(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180535
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのモニタリングシステム、およびそれに用いるトランジットガードユニット
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20221129BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
H02G3/22
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022150927
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2019557565の分割
【原出願日】2018-05-09
(31)【優先権主張番号】1750571-0
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】パーション マティアス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のトランジット要素を有するトランジットのモニタリングシステムを提供する。
【解決手段】トランジット1a、1b、1nは、ケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされているかシールされていないかを検出するトランジットガードユニット50a、50b、50nを有する。中央モニタリングユニット70は、トランジットガードユニット50a、50b、50nから得た第1の情報が、トランジット1a、1b、1nがシールされていることを示すときに緑色の状態にあるとして登録し、トランジット1a、1b、1nがシールされていないことを示すときに、赤色の状態にあるとして登録する。中央モニタリングユニット70は、特定のトランジット1aが赤色の状態にあるとき、トランジットガードユニット50aによって得た第2の情報が、トランジット1aがシールされていることを示すときに、トランジット1aの状態を黄色に変える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)のモニタリングシステム(2)であって、現場(5)で1つ以上のケーブル(2)、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素(10,20,30,40;42;400)を有するタイプのものであり、前記モニタリングシステムは、
各トランジット(1;1a・・・1n)について、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出するように構成されたトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)であって、前記トランジットガードユニットは、通信ネットワーク(60;60a)に接続可能である、トランジットガードユニットと、
中央モニタリングユニット(70)と、
を備え、
前記中央モニタリングユニット(70)は、
通信ネットワーク(60)または別の通信ネットワーク(60b)を介して、トランジット(1a・・・1n)のいずれかのトランジットガードユニット(50)によって検出された状態についての第1の情報(110,112)を得る;
得られた第1の情報(110)が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示すときに、特定のトランジット(1a)を第1の状態(緑色)にあるとして登録する;
得られた第1の情報(112)が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示すときに、特定のトランジット(1a)を第2の状態(赤色)にあるとして登録する;
特定のトランジット(1a)が第2の状態(赤色)にある間、前記特定のトランジット(1a)のトランジットガードユニット(50a)によって検出された状態についての第2の情報(114)を得る;
得られた第2の情報が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す場合、特定のトランジット(1a)の登録された状態を第3の状態(黄色)に変える;および
それぞれのトランジット(1a-1n)の登録された状態(緑色、赤色、黄色)を、前記モニタリングシステム(2)のユーザ(3,4)が利用できるようにする、
ように構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項2】
請求項1に記載のモニタリングシステム(2)であって、前記中央モニタリングユニット(70)は、
特定のトランジット(1a)が第3の状態(黄色)にある間、前記モニタリングシステム(2)のユーザ(4)からの認証(116)を得る;および
それに応じて特定のトランジット(1a)の登録された状態を第1の状態(緑色)に変える、
ように構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモニタリングシステム(2)であって、各トランジット(1a)について状態表示ユニット(90;90’;290;390)をさらに備え、前記状態表示ユニット(90;90’;290;390)は、設置されている現場(5)でのトランジット(1a)の状態の局所的表示を提供するように構成される、モニタリングシステム(2)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、状態表示ユニット(90;290;390)は、トランジットガードユニット(50;250;350;450)に含まれる、モニタリングシステム(2)。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、状態表示ユニット(90’)は、トランジット(1a)に設置されている別のデバイスである、モニタリングシステム(2)。
【請求項6】
請求項4または5に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(50)は、
前記中央モニタリングユニット(70)からトランジット(1)の状態が新しい状態に変えられたという指示を得る;および
新しい状態を示すように状態表示ユニット(90;90’)を制御する、
ように構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項7】
請求項5に記載のモニタリングシステム(2)であって、状態表示ユニット(90’)は、
前記中央モニタリングユニット(70)またはトランジットガードユニット(50)からトランジット(1)の状態が新しい状態に変えられたという指示を得る;および
それに応じて新しい状態を示す、
ように構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、状態表示ユニット(90;90’)は、以下の
LEDインジケータ(92;192)のセットであって、各LEDインジケータは、該当する場合に、第1の状態(緑色)、第2の状態(赤色)および第3の状態(黄色)のそれぞれ1つを示すように適合される、LEDインジケータのセット;
多色LEDインジケータであって、該当する場合に、第1の状態(緑色)、第2の状態(赤色)および第3の状態(黄色)のそれぞれ1つを示すように適合される、多色LEDインジケータ;および
ディスプレー画面(94)であって、該当する場合に、第1の状態(緑色)、第2の状態(赤色)および第3の状態(黄色)を視覚的に表すように適合されたディスプレー画面、
のうちの1つ以上を備える、
モニタリングシステム(2)。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(50)または状態表示ユニット(90’)は、
メモリ(53;93)であって、該当する場合に、第1の状態(緑色)、第2の状態(赤色)、または第3の状態(黄色)を表す、状態値(トランジット状態)を保存するメモリと、
近距離無線通信インターフェース(96)と、
をさらに備え、
トランジットガードユニット(50)または状態表示ユニット(90’)は、前記メモリ(53;93)に保存された状態値(トランジット状態)を、近距離無線通信インターフェース(96)を介して外部検査デバイス(82)によって読み取れるようにするように、構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、
前記または1つのタイプのトランジット(1;1a)は、1つ以上の締め付け部材(41)によって作動する圧縮ユニット(ウェッジ)(40)を備え、トランジットガードユニット(50;150)は、
ハウジング(154)であって、前記圧縮ユニット(40)への取り付けに適合し、1つ以上の締め付け部材(41)との係合のための1つ以上の凹部(156)を有する、ハウジング(154)と、
センサ(52;152)であって、凹部または1つ以上の凹部(156)に位置し、トランジットガードユニット(50;150)が、前記圧縮ユニット(40)の所定の位置にある、またはそこから取り外されている、として前記状態を検出するのに適合している、センサ(52;152)と、
を備える、
モニタリングシステム(2)。
【請求項11】
請求項8および10に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(150)のハウジング(154)は、前記LEDインジケータ(92;192)のセット、前記多色LEDインジケータ、または状態表示ユニット(90)のディスプレー画面(94)も備える、
モニタリングシステム(2)。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(50;150)は、前記トランジット(1;1a)からのトランジット要素(10,20,30,40,42;400)の存在または取り出しとして前記状態を検出するように適合されたセンサ(52;152)を備える、
モニタリングシステム(2)。
【請求項13】
請求項1から9のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(50;150;250;350;450)は、トランジットガードユニット(50;150;250;350;450)が、前記トランジット(1;1a)の所定の位置にある、または前記トランジット(1;1a)から取り外されている、として前記状態を検出するのに適合されたセンサ(452)を備える、
モニタリングシステム(2)。
【請求項14】
請求項12または13に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジットガードユニット(250;350)は、前記トランジット(1;1a)の1つのタイプのトランジット要素(20)、または前記1つのタイプのトランジット要素(20)の1つのタイプの部品(28)、と同じ全体形状である、
モニタリングシステム(2)。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、トランジット要素(10,20,30,40,42;400)または前記1つのタイプのトランジット要素は、以下の
フレーム(10);
圧縮性モジュール(20);
ステープレート(30);
圧縮ユニット(ウェッジ)(40);
ウェッジクリップ(42);および
複合フレームおよび圧縮性モジュール(400)、
のうちのいずれか1つである、
モニタリングシステム(2)。
【請求項16】
請求項14に記載のモニタリングシステム(2)であって、前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮性モジュール(20)であり、トランジットガードユニット(250;350)は、圧縮性モジュール(20)と同じ全体形状のハウジング(254;354)を有し、トランジットガードユニット(254;354)は、トランジット(1;1a)に圧縮性モジュール(20)の代わりに取り付けられるように適合される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項17】
請求項14に記載のモニタリングシステム(2)であって、前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮性モジュール(20)であり、トランジットガードユニット(250;350)は、圧縮性モジュール(20)のコア(28)と同じ全体形状のハウジング(254;354)を有し、トランジットガードユニット(254;354)は、トランジット(1;1a)に圧縮性モジュール(20)のコア(28)の代わりに取り付けられるように適合される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項18】
請求項12から17のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、センサ(52;152;452)は、以下の
圧力センサ;
圧電センサ;
電気スイッチ(152);
磁気スイッチ;
ホール効果センサ;
フォトセンサ、
のいずれかである、
モニタリングシステム(2)。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、前記中央モニタリングユニット(70)は、
個々のトランジット(1a-1n)間の関連を保存する;
第1のトランジット(1a)が第2の状態(赤色)で登録されるときに:
第1のトランジット(1a)が少なくとも第2のトランジット(1b)と関連するかどうかを決定する;および、そうであるならば、
第3の状態(黄色)にあるように、第2のトランジット(1b)の強制登録を生じさせる、
ようにさらに構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか1項に記載のモニタリングシステム(2)であって、前記中央モニタリングユニット(70)は、
個々のトランジット(1a-1n)間の関連を保存する;
第1のトランジット(1a)が第2の状態(赤色)で登録されるときに:
第1のトランジット(1a)が少なくとも第2のトランジット(1b)と関連するかどうかを決定する;および、そうであるならば、
第2の状態(赤色)にあるように、第2のトランジット(1b)の強制登録を生じさせる、
ようにさらに構成される、
モニタリングシステム(2)。
【請求項21】
ケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)のトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)であって、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)は、現場(5)で1つ以上のケーブル(2)、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素(10,20,30,40;42;400)を有し、トランジットガードユニットは、
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出する;
検出された状態を、通信インターフェース(56)を介して通信ネットワーク(60;60a)に、または近距離無線通信インターフェース(96)を介してモバイル機器に、送信する;
通信インターフェース(56)を介してまたは近距離無線通信インターフェース(96)を介して、トランジット(1)の状態が新しい状態に変わったという指示を受け取る;および
現場(5)のユーザ(3,4)への新しい状態の表示を生じさせる、
ように構成される、
トランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)。
【請求項22】
請求項21に記載のトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)であって、新しい状態は、以下の
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す第1の状態(緑色);
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示す第2の状態(赤色);および
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされるように戻されたが認定ユーザ(4)による認証を必要とすることを示す、第3の状態(黄色)、
のうちの1つである、
トランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置の分野に概して関し、具体的には、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのモニタリングに関し、各トランジットは、現場で1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれた複数のトランジット要素を備え得る。
【背景技術】
【0002】
ケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置は、キャビネット、技術的シェルター、接続箱および機械などの、多くの異なる環境でよく使用される。それらは、自動車用、電気通信、発電および電力供給などの、様々な異なる産業、また海洋および沖合で使用される。シールされた設置は、流体、気体、火、齧歯動物、シロアリ、ほこり、湿気等に対して効果的にシールする働きをし、電気、通信、コンピュータ等用のケーブル、水、圧縮空気、油圧油および調理ガスなどの様々な気体または液体用のパイプ、および負荷保持用のワイヤを含み得る。
【0003】
本出願人は、シール目的でのケーブル、パイプまたはワイヤの発展における世界的なリーダーである。リードスルーとも称されることがあるトランジットは、複数の異なるトランジット要素で構成され、複数の異なるトランジット要素は、現場での設置によって1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる。1つの一般的に使用されるトランジットタイプは、本質的に長方形のフレームを有し、その内側に、いくつものモジュールが、ケーブル、パイプまたはワイヤを受け取るように配置される。モジュールは、ゴムまたはプラスチックなどの、弾性材料で作られ、従って圧縮性であり、さらに、ケーブル、パイプまたはワイヤの異なる外径に適応できる。モジュールは、ある種の圧縮ユニットと共に1つ以上の列で並んで典型的に配置される。圧縮ユニットは、フレームとモジュールとの間に、圧縮ユニットが膨張するときに、圧縮性モジュールが、ケーブル、ワイヤまたはパイプの周りで圧縮される方法で、配置される。説明を簡単にするために、「ケーブル」という用語がこの文書で主に使用されるが、それは広く解釈されるべきであり、当業者は、それが通常パイプまたはワイヤにも及ぶ、またはその同等であることに、気付く。
【0004】
別のタイプのトランジットは、本質的に円筒形であり、壁または壁の開口の、パイプスリーブとしても知られる、スリーブに受け取られるようになっている。望ましい方法で機能するために、トランジットは、スリーブ、またはそれが受け取られる壁の開口にぴったりと収まるように適合され、トランジットは、実際の取付寸法に適応可能である。取付寸法は、スリーブまたは開口の内径によって決まる。トランジットは、円筒形圧縮性本体を有し、それは、圧縮性本体の両端にある器具の間で軸方向に圧縮される。軸方向圧縮によって、円筒形本体は、径方向に内側にも外側にも大きくなる。さらに、受け取られるケーブルは、異なる外径を有してよく、従って、モジュールは、異なる外径を有するケーブルに適応できる。
【0005】
他のタイプのトランジットも、当業者がそれ自体を十分に把握しているように、技術分野で知られている。
【0006】
本発明者は、1つ以上の現場で動作中のトランジットのモニタリングが、この文書の以下の部分の読者に見てとれるいくつかの理由で改善が必要である重要な活動であることに気付いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、発明の目的は、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのモニタリングにおける1つ以上の改善を提供することであり、各トランジットは、現場での1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれた複数のトランジット要素を備える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、現場で1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素を有するタイプのケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのモニタリングシステムである。モニタリングシステムは、各トランジットについて、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出するように構成されたトランジットガードユニットを備える。トランジットガードユニットは、通信ネットワークに接続可能である。
【0009】
モニタリングシステムは、中央モニタリングユニットも備え、それは、通信ネットワークまたは別の通信ネットワークを介して、トランジットのいずれかのトランジットガードユニットによって検出された状態についての第1の情報を得て、得られた第1の情報が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示すときに、特定のトランジットを第1の状態、緑色、にあるとして登録し、得られた第1の情報が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示すときに、特定のトランジットを第2の状態、赤色、にあるとして登録するように、構成される。
【0010】
中央モニタリングユニットは、特定のトランジットが第2の状態、赤色にある間、前記の特定のトランジットのトランジットガードユニットによって検出された状態についての第2の情報を得るように、さらに構成される。得られた第2の情報が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す場合、中央モニタリングユニットは、特定のトランジットの登録された状態を、黄色などの、第3の状態に変えるように構成される。中央モニタリングユニットは、それぞれのトランジットの、登録された状態、緑色、赤色、黄色を、モニタリングシステムのユーザが利用できるようにするようにも構成される。
【0011】
モニタリングシステムおよびその部品のさらなる特徴は、詳細な説明部分に記載され、図面に示される。また、さらなる態様は、第1態様によるモニタリングシステムの対応方法として見ることができ、その方法は、第1態様によるモニタリングシステムによって行われる機能ステップを含む。
【0012】
本発明の別の態様は、現場で1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素を有する、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのトランジットガードユニットである。トランジットガードユニットは、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出し、検出された状態を、通信インターフェースを介して通信ネットワークに、または近距離無線通信インターフェースを介してモバイル機器に、送信し、通信インターフェースを介してまたは近距離無線通信インターフェースを介して、トランジットの状態が新しい状態に変わったという指示を受け取り、現場のユーザへの新しい状態の表示を生じさせるように、構成される。
【0013】
新しい状態は、有利には、3つのあり得る状態:トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す、緑色などの、第1の状態、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示す、赤色などの、第2の状態、および、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされるように戻されたが認定ユーザによる認証を必要とすることを示す、黄色などの、第3の状態、のうちの1つであり得る。
【0014】
第2態様によるトランジットガードユニットは、第1態様によるモニタリングシステムの一部であるトランジットガードユニットについてこの文書で記載される機能的特徴のいずれかまたは全てを有し得る。また、さらなる態様が、第2態様によるトランジットガードユニットの対応方法として見ることができ、その方法は、第2態様によるトランジットガードユニットによって行われる機能ステップを含む。
【0015】
発明のさらに他の態様および特徴は、添付の「特許請求の範囲」によって定められ、詳細な説明部分でおよび図面で、解決される課題および得られる利点と共に、さらに説明される。
【0016】
この明細書で使用される場合の「備える(comprises/comprising)」という用語は、定められた特徴、整数、ステップまたは部品の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、部品またはそのグループの追加または存在を除外しないことが、強調されなければならない。請求項で使用される全ての用語は、本明細書で明示的に定めた場合を除き、技術分野におけるその通常の意味に従って解釈されるべきである。“(a/an/the)「要素、装置、部品、手段、ステップ等」”に対する全ての言及は、明示的に述べた場合を除き、要素、装置、部品、手段、ステップ等の少なくとも1つの例に言及すると、公然と解釈されるべきである。本明細書に開示される方法のステップは、明示的に述べない限り、開示される順番通りに行われなくてもよい。
【0017】
発明の実施形態の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から現れ、添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】現場での設置によって複数のケーブルのシールされた設置に組み込まれた複数の異なるトランジット要素を備えるトランジットの概略等角図である。
【
図2A】本質的に長方形のフレームの形の第1のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
【
図2B】圧縮性モジュールの形の第2のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
【
図2C】ステープレートの形の第3のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
【
図2D】ウェッジまたは圧縮ユニットの形の第4のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
【
図2E】ウェッジクリップの形の第5のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
【
図3】より複雑なトランジットの概略等角図である。
【
図4A】一実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図4B】一実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図5A】トランジットに取り付けられているときの
図4Aおよび4Bのトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図5B】
図5Aのトランジットガードユニットおよびトランジットの概略上面図である。
【
図5C】
図5Aのトランジットガードユニットおよびトランジットの概略正面図である。
【
図5D】
図5Aのトランジットガードユニットおよびトランジットの概略側面図である。
【
図6】一実施形態によるケーブル、パイプまたはワイヤトランジットのモニタリングシステムの概略図である。
【
図7A】トランジットガードおよびトランジットの異なる実施形態、およびどのようにローカルユーザが点検し得るかを示す。
【
図7B】トランジットガードおよびトランジットの異なる実施形態、およびどのようにローカルユーザが点検し得るかを示す。
【
図7C】トランジットガードおよびトランジットの異なる実施形態、およびどのようにローカルユーザが点検し得るかを示す。
【
図8A】一実施形態による組み込まれた状態表示ユニットを有するトランジットガードユニットの概略ブロック図である。
【
図8B】別の実施形態によるトランジットガードユニットから分けられた装置である状態表示ユニットの概略ブロック図である。
【
図9】本発明の背後にある原理を示す状態図である。
【
図10A】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図10B】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略側面図である。
【
図10C】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略正面図である。
【
図11A】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図11B】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略側面図である。
【
図11C】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略正面図である。
【
図12A】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図12B】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【
図12C】代替実施形態によるトランジットガードユニットの概略等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の実施形態が、添付図面に関連してこれから記載される。発明は、しかしながら、多くの異なる形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が、徹底的で完全であるように、および発明の範囲を当業者に十分に伝えるように、提供される。添付図面に示される特定の実施形態の詳細な説明で使用される用語は、発明を限定することを意図していない。図では、同様の番号は同様の要素に言及する。
【0020】
図1は、リードスルーとしても知られる、トランジット1を概略的に示し、トランジット1は、現場での設置によって複数のケーブル2のシールされた設置に組み込まれた複数の異なるトランジット要素10,20,30,40,42を備える。一般に、トランジットを構成するトランジット要素は、異なるタイプであってよく、実施に応じて、単一の例または複数の例として存在してよい。
【0021】
図1に見られるように、トランジット1は、フレーム10を備え、その内側に複数の圧縮性モジュールが、異なる寸法および数で配置される(圧縮性モジュールの3つだけが、
図1で20
1,20
2および20
3として示されている)。トランジット1のフレーム10は、パッキング、シーリングまたは溶接接合12によって取り付けられる。
【0022】
圧縮モジュール20が、
図2Bに示されている。圧縮モジュール20は、2つの半分22,24に分割される箱状体を有する。弾性材料のいくつもの層26は、センターコア28の周りで本体22,24に同心円状に配置される。設置時にコア28を取り除き適切な数の層26を剥がすことによって、圧縮性モジュール20は、異なる直径のケーブルのうちのケーブル2にしっかり係合するように適合され得る。
図1に見られる例では、2つのケーブル2だけが、2つのそれぞれのモジュール20に取り付けられ、残りの
図1のモジュール20は、ケーブルリードスルーに現在使用されておらず、従ってそれぞれのコア28を所定の位置に依然として有する。
【0023】
図1から明らかなように、(主な)トランジット要素タイプ(圧縮性モジュール20など)は、例えば寸法によって識別される(
図1のモジュール20
2および20
3参照)、異なる(サブ)タイプで順に現れてよい。
【0024】
図2Cは、ステープレート(stay plate)30の形の第3タイプのトランジット要素を示し、それは、
図1に見られるように、フレーム10の中の圧縮性モジュール20の異なる列を分けるのに使用される。
【0025】
図2Dは、ウェッジまたは圧縮ユニット40の形の第4のタイプのトランジット要素を示す。ウェッジクリップ42の形の第5のタイプのトランジット要素が、
図2Eに見られる。圧縮ユニット40は、圧縮ユニットが膨張するときに、シールされた設置が実現するように圧縮性モジュールがケーブル2の周りで圧縮される方法で、フレーム10とモジュール20との間に配置される。圧縮ユニットが十分に膨張したときに、その締め付け部材(ボルトまたはねじ)41は、ウェッジクリップ42がそれらに取り付けられるに十分であるほど遠くに突出する。従って、ウェッジクリップ42が取り付けられるときに、それは、圧縮ユニットが十分に膨張したことの表れである。代替的にまたは追加的に、ウェッジクリップ42は、圧縮ユニット40の予想外の緩み(非膨張)を防ぐ働きをし得る。
【0026】
異なるトランジットは、当該設置場所での自然および実現要件に応じて、寸法および複雑さにおいてかなり異なり得ることが、気付かれるべきである。
図3は、より複雑なトランジットの例を示す。
【0027】
この文書の背景部分で前述したように、1つ以上の現場で動作中のトランジットのモニタリングの一般的必要性がある。この目的に向けて、および本発明に従って、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジットおよびトランジットガードユニットが、残りの図面に関連してこれから記載される様々な実施形態で提供される。
【0028】
図6に見られるように、モニタリングシステム2は、発明の一実施形態に従って提供された。モニタリングシステム2は、2つの主な部品:1)複数のトランジットガードユニット50a-50n、各トランジット1a-1nにつき1つがモニタされる、および2)それぞれのトランジットガードユニット50a-50nによって検出されるトランジット1a-1nの現在の状態に関するトランジットガードユニット50a-50nからの報告を受ける中央モニタリングユニット70、を有する。より詳細には、各トランジットガードユニット50aによって検出される状態は、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す。
【0029】
中央モニタリングユニット70とトランジットガードユニット50a-50nとは、1つ以上の通信ネットワーク60,60a-c)によって動作可能に接続され、それは、モバイル通信ネットワーク(商業的に利用可能なモバイル通信規格、例えば(これに限定されない)GSM(登録商標)、UMTS、LTE(登録商標)、D-AMPS、CDMA2000、FOMAおよびTD-SCDMA、に準拠している)、広域データネットワーク(インターネットまたはその一部の形態のIPベースのデータネットワークなど)、ローカルエリア・ネットワーク(WiFi/WLAN、Bluetooth(登録商標)またはLANネットワーク)、産業データバス(ASI、CANbus、ProfiBusまたはModbus)、またはその組み合わせ、であってよい。
図6に見られるように、モニタリングシステム2の一実施形態では、トランジットガードユニット50a-50nは、ローカルエリア・ネットワーク60a,60cに無線リンク61a-61nを介し接続し、一方、中央モニタリングユニット70は、ローカルエリア・ネットワーク60a,60cが接続される広域ネットワーク60bに接続する。代替的に、
図6に見られるように、全てのユニットは、例えば、インターネットまたはまたはその一部である、共通する一つの広域ネットワーク60に接続され得る。
【0030】
トランジットガードユニット50の一実施形態150(
図6のトランジットガードユニット50a-50nの1つを実施している)が、
図4Aおよび4Bに示されている。
図5A-5Dは、トランジット1(
図6のトランジット1a-1nの1つを実施している)に取り付けられているときのトランジットガードユニット150を示す。この実施形態のトランジットガードユニット150は、
図1および2Dに見られるウェッジ40など、トランジット1の圧縮ユニットに取り付けられるように適合される。圧縮ユニットまたはウェッジ40は、トランジットのケーブルのシールされた設置を実現するように、1つ以上の締め付け部材、開示される実施形態では2つの締め付け部材41(
図2D参照)、によって作動する。
【0031】
従って、トランジットガードユニット150は、ハウジング154を備え、ハウジング154は、締め付け部材41との係合のために、1つ以上の凹部、開示される実施形態では2つの凹部156、を有することによって圧縮ユニットまたはウェッジ40への取り付けに適合している。センサ152は、凹部または1つ以上の凹部に、開示される実施形態では2つの凹部156の1つに、位置し、トランジットガードユニット150が、圧縮ユニットまたはウェッジ40の所定の位置にあるか、またはそこから取り外されているかを、それぞれ検出することができることによって、前記の状態を検出するのに適合している。開示される実施形態では、センサ152は、電気スイッチであり、電気スイッチは、トランジットガードユニット150が圧縮ユニットまたはウェッジ40に所定の位置で取り付けられているときに、圧縮ユニットまたはウェッジ40の締め付け部材41の1つとの係合によって押された/閉じた状態に保たれる、および、トランジットガードユニット150が圧縮ユニットまたはウェッジ40から取り外されているときに、開放される/開かれる。他の種類のセンサも、
図8Aに関連してこの明細書で後に説明されるように、また一方で可能である。
【0032】
図5A-5Dに見られるように、トランジットガードユニット150のハウジング154は、トランジットガードユニット150の状態表示ユニットの一部であるLEDインジケータ192のセットも備える。
【0033】
開示された実施形態によるモニタリングシステム2の機能性が、再び
図6に関連してより詳細にこれから記載される。加えて、本発明の背後にある原理を示す状態
図100も参照されたい。
【0034】
前述したように、各トランジット1a・・・1nのトランジットガードユニット50a・・・50nは、それぞれのトランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出するように構成される。この目的で、トランジットガードユニットは、通信ネットワーク60a,60cまたは60に接続可能である。
図4A-4Bおよび5A-5Dの上記の実施形態について、センサ152は、この状態を検出するためにトランジットガードユニットによって使用される要素である。
【0035】
中央モニタリングユニット70は、通信ネットワーク60bまたは前記の共通する通信ネットワーク60を介して、トランジット1a・・・1nのトランジットガードユニット50a・・・50nによって検出される状態に関する第1の情報を得るように構成される。ここで、そのような第1の情報は、
図6の特定のトランジット1aから得られると考えられる。第1の情報は、
図4A-4Bおよび5A-5Dの実施形態について、閉位置(トランジットガードユニット50が特定のトランジット1aの圧縮ユニットまたはウェッジ40に十分に取り付けられている)または開位置(トランジットガードユニット50が特定のトランジット1aの圧縮ユニットまたはウェッジ40に十分に取り付けられていない、従って締め付け部材41は手を加えるようにアクセス可能である)にあるセンサ152の読み取りを表すデータを含み得る。
【0036】
得られた第1の情報が、特定のトランジット1aのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示すときに、中央モニタリングユニット70は、特定のトランジット1aを第1の状態、緑色、にあるとして登録する。これは、
図9の状態
図100の102および110に見られる。
【0037】
一方、得られた第1の情報が、特定のトランジット1aのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示すときに、中央モニタリングユニット70は、特定のトランジット1aを第2の状態、赤色、にあるとして登録する。これは、
図9の104および112に見られ、特定のトランジット1aの不測の誤動作または意図的な操作によって、および/または特定のトランジット1aで点検または修理をするローカルユーザ3によって、引き起こされ得る。
【0038】
特定のトランジット1aが第2の状態、赤色、にある間、中央モニタリングユニット70は、特定のトランジット1aのトランジットガードユニット50aによって検出される状態に関する第2の情報を得るように構成される。そのような得られた第2の情報が、トランジット1aのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す場合、中央モニタリングユニット70は、特定のトランジット1aの登録された状態を第3の状態、黄色に変更する。これは、
図9の106および114に見られ、ローカルユーザ3が、特定のトランジット1aを訪れて、例えば、それを、トランジット要素およびケーブルを適切な位置に再配置する、必要に応じて欠陥トランジット要素およびケーブルを交換する、パッキング、シーリングまたは溶接接合12を交換または修復する、圧縮ユニットまたはウェッジ40を締める等によって、通常の、シールされた状態に戻したときに、起こり得る。それは、誰かが、最初に緑色から赤色への変更(潜在的にシールされていない状態が検出される)およびその後赤色から黄色への変更(シールされた状態が検出される)を引き起こす断続的な仕方で、間違ってまたは意図的に特定のトランジット1aに干渉したときにも、すなわち、緑色から赤色への変更を引き起こした偶発的または意図的な行動が終わったとしても逆にされたとしても、起こり得る。
【0039】
中央モニタリングユニット70によって各トランジット1a-1n毎に登録された状態は、
図6の74にあるように、メモリ72に保存される。これは、中央モニタリングユニット70が、それぞれのトランジット1a-1nの登録された状態(すなわち、緑色、赤色、黄色)を、モニタリングシステム2のユーザ4が利用できるようにすることを、可能にする。例えば、ユーザ4は、中央モニタリングユニット70に問い合わせるために、または中央モニタリングユニット70によって提供された登録されたトランジット状態報告を得るために、コンピュータ・デバイス78を使用し得る。
【0040】
各トランジットガードユニット50の状態表示ユニットは、例えば現在の状態に応じてそれぞれのLEDインジケータ192のスイッチを入れたり切ったりすることによって、設置されている現場5での特定のトランジット1の状態の局所的表示を提供するように構成される。従って、状態の変更が中央モニタリングユニット70によって登録されたときに、それは、この趣旨で特定のトランジット1のトランジットガードユニット50に指示を送る。従って、特定のトランジット1は、中央モニタリングユニット70から特定のトランジット1の状態が変えられたという指示を得るように、および新しい状態を示すようにその状態表示ユニットを制御するように、構成される。例えば、トランジットガードユニットの実施形態150について、これは、LEDインジケータ192のうちの関連する1つをオンにし、他をオフにすることを含む、または、単一の多色LEDが使用される場合、関連する色(例えば、緑色、赤色または黄色)の光をそれが生じさせるようにする。
【0041】
黄色状態の1つの利点は、それが、モニタリングシステム2のトランジット1a-1nについての論理状態記憶部を導入することである。モニタリングシステム2は、特定のトランジットが、最初にそれを潜在的にシールされていない状態に変え得る何かにさらされ、その後シールされた状態と思える状態に誰かによって回復されたことを、「記憶」している。トランジットガードユニットによって検出される情報(例えば、センサ152の出力)のみが、特定のトランジットでの局所的状態表示を与えるのに使用されるならば、特定のトランジットにいるローカルユーザ3は、特定のトランジットが手を加えられたかもしれないことを認識できないだろう。
【0042】
有利には、特定のトランジット1aが第3の状態、黄色にある間、中央モニタリングユニット70は、モニタリングシステム2のユーザ4からの認証を得るように、およびそれに応じて特定のトランジット1aの登録された状態を第1の状態、緑色に変えるように、構成される。これは、
図9の102および116に見られる。中央モニタリングユニット70は、また、状態の変更に関する情報を上記のように特定のトランジットガード50に送り、特定のトランジットガード50が、以前の状態、黄色を示すのをやめて、代わりに新しい状態、緑色を示すために、その状態表示ユニットを制御し得るようになっている。
【0043】
従って、認定ユーザ4は、ローカルユーザ3が講じた対策(例えば、上記の
図9の114と併せて)が正しいことを確認することができ、その後特定のトランジット1aの登録された状態を緑色から黄色に変更する認証(例えば、
図9の116)を与えることができる。緑色から黄色に切り替える認証を与える彼の決定の根拠として、認定ユーザ4は、特定のトランジット1aを局所的に訪れることができ、、現場5での成功した目による検査の後に、ポータブルコンピューティングデバイス(例えば、
図6のコンピュータ78または
図7Bの検査デバイス82)を使用して認証を行うことができる。代替的にまたは追加的に、彼は、試験測定データ、例えばローカルユーザ3によって捉えられる写真または動画などの情報に基づいて決定を行うことができ、通信ネットワーク60を介して認定ユーザ4に送ることができる。
【0044】
このように、特定のトランジット1aの局所的な検査を行う人は、黄色い光は、特定のトランジットが開かれたまたは手を加えられ、その後一見シールされているが確認されていない状態にリセットされたことを意味し、一方、特定のトランジットでの緑色の光は、特定のトランジット1aが実際に確認されたシールされた状態にあるという真の表示として信用できることが、分かる。
【0045】
図7A-Cがこれから言及され、
図7A-Cは、トランジットガードユニットおよびトランジットの異なる実施形態、およびローカルユーザ3がトランジットガードユニットの状態表示ユニットによって示される状態をどのように点検するかを、示す。
図7Aおよび7Bに示される実施形態では、状態表示ユニットは、トランジットガードユニットに組み込まれるまたは含まれる。そのような複合トランジットガードユニット50および状態表示ユニット90の概略ブロック図が、
図8Aに示されている。
【0046】
一方、
図7Cに示される実施形態では、状態表示ユニットは、トランジットガードユニットとは別のデバイスである。そのような別体の状態表示ユニット90’の概略ブロック図が、
図8Bに示されている。
【0047】
図8Aに見られるように、トランジットガードユニット50は、トランジットガードユニット50の全体的な動作を引き受ける制御装置51を備える。トランジットガードユニット50は、トランジットがシールされているまたは潜在的にシールされていないことを示す状態を検出するセンサ52(例えば、
図4A-4Bおよび5A-5Bの実施形態のセンサ152)、メモリ53、バッテリー55または他の電源、および通信ネットワーク60aまたは60への通信インターフェース56も備える。
【0048】
図8Aのトランジットガードユニット50は、統合状態表示ユニット90をさらに備える。
図7A-7Cに関連してより詳しく説明されるように、
図8Bの状態表示ユニット90は、1つ以上のLEDインジケータ92、および/またはディスプレー画面94、および/または近距離無線通信インターフェース96を備える。
【0049】
図8Bは、別の実施形態によるトランジットガードユニットとは別体のデバイスである状態表示ユニット90’の概略ブロック図である。状態表示ユニット90’は、制御装置91を備え、制御装置91は、状態表示ユニット90’、メモリ93、バッテリー55または他の電源、および通信インターフェース97の全体的な動作を引き受け、通信インターフェース97上で状態表示ユニット90’が通信ネットワーク60aまたは60を介して中央モニタリングユニット70またはトランジットガードユニット50と通信し得る。
【0050】
図8Bの状態表示ユニット90’は、さらに、
図8Aのトランジットガードユニット50の統合状態表示ユニット90のように、1つ以上のLEDインジケータ92、および/またはディスプレー画面94、および/または近距離無線通信インターフェース96を備える。
【0051】
図7Aおよび7Cに示される実施形態では、ローカルユーザ3は、状態表示ユニットを視覚的に確認することによってトランジット1の状態を決定する。これは、LEDインジケータ192付きの統合状態表示ユニット90を有するトランジットガードユニット150について
図7Aの80に見られ、別体の状態表示ユニット90’を有するトランジットガードユニット150の別の実施形態50について
図7Cの86に見られる。
【0052】
より一般的には、視覚検査に基づく実施形態では、状態表示ユニット90;90’は、LEDインジケータ92;192のセットを備えてよく、各LEDインジケータは、該当する場合に、第1の状態、緑色、第2の状態、赤色、および第3の状態、黄色のそれぞれ1つを示すように適合される。代替的にまたは追加的に、状態表示ユニット90,90’は、多色LEDインジケータを備えてよく、多色LEDインジケータは、該当する場合に、第1の状態、緑色、第2の状態、赤色、および第3の状態、黄色のそれぞれ1つを示すように適合される。さらに代替的にまたは追加的に、状態表示ユニット90,90’は、該当する場合に、第1の状態、緑色、第2の状態、赤色、および第3の状態、黄色を視覚的に表すように適合されたディスプレー画面94を備えてよい。例えば、
図4A-4Bおよび5A-5Bのトランジットガードユニット150の実施形態に関しては、LEDインジケータ192のセットの代わりに、トランジットガードユニット150のハウジング154は、多色LEDインジケータまたはディスプレー画面を備えてよい。
【0053】
図7Bに示される実施形態では、ローカルユーザ3は、代わりに、携帯端末、タブレット型コンピュータまたはラップトップ型コンピュータなどの外部検査デバイス82によって状態表示ユニットを無線で調べることによって、トランジット1の状態を決定する。これは、トランジットガードユニットの別の実施形態50について84に見られる。
【0054】
この目的で、
図8Aの54にあるように、トランジットガードユニット50/統合状態表示ユニット90のメモリ53は、該当する場合に、第1の状態、緑色、第2の状態、赤色、または第3の状態、黄色を表す、状態値、トランジット状態を保存する。
図8Bの別体の状態表示ユニット90’は、そのような状態値、トランジット状態を、同様に保存し得る。先述のようにトランジット1の状態の変更について中央モニタリングユニット70によって指示されるときに、トランジットガードユニット50は、メモリ53に状態値トランジット状態として新しい状態を保存するように構成される。別体の状態表示ユニット90’の場合、トランジットガードユニット50は、状態表示ユニット90’に、通信インターフェース56/97を介して、または代替的に近距離無線通信インターフェース96を介して、メモリ93に状態値トランジット状態として新しい状態を保存するよう指示する。
【0055】
トランジットガードユニット50(
図8A)または状態表示ユニット90’(
図8B)は、メモリ53または93に保存された状態値トランジット状態を、近距離無線通信インターフェース96を介して外部検査デバイス82によって読み取れるようにするように、構成される。
【0056】
代替実施形態では、
図8Bの別体の状態表示ユニット90’は、それ自体に状態値トランジット状態を保存するメモリ93を有さず、代わりにトランジットガードユニット50(
図8A)は、それ自体のメモリ53から現在の状態値トランジット状態を読み取ってよく、それを外部検査デバイス82によって近距離無線通信インターフェース96を介して読み取れるようにするように状態表示ユニット90’に指示してよい(得られた状態値トランジット状態は状態表示ユニット90’によって単にバッファリングされるまたは中継される)。
【0057】
トランジットガードユニット50の制御装置51は、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)として、または一般に本明細書に記載の機能を行うことができる電子回路によって、実現されてよい。状態表示ユニット90’の制御装置91は、同様の手段によって実現されてよい。
【0058】
メモリ53/93は、例えば、ROM、RAM、SRAM、DRAM、CMOS、FLASH、DDRまたはSDRAMなどの、一般に知られている電子メモリ技術で実現されてよい。
【0059】
通信インターフェース56,97は、例えば、IEEE802.11、IEEE802.15、ZigBee、WirelessHART、WiFi、Bluetooh、WCDMA(登録商標)、HSPA、GSM、UTRAN、UMTS、LTE、ASI、CANbus、ProfiBusまたはModbusとして実現されてよい。
【0060】
近距離無線通信インターフェース96は、例えば、NFC、Bluetooh、IEEE802.11、IEEE802.15、ZigBee、WirelessHARTまたはWiFiとして実現されてよい。ある実施形態では、通信インターフェース56,97と近距離無線通信インターフェース96とは、同じ物理インターフェースユニットによって実現されてよい。
【0061】
中央モニタリングユニット70は、例えば、オペレーティングシステムを有し、本明細書に記載の機能を行うように適切にプログラムされている、サーバー・コンピュータ、ワークステーション・コンピュータ、パーソナルコンピュータまたはラップトップ型コンピュータとして、またはそのようなコンピュータ・デバイスのクラスターとして、クラウド・コンピューティング・サービスとして、実現されてよい。
【0062】
中央モニタリングユニット70のメモリ72は、例えば、上述したメモリ技術のいずれか、または1つ以上の磁気ハードディスクまたはソリッドステートディスクとして、またはその組み合わせとして、実現されてよい。
【0063】
図12A-Cは、代替実施形態によるトランジットガードユニット450を示す。この代替実施形態では、トランジットガードユニット450は、複合フレームおよび圧縮性モジュール400の形態のトランジット要素への取り付けに適合している。複合フレームおよび圧縮性モジュール400は、2つの半分422,424に分割される円筒形本体部を有する。弾性材料のいくつもの層426は、センターコア428の周りで本体422,424に同心円状に配置される。設置時にコア428を取り除き適切な数の層426を剥がすことによって、複合フレームおよび圧縮性モジュール400は、異なる直径のケーブルのうちの所与のケーブルにしっかり係合するように適合され得る。
【0064】
複合フレームおよび圧縮性モジュール400は、フレーム部410も有する。フレーム部410は、ボルトまたはねじなどの、締結部材411を有する。トランジットガードユニット450は、
図12Aおよび12Bに見られるように、これらの締結部材の1つによって複合フレームおよび圧縮性モジュール400に取り付けられる。
図12Cに見られるように、トランジットガードユニット450は、締結部材411の1つを受け入れる開口456付きのハウジング454を有する。トランジットガードユニット450は、センサ452も有し、センサ452は、トランジットガードユニット450が複合フレームおよび圧縮性モジュール400に取り付けられているかどうか、またはそれから取り外されているかを、検出するように適合されている。トランジットガードユニット450は、前述の状態表示ユニット90のように機能する状態表示ユニットを備えてよい。それは、例えば、複数の異なる色のLEDインジケータ(前記のLEDインジケータ192のように)、または単一の多色LEDを備えてよい。
【0065】
複合フレームおよび圧縮性モジュール400は、トランジット1の、唯一の、単一のトランジット要素を構成してよく、従って事実上それ自体としてトランジット1を構成してよいことが、気付かれるべきである。これは、この文書で使用される「複数のトランジット要素」という概念が、所与のトランジット1が2つ以上のトランジット要素を備える状況だけでなく、所与のトランジット1がそれ自体としてトランジット1を構成し得るただ1つのトランジット要素を備える状況を含むと解釈されるものとすることを、意味する。
【0066】
図10A-Cは、代替実施形態によるトランジットガードユニット250を示す。この代替実施形態では、トランジットガードユニット250は、当該トランジット1のトランジット要素の一種と同じ全体形状であり、
図10A-Cに示される実施形態についてより具体的には、圧縮性モジュール20と同じ全体形状である(例えば、
図1および2Aに示されている1つなど)。
図10A-Cに見られるように、トランジットガードユニット250は、圧縮性モジュール20と同じ全体形状のハウジング254を有する。トランジットガードユニット250は、前述の状態表示ユニット90のように機能する状態表示ユニット290を有し得る。それは、例えば、異なる色の複数のLEDインジケータ(前記のLEDインジケータのように)、または単一の多色LEDを備え得る。
【0067】
トランジットガードユニット250は、トランジット1に圧縮性モジュール20の代わりに取り付けられるように適合される。従って、トランジットガードユニット250は、1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置へのトランジット要素の組み立て中、トランジット1のトランジット要素の1つ-つまり圧縮性モジュール20の1つ-に取って代わるまたはその代わりをする。
【0068】
図11A-Cは、代替実施形態によるトランジットガードユニット350を示す。この代替実施形態では、トランジットガードユニット350は、当該トランジット1の前記のトランジット要素の一種の部品と同じ全体形状であり、
図11A-Cに示される実施形態についてより具体的には、圧縮性モジュール20のコア28と同じ全体形状である(例えば、
図1および2Aに示されている1つなど)。
図11A-Cに見られるように、トランジットガードユニット350は、圧縮性モジュール20のコア28と同じ全体形状のハウジング354を有する。トランジットガードユニット350は、前述の状態表示ユニット90のように機能する状態表示ユニット290を有し得る。それは、例えば、異なる色の複数のLEDインジケータ(前記のLEDインジケータのように)、または単一の多色LEDを備え得る。
【0069】
トランジットガードユニット350は、トランジット1に圧縮性モジュール20のコア28の代わりに取り付けられるように適合される。従って、トランジットガードユニット350は、1つ以上のケーブル、パイプまたはワイヤのシールされた設置へのトランジット要素の組み立て中、トランジット1のトランジット要素の1つの部品-つまり圧縮性モジュール20の1つのコア28-に取って代わるまたはその代わりをする。
【0070】
図4A-B,5A-Dおよび12A-Cの上記のトランジットガードユニット150,450の実施形態では、および場合により
図10A-Cおよび11A-Cの上記のトランジットガードユニット250,350の実施形態でも、センサ152,452は、トランジット1からのトランジットガードユニット150,450の取り出しを検出することによって、トランジット1の潜在的にシールされていない状態を検出するように適合される。代替実施形態(場合により
図10A-Cおよび11A-Cの上記のトランジットガードユニット250,350を含む)では、トランジットガードユニット50のセンサ52は、代わりに、トランジット1からのトランジット要素の存在または取り出しとして、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出するように適合され得る。そのようなトランジット要素は、例えばフレーム10、圧縮性モジュール20の1つ、ステープレート30、圧縮ユニット(ウェッジ)40、またはウェッジクリップ42(
図1-2E参照)、であってよい。
【0071】
従って、一般に、トランジットガードユニット50,150のセンサ52,152,452は、以下のいずれかであってよい:圧力センサ、圧電センサ、電気スイッチ(例えば、センサ152)、磁気スイッチ、ホール効果センサ、またはフォトセンサ。考えられるセンサの種類のリストは、無制限である。さらに他のセンサの種類が、容易に当業者が気付くように使用され得る。
【0072】
本発明によって提供され得る1つの追加的であるが有益な状況は、それが、第1の個々のトランジットの状態の検出された変更が、第1の個々のトランジットと関連する、別の個々のトランジットの状態の変更を自動的に生じさせ得るように、モニタリングシステム2でトランジット1a-1n間の関連を扱うように構成され得ることである。関連するトランジットは、典型的に、同じ現場5またはその一部に設置されている、および、例えば、同じ火災区画に属する、トランジットであり得る。
図6に見られる例示図では、トランジット1aおよび1bは、それらが同じ現場5に属するので、関連し、一方、トランジット1nは、トランジット1aおよび1bと関連しない。
【0073】
従って、一実施形態では、中央モニタリングユニット70は、個々のトランジット1a-1n間の関連を保存するようにさらに構成されてよい。第1のトランジット1aが第2の状態、赤色で登録されるときに、中央モニタリングユニット70は、第1のトランジット1aが少なくとも第2のトランジット1bと関連するかどうかを決定する。そうであるならば、中央モニタリングユニット70は、実施に応じて、第3の状態、黄色にある、または第2の状態、赤色にあるように、第2のトランジット1bの強制登録を生じさせる。従って、このように、第2のトランジット1bのトランジットガードユニット1b自体は、そのシール状態の変化を検出しなかったとしても、トランジットガードユニット1aが、第1のトランジット1aについてしたという事実が、第2のトランジット1bも、認定ユーザ4による検査およびそれに続く緑色へのリセットを必要とする状態(すなわち、実施に応じて、黄色または赤色)にさせるのに十分である。
【0074】
代替実施形態では、中央モニタリングユニット70の機能は、当該現場5で示され得るモバイル機器で実施される。
【0075】
そのようなモバイル機器は、例えば、
図7Bの検査デバイス82のように、携帯端末、タブレット型コンピュータまたはラップトップ型コンピュータであってよい。そのような実施形態では、モニタリングシステム2にリモートサーバコンピュータが必ずしもある必要はなく、モニタリングシステム2は、むしろ、各トランジット1のトランジットガードユニット50、および中央モニタリングユニット70を実施する1つ以上のモバイル機器で、構成される。
【0076】
認定ユーザ4は、その後ローカルユーザ3のように現場5に現れ、好ましくは、トランジット1が正常な状態であるようであると彼自身が検査した後で、モバイル機器を使用して黄色(または赤色)状態から緑色状態に切り替えるように特定のトランジットガードユニット50(またはその状態表示ユニット90/90’)に指示を送り得る。ログインまたはパスワードが、そのような緑色状態への切り替えを指令する前に、モバイル機器によって実行されるソフトウェアで認定ユーザ4に必要であってよく、認定ユーザ4は、正しいログインをするまたは正しいパスワードを入力することによって、彼の認証を証明する。モバイル機器は、近距離無線通信インターフェース96または、代替的に、通信インターフェース56/97を使用して、特定のトランジットガードユニット50(またはその状態表示ユニット90/90’)と通信する。
【0077】
代替的に、認定ユーザ4は、リモート装置からトークンを得てよく、このトークンは、特定のトランジット1について緑色の状態に切り替えるために、必要とされる。トークンは、例えば、モバイル機器を使用する認定ユーザ4によって捉えられたトランジット50の検査データ(例えば、画像など)を得た後に、中央局機能によって発行され得る。
【0078】
モバイル機器から中央局機能への検査データの交換、およびそれに続く中央局機能からモバイル機器へのトークンの交換は、モバイル機器が特定のトランジット1に存在するときに、モバイル機器がその時通信ネットワーク60へのアクセスを有する場合、リアルタイム(オンライン)で行われ得る。
【0079】
そうでなければ、認定ユーザ4は、トランジット1の検査データ(例えば、画像)をオフラインで捕捉し、通信ネットワーク60へのアクセスが可能な場所に移動し、検査データを中央局機能にアップロードし、トークンを受け取り、その後、トランジット1に戻り、最後にモバイル機器を使用して特定のトランジット1について緑色の状態への切り替えを指令することができる。
【0080】
前記の中央局機能は、全体的にまたは部分的に、中央モニタリングユニット70によって、または代替的に別のリモートコンピューティング資源によって実施されてよく、場合によっては1人以上の人間のオペレーターによって作動されてよい。
【0081】
発明は、その実施形態に関して詳しく記載された。しかしながら、当業者が容易に理解するように、他の実施形態も、添付の請求項に定められるように、発明の範囲内で同様に可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)のトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)であって、ケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)は、現場(5)で1つ以上のケーブル(2)、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素(10,20,30,40;42;400)を有し、トランジットガードユニットは、
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出する;
検出された状態を、通信インターフェース(56)を介して通信ネットワーク(60;60a)に、または近距離無線通信インターフェース(96)を介してモバイル機器に、送信する;
通信インターフェース(56)を介してまたは近距離無線通信インターフェース(96)を介して、トランジット(1)の1つ以上のケーブル(2)、パイプまたはワイヤの前記設置のシール状態が新しい状態に変わったという指示を受け取る;
および
現場(5)のユーザ(3,4)への新しい状態の表示を生じさせる、
ように構成される、
トランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)。
【請求項2】
請求項1に記載のトランジットガードユニットであって、新しい状態を前記ユーザ(3,4)に示すための状態表示ユニット(90;290;390)をさらに含む、トランジットガードユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)であって、新しい状態は、以下の
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す第1の状態(緑色);
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示す第2の状態(赤色);および
トランジット(1)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされるように戻されたが認定ユーザ(4)による認証を必要とすることを示す、第3の状態(黄色)、
のうちの1つである、
トランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)。
【請求項4】
請求項3に記載のトランジットガードユニットであって、前記状態表示ユニット(90;290;390)は、以下の
LEDインジケータ(92;192)のセットであって、各LEDインジケータは、該当する場合に、第1の状態、第2の状態および第3の状態のそれぞれ1つを示すように適合される、LEDインジケータのセット;
多色LEDインジケータであって、該当する場合に、第1の状態、第2の状態および第3の状態のそれぞれ1つを示すように適合される、多色LEDインジケータ;および
ディスプレー画面(94)であって、該当する場合に、第1の状態、第2の状態および第3の状態を視覚的に表すように適合されたディスプレー画面、
のうちの1つ以上を備える、トランジットガードユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のトランジットガードユニットであって、
メモリ(53;93)であって、該当する場合に、第1の状態、第2の状態、または第3の状態を表す、状態値(トランジット状態)を保存するメモリと、
近距離無線通信インターフェース(96)と、
をさらに備え、
トランジットガードユニット(50)は、前記メモリ(53;93)に保存された状態値(トランジット状態)を、近距離無線通信インターフェース(96)を介して外部検査デバイス(82)によって読み取れるようにするように、構成される、
トランジットガードユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のトランジットガードユニットであって、前記トランジット(1;1a・・・1n)は、1つ以上の締め付け部材(41)によって作動する圧縮ユニット(40)を備え、トランジットガードユニット(50;150)は、
ハウジング(154)であって、前記圧縮ユニット(40)への取り付けに適合し、1つ以上の締め付け部材(41)との係合のための1つ以上の凹部(156)を有する、ハウジング(154)と、
センサ(52;152)であって、凹部または1つ以上の凹部(156)に位置し、トランジットガードユニット(50;150)が、前記圧縮ユニット(40)の所定の位置にある、またはそこから取り外されている、として前記状態を検出するのに適合している、センサ(52;152)と、
を備える、トランジットガードユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のトランジットガードユニットであって、前記圧縮ユニット(40)はウェッジである、トランジットガードユニット。
【請求項8】
請求項6に記載のトランジットガードユニットであって、トランジットガードユニット(50;150)のハウジング(154)は、状態表示ユニット(90)も備える、トランジットガードユニット。
【請求項9】
請求項1に記載のトランジットガードユニットであって、前記トランジット(1;1a)からのトランジット要素(10,20,30,40,42;400)の存在または取り出しとして前記状態を検出するように適合されたセンサ(52;152)をさらに備える、トランジットガードユニット。
【請求項10】
請求項1に記載のトランジットガードユニットであって、トランジットガードユニット(50;150;250;350;450)が、前記トランジット(1;1a)の所定の位置にある、または前記トランジット(1;1a)から取り外されている、として前記状態を検出するのに適合されたセンサ(452)をさらに備える、トランジットガードユニット。
【請求項11】
請求項9または10に記載のトランジットガードユニットであって、センサ(52;152;452)は、以下の
圧力センサ;
圧電センサ;
電気スイッチ(152);
磁気スイッチ;
ホール効果センサ;
フォトセンサ、
のいずれかである、トランジットガードユニット。
【請求項12】
請求項9または10に記載のトランジットガードユニットであって、トランジットガードユニット(250;350)は、前記トランジット(1;1a)の1つのタイプのトランジット要素(20)、または前記1つのタイプのトランジット要素(20)の1つのタイプの部品(28)、と同じ全体形状である、トランジットガードユニット。
【請求項13】
請求項12に記載のトランジットガードユニットであって、トランジット要素(10,20,30,40,42;400)または前記1つのタイプのトランジット要素は、以下の
フレーム(10);
圧縮性モジュール(20);
ステープレート(30);
圧縮ユニット(40);
ウェッジクリップ(42);および
複合フレームおよび圧縮性モジュール(400)、
のうちのいずれか1つである、トランジットガードユニット。
【請求項14】
請求項12に記載のトランジットガードユニットであって、前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮性モジュール(20)であり、トランジットガードユニット(250;350)は、圧縮性モジュール(20)と同じ全体形状のハウジング(254;354)を有し、トランジットガードユニット(254;354)は、トランジット(1;1a)に圧縮性モジュール(20)の代わりに取り付けられるように適合される、トランジットガードユニット。
【請求項15】
請求項12に記載のトランジットガードユニットであって、前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮性モジュール(20)であり、トランジットガードユニット(250;350)は、圧縮性モジュール(20)のコア(28)と同じ全体形状のハウジング(254;354)を有し、トランジットガードユニット(254;354)は、トランジット(1;1a)に圧縮性モジュール(20)のコア(28)の代わりに取り付けられるように適合される、トランジットガードユニット。
【請求項16】
現場(5)で1つ以上のケーブル(2)、パイプまたはワイヤのシールされた設置に組み込まれる複数のトランジット要素(10,20,30,40;42;400)を有するタイプのケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a・・・1n)をモニタリングする方法であって、前記方法は、
モニタリングシステムを提供することであって、前記モニタリングシステムは、
・各トランジット(1;1a・・・1n)について、通信ネットワーク(60;60a)に接続可能であるトランジットガードユニット(50;50a-50n;150;250;350;450)と、
・中央モニタリングユニット(70)と、
を備える、提供することと、
トランジットガードユニット(50)が、トランジット(1a)のケーブル、パイプまたはワイヤの設置が、シールされているかまたは少なくとも潜在的にシールされていないかを示す状態を検出することと、
前記中央モニタリングユニット(70)が、通信ネットワーク(60)または別の通信ネットワーク(60b)を介して、トランジットガードユニット(50)によって検出された状態についての第1の情報(110,112)を得ることと、
前記中央モニタリングユニット(70)が、得られた第1の情報(110)が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示すときに、トランジット(1a)を第1の状態にあるとして登録することと、
前記中央モニタリングユニット(70)が、得られた第1の情報(112)が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置が少なくとも潜在的にシールされていないことを示すときに、トランジット(1a)を第2の状態にあるとして登録することと、
トランジット(1a)が第2の状態にある間、前記中央モニタリングユニット(70)が、トランジット(1a)のトランジットガードユニット(50a)によって検出された状態についての第2の情報(114)を得ることと、
得られた第2の情報が、トランジットのケーブル、パイプまたはワイヤの設置がシールされていることを示す場合、前記中央モニタリングユニット(70)が、トランジット(1a)の登録された状態を第3の状態に変えることと、
前記中央モニタリングユニット(70)が、トランジット(1a)の登録された状態を、前記モニタリングシステム(2)のユーザ(3,4)が利用できるようにすることと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
トランジット(1a)が第3の状態にある間、前記中央モニタリングユニット(70)が、前記モニタリングシステム(2)のユーザ(4)からの認証(116)を得ることと、
前記中央モニタリングユニット(70)が、それに応じてトランジット(1a)の登録された状態を第1の状態に変えることと、
をさらに含む方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の方法であって、
前記中央モニタリングユニット(70)が、個々のトランジット(1a-1n)間の関連を保存することと、
個々のトランジット(1a-1n)のうちの第1のトランジット(1a)が第2の状態で登録されるときに、前記中央モニタリングユニット(70)が、第1のトランジット(1a)が個々のトランジット(1a-1n)のうちの少なくとも第2のトランジット(1b)と関連するかどうかを決定することと、そうであるならば、
前記中央モニタリングユニット(70)が、第3の状態にあるように、第2のトランジット(1b)の強制登録を生じさせることと、
をさらに含む方法。
【請求項19】
請求項16または17に記載の方法であって、
前記中央モニタリングユニット(70)が、個々のトランジット(1a-1n)間の関連を保存することと、
個々のトランジット(1a-1n)のうちの第1のトランジット(1a)が第2の状態で登録されるときに、前記中央モニタリングユニット(70)が、第1のトランジット(1a)が個々のトランジット(1a-1n)のうちの少なくとも第2のトランジット(1b)と関連するかどうかを決定することと、そうであるならば、
前記中央モニタリングユニット(70)が、第2の状態にあるように、第2のトランジット(1b)の強制登録を生じさせることと、
をさらに含む方法。
【外国語明細書】