(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180687
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】電子式指示計器
(51)【国際特許分類】
H02B 1/044 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
H02B1/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087297
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】徳廣 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】小野瀬 達也
【テーマコード(参考)】
5G016
【Fターム(参考)】
5G016CD04
(57)【要約】
【課題】盤の内部へ回り込むことなく盤へ取り付け可能且つ異なる厚みのパネルに順応することができる電子式指示計器を得ること。
【解決手段】電子式指示計器1は、盤のパネルに形成された開口部から盤の内部に一部が挿入された状態で盤に取り付けられる電子式指示計器であって、スナップフィット部10と、凹部20と、板バネ部30とを備える。スナップフィット部10は、一部が開口部に挿入される際に開口部の縁に当接して撓み且つ一部が開口部に挿入された状態で盤の内部からパネルに先端が当接する撓み柱を有する。凹部20は、一部が開口部に挿入された状態で盤の外部と内部とからパネルを挟む位置に配置される。板バネ部30は、一部が開口部に挿入された状態で盤の外部からパネルに荷重を加える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤のパネルに形成された開口部から前記盤の内部に一部が挿入された状態で前記盤に取り付けられる電子式指示計器であって、
前記一部が前記開口部に挿入される際に前記開口部の縁に当接して撓み且つ前記一部が前記開口部に挿入された状態で前記盤の内部から前記パネルに先端が当接する撓み柱を有するスナップフィット部と、
前記一部が前記開口部に挿入された状態で前記盤の外部と内部とから前記パネルを挟む位置に配置される凹部と、
前記一部が前記開口部に挿入された状態で前記盤の外部から前記パネルに荷重を加える板バネ部と、を備える
ことを特徴とする電子式指示計器。
【請求項2】
前記スナップフィット部は、
前記電子式指示計器の上部および下部のうちの一方に配置され、
前記凹部は、
前記電子式指示計器の上部および下部のうちの他方に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子式指示計器。
【請求項3】
前記板バネ部は、
前記電子式指示計器の上部と下部とに配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子式指示計器。
【請求項4】
前記一部が前記開口部に挿入される際に前記盤の孔に前記盤の外部から挿入される突出部を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電子式指示計器。
【請求項5】
前記突出部は、
前記電子式指示計器の上部と下部とに配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の電子式指示計器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力系統の状態観測に使用される電子式指示計器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子式指示計器の盤への取り付けは、作業者が電子式指示計器を盤の外部から嵌め込んで仮止めした後、電子式指示計器を仮止めした状態の盤の内部へ作業者が回り込み、作業者は盤の内部で金具を用いて盤へ電子式指示計器を固定することで行われていた。盤の板厚は、電子式指示計器が取り付けられる盤によって異なるため、電子式指示計器は、金具を用いた固定によって盤のパネルに順応する構造になっている。
【0003】
作業者が盤の内部へ回り込み金具を機器に取り付ける手間を省くために、特許文献1には、バネ作用を有する取付板を2箇所有し、機器を盤の外部から挿入した後に、盤の内側から取付板のバネ作用によって機器を固定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の機器は、パネルの厚みが異なる盤に順応する構造を有しておらず、パネルの厚みが異なる盤に適切に取り付けることが難しい。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、盤の内部へ回り込むことなく盤へ取り付け可能且つ異なる厚みのパネルに順応することができる電子式指示計器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の電子式指示計器は、盤のパネルに形成された開口部から盤の内部に一部が挿入された状態で盤に取り付けられる電子式指示計器であって、スナップフィット部と、凹部と、板バネ部とを備える。スナップフィット部は、一部が開口部に挿入される際に開口部の縁に当接して撓み且つ一部が開口部に挿入された状態で盤の内部からパネルに先端が当接する撓み柱を有する。凹部は、一部が開口部に挿入された状態で盤の外部と内部とからパネルを挟む位置に配置される。板バネ部は、一部が開口部に挿入された状態で盤の外部からパネルに荷重を加える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、盤の内部へ回り込むことなく盤へ取り付け可能且つ異なる厚みのパネルに順応することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる電子式指示計器および盤のパネルの一例を示す斜視図
【
図2】実施の形態1にかかる電子式指示計器および盤のパネルの一例を示す側面図
【
図3】実施の形態1にかかる盤のパネルの一例を示す正面図
【
図4】実施の形態1にかかる盤のパネルの一例を示す側面図
【
図5】実施の形態1にかかる電子式指示計器の側面図
【
図6】実施の形態1にかかる電子式指示計器の背面図
【
図8】
図6に示すVIII-VIII線に沿った断面図
【
図11】実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤へ取り付けられる前の状態を示す平面図
【
図13】実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤に取り付けられる途中の状態を示す平面図
【
図15】実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤に取り付けられた状態を示す平面図
【
図18】実施の形態1にかかる電子式指示計器が第1の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す正面図
【
図20】実施の形態1にかかる電子式指示計器が第2の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す正面図
【
図22】実施の形態1にかかる電子式指示計器における突出部の機能を説明するための図
【
図23】実施の形態1にかかる電子式指示計器が第1の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す背面図
【
図25】実施の形態1にかかる電子式指示計器が第2の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す背面図
【
図27】実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤から引き出される途中の状態を示す平面図
【
図28】
図27に示すXXVIII-XXVIII線に沿った断面図
【
図29】実施の形態1にかかる電子式指示計器が
図27に示す状態からさらに盤から引き出されている状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる電子式指示計器を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電子式指示計器および盤のパネルの一例を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1にかかる電子式指示計器および盤のパネルの一例を示す側面図である。
【0012】
図1に示す電子式指示計器1は、電力系統における電圧の値および電流の値を入力とし、かかる入力に基づいて、電力系統の状態を表示する。電力系統の状態は、例えば、電力系統の電圧、電流、または電力などの状態である。
【0013】
図1に示すように、電子式指示計器1は、分電盤または配電盤などの盤4の外部から盤4のパネル4aに形成された開口部4a1に挿入される。そして、電子式指示計器1は、
図2に示すように、盤4の内部に一部が挿入された状態で盤4のパネル4aに嵌め込まれて盤4に取り付けられる。
【0014】
盤4のパネル4aは、盤4の正面に設けられる正面パネルであるが、盤4の正面以外に設けられるパネルであってもよい。なお、盤4は、例えば、箱状に形成されるが、
図1および
図2に示す例では、盤4の構成要素のうちパネル4a以外の構成要素は省略している。
【0015】
電子式指示計器1は、胴部2と、表示部3とを備える。胴部2は、電力系統における電圧、電流、電力、および力率などの電力系統の状態を演算する演算装置と、かかる演算装置を収納する円筒状の筐体とを備える。
【0016】
表示部3は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置と、かかる表示装置の表示面が外部から見える状態で表示装置を収納する筐体とを備え、胴部2の演算装置によって演算された電力系統の状態を表示する。
【0017】
図3は、実施の形態1にかかる盤のパネルの一例を示す正面図であり、
図4は、実施の形態1にかかる盤のパネルの一例を示す側面図である。
図3に示すように、盤4のパネル4aには、電子式指示計器1の胴部2が挿入される開口部4a1と、電子式指示計器1の表示部3の背面に形成される後述の突出部が挿入される孔4a2とが形成される。
【0018】
胴部2の筐体が円筒状であるため、開口部4a1は、円形状の開口であるが、胴部2の断面形状に合わせた形状であればよく、胴部2の形状と開口部4a1の形状とは、
図1に示す例に限定されない。孔4a2は、丸孔であるが、丸孔以外の形状の孔であってもよい。
【0019】
また、
図4に示すように、パネル4aの厚みは、第1の厚みL以下且つ第2の厚みnL以上の範囲である。第1の厚みLは、第2の厚みnLよりも厚い。例えば、第1の厚みLは、4.6mmであり、第2の厚みnLは、1.6mmである。
【0020】
図5は、実施の形態1にかかる電子式指示計器の側面図である。
図6は、実施の形態1にかかる電子式指示計器の背面図である。
図5および
図6に示すように、電子式指示計器1は、スナップフィット部10と、凹部20と、板バネ部30と、突出部40とを備える。
【0021】
スナップフィット部10は、電子式指示計器1の上部に配置される。具体的には、スナップフィット部10は、電子式指示計器1における胴部2の上部に設けられる。かかるスナップフィット部10は、電子式指示計器1が
図2に示す状態で電子式指示計器1の上部の
図2における左右方向の移動を規制する。
【0022】
図7は、
図6に示すVII-VII線に沿った断面図である。
図7に示すように、スナップフィット部10は、撓み柱11と、溝部12と、平板部13とを備える。撓み柱11と溝部12とは、胴部2における筐体の外周部に形成され、平板部13は、表示部3における筐体における背面側に形成される。
【0023】
撓み柱11は、胴部2の筐体本体2aに基端11aが支持され、先端11bが自由端であり、
図7に示す状態では、基端11aから先端11bへ向かうほど溝部12から離れる方向に延伸する。
図7に示す状態は、撓み柱11に外部から力が加わっていない状態である。
【0024】
撓み柱11の先端11bと平板部13とは、
図7における左右方向で対向し、撓み柱11の先端11bと平板部13との間の距離D1は、第1の厚みLと同じ長さであり、例えば、4.6mmである。
図7における左右方向は、電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1に挿入する方向である。
【0025】
次に、凹部20について説明する。
図5および
図6に示すように、凹部20は、電子式指示計器1の下部に配置され、電子式指示計器1が
図2に示す状態において電子式指示計器1の上部の
図2における左右方向の移動を規制する。
図8は、
図6に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。
【0026】
図8に示すように、凹部20は、電子式指示計器1の胴部2に形成された隆起部21と、電子式指示計器1の胴部2の外周面22と、電子式指示計器1の表示部3における背面側の平板部13とによって形成される。
【0027】
隆起部21と平板部13とは、
図8における左右方向で対向し、隆起部21と平板部13との間の距離D2は、第1の厚みLと同じ長さであり、例えば、4.6mmである。また、隆起部21は、テーパー面21aと、平坦面21bと、当接面21cとを有する。
【0028】
テーパー面21aは、当接面21cに近づくほど下方に向かうように隆起する傾斜面である。平坦面21bは、テーパー面21aと当接面21cとの間に形成される。当接面21cは、平板部13の表面と平行な面である。なお、テーパー面21aと当接面21cとの間の面は、平坦面21bに代えて、テーパー面であってもよい。
【0029】
次に、板バネ部30について説明する。
図6に示すように、板バネ部30は、電子式指示計器1の上部と下部の各々に配置される。具体的には、板バネ部30は、電子式指示計器1における表示部3における背面側の左上と右下の各々に配置される。各板バネ部30は、パネル4aの厚みが異なる盤4に順応するために、盤4の外部からパネル4aに荷重を加える。
図9は、
図6に示すIX-IX線に沿った断面図である。
【0030】
板バネ部30は、
図9に示すように、撓み柱31と、溝部32とを備える。撓み柱31は、表示部3の筐体本体3aに基端31aが支持され、先端31bが自由端であり、
図9に示す状態では、基端31aから先端31bへ向かうほど溝部32から離れる方向に延伸する。
図9に示す状態は、板バネ部30がパネル4aに当接していない状態である。
【0031】
撓み柱31の先端31bと溝部32との距離D3は、第1の厚みL-第2の厚みnL以上であり、例えば、3.0mm以上である。撓み柱31は、電子式指示計器1が盤4に取り付けられた
図2に示す状態において、溝部32に向かう方向に撓み、盤4の外部からパネル4aに当接して、盤4の外部からパネル4aに荷重を加える。
【0032】
次に、突出部40について説明する。
図6に示すように、突出部40は、電子式指示計器1の上部と下部の各々に配置される。具体的には、突出部40は、電子式指示計器1における表示部3における背面側の右上と左下の各々に配置され、胴部2の中心軸O回りの電子式指示計器1の回転を規制する。
【0033】
胴部2の中心軸Oは、胴部2における円筒状の筐体の円筒軸であり、電子式指示計器1の盤4の開口部4a1への挿入方向に沿った方向に延伸する軸である。
図10は、
図6に示すX-X線に沿った断面図である。
【0034】
図10に示すように、突出部40は、電子式指示計器1における表示部3における背面側の平板部13から突出する。突出部40の長さL1は、第1の厚みLと同じ長さであり、例えば、4.6mmである。
【0035】
突出部40は、胴部2がパネル4aの開口部4a1に挿入される際にパネル4aの孔4a2に盤4の外部から挿入される。突出部40が孔4a2に挿入されることで、胴部2の中心軸O回りの電子式指示計器1の回転が規制される。
図6に示す例では、突出部40は、円柱状の突起であるが、突出部40の形状は、円柱状に限定されず、孔4a2の形状に合わせた形状であればよい。
【0036】
以上のように構成された電子式指示計器1の胴部2を盤4の外部から盤4の内部に挿入して電子式指示計器1を盤4に取り付ける取り付け動作について説明する。
図11は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤へ取り付けられる前の状態を示す平面図である。
図12は、
図11に示すXII-XII線に沿った断面図である。
図13は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤に取り付けられる途中の状態を示す平面図である。
図14は、
図13に示すXIV-XIV線に沿った断面図である。
図15は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤に取り付けられた状態を示す平面図である。
図16は、
図15に示すXVI-XVI線に沿った断面図である。
図17は、
図16に示すX領域の拡大図である。
【0037】
図11および
図12に示すように、電子式指示計器1を盤4への取り付ける際、電子式指示計器1の胴部2を盤4のパネル4aに形成された開口部4a1と対向する位置に配置し、電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1に挿入する。
【0038】
図13および
図14に示すように、電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1に挿入していくと、電子式指示計器1のスナップフィット部10における撓み柱11が開口部4a1の縁4a11に当接して撓んで撓み柱11が湾曲する。撓み柱11が湾曲することで撓み柱11の一部または全体が溝部12に収まり、胴部2が盤4の内部へさらに挿入可能となる。
【0039】
電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1にさらに挿入していくと、隆起部21のテーパー面21aが開口部4a1の縁4a11に当接するため、電子式指示計器1の姿勢が前後方向に対して斜めに傾く。そして、電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1にさらに挿入していくと、
図14に示すように、電子式指示計器1の姿勢が前後方向に対して斜めに傾いた状態で、隆起部21の平坦面21bが開口部4a1の縁4a11に当接する。
【0040】
図13および
図14の状態から、電子式指示計器1の胴部2を開口部4a1にさらに挿入していくと、
図16に示すように、凹部20が盤4の外部と内部とからパネル4aを挟む位置になる。このとき、盤4のパネル4aは、板バネ部30によって盤4の外部から盤4の内部へ向かう方向に荷重が加えられている。そのため、パネル4aの厚みが第2の厚みnLであっても、凹部20の当接面21cが盤4のパネル4aを盤4の内部から当接して、電子式指示計器1の下部の
図16における左右方向における移動が規制される。
【0041】
また、撓み柱11が上下方向で開口部4a1の縁4a11と対向する位置を通過するため、
図16および
図17に示すように、開口部4a1の縁4a11への撓み柱11の当接が解除され、撓み柱11の撓みが解除される。このとき、盤4のパネル4aは、板バネ部30によって盤4の外部から盤4の内部へ向かう方向に荷重が加えられている。そのため、パネル4aの厚みが第2の厚みnLであっても、撓み柱11の先端11bは、盤4のパネル4aを盤4の内部から当接して、
図16および
図17における左右方向において電子式指示計器1の上部の移動が規制される。
【0042】
このように、電子式指示計器1では、スナップフィット部10の撓み柱11と凹部20とによって電子式指示計器1の
図16における左右方向の移動が規制される。また、電子式指示計器1には、板バネ部30によって盤4の外部から盤4の内部へ向かう方向に荷重が加えられているため、パネル4aの厚みが異なる盤4にも適切に取り付けることができる。
【0043】
以下、板バネ部30および突出部40の各々の機能についてさらに詳細に説明する。
図18は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が第1の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す正面図である。
図19は、
図18に示すXIX-XIX線に沿った断面図である。
図20は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が第2の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す正面図である。
図21は、
図20に示すXXI-XXI線に沿った断面図である。
図22は、実施の形態1にかかる電子式指示計器における突出部の機能を説明するための図である。
図23は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が第1の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す背面図である。
図24は、
図23に示すXXIV-XXIV線に沿った断面図である。
図25は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が第2の厚みを有するパネルに取り付けられた状態を示す背面図である。
図26は、
図25に示すXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
【0044】
図19に示すように、電子式指示計器1が第1の厚みLを有するパネル4aに取り付けられた状態において、パネル4aは、盤4の外部から盤4の内部に向けた方向に荷重が板バネ部30の撓み柱31によって加えられている。
図19に示す状態では、板バネ部30の撓み柱31は、全体が溝部32に収まる位置にある。
【0045】
また、
図21に示すように、電子式指示計器1が第2の厚みnLを有するパネル4aに取り付けられた状態において、パネル4aは、盤4の外部から盤4の内部に向けた方向に荷重が板バネ部30の撓み柱31によって加えられている。
図21に示す状態では、板バネ部30の撓み柱31は、溝部32から一部が突出する位置にある。
【0046】
このように、電子式指示計器1では、板バネ部30によって盤4の外部から盤4の内部に向けた方向にパネル4aに荷重が加えられる。そのため、パネル4aは、
図24および
図26に示すように、板バネ部30による付勢によってスナップフィット部10における撓み柱11の先端11bに押し当てられる状態になる。
【0047】
また、
図24に示すように、電子式指示計器1が第1の厚みLを有するパネル4aに取り付けられた状態において、突出部40は、孔4a2に挿入され、表示部3における背面側の平板部13は、盤4の外部からパネル4aに当接している。これにより、
図22に示すように、電子式指示計器1は、胴部2の中心軸O回りの電子式指示計器1の回転が規制される。
【0048】
また、突出部40の長さは、第1の厚みLと同じ長さであることから、
図26に示すように、電子式指示計器1が第2の厚みnLを有するパネル4aに取り付けられた状態において、突出部40の一部がパネル4aの孔4a2に挿入された状態である。そのため、電子式指示計器1が第2の厚みnLを有するパネル4aに取り付けられた場合であっても、胴部2の中心軸O回りの電子式指示計器1の回転が規制される。
【0049】
このように、電子式指示計器1では、突出部40と孔4a2との係合によって、第1の厚みLから第2の厚みnLまでの範囲内の厚みを有する盤4に対して、胴部2の中心軸O回りの回転を規制することができる。
【0050】
また、突出部40の長さが第1の厚みLに対して長すぎると、電子式指示計器1を盤4の開口部4a1に対して斜めに挿入することが難しくなるが、電子式指示計器1では、突出部40の長さは、第1の厚みLと同じ長さである。そのため、電子式指示計器1では、孔4a2への突出部40の係り代を十分に確保しつつ、電子式指示計器1の胴部2を盤4の開口部4a1に対して斜めに挿入することができる。
【0051】
次に、盤4に取り付けられた状態の電子式指示計器1を盤4から取り外す動作について説明する。
図27は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が盤から引き出される途中の状態を示す平面図である。
図28は、
図27に示すXXVIII-XXVIII線に沿った断面図である。
図29は、実施の形態1にかかる電子式指示計器が
図27に示す状態からさらに盤から引き出されている状態を示す平面図である。
図30は、
図29に示すXXX-XXX線に沿った断面図である。
【0052】
盤4に取り付けられた状態の電子式指示計器1を盤4から取り外す場合、
図28に示すように、スナップフィット部10の撓み柱11を湾曲させて、撓み柱11を溝部12に収納させる。また、凹部20を盤4と干渉させないために、パネル4aを挟む位置から盤4の外部へ凹部20を引き出し、
図30に示すように、電子式指示計器1を斜めに盤4の外部へ引き出すことで、電子式指示計器1を盤4から取り外すことができる。
【0053】
盤4のパネル4aの厚みが第1の厚みLよりも薄い場合、電子式指示計器1における表示部3の背面側に位置する平板部13と盤4のパネル4aとに隙間が生じる。かかる隙間は、不図示のゴムパッキンを平板部13と盤4との間に挟むことで埋めることができる。この場合、隙間を埋めるゴムパッキンとして、例えば、開口部4a1と同等の孔径の孔と孔4a2と同等の孔径の孔とを孔加工によって形成したゴムパッキンを用いることで、平板部13と盤4との間の隙間を適切に埋めることができる。
【0054】
なお、上述した例では、スナップフィット部10が電子式指示計器1の上部に配置され、凹部20が電子式指示計器1の下部に配置されるが、スナップフィット部10および凹部20の位置は上述した例に限定されない。例えば、スナップフィット部10を電子式指示計器1における左右方向の一方に配置し、凹部20を電子式指示計器1における左右方向の他方に配置してもよい。また、スナップフィット部10を電子式指示計器1の下部に配置し、凹部20を電子式指示計器1の上部に配置してもよい。
【0055】
また、上述した例では、板バネ部30および突出部40は、電子式指示計器1の上部および下部に配置されるが、板バネ部30および突出部40の配置および数は、上述した例に限定されない。例えば、板バネ部30および突出部40は、電子式指示計器1の左部および右部に配置されてもよく、電子式指示計器1の上部、下部、左部、および右部に配置されてもよい。
【0056】
以上のように、実施の形態1にかかる電子式指示計器1は、盤4のパネル4aに形成された開口部4a1から盤4の内部に一部が挿入された状態で盤4に取り付けられる電子式指示計器であって、スナップフィット部10と、凹部20と、板バネ部30とを備える。スナップフィット部10は、電子式指示計器1の一部が開口部4a1に挿入される際に開口部4a1の縁4a11に当接して撓み且つ一部が開口部4a1に挿入された状態で盤4の内部からパネル4aに先端11bが当接する撓み柱11を有する。凹部20は、一部が開口部4a1に挿入された状態で盤4の外部と内部とからパネル4aを挟む位置に配置される。板バネ部30は、一部が開口部4a1に挿入された状態で盤4の外部からパネル4aに荷重を加える。これにより、電子式指示計器1は、盤4の内部へ回り込むことなく盤4へ取り付け可能且つ異なる厚みのパネル4aに順応することができる。
【0057】
また、スナップフィット部10は、電子式指示計器1の上部および下部のうちの一方に配置される。凹部20は、電子式指示計器1の上部および下部のうちの他方に配置される。これにより、電子式指示計器1は、盤4の内部に一部が挿入される際に、前後方向に対して斜めに挿入することができることから、電子式指示計器1の盤4への取り付けを容易に行うことができる。
【0058】
また、板バネ部30は、電子式指示計器1の上部と下部とに配置される。これにより、電子式指示計器1は、異なる厚みのパネル4aに精度よく順応することができる。
【0059】
また、電子式指示計器1は、突出部40を備える。突出部40は、一部が開口部4a1に挿入される際に盤4の孔4a2に盤4の外部から挿入される。これにより、電子式指示計器1は、中心軸O回りの回転を規制することができる。
【0060】
また、突出部40は、電子式指示計器1の上部と下部とに配置される。これにより、電子式指示計器1は、中心軸O回りの回転を精度よく規制することができる。
【0061】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 電子式指示計器、2 胴部、2a,3a 筐体本体、3 表示部、4 盤、4a パネル、4a1 開口部、4a11 縁、4a2 孔、10 スナップフィット部、11,31 撓み柱、11a,31a 基端、11b,31b 先端、12,32 溝部、13 平板部、20 凹部、21 隆起部、21a テーパー面、21b 平坦面、21c 当接面、22 外周面、30 板バネ部、40 突出部、D1,D2,D3 距離、L 第1の厚み、L1 長さ、nL 第2の厚み、O 中心軸。