(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180500
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20221129BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20221129BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N21/03 Z
C12M1/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148901
(22)【出願日】2022-09-20
(62)【分割の表示】P 2019557546の分割
【原出願日】2018-01-10
(31)【優先権主張番号】62/444,564
(32)【優先日】2017-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】519249631
【氏名又は名称】フォトスイッチ・バイオサイエンシズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ブラッツ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リラ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トラウトマン,ジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】細胞アレイを分析するためのシステムは医学研究、ライフサイエンス、および他の用途において有用である。細胞出力を測定するためのシステムを提供する、
【解決手段】光検出可能センサなどのセンサを検出するためのデバイスまたはシステムは、ウェルのアレイ内の複数のウェルのうちの少なくとも1つのウェルに光を向けるように構成された照明アセンブリと、ウェルからの信号を検出するように構成された検出アセンブリとを含むことができる。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)励起源からの光をウェルのアレイのうちの複数のウェルに向けるように構成された照明アセンブリであって、前記複数のウェルの各ウェルは細胞を受け入れるように構成され、前記励起源からの光の少なくとも一部は前記複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明して少なくとも部分的に照明されたウェルを形成する、照明アセンブリと、
(b)(i)前記複数のウェルの各ウェルから信号を収集し、前記複数のウェルの各ウェルからの信号の収集は実質的に並行して行われ、
(ii)前記複数のウェルの各ウェルから前記信号を対応する検出器に転送し、レンズは前記複数のウェルの各ウェルからの前記信号の少なくとも一部を前記対応する検出器に集束させるように構成され、前記転送は実質的に並行して行われ、前記複数のウェルの各ウェルからの信号の少なくとも一部は独立した検出器に転送される、ように構成された検出アセンブリと、
を含み、
約100ヘルツ(Hz)より大きい、前記複数のウェルにわたる信号のサンプリングレートを含む、
システム。
【請求項2】
前記複数のウェルのうちの各ウェルからの前記信号の収集は同時に行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のウェルの各ウェルからの2つ以上の信号の収集が実質的に並行して行われる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のウェルは5ウェルを超える、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のウェルの各ウェルからの2つ以上の信号の収集が、約20秒未満の時間枠内に行われる、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
透過光を前記複数のウェルの各ウェルに供給するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出アセンブリは、透過光の入射経路と実質的に平行な軸に沿って前記複数のウェルの各ウェルから信号を収集するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記検出器は光学検出器である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記信号は光信号を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記信号は前記検出器によって電流信号に変換される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記サンプリングレートは、約8,000Hzから約12,000Hzである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記検出アセンブリは信号収集光学系を含み、前記信号収集光学系の開口数は約0.2から約0.8である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記信号収集光学系の前記開口数は、約0.5である、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のウェルのうちの少なくとも1つのウェルは実質的に完全に照明されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
検出器に転送される信号の面積に対する信号が収集されるウェルの面積の比は、約1:0.5から約1:1.5である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記比は、約1:1である、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記照明アセンブリは励起光学系を含み、前記複数のウェルのそれぞれへの前記励起光学系の焦点距離は、前記複数のウェルのうちの対応するウェルから前記信号を収集する前記信号収集光学系の焦点距離よりも長い、
請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記励起源の光強度の変化は、約1ミリ秒未満の応答遅れを有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記照明アセンブリは2つ以上の励起源を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記2つ以上の励起源は異なる、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記2つ以上の励起源は同じである、
請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記励起源は、前記複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルに約5ミリワット/平方ミリメートル(mW/mm2)を超える光強度を提供する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記励起源は、前記複数のウェルの各ウェルに約5mW/mm2を超える光強度を提供する、
請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記光は、約10-7から約10-5メートルの波長を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記光は、約400から約800ナノメートル(nm)の波長を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記検出アセンブリは、約400から約1000nmの波長で前記複数のウェルの各ウ
ェルから前記信号を収集する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記信号は前記複数のウェルの各ウェルから対応する検出器に転送される、
請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記対応する検出器はフォトダイオードを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記フォトダイオードは、p-i-n(PIN)フォトダイオード、p-n(PN)フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、ショットキーフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記フォトダイオードは、蛍光、燐光、発光、またはそれらの任意の組み合わせを検出する、
請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記対応する検出器は、約10-7から約10-5メートルの波長を含む光を検出するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記検出アセンブリは複数の対応する検出器を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記複数の対応する検出器のうちの各対応する検出器は、前記複数のウェルのうちの異なるウェルに対応する、
請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数のウェルはウェルのアレイである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記複数のウェルは、少なくとも約16個のウェル、32個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
フィルタをさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記フィルタはエミッションフィルタを含む、
請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
複数のレンズと複数の検出器とをさらに含み、前記複数の検出器の各検出器は前記複数のレンズのうちの1つのレンズに動作可能に接続されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項39】
前記レンズは集束レンズを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
前記レンズは単一のコリメーションレンズを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項41】
前記検出アセンブリは増幅器をさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記増幅器は、搭載トランスインピーダンス増幅器を含む、
請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数のウェルの各ウェルは複数の細胞を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記複数のウェルの少なくとも一部は光検出可能センサを含む、
請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
約1ミリ秒から約1分の範囲の期間内に、前記複数のウェルの各ウェル内の前記光検出可能センサの活性化の有無を検出する、
請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
約1ミリ秒未満で、約5/10mV細胞膜電位変化を超える信号対雑音比で、前記複数のウェルの各ウェル内の前記光検出可能センサからの信号の強度の変化を測定する、
請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記光は時限光パルスを含む、
請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記時限光パルスの持続時間は約100ミリ秒未満である、
請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記時限光パルスは1つまたは複数の波長を含む、
請求項47に記載のシステム。
【請求項50】
前記光検出可能センサからの前記信号の強度の変化は、前記複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を、チョップ1タンパク質、チョップ2タンパク質、チョップ1またはチョップ2タンパク質に対して少なくとも約52%の配列相同性、約52%の配列長、またはそれらの組み合わせを有する発現タンパク質、LiGluR、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることから生じる、
請求項46に記載のシステム。
【請求項51】
前記光検出可能センサからの前記信号の強度の変化は、(i)イオンチャネルまたはGタンパク質の光媒介リガンド活性化、(ii)ケージドリガンドまたはその塩または酵素基質またはその塩の光誘導放出、または、(iii)それらの任意の組み合わせ、から生じる、
請求項46に記載のシステム。
【請求項52】
前記酵素基質またはその塩は、グルタミン酸塩、カルシウム、ヌクレオチド-リン酸塩、それらの任意の塩、またはそれらの任意の組み合わせである、
請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記光検出可能センサは、(i)細胞膜電位、(ii)細胞内イオン濃度、(iii)タンパク質構造、または(iv)それらの任意の組み合わせ、の変化を検出するためのセ
ンサを含む、
請求項44に記載のシステム。
【請求項54】
前記センサは、細胞内のイオン濃度の変化を検出し、前記センサは、フラ-2、インド-1、フルオ-3、フルオ-4、フルオ-5F、フルオ-5N、ロード-2、カルシウムグリーン、カルシウムレッド、フラレッド、クイン-2、これらのいずれかの塩、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記センサは前記細胞膜電位の変化を検出し、前記センサは、JC-1ヨウ化物(CAS番号47729-63-5)、JC-1(CAS番号3520-43-2)、di-3-ANEPPDHQ、di-4-ANEPPS(CAS番号90134-00-2)、di-8-ANEPPS(CAS番号157134-53-7)、DiBAC4(3)(CAS番号70363-83-6)、BeRST、Di-4-ANBDQBS、VF2.1.C1、RH237(CAS番号83668-91-1)、RH414(CAS番号161433-30-3)、RH421(CAS番号107610-19-5)、RH795(CAS番号172807-13-5)、これらのいずれかの塩、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記センサは前記細胞内のイオン濃度の変化を検出し、前記イオンは、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、水素イオン、塩素イオン、またはそれらの任意の組み合わせである、
請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記複数のウェルは複数の細胞および培地を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項58】
前記培地の少なくとも一部は光検出可能センサを含む、
請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
約1ミリ秒から約1分の範囲の期間内に、前記複数のウェルの各ウェル内の前記光検出可能センサの活性化の有無を検出する、
請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記光検出可能センサは、(i)細胞膜電位、(ii)細胞外イオン濃度、(iii)タンパク質構造、または(iv)それらの任意の組み合わせ、の変化を検出するためのセンサを含む、
請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記複数の細胞は、自発的に電気的に活性な細胞、光学的に歩調のとられた興奮性の細胞、またはそれらの組み合わせを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項62】
前記複数の細胞は、前記自発的に電気的に活性な細胞を含み、前記自発的に電気的に活性な細胞は、心筋細胞、皮質ニューロン、後根神経節ニューロン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記複数の細胞は前記光学的に歩調のとられた興奮性細胞を含み、前記光学的に歩調の
とられた興奮性細胞は心室筋細胞、骨格筋細胞、またはそれらの組み合わせを含む、
請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記複数のウェルの各ウェル内の前記複数の細胞は、約50細胞未満である、
請求項42に記載のシステム。
【請求項65】
前記複数のウェルの各ウェル内の前記複数の細胞は、少なくとも約1,000個の細胞である、
請求項42に記載のシステム。
【請求項66】
請求項1に記載のシステムと使用説明書とを含むキット。
【請求項67】
容器をさらに含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項68】
光検出可能センサをさらに含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項69】
前記容器は光検出可能センサを含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項70】
データベースをさらに含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項71】
前記使用説明書は、ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(hERG)スクリーニングのための説明書を含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項72】
前記使用説明書は、無傷の心筋細胞に対して分子またはその塩をスクリーニングするための説明書を含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項73】
前記使用説明書は、心筋細胞安全性薬理学スクリーニングのための説明書を含む、
請求項66に記載のキット。
【請求項74】
1つまたは複数の光検出可能センサと、請求項1に記載のシステムと共に光検出可能センサを使用するための説明書と、を含むキット。
【請求項75】
無傷の心筋細胞をさらに含む、
請求項74に記載のキット。
【請求項76】
キットの製造方法であって、
請求項1から65のいずれか一項に記載のシステムと使用説明書とを組み合わせるステップを含む方法。
【請求項77】
前記照明アセンブリおよび前記検出アセンブリを形成するステップを含む、
請求項1に記載のシステムの製造方法。
【請求項78】
hERGスクリーニングの方法であって、
請求項1に記載のシステムを用いてhERGスクリーニングを実施するステップ、
を含む、方法。
【請求項79】
無傷の心筋細胞に対して分子またはその塩をスクリーニングする方法であって、
請求項1に記載のシステムを用いて前記無傷の心筋細胞に対して前記分子またはその塩をスクリーニングするステップ、
を含む方法。
【請求項80】
複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法であって、
請求項1に記載のシステムを用いて前記複数の細胞内の前記光検出可能センサを検出するステップを含む、
方法。
【請求項81】
複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法であって、
複数のウェルから信号を収集するステップであって、前記収集は実質的に並行して行われる、ステップと、
約100Hzよりも大きい、前記複数のウェルにわたるサンプリングレートで前記信号を検出するステップと、
を含む、方法。
【請求項82】
複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法であって、
(a)複数のウェルを含むウェルのアレイを提供するステップであって、前記複数のウェルの各ウェルは、前記複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を含み、前記複数の細胞のうちの少なくとも一部分は前記光検出可能センサを含む、ステップと、
(b)励起源からの光を前記複数のウェルの各ウェルに向けて前記複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明し、少なくとも部分的に照明されたウェルを形成するステップと、
(c)前記複数のウェルの各ウェルから信号を収集するステップであって、前記収集は実質的に並行して行われる、ステップと、
(d)前記複数のウェルの各ウェルから対応する検出器に前記信号を転送するステップであって、レンズは各ウェルからの前記信号の少なくとも一部を前記対応する検出器に集束させるように構成され、前記転送は実質的に並行して行われ、
前記信号は、前記光検出可能センサの活性化の存在または不在を確認し、前記複数のウェルにわたるサンプリングレートは、約100Hzより大きい、ステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
複数の細胞における分子またはその塩の生物学的活性をスクリーニングする方法であって、
(a)前記複数のウェルのうちの少なくとも一部に前記分子またはその塩を添加するステップであって、前記複数のウェルのうちの1つのウェルは前記複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を含む、ステップと、
(b)前記複数のウェルの各ウェル内のセンサの活性化の有無を検出するステップであって、前記検出は実質的に並行して行われ、前記複数のウェルにわたるサンプリングレートは約100Hzより大きい、ステップと、
を含む、方法。
【請求項84】
前記センサは光検出可能センサを含む、
請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記複数の細胞は心筋細胞を含む、
請求項83に記載の方法。
【請求項86】
複数の細胞中の分子またはその塩の生物学的活性をスクリーニングする方法であって、
(a)複数のウェルを含むウェルのアレイを提供するステップであって、前記複数のウェルの各ウェルは前記複数の細胞のうちの1つの細胞を含み、前記複数の細胞のうちの少なくとも一部分はセンサを含む、ステップと、
(b)前記複数のウェルの少なくとも一部に前記分子またはその塩を添加するステップと、
(c)励起源からの光を前記複数のウェルの各ウェルに向けて前記複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明し、少なくとも部分的に照明されたウェルを形成するステップと、
(d)前記複数のウェルの各ウェル内の前記センサの活性化の有無を検出するステップであって、前記検出は実質的に並行して行われ、前記複数のウェルにわたるサンプリングレートは約100Hzより大きい、ステップと、
を含む、方法。
【請求項87】
前記センサは光検出可能センサを含む、
請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記複数の細胞は心筋細胞を含む、
請求項86に記載のシステム。
【請求項89】
前記複数のウェルはウェルのアレイである、
請求項86に記載のシステム。
【請求項90】
前記ウェルのアレイは、6個のウェル、12個のウェル、32個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含む、
請求項86に記載のシステム。
【請求項91】
照明アセンブリおよび検出アセンブリを含むシステムであって、
(a)ウェルのアレイのうちの複数のウェルに光を向け、
(b)前記複数のウェルの各ウェルから信号を実質的に並行して収集し、
(c)各信号を実質的に並行して対応する検出器に転送する、
ように構成され、
約100ヘルツ(Hz)より大きい前記複数のウェルにわたる前記信号のサンプリングレートを有する、
システム。
【請求項92】
前記複数のウェルの各ウェルからの前記信号の収集および転送は同時に行われる、
請求項91に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2017年1月10日に出願された米国仮特許出願第62/444,564号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]細胞アレイを分析するためのシステムは医学研究、ライフサイエンス、および他の用途において有用である。細胞出力を測定するための既存のシステムは、典型的には細胞が各ウェルに添加されるマイクロプレートなどのウェルのアレイを含む。このシステムの個々のウェルは、顕微鏡およびCCDカメラなどの検出器構成を利用して連続して測定される。これらのシステムは典型的には単一細胞分解能を提供するが、複数のウェルからの並行的な取得を欠く。他のシステムは、アレイの複数のウェルから細胞出力を並行して取得するように設計されている。しかしながら、これらのシステムは典型的には時間分解能を欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]本開示の一態様はシステムを提供する。いくつかの実施形態では、このシステムは、励起源からの光をウェルのアレイのうちの複数のウェルに向けるように構成された照明アセンブリと、検出アセンブリとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルの各ウェルは細胞を受け入れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光の少なくとも一部は、複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照らして、少なくとも部分的に照らされたウェルを形成してもよい。いくつかの実施形態では、検出アセンブリは、(i)複数のウェルのうちの少なくとも部分的に照明された各ウェルから信号を収集し、(ii)各信号を対応する検出器に転送するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の信号のうちの各信号の収集は、実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態では、レンズは、信号の少なくとも一部を対応する検出器に集束させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、各信号の転送は実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの信号の少なくとも一部は、独立した検出器に転送されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルにわたる信号のサンプリングレートは、約100ヘルツ(Hz)よりも大きくてもよい。
【0005】
[0004]いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの信号の収集は同時に行われてもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの2つ以上の信号の収集は、実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルは5ウェルより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの2つ以上の信号の収集は、約20秒未満の時間枠内に起こってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、複数のウェルのうちの各ウェルに透過光を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、検出アセンブリは、透過ジオメトリを有するシステムを提供するために、透過光の入射経路と実質的に平行であってもよい軸に沿って複数のウェルの各ウェルから信号を収集するように構成されてもよい。
【0006】
[0005]いくつかの実施形態では、検出器は光学検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、信号は光信号であってもよい。いくつかの実施形態では、信号は検出器によっ
て電流信号に変換されてもよい。いくつかの実施形態では、サンプリングレートは、約8,000Hzから約12,000Hzであってもよい。いくつかの実施形態では、サンプリングレートは約10,000Hzであってもよい。いくつかの実施形態では、検出アセンブリは信号収集光学系を含んでもよい。いくつかの実施形態では、信号収集光学系の開口数は、約0.2から約0.8であってもよい。いくつかの実施形態では、信号収集光学系の開口数は約0.5であってもよい。
【0007】
[0006]いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの少なくとも1つのウェルを完全に照明することができる。いくつかの実施形態では、検出器に転送されてもよい信号の面積に対する信号が収集されてもよいウェルの面積の比は、約1:0.5から約1:1.5であってもよい。いくつかの実施形態では、比率は約1:1であってもよい。いくつかの実施形態では、照らされてもよい領域は細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態では、照らされてもよい領域は、ウェルの底面を含んでもよい。
【0008】
[0007]いくつかの実施形態では、照明アセンブリは励起光学系を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルのそれぞれへの励起光学系の焦点距離は、複数のウェルのうちの対応するウェルから信号を収集する信号収集光学系の焦点距離より長くてもよい。いくつかの実施形態において、励起源の光強度の変化は、約1ミリ秒未満の応答遅れを有してもよい。
【0009】
[0008]いくつかの実施形態では、照明アセンブリは2つ以上の励起源を含んでもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上の励起源は異なってもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上の励起源は同じであってもよい。いくつかの実施形態では、励起源は、1平方ミリメートル当たり約5ミリワット(mW/mm2)を超える光強度を複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルに提供することができる。いくつかの実施形態において、励起源は、複数のウェルのうちの各ウェルに約5mW/mm2を超える光強度を提供してもよい。いくつかの実施形態において、光は、約10-7から約10-5メートルの波長を含んでもよい。いくつかの実施形態において、光は、約400から約800ナノメートル(nm)の波長を含んでもよい。いくつかの実施形態では、検出アセンブリは、約400nmから約1000nmの波長で複数のウェルのうちの各ウェルから信号を収集することができる。
【0010】
[0009]いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの信号は、対応する検出器に転送されてもよい。いくつかの実施形態において、対応する検出器はフォトダイオードを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フォトダイオードは、p-i-n(PIN)フォトダイオード、p-n(PN)フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、ショットキーフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フォトダイオードは、蛍光、燐光、発光、またはそれらの任意の組み合わせを検出することができる。いくつかの実施形態において、対応する検出器は、約10-7から約10-5メートルの波長を含む光を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、検出アセンブリは複数の対応する検出器を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数の対応する検出器の各対応する検出器は、複数のウェルのうちの異なるウェルに対応してもよい。いくつかの実施形態において、複数の対応する検出器の各対応する検出器は、複数のウェルのうちの固有のウェルに対応してもよい。
【0011】
[0010]いくつかの実施形態では、複数のウェルはウェルのアレイであってもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルは、少なくとも約16個のウェル、32個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含んでもよい。
【0012】
[0011]いくつかの実施形態では、システムはフィルタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィルタはエミッションフィルタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムは複数のレンズおよび複数の検出器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の検出器のうちの各検出器は、複数のレンズのうちの1つのレンズに動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、レンズは集束レンズを含んでもよい。いくつかの実施形態において、レンズは単一のコリメーションレンズ(collimation lens)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、検出アセンブリは増幅器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、増幅器はオンボードのトランスインピーダンス増幅器を含んでもよい。
【0013】
[0012]いくつかの実施形態では、複数のウェルの各ウェルは複数の細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルの少なくとも一部は光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムは、約1ミリ秒から約1分の範囲の期間内に複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの活性化の有無を検出することができる。いくつかの実施形態では、システムは、約1ミリ秒未満で、約5/10mV細胞膜電位変化を超える信号対雑音比で、複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサからの信号の強度の変化を測定することができる。
【0014】
[0013]いくつかの実施形態では、光は時限光パルス(timed pulse of light)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、時限光パルスは、持続時間が約100ミリ秒未満であってもよい。いくつかの実施形態では、システムは時限光パルスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、時限光パルスは、1つまたは複数の波長を含んでもよい。
【0015】
[0014]いくつかの実施形態では、光検出可能センサからの信号の強度の変化は、複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を、チョップ(Chop)1タンパク質、チョップ2タンパク質、チョップ1またはチョップ2タンパク質に対して少なくとも約52%の配列相同性(sequence homology)、約52%の配列長、またはそれらの組み合わせを有する発現タ
ンパク質(expressed protein)、LiGluR、またはそれらの任意の組み合わせと接触
させることから生じる場合がある。いくつかの実施形態では、光検出可能センサからの信号の強度の変化は、(i)イオンチャネルまたはGタンパク質の光媒介リガンド活性化、(ii)ケージドリガンド(caged ligand)または酵素基質(enzymatic substrate)の光誘
導放出(light-induced release)、または、(iii)それらの任意の組み合わせ、から
生じる場合がある。いくつかの実施形態において、酵素基質またはその塩は、グルタミン酸塩、カルシウム、ヌクレオチド-リン酸塩、それらの任意の塩、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0016】
[0015]いくつかの実施形態では、光検出可能センサは、(i)細胞膜電位(cell membrane potential)、(ii)細胞内イオン濃度、(iii)タンパク質構造(protein conformation)、または(iv)それらの任意の組み合わせ、の変化を検出するためのセンサを
含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、センサは細胞内のイオン濃度の変化を検出することができる。いくつかの実施形態において、センサは、フラ-2(fura-2)、インド-1(indo-1)、フルオ-3(fluo-3)、フルオ-4、フルオ-5F、フルオ-5N、ロード-2(Rhod-2)、カルシウムグリーン、カルシウムレッド、フラレッド(furaRed)、クイン
-2(Quin-2)、これらのいずれかの塩、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサは細胞膜電位の変化を検出してもよい。いくつかの実施形態において、センサは、JC-1ヨウ化物(CAS番号47729-63-5)、JC-1(CAS番号3520-43-2)、di-3-ANEPPDHQ、di-4-ANEPPS(CAS番号90134-00-2)、di-8-ANEPPS(CAS番号157134-53-7)、DiBAC4(3)(CAS番号70363-83-6)、BeRST、Di-4-ANBDQBS、VF2.1.C1、RH237(CAS番
号83668-91-1)、RH414(CAS番号161433-30-3)、RH421(CAS番号107610-19-5)、RH795(CAS番号172807-13-5)、これらのいずれかの塩、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは細胞内のイオン濃度の変化を検出することができる。いくつかの実施形態において、イオンは、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、水素イオン、塩素イオン、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0017】
[0016]いくつかの実施形態において、複数のウェルは、複数の細胞および培地(media)
を含んでもよい。いくつかの実施形態では、培地の少なくとも一部は光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムは、約1ミリ秒から約1分の範囲の期間内に複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの活性化の有無を検出することができる。いくつかの実施形態では、光検出可能センサは、(i)細胞膜電位、(ii)細胞外イオン濃度、(iii)タンパク質構造、または(iv)それらの任意の組み合わせの変化を検出するためのセンサを含んでもよい。
【0018】
[0017]いくつかの実施形態では、複数の細胞は、自発的に電気的に活性な細胞、光学的に歩調のとられた興奮性細胞、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数のセルは自発的に電気的に活性なセルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、自発的に電気的に活性な細胞は、心筋細胞、皮質ニューロン、後根神経節ニューロン、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、光学的に歩調のとられた興奮性細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学的に歩調のとられた興奮性細胞は、心室筋細胞、骨格筋細胞、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0019】
[0018]いくつかの実施形態では、複数のウェルの各ウェル内の複数の細胞は、約2細胞から約50細胞までであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルの各ウェルの複数の細胞は、約500個未満の細胞、400個未満の細胞、300個未満の細胞、200個未満の細胞、100個未満の細胞、50個未満の細胞またはそれ以下であってもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルの各ウェル内の複数の細胞は少なくとも約1,000細胞であってもよい。
【0020】
[0019]本開示の別の態様はキットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、システムおよび使用説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、キットは容器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、容器は光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、キットはデータベースを含んでもよい。いくつかの実施形態において、使用説明書は、ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(hERG:human Ether-a-go-go-Related Gene)スクリーニングのための説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態において、使用説明書は、無傷の心筋細胞に対して分子またはその塩をスクリーニングするための説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、使用説明書は、心筋細胞安全性薬理学スクリーニングのための説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、1つまたは複数の光検出可能センサ、およびシステムと共に光検出可能センサを使用するための説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは無傷の心筋細胞を含んでもよい。
【0021】
[0020]本開示の別の態様は、キットの製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、システムと使用説明書とを組み合わせることを含んでもよい。本開示の他の態様は、システムを製造する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、照明アセンブリおよび検出アセンブリを形成することを含んでもよい。本開示の別の態様は、hERGスクリーニングの方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、システ
ムを用いてhERGスクリーニングを実施することを含んでもよい。本開示の別の態様は、無傷の心筋細胞に対して分子またはその塩をスクリーニングする方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、システムを使用して無傷の心筋細胞に対して分子またはその塩をスクリーニングすることを含んでもよい。本開示の別の態様は、複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、システムを使用して複数の細胞内の光検出可能センサを検出することを含んでもよい。本開示の別の態様は、複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、複数のウェルから信号を収集することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、収集は実質的に並行して行われる。いくつかの実施形態において、複数のウェルにわたるサンプリングレートは、約100Hzより大きい。
【0022】
[0021]本開示の別の態様は、複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、複数のウェルを含むウェルのアレイを提供するステップと、励起源からの光を複数のウェルの各ウェルに向けて複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明し、少なくとも部分的に照明されたウェルを形成するステップと、複数のウェルの各ウェルから信号を収集するステップと、複数のウェルの各ウェルから対応する検出器に信号を転送するステップと、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルの各ウェルは、複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態において、収集は実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態では、レンズは、各ウェルからの信号の少なくとも一部を対応する検出器に集束させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の細胞の少なくとも一部は、光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、信号は、光検出可能センサの活性化の有無を確認してもよい。いくつかの実施形態では、転送は実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルにわたるサンプリングレートは、約100Hzよりも大きくてもよい。
【0023】
[0022]本開示の別の態様は、複数の細胞における分子またはその塩の生物学的活性をスクリーニングする方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、複数のウェルの少なくとも一部に分子またはその塩を添加するステップと、複数のウェルの各ウェル内のセンサの活性化の有無を検出するステップと、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の細胞は心筋細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルの各ウェルは、複数の細胞のうちの少なくとも1つの細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数の細胞の少なくとも一部は、光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、検出は実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルにわたるサンプリングレートは、約100Hzよりも大きくてもよい。
【0024】
[0023]本開示の別の態様はシステムを提供する。いくつかの実施形態において、システムは、照明アセンブリと検出アセンブリとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムは、ウェルのアレイのうちの複数のウェルに光を向け、複数のウェルの各ウェルから信号を実質的に並行して収集し、各信号を実質的に並行して対応する検出器に転送する、ように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルにわたる信号のサンプリングレートは、約100ヘルツ(Hz)よりも大きくてもよい。本開示の別の態様は、複数の細胞中の分子またはその塩の生物学的活性をスクリーニングする方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、複数のウェルを含むウェルのアレイを提供するステップと、複数のウェルの少なくとも一部に分子またはその塩を添加するステップと、励起源からの光を複数のウェルの各ウェルに向けて複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明し、少なくとも部分的に照明されたウェルを形成するステップと、複数のウェルの各ウェル内のセンサの活性化の有無を検出するステップと、を含んでもよい。
【0025】
[0024]いくつかの実施形態において、複数のウェルの各ウェルは、複数の細胞のうちの1つの細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数の細胞の少なくとも一部はセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、検出は実質的に並行して起こってもよい。いくつかの実施形態において、複数のウェルにわたるサンプリングレートは、約100Hzよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、センサは光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の細胞は心筋細胞を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルはウェルのアレイであってもよい。いくつかの実施形態では、ウェルのアレイは、6個のウェル、12個のウェル、32個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含んでもよい。
【0026】
[0025]本開示の別の態様はシステムを提供する。いくつかの実施形態において、システムは照明アセンブリおよび検出アセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムは、ウェルのアレイのうちの複数のウェルに光を向け、複数のウェルの各ウェルから信号を実質的に並行して収集し、各信号を実質的に並行して対応する検出器に転送する、ように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、約100ヘルツ(Hz)よりも大きくてもよい複数のウェルにわたる信号のサンプリングレートを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数のウェルのうちの各ウェルからの信号の収集および転送は同時に起こってもよい。
【0027】
[0026]本開示のさらなる態様および利点は、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明されている以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、開示から逸脱することなく、様々な明白な点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0028】
参照による組み込み
[0027]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。参考として援用される刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限りにおいて、本明細書はそのような矛盾するいかなる資料よりも優先されるおよび/または優位になることを意図している。
【0029】
[0028]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および添付の図面(本明細書において「図」および「図」ともいう)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】[0029]
図1は、検出アセンブリが照明された領域から取得されたデータを捕捉し転送するように構成されるウェルのアレイに励起源からの光を向ける照明アセンブリのブロック図を示す。
【
図2】[0030]
図2は蛍光透過幾何学的形状の一例を示す。
【
図3a】[0031]
図3aはシステム構成を示し、
図3bは単一のウェルに対する光学素子を示し、
図3cは単一のコリメーションレンズの追加を示す。
【
図3b】[0031]
図3aはシステム構成を示し、
図3bは単一のウェルに対する光学素子を示し、
図3cは単一のコリメーションレンズの追加を示す。
【
図3c】[0031]
図3aはシステム構成を示し、
図3bは単一のウェルに対する光学素子を示し、
図3cは単一のコリメーションレンズの追加を示す。
【
図4】[0032]
図4は、本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされているか、あるいは構成されているコンピュータ制御システムを示す。
【
図6】[0034]
図6a-bは、自発的に拍動している心筋細胞に対する安全性薬理学的アッセイ(assay)を示す。
【
図7】[0035]
図7は、二波長刺激およびナトリウムチャネル活性のモニタリングを示す。
【
図8】[0036]
図8a-bは、近赤外電圧感知染料を用いた心筋細胞活動電位の同時多層取得および自動特徴付けを示す。
【
図9】[0037]
図9a-bは、心筋細胞活動電位の二波長記録およびペーシングを示す。
【
図10】[0038]
図10a-cは、近赤外電圧感知色素を用いた同時多層二波長刺激およびナトリウムチャネル活性の記録を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0039]本明細書では本発明の様々な実施形態を示し説明するが、そのような実施形態は例としてのみ提供されていることが当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を思い付くことができる。本明細書に記載されている本発明の実施形態に対する様々な代替形態を採用することができることを理解されたい。
【0032】
[0040]本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。本明細書における「または」へのいかなる言及も、特に明記しない限り、「および/または」を包含することを意図している。
【0033】
[0041]本明細書で使用されているように、「約」という用語は、参照されている数値表示の±15%の参照数値表示を意味している。
[0042]本明細書で使用される「ウェル」という用語は、一般に、1つまたは複数の細胞を受け入れるように構成されているウェルを指す。ウェルは1つの細胞を受け入れるように構成することができる。ウェルは複数の細胞を受け入れるように構成することができる。システムは、マイクロプレートなどのウェルのアレイを受け入れるように構成されてもよい。ウェルのアレイは複数のウェルを含んでもよい。複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルは、単一細胞型または複数の細胞型を含んでもよい。複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルは異なる細胞型を含んでもよい。複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルは、異なる刺激または状態(異なる薬物または異なる培地組成など)を含んでもよい。ウェルのアレイは、特注のマイクロプレートまたは市販のマイクロプレートなどのマイクロプレートであってもよい。システムはウェルのアレイを含んでもよい。システムは、ウェルのアレイを受け入れるように構成されてもよい。ウェルの一部は、ホウケイ酸ガラスなどのガラスを含んでもよい。ウェルの一部は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートG、ポリメチルペンテンなどのプラスチックを含んでもよい。
【0034】
[0043]本明細書で使用される「細胞」という用語は、一般に、本明細書に記載のシステムの複数のウェルのうちの1つまたは複数のウェルに追加することができる細胞を指す。細胞は、ヒト胎児由来胚腎臓細胞293(HEK293細胞)などの細胞株を含んでもよい。細胞は、操作されたまたは遺伝子改変された細胞であってもよい。場合によっては、操作されたまたは遺伝子改変された細胞を改変して、光依存性(light-gated)イオンチ
ャネル、電位依存性(voltage-gated)チャネル、リガンド依存性(ligand-gated)イオンチ
ャネル、機械感受性イオンチャネル、温度依存性イオンチャネル、またはそれらの任意の組み合わせを発現させることができる。細胞は、対象から採取された外科的生検、外科的切除、針吸引物、血液サンプル、またはそれらの組み合わせなどの対象から分離されてもよい。細胞は、痰、唾液、血液、尿、またはそれらの組み合わせなどの組織または体液から分離することができる。細胞は、心臓状態などの状態を有する、または状態を有することが疑われる対象から分離されてもよい。細胞は、幹細胞、ニューロン、筋細胞(心筋細
胞など)、またはそれらの組み合わせであってもよい。細胞は、心筋細胞またはニューロン(皮質ニューロンまたは後根神経節ニューロンなど)などの電気的に活性な細胞であってもよい。細胞は、心筋細胞(遺伝子組み換え心筋細胞など)、ニューロン(皮質ニューロンまたは後根神経節ニューロンなど)、心室筋細胞、または骨格筋細胞などの光学的に歩調のとられたで興奮性の細胞であってもよい。いくつかの実施形態では、電気的に活性な細胞および電気的に活性な細胞の電気的活性を支持する細胞など、1つまたは複数の細胞型を一緒に共培養することができる。例えば、場合によっては、心筋細胞とHEK293細胞を単一のウェル内で一緒に共培養することができる。
【0035】
[0044]本明細書で使用される「光」という用語は、一般に、1つまたは複数の励起源によって提供される電磁放射を指す。1つまたは複数の励起源は、システムの一部として提供されてもよく、またはシステムに動作可能に結合されてもよい外部励起源のようにシステムから分離されてもよい。1つまたは複数の励起源によって提供される光は、複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照らすために複数のウェルに向けられてもよい。光は特定の波長でまたは特定の波長範囲内で提供されてもよい。例えば、励起源は、約400ナノメートル(nm)~約450nmの波長を有する光を複数のウェルのうちの1つのウェルに提供することができる。励起源は、約400nm~約1000nmの波長を有する光を複数のウェルのうちの1つのウェルに提供することができる。光は、パルス光などの時定数光または時変光であってもよい。光の光強度は、調整可能な光強度など、時定数または時変であってもよい。調節可能な光強度は、システムのコントローラまたはユーザによって調節することができる。励起源によって提供される光は、信号が検出可能な波長または発光波長で光検出可能センサから収集されてもよいように、光検出可能センサを励起するための励起波長を提供してもよい。検出アセンブリがフォトダイオードを含む場合、信号は電流に変換されてもよい光信号であってもよい。光は、可視光、赤外光、蛍光灯、発光灯、燐光灯、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0036】
[0045]本明細書で使用される「少なくとも部分的に照明されたウェル」という用語は、一般に、励起源からの光を受け入れるように構成された複数のウェルのうちの1つのウェルを指す。光は、励起源から複数のウェルの各ウェルに向けられて、各ウェルの少なくとも一部を照らすことができる。いくつかの場合において、光は、細胞または複数の細胞が載っているウェルの実質的に全表面積を照らす。場合によっては、光は、細胞または複数の細胞が載っているウェルの表面積の一部を照らす。場合によっては、光はウェル内の複数の細胞のうちの一部の細胞を照射した。いくつかの場合において、光は各細胞をウェルで照らす。場合によっては、光は、約0.1mm2~約20mm2であってもよいウェルの表面積を照らしてもよい。光は、約0.1mm2~約10mm2であってもよいウェルの表面積を照らしてもよい。光は、約0.1mm2~約5mm2であってもよいウェルの表面積を照らしてもよい。光は、約0.5mm2~約10mm2であってもよいウェルの表面積を照らしてもよい。光は、約0.5mm2~約8mm2であってもよいウェルの表面積を照らしてもよい。
【0037】
[0046]本明細書で使用される「信号」という用語は、一般に、システムの検出アセンブリによって収集されてもよい信号を指す。信号は自発的信号であってもよい。信号は、特定のまたは定義された刺激に応答してマウントされた信号であってもよい。信号は断続的であってもよい。信号は連続的であってもよい。信号は刺激または入力に追従してもよい。検出アセンブリは収集光学系を含んでもよい。検出アセンブリはフォトダイオードを含んでもよい。信号は光信号であってもよい。信号は、電気信号に変換されてもよい信号であってもよい。信号は、フォトダイオードなどの検出アセンブリによって電気信号に変換されてもよい光信号であってもよい。信号は、光検出可能センサによって放出された光信号であってもよい。信号は、蛍光信号、燐光信号、発光信号、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。信号は、活動電位の変化、活動電位に続く不応期、膜脱分極、部
分的膜脱分極、膜電位または細胞内イオン濃度などの生物学的応答を示してもよい。
【0038】
[0047]本明細書で使用される「透過幾何学的形状」という用語は、一般に、入射光路に対する検出アセンブリの位置を指す。例えば、(励起源からの光のような)入射光路は、(底面のような)複数のウェルのうちのウェルの表面に対してほぼ直交するように配置されてもよい。ウェル内のサンプル(ウェルの底にある細胞など)によって吸収されない可能性がある入射光は、複数のウェルのうちの1つのウェルの表面にほぼ直交してもよい経路に沿ってサンプルを通って「透過」することができる。場合によっては、検出アセンブリは、構成が透過幾何学的形状を含んでもよいように、透過光の入射経路と実質的に平行な軸に沿ってサンプルから信号を収集するように配置されてもよい。
【0039】
[0048]本明細書で使用される「励起源」という用語は、一般に、システムに光を供給することができる励起源を指す。励起源は光源であってもよい。励起源は、レーザ、発光ダイオード(LED)ランプ、フラッシュランプ、水銀灯、キセノンアークランプ、タングステン-ハロゲンまたはランプであってもよい。システムは、1つの励起源または2つの励起源などの複数の励起源を含んでもよい。2つの励起源は、2つのレーザのように同じでもよい。2つの励起源は、レーザとLEDランプのように異なっていてもよい。励起源は、複数のウェルのうちの各ウェルの少なくとも一部に光を供給することができる。励起源は、光検出可能センサがシステムの検出アセンブリを用いて収集されてもよい信号を発するように、光検出可能センサを励起または活性化してもよい。励起源は、光検出可能センサを励起するために励起波長を提供することができ、そして検出アセンブリは、発光波長で光検出可能センサから放射される信号を収集してもよい。例えば、励起源は、約400~約450ナノメートルの励起波長を複数のウェルに提供し、検出アセンブリは、約600~約700ナノメートルの発光波長で光検出可能センサから放射された信号を収集することができる。検出アセンブリは、約400~約1000ナノメートルの発光波長で信号として収集することができる。検出アセンブリは、約400~約800ナノメートルの発光波長で信号として収集することができる。検出アセンブリは、約500~約1000ナノメートルの発光波長で信号として収集することができる。検出アセンブリは、約600~約1000ナノメートルの発光波長で信号として収集することができる。励起源は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、または900nmの励起波長を提供してもよい。励起源は、約600nmから約700nmの励起波長を提供してもよい。励起源は、約610nmから約680nmの励起波長を提供してもよい。励起源は、約620nmから約660nmの励起波長を提供してもよい。光検出可能センサから放出された信号は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、77
0、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、または900nmの発光波長で検出アセンブリによって収集されてもよい。信号は、約600nm~約900nmの発光波長で検出アセンブリによって収集されてもよい。信号は、約620nm~約880nmの発光波長で検出アセンブリによって収集されてもよい。信号は、約650nm~約850nmの発光波長で検出アセンブリによって収集されてもよい。場合によっては、検出アセンブリは、光信号を電流信号に変換するフォトダイオードを含んでもよい。
【0040】
[0049]本明細書で使用される「光検出可能センサ」という用語は、一般に、ウェルまたは細胞に付加することができる光検出可能センサを指す。細胞は光検出可能センサを含んでもよい。ウェル内の媒体は、光検出可能センサを含んでもよい。光検出可能センサは、システムの検出アセンブリによって発光波長で光検出可能センサによって放射された光を集めることによって検出されてもよい。光検出可能センサは、蛍光センサ、発光センサ、燐光センサ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。光検出可能センサは、近赤外センサ、パンクロマティックセンサ、青緑色センサ、紫外線センサ、またはそれらの組み合わせなどの波長範囲内の光を検出することができる。光検出可能センサは、約800nm~約1000nm、約700nm~約900nm、約600nm~約800nm、約500nm~約700nm、約400nm~約600nm、またはそれらの任意の組み合わせなどの波長範囲内の光を検出することができる。光検出可能センサは、細胞の1つまたは複数の特性を検出してもよいセンサを含んでもよい。例えば、光検出可能センサは、細胞膜電位、細胞内イオン濃度、タンパク質構造、またはそれらの任意の組み合わせにおける変化を検出するセンサを含んでもよい。
【0041】
[0050]本明細書で使用される「イオン」という用語は、一般に、任意の正電荷または負電荷の原子または分子を指す。場合によっては、イオンは細胞内または細胞外イオンであってもよい。イオンは、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、水素イオン、塩素イオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、バイオカーボネートイオン、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。イオンは、例えばイオンチャネルを通って細胞内へおよび/または細胞外へ流出してもよい任意のイオンを含んでもよい。
【0042】
[0051]本明細書で使用される「分子」という用語は、一般に、化学結合によって互いに結合している少なくとも2つの原子を含む任意のペプチド、アミノ酸、小分子または任意の他の構造を指す。分子は薬物または治験薬であってもよい。分子は、状態を有する被験体を治療するために使用される治療用化合物であってもよい。分子は、状態を有する対象を治療するための評価中の治療化合物であってもよい。
【0043】
[0052]本明細書で使用される「配列相同性」という用語は、一般に、最適な比較目的のために配列を整列させる(例えば、第1の配列の配列にギャップを導入することができる)ことによって決定することができる2つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の「相同性」または「相同性パーセント」の計算を指す。次いで、対応する位置のヌクレオチドを比較し、2つの配列間の同一性パーセントは、その配列によって共有される同一位置の数の関数であってもよい(すなわち、相同性%=同一位置の数/位置の総数×100)。例えば、第一の配列中の位置は、第二の配列中の対応する位置と同じヌクレオチドによって占められていてもよく、分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント配列相同性は、2つの配列の最適アラインメントのために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れて、配列によって共有される同一位置の数の関数であってもよい。いくつかの実施形態では、比較のために整列された配列の配列長は、参照配列の配列長の少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少な
くとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%。少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約95%であってもよい。BLAST(登録商標)検索は、2つの配列間の相同性を決定してもよい。2つの配列は、遺伝子、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、ペプチド配列、アミノ酸配列、またはそれらの断片であってもよい。2つの配列の実際の比較は、例えば数学的アルゴリズムを用いるなどの周知の方法によって達成することができる。このような数学的アルゴリズムの非限定的な例は、Karlin、S.およびAltschul、S、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90-5873-5877(1993)である。そのようなアルゴリズムは、Altschul、Sなど、Nucleic Acids Res、25:3389-3402(1997)に記載されているように、NBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込むことができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、NBLAST)の任意の関連パラメータを使用することができる。例えば、配列比較のためのパラメータは、スコア=100、ワード長=12に設定することができ、または変更することができる(例えば、W=5またはW=20)。他の例には、Myers and Miller、CABIOS(1989)、ADVANCE、ADAM、BLAT、およびFASTAのアルゴリズムが含まれる。別の実施形態では、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、例えばGCGソフトウェアパッケージ(Accelrys、ケンブリッジ、英国)内のGAPプログラムを使用して達成することができる。
【0044】
[0053]本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法の利点は、セルラー信号などの信号の実質的に並列または同時の多層取得を含んでもよい。この利点は、アレイ内の複数のウェルまたはサンプルに透過光または透視透過蛍光を提供するシステムの透過幾何学的形状によって部分的に達成されてもよい。透過幾何学的形状のこの構造的特徴を欠くシステムは、多層取得に必要な十分な照度を欠く可能性がある。本明細書に記載のシステム、装置、および方法によって提供される他の利点は、(a)実質的に並行してまたは同時に持続的な期間において、複数のウェルにわたる反復刺激および応答信号モニタリングを達成する。(b)実質的に並行してまたは同時に複数のウェルにわたって短い応答時間(サブミリ秒スケールの摂動(perturbation)など)を有する信号の正確な記録を達成する。(c)実質的に並行してまたは同時に低い信号対雑音比で複数のウェル上で高速の応答プローブを高速サンプリングレートで組み合わせる、ことを含んでもよい。従来のシステムは、(a)高いサンプリングレートおよび許容可能な信号対雑音比で一度に1つのサンプルを測定するように構成されるか、または(b)遅い応答プローブまたは遅いサンプリングレートで複数のサンプルを測定するように構成されるが、これらの従来システムは両方の機能を実現できない可能性がある。対照的に、本明細書に記載のシステム、装置、および方法は両方を達成することができる。
【0045】
[0054]
図1に示すように、本明細書に記載のシステムは、照明アセンブリ102、ウェルのアレイ101、および検出アセンブリ103を含んでもよい。照明アセンブリは、
図5に示すように、1つまたは複数の照明源501、1つまたは複数の照明光学系502を含んでもよい。照明アセンブリからの光は、1つまたは複数のサンプル503に向けられてもよい。場合によっては、サンプルは1つまたは複数の細胞を含んでもよい。システムはまた、サンプルから放出されてもよい信号を収集するために放出光学系504および検出電子機器505を含んでもよい。コンピュータ506は、照明源501、1つまたは複数のサンプル503、検出電子機器505、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数のシステム要素に動作可能に接続することができる。
【0046】
[0055]照明アセンブリは、1つまたは複数の励起源を含んでもよい。場合によっては、外部励起源をシステムに動作可能に結合することができる。照明アセンブリは、励起源からウェルのアレイのウェルまたはウェルのアレイの複数のウェルまたはマイクロプレートの一部に光を向けるように構成されてもよい。複数のウェルの各ウェルは、1つまたは複数の細胞を受け入れるように構成されてもよい。光は、励起源からウェルのアレイの少なくともウェルに向けられてもよい。光は、ウェルの少なくとも一部を照らして、少なくとも部分的に照らされたウェルを形成することができる。光は、ウェルを完全に照らしてもよい。光は、複数のウェルのうちの各ウェルの少なくとも一部を照明するように向けられてもよく、並行して生じてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも一部を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた各細胞を照らすように、またはウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約60%を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約70%を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約80%を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約90%を照らすように向けられてもよい。光は、ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも約95%を照らすように向けられてもよい。光は、異なるウェル内の照射された細胞が並行して照射されるように、複数のウェルの各ウェルに受け入れられた細胞の少なくとも一部を並行して照射するように向けられてもよい。
【0047】
[0056]検出アセンブリは、1つまたは複数の検出器を含んでもよい。検出器は光学的検出器であってもよい。検出器はフォトダイオードであってもよい。検出器は光電子増倍管(PMT)であってもよい。検出アセンブリは、1つまたは複数のフォトダイオード、光電子増倍管、CCDカメラ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。検出アセンブリは、複数のウェルの各ウェルに対応する検出器を含んでもよい。検出アセンブリは、信号を収集して1つまたは複数の検出器に転送するように構成されてもよい。検出アセンブリは、照らされてもよいウェルの一部から信号を収集してもよい。検出アセンブリは、ウェルに受け入れられた細胞の一部から信号を収集してもよい。信号は、励起源によって照らされてもよい細胞の一部から収集されてもよい。信号は、蛍光信号などの光信号であってもよい。光信号を電流信号に変換するなど、信号を変換することができる。変換は、フォトダイオードなどの検出器によって実行されてもよい。複数のウェルの各ウェルからの信号の収集は、384個のウェルからの信号の並列的な収集など、並行して行われてもよい。ウェルのアレイの複数のウェルにわたる収集および移送などの検出アセンブリの時間分解能は、約100ヘルツ(Hz)、1,000Hz、10,000Hz、20,000Hz、またはそれ以上であってもよい。
【0048】
[0057]励起源によって提供される光の特性は調整可能であってもよい。例えば、光の強度は調整可能であってもよい。光の波長は調整可能であってもよい。光の時間的パターンは、一定の光または時限光パルスなど、調整可能であってもよい。ユーザは、強度などの光の特性を調整することができる。システムの制御装置は、光の特性の調整を指示することができる。光の特性は、ウェル内の光検出可能センサを適切に励起するための波長の調整など、フィードバック信号に応答して調整することができる。光の特性は、システムを用いて実行されてもよい特定のアッセイに応答して調整されてもよい。強度などの光の特性を調整することは、約1ミリ秒未満の応答遅れをもたらしてもよい。応答遅れは、約10ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約5ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約2ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約1ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約0.75ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約0.5ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約0.25ミリ秒未満であってもよい。応答遅れは、約0.1ミリ秒未満であってもよい。
【0049】
[0058]励起源は、複数のウェルのうちの各ウェルに光強度を提供してもよい。例えば、複数のウェルの各ウェルは、1平方ミリメートル当たり約5ミリワット(mW/mm2)の光強度を受け入れることができる。複数のウェルのうちの各ウェルは、少なくとも約5mW/mm2の光強度を受け入れることができる。複数のウェルの各ウェルは、複数のウェルにわたって大きさが約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、または20%を超えて変化しない光強度を受け入れることができる。
【0050】
[0059]検出アセンブリは、光信号などの信号を収集し、その信号を対応する検出器に向けるように構成されてもよい。複数のウェルのうちの各ウェルにおいて、検出アセンブリは、信号を収集し、その信号の少なくとも一部を対応する検出器に向けるように構成されてもよい。検出アセンブリは、信号を収集し、少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%、または99%の信号を対応する検出器に向けるように構成されてもよい。検出器はフォトダイオードであってもよい。場合によっては、フォトダイオード検出器は、p-i-n(PIN)フォトダイオード、p-n(PN)フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、ショットキーフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。フォトダイオードなどの検出器は、蛍光信号、燐光信号、発光信号、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい光信号のような信号を収集するように構成することができる。
【0051】
[0060]本明細書に記載のシステムは、マイクロプレートなどのウェルのアレイを受け入れるように構成することができる。ウェルのアレイは複数のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、少なくとも約1ウェル、6ウェル、16ウェル、32ウェル、96ウェル、384ウェル、またはそれ以上を含んでもよい。ウェルは、1つまたは複数の細胞を受け入れるように構成されてもよい。複数のウェルの各ウェルは、1つまたは複数の細胞を受け入れるように構成されてもよい。場合によっては、複数のウェルの少なくとも一部は、細胞外光検出可能センサなどの光検出可能センサまたは液体媒体中の光検出可能センサを含んでもよい。いくつかの場合において、複数の細胞の少なくとも一部は、光検出可能センサを含んでもよい。
【0052】
[0061]本明細書に記載のシステムは、光検出可能センサの活性化の有無を検出するように構成することができる。光検出可能センサは、(i)細胞膜電位、(ii)細胞内イオン濃度、(iii)タンパク質構造、または(iv)それらの任意の組み合わせにおける変化を検出するためのセンサを含んでもよい。センサは細胞内イオン濃度の変化を検出することができる。センサは、フラ-2、インド-1、フルオ-3、フルオ-4、フルオ-5F、フルオ-5N、ロード-2、カルシウムグリーン、カルシウムレッド、フラレッド、キン-2、それらの任意の塩、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。センサは、細胞膜電位の変化を検出してもよい。センサは、JC-1ヨウ化物(CAS番号47729-63-5)、JC-1(CAS番号3520-43-2)、di-3-ANEPPDHQ、di-4-ANEPPS(CAS番号90134-00)、di-8-ANEPPS(CAS番号157134-53-7)、DiBAC4(3)(CAS番号70363-83-6)、BeRST、Di-4-ANBDQBS、VF2.1.C1、RH237(CAS番号83668-91-1)、RH414(CAS番号161433-30-3)、RH421(CAS番号107610-19-5)、RH795(CAS番号172807-13-5)、それらの任意の塩、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。センサは、細胞内イオン濃度の変化を検出してもよい。センサは、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、水素イオン、塩素イオン、またはそれらの任意の組み合わせを検出してもよい。センサは遺伝的に符号化されたセンサであってもよい。遺伝的に符号化されたセンサは、膜電位の変化、細胞内イオン濃度の変化、タンパク質構造の変化、またはそれらの任意の組み合わせなどの生物学的応答を検出することができる。
【0053】
[0062]光検出可能センサは、細胞内または細胞表面上にあってもよい。光検出可能センサは、細胞が培養されてもよい培地内にあってもよい。光検出可能センサの活性化の有無は、イオン流または膜電位の変化などの生物学的応答を示してもよい。システムは、複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの活性化の有無を並行して検出するように構成されてもよい。システムは、約1ミリ秒~約1分までの間、複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの活性化の有無を検出するように構成されてもよい。システムは、約1分、100ミリ秒、10ミリ秒、1ミリ秒、またはそれ以下で複数のウェルにわたる有無を検出することができる。場合によっては、システムは、約5/10ミリボルト(mV)の細胞膜電位の変化、10/10mVの細胞膜電位の変化、15/10mVの細胞膜電位の変化、20/10mVの細胞膜電位の変化、25/10mVの細胞膜電位の変化、または50/10mVの細胞膜電位の変化、またはそれ以上を超える信号対雑音比で、約1ミリ秒未満で複数のウェルの各ウェルと同時に光検出可能センサの強度の変化を検出するように構成することができる。
【0054】
[0063]励起源からの光は、定常光、時限光パルス、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。時限光パルスは、持続時間が約100ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約10ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約1ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約1000ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約10ミリ秒~約100ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約50ミリ秒~約100ミリ秒であってもよい。時限光パルスは1つまたは複数の波長を含んでもよい。時限光パルスの1つまたは複数の波長は、同じ波長であってもよく、または少なくとも2つの異なる波長、少なくとも3つの異なる波長、またはそれ以上などの異なる波長であってもよい。
【0055】
[0064]複数の細胞は、自発的に電気的に活性な細胞、光学的に歩調のとられた興奮性細胞、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。複数の細胞は、細胞株または初代細胞を含んでもよい。複数の細胞は、被験体から得られた細胞を含んでもよい。複数の細胞は、被験体から得られた生物学的サンプルから得られた細胞を含んでもよい。複数の細胞は、細胞バンク、組織バンク、または他の集団バンクから得られた細胞を含んでもよい。自発的に電気的に活性な細胞は、心筋細胞、皮質ニューロン、後根神経節ニューロン、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。光学的に歩調のとられた興奮性細胞は、心室筋細胞、骨格筋細胞、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0056】
[0065]本明細書に記載のシステムは、放出フィルタなどの1つまたは複数のフィルタを含んでもよい。フィルタは、検出アセンブリが信号を収集して励起源からの光を除去することを可能にするように構成されてもよい。システムは、集束レンズ、単一のコリメーションレンズ、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数のレンズを含んでもよい。レンズは、信号を検出器に向けるように構成されてもよい。レンズは、光を励起源からウェルの少なくとも一部に向けるように構成されてもよい。システムは、1つまたは複数の増幅器を含んでもよい。増幅器は、オンボードのトランスインピーダンス増幅器を含んでもよい。
【0057】
[0066]キットは、本明細書に記載のシステムおよび使用説明書を含んでもよい。キットは、本明細書に記載のシステムを含んでもよい。キットは、i)hERGスクリーニング、ii)無傷心筋細胞に対する分子のスクリーニング、iii)心筋細胞安全性薬理学スクリーニング、またはiv)それらの組み合わせに必要なシステムおよび試薬および/または使用説明書を含んでもよい。キットは、1つまたは複数の光検出可能センサおよび使用説明書を含んでもよい。
【0058】
[0067]方法は、キットを作製する方法またはシステムを作製する方法を含んでもよい。
方法は、本明細書中に記載されるようなシステムを使用するhERGスクリーニングの方法を含んでもよい。方法は、本明細書に記載のシステムを用いて、無傷心筋細胞に対して分子をスクリーニングする方法を含んでもよい。
【0059】
[0068]方法は、複数の細胞中の光検出可能センサを検出する方法を含んでもよい。方法は、複数のウェルを含むウェルのアレイを提供することを含んでもよい。複数のウェルの各ウェルは1つまたは複数の細胞を含んでもよい。細胞は光検出可能センサを含んでもよい。場合によっては、1つまたは複数の細胞の少なくとも一部は光検出可能センサを含んでもよい。励起源から複数のウェルの各ウェルに光を照射して、複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明して、少なくとも部分的に照明されたウェルを形成することができる。信号を複数のウェルの各ウェルから並行して収集することができ、その信号を対応する検出器に並行して転送することができる。複数の信号のうちの各信号は、光検出可能センサの活性化の有無を確認することができる。
【0060】
[0069]方法は、複数の細胞中の分子またはその塩の生物学的活性をスクリーニングする方法を含んでもよい。方法は、複数のウェルを含むウェルのアレイを提供することを含んでもよい。複数のウェルの各ウェルは1つまたは複数の細胞を含んでもよい。分子またはその塩を複数のウェルの少なくとも一部に加えることができる。励起源から複数のウェルの各ウェルに光を向けて、各ウェルの少なくとも一部を照明することができる。光検出可能センサの活性化の有無は、複数のウェルの各ウェル内で並行して検出することができる。
【0061】
[0070]本明細書に記載のシステムは、高速の応答プローブまたは光検出可能センサを高速のサンプリングレートと組み合わせて、高い信号対雑音比(SNR)で並行して複数のサンプルから信号を収集することができる。例えば、光検出可能センサは、約1ミリ秒未満の応答時定数を含んでもよい。場合によっては、応答時定数は約100マイクロ秒未満であってもよい。そのような場合、システムは、複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの変化を並行して測定することができる。複数のウェルにわたる平行測定は、約1ミリ秒未満で起こってもよい。複数のウェルにわたる平行測定は、約100マイクロ秒未満で起こってもよい。システムのSNRは、約5/10mVの細胞膜電位変化を超える、または約25/10mVの細胞膜電位変化を超える、または約50/10mVの細胞膜電位変化を超えてもよい。場合によっては、システムは細胞膜電位の監視可能な変化を引き起こしてもよい。例えば、システムは励起源から複数の時限光パルスを生成することができる。複数の時限光パルスは、光検出可能センサを励起するために同じまたは異なる波長を含んでもよい。時限光パルスは、約100ミリ秒未満、約75ミリ秒未満、約50ミリ秒未満、約25ミリ秒未満、約10ミリ秒未満、または約5ミリ秒未満であってもよい。光依存性アクチュエータタンパク質は、細胞膜電位の監視可能な変化を引き起こしてもよい。光依存性アクチュエータタンパク質は、細胞膜電位の監視可能な変化を引き起こすために、単独でまたは複数の時限光パルスと組み合わせて使用することができる。光依存性アクチュエータタンパク質は、クラミドモナスチョップ1、クラミドモナスチョップ2、または少なくとも約52%の配列相同性、約52%の配列長を有する発現タンパク質、またはそれらとチョップ1またはチョップ2との組み合わせを含んでもよい。光依存性アクチュエータタンパク質は、光依存性グルタミン酸受容体(LiGluR)を含んでもよい。
【0062】
[0071]信号は、複数の細胞を含むウェルのアレイの領域から収集されてもよい。例えば、領域は、複数の細胞を含む個々のウェルであってもよい。信号は、複数のウェル(16ウェル、96ウェル、384ウェルなど)から同時にまたは並行して収集することができる。
【0063】
[0072]システムは、1つまたは複数の励起源を含む照明システムを含んでもよい。システムは外部励起源に動作可能に接続されてもよい。励起源の強度は、ユーザによってまたはシステムのコントローラによって調整可能であってもよい。励起源の強度を第1の強度から第2の強度に調整する際の遅延時間は、約10ミリ秒未満であってもよい。遅延時間は約1ミリ秒未満であってもよい。励起源は、複数のウェルのうちの各ウェルに同じ強度を提供してもよい。励起源は、例えば、複数のウェルにわたって10%未満しか変動しない強度など、複数のウェルの各ウェルに同様の強度を提供してもよい。励起源は、約1mW/mm2、5mW/mm2、または10mW/mm2を超えてもよい強度を複数のウェルの各ウェルに提供してもよい。
【0064】
[0073]場合によっては、システムは1つまたは複数の光学系を含んでもよい。システムは、1つまたは複数の励起光学系、1つまたは複数の収集光学系、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。励起光学系は、励起源からの光をシステムの複数のウェルに向けるように構成されてもよい。収集光学系は、複数のウェルから信号を収集する、場合によっては並行して収集するなど、信号を収集するように構成することができる。場合によっては、ウェル内への励起光学系の焦点距離は、ウェルからの信号を収集する信号収集光学系の焦点距離よりも長くてもよい。励起光学系の焦点距離は、信号収集光学系の焦点距離よりも約1%、5%、10%、または20%長くてもよい。励起光学系の焦点距離は、信号収集光学系の焦点距離より少なくとも約1%、5%、10%、または20%長くてもよい。励起光学系の焦点距離は、信号収集光学系の焦点距離と同じであってもよい。信号収集光学系の焦点距離は、励起光学系の焦点距離より長くてもよい。信号収集光学系の焦点距離は、励起光学系の焦点距離よりも約1%、5%、10%、または20%長くてもよい。信号収集光学系の焦点距離は、励起光学系の焦点距離より少なくとも約1%、5%、10%、または20%長くてもよい。
【0065】
[0074]システムは、システムの複数のウェルから信号を収集するように構成することができる。信号は、蛍光信号、燐光信号、発光信号、可視信号、またはそれらの任意の組み合わせなどの光信号であってもよい。光信号は、フォトダイオードなどのシステムの検出器によって電流信号に変換されてもよい。システムは、信号が透過幾何学的形状で収集されてもよいように構成されてもよい。例えば、
図2に示すように、照明アセンブリ202は、励起源からの光をウェルのアレイ201に向けることができる。ウェルのアレイのうちの複数のウェルは、複数の細胞を受け入れるように構成することができる。複数のウェルを通過する可能性がある光の一部は透過ビーム204とすることができる。複数のウェルを通過する可能性がある光の一部は散乱ビーム205とすることができる。システムは、散乱ビーム205の一部を収集するための検出器203を含んでもよい。散乱ビーム205と透過ビーム204との間の角度θは、約θ=0であってもよい。角度θは、約θ=約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15であってもよい。角度θは、θ=約5であってもよい。角度θは、θ=約10であってもよい。角度θは、θ=約15であってもよい。角度θは、約5未満であってもよい。角度θは、約4未満であってもよい。角度θは、約3未満であってもよい。角度θは、約2未満であってもよい。角度θは、約1未満であってもよい。
【0066】
[0075]角度θ=0のときなど、いくつかの場合では、励起光は検出アセンブリによって収集されてもよい。場合によっては、励起光は検出アセンブリによって収集されないことがある。場合によっては、励起光の一部は検出アセンブリによって収集されてもよい。場合によっては、信号は検出されるが励起光は検出されないように、励起光も除去されてもよい。場合によっては、励起光の一部を検出アセンブリによって収集することができる。場合によっては、励起光は検出アセンブリによって収集されてもよい。場合によっては、角度θを変えることによって、検出アセンブリによって収集することができる励起光の一部も変えることができる。システムは、検出アセンブリによって収集されてもよい励起光
の一部を除去してもよい1つまたは複数のフィルタを含んでもよい。フィルタは励起光の一部を除去することができる。フィルタは励起光を除去することができる。フィルタは、検出器(すなわち、フォトダイオード)が光信号を電流信号に変換し、励起光を変換しないように励起光を除去することができる。
【0067】
[0076]システムは、信号を収集するように構成された収集光学系を含む検出アセンブリなどの光学系を含んでもよい。システムは、光を複数のウェルに向けるように構成された励起光学系を含む照明アセンブリなどの光学系を含んでもよい。場合によっては、システムは、収集光学系と励起光学系との組み合わせを含んでもよい。光学系の開口数は調整可能であってもよい。システムは、異なる開口数を有する1つまたは複数の光学系を交換するように構成することができる。より大きな開口数は、より多くの量の信号が検出器に収集されることを可能にしてもよい。例えば、0.8の開口数を含む光学系は、0.2の開口数を含む光学系よりも大量の信号を収集することができる。信号収集光学系などの光学系の開口数は、約0.2であってもよい。光学系の開口数は、約0.3であってもよい。光学系の開口数は、約0.4であってもよい。光学系の開口数は、約0.5であってもよい。光学系の開口数は、約0.6であってもよい。光学系の開口数は、約0.7であってもよい。光学系の開口数は、約0.8であってもよい。光学系の開口数は、約0.2から約0.8であってもよい。光学系の開口数は、約0.3から約0.7であってもよい。光学系の開口数は、約0.4から約0.6であってもよい。光学系の開口数は、約0.3から約0.8であってもよい。光学系の開口数は、約0.2から約0.7であってもよい。
【0068】
[0077]システムの収集光学系は、光信号(すなわち蛍光信号)などの信号をフォトダイオードなどの対応する検出器に収集するように構成されてもよい。フォトダイオードなどの検出器は、光信号を電流信号に変換することができる。収集光学系は、複数のウェルのうちのウェルの領域から信号を収集することができる。収集光学系から収集される領域は、約0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、または500mm2であってもよい。
【0069】
[0078]場合によっては、検出器の収集領域を最小限に抑えることが有利であってもよい。検出器の収集領域を最小限に抑えると、システム内のノイズを最小限に抑えることができる。検出器の収集領域の直径は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.5、または4.0mmであってもよい。検出器の収集領域の直径は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.5、または4.0mm未満であってもよい。複数のウェルのうちの1つのウェルの直径は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.5、4.0mm、またはそれ以上であってもよい。複数のウェルのうちの1つのウェルの直径は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.5、4.0mm、またはそれ以上であってもよい。検出器の収集領域の直径はウェルの直径に等しくてもよく、例えば両方の直径は約2.0mmであってもよい。検出器の収集領域の直径はウェルの直径よりも小さくてもよい。例えば、ウェルの直径は約3.0mmであってもよく、収集領域の直径は約2.0mmであってもよい。検出器の収集領域の直径は、ウェルの直径よりも大きくてもよい。例えば、ウェルの直径は約1.0mmであってもよく、収集領域の直径は約2.0mmであってもよい。システムは、検出器の収集領域に転送されてもよい信号の領域に対する、信号が収集されるウェルの領域の比が約1:1となるように、収集光学系の倍率を提供するように構成されてもよい。
【0070】
[0079]比は、信号を検出器に転送することができる面積に対する信号を収集することが
できるウェルの面積(ウェルの底面など)とすることができる。比は1:1であってもよい。比は1:0.5~約1:1.5であってもよい。
【0071】
[0080]比は、ウェルから収集することができる信号の一部に対する、ウェルを照らすことができる光の一部とすることができる。比は約1:1であってもよい。比は約1:0.5~約1:1.5であってもよい。
【0072】
[0081]比は、信号を収集して検出器に転送することができるウェルの一部に対する照らすことができる複数のウェルのうちのウェルの一部とすることができる。比は約1:1であってもよい。比率は約1:0.5~約1:1.5であってもよい。
【0073】
[0082]照明されてもよいウェルの部分は、少なくとも約1、10、50、100、500、1000、2000、またはそれ以上の細胞を含んでもよい。信号を収集することができるウェルの部分は、少なくとも約1、10、50、100、500、1000、2000、またはそれ以上の細胞を含んでもよい。対応する検出器の活性部分は、ウェルの照らされた部分と等しくてもよい。対応する検出器の活性部分は、ウェルの照らされた部分と同様であってもよい。
【0074】
[0083]本明細書に記載のシステムの利点は、蛍光信号または光検出可能センサからの信号などの信号の効率的な収集および検出を提供してもよい。システムは1つまたは複数のレンズを含んでもよい。システムの検出アセンブリは、集光レンズなどの1つまたは複数のレンズを含んでもよい。本明細書に記載のシステムの集光レンズは、約6ミリメートルの直径および約6ミリメートルの焦点距離を含んでもよい。1つまたは複数のレンズを機械加工プレートによって位置決めするか、または機械加工プレートに動作可能に結合することができる。場合によっては、レンズの焦点距離を短くすると、レンズによって収集される可能性がある信号の割合が増加してもよい。場合によっては、割合は、割合=1/2(1-cos(θ))によって与えられる。
【0075】
[0084]場合によっては、θが小さいときには、割合は、割合=sin2(θ)/4またはNA2/4で与えられてもよい。
[0085]ここで、NAは開口数である。場合によっては、レンズは周囲空気などの気体媒体中に配置されてもよい。場合によっては、レンズは液体媒体中に配置されてもよい。
【0076】
[0086]場合によっては、本明細書に記載のシステムは、対応する検出器に信号を集束させることができるレンズの焦点距離と同様の焦点距離を有する集光レンズを提供する。場合によっては、集光レンズの焦点距離は、対応する検出器に信号を集束させることができるレンズの焦点距離と等しくてもよい。
【0077】
[0087]本明細書に記載のシステムの1つまたは複数の検出器は、1つまたは複数のフォトダイオードを含んでもよい。1つまたは複数の検出器は、約700ナノメートル~約1300ナノメートルなど、近赤外光と同様の波長を含む信号に対する高い応答性を含んでもよい。1つまたは複数の検出器を検出器アレイ内に配置または構成することができる。検出器のアレイは、システムによって受け取られるウェルのアレイと一致してもよい。例えば、システムは384個のウェルプレートを受け入れることができ、システムは384個の対応する検出器のアレイで構成されてもよい。検出器のアレイは、1つまたは複数の搭載トランスインピーダンス増幅器と組み合わされてもよい。
【0078】
[0088]本明細書に記載のシステムは、約100ヘルツ(Hz)、250Hz、500Hz、750Hz、1,000Hz、2,000Hz、5,000Hz、6,000Hz、7,000Hz、8,000Hz、9,000Hz、10,000Hz、11,000H
z、12,000Hz、15,000Hz、またはそれ以上を超えてもよいウェルからの信号のサンプリングレートを提供することができる。システムは、約100ヘルツ(Hz)、1,000Hz、5,000Hz、10,000Hz、15,000Hz、またはそれ以上であってもよい複数のウェルにわたる信号のサンプリングレートを提供してもよい。サンプリングレートは、約500Hzから約1212,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約500Hzから約5,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約8,000Hzから約12,000Hzであってもよい。サンプリングレートは少なくとも約100Hzから約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、少なくとも約200Hzから約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、少なくとも約300Hzから約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、少なくとも約400Hzから約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは少なくとも約500Hzから約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、少なくとも約1,000Hzから約15,000Hzであってもよい。
【0079】
[0089]
図3aは、本明細書に記載のシステムを示す。
図3bは、
図3aの拡大サブセットを示し、
図3aでは拡大されたサブセットが点線で示されている。
図3bでは、複数のウェルのうちの1つのウェルについて光学素子が強調されている。レンズ(蛍光収集レンズなど)は、
図3bにおいて302として示されており、フィルタ(放出フィルタなど)は303として示されている。フィルタ303はレンズ302の下に配置することができる。フィルタはレンズの上に配置することができる。レンズ(フォトダイオード検出器などの検出器に信号を集束させることができるレンズなど)は、305として示されている。レンズ305は、304として示されるプレート内に配置されてもよい。検出器(複数のウェルのうちの1つのウェルに対応する検出器など)は、306として示されている。レンズ(集束レンズなど)は、システムによって受け取られるマイクロプレートの上に配置されてもよく、レンズは301として示されてもよい。レンズ301の上に、システムはまた、
図3cにおいて307として示されるレンズ(例えばコリメーションレンズ)を含んでもよい。コリメーションレンズは、レンズ301の上に配置されてもよい。本明細書に記載されるようないくつかのシステムでは、励起源は、コリメーションレンズ307などのレンズによってコリメートされてもよい発散光を提供してもよい。
【0080】
[0090]本明細書に記載のシステムは、自発的に活動する皮質ニューロンの培養物を使用して典型的に実施されてもよい分子(化学物質など)の環境毒物学評価の技術分野で使用されてもよい。自発的に活動するか、または光変調されたニューロン発火パターンの同様の研究もまた実施されてもよい。
【0081】
[0091]本明細書に記載されたシステムは、光活性化可能リガンドを用いたリガンド変調標的のハイスループットスクリーニングの技術分野において使用されてもよい。電位依存性イオンチャネル標的活性を制御するために光感受性電圧モジュレーターを使用する代わりに、光活性化可能リガンドを細胞培地に添加し、標的の活性を変調するために使用してもよい。標的は、天然の発現(例えば、ニューロン中)または異種発現のために細胞中に存在する場合があり、イオンチャネルまたはGタンパク質であってもよい。センサの生物学的応答は1つの波長で測定することができ、一方、リガンドの有効「用量」は、リガンドを活性化することができる第2の波長の光の持続時間または強度を変調することによって制御することができる。リガンドは、神経伝達物質(例えば、グルタメート、GABA、アセチルコリン、プリンヌクレオチド)、イオン(カルシウム)、小さな薬物様分子、または高分子であってもよい。リガンドは、ケージ化されている(光照射によって永久的に変化する)、または光スイッチ可能(可逆的光誘導活性化/不活性化)であってもよい。いくつかの場合において、グルタミン酸光スイッチ可能なリガンドは、LiGluRイオンチャネルと相互作用してもよい。この用途は生化学的アッセイに拡張することができる。
【0082】
[0092]本明細書に記載のシステムは、感光性アクチュエータによって間接的に変調された標的のハイスループットスクリーニングの技術分野で使用することができる。そのような場合、光活性化受容体(例えばメラノプシン)または酵素(例えばアデニリルシクラーゼ)を制御することができる。セカンドメッセンジャー(例えば、ホスホイノシチドまたは環状アデノシン一リン酸(AMP))は標的に作用する場合があり、その機能は光学的にモニターされてもよい。
【0083】
[0093]本明細書に記載のシステムは、安全性薬理学の技術分野で使用することができる。例えば、安全性薬理学の技術分野では、システムは、米国食品医薬品局(FDA)の包括的な生体外不整脈評価ガイドラインで標準化されている統合ヒト細胞研究の一部として使用することができる。本明細書に記載されているシステムは、光学的に歩調のとられた心筋細胞における安全性薬理試験において使用されてもよい。本明細書に記載のシステムは、イオンチャネル標的の全光学的電圧変調および/またはハイスループットスクリーニングに使用することができる。そのような場合、システムは非興奮性細胞および異種発現イオンチャネル標的用に構成されてもよい。本明細書に記載のシステムは、伝統的なhERGスクリーニングの代替としてまたは補足として使用することができる。
【0084】
[0094]例えば、細胞をプレーティングし、標準的な光学底部96または384ウェルプレートに増殖または付着させることができる。細胞は、a)自発的に活性であってもよい人工多能性幹細胞(iPSC)または幹細胞由来心筋細胞、b)感光性アクチュエータ(通常はチャネルロドプシン(rhodopsin))を異種的に発現してもよい心筋細胞、またはチ
ャネルロドプシンを異種的に発現してもよい非興奮性細胞と心筋細胞との混合物、c)感光性アクチュエータおよび1つまたは複数の標的イオンチャネルを異種的に発現するように設計された非興奮性細胞(それらを組み合わせて特徴的な方法で興奮性にすることができる)、またはd)それらの任意の組み合わせ、を含んでもよい。細胞は電位感受性染料(または他の蛍光センサ)で染色されてもよい。1つまたは複数の分子が複数のウェルの一部に添加されてもよい。分子含有ウェルを多数の対照ウェルと比較してもよく、または化合物添加前に測定した各ウェルのベースライン活性と比較してもよい。
【0085】
[0095]電圧(または他のセンサ)の変化を監視することができる。例えば、自発的活動は、1つの励起光波長を用いて約30秒間監視することができる。細胞活性は、第2の波長の1つまたは複数の作動光パルスによって誘発または変調されてもよい。光パルスレジメン(regimen)は、光誘起電圧変化に影響を与えるために周波数、持続時間、強度、ま
たはパルス間隔を変えることができる。この変動は、イオンチャネル標的に、ウェル内に存在する分子と差動的に相互作用してもよい「静止していない」または一過性の立体構造状態を採用させてもよい。異なる照射/活性化プロトコルを用いた細胞応答に対する薬理学的効果のプロファイルは、予測的で治療的な影響または毒性影響を有する可能性がある。
【0086】
[0096]電子ノイズを低減するために、最初に電圧(または他の)トレースを1つまたは複数の標準的な電子「ロングパス(long-pass)」フィルタリングアルゴリズムにかける
ことができる。自発的に活動的な細胞電圧トレースは、自社開発のイベント検出アルゴリズムを使用して分析することができる。活動電位(心筋細胞の場合には「ビート」)のような関心のあるイベントは、各イベントの正確な時間的開始点および終了点、イベントのアップストローク期間、各イベントの最大光度(蛍光変化)、最大光度の特定の割合における各イベントの期間(「活動電位期間」)、またはイベントレート、期間、またはリズムのような特徴の識別を導くことができるユーザ指定またはコントローラ指定パラメータに基づいて検出することができる。誘導されたまたは変調された活動トレースは、上記のイベント検出アルゴリズムを使用して分析されてもよいか、またはより一般的には異なる
ソフトウェアアルゴリズムを使用して刺激光パルスに対して定義された関心領域において測定されてもよい。測定の種類は、上記のものと同様であってもよい。
【0087】
[0097]本明細書中に記載されるようなシステムは、非興奮性細胞(すなわち、HEK293細胞またはCHO細胞)のような細胞中に発現されたイオンチャネル標的をスクリーニングする方法のために使用されてもよい。スクリーニングは、異種発現されたイオンチャネルについてのスクリーニングであってもよい。例えば、標的イオンチャネル、光依存性アクチュエータタンパク質、およびアクセサリーイオンチャネルは、非興奮性細胞において発現してもよい。イオンチャネルまたは補助イオンチャネルは、電位依存性イオンチャネル、リガンド依存性イオンチャネル、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。電位依存性イオンチャネルは、ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル、カリウムチャネル、一過性受容体電位(TRP)チャネル、プロトンチャネル、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。リガンド依存性イオンチャネルは、アセチルコリン受容体、イオンチャネル型グルタミン酸依存性受容体、酸感知イオンチャネル(ASIC)、アデノシン三リン酸(ATP)依存性P2X受容体、陰イオン透過性ガンマ-アミノ酪酸依存性(GABAa)受容体、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0088】
[0098]光依存性アクチュエータタンパク質は、励起源からの光などの光の波長で刺激されてもよい。光の波長は、約400ナノメートル~約1000ナノメートルであってもよい。光の波長は、約400ナノメートル~約800ナノメートルであってもよい。光の波長は、約400ナノメートル~約500ナノメートルであってもよい。光の波長は、約500ナノメートル~約600ナノメートルであってもよい。光の波長は、約600ナノメートル~約700ナノメートルであってもよい。光の波長は、約700ナノメートル~約800ナノメートルであってもよい。1つまたは複数の細胞は、(蛍光染料のような)光検出可能センサまたは遺伝子的にコードされたセンサまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。したがって、標的イオンチャネルの細胞応答は、光検出可能センサからの蛍光信号などの信号を介して監視されてもよい。光検出可能センサもしくは遺伝的にコード化されたセンサ、またはそれらの組み合わせは、a)約400ナノメートル~約500ナノメートルなどの第1の波長の光で、b)約600ナノメートル~約700ナノメートルなどの第2の波長の光で、またはc)それらの組み合わせで励起されてもよい。そのような光検出可能センサまたは遺伝子的にコード化されたセンサは、細胞膜電位の変化または細胞内イオン濃度の変化などの生物学的応答または生物学的変化を示すことができる信号を提供することができる。したがって、1つまたは複数の細胞を分子と接触させると観察される光検出可能センサまたは遺伝的にコード化されたセンサの大きさ、時間的プロファイル、またはそれらの組み合わせの変化は、そのような分子が標的イオンチャネルに作用して生物学的応答を引き起こすことを示してもよい。
【0089】
[0099]標的イオンチャネルは、(i)電位依存性ナトリウムチャネル、電位依存性カルシウムチャネル、または電位依存性カリウムチャネル、またはそれらの組み合わせなどの電位依存性チャネル、(ii)イノシチド(inositide)(TRPファミリー)、環状ヌ
クレオチド(HCNx、CNGx)、カルシウム(KCax)、またはそれらの組み合わせなどのセカンドメッセンジャーに反応するイオンチャネル、(iii)カリウム「漏出」チャネル(K2Px)、または(iv)それらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0090】
[00100]光依存性アクチュエータタンパク質は、カチオンチャネルクラミドモナス属チ
ョップ1、クラミドモナス属チョップ2、約52%を超える配列相同性、約52%の配列長を有するタンパク質、またはチョップ1またはチョップ2に対するそれらの組み合わせを含んでもよい。光依存性アクチュエータタンパク質はまた、光活性化グルタミン酸受容体(LiGluR)、Gタンパク質(メラノプシンまたはmGluRなど)、アデニル酸シクラーゼ(bPAC)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0091】
[00101]補助イオンチャネルは、規定の細胞外カリウム濃度と共に静止細胞膜電位を制
御するために使用される電位依存性内向き整流カリウムチャネル(Kirx)を含んでもよい。補助イオンチャネルはまた、標的イオンチャネルに加えて発現される電位依存性カルシウム、ナトリウム、またはカリウムチャネルであってもよい。
【0092】
[00102]本開示のシステムは、電気的に興奮性の細胞の薬理学的評価に使用されてもよ
い。システムは自発的に電気的に活性な細胞と共に使用することができる。例えば、蛍光電圧センサまたはカルシウムセンサを自発的に電気的に活性な細胞に組み込んでもよい。第1の波長の光は、センサを励起し、そして経時的に収集されてもよい蛍光を放射してもよい。応答パラメータにおけるサブミリ秒スケールの摂動は、自動発見的アルゴリズムを介して検出することができ、潜在的な標的組織の毒性を予測するために使用されてもよい。自発的に電気的に活性な細胞は、幹細胞または人工多能性幹細胞由来心筋細胞であってもよいが、皮質ニューロン、後根神経節ニューロン、または幹細胞由来ニューロンでもあってもよい。
【0093】
[00103]本開示のシステムは、光学的に歩調のとられた興奮性細胞と共に使用されても
よい。例えば、光応答性アクチュエータタンパク質および蛍光電圧またはカルシウムセンサを、自発的に活動するまたは静止している電気的興奮性細胞に導入することができる。ある波長の光の時限パルス(timed pulse)は、興奮性細胞の電気的活動を遅らせること
ができ、一方、第2の波長は蛍光センサを励起することができる。異なるペーシング条件下で化学物質またはタンパク質に曝されたときの応答パラメータの変動は、自動化された発見的アルゴリズムによって検出することができ、潜在的な標的組織毒性を予測するために使用することができる。
【0094】
[00104]光応答型アクチュエータは、クラミドモナス属チョップ1またはチョップ2、
または約52%を超える配列相同性、約52%の配列長、またはチョップ1またはチョップ2へのそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、アクチュエータはHEK293などの非興奮性細胞で発現させることができ、アクチュエータ発現細胞は電気的興奮性細胞と共培養することができる。他の実施形態において、光応答性アクチュエータは興奮性細胞において直接発現されてもよい。
【0095】
[00105]光学的に歩調のとられた興奮性細胞は、上記のように自発的に活性であっても
よいか、または成体心室筋細胞もしくは骨格筋細胞を含む興奮性静止細胞であってもよい。
【0096】
[00106]場合によっては、複数のウェルの各ウェルは、フォトダイオードなどの対応す
る検出器を含む。場合によっては、各フォトダイオードは対応するレンズを有する。レンズは、光信号などの信号を対応する検出器に集束させるように構成されてもよい。対応する検出器に信号を集束させるためのレンズがないと、信号の一部が検出器によって収集されない可能性がある。光信号はコリメートされてもよく、フィルタを通してさらにフィルタリングされてもよい。そのような場合、信号は検出アセンブリによって収集され、励起源からの光は収集されないことがある。フィルタは、固定位置または調整可能位置に構成することができる。レンズ、検出器、フィルタ、またはそれらの組み合わせなどのシステムの1つまたは複数の構成要素は、遠隔制御、電子制御、ユーザによる手動制御のいずれでもよい。システムの各フィルタは、独立して配線することができる。検出アセンブリは、細胞内カルシウム染料などの蛍光染料などの信号を収集する。場合によっては、システムのコントローラは、システムから収集された1つまたは複数の信号を処理するためのアルゴリズムを使用することができる。
【0097】
[00107]本開示のシステムは、フォトダイオードなどの1つまたは複数の検出器を含ん
でもよい。場合によっては、システムは少なくとも2つの検出器、例えば複数のウェルの各ウェルに対応する検出器を含んでもよい。場合によっては、検出アセンブリは、1つまたは複数の信号収集光学系を含んでもよい。システムが少なくとも2つの信号収集光学系を含む場合、各信号収集光学系の開口数は、(i)両方の信号収集光学系が約0.5の開口数を含むように同じであってもよく、またはそれぞれの開口数は、(ii)1つの信号収集光学系が約0.5の開口数を含み、第2の信号収集光学系が約0.4の開口数を含む場合のように、異なってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.2であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.3であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.4であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.5であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.6であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.7であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.8であってもよい。信号収集光学系の開口数は少なくとも約0.2であってもよい。信号収集光学系の開口数は少なくとも約0.3であってもよい。信号収集光学系の開口数は少なくとも約0.4であってもよい。信号収集光学系の開口数は少なくとも約0.5であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.9未満であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.8未満であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.7未満であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.6未満であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.2から約0.8であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.3から約0.7であってもよい。信号収集光学系の開口数は、約0.4から約0.6であってもよい。
【0098】
[00108]本開示のシステムは、照明アセンブリが励起源を含んでもよいように励起源を
含んでもよい。システムは少なくとも2つの励起源を含んでもよい。システムは少なくとも3つの励起源を含んでもよい。システムは少なくとも4つの励起源を含んでもよい。システムは少なくとも5つの励起源を含んでもよい。第1のレーザと第2のレーザのように、少なくとも2つの励起源は同じでもよい。レーザと発光ダイオード(LED)光のように、少なくとも2つの励起源は異なっていてもよい。励起源は、レーザ、LED光、キセノンアーク、または水銀灯であってもよい。場合によっては、システムは、レーザからの光の一部を複数のウェルに向けるためのビームスプリッタを備えた単一のレーザを含む。
【0099】
[00109]サンプリングレートは、約100Hzであってもよい。サンプリングレートは
、約250Hzであってもよい。サンプリングレートは、約500Hzであってもよい。サンプリングレートは、約750Hzであってもよい。サンプリングレートは、約1,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約2,500Hzであってもよい。サンプリングレートは約3,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約4,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約5,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約6,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約7,500Hzであってもよい。サンプリングレートは、約8,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約9,000Hzであってもよい。サンプリングレートは約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約12,500Hzであってもよい。サンプリングレートは、約15,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約100Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約250以上であってもよい。サンプリングレートは、約500Hz以上であってもよい。サンプリングレートは約750Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約1,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約2,500Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約3,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約4,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約5,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約6,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約7,500Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約8,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは約9,000Hz以上であってもよい。サンプリン
グレートは、約10,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約12,500Hzを超えてもよい。サンプリングレートは、約15,000Hz以上であってもよい。サンプリングレートは、約200Hzから約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約500Hzから約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約1,000Hzから約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約2,000Hzから約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約5,000Hzから約10,000Hzであってもよい。サンプリングレートは、約5,000Hzから約15,000Hzであってもよい。
【0100】
[00110]本開示のシステムは、励起源から向けられた光を用いて複数のウェルのうちの
1つのウェルの少なくとも一部を照らすことができる。場合によっては、複数のウェルのうちの各ウェルの少なくとも一部は、励起源から向けられた光によって照らされてもよい。場合によっては、信号(電気信号など)を複数のウェルのうちの1つのウェルから収集し、対応する検出器などの検出器に転送することができる。場合によっては、信号を複数のウェルの各ウェルから収集して検出器に転送することができる。場合によっては、照らされてもよいウェルの部分は、信号が検出器から収集され、検出器に転送されてもよいウェルの同じ部分に対応する。場合によっては、照らされてもよいウェルの部分は、信号が収集されてもよいウェルの部分とは異なる部分であってもよい。場合によっては、ウェルを照らしてもよい光の一部と、ウェルから収集することができる信号の一部との比は、約1:0.5から約1:1.5であってもよい。場合によっては、この比は約1:1であってもよい。場合によっては、信号が収集されてもよいウェルの一部に対する照射されてもよいウェルの一部の比は、約1:0.5から約1:1.5であってもよい。場合によっては、比は約1:0.75~約1:1.25であってもよい。場合によっては、比は約1:0.9~約1.1であってもよい。場合によっては、比は約1:1であってもよい。場合によっては、比は約1:0.5、1:0.55、1:0.6、1:0.65、1:0.7、1:0.75、1:0.8、1:0.85、1:0.9、1:0.95、1:1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、または1:1.5であってもよい。
【0101】
[00111]本開示のシステムは、複数のウェルのうちの1つのウェルの少なくとも一部を
照明するための励起源を含んでもよい。場合によっては、励起源は、約10-5メートル~約105メートルの波長を含む光を生成してもよい。場合によっては、光は約10-4メートル~約104メートルの波長を含んでもよい。場合によっては、光は約10-3メートル~約103メートルの波長を含んでもよい。場合によっては、光は約10-2メートル~約102メートルの波長を含んでもよい。場合によっては、光は約10-1メートル~約101メートルの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、可視光(例えば、人間の目に見える光)、紫外線、赤外線、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。場合によっては、光は、約400ナノメートルから約1000ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約400ナノメートルから約900ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約400ナノメートルから約800ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約400ナノメートルから約500ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約600ナノメートルから約800ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約500ナノメートルから約700ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約500ナノメートルから約900ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約600ナノメートルから約900ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約700ナノメートルから約900ナノメートルまでの波長を含んでもよい。場合によっては、光は、約800ナノメートルから約900ナノメートルまでの波長を含んでもよい。
【0102】
[00112]本開示のシステムは、1つまたは複数の励起源を含んでもよい。励起源によっ
て提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約1ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約1.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約2ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約2.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約3ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約3.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約4ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約4.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約5.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約6ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約6.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約7ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約7.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約8ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約8.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約9ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約9.5ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、平方ミリメートルあたり約10ミリワット(mW/mm2)であってもよい。励起源によって提供される光強度は、約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10mW/mm2より大きくてもよい。
【0103】
[00113]本開示のシステムは、検出アセンブリなど、システムによって検出された信号
の信号対雑音比(SNR)を提供することができる。場合によっては、検出された信号は電流信号であってもよい。場合によっては、信号は、細胞膜電位の変化、または細胞内もしくは細胞外のイオン濃度の変化を示してもよい。場合によっては、SNRは、約5/10ミリボルト(mV)の膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約10/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約15/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約20/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約25/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約30/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約35/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約40/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約45/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。場合によっては、SNRは、約50/10mVの細胞膜電位変化よりも大きい可能性がある。
【0104】
[00114]本開示のシステムは、光を複数のウェルに提供する励起源を提供することがで
きる。光は時定数光であってもよい。光はパルス光のような時変光であってもよい。場合によっては、パルス光は様々な時間間隔でパルス化されてもよい。場合によっては、パルス光は、時限光パルスなどの特定の時間間隔でパルス化されてもよい。時限光パルスは、持続時間が約200ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約100ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約80ミリ秒であってもよい。時限光パル
スは、持続時間が約60ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約40ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約20ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約10ミリ秒であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約200ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約100ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約80ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約60ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約40ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約20ミリ秒未満であってもよい。時限光パルスは、持続時間が約10ミリ秒未満であってもよい。
【0105】
[00115]本開示のシステムは、システムの複数のウェルのうちの1つのウェルに添加す
ることができる細胞と接触させるためのタンパク質またはその断片を提供することができる。タンパク質またはその断片は、既知のタンパク質に対して、少なくとも約52%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列相同性を有してもよい。例えば、タンパク質またはその断片は、チョップ1タンパク質に対して少なくとも約52%の配列相同性、約52%の配列長、またはそれらの組み合わせを有してもよい。タンパク質またはその断片は、チョップ1タンパク質に対して、少なくとも約52%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列相同性、配列長さ、またはそれらの組み合わせを有してもよい。タンパク質またはその断片は、チョップ2タンパク質に対して、少なくとも約52%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列相同性、配列長、またはそれらの組み合わせを有してもよい。タンパク質またはその断片は、LiGluRに対して、少なくとも約52%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列相同性、配列長、またはそれらの組み合わせを有してもよい。
【0106】
[00116]励起源の光強度は時間とともに変化してもよい。場合によっては、システムが
複数の励起源を含むとき、各励起は他の励起源と同じでも異なってもよい光強度を含んでもよい。励起源の光強度は、システムのコントローラまたはシステムのユーザによって調整されるなど、調整可能であってもよい。複数のウェルを横切る光強度は同じであってもよく、例えば、複数のウェルの各々について約5mW/mm2であってもよい。5mW/mm2+/-0.25mW/mm2のように、複数のウェルにわたる光強度は、約5%を超えて変化しないことがある。複数のウェルにわたる光強度は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%を超えて変動しない場合がある。システムが複数の励起源を含むとき、複数の励起源にわたる光強度は、各励起源間で約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%を超えて変動しない場合がある。
【0107】
[00117]コントローラまたはユーザが光強度を調整することができるときのように、光
強度が時間的に変化することがある場合、光強度の変化における遅れまたは遅延は、約15ミリ秒(ミリ秒)未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約10ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約9ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約8ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約7ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約6ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約5ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約4ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約3ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約2ミリ秒未満であってもよい。励起源の光強度の変化における遅れは、約1ミリ秒未満であってもよい。
【0108】
[00118]本開示のシステムは、マイクロウェルプレートまたはキュベットのアレイなど
のウェルのアレイを受け入れるように構成されてもよい。ウェルのアレイは、市販のマイクロウェルプレートまたは特注設計のマイクロウェルプレートなどのマイクロウェルプレートであってもよい。ウェルのアレイは、ガラス(ホウケイ酸ガラスなど)、プラスチック(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートG、ポリメチルペンテンなど)、またはそれらの組み合わせで形成することができる。ウェルのアレイは、平らなまたは丸みを帯びた底部を含むウェルを有してもよい。ウェルのアレイは、6ウェルプレート、16ウェルプレート、32ウェルプレート、96ウェルプレート、または384ウェルプレートであってもよい。ウェルのアレイは複数のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、またはそれ以上のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、約1から約20のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、約1から約100のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、約10から約400のウェルを含んでもよい。複数のウェルは、約50から約1000のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも3つのウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも5つのウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも8つのウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも10個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも11個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも15個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも20個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも31個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも95個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも100個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも200個のウェルを含んでもよい。複数のウェルは少なくとも383個のウェルを含んでもよい。
【0109】
[00119]本開示のシステムは、複数のウェルを含んでいてもよく、複数のウェルのうち
の1つのウェルは、細胞を受け入れるように構成されてもよい。場合によっては、複数のウェルのうちの1つのウェルは、複数の細胞を受け入れるように構成されてもよい。場合によっては、複数のセルは、複数のウェルの各ウェルにおいて同じであってもよい。場合によっては、複数のセルは、複数のウェルの各ウェルにおいて異なっていてもよい。場合によっては、複数のウェルのうちの1つのウェルは、約2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、または2000の細胞を含んでもよい。
【0110】
[00120]場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約1細胞~約100細胞であって
もよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約1細胞~約200細胞であってもよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約1細胞~約500細胞であってもよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約1細胞~約1,000細胞であってもよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約1細胞~約2,000細胞であってもよい。いくつかの場合において、ウェル内の複数の細胞は、約10細胞~約100細胞であってもよい。いくつかの場合において、ウェル内の複数の細胞は、約10細胞~約500細胞であってもよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約500細胞~約
1,000細胞であってもよい。いくつかの場合において、ウェル内の複数の細胞は、約500細胞~約2,000細胞であってもよい。場合によっては、ウェル内の複数の細胞は、約100細胞~約500細胞であってもよい。
【0111】
[00121]いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞
は、少なくとも約10細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約50細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約100細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約250細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約500細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約750細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約1000細胞であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、少なくとも約2000細胞であってもよい。
【0112】
[00122]いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞
は、約10細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約50細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約100細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約250細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約500細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約750細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約1000細胞未満であってもよい。いくつかの場合において、複数のウェルのうちの1つのウェル内の複数の細胞は、約2000細胞未満であってもよい。
【0113】
[00123]本開示のシステムは、複数のウェルのうちの1つのウェル内の光検出可能セン
サの活性化の有無を検出することができる。システムは、複数のウェルの各ウェルにおける存在または不在を検出することができる。システムは、検出アセンブリを使用することによって存在または不在を検出するように構成することができる。このシステムは、約1分以内に、複数のウェルのうちの1つのウェル内の光検出可能センサの有無を検出することができる。システムは約40秒以内に検出することができる。システムは約30秒以内に検出することができる。システムは約20秒以内に検出することができる。システムは約10秒以内に検出することができる。システムは約1秒以内に検出することができる。システムは約100ミリ秒(ミリ秒)以内に検出することができる。システムは約50ミリ秒以内に検出することができる。システムは約10ミリ秒以内に検出することができる。システムは約1ミリ秒以内に検出することができる。
【0114】
[00124]システムは、約1分以内に、複数のウェルの各ウェル内の光検出可能センサの
有無を検出することができる。システムは、約30秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約10秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約1秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約100ミリ秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約50ミリ秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約10ミリ秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。システムは、約1ミリ秒以内に複数のウェルの各ウェル内を検出することができる。
【0115】
[00125]システムは、約20秒未満の時間枠内に複数のウェル(6ウェル、12ウェル
、96ウェル、384ウェルなど)の各ウェルから1つまたは複数の信号を収集することができる。システムは、約20秒、15秒、10秒、5秒、1秒、100ミリ秒、50ミリ秒、10ミリ秒、1ミリ秒、またはそれ以下の範囲内で複数のウェルの各ウェルから1つまたは複数の信号を収集することができる。
【0116】
[00126]システムは、複数のウェルのうちの各ウェルから1つまたは複数の信号を収集
することができる。システムは複数の信号を収集することができる。システムは、ウェルから約2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の信号を収集することができる。システムは、2つの活動電位の列など、2つの信号が同じである場合に、少なくとも2つの信号を収集することができる。システムは、電圧依存性イベントおよびイオン依存性イベントのように、2つの信号が異なる場合に、少なくとも2つの信号を収集することができる。2つの活動電位の列などのようなウェル内の2つ以上の信号が時間的に連続して発生してもよい。電圧依存性イベントおよびイオン依存性イベントなどのようなウェル内の2つ以上の信号が実質的に並行してまたは同時に発生してもよい。
【0117】
コンピュータ制御システム
[00127]本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされているコンピュータ
制御システムを提供する。
図4は、(i)励起源を制御して複数のウェルに光を供給する、(ii)マイクロプレートのウェルの領域に光を向けるなど、光の方向を制御する、(iii)情報(電気信号など)を収集および/またはデータベースまたはメモリなどに転送するように検出アセンブリを制御する、ようにプログラムされているか、あるいは構成されているコンピュータシステム401を示す。コンピュータシステム401は、例えば、(i)励起源を制御する、(ii)検出アセンブリを制御する、(iii)光路または光を受け入れるウェルの一部を制御する、(iv)情報(電気信号など)の収集および/または転送の頻度を制御すること、またはその他のことなど、本開示のデータ収集、データ分析、およびデータ記憶の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム401は、ユーザの電子機器、または電子機器に対して遠隔に位置するコンピュータシステムとすることができる。電子機器は携帯電子機器であってもよい。
【0118】
[00128]コンピュータシステム401は、中央処理装置(CPU、ここでは「プロセッ
サ」および「コンピュータプロセッサ」ともいう)405を含み、これはシングルコアまたはマルチコアプロセッサ、または並列処理用の複数のプロセッサとすることができる。コンピュータシステム401はまた、メモリまたはメモリ位置410(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置415(例えば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース420(例えば、ネットワークアダプタ)、およびキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺機器425を含む。メモリ410、記憶装置415、インターフェース420および周辺機器425は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU405と通信する。記憶装置415は、データを記憶するためのデータ記憶装置(またはデータリポジトリ)とすることができる。コンピュータシステム401は、通信インターフェース420を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)430に動作可能に結合することができる。ネットワーク430は、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、あるいはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットとすることができる。場合によっては、ネットワーク430は、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク430は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つまたは複数のコンピュータサーバを含んでもよい。場合によっては、コンピュータシステム401の助けを借りて、ネットワーク430は、ピアツーピアネットワークを実装することができ、それは、コンピュータシステム4
01に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして振る舞うことを可能にすることができる。
【0119】
[00129]CPU405は、プログラムまたはソフトウェアで具現化することができる一
連の機械可読命令を実行することができる。命令はメモリ410のようなメモリ位置に記憶されてもよい。命令はCPU405に向けられてもよく、CPU405は続いて本開示の方法を実施するためにCPU405をプログラムまたは構成することができる。CPU405によって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含んでもよい。
【0120】
[00130]CPU405は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム4
01の1つまたは複数の他の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0121】
[00131]記憶装置415は、ドライバ、ライブラリ、および保存プログラムなどのファ
イルを記憶することができる。記憶部415は、ユーザデータ、例えば、ユーザの好みやユーザプログラムを記憶することができる。場合によっては、コンピュータシステム401は、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム401と通信するリモートサーバ上に配置されるような、コンピュータシステム401の外部にある1つまたは複数の追加のデータ記憶ユニットを含んでもよい。
【0122】
[00132]コンピュータシステム401は、ネットワーク430を介して1つまたは複数
のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム401は、ユーザのリモートコンピュータシステム(例えば、ポータブルPC、タブレットPC、スマートフォン)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例には、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)のiPad(登録商標)、Samsung(登録商標)のGalaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)、Android対応機器、Blackberry(登録商標)、または携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク430を介してコンピュータシステム401にアクセスすることができる。
【0123】
[00133]本明細書に記載の方法は、例えばメモリ410または電子記憶装置415のよ
うなコンピュータシステム401の電子記憶場所に記憶された機械(例えばコンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供することができる。使用中に、コードはプロセッサ405によって実行することができる。場合によっては、コードは、プロセッサ405によるアクセスを容易にするために記憶装置415から検索し、メモリ410に記憶することができる。状況によっては、電子記憶装置415を除外することができ、機械実行可能命令がメモリ410に記憶される。
【0124】
[00134]コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有するマシンで使
用するために事前にコンパイルされ構成されてもよく、またはランタイム中にコンパイルされてもよい。コードは、コードをプリコンパイルまたはコンパイル時の形式で実行できるように選択できるプログラミング言語で提供することができる。
【0125】
[00135]コンピュータシステム401など、本明細書に提供されるシステムおよび方法
の態様は、プログラミングにおいて具現化することができる。本技術の様々な態様は、典型的には機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/またはある種の機械可読媒体に担持されているかまたはその中に具現化されている関連データの形態の「製品」または
「製造品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置に格納することができる。「ストレージ」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれかまたはすべてを含むことができ、これらはソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的ストレージを提供することができる。ソフトウェアの全部または一部は、インターネットまたは他の様々な電気通信ネットワークを介して通信される場合がある。このような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへ、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にする場合がある。したがって、ソフトウェア要素を担持することができる別のタイプの媒体は、有線および光地上通信網を介して、そして様々なエアリンクを介して、ローカルデバイス間の物理的インターフェースにわたって使用されるような光波、電波および電磁波を含む。そのような波を搬送する物理的要素、例えば有線または無線リンク、光リンクなどもまた、ソフトウェアを担う媒体と見なすことができる。本明細書では、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0126】
[00136]したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒
体、搬送波媒体、または物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用されてもよいような、任意のコンピュータなどの任意の記憶装置などの光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどの動的メモリを含む。有形の伝送媒体は、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む、銅線および光ファイバなどの同軸ケーブルを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号または電磁信号、あるいは無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音波または光波の形態をとってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード用紙、穴のパターンを有する他の任意の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を搬送する搬送波、このような搬送波を搬送するケーブルまたはリンク、あるいは、コンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取ることができる他の任意の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与してもよい。
【0127】
[00137]コンピュータシステム401は、(i)感光性センサなどのセンサの検出の確
認、(ii)センサを放射するウェルの面積パーセントまたはウェル内の細胞のパーセント、(iii)光源の強度または使用される光源の種類などのシステムの設定、またはその他の情報を提供または受信するように構成されたユーザインターフェース(UI)440を含む電子ディスプレイ435を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例には、限定はしないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースが含まれる。
【0128】
[00138]本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムによって実施
することができる。アルゴリズムは、中央処理装置405による実行時にソフトウェアによって実施することができる。例えば、アルゴリズムは、(i)検出アセンブリによって取得された情報をシステムのデータベースに格納された情報と比較する、(ii)光検出
可能センサなどのセンサの有無を確認する、ことができる。
【0129】
キット
[00139]キットは、使用説明書および本明細書に記載のシステム、例えば検出アセンブ
リおよび照明アセンブリを含むシステムを含んでもよい。キットは、1つまたは複数のアレイ、1つまたは複数のセンサ(例えば、光検出可能センサ)またはそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。
【0130】
実施例1:非興奮性細胞における発現イオンチャネル標的のスクリーニング
[00140]細胞内カルシウム蛍光指示薬Fluo4を、感光性アクチュエータチョップ2
および電位依存性カルシウムチャネルを発現するように設計された複数のHEK293細胞に添加する。Fluo4指示薬を含有する複数のHEK293細胞をマイクロプレートのウェルに分割する。分子がマイクロプレートのウェルの一部に添加される。次いで、各ウェル内のHEK293細胞を494ナノメートル(nm)の波長を有する光源で同時にかつ繰り返し刺激する。刺激は照明アセンブリによって提供される。各ウェル内の細胞応答は、516nmの波長でFluo-4指示薬の発光を検出することによって同時にモニターされる。検出アセンブリのフォトダイオードは蛍光発光を検出する。蛍光発光の大きさまたは時間的プロファイルは、分子がカルシウムイオンチャネルの1つまたは複数の過渡的な電位依存性構造に作用することを裏付けている。
【0131】
実施例2:非興奮性細胞における発現イオンチャネル標的のスクリーニング
[00141]細胞膜電位指示薬BeRSTを、感光性アクチュエータチョップ2、および電
位依存性イオンチャネル、ナトリウムチャネルNav1.7を発現するように設計した複数のHEK293細胞に添加する。BeRST指示薬を含有する複数のHEK293細胞をマイクロプレートのウェルに分割する。分子がマイクロプレートのウェルの一部に添加される。次いで、各ウェル内のHEK293細胞を、658ナノメートル(nm)の波長を有する光源で同時に刺激する。460nmの光のパルスは独立してアクチュエータを活性化し、ナトリウムチャネルNav1.7の一時的な反復活性化をもたらす。刺激は照明アセンブリによって提供される。各ウェル内の細胞応答は、683nmの波長でBeRST指示薬の発光を検出することによって同時にモニターされる。検出アセンブリのフォトダイオードは蛍光発光を検出する。蛍光発光の大きさまたは時間的プロファイルは、分子が電位依存性ナトリウムイオンチャネルの1つまたは複数の過渡的な電位依存性構造に作用することを確認する。
【0132】
実施例3:電気的興奮性細胞-自発的活性細胞の薬理学的評価
[00142]電位感受性色素VF2.1.C1を、IPS細胞から分化した複数の心筋細胞
に添加する。VF2.1.C1指示薬を含む複数の心筋細胞をマイクロプレートのウェルに分割する。化合物がマイクロプレートのウェルの一部に添加される。次いで、各ウェル内の心筋細胞を、460ナノメートル(nm)の波長を有する光源で同時に刺激する。刺激は照明アセンブリによって提供される。各ウェル内の細胞応答は、516nmの波長でVF2.1.C1指示薬の発光を検出することによって同時にモニターされる。検出アセンブリのフォトダイオードは蛍光発光を検出する。活動電位持続時間または脱分極速度におけるミリ秒以下のスケールの摂動は、自動発見的アルゴリズムによって検出され、潜在的な標的組織の毒性を予測するために使用される。
【0133】
実施例4:電気的興奮性細胞-光学的に歩調のとられた興奮性細胞の薬理学的評価
[00143]複数の心筋細胞が人工多能性幹(IPS)細胞から分化し、光応答性アクチュ
エータタンパク質、チョップ2を発現するように改変される。電位感受性色素BeRSTを複数の心筋細胞に添加する。BeRST指示薬を含み、光応答性アクチュエータチョップ2を発現する複数の心筋細胞をマイクロプレートのウェルに分割する。分子がマイクロ
プレートのウェルの一部に添加される。次いで、各ウェル内の心筋細胞を、第1のペーシング光の時限パルスおよび第2のペーシング光の時限パルスで同時に刺激する。第1のペーシングと第2のペーシングの両方が、460nmの第1の波長で起こり、一方、660nmの第2の励起波長がBeRST指示薬を励起するために提供される。光刺激は照明アセンブリによって提供される。各ウェル内の細胞応答は、690nmの波長でBeRST指示薬の発光を検出することによって同時にモニターされる。検出アセンブリは蛍光発光を検出する。2つの異なるペーシング条件に応じた摂動は、自動発見的アルゴリズムによって検出され、潜在的な心拍数依存性の標的組織毒性を予測するために使用される。
【0134】
実施例5:自発的に拍動している心筋細胞に対する安全性薬理アッセイ
[00144]自発的拍動活性が観察されるまで、誘導多能性幹細胞由来心筋細胞を384ウ
ェルマイクロタイタープレート中で増殖させた。細胞を電位感受性色素で染色した。
図6aに示すように、hERG阻害剤、E4031を様々な濃度(400nM、100nM、25nM、6.3nM、1.6nM、0nM)で384ウェルマイクロタイタープレートの異なるウェルへ添加した。電位感受性色素の蛍光発光の変化を、20秒間にわたって384個のウェルすべてに同時に収集した。収集したデータから、活動電位を独自のソフトウェアにより同定し、そして90%再分極における活動電位持続時間(APD90)を測定し、そして
図6bに示すようにhERG阻害剤、E4031の用量反応に変換した。
【0135】
実施例6:二波長刺激およびナトリウムチャネル活性のモニタリング
[00145]HEK293細胞は、静止膜電位を制御するために、Nav1.7ナトリウム
チャネル、感光性アクチュエータイオンチャネル、および補助カリウムイオンチャネルを発現するように操作された。マイクロタイタープレート中の細胞単層を電位感受性蛍光色素で染色した。
図7に示すように、電圧感受性蛍光色素を励起させ、発せられた蛍光を近赤外波長でモニターし、一方、青色光のパルスは細胞膜電位を部分的に減極させ、蛍光読み出しにおいて見られる一時的なナトリウムチャネル活性および活動電位電圧トレースをもたらした。単層内のパッチクランプされた細胞からの電圧トレースが比較のために示される。
【0136】
実施例7:近赤外電圧感知染料を用いた心筋細胞活動電位の同時多層取得および自動特徴付け
[00146]自発的に拍動している心筋細胞を、近赤外電圧感知色素で染色した384ウェ
ルマイクロタイタープレート中で増殖させ、660nmの光で連続的に照射した。
図8a-bに示すように、蛍光発光を20秒間記録し、各活動電位の開始(実線の縦線)および終了(点線の縦線)を独自のアルゴリズムを用いて検出した。約353±14ミリ秒(msec)の90%再分極(APD90)での活動電位持続時間の減少および毎分(bpm)約79.8拍動の拍動期間の減少が、コントロール群(
図8b)における約531±37ミリ秒のAPD90および約49.8bpmと比較して、頻脈誘発薬ニフェジピン(Adalata(登録商標)、Procardia(登録商標)、CAS番号21829-25-4)(
図8a)を含有するウェルにおいて観察された。同時に取得された96本のトレースのうち2本が表示される。
【0137】
実施例8:心筋細胞活動電位の二波長記録およびペーシング
[00147]心筋細胞を、光依存性細菌チャネル-ロドプシンを発現するHEK293細胞
と共にマイクロタイタープレート中で共培養し、近赤外電位感知染料で染色した。
図9a-bに示すように、低周波自発活動電位を記録し(
図9a)、続いて心筋細胞と操作されたHEK293細胞の電気的結合を介して約460ナノメートル(nm)0.5Hzペーシングパルス(
図9b)の列により誘発された活動電位記録を行った。
【0138】
実施例9:近赤外電圧感知色素を用いた同時多層二波長刺激およびナトリウムチャネル
活性の記録
[00148]ヒトNav1.7電位依存性ナトリウムチャネルと組み合わせて細菌チャネル
ロドプシンを発現するように操作されたHEK293細胞を、マイクロタイタープレート中で増殖させ、そして近赤外電位感知色素で染色した。
図10a~cに示すように、活動電位を刺激するために、約660ナノメートル(nm)の光および約460nmの光の約4Hzの10ミリ秒パルスでウェルを連続的に照射した(
図10a)。96本のうち2本のトレースが同時に蛍光トレースを測定することが
図10b-cに示される。
【0139】
[00149]本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、そのような実施
形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明が本明細書内に提供される特定の実施例によって限定されることを意図しない。本発明を前述の明細書を参照して説明したが、本明細書の実施形態の説明と例示は限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を思い付くであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成、または相対比率に限定されないことを理解されたい。本明細書中に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替物が本発明を実施する際に使用されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明はそのような代替物、修正物、変形物または等価物も網羅すると考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、そしてこれらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明アセンブリおよび検出アセンブリを備えるシステムであって、前記システムは、
(a)ウェルのアレイのうちの複数のウェルに光を向け、
(b)前記複数のウェルの各ウェルから信号を少なくとも実質的に並行して収集し、
(c)各信号を少なくとも実施的に並行して対応する検出器へ転送する、ように構成され、
1000ヘルツ(Hz)よりも大きい前記アレイのウェルにわたる前記信号のサンプリングレートを有する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記複数のウェルの各ウェルから前記信号を収集と、転送は同時に起こる、システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムであって、前記照明アセンブリは、励起源からの前記光をウェルのアレイの前記複数のウェルに向けるように構成され、
前記複数のウェルの各ウェルは細胞を受け入れるように構成され、
前記励起源からの前記光の少なくとも一部は、前記複数のウェルの各ウェルの少なくとも一部を照明して少なくとも部分的に照明されたウェルを形成する、システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記検出アセンブリは、
(i)前記複数のウェルの各ウェルから前記信号を収集し
(ii)前記複数のウェルの各ウェルから前記信号を前記対応する検出器へ転送する、ように構成され、レンズは、前記複数のウェルの各ウェルから前記信号の少なくとも一部を前記対応する検出器に集束させるように構成され、前記複数のウェルの各ウェルからの信号の少なくとも一部は独立した検出器に転送される、システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステムであって、前記検出アセンブリは光の入射経路へ少なくとも実質的に平行な軸に沿って前記複数のウェルの各ウェルからの信号を収集するよう構成される、システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のシステムであって、前記検出器は光学検出器である、システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のシステムであって、前記信号は前記検出器によって電流信号に変換される、システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステムであって、前記サンプリングレートは1000Hzから12,000Hzである、システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のシステムであって、前記検出アセンブリは、信号収集光学系を含み、前記信号収集光学系の開口数は0.2から0.8である、システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステムであって、前記照明アセンブリは励起光学系を備え、前記複数のウェルの各々への前記励起光学系の焦点距離は、前記複数のウェルのうちの対応するウェルから前記信号を収集する前記信号収集光学系の焦点距離よりも長い、システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のシステムであって、前記照明アセンブリは2つ以上の励起源を備える、システム。
【請求項12】
請求項3から11のいずれか一項に記載のシステムであって、前記励起光源は、前記複数のウェルのうちの1つ以上のウェルに5ミリワット/平方ミリメートル(mW/mm2)を超える光強度を提供する、システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムであって、前記対応する検出器はフォトダイオードを備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記フォトダイオードは、p-i-n(PIN)フォトダイオード、p-n(PN)フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、ショットキーフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせを備える、システム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムであって、前記フォトダイオードは、蛍光、燐光、発光、またはそれらの任意の組合せを検出する、システム。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のシステムであって、前記検出アセンブリは複数の対応する検出器を備える、システム。
【外国語明細書】