(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018047
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A47G9/10 V
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020135312
(22)【出願日】2020-07-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】717005040
【氏名又は名称】オクトデジナーレ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 功和
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA09
3B102AB07
(57)【要約】
【課題】 人が仰向けで寝るときや休息をとる場合、深呼吸や寝返りが容易になり安眠を得ることができる枕を提供する。
【解決手段】 横長の枕部7と横幅
bを枕部7の横幅
aよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と
枕台18の横幅cを第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の中カバー4と、
T状の袋に形成した枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部
7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の
前記中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねて枕カバー
6に収容していることを特徴とする枕である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長の枕部7と横幅aを枕部の横幅bよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と横幅を第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の中カバー4と、T状の袋に形成した枕カバー1とを備え、該第一枕本体2の枕部は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねて枕カバー1に収容していることを特徴とする枕。
【請求項2】
第一枕本体は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項3】
中カバー4の枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部17の角部を挟むずれ防止具25を設けたことを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項4】
横長の枕部7と横幅aを枕部の横幅bよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と横幅を第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の合成繊維を材料とする中カバー4と、中カバー4に取り付けて折り畳んだ枕部17のずれを防止するずれ防止具25と、T状の袋に形成した再生繊維を材料とする枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ枕部17の角部がずれ防止具25によって挟まれた第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねるとともに枕体2・3の各基部を基部収容袋5に収納し、重ねた枕本体2・3と基部収容袋5は枕カバー6に収容していることを特徴とする枕。
【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、人が仰向けで寝るときや休息をとる場合、深呼吸や寝返りが容易になり、快適な安眠を得ることができる枕を提供する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、睡眠ニーズに応えるまくらの構造として、中央ユニット11の中央部に陥没部113を形成し、中央ユニットを挟んで両側に陥没部を形成しているサイドユニット12を設置した柔軟な上本体2と硬めの本体1とを上下に重ねて一体成形しているものが開示されている。
しかし、このような構成の枕は頭部と背中が水平状態にあるために寝返りがスムーズに行うことができない。そして、横向き姿勢を長時間続けた場合には腰が沈んで顔面を局所的に支えるので苦痛を受けやすく熟睡できない。
【0003】
また、特許文献2の枕は寝返りをスムーズにするために適宜な弾力性をもつ素材の枕の上面に仰臥または横臥して頭を載せ、弾力で沈み込んだ頭の中心線が敷布団やベッドと平行にする枕である。
しかし、仰向けの姿勢では肩をベッドで支えることになるために方への負荷が大きくなり、そして横向き姿勢においても肩への圧力が集中するために安眠を得ることは困難である。
【0004】
また、特許文献3の枕は底面を平面に形成した横長マット状の上に着脱自在に設置している複数の中間枕パット2・4・6と複数の上面パット3・5・7・8とを中央部分がくぼんだ状態に積み重ねている枕本体1がある。そして、各パットを自在に変形し、大きさ、太さ、長さ、厚みをかえることによって変化に富んだ大小様々なバリエーションを構成できる枕である。
この枕は多数のマットを積み重ねる構成であるので、布埃が付着しやすく洗うのも手間がかかり不衛生である。そして、頭部の通気性が悪いので蒸れて頭部が熱くなり熟睡できない。また、仰向けに寝ると両肩が上がって寝返りがし難しく、胸も左右両側から締め付けられる形となって呼吸が浅くなる。そのために、安眠を得ることができない。
【0005】
また、特許文献4の枕は中央に窪み部4を設けた枕本体1の上面に中材2を収納した偏平上のパット部7を載せて2枚重ねにしている。
この形態の枕は枕本体1とパット部7を2枚重ねとしているが、窪み部4で頭部を支える部位の通気性が悪いために頭部が熱くなって十分な睡眠をとることができない。また、寝返りの容易化についてはなにも開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-42365号公報
【特許文献2】実用新案登録第3157545号公報
【特許文献3】特開平8-228901号公報
【特許文献4】実用新案登録第3019120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
体を仰向けにしてマットレスや布団で睡眠や休息をとる場合、前記した枕は頭を支えるので頭部への負担は軽減される。しかし、頭部から背中までの重い中心部が沈みこんで両肩が浮き上がるために、寝返りがし難く、胸も両側から締め付けられる形態になり深呼吸を得ることが困難になり十分な睡眠をとることができない。
したがって、安眠を得るためには頭部とともに背中から腰に掛けての体圧分散による負担を軽減した寝姿勢を維持でき、頭部の通気性がよく、しかも楽に寝返りができる枕を具現化するにはなお改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の枕1は、横長の枕部7と横幅aを枕部の横幅bよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と横幅を第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の中カバー4と、T状の袋に形成した枕カバー1とを備え、該第一枕本体2の枕部は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねて枕カバー1に収容していることを特徴とする枕である。
【0009】
また、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の枕である。
【0010】
また、中カバー4の枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部17の角部を挟むずれ防止具25を設けたことを特徴とする請求項1に記載の枕である。
【0011】
また、横長の枕部7と横幅aを枕部の横幅bよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と横幅を第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した合成繊維を材料とする袋状の中カバー4と、中カバー4に取り付けて折り畳んだ枕部17のずれを防止するずれ防止具25と、T状の袋に形成した再生繊維を材料とする枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ枕部17の角部がずれ防止具25によって挟まれた第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねるとともに枕体2・3の各基部を基部収容袋5に収納し、重ねた枕本体2・3と基部収容袋5は枕カバー6に収容していることを特徴とする枕である。
【発明の効果】
【0012】
人の体16を枕1に仰向けに寝ると、枕部7の凹部10が頭部11を支え、枕台8・18は背中と腰を支えることによって、頭部11と首と背中の中心部が持ち上げられる。この体圧分散した姿勢で各腕を左右に垂らすと肩や腰への負担を軽減するとともに胸が張って呼吸を大きくスムーズにでき気持ちよく熟睡できる。
【0013】
また、寝返りして横向きになる場合、枕部7において、頭部11は凹部10から隣接する場所にスムーズに移動でき、また体16も枕台8・18に隣接する空間部にスムーズに移動することができる。この移動にあたって体の力に第一枕本体2の弾性材による回復力が相まって移動をスムーズにできる。
【0014】
横向き姿勢では、頭部11が凹部10で支えられた位置よりも高くなり、肩が枕台8・18の横側にある空間部に入って下がることにより肩や胸への圧迫を解消して楽に呼吸することができ、快適な睡眠を得ることができ、目覚めもよくなる。凹部10は上部を開放したU状に形成することによって頭部11への通気性が向上するので、頭部が熱くなることや蒸れの発生も軽減して安眠を得ることができる。
【0015】
そして、第二枕本体3を第一枕本体2の表面または裏面に配置することによって1個の枕で肌触りの異なった枕の使用を選択することができるので、利便性が向上する。また、第一枕本体2は化学繊維を使用し、第二枕本体3は中綿19を合成繊維であるので、枕の型崩れがなく健康にもよい。
【0016】
なお、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成することによって、頭部11への圧力を軽減することができる。また、通気性が高いので蒸れにくいうえ、枕カバー6から取り出すことによって容易に洗浄することができる。
【0017】
また、第二枕本体は再生繊維を材料とした中カバー4に合成繊維を収納することによって、枕カバー6から簡単に取り出すことができるので、中カバー4や合成繊維の交換を容易に行い得る。
【0018】
また、中カバーの枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部の角部を挟むずれ防止具25を設けることによって、第二枕本体を枕カバーに入れるときまたは取り出しを簡単で楽に行い得る。そして、中カバー4は合成繊維を材料としているので乾きが早く、枕カバー6は再生繊維を材料として形成しているので安心素材で健康に適する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の平面図である。
【
図2】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の底面図である。
【
図3】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の正面図である。
【
図4】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の背面図である。
【
図5】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の側面図である。
【
図6】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の側断面図である。
【
図7】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕に仰向けと横向きに寝ている姿勢の平面図である。
【
図8】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の平面図である。
【
図9】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の底面図である。
【
図10】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の正面図である。
【
図11】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の背面図である。
【
図12】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の側面図である。
【
図13】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の側断面図である。
【
図14】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕に仰向けと横向きに寝ている姿勢の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
枕1は第一枕本体2と、第二枕本体3と、中カバー4と、基部収容袋枕5と、枕カバー6とを備えている。
【0021】
第一枕本体2は化学繊維を材料として枕部7と枕台8を平面視T状に一体成形している。この使用している化学繊維はポリエーテルエステル系繊維の合成繊維を使用し三次元状に絡み合うクッション材を形成し、へたりにくく圧縮後の回復性が高く通気性に優れた洗えるクッション材である。さらに、透水性、耐久性に優れており、菌の増殖を抑制する効果もあるので、敷布団や枕に使用すると快適な寝心地を得ることができる。この合成繊維を用いたものとしては商品名ブレスエアー(東洋紡株式会社の登録商標)がある。
【0022】
枕部7は横方向の長さを縦方向の長さよりも長く形成し、中央部に上端部が解放している開放部9を形成したU状の凹部10を設けている。この凹部10に頭部11を載せたとき開放部9からの通気によって解放していない凹部で支える頭部よりも熱くなるのを防ぐことができ熟睡できる。
なお、凹部10の両側部は仰向け姿勢から寝返りをしたときに頭部11を支えることができる長さの平らな面12に設けており、また凹部における底面13の端部から面12の側端部に向かって左上がりの斜面14と右上がりの斜面15を形成している。
【0023】
この形態により、寝返りによって体16を横向き姿勢にした場合、頭部を斜面14によってスムーズに移動することができ、また頭部11が枕部7から落下するのを防止することができる。反対に横向き姿勢から仰向けに戻る場合においても、頭部11は斜面15によって平らな面12にスムーズに移動できるので前記開放部9と相まって頭部11を凹部10へスムーズに移動することができる。
【0024】
枕台8の横幅aは枕部7の横幅bよりも狭くして縦方向に長く形成し、枕部7の中央部に配置している。枕台7の左右両側部に空間部14を形成できるので、仰向け姿勢になったときに両腕を横方向に開けると胸への圧迫感がなくなるので、深呼吸することができ緊張感を解消することができる。
【0025】
枕台8と枕部7との接続部15は枕台8から枕部7に向かって横幅を広く形成しているので、横たえた体13が与える圧力に対する耐久性を高め得る。
第二枕本体3は、前記第一枕本体2と外形と大きさを同様に形成し、枕部17と枕台18を平面視T状に形成した中カバー4と中綿19を備えている。中カバー4は横方向の長さを縦方向の長さよりも長く形成し、枕台18の横幅cを第一枕体の横幅dよりも狭く形成している。
【0026】
そして、中カバー4は開口部20を形成しており、この開口部20(実施例は枕部17の上端部)に沿ってこの開口部20を開閉する中カバー開閉具21を設けている。なお、中カバー開閉具21は実施例ではファスナーを使用しているがマジックテープや紐など開閉できるものであればよくファスナーに限定されない。また、中カバー4は合成繊維を材料としているので乾きが早いという性質がありカバーとして有効である。
【0027】
中カバー開閉具21を操作して開口部20から合成繊維のポリエステルを材料として形成した中綿19を枕部17の折り畳み線24を境にして下方に詰め込み、中カバー開閉具21の操作によって開口部20を閉じた後に中カバー4の表面と裏面が一体になるように縫い合わせた縫い合わせ部22を設けている。
縫い合わせ部22は、第二枕本体3の横方向における中心部23において、枕部17から枕台18にかけて所定間隔おきに縫い付けている。
【0028】
また、枕部17に設けている縫い付け部22の両側部は縦方向に所定間隔をおいて縫い付けた縫い付け部22を設けている。なお、枕部17に設けた縫い付け部22は折り畳み線24を挟んで縦方向で直線状に配置することによって枕部17を枕台18に向けてスムーズに折り畳むことができる。
【0029】
これによって中カバー4に収容した中綿19の移動を抑制して型崩れを防止するとともに厚み方向に押圧することによって偏平状に形作ることができるので、第二枕本体3に仰向けまたは横向きに寝た身体を安定姿勢に保つことができる。また、中カバー4の枕台18と枕部17との接続部15は枕台18から枕部17に向かって横幅を広く形成して強度を高めている。
【0030】
中カバー4は折り畳んだ枕部17の角部を巻くループ状のずれ防止具25を枕部17の上部で各角部に取り付けている。このずれ防止具25は紐・テープ・ゴムなど重なった角部をばらけることがないものであればよい。
【0031】
基部収容袋5は合成繊維のポリエステルを材料として一端を開放した袋状に形成しており、重ねた第一枕本体2と第二枕本体3の基部を収容する。なお、該基部収容袋5は収容した第一枕本体2と第二枕本体3を中カバー4から取り出すときにその基部が抜け出ないように密着する素材で形成しているが、この袋5の基部収容開口部26に取り付けたひもやゴムなどを取り付け、あるいはこれらを使用して外れるのを防止してもよい。
【0032】
枕カバー6は再生繊維を利用し、第一枕本体2と第二枕本体3の外形と同様に平面視T状の袋に形成している。枕カバー6は上端部に設けた枕カバー口27から重ねた枕本体2・3を収容したときに枕本体2・3の動きを抑える大きさに形成しているが、体16を仰向けの姿勢で頭部11を凹部10にのせたときに頭部11を凹部10で支える形状としている。
【0033】
なお、枕カバー口27を開閉する枕カバー開閉具28として、ファスナー・マジックテープ・紐など多くの手段が考えられるが、ファスナーを使用するのが利便性がよい。枕カバー6は美しく・柔らかく・環境にやさしく・体にやさしい等の特徴を備えたリヨセルを使用している。
【0034】
(第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置した例)
第二枕本体3を第一枕本体2の上に重ねた後、中綿が入っていない枕部17の下端が枕部17の下側に位置する枕部7の下端から数センチメートル(実施例では4センチメートル程度)出るように折り畳み線24を中心に枕台18に向けて折り畳む。このように折り畳むことによって寝返りした時の首が大きく下がるのを防止し得る。また、ずれ防止具25は折り畳んだ枕部17の角部を挟むことによって、枕部17の重ね部がばらけるのを防止できる。
【0035】
第一枕本体2と第二枕本体3の基部を基部収容袋5に収容する。この状態で基部収容袋5と枕本体2・3をその順に枕カバー口27から枕カバー6の所定位置まで押し込む。目視あるいは機器の利用によって第二枕本体3が第一枕本体2の所定位置にあることを確認してから枕カバー開閉具28を操作して枕カバー口27を閉じる。
【0036】
なお、枕カバー口27を閉じる前に枕部17を偏平状になるように修正することによって後の作業が容易にできる。その後、手作業や機械作業等により形状を修正すれば枕第二本体3を枕第一本体2の表面に配置した所望する形の枕に出来上がる。
【0037】
(第二枕本体3を第一枕本体3の裏面に配置した例)
前記したように角部をずれ防止具25で挟んだ第二枕本体3を第一枕本体2の裏面側に置き、両枕本体の基部を基部収容袋5に収容する。この状態で基部収容袋5と枕本体2・3をその順に枕カバー口27から枕カバー6の所定位置まで押し込む。第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置する場合と同様に目視あるいは機器(図示していない)の利用によって第二枕本体3が第一枕本体2の所定位置にあることを確認してから枕カバー開閉具28を操作して枕カバー口27を閉じる。
【0038】
なお、枕カバー口27を閉じる前に枕部17を偏平状になるように修正することによって後の作業が容易にできる。その後、手作業や機械作業等により形状を修正すれば枕第二本体3を枕第一本体2の裏面に配置した所望する形の枕に出来上がる。
【0039】
第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置した場合と第二枕本体3を第一枕本体3の裏面に配置した場合のいずれにおいても、枕部7の凹部10が寝姿勢にある頭部11を支え、枕台8・18は背中と腰を支えるので、頭部11と首と背中の中心部が持ち上げて体圧を分散することができる。これによって肩や腰への負担を軽減することができ、また胸が張ることができるので呼吸を大きくなり気持ちよく熟睡できる。
【0040】
また、寝返りして横向きになる場合、枕部7において、頭部11は凹部10から隣接する場所にスムーズに移動でき、また体16も枕台8・18に隣接する空間部にスムーズに移動することができる。この移動にあたって体16の力と第一枕本体2の弾性材による回復力と第二枕本体3の幅の狭い枕台18が相まって移動をスムーズにできる。なお、横向きから仰向けに戻る場合においても同様の機能によりスムーズに姿勢を戻すことができる。
【0041】
横向き姿勢では、頭部11が凹部の隣接部位に移動して凹部10よりも高い位置になり、肩は枕台8・18の横側にある空間部に沈むので、肩への負担や胸への圧迫を軽減して楽に呼吸することができるので、快適な睡眠をとることができ、その結果目覚めもよく気分も爽快になる。
第一枕本体2の凹部10は上部を開放したU状に形成することによって開放部9を通して頭部11への通気性がよくなるので、頭部が熱くなることや蒸れの発生による不快感を軽減して安眠を得ることができる。
【0042】
そして、第二枕本体3を第一枕本体2の表面または裏面に配置することによって、使用者は1個の枕で肌触りなめらかな枕と少し肌触りの粗い枕の使用を自由に選択することができるので、その日の気分等にあった枕を選択できるなど利便性が向上する。また、第一枕本体2は化学繊維を使用し、第二枕本体3は再生繊維を使用しているので、枕の型崩れがなく、通気性もよく、健康にもよい。
【0043】
なお、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成することによって、体16を面で支えるのではなく多くの線や点で支えるので体圧を分散することができる。また、凹部10に載せた頭部11への圧力を軽減することができる。そして、通気性が高いので蒸れにくいうえ、枕カバー6から取り出すことによって容易に洗浄することができる。また、変形状態から元の形状に戻ろうとする回復作用があるので、仰向けと横向きへの寝返りを補助し得る。
【0044】
また、第二枕本体は合成繊維を中カバーに収納することによって、枕カバーから簡単に取り出すことができるので、交換を容易に行い得る。
また、折り畳んだ枕部の角部を挟むずれ防止具25を中カバー4の枕部17に設けているので、第二枕本体3を枕カバー6に入れるときまたは取り出すときにずれやばらけるのを防止し得る。これによって、第二枕本体3と第一枕本体2を枕カバー6への出し入れが楽になる。
【符号の説明】
【0045】
1 枕
2 第一枕本体
3 第二枕本体
4 中カバー
5 基部収容袋
6 枕カバー
7 枕部
8 枕台
9 開放部
10 凹部
17 枕部
18 枕台
19 中綿
25 ずれ防止具
【手続補正書】
【提出日】2021-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長の枕部7と横幅bを枕部7の横幅aよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と枕台18の横幅cを第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の中カバー4と、T状の袋に形成した枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の前記中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねて枕カバー6に収容していることを特徴とする枕。
【請求項2】
第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項3】
中カバー4の枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部17の角部を挟むずれ防止具25を設けたことを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項4】
横長の枕部7と横幅bを枕部7の横幅aよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と枕台18の横幅cを第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の合成繊維を材料とする中カバー4と、中カバー4に取り付けて折り畳んだ枕部17のずれを防止するずれ防止具25と、T状の袋に形成した枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の前記中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ枕部17の角部がずれ防止具25によって挟まれた第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねるとともに第一と第二の枕本体2・3の各基部を基部収容袋5に収納し、重ねた第一と第二の枕本体2・3と基部収容袋5は枕カバー6に収容していることを特徴とする枕。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、人が仰向けで寝るときや休息をとる場合、深呼吸や寝返りが容易になり、快適な安眠を得ることができる枕を提供する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、睡眠ニーズに応えるまくらの構造として、中央ユニット11の中央部に陥没部113を形成し、中央ユニットを挟んで両側に陥没部を形成しているサイドユニット12を設置した柔軟な上本体2と硬めの本体1とを上下に重ねて一体成形しているものが開示されている。
しかし、このような構成の枕は頭部と背中が水平状態にあるために寝返りがスムーズに行うことができない。そして、横向き姿勢を長時間続けた場合には腰が沈んで顔面を局所的に支えるので苦痛を受けやすく熟睡できない。
【0003】
また、特許文献2の枕は寝返りをスムーズにするために適宜な弾力性をもつ素材の枕の上面に仰臥または横臥して頭を載せ、弾力で沈み込んだ頭の中心線が敷布団やベッドと平行にする枕である。
しかし、仰向けの姿勢では肩をベッドで支えることになるために方への負荷が大きくなり、そして横向き姿勢においても肩への圧力が集中するために安眠を得ることは困難である。
【0004】
また、特許文献3の枕は底面を平面に形成した横長マット状の上に着脱自在に設置している複数の中間枕パット2・4・6と複数の上面パット3・5・7・8とを中央部分がくぼんだ状態に積み重ねている枕本体1がある。そして、各パットを自在に変形し、大きさ、太さ、長さ、厚みをかえることによって変化に富んだ大小様々なバリエーションを構成できる枕である。
この枕は多数のマットを積み重ねる構成であるので、布埃が付着しやすく洗うのも手間がかかり不衛生である。そして、頭部の通気性が悪いので蒸れて頭部が熱くなり熟睡できない。また、仰向けに寝ると両肩が上がって寝返りがし難しく、胸も左右両側から締め付けられる形となって呼吸が浅くなる。そのために、安眠を得ることができない。
【0005】
また、特許文献4の枕は中央に窪み部4を設けた枕本体1の上面に中材2を収納した偏平上のパット部7を載せて2枚重ねにしている。
この形態の枕は枕本体1とパット部7を2枚重ねとしているが、窪み部4で頭部を支える部位の通気性が悪いために頭部が熱くなって十分な睡眠をとることができない。また、寝返りの容易化についてはなにも開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-42365号公報
【特許文献2】実用新案登録第3157545号公報
【特許文献3】特開平8-228901号公報
【特許文献4】実用新案登録第3019120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
体を仰向けにしてマットレスや布団で睡眠や休息をとる場合、前記した枕は頭を支えるので頭部への負担は軽減される。しかし、頭部から背中までの重い中心部が沈みこんで両肩が浮き上がるために、寝返りがし難く、胸も両側から締め付けられる形態になり深呼吸を得ることが困難になり十分な睡眠をとることができない。
したがって、安眠を得るためには頭部とともに背中から腰に掛けての体圧分散による負担を軽減した寝姿勢を維持でき、頭部の通気性がよく、しかも楽に寝返りができる枕を具現化するにはなお改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の枕1は、横長の枕部7と横幅bを枕部7の横幅aよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と枕台18の横幅cを第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の中カバー4と、T状の袋に形成した枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の前記中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねて枕カバー6に収容していることを特徴とする枕である。
【0009】
また、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の枕である。
【0010】
また、中カバー4の枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部17の角部を挟むずれ防止具25を設けたことを特徴とする請求項1に記載の枕である。
【0011】
また、横長の枕部7と横幅bを枕部7の横幅aよりも狭くしている縦長の枕台8とを化学繊維を材料として平面視T状形成した第一枕本体2と、横長の枕部17と枕台18の横幅cを第一枕本体2の枕台8の横幅bよりも狭くして平面視T状に形成した袋状の合成繊維を材料とする中カバー4と、中カバー4に取り付けて折り畳んだ枕部17のずれを防止するずれ防止具25と、T状の袋に形成した枕カバー6とを備え、該第一枕本体2の枕部7は横方向の中央部に上部を開放したU状の凹部10を形成し、第二枕本体3の前記中カバー4は合成繊維を素材として形成した中綿19を収容するとともに枕部17を枕台18側へ折り畳み可能に設け、折り畳んだ枕部17の角部がずれ防止具25によって挟まれた第二枕本体3を第一枕本体2の上側または下側に重ねるとともに第一と第二の枕本体2・3の各基部を基部収容袋5に収納し、重ねた第一と第二の枕本体2・3と基部収容袋5は枕カバー6に収容していることを特徴とする枕である。
【発明の効果】
【0012】
人の体16を枕1に仰向けに寝ると、枕部7の凹部10が頭部11を支え、枕台8・18は背中と腰を支えることによって、頭部11と首と背中の中心部が持ち上げられる。この体圧分散した姿勢で各腕を左右に垂らすと肩や腰への負担を軽減するとともに胸が張って呼吸を大きくスムーズにでき気持ちよく熟睡できる。
【0013】
また、寝返りして横向きになる場合、枕部7において、頭部11は凹部10から隣接する場所にスムーズに移動でき、また体16も第一と第二の枕台8・18に隣接する空間部29にスムーズに移動することができる。この移動にあたって体の力に第一枕本体2の弾性材による回復力が相まって移動をスムーズにできる。
【0014】
横向き姿勢では、頭部11が凹部10で支えられた位置よりも高くなり、肩が枕台8・18の横側にある空間部29に入って下がることにより肩や胸への圧迫を解消して楽に呼吸することができ、快適な睡眠を得ることができ、目覚めもよくなる。凹部10は上部を開放したU状に形成することによって頭部11への通気性が向上するので、頭部が熱くなることや蒸れの発生も軽減して安眠を得ることができる。
【0015】
そして、第二枕本体3を第一枕本体2の表面または裏面に配置することによって1個の枕で肌触りの異なった枕の使用を選択することができるので、利便性が向上する。また、第一枕本体2は化学繊維を使用し、第二枕本体3は中綿19を合成繊維であるので、枕の型崩れがなく健康にもよい。
【0016】
なお、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成することによって、頭部11への圧力を軽減することができる。また、通気性が高いので蒸れにくいうえ、枕カバー6から取り出すことによって容易に洗浄することができる。
【0017】
また、第二枕本体3は枕カバー6から簡単に取り出すことができるので、交換を容易に行い得る。また、中カバー4の枕部上部の両角部に折り畳んだ枕部の角部を挟むずれ防止具25を設けることによって、第二枕本体3を枕カバー6に入れるときまたは取り出しを簡単で楽に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の平面図である。
【
図2】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の底面図である。
【
図3】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の正面図である。
【
図4】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の背面図である。
【
図5】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の側面図である。
【
図6】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕の側断面図である。
【
図7】第一枕本体の上側に第二枕本体を重ねた枕に仰向けと横向きに寝ている姿勢の平面図である。
【
図8】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の平面図である。
【
図9】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の底面図である。
【
図10】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の正面図である。
【
図11】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の背面図である。
【
図12】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の側面図である。
【
図13】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕の側断面図である。
【
図14】第一枕本体を第二枕本体の上側に重ねた枕に仰向けと横向きに寝ている姿勢の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
枕1は第一枕本体2と、第二枕本体3と、中カバー4と、基部収容袋5と、枕カバー6とを備えている。
【0020】
第一枕本体2は化学繊維を材料として枕部7と枕台8を平面視T状に一体成形している。この使用している化学繊維はポリエーテルエステル系繊維の合成繊維を使用し三次元状に絡み合うクッション材を形成し、へたりにくく圧縮後の回復性が高く通気性に優れた洗えるクッション材である。さらに、透水性、耐久性に優れており、菌の増殖を抑制する効果もあるので、敷布団や枕に使用すると快適な寝心地を得ることができる。この合成繊維を用いたものとしては商品名ブレスエアー(東洋紡株式会社の登録商標)がある。
【0021】
枕部7は横方向の長さを縦方向の長さよりも長く形成し、中央部に上端部が解放している開放部9を形成したU状の凹部10を設けている。この凹部10に頭部11を載せたとき開放部9からの通気によって解放していない凹部で支える頭部よりも熱くなるのを防ぐことができ熟睡できる。
なお、凹部10の両側部は仰向け姿勢から寝返りをしたときに頭部11を支えることができる長さの平らな面12に設けており、また、凹部10における底面13の端部から面12の側端部に向かって左上がりの斜面14と右上がりの斜面15を形成している。
【0022】
この形態により、寝返りによって体16を横向き姿勢にした場合、頭部11を斜面14によってスムーズに移動することができ、また頭部11が枕部7から落下するのを防止することができる。反対に横向き姿勢から仰向けに戻る場合においても、頭部11は斜面14によって平らな面12にスムーズに移動できる。
【0023】
枕台8の横幅bは枕部7の横幅aよりも狭くして縦方向に長く形成し、枕部7の中央部に配置している。枕台7の左右両側部に空間部29を形成できるので、仰向け姿勢になったときに両腕を横方向に開けると胸への圧迫感がなくなるので、深呼吸することができ緊張感を解消することができる。
【0024】
枕台8と枕部7との接続部30は枕台8から枕部7に向かって横幅を広く形成しているので、横たえた体16が与える圧力に対する耐久性を高め得る。
第二枕本体3は、前記第一枕本体2と外形と大きさを同様に形成し、枕部17と枕台18を平面視T状に形成した中カバー4と中カバー4に収容する中綿19を備えている。中カバー4は横方向の長さを縦方向の長さよりも長く形成し、枕台18の横幅cを第一枕本体2における枕台8の横幅bよりも狭く形成している。
【0025】
そして、中カバー4は開口部20を形成しており、この開口部20(実施例は枕部17の上端部)に沿ってこの開口部20を開閉する中カバー開閉具21を設けている。なお、中カバー開閉具21は実施例ではファスナーを使用しているがマジックテープや紐など開閉できるものであればよくファスナーに限定されない。また、中カバー4は合成繊維を材料としているので乾きが早いという性質がありカバーとして有効である。
【0026】
中カバー開閉具21を操作して開口部20から合成繊維のポリエステルを材料として形成した中綿19を枕部17の折り畳み線24を境にして下方に詰め込み、中カバー開閉具21の操作によって開口部20を閉じた後に中カバー4の表面と裏面が一体になるように縫い合わせた縫い合わせ部22を設けている。
縫い合わせ部22は、第二枕本体3の横方向における中心部23において、枕部17から枕台18にかけて所定間隔おきに縫い付けている。
【0027】
また、枕部17に設けている縫い付け部22の両側部は縦方向に所定間隔をおいて縫い付けた縫い付け部22を設けている。なお、枕部17に設けた縫い付け部22は折り畳み線24を挟んで縦方向で直線状に配置することによって枕部17を枕台18に向けてスムーズに折り畳むことができる。
【0028】
これによって中カバー4に収容した中綿19の移動を抑制して型崩れを防止するとともに厚み方向に押圧することによって偏平状に形作ることができるので、第二枕本体3に仰向けまたは横向きに寝た身体を安定姿勢に保つことができる。また、中カバー4の枕台18と枕部17との接続部30は枕台18から枕部17に向かって横幅を広く形成して強度を高めている。
【0029】
中カバー4は折り畳んだ枕部17の角部を巻くループ状のずれ防止具25を枕部17の上部で各角部に取り付けている。このずれ防止具25は紐・テープ・ゴムなど重なった角部をばらけることがないものであればよい。
【0030】
基部収容袋5は合成繊維のポリエステルを材料として一端を開放した袋状に形成しており、重ねた第一枕本体2と第二枕本体3の基部を収容する。なお、該基部収容袋5は収容した第一枕本体2と第二枕本体3を枕カバー6から取り出すときにその基部が抜け出ないように密着する素材で形成しているが、この袋5の基部収容開口部26に取り付けたひもやゴムなどを取り付け、あるいはこれらを使用して外れるのを防止してもよい。
【0031】
枕カバー6は再生繊維を利用し、第一枕本体2と第二枕本体3の外形と同様に平面視T状の袋に形成している。枕カバー6は上端部に設けた枕カバー口27から重ねた第一枕本体2と第二枕本体3とを収容したときに第一枕本体2と第二枕本体3の動きを抑える大きさに形成している。
【0032】
なお、枕カバー口27を開閉する枕カバー開閉具28として、ファスナー・マジックテープ・紐など多くの手段が考えられるが、ファスナーを使用するのが利便性がよい。枕カバー6は美しく、柔らかく、環境にやさしく体にやさしい等の特徴を備えたリヨセルを使用している。
【0033】
(第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置した例)
第二枕本体3を第一枕本体2の上に重ねた後、中綿が入っていない枕部17の下端が枕部17の下側に位置する枕部7の下端から数センチメートル(実施例では4センチメートル程度)出るように折り畳み線24を中心に枕台18に向けて折り畳む。このように折り畳むことによって寝返りした時の首が大きく下がるのを防止し得る。また、ずれ防止具25は折り畳んだ枕部17の角部を挟むことによって、枕部17の重ね部がばらけるのを防止できる。
【0034】
第一枕本体2と第二枕本体3の基部を基部収容袋5に収容する。この状態で基部収容袋5と第一枕本体2と第二枕本体3とをその順に枕カバー口27から枕カバー6の所定位置まで押し込む。目視あるいは機器の利用によって第二枕本体3が第一枕本体2の所定位置にあることを確認してから枕カバー開閉具28を操作して枕カバー口27を閉じる。
【0035】
なお、枕カバー口27を閉じる前に枕部17を偏平状になるように修正することによって後の作業が容易にできる。その後、手作業や機械作業等により形状を修正すれば第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置した所望する形の枕に出来上がる。
【0036】
(第二枕本体3を第一枕本体2の裏面に配置した例)
前記したように角部をずれ防止具25で挟んだ第二枕本体3を第一枕本体2の裏面側に置き、両枕本体の基部を基部収容袋5に収容する。この状態で基部収容袋5と第一枕本体2と第二枕本体3とをその順に枕カバー口27から枕カバー6の所定位置まで押し込む。第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置する場合と同様に目視あるいは機器(図示していない)の利用によって第二枕本体3が第一枕本体2の所定位置にあることを確認してから枕カバー開閉具28を操作して枕カバー口27を閉じる。
【0037】
なお、枕カバー口27を閉じる前に枕部17を偏平状になるように修正することによって後の作業が容易にできる。その後、手作業や機械作業等により形状を修正すれば第二枕本体3を第一枕本体2の裏面に配置した所望する形の枕に出来上がる。
【0038】
第二枕本体3を第一枕本体2の表面に配置した場合と第二枕本体3を第一枕本体2の裏面に配置した場合のいずれにおいても、枕部7の凹部10が寝姿勢にある頭部11を支え、枕台8・18は背中と腰を支えるので、頭部11と首と背中の中心部が持ち上げて体圧を分散することができる。これによって肩や腰への負担を軽減することができ、また胸が張ることができるので呼吸を大きくなり気持ちよく熟睡できる。
【0039】
また、寝返りして横向きになる場合、枕部7において、頭部11は凹部10から隣接する場所にスムーズに移動でき、また体16も枕台8・18に隣接する空間部29にスムーズに移動することができる。この移動にあたって体16の力と第一枕本体2の弾性材による回復力と第二枕本体3の幅の狭い枕台18が相まって移動をスムーズにできる。なお、横向きから仰向けに戻る場合においても同様の機能によりスムーズに姿勢を戻すことができる。
【0040】
横向き姿勢では、頭部11が凹部の隣接部位に移動して凹部10よりも高い位置になり、肩は枕台8・18の横側にある空間部29に沈むので、肩への負担や胸への圧迫を軽減して楽に呼吸することができるので、快適な睡眠をとることができ、その結果目覚めもよく気分も爽快になる。
第一枕本体2の凹部10は上部を開放したU状に形成することによって開放部9を通して頭部11への通気性がよくなるので、頭部が熱くなることや蒸れの発生による不快感を軽減して安眠を得ることができる。
【0041】
そして、第二枕本体3を第一枕本体2の表面または裏面に配置することによって、使用者は1個の枕で肌触りなめらかな枕と少し肌触りの粗い枕の使用を自由に選択することができるので、その日の気分等にあった枕を選択できるなど利便性が向上する。また、第一枕本体2は化学繊維を使用し、第二枕本体3は再生繊維を使用しているので、枕の型崩れがなく、通気性もよく、健康にもよい。
【0042】
なお、第一枕本体2は樹脂繊維で三次元状に絡み合うクッション材で形成することによって、体16を面で支えるのではなく多くの線や点で支えるので体圧を分散することができる。また、凹部10に載せた頭部11への圧力を軽減することができる。そして、通気性が高いので蒸れにくいうえ、枕カバー6から取り出すことによって容易に洗浄することができる。また、変形状態から元の形状に戻ろうとする回復作用があるので、仰向けと横向きへの寝返りを補助し得る。
【0043】
また、第二枕本体3は合成繊維を中カバーに収納することによって、枕カバー6から簡単に取り出すことができるので、交換を容易に行い得る。
また、折り畳んだ枕部の角部を挟むずれ防止具25を中カバー4の枕部17に設けているので、第二枕本体3を枕カバー6に入れるときまたは取り出すときにずれやばらけるのを防止し得る。これによって、第二枕本体3と第一枕本体2を枕カバー6への出し入れが楽になる。
【符号の説明】
【0044】
1 枕
2 第一枕本体
3 第二枕本体
4 中カバー
5 基部収容袋
6 枕カバー
7 枕部
8 枕台
9 開放部
10 凹部
17 枕部
18 枕台
19 中綿
25 ずれ防止具
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】