(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180681
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221130BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087287
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 泰
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エレベータの利用者に対して、より適切なタイミングで、施設に関する情報提供を実現する情報提供システムを提供する。
【解決手段】情報提供システムにおいて、エレベータビル管理システムは、利用者の施設に対する利用履歴を記憶する顧客履歴情報を記憶するデータベースと、利用者端末である顧客端末からのエレベータの呼び出し要求に対応する施設を特定し、特定した施設に対する利用履歴を前記顧客履歴情報から集計し、集計された利用履歴を用いて、利用実績に関する条件を満たす施設を決定する情報制御部と、決定した施設に関する追加情報を作成する予測部と、作成した追加情報を、利用者端末に送信する情報送信部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の施設に対する利用履歴を記憶する顧客履歴情報を記憶するデータベースと、
利用者端末からのエレベータの呼び出し要求に対応する施設を特定し、特定された前記施設に対する利用履歴を前記顧客履歴情報から集計し、集計された前記利用履歴を用いて、利用実績に関する条件を満たす施設を決定する情報制御部と、
決定された施設に関する追加情報を作成する予測部と、
作成された前記追加情報を、前記利用者端末に送信する情報送信部を有する情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記予測部は、前記エレベータが設置された建物から、前記利用実績に関する条件を満たす施設を決定する情報提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供システムシステムにおいて、
前記予測部は、さらに、前記エレベータが設置された建物と一定距離内に存在する建物から、前記利用実績に関する条件を満たす施設を決定する情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記予測部は、前記利用実績に関する条件を満たす施設として、前記利用者が追加情報を利用した施設を決定する情報提供システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報提供システムにおいて、
前記追加情報はクーポン情報である情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ呼び出しシステムを活用して情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォンなど端末装置に対して、状況に応じて様々な情報が提供されている。例えば、商業施設、各種商品もしくはサービスの広告やイベントの開催案内などが提供されている。このために、端末装置の利用者の利用状況に応じて、情報を提供することが望ましい。
【0003】
但し、利用者が、どの店舗を利用しているか、あるいはしたかといった情報を得ることは困難であった。商業施設をはじめとするビル施設内ではGPSによる位置情報はどの階層にいるかまでの特定は困難である。また、店舗専用のアプリを展開しているケースも存在するが、その場合は特定の系列店のみでしか情報共有が出来ないケースが殆どであり、同ビル内の他社他業種への情報展開は困難である。一方、店舗運営者は「どのような利用者」が「いつ店舗入居ビルに来たか」といった(匿名性をある程度担保した)情報を基に、ビル内に入居している店舗情報サービスを提供したい需要が存在する。
【0004】
そこで、特許文献1では、「エレベータの利用者に応じた情報を提供可能」とするために、「複数台のエレベータの中から、行先階の登録操作を行った利用者に割り当てられたエレベータを示す割当号機情報を、当該利用者の所持する情報通信端末に送信する」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、広告を打ち出す店舗事業者としては、ニーズに合致した顧客に対して適切なタイミングに情報サービスを展開したい需要が存在する。但し、特許文献1では、利用者のエレベータの行先階に応じた情報を提供しているのみであり、その提供タイミングについては考慮されていなかった。そこで、本発明では、エレベータの利用者に対して、より適切なタイミングで、施設に関する情報提供を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、エレベータの呼び状況に関する予め設定された条件および施設の利用履歴の分析結果に基づいて、提供する追加情報を特定する。
【0008】
より詳細な本発明の一態様は、利用者の施設に対する利用履歴を記憶する顧客履歴情報を記憶するデータベースと、利用者端末からのエレベータの呼び出し要求に対応する施設を特定し、特定された前記施設に対する利用履歴を前記顧客履歴情報から集計し、集計された前記利用履歴を用いて、利用実績に関する条件を満たす施設を決定する情報制御部と、決定された施設に関する追加情報を作成する予測部と、作成された前記追加情報を、前記利用者端末に送信する情報送信部を有する情報提供システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遠隔エレベータ呼び出しシステムを活用した情報提供システムによれば、遠隔呼びシステムを起点として、より適切に利用者に対して施設に関する情報提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施例1における基本処理を示すフローチャートである。
【
図3】実施例1における乗降情報連携処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図4】実施例1における顧客利用情報を示す図である。
【
図5】実施例1における顧客建物ID情報を示す図である。
【
図6】実施例1における店舗管理情報を示す図である。
【
図7】実施例2における店舗側から追加情報を配信する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
以下、本発明の実施例1について説明する。まず、
図1は、本実施例のシステム構成図である。本実施例では、
図1に示す構成に基づき、顧客端末1を利用して、昇降機2(エレベータ)を呼び出したり、施設の一例である店舗のクーポン情報等の追加情報が配信される。
図1に示すシステムは、サービス利用者である顧客が入力するための顧客端末1と、顧客が利用する昇降機2、追加情報を配信するエレベータビル管理システム3、店舗管理システム4、店舗管理者が情報を入力するための店舗端末5および遠隔呼びシステム6で構成される。本システムでは、顧客が顧客端末1を用いて、エレベータを呼び出し、また、その呼び出しに応じたクーポン情報等の追加情報が、顧客端末1に配信される。以下、本システムの各装置の構成について説明する。
【0012】
まず、顧客端末1は、利用者端末の一種であり、顧客により利用され、エレベータの呼び出し機能や追加情報を受信する機能を有する。このために、顧客端末1は、アプリと称されるプログラムに従って各機能を実現する。また、顧客端末1は、いわゆるスマートフォンやタブレットで実現できる。また、顧客端末1は、エレベータの呼び出しや、追加情報を閲覧するための入出力画面11を有する。
【0013】
また、遠隔呼びシステム6は、顧客端末1からの呼び出し要求に応じた、各種指令である乗降情報を昇降機2およびエレベータビル管理システム3に送信する。この結果、顧客が希望に応じて、昇降機2のかごを呼び出すことが可能となる。この遠隔呼びシステム6は、いわゆるサーバと称されるコンピュータで実現できる。なお、呼び出し要求や乗降情報には、顧客を識別する顧客ID、昇降機2の乗降階(乗車階、降車階)、昇降機2が設置された建物を識別する建物IDが含まれる。
【0014】
また、昇降機2は、遠隔呼びシステム6からの乗降情報を受信する通信制御部21と、受信した乗降情報に従って昇降機2のかごの移動を制御するための昇降機制御部22を有する。
【0015】
また、エレベータビル管理システム3は、遠隔呼びシステム6からの乗降情報を受信し、当該乗降情報に応じて作成される追加情報の送信を制御するための情報制御部31を有する。また、エレベータビル管理システム3は、顧客の過去利用履歴と店舗情報を記憶するDB32(データベース)、遠隔呼びシステム6からの乗降情報と過去利用履歴から追加情報を作成する予測部34と、追加情報の送信を行う情報送信部33を有する。ここで、エレベータビル管理システム3は、追加情報を含む各種情報を提供するための情報提供システムの一例である。
【0016】
また、店舗端末5は、店舗管理者が店舗の業務管理のために用いる装置であり、いわゆるコンピュータ、タブレット、スマートフォンやPOS端末で実現できる。つまり、後述する各種機能は、プログラムに従ってプロセッサで実行される。また、店舗端末5は、店舗情報の設定や追加情報を設定するための入力画面51を有する。そして、店舗端末5は、設定された情報を、店舗管理システム4を介してエレベータビル管理システム3通知される。
【0017】
またさらに、店舗管理システム4は、いわゆるサーバで実現でき、複数の店舗端末5と接続され、各店舗の業務を管理するために用いられる。なお、本実施例では、店舗管理システム4を設けるが、これは省略できる。
【0018】
以上で、本実施例の構成についての説明を終わり、次に本実施例の処理について説明する。
図2は、本実施例における基本処理を示すフローチャートである。
【0019】
まず、ステップS1において、顧客端末1は、利用者から入出力画面11を介して、昇降機2に対する呼び出しとして乗降階の入力を受け付ける。そして、顧客端末1は、入力に応じた呼び出し要求を、遠隔呼びシステム6に送信する。なお、遠隔呼びシステム6は、呼び出し要求に応じた乗降情報を、昇降機2に送信する。そして、昇降機2の通信制御部21で乗降情報を受信し、昇降機制御部22が乗降情報に従って、かごを乗降階へ移動する制御を実行する。
【0020】
また、遠隔呼びシステム6は、エレベータビル管理システム3へも呼び出し要求に応じた乗降情報を送信する。
【0021】
次に、ステップS1において、エレベータビル管理システム3は、ステップS1で送信された乗降情報に用いた乗降情報連携処理を実行する。本ステップでは、顧客端末1に配信する追加情報を作成するための前処理であり、追加情報の対象を特定する。以下、
図3を用いて、乗降情報連携処理の詳細を説明する。
【0022】
図3は、本実施例における乗降情報連携処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS21において、通信制御部21での乗降情報の受信をトリガーに、乗降情報連携処理を開始する。
【0023】
次に、ステップS22おいて、通信制御部21は、乗降情報に対応する顧客利用情報を集計する。このために、通信制御部21は、乗降情報に含まれる顧客ID、建物ID、乗降階に該当する顧客利用情報を、DB32の顧客利用情報321をから特定する。ここで、
図4に、DB32に記憶された顧客利用情報321を示す。顧客利用情報321は、顧客を識別する顧客ID321-1、建物を識別する建物ID321-2、建物の位置を示す建物位置321-3、顧客が過去利用した際の降車階を示す階321-4とその際の利用日時321-5を有する。なお、建物ID321-2と階321-4については、利用した店舗等の施設を識別する施設IDを用いてもよい。さらに、顧客利用情報321は、過去利用の際に顧客が追加情報を利用した店舗情報を記録する追加情報利用履歴321-6を有する。
【0024】
ここで、乗降情報に含まれる顧客IDが「AAAA」、建物IDが「0001」、乗降階が「3」であるとする。この場合、通信制御部21は、
図4の顧客利用情報321のうち、最終レコード以外が特定される。
【0025】
次に、ステップS23において、通信制御部21は、ステップS22で特定された顧客利用情報について、追加情報の利用履歴があるかを判断する。この結果、利用履歴が存在した場合(yes)、ステップS24に遷移する。利用履歴が存在しない場合、ステップS26に遷移する。
図4の例では、通信制御部21は、「未使用」以外の追加情報利用履歴321-6(破線枠内)を特定し。ステップS24に遷移することになる。なお、本実施例では、追加情報の利用履歴があるかを判断しているが、これに限定されない。例えば、施設自体の利用実績や問合せ実績など、利用実績に関する実績であればよい。
【0026】
次に、ステップS24において、通信制御部21は、ステップS25で用いられる判定距離を算出する。ステップS25では、乗降情報の建物IDが示す建物から判定距離内の建物を周辺建物として抽出する。この判定距離を、本ステップで算出する。本実施例では通信制御部21は、ステップS25の繰り返し回数ごとに、判定距離を算出する。例えば、1回目の抽出処理(ステップS25)では10m、2回目の抽出処理では20m・・・と増加させることが望ましい。なお、この繰り返し回数については、その上限が予め設定されDB32に記憶されることが望ましい。また、判定距離も予め設定されDB32に記憶されていてもよい。
【0027】
次に、ステップS25において、通信制御部21は、顧客利用情報321から、乗降情報の建物IDからのステップS24で算出された判定距離内に存在する建物ID321-2を抽出する。そして、ステップS22に遷移する。つまり、ステップS22において、通信制御部21は、乗降情報に含まれる建物IDの代わりに、ステップS25で抽出された建物IDを用いて、顧客利用情報の集計を行う。
【0028】
このように、ステップS22~ステップS25を繰り返すことで、顧客が今回利用する建物周辺の建物を特定できる。この結果、通信制御部21は、顧客と建物の対応関係を示す顧客建物ID情報322を作成し、DB32に記憶できる。この顧客建物ID情報322を、
図5に示す。顧客建物ID情報322は、上述の処理で特定された建物の建物ID322-1と顧客ID322-2を対応付けている。この顧客建物ID情報322は、後述の処理で用いられる。
【0029】
次に、ステップS26において、通信制御部21は、作成する追加情報の対象の絞り込みを行う。つまり、通信制御部21は、顧客建物ID情報322で、該当の顧客IDに対応する建物IDに関連する店舗を特定する。例えば、通信制御部21は、該当の建物IDに含まれる店舗の店舗IDを、
図6に示す店舗管理情報323から特定する。
【0030】
ここで、
図6を用いて、店舗管理情報323について説明する。店舗管理情報323は、店舗に関する情報であり、店舗ID323-1、建物ID323-2、建物位置323-3、階323-4、店舗名323-5、業種323-6、対象323-7および年代323-8を有する。ここで、店舗ID323-1は、該当の店舗を識別する情報である。建物ID323-2は、該当の店舗が設置される建物を識別する情報である。建物位置323-3は、該当の店舗が設置される建物の位置を示す情報である。階323-4は、該当の店舗が設置される建物の階を示す。業種323-6は、該当の店舗の業種を示す情報である。対象323-7および年代323-8は、該当の店舗が主にターゲットとする顧客の性別や年齢を示す情報である。
【0031】
本ステップでは、通信制御部21は、該当の建物IDに含まれる店舗の店舗IDをこの店舗管理情報323から特定する。この際、通信制御部21は、乗降情報に含まれる顧客IDに対応する対象323-7や年代323-8に該当する店舗IDに絞り込んでもよい。
【0032】
なお、通信制御部21は、店舗IDの絞込みを、顧客利用情報321の店舗IDを用いてもよい。このようにして、通信制御部21は、追加情報の対象となるステップS25で特定された追加情報利用履歴321-6に対応する店舗IDを決定する。
【0033】
以上で、
図3の乗降情報連携処理の説明を終わり、
図2に戻り本実施例の基本処理の説明を続ける。
【0034】
ステップS3において、予測部34が、ステップS26で絞り込まれた店舗IDの示す店舗に関する追加情報を作成する。このために、予測部34は、DB32に記憶された店舗ごとの追加情報を特定する。また、ステップS26で絞り込まれた店舗に応じた規則に従って、追加情報を作成してもよい。さらに、顧客に応じた追加情報をしてもよい。
【0035】
ここで、追加情報とは、店舗に関する情報であり、広告情報やポイント付与を含むクーポン情報が含まれる。その内容は、2次元コードやバーコードなどのコード情報で実現してもよい。
【0036】
次に、ステップS4において、情報制御部31は、ステップS3で作成された追加情報を、情報送信部33を介して顧客端末1へ送信する。この結果、顧客端末1の入出力画面11に、追加情報が表示される。
【0037】
そして、顧客が顧客端末1の入出力画面11に表示された追加情報を利用すると、その結果が顧客利用情報321に反映される。つまり、店舗端末5で読み取られた追加情報および顧客IDが、エレベータビル管理システム3に送信され、顧客利用情報321に反映される。
【0038】
本実施例では、ステップS25について、繰り返し処理することで、複数の判定距離内の建物を特定できる。つまり、複数の店舗の追加情報を作成できる。このため、エレベータの呼び機能を利用する場合における待ち時間を有効利用できる。例えば、顧客が複数の店舗のはしごが可能となる。また、駅ビルやオフィスビルのような建物のエレベータ利用の際に、追加情報を配信できる。
【0039】
またさらに、ステップS25について、繰り返し処理することで、クーポン情報等の追加情報の配信の広範囲化を図ることが可能となる。以上で、実施例1についての説明を終わる。
【0040】
なお、本実施例において、顧客端末1は、ステップS1での呼び出しに対するキャンセル処理を受け付けた場合、以降の処理を中断することが望ましい。
まず、ステップS71において、店舗端末5の入力画面51が、追加情報の配信要求の入力を受け付ける。次に、店舗端末5は、入力された追加情報の配信要求を、店舗管理システム4を介してエレベータビル管理システム3に送信する。
次に、ステップS72において、エレベータビル管理システム3の情報制御部31が、DB32を用いて、追加情報の配信要求に該当する顧客の顧客IDを抽出する。このために、情報制御部31は、顧客利用情報321から、追加情報利用履歴321-6に利用履歴が存在し、配信要求の送信元の店舗の設置された建物ID321-2と階321-4に該当する顧客利用情報(レコード)を特定する。また、情報制御部31は、特定された建物ID321-2に該当する顧客IDを、顧客建物ID情報322から検索する。つまり、この顧客IDに対応する顧客が抽出されることになる。
最後に、ステップS74において、情報送信部33を用いて、ステップS72で特定された顧客IDが示す顧客の顧客端末1へ、作成された追加情報を配信する。このことで、実施例1と同様に作成された追加情報を、店舗側が主導して配信することができる。以上の各実施例では、遠隔呼びシステム6での顧客の呼び出し情報と、エレベータを納入している施設の情報を統合分析する。このことで、遠隔呼びシステム6の利用状況や趣向、利用傾向を推定し、適切な店舗情報サービスを提供することが可能となる。また、各実施例では、顧客のエレベータ利用状況を分析することで、商業施設等ビル内に展開している店舗サービス情報を横断的に、かつターゲットを絞って展開することが可能となる。
また、各実施例では、商業施設等のビルに納入しているエレベータ情報と施設情報を統合管理しているエレベータビル管理システムと、SNS等を介してエレベータを遠隔に呼び出して目的階を設定することのできる遠隔呼びシステムを応用している。つまり、遠隔呼びシステム利用者がいつどの階床に向かったかという情報を用いて、目的階(降車階)に出店している店舗の情報を合わせて利用者がどの店舗を利用しているかを予測し、店舗運営者が打ち出したい情報サービスを登録することができる。
また、顧客が複数のビル施設を利用していても、その情報を一元管理し、どのようなビルのどのような店舗を、どのタイミングでどのくらいの頻度で利用するかといった傾向を分析できる。一方で、店舗運営者が提供したい追加情報を登録することができる。登録の際に、どのユーザーターゲットに対して、どのタイミングで情報を提供するかといったトリガーを指定することが可能である。例えば、自店舗のフロアに来たタイミングで無差別に提供する、一度以上自店舗に来たユーザーに対して提供するといった詳細なトリガーを設定することが可能である。
さらに、顧客が遠隔呼びを利用した際に、予め登録されている店舗情報サービスのうち、トリガーに合致した場合にSNSを経由して店舗情報サービスを提供することが出来る。
することが可能である。
またさらに、エレベータの呼び出し履歴から利用者の傾向を分析することが可能で、複数のビル利用来歴があれば統合した分析情報を作成することが可能となる。前記分析情報はビルエレベータ管理システム上で一元管理されるため、広範囲な枠組みの中で店舗情報サービスの提供が可能となる。具体的には、初めて来たビルのエレベータを呼び出した際に、過去の他ビルでの呼び出し来歴から傾向の分析がされていれば、その分析情報を基に最適な店舗情報サービスを提供することが出来る。または、あるエリアのビルエレベータを呼び出した際に、近隣のビルに該当利用者の分析傾向とマッチした店舗が存在すれば、該当店舗情報を提供することも可能である。