(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180767
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】照明装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20221130BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221130BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221130BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20221130BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20221130BHJP
【FI】
F21S2/00 439
G02F1/13357
F21Y115:10 700
F21Y105:00
F21Y107:70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087443
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 高彰
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA15
2H391AB04
2H391AB14
2H391AB23
2H391AD01
2H391EA21
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA08
3K244BA32
3K244BA37
3K244BA39
3K244CA03
3K244DA21
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA05
3K244GA10
3K244KA03
3K244KA04
3K244KA07
3K244KA18
(57)【要約】
【課題】輝度ムラの発生を抑制し、輝度を向上することができる。
【解決手段】照明装置30は、光源52と、光源52が一方向に並んで実装される、可撓性の光源基板54と、光源52の発光面52Aと対向する入射端面61を有し、光源52からの光を導光する導光板60と、を備え、光源基板54は、光源52が実装される実装部55と、平面に視て実装部55を取り囲むように少なくとも実装部55の入射端面61側に開口56と、前記実装部と実装部55以外の光源基板54とを接続する接続部57と、が設けられており、導光板60は、入射端面61が全ての光源52の発光面52Aと当接している。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源が一方向に並んで実装される、可撓性の光源基板と、
前記光源の発光面と対向する入射端面を有し、前記各光源からの光を導光する導光板と、を備え、
前記光源基板は、前記光源が実装される実装部と、平面に視て前記実装部を取り囲むように少なくとも前記実装部の前記入射端面側に開口と、前記実装部と前記実装部以外の前記光源基板とを接続する接続部と、が設けられており、
前記導光板は、前記入射端面が全ての前記光源の前記発光面と当接している照明装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記入射端面に沿う方向に延在しており、
前記光源毎に2つずつ前記実装部を挟んで対向するように設けられている請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記入射端面と交わる方向に延在しており、
前記光源毎に1つずつ前記実装部に対して前記導光板と反対側に設けられている請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記導光板の厚さ方向について湾曲している請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記開口は、全ての前記光源に対して前記光源毎に設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記開口は、前記一方向に並んだ複数の光源のうち両端部に位置する2つの端側光源以外の前記光源に対して前記光源毎に設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記端側光源は、前記入射端面を位置決めするための停止部材を兼ねている請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記導光板の前記入射端面は、部分的に窪んだノッチ部を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記光源基板及び前記導光板を収容するシャーシを備え、
前記シャーシは、前記光源基板を載置する底部と、前記底部の外周縁から立ち上がる側部と、前記側部から前記底部と並行するように突出する突出部と、を有し、
前記入射端面は、前記底部と前記突出部との間に挿入されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置と、前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、液晶層を有する液晶パネルである請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、照明装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の照明装置として、液晶パネルの裏面側の端部に光源が配された、いわゆるエッジライト型(サイドライト型)のバックライト装置が知られている。エッジライト型バックライト装置においては、LED等の光源の光は導光板に入光され、導光板の内部を伝搬して液晶パネル側へ向けて出射される。この際、LEDから導光板への入光効率を改善する技術として、一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のバックライトユニットは、導光板の光入射側(光源側)端部に複数個の角穴が穿設され、これら角穴内に、光源用FPC(フレキシブル基板)にCOG搭載されたLEDが接着樹脂を介して接着された状態で夫々設置されている。LEDの光射出面と、これに対面する導光板の壁面間には、透明な接着樹脂が介在するだけで空気層が介在していないことから、LEDの射出光を効率よく導光板内に入射できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、各LEDは導光板の複数の角穴にそれぞれ固着されるが、複数の貫通穴には製造上、位置のバラつきが生じるため、それに固着されるLEDの光射出面の位置にもバラつきが生じてしまう。LEDの光射出面の位置にバラつきが生じると、導光板への入光効率がLEDによって異なるものとなり、導光板から出射される光量もLEDの位置に対応したバラつきを含んでしまう。その結果、バックライト装置からの出射光に輝度ムラが生じると共に、低輝度の部分が生じることで全体としての輝度も低下してしまう懸念がある。
【0006】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、輝度ムラの発生を抑制し、輝度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本願明細書に記載の技術に関わる照明装置は、複数の光源と、前記複数の光源が一方向に並んで実装される、可撓性の光源基板と、前記光源の発光面と対向する入射端面を有し、前記各光源からの光を導光する導光板と、を備え、前記光源基板は、前記光源が実装される実装部と、平面に視て前記実装部を取り囲むように少なくとも前記実装部の前記入射端面側に開口と、前記実装部と前記実装部以外の前記光源基板とを接続する接続部と、が設けられており、前記導光板は、前記入射端面が全ての前記光源の前記発光面と当接している。
【0008】
(2)また、上記照明装置は、上記(1)に加え、前記接続部は、前記入射端面に沿う方向に延在しており、前記光源毎に2つずつ前記実装部を挟んで対向するように設けられていてもよい。
【0009】
(3)また、上記照明装置は、上記(1)に加え、前記接続部は、前記入射端面と交わる方向に延在しており、前記光源毎に1つずつ前記実装部に対して前記導光板と反対側に設けられていてもよい。
【0010】
(4)また、上記照明装置は、上記(3)に加え、前記接続部は、前記導光板の厚さ方向について湾曲していてもよい。
【0011】
(5)また、上記照明装置は、上記(1)から(4)のいずれか1つに加え、前記開口は、全ての前記光源に対して前記光源毎に設けられていてもよい。
【0012】
(6)また、上記照明装置は、上記(1)から(4)のいずれか1つに加え、前記開口は、前記一方向に並んだ複数の光源のうち両端部に位置する2つの端側光源以外の前記光源に対して前記光源毎に設けられていてもよい。
【0013】
(7)また、上記照明装置は、上記(6)に加え、前記端側光源は、前記入射端面を位置決めするための停止部材を兼ねていてもよい。
【0014】
(8)また、上記照明装置は、上記(1)から(7)のいずれか1つに加え、前記導光板の前記入射端面は、部分的に窪んだノッチ部を有していてもよい。
【0015】
(9)また、上記照明装置は、上記(1)から(8)のいずれか1つに加え、前記光源基板及び前記導光板を収容するシャーシを備え、前記シャーシは、前記光源基板を載置する底部と、前記底部の外周縁から立ち上がる側部と、前記側部から前記底部と並行するように突出する突出部と、を有し、前記入射端面は、前記底部と前記突出部との間に挿入されていてもよい。
【0016】
(10)本願明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から(9)のいずれか1つの照明装置と、前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備える。
【0017】
(11)また、上記表示装置は、上記(10)に加え、前記表示パネルは液晶層を有する液晶パネルであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本技術によれば、輝度ムラの発生を抑制し、輝度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図5】LEDに対する導光板の押圧方向を示す平面図
【
図6】LEDに対して導光板が押圧される様子を示す平面図
【
図7】
図6に続き、LEDに対して導光板が押圧される様子を示す平面図
【
図8】
図7に続き、全てのLEDと導光板が当接された様子を示す平面図
【
図9】実施形態2に係るLED及びLED基板を拡大した平面図
【
図10】全てのLEDと導光板が当接された様子を示す平面図
【
図18】全てのLEDと導光板が当接された様子を示す平面図
【
図19】実施形態4に係るLED及びLED基板の平面図
【
図20】全てのLEDと導光板が当接された様子を示す平面図
【
図21】他の実施形態に係る液晶表示装置のLED付近を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図8を参照して説明する。本実施形態では、バックライト装置30(照明装置の一例)を備えた液晶表示装置(表示装置の一例)10について例示する。なお、各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、Z軸方向において液晶パネル20側を表側とし、バックライト装置30側を裏側とする。
【0021】
液晶表示装置10は、全体として横長の矩形状をなしており、
図1及び
図2に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネルの一例)20と、液晶パネル20に光を照射するバックライト装置30と、を備え、これらが支持部材(後述するフレーム14(表ベゼル)、バックライト装置30のシャーシ(裏ベゼル)40等)によって一体的に保持されている。液晶パネル20は、全体として横長な矩形状をなし、画像を表示可能な表示面が表側を向いた姿勢で配置される。液晶パネル20は、透明な(高い透光性を有する)一対の基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられ、両ガラス基板間に液晶層が封入された構成をなしている。両ガラス基板の外側には偏光板が配されているものとされる。
【0022】
フレーム14は、
図1及び
図2に示すように、液晶パネル20の表側の周縁部に沿って延在し、液晶表示装置10の表側の外観を構成している。フレーム14は、剛性に優れた金属(例えばステンレス鋼、アルミニウム系材料)または遮光性を有する樹脂からなる。液晶パネル20とフレーム14との間には、固定及び遮光のために黒色のテープ状部材等が貼り付けられていてもよい。また、フレーム14の代わりに遮光のためのテープ状部材が貼り付けられていてもよい。
【0023】
バックライト装置30は、
図1及び
図2に示すように、液晶パネル20と同様に平面視で横長の矩形状をなしている。バックライト装置30は、LED52(光源の一例)と、LED52が実装されるLED基板54(光源基板の一例)と、LED52からの光を導光する導光板60と、導光板60から漏れ出た光を導光板60側に反射させる反射シート70と、を備え、これらがシャーシ40に収容されている。また、導光板60上には、光学シート33が積み重ねられている。バックライト装置30は、LED52の光が導光板60の一方の長辺端面(入射端面)61からのみ入光される片側入光タイプのエッジライト型(サイドライト型)である。
【0024】
LED基板54は、絶縁材料製で可撓性を有するフィルム状のフレキシブル基板(FPC, Flexible Printed Circuits)である。LED基板54は、
図1に示すように、導光板60の入射端面61に沿って延在する細長状をなす。LED基板54は例えば、絶縁性及び屈曲性を有するポリイミド樹脂等の合成樹脂材料からなる基材上に、多数本の配線パターンが形成された銅等の金属箔が積層された構成とされる。
【0025】
複数のLED52は、LED基板54の延在方向(X軸方向、一方向の一例)に沿ってほぼ等間隔に全体として線状をなすように、LED基板54の表側の面(実装面)54Aに実装されている。LED52は直方体状をなし、一側面が発光面52A(光軸はY軸方向)となる、いわゆる側面発光型(サイドビュー型)とされる。LED52は、白色を呈する光を発する白色LEDであって、例えば青色光を単色発光する青色LEDチップ(青色発光素子)を、蛍光体(緑色蛍光体、赤色蛍光体等)が分散配向された封止材によって封止した構成とされる。LED52の大きさは、例えば発光面52Aの高さ寸法(Z軸方向)が1mmから3mm程度、発光面52Aの幅寸法(X軸方向)が4mmから5mm程度、奥行き寸法(Y軸方向)が1mmから2mm程度とされる。
【0026】
LED基板54には、
図3及び
図4に示すように、LED52が実装される実装部55を取り囲むように切り抜かれた開口56が形成されている。開口56は、LED52の底面形状に倣う形で全体として枠状(本実施形態では矩形の枠状)に形成されており、LED52毎に形成されている。開口56によって、実装部55は、LED52が実装されない非実装部59と隙間を空けて島状に設けられている。実装部55が島状に設けられていることで、後述するように、実装部55を僅かに移動することができ、これにより実装部55の位置を調整可能となっている。本実施形態では、開口56の幅W
56(内周縁から外周縁までの距離)は、LED52の奥行き寸法(Y軸方向)の半分程度に形成されているが、実装部55が可動となる隙間であればよく、その寸法は限定されない。
【0027】
各開口56は、
図3に示すように、枠状の一部が切り抜かれずに残存することで、島状をなす実装部55とそれ以外の非実装部59とを接続している接続部57を含むように形成されている。本実施形態において、接続部57は、各LED52に対して2つずつ設けられており、各接続部57は、LED52の発光面52A、及び導光板60の入射端面61に沿うX軸方向に延在している。LED52毎に2つずつ設けられた接続部57は、全体として枠状をなす各開口56の2つの辺部に対応する位置に、実装部55を挟んで対向するように設けられている。
【0028】
導光板60は、屈折率が空気よりも十分に高くかつ透明性の高い樹脂(例えばポリカーボネート)製の射出成型板であり、板面には微細な凹凸構造等が形成されている。本実施形態において、導光板60は、
図2及び
図8に示すように、入射端面61が全てのLED52の発光面52Aと当接するように配置されている。導光板60は、LED52から発せられた光を入射端面61から導入し、その光を内部でY軸方向に沿って伝播させると共に、光学シート33側へ向くように立ち上げて出射板面62から出射させる。導光板60の入射端面61を全てのLED52の発光面52Aと当接させるように設置する方法については詳しく後述する。
【0029】
反射シート70は、
図1及び
図2に示すように、導光板60の裏側に配され、導光板60から漏れ出た光を導光板60側に反射させる。反射シート70は、その表面が光反射性に優れたシート状部材であって、例えば白色樹脂製とされるが、種々様々なものを用いることができる。
【0030】
光学シート33は、
図1及び
図2に示すように、導光板60と液晶パネル20との間に介在して配されることで、導光板60からの出射光に所定の光学作用を付与する。光学シート33は、その厚みが例えば30μmと薄く可撓性を有するシート状部材である。光学シート33は種々様々なものが知られており、液晶表示装置10の用途等に応じて1種類または複数種類のものが適宜用いられる。本実施形態では、光拡散シート及び輝度向上シートを含む3枚の光学シート33が用いられている。
【0031】
シャーシ40は金属または樹脂等からなり、
図1及び
図2に示すように、表側に向けて開口した浅いトレー状をなしている。シャーシ40は、液晶パネル20と同様に横長な方形状をなす底部41と、底部41の外周縁から表側に向けて立ち上がる側部42と、側部42の一部から底部41と並行するように突出する突出部43と、を有する。シャーシ40の底部41上には、LED基板54及び反射シート70が載置され、その上には導光板60、光学シート33がさらに積み重ねられている。側部42のうちLED52寄りの長辺部であるLED配置側部42Aには、その延出端が底部41と並行するように折れ曲がって導光板60側に突出する突出部43が形成されている。導光板60は、入射端面61が底部41と突出部43との間に位置するように配置される。導光板60の出射板面62と突出部43の下面との間には、光利用効率を向上するために、光反射性に優れた白色等の反射テープ90が貼り付けられていることが好ましい(
図2)。
【0032】
次に、上記した構成のバックライト装置30の作用効果について、組み立て方法に触れつつ説明する。LED52は、LED基板54に実装される際、製造上、位置のバラつきを含んで実装される。このため、光軸方向(Y軸方向)についての発光面52Aの位置は、
図3及び
図4に示すように、LED52によって僅かに(例えば0.1mm単位程度)異った状態になっている。組み立て時、LED基板54は、LED52の発光面52Aの位置にバラつきが生じた状態で、シャーシ40の底面41上において突出部43の下方に載置される。また、底面41上において、LED基板54が載置された以外の部分に反射シート70が載置される。
【0033】
LED基板54及び反射シート70の載置後、これらの上に導光板60が重ねられる。導光板60は、入射端面61がLED基板54と突出部43との間に挿入されるように、-Y軸方向(
図5の矢線で示す方向)に押圧される。導光板60は、-Y軸方向に押圧されると、
図6に示すようにLED52の発光面52Aに当接するようになる。LED52の発光面52Aの位置にはバラつきが生じていることから、入射端面61は、
図6から
図8に示すように、シャーシ40のLED配置側部42A(LED基板54におけるシャーシ40のLED配置側部42A寄りの長辺部54B)からの距離が大きい順に、LED52の発光面52Aに当接していく。
【0034】
LED52は、入射端面61によって発光面52Aが押圧されると、実装部55が島状に形成されていて可動することから、実装部55と共に-Y軸方向に動く。接続部57は、実装部55との接続部分が-Y軸方向に引っ張られると、可撓性のLED基板54の一部であることから、実装部55の動きを許容するように変形する。接続部57は、実装部55を挟んで対向する位置にLED52毎に2つずつ設けられているため、発光面52Aは、その面内全体が入射端面61によってほぼ均等に押圧される。
【0035】
導光板60の押圧によってLED52が動くことで、
図8に示すように、LED基板54の長辺部54Bからの距離が最も小さい位置に実装されたLED52の発光面52Aの位置まで、それ以外のLED52の発光面52Aの位置を-Y軸方向にずらすことができる。これにより、導光板60は、全ての発光面52Aが入射端面61に当接された状態となる。その結果、LED52の発光面52Aの位置のバラつきが抑制され、導光板60への入光効率がLED52によって異なってしまう事態が抑制される。このようにしてバックライト装置30、及びこれを備える液晶表示装置10の出射光の輝度ムラを抑制できると共に、低輝度の部分が生じることに伴う輝度低下を抑制でき、全体輝度を向上できるようになる。
【0036】
<実施形態2>
実施形態2に係るバックライト装置130について
図9から
図15を参照して説明する。本実施形態では、LED基板154の接続部157の数及び形成位置が実施形態1と異なる。実施形態2において、それ以外の構成は実施形態1と基本的に同じであり、同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0037】
接続部157は、
図9に示すように、各LED52に対して1つずつ設けられており、各接続部57は、LED52の発光面52A及び導光板60の入射端面61と交わるY軸方向に延在している。接続部157は、全体として枠状をなす開口56において、実装部55に対して導光板60と反対側(シャーシ40のLED配置側部42A側)の辺部に設けられている。このように接続部157を設けることで、LED52が実装される島状の実装部55がより動きやすくなり、可動性を向上することができる。その結果、導光板60の押圧によって、
図10に示すように全ての発光面52Aが入射端面61に当接される状態を実現しやすくなる。
【0038】
また、各接続部157は、
図11に示すように、使用環境温度(室温)が常温の場合に、Z軸方向(導光板60の厚さ方向)に湾曲している。換言すると、導光板60は、組み立て時に、入射端面61が全てのLED52の発光面52Aに当接し、全ての接続部157がZ軸方向に湾曲する位置まで押圧された状態で、設置される。なお、本明細書において、常温とは10℃から25℃の温度領域を指し、これより低いまたは高い温度領域をそれぞれ低温、高温とする。
【0039】
このようにすれば、使用環境温度が低温になり、
図12に示すように導光板60が収縮して入射端面61の位置が+Y軸方向に変位した場合、各接続部157は、
図13に示すように、Z軸方向の湾曲度合いが小さくなってY軸方向に沿って伸びた状態となる。これにより、実装部55が入射端面61に追従するように+Y軸方向に動き、全ての発光面52Aが入射端面61と当接した状態を維持することができる。
【0040】
一方で、使用環境温度が高温になり、
図14に示すように導光板60が膨張して入射端面61の位置が-Y軸方向に変位した場合、入射端面61によってLED52の発光面52Aはさらに押圧される。これにより、各接続部157は、
図15に示すように、Z軸方向の湾曲度合いが大きくなる。各接続部157は、導光板60の膨張を吸収するように大きく湾曲するため、発光面52Aが入射端面61と当接した状態を維持することができる。従って、LED基板154によれば、使用環境温度の変化によって導光板60の伸縮が生じた場合であっても、全ての発光面52Aが入射端面61に当接される状態を維持できるようになる。
【0041】
<実施形態3>
実施形態3に係るバックライト装置230について
図16から
図18を参照して説明する。本実施形態では、導光板260の入射端面261の形状、LED基板254の形状、及びLED52の実装位置が実施形態1と異なる。実施形態3において、それ以外の構成は実施形態1と基本的に同じであり、同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0042】
導光板260には、
図16に示すように、入射端面261において部分的に窪んだノッチ部261Aが形成されている。また、LED基板254の形状及びLED52の配置は、
図17に示すように、ノッチ部261Aを含む入射端面261の形状に倣うものとなっている。これにより、他の部品(例えば小型撮像素子)を搭載するスペースを確保しやすくなっている。
【0043】
入射端面261にノッチ部261Aが形成されている場合、ノッチ部261Aの形状及び大きさの製造上のバラつきによっても、導光板260への入光効率がLED52によって異なりやすい。これに対して本実施形態によれば、
図18に示すように、全ての発光面52Aが入射端面261に当接されるように導光板260を配置可能となる。従って、LED52の実装位置のバラつき、及びノッチ部261Aの形状及び大きさのバラつきが抑制され、導光板260への入光効率がLED52によって異なってしまう事態を抑制できる。
【0044】
<実施形態4>
実施形態4に係るバックライト装置330について
図19から
図20を参照して説明する。本実施形態では、LED基板354における開口56の形成数が実施形態1と異なる。実施形態4において、それ以外の構成は実施形態1と基本的に同じであり、同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0045】
開口56は、
図19に示すように、X軸方向に並んだ複数のLED52のうち線状の両端部に位置する2つの端側LED52E(端側光源の一例)を除く、各LED52に対して1つずつ形成されている。換言すると、開口56は両端側LED52Eに対しては形成されておらず、両端側LED52Eは可動性を有していない。また、両端側LED52Eは、他のLED52に比してLED基板354の長辺部54Bからの距離が小さくなるように(
図19において左に)実装されている。
【0046】
このようにすれば、
図20に示すように、両端側LED52Eの発光面52Aに対して導光板60の入射端面61を当接しつつ押圧した際、入射端面61が両端側光源52Eに当接すると、導光板60はそれ以上には移動しにくくなる。両端側LED52Eは他のLED52よりLED基板354の長辺部54Bからの距離が小さくなるように実装されており、両端側LED52Eが停止部材として機能することで、入射端面61及びこれに当接するLED52の位置が必要以上に動いてしまう事態を抑制し、位置決めしやすくなる。
【0047】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
(1)実施形態1から実施形態4の各構成を適宜組み合わせて用いても構わない。
【0049】
(2)LED基板54,154,254,354の大きさ、及びLED52の配列ピッチ及び個数は、液晶パネル20の画面サイズや用途、要求精度に応じて適宜変更可能である。また、LED基板54,154,254,354は導光板60,260上に載置されて、各LED52はLED基板54,154,254,354から垂下される形で実装されていても構わない。
【0050】
(3)LED52は白色LEDでなく、青色LED等の一次光を発光する光源であっても構わない。その場合、一次光に含まれる波長領域に合わせて、その補色光を発光可能な波長変換シート等を組み合わせることが好ましい。
【0051】
(4)LED52は、導光板60,260の入射端面61,261が、長辺端面でなく、短辺端面となるように配置されていても構わない。また、LED52は、複数の入射端面から入光されるように配置されていても構わない。例えば、バックライト装置を両側入光タイプとする場合には、まず一方の入射端面61,261と、これに沿って配置されているLED52の発光面52Aとが当接されるように本技術を適用して位置決めし、その後、この当接状態を維持しつつ、他方の入射端面と、これに沿って配置されたLED52の発光面52Aとが当接されるように本技術を適用して位置決めする。
【0052】
(5)LED基板54,154,254,354と、導光板60,260との間には、例えば
図21に示すように、開口56を覆う形で光反射性に優れた白色等の反射テープ95が設けられていても構わない。これにより、開口56付近において反射率が低下してしまう懸念を払拭できる。なお、反射テープ95は、LED基板54の実装部55の可動性を担保するために、非実装部59に対して貼り付け固定されることが好ましい。
【0053】
(6)液晶パネル20、バックライト装置30,130,230,330、液晶表示装置10は横長の矩形状以外の形状であっても構わない。
【0054】
(7)本技術は、一対の基板間に液晶材料以外の機能性有機分子(媒質層)を挟持した表示パネルに対して光を照射する照明装置に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10…液晶表示装置(表示装置)、20…液晶パネル(表示パネル)、30,130,230,330…バックライト装置(照明装置)、40…シャーシ(裏ベゼル)、41…底部、42…側部、43…突出部、52…LED(光源)、52A…発光面、52E…端側LED(端側光源)、54,154,254,354…LED基板(光源基板の一例)、55…実装部、56…開口、57,157…接続部、60,260…導光板、61,261…入射端面、261A…ノッチ部