(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180408
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】血管内の特徴を検出し且つ表示するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A61B1/00 526
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139804
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2021003229の分割
【原出願日】2015-12-14
(31)【優先権主張番号】62/091,236
(32)【優先日】2014-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/153,816
(32)【優先日】2015-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517024847
【氏名又は名称】ゴピナス,アジェイ
(71)【出願人】
【識別番号】517203785
【氏名又は名称】アドラー,デズモンド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アドラー,デズモンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血管内組織内の石灰化領域を自動的に識別するための改良された検出方法を提供する。
【解決手段】血管のOCT画像データを提供するステップと、複数の異なるエッジ検出フィルタをOCT画像データに、各エッジ検出フィルタに対するフィルタ応答を生成するように適用するステップと、各エッジ検出フィルタ応答において、任意の応答最大値を識別するステップと、応答最大値の空間的な関係を維持しながら各エッジ検出フィルタ応答に対する応答最大値を、それによってエッジフィルタOCTデータを作るために、組み合わせるステップと、関心領域を識別するためにエッジフィルタOCTデータを解析するステップであって、関心領域は、応答最大値のローカルクラスタとして定義される、ステップと、を含む。1つの実施形態では、1又は複数の印が、ユーザインタフェースの一部として基準血管プロファイルを強調するために、1又は複数のパネルに配置される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の関心領域を識別するための方法であって、前記方法は:
前記血管のOCT画像データを提供するステップ;
複数の異なるエッジ検出フィルタを前記OCT画像データに、各前記エッジ検出フィルタに対するフィルタ応答を生成するように適用するステップ;
各エッジ検出フィルタ応答において、任意の応答最大値を識別するステップであって、局所応答最大値が検出されたエッジを表す、ステップ;
前記応答最大値の空間的な関係を維持しながら各前記エッジ検出フィルタ応答に対する前記応答最大値を、それによってエッジフィルタOCTデータを作成するように、組み合わせるステップ;及び
前記関心領域を識別するために前記エッジフィルタOCTデータを解析するステップであって、前記関心領域は、前記応答最大値のローカルクラスタとして定義される、ステップ;
を含む、方法。
【請求項2】
前記エッジ検出フィルタは、ガウス関数の導関数に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記OCT画像データは、極座標空間でフォーマットされる又は極座標画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記OCT画像データは、デカルト空間でフォーマットされる又は断面画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の異なるエッジ検出フィルタは、水平エッジ検出フィルタ及び垂直エッジ検出フィルタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水平エッジ検出フィルタは、上部エッジフィルタ及び底部エッジフィルタを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
垂直エッジ検出フィルタは、左側エッジ検出フィルタ及び右側エッジ検出フィルタを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
複数のOCT画像フレームに対して前記ステップを繰り返すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エッジフィルタOCTデータ及び前記関心領域に基づいて、前記複数のOCT画像フレームを使用して前記血管の2次元又は3次元モデルをレンダリングするステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記局所最大値は、前記フィルタ応答を所定の閾値と比較することによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のフィルタは、少なくとも上部エッジフィルタ、左側エッジフィルタ、及び右側エッジフィルタを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記関心領域が少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む場合に前記関心領域を石灰化領域として識別するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記関心領域が垂直エッジ応答最大値を含まない場合に前記関心領域を非石灰化領域として識別するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記モデルは、前記血管の3次元長手方向断面レンダリングであり、前記モデルは、前記関心領域の弧長を示す図形を含み、前記図形は、前記血管がリングを通って延びる状態で前記血管と同心の前記リングを含み、前記リングは、健康な組織の前記弧長に比例する第1の印及び前記関心領域の前記弧長に比例する第2の印を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
血管の関心領域を識別するためのシステムであって、前記システムは:
メモリと通信するプロセッサであって、前記メモリは、実行されるとき前記プロセッサに:
前記血管のOCT画像データを取得させ;
複数の異なるエッジ検出フィルタを前記OCT画像データに、各前記フィルタに対するフィルタ応答を生成するように適用させ;
各前記フィルタ応答において、任意の応答最大値を識別させ、局所応答最大値が検出されたエッジを表し;
前記応答最大値の空間的な関係を維持しながら各前記フィルタ応答に対する前記応答最大値を、それによってエッジフィルタOCTデータを作成するように、組み合わせ;並びに
前記OCT画像データを含む前記応答最大値のローカルクラスタとして定義される前記関心領域を識別するように前記エッジフィルタOCTデータを解析させる;
命令を含む、
システム。
【請求項16】
前記OCT画像データは、複数の走査線である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記OCT画像データは、極座標画像である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記命令は、前記プロセッサに石灰化領域の内側の境界及び外側の境界を表示させる、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記命令は、前記プロセッサに石灰化領域の内側の境界及び外側の境界を表示させる、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
血管内データ表示システムであって、
グラフィカルユーザインタフェースと通信し且つ前記グラフィカルユーザインタフェースにコマンドを送信するように構成されるプロセッサを有し、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、光コヒーレンストモグラフィ手順からの画
像データを血管の断面図に対応する第1のパネルに表示するように構成され、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、光コヒーレンストモグラフィ手順からの画像データを血管の長手方向断面図に対応する第2のパネルに表示するように構成され、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記血管のビューに対応する血管造影データを第3のパネルに表示するように構成され、
1又は複数の印が、前記第1、前記第2及び前記第3のパネルの1又は複数へのオーバーレイ又は包含のために前記プロセッサによって選択可能である、
血管内データ表示システム。
【請求項21】
前記第1のパネルは、前記血管の断面画像を表示し、前記第2のパネルは、前記血管の長手方向断面画像を表示する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1又は複数の印は、前記血管の石灰化された部分の位置を強調するために1又は複数の前記パネル内に配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記1又は複数の印は、ステント又はスキャフォールドの位置を強調するために1又は複数の前記パネル内に配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記1又は複数の印は、前記血管の血管造影画像及び前記血管の光コヒーレンストモグラフィ画像に対するステントの位置を強調するために1又は複数の前記パネル内に配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記1又は複数の印は、基準血管プロファイルを強調するために1又は複数の前記パネル内に配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記1又は複数の印は、ABS/AVSデバイスのようなステントの拡張をガイドするために1又は複数の前記パネル内に配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記印は、曲線、線、点線、色、楕円若しくは円の弧、色、アイコン、又は他のスクリーン上の可視化可能な要素からなるグループから選択される、
請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部分的に、血管内の石灰化領域のような特徴及び関心領域を検出するための並びにこれらの領域をユーザに表示するための方法に関する。
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2014年12月12日に出願された米国仮出願第62/091,236号及び2015年4月28日に出願された米国仮特許出願第62/153,816号の優先権を主張し、これらのそれぞれの全開示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
インターベンショナル心臓病専門医(Interventional cardiologists)は、治療法を計画し、ガイドし、評価するために、カテーテル法処置の間に過程で様々な診断ツールを組み込んでいる。蛍光透視法は、一般に、血管の血管造影イメージングを行うために使用される。次に、そのような血管イメージングは、バイパス手術又はステント留置などのインターベンション(interventions)の間に、血管疾患を診断、位置特定及び治療するために医師によって使用される。光コヒーレンストモグラフィ(optical coherence tomography)OCTのような血管内イメージング技術は、所与の被検者の血管の状態に関する高解像度データを得るために蛍光透視法の代わりに、又はそれと組み合わせて使用できる貴重なツールでもある。
【0004】
血管内光コヒーレンストモグラフィは、冠状動脈壁を透すとともにその画像を研究のために生成するよう光を用いるカテーテルベースのイメージングモダリティである。コヒーレント光、干渉法、及びマイクロ光学を利用して、OCTは、マイクロメーターレベルの分解能で、病変血管内のビデオレート生体内トモグラフィー(video-rate in-vivo tomography)を提供することができる。光ファイバプローブを使用して表面下の構造(subsurface structures)を高分解能で観察することは、OCTを内部組織及び器官の低侵襲イメージングに特に有用にする。OCTで可能となる詳細レベルは、ユーザが冠動脈疾患の進行を診断すること並びにモニターすることを可能にする。
【0005】
血管のカルシウムプラーク(Calcium plaques)は心臓病の主要な原因である。カルシウム沈着は、血管の直径の狭小化をもたらし、また、血管壁を硬くし、これは血管の性能を著しく低下させる。したがって、カルシウムプラークは、心血管インターベンションの主な対象の1つであるが、OCT画像で検出することは難しいままである。
【0006】
本開示は、血管内組織内の石灰化領域を自動的に識別するための改良された検出方法の必要性に取り組んでいる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、部分的に、血管内組織の石灰化領域が、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)画像のような血管内画像において特徴的なパターンを示すという発見に基づいている。石灰化領域は、OCT画像のより明るい血管組織バックグラウンドに対して離散した暗い形状として現れる。さらに、石灰化された領域は、1又は複数の側部上の、又は、1つの実施形態では全ての側面部上の、顕著なエッジ(prominent edges)によって境界が定められる。これらのパターンは、エッジを検出するように仕込まれた(trained)自動コンピュータプログラムを使用して、石灰化組織を他の管腔内特徴部(例えば、脂質プラーク及び正常な肥厚)から区別するために使用されることができる。加えて、多くのOCTフレームからのデータが、組み合わされ、ユーザに迅速な疾患診断及び治療計画を支援するグラフィックユーザインターフェースダッシュボードに入れられることができる。
【0008】
一実施形態では、OCT画像データは、複数のエッジ検出フィルタ(例えば、外側、内側、左側、及び/又は右側エッジフィルタ)を使用して処理される。石灰化領域は顕著なエッジを有し、垂直及び水平エッジ検出フィルタの両方に応答するが、脂質プラーク及び正常狭窄は通常、水平エッジ検出フィルタにのみ応答する。線は、左、右、左に延びる‐‐高強度は低強度に遷移する。したがって、垂直エッジ検出(例えば、左右のエッジ)は、カルシウムプラークを他のプラークタイプと区別するために使用されることができる。加えて、複数の隣接するフレームからのフィルタ応答は、単一のOCTフレームから解像できない大きいカルシウム沈着を解像する(resolve)ために組み合わされることができる。
【0009】
部分的には、本開示は、血管内の関心領域を識別する方法に関する。この方法は:血管のOCT画像データを提供するステップと;複数の異なるエッジ検出フィルタをOCT画像データに、各エッジ検出フィルタに対するフィルタ応答を生成するように適用するステップと;各エッジ検出フィルタ応答において、任意の応答最大値を識別するステップであって、局所応答最大値が検出されたエッジを表す、ステップと;応答最大値の空間的関係を維持しながら、各エッジ検出フィルタ応答に対する応答最大値を、それによってエッジフィルタリングされたOCTデータを作成するために、組み合わせるステップと;関心領域を識別するためにエッジフィルタOCTデータを解析するステップであって、関心領域は、応答極大のローカルクラスタとして定義される、ステップ;を含む。一実施形態では、相対極値が応答極大値の代わりに使用される。
【0010】
一実施形態では、エッジ検出フィルタは、ガウス関数の導関数(Gaussian derivatives)に基づいている。一実施形態では、OCT画像データは極座標空間(polar space)でフォーマットされる又は極座標画像(polar image)を含む。一実施形態では、OCT画像データはデカルト空間でフォーマットされる又は断面画像を含む。一実施形態では、複数の異なるエッジ検出フィルタは、水平エッジ検出フィルタ及び垂直エッジ検出フィルタを含む。一実施形態では、水平エッジ検出フィルタは、上部エッジフィルタ及び底部エッジフィルタを含む。
【0011】
一実施形態では、垂直エッジ検出フィルタは、左側エッジ検出フィルタ及び右側エッジ検出フィルタを含む。一実施形態では、この方法は、複数のOCT画像フレームに対してステップを繰り返すステップを含む。一実施形態では、この方法は、OCTエッジフィルタデータ及び関心領域に基づいて、複数のOCT画像フレームを使用して血管の2次元又は3次元モデルをレンダリングするステップを含む。一実施形態では、局所最大値は、フィルタ応答を所定の閾値と比較することによって決定される。一実施形態では、複数のフィルタは、少なくとも上部エッジフィルタ、左側エッジフィルタ、及び右側エッジフィルタを含む。
【0012】
一実施形態では、方法は、関心領域が少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む場合、関心領域を石灰化領域として識別するステップを含む。一実施形態では、方法は、関心領域が垂直エッジ応答最大値を含まない場合、関心領域を非石灰化領域として識別するステップを含む。一実施形態では、モデルは、血管の3次元長手方向断面レンダリング(three-dimensional longitudinal rendering)であり、モデルは、関心領域の弧長(arc length)を示す図形(graphic)を含み、図形は、血管がリングを通って延びる状態で、血管と同軸のリングを含み、リングは、健康な組織の弧長に比例する第1の着色部分及び関心領域の弧長に比例する第2の着色部分を有する。一実施形態では、第1の着色部分及び第2の着色部分の代わりに、色、形状、及び他のグラフィック要素又はオーバーレイを含み得る第1及び第2の印(indicia)が使用される。
【0013】
部分的には、本開示は、血管内の関心領域を識別するためのシステムに関し、システムは:メモリと通信するプロセッサを含み、メモリは、実行されるとき、プロセッサに:血管のOCT画像データを取得させ;複数の異なるエッジ検出フィルタをOCT画像データに、各フィルタに対するフィルタ応答を生成するように、適用させ;各フィルタ応答において任意の応答最大値を識別させ、局所応答最大値は検出されたエッジを表し;応答最大値の空間的関係を維持しながら、各フィルタ応答に対する応答最大値を、それによってエッジフィルOCTデータを作成するために、組み合わせ;OCT画像データを含む応答最大値のローカルクラスタとして定義される関心領域を識別するためにエッジフィルタOCTデータを解析させる;命令を含む。一実施形態では、OCT画像データは複数の走査線である。一実施形態では、OCT画像データは極座標画像である。
【0014】
部分的には、本開示の一実施形態は、血管内データ収集システム、本明細書に記載される1又は複数の検出及び表示プロセスを実行する1又は複数のソフトウェアベースのグラフィックユーザインターフェイス及びソフトウェアモジュールに関する。一実施形態では、血管内データは、血管造影データが同時に収集される間に、収集される。一実施形態では、本開示は、血管造影画像又は光コヒーレンストモグラフィ画像(又は他の血管内画像)の1又は複数に対する血管の石灰化部分に関する情報の表示に関する。一実施形態では、本開示は、血管造影画像又は光コヒーレンストモグラフィ画像(又は他の血管内画像)の1又は複数に対する血管の生体吸収性血管スキャフォールド(bioresorbable vascular scaffold)(BVS)又は生体吸収性スキャフォールド(bioresorbable scaffolds)(BRS)に関する情報の表示に関する。一実施形態では、本開示は、生体吸収性スキャフォールド(BRS)/生体吸収性血管スキャフォールド(BVS)の拡張をガイドするのに役立つ、BVS又はBRSに関する情報の表示に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、強調がその代わりに概して例示的な原理に置かれている。図面は、全ての点で例示的なものとみなされるべきである。
【0016】
【
図1A】血管内イメージング及びデータ収集システムの概略図を示す。
【
図1B】動脈血管の断面OCT画像フレームである。
【
図1C】極座標空間で示された
図1AからのOCT画像である。x軸は角度であり、y軸は深さである。
【
図2】
図2A-Dは、エッジ検出フィルタである。
図2Aは、高(上部)から低(底部)への水平エッジを検出する外側エッジフィルタである。
図2Bは、低(上部)から高(底部)への水平エッジを検出する内側エッジフィルタである。
図2Cは、高(左)から低(右)への垂直エッジを検出する左側エッジフィルタである。
図2Dは、低(左)から高(右)への垂直エッジを検出する右側エッジフィルタである。
【
図3】
図3A-Dは、
図2A-Dそれぞれに示された指向性エッジフィルタの応答を示す。
図3Aは、外側エッジ検出応答である。
図3Bは、内側エッジ検出応答である。
図3Cは、左側エッジ検出応答である。
図3Dは、右側エッジ検出応答である。
【
図4A】エッジ検出応答における極大値を区別するための凡例である。
【
図4B】各検出フィルタに対する極大値が重ねられて極座標空間で示されたOCT画像フレームである。
【
図5】
図5Aは、小さい石灰化領域の極座標空間で示されたOCT画像フレームである。
図5B-Eは、
図5Aの画像に対する各方向におけるフィルタ応答である。
【
図6】
図6A―Dは、極座標空間で示されたOCT画像フレームである。
図6A―Cは、石灰化領域を示す隣接するフレームである。
図6B及びDは、非石灰化組織コントロールを示す非プラークデータを比較する識別フレームである。
【
図7】
図7A―Cは、石灰化領域の極座標空間で示された隣接するOCT画像フレームである。
図7D―Fは、非石灰化組織コントロールの極座標空間で示された隣接するOCT画像フレームである。
【
図8】
図8A―Cは、石灰化領域の極座標空間で示されたOCT画像フレームである。
【
図9】
図9は、血管の石灰化領域のOCT断面画像及び極座標画像の合成である。
図9A―Cは隣接する断面画像であり、
図9D―Fは対応する極座標画像である。
【
図10】複数のOCTフレームからの概略的な統合データである。
【
図11A】健康な領域によって境界が定められた石灰化領域を示すLモード画像である。
【
図12A】石灰化領域を強調する血管の3次元ボリュームレンダリングである。
【
図12B】太線によって区切られた石灰化領域の内側境界を伴う断面OCT画像である。
【
図13A】レンダリングされた石灰化領域を伴う血管の3次元レンダリングである。
【
図13B】太線によって区切られた石灰化領域の内側及び外側境界を伴う断面OCT画像である。
【
図13C】太線によって区切られた石灰化領域の境界を示すLモード画像である。
【
図14】
図14A、14B、及び14Cは、左パネル又はスクリーン(
図14A)、右パネル又はスクリーン(
図14B)、及び底部パネル又はスクリーン(
図14C)を含むグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【
図15】
図15A及び15Bはグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図15Aは、カルシウム沈着の弧長をグラフィカルに描く。
図15Bは、引き戻しゾーンに沿った管腔直径を描く定型化された図である。
【
図16】
図16A及び16Bはグラフィカルユーザインタフェースを示す。
図16Aは、カルシウム沈着の弧長をグラフィカルに描く。
図16Bは、引き戻しゾーンに沿った管腔直径を描く定型化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
血管内光コヒーレンストモグラフィ(OCT)画像は、冠状動脈形態(coronary artery morphology)の高分解能視覚化を提供する。一部において、本開示は、冠状動脈内プラーク(カルシウム、脂質、線維症、及び血栓)の自動検出及び/又は分類に関する。内側及び外側石灰化境界も、一実施形態では、検出されるとともに表示される。検出及び分類のプロセスは、OCT画像の解釈を向上させることができるとともに、診断者に標的情報を提供することができる。一部において、本開示は、血管内データセットに適用されるデータ解析の結果を、明確で、解釈しやすく、対象を診断するのに役立つ方法でユーザに表示するためのシステム及び方法に関する。一部において、本開示は、所与の関心のある血管の1又は複数のプラークタイプ及び他の領域若しくは状態に適用され得るユーザインタフェース及びグラフィックデータ表現を提供するグラフィックユーザインタフェース(GUI)を説明する。一実施形態では、石灰化領域は、明細書及び図面においてCRによって参照される。
【0018】
一部において、本開示は、光コヒーレンストモグラフィシステムのようなカテーテル検査室(cath lab)での使用に適した血管内データ収集システムのようなデータ収集システムに関する。一部において、本開示は、血管内画像データを表示するのに適したプロセッサを含むデータ収集システムに関する。表示される画像データは、深さ測定に基づいて生成されるデータ又は画像を含む。一実施形態では、画像データは、光コヒーレンストモグラフィを使用して生成される。システムはまた、血管内プラークに関するデータのような血管内情報の表示のためのユーザインタフェースを表示することもできる。
【0019】
石灰化領域は、OCT画像において明確なエッジを有し、石灰化領域は、より明るい血管組織のバックグラウンドに対して離散した暗い形状として現れる。石灰化組織と周囲の健康な組織との間のコントラストは、指向性エッジフィルタを用いる自動エッジ検出を可能にする。石灰化領域は、わずか1つのOCT画像フレームで検出することができるが、より一般的には、複数の隣接するOCTフレームをフィルタリングするとともにフィルタデータを血管の2次元レンダリング又は3次元レンダリングに組み合わせることによって検出される。石灰化領域を2次元及び3次元レンダリングに画定するための改良されたユーザインタフェースも開示される。
【0020】
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、例えば血管又はその中に配置される対象物のような試料に対する距離測定値を得るために干渉計を使用するイメージングモダリティ(imaging modality)である。血管は、血管内データ収集プローブを用いて撮像することができる。ガイドワイヤがプローブを血管内に導入するために使用されることができる。
【0021】
データ収集プローブは、データ収集中に血管の長さに沿って配置され且つ引き戻され得る。トルクワイヤは、プローブの一部であってよく、光ファイバのような光伝送及び受信経路を取り囲むことができる。トルクワイヤはプローブを回転させるために使用されることができる。光ファイバが血管の長さに沿って引っ込められる(引き戻される)とき、複数のスキャン又はOCTデータセットが、プローブ又はその一部分が回転するにつれて、収集される。これは、一実施形態ではプルバック(pullback)と呼ばれる。これらのデータセットは、狭窄又は狭窄の生理学的徴候のような関心領域を識別するために使用することができる。データセットは、本明細書でより詳細に説明されるように、石灰化領域、ステント、及び血管内の他の特徴を識別するために使用することができる。石灰化領域に関する本明細書に記載される表示関連の特徴(display related features)は、ステント及び他の検出可能且つ表示可能な血管内の特徴に対して使用することもできる。
【0022】
一実施形態では、データ収集プローブは、干渉計及びデータ処理システムを含むOCTシステムとともに使用するように構成されるOCTプローブである。掃引光源レーザ(swept source laser)のような光源は、干渉計と光学的に通信し、光をサンプルアーム及び干渉計の参照アーム(reference arm)に伝送することができる。OCTプローブを使用して収集される距離測定値は、血管の断面図又は長手方向断面図(Lモードビュー)のような画像データのフレームを生成するように処理されることができる。これらの画像は、1又は複数の画像データ処理ステップ、あるいは本明細書で説明する他の方法又はステップを使用して処理されることができる。データ処理システムは、1又は複数のプロセッサ及び1又は複数のメモリ記憶装置を含むことができる。データ処理システムは、OCT又は超音波データのような血管内データを使用して生成される極座標画像への適用に適した複数のエッジ検出フィルタを生成することができる。
【0023】
図1Aに示されるように、血管内データを収集に用いるデータ収集システム30は、血管を画像化するために使用できるデータ収集プローブ17を含む。ガイドワイヤが、プローブ17を血管に導入するために使用されることができる。データ収集プローブ17は、データを収集しながら血管7の長さに沿って導入及び引き戻されることができる。プローブが血管の長さに沿って引っ込められる(引き戻される)とき、複数のスキャン又はOCTデータセットが、プローブ又はその一部分が回転するにつれて、収集される。これらのデータセット、又は画像データのフレームの収集は、石灰化領域のような関心領域を識別するために使用することができる。
【0024】
一実施形態では、データ収集プローブ17は、干渉計及びデータ処理システムを含むOCTシステム10とともに使用するように構成されるOCTプローブである。OCTプローブ17を使用して収集される距離測定値は、血管の断面図又は長手方向断面図(Lモードビュー)のような画像データのフレームを生成するように処理されることができる。分かりやすくするために、断面図は、限定するものではないが、長手方向断面図を含むことができる。これらの画像は、1又は複数の画像データ処理モジュール又はステージを使用して処理されることができる。
【0025】
プローブ17は、OCTシステム10と光学的に通信する。光ファイバ15を介してプローブ17に接続するOCTシステム又はサブシステム10は、レーザのような光源、サンプルアーム及び参照アームを有する干渉計、様々な光路、クロック発生器、フォトダイオード、及び他のOCTシステム構成要素を含むことができる。
【0026】
一実施形態では、バランスドフォトダイオード(balanced photodiode)ベースのシステムのような光受信器31が、プローブ17によって収集される光を受光することができる。コンピュータ、プロセッサ、ASIC、又は他のデバイスのようなコンピューティングデバイス40が、OCTシステム10の一部であることができる、又はOCTシステム10と電気的に又は光学的に通信する別個のサブシステムとして含まれることができる。コンピューティングデバイス40は、データを処理すること並びに特徴(例えば、石灰化)検出、分析、及び視覚化のために構成される画像データ処理ステージのようなソフトウェアに適したメモリ、ストレージ、バス及び他のコンポーネントを含むことができる。
【0027】
一実施形態では、コンピュータデバイス40は、プラーク(例えば、カルシウムプラーク)検出モジュール42a、ディスプレイモジュール、及び、ステント検出若しくは他の検出及び表示モジュールなどの他のソフトウェアモジュール42bのようなソフトウェアモジュール42又はプログラムを含むか、又はそれらにアクセスする。例えば、コンピュータデバイス40は、血管内のカルシウムプラークの存在を検出するための石灰化検出モジュールにアクセスすることができる。ソフトウェアはまた、ビューのオン及びオフを切り替えるための、並びに、ステント計画、フライスルー及び他の表示モードのような様々なユーザインタフェース表示モードを表示させ且つ切り替えるための、ユーザインターフェースソフトウェアコンポーネントを含むことができ、あるいは同ユーザインターフェースソフトウェアコンポーネントと通信することができる。ソフトウェアモジュール又はプログラムは、画像データ処理パイプライン又はそのコンポーネントモジュール、及び1又は複数のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含むことができる。例示的な画像処理パイプラインは、収集されるOCTデータを血管及びステント及び石灰化領域の2次元及び3次元ビューに変換するために使用される。画像データ処理パイプライン又は本明細書で説明される方法のいずれかは、メモリに格納され、プロセッサ、デバイス、又は他の集積回路のような1又は複数のコンピューティングデバイスを使用して実行される。
【0028】
図1Aに示されるように、ディスプレイ45はまた、収集されたOCTデータを使用して生成される血管の断面図及び長手方向断面図のような情報を表示するために、システム10の一部であることもできる。システム10は、血管内で検出された1又は複数の石灰化に関する画像データを表示するために使用することができる。一実施形態では、1又は複数のステップが、自動的に、あるいは、1又は複数の画像に対してナビゲートするための初期ユーザ入力以外のユーザ入力なしで実行されることができる、情報を入力することができる、コントローラ又はユーザインターフェースコンポーネントのような入力を選択する又は同入力とインタラクトすることができる、あるいは他の方法で1又は複数のシステム出力を示すことができる。一実施形態では、カルシウムプラークビューが、血管及び1又は複数のカルシウムプラークの表示の2次元又は3次元ビューのレビューを容易にするための選択肢として、提示される。ユーザの入力に応答して1又は複数のビューモードを切り替えることは、本明細書で説明する様々なステップに対して実行されることができる。同様のビューが、ステント情報を表示するために使用されることもできる。
【0029】
OCTベースの情報は、1又は複数のグラフィックユーザインターフェイス(GUI)を使用して表示されることができる。加えて、この情報は、限定ではなく、断面走査データ、長手方向走査、直径グラフ、画像マスク、管腔境界(lumen boundary)、プラークサイズ、プラーク円周、プラーク位置の視覚的印(visual indicia)、並びに血管の他の画像若しくは表現又はOCTシステム及びデータ収集プローブを使用して得られた基礎となる距離測定値を含むことができる。
【0030】
コンピューティングデバイス40はまた、テキスト、矢印、色分け、ハイライト、等高線、あるいは他の適切な人間又は機械が読み取ることができる印を用いてのように、カルシウムプラーク及び他の血管の特徴を識別するように構成される、1又は複数のメモリデバイスに格納されることができるソフトウェア又はプログラムを含むことができる。
【0031】
ディスプレイ45は、一実施形態による、血管の様々なビューを示す。ディスプレイは、表示する血管の特徴を選択するためのメニュー、及びディスプレイの仮想カメラアングルを選択するためのメニューのような、様々な特徴を表示するあるいは隠すためのメニューを含むことができる。ユーザは、ユーザディスプレイ上で複数のビューアングル間を切り替えることができる。加えて、ユーザは、特定の側枝(side branches)を選択することによって及び/又は特定の側枝に関連付けられるビューを選択することによってのように、ユーザディスプレイ上で異なる側枝間を切り替えることができる。一実施形態では、画像処理パイプライン及び関連するソフトウェアモジュールは、引き戻し中に収集されたデータを使用して撮像された管腔境界及びカルシウムプラークを検出する。
【0032】
OCTデータがプローブで得られてメモリに格納されると、プルバック領域又はそのサブセットの長さに沿った血管の断面、長手方向断面、及び/又は三次元ビューのような情報を生成するように処理することができる。これらのビューは、例えば、
図13-16に示されるように、ユーザインタフェースの一部として示されることができる。OCTシステムから得られた距離測定値を使用して生成される血管の画像は、血管に関する情報を提供する。
【0033】
したがって、部分的には、本開示は、関心のある血管又は他の血管情報に関する情報を評価するとともに描写するのに適したソフトウェアベースの方法及び関連するシステム及びデバイスに関する。OCTデータは、初期ステント展開又は矯正ステント関連処置の前後の血管の断面図及び長手方向断面図のような2Dビューを生成するために使用されることができる。データ収集プローブ及び様々なデータ処理ソフトウェアモジュールを用いて得られるOCTデータは、ステント並びに/又は、ステント及び/又はステントが配置されている管腔に関する1又は複数の特性を識別し、特徴付けし、可視化するために使用されることができる。
【0034】
図1Bは、動脈血管の断面OCT画像フレームである。画像の中心の暗い円形の影は、血管管腔110である。血管管腔は血管壁120によって取り囲まれている。OCTカテーテルガイドワイヤは、OCT画像の一部を覆い隠す影130を残す。OCTカテーテルシース上の後方散乱マーカが、画像の方向付け及び内腔の方向の画定を支援するように、血管内腔の中心に一連の同心円状のリング140を作る。マーカ150が、管腔境界を描くために追加される。
【0035】
引き続き
図1Bを参照すると、石灰化領域又はカルシウムプラーク160は、画像の右側の血管壁の離散した暗い領域としてはっきりと見える。石灰化領域のエッジ(edges)が目立つ(prominent)。石灰化領域は、ほとんどの石灰化が始まる血管壁の表面から血管壁に放射状に広がる。動脈血管が示されているが、本明細書に開示される方法、装置及びシステムは、静脈血管のような他の血管における石灰化領域を検出するためにも使用されることができる。
【0036】
図1Cは、極座標空間におけるデータ収集プローブを用いて得られた収集走査線(collected scan lines)を示す。
図1BのOCT画像フレームは、
図1Cの極座標で示された走査線から生成された断面図である。OCT画像フレームは、収集されたOCTデータから直接生成されることができる。本明細書に示されるすべての極座標画像において、x軸は角度測定値であり、y軸は距離測定値である。深さは、血管壁の半径方向の厚さに対応する。
図1Cでは、管腔110は画像の上部にあり、血管壁120は画像の底部にある。ガイドワイヤの影130が左側に現れている。石灰化領域160は、管腔の近くの画像の中心に見ることができる。
【0037】
様々な実施形態では、石灰化領域は、OCT画像をエッジ検出フィルタで処理することによって自動的に検出される。
図2A-2Dは、4つの例示的なエッジ検出フィルタを示す。各フィルタは異なる境界方向を検出する。一実施形態では、エッジ検出フィルタは、トップボトムフィルタ、ボトムトップフィルタ、右左フィルタ、及び左右フィルタを含む。第1の方向から第2の方向への遷移を示す他の方向の向きは、制限なく使用することができる。低から高へのような強度の変化は、フィルタを分類するためにも、あるいはそうでなければ、それぞれのフィルタ応答を特定する(specify)ためにも使用することができる。一実施形態では、これらの指向性エッジ検出器は、エッジがリッジの方向と並ぶ(lines up with)領域で最大応答又は相対的極値応答を与える。
【0038】
図2Aは、高(上部)から低(底部)の水平エッジを検出する外側エッジフィルタである。極座標OCT画像が典型的には画像の上部に内皮(endothelium)を配向するので、外側エッジフィルタは、上端フィルタと呼ぶこともできる。
図2Bは、低(上)から高(下)の水平エッジを検出する内側エッジフィルタである。極座標OCT画像は、典型的には、画像の底部に内膜層を配向するので、内側エッジフィルタは、下端フィルタと呼ぶこともできる。
図2Cは、高(左)から低(右)の垂直エッジを検出する左側エッジフィルタである。
図2Dは、低(左)から高(右)の垂直エッジを検出する右側エッジフィルタである。
【0039】
一実施形態では、フィルタの原点に対して、斜めの向き又は傾斜した向きなどの別の向きのような向きを有するフィルタを使用することができる。一実施形態では、境界検出を改善する及び/又は信頼水準を高めるための追加のデータを提供するために相補的及び/又は反対の向きを有する追加のフィルタが追加されることができる。一実施形態では、フィルタは、収集されたOCT画像データを変換するために演算子(operator)又は行列(matrix)のようなフィルタを生成するための1又は複数のプロセッサ及び命令を使用して実装されることができる。
【0040】
「外側」及び「内側」の用語は、下側の血管組織に対するエッジの位置を指し、外側エッジは内皮のより近くに位置し、内側エッジは下にある血管平滑筋のより近く位置する。内側エッジ及び外側エッジは、石灰化領域の半径方向の深さ又は侵入(penetration)に対応する。「左」及び「右」の用語は、極座標画像におけるエッジの相対的な位置を指す。左側エッジ及び右側エッジは、血管内の石灰化領域の弧長(arc length)、又は幅に対応する。
【0041】
一実施形態では、エッジ検出フィルタは、ガウス関数の導関数に基づきかつウェーブレット変換に類似している。これらの及び他のガウス関数又は他のエッジ検出フィルタは、様々な実施形態で使用されることができる。
【0042】
OCT極座標画像フレームは、1又は複数のエッジ検出フィルタを使用して処理される。例えば、
図2Aの外側エッジ検出フィルタは、通常、血管管腔に隣接する石灰化領域の外側エッジである高信号強度から低信号強度にステップする水平エッジを検出する。
図2Bの内側エッジ検出フィルタは、血管壁内の石灰化領域の内側エッジである低信号強度から高信号強度にステップするエッジを検出する。大きな石灰化に関して、内側のエッジはOCT画像で見えないことがある。
【0043】
同様に、
図2Cの左側エッジ検出フィルタは、通常は石灰化領域の左側エッジである高信号強度から低信号強度にステップする垂直エッジを検出する。最後に、
図2Dの右側エッジ検出フィルタは、大抵石灰化された領域の右側エッジである低信号強度から高信号強度にステップする垂直エッジを検出する。
【0044】
好ましくは、石灰化領域は水平エッジ検出フィルタに応答するが、脂質プラーク及び正常な特徴部(normal features)は通常、水平エッジ検出フィルタに強く応答しないので、OCT極座標画像のようなOCT画像データは、少なくとも2つの水平エッジ検出フィルタでフィルタリングされる。したがって、水平エッジ検出は、他の血管特徴部からの石灰化領域の区別を可能にし、これは、ステントタイプのような治療オプションを選択するのに役立つ。例えば、石灰化領域は、硬化組織から構成され、したがって、他のタイプの狭窄よりも弾力性の高いステントを必要とする。
【0045】
様々な実施形態では、OCT画像データは、複数のエッジ検出フィルタ(例えば、外側、内側、左側及び/又は右側エッジフィルタ)を使用して処理される。好ましくは、少なくとも2つの異なるエッジ検出フィルタが使用され、より好ましくは、少なくとも3つの異なるエッジ検出フィルタが使用され、最も好ましくは、4つの異なるエッジ検出フィルタが使用される。石灰化領域は顕著なエッジを有し、垂直及び水平エッジ検出フィルタの両方に応答するが、脂質プラーク及び正常な狭窄は通常、水平エッジ検出フィルタにのみ応答する。脂質プラークは単一の勾配を有し、これは単一の水平エッジに対応する。従って、垂直エッジ検出(例えば、左側エッジ及び右側エッジ)が、カルシウムプラークを非石灰化組織特徴部から区別するために使用されることができる。加えて、石灰化領域は、非石灰化領域より多くの及び高い強度のフィルタ応答を示す。
【0046】
例示的な実施形態では、
図1Bに示される極座標画像は、エッジ検出のために処理される。
図3A-3Dは、それぞれ
図2A-2Dに示された指向性エッジフィルタの応答を示す。
図3Aは、上部水平エッジ検出応答である。
図3Bは、底部水平エッジ検出応答である。
図3Cは、左側垂直エッジ検出応答である。
図3Dは、右側垂直エッジ検出応答である。より長い波長、より暗い領域は、より高い強度のフィルタ応答を示し、より短い波長、より明るい領域は、より低い強度のフィルタ応答を示す。アスタリスクは、各フィルタの応答の極大値を示す。特定の実施形態では、所定の閾値を超える応答は、極大値とみなされる。
【0047】
図4Bを参照すると、フィルタ応答の極大値(
図3A-
図3D)は、石灰化領域のエッジ検出を示すために、極座標画像に重ね合わされる。
図4Aは、各指向性エッジフィルタの最大値を識別する凡例である。4つの指向性フィルタ全てからの極大応答のクラスタ(cluster)が、石灰化領域を示す。ガイドワイヤの影430は、画像の左側ではっきりと見える。ガイドワイヤの影に付随する最大値は、スプリアス(spurious)として無視される。
図4Bでは、CA領域が領域420によって示されている。血管410の管腔はまた、
図4Bのエッジ検出フィルタ極座標画像(edge detection filtered polar image)において黒として見える。
【0048】
図5Aは、画像の中心付近で可視の小さな石灰化領域560を有する極座標画像フレームである。ガイドワイヤの影530が左側に見える。
図5Aに示される画像は、石灰化領域の境界を解像する(resolve)ために、4つのエッジ検出フィルタの全てを用いて処理される。
図5B-5Eはフィルタ応答である:
図5Bは外側エッジ水平フィルタであり、
図5Cは内側エッジ水平フィルタであり、
図5Dは、左側エッジ垂直フィルタであり、
図5Eは、右側エッジ垂直フィルタである。極大値は白いアスタリスクで印を付けられている。
【0049】
図6Aは、一実施形態における走査線のシーケンスを含む極座標画像上にフィルタ応答(
図5B-E)が重ね合わせられた極座標画像(
図5A)を示す。フィルタ応答は、OCTデータの異なるビュー上に示され、一実施形態では関心領域を識別するために採点される。石灰化領域の上部エッジ、底部エッジ、及び左側エッジが、
図6Aの極座標画像をフィルタリングすることによって検出された。隣接するフレーム(
図6B)のエッジ検出又はその他のフィルタリングもまた、石灰化領域の3つのエッジを検出する;しかし、右側エッジが左側エッジの代わりに検出される。したがって、石灰化領域の全ての境界を検出するために複数の隣接するOCTフレームからのフィルタ応答を組み合わせることが必要な場合がある。クロスフレームデータ(cross-frame data)及び結果の使用は、一実施形態において石灰化領域の検出の精度を向上させることができる。
【0050】
図6C及び6Dは、正常な内膜中膜肥厚(intima-media thicking)及び非石灰化プラークをそれぞれ示す血管内領域を示すコントロール(対照)である。正常な内膜中膜の肥厚(intima media thickening)(
図6C)では、水平エッジ最大値-内側エッジ及び外側エッジ-のみが検出される。同様に、非石灰化プラーク(
図6D)は、より少ない最大値を生成し且つ垂直エッジ最大値を生成しない。
【0051】
図7A-Fは、石灰化(
図7A-C)及び正常(
図7D-F)の血管内組織に関するフィルタオーバーレイのさらなる例である。
図7A-Cは、連続するフレームにおける石灰化領域760a、b、cを示す隣接するフレームである。最大値は、4つのフィルタ方向すべてについて、各フレームに存在する。
図7D-Fは、肥厚内膜中膜を有する正常組織を示す隣接するフレームである。これらの画像は、内側最大値及び外側最大値のみを含む。
図7Eでは、柱状特徴部770が、垂直エッジ検出最大値をトリガする。しかし、この特徴部は、その規則的な柱形のために、及び石灰化領域は大きな不規則な表面積を有する傾向もあるため、カルシウムプラークである可能性は低い。特徴部770は、おそらくは、画像アーティファクトを生成するバブル又は他の特徴である。
【0052】
図8A-8Cは、大きい石灰化領域860a、b、cを示す隣接するフレームである。石灰化領域は、各フレームにおいて4つの指向性フィルタ全てに対して複数の最大値を生成する。加えて、より小さい石灰化領域865が右側に見え、これは同じ石灰化の一部であり得る。石灰化領域865は内側エッジ最大値を欠いているが、エッジ最大値の数及び密集クラスタリングは、これが石灰化である可能性が高いことを示している。異なる向きを持つフィルタが使用される場合、より多くの応答が返され、精度が向上する。石灰化が血管壁に深く-例えばOCTスキャンより深く広がる場合、内側最大値は検出されないことがある。いくつかの実施形態では、複数の隣接するOCTフレームからのフィルタ応答は、単一のOCTフレームから解像できない大きいカルシウム堆積物を解像するために、組み合わされる。ガイドワイヤの影が右側に表示されるが、画像内で編集されている。
【0053】
図9は、血管内の石灰化領域のOCT断面画像及び極座標画像の合成であり、本開示をさらに示している。
図9A-9Cは、同じ近傍(same neighborhood)からの断面画像であり、
図9D-Eは、対応する極座標画像である。
図9Aの上部に見える石灰化領域960は、
図9Dに示されるように、4つの方向全てにおいてエッジ検出最大値を生成する。
図9Aの底部の第2の石灰化領域965は、複数の方向性エッジ検出フィルタに応答して、3方向にエッジ検出最大値を生成する。第2の石灰化領域965は、後のフレーム、
図9B及び
図9Eにおいて顕著なままである。第2の石灰化領域は、OCTスキャンの深さを超える;したがって、内側最大値は観察されない。最後に、
図9C及び
図9Fは、血管の右側の自然な狭窄980を示す。この狭窄は、わずかのエッジ検出最大値しか生成せず且つ最大値が2つの方向にしかないため、石灰化領域として排除されることができる。ガイドワイヤの影930は、
図9Dを除いて明白であり、この
図9Dではそれは編集されている。
【0054】
様々な実施形態では、コンピュータ、プロセッサ、又は他のシステム若しくはデバイスが、極大値又は極値のクラスタを識別するために、複数のエッジ検出フィルタを使用して連続するOCTフレームをフィルタリングするようにプログラムされる。
図9の3つの極座標画像(
図9D、9E、及び9F)に示されるプロセスフローは、いくつかの最大値が検出されるか及びその方向を決定する適切なエッジ検出フィルタで処理された。そのような最大値を有する最大値及び方向の十分性は、石灰化領域を識別するために使用されることができる。
【0055】
非石灰化領域は一般的に垂直エッジ検出フィルタに応答しないので、石灰化領域は垂直エッジ検出を使用して非石灰化領域と区別されることができる。加えて、大きい石灰化の内側のエッジは、標準的なOCTスキャンによって解像されるには深すぎることがある。したがって、所与のOCTフレームにおける少なくとも外側、左側、及び右側エッジ最大値のクラスタは、石灰化領域に対応する関心領域(ROI)を定める。このROIは、3つ、又は好ましくは4つ全ての指向性フィルタに対応するフィルタ応答のクラスタ上にバウンディングボックス(bounding box)を設定することによって導出される。
【0056】
関心領域(ROI)を定める又は決定するプロセスは、カルシウム結節の深さを示すために1又は複数の組織深さに由来するいくつかのフィルタ応答を使用する。カルシウムフィルタ応答のセットのうちの1若しくは複数又は全てを含むバウンディングボックス、楕円、球又は他の境界は、カルシウム結節又は領域の後部エッジ(back edge)又は他のエッジを決定するために、球、箱、楕円又は他の境界の寸法とともに使用されることができる。カルシウムは、血管内の硬い領域のように作用し、それに関連してそのような石灰化領域の近傍でステントを拡張することによる圧縮(compaction)が問題となる。
【0057】
結果として、これらの領域を識別することが重要である。関心領域は、フィルタ応答を使用して識別された領域の周りに境界を生成すること、及び、境界の点を接続すること、又は、重心若しくは他の点のような共通点を見つけるとともに点の間の距離測定値を得るために境界のドットと接続することによって見つけることができる。このプロセスは、石灰化領域の深さを測定するために使用できる。
【0058】
フィルタ応答のROIはその後、各OCTフレームにおける石灰化組織のサイズ及び/又は体積を推定するために使用されることができる。これらは、関心領域を定めるために選択された所与の境界に対する点フィッティング(point fitting)及び測定プロセスを使用して決定されることができる。いくつかの実施形態では、ROIは石灰化領域の正確な境界を定めないが、代わりに石灰化領域の推定値を提供する。ROIが1又は複数のOCTフレームで確認された後、フレームは、血管の3Dボリュームレンダリング、2D断面、及び長手方向断面表示におけるユーザ分析のために組み合わされる。
図10は、血管の部分の管腔直径に関するクロスフレーム情報を示す概略図である。
【0059】
CRが検出される例示的な処理ステップ又は段階も示されている。健康な管腔フレームは、CRの両側に検出可能/表示可能985である。カルシウム986を含む管腔/組織のフレームは健康なフレームの間にある。石灰化された狭窄を示す3つのフレームは、3つの健康な(狭窄されていない)管腔フレームによって左及び右に境界され(bounded)ている。石灰化は、血管の直径を約33%減少させる。健康な領域及び石灰化領域を含むフレームのこのフレーム追跡は、ステント配置のための血管の領域を選択するために使用することができる。健康な管腔フレームとCRとの間の補間が、CR999を識別するために実行される。カルシウム領域999が識別され、それは、外側境界999oと内側境界999iとの間に配置されて示されている。
【0060】
別の実施形態では、
図11Aは、健康な領域によって境界された石灰化領域の2次元長手方向断面レンダリングを示すLモード画像である。太線は、石灰化領域の内側1166及び外側1168の境界を示す。
【0061】
別の実施形態では、
図11Bは、石灰化領域は太線で強調表示されている、
図11Aに示された同じデータの3次元ボリュームレンダリングである。太線は、石灰化領域の内側1166及び外側1168の境界を示す。加えて、円周マーカ(circumferential marker)1190が、ユーザが石灰化のサイズを迅速に評価するのを助ける視覚補助を提供する。円周マーカは、石灰化領域の弧長を血管円周の割合として図示する(graphically depicts)。石灰化領域の弧長は、第1の印(例えば、第1の色及び/又はパターン)1190aによって区別され、隣接する非石灰化組織は、第2の印(例えば、第2の色及び/又はパターン)1190bによって区別される。マーカが示すように、石灰化領域は血管円周の約半分に及ぶ。
【0062】
図12Aは、管腔表面に沿った石灰化領域1260の内側境界を強調する血管の3次元レンダリングを示す。位置マーカ1292が、ユーザによる迅速な画像解釈を容易にするために、円周マーカ1290(上部)及び円周マーカ1295(下部)の下に追加されることができる。
図12Bでは、円周マーカ1290及び1295の上部及び底部は、それぞれ上部線分1290及び下部線分1295に対応する。位置マーカは、円周マーカによって描かれた正確な断面積を画定する。円周マーカ及び/又は位置マーカは、ユーザが異なる断面及び/又は異なる視点を選択できるように、移動可能且つインタラクティブであることができる。
【0063】
図12Aでは、第1の石灰化領域エンドフレーム及び第2の石灰化領域エンドフレームが、CRフレーム1及びCRフレームNで指定される。これらのフレームのいずれも石灰化領域CRのスタートフレーム又はエンドフレームと見なされることができる。一実施形態では、Nは、第2のフレームを示すために2であることができ、又はNは、CRのフレーム数であることができる。したがって、CRが100フレームの画像データを有する場合、境界フレームは、CRフレーム1及びCRフレーム100であることができる。
【0064】
別の実施形態では、
図12Bは、
図12Aに示される位置マーカの場所に対応する断面画像を示す。石灰化の外側エッジは、ユーザが狭窄を評価するのを助けるために、太い線1268によって区画される。
【0065】
図13Aは、プラークサイズのより良い推定を提供するために石灰化領域がボリュームレンダリングされた血管管腔の3次元レンダリングのさらなる実施形態を示す。CRフレーム1及びCRフレームNもまた、オーバーレイ又は他のグラフィック要素を使用して描かれることができる。様々なタイプのオーバーレイ及びグラフィック要素が、図に示されるとともに本明細書で説明されるように使用されることができる。
図13Bに示されるように、石灰化領域の外側1366及び内側1368の境界が太線で示される。
図13Cは、太い線で区切られた内側1366及び外側1368の境界石灰化領域を示すLモード画像である。境界線セグメント1368は管腔境界である。
図13Bに示されるように、管腔境界1368は、石灰化領域CRに隣接し且つ線分1268によって境界された管腔の領域に隣接する。CR1366の外側境界も、線分1366によって強調されている。
図13Cでは、CRの内側境界IB及び外側境界OBも、コンピュータ生成線分として示されている。
【0066】
図14Aでは、血管に関する血管内データ及び血管造影データが表示される。左上のパネル又はスクリーン(
図14A)は、血管の血管造影画像を示す。右上のパネル(
図14B)は、血管の石灰化部分に関する印1420とともに血管の断面図を示す光コヒーレンストモグラフィ画像を示す。底部パネル(
図14C)は、石灰化領域1425も示されている血管の長手方向断面図を示すOCT画像を示す。長手方向断面図はまた、拡張を誘導するための基準血管プロファイル(reference vessel profile)に対応する点線1430も示す。拡張のガイドのグラフィック表現は、印1440によって示される。これらの印は、色、線、曲線、記号、及び他の適切な印であることができる。
【0067】
図14A-14Cは、石灰化された血管セグメントに注意を引くことによって、病変準備(lesion preparation)の間に追加の情報をユーザに与えるのに適している。
図14A-Cのインタフェースはまた、デバイスの拡張1440を案内するための基準血管プロファイル1430を提供することによって、ステント又は他のデバイスのサイジング(sizing)を容易にする。加えて、
図14のインタフェースは、アンジオ同期(angio coreg)1410でのBVS位置を表示するとともに、スキャフォールド並置マップ(scaffold apposition map)を生成することによって、BVS又は他のステント又はスキャフォールドの展開を容易にする。
【0068】
図15Aは、例示的なプラーク表示グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を伴う例示的なスクリーンショットを示す。石灰化領域は、上述の画像処理ベースのアプローチを用いて検出され且つ分類されている。示されているように、カルシウム含有物は、上部パネルに示されたOCT Bモード又は断面画像において約6時から10時に拡がる。プラーク表示GUIは、カルシウムの円周範囲に対応するOCT Bモード画像上の部分的なリング又は弧1510を重ね合わせる。リングは、円若しくは楕円部分又は他の曲線又は他の可視化可能な表示要素、記号若しくはアイコンであることができる。リングの半径方向の位置は、OCT信号強度が、Bモード画像に情報内容が存在しないようにノイズ閾値を下回って低下しているイメージング距離(imaging distance)に動的に設定されることができる。
【0069】
一実施形態では、石灰化領域の視認性を向上させるためのこの印又は他の表示要素の使用は、画面の混乱状態(screen clutter)を低減させる。このような印の使用はまた、OCT画像の特徴を不明瞭にすることなく、プラーク自体に比較的近いプラークインジケータの配置を可能にする。代替的には、半径方向位置は、走査範囲1512の端部で固定値に設定されることができる。これらの表示技術は、病変の周りに完全にセグメント化された又は囲まれたポリゴンを描画する必要なしに、プラークの位置を明瞭に示すことができるという利点を有する。完全なセグメント化は、OCT信号が血管内適用において一般的なプラークの裏側まで完全に伸びない場合、技術的に困難であり得る。プラークの位置及びサイズ情報は、スクリーンの管腔プロファイルセクションに表示することもできる。
【0070】
図15Bを参照すると、長手方向断面図に示されるように、垂直バー1516が、プラークが検出された断面フレームに対応する位置で、管腔プロファイル上に配置されることができる。図示のように、
図15Bでは、バーのシーケンスは、幾つかのフレームについてほぼ同じであり、次に、図示のように上がる及び下がる。
図15Bでは、バー1516aは最も厚く、1516bは最も薄いバーである。バーは管腔の両側で対称的に示されているが、管腔の上又は下のバーのみを示すような他の表現並びに他も可能である。
【0071】
一実施形態では、バーの高さは、断面においてより大きな円周を覆うプラークが管腔プロファイル表示上の垂直方向に高いバーとして表示されるように、プラークの円周範囲に比例することができる。加えて、垂直線分1514又はバー又は他の印は、
図15Bの断面図に対して
図15Aに示される画像の長手方向位置を示すために使用されることができる。この設計は、ユーザが、管腔プロファイル表示の簡単な検査によって、プラークの円周方向の範囲及び長手方向の範囲の両方を迅速に評価することを可能にする。
【0072】
図16Aは、
図15Aに示された同じプルバックにおける異なるフレームの例を示す。このフレームでは、カルシウム病変部は、約9時から10時にのみ拡がっている。垂直線1614は、上に
図16Aで示されるフレームに対応する
図16Bのフレームを示すために使用される。したがって、Bモード画像上の部分リング1610は、前のフレームのリング1610よりも小さく、垂直バー1616も対応して小さい。他の方法及び可視スクリーン上要素が、血管造影データ及び光コヒーレンストモグラフィデータに関する関心のある診断情報のオンスクリーン表示を向上させるために、GUIを使用して生成されることができる。
【0073】
以下の説明は、本明細書に記載される本発明の方法を実行するのに適するデバイスハードウェア及び他の動作構成要素の概要を提供することを意図している。この説明は、本発明の適用可能な環境又は本発明の範囲を限定するものではない。同様に、ハードウェア及び他の動作構成要素は、上記の装置の一部として適切であり得る。本発明は、パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含む他のシステム構成で実施されることができる。
【0074】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットの演算のアルゴリズム及び記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズム記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェアに関連する分野の当業者によって使用され得る。一実施形態では、アルゴリズムは、ここでは、一般的に、所望の結果につながる動作の自己無撞着シーケンス(self-consistent sequence)であると考えられる。方法ステップ又は本明細書に記載される別の方法として実行される動作は、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしも必要ではないが、これらの量は、格納、転送、結合、変換、比較、及びその他の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形をとる。
【0075】
以下の説明から明らかなように特に明記しない限り、本説明全体にわたって、「処理する」又は「計算する(computing)」又は「計算する(calculating)」又は「補間する」又は「比較する」又は「フィルタリングする」又は「検出する」又は「示す」又は「重ね合わせる」又は「サンプリングする」又は「動作する」又は「生成する」又は「決定する」又は「表示する」等のような用語を用いることの議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送又は表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び変換する、コンピュータシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及び処理を指すことが、理解される。
【0076】
本発明は、いくつかの実施形態では、本明細書の動作を実行するための装置にも関連する。この装置は、必要な目的のために特別に構成されてよい、あるいはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動又は再構成される汎用コンピュータを含んでよい。
【0077】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、本質的に、特定のコンピュータ又は他の装置に関連しない。様々な汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用されてよく、あるいは必要とされる方法ステップを実行するためにより特殊化された装置を構築することが好都合であるとわかるかもしれない。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0078】
本発明の実施形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、又は汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のPLD)、ディスクリート部品、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含むが、これに限定されない多くの異なる形態で実装され得る。本発明の典型的な実施形態では、OCTプローブ、FFRプローブ、血管造影システム、並びに他の撮像及び被験者モニタリングデバイス及びプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理のいくらか又は全てが、コンピュータ可読媒体にそのように格納される、コンピュータ実行可能形式に変換され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム命令のセットとして実装される。したがって、例えば、プルバック又は共同位置合わせ(co-registration)要求の完了に基づくユーザインタフェース命令及びトリガは、OCTデータの生成、石灰化領域の識別、本明細書に記載される様々な及び他の特徴及び実施形態を用いた画像処理の実行に適したプロセッサ理解可能命令(processor understandable instructions)に変換される。
【0079】
本明細書に前述した機能性の全部又は一部を実装するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、及び様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、又はロケータによって生成される形式)を含むが、決してこれらに限定されない、様々な形式で具体化され得る。ソースコードは、さまざまなオペレーティングシステム又はオペレーティング環境で用いるための様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又はFortran、C、C++、JAVA(登録商標)、若しくはHTMLのような高級言語)のいずれかで実装される一連のコンピュータプログラム命令を含み得る。ソースコードは、様々なデータ構造及び通信メッセージを定義し且つ使用し得る。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介した)コンピュータ実行可能形式であってよく、あるいはソースコードは(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能形式に変換されてもよい。
【0080】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、あるいは他のメモリデバイスのような、有形の記憶媒体に恒久的又は一時的のいずれかの任意の形式(例えばソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)で固定され得る。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、決してこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能である信号の任意の形式に固定され得る。コンピュータプログラムは、印刷された又は電子的な文書(シュリンクラップされたソフトウェアなど)を伴うリムーバブル記憶媒体として配布され得る、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク上)にプリロードされ得る、あるいはサーバ若しくは通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を介した電子掲示板から配布され得る。
【0081】
本明細書で先に説明された機能の全て又は一部を実装するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスとともに使用するためのプログラマブルロジックを含む)は、従来の手動方法を使用して設計され得る、あるいは、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、若しくはCUPL)のような様々なツールを使用して電子的に設計され、取り込まれ、シミュレーションされ、あるいは文書化され得る。
【0082】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、あるいは他のメモリデバイスのような、有形の記憶媒体に恒久的又は一時的のいずれかで固定され得る。プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標))、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、決してこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能である信号に固定され得る。プログラマブルロジックは、印刷された又は電子的な文書(シュリンクラップされたソフトウェアなど)を伴うリムーバブル記憶媒体として配布され得る、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク)にプリロードされ得る、あるいはサーバ又は通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)上の電子掲示から配布され得る。
【0083】
適切な処理モジュールの様々な例が、以下により詳細に論じられる。本明細書で使用される場合、モジュールは、特定のデータ処理タスク又はデータ送信タスクを実行するのに適したソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。一実施形態では、モジュールは、ソフトウェアルーチン、プログラム、あるいは、受信、変換、フィルタリング、オーバーレイ、印、線分、並びに他のグラフィック要素及びオーバーレイの生成、ルーティング及び命令の処理に適した他のメモリ常駐アプリケーション、あるいは、OCTデータ、OCT極座標画像データ、ROI測定値、断面画像、極座標画像、IVUSデータ、陰影、石灰化領域フレーム又は画像データ、境界データ、フィルタ応答データ、ピクセル、強度パターン、及び本明細書に記載されている関心のあるその他の情報のような様々なタイプのデータを指す。
【0084】
本明細書に記載されるコンピュータ及びコンピュータシステムは、データの取得、処理、格納及び/又は通信に使用されるソフトウェアアプリケーションを格納するためのメモリのような動作可能に関連付けられるコンピュータ可読媒体を含み得る。このようなメモリは、その動作可能に関連付けられるコンピュータ又はコンピュータシステムに関して、内部、外部、リモート又はローカルであり得ることが理解されることができる。
【0085】
メモリはまた、例えば、限定ではなく、ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(拡張消去可能なPROM)、及び/又は他の同様のコンピュータ可読媒体を含む、ソフトウェア又は他の命令を格納するための任意の手段を含み得る。
【0086】
概して、本明細書に記載の本発明の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラマブル装置によって実行される命令を格納することができる任意のメモリ媒体を含み得る。適用可能な場合には、本明細書に記載された方法ステップは、コンピュータ可読メモリ媒体又はメモリ媒体に格納された命令として具体化又は実行され得る。これらの命令は、C++、C、Java(登録商標)のような様々なプログラミング言語、及び/又は本発明の実施形態による命令を作成するように適用され得る様々な他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具体化されたソフトウェアであってよい。
【0087】
用語「機械可読媒体」は、機械による実行のための命令のセットを格納、符号化、又は搬送することができるとともに、機械に本開示の方法論のいずれか1つ又は複数を実行させる任意の媒体を含む。機械可読媒体は、例示的な実施形態において単一の媒体であるように示されているが、用語「機械可読媒体」は、命令の1又は複数のセットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、データベース、1又は複数の集中データベース又は分散データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むように解釈されるべきである。
【0088】
本開示の図面及び説明は、本開示の明確な理解に関連する要素を例示するために簡略化されているが、明瞭化のために、他の要素を省略していることを理解されたい。しかし、当業者は、これらの要素及び他の要素が望ましいことがあることを認識するであろう。しかし、そのような要素は当技術分野で良く知られており、それらは本開示のより良い理解を容易にしないので、そのような要素の議論はここでは提供されない。図面は説明の目的のために提示されており、構造図として示されていないことが理解されるべきである。省略された詳細及び変更又は代替実施形態は、当業者の理解の範囲内にある。
【0089】
本出願における見出し及び段落の使用は、本開示を限定することを意味するものではない。各段落は、本開示の任意の態様、実施形態、または特徴に適用することができる。
【0090】
出願全体を通じて、組成物が特定の成分を有する、含む、又は備えていると記載されている場合、あるいはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む又は備えていると記載されている場合、本教示の組成物は、列挙された成分から本質的になる、又はそれらからなり、本明細書の教示のプロセスもまた、列挙されたプロセスステップから本質的になる、またはそれらからなることが考えられる。
【0091】
出願において、要素又は構成要素が列挙された要素又は構成要素のリストに含まれる及び/又はそこから選択されると言われる場合、要素又は構成要素は、列挙された要素又は構成要素のいずれか1つであることができるとともに列挙された要素又は構成要素の2以上からなるグループから選択されることができることが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載された組成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴は、本明細書に明示的であろうと暗黙的であろうと、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な方法で組み合わせられることができることが理解されるべきである。
【0092】
用語「含む」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有する」、又は「有している」の使用は、特に明記しない限り、一般にオープンエンド且つ非限定的であると理解されるべきである。
【0093】
本明細書における単数形の使用は、特に断らない限り、複数形(及びその逆も含む)を含む。さらに、単数形「1つの(“a”、“an”)」、及び「その(“the”)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形を含む。加えて、用語「約」の使用が定量値の前にある場合、特に教示しない限り、本教示は特定の定量値自体も含む。本明細書で使用する「約」又は「実質的に」という用語は、公称値(nominal value)から±10%の変動を指す。
【0094】
本発明の教示が動作可能なままである限り、特定の動作を実行するためのステップの順序又は順序は重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2以上のステップ又はアクションが同時に実行されてもよい。
【0095】
値の範囲又はリストが提供される場合、値のその範囲又はリストの上限と下限との間の各間の値は、個々に考慮されるとともに、あたかも各値がここに具体的に列挙されているかのように本開示内に包含される。加えて、所与の範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含むより小さい範囲が、考慮されるとともに本開示内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含む他の値又は範囲の排除ではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
前記メモリと連係する1つ又は複数のプロセッサと
を備えたシステムであって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
血管の1つ又は複数の画像を受信し、
前記1つ又は複数の画像のそれぞれに少なくとも1つのエッジ検出フィルタを適用し、前記少なくとも1つのエッジ検出フィルタのそれぞれについてフィルタ応答を生成し、
フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のそれぞれにおいて、1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向を検出し、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像の画像内のクラスタを識別し、
前記画像内の前記クラスタに基づいて、関心領域を定義し、
前記関心領域が少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む場合、前記関心領域を石灰化領域として識別し、前記関心領域が垂直エッジ応答最大値を含まない場合、前記関心領域を非石灰化領域として識別し、
前記関心領域の表示を含む前記血管のレンダリングを出力する
ように構成されたシステム。
【請求項2】
前記関心領域は、石灰化領域に対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向が、少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記関心領域を定義することは、少なくとも3つの指向性フィルタに対応するクラスタにバウンディングボックスを設定することをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも3つの指向性フィルタは、外側エッジフィルタ、内側エッジフィルタ、右側エッジフィルタ、又は左側エッジフィルタのうちの1つ又は複数を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記出力は、前記1つ又は複数の画像と、検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向とを用いた前記血管の2次元又は3次元モデルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
1つ又は複数のプロセッサが、血管の1つ又は複数の画像を受信し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記1つ又は複数の画像のそれぞれに少なくとも1つのエッジ検出フィルタを適用し、前記少なくとも1つのエッジ検出フィルタのそれぞれについてフィルタ応答を生成し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のそれぞれにおいて、1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向を検出し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像の画像内のクラスタを識別し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記画像内の前記クラスタに基づいて、関心領域を定義し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記関心領域が少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む場合、前記関心領域を石灰化領域として識別し、前記関心領域が垂直エッジ応答最大値を含まない場合、前記関心領域を非石灰化領域として識別し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記関心領域の表示を含む前記血管のレンダリングを出力する
ことを含む方法。
【請求項8】
前記関心領域は、石灰化領域に対応する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
検出された前記1つ又は複数の最大値および前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向が、少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記関心領域を定義することは、前記1つ又は複数のプロセッサが、少なくとも3つの指向性フィルタに対応するクラスタにバウンディングボックスを設定することをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも3つの指向性フィルタは、外側エッジフィルタ、内側エッジフィルタ、右側エッジフィルタ、又は左側エッジフィルタのうちの少なくとも1つ又は複数を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のうちのフィルタリングされた少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタを識別し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、フィルタリングされた前記少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタに基づいて、石灰化領域に対応する第2の関心領域を定義し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記画像と前記少なくとも1つの追加の画像とを組み合わせる
ことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記出力が、前記関心領域を含まない前記1つ又は複数の画像群の第2の表示をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記出力は、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像と、検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向とを用いた前記血管の2次元又は3次元モデルである、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ又は複数のプロセッサに、
血管の1つ又は複数の画像を受信し、
前記1つ又は複数の画像のそれぞれに少なくとも1つのエッジ検出フィルタを適用し、前記少なくとも1つのエッジ検出フィルタのそれぞれについてフィルタ応答を生成し、
フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のそれぞれにおいて、1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向を検出し、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像の画像内のクラスタを識別し、
前記画像内の前記クラスタに基づいて、関心領域を定義し、
前記関心領域が少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む場合、前記関心領域を石灰化領域として識別し、前記関心領域が垂直エッジ応答最大値を含まない場合、前記関心領域を非石灰化領域として識別し、
前記関心領域の表示を含む前記血管のレンダリングを出力する
ことを実現させる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記関心領域は、石灰化領域に対応する、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
検出された前記1つ又は複数の最大値および前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向が、少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記関心領域を定義することは、少なくとも3つの指向性フィルタに対応するクラスタにバウンディングボックスを設定することをさらに含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
メモリと、
前記メモリと連係する1つ又は複数のプロセッサと
を備えたシステムであって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
血管の1つ又は複数の画像を受信し、
前記1つ又は複数の画像のそれぞれに少なくとも1つのエッジ検出フィルタを適用し、前記少なくとも1つのエッジ検出フィルタのそれぞれについてフィルタ応答を生成し、
フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のそれぞれにおいて、1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向を検出し、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像の画像内のクラスタを識別し、
前記画像内の前記クラスタに基づいて、関心領域を定義し、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のうちのフィルタリングされた少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタを識別し、
フィルタリングされた前記少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタに基づいて、石灰化領域に対応する第2の関心領域を定義し、
前記画像と前記少なくとも1つの追加の画像とを組み合わせ、
前記関心領域の表示を含む前記血管のレンダリングを出力する
ように構成されたシステム。
【請求項20】
前記関心領域は、石灰化領域に対応する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向が、少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記関心領域を定義することは、少なくとも3つの指向性フィルタに対応するクラスタにバウンディングボックスを設定することをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも3つの指向性フィルタは、外側エッジフィルタ、内側エッジフィルタ、右側エッジフィルタ、又は左側エッジフィルタのうちの1つ又は複数を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記出力が、前記関心領域を含まない前記1つ又は複数の画像群の第2の表示をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記出力は、前記1つ又は複数の画像と、検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向とを用いた前記血管の2次元又は3次元モデルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
メモリと、
前記メモリと連係する1つ又は複数のプロセッサと
を備えたシステムであって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
血管の1つ又は複数の画像を受信し、
前記1つ又は複数の画像のそれぞれに少なくとも1つのエッジ検出フィルタを適用し、前記少なくとも1つのエッジ検出フィルタのそれぞれについてフィルタ応答を生成し、
フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のそれぞれにおいて、1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向を検出し、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像の画像内のクラスタを識別し、
前記画像内の前記クラスタに基づいて、関心領域を定義し、
前記関心領域の第1の表示と、前記関心領域を含まない前記1つ又は複数の画像群の第2の表示とを含む前記血管のレンダリングを出力する
ように構成されたシステム。
【請求項27】
前記関心領域は、石灰化領域に対応する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向が、少なくとも1つの垂直エッジ応答最大値を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記関心領域を定義することは、少なくとも3つの指向性フィルタに対応するクラスタにバウンディングボックスを設定することをさらに含むことを特徴とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも3つの指向性フィルタは、外側エッジフィルタ、内側エッジフィルタ、右側エッジフィルタ、又は左側エッジフィルタのうちの1つ又は複数を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記1つ又は複数のプロセッサがさらに、
前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向に基づいて、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像のうちのフィルタリングされた少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタを識別し、
フィルタリングされた前記少なくとも1つの追加の画像内の追加のクラスタに基づいて、石灰化領域に対応する第2の関心領域を定義し、
前記画像と前記少なくとも1つの追加の画像とを組み合わせる
ように構成された、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記出力は、フィルタリングされた前記1つ又は複数の画像と、検出された前記1つ又は複数の最大値及び前記1つ又は複数の最大値のそれぞれの方向とを用いた前記血管の2次元又は3次元モデルである、請求項26に記載のシステム。
【外国語明細書】