(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180725
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】面会管理装置、面会管理システム、面会管理方法、制御プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20221130BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221130BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087369
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河邊 恭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】施設側から容易に面会予約を行う。
【解決手段】面会管理装置10は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部111と、予約受付部で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録する登録部114と、面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知する通知部112と、を備え、予約受付部111は、記憶部20に予め登録されている入居者に紐付けられている入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた予約要求、および、看介護施設の入居者をケアする担当者または看介護施設の管理者である施設担当者からの予約要求を受け付け可能であり、通知部112は、施設担当者からの予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された関係者の家族IDに紐付けられた連絡先に、予約情報を通知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録する登録部と、
前記面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知する通知部と、
を備え、
前記予約受付部は、記憶部に予め登録されている前記入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた前記予約要求、および、前記看介護施設の前記入居者をケアする担当者または前記看介護施設の管理者である施設担当者からの前記予約要求を受け付け可能であり、
前記通知部は、前記施設担当者からの前記予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報を通知する、面会管理装置。
【請求項2】
前記入居者には、1人、または複数人の前記家族IDが紐付けられており、
前記通知部は、前記施設担当者が選択した前記家族ID、または前記入居者に紐付けられた全ての前記家族IDの連絡先に、前記予約情報を通知する、請求項1に記載の面会管理装置。
【請求項3】
前記面会予約は、オンライン面会に関する予約であり、
オンライン面会のサービスに接続するための面会IDを発行する面会サービス提供部を、さらに備え、
前記通知部は、前記施設担当者からの予約を受け付けた場合に、オンライン面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報とともに、前記面会IDを通知する、請求項1、または請求項2に記載の面会管理装置。
【請求項4】
前記面会サービス提供部は、
オンラインの面会に参加している、前記施設担当者、または前記入居者が使用する施設側のクライアント端末、および、前記関係者が使用する1つ以上の関係者側のクライアント端末、それぞれで撮影された撮影画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した1つ、または複数の前記撮影画像を1つの画面に配置した配信画像を生成する配信画像生成部と、
前記配信画像を前記面会に参加している前記クライアント端末に配信する配信部と、を含み、
前記配信画像生成部は、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像を、他のクライアント端末から取得した撮影画像よりも大きいサイズで配置させた第1の配信画像、または、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像のみを配置させた第2の配信画像を生成し、
前記配信部は、前記第1の配信画像、または前記第2の配信画像を、前記関係者側のクライアント端末に配信する、請求項3に記載の面会管理装置。
【請求項5】
前記配信画像生成部は、複数の前記関係者側のクライアント端末から取得した撮影画像を、同じサイズで配置させた第3の配信画像を生成し、
前記配信部は、前記第3の配信画像を、前記施設側のクライアント端末、および、要求のあった前記関係者側のクライアント端末に配信する、請求項4に記載の面会管理装置。
【請求項6】
オンライン面会を実行中において、前記クライアント端末から取得したキャプチャ要求を受け付ける要求受付部と、
前記キャプチャ要求を受け付けることに応じて、前記取得部が取得したオンライン面会に参加している複数のクライアント端末から取得した撮影画像に基づく画像を、1つの画面に配置した記録画像を生成する記録画像生成部と、をさらに備える、請求項4、または請求項5に記載の面会管理装置。
【請求項7】
前記記録画像生成部は、それぞれの前記撮影画像から人物領域を抽出し、抽出した前記人物領域の画像を、所定の背景画像とともに、1つの画面に配置した記録画像を生成する、請求項6に記載の面会管理装置。
【請求項8】
入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族ID、および連絡先、ならびに面会予約日時リストを記憶する記憶部と、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の面会管理装置と、
を備える、面会管理システム。
【請求項9】
看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付けるステップ(a)と、
前記ステップ(a)で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録するステップ(b)と、
前記面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知するステップ(c)と、を含む処理を実行し、
前記ステップ(a)では、記憶部に予め登録されている前記入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた前記予約要求、および、前記看介護施設の前記入居者をケアする担当者または前記看介護施設の管理者である施設担当者からの前記予約要求を受け付け可能であり、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者からの前記予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報を通知する、面会管理方法。
【請求項10】
前記入居者には、1人、または複数人の前記家族IDが紐付けられており、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者が選択した前記家族ID、または前記入居者に紐付けられた全ての前記家族IDの連絡先に、前記予約情報を通知する、請求項9に記載の面会管理方法。
【請求項11】
前記面会予約は、オンライン面会に関する予約であり、
さらに、オンライン面会のサービスに接続するための面会IDを発行するステップ(d)を含み、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者からの予約を受け付けた場合に、オンライン面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報とともに、前記面会IDを通知する、請求項9、または請求項10に記載の面会管理方法。
【請求項12】
オンラインの面会に参加している、前記施設担当者、または前記入居者が使用する施設側のクライアント端末、および、前記関係者が使用する1つ以上の関係者側のクライアント端末、それぞれで撮影された撮影画像を取得するステップ(e)と、
前記ステップ(e)で取得した複数の前記撮影画像を1つの画面に配置させた配信画像を生成する、ステップ(f)と、
前記配信画像を前記面会に参加している前記クライアント端末に配信するステップ(g)と、を含み、
前記ステップ(f)では、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像を、他のクライアント端末から取得した撮影画像よりも大きいサイズで配置させた第1の配信画像、または、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像のみを配置させた第2の配信画像を生成し、
前記ステップ(g)では、前記第1の配信画像、または前記第2の配信画像を、前記関係者側のクライアント端末に配信する、請求項11に記載の面会管理方法。
【請求項13】
前記ステップ(f)では、複数の前記関係者側のクライアント端末から取得した撮影画像を、同じサイズで配置させた第3の配信画像を生成し、
前記ステップ(g)では、前記第3の配信画像を、前記施設側のクライアント端末、および、要求のあった前記関係者側のクライアント端末に配信する、請求項12に記載の面会管理方法。
【請求項14】
オンライン面会を実行中において、前記クライアント端末から取得したキャプチャ要求を受け付けるステップ(h)と、
前記キャプチャ要求を受け付けることに応じて、オンライン面会に参加している複数のクライアント端末から取得した撮影画像に基づく画像を、1つの画面に配置した記録画像を生成するステップ(i)と、
をさらに含む、請求項12、または請求項13に記載の面会管理方法。
【請求項15】
前記ステップ(i)では、それぞれの前記撮影画像から人物領域を抽出し、抽出した前記人物領域の画像を、所定の背景画像とともに、1つの画面に配置した記録画像を生成する、請求項14に記載の面会管理方法。
【請求項16】
請求項9から請求項15のいずれかに記載の面会管理方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項9から請求項15のいずれかに記載の面会管理方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面会管理装置、面会管理システム、面会管理方法、制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
介護老人福祉施設、病院、等の看介護施設において、入居、または入院している被介護者、または入院患者(以下、単に入居者という)に対して、その家族または知人(以下、関係者という)が対面面会に訪れたり、タブレット等の通信端末を通じたウェブ面会を行ったりする。
【0003】
個人情報の保護を配慮しながら、入院患者への面会時間の問い合わせに対する回答を適切に行うための通知プログラムが特許文献1に開示されている。この特許文献1の通知プログラムでは、入院患者の電話番号、またはメールアドレスの連絡先を知る面会希望者に、その連絡先を含む開示要求を受け付けた場合、要求元に面会可能時間を通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では家族等の関係者側から被介護者等(入居者)への面会を気軽に行えるようにはなるが、施設側から面会を行いたい場合に対応できない。入居者本人により、家族等との面会を行いたいという要望に加えて、施設側からも面会を行って欲しいという要望もある。例えば、看介護施設において、認知症の入居者に対して、刺激を与えてその進行を遅らせたい状況や、入居者の機嫌がよくなり、その後のスタッフによるケアが行いやすくなるという状況である。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを目的とする。すなわち、施設側から容易に面会予約を行える、面会管理装置、および面会管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録する登録部と、
前記面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知する通知部と、
を備え、
前記予約受付部は、記憶部に予め登録されている前記入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた前記予約要求、および、前記看介護施設の前記入居者をケアする担当者または前記看介護施設の管理者である施設担当者からの前記予約要求を受け付け可能であり、
前記通知部は、前記施設担当者からの前記予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報を通知する、面会管理装置。
【0009】
(2)前記入居者には、1人、または複数人の前記家族IDが紐付けられており、
前記通知部は、前記施設担当者が選択した前記家族ID、または前記入居者に紐付けられた全ての前記家族IDの連絡先に、前記予約情報を通知する、上記(1)に記載の面会管理装置。
【0010】
(3)前記面会予約は、オンライン面会に関する予約であり、
オンライン面会のサービスに接続するための面会IDを発行する面会サービス提供部を、さらに備え、
前記通知部は、前記施設担当者からの予約を受け付けた場合に、オンライン面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報とともに、前記面会IDを通知する、上記(1)、または上記(2)に記載の面会管理装置。
【0011】
(4)前記面会サービス提供部は、
オンラインの面会に参加している、前記施設担当者、または前記入居者が使用する施設側のクライアント端末、および、前記関係者が使用する1つ以上の関係者側のクライアント端末、それぞれで撮影された撮影画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した1つ、または複数の前記撮影画像を1つの画面に配置した配信画像を生成する配信画像生成部と、
前記配信画像を前記面会に参加している前記クライアント端末に配信する配信部と、を含み、
前記配信画像生成部は、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像を、他のクライアント端末から取得した撮影画像よりも大きいサイズで配置させた第1の配信画像、または、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像のみを配置させた第2の配信画像を生成し、
前記配信部は、前記第1の配信画像、または前記第2の配信画像を、前記関係者側のクライアント端末に配信する、上記(3)に記載の面会管理装置。
【0012】
(5)前記配信画像生成部は、複数の前記関係者側のクライアント端末から取得した撮影画像を、同じサイズで配置させた第3の配信画像を生成し、
前記配信部は、前記第3の配信画像を、前記施設側のクライアント端末、および、要求のあった前記関係者側のクライアント端末に配信する、上記(4)に記載の面会管理装置。
【0013】
(6)オンライン面会を実行中において、前記クライアント端末から取得したキャプチャ要求を受け付ける要求受付部と、
前記キャプチャ要求を受け付けることに応じて、前記取得部が取得したオンライン面会に参加している複数のクライアント端末から取得した撮影画像に基づく画像を、1つの画面に配置した記録画像を生成する記録画像生成部と、をさらに備える、上記(4)、または上記(5)に記載の面会管理装置。
【0014】
(7)前記記録画像生成部は、それぞれの前記撮影画像から人物領域を抽出し、抽出した前記人物領域の画像を、所定の背景画像とともに、1つの画面に配置した記録画像を生成する、上記(6)に記載の面会管理装置。
【0015】
(8)入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族ID、および連絡先、ならびに面会予約日時リストを記憶する記憶部と、
上記(1)から上記(7)のいずれかに記載の面会管理装置と、
を備える、面会管理システム。
【0016】
(9)看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付けるステップ(a)と、
前記ステップ(a)で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録するステップ(b)と、
前記面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知するステップ(c)と、を含む処理を実行し、
前記ステップ(a)では、記憶部に予め登録されている前記入居者に紐付けられている前記入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた前記予約要求、および、前記看介護施設の前記入居者をケアする担当者または前記看介護施設の管理者である施設担当者からの前記予約要求を受け付け可能であり、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者からの前記予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報を通知する、面会管理方法。
【0017】
(10)前記入居者には、1人、または複数人の前記家族IDが紐付けられており、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者が選択した前記家族ID、または前記入居者に紐付けられた全ての前記家族IDの連絡先に、前記予約情報を通知する、上記(9)に記載の面会管理方法。
【0018】
(11)前記面会予約は、オンライン面会に関する予約であり、
さらに、オンライン面会のサービスに接続するための面会IDを発行するステップ(d)を含み、
前記ステップ(c)では、前記施設担当者からの予約を受け付けた場合に、オンライン面会の参加者に設定された前記関係者の前記家族IDに紐付けられた連絡先に、前記予約情報とともに、前記面会IDを通知する、上記(9)、または上記(10)に記載の面会管理方法。
【0019】
(12)オンラインの面会に参加している、前記施設担当者、または前記入居者が使用する施設側のクライアント端末、および、前記関係者が使用する1つ以上の関係者側のクライアント端末、それぞれで撮影された撮影画像を取得するステップ(e)と、
前記ステップ(e)で取得した複数の前記撮影画像を1つの画面に配置させた配信画像を生成する、ステップ(f)と、
前記配信画像を前記面会に参加している前記クライアント端末に配信するステップ(g)と、を含み、
前記ステップ(f)では、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像を、他のクライアント端末から取得した撮影画像よりも大きいサイズで配置させた第1の配信画像、または、前記施設側のクライアント端末から取得した撮影画像のみを配置させた第2の配信画像を生成し、
前記ステップ(g)では、前記第1の配信画像、または前記第2の配信画像を、前記関係者側のクライアント端末に配信する、上記(11)に記載の面会管理方法。
【0020】
(13)前記ステップ(f)では、複数の前記関係者側のクライアント端末から取得した撮影画像を、同じサイズで配置させた第3の配信画像を生成し、
前記ステップ(g)では、前記第3の配信画像を、前記施設側のクライアント端末、および、要求のあった前記関係者側のクライアント端末に配信する、上記(12)に記載の面会管理方法。
【0021】
(14)オンライン面会を実行中において、前記クライアント端末から取得したキャプチャ要求を受け付けるステップ(h)と、
前記キャプチャ要求を受け付けることに応じて、オンライン面会に参加している複数のクライアント端末から取得した撮影画像に基づく画像を、1つの画面に配置した記録画像を生成するステップ(i)と、
をさらに含む、上記(12)、または上記(13)に記載の面会管理方法。
【0022】
(15)前記ステップ(i)では、それぞれの前記撮影画像から人物領域を抽出し、抽出した前記人物領域の画像を、所定の背景画像とともに、1つの画面に配置した記録画像を生成する、上記(14)に記載の面会管理方法。
【0023】
(16)上記(9)から上記(15)のいずれかに記載の面会管理方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
【0024】
(17)上記(9)から上記(15)のいずれかに記載の面会管理方法を、コンピューターに実行させるための制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る面会管理装置は、看介護施設に入居または入院している入居者に対する面会の予約要求を受け付ける予約受付部と、予約受付部で受け付けた面会予約を、面会予約日時リストに登録する登録部と、面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知する通知部と、を備え、予約受付部は、記憶部に予め登録されている入居者に紐付けられている入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた予約要求、および、看介護施設の入居者をケアする担当者または看介護施設の管理者である施設担当者からの予約要求を受け付け可能であり、通知部は、施設担当者からの予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された関係者の家族IDに紐付けられた連絡先に、予約情報を通知する。このようにすることで、施設側から容易に面会予約を行える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1の実施形態に係る面会管理システムの概要を示す図である。
【
図2】面会管理装置、および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態における面会予約処理を示すフローチャートである。
【
図6】クライアント端末に表示される、操作画面の例である。
【
図7】面会予約に関する最上位の操作画面の例である。
【
図8】クライアント端末に表示される、操作画面の例である。
【
図9】第2の実施形態に係る面会管理システムの概要を示す図である。
【
図10】面会管理装置、および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施形態におけるオンライン面会の配信処理を示すフローチャートである。
【
図12】クライアント端末の面会画面(開始画面)の例である。
【
図13】関係者側のクライアント端末に表示される第1の配信画面の例である。
【
図14】関係者側のクライアント端末に表示される第2の配信画面の例である。
【
図15】施設側のクライアント端末に表示される第3の配信画面の例である。
【
図16】第2の実施形態の変形例における記録画像の生成処理を示すフローチャートである。
【
図17】関係者側のクライアント端末に表示される、配信画面の例である。
【
図19】クライアント端末に表示される記録画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
(第1の実施形態に係る面会管理システム1000の全体構成)
図1は第1の実施形態に係る面会管理システム1000の概要を示す図である。
図1に示すように、面会管理システム1000は、予約サーバーである面会管理装置10、ファイルサーバーである記憶部20、および会議サーバー30を含む。
【0029】
面会管理システム1000、または面会管理装置10は、看介護施設の入居者に対する関係者による面会予約を管理する。この「看介護施設」には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、病院が含まれる。以下、これらの看介護施設のことを単に「施設」ともいう。また施設の「入居者」には、介護老人福祉施設または介護老人保健施設(以下、これらを総称して、単に「介護施設」ともいう)でケアを受けるケア対象者、および病院の入院患者が含まれる。またこの入居者に対する面会、および面会予約を行う「関係者」には、入居者の家族、親族、および予め登録した知人が含まれる(以下、家族等ともいう)。本実施形態においては、面会予約の対象となる「面会」には、対面面会とウェブ面会(またはビデオ面会)の両方が含まれる。対面面会とは、家族等が施設に出向いて、入居者と家族等が対面する行為である。ウェブ(web)面会とは、遠隔地どうしの入居者と家族等が、クライアント端末を用いてネットワークを通じて、面会することである。ウェブ面会は、専用の会議サーバー30を介して行うが、少人数(概ね数人以下)で行うような場合には、ウェブブラウザを通じてピアツーピアで行ってもよい。以下に説明する各実施形態においては、会議サーバー30を介して、介護老人福祉施設に入居しているケア対象者が、その家族とウェブ面会する場合について説明するが、面会管理システム1000に会議サーバー30を含めなくてもよい。
【0030】
図1に示すように、面会管理システム1000は、看介護施設で用いられるクライアント端末41、および家族等が自宅等で用いるクライアント端末45とネットワークを通じて相互に通信接続する。クライアント端末41、45は、デスクトップPC(パーソナルコンピューター)、ノートPC、タブレット端末、またはスマートフォンである。また、クライアント端末45は、これを使用する関係者の情報を、施設側の管理者等が事前に登録することで(
図4等)アプリ(家族アプリ)による面会管理システム1000へのアクセス権限が付与される。
【0031】
(面会管理装置10、記憶部20)
図2は、面会管理装置10、および記憶部20の概略構成を示すブロック図である。面会管理装置10、および/または記憶部20は、施設の建物内に配置されたオンプレミスサーバーであってもよく、ネットワークに接続されている外部のサーバーユニットであってもよい。外部のサーバーの場合には、商用のクラウドサービスを利用したクラウドサーバーであってもよい。また、オンプレミスサーバーの場合には、記憶部20は、面会管理装置10の内部に組み込まれていてもよい。
【0032】
図2に示すように面会管理装置10は、制御部11、および通信I/F12を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等のメモリにより構成され、プログラムにしたがって各部の制御および演算処理を行う。なお、制御部11は、メモリとして、さらにHDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。
【0033】
制御部11は、単独で、または通信I/F12と協働することで、予約受付部111、通知部112、面会サービス提供部113、および登録部114として機能する。予約受付部111は、入居者に対する面会の予約要求を受け付ける。通知部112は、面会予約に係る面会の参加者に、面会予約の日時を含む、予約情報を通知する。ここで、予約情報には、面会参加者、面会日時、および場所(対面の場合)またはオンライン面会である旨の情報が含まれる。面会サービス提供部113は、オンライン面会の場合には、面会サービスに接続するための面会IDを発行する。なお、会議サーバー30を用いてオンライン会議を行う場合には、面会サービス提供部113は、会議サーバー30から面会IDを取得するようにしてもよい。通知部112は、面会の参加者に設定された関係者の家族IDに紐付けられた連絡先に予約情報を通知する(オンライン面会の場合には、さらに面会IDを通知)する。これらの機能の詳細については後述する。
【0034】
通信I/F12は、各種の端末装置とネットワーク経由で、有線または無線通信によるデータの送受信を行うインターフェースである。
【0035】
記憶部20には、面会に関する各種データが記憶される。記憶されるデータには、「IDリスト」、および「面会予約日時リスト」が含まれる。面会予約日時リストは、予約済みで登録されている面会予約であり、各面会予約には面会時間、入居者、面会者等が記録されている(後述の
図7参照)。
【0036】
図3、
図4は、記憶部20に記憶されているIDリストの例であり、
図3は入居者に関するものであり、
図4は、入居者の家族(関係者)に関するものである。
【0037】
図3に示すように入居者IDリストには、入居者ID、氏名、その入居先の看介護施設の施設ID、施設名称、および入居者の部屋名が記述されている。なお、図示を省略しているが、入居者のケアを担当するスタッフに関するIDリストも、記憶部20に記憶されている。
【0038】
図4に示すように、家族乃至関係者のIDリストには、家族ID(関係者IDともいう)、氏名、連絡先、属性、および代理案内時案内送付の設定が記述されている。連絡先には、電話番号、メールアドレス、住所等が記録されている。家族IDを登録することで、関係者は、クライアント端末45上のアプリ(家族アプリ)を通じて、面会管理システム1000の各種サービスを利用できるようになる。「代理予約時案内送付」は、施設側による面会予約(以下、「代理予約」ともいう)を行う場合に、面会に参加して欲しい関係者である。これが「送付する」に設定されている関係者は、後述の処理(
図5のステップS140)により、面会の案内(予約情報)が通知される。なお、デフォルト設定では、代表関係者(通常1人)のみが「送付する」に設定され、他の関係者は「送付しない」に設定されるが、代表関係者等からの要望に応じて、施設側のユーザーにより適宜、選択変更される。
【0039】
(会議サーバー30)
会議サーバー30は、面会管理装置10と同様に、CPU、メモリ、および通信I/Fを備え、ウェブブラウザを利用したウェブ会議を行う。各クライアント端末41、45は、会議サーバー30から、操作画面を取得し、これを通じてウェブ会議を行う。会議サーバー30は、ウェブ会議を実行する際には、クライアント端末41、45から撮影画像データと、音声データを取得し、これを各クライアント端末41、45に配信する。
【0040】
(面会予約処理)
以下、
図5~
図8を参照し、第1の実施形態における面会予約処理について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る面会管理装置10が実行する面会予約処理を示すフローチャートである。
【0041】
(ステップS110)
ここでは、面会管理装置10の予約受付部111は、面会予約の要求を受け付ける。面会予約の要求は、以下の手順により、入居者の家族等の関係者側のクライアント端末45から、または、施設側のクライアント端末41から行われる。
【0042】
(関係者側からの予約要求)
図6は、関係者側のクライアント端末45に表示される操作画面d450~d452の例である。
図6では、家族ID(
図4のIDc001)を登録済みの家族X1さん(Aさんの家族)により、面会管理システム1000のサービスを利用している状態を示している。家族X1さんは、
図6に示す操作画面d451で、「面会予約」のアイコンを操作することで、画面は、次の面会予約を行う操作画面d451に遷移する。
【0043】
面会予約の要求元の家族X1さんは、予約枠リストの中から予約を申し込むことができる。操作画面d451では、15分単位(1コマの長さ)の予約枠が示されている。
【0044】
例えば、家族X1さんは、予約申込みボタンb51を操作することで、その日時(予約枠)の入居者Aさんへの面会予約を申し込む。これにより、面会要求が、クライアント端末45から、面会管理装置100に送信される。また、これに応じて、面会管理装置100側から確認の通知が送られ、クライアント端末45に操作画面d452が表示される。この時点では、この面会予約は、仮予約状態であり施設側の承認待ち状態となる。
【0045】
なお、予約済み等で、新たな予約ができない予約枠は、グレイアウト表示され、選択できない(例えばボタンb52)。予約枠あたりの予約上限数は、施設側の都合、例えば、面会場所や、オンライン面会に用いるクライアント端末41の数、対応できるスタッフの人数等により設定される。例えば、オンライン面会に利用できる施設側の端末数が1台の場合には、予約上限数は1つになり、既に他の予約があれば、新たな予約は受け付けられない。
【0046】
(施設側からの予約要求(代理予約))
図7は、施設側のクライアント端末41に表示される面会予約に関する最上位の操作画面d410の例である。スタッフ、管理者、等の施設側のユーザー(「施設担当者」ともいう)は、クライアント端末41で、管理システムのアプリを立ち上げ、初期画面を表示させる。そして、欄a1の「面会予約」を選択する。これにより、クライアント端末41のディスプレイに操作画面d410が表示される。なお、欄a1の「入居者」、または「家族」を選択することで、不図示の操作画面に遷移し、それぞれの操作画面で、
図3、
図4で示した上述の入居者ID、および家族IDの登録、更新を行える。また、家族IDを登録することで、上述のように関係者は、クライアント端末45上のアプリ(家族アプリ)を通じて、面会管理システム1000のサービスを利用できるようになる。
【0047】
施設側から面会の予約要求を行う場合には、操作画面d410の「代理予約」ボタンb10を押下する。これにより、
図6の操作画面d451と同様の予約枠リストを表示した画面に遷移する(図示省略)。施設側のユーザーは、その予約枠から都合のよい日時の予約枠、および、対象の入居者IDを選択することで、対象の入居者(例えばAさん)への面会予約を設定できる。
【0048】
図7の操作画面d410の欄a2には、後述のステップS150の処理等により登録された面会予約日時リストの一部が表示されている。この面会予約リストには、各面会予約の各種情報、すなわち面会の種別(ビデオ面会、対面面会)、要求元、面会日時、対象者(入居者名、面会者)の情報が含まれる。要求元が「代理」となっている列c1、c4の面会予約は施設側からの代理予約であり、「本人」となっている列c2、c3の予約は、関係者側からの面会予約であることを示している。
【0049】
ユーザーは、導入時のデフォルト設定、または、過去に設定した予約設定を変更/更新する場合には、オンライン面会の基本設定ボタンb11を押下する。これにより、オンライン面会の基本設定を行う基本設定画面(図示せず)に遷移する。制御部11は、この基本設定画面を通じたユーザーの操作を受け付けることに応じて、面会の予約枠1コマの長さ(例えば15分、30分)、当該予約枠の何日前から予約を受け付けるかの設定できる予約可能日、1つの予約枠あたりの予約可能数、等を設定できる。また、オンライン面会スケジュール設定ボタンb12を押下することで、施設毎の面会スケジュールを設定できる。例えば平日であれば9時~16時が面会可能範囲で、15分または30分刻みで設定される
(ステップS120)
制御部11は、ステップS110で受けた予約要求の主体を判定する。この予約要求が、施設側からの予約、すなわち、施設側のクライアント端末41を通じた予約であれば、処理をステップS130に進める。一方で、この予約要求が、関係者側からの予約、すなわち、家族IDを用いたクライアント端末45からの予約であれば処理をステップS160に進める。
【0050】
(ステップS130)
制御部11は、記憶部20のIDリストから入居者に紐付けられた家族IDと、その家族IDの連絡先を取得する。本実施形態においては、
図4のIDリストで、「代理案内時案内送付」が「送付する」に設定されている関係者を対象として、家族IDとその連絡先を取得する。しかしながらこれに限られず、別の第1例として、入居者に紐付けられた全ての家族IDとそれらの連絡先を取得してもよく、第2例として、代理予約を行う度に、施設側ユーザーが、対象の入居者の複数の関係者の中から選択された関係者の連絡先を取得するようにしてもよい。
【0051】
(ステップS140)
図8は、関係者側のクライアント端末45に表示される操作画面d453~d455の例である。面会管理装置10の通知部112は、ステップS130で取得した関係者IDの連絡先に、予約情報、および面会IDを通知する。
図8の操作画面d453は、予約情報の通知により表示される案内画面である。操作画面d453の欄a42には、予約情報として、面会日時、および、オンライン面会である旨が表示され、およびオンライン面会のサービスに接続するための面会ID92が表示される。面会IDを押下することで、次の操作画面d454が表示される。関係者は、操作画面d454で、面会時間になった時に、開始ボタンb53を操作することで、会議サーバー30を利用した施設の入居者とのウェブ面会を行える。なお、施設側からの面会予約(代理予約)は、関係者側の都合を確認せずに、行われるものであり、都合が悪い場合は、操作画面d454で削除ボタンb54を操作することで、面会予約をキャンセルすることもできる。
【0052】
(ステップS160)
施設側のユーザーは、クライアント端末41の操作画面d410(
図7参照)のボタンb15を押下することで、関係者側からの面会予約を承認する。承認することで、
図7の欄a2の状態欄は、「承認済」に切り替わる。また、承認することでステップS170の処理が行われる。なお、このステップS160の処理を省略し、この時点での承認を不要としてもよい。
【0053】
(ステップS170)
面会管理装置10の通知部112は、ステップS110における面会要求の要求元である関係者IDの連絡先に、予約情報、および面会IDを通知する。なお、面会要求を受け付けた際に、面会参加者として、同じ入居者の別の関係者の選択を受け付けた場合には、その関係者IDの連絡先にも、予約情報、および面会IDを通知する。
図8の操作画面d455は、予約情報の通知により表示される案内画面である。この操作画面d455は上述の操作画面d452の後に表示する画面であり、欄a44が追加されている。操作画面d455の欄a44には、予約情報とともに、オンライン面会のサービスに接続するための面会ID94が表示される。
【0054】
(ステップS190)
登録部114は、ステップS110で受け付けた予約要求に係る面会予約を、記憶部20の面会予約日時リストに登録する(エンド)。
【0055】
このように、第1の実施形態に係る予約管理装置は、記憶部に予め登録されている看介護施設の入居者に紐付けられている入居者の家族を含む関係者の家族IDを用いた予約要求、および、入居者をケアする担当者または看介護施設の管理者である施設担当者からの予約要求を受け付け可能な予約受付部と、施設担当者からの予約要求を受け付けた場合に、面会の参加者に設定された関係者の家族IDに紐付けられた連絡先に、予約情報を通知する通知部とを備える。これにより、施設側から容易に面会予約を行える。特に看介護施設においては、施設側から面会を設定したいという要望があり、施設側からの面会予約が容易にできることは有用である。
【0056】
(第2の実施形態に係る面会管理システム1001)
図9は、第2の実施形態に係る面会管理システムの概要を示す図である。
図9に示すように、面会管理システム1001は、予約サーバー、および会議サーバーとして機能する面会管理装置50、およびファイルサーバーである記憶部60を含む。また、
図9に示すように、面会管理システム1001は、看介護施設で用いられるクライアント端末41、および家族等が自宅等で用いるクライアント端末45とネットワークを通じて相互に通信接続する。
【0057】
(面会管理装置50、記憶部60)
図10は、面会管理装置50、および記憶部60の概略構成を示すブロック図である。面会管理装置50、および記憶部60は、上述の第1の実施形態における面会管理装置10、および記憶部20と同様のハードウェア構成を備える。面会管理装置50は、制御部51、通信I/F52、および面会サービス提供部53を備える。
【0058】
制御部51は、単独で、または通信I/F52と協働することで、予約受付部511、通知部512、および登録部514として機能する。これらの機能は、上述の予約受付部111、通知部112、および登録部114と同等の機能であり、以下の面会ID発行部531と協働することで、
図5で示した面会予約処理を実行する。
【0059】
通信I/F52は、上述の通信I/F12と同様の機能であり、各種の端末装置とネットワーク経由で、有線または無線通信によるデータの送受信を行う。また、通信I/F52は、後述する「記録画像」をクライアント端末41、45に送信する送信部として機能する。
【0060】
また、面会サービス提供部53は、CPU、およびRAM、ROM、等のメモリにより構成され、プログラムにしたがって各部の制御および演算処理を行う。なお、面会サービス提供部53は、制御部51とハードウェアを共用するように構成してもよい。
【0061】
面会サービス提供部53は、単独で、または通信I/F52と協働することで、面会ID発行部531、取得部532、配信画像生成部533、配信部534、要求受付部535、および記録画像生成部536として機能する。面会ID発行部531は、第1の実施形態における面会サービス提供部113と同様にオンラインの面会サービスに接続するための面会IDを発行する。
【0062】
取得部532は、オンラインの面会に参加している、施設側、関係者側のクライアント端末41、45それぞれのカメラで撮影された撮影画像を取得する。例えば、撮影画像としては、面会参加者の人物像をリアルタイムで撮影した動画像である。また、撮影画像と同時に、クライアント端末41、45のマイクにより得られた面会参加者の音声を取得する。
【0063】
配信画像生成部533は、取得部532が取得した1つ、または複数の撮影画像を1つの画面に配置した配信画像を生成する。配信画像には、複数の撮影画像を配置した第1、第3の配信画像と、1つの撮影画像のみを配置した第2の配信画像がある(後述の
図13~
図15)。
【0064】
要求受付部535は、関係者側のクライアント端末45から、キャプチャ要求を受け付ける。
【0065】
記録画像生成部536は、要求受付部535がキャプチャ要求を受け付けることに応じて、オンラインの面会の複数の参会者の撮影画像に基づく画像を、1つの画面に配置した記録画像を生成する。この記録画像は、おもいで画像とも称されるものである。記録画像生成部536は、撮影画像に基づく画像として、それぞれの撮影画像から、キャプチャ要求を受けたタイミングにおける静止画を抽出する。そして、その静止画から公知の画像処理技術により人物領域を抽出し、その人物領域の画像を、所定の背景画像とともに1つの画面に配置した記録画像を生成する。
【0066】
記憶部60には、面会、および、おもいで画像に関する各種データが記憶される。記憶されるデータには、上述した面会に関する「IDリスト」、および「面会予約日時リスト」、ならびに、おもいで画像の生成に用いる「背景画像」、および生成したおもいで画像である「記録画像」が含まれる。
【0067】
(オンライン面会の配信処理)
図11は、第2の実施形態に係る面会管理装置50が実行するオンライン面会の配信処理を示すフローチャートである。
【0068】
(ステップS310)
面会サービス提供部53は、オンライン面会の参加者からのサービス利用要求を受け付ける。具体的には、面会予約の参加者である関係者はクライアント端末45から、
図8の操作画面d454の開始ボタンb53を押下することで面会に参加する。また、施設側においては入居者本人、または付き添いのスタッフがクライアント端末41から、
図7の操作画面d410の該当する面会予約における面会開始ボタンを押下することで面会に参加する。
【0069】
(ステップS320、S330)
面会サービス提供部53は、通信I/F52により面会画面(開始画面)を、面会に参加しているクライアント端末41、45に送信する。そして、面会画面を通じて、各クライアント端末41、45の撮影画像に基づく画像の配置設定を受け付ける。
【0070】
図12は、クライアント端末41、45に表示される面会画面の例である。入居者(またはスタッフ)、および関係者は、ボタンb62を押下することで配置設定を選択できる。また、ボタンb61により、キャプチャ要求を送信でき、ボタンb63により面会サービスの会議室から退出できる。また、中央の破線枠内(「待機中」の表示)は、オンライン面会が開始された後に、配信画像が表示される領域である。
【0071】
ボタンb62で選択可能な配置設定としては、例えば、上記の第1~第3の配信画像に対応した、レイアウト1~3が含まれる。入居者のみの撮影画像を配置する配信画像(第2の配信画像)、入居者を他の参加者の撮影画像よりも大きく配置する配信画像(第1の配信画像)、または、全部の撮影画像を均等サイズで配置する配信画像(第3の配信画像)がある。デフォルトは、クライアント端末41では第3の配信画像が、クライアント端末45では、第1、または第2の配信画像が設定されている。
【0072】
(ステップS340~S344の配信ループ)
以降は、面会サービス提供部53は、S340~S344の配信ループを、面会が終了するまで実行する。例えば、面会終了としては、面会予約に対応する面会時間が経過した場合、または全ての参加者が、面会サービスから退出した場合がある。
【0073】
取得部532は、オンライン面会に参加しているクライアント端末41、45から撮影画像と音声を取得する(ステップS341)。
【0074】
配信画像生成部533は、ステップS341で取得した撮影画像により、ステップS330で設定された、それぞれのクライアント端末41、45の配置設定に応じた配信画像を生成する(ステップS342)。そして、配信部534は、生成した配信画像(ステップS343)を、音声とともに、各クライアント端末41、45に配信する。
【0075】
(関係者側のクライアント端末45への配信画像)
図13、
図14は、関係者側のノートPC、スマートフォン、等のクライアント端末45に表示される面会画面d456、d457の例である。ビジネスにおけるオンライン面談では、通常は、参加者の撮影画像を均等サイズで表示する(例えば特開2019-117998号公報)。しかしながら、本実施形態のような看介護施設の入居者と、その関係者がオンライン面会(面談)する場合には、主役は入居者であり、関係者は、入居者を他の関係者よりも、よく見たいという要望がある。このようなことから、デフォルトでは、関係者側のクライアント端末45には、第1または、第2の配信画像を表示するように設定する。
【0076】
図13の面会画面d456に表示する第1の配信画像では、施設側のクライアント端末41から取得した撮影画像(すなわち入居者の人物像)を他のクライアント端末45から取得した撮影画像(すなわち関係者の人物像)よりも大きいサイズで配置する。
図13では、入居者b001(Aさん)、および関係者c001~c003の4名が、オンライン面会に参加した場合(面会中)を示している。欄a61では、入居者b001(Aさん)の撮影画像に基づく画像を大きいサイズで配置し、欄a62では、関係者c001~c003(X1~X3さん)の撮影画像に基づく複数の画像を小さいサイズで配置している。なお、
図13の例においては、クライアント端末45の利用者本人、すなわち、関係者c003の撮影画像に基づく画像を、非表示にしてもよい。
【0077】
図14の面会画面d457に表示する第2の配信画像では、施設側のクライアント端末41から取得した撮影画像(すなわち入居者の人物像)のみを配置する。
【0078】
(施設側のクライアント端末41への配信画像)
図15は、施設側のノートPC、タブレット端末、等のクライアント端末41に表示される面会画面d416の例である。入居者が利用する施設側のクライアント端末41では、面会に参加している関係者それぞれを見たいという要望がある。そのため、
図15の面会画面d416に表示する第3の配信画像では、参加者全員の撮影画像に基づく画像を、同じサイズで配置している。なお、
図15の例においては、クライアント端末41の利用者本人、すなわち、入居者の撮影画像に基づく画像を、非表示にしてもよい。
【0079】
このように、第2の実施形態に係る面会管理装置50は、面会サービス提供部53を備え、この面会サービス提供部53は、オンラインの面会に参加している、施設側のクライアント端末41、および、1つ以上の関係者側のクライアント端末41、それぞれで撮影された撮影画像を取得する取得部532と、取得部532が取得した1つ、または複数の撮影画像を1つの画面に配置した配信画像を生成する配信画像生成部533と、配信画像を面会に参加しているクライアント端末41、45に配信する配信部534と、を含み、配信画像生成部533は、施設側のクライアント端末41から取得した撮影画像を、他のクライアント端末45から取得した撮影画像よりも大きいサイズで配置させた第1の配信画像、または、施設側のクライアント端末41から取得した撮影画像のみを配置させた第2の配信画像を生成し、配信部534は、第1の配信画像、または第2の配信画像を、関係者側のクライアント端末45に配信する。このようにすることで、複数の関係者が参加した看介護施設の入居者と行う面会を有意義なものにできる。
【0080】
(第2の実施形態の変形例における記録画像の生成処理)
次に、
図16から
図19を参照し、第2の実施形態の変形例における記録画像の生成処理について説明する。
図16は、記録画像の生成処理を示すフローチャートである。
図17は、関係者側のクライアント端末45に表示される、配信画面d458の例である。
図18は、記録画像の生成処理を示す模式図である。
図19は、クライアント端末45に表示される記録画像の例である。
【0081】
(ステップ410)
面会サービス提供部53が、オンライン面会のサービスを提供中において、要求受付部535は、面会に参加中のクライアント端末45、またはクライアント端末41からキャプチャ要求を受け付ける。
【0082】
図17の配信画面d458は、オンライン面会で面会中に表示される画面であり、第1の配信画像を表示している。関係者は、配信画面d458において、配信画像が表示されている領域をタップすることで(指のアイコンで示す)、キャプチャ要求が、クライアント端末45から面会管理装置50に向けて送信される。また、
図12のような面会画面においては、ボタンb61を押下することで、キャプチャ要求が面会管理装置50に向けて送信される。
【0083】
(ステップ420)
記録画像生成部536は、
図18に示すように、各クライアント端末41、45から取得した撮影画像に基づいて、記録画像(おもいで画像)を生成する。具体的には、取得部532が取得した、オンライン面会に参加しているクライアント端末41、45それぞれの撮影画像(動画)から、所定タイミングにおける静止画を抽出する。そして、その静止画から人物領域を抽出する。そして、その人物領域の画像を、所定の背景画像とともに1つの画面に配置した記録画像を生成する。所定の画像は、記憶部60に予め記憶されている背景画像である。この背景画像は、記憶部60に記憶されている複数の背景画像から選択されたものである。この選択は、デフォルトのある背景画像を用いてもよく、キャプチャ要求を受け付けた際に、同時に背景画像の選択を受け付け、その選択された背景画像を用いてもよい。
【0084】
(ステップS430)
制御部51は、記録画像生成部536が生成した記録画像を、記憶部60に記憶させる。
【0085】
(ステップS440)
面会管理装置50は、送信部として機能する通信I/F52により、ステップS420で生成した記録画像を、キャプチャ要求の要求元のクライアント端末45に送信する。なお、このときに、オンライン面会に参加していた他のクライアント端末41、45全てに記録画像を送信するようにしてもよい。
図19はクライアント端末45に表示される操作画面d459の例である。操作画面d459には、欄a91、92に記録画像が表示されている。このように記録画像には、生成日時と、キャプチャ要求の要求元が入力した簡単なコメントを紐付けて記憶部20に記憶し、これを一緒に表示するようにしてもよい。
【0086】
このように変形例においては、記録画像生成部536は、それぞれの撮影画像から人物領域を抽出し、抽出した人物領域の画像を、所定の背景画像とともに、1つの画面に配置した記録画像を生成する。このようにすることで、複数の関係者が参加した看介護施設の入居者と行う面会を有意義なものにできる。
【0087】
以上に説明した、面会管理装置10(または50)、およびこれを備える面会管理システム1000(または1001)の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種種改変できる。また、上述した実施形態に係る面会管理装置10、50における処理は、上記のフローチャート、シーケンスチャートに示したステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0088】
また、上述した実施形態に係る面会管理装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその面会管理装置等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1000、1001 面会管理システム
10 面会管理装置
11 制御部
111 予約受付部
112 通知部
113 面会サービス提供部
114 登録部
12 通信I/F
20、60 記憶部
30 会議サーバー
41、45 クライアント端末
50 面会管理装置
51 制御部
511 予約受付部
512 通知部
514 登録部
52 通信I/F
53 面会サービス提供部
531 面会ID発行部
532 取得部
533 配信画像生成部
534 配信部
535 要求受付部
536 記録画像生成部