(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180710
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】水害避難用簡易シェルター
(51)【国際特許分類】
B63C 9/06 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
B63C9/06 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087344
(22)【出願日】2021-05-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】517435711
【氏名又は名称】株式会社日本耐震設計
(74)【代理人】
【識別番号】110002893
【氏名又は名称】弁理士法人KEN知財総合事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 明洋
(57)【要約】
【課題】軽量化されて運搬性に優れ、保管時にコンパクトで、低コスト化された水害避難用簡易シェルターを提供する。
【解決手段】複数のフロート10a~10dを上下方向に積み重ね、上下方向で隣接するフロート同士を連結して構成される略円筒状の浮揚体10と、複数のフロート10a~10dのうち、最上部および最下部のフロート10a,10dの内周側にそれぞれ設けられた2つの隔壁板20,20と、を有し、浮揚体10の内周面と2つの隔壁板20,20とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者を収容する閉鎖された収容空間SPが形成され、2つの隔壁板20,20には、避難者が収容空間SPに出入りするための扉24がそれぞれ設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれガス注入バルブを通じて内部にガスが注入されて中空ドーナツ状を有する複数のフロートを上下方向に積み重ね、上下方向で隣接する前記フロート同士を連結して構成される略円筒状の浮揚体と、
前記複数のフロートのうち、最上部および最下部のフロートの内周側にそれぞれ設けられた2つの隔壁板と、を有し、
前記浮揚体の内周面と前記2つの隔壁板とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者を収容する閉鎖された収容空間が形成され、
前記2つの隔壁板には、避難者が前記収容空間に出入りするための扉がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする水害避難用簡易シェルター。
【請求項2】
前記2つの隔壁板の間で延在しかつ互いに離間して並設された2本のベルトからなる安全ベルトであって、前記浮揚体の内周面と前記2本のベルトとの間に避難者の身体を配置することで、当該避難者の転倒を防ぐ安全ベルトを備える、請求項1に記載の水害避難用簡易シェルター。
【請求項3】
前記2つの隔壁板には、外部から前記収容空間内に空気を取り込むための空気孔がそれぞれ形成され、
前記空気孔に対して手動操作で挿抜される閉塞栓をさらに有する、請求項1又は2に記載の水害避難用簡易シェルター。
【請求項4】
前記2つの隔壁板の扉には、外部を視認可能な透明材料からなる窓がそれぞれ設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載の水害避難用簡易シェルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波や洪水等の水害の発生の際に緊急避難用に使用する水害避難用簡易シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
日本は地震国家であり、近い将来巨大地震が発生すると予想されており、巨大地震の発生で来襲する大きな津波に備えておく必要がある。また、地震に限らず、河川氾濫、洪水等の水害が発生しやすい場所でも、これに備えておく必要がある。
例えば、特許文献1は、平時にはコンパクトに保管でき、津波等の水害が発生した際には、衝撃吸収できるガス袋からなる略円筒形状の壁を持った避難用の居住空間を瞬時に形成し、漂流しながら救助を待つ携帯用の水害シェルターを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の携帯用の水害シェルターでは、シェルターの最下部に設けた収納部にガス袋を瞬時に膨張させるための高圧ボンベや起動装置等の重量物を格納し、シェルター全体の重心位置を低くして、水面上にて常に正の復元性を持つ構造となっている。このため、特許文献1のシェルターでは、シェルター上部に設けられた蓋部を開閉して居住空間に対して出入りする構造となっている。
しかしながら、シェルターの最下部に収納部を設け、これに高圧ボンベや起動装置等の重量物を収納する構造では、携帯用のシェルターとしては重量が比較的重くなってしまい、高圧ボンベや起動装置等を設けることで、シェルターのコストも高くなってしまう。
また、津波や洪水の激流やこれに流される瓦礫の中ではシェルターの姿勢を安定的に保持するのは困難であり、シェルターが横転したり上下逆転したりすることも十分に想定される。シェルターが上下逆転してしまった状態では、シェルター上部に設けられた蓋部を開けることができず、シェルターから外部の状況を把握することや、シェルターから脱出することや、シェルター内に空気を取り込むことが困難となる。
さらに、シェルターの姿勢が安定的に保持されることを前提にシェルターのベース部に設けた安全ベルトで避難者をシェルター内に固定すると、シェルターが横転したり上下逆転したりするようなことが発生した場合には、避難者は適切な行動が取れず、逆に、危険な状態に陥る可能性もある。
【0005】
本発明の目的の一つは、津波や洪水の激流やこれに流される瓦礫の中であっても、避難者の安全性をより高めることが可能な水害避難用簡易シェルターを提供することである。
本発明の他の目的は、より軽量化されて携帯性に優れ、収納保管時にコンパクトで、より低コスト化された水害避難用簡易シェルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水害避難用簡易シェルターは、それぞれガス注入バルブを通じて内部にガスが注入されて中空ドーナツ状を有する複数のフロートを上下方向に積み重ね、上下方向で隣接する前記フロート同士を連結して構成される略円筒状の浮揚体と、
前記複数のフロートのうち、最上部および最下部のフロートの内周側にそれぞれ設けられた2つの隔壁板と、を有し、
前記浮揚体の内周面と前記2つの隔壁板とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者を収容する閉鎖された収容空間が形成され、
前記2つの隔壁板には、避難者が前記収容空間に出入りするための扉がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
最上部および最下部のフロートにそれぞれ設けられる隔壁板の両方に扉を設けることで、シェルターが上下逆転し、一方の隔壁板が水没したような場合でも、他方の隔壁板に設けられた扉を通じて外部の状況を把握することや、シェルターから脱出することが可能となる。
【0007】
好適には、前記2つの隔壁板の間で延在しかつ互いに離間して並設された2本のベルトからなる安全ベルトであって、前記浮揚体の内周面と前記2本のベルトとの間に避難者の身体を配置することで、当該避難者の転倒を防ぐ安全ベルトを備える。
この構成によれば、避難者は、これら2本のベルトと浮揚体の内周面との間に入り込むだけで転倒を防ぐことができ、他の操作を必要としない。避難者はシェルター外に脱出する際にも安全ベルトの解除操作の必要がない。
【0008】
さらに好適には、前記2つの隔壁板には、外部から前記収容空間内に空気を取り込むための空気孔がそれぞれ形成され、
前記空気孔に対して手動操作で挿抜される閉塞栓をさらに有する。
2つの隔壁板に設けた空気孔にそれぞれ閉塞栓を挿すことで、水の侵入を確実に防ぎ、空気の取り込みが必要となった場合には、水没していない側の閉塞栓を手動で空気孔から抜くことで容易に対応できる。
【0009】
さらに好適には、前記2つの隔壁板の扉には、外部を視認可能な透明材料からなる窓がそれぞれ設けられている、構成を採用できる。
2つの隔壁板の扉に窓を設けることで、シェルターが上下逆転していても、扉を開けることなく外部の状況を把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、津波や洪水の激流やこれに流される瓦礫の中であっても、避難者の安全性を高めることが可能な水害避難用簡易シェルターが提供される。
また、本発明によれば、軽量化されて運搬性に優れ、保管時にコンパクトで、低コスト化された水害避難用簡易シェルターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水害避難用簡易シェルターの外観斜視図。
【
図2】
図1の水害避難用簡易シェルターの扉を解放した状態を示す外観斜視図。
【
図4】
図1の水害避難用簡易シェルターの概略的な構造を示す縦断面図。
【
図5】フロート間の連結方法の一例を説明するための図。
【
図6C】
図6Aの隔壁板に設けられたロック機構の解除状態を示す断面図。
【
図7】(a)は扉に形成された空気孔を閉塞栓で閉塞した状態を示す断面図であり、(b)は空気孔から閉塞栓を抜きとった状態を示す断面図。
【
図8A】水害避難用簡易シェルターに設けた転倒防止用の安全ベルトの構造を示す図。
【
図8B】シェルターの収容空間内に複数の安全ベルトを設けた図。
【
図9】水害避難用簡易シェルターの保管状態における外形形態を模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1~
図4に本発明の一実施形態に係る水害避難用簡易シェルター(以下、シェルターと呼ぶ。)1の基本的構造を示す。
図1~
図4に示すように、シェルター1は、上下方向に積み重ねた複数(4つ)のフロート10a~10dからなる略円筒形状の浮揚体10と、最上部のフロート10aと最下部のフロート10dの内周側にそれぞれ設けられた隔壁板20,20とを含み、浮揚体10の内周面と2つの隔壁板20,20とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者EHを収容する閉鎖された収容空間SPが形成されている。
浮揚体10を構成する複数のフロート10a~10dの上下方向で隣接するフロート同士は、連結されている。
隔壁板20,20は、円板状に形成され、その外周縁部が最上部のフロート10aと最下部のフロート10dの内周面に連結されている。
【0013】
複数のフロート10a~10dは、例えば、ゴム素材で形成され、タイヤチューブと同様の構造を有している。フロート10a~10dの外周部には、ガス注入バルブ11がそれぞれ設けられ、このガス注入バルブ11を通じて空気等のガスがフロート10a~10dの内部に注入充填されると、フロート10a~10dは
図1~
図4に示す中空ドーナツ状の形態を有することになる。
【0014】
隔壁板20は、フロート10aまたはフロート10dの内周面に固定される略環状の固定部22と、この固定部22に形成された出入口22aを開閉する扉24からなる。
固定部22および扉24はポリエステル等の樹脂で形成されている。なお、隔壁板20の詳細構造については後述する。
扉24は、ヒンジ25によって固定部22に連結されており、扉24は外側に向かって開放できるようになっている。扉24には、後述するように、窓26および収容空間SPに空気を取り込むための空気孔28が形成されている。
【0015】
図5にフロート10a~10d間の連結方法の一例を示す。
上下方向において隣接するフロート10a、10bの外周面には、周方向に部分的に布部材fbが接着剤でそれぞれ貼着されている。布部材fbは、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)やポリ塩化ビニル(PVC)等の材料で形成され、領域R1で示す布部材fb同士が接触する部分は、縫合せにより結合されている。これにより、フロート10aとフロート10bとの間が連結され、フロート10aとフロート10bとが連結された部分からは水が浸入しないようになっている。他のフロート間も同様の方法で連結されている。
なお、隔壁板20の固定部22とフロート10a,10dとの連結方法も、布部材fbを用いて接着により連結することができる。
【0016】
図6Aおよび
図6Bに隔壁板20の構造の一例を示す。
図6Aおよび
図6Bに示すように、隔壁板20の固定部22の上面側には、凹部22cが形成され、凹部22cの底面に出入口22aの周囲を囲む溝部22bが形成されている。
扉24の下面には、シール部材SLが設けられており、扉24を閉じたときに固定部22の溝部22bにシール部材SLが嵌ることで、扉24と出入口22aとの間がシールされる。
図6Aに示すように、扉24は出入口22aを閉じた状態で、凹部22cに嵌るようになっている。
扉24には、透明な樹脂製の窓26がはめ込まれており、窓26を通じて外部から光Lが入射するようになっている。すなわち、シェルター1の収容空間SP内に光Lが射し込むとともに、収容空間SP内の避難者は窓26を通じて外部の状況を把握できる。
なお、本実施形態では、扉24に窓26を設けたが、窓26を設ける代わりに、扉24を透明な材料で形成することも可能である。
扉24の両面には、扉24を開閉する際に掴むための取手29が設けられている。
【0017】
隔壁板20の固定部22の上面には、牽引用フック30が設けられている。牽引用フック穴30は、漂流しているシェルター1を船で曳航するときや、ヘリコプターで吊り上げる際に用いられる。
隔壁板20の固定部22の下面には、ハンドグリップ31が設けられている。ハンドグリップ31は、収容空間SP内の避難者が掴まるために設けられている。
なお、牽引用フック30やハンドグリップ31の設置位置や個数は、適宜変更できる。
【0018】
扉24の下面にはロック機構40が設置されている。ロック機構40は、出入口22aを閉じた扉24が開かないように扉24をロックするために設けられている。ロック機構40は、扉24に設けられた軸44を中心に旋回可能に支持部材44に支持された操作レバー41と、操作レバー41の先端部に設けられた係止部材42とを備えている。ロック機構40は、
図6Aに示す状態では、係止部材42が固定部22の下端面22dに係止した状態にあり、扉24はロック状態にある。操作レバー41を旋回させて係止部材42と固定部22の下端面22dとの係止状態を
図6Cに示すように解除することによりロックが解除される。この状態にすることにより、
図6Bに示したように、扉24を開放することができる。
なお、扉24の下面22dのロック機構40の係止部材42が接触する部分には、扉24の下面22dの摩耗を防ぐため、ステンレス鋼等からなる薄い金属板を設けることも可能である。
ロック機構40は、上下の扉24,24の両方に設けられ、避難者EHが下側に位置するロック機構40の操作レバー41に意図せず当たって、ロック機構40のロック状態が解除され、扉24が意図せず開いてしまう可能性がある。これを防ぐために、ある程度大きな力が操作レバー41に作用するまでは係止部材42が動かないように、扉24に突起等からなるストッパー等の安全機構を設けることができる。
【0019】
図7に扉24に形成した空気孔28およびこの空気孔28を閉塞するための閉塞栓50を示す。閉塞栓50は扉24の下面にチェーン51により繋げられている。空気孔28は、先細りテーパ状に形成された孔であり、
図7(a)に示すように、空気孔28に先細りテーパ状に形成された閉塞栓50を挿し込むことで、水の侵入を確実に防ぐことができる。シェルター1の収容空間SP内に空気を取り込む必要がある場合には、2つの扉24のうち、水没していない側の扉24の空気孔28から閉塞栓50を手動操作で抜くことで、
図7(b)に示すように、空気孔28を通じて空気を取り込むことができる。
なお、本実施形態では、空気孔28を扉24に設けたが、これに限定されるわけではなく、2つの隔壁板20の固定部22にそれぞれ設けることも可能である。
【0020】
図8Aに、シェルター1の収容空間SPに避難した避難者EHの安全性を高めるために設けられた安全ベルト101を示す。
安全ベルト101は、可撓性を有する2本のベルト101a,101bからなり、2本のベルト101a,101bは上下2つの隔壁板20の間で延在しかつ互いに離間して並設されている。ベルト101a,101bの一端は、上側の隔壁板20の固定部22に固定され、ベルト101a,101bの他端は、下側の隔壁板20の固定部22に固定されている。
避難者EHは、
図8Aに示すように、浮揚体10の内周面と2本のベルト101a,101bの間に自身の身体を置いて、2本のベルト101a,101bを外側から抱え込む、あるいは、両手で2本のベルト101a,101bを掴むことで、シェルター1の揺れにより収容空間SP内において転倒するのを避けることができる。避難者EHは、特別な操作を必要とせず、シェルター外に脱出する際にも安全ベルト101の解除操作の必要がない。
安全ベルト101は、
図8Bに示すように、複数箇所(2箇所)に設けることが好ましい。これにより、避難者EHは、状況に応じて、使いやすい位置にある安全ベルト101を選択できる。
【0021】
図9にシェルター1の保管状態における外形形態を概略的に示す。
図8に示すように、各フロート10a~10dにガスが充填されていない状態では、各フロート10a~10dは平坦な状態で積み重ねられ、シェルター1は略円板状の形態となる。シェルター1は、高圧ボンベ等の重量物を備えていないため、非常に軽量であり、保管状態ではコンパクトになっている。このため、保管場所を大きく確保する必要がなく、運搬が容易である。
【0022】
シェルター1を保管する際には、足踏み式のポンプ、ハンドポンプ、伝導ポンプ、エアコンプレッサー等の各フロート10a~10dにガスを注入充填する器具とともに保管しておくことが好ましい。
【0023】
津波や、洪水が来ることを検知すると、避難者はシェルター1を保管場所から適切な場所に運搬し、そこでフロート10a~10dの各々に、上記したポンプやエアコンプレッサー等を用いてガスを充填し、フロート10a~10dを膨らませる。
避難者は2つの扉24の一方を開けて、収容空間SP内に避難する。シェルター1には、上下の隔壁板20,20のそれぞれに扉24が設けられているので、一方の隔壁板20が水没したような場合でも、他方の隔壁板20に設けられた扉24を通じて外部の状況を把握することができ、また、状況に応じて2つの扉24のいずれか一方を開けてシェルター1から脱出することも可能である。
シェルター1は、複数のフロート10a~10dにそれぞれガス注入バルブ11が設けられ、内部のガスが独立しているため、いずれかのフロートが破損してガスが抜けたとしても、残りのフロートによって浮揚体10が水面に浮かぶことができるので、シェルター1全体が水没するのを防ぐことができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 水害避難用簡易シェルター
10 浮揚体
10a~10d フロート
11 ガス注入バルブ
20 隔壁板
22 固定部
22a 出入口
22b 溝部
22c 下端面
SL シール部材
24 扉
25 ヒンジ
26 窓
28 空気孔
29 取手
30 牽引用フック穴
31 ハンドグリップ
40 ロック機構
50 閉塞栓
51 チェーン
101 安全ベルト
101a、101b ベルト
【手続補正書】
【提出日】2021-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれガス注入バルブを通じて内部にガスが注入されて中空ドーナツ状を有する複数のフロートを上下方向に積み重ね、上下方向で隣接する前記フロート同士を連結して構成される略円筒状の浮揚体と、
前記複数のフロートのうち、最上部および最下部のフロートの内周側にそれぞれ設けられた2つの隔壁板と、を有し、
前記浮揚体の内周面と前記2つの隔壁板とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者を収容する閉鎖された収容空間が形成され、
前記2つの隔壁板には、避難者が前記収容空間に出入りするための扉がそれぞれ設けられており、前記浮揚体の上下が逆転した場合であっても前記避難者が何れか一方の前記扉を通じて出入りできる、
ことを特徴とする水害避難用簡易シェルター。
【請求項2】
前記2つの隔壁板の間で延在しかつ互いに離間して並設された2本のベルトからなる安全ベルトであって、前記浮揚体の内周面と前記2本のベルトとの間に避難者の身体を配置することで、当該避難者の転倒を防ぐ安全ベルトを備える、請求項1に記載の水害避難用簡易シェルター。
【請求項3】
前記2つの隔壁板には、外部から前記収容空間内に空気を取り込むための空気孔がそれぞれ形成され、
前記空気孔に対して手動操作で挿抜される閉塞栓をさらに有する、請求項1又は2に記載の水害避難用簡易シェルター。
【請求項4】
前記2つの隔壁板の扉には、外部を視認可能な透明材料からなる窓がそれぞれ設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載の水害避難用簡易シェルター。
【請求項5】
それぞれガス注入バルブを通じて内部にガスが注入されて中空ドーナツ状を有する複数のフロートを上下方向に積み重ね、上下方向で隣接する前記フロート同士を連結して構成される略円筒状の浮揚体と、
前記複数のフロートのうち、最上部および最下部のフロートの内周側にそれぞれ設けられた2つの隔壁板と、を有し、
前記浮揚体の内周面と前記2つの隔壁板とによって、外部から水が浸入するのを防いで避難者を収容する閉鎖された収容空間が形成され、
前記2つの隔壁板には、避難者が前記収容空間に出入りするための扉がそれぞれ設けられており、
端部が前記2つの隔壁板にそれぞれ固定され、前記2つの隔壁板の間で延在しかつ互いに離間して並設された2本のベルトからなる安全ベルトであって、前記浮揚体の内周面と前記2本のベルトとの間に避難者の身体を配置することで、当該避難者の転倒を防ぐ安全ベルトを備える、水害避難用簡易シェルター。