンが含まれるがこれらに限定されない。あるいは、本発明の核酸のうち1または複数は、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA、USA)などの会社から購入できる。
【0233】
核酸は、CARまたはその機能的部分もしくは機能的バリアントのいずれかをコードする任意の単離または精製されたヌクレオチド配列を含み得る。あるいは、ヌクレオチド配列は、配列のいずれかと縮重するヌクレオチド配列、または縮重配列の組合せを含み得る。
【0234】
一実施形態は、本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列、または本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離または精製された核酸もまた提供する。
【0235】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列は、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズし得る。「高いストリンジェンシーの条件」とは、ヌクレオチド配列が、非特異的ハイブリダイゼーションよりも検出可能に強い量で、標的配列(本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズすることを意味する。高いストリンジェンシーの条件には、ヌクレオチド配列と一致したいくつかの小領域(例えば、3~10塩基)を偶然に有するランダム配列から、正確に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、またはいくつかの散在するミスマッチしか含有しないポリヌクレオチドを識別する条件が含まれる。相補性のかかる小領域は、14~17またはそれ超塩基の全長相補体よりも容易に融解され、高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、それらを容易に識別可能にする。比較的高いストリンジェンシーの条件には、例えば、約0.02~0.1MのNaClまたは等価物によって、約50~70℃の温度で提供されるような、低塩および/または高温条件が含まれる。かかる高いストリンジェンシーの条件は、存在するとしても、ヌクレオチド配列と鋳型または標的鎖との間のミスマッチをほとんど忍容せず、本発明のCARのいずれかの発現を検出するのに特に適切である。一般に、条件は、漸増量のホルムアミドの添加によって、よりストリンジェントにされ得ることが理解される。
【0236】
本明細書に記載される核酸のいずれかに対して、少なくとも約70%以上、例えば、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸もまた提供される。
【0237】
一実施形態では、核酸は、組換え発現ベクター中に取り込まれ得る。これに関して、一実施形態は、核酸のいずれかを含む組換え発現ベクターを提供する。本明細書の目的のために、用語「組換え発現ベクター」とは、構築物が、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む場合、およびベクターが、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが細胞内で発現されるのに十分な条件下で細胞と接触させられる場合に、宿主細胞によるmRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの発現を可能にする、遺伝子改変されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド構築物を意味する。ベクターは、全体としては天然に存在しない。
【0238】
しかし、ベクターの一部は、天然に存在し得る。組換え発現ベクターは、一本鎖または二本鎖の、合成または一部天然供給源から得られたものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得る、DNAおよびRNAを含むがこれらに限定されない任意の型のヌクレオチドを含み得る。組換え発現ベクターは、天然に存在するもしくは天然に存在しないヌクレオチド間連結、またはその両方の型の連結を含み得る。好ましくは、天然に存在しないまたは変更されたヌクレオチドまたはヌクレオチド間連結は、ベクターの転写も複製も邪魔しない。
【0239】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得、
任意の適切な宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトするために使用され得る。適切なベクターには、プラスミドおよびウイルスなどの、繁殖および増殖のためもしくは発現のため、またはその両方のために設計されたものが含まれる。ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences、Glen Burnie、MD)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、LaJolla、CA)、pETシリーズ(Novagen、Madison、WI)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)およびpEXシリーズ(Clontech、Palo Alto、CA)からなる群から選択され得る。
【0240】
バクテリオファージベクター、例えば、λυΤΙ Ο、λυΤΙ 1、λZapII(Stratagene)、EMBL4およびλΝΜΙ 149もまた使用され得る。植物発現ベクターの例には、pBIOl、pBI101.2、pBHOl.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)が含まれる。動物発現ベクターの例には、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)が含まれる。組換え発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであり得る。レンチウイルスベクターは、特に、Miloneら、Mol.Ther.17巻(8号):1453~1464頁(2009年)に提供されるような自己不活性化レンチウイルスベクターを含む、レンチウイルスゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターである。クリニックにおいて使用され得るレンチウイルスベクターの他の例には、例えば、限定としてではなく、Oxford BioMedica plcのLENTIVECTOR(登録商標)遺伝子送達テクノロジー、LentigenのLENTIMAX(商標)ベクター系などが含まれる。非臨床型のレンチウイルスベクターもまた利用可能であり、当業者に公知である。
【0241】
いくつかのトランスフェクション技術が、当該分野で一般に公知である(例えば、Grahamら、Virology、52巻:456~467頁(1973年);Sambrookら、上記;Davisら、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier(1986年);およびChuら、Gene、13巻:97頁(1981年)を参照のこと)。
【0242】
トランスフェクション方法には、リン酸カルシウム共沈(例えば、Grahamら、上記を参照のこと)、培養細胞中への直接的マイクロインジェクション(例えば、Capecchi、Cell、22巻:479~488頁(1980年)を参照のこと)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawaら、BioTechniques、6巻:742~751頁(1988年)を参照のこと)、リポソーム媒介性遺伝子移入(例えば、Manninoら、BioTechniques、6巻:682~690頁(1988年)を参照のこと)、脂質媒介性形質導入(例えば、Feignerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84巻:7413~7417頁(1987年)を参照のこと)および高速微小推進剤(high velocity microprojectile)を使用する核酸送達(例えば、Kleinら、Nature、327巻:70~73頁(1987年)を参照のこと)が含まれる。
【0243】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記に記載される、標準的な組換えDNA技術を使用して調製され得る。環状または直鎖状である発現ベクターの構築物は、原核生物または真核生物宿主細胞において機能的な複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColEl、2μプラスミド、λ、SV40、ウシパピローマウイルスなどに由来し得る。
【0244】
組換え発現ベクターは、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮に入れて、必要に応じて、ベクターが導入される宿主細胞の型(例えば、細菌、真菌、植
物または動物)に特異的な調節配列、例えば、転写および翻訳開始および終結コドンを含み得る。組換え発現ベクターは、クローニングを容易にするための制限部位を含み得る。
【0245】
組換え発現ベクターは、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする、1または複数のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子には、殺生物剤耐性、例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性、原栄養性を提供するための栄養要求性宿主における補完などが含まれる。本発明の発現ベクターに適切なマーカー遺伝子には、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子およびアンピシリン耐性遺伝子が含まれる。
【0246】
組換え発現ベクターは、CAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)をコードするヌクレオチド配列に、またはCARをコードするヌクレオチド配列に対して相補的なもしくはかかるヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列に作動可能に連結したネイティブまたは非ネイティブのプロモーターを含み得る。プロモーターの選択、例えば、強い、弱い、誘導性、組織特異的および発生特異的は、当業者の技術範囲内である。同様に、ヌクレオチド配列をプロモーターと組み合わせることもまた、当業者の技術範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、またはマウス幹細胞ウイルスの末端反復配列において見出されるプロモーターであり得る。
【0247】
組換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定な発現のため、またはその両方のために設計され得る。また、組換え発現ベクターは、構成的発現または誘導性発現のために作製され得る。
【0248】
さらに、組換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製され得る。本明細書で使用する場合、用語「自殺遺伝子」とは、自殺遺伝子を発現する細胞を死なせる遺伝子を指す。自殺遺伝子は、この遺伝子が発現される細胞に薬物などの薬剤に対する感受性を付与する遺伝子、または細胞が薬剤と接触した場合もしくは薬剤に曝露された場合にその細胞を死なせる遺伝子であり得る。自殺遺伝子は、当該分野で公知であり(例えば、Suicide Gene Therapy: Methods and Reviews、Springer、Caroline J.(Cancer Research UK Centre for Cancer Therapeutics at the Institute of Cancer Research、Sutton、Surrey、UK)、Humana Press、2004年を参照のこと)、これには、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、シトシンデアミナーゼ(daminase)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよびニトロレダクターゼが含まれる。
【0249】
一実施形態は、本明細書に記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書で使用する場合、用語「宿主細胞」とは、本発明の組換え発現ベクターを含有し得る任意の型の細胞を指す。宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、植物、動物、真菌もしくは藻類であり得る、または原核生物細胞、例えば、細菌もしくは原生生物であり得る。宿主細胞は、培養細胞または初代細胞であり得る、即ち、ヒトなどの生物から直接単離され得る。宿主細胞は、接着細胞または懸濁細胞、即ち、懸濁物中で成長する細胞であり得る。適切な宿主細胞は、当該分野で公知であり、これには、例えば、DH5a E.coli細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK293細胞などが含まれる。組換え発現ベクターを増幅または複製することを目的とすると、宿主細胞は、原核生物細胞、例えば、DH5a細胞であり得る。組換えCARを産生することを目的とすると、宿主細胞は、哺乳動物細胞であり得る。宿主細
胞は、ヒト細胞であり得る。宿主細胞は任意の細胞型のものであり得、任意の型の組織に起源し得、任意の発生段階のものであり得るが、宿主細胞は、末梢血リンパ球(PBL)または末梢血単核球(PBMC)であり得る。宿主細胞は、T細胞であり得る。
【0250】
本明細書の目的のために、T細胞は、任意のT細胞、例えば、培養T細胞、例えば、初代T細胞、または培養T細胞株、例えば、Jurkat、SupTlなど由来のT細胞、または哺乳動物から得られたT細胞であり得る。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、血液、骨髄、リンパ節、胸腺または他の組織もしくは体液を含むがこれらに限定されない多数の供給源から得られ得る。T細胞はまた、富化または精製され得る。T細胞は、ヒトT細胞であり得る。T細胞は、ヒトから単離されたT細胞であり得る。T細胞は、CD4/CD8二重陽性T細胞、CD4ヘルパーT細胞、例えば、Th1およびTh2細胞、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、腫瘍浸潤性細胞、メモリーT細胞、メモリー幹細胞、即ち、Tscm、ナイーブT細胞などを含むがこれらに限定されない、任意の型のT細胞であり得、任意の発生段階のものであり得る。T細胞は、CD8T細胞またはCD4T細胞であり得る。
【0251】
一実施形態では、本明細書に記載されるCARは、適切な非T細胞において使用され得る。かかる細胞は、免疫エフェクター機能を有する細胞、例えば、多能性幹細胞から生成されたNK細胞およびT様細胞などである。
【0252】
本明細書に記載される少なくとも1つの宿主細胞を含む細胞の集団もまた、一実施形態によって提供される。細胞の集団は、いずれの組換え発現ベクターも含まない少なくとも1つの他の細胞、例えば宿主細胞(例えば、T細胞)、またはT細胞以外の細胞、例えば、B細胞、マクロファージ、好中球、赤血球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋肉細胞、脳細胞などに加えて、記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を含む不均一な集団であり得る。あるいは、細胞の集団は、実質的に均質な集団であり得、ここで、集団は主に、組換え発現ベクターを含む(例えば、それらから本質的になる)宿主細胞を含む。集団はまた、細胞のクローン性集団であり得、ここで、集団の全ての細胞は、組換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンであり、その結果、集団の全ての細胞は、その組換え発現ベクターを含む。本発明の一実施形態では、細胞の集団は、本明細書に記載される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン性集団である。
【0253】
CAR(その機能的部分およびバリアントを含む)、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞(その集団を含む)および抗体(その抗原結合性部分を含む)は、単離および/または精製され得る。例えば、精製(または単離)された宿主細胞の調製物は、宿主細胞が身体内のその天然環境中の細胞よりも純粋である調製物である。かかる宿主細胞は、例えば、標準的な精製技術によって産生され得る。一部の実施形態では、宿主細胞の調製物は精製され、その結果、宿主細胞は、調製物の総細胞含量の少なくとも約50%、例えば、少なくとも約70%を示す。例えば、純度は、少なくとも約50%であり得、約60%、約70%もしくは約80%よりも上であり得、または約100%であり得る。
【0254】
E.処置の方法
本明細書で開示されるCARは、哺乳動物において疾患を処置または予防する方法において使用され得ることが企図される。これに関して、一実施形態は、CAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、ならびに/または医薬組成物を、哺乳動物においてがんを処置または予防するのに有効な量で哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物においてがんを処置または予防する方法を提供する。
【0255】
一実施形態は、本明細書に開示されるCARを投与するステップの前に、哺乳動物をリ
ンパ枯渇させる(lymphodepleting)ステップをさらに含む。リンパ枯渇の例には、非骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、全身照射などが含まれ得るがこれらに限定されない。
【0256】
宿主細胞、または細胞の集団が投与される方法を目的として、細胞は、哺乳動物にとって同種または自家である細胞であり得る。好ましくは、細胞は、哺乳動物にとって自家である。本明細書で使用する場合、同種とは、材料が導入される個体と同じ種の異なる動物に由来する任意の材料を意味する。1または複数の遺伝子座において遺伝子が同一でない場合、2以上の個体は、互いに同種であると言われる。一部の態様では、同じ種の個体由来の同種材料は、抗原性に相互作用するのに十分に遺伝的に異なり得る。本明細書で使用する場合、「自家」とは、個体に後に再導入される、同じ個体に由来する任意の材料を意味する。
【0257】
本明細書で言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であり得る。本明細書で使用する場合、用語「哺乳動物」とは、齧歯目の哺乳動物、例えば、マウスおよびハムスター、ならびにウサギ(Logomorpha)目の哺乳動物、例えば、ウサギを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物を指す。哺乳動物は、ネコ(Feline)(ネコ(cat))およびイヌ(Canine)(イヌ(dog))を含む食肉目由来であり得る。哺乳動物は、ウシ(Bovine)(ウシ(cow))およびブタ(Swine)(ブタ(pig))を含む偶蹄目由来、またはウマ(Equine)(ウマ(horse))を含む奇蹄目(Perssodactyla)のものであり得る。哺乳動物は、霊長目、新世界ザル(Ceboid)目もしくはサル(Simoid)目(サル(monkey))または類人猿(Anthropoid)目(ヒトおよび類人猿(ape))のものであり得る。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0258】
これらの方法に関して、がんは、急性リンパ性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、膀胱がん(例えば、膀胱癌)、骨がん、脳がん(例えば、髄芽腫)、乳房がん、肛門、肛門管もしくは肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、頸部、胆嚢もしくは胸膜のがん、鼻、鼻腔もしくは中耳のがん、口腔のがん、外陰部のがん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性がん(chronic myeloid cancer)、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、線維肉腫、消化管カルチノイド腫瘍、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、白血病、液性腫瘍、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺癌および肺腺癌)、リンパ腫、中皮腫、肥満細胞腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、B-慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ性白血病(ALL)およびバーキットリンパ腫、卵巣がん、膵がん、腹膜、網および腸間膜のがん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん、皮膚がん、小腸がん、軟組織がん、固形腫瘍、滑膜肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がんならびに尿管がんのいずれかを含む任意のがんであり得る。
【0259】
用語「処置する」および「予防する」ならびにそれらから派生した単語は、本明細書で使用する場合、100%または完全な処置または予防を必ずしも意味しない。むしろ、当業者が潜在的な有益な効果または治療効果を有すると認識する、種々の程度の処置または予防が存在する。これに関して、この方法は、任意の量または任意のレベルの、哺乳動物におけるがんの処置または予防を提供し得る。
【0260】
さらに、この方法によって提供される処置または予防には、処置または予防されているがんなどの疾患の1または複数の状態または症状の処置または予防が含まれ得る。また、本明細書の目的のために、「予防」は、疾患、またはその症状もしくは状態の発病を遅延させることを包含し得る。
【0261】
別の実施形態は、哺乳動物におけるがんの存在を検出する方法であって、(a)哺乳動物由来の1または複数の細胞を含む試料を、CAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、または医薬組成物と接触させ、それによって、複合体を形成するステップ、ならびに(b)複合体を検出するステップであって、複合体の検出が、哺乳動物におけるがんの存在を示す、ステップを含む方法を提供する。
【0262】
試料は、任意の適切な方法、例えば、生検または剖検によって得られ得る。生検は、個体からの組織および/または細胞の取り出しである。かかる取り出しは、取り出された組織および/または細胞に対する実験を実施するために、個体から組織および/または細胞を収集することであり得る。この実験には、個体がある特定の状態もしくは疾患状態を有するかどうか、および/またはある特定の状態もしくは疾患状態に罹患しているかどうかを決定するための実験が含まれ得る。状態または疾患は、例えば、がんであり得る。
【0263】
哺乳動物における増殖障害、例えばがんの存在を検出する方法の実施形態に関して、哺乳動物の細胞を含む試料は、細胞全体、その溶解物、または細胞全体溶解物の画分、例えば、核もしくは細胞質画分、タンパク質全体画分、または核酸画分を含む試料であり得る。試料が細胞全体を含む場合、これらの細胞は、哺乳動物の任意の細胞、例えば、血液細胞または内皮細胞を含む任意の臓器または組織の細胞であり得る。
【0264】
接触させるステップは、哺乳動物に関してin vitroまたはin vivoで起こり得る。好ましくは、接触させるステップは、in vitroである。
【0265】
また、複合体の検出は、当該分野で公知の多くの方法によって行われ得る。例えば、本明細書に記載される、本明細書に開示されるCAR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、または抗体もしくはその抗原結合性部分は、検出可能な標識、例えば、上に開示される放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などで標識され得る。
【0266】
標的細胞を認識する能力および抗原特異性についてCARを試験する方法は、当該分野で公知である。例えば、Clayら、J.Immunol、163巻:507~513頁(1999年)は、サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、顆粒球/単球コロニー刺激因子(granulocyte/monocyte colony stimulating factor)(GM-CSF)、腫瘍壊死因子a(TNF-a)またはインターロイキン2(IL-2))の放出を測定する方法を教示している。さらに、CAR機能は、Zhaoら、J.Immunol.174巻:4415~4423頁(2005年)に記載されるように、細胞傷害性の測定によって評価され得る。
【0267】
別の実施形態は、本発明のCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体もしくはその抗原結合性部分、および/または医薬組成物の使用、哺乳動物におけるがんなどの増殖障害の処置または予防を提供する。がんは、本明細書に記載されるがんのいずれかであり得る。
【0268】
局所および全身投与を含む任意の投与方法が、開示された治療剤のために使用され得る。例えば、外用、経口、静脈内などの血管内、筋内、腹腔内、鼻腔内、皮内、くも膜下腔内および皮下投与が使用され得る。特定の投与様式および投薬レジメンは、症例の特徴(例えば、対象、疾患、関与する疾患状態、および処置が予防的かどうか)を考慮して、担当の臨床医によって選択される。1よりも多い薬剤または組成物が投与されている場合、
1または複数の投与経路が使用され得る;例えば、化学療法剤は、経口投与され得、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートまたは組成物は、静脈内投与され得る。投与方法には、CAR、CAR T細胞、コンジュゲート、抗体、抗原結合性断片または組成物が、非毒性の医薬的に許容される担体、例えば、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、5%ヒト血清アルブミン、固形油、オレイン酸エチルまたはリポソーム中に提供される注射が含まれる。一部の実施形態では、開示された化合物の局所投与は、例えば、腫瘍が除去された組織の領域、または腫瘍発達の傾向があると疑われる領域に、抗体または抗原結合性断片を適用することによって使用され得る。一部の実施形態では、治療有効量の抗体または抗原結合性断片を含む医薬調製物の持続性の腫瘍内(または腫瘍近傍)放出が有益であり得る。他の例では、コンジュゲートが、角膜に点眼薬として外用で、または目に硝子体内で適用される。
【0269】
開示された治療剤は、正確な投薬量の個々の投与に適切な単位剤形で製剤化され得る。さらに、開示された治療剤は、単一の用量でまたは複数用量のスケジュールで投与され得る。複数用量のスケジュールは、処置の主要な過程が、1よりも多い別々の用量、例えば1~10用量と、その後の、組成物の作用を維持または強化するために必要に応じて引き続く時間間隔で与えられる他の用量とによるものであり得るスケジュールである。処置は、数日~数カ月またはさらには数年の期間にわたる、1日用量または複数の1日用量の化合物(複数可)を含み得る。したがって、投薬レジームはまた、処置される対象の特定の要求に基づいて少なくとも一部決定され、投与する実務者の判断に依存する。
【0270】
抗体またはコンジュゲートの典型的な投薬量は、約0.01~約30mg/kg、例えば、約0.1~約10mg/kgの範囲であり得る。
【0271】
特定の例では、対象には、複数の1日投薬スケジュールで、例えば、少なくとも2連続日、10連続日など、例えば、数週間、数カ月または数年の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物、CAR、CAR T細胞またはさらなる薬剤のうち1または複数を含む治療組成物が投与される。一例では、対象には、少なくとも30日、例えば、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、少なくとも6カ月、少なくとも12カ月、少なくとも24カ月または少なくとも36カ月の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物またはさらなる薬剤が投与される。
【0272】
一部の実施形態では、開示された方法は、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、CARまたはCARを発現するT細胞と組み合わせて、手術、放射線療法および/または化学療法薬を(例えば、連続的に、実質的に同時にまたは同時に)対象に提供することを含む。かかる薬剤および処置の方法および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。さらなる薬剤についての調製および投薬スケジュールは、製造業者の指示に従って使用され得る、または当業者によって実験的に決定される通りであり得る。かかる化学療法についての調製および投薬スケジュールは、Chemotherapy Service、(1992年)M.C.Perry編、Williams & Wilkins、Baltimore、Mdにも記載されている。
【0273】
一部の実施形態では、併用治療は、治療有効量のさらなるがん阻害剤の、対象への投与を含み得る。併用治療で使用され得るさらなる治療剤の非限定的な例には、微小管結合剤、DNAインターカレーターまたはクロスリンカー、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節因子ならびに血管新生阻害剤が含まれる。これらの薬剤(治療有効量で投与される)および処置は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。例えば、任意の適切な抗がん剤または抗血管新生剤は、本明細書に開示されるCAR、CAR-T細胞、抗体、抗原結合性断片またはコンジュゲートと組み合わせて投与され得る。方法およびかかる薬剤の治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟
練の臨床医によって決定され得る。
【0274】
さらなる化学療法剤には、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミドおよびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチンおよびBBR3464)、ブスルファン、ダカルバジン、メクロレタミン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパおよびウラムスチン(uramustine);代謝拮抗薬、例えば、葉酸(例えば、メトトレキサート、ペメトレキセドおよびラルチトレキセド)、プリン(例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ピリミジン(例えば、カペシタビン)、シタラビン、フルオロウラシルおよびゲムシタビン;植物アルカロイド、例えば、ポドフィルム(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、タキサン(例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、ビンカ(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン);細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、例えば、アントラサイクリンファミリーのメンバー(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロンおよびバルルビシン)、ブレオマイシン、リファンピシン、ヒドロキシウレアおよびマイトマイシン;トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポテカンおよびイリノテカン;モノクローナル抗体、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、パニツムマブ、ペルツズマブおよびトラスツズマブ;腫瘍親和性感光色素、例えば、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウムおよびベルテポルフィン;ならびに他の薬剤、例えば、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、ベキサロテン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エルロチニブ、エストラムスチン、ゲフィチニブ、ヒドロキシカルバミド、イマチニブ、ラパチニブ、パゾパニブ、ペントスタチン、マソプロコール、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、タモキシフェン、ソラフェニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ(vemurafinib)、バンデタニブおよびトレチノインが含まれるがこれらに限定されない。かかる薬剤の選択および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。
【0275】
併用療法は、相乗作用を提供し得、相乗的であることが証明され得る、即ち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される効果は、それらの化合物を別々に使用することから生じ得る効果の合計よりも大きい。相乗効果は、活性成分が、(1)共製剤化され、併用される単位投薬製剤と同時に投与もしくは送達される場合;(2)別々の製剤として交互にもしくは並行して送達される場合;または(3)一部の他のレジメンによる場合に、達成され得る。交互に送達される場合、相乗効果は、それらの化合物が、例えば、別々のシリンジ中の異なる注射によって連続的に投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交代の間、有効投薬量の各活性成分が、連続的に、即ち、順次に投与されるが、併用療法では、有効投薬量の2以上の活性成分が一緒に投与される。
【0276】
一実施形態では、本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合性断片またはそのコンジュゲートの有効量が、抗がん処置後に腫瘍を有する対象に投与される。投与された抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートがそれぞれのがん細胞上で発現された抗原と免疫複合体を形成するのに十分な量の時間が経過した後で、免疫複合体が検出される。免疫複合体の存在(または非存在)は、処置の有効性を示す。例えば、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の増加は、その処置が有効でないことを示し、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の減少は、その処置が有効であることを示す。
【0277】
F.バイオ医薬組成物
担体(例えば、医薬的に許容される担体)中に、開示されたCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、CAR、または本明細書に開示された1もしくは複数の抗原に特異的に結合するCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む、遺伝子治療、免疫療法および/または細胞療法における使用のためのバイオ医薬組成物または生物製剤組成物(本明細書で以下「組成物」)が、本明細書で提供される。これらの組成物は、対象への投与のために単位投薬形態で調製され得る。所望の転帰を達成するための投与の量およびタイミングは、処置を行う臨床医の裁量である。これらの組成物は、全身(例えば、静脈内)または局所(例えば、腫瘍内)投与のために製剤化され得る。一例では、開示されたCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲートは、静脈内投与などの非経口投与のために製剤化される。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、腫瘍、例えば、限定としてではなく、神経芽細胞腫の、例えば、処置および検出などのために使用される。一部の例では、これらの組成物は、癌の処置または検出に有用である。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、例えば、病理学的血管新生の検出にも使用される。
【0278】
投与のための組成物には、水性担体などの薬学的に許容される担体中に溶解されたCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片の溶液が含まれ得る。例えば緩衝食塩水などの種々の水性担体が使用され得る。これらの溶液は無菌であり、一般に、望ましくない物質を含まない。組成物は、従来の周知の無菌化技術によって無菌化され得る。組成物は、生理学的条件に近付くのに必要な医薬的に許容される補助的物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、アジュバント薬剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。これらの製剤中のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの濃度は、広く変動し得、選択された特定の投与様式および対象の要求に従って、液量、粘度、体重などに主に基づいて選択される。遺伝子治療、免疫療法および/または細胞療法における使用のためのかかる投薬形態を調製する実際の方法は、当業者に公知であり、または明らかとなる。
【0279】
静脈内投与のための典型的な組成物は、1日当たり対象1人当たり約0.01~約30mg/kgの抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート(あるいは対応する用量のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片を含むコンジュゲート)を含む。投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知または明らかであり、Remington’s Pharmaceutical Science、第19版、Mack Publishing Company、Easton、PA(1995年)などの刊行物中により詳細に記載されている。
【0280】
CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、またはコンジュゲートは、凍結乾燥形態で提供され得、投与前に無菌水で再水和され得るが、これらは、既知の濃度の無菌溶液中でも提供される。次いで、CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの溶液が、0.9%塩化ナトリウム、USPを含有する注入バッグに添加され、一部の場合には、0.5~15mg/体重kgの投薬量で投与される。抗体または抗原結合性断片およびコンジュゲート薬物の投与では、当該分野でかなりの経験が利用可能である;例えば、抗体薬物は、1997年のRituxan(登録商標)の承認以降、米国で市販されている。CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片およびそれらのコンジュゲートは、静注または静脈内ボーラスでではなく、緩徐な注入によって投与され得る。一例では、より高い負荷用量が、より低いレベルで投与される引き続く維持用量と共に投与される。例えば、4mg/kgの初期負荷用量の抗体または抗原結合性断片(または対応する用量の、抗体もしくは抗
原結合性断片を含むコンジュゲート)が、およそ90分の期間にわたって注入され得、その後、以前の用量が十分に忍容された場合に30分の期間にわたって注入される4~8週間にわたる2mg/kgの毎週の維持用量が注入され得る。
【0281】
制御放出非経口製剤は、インプラント、油性注射として、または粒状の系として作製され得る。タンパク質送達系の広い概説については、Banga,A.J.、 Thera
peutic Peptides and Proteins: Formulation,Processing,and Delivery Systems、Technomic Publishing Company,Inc.、Lancaster、PA(1995年)を参照のこと。粒状の系には、ミクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェアおよびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中心コアとして、細胞毒または薬物などの治療的タンパク質を含有する。ミクロスフェアでは、治療薬は、粒子の至る所に分散される。約1μmよりも小さい粒子、ミクロスフェアおよびマイクロカプセルは一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフェアおよびナノカプセルと呼ばれる。毛細管は、ナノ粒子だけが静脈内投与されるように、およそ5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的には、直径がおよそ100μmであり、皮下または筋内投与される。例えば、Kreuter,J.、Colloidal Drug Delivery Systems、J.Kreuter編、Marcel Dekker,Inc.、New York、NY、219~342頁(1994年);ならびにTiceおよびTabibi、Treatise on Controlled Drug Delivery、A.Kydonieus編、Marcel Dekker,Inc.New York、NY、315~339頁(1992年)を参照のこと。
【0282】
ポリマーは、本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート組成物のイオン制御された放出のために使用され得る。制御された薬物送達に使用される種々の分解性および非分解性ポリマーマトリックスは、当該分野で公知である(Langer、Accounts Chem.Res.26巻:537~542頁、1993年)。例えば、ブロックコポリマーであるポロキサマー407(polaxamer 407)は、低温で粘性であるがなお可動性の液体として存在するが、体温では半流動性ゲルを形成する。これは、組換えインターロイキン-2およびウレアーゼの製剤化および持続性送達のための有効なビヒクルであることが示されている(Johnstonら、Pharm.Res.9巻:425~434頁、1992年;およびPecら、J.Parent.Sci.Tech.44巻(2号):58~65頁、1990年)。あるいは、ヒドロキシアパタイトが、タンパク質の制御された放出のための微小担体として使用されてきた(Ijntemaら、Int.J.Pharm.112巻:215~224頁、1994年)。さらに別の態様では、リポソームが、脂質カプセル化薬物の制御された放出および薬物標的化に使用される(Betageriら、Liposome Drug Delivery Systems、Technomic Publishing Co.,Inc.、Lancaster、PA(1993年))。治療的タンパク質の制御された送達のための多数のさらなる系が公知である(米国特許第5,055,303号;米国特許第5,188,837号;米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,957,735号;米国特許第5,019,369号;米国特許第5,055,303号;米国特許第5,514,670号;米国特許第5,413,797号;米国特許第5,268,164号;米国特許第5,004,697号;米国特許第4,902,505号;米国特許第5,506,206号;米国特許第5,271,961号;米国特許第5,254,342号および米国特許第5,534,496号を参照のこと)。
【0283】
G.キット
一態様では、本明細書に開示されるCARを使用するキットもまた提供される。例えば
、対象における腫瘍を処置するためのキットまたは本明細書に開示されるCARのうち1もしくは複数を発現するCAR T細胞を作製するためのキット。キットは、典型的には、本明細書に開示される、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞を含む。開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞のうち1よりも多くが、キット中に含まれ得る。
【0284】
キットは、コンテナ、およびコンテナ上のまたはコンテナと関連したラベルまたは添付文書を含み得る。適切なコンテナには、例えば、瓶、バイアル、シリンジなどが含まれる。コンテナは、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成され得る。コンテナは、典型的には、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む組成物を保持する。いくつかの実施形態では、コンテナは、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、コンテナは、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書は、その組成物が特定の状態を処置するために使用されることを示す。
【0285】
ラベルまたは添付文書は、典型的には、例えば、腫瘍を処置もしくは予防する方法、またはCAR T細胞を作製する方法における、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞の使用のための指示書をさらに含む。添付文書は、典型的には、治療的製品の使用に関する、適応症、用法、投薬量、投与、禁忌および/またはかかる警告についての情報を含む、治療的製品の市販の包装中に習慣的に含まれる指示書を含む。教材は、電子的形態(例えば、コンピューターディスケットまたはコンパクトディスク)で書かれ得、または視覚的(例えば、動画ファイル)であり得る。キットは、キットが設計される特定の適用を容易にするためのさらなる構成要素もまた含み得る。したがって、例えば、キットは、標識を検出する手段(例えば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、二次抗体などの適切な二次標識など)をさらに含み得る。キットは、特定の方法の実施のために慣用的に使用される緩衝液および他の試薬をさらに含み得る。かかるキットおよび適切な内容物は、当業者に周知である。
【実施例0286】
本発明は以下の実施例によってさらに例証され、これらの実施例は決して本発明の範囲に制約を課すものとして解釈すべきではない。反対に、その様々な他の実施形態、変更形態、および均等物に頼らなければならず、これらは本明細書の記載を読んだ後、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱せずに、当業者の念頭に浮かび得ることは容易に理解される。
【0287】
実施例1
ファージディスプレイした完全ヒトScFvおよびVHライブラリーからのCD33特異的抗体の単離
材料および方法:
a)ファージディスプレイしたヒトScFvおよびVH CD33特異的抗体の産生
50人の健康なドナーの末梢血B細胞から構築されたナイーブヒトscFv(免疫グロブリンの組換え単鎖断片可変)ファージディスプレイライブラリー(およその多様性、1010の独自の特異性)(Z.Y.ZhuおよびD.S.Dimitrov、未公開データ)、およびヒトVH(免疫グロブリン重鎖可変ドメイン)ライブラリーを、組換えヒトCD33に特異的なscFvまたはVHの選択に使用した。ファージディスプレイした1012のScFvまたはVHの増幅されたライブラリーを、体積5×100μlでコーティングされたCD33 5、3、および1μgとともにインキュベートし、第1、第2お
よび第3のラウンドそれぞれのバイオパニング中に96ウェルプレートのウェル5つに等しく分配し室温で2時間置いた。各ラウンドのインキュベーション後に、0.05%Tween20を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBST)で、第1のラウンドでは5回、その後のラウンドでは10回ウェルを洗浄して非特異的に結合したファージを除去し、結合したファージをTG1コンピテント細胞と37℃で1時間混合し、感染させた細胞からファージを増幅させて次のラウンドのバイオパニングに使用した。第3のラウンドのバイオパニング後、感染させたTG1細胞から380のクローンをランダムに選び、それぞれを、自動BioRobotics BioPickコロニーピッキングシステム(Genomic Solutions、Ann Arbor、MI)を使用することにより、96ウェルプレート中の、100μg/mlカルベニシリンおよび0.2%グルコースを含む2YT培地150μlに接種した。細菌培養物が600nmでの光学密度(OD600)0.5に到達した後、感染多重度(MOI)10のヘルパーファージM13K07および50μg/ml(最終濃度)のカナマイシンを培地に添加し、プレートを振とう機において250rpmで、30℃で一晩さらにインキュベートした。ファージ上清を体積比4:1で、PBS中3%脱脂乳溶液と混合し、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)に使用して、高CD33結合親和性を有するScFvまたはVHを提示するファージのクローンを同定した。上清を、96ウェルプレート中で1ウェルあたり50ngのコーティングされた組換えヒトCD33とともに室温で2時間インキュベートし、PBSTで5回洗浄し、(4℃で一晩インキュベートした後、PBS中3%脱脂乳溶液でブロッキングし、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄した。)CD33に結合したファージを、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートされたヤギ抗M13抗体を使用して検出した。抗体とともにインキュベートした後、ウェルを洗浄することにより、非特異的に結合した抗体を除去し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を添加し、450nmでの溶液吸光度(A450)を測定した。A450が1.0を超える、CD33に結合したクローンをさらなる特徴決定のために選択した。
【0288】
b)選択された可溶性ScFvまたはVHの発現および精製
選択されたクローンのVHおよびVL、ならびにドメインバインダーのVHをDNA配列決定し、独自の配列を有するクローンによりコードされるscFvまたはVHを下記のように発現させ、精製した。これらのクローンから抽出されたプラスミドを、HB2151細胞の形質転換に使用した。新しく形質転換された細胞を含むプレートから単一コロニーを選び、100μg/mlアンピシリンおよび0.2%グルコースを含む2YT培地200mlに接種し、250rpmで振とうしながら37℃でインキュベートした。600nmでの培養物ODが0.90に到達すると、最終濃度0.5mMでイソプロピル-β-d-チオガラクトピラノシドを添加し、培養物を30℃で一晩さらにインキュベートした。8,000×gで20分間遠心分離した後、細菌ペレットを収集し、0.5mUポリミキシンB(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)を含むPBS緩衝液に再懸濁した。50rpmで回転させながら室温で30分間インキュベートした後、再懸濁したペレットを25,000×gで25分間、4℃で遠心分離し、上清を、Ni-NTA樹脂を使用して供給業者のプロトコール(Qiagen)に従ってScFv精製に使用した。
【0289】
c)ELISA結合アッセイ
PBSで2μg/mlに希釈された組換えヒトCD33 50μlを、96ウェルプレートに4℃で一晩コーティングした。HisおよびFlagタグを有する精製されたScFvまたはVH(上記より)を段階希釈し、標的タンパク質でコーティングされたウェルに添加した。洗浄後、1:3000に希釈された、HRPとコンジュゲートされた抗Flag抗体をRTで1時間添加した。洗浄後、3、3、5、5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を添加し、室温で10分間インキュベートした後、1N HSOを添加して反応を停止させ、O.D.を450nmで読み取って、ScFvの、CD33に結
合する相対的能力を定量化した。
【0290】
結果:
ELISA結合アッセイの結果に基づき、組換えヒトCD33に特異的な別々のScFsクローン4種を同定し、それぞれヒト抗CD33 ScFvバインダーm1033-9(ScFv9)、m1033-10(ScFv10)、m1033-12(ScFv12)およびm1033-15(ScFv15)と標識した。2種の独自のVHドメインバインダーm1033-2(VH-2)およびm1033-4(VH-4)も、ELISA結合アッセイから同定した。VH-2、VH-4、ScFv9、ScFv10、ScFv12およびScFv15ヒト抗CD33バインダーを発現するキメラ抗原受容体の生成について、以下の実施例2で概説する。
【0291】
実施例2
抗CD33完全ヒト重鎖Ig単独ベースの、またはscFvベースの結合性配列を発現するCAR
この実施例では、新規の完全ヒト免疫グロブリン重鎖単独、または単鎖断片可変(scFv)バインダー配列由来の抗CD33 CAR T細胞について記載する。新規の抗CD33 CART構築物は、初代ヒトT細胞における高レベルの発現、ならびにCD33陽性腫瘍細胞に対する特異的かつ強力な細胞傷害機能およびサイトカイン機能を実証した。
【0292】
Homo sapiens CD33(シアル酸結合Ig様レクチン3、SIGLEC3、SIGLEC-3、gp67、p67)は、急性骨髄性白血病(AML)に対する十分に研究された標的である。CD33ヒト化抗体(リンツズマブ)およびCD33抗体-薬物コンジュゲート(ゲムツズマブオゾガマイシン、またはGO、Pfizer)はある程度の有効性を示したが、臨床試験において強力な治療上の利益を実証しなかった(1.Feldman EJら J Clin Oncol 2005年;23巻(18号):4110~4116頁、2.Petersdorf SHら Blood 2013年;121巻(24号):4854~4860頁)。AMG330、CD33-CD3二重特異性T細胞誘導因子(BiTE)も研究中である(Krupka Cら Blood 2014年 123巻:356~365頁)。今年の時点で、GOは変更された、はるかにより小さい用量で、かつ改訂されたレジメンで医院に再導入されたが、この薬剤の再評価のための十分な臨床データが蓄積される必要が未だある。現在開発中の別の薬剤、CD33標的化抗体-薬物コンジュゲートバダスツキシマブタリリン(SGN-CD33A)は、最近、肝毒性によりいくつかの第I/II相試験に対する臨床差し止めを招いており(ワールドワイドウェブinvestor.seattlegenetics.com/phoenix.zhtml?c=124860&p=irol-newsArticle&ID=2232880で入手可能)、安全かつ有効なCD33標的化様式を同定する差し迫った必要性を強調している。
【0293】
EF1aプロモーターの制御下で、免疫グロブリンVHドメイン、または全長ScFvのいずれかに由来するCD33結合性配列を使用してCD33 CARを設計し、形質導入効率、死滅機能およびサイトカイン産生についてin vitroで試験した。
【0294】
材料および方法:
(a)細胞株
ヒト細胞株前骨髄球性白血病HL-60、急性リンパ性白血病Reh、単球性白血病THP-1、および骨髄性白血病K562細胞株を、American Tissue Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入した。急性骨髄性白血病MOLM-14株を、German Collection of
Microorganisms and Cell Lines(DSMZ、Braunschweig Germany)から購入した。細胞株を、10%熱不活化ウシ胎児血清を添加したRPMI-1640培地(ATCC)で培養した。THP-1培養培地は0.05%ベータメルカプトエタノールも含んでいた。GFP含有または不含の、ホタルルシフェラーゼをコードするレンチウイルスベクター(Lentigen Technology、Inc.、Gaithersburg、MD)を野生型白血病株に安定に形質導入し、その後限界希釈してルシフェラーゼ陽性クローンを選択することで、ルシフェラーゼを発現するサブクローンを生成した。
【0295】
(b)キメラ抗原受容体(CAR)の創出-発現ベクター
CARの抗原結合性ドメイン配列は、ヒト抗CD33 ScFvまたは重鎖可変断片に由来していた。バインダー配列をインフレームで、CD8a連結および膜貫通ドメイン(UniProt配列ID P01732、aa 138-206)、次いで4-1BB(CD137、aa214-255、UniProt配列ID Q07011)シグナル伝達ドメインならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、aa52-163、Ref配列ID:NP_000725.1)に連結することにより、CAR T構築物を生成した。一部の構築物では、4-1BB共刺激配列ではなくCD28共刺激配列を使用した。一部の構築物では、CD8連結および/または膜貫通ドメインを、TNFRSF19タンパク質由来のドメインで置換した。一部の配列では、in vitroでの形質導入細胞のタグ化を可能にするため、かつin vivoでの適用における自殺スイッチとして、短縮された上皮増殖因子受容体(tEGFR)タグを2Aペプチドを介してCAR構築物に組み込んだ。CAR構築物配列を第3世代のレンチウイルスプラスミド骨格(Lentigen Technology Inc.、Gaithersburg、MD)にクローニングした。HEK293T細胞の一過性トランスフェクションによりレンチウイルスベクター(LV)を含む上清を生成し、レンチウイルスベクターを含む上清を遠心処理することによりベクターをペレットにして、-80℃で保存した。
【0296】
(c)初代T細胞精製および形質導入
正常なドナー由来のヒト初代T細胞を、製造業者のプロトコール(Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、Germany)に従って、CD4およびCD8細胞を免疫磁性ビーズで選択した後にバフィーコートから精製し、密度0.3~2×10細胞/mlで、40IU/ml IL-2を添加したTexMACS培地で培養し、CD3/CD28MACS(登録商標)GMP TransAct試薬(Miltenyi Biotec)で活性化し、2日目に10μg/ml硫酸プロタミン(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)存在下で一晩、CAR構築物をコードするレンチウイルスベクターを形質導入し、4日目に培地を交換した。3日目に、200IU/ml IL-2を添加したTexMACS培地に培養物を移し、7~10日目の採取まで繁殖させた。
【0297】
(d)免疫エフェクターアッセイ(CTLおよびサイトカイン)
細胞媒介性の細胞傷害性を決定するため(CTLアッセイ)、ホタルルシフェラーゼが安定に形質導入された標的細胞5,000個を種々のエフェクター対標的比でCAR T細胞と組み合わせ、一晩インキュベートした。SteadyGlo試薬(Promega、Madison WI)を各ウェルに添加し、生じた発光を秒あたりのカウントとして定量化した(試料CPS)。標的のみのウェル(最大CPS)および1%Tween-20を加えた標的のみのウェル(最小CPS)を使用してアッセイ範囲を決定した。特異的な溶解のパーセントを(1-(試料CPS-最小CPS)/(最大CPS-最小CPS))として算出した。E:T比10:1の共培養物から上清を取り出し、IFNγ、TNFαおよびIL-2濃度についてELISA(eBioscience、San Diego、CA)により分析した。
【0298】
(e)CAR表面発現のフローサイトメトリー分析
細胞染色では、CAR T形質導入細胞50万個を培養物から採取し、0.5%ウシ血清アルブミンを添加した低温のAutoMACS緩衝液(Miltenyi Biotec)で2回洗浄して、CD33-Fcペプチド(R&D、Minneapolis、MN)、その後抗Fc-AF647コンジュゲート(Jackson ImmunoResearch、West Grove、PA)での染色により、CAR表面発現を検出した。陰性対照として非形質導入細胞を使用した。全ての研究で、死滅した細胞は7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)により除外した。細胞を2回洗浄し、フローサイトメトリーによる定量分析前に染色緩衝液200μlで再懸濁させた。MACSQuant(登録商標)10 Analyzer(Miltenyi Biotec)でフローサイトメトリー分析を実施し、FlowJoソフトウェア(Ashland、OR)を使用してデータプロットを生成した。
【0299】
(f)CAR T機能のin vivo分析
CD33標的化CAR T細胞の機能性をin vivoで評価した。0日目に、6~8週齢のNSGマウス、1群あたり6匹に1.0×10のMOLM-14 CD33AML細胞を接種した。4日目にIVIS生物発光画像法により腫瘍負荷を決定し、研究5日目に等しい平均腫瘍負荷の群にマウスをランダム化して、5.0×10のCAR T細胞/マウスを投与した。14、21、28および35日目に、生物発光画像法により腫瘍退行を決定した。研究終了時にマウス生存について記録および分析した。CAR Tおよび腫瘍細胞の存在を決定するため、研究19日目に全ての動物から血液を収集した。フローサイトメトリーにより血液CAR T細胞およびMOLM-14腫瘍細胞の絶対数を決定し、MACSPlexサイトカイン12ヒトキット(Miltenyi Biotec)により、製造業者のプロトコールに従って血漿中の炎症性サイトカインレベルを測定した。
【0300】
(g)マウス血液中のCAR Tおよび腫瘍細胞のフローサイトメトリー分析
フローサイトメトリーでは、血液50μlを収集し、CAR TおよびMOLM-14腫瘍細胞の数について分析した。まず、赤血球をRed Blood Cells Lysis Solution(Miltenyi Biotec)により製造業者の説明書に従って溶解させ、白血球をヒトCD45、CD3(Miltenyi Biotec)、および7-AAD(BD Biosciences、San Jose、CA)で染色してMACSQiant10フローサイトメーター(Miltenyi Biotec)でデータ取得した。GFPレポーター遺伝子を安定に発現するMOLM-14細胞はB1チャンネルで検出した。7-AAD陽性の死滅細胞は分析から除外した。血液中のヒトT細胞およびMOLM-14数の直接定量化を容易にするため、CountBright Absolute Counting Beads(ThermoFischer Scientific、Waltham、MA)をデータ取得前に各試料に添加し、製造業者のプロトコールに従って、対応する細胞絶対数を算出した。
【0301】
(h)長期のCAR Tおよび腫瘍コインキュベーションアッセイ
5または11日間、種々の抗CD33 CAR構築物および対照を発現するCART細胞株を、腫瘍標的HL-60細胞と5:1~0.04:1の範囲のエフェクター対標的比で組み合わせた。陰性対照UTD(非形質導入細胞)、T細胞単独(E:T 1:0)およびGFP発現T細胞(1398)を含めた。各時点で、抗ヒトCD33およびCD3抗体ならびに7-AADで細胞を染色し、MACSQuant10フローサイトメーターでデータ取得した。各条件での生存CAR T細胞および腫瘍細胞のパーセンテージを決定するため、前方散乱および側方散乱、シングレット、7-AAD、CD3またはCD33について細胞をゲーティングした。
【0302】
結果:
新規の抗CD33完全ヒトScFv結合性配列を評価するため、重鎖単独バインダー配列VH-2もしくはVH-4、またはScFv配列ScFv9、ScFv10、ScFv12、もしくはScFv15のうち各1つを腫瘍抗原結合性ドメインとして組み込んだCAR構築物を設計した。各CAR設計では、腫瘍標的化ドメインの後に、ヒトCD8タンパク質由来のリンカーおよび膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメインならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインが続いた(以下の表1)。配列My96由来のScFv結合性ドメインを組み込んだ構築物LTG1940を、参照対照または比較対象として使用した。
【0303】
【表1】
【0304】
抗CD33キメラ抗原受容体が形質導入されたT細胞は、表面発現および細胞溶解活性を実証する。
【0305】
a)抗CD33 CARの表面発現
新規の抗CD33 CARを評価するため、ヒトEF1aプロモーターの制御下で、CAR構築物をコードするレンチウイルスベクター(LV)を、材料および方法に記載されるように生成した。次いで、2人の別々の健康なドナー由来のヒト初代T細胞に、CARをコードする4種のレンチウイルスベクターを形質導入した。同じドナー由来の非形質導入細胞(NT)または同じドナー由来のGFP形質導入細胞は、陰性対照として機能した。
【0306】
培養0日目に、材料および方法に記載されるように、IL-2の存在下でTransAct T細胞試薬(CD3およびCD28抗原の活性な結合、Miltenyi Biotec、Inc.)でT細胞を活性化した。培養10日目に、T細胞表面における抗CD33 CARの発現をCD33-Fcペプチド、その後抗Fc-AF647により検出し、フローサイトメトリーにより分析した。抗CD33 CAR構築物は、表面CAR発現を実証した。
【0307】
b)抗CD33 CARの細胞溶解アッセイ
生成されたCAR T細胞の細胞溶解機能を実証するため、ホタルルシフェラーゼを安定に発現するHL-60-luc、MOLM-14(CD33高)、Reh-lucおよびK562-luc(CD33低)白血病株を使用して、ルシフェラーゼベースの死滅アッセイを実施した。CART細胞および標的細胞をエフェクター対標的(E:T)比20、10および5で組み合わせ、一晩コインキュベートして、次いで材料および方法に記載されるように、発光により細胞死滅を評価した(図3図4図6および図7)。VHベースの抗CD33 CARを試験すると、CAR T構築物LTG1906が、CD33高HL-60-luc株に対してはE:T比依存性の強い細胞傷害性、より少ないCD33を発現するK562株では中程度の細胞溶解を示し、CD33低Reh-luc株では弱い細胞溶解活性しか示さなかった。したがって、細胞溶解活性は白血病ごとのCD33発現レベルに直接関連していた。さらに、陰性対照GFP構築物LTG1398、およびNT(同じドナー由来の非形質導入T細胞)は細胞溶解性でなく、細胞傷害性がCART依存性であることを実証した。特に、LTG1905 CAR構築物はHL-60luc株では細胞溶解性でなく、K562-luc株では弱い細胞溶解性でしかなかった。
【0308】
同様に、構築物LTG1906は、CD33が高度に陽性の腫瘍株THP-1およびHL-60に応答して高レベルのIFNγ、TNFα、およびIL-2を産生したが、低レベルのCD33抗原を発現する白血病株K562またはRehに曝露されると、CAR Tから分泌されたサイトカインは低レベルのままであった(図5)。興味深いことに、構築物LTG1905は、CD33陽性HL-60白血病の非効率的なin vitroでの死滅にもかかわらず、ELISAにより検出されたように非常に高レベルのIFNγ、TNFα、およびIL-2を産生した。したがって、一部のバインダーが可溶性IgGまたはScFv形式において活性で、CAR T形式におけるT細胞表面での発現に適しているが、それにも関わらずCD33陽性腫瘍を死滅させることにおいては非効率的であることから、CAR設計およびバインダー選択は些細なことではない。
【0309】
比較すると、ScFv抗CD33 CAR T細胞を試験すると、構築物LTG1936およびLTG1939がCD33高腫瘍株HL-60およびMOLM-14に対して強力な死滅活性を実証し、一方で、活性はCD33低Reh腫瘍株に対してははるかにより小さく、CD33低K562細胞に対しては実質的に検出不能であった(図7)。驚くべきことにかつ予想外に、CAR構築物LTG1937およびLTG1938は、CD33陽性腫瘍標的を溶解させることにおいて非効率的であった。このことは、可溶性抗体の結合特性および/または溶解性および/または多量体化特性などがCARの機能性に直接つながるわけでないことから、抗体断片に基づくCAR T構築物設計が些細なことではないことを再度実証している。VH単独構築物1906と同様に、scFvベースの構築物1936、1939およびMy96 scFvベースの比較対象構築物1940は全て、高度にCD33の腫瘍株HL-60およびMOLM14に曝露されると高レベルのIFNガンマおよびTNFアルファを産生したが、CD33株Rehの存在下では、または標的株非存在下でCART細胞が単独でインキュベートされた場合には、実質的にサイトカイン誘導を示さなかった。不十分なin vitro死滅機能を示したCAR構築物1937、1938は、腫瘍細胞に応答してのサイトカイン産生においても非効率的であった(データは示さない)。MOLM14およびHL60によるサイトカイン誘導を比較すると、MOLM14はより大きいCD33抗原密度(MOLM14では細胞あたり30,000部位に対し、HL-60では細胞あたり25,000部位、データは示さない)を示し、これは、試験を行った抗CD33構築物全てについて、MOLM14により惹起されたIFNガンマおよびTNFアルファの誘導がより大きいことに対応している。再度、このことは抗CD33 CAR活性化の抗原特異的な性質を実証している。予想外に、IL-2の誘導はCAR構築物1906および1940では強いが、CAR構築物1936および1939では中度であった。
【0310】
次いで、培養物中で、様々な構築物を組み込んだCAR T細胞を、HL-60 CD33腫瘍細胞と5:1~0.04:1の範囲のE:T比で組み合わせることにより、長期のコインキュベーションアッセイを実施した。UTD、非形質導入T細胞、1398、GFP形質導入T細胞、およびE:t 0.1、T細胞単独をアッセイ対照として使用した。5日(データは示さない)または11日のいずれかの間、細胞を共培養し、両方の日数で各CAR構築物についてHL-60の排除における同様の傾向が実証された(図9)。陰性対照群、UTDおよび1398では腫瘍細胞が増殖してT細胞が消失し、細胞溶解活性およびCAR T生存の延長にはCAR媒介性のT細胞の刺激が必要であることが実証された。一晩のin vitroアッセイでは成績は良好ではなかったCAR構築物1398、1398は、この長期アッセイでもHL-60死滅において有効でなく、1:1以下のE:T比全てにおいて培養物からCAR T細胞が消失し腫瘍が持続し、陰性対照群と同様の成績であった。一方、抗CD33 CAR構築物1906、1936および1939は、CTL機能において比較対象構築物1940と等しく強力であり、0.2:1と低いE:T比でHL-60腫瘍細胞の排除に成功した(図9)。したがって、構築物1906、1936、1939および1940を、AMLのin vivoモデルでのさらなる評価用に選択した。
【0311】
in vivoでの抗CD33 CAR構築物の比較を容易にするため、材料および方法に記載されるように異種移植片マウスモデルを利用した。簡潔に言えば、0日目にホタルルシフェラーゼおよびGFPを安定に発現するMOLM-14細胞をNSGマウスに接種し、研究5日目にマウスあたりCAR T細胞500万個を投与した。研究14、21、28、35日目に、IVIS生物発光画像法により腫瘍増殖動態を測定し、研究19日目にマウス血液中でのCAR T機能を評価した。
【0312】
図10Aに示すように、MOLM-14腫瘍を移植され、未処置で放置されたマウス(TA)、または非形質導入T細胞対照を投与されたマウス(UTD)は研究14日目までに疾患で死亡した。CAR構築物1936および1939は、部分的な有効性および腫瘍増殖の遅延および生存の延長を実証した。際立って、CAR構築物1906および比較対象構築物1940はMOML-14腫瘍拒絶を媒介し、これらの群の動物は全て、39日目の研究終了時まで生存した(図10Aおよび10B)。
【0313】
各処置群についての血液中のCAR T細胞レベル、血液中のMOLM-14腫瘍細胞レベル、およびCAR Tから分泌された血液サイトカインレベルを評価するため、研究19日目に各動物から血液を採取した。フローサイトメトリーにより血液試料中のCARTおよび腫瘍細胞の絶対数を測定した(図11A、左パネル)。各群のCAR T細胞数には有意な差がなかったが、構築物1906を発現するCAR T細胞はその他の群より多い傾向があり、CAR比較対象構築物1940がそれに続いた。興味深いことに、非形質導入T細胞から構成されるUTD対照群でも、おそらくはこの群に注入された細胞数が最初に多かったために(8.0×10細胞/マウス)T細胞レベルが高かった。特に、UTD対照と比較して、全てのCAR T群で循環血液MOLM-14腫瘍細胞数の統計的に有意な減少を本発明者らは検出した(図11A、右パネル)。さらに、CAR T群を互いに比較すると、CAR1906および1940が、CAR1936および1939よりも有意に大きい最強のMOLM-14細胞減少を刺激した。したがって、CAR1906および1940が、血液中のMOLM-14レベルを制御することにおいて最も効率的であり、CAR1936およびCAR1939がそれに続いた。
【0314】
測定可能なレベルの炎症性サイトカインGM-CSF、IFNガンマおよびIL-2が、CAR T細胞またはUTD対照を投薬されたマウスで検出された。これらのサイトカインのレベル間の差は有意でなかったが、構築物1906についての血漿GM-CSFお
よびIFNガンマレベルはより高い傾向があり、一方でIL-2レベルはCAR1906ならびにCAR構築物1940および1936で増大する傾向があった(図11B)。これらの結果は、活性化されたCAR T細胞による炎症性サイトカインの上昇した分泌を強調する。おそらくは研究19日目にCAR T細胞が既に最大の活性化を通過していた可能性があるため(注目すべきことに、早くも研究14日には腫瘍負荷の差が検出されている、図10A)、実験群間で有意な差は検出されなかったが、腫瘍拒絶において最も有効であったCAR1906および1940が、より大きいレベルのサイトカインを分泌する傾向もあった。
【0315】
要約すれば、新規の完全ヒト抗CD33 CAR構築物LTG1906の高い機能性、ならびに構築物LTG1936およびLTG1939の部分的な機能性(以下の表2)が、in vitroおよびin vivoで実証された。構築物LTG1936およびLTG1939の機能性が、これらが標的とする特定のエピトープに対しより良好に到達させるため、または腫瘍エピトープ結合に対するCAR応答レベルを増大させるため、CARスペーサー、リンカーまたは共刺激ドメインの再設計によりさらに改善され得ることが想定できる。VHベースの抗CD33 CAR構築物LTG1905は、フローサイトメトリーによる検出可能な表面発現および高いサイトカイン分泌にもかかわらず低い細胞溶解効果を有していた。ScFvベースのCAR T構築物LTG1937およびLTG1938も、高度に発現されるにもかかわらずin vitroで標的細胞株を溶解させることにおいて非効率的であった。
【0316】
実施例3
完全ヒト重鎖単独、またはScFvベースの結合性配列を発現する抗CD33 CARの構造を変化させることにより、CD33 CAR部分の機能特性の改善が達成され得る
この実施例では、新規の完全ヒト免疫グロブリン重鎖単独またはscFvバインダー配列由来の抗CD33 CAR T細胞の様々な構造上の構成について記載する。
【0317】
共刺激ドメインを欠くCD3ゼータなどの活性化ドメイン(第1世代CAR)とともに、単一のCD28由来、対、CD137/4-1BB由来の共刺激ドメイン(第2世代CAR)をCAR構造にインフレームで組み込むこと、または複数の共刺激ドメインを直列で(第3世代CAR)組み込むことなどにより、CART細胞は、抗原を発現する腫瘍細胞に曝露されると、IL-2、IFNガンマ、TNFアルファなどの炎症性サイトカインをより大きいまたはより小さいレベルで分泌すると想定される。
【0318】
一部の構築物では、ヒトTNFRSF19配列由来のドメインなどの新規のヒンジおよび膜貫通ドメインの組み込みにより、腫瘍細胞の死滅およびサイトカイン応答における増強された効力がCARに付与され得る。
【0319】
さらに、CD8アルファ由来のリンカードメインを、種々の長さのTNFRSSF19由来ドメイン、または免疫グロブリン定常領域および/もしくはヒンジ由来のドメイン、例えば免疫グロブリン分子のCH2、および/またはCH3、および/またはヒンジドメイン、またはそれらの改変を組み込んだIgG1由来のリンカードメインまたはIgG4由来のリンカードメインで置換することなどにより、CARヒンジすなわちリンカードメインの長さおよび組成を変化させることで、腫瘍抗原がCAR結合性ドメインに対しより良好に到達できるようになる可能性がある。これは、CARヒンジ/リンカードメインの適切な長さおよび柔軟性が、最適な到達しやすさ、腫瘍抗原への結合、およびCAR T細胞活性化に必要であることによるものである。
【0320】
さらに、CAR T細胞表面で発現されるCAR構築物配列にタグ分子を組み込むと、1)製造中および臨床での適用における、フローサイトメトリーによるCAR T細胞の
同定に、2)製造中のCAR T細胞の選別/単離に、3)抗CD19 CARに応答してのB細胞形成不全、サイトカイン放出症候群、またはCAR関連神経毒性などのCAR関連毒性に備えての、患者の体からCAR T細胞を排除するための自殺タグとして、有用である。この目的のために、CAR構築物配列は、HER1/EGFR、HER2/Neu/erbB-2、NGFR/LNGFR/CD271、CD19、CD20またはその他のタンパク質などのネイティブの膜貫通タンパク質の短縮されたエクトドメインおよび膜貫通部分を含んでいてもよい。これらのまたはその他の配列のミモトープも使用可能である。患者の循環からのタグ付きCAR T細胞の除去は、EGFR(セツキシマブ)、HER2(トラスツズマブ)、CD20(リツキシマブ)またはその他のタンパク質を標的化する抗体などの、タグ反応性の臨床グレード抗体の投与により達成されるはずである。
【0321】
上で言及されるCAR構成の選択された例を図12A~12Fにそれぞれ示す。免疫グロブリンVHドメインCD33_4由来のCD33結合性配列を使用して、示される抗CD33 CAR構築物を設計したが、ScFv形式でのバインダー配列も使用可能である。
【0322】
材料および方法:
(a)キメラ抗原受容体(CAR)の創出-発現ベクター
CARの抗原結合性ドメイン配列は、ヒト抗CD33 ScFvまたは重鎖可変断片に由来していた。バインダー配列をインフレームで、CD8a連結および膜貫通ドメイン(UniProt配列ID P01732、aa 138-206)、次いで4-1BB(CD137、aa214-255、UniProt配列ID Q07011)シグナル伝達ドメインならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、aa52-163、Ref配列ID:NP_000725.1)に連結することにより、CAR T構築物を生成した。一部の構築物では、4-1BB共刺激配列ではなくCD28共刺激配列(UniProt ID:P10747、膜貫通ドメイン、aa153-179)を使用した。一部の構築物では、CD8連結および/または膜貫通ドメインを、TNFRSF19タンパク質(UniProt ID:Q9NS68)由来の種々の長さのドメインで置換した。一部の配列では、in vitroでの形質導入細胞のタグ化を可能にするため、かつin vivoでの適用における自殺スイッチとして、短縮された上皮増殖因子受容体(tEGFR)タグ(UniProt ID:P00533、種々の配列)を2Aペプチドを介してCAR構築物に組み込んだ。CAR構築物配列を第3世代レンチウイルスプラスミド骨格(Lentigen Technology Inc.、Gaithersburg、MD)にクローニングした。レンチウイルスベクター(LV)を含む上清を、HEK293T細胞の一過性トランスフェクションにより生成し、レンチウイルスベクターを含む上清の遠心処理によりベクターをペレットにし、-80℃で保存した。
【0323】
【表2】
【0324】
本文中に引用したそれぞれの出願と特許、および(訴訟中のそれぞれの交付済特許、「出願引用文書」を含めた)それぞれの出願と特許中で引用されたそれぞれの文書または参照文献、およびこれらの出願と特許のいずれかに対応するおよび/またはその優先権を主張するそれぞれのPCTと外国出願または特許、およびそれぞれの出願引用文書中で引用もしくは参照されたそれぞれの文書は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれ、本発明を実施する際に利用することができる。より一般的には、文書または参照文献は本文中、特許請求の範囲の前の参照文献一覧中、または本文自体中のいずれかに引用され、それぞれのこれらの文書または参照文献(「本明細書中引用参照文献」)、および(任意の製造者の仕様書、説明書などを含めた)それぞれの本明細書中引用参照文献中に引用されたそれぞれの文書または参照文献は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれる。
【0325】
一部の具体的実施形態の前述の記載によって、他者が、本発明の知識を適用することによって、一般的概念から逸脱せずに、具体的実施形態などの様々な適用例に関して容易に変更または適合させることができるのに充分な情報を与え、したがってこのような適合および変更形態は、開示した実施形態の均等物の意味および範囲内と理解すべきであり、理解することが意図されている。本明細書で利用する語句または述語は、限定の目的ではな
く記載の目的であることは理解される。図面および記載中、例示的実施形態を開示しており、特異的用語が利用された可能性はあるが、他に言及しない限り、それらは限定の目的ではなく一般的および叙述的な意味でのみ使用され、したがって特許請求の範囲もそのように限定されない。さらに当業者は、本明細書で論じた方法の、ある特定ステップは別の順序で順に並べることができ、またはステップを組み合わせることができることを理解する。したがって、添付の特許請求の範囲は本明細書で開示した詳細な実施形態に限られないことが意図される。当業者は、ごく普通の実験を使用した、本明細書に記載した本発明の実施形態の多くの均等物を理解し、把握することができる。このような均等物は以下の特許請求の範囲によって包含される。
【0326】
配列表への参照
本出願は、タイトル「配列表」のPDFファイルにより、アメリカ合衆国特許商標庁に電子的に提出された配列表を含む。配列表は参照により組み込まれる。
【0327】
本開示の配列
以下に列挙する核酸およびアミノ酸配列は、37C.F.R.1.822で規定されるように、ヌクレオチド塩基用の標準的な略語、およびアミノ酸用の3文字コードを使用して示される。各核酸配列のうち一方の鎖のみが示されているが、相補鎖は、示される鎖を参照することによって含まれるものと理解される。添付の配列表では:
配列番号1 CD33反応性免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH-2)のヌクレオチド配列
gaggtgcagctggtggagtctgggggaggcttggtacagcctggagggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcaccttcagtagctatggcatgagctgggtccgccaggctccaaggaagggcctggagtggattggggaaatcaatcatagtggaagcaccaactacaacccgtccctcaagagtcgagtcaccatctccagagacaattccaagaacacgctgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacagccacgtattactgtgcgagacccctcaactactactactactacatggacgtctggggcaaagggaccacggtcaccgtctcctca
配列番号2 CD33反応性免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH-2)のアミノ酸配列
E V Q L V E S G G G L V Q P G G S L R L S C A A S G F T F S S Y G M S W V R Q A P R K G L E W I G E I N H S G S T N Y N P S L K S R V T I S R D N S K N T L Y L Q M N S L R A E D T A T Y Y C A R P L N Y Y Y Y Y M D V W G K G T T V T V S S
配列番号3 CD33反応性免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH-4)のヌクレオチド配列
gaggtgcagctggtggagtctgggggaggcttggtacagcctggagggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcaccttcagtagctatggcatgagctgggtccgccaggctccaagacaagggcttgagtgggtggccaacataaagcaagatggaagtgagaaatactatgcggactcagtgaagggccgattcaccatctccagagacaattccaagaacacgctgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacagccacgtattactgtgcgaaagaaaatgtggactggggccagggcaccctggtcaccgtctcctca
配列番号4 CD33反応性免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH-4)のアミノ酸配列
E V Q L V E S G G G L V Q P G G S L R L S C A A S G F T F S S Y G M S W V R Q A P R Q G L E W V A N I K Q D G S E K Y Y A D S V K G R F T I S R D N S K N T L Y L Q M N S L R A E D T A T Y Y C A K E N V D W G Q G T L V T V S S
配列番号5 CD33反応性ScFv9結合性ドメインのヌクレオチド配列
caggtgcagctggtgcaatctggggcagaggtgaaaaagcccggggagtctctgaggatctcctgtaagggttctggattcagttttcccacctactggatcggctgggtgcgccagatgcccgggaaaggcctggagtggatggggatcatctatcctggtgactctgataccagatacagcccgtccttccaaggccaggtcaccatctcagccgacaagtccatcagcaccgcctacctgcagtggagcagcctgaaggcctcggacaccgccatgtattactgtgcgagactagttggagatggctacaatacgggggcttttgatatctggggccaagggacaatggtcaccgtctcttcaggaggtggcgggtctggtggtggcggtagcggtggtggcggatccgatattgtgatgacccacactccactctctctgtccgtcacccctggacagccggcctccatctcctgc
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配列番号6 CD33反応性ScFv9結合性ドメインのアミノ酸配列
Q V Q L V Q S G A E V K K P G E S L R I S C K G S G F S F P T Y W I G W V R Q M P G K G L E W M G I I Y P G D S D T R Y S P S F Q G Q V T I S A D K S I S T A Y L Q
W S S L K A S D T A M Y Y C A R L V G D G Y N T G A F
D I W G Q G T M V T V S S G G G G S G G G G S G G G G
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Q S L L H S N G K T Y L Y W Y L Q K P G Q P P Q L L I
Y G A S N R F S G V P D R F S G S G S G T D F T L K I
S R V E A E D V G V Y Y C M Q S I Q L P I T F G Q G T R L E I K
配列番号7 CD33反応性ScFv10結合性ドメインのヌクレオチド配列
caggtacagctgcagcagtcaggtccaggactggtgaagccctcgcagaccctctcactcacctgtgccatctccggggacagtgtctctagcaacactgctgcttggaactggatcaggcagtccccatcgagaggccttgagtggctgggaaggacatactacaggtccaagtggtat aatgattatgcagtccctgtgaaaagtcgaataaccatcaacccagacacatccaagaaccagttctccctgcagctgaactctgtgactcccgaggacacggctgtgtattactgtgcaagagaaacgtattactatggttcggggagttattgggatgcttttgatatctggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcaggaggtggcgggtctggtagtggcggtagcggtggtggcggatcccagtctgtcgtgacgcagccgccctcagtgtctgcggccccaggacagaaggtcaccatctcctgctctggaagcagctccaacattgggaataattatgtatcctggtaccagcagctcccaggcacggcccccaaactcttcatctataaaaataatcagcggccctcagaggtccctgaccgattctctggctccaagtctggcacctcagcctccctggccatcagtgggctccagtctgacgatgaggctgactactactgtgcagcatgggatgacaggctgaatggatatgtcttcggaactgggaccaaggtcaccgtccta
配列番号8 CD33反応性ScFv10結合性ドメインのアミノ酸配列
Q V Q L Q Q S G P G L V K P S Q T L S L T C A I S G D S V S S N T A A W N W I R Q S P S R G L E W L G R T Y Y R S K W Y N D Y A V P V K S R I T I N P D T S K N Q F
S L Q L N S V T P E D T A V Y Y C A R E T Y Y Y G S G
S Y W D A F D I W G Q G T T V T V S S G G G G S G S G
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F I Y K N N Q R P S E V P D R F S G S K S G T S A S L
A I S G L Q S D D E A D Y Y C A A W D D R L N G Y V F G T G T K V T V L
配列番号9 CD33反応性ScFv12結合性ドメインのヌクレオチド配列
caggtacagctgcagcagtcaggtccaggactggtgaagccctcgcagaccctctcactcacctgtgccatctccggggacagtgtctctagcaacagtgctgcttggaactggatcaggcagtccccatcgagaggccttgagtggctgggagggacatactacaggtccaagtggtataatgattatgcagtatctgtgaaaagtcgaataattatcaacgcagacacatcgaagaaccagttctccctgcagctgaactctgtgactcccgaggacacggctgtgtattactgtgcgaggggatattactatgatagtaccgactggttcgacccctggggccagggaaccctggtcaccgtctcctcaggaggtggcgggtctggtggtggcggtagcggtggtggcggatcctcttctgagctgactcaggacccaactgtgtctgtggccttgggacagacagtcaggatcacatgccaaggagacagcctcagaagctattatgcaagctggtaccagcagaagccaggacaggcccctgtacttgtcatctatggtaaaaacaaccggccctcagggatcccagaccgattctctggctccagctcaggaaacacagcttccttgaccatcactggggctcaggcggaagatgaggctgactattactgttcctcccgggacggcagtggtcatccatatctcttcggacctgggaccaaggtcaccgttctt
配列番号10 CD33反応性ScFv12結合性ドメインのアミノ酸配列
Q V Q L Q Q S G P G L V K P S Q T L S L T C A I S G D
S V S S N S A A W N W I R Q S P S R G L E W L G G T Y Y R S K W Y N D Y A V S V K S R I I I N A D T S K N Q F
S L Q L N S V T P E D T A V Y Y C A R G Y Y Y D S T D
W F D P W G Q G T L V T V S S G G G G S G G G G S G G
G G S S S E L T Q D P T V S V A L G Q T V R I T C Q G
D S L R S Y Y A S W Y Q Q K P G Q A P V L V I Y G K N
N R P S G I P D R F S G S S S G N T A S L T I T G A Q
A E D E A D Y Y C S S R D G S G H P Y L F G P G T K V T V L
配列番号11 CD33反応性ScFv15結合性ドメインのヌクレオチド配列
gaggtccagctggtgcagtctggagcagaggtgaaaaagcccggggagtctctgaagatctcctgtaagggttctggatacagctttaccagctactggatcggctgggtgcgccagatgcccgggaaaggcctggagtggatggggatcatctatcctggtgactctgataccagatacagcccgtccttccaaggccaggtcaccatctcagccgacaagtccatcagcaccgcctacctgcagtggagcagcctgaaggcctcggacaccgccatgtattactgtgcgagactgactacggctgggggtatggacgtctggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcaggaggtggcgggtctggtggtggcggtagcggtggtggcggatccgaaattgtgctgactcagtctccactctccctgcccgtcacccttggacagccggcctccatctcctgcaggtctagtcaaagcctcgtacacagtgatggaaacacctacttgagttggcttcaccagaggccaggccagcctccaagactcctaatgtataagatttctaaccggttctctggggtcacagacagattcagtggcagcgggtcagggacagatttcacactgaaaatcagccgggtggaggctgaggatgttggggtttattactgcatgcaaggtatacacctaccgctcactttcggcggagggaccAagctggagatcaaa
配列番号12 CD33反応性ScFv15結合性ドメインのアミノ酸配列
E V Q L V Q S G A E V K K P G E S L K I S C K G S G Y S F T S Y W I G W V R Q M P G K G L E W M G I I Y P G D S D T R Y S P S F Q G Q V T I S A D K S I S T A Y L Q W S S L K A S D T A M Y Y C A R L T T A G G M D V W G Q G T T V T V S S G G G G S G G G G S G G G G S E I V L T Q S P L S L P V T L G Q P A S I S C R S S Q S L V H S D G N T Y L S W L H Q R P G Q P P R L L M Y K I S N R F S G V T D R F S G S G S G T D F T L K I S R V E A E D V G V Y Y C M Q G I H L P L T F G G G T K L E I K
配列番号13 リーダー/シグナルペプチド配列のヌクレオチド配列
atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgaactgccgcatccggcgtttctgctgattccg
配列番号14 リーダー/シグナルペプチド配列のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号15 LTG1905_(EF1a- VH-2 CD33-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGGAAGGGCCTGGAGTGGATTGGGGAAATCAATCATAGTGGAAGCACCAACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAGACCCCTCAACTACTACTACTACTACATGGACGTCTGGGGCAAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号16 LTG1905_(EF1a- VH-2 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRKGLEWIGEINHSGSTNYNPSLKSRVTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCARPLNYYYYYMDVWGKGTTVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号17 LTG1906(EF1a- VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAAGAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号18 LTG1906(EF1a-VH-4 CD33 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAKENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号19 LTG1936_(EF1a_ScFv9 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGCAGGTGCAGCTGGTGCAATCTGGGGCAGAGGTGAAAAAGCCCGGGGAGTCTCTGAGGATCTCCTGTAAGGGTTCTGGATTCAGTTTTCCCACCTACTGGATCGGCTGGGTGCGCCAGATGCCCGGGAAAGGCCTGGAGTGGATGGGGATCATCTATCCTGGTGACTCTGATACCAGATACAGCCCGTCCTTCCAAGGCCAGGTCACCATCTCAGCCGACAAGTCCATCAGCACCGCCTACCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAGGCCTCGGACACCGCCATGTATTACTGTGCGAGACTAGTTGGAGATGGCTACAATACGGGGGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGTGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCGATATTGTGATGACCCACACTCCACTCTCTCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAAGTCTAGTCAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGAAAGACCTATTTGTATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGCCTCCACAGCTCCTGATCTATGGAGCTTCCAACCGGTTCTCTGGAGTGCCAGACAGGTTCAGTGGCAGCGGGTCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCCGGGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGGTTTATTACTGCATGCAAAGTATACAGCTTCCTATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号20 LTG1936_(EF1a_ScFv9 CD33 CD8 TM-
41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGFSFPTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLVGDGYNTGAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTHTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLHSNGKTYLYWYLQKPGQPPQLLIYGASNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQSIQLPITFGQGTRLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号21 LTG1937_(EF1a_ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGCAGGTACAGCTGCAGCAGTCAGGTCCAGGACTGGTGAAGCCCTCGCAGACCCTCTCACTCACCTGTGCCATCTCCGGGGACAGTGTCTCTAGCAACACTGCTGCTTGGAACTGGATCAGGCAGTCCCCATCGAGAGGCCTTGAGTGGCTGGGAAGGACATACTACAGGTCCAAGTGGTATAATGATTATGCAGTCCCTGTGAAAAGTCGAATAACCATCAACCCAGACACATCCAAGAACCAGTTCTCCCTGCAGCTGAACTCTGTGACTCCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCAAGAGAAACGTATTACTATGGTTCGGGGAGTTATTGGGATGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTAGTGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCCAGTCTGTCGTGACGCAGCCGCCCTCAGTGTCTGCGGCCCCAGGACAGAAGGTCACCATCTCCTGCTCTGGAAGCAGCTCCAACATTGGGAATAATTATGTATCCTGGTACCAGCAGCTCCCAGGCACGGCCCCCAAACTCTTCATCTATAAAAATAATCAGCGGCCCTCAGAGGTCCCTGACCGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCAGCCTCCCTGGCCATCAGTGGGCTCCAGTCTGACGATGAGGCTGACTACTACTGTGCAGCATGGGATGACAGGCTGAATGGATATGTCTTCGGAACTGGGACCAAGGTCACCGTCCTAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号22 LTG1937_(EF1a_ScFv10 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNTAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVPVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCARETYYYGSGSYWDAFDIWGQGTTVTVSSGGGGSGSGGSGGGGSQSVVTQPPSVSAAPGQKVTISCSGSSSNIGNNYVSWYQQLPGTAPKLFIYKNNQRPSEVPDRFSGSKSGTSASLAISGLQSDDEADYYCAAWDDRLNGYVFGTGTKVTVLAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号23 LTG1938_(EF1a_ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGCAGGTACAGCTGCAGCAGTCAGGTCCAGGACTGGTGAAGCCCTCGCAGACCCTCTCACTCACCTGTGCCATCTCCGGGGACAGTGTCTCTAGCAACAGTGCTGCTTGGAACTGGATCAGGCAGTCCCCATCGAGAGGCCTTGAGTGGCTGGGAGGGACATACTACAGGTCCAAGTGGTATAATGATTATGCAGTATCTGTGAAAAGTCGAATAATTATCAACGCAGACACATCGAAGAACCAGTTCTCCCTGCAGCTGAACTCTGTGACTCCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGGGGATATTACTATGATAGTACCGACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGTGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCAACTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAAGATGAGGCTGACTATTACTGTTCCTCCCGGGACGGCAGTGGTCATCCATATCTCTTCGGACCTGGGACCAAGGTCAC
CGTTCTTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号24 LTG1938_(EF1a_ScFv12 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGGTYYRSKWYNDYAVSVKSRIIINADTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCARGYYYDSTDWFDPWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPTVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCSSRDGSGHPYLFGPGTKVTVLAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号25 LTG1939_(EF1a_ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCAGAGGTGAAAAAGCCCGGGGAGTCTCTGAAGATCTCCTGTAAGGGTTCTGGATACAGCTTTACCAGCTACTGGATCGGCTGGGTGCGCCAGATGCCCGGGAAAGGCCTGGAGTGGATGGGGATCATCTATCCTGGTGACTCTGATACCAGATACAGCCCGTCCTTCCAAGGCCAGGTCACCATCTCAGCCGACAAGTCCATCAGCACCGCCTACCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAGGCCTCGGACACCGCCATGTATTACTGTGCGAGACTGACTACGGCTGGGGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGTGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCGAAATTGTGCTGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCTTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGGTCTAGTCAAAGCCTCGTACACAGTGATGGAAACACCTACTTGAGTTGGCTTCACCAGAGGCCAGGCCAGCCTCCAAGACTCCTAATGTATAAGATTTCTAACCGGTTCTCTGGGGTCACAGACAGATTCAGTGGCAGCGGGTCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCCGGGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGGTTTATTACTGCATGCAAGGTATACACCTACCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号26 LTG1939_(EF1a_ScFv15 CD33 CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLTTAGGMDVWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLHQRPGQPPRLLMYKISNRFSGVTDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGIHLPLTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号27 DNA CD8膜貫通ドメインのヌクレオチド配列
atctacatct gggcgccctt ggccgggact tgtggggtcc ttctcctgtc actggttatc accctttact gc
配列番号28 CD8膜貫通ドメインのアミノ酸配列
Ile Trp Ala Pro Leu Ala Gly Thr Cys Gly Val Leu Leu Leu Ser Leu
Val Ile Thr Leu Tyr Cys
配列番号29 DNA CD8ヒンジドメインのヌクレオチド配列
accacgacgc cagcgccgcg accaccaaca ccggcgccca ccatcgcgtc gcagcccctg
tccctgcgcc cagaggcgtg ccggccagcg gcggggggcg cagtgcacac gagggggctg
gacttcgcct gtgat
配列番号30 CD8ヒンジドメインのアミノ酸配列
Thr Thr Thr Pro Ala Pro Arg Pro Pro Thr Pro Ala Pro Thr Ile Ala
Ser Gln Pro Leu Ser Leu Arg Pro Glu Ala Cys Arg Pro Ala Ala Gly
Gly Ala Val His Thr Arg Gly Leu Asp Phe Ala Cys Asp Ile Tyr
配列番号31 CD8.アルファ(NCBI RefSeq:NP.sub.--001759.3)のアミノ酸番号118~178ヒンジ領域のアミノ酸配列
Lys Arg Gly Arg Lys Lys Leu Leu Tyr Ile Phe Lys Gln Pro Phe Met
Arg Pro Val Gln Thr Thr Gln Glu Glu Asp Gly Cys Ser Cys Arg Phe
Pro Glu Glu Glu Glu Gly Gly Cys Glu Leu
配列番号32 ヒトIgG CL配列のアミノ酸配列
Gly Gln Pro Lys Ala Ala Pro Ser Val Thr Leu Phe Pro Pro Ser Ser
Glu Glu Leu Gln Ala Asn Lys Ala Thr Leu Val Cys Leu Ile Ser Asp
Phe Tyr Pro Gly Ala Val Thr Val Ala Trp Lys Ala Asp Ser Ser Pro
Val Lys Ala Gly Val Glu Thr Thr Thr Pro Ser Lys Gln Ser Asn Asn
Lys Tyr Ala Ala Ser Ser Tyr Leu Ser Leu Thr Pro Glu Gln Trp Lys
Ser His Arg Ser Tyr Ser Cys Gln Val Thr His Glu Gly Ser Thr Val
Glu Lys Thr Val Ala Pro Thr Glu Cys Ser
配列番号33 4-1BBのDNAシグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列
aaacggggca gaaagaaact cctgtatata ttcaaacaac catttatgag accagtacaa
actactcaag aggaagatgg ctgtagctgc cgatttccag aagaagaaga aggaggatgt
gaactg
配列番号34 4-1BBのシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列
Lys Arg Gly Arg Lys Lys Leu Leu Tyr Ile Phe Lys Gln Pro Phe Met
Arg Pro Val Gln Thr Thr Gln Glu Glu Asp Gly Cys Ser Cys Arg Phe
Pro Glu Glu Glu Glu Gly Gly Cys Glu Leu
配列番号35 CD3-ゼータのDNAシグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列
agagtgaagt tcagcaggag cgcagacgcc cccgcgtaca agcagggcca gaaccagctc
tataacgagc tcaatctagg acgaagagag gagtacgatg ttttggacaa gagacgtggc
cgggaccctg agatgggggg aaagccgaga aggaagaacc ctcaggaagg cctgtacaat
gaactgcaga aagataagat ggcggaggcc tacagtgaga ttgggatgaa aggcgagcgc
cggaggggca aggggcacga tggcctttac cagggtctca gtacagccac caaggacacc
tacgacgccc ttcacatgca ggccctgccc cctcgc
配列番号36 CD3ゼータのアミノ酸配列
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Asp Ala Pro Ala Tyr Lys Gln Gly
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
配列番号37 Scvf cd19のヌクレオチド配列
gacatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga cagagtcaccatcagttgca gggcaagtca ggacattagt aaatatttaa attggtatca gcagaaacca gatggaactg ttaaactcct gatctac
cat acatcaagat tacactcagg agtcccatca aggttcagtg gcagtgggtc tggaacagat tattctctca
ccattagcaa cctggagcaa gaagatattg ccacttactt ttgccaacag ggtaatacgc ttccgtacac gttcggaggg gggaccaagc tggagatcac aggtggcggt ggctcgggcg gtggtgggtc gggtggcggc ggatctgagg tgaaactgca ggagtcagga cctggcctgg tggcgccctc acagagcctg tccgtcacat gcactgtctc aggggtctca ttacccgact atggtgtaag ctggattcgc cagcctccac gaaagggtct ggagtggctg ggagtaatat ggggtagtga aaccacatac tataattcag ctctcaaatc cagactgacc atcatcaagg acaactccaa gagccaagtt ttcttaaaaa tgaacagtct gcaaactgat gacacagcca tttactactg tgccaaacat tattactacg gtggtagcta tgctatggac tactggggcc aaggaacctc agtcaccgtc tcctca
配列番号38 ScvF cd19のアミノ酸配列
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile Tyr His Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Thr Gly Gly Gly Gly Ser 100 105 110 Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Glu Val Lys Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln Ser Leu Ser Val Thr Cys Thr Val Ser Gly Val Ser Leu Pro Asp Tyr Gly Val Ser Trp Ile Arg Gln Pro Pro Arg Lys Gly Leu Glu Trp Leu Gly Val Ile Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser Arg Leu Thr Ile Ile Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu Lys Met Asn Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Lys His Tyr Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser
配列番号39 GMCSFリーダーペプチドのヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCG
配列番号40 GMCSFリーダーペプチドのアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号41 TNFRSF19リーダーペプチドのヌクレオチド配列
GGCTCTGAAAGTGCTGTTGGAACAAGAAAAGACCTTCTTCACCTTGCTCGTGTTGCTGGG
GTACCTGTCCTGCAAAGTCACCTGT
配列番号42 TNFRSF19リーダーペプチドのアミノ酸配列
MALKVLLEQEKTFFTLLVLLGYLSCKVTC
配列番号43 CD8アルファリーダーペプチドのヌクレオチド配列
atggcgctgccggtgaccgcgctgctgctgccgctggcgctgctgctgcatgcggcgcgc
ccg
配列番号44 CD8アルファリーダーペプチドのアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARP
配列番号45 CD28共刺激ドメインのヌクレオチド配列
CGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGG TCC
配列番号46 CD28共刺激ドメインのアミノ酸配列
RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
配列番号47 CD3ゼータ活性化ドメインのヌクレオチド配列
AGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号48 CD3ゼータ活性化ドメインのアミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGER
RRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号49 TNFRSF19ヒンジおよび膜貫通ドメインのヌクレオチド配列(膜貫通ドメインに下線を引いた)
GCGGCCGCGGTCGGATTCCAAGACATGGAATGCGTGCCCTGCGGCGACCCGCCACCTCCT
TACGAGCCGCACTGCGCATCGAAGGTCAACCTCGTGAAGATCGCGAGCACCGCGTCCTCA
CCCCGGGATACTGCTCTG GCCGCCGTGATTTGTTCCGCCTTGGCCACCGTGCTTCTGGCC
CTGCTGATCCTCTGTGTGATC
配列番号50 TNFRSF19ヒンジおよび膜貫通ドメインのアミノ酸配列(膜貫通ドメインに下線を引いた)
A A A V G F Q D M E C V P C G D P P P P Y E P H C A S K V N L V K I A S T A S S
P R D T AL A A V I C S A L A T V L L A L L I L C V I
配列番号51 TNFRSF19膜貫通ドメインのヌクレオチド配列
GCCGCCGTGATTTGTTCCGCCTTGGCCACCGTGCTTCTGGCCCTGCTGATCCTCTGTGTG
ATC
配列番号52 TNFRSF19膜貫通ドメインのアミノ酸配列
A A V I C S A L A T V L L A L L I L C V I
配列番号53 TNFRSF19ヒンジドメインのヌクレオチド配列
GCGGCCGCGGTCGGATTCCAAGACATGGAATGCGTGCCCTGCGGCGACCCGCCACCTCCT
TACGAGCCGCACTGCGCATCGAAGGTCAACCTCGTGAAGATCGCGAGCACCGCGTCCTCA
CCCCGGGATACTGCTCTG
配列番号54 TNFRSF19ヒンジドメインのアミノ酸配列
A A A V G F Q D M E C V P C G D P P P P Y E P H C A S K V N L V K I A S T A S S P R D T A L
配列番号55 短縮されたTNFRSF19ヒンジドメインのヌクレオチド配列
TACGAGCCTCACTGCGCCAGCAAAGTCAACTTGGTGAAGATCGCGAGCACTGCCTCGTCC
CCTCGGGACACTGCTCTGGC
配列番号56 短縮されたTNFRSF19ヒンジドメインのアミノ酸配列
Y E P H C A S K V N L V K I A S T A S S P R D T A L
配列番号57 TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインのヌクレオチド配列(膜貫通配列に下線を引いた)
GCGGCCGCGCCCGCCCCTCGGCCCCCGACTCCTGCCCCGACGATCGCTTCCCAACCTCTC
TCGCTGCGCCCGGAAGCATGCCGGCCCGCCGCCGGTGGCGCTGTCCACACTCGCGGACTG
GACTTTGATACCGCACTG GCGGCCGTGATCTGTAGCGCCCTGGCCACCGTGCTGCTGGCG
CTGCTCATCCTTTGCGTGATCTACTGCAAGCGGCAGCCTAGG
配列番号58 TNFRSF19膜貫通ドメインに融合されたCD8aヒンジドメインのアミノ酸配列(膜貫通配列に下線を引いた)
A A A P A P R P P T P A P T I A S Q P L S L R P E A C R P A A G G A V H T R G L D F D T A L A A V I C S A L A T V L L A L L I L C V I Y C K R Q P R
配列番号59 CD28共刺激ドメインのヌクレオチド配列
CGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCC
GGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGG
TCC
配列番号60 CD28共刺激ドメインのアミノ酸配列
RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
配列番号61 CD3ゼータバージョン2のヌクレオチド配列
cgcgtgaaatttagccgcagcgcggatgcgccggcgtatcagcagggccagaaccagctg
tataacgaactgaacctgggccgccgcgaagaatatgatgtgctggataaacgccgcggc
cgcgatccggaaatgggcggcaaaccgcgccgcaaaaacccgcaggaaggcctgtataac
gaactgcagaaagataaaatggcggaagcgtatagcgaaattggcatgaaaggcgaacgc
cgccgcggcaaaggccatgatggcctgtatcagggcctgagcaccgcgaccaaagatacc
tatgatgcgctgcatatgcaggcgctgccgccgcgc
配列番号62 CD3ゼータバージョン2のアミノ酸配列
R V K F S R S A D A P A Y Q Q G Q N Q L Y N E L N L G
R R E E Y D V L D K R R G R D P E M G G K P R R K N P
Q E G L Y N E L Q K D K M A E A Y S E I G M K G E R R R G K G H D G L Y Q G L S T A T K D T Y D A L H M Q A L P P R
配列番号63 フューリンP2Aフューリンのヌクレオチド配列
CGCGCGAAACGCAGCGGCAGCGGCGCGACCAACTTTAGCCTGCTGAAACAGGCGGGCGAT GTGGAAGAAAACCCGGGCCCGCGAGCAAAGAGG
配列番号64 フューリンP2Aフューリンのアミノ酸配列(フューリン配列に下線を引いた)
RAKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPRAKR
配列番号65 フューリンT2Aのヌクレオチド配列
AGAGCTAAACGCTCTGGGTCTGGTGAAGGACGAGGTAGCCTTCTTACGTGCGGAGACGTGGAGGAAAACCCAGGACCC
配列番号66 フューリンT2Aのアミノ酸配列(フューリン配列に下線を引いた)
RAKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP
配列番号67 短縮されたEGFR(tEGFR)タグのヌクレオチド配列
AGGAAGGTTTGCAATGGAATCGGTATAGGGGAGTTTAAGGATTCACTTAGCATAAACGCT
ACTAATATTAAACACTTCAAAAACTGTACGAGTATAAGTGGAGATCTTCACATTTTGCCG
GTTGCATTCCGAGGCGATTCATTCACCCACACGCCACCGCTTGACCCACAAGAATTGGAT
ATTCTTAAAACCGTTAAAGAAATAACGGGGTTTTTGCTCATTCAAGCGTGGCCAGAAAAT
CGCACTGACCTCCATGCTTTCGAGAACCTGGAGATTATAAGAGGACGAACTAAGCAGCAT
GGTCAATTCTCCCTTGCTGTGGTCAGCCTGAACATCACCAGTCTTGGTTTGCGGTCCCTC
AAGGAAATTTCAGATGGAGATGTCATCATAAGCGGCAACAAGAATTTGTGCTATGCAAAT
ACCATAAACTGGAAAAAACTGTTTGGCACTTCCGGCCAGAAAACCAAGATTATTTCAAAT
CGGGGTGAGAACAGCTGCAAAGCCACCGGCCAGGTTTGTCATGCCTTGTGCTCTCCGGAA
GGCTGTTGGGGGCCAGAACCCAGGGACTGCGTCAGTTGCAGAAACGTCTCAAGAGGCCGC
GAATGCGTTGACAAGTGTAACCTCCTTGAGGGTGAGCCACGAGAGTTTGTTGAGAACAGC
GAGTGTATACAATGTCACCCTGAATGTTTGCCCCAGGCTATGAATATAACCTGCACAGGC
CGCGGGCCTGATAACTGCATCCAGTGTGCTCATTACATAGATGGACCTCACTGTGTGAAA
ACCTGCCCGGCCGGAGTTATGGGAGAAAACAACACTCTGGTGTGGAAATACGCTGATGCA
GGCCACGTGTGCCACCTTTGTCACCCGAATTGTACATATGGGTGTACCGGTCCTGGACTT
GAAGGTTGCCCTACCAATGGCCCTAAAATACCCAGTATCGCAACTGGCATGGTAGGCGCT
CTTCTCTTGCTCTTGGTAGTTGCTCTCGGCATAGGTCTTTTTATG
配列番号68 短縮されたEGFR(tEGFR)タグのアミノ酸配列
RKVCNGIGIGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELD
ILKTVKEITGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSL
KEISDGDVIISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPE
GCWGPEPRDCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTG
RGPDNCIQCAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGL
EGCPTNGPKIPSIATGMVGALLLLLVVALGIGLFM
配列番号69 LTG1927(EF1a-CD33_4-CD8 TM-CD28-CD3ゼータ-cfrag)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCGACTACC
ACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTG
CGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTC
GCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCT
CTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATG
AACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCT
CGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCC
TACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATAT
GACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAG
AACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCC
GAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGC
CTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号70 LTG1927(EF1a-CD33_4-CD8 TM-CD28-CD3ゼータ-cfrag)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
ENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDF
ACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPP
RDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRK
NPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号71 LTG_D0033(Ef1a_CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_CD28z)ヌクレオチド配列のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAGTCGGA
TTCCAAGACATGGAATGCGTGCCCTGCGGCGACCCGCCACCTCCTTACGAGCCGCACTGC
GCATCGAAGGTCAACCTCGTGAAGATCGCGAGCACCGCGTCCTCACCCCGGGATACTGCT
CTGGCCGCCGTGATTTGTTCCGCCTTGGCCACCGTGCTTCTGGCCCTGCTGATCCTCTGT
GTGATCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGA
AGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCA
TACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAG
AACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAA
CGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGC
CTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAG
GGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACT
AAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号72 LTG_D0033(Ef1a_CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_CD28z)ヌクレオチド配列のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
ENVDWGQGTLVTVSSAAAVGFQDMECVPCGDPPPPYEPHCASKVNLVKIASTASSPRDTA
LAAVICSALATVLLALLILCVIRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAA
YRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEG
LYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号73 LTG_D0034(Ef1a_CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_4-1BBz)ヌクレオチドのヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAGTCGGA
TTCCAAGACATGGAATGCGTGCCCTGCGGCGACCCGCCACCTCCTTACGAGCCGCACTGC
GCATCGAAGGTCAACCTCGTGAAGATCGCGAGCACCGCGTCCTCACCCCGGGATACTGCT
CTGGCCGCCGTGATTTGTTCCGCCTTGGCCACCGTGCTTCTGGCCCTGCTGATCCTCTGT
GTGATCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCC
GTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGG
GGATGCGAACTGAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGA
CAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGAC
AAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAG
GGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATG
AAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCC
ACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号74 LTG_D0034(Ef1a_CD33_4 VH TNFRSF19 H_TM_4-1BBz)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
ENVDWGQGTLVTVSSAAAVGFQDMECVPCGDPPPPYEPHCASKVNLVKIASTASSPRDTA
LAAVICSALATVLLALLILCVIKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEG
GCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQE
GLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号75 LTG_D0015(Ef1a_CD33_4 VH CD8 BBz
T2A tEGFR)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAACTACC
ACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTG
CGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTT
GCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCG
CTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAG
CCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCT
GAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCC
GCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAG
TACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGG
AAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTAC
TCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAG
GGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCC
CGGTCTAGAGCTAAACGCTCTGGGTCTGGTGAAGGACGAGGTAGCCTTCTTACGTGCGGA
GACGTGGAGGAAAACCCAGGACCCCGAGCCAAACGAATGCTGCTGCTTGTTACAAGCCTT
TTGCTCTGCGAACTCCCCCATCCAGCTTTTCTCCTGATTCCAAGGAAGGTTTGCAATGGA
ATCGGTATAGGGGAGTTTAAGGATTCACTTAGCATAAACGCTACTAATATTAAACACTTC
AAAAACTGTACGAGTATAAGTGGAGATCTTCACATTTTGCCGGTTGCATTCCGAGGCGAT
TCATTCACCCACACGCCACCGCTTGACCCACAAGAATTGGATATTCTTAAAACCGTTAAA
GAAATAACGGGGTTTTTGCTCATTCAAGCGTGGCCAGAAAATCGCACTGACCTCCATGCT
TTCGAGAACCTGGAGATTATAAGAGGACGAACTAAGCAGCATGGTCAATTCTCCCTTGCT
GTGGTCAGCCTGAACATCACCAGTCTTGGTTTGCGGTCCCTCAAGGAAATTTCAGATGGA
GATGTCATCATAAGCGGCAACAAGAATTTGTGCTATGCAAATACCATAAACTGGAAAAAA
CTGTTTGGCACTTCCGGCCAGAAAACCAAGATTATTTCAAATCGGGGTGAGAACAGCTGC
AAAGCCACCGGCCAGGTTTGTCATGCCTTGTGCTCTCCGGAAGGCTGTTGGGGGCCAGAA
CCCAGGGACTGCGTCAGTTGCAGAAACGTCTCAAGAGGCCGCGAATGCGTTGACAAGTGT
AACCTCCTTGAGGGTGAGCCACGAGAGTTTGTTGAGAACAGCGAGTGTATACAATGTCAC
CCTGAATGTTTGCCCCAGGCTATGAATATAACCTGCACAGGCCGCGGGCCTGATAACTGC
ATCCAGTGTGCTCATTACATAGATGGACCTCACTGTGTGAAAACCTGCCCGGCCGGAGTT
ATGGGAGAAAACAACACTCTGGTGTGGAAATACGCTGATGCAGGCCACGTGTGCCACCTT
TGTCACCCGAATTGTACATATGGGTGTACCGGTCCTGGACTTGAAGGTTGCCCTACCAAT
GGCCCTAAAATACCCAGTATCGCAACTGGCATGGTAGGCGCTCTTCTCTTGCTCTTGGTA
GTTGCTCTCGGCATAGGTCTTTTTATG
配列番号76 LTG_D0015(Ef1a_CD33_4 VH CD8 BBz
T2A tEGFR)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
ENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDF
ACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFP
EEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRR
KNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPP
RSRAKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPRAKRMLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPRKVCNG
IGIGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELDILKTVK
EITGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSLKEISDG
DVIISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPEGCWGPE
PRDCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTGRGPDNC
IQCAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGLEGCPTN
GPKIPSIATGMVGALLLLLVVALGIGLFM
配列番号77 LTG_D0016(Ef1a CD33_4 VH CD8 28z
T2A tEGFR)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCGACTACC
ACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTG
CGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTC
GCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCT
CTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATG
AACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCT
CGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCC
TACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATAT
GACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAG
AACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCC
GAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGC
CTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
AGAGCTAAACGCTCTGGGTCTGGTGAAGGACGAGGTAGCCTTCTTACGTGCGGAGACGTG
GAGGAAAACCCAGGACCCCGAGCCAAACGAATGCTGCTGCTTGTTACAAGCCTTTTGCTC
TGCGAACTCCCCCATCCAGCTTTTCTCCTGATTCCAAGGAAGGTTTGCAATGGAATCGGT
ATAGGGGAGTTTAAGGATTCACTTAGCATAAACGCTACTAATATTAAACACTTCAAAAAC
TGTACGAGTATAAGTGGAGATCTTCACATTTTGCCGGTTGCATTCCGAGGCGATTCATTC
ACCCACACGCCACCGCTTGACCCACAAGAATTGGATATTCTTAAAACCGTTAAAGAAATA
ACGGGGTTTTTGCTCATTCAAGCGTGGCCAGAAAATCGCACTGACCTCCATGCTTTCGAG
AACCTGGAGATTATAAGAGGACGAACTAAGCAGCATGGTCAATTCTCCCTTGCTGTGGTC
AGCCTGAACATCACCAGTCTTGGTTTGCGGTCCCTCAAGGAAATTTCAGATGGAGATGTC
ATCATAAGCGGCAACAAGAATTTGTGCTATGCAAATACCATAAACTGGAAAAAACTGTTT
GGCACTTCCGGCCAGAAAACCAAGATTATTTCAAATCGGGGTGAGAACAGCTGCAAAGCC
ACCGGCCAGGTTTGTCATGCCTTGTGCTCTCCGGAAGGCTGTTGGGGGCCAGAACCCAGG
GACTGCGTCAGTTGCAGAAACGTCTCAAGAGGCCGCGAATGCGTTGACAAGTGTAACCTC
CTTGAGGGTGAGCCACGAGAGTTTGTTGAGAACAGCGAGTGTATACAATGTCACCCTGAA
TGTTTGCCCCAGGCTATGAATATAACCTGCACAGGCCGCGGGCCTGATAACTGCATCCAG
TGTGCTCATTACATAGATGGACCTCACTGTGTGAAAACCTGCCCGGCCGGAGTTATGGGA
GAAAACAACACTCTGGTGTGGAAATACGCTGATGCAGGCCACGTGTGCCACCTTTGTCAC
CCGAATTGTACATATGGGTGTACCGGTCCTGGACTTGAAGGTTGCCCTACCAATGGCCCT
AAAATACCCAGTATCGCAACTGGCATGGTAGGCGCTCTTCTCTTGCTCTTGGTAGTTGCT
CTCGGCATAGGTCTTTTTATG
配列番号78 LTG_D0016(Ef1a CD33_4 VH CD8 28z
T2A tEGFR)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
ENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDF
ACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPP
RDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRK
NPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
RAKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPRAKRMLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPRKVCNGIG
IGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELDILKTVKEI
TGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSLKEISDGDV
IISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPEGCWGPEPR
DCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTGRGPDNCIQ
CAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGLEGCPTNGP
KIPSIATGMVGALLLLLVVALGIGLFM
配列番号79 ヒトIgG4ヒンジのヌクレオチド配列
GAGAGCAAATACGGGCCGCCATGTCCCCCGTGTCCG
配列番号80 ヒトIgG4ヒンジのアミノ酸配列
ESKYGPPCPPCP
配列番号81 ヒトIgG4 CH2ドメインのヌクレオチド配列
GCACCACCAGTTGCTGGCCCTAGTGTCTTCTTGTTCCCTCCCAAGCCCAAAGACACCTTG
ATGATTTCCAGAACTCCTGAGGTTACCTGCGTTGTCGTAGATGTTTCTCAGGAGGACCCA
GAGGTCCAATTTAACTGGTACGTTGATGGGGTGGAAGTTCACAATGCGAAGACAAAGCCG
CGGGAAGAACAATTTCAGTCCACTTACCGGGTTGTCAGCGTTCTGACGGTATTGCATCAA
GACTGGCTTAATGGAAAGGAATATAAGTGTAAGGTGTCCAACAAAGGTTTGCCGAGCAGT
ATTGAGAAGACCATATCAAAGGCGAAG
配列番号82 ヒトIgG4 CH2ドメインのアミノ酸配列
APPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKA K
配列番号83 ヒトIgG4 CH3ドメインのヌクレオチド配列
GGGCAGCCGCGCGAGCCACAAGTTTACACTTTGCCGCCATCTCAAGAGGAAATGACTAAA
AACCAGGTATCCTTGACATGCCTCGTAAAAGGATTTTATCCATCTGATATTGCTGTGGAA
TGGGAGTCTAACGGGCAGCCGGAAAATAATTACAAAACTACACCACCTGTGCTCGATTCA
GATGGAAGTTTCTTCCTTTACAGTAGACTTACGGTGGACAAATCTAGGTGGCAGGAAGGG
AATGTGTTTAGTTGTAGTGTAATGCACGAGGCACTTCATAACCACTATACACAGAAGTCA
CTGAGTTTGAGTCTTGGCAAA
配列番号84 ヒトIgG4 CH3ドメインのアミノ酸配列
GQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号85 ヒトIgG4ヒンジCH2 CH3ドメインのヌクレオチド配列
GAGAGCAAATACGGGCCGCCATGTCCCCCGTGTCCGGCACCACCAGTTGCTGGCCCTAGT
GTCTTCTTGTTCCCTCCCAAGCCCAAAGACACCTTGATGATTTCCAGAACTCCTGAGGTT
ACCTGCGTTGTCGTAGATGTTTCTCAGGAGGACCCAGAGGTCCAATTTAACTGGTACGTT
GATGGGGTGGAAGTTCACAATGCGAAGACAAAGCCGCGGGAAGAACAATTTCAGTCCACT
TACCGGGTTGTCAGCGTTCTGACGGTATTGCATCAAGACTGGCTTAATGGAAAGGAATAT
AAGTGTAAGGTGTCCAACAAAGGTTTGCCGAGCAGTATTGAGAAGACCATATCAAAGGCG
AAGGGGCAGCCGCGCGAGCCACAAGTTTACACTTTGCCGCCATCTCAAGAGGAAATGACT
AAAAACCAGGTATCCTTGACATGCCTCGTAAAAGGATTTTATCCATCTGATATTGCTGTG
GAATGGGAGTCTAACGGGCAGCCGGAAAATAATTACAAAACTACACCACCTGTGCTCGAT
TCAGATGGAAGTTTCTTCCTTTACAGTAGACTTACGGTGGACAAATCTAGGTGGCAGGAA
GGGAATGTGTTTAGTTGTAGTGTAATGCACGAGGCACTTCATAACCACTATACACAGAAG
TCACTGAGTTTGAGTCTTGGCAAA
配列番号86 ヒトIgG4ヒンジCH2 CH3ドメインのアミノ酸配列
ESKYGPPCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKA
KGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号87 LTG_D0035(Ef1a_CD33_4 VH H CH2 CH3 IgG4_CD8TM_CD28z)のヌクレオチド配列
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTG
ATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTG
AGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGC
CAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAA
TACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAA
GAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAGAGAGC
AAATACGGGCCGCCATGTCCCCCGTGTCCGGCACCACCAGTTGCTGGCCCTAGTGTCTTC
TTGTTCCCTCCCAAGCCCAAAGACACCTTGATGATTTCCAGAACTCCTGAGGTTACCTGC
GTTGTCGTAGATGTTTCTCAGGAGGACCCAGAGGTCCAATTTAACTGGTACGTTGATGGG
GTGGAAGTTCACAATGCGAAGACAAAGCCGCGGGAAGAACAATTTCAGTCCACTTACCGG
GTTGTCAGCGTTCTGACGGTATTGCATCAAGACTGGCTTAATGGAAAGGAATATAAGTGT
AAGGTGTCCAACAAAGGTTTGCCGAGCAGTATTGAGAAGACCATATCAAAGGCGAAGGGG
CAGCCGCGCGAGCCACAAGTTTACACTTTGCCGCCATCTCAAGAGGAAATGACTAAAAAC
CAGGTATCCTTGACATGCCTCGTAAAAGGATTTTATCCATCTGATATTGCTGTGGAATGG
GAGTCTAACGGGCAGCCGGAAAATAATTACAAAACTACACCACCTGTGCTCGATTCAGAT
GGAAGTTTCTTCCTTTACAGTAGACTTACGGTGGACAAATCTAGGTGGCAGGAAGGGAAT
GTGTTTAGTTGTAGTGTAATGCACGAGGCACTTCATAACCACTATACACAGAAGTCACTG
AGTTTGAGTCTTGGCAAAATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTT
CTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCC
GACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTAC
GCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGAT
GCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGG
GAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCG
AGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAA
GCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTG
TACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTG
CCCCCGCGG
配列番号88 LTG_D0035(Ef1a_CD33_4 VH H CH2 CH3 IgG4_CD8TM_CD28z)のアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVR
QAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAK
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RRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQAL
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図1
図2A
図2B
図2C-1】
図2C-2】
図2D-1】
図2D-2】
図2E-1】
図2E-2】
図2F-1】
図2F-2】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図9-4】
図9-5】
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D-1】
図12D-2】
図12D-3】
図12E-1】
図12E-2】
図12F-1】
図12F-2】
【配列表】
2022180404000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N末端からC末端に、
(i)配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸配列を含むCD33抗原結合性ドメインを含む重鎖可変領域または配列番号2、4、6、8、10および12からなる群から選択された単鎖可変(scFv)ドメインを含む、CD33に結合する少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、
(ii)T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖、TCRのベータ鎖、TCRのゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されたタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメイン
(iii)OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択された機能的シグナル伝達ドメインを含む少なくとも1つの共刺激ドメイン、ならびに、
(iv)4-1BB(CD137)、CD28およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはそれらの組み合わせからなる群から選択された機能的ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、単離されたキメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項2】
前記膜貫通ドメインが、配列番号27のアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたCAR。
【請求項3】
前記少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメインおよび前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続されている、請求項1に記載の単離されたCAR
【請求項4】
前記リンカーまたはスペーサードメインが、CD8、TNFRSF19、IgG4、またはCD28の細胞外ドメインに由来し、前記膜貫通ドメインに連結されている、請求項3に記載の単離されたCAR
【請求項5】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸分子を含むベクターをT細胞に形質導入するステップを含む、細胞を作製する方法であって、前記CARが、N末端からC末端に、
(i)配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域または配列番号6、8、10および12からなる群から選択された単鎖断片可変(ScFv)ドメインを含む、CD33に結合する少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、
(ii)T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖、TCRのベータ鎖、TCRのゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されたタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメイン、
(iii)OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択された機能的シグナル伝達ドメインを含む少なくとも1つの共刺激ドメイン、ならびに、
(iv)4-1BB(CD137)、CD28およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはそれらの組み合わせからなる群から選択された機能的ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、方法。
【請求項6】
RNA操作された細胞の集団を生成する方法であって、in vitro転写されたRNAまたは合成RNAを細胞中に導入するステップを含み、前記RNAがキメラ抗原受容体(CAR)をコードし、前記CARが、N末端からC末端に、
(i)配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域または配列番号6、8、10および12からなる群から選択された単鎖断片可変(ScFv)ドメインを含む、CD33に結合する少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、
(ii)T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖、TCRのベータ鎖、TCRのゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されたタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメイン、
(iii)OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)またはそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択された機能的シグナル伝達ドメインを含む少なくとも1つの共刺激ドメイン、ならびに、
(iv)4-1BB(CD137)、CD28およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはそれらの組み合わせからなる群から選択された機能的ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、方法。
【請求項7】
前記膜貫通ドメインが、配列番号27のアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメインおよび前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続されている、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記リンカーまたはスペーサードメインが、CD8、TNFRSF19、IgG4、またはCD28の細胞外ドメインから単離され、前記膜貫通ドメインに連結されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記膜貫通ドメインが、配列番号27のアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメインおよび前記少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続されている、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記リンカーまたはスペーサードメインが、CD8、TNFRSF19、IgG4、またはCD28の細胞外ドメインから単離され、前記膜貫通ドメインに連結されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記CARが、配列番号16、18、20、22、24、26、70、72、74、76、78、または88のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたCAR。
【請求項14】
前記CARが、配列番号16、18、20、22、24、26、70、72、74、76、78、または88のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記CARが、配列番号16、18、20、22、24、26、70、72、74、76、78、または88のアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
【外国語明細書】