(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180467
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】キサンタン構造化高ポリオール液体クレンザ
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20221129BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20221129BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20221129BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20221129BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20221129BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20221129BHJP
C11D 10/02 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/73
A61K8/44
A61Q19/10
A61Q5/02
A61K8/42
C11D10/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022147147
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2019540390の分割
【原出願日】2018-01-04
(31)【優先権主張番号】17155142.7
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ツァー,シェン・リャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】起泡性の、好ましくはマイルドな界面活性剤および保湿剤としての高レベルのポリオールを含むパーソナルケアクレンジング組成物、および該組成物を製造するためのプロセスを提供する。
【解決手段】以下を含む組成物:a)40重量%~75重量%のポリオール;b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1~15%の界面活性剤;c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム;d)10%~50%の水;およびe)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間測定したときに最終組成物の粘度が2000~15,000cpsである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む組成物:
a)40重量%~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1~1
5%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間測定したときに最終組成物の
粘度が2000~15,000cpsである。
【請求項2】
前記界面活性剤が、ジカルボン酸のN-アシル誘導体の塩、またはモノカルボン酸のN
-アシル誘導体の塩およびそれらの混合物からなる工程から選択される界面活性剤を含む
、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリオールがグリセリンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
キサンタンガムが、50ミクロン以下のサイズを有する粒子の形態である、請求項1~
3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
組成物を製造するためのプロセスであって、前記組成物は以下を含み:
a)40重量%~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~
15%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5のスピンドルを用いて20rpmで30秒間測定される場合最終組成物
の粘度が2000~15,000cpsであり、
前記プロセスが以下を含む、:
1)すべてのキサンタンガムを5~10部のポリオールと添加し、混合して均一な混合
物を形成する;
2)別のミキサにバランス量のポリオール、界面活性剤および水を別々に添加して、混
合する;
3)(1)のポリオール混合物中の前記キサンタンガムを(2)の前記混合物に添加し
、最終混合物中のキサンタン粒子が50ミクロン以下のサイズ、好ましくは0.5~40
ミクロンを有するように適切な均質化で(1)および(2)の前記混合物を均質化する。
【請求項6】
均質化がロータ-ステータミキサを用いて、4分間以上500rpmを超える均質化速
度で行われる、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
(2)の界面活性剤が、ジカルボン酸のN-アシル誘導体の塩、またはモノカルボン酸
のN-アシル誘導体の塩およびそれらの混合物からなる工程から選択される界面活性剤を
含む、請求項5または6に記載のプロセス。
【請求項8】
ポリオールがグリセリンである、請求項5~7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
組成物を製造するためのプロセスであって、前記組成物は以下を含み:
a)40~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1~1
5重量%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間測定される場合最終組成物の
粘度が2000~15,000cpsであり、
前記プロセスは以下を含む、:
1)4~8重量%のキサンタンガムを10~20重量%のポリオールと予備混合する;
2)前記キサンタンとポリオールとの混合物を75~90重量%の界面活性剤溶液に添
加し、混合して、総界面活性剤レベルを15重量%より高く、好ましくは20%より高く
する;
3)50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロン以下のキサンタン粒子を得る
のに十分な均質化条件下で(1)+(2)の予備分散液を均質化する;および
4)前記残りの成分を含有するミキサに(3)の前記キサンタンガム予備分散液を添加
し、混合し、前記混合は好ましくは5分以上行う。
【請求項10】
均質化がロータ-ステータミキサを用いて、4分間以上500rpmを超える均質化速
度で行われる、請求項9に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起泡性の、好ましくはマイルドな界面活性剤および保湿剤としての高レベル
のポリオールを含むパーソナルケアクレンジング組成物に関する。本発明はさらに、典型
的にはそのような系と不相溶性の構造化剤を用いてそのような組成物を構造化するための
プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物(一般に、哺乳動物の角質組織への適用に適したリンスオフ用組
成物またはリーブオン用組成物を指す)は、皮膚および/または毛髪のクレンジングおよ
び保湿、活性成分の送達、不完全さの隠蔽ならびに皮脂に関連した油性/テカリの低減に
用いられている。
【0003】
消費者は、典型的には、皮膚にマイルドであり、および/または保湿感もしくは他の消
費者利益をもたらす組成物を好む。従って、マイルドさは、例えば、より低いレベルの皮
膚刺激、およびより低いレベルの水分蒸散量(例えば、当業者に知られているSkico
nおよび/または経表皮水分蒸散量試験によって測定されるような)に関連し得る。
【0004】
これらの要求を満たす1つの方法は、ポリオール、例えばグリセリン;皮膚軟化剤油、
例えばワセリンまたはトリグリセリド油の付着を増加させること、最も好ましくはポリオ
ールおよび皮膚軟化剤油両方の、好ましくはマイルドな界面活性剤系からの付着の向上に
よる。
【0005】
液体クレンザからのポリオールの向上は、Yang et al.による欧州特許出願
公開第16190191.3号明細書に記載されているように、高レベルのポリオールを
(1または複数の)特定のマイルドな界面活性剤と共に使用して達成することができる。
彼らは、モノおよび/またはジカルボン酸のN-アシル誘導体である特定の界面活性剤を
、高グリセリン、すなわち40~90重量%含有組成物と組み合わせて使用することによ
って、同じ高グリセリン系における他の種類の界面活性剤の使用と比較して向上したグリ
セリン付着を提供しながら界面活性剤のマイルドな性質という利点を活用できることを見
出した。
【0006】
一般に、高グリセリン液体クレンザ組成物は当該技術分野において既知である。
【0007】
Sanoの米国特許第5,716,919号明細書は、皮膚から化粧品を除去するため
に、25~80重量%のポリオール、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤
を含有するマイルドなクレンジング組成物を開示しており、これは新鮮でクリーンな洗浄
後の感触を与える。
【0008】
Roulier et al.による米国特許第6,303,108号明細書は、無水
固体自己加温起泡性組成物を特許請求する。無水固体起泡性組成物を形成するために20
~85重量%のポリオールが起泡性界面活性剤粉末のバインダとして使用され、自己加温
効果をもたらす。
【0009】
Chambers et alの米国特許第6,387,857号明細書は、抗菌効果
のために、30~50重量%のポリオールを含有してクレンザ組成物の水分活性を低下さ
せるパーソナルクレンジング組成物を特許請求している。
【0010】
Tsaurの米国特許第7,879,780号明細書は、主な界面活性剤として脂肪族
アシルイセチオネート界面活性剤および10~60重量%のポリオール、例えばグリセリ
ンまたはソルビトールを含む液体クレンジング組成物を開示している。高温および低温貯
蔵条件下で液体クレンザ組成物を安定化させるためにこの発明では高レベルのポリオール
を使用する。
【0011】
Masaaki et alの欧州特許第1237534B1号明細書は、スルホサク
シネート界面活性剤および脂肪酸石鹸の混合物を含有する液体クレンザ組成物を安定化す
るための10~50重量%のポリオールを開示している。
【0012】
これらの参考文献のいずれも、通常そのような量のポリオールを含む起泡性液体クレン
ザと不相溶性の構造化剤であるキサンタンガムで構造化されたクレンザ中の高いポリオー
ルレベル(例えば、40~75%、好ましくは50~75%ポリオール)を開示していな
い。さらにそのような組成物を製造するためのプロセスの開示はない。
【0013】
液体クレンザからの皮膚軟化剤油の供給もまた当該技術分野において周知である。液体
クレンザ中の皮膚軟化剤油液滴を安定化させるために、ポリマー、例えばCarbopo
l、アルカリ可溶性アクリルエマルジョンまたはキサンタンガムは一般に、懸濁された油
粒子を安定化させるために液体を増粘および構造化することを必要とする。高レベルのポ
リオールおよび界面活性剤の存在下では、ポリマー増粘剤は溶解しないかまたは十分に膨
潤しないかのいずれかであり、低い水分活性のために増粘効率を提供することができない
。例えば、キサンタンガムは、食品、スキンケアまたはパーソナルクレンジング用途のた
めに水性系を増粘および構造化するために広く使用されている多糖類である。Kelco
によって発行されたXanthan Book 8thに記載されているように、キサン
タンガムは、40重量%以上、好ましくは50重量%以上のレベルのポリオールを含有す
る水溶液と相溶性がない。界面活性剤溶液とのその相溶性は、界面活性剤の種類に応じて
5~25重量%の界面活性剤の範囲である。
【0014】
意外なことに、出願人らは、キサンタンガムが、この特許に記載されている方法を用い
て、2000cps以上(例えば、2000cps~15,000cps)、好ましくは
2500cps以上(例えば、2500cps~10,000cps)、より好ましくは
3000~10,000cpsの組成物粘度を維持しながら、高レベルのポリオールを含
有する液体クレンザを増粘および構造化するために使用できることを見出した。出願人ら
はさらに、キサンタン構造化され、最小規定粘度を維持するそのような高ポリオール組成
物を製造するためのプロセスを見出した。
【0015】
液体クレンザ用途のための構造化剤としてのキサンタンガムは知られており、従来技術
、例えば米国特許第4728457号明細書;米国特許第4788006号明細書、米国
特許第5948739号明細書および米国特許第6001344号明細書に記載されてい
る。これらの特許のいずれも、40重量%以上のレベルのポリオールを含有する起泡性液
体クレンザに関するキサンタンガムの相溶性の問題を克服する方法またはそれから得られ
る組成物を教示も開示もしていない。さらに、50ミクロン以下のサイズのキサンタンガ
ムを製造するための均質化が、高ポリオール系において使用される場合の相溶性の問題を
解決するために必要とされることを、いずれの文献も認識していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第16190191.3号明細書
【特許文献2】米国特許第5,716,919号明細書
【特許文献3】米国特許第6,303,108号明細書
【特許文献4】米国特許第6,387,857号明細書
【特許文献5】米国特許第7,879,780号明細書
【特許文献6】欧州特許第1237534B1号明細書
【特許文献7】米国特許第4728457号明細書
【特許文献8】米国特許第4788006号明細書
【特許文献9】米国特許第5948739号明細書
【特許文献10】米国特許第6001344号明細書
【非特許文献】
【0017】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
1つの形態において、本発明は、パーソナルケアクレンジング組成物、好ましくは起泡
性マイルド界面活性剤系を含むクレンジング組成物を提供し、ここでこの組成物は以下を
含み:
1)40~75重量%、好ましくは45~75重量%、好ましくは50~75重量%の
ポリオール(好ましくはグリセリン);
2)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~
15%の界面活性剤;ジカルボキシルアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)
のN-アシル誘導体の塩またはモノカルボン酸(例えばグリシンアラニン)のN-アシル
誘導体の塩および誘導体が特に好ましい;
3)0.1%~1.5%、好ましくは0.3%~1.2%のキサンタンガム;
4)10%~50%の水;および
5)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間で測定される場合に最終組成
物の粘度が2000~15,000cps、好ましくは3000~10,000cpsで
ある。
【0019】
好ましくは、キサンタンガム粒子は、50ミクロン以下、好ましくは0.1~50ミク
ロン、好ましくは0.5~40ミクロンのサイズを有する。
【0020】
存在する場合、N-アシルアミノ酸界面活性剤は、好ましくは、界面活性剤系の大部分
、例えば界面活性剤系の50%~100%、または界面活性剤系の60%~100%また
は70%~100%を構成する。
【0021】
第二の形態において、本発明は、以下を含む組成物を製造するプロセスに関する:
1)40%~75%、好ましくは45%~75%のポリオール(好ましくはグリセリン
);
2)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~
15%の界面活性剤;ジカルボキシルアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)
のN-アシル誘導体の塩またはモノカルボン酸(例えばグリシンアラニン)のN-アシル
誘導体の塩およびそのような誘導体の混合物が特に好ましい;
3)0.1%~1.5%、好ましくは0.3%~1.2%のキサンタンガム;
4)10%~50%の水;
5)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間で測定される場合、最終組成
物の粘度が2000~15,000cps、好ましくは3000~10,000cpsで
あり、ここで好ましくはキサンタンガム粒子は、0.1~50ミクロンまたは0.5~4
0ミクロンのサイズを有する;および
ここで、存在する場合、N-アシルアミノ酸界面活性剤は、好ましくは、界面活性剤系
の大部分、例えば界面活性剤系の50%~100%、または界面活性剤系の60%~90
%、または70%~100%を構成する。
【0022】
ここでこのプロセスは以下を含む:
1)すべてのキサンタンガムを5~10部のポリオール(好ましくはグリセリン)と添
加し、混合して均一な混合物を形成する;
2)別のミキサ(例えば、メインミキサ)中にバランス量のポリオール、界面活性剤お
よび水を別々に添加して混合する;
3)(1)のポリオール混合物中のキサンタンガムを(2)の混合物に添加し、適切な
均質化を用いて(1)および(2)の混合物を均質化し(例えば、毎分回転数(rpm)
に基づくロータ-ステータ装置または圧力に基づくホモジナイザを用いて)、こうして最
終混合物中のキサンタン粒子が50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロンのサ
イズを有するようにする。
【0023】
使用され得るホモジナイザは、例えば、500rpmを超え、好ましくは1500rp
m~15,000rpmの均質化速度で、例えばロータの直径およびその回転速度、ロー
タとステータと間の距離、ミキサ内の時間、および一連のジェネレータ数に依存して4分
以上の間ロータ-ステータの機械的ホモジナイザにある。変数には、歯の列数、それらの
角度、および歯の間の開口部の幅が含まれる。最終キサンタンガム粒径は、均質化速度と
混合時間との両方に依存する。一般に、より高い均質化速度および/またはより長い混合
時間は、より小さいキサンタンガム粒子を作り出す。
【0024】
別の形態では、このプロセスは、キサンタンガムの全部を一部の界面活性剤、ポリオー
ルおよび水と共に含む濃縮キサンタンガム予備分散液を形成すること;50ミクロン以下
、好ましくは0.5~40ミクロンのキサンタン粒子を得るために(再度ロータ-ステー
タミキサまたは圧力に基づくホモジナイザを使用して)予備分散液を均質化すること;お
よび次いで他の残りの成分と混合することを含んでいてもよい。このプロセスは以下を含
む:
1)4~8重量%のキサンタンガムを10~20重量%のポリオールと予備混合する;
2)キサンタンおよびポリオールとの混合物を75~90重量%の界面活性剤溶液に添
加し、混合して総界面活性剤レベルを15重量%より高く、好ましくは20%より高くす
る;
3)50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロン以下のキサンタン粒子を得る
のに十分な均質化条件下で(1)および(2)の予備分散液を均質化する(再度このよう
な条件の例は、4分間以上予備分散液を500rpmを超えて均質化することである);
および
4)残りの成分を含有するミキサに(3)のキサンタンガム予備分散液を添加し、混合
し、前記混合は好ましくは5分以上行う。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施例において、または他に明確に示されている場合を除いて、材料の量または反応条
件、材料の物理的特性および/または使用を示すこの説明におけるすべての数字は、用語
「約」によって修飾されると理解されるべきである。特記しない限り、すべての量は最終
組成物の重量による。
【0026】
任意の範囲の濃度または量を特定する際に、任意の特定の上限濃度を任意の特定の下限
濃度または量と関連付けることができることに留意されるべきである。
【0027】
誤解を避けるために、「含む(comprising)」という用語は、「含む(in
cluding)」を意味していることを意図しているが、必ずしも「からなる」または
「構成される」を意味しているとは限らない。言い換えれば、列挙された工程または選択
肢は、網羅的である必要はない。
【0028】
本明細書に見られる本発明の開示は、請求項が複数従属性または冗長性なしに見いださ
れ得るという事実にかかわらず、互いに複数従属するものとして請求項に見られるような
すべての実施形態を包含すると見なされるべきである。
【0029】
本発明は、高レベルのポリオール、好ましくはグリセリンを含む組成物を提供し、その
中でキサンタンガムは驚くべきことに構造化剤として使用することができ、良好な粘度を
提供する。具体的には、出願人らは、(均質化を用いて)特定の方法で調製することによ
って、新規な組成物を得ることができることを見出した。
【0030】
より具体的には、本発明の新規な組成物は以下を含み:
1)40重量%~75重量%、好ましくは45重量%~75重量%、より好ましくは5
0~75重量%のポリオール(好ましくはグリセリン);
2)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~
15%の界面活性剤;ジカルボキシルアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)
のN-アシル誘導体の塩またはモノカルボン酸(例えばグリシンアラニン)のN-アシル
誘導体の塩および誘導体が特に好ましい;
3)0.1%~1.5%、好ましくは0.3%~1.2%のキサンタンガム;
4)10%~50%の水;および
5)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間で測定される場合に最終組成
物の粘度が2000~15,000cps、好ましくは3000~10,000cpsで
ある。
【0031】
好ましくは、キサンタンガム粒子は、50ミクロン以下、好ましくは0.1~50ミク
ロン、好ましくは0.5~40ミクロンのサイズを有する。
【0032】
本発明の組成物は、記載のように、40~75%、好ましくは45~75%のポリオー
ルを含む。グリセリンが好ましいポリオールであるが、他のポリオールも使用され得る。
これらには、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびそ
れらの混合物(好ましくは、これらのうちの1つとグリセリンとの混合物を含む)が含ま
れる。
【0033】
使用されるポリオールのより低いレベルは、40または45または50%(およびそれ
らの間のすべての数字)であり得、好ましくは51%以上(51~60およびその間のす
べての数字を含む)である。上限は60~75で、その間のすべての数字であり得る。も
ちろん、41~74までの任意の数字は、理論的には上限または下限であることができる
。例えば74%が下限であることができ、75%が上限であることができる。
【0034】
キサンタンガムがそのような高ポリオール系と相溶性であることは予想外である。しか
しながら、出願人らはさらに、優れた粘度を維持しながらそのような組成物を可能にする
プロセスを見出した。述べられた相溶性を得るためには、キサンタンは、小さい粒径に均
質化される必要がある(それは、rpmを用いるロータ-ステータ機械的ミキサまたは均
質化のための入口を通る圧力を用いる「古典的な」ホモジナイザにかかわらず、分解を意
味する)ことは認識されない。
【0035】
界面活性剤
組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオ
ン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される
1~15重量%、好ましくは2~12重量%、さらにより好ましくは2~9重量%の界面
活性剤をさらに含んでいてもよい。
【0036】
本発明において使用され得るアニオン性洗剤活性物質は、脂肪族スルホネート、例えば
一級アルカン(例えば、C8-C12)スルホネート、一級アルカン(例えば、C8-C
22ジスルホネート、C8-C22アルケンスルホネート、C8-C22ヒドロキシアル
カンスルホネートまたはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);または芳
香族スルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートであってもよい。アニオン性化
合物はまた、アルキルスルフェート(例えば、C12-C18アルキルスルフェート)ま
たはアルキルエーテルスルフェート(アルキルグリセリルエーテルスルフェートを含む)
であってもよい。
【0037】
可溶化カチオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムを含
み得る。アンモニウムおよびナトリウムラウリルエーテルサルフェートが好ましい。アニ
オンはまた、アルキルスルホサクシネート(モノ-およびジアルキル、例えばC6-C2
2スルホサクシネートを含む);アルキルおよびアシルタウレート、アルキルおよびアシ
ルサルコシネート、スルホアセテート、C8-C22アルキルホスフェートおよびホスフ
ェート、アルキルホスフェートエステルおよびアルコキシルアルキルホスフェートエステ
ル、アシルラクテート、C8-C22モノアルキルサクシネートおよびマレエート、スル
ホアセテート、アルキルグルコシドおよびアシルイセチオネートなどであってもよい。ス
ルホサクシネートは、下記式を有するモノアルキルスルホサクシネート:
R4O2CCH2CH(SO3M)CO2M;および
下記式のアミド-MEAスルホスクシネート;
R4CONHCH2CH2O2CCH2CH(SO3M)CO2M
式中、R4はC8-C22アルキルの範囲であり、Mは可溶化カチオンである。
【0038】
サルコシネートは一般に下記式で示される:
R1CON(CH3)CH2CO2M、
式中、R1はC8-C20アルキルの範囲であり、Mは可溶化カチオンである。
【0039】
タウレートは一般に下記式で識別される:
R2CONR3CH2CH2SO3M
式中、R2はC8-C20アルキルの範囲であり、R3はC1-C4アルキルの範囲で
あり、Mは可溶化カチオンである。
【0040】
本発明のクレンジング組成物は、C8-C18アシルイセチオネートを含有してもよい
。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオネートと6~18個の炭素原子を有し、2
0未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との反応により調製される。混合脂肪酸の少
なくとも75%が12~18個の炭素原子を有し、25%までが6~10個の炭素原子を
有する。アシルイセチオネートは、Ilardi et al.の米国特許第5,393
,466号明細書(発明の名称「ポリアルコキシル化イセチオン酸」;1995年2月2
8日発行;参考として本明細書に組み込まれる)に記載されているようなアルコキシル化
イセチオネートであり得る。この化合物は一般式を有する:
RC---O(O)---C(X)H---C(Y)H2---(OCH---CH2
)m---SO3M+
式中、Rは8~18個の炭素のアルキル基であり、mは1~4の整数であり、Xおよび
Yは水素または1~4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは例えばナトリウム、カリ
ウムまたはアンモニウムのような一価のカチオンである。
【0041】
両性界面活性剤
1つ以上の両性界面活性剤が本発明において使用される。そのような界面活性剤は少な
くとも1つの酸基を含む。これはカルボン酸またはスルホン酸基であり得る。それらは四
級窒素を含み、従って四級アミド酸である。それらは一般に7~18個の炭素原子のアル
キルまたはアルケニル基を含むべきである。それらは通常、全体的な構造式に従う:
R1---[---C(O)---NH(CH2)n---]m---N+---(R
2)(R3)X---Y
式中、R1は7~18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、1~3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシア
ルキルまたはカルボキシアルキルであり;
nは2~4であり;
mは0~1であり;
Xは、ヒドロキシルで置換されていてもよい1~3個の炭素原子のアルキレンであり、
Yは---CO2---または---SO3---である。
【0042】
上記一般式内の適切な両性界面活性剤は、下記式の単純ベタイン:
R1---N+---(R2)(R3)CH2CO2---
下記式のアミドベタインを含む:
R1---CONH(CH2)n---N+---(R2)(R3)CH2CO2--
式中、nは2または3である。
【0043】
両方の式において、R1、R2およびR3は先に定義した通りである。R1は特にココ
ナッツ油から誘導されたC12およびC14アルキル基の混合物であってもよく、その結
果R1基の少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3は10~14個の炭素原子を
有する。R2およびR3は、好ましくはメチルである。
【0044】
さらなる可能性は、両性洗剤が下記式のスルホベタインであることである:
R1---N+---(R2)(R3)(CH2)SO3---
または
R1---CONH(CHz)m---N+---(R2)(R3)(CH2)SO3
---
式中、mは2または3である、あるいは---(CH2)3SO3が---CH2C(
OH)(H)CH2SO3-によって置き換えられたこれらの変形形態である。
【0045】
これらの式において、R1、R2およびR3は先で議論した通りである。
【0046】
アンホアセテートおよびジアンホアセテートもまた、使用されてもよい可能性としての
双性イオン性および/または両性化合物、例えばラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアン
ホ酢酸ナトリウム、およびそれらのブレンドなどに包含されることを意図している。
【0047】
非イオン性界面活性剤
1つ以上の非イオン性界面活性剤が本発明のクレンジング組成物に使用されてもよい。
使用されてもよい非イオン性化合物としては、特に、疎水性基および反応性水素原子を有
する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールとアルキレ
ンオキシド、特にエチレンオキシド単独またはプロピレンオキシドとの反応生成物が挙げ
られる。特定の非イオン性洗剤化合物は、アルキル(C6-C22)フェノールエチレン
オキシド縮合物、脂肪族(C8-C18)一級または二級直鎖または分枝アルコールとエ
チレンオキシドとの縮合生成物、およびエチレンオキシドと、プロピレンオキシドおよび
エチレンジアミンの反応生成物との縮合によって製造される生成物である。他のいわゆる
非イオン性洗剤化合物としては、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド
およびジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。
【0048】
いくつかの形態では、本発明の組成物は、ジカルボキシルアミノ酸(例えばアスパラギ
ン酸、グルタミン酸)のN-アシル誘導体の塩、モノカルボン酸(例えばグリシン、アラ
ニン、サルコシン)のN-アシル誘導体の塩およびモノ-およびジカルボン酸のそのよう
な誘導体の混合物からなる群から選択される界面活性剤を含んでいてもよい。
【0049】
好ましいジカルボキシルアミノ酸界面活性剤は、アシルグルタメートおよびアシルアス
パルテート界面活性剤である。好ましいモノカルボキシルアミノ酸界面活性剤は、アシル
グリシネート、アシルアラネート、およびアシルサルコシネートである。好ましくは、こ
れらはアミノ酸のN-アシル誘導体のカリウムおよび/またはナトリウム塩である。
【0050】
市販されているアミノ酸界面活性剤には通常2つのフォーマットがある。1つは粉末ま
たはフレークフォーマットであり、これは典型的にはより高価であり、純度が高い。固体
ジカルボキシルアミノ酸界面活性剤の例としては以下が挙げられる:
・N-ココイル-L-グルタミン酸ナトリウム(例えばAjinomoto製Amis
oft(登録商標)CS-11)
・N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム(例えばAjinomoto製Ami
soft(登録商標)LS-11)
・N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム(Ajinomoto製Amiso
ft(登録商標)MS-11)
・N-ココイル_l-グルタミン酸カリウム(例えばAjinomoto製Amiso
ft(登録商標)CK-11)
・N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム(Ajinomoto製Amisof
t(登録商標)MK-11)
・N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム(Ajinomoto製Amisoft
(登録商標)LK-11)
・ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム(Asahi Kasei Chemical
Corporation製AminoFoamer(商標)FLMS-P1)
・ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(Asahi Kasei Chemical
Corporation製Aminosurfact(商標)ALMS P1/S1)
・ミリストイルグルタミン酸ナトリウム(Asahi Kasei Chemical
Corporation製Aminosurfact(商標)AMMS-P1/S1)
固体モノカルボキシルアミノ酸界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:
・ココイルグリシン酸ナトリウム(例えば、Ajinomoto製Amilite(登
録商標)GCS-11)
・ココイルグリシン酸カリウム(例えば、Ajinomoto製Amilite(登録
商標)GCK-11)。
【0051】
好ましくは、N-アシルアミノ酸界面活性剤誘導体は総界面活性剤系の50~100%
を構成する。
【0052】
組成物はさらに、0.1~1.5重量%、好ましくは0.3~1.2重量%のキサンタ
ンガムをさらに含む。キサンタンガムは、細菌Xanthomonas campest
risなどの微生物による特定の糖の発酵によって合成することができる多糖類である。
キサンタンは、2つのD-グルコピラノシル単位、2つのD-マンノピラノシル単位、お
よび1つのD-グルコピラノシルウロン酸単位からなる繰り返し五糖類単位からなり、分
子量は100万~5000万である。キサンタンガムは、塩、酸、塩基および水混和性溶
媒などの多くの化学物質との優れた相溶性のために、水系の増粘または安定化に広く使用
されている。本発明に好ましいキサンタンガムは、市販品、例えばKelcoによって製
造されたKeltrol CG-T、Keltrol CG-SFTまたはKeltro
lーCG、Vanderbilt and Mineralsから入手可能なVanga
n NF-C、SolvayからのRhodopol23Cである。
【0053】
示されるように、キサンタンは通常、特に本発明において特許請求されるような界面活
性剤と共に、高ポリオール系における構造化剤として組み込まれることはない。しかしな
がら、本発明の新規な処理工程のために、出願人らは、高ポリオールおよびキサンタンガ
ム系を製造することができ、これは、特許請求されるようにキサンタンがパーソナル液体
クレンザの粘度を高めることを可能にする。重要なことは、そのような高ポリオール系に
おける相溶性を確実にするためには、キサンタンガム粒子が50ミクロン以下のサイズを
有しなければならないという認識である。
【0054】
組成物はさらに10~50%、好ましくは15~40%の水を含む。
【0055】
第二の形態において、本発明は、本発明の新規組成物を製造することを可能にするプロ
セスを含む。
【0056】
具体的には、本発明は、以下を含む組成物を製造するための均質化プロセス(先に述べ
られたように、「均質化」は特定のrpmで使用されるロータ-ステータ機械的装置およ
び/または圧力供給に基づく「古典的な」ホモジナイザによって両方の分解を指す)に関
する:
1)40重量%~75重量%、好ましくは45重量%~75重量%、より好ましくは5
0重量%~75重量%のポリオール(好ましくはグリセリン);
2)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~
15%の界面活性剤;ジカルボキシルアミノ(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)酸
のN-アシル誘導体の塩またはモノカルボン酸(例えばグリシンアラニン)のN-アシル
誘導体の塩およびそのような誘導体の混合物が特に好ましい;
3)0.1%~1.5%、好ましくは0.3%~1.2%のキサンタンガム;
4)10%~50%の水;および
ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間で測定される場合、最終組成物の
粘度が2000~15,000cps、好ましくは3000~10,000cpsであり
、ここで好ましくはキサンタンガム粒子は、0.1~50ミクロンまたは0.5~40ミ
クロンのサイズを有し;および
ここで、存在する場合、N-アシルアミノ酸界面活性剤は、好ましくは、界面活性剤系
の大部分、例えば界面活性剤系の50%~100%、または界面活性剤系の60%~10
0%、または70%~10%を構成する。
【0057】
前記プロセスは以下を含む:
1)すべてのキサンタンガムを5~10部のポリオール(好ましくはグリセリン)と添
加し、混合して均一な混合物を形成する;
2)別のミキサ(例えば、メインミキサ)中にバランス量のポリオール、界面活性剤お
よび水を別々に添加して混合する;
3)(1)のポリオール混合物中のキサンタンガムを(2)の混合物に添加し、適切な
均質化を用いて(1)および(2)の混合物を均質化し、こうして最終混合物中のキサン
タン粒子が50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロンのサイズを有するように
する。
【0058】
使用され得るホモジナイザは、500rpmを超える、好ましくは1500rpm~1
5,000rpmの、例えば4分以上の均質化速度のロータ-ステータ機械的ホモジナイ
ザである。
【0059】
別の形態では、このプロセスは、キサンタンガムの全部を一部の界面活性剤、ポリオー
ルおよび水と共に含む濃縮キサンタンガム予備分散液を形成すること;50ミクロン以下
、好ましくは0.5~40ミクロンのキサンタン粒子を得るために(ロータ-ステータミ
キサまたは圧力に基づくホモジナイザを使用して)予備分散液を均質化すること;および
次いで他の残りの成分と混合することを含んでいてもよい。このプロセスは以下を含む:
1)4~8重量%のキサンタンガムを10~20重量%のポリオールと予備混合する;
2)キサンタンおよびポリオールの混合物を75~90重量%の界面活性剤溶液に添加
し、混合し、総界面活性剤レベルを15重量%より高く、好ましくは20%より高くする
;
3)50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロンのキサンタン粒子を得るのに
十分な条件下で(1)および(2)の予備分散液を均質化する;および
4)残りの成分を含有するミキサに(3)のキサンタンガム予備分散液を添加し、混合
し、前記混合は好ましくは5分以上行う。
【0060】
均質化は、典型的には100~400マイクロメートルの粒径を有するキサンタンガム
粒子を、この高ポリオール含有パーソナル液体クレンザ中で分解して、50ミクロン以下
、より好ましくは0.5~40ミクロンの微細キサンタンガム分散液を形成するための装
置(例えば、上記で記述したようなロータステータまたは古典的ホモジナイザ)を使用す
るプロセスである。液体中の粒子を微粉化するために様々な物理的技術を使用する多くの
異なる実験室および工業用ホモジナイザを本発明に使用することができる。例えば、Si
lverson Mixer Homogenizerは当業界で周知のロータ-ステー
タ機械的ホモジナイザであり、Sonolator(登録商標)は同業界でも既知のイン
ライン型高圧ホモジナイザである。
【0061】
本発明の実施例を作るために使用されたPro300Dホモジナイザは、PRO Sc
ientificからのロータ-ステータ機械的ホモジナイザである。
【0062】
[実施例]
実施例1および2ならびに比較例A~F
【表1】
【0063】
様々なレベルのグリセリンを含有する液体クレンザ粘度に対するキサンタンガムプロセ
スの効果を上記の表1に示す。処理の終わりを除いて、すべてのサンプルは下記に記載の
プロセスを用いて調製した。最初に、6部のグリセリン(ポリオール)を計量し、ビーカ
ーに保存した。すべての界面活性剤、水、および残りのグリセリンをメインミキサに添加
し、室温で3ブレードプロペラを備えたオーバーヘッドミキサを使用して約10分間均一
になるまで混合した。キサンタンガムおよびJaguarC17粉末を添加し、ビーカー
に保存した6部のグリセリンに分散させた。次いで、キサンタンガム分散液をメインミキ
サに添加し、室温で5分間混合した。香料およびフェノキシエタノールを添加し、さらに
5分間混合した。クレンザのpHは、50重量%のクエン酸または25重量%のNaOH
溶液を用いて5.9~6.3の範囲に調整された。
【0064】
すべての成分を添加し、液体のpHを調整した後、実施例1~2および比較例Aを、P
ro Scientific Inc.製のPro300Dを使用して5500rpmで
5~7分間均質化した。比較例BおよびC(実施例1~2および比較例Aと同様の組成を
有する)を、700~750rpmで10分間混合した3ブレードプロペラを備えたオー
バーヘッドミキサを使用して混合した。比較例Aはホモジナイザ中で混合されたが、それ
がはるかに低レベルのポリオールを使用するので比較例と考えられる。調製した液体の粘
度を、調製後約2時間で、#5スピンドルを有するブルックフィールドレオメータを用い
て20rpmで30秒間測定した。結果を表1に示す。結果は、キサンタンガム処理が、
高ポリオール(例えば、グリセリン)含有液体の液体粘度に大きな影響を与えることを明
らかに示している。実施例1および2の高レベルのグリセリンを含む液体については、均
質化プロセスは、オーバーヘッドミキサを用いて混合した同様の液体と比較して著しく高
い粘度を与える(比較例BおよびC)。低レベルのグリセリンを含む液体(比較例Aおよ
び比較例D)については、混合方法は最終粘度に大きな違いを示さない。高グリセリンを
含む実施例1および2が、どちらも均質化プロセスを使用する場合、低レベルのグリセリ
ンを含む比較例Aと比較して、著しく高い粘度を有することを見出したことは驚くべきこ
とである。本発明のプロセスを用いて、キサンタンガムと高グリセロール含有液体クレン
ザとの相溶性の問題を解決することができ、液体クレンザを増粘するガムの効率も劇的に
向上する。
【0065】
比較のために、他の従来のポリマー増粘剤、Carbopol Aqua SF1およ
びMethocel 40-100を使用して、他の2つの実施例、比較例EおよびFも
調製した。両方のサンプルは、3ブレードプロペラを備えたオーバーヘッドミキサおよび
均質化なしで上記と同じ手順を用いて調製した。表に示すAqua SF1サンプルの粘
度は、たとえキサンタンガムよりも高レベルのポリマーを使用したとしても、本発明の実
施例1と比較して125cpsと非常に低い(0.9%対0.6%)。Methocel
40-100を含有するサンプルは、調製後2時間で相分離を示した。Methoce
l 40-100は液体から沈殿し、貯蔵中に液体の底に粘りのある粘着性の塊を形成し
た。
【0066】
実施例3A~3F:均質化速度および時間の影響
【表2】
【0067】
実施例1に記載したようにすべての成分をミキサに添加し、バッチ全体を均質化する代
わりに、界面活性剤予備分散液中のキサンタンガムを使用して、実施例1と同じ組成の5
つのサンプルを調製した。これが本発明の第二の定義されたプロセスである。手順の詳細
は後述する。
【0068】
最初に、17.8重量%のNaラウロイルグルタメートおよび5.93のNaココプロ
ピルプロピルベタインを含有するpH約5.9のグルタメート/ベタイン界面活性剤プレ
ミックスを調製した。6部のキサンタンガム粉末を18部のグリセリンと混合した。次い
で、混合物を76部のグルタメート/ベタイン界面活性剤プレミックスに添加し、Pro
300Dホモジナイザを使用して表2に示されるように様々な速度および時間(例えば3
000~5600rpm)で均質化して、界面活性剤予備分散液中のキサンタンガムを作
製した。
【0069】
次いで、68.2部のグリセリン、0.05部のJaguar C17、2.48部の
脱イオン水、17.68部の上記で記載されたグルタメート/ベタイン界面活性剤プレミ
ックス、1部の香料および0.6部のフェノキシエタノールを、オーバーヘッドミキサを
備えたミキサに添加することによって、最終組成物を調製した。上記で調製した界面活性
剤予備分散液中の10部のキサンタンガムを添加した後、混合物を3ブレードプロペラを
使用して600rpmで10分間混合した。混合を600~700rpmでさらに10分
間続けた。液体の粘度は、調製後約2時間で測定され、また調製後5日で再測定された。
両方のデータを表2に示す。粘度データは、均質化プロセスが液体クレンザの最終粘度の
制御において非常にロバスト性であることを示している。十分に混合すると、室温で5日
間貯蔵した後、すべての液体は同様の粘度を有する。
【0070】
【0071】
表3に示されるような組成を有する本発明の実施例4、5および6は、上記の実施例3
に記載された界面活性剤予備分散プロセスにおいてキサンタンガムを使用して調製された
。実施例4は、実施例1と比較して、9%対6%の高レベルの総界面活性剤を含有する。
実施例5および6はそれぞれ皮膚軟化剤油、ワセリンおよびヒマワリ種子油を含有する。
界面活性剤予備分散液中のキサンタンガムの添加後に両方の油を添加し、700~750
rpmで10分間混合した。ワセリンを含有する実施例5は50℃で処理し、ヒマワリ種
子油を含有する実施例6は室温で混合した。すべてのサンプルは粘性があり、よく構造化
されている。ワセリンおよびヒマワリ種子油の両方とも、高温および低温貯蔵条件の両方
で相分離することなく液体クレンザに安定的に懸濁されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む組成物:
a)65重量%~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1~15%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%の50ミクロン以下のサイズを有する粒子の形態であるキサンタンガム;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間測定したときに最終組成物の粘度が2000~15,000cpsである。
【請求項2】
前記界面活性剤が、ジカルボン酸のN-アシル誘導体の塩、またはモノカルボン酸のN-アシル誘導体の塩およびそれらの混合物からなる工程から選択される界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリオールがグリセリンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物を製造するためのプロセスであって、前記組成物は以下を含み:
a)65重量%~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1%~15%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム、但し、該キサンタンガムは50ミクロン以下のサイズを有する粒子の形態である;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5のスピンドルを用いて20rpmで30秒間測定される場合最終組成物の粘度が2000~15,000cpsであり、
前記プロセスが以下を含む、:
1)すべてのキサンタンガムを5~10部のポリオールと添加し、混合して均一な混合物を形成する;
2)別のミキサにバランス量のポリオール、界面活性剤および水を別々に添加して、混合する;
3)(1)のポリオール混合物中の前記キサンタンガムを(2)の前記混合物に添加し、最終混合物中のキサンタン粒子が50ミクロン以下のサイズ、好ましくは0.5~40ミクロンを有するように適切な均質化で(1)および(2)の前記混合物を均質化する。
【請求項5】
均質化がロータ-ステータミキサを用いて、4分間以上500rpmを超える均質化速度で行われる、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
(2)の界面活性剤が、ジカルボン酸のN-アシル誘導体の塩、またはモノカルボン酸のN-アシル誘導体の塩およびそれらの混合物からなる工程から選択される界面活性剤を含む、請求項4または5に記載のプロセス。
【請求項7】
ポリオールがグリセリンである、請求項4~6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
組成物を製造するためのプロセスであって、前記組成物は以下を含み:
a)65~75重量%のポリオール;
b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される1~15重量%の界面活性剤;
c)0.1重量%~1.5重量%のキサンタンガム、但し、該キサンタンガムは50ミクロン以下のサイズを有する粒子の形態である;
d)10%~50%の水;および
e)ここで#5スピンドルを用いて20rpmで30秒間測定される場合最終組成物の粘度が2000~15,000cpsであり、
前記プロセスは以下を含む、:
1)4~8重量%のキサンタンガムを10~20重量%のポリオールと予備混合する;
2)前記キサンタンとポリオールとの混合物を75~90重量%の界面活性剤溶液に添加し、混合して、総界面活性剤レベルを15重量%より高く、好ましくは20%より高くする;
3)50ミクロン以下、好ましくは0.5~40ミクロン以下のキサンタン粒子を得るのに十分な均質化条件下で(1)+(2)の予備分散液を均質化する;および
4)前記残りの成分を含有するミキサに(3)の前記キサンタンガム予備分散液を添加し、混合し、前記混合は好ましくは5分以上行う。
【請求項9】
均質化がロータ-ステータミキサを用いて、4分間以上500rpmを超える均質化速度で行われる、請求項8に記載のプロセス。
【外国語明細書】