(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180724
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】予約管理装置、予約システム、面会予約方法、制御プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20221130BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20221130BHJP
【FI】
G06Q10/02 300
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087366
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河邊 恭
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】特定の入居者への面会予約が偏ることを防止する。
【解決手段】予約管理装置10は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部111と、記憶部20に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得する取得部112と、予約制限設定、および入居者の面会の予約日時に基づいて、予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部113と、判定結果を、予約要求の要求元に通知する通知部114とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、
記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記予約制限設定、および前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を、前記予約要求の要求元に通知する通知部と、
を備える、予約管理装置。
【請求項2】
前記通知部は、判定結果として、複数の予約可能な日時が含まれる候補リストを通知する、請求項1に記載の予約管理装置。
【請求項3】
前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記判定部は、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時から前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する次の面会予約の受け付けを禁止する、請求項1または請求項2に記載の予約管理装置。
【請求項4】
前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記判定部は、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時の前後における前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する新たな面会予約の受け付けを禁止する、請求項1または請求項2に記載の予約管理装置。
【請求項5】
前記予約制限設定は予約間隔に関する設定であり、かつ、前記予約間隔には異なる予約間隔に設定され複数種類あり、
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する家族IDが登録されており、かつ、前記家族IDはいずれかの種類の前記予約間隔に紐付けられており、
前記取得部は、前記予約要求に含まれる前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔を取得し、
前記判定部は、取得した前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔、および前記入居者の前記面会日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の予約管理装置。
【請求項6】
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する複数の家族ID、および前記入居者に関する複数の前記家族IDそれぞれの優先順位が登録されており、かつ、前記面会の予約に登録済みの面会予約には1つ、または複数の前記家族IDが記録されており、
前記判定部は、前記予約制限設定、および前記入居者の前記面会日時に加えて、さらに、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順と前記面会予約に記録された前記家族IDの優先順位との比較、に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の予約管理装置。
【請求項7】
登録されている面会の予約に記録されている前記家族IDの優先順位よりも、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順位が高い場合には、前記判定部は、前記予約要求に係る面会の予約を受け付けるとともに、登録済みの前記面会予約を取り消す、請求項6に記載の予約管理装置。
【請求項8】
記憶部と、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の予約管理装置と、
を備える、予約システム。
【請求項9】
看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付けるステップ(a)と、
記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で取得した前記予約制限設定、および前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定するステップ(c)と、
前記ステップ(c)の判定結果を、前記予約要求の要求元に通知するステップ(d)と、
を含む処理を実行する面会予約方法。
【請求項10】
前記ステップ(d)では、判定結果として、複数の予約可能な日時が含まれる候補リストを通知する、請求項9に記載の面会予約方法。
【請求項11】
前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記ステップ(c)では、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時から前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する次の面会予約の受け付けを禁止する、請求項9、または請求項10に記載の面会予約方法。
【請求項12】
前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記ステップ(c)では、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時の前後における前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する新たな面会予約の受け付けを禁止する、請求項9、または請求項10に記載の面会予約方法。
【請求項13】
前記予約制限設定は予約間隔に関する設定であり、かつ、前記予約間隔には異なる予約間隔に設定され複数種類あり、
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する家族IDが登録されており、かつ、前記家族IDはいずれかの種類の前記予約間隔に紐付けられており、
前記ステップ(b)では、前記予約要求に含まれる前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔を取得し、
前記ステップ(c)では、取得した前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔、および前記入居者の前記面会日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、請求項9から請求項12のいずれかに記載の面会予約方法。
【請求項14】
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する複数の家族ID、および前記入居者に関する複数の前記家族IDそれぞれの優先順位が登録されており、かつ、前記面会の予約に登録済みの面会予約には1つ、または複数の前記家族IDが記録されており、
前記ステップ(c)では、前記予約制限設定、および前記入居者の前記面会日時に加えて、さらに、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順と前記面会予約に記録された前記家族IDの優先順位との比較、に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、請求項9から請求項13のいずれかに記載の面会予約方法。
【請求項15】
登録されている面会の予約に記録されている前記家族IDの優先順位よりも、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順位が高い場合には、前記ステップ(c)では、前記予約要求に係る面会の予約を受け付けるとともに、登録済みの前記面会予約を取り消す、請求項14に記載の面会予約方法。
【請求項16】
請求項9から請求項15のいずれかに記載の面会予約方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項9から請求項15のいずれかに記載の面会予約方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は予約管理装置、予約システム、面会予約方法、制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
介護老人福祉施設、病院、等の看介護施設において、入居、または入院している被介護者、または入院患者(以下、単に入居者という)に対して、その家族または知人(以下、関係者という)が対面面会に訪れたり、タブレット等の通信端末を通じたウェブ面会を行ったりする。
【0003】
個人情報の保護を配慮しながら、入院患者への面会時間の問い合わせに対する回答を適切に行うための通知プログラムが特許文献1に開示されている。この特許文献1の通知プログラムでは、入院患者の電話番号、またはメールアドレスの連絡先を知る面会希望者に、その連絡先を含む開示要求を受け付けた場合、要求元に面会可能時間を通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では被介護者等への面会を気軽に行えることにより、特定の入居者の関係者が、毎日面会することで、特定の被介護者等への面会が多くなり、偏りが生じる。特に、被介護者等の関係者が面会する際に、面会予約に応じて介護スタッフや看護師が付き添ったり、準備したりするような場合には、介護スタッフや看護師の負担が増えてしまうという問題が生じたり、この負担の増加を抑制するために施設全体の面会回数を減らしたり、面会可能時間が短くなったりする虞がある。このような場合、他の被介護者等がしわ寄せを受け、面会がし難くなる。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、特定の入居者への面会予約が偏ることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、
記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記予約制限設定、および前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を、前記予約要求の要求元に通知する通知部と、
を備える、予約管理装置。
【0009】
(2)前記通知部は、判定結果として、複数の予約可能な日時が含まれる候補リストを通知する、上記(1)に記載の予約管理装置。
【0010】
(3)前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記判定部は、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時から前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する次の面会予約の受け付けを禁止する、上記(1)または上記(2)に記載の予約管理装置。
【0011】
(4)前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記判定部は、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時の前後における前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する新たな面会予約の受け付けを禁止する、上記(1)または上記(2)に記載の予約管理装置。
【0012】
(5)前記予約制限設定は予約間隔に関する設定であり、かつ、前記予約間隔には異なる予約間隔に設定され複数種類あり、
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する家族IDが登録されており、かつ、前記家族IDはいずれかの種類の前記予約間隔に紐付けられており、
前記取得部は、前記予約要求に含まれる前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔を取得し、
前記判定部は、取得した前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔、および前記入居者の前記面会日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、上記(1)から上記(4)のいずれかに記載の予約管理装置。
【0013】
(6)前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する複数の家族ID、および前記入居者に関する複数の前記家族IDそれぞれの優先順位が登録されており、かつ、前記面会の予約に登録済みの面会予約には1つ、または複数の前記家族IDが記録されており、
前記判定部は、前記予約制限設定、および前記入居者の前記面会日時に加えて、さらに、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順と前記面会予約に記録された前記家族IDの優先順位との比較、に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、上記(1)から上記(5)のいずれかに記載の予約管理装置。
【0014】
(7)登録されている面会の予約に記録されている前記家族IDの優先順位よりも、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順位が高い場合には、前記判定部は、前記予約要求に係る面会の予約を受け付けるとともに、登録済みの前記面会予約を取り消す、上記(6)に記載の予約管理装置。
【0015】
(8)記憶部と、
上記(1)から上記(7)のいずれかに記載の予約管理装置と、
を備える、予約システム。
【0016】
(9)看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付けるステップ(a)と、
記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で取得した前記予約制限設定、および前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定するステップ(c)と、
前記ステップ(c)の判定結果を、前記予約要求の要求元に通知するステップ(d)と、
を含む処理を実行する面会予約方法。
【0017】
(10)前記ステップ(d)では、判定結果として、複数の予約可能な日時が含まれる候補リストを通知する、上記(9)に記載の面会予約方法。
【0018】
(11)前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記ステップ(c)では、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時から前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する次の面会予約の受け付けを禁止する、上記(9)、または上記(10)に記載の面会予約方法。
【0019】
(12)前記予約制限設定は、予約間隔に関する設定であり、
前記ステップ(c)では、登録されている前記入居者の面会の前記予約日時の前後における前記予約間隔の間、同じ前記入居者に対する新たな面会予約の受け付けを禁止する、上記(9)、または上記(10)に記載の面会予約方法。
【0020】
(13)前記予約制限設定は予約間隔に関する設定であり、かつ、前記予約間隔には異なる予約間隔に設定され複数種類あり、
前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する家族IDが登録されており、かつ、前記家族IDはいずれかの種類の前記予約間隔に紐付けられており、
前記ステップ(b)では、前記予約要求に含まれる前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔を取得し、
前記ステップ(c)では、取得した前記家族IDに紐付けられた前記予約間隔、および前記入居者の前記面会日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、上記(9)から上記(12)のいずれかに記載の面会予約方法。
【0021】
(14)前記記憶部には、前記入居者の家族を含む関係者を特定する複数の家族ID、および前記入居者に関する複数の前記家族IDそれぞれの優先順位が登録されており、かつ、前記面会の予約に登録済みの面会予約には1つ、または複数の前記家族IDが記録されており、
前記ステップ(c)では、前記予約制限設定、および前記入居者の前記面会日時に加えて、さらに、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順と前記面会予約に記録された前記家族IDの優先順位との比較、に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する、上記(9)から上記(13)のいずれかに記載の面会予約方法。
【0022】
(15)登録されている面会の予約に記録されている前記家族IDの優先順位よりも、前記予約要求に含まれる前記家族IDの優先順位が高い場合には、前記ステップ(c)では、前記予約要求に係る面会の予約を受け付けるとともに、登録済みの前記面会予約を取り消す、上記(14)に記載の面会予約方法。
【0023】
(16)上記(9)から上記(15)のいずれかに記載の面会予約方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
【0024】
(17)上記(9)から上記(15)のいずれかに記載の面会予約方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る予約管理装置は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時を取得する取得部と、前記予約制限設定、および前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部と、前記判定結果を、前記予約要求の要求元に通知する通知部と、を備える。これにより、特定の入居者への面会予約が偏ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る予約システムの概要を示す図である。
【
図2】予約管理装置、および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態におけるオンライン面会に関する設定処理を示すフローチャートである。
【
図7】面会予約に関する最上位の操作画面の例である。
【
図8】面会予約の基本設定を行う操作画面の例である。
【
図9】第1の実施形態におけるオンライン面会に関する面会予約受付処理を示すフローチャートである。
【
図10】クライアント端末に表示される、操作画面の例である。
【
図11】クライアント端末に表示される、操作画面の例である。
【
図12】変形例におけるオンライン面会に関する面会予約受付処理を示すフローチャートである。
【
図13】クライアント端末に表示される、操作画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
(全体構成)
図1は本発明の第1の実施形態に係る予約システム1000の概要を示す図である。
図1に示すように、予約システム1000は、予約サーバーである予約管理装置10、ファイルサーバーである記憶部20、および会議サーバー30を含む。
【0029】
予約システム1000、または予約管理装置10は、看介護施設の入居者に対する関係者による面会予約を管理する。この「看介護施設」には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、病院が含まれる。以下、これらの看介護施設のことを単に「施設」ともいう。また施設の「入居者」には、介護老人福祉施設または介護老人保健施設(以下、これらを総称して、単に「介護施設」ともいう)でケアを受けるケア対象者、および病院の入院患者が含まれる。またこの入居者に対する面会、および面会予約を行う「関係者」には、入居者の家族、親族、および予め登録した知人が含まれる(以下、家族等ともいう)。本実施形態においては、面会予約の対象となる「面会」には、対面面会とウェブ面会(またはビデオ面会)の両方が含まれる。対面面会とは、家族等が施設に出向いて、入居者と家族等が対面する行為である。ウェブ面会(web)とは、遠隔地どうしの入居者と家族等が、クライアント端末を用いてネットワークを通じて、面会することである。ウェブ面会は、専用の会議サーバー30を介して行うが、少人数(概ね数人以下)で行うような場合には、ウェブブラウザを通じてピアツーピアで行ってもよい。以下に説明する各実施形態においては、会議サーバー30を介して、介護老人福祉施設に入居しているケア対象者が、その家族とウェブ面会する場合について説明するが、予約システム1000に会議サーバー30を含めなくてもよい。
【0030】
図1に示すように、予約システム1000は、看介護施設で用いられるクライアント端末41、および家族等が自宅等で用いるクライアント端末45とネットワークを通じて相互に通信接続する。クライアント端末41、45は、デスクトップPC(パーソナルコンピューター)、ノートPC、タブレット端末、またはスマートフォンである。また、クライアント端末45は、これを使用する関係者の情報を、施設側の管理者等が事前に登録することで(
図4等)アプリ(家族アプリ)による予約システム1000へのアクセス権限が付与される。
【0031】
(予約管理装置10、記憶部20)
図2は、予約管理装置10、および記憶部20の概略構成を示すブロック図である。予約管理装置10、および/または記憶部20は、施設の建物内に配置されたオンプレミスサーバーであってもよく、ネットワークに接続されている外部のサーバーユニットであってもよい。外部のサーバーの場合には、商用のクラウドサービスを利用したクラウドサーバーであってもよい。また、オンプレミスサーバーの場合には、記憶部20は、予約管理装置10の内部に組み込まれていてもよい。
【0032】
図2に示すように予約管理装置10は、制御部11、および通信I/F12を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等のメモリにより構成され、プログラムにしたがって各部の制御および演算処理を行う。なお、制御部11は、メモリとして、さらにHDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。制御部11は、単独で、または通信I/F12と協働することで、予約受付部111、取得部112、判定部113、および通知部114として機能する。これらの機能については後述する。
【0033】
通信I/F12は、各種の端末装置とネットワーク経由で、有線または無線通信によるデータの送受信を行うインターフェースである。
【0034】
記憶部20には、面会予約に関する予約制限設定等のデータが記憶される。記憶されるデータには、「IDリスト」、予約制限設定を含む「予約設定」、「面会スケジュール(予約枠)」、および「面会予約日時リスト」が含まれる。面会スケジュールは、施設の面会時間のスケジュールであり、例えば平日であれば9時~16時で、15分または30分刻みで設定されている。面会予約日時リストは、予約済みで登録されている面会予約であり、各面会予約には面会時間、入居者、面会者等が記録されている(後述の
図7参照)。予約設定については後述する(
図8等)。
【0035】
(会議サーバー30)
会議サーバー30は、予約管理装置10と同様に、CPU、メモリ、および通信I/Fを備え、ウェブブラウザを利用したウェブ会議を行う。各クライアント端末41、45は、会議サーバー30から、操作画面を取得し、これを通じてウェブ会議を行う。会議サーバー30は、ウェブ会議を実行する際には、クライアント端末41、45から撮影画像データと、音声データを取得し、これを各クライアント端末41、45に配信する。
【0036】
(面会予約に関するデータ)
次に
図3から
図8を参照し、記憶部20に記憶されている面会予約に関するデータについて説明する。
【0037】
図3、
図4は、記憶部20に記憶されているIDリストの例であり、
図3は入居者に関するものであり、
図4は、入居者の家族(関係者)に関するものである。
【0038】
図3に示すように入居者IDリストには、入居者ID、氏名、その入居先の看介護施設の施設ID、施設名称、入居者グループ、入居者の部屋名が記述されている。ここで入居者グループとは、施設内の同じフロア等、共通するエリアに居る複数のケア対象の入居者が所属する入居者ユニット、およびこの入居者ユニットの介護を担当する複数のスタッフが所属するスタッフユニットで構成されるグループである(利用者グループとも称される)。なお、図示を省略しているが、スタッフに関するIDリストも、記憶部20に記憶されている。
【0039】
図4に示すように、家族乃至関係者のIDリストには、家族ID、氏名、連絡先、属性、および優先度が記述されている。連絡先には、電話番号、メールアドレス、住所等が記録されている。優先度は、家族(関係者)が面会予約を行う際に用いられる。優先順位が高い程、有利な条件で面会予約を行える。優先度については後述する(後述のtyep3、4等)。
【0040】
図5は、各種類の予約制限設定を示す表である。予約制限設定の種類は、type1~5まで複数あり、type1~4は、予約間隔に関する制限の設定であり、type5は、回数に関する制限の設定である。以下、
図6から
図8を参照し、最初にtype1の予約制限設定(
図5の破線枠内)について説明する。type1は、ある予約済みの面会予約に対して、後続の予約間隔の間、次の面会予約の受け付けを禁止するものである。予約間隔は日数、または時間である。残りのtype2~5については後述する。
【0041】
図6は、オンライン面会に関する設定処理を示すフローチャートである。
【0042】
(ステップS110)
ここでは、予約管理装置10の制御部11は、オンライン面会の基本設定を受け付ける。
【0043】
図7は、クライアント端末41に表示される面会予約に関する最上位の操作画面d411の例である。施設のスタッフ、管理者、等のユーザーは、クライアント端末41で、管理システムのアプリを立ち上げ、初期画面を表示させる。そして、欄a1の「面会予約」を選択する。これにより、クライアント端末41のディスプレイに操作画面d411が表示される。なお、欄a1の「入居者」、または「家族」を選択することで、不図示の操作画面に遷移し、それぞれの操作画面で、
図3、
図4で示した上述の入居者ID、および家族IDの登録、更新を行える。また、家族IDを登録することで、関係者は、クライアント端末45上のアプリ(家族アプリ)を通じて、予約システム1000のサービスを利用できるようになる。
【0044】
図7の操作画面d411の欄a2には、後述する処理等(
図9参照)により登録された面会予約日時リストが表示されている。この面会予約リストには、各面会予約の各種情報、すなわち面会の種別(ビデオ面会、対面面会)、面会日時、対象者(入居者名、面会者)の情報が含まれる。面会予約の手順については、後述する(
図9以降)。ユーザーは、導入時のデフォルト設定、または、過去に設定した予約設定を変更/更新する場合には、オンライン面会の基本設定ボタンb11を押下する。これにより、
図8に示す、オンライン面会等の面会予約の基本設定を行う操作画面d412に遷移する。制御部11は、この操作画面d412を通じたユーザーの操作を受け付けることに応じて、ステップS110の基本設定を行う。
【0045】
図8に示すように操作画面d412の欄a3には、複数の設定項目が並んでいる。欄a31の「予約時間単位」では、ユーザーは、予約枠(面会1コマの時間)の時間(刻み)を設定できる。
図8の例では、15分が設定されている。
【0046】
欄a32では、ユーザーは、家族ユーザー(関係者)の予約可能日(始期)を設定できる。
図8に示すように「3日後」が設定されていれば、本日から3日後以降から所定の終期(例えば、翌月の月末)までの間の面会予約を行える。
【0047】
欄a33では、入居者グループ設定の使用有無を選択できる。
図8に示すように「使用する」が選択されている場合には、入居者グループ毎に、面会スケージュール(予約枠)を設定できる。介護施設では、入居者グループ毎のレクリエーションが、異なる日時で行われる場合があり、そのような場合、入居者グループ毎にレクリエーションの日時を面会スケジュ-ルから除外できる。
【0048】
欄a34では、ユーザーは、予約枠あたりの予約可能数の上限値を設定できる。例えば、オンライン面会を、施設全体で、共通の1台のクライアント端末41で行うような場合や、スタッフの対応可能人数が1人の場合などの事情により、予約可能数は1件となる。
【0049】
欄a35では、ユーザーは、予約枠あたりの予約カウント方法を設定できる。この設定は、欄a33、a34での設定と連動する。例えば、欄a34で「使用する」が設定されている場合に、欄a35の「入居者グループ毎」が選択できる。また、この設定により欄a34の予約可能数は、入居者グループ毎に判定される。
【0050】
欄a36では、ユーザーは、予約間隔制限を設定できる。予約間隔制限は、基本的には入居者ID単位で制限される予約間隔であり、例えば、1週間が設定されている場合には、前の面会予約の日時から1週間の間は、同じ入居者IDの入居者に対する家族等の面会予約は禁止される。具体例としては、入居者Aさんの家族X1さんが、9月17日(月)の面会予約が既に登録されている場合には、その日から1週間、すなわち9月23日(日)までは、その前の予約により、同じ入居者Aさんに対する家族等による次の面会予約が制限され、新たな面会予約は禁止される。9月24日(月)からは本条件による制限を受けず予約可能となる。なお、以下においては、日数制限の起算日を算入しても、算入しなくてもよいが、1週間単位の場合には、算入し、3日間のように日にち単位の表記の場合には、不算入で説明する。
【0051】
図5を再び参照する。type1では、判定対象は、入居者ID単位と、家族ID単位のいずれかである。この判定対象は、図示を省略するが、
図8と同様の操作画面を通じて設定できる。
図8に示す例では、上述のように入居者ID単位で制限するので、同じ入居者Aさんに対する家族X1さんを含む全ての家族等による面会予約が制限される。すなわち家族X1さんの9月17日の予約により、家族X1さんだけでなく、別の関係者X2、X3さん(
図4参照)による面会予約も制限されることになる。その一方で、家族ID単位で判定するように設定した場合には、家族X1さんの予約により、(家族IDが共通すなわち同一人物である)家族X1さんのみ1週間の予約間隔で新たな面会予約が制限され、他の関係者X2、X3さんによる面会予約は本条件では制限されない。
【0052】
以上のような、面会予約制限設定を含む基本設定の入力を終えた後、ユーザーは、更新ボタンb21を押下することで、入力が反映され、記憶部20に予約設定として記憶される。
【0053】
(ステップS120)
ここでは、予約管理装置10の制御部11は、面会スケジュール(予約枠)の設定を受け付ける。ユーザーは、操作画面d411で、面会スケジュール設定ボタンb12を押下する。これにより不図示の操作画面に遷移し、面会スケジュールの設定を行う。例えば、
図8の例であれば、欄a31(15分)、欄a33(使用する)、欄a34(1件)、欄a35(入居者グループ毎)の設定に応じて、入居者グループ毎に、予約枠1コマが15分刻みの面会スケジュールの予約枠が、ユーザーにより設定される。例えば、平日は、9時~16時、土日は、9時~19時までの間で、1コマ15分刻みの予約枠が、入居者グループ毎に設けられる。設定された面会スケジュール(予約枠)は、記憶部20に記憶される。
【0054】
(各種の予約制限設定)
再び、
図5を参照し、上述したtype1以外のtype2~type5の予約制限設定について説明する。本実施形態においては、type1~type5のいずれかの予約制限設定を適用してもよく、あるいは、これらの2つ以上を組み合わせて適用してもよい。
【0055】
(type2)
type1は、設定された予約間隔制限に基づき、登録済みの面会予約から、予約間隔の間、後続の面会予約の受け付けを禁止するものであった。一方で、type2では、同様の予約間隔制限に基づき、登録済みの面会予約から、予約間隔の前後の間、新たな面会予約の受け付けを禁止する。例えば、9月15日で面会予約が登録済みであり、予約間隔が3日(起算日不算入)の場合には、その前後の9月12日~9月18日の間、新たな面会予約の受け付けを禁止する。この判定は、設定に応じてtype1と同様に入居者ID単位、または家族ID単位に判定する。
【0056】
(type3)
type3では、複数の異なる予約間隔の設定があり、家族ID毎に、いずれかの予約間隔に紐付けられている。具体的には、家族ID毎に優先順位1、2の設定がなされており(
図4参照)、その優先順位1、2に応じて異なる種類の予約間隔d1、d2の設定がなされている。ただし、予約間隔d1<予約間隔d2とする。例えば、予約間隔d1が3日で、予約間隔d2が1週間であり、
図4の例の優先順位だと、優先順位1のX1さんは3日間、優先順位2のX2、X3さんは1週間となる。type3では、判定単位は、家族ID単位である。
【0057】
なお、優先順位2がデフォルトであり、関係者本人からの要請、または、施設のスタッフの判断に応じて、優先順位1に設定される。例えば、施設側で特定の関係者に対してより多くの面会機会を与えたい場合には、優先順位1に設定する。具体例としては、認知症の症状があるケア対象者に対して、その悪化を防止するという観点から、または機嫌がよくなりその後のケア環境がよくなるという観点から、特定の関係者(例えば、入居者の長女)の優先順位を高くする。また、優先順位、および/または複数の予約間隔の段数、種類は、2つに限られず、3つ以上に設定してもよい。
【0058】
(type4)
type4では、type1、またはtype2と同様の予約制限を、入居者ID単位で適用するとともに、さらに、優劣を家族IDで判定し、優先順位1の家族IDによる予約を優先的に受け付ける。例えば、同じ入居者IDに対する優先順位2の家族IDによる登録済みの面会予約があり、予約間隔の制限が1週間である場合を想定する。この場合、制限期間内で、同じ優先順位2の家族IDにより面会予約の受け付け要求がある場合、この受け付けは受け付けない(禁止)が、これよりも優先度が高い優先順位1の家族IDによる制限期間内の面会予約は受け付ける。例えば、同じ入居者に関する、優先順位2の家族による9月17日の面会予約があっても、その後の優先順位1の家族による1週間の制限内に含まれる9月20日の面会予約を受け付ける。この場合、別の例として、さらに、下位順位の家族IDによる既存の面会予約(例えば9月17の面会予約)を予約管理装置10側で、強制キャンセルするようにしてもよい。
【0059】
(type5)
type5では、入居者ID単位、または家族ID単位で、日数ではなく回数制限で行う。例えば4回/月の制限設定であれば、同じ入居者に対する、月毎に4回までの面会予約を受け付け、5回目以上の面会予約は受け付けない。
【0060】
(面会予約受付処理)
次に、ここまでに行われた、予約制限設定を含む予約基本設定に基づいて行う面会予約受付処理について説明する。
図9は、第1の実施形態における予約管理装置10の制御部11で処理されるオンライン面会に関する面会予約受付処理を示すフローチャートである。
図10、
図11は、関係者が使用するスマートフォン等の携帯型端末であるクライアント端末45に表示される操作画面d451の例である。
【0061】
(ステップS210)
ここでは、制御部11は、面会スケジュールをクライアント端末45に送信する。クライアント端末45上では、家族アプリが動作し、これを操作する関係者の家族ID、またはこれに対応付けられた情報が、予約システム1000側に送られる。
図10等では、入居者Aさんの家族X1さんが操作していること示している。
【0062】
入居者の関係者は、
図10に示す操作画面d451で、「面会予約」のアイコンを操作することで、面会予約を行う操作画面(図示省略)に遷移する。この遷移に伴ってクライアント端末45から予約管理装置10へ送られる要求に応じて、予約管理装置10は、施設(または施設の入居者グループ毎)の面会スケジュール(予約枠)を、クライアント端末45に送る。
【0063】
(ステップS220)
関係者は、クライアント端末45に表示される、面会スケジュールから、所望の日時の予約枠を選択する。この操作に応じて、制御部11の予約受付部111は、クライアント端末45を通じた関係者による、面会予約要求(日時指定)を受け付ける。
【0064】
(ステップS230)
制御部11の取得部112は、記憶部20から、予約制限設定と、面会予約日時リストを取得する。
【0065】
(ステップS240)
ここでは、制御部11の判定部113は、ステップS220で受け付けた面会予約要求の日時指定(以下、単に要求日時という)と、要求元の家族IDに係る予約制限設定、および、面会予約日時に基づいて、面会予約要求を受け付けるか否かを判定する。
【0066】
例えば、予約制限の種類がtype1で、予約制限設定の予約間隔が3日間、入居者ID単位で判定する条件である場合を想定する。この場合に、要求日時が9月18日9時00分であり、登録済みの面会予約日時が9月17日であれば、9月18~20日の期間は予約が制限されるので、9月18日は、いずれの時間であってその面会予約要求は、却下される。一方で、その制限範囲外の要求日時(例えば9月21日)の場合には、予約は許可される。
【0067】
判定部113は、判定の結果、予約要求を受け付けない(禁止)と判定した場合(NO)には、処理をステップS250に進め、予約要求を受け付けると判定した場合(YES)には、処理をステップS260に進める。
【0068】
(ステップS250)
制御部11の通知部114は、要求日時の予約を受け付けることができない旨を、要求元(関係者)であるクライアント端末45に通知する。これを受けた関係者は、ステップS220以降の処理を再び行うことで、別の要求日時での面会予約を行う。
【0069】
(ステップS260)
制御部11の通知部114は、要求予約の予約を受け付けた旨を、要求元であるクライアント端末45に通知する。
図11の操作画面d452の欄a41には、通知に応じて、予約を受け付けたことが示される。なお、この後に、施設側のスタッフ等が、上述した
図7の承諾ボタンb15を押下することで承認するようにしてもよい。施設側の承認により、この面会予約が、承認され確定する。
【0070】
(ステップS270)
制御部11は、承認した面会予約を、記憶部20の面会予約日時リストに登録する。また、このときに、会議サーバー30を通じて、登録した面会予約に関する面会案内を、クライアント端末45に通知してもよい。
図11の欄a42が、その面会案内の例である。面会案内には、面会を開始するためのリンク先が記述されており、関係者は、リンク先を操作することで、次の操作画面d453が表示される。関係者は、操作画面d453で、面会時間になった時に、開始ボタンb51を操作することで、会議サーバー30を通じた施設の入居者とのウェブ面会を行える。また、削除ボタンb54を操作することで、面会予約をキャンセルすることもできる。
【0071】
このように、第1の実施形態に係る予約管理装置は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時(面会予約日時リスト)を取得する取得部と、前記予約制限設定および、前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部と、前記判定結果を、前記予約要求の要求元に通知する通知部と、を備える。これにより、特定の入居者への面会予約が偏ることを防止できる。
【0072】
(変形例)
以下、
図12、
図13を参照し、変形例について説明する。変形例の構成は、以下に説明する処理を除いて、第1の実施形態と同じである。
図12は、変形例におけるオンライン面会に関する面会予約受付処理を示すフローチャートである。
図13は、クライアント端末45に表示される操作画面の例である。なお、この変形例でも上述の例と同様に、予約制限の種類がtype1で、予約制限設定の予約間隔が3日間、入居者ID単位で判定する条件が設定されているものとして説明する。
【0073】
図9の第1の実施形態においては、予約要求には、具体的な予約日時(1コマ)の指定が含まれ、その予約日時に対して、予約要求を受け付けるか否かを判定した。以下に示す変形例では、予約要求には、具体的な予約日時が含まれず、予約可能な予約日時をリスト化した候補リストを通知するものである。そして、関係者は、この候補リストの中から、予約日時を選択して予約を行う。
【0074】
(ステップS310)
関係者は、クライアント端末45を通じて、面会予約要求を送信する。ここでは、上述した
図10の「面会予約」のアイコンを操作することで、候補リストの要求に関する面会予約要求が、クライアント端末45から、予約管理装置10に送信される。予約受付部111は、これにより、面会予約要求を受け付ける。
【0075】
(ステップS320)
制御部11の取得部112は、記憶部20から、面会スケジュール(予約枠)、予約制限設定、および面会予約日時リストを取得する。このときに取得する面会スケジュールは、入居者グループ毎に設定されている場合には、ステップS310の要求元の家族IDに紐付けられた入居者が所属する入居者グループに関する面会スケジュールである。
【0076】
(ステップS330)
ここでは、制御部11の判定部113は、ステップS320で取得した、施設の面会スケジュール、要求元の家族IDに係る予約制限設定、面会予約日時(面会予約日時リスト)に基づいて、面会予約要求を受け付けるか否かを判定する。そして判定部113は、予約可能な、予約日時(予約枠)をリスト化し、候補リストを作成する。そして、通知部114は、候補リストを、要求元のクライアント端末45に送信(通知)する。
【0077】
クライアント端末45では、この通知に応じて、候補リストを表示する。
図13の操作画面d454は、同じ入居者(Aさん)に対する登録済みの先の予約(先約)がなかった場合に示される候補リストの例であり、この場合、先約により制限を何ら受けない。要求元の家族X1さんは、候補リストの中から予約を申し込むことができる。例えば、家族X1さんは、予約申込みボタンb61を操作することで、その日時(予約枠)の入居者Aさんへの面会予約を申し込む。なお、予約申込みボタンb62は、グレイアウトして、選択できない。この予約枠は、施設側の都合、例えば、別の入居者に対する登録済みの面会予約により、予約枠あたり予約可能数の上限に既に到達している場合(
図8の欄a34)、等により新たな予約を受け付けられないことを示している。
【0078】
これに対して、
図13の操作画面d455は、同じ入居者(Aさん)に対する登録済みの先の予約(先約)があり、これにより制限を受けた場合に示される候補リストの例である。家族X1さんに対応する入居者Aさんの先約(9月17日)があることにより、9月18日は全日、先約の制限を受けることになり、予約は制限(禁止)される。そのため、9月18日の全ての予約枠は、予約申し込みボタンb65を含め全てグレイアウトして、選択できない。この場合、家族X1さんは、日にち選択ボタンb66を操作することで、予約制限に係らない他の日にちを選択しなおすことにより、面会予約を行う。
【0079】
(ステップS340)
予約受付部111は、候補リスト内の日時の中から、面会予約を受け付ける。例えば、家族X1さんによる操作画面d454の予約申込みボタンb61が操作されることにより、クライアント端末45から、9月18日の9時からの面会予約を受け付ける。
【0080】
(ステップS350)
制御部11は、第1の実施形態のステップS270と同様に、承認した面会予約を、記憶部20の面会予約日時リストに登録する。なお、変形例においても、この登録の前に、施設側のスタッフ等が、上述した
図7の承諾ボタンb15を押下することによる承認処理を追加してもよい。
【0081】
このように、変形例に係る予約管理装置は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、記憶部に登録されている面会に関する予約制限設定、および予約済みで登録されている面会の予約日時(面会予約日時リスト)を取得する取得部と、前記予約制限設定および、前記入居者の面会の前記予約日時に基づいて、前記予約要求を受け付けるか否かを判定する判定部と、前記判定結果を、前記予約要求の要求元に通知する通知部と、を備え、この前記通知部は、判定結果として、複数の予約可能な日時が含まれる候補リストを通知する。これにより、第1の実施形態と同様に、特定の入居者への面会予約が偏ることを防止できる。
【0082】
以上に説明した、予約管理装置10、およびこれを備える予約システム1000の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種種改変できる。また、上述した実施形態に係る予約管理装置10における処理は、上記のフローチャート、シーケンスチャートに示したステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0083】
例えば、面会予約を、クライアント端末45によって受け付け、判定結果を送信(通知)する例を示したが、これに限られず、看介護施設にあるクライアント端末41により行うようにしてもよい。例えば、施設のロビー等のパブリックスペースに設置したクライアント端末41を関係者が家族ID等の認証情報を入力することで、利用可能なようにする。そして、これを通じて、面会予約を行い、その判定結果をこのクライアント端末41に表示(通知)する。
【0084】
また、上述した実施形態に係る予約管理装置、または予約システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1000 予約システム
10 予約管理装置
11 制御部
111 予約受付部
112 取得部
113 判定部
114 通知部
20 記憶部
30 会議サーバー
41、45 クライアント端末