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  • 特開-ペット用保温ミトン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180699
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ペット用保温ミトン
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A01K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087323
(22)【出願日】2021-05-25
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】篠田 彩音
(57)【要約】
【課題】猫や犬等の小動物のペットを撫でて温めながら可愛がることができ、ユーザー(飼い主)とペットとのスキンシップを高めることのできるペット用保温ミトンを提供する。
【解決手段】表生地と裏生地とを周縁部において接続してなる本体部と、前記本体部の前記表生地側に設けられたポケット部と、を具備し、前記本体部が複数の内部区画を有しており、前記内部区画の少なくとも1つに小豆が充填されていること、を特徴とするペット用保温ミトン。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表生地と裏生地とを周縁部において接続してなる本体部と、
前記本体部の前記表生地側に設けられたポケット部と、を具備し、
前記本体部が複数の内部区画を有しており、
前記内部区画の少なくとも1つに小豆が充填されていること、
を特徴とするペットを撫でるためのペット用保温ミトン。
【請求項2】
前記開口に対向する位置において前記表生地に設けられた表側取手部を、更に具備すること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用保温ミトン。
【請求項3】
前記表側取手部に対応する位置において前記裏生地に設けられた裏側取手部を、更に具備すること、
を特徴とする請求項2に記載のペット用保温ミトン。
【請求項4】
前記内部区画における小豆の単位面積当たりの充填量Sが、1.0~10.0g/cmであること、
を特徴とする請求項1~3のうちのいずれかに記載のペット用保温ミトン。
【請求項5】
前記内部区画における小豆の単位体積当たりの充填量Vが、0.15~0.50g/cmであること、
を特徴とする請求項1~4のうちのいずれかに記載のペット用保温ミトン。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば猫や犬等の小動物のペットを撫でて暖めながら可愛がることのできるペット用保温ミトンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペットを撫でて可愛がるためのグッズとして、例えば特許文献1(特開2014-054310号公報)において、「ペットを撫でるようにマッサージすることで、使用者の手指や掌がペットに触れるため、ペットに安心感を与えることができ、さらにマッサージにより、凝りをほぐしリラックス効果が得られ、使用者とのスキンシップが持てるマッサージ器具」が提案されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2(特開2009-136176号公報)においては、「ペットがペット用保温マットに着座したときから保温効果を発揮させることができるペット用保温マット」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-054310号公報
【特許文献2】特開2009-136176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記引用文献1記載のマッサージ器具は、軸芯を中心にローラーが回転することを特徴とするものであり、ペットを暖めることができず、また、上記引用文献2記載のペット用保温マットは、その形状からペットを撫でることはできずスキンシップに限界がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、例えば猫や犬等の小動物のペットを撫でて温めながら可愛がることができ、ユーザー(飼い主)とペットとのスキンシップを高めることのできるペット用保温ミトンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
表生地と裏生地とを周縁部において接続してなる本体部と、
前記本体部の前記表生地側に設けられたポケット部と、を具備し、
前記本体部が複数の内部区画を有しており、
前記内部区画の少なくとも1つに小豆が充填されていること、
を特徴とするペット用保温ミトン、を提供する。
【0008】
上記の本発明のペット用保温ミトンにおいては、
前記開口に対向する位置において前記表生地に設けられた表側取手部、及び/又は、前記表側取手部に対応する位置において前記裏生地に設けられた裏側取手部を、更に具備すること、
が好ましい。
【0009】
また、上記の本発明のペット用保温ミトンにおいては、
前記内部区画における小豆の単位面積当たりの充填量Sが、1.0~10.0g/cmであること、
が好ましい。
【0010】
更に、上記の本発明のペット用保温ミトンにおいては、
前記内部区画における小豆の単位体積当たりの充填量Vが、0.15~0.50g/cmであること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば猫や犬等の小動物のペットを撫でて温めながら可愛がることができ、ユーザー(飼い主)とペットとのスキンシップを高めることのできるペット用保温ミトンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るペット用保温ミトン1の一実施形態の表面側の様子を示す概略上面図である。
図2】本実施形態のペット用保温ミトン1の裏面側の様子を示す概略底面図である。
図3】本実施形態のペット用保温ミトン1の内部区画を説明するための概略図である。
図4】本実施形態のペット用保温ミトン1の使用方法を説明するための図である。
図5】本発明に係るペット保温ミトンのサンプルの使用状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るペット用保温ミトンは、本発明者が、小豆(あずき)を布袋に充填して電子レンジで加熱すれば、好適な保温機能を発揮することを見出したことに端を発して、鋭意検討や実験を積み重ねることによって完成したものである。
【0014】
本発明に係るペット用保温ミトンに手を挿入して使用すれば、例えば猫や犬等の小動物のペットを撫でて温めながら可愛がることができ、スキンシップを高めることができるものである。即ち、ユーザー(飼い主)とペットが一緒に温まってリラックスしながらコミュニケーションをとることができる。
【0015】
以下において、本発明のペット用保温ミトンの代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0016】
(1)ペット用保温ミトンの構成
図1は、本発明に係るペット用保温ミトン1の一実施形態の表面側の様子を示す概略上面図であり、図2は、本実施形態のペット用保温ミトン1の裏面側の様子を示す概略底面図である。
【0017】
ペット用保温ミトン1は、図1及び図2に示すように、主として、表生地2と裏生地4とを、これら表生地2及び裏生地4をそれぞれの周縁部において縫製等によって接続して構成された本体部6によって構成されている。
【0018】
本体部6の表生地2側には、概ね表生地2の半分の大きさ及び形状であり、本実施形態では、表面が表生地2と同様のポケット用生地をその周縁部を縫製することによりポケット部8が設けられており、開口8aを有している。
【0019】
また、本体部6は、図1において実線で示すように、複数(本実施形態では3つ)の内部区画a、b及びcが縫製によって設けられており、これら内部区画a、b及びcのそれぞれに小豆(あずき)が充填されている。ここで、図3は、図2に対応しており、ペット用保温ミトン1の内部区画a、b及びcを説明するための概略図である。破線部分において内部を仕切るように縫製されており、内部区画a、b及びcが形成されている。
【0020】
更に、本実施形態のペット用保温ミトン1は、図1に示すように、開口8aに対向する位置において表生地2に縫製により設けられた表側取手部2Aと、図2に示すように、表側取手部2Aに対応する位置において裏生地4に縫製により設けられた裏側取手部4Aを、具備する。
【0021】
ここで、ペット用保温ミトン1においては、内部区画a、b及びcに小豆が充填されており、内部区画a、b及びcそれぞれについて、図1及び図2のように広げた状態で略垂直な方向からみたばあいの単位面積当たりの充填量Sが、保温持続時間が短くなり過ぎず、繰返し使用回数を確保できるという観点から、1.0~10.0g/cmが好ましいことを、本発明者は鋭意実験を繰り返すことにより見出した。更に、上記の単位面積当たりの充填量Sは、より確実に保温持続時間及び繰返し使用回数を確保できるという観点から、更には2.0~6.0g/cmが好ましい。
【0022】
本発明者らは、ペット用保温ミトン1において、内部区画a、b及びcそれぞれについて、単位体積当たりの充填量Vについても検討し、保温持続時間が短くなり過ぎず、繰返し使用回数を確保できるという観点から、0.15~0.50g/cmが好ましいことを、本発明者は鋭意実験を繰り返すことにより見出した。更に、上記の単位体積当たりの充填量Vは、より確実に保温持続時間及び繰返し使用回数を確保できるという観点から、更には0.25~0.40g/cmが好ましい。
【0023】
即ち、内部区画a、b及びcそれぞれについて、単位面積当たりの充填量S及び/又は単位体積当たりの充填量Vペットを上記範囲に設定すれば、保温ミトン1を電子レンジで温めた場合、ペットと接触するペット用ミトン1の外表面(即ち、図1においては表側手部10の近傍の表生地2の表面、図2においては裏生地4の表面)では、500Wで40秒間又は600Wで30秒間加熱すると35℃以上を約15分間持続可能(170回)であることを、確認している。
【0024】
また、ペット用保温ミトン1を電子レンジで温めた場合、ペット用ミトン1の内側(即ち、図1においては、ユーザーが手を挿入するポケット部8の内部)では、500Wで40秒間又は600Wで30秒間加熱すると40℃以上を約15分間持続可能(170回)であることも、確認している。
【0025】
ペット用保温ミトン1の材質は、基本的には、編布や織布等の繊維製布材料であり、起毛を有する布地を使用してもよい。表生地2、裏生地4、ポケット部8、表側取手部2A及び裏側取手部4Aについて、それぞれ同じ材料を用いてもよいし、表側(図1側)と裏側(図2側)とで触感や風合いの異なる材料を用いてもよい。
【0026】
表側(図1側)と裏側(図2側)とで触感や風合いの異なる材料を用いれば、後述するように、ペット用保温ミトン1の構造状リバーシブルな構造であるため、使用方法にバリエーションができてユーザー(飼い主)とペットのスキンシップに好適である。
【0027】
(2)ペット用保温ミトンの使用方法
本実施形態のペット用保温ミトン1では、表生地2と裏生地4とに、それぞれ触感及び風合いの異なる素材を用いており、リバーシブルで使用可能であるため、いずれの面を用いてもペットを撫でることができ、スキンシップ及びコミュニケーションに選択肢乃至はバリエーションを持たせることができる。
【0028】
(2-1)第一の使用方法
まず、本実施形態のペット用保温ミトン1の第一の使用方法を図1及び図4の(a)を参照しながら説明すると、まず、図1に示す状態から、本体部6の下端部を持って上方に折り曲げて、図4の(a)に示すように、開口8aからポケット部8を挿入する。この状態では、ポケット部8の下方において、裏生地4側が上を向いた状態で、開口8aに挿入されていることになる。
【0029】
この状態で、ポケット部8の開口8aからユーザーが手を挿入すれば、裏側取手部4Aを把持しながら、ペット用保温ミトン1の下側に位置する裏生地4の部分で、ペットを撫でることができる。
【0030】
(2-2)第二の使用方法
次に、本実施形態のペット用保温ミトン1の第二の使用方法を図1及び図4の(b)を参照しながら説明すると、まず、図1に示す状態から、図4の(b1)に示すように開口8aの部分をまくってポケット部8を持ち、図4の(b2)に示すように裏返すことによって、図4の(b3)に示すように表生地2の全体を露出させる。
【0031】
図4の(b3)の状態のペット用保温ミトン1を裏返し、本体部6の下端部を持って上方に折り曲げて、図4の(c)に示すように、開口8aからポケット部8を挿入する。この状態では、ポケット部8の下方において、表生地2側が上を向いた状態で、開口8aに挿入されていることになる。
【0032】
この状態で、ポケット部8の開口8aからユーザーが手を挿入すれば、表側取手部2Aを把持しながら、ペット用保温ミトン1の下側に位置する表生地2の部分で、ペットを撫でることができる。
【0033】
なお、図5に、本発明に係るペット保温ミトンのサンプルの使用状態を示す写真を示す。図4を用いて上述したように、リバーシブルで使用可能であるため、図5に示すように、表生地側及び裏生地側のいずれ用いてペットを撫でることができる。表生地と裏生地とに、それぞれ触感及び風合いの異なる素材を用いれば、いずれの面を用いてもペットを撫でることができ、スキンシップ及びコミュニケーションに選択肢乃至はバリエーションを持たせることができる。
【0034】
以上の、本発明の一実施形態に係るペット保温ミトン1の具体的な態様について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0035】
例えば、上記の実施形態においては、ペット用保温ミトン1に3つの内部区画a、b及びcを設ける構成について述べたが、内部区画の数はこれに限定されるものではなく、適宜選択することができる。ただし、一つの内部区画の面積及び体積が大き過ぎると、充填された小豆が偏在し得るため、面積は50.0~100.0 cmであればよく、更には60.0~80.0g/cmが好ましい。体積(容積乃至は容量)は80.0~120.0cmであればよく、90.0~115.0cmであるのが好ましい。
【0036】
また、上記の実施形態においては、ペット用保温ミトン1の本体部6のうち、図1等における下方のポケット部8の無い半分部分に、小豆を充填すべき内部区画a、b及びcを設ける構成について述べたが、これに限られず、小豆の充填すべき内部区間はその他の位置にも設けてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5