(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180768
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】マスク及びマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20221130BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20221130BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A41D13/11 B
B01D39/16 E
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087444
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 昊
(72)【発明者】
【氏名】田口 登喜生
(72)【発明者】
【氏名】原 猛
【テーマコード(参考)】
2E185
4D019
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA04
2E185BA16
2E185CC32
4D019AA01
4D019BA13
4D019BB03
4D019BB10
4D019BC01
4D019BC06
4D019BD01
4D019CA02
4D019CB04
4D019DA02
4D019DA03
(57)【要約】
【課題】捕集性能を担保しつつ圧力損失を低下させる。
【解決手段】マスク10は、第1層13と、第1層13に対して重ねられる第2層14と、第1層13との間で第2層14を挟むよう配される第3層15と、を備え、第1層13、第2層14及び第3層15には、互いに重なる部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツ16が形成され、第1層13、第2層14及び第3層15のうちの第2層14には、第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向に沿って複数並ぶよう形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層と、
前記第1層に対して重ねられる第2層と、
前記第1層との間で前記第2層を挟むよう配される第3層と、を備え、
前記第1層、前記第2層及び前記第3層には、互いに重なる部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツが形成され、
前記第1層、前記第2層及び前記第3層のうちの前記第2層には、前記第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツが前記第1方向に沿って複数並ぶよう形成されるマスク。
【請求項2】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第2方向について少なくとも一端側部分に対して重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層のうち、少なくとも前記第1層及び前記第3層の前記一端側部分に対して重なる部分に形成される請求項1記載のマスク。
【請求項3】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第2方向について前記一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層において前記第2方向について全域にわたって形成される請求項2記載のマスク。
【請求項4】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層の前記一端側部分に対して選択的に重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層において前記第2方向について全域にわたって形成される請求項2記載のマスク。
【請求項5】
前記第2層は、前記第2方向についての端位置が、前記第1層及び前記第3層のうちの前記第1プリーツに係る折り目と一致するよう配される請求項4記載のマスク。
【請求項6】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について少なくとも中央側部分に対して重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層のうち、少なくとも前記第1層及び前記第3層の前記中央側部分に対して重なる部分に形成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマスク。
【請求項7】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層において前記第1方向について全域にわたって並ぶよう形成される請求項6記載のマスク。
【請求項8】
前記第2プリーツは、前記第2層のうち、前記第1方向についての中央側での幅が前記第1方向についての端側での幅よりも狭い請求項7記載のマスク。
【請求項9】
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、
前記第2プリーツは、前記第2層のうち、前記第1方向についての中央側部分に選択的に形成される請求項6記載のマスク。
【請求項10】
第1層、第2層及び第3層の順に重ね、さらにその重なり部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツを形成する第1プリーツ形成工程と、
前記第2層に前記第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツを前記第1方向に沿って複数並ぶよう形成する第2プリーツ形成工程と、を備えるマスクの製造方法。
【請求項11】
前記第1プリーツ形成工程では、一対の第1プリーツ加工治具の間に互いに重なる前記第1層、前記第2層及び前記第3層を挟み込んで前記第1方向に沿って折り曲げることで前記第1プリーツを形成するとともに、前記一対の第1プリーツ加工治具の対向面の少なくとも一方において前記第2方向に沿って延びるよう形成された溝部に前記第2プリーツを受け入れるようにした請求項10記載のマスクの製造方法。
【請求項12】
前記第1プリーツ形成工程では、前記一対の第1プリーツ加工治具をそれぞれ回転軸周りに回転させることで間に挟んだ前記第1層、前記第2層及び前記第3層に前記第1プリーツを形成するとともに、前記一対の第1プリーツ加工治具の対向面の少なくとも一方において複数の前記第2プリーツの配列間隔と同じ間隔を空けて前記回転軸周りに並ぶ複数の前記溝部に複数の前記第2プリーツを受け入れるようにした請求項11記載のマスクの製造方法。
【請求項13】
前記第2層製造工程では、熱可塑性材料からなる前記第2層を製造しており、
前記第2プリーツ形成工程では、90℃以上で130℃以下の温度環境にて前記第2層に前記第2プリーツを形成する請求項10から請求項12のいずれか1項に記載のマスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、マスク及びマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業マスクに用いられるフィルタ材として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のフィルタ材は、プリーツフィルタ層およびプリーツフィルタ層に隣接して配置されたフラットフィルタ層を備えている。プリーツフィルタ層およびフラットフィルタ層は何れも熱可塑性材料を含んでおり、超音波溶接または熱シールによって接合されるので、製造が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載のフィルタ材は、高さが従来の工業マスクより小さく、フラットフォールド呼吸マスクおよびフラットフィルタとしての使用に適している、とのことであった。しかしながら、複合フィルタや高目付量フィルタ材を使用しているため損失は高く、呼吸しやすくするために口元空間を確保できる立体型としたり、給気口を設ける必要がある。それらの対策を講じても、長時間の使用は難しく、日常使用には向かないのが現状である。微粒子捕集効率と圧力損失はトレードオフであるため、捕集性能を担保しつつ圧力損失を低下させて呼吸のし易さを実現するのは困難であり、改善の余地があった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、単層捕集フィルタを使用しながら、日常使用に必要捕集性能を担保しつつ圧力損失を低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わるマスクは、第1層と、前記第1層に対して重ねられる第2層と、前記第1層との間で前記第2層を挟むよう配される第3層と、を備え、前記第1層、前記第2層及び前記第3層には、互いに重なる部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツが形成され、前記第1層、前記第2層及び前記第3層のうちの前記第2層には、前記第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツが前記第1方向に沿って複数並ぶよう形成される。
【0007】
(2)また、上記マスクは、上記(1)に加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第2方向について少なくとも一端側部分に対して重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層のうち、少なくとも前記第1層及び前記第3層の前記一端側部分に対して重なる部分に形成されてもよい。
【0008】
(3)また、上記マスクは、上記(2)に加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第2方向について前記一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層において前記第2方向について全域にわたって形成されてもよい。
【0009】
(4)また、上記マスクは、上記(2)に加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層の前記一端側部分に対して選択的に重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層において前記第2方向について全域にわたって形成されてもよい。
【0010】
(5)また、上記マスクは、上記(4)に加え、前記第2層は、前記第2方向についての端位置が、前記第1層及び前記第3層のうちの前記第1プリーツに係る折り目と一致するよう配されてもよい。
【0011】
(6)また、上記マスクは、上記(1)から上記(5)のいずれかに加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について少なくとも中央側部分に対して重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層のうち、少なくとも前記第1層及び前記第3層の前記中央側部分に対して重なる部分に形成されてもよい。
【0012】
(7)また、上記マスクは、上記(6)に加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層において前記第1方向について全域にわたって並ぶよう形成されてもよい。
【0013】
(8)また、上記マスクは、上記(7)に加え、前記第2プリーツは、前記第2層のうち、前記第1方向についての中央側での幅が前記第1方向についての端側での幅よりも狭くてもよい。
【0014】
(9)また、上記マスクは、上記(6)に加え、前記第2層は、前記第1層及び前記第3層のうち、前記第1方向について一端側部分から他端側部分にわたって重なるよう配されており、前記第2プリーツは、前記第2層のうち、前記第1方向についての中央側部分に選択的に形成されてもよい。
【0015】
(10)本明細書に記載の技術に関わるマスクの製造方法は、第1層、第2層及び第3層の順に重ね、さらにその重なり部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツを形成する第1プリーツ形成工程と、前記第2層に前記第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツを前記第1方向に沿って複数並ぶよう形成する第2プリーツ形成工程と、を備える。
【0016】
(11)また、上記マスクの製造方法は、上記(10)に加え、前記第1プリーツ形成工程では、一対の第1プリーツ加工治具の間に互いに重なる前記第1層、前記第2層及び前記第3層を挟み込んで前記第1方向に沿って折り曲げることで前記第1プリーツを形成するとともに、前記一対の第1プリーツ加工治具の対向面の少なくとも一方において前記第2方向に沿って延びるよう形成された溝部に前記第2プリーツを受け入れるようにしてもよい。
【0017】
(12)また、上記マスクの製造方法は、上記(11)に加え、前記第1プリーツ形成工程では、前記一対の第1プリーツ加工治具をそれぞれ回転軸周りに回転させることで間に挟んだ前記第1層、前記第2層及び前記第3層に前記第1プリーツを形成するとともに、前記一対の第1プリーツ加工治具の対向面の少なくとも一方において複数の前記第2プリーツの配列間隔と同じ間隔を空けて前記回転軸周りに並ぶ複数の前記溝部に複数の前記第2プリーツを受け入れるようにしてもよい。
【0018】
(13)また、上記マスクの製造方法は、上記(10)から上記(12)のいずれかに加え、前記第2層製造工程では、熱可塑性材料からなる前記第2層を製造しており、前記第2プリーツ形成工程では、90℃以上で130℃以下の温度環境にて前記第2層に前記第2プリーツを形成してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本明細書に記載の技術によれば、単層捕集フィルタを使用しながら、日常使用に必要捕集性能を担保しつつ圧力損失を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】マスクの製造方法に含まれる第1プリーツ形成工程にて用いられる第1プリーツ加工治具の側面図
【
図6】一対の第1プリーツ加工治具とその間に挟まれるマスク本体とを示す断面図
【
図7】検証実験の実験結果であって、面積比率と圧力損失比率との関係を示すグラフ
【
図9】比較実験の実験結果であって、加工温度と捕集率及び圧力損失との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図9によって説明する。本実施形態では、サージカル用途を想定したマスク10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。このうちY軸方向は、垂直方向(鉛直方向)とほぼ一致し、X軸方向及びZ軸方向は、水平方向とほぼ一致している。また、特に断りがない限りは、上下の記載については垂直方向を基準とする。
【0022】
図1は、マスク10の正面図である。マスク10は、
図1に示すように、マスク本体11と、マスク本体11に取り付けられる一対の紐部12と、を備える。マスク本体11は、正面から視て横長の方形状をなしており、その長辺方向がX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致し、厚さ方向がZ軸方向と一致する。マスク本体11は、使用者の少なくとも鼻及び口を覆う形で装着されるものであり、垂直方向についての上端部には、ノーズワイヤ部11Aが設けられている。ノーズワイヤ部11Aは、金属やプラスチック製とされていてマスク本体11の長辺方向に沿って延在する線状をなしており、使用者の鼻根付近の形状に沿って変形させられることで、鼻根とマスク本体11との間に生じ得る隙間を解消することが可能とされる。なお、マスク本体11は、垂直方向についての下端側部分(一端側部分)から中央側部分に至る範囲と、長辺方向についての中央側部分と、が使用者の鼻及び口を覆うものとされる。一対の紐部12は、マスク本体11のうちの長辺方向についての両端部に取り付けられている。紐部12は、両端部がマスク本体11のうちの短辺方向についての両端部付近に取り付けられることで、リング状をなしている。紐部12は、伸縮可能な弾性材料からなり、使用者の耳に引っ掛けられるようになっている。
【0023】
図2は、マスク10を垂直方向に沿って切断した断面図である。マスク本体11は、
図2に示すように、使用者の顔に直接的に接する第1層13と、第1層13に対して外側に重ねられる第2層14と、第2層14に対して外側に重ねられて第1層13との間で第2層14を挟むよう配される第3層15と、を有していて3層構造とされる。第1層13、第2層14及び第3層15は、いずれも正面から視て横長の方形状をなしており、長辺寸法及び短辺寸法が概ね同じ程度の大きさとされる。これら第1層13、第2層14及び第3層15は、互いに積層された状態で外周側部分が超音波溶着などされることで、一体化されている。
【0024】
第1層13及び第3層15は、いずれもスパンボンド不織布からなり、その素材にはいずれも熱可塑性材料であるポリプロピレン、ポリオレフィン及びポリエステルなどの中の1種類または複数種類が用いられている。第1層13及び第3層15は、繊維径が例えば15μm~30μm程度とされ、目付(単位面積当たりの重量)が例えば15g/m2~30g/m2程度とされる。第1層13及び第3層15は、次述する第2層14に比べると、コシが強くて剛性が高い不織布からなる。これら第1層13及び第3層15は、肌触りの良さを確保したり、装着時のマスク10の形状を保つなど機能を主に担うものである。なお、スパンボンド不織布は、スパンボンド法によって製造された不織布である。
【0025】
一方、第2層14は、メルトブロー不織布からなり、その素材にはいずれも熱可塑性材料であるポリプロピレン、ポリオレフィン及びポリエステルなどの中の1種類または複数種類が用いられている。第2層14は、繊維径が例えば1μm~5μm程度とされていて、第1層13及び第3層15の繊維径よりも小さい。第2層14は、目付が例えば10g/m2~30g/m2程度とされていて、第1層13及び第3層15の目付と同等かやや小さい数値となっている。第2層14には、エレクトレット帯電やコロナ帯電などの方法を用いた帯電加工が施されている。第2層14は、第1層13及び第3層15よりも繊維径が小さくされた上で帯電加工が施されることで、マスク10において空気に含まれる微粒子、細菌、ウイルスなどを捕集する機能を主に担い、圧力損失が生じる。なお、メルトブロー不織布は、メルトブロー法によって製造された不織布であり、スパンボンド不織布よりも繊維径が細くなっている。
【0026】
マスク本体11には、
図1及び
図2に示すように、X軸方向(第1方向)に沿って延在する第1プリーツ16が形成されている。第1プリーツ16は、第1層13、第2層14及び第3層15の互いに重なる部分をX軸方向に沿って折り曲げつつ折り返すことで形成されている。第1プリーツ16は、マスク本体11のうちのY軸方向(第2方向)について間隔を空けた位置に合計3つが配置されている。これら3つの第1プリーツ16は、いずれも同じ向きに折り返されており、いわゆる階段状をなしている。第1プリーツ16は、折り目16AがX軸方向に沿う直線状をなしており、X軸方向から視て山状に折り返される山状折返部16Bと、谷状に折り返される谷状折返部16Cと、を有する。谷状折返部16Cは、山状折返部16Bよりも垂直方向について上側に位置している。なお、第1プリーツ16の幅寸法W1(Y軸方向についての寸法)は、例えば1cm程度とされる。このように、第1層13、第2層14及び第3層15には、互いに重なる部分を折り返して第1方向に沿う第1プリーツ16が形成されているので、第1層13、第2層14及び第3層15が使用者の口の動きに追従し易くなるとともに、第1層13、第2層14及び第3層15の表面積が仮に第1プリーツ16を非形成とした場合に比べて大きくなる。
【0027】
図3は、マスク10を水平方向(X軸方向)に沿って切断した断面図である。マスク本体11を構成する第1層13、第2層14及び第3層15のうちの第2層14には、
図3に示すように、X軸方向と直交(交差)するY軸方向(第2方向)に沿って延在する第2プリーツ17が形成されている。第2プリーツ17は、第1層13及び第3層15には非形成とされていて、第2層14に選択的に形成されている。従って、第2プリーツ17は、第1層13及び第3層15よりも剛性が低い第2層14を製造する際に第2層14を加工することで形成されており、第2層14よりも剛性が高い第1層13及び第3層15を加工する必要がないから、第2プリーツ17を形成するための加工を容易に行うことができる。また第2プリーツ17は、第2層14を挟む第1層13及び第3層15によって保護されるので、不用意な変形が生じ難くなっている。
【0028】
詳しくは、第2プリーツ17は、
図3に示すように、Y軸方向から視て略三角形状をなしており、第2層14においてX軸方向に沿って複数が連続的に(間隔を空けること無く)並ぶよう形成されている。これにより、第2層14は、その形成範囲が厚さ方向であるZ軸方向に広がりを持つことになる。第2プリーツ17は、折り目17AがY軸方向に沿う直線状をなしており、Y軸方向から視て山状に折り返される山状折返部17Bと、谷状に折り返される谷状折返部17Cと、を有する。山状折返部17B及び谷状折返部17Cは、第2層14においてX軸方向について交互に繰り返し並ぶよう配されている。このようにして配列される複数の第2プリーツ17は、幅寸法W2(山状折返部17Bと谷状折返部17Cとの間の延面距離)及び配列間隔P(X軸方向についての間隔)がそれぞれほぼ一定であり、具体的な数値が例えば1mm~5mm程度でその中でも特に2mm~3mm程度が好ましいが、必ずしもその限りではない。第2プリーツ17の幅寸法W2が大きすぎると、マスク本体11の嵩(厚み)が増してしまうことから、第2プリーツ17の形状を保持するのが難しくなるおそれがあり、その観点から幅寸法W2は、5mm以下であるのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。第2プリーツ17の幅寸法W2及び配列間隔Pは、第1プリーツ16の幅寸法W1に比べると、数分の一程度と小さい。なお、第2プリーツ17の幅寸法W2及び配列間隔Pは、同じ数値であってもよいが互いに異なる数値であってもよい。
【0029】
このように、第1層13と第3層15との間に挟まれる第2層14には、上記した第1プリーツ16が形成されているのに加えて、Y軸方向に沿う第2プリーツ17がX軸方向に沿って複数並ぶよう形成されることで、第2層14の表面積がより大きくなっている。より詳しくは、第2層14は、複数の第2プリーツ17によって形成範囲がZ軸方向(厚さ方向)に広がりを持っていることから、複数の第2プリーツ17を形成する前の展開状態とされた第2層14のX軸方向についての寸法が、複数の第2プリーツ17が形成された状態の第2層14のX軸方向についての寸法よりも大きくなっており、その差の分だけ表面積が大きくなっている。第2層14の表面積が大きくなれば、マスク10を通過する空気に係る圧力損失が低下するので、呼吸をし易くすることができる。また、使用者によってマスク10が装着された状態では、一対の紐部12によってマスク本体11がX軸方向について左右に引っ張られるのに伴って複数の第2プリーツ17がX軸方向について広がった状態となる。このとき、第2プリーツ17は、元の形状に戻ろうとするため、マスク本体11に応力が生じるが、この応力によって使用者の顔の表面に対するマスク本体11の密着性が高められるようになっている。
【0030】
複数の第2プリーツ17は、
図1に示すように、第2層14においてX軸方向についてほぼ全域にわたって並ぶよう形成されている。第2層14は、X軸方向について第1層13及び第3層15の一端側部分13E1,15E1から他端側部分13E2,15E2にわたって、つまりほぼ全域に重なるよう配されていることから、第2プリーツ17は、マスク本体11において水平方向であるX軸方向(第1方向)についての中央側部分に少なくとも存在している。このように、第2層14及び第2プリーツ17は、少なくとも第1層13及び第3層15のうちのX軸方向についての中央側部分13C1,15C1に対して重なるよう配されている。このようにすれば、使用者がマスク10を装着する際、第1層13及び第3層15のうちのX軸方向についての中央側部分13C1,15C1が使用者の口鼻を覆う状態となる。第2プリーツ17によって第2層14を通過する空気に係る圧力損失が低下しているので、呼吸がし易くなる確実性が高い。しかも、Y軸方向に沿う第2プリーツ17がX軸方向について第2層14の全域にわたって並ぶよう形成されることで、仮に第2プリーツがX軸方向について部分的な範囲にしか形成されない場合に比べると、第2層14の表面積を大きくすることができる。これにより、第2層14を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができるので、呼吸がよりし易くなる。
【0031】
第2プリーツ17は、
図1に示すように、第2層14においてY軸方向についてほぼ全域にわたって延在するよう形成されている。第2層14は、Y軸方向について第1層13及び第3層15の下端側部分(一端側部分)13E3,15E3から上端側部分(他端側部分)13E4,15E4にわたって、つまりほぼ全域に重なるよう配されていることから、第2プリーツ17は、マスク本体11において垂直方向であるY軸方向(第2方向)についての中央側部分に少なくとも存在している。このように、第2層14及び第2プリーツ17は、少なくとも第1層13及び第3層15のうちのY軸方向についての下端側部分13E3,15E3から中央側部分13C2,15C2に至る範囲に対して重なるよう配されている。このようにすれば、使用者がマスク10を装着する際、第1層13及び第3層15のうちのY軸方向についての下端側部分13E3,15E3から中央側部分13C2,15C2に至る範囲が使用者の口鼻を覆う状態となる。第2プリーツ17によって第2層14を通過する空気に係る圧力損失が低下しているので、呼吸がし易くなる確実性が高い。しかも、Y軸方向に沿う第2プリーツ17がY軸方向について第2層14の全域にわたって形成されることで、仮に第2プリーツがY軸方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層14の表面積を大きくすることができる。これにより、第2層14を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができるので、呼吸がよりし易くなる。また、仮に第2プリーツが第2層14においてY軸方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層14に第2プリーツ17を容易に形成することができる。
【0032】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてマスク10の製造方法を説明する。マスク10の製造方法は、第1層13、第2層14及び第3層15を重ね、第1プリーツ16を形成する第1プリーツ形成工程と、第2プリーツ17を形成する第2プリーツ形成工程と、を備える。以下、各工程について詳しく説明する。
【0033】
第2プリーツ形成工程では、展開状態の第2層14に対して所定の温度環境下でプレス加工を行う。このとき、展開状態の第2層14にY軸方向に沿う折り目17Aを複数ほぼ等間隔に付けるとともに、山状折返部17Bと谷状折返部17Cとが交互に繰り返し並ぶよう第2層14を折り曲げることで、第2層14に複数の第2プリーツ17を形成することができる。複数の第2プリーツ17が形成された第2層14は、X軸方向及びY軸方向についての寸法が第1層13及び第3層15の各寸法とほぼ同じとされる。第2プリーツ形成工程を行う際の加工温度は、90℃以上で130℃以下の範囲であることが好ましいが、必ずしもその限りではない。加工温度をこのような数値範囲とするのは、後に説明する比較実験の実験結果に基づいている。
【0034】
第1プリーツ形成工程では、第1層13、第2層14及び第3層15を互いに重ねた状態とし、その重なり部分の一部を折り返してX軸方向に沿う第1プリーツ16を形成する。第1プリーツ形成工程では、
図4に示される第1プリーツ加工治具20が用いられている。第1プリーツ加工治具20は、
図4に示すように、治具本体21と、軸線方向がY軸方向と一致していて回転可能な回転軸22と、を有しており、治具本体21が回転軸22周りに回転可能に軸支されている。第1プリーツ加工治具20は、一対で1つの組をなしており、互いの回転軸22をほぼ平行な状態としつつ互いの治具本体21が対向する形で配されている。治具本体21は、第1層13、第2層14及び第3層15に折り目16Aを付ける加工を行うための加工部21Aを有している。加工部21Aは、回転軸22の軸線方向に沿って並ぶ4つの円錐台状部21A1を連ねた構成とされる。円錐台状部21A1は、Z軸方向に沿う面と、Z軸方向及びY軸方向に対して斜めに延びる面と、を有する。第1プリーツ形成工程が行われると、それぞれが回転軸22周りに回転される一対の第1プリーツ加工治具20の間に挟まれるよう第1層13、第2層14及び第3層15が投入される。投入された第1層13、第2層14及び第3層15は、4つずつの円錐台状部21A1の周面に沿って折り曲げられてX軸方向に沿う折り目16Aが複数付けられる。この複数の折り目16Aに沿って第1層13、第2層14及び第3層15の重なり部分が折り返されることで、3つの第1プリーツ16が形成される。
【0035】
ところで、第1プリーツ形成工程では、先に行われた第2プリーツ形成工程にて複数の第2プリーツ17が形成されることで立体化された第2層14に第2プリーツ17と交差する第1プリーツ16が形成されることから、第2プリーツ17に潰れなどの変形が生じることが懸念される。第2プリーツ17に潰れなどの変形が生じると、変形した第2プリーツ17が他の第2プリーツ17、第1層13及び第3層15のいずれかに接触して空気に触れる面積が減少し、結果として圧力損失が高くなるおそれがある。
【0036】
そこで、第1プリーツ形成工程にて用いられる第1プリーツ加工治具20には、
図4から
図6に示すように、Y軸方向に沿って延びる溝部23が形成されている。溝部23は、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面のそれぞれにおいて回転軸22周りに複数が並んで配されており、その配列間隔が第2層14における複数の第2プリーツ17の配列間隔と等しい。より詳しくは、複数の溝部23は、円錐台状部21A1のうちの最も径寸法が大きな端部において全周にわたって形成されており、その断面形状が第2プリーツ17と同様に、
図6に示すように、Y軸方向から視て略三角形状をなしている。このようにすれば、第1プリーツ形成工程が行われて一対の第1プリーツ加工治具20の間に第1層13、第2層14及び第3層15が挟み込まれて第1プリーツ16が形成される際には、
図6に示すように、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面のそれぞれにY軸方向に沿って延びるよう形成された複数の溝部23に複数の第2プリーツ17が受け入れられることで、複数の第2プリーツ17に潰れなどの変形が生じ難くなる。これにより、複数の第2プリーツ17の形状がいずれも保持される確実性が高くなるから、第2プリーツ17が空気に触れる面積を設計通りに確保することができるので、設計通りの捕集性能や圧力損失を得ることができる。また、溝部23の溝縁のうちの最も高い部分(突出先端部)には、丸みが付けられることで、第2プリーツ17に対する緩衝が図られていて第2プリーツ17に潰れなどの変形がより生じ難くなっている。
【0037】
ここで、第2層14に用いる不織布の表面積と圧力損失との関係を検証した検証実験について説明する。検証実験では、第2プリーツ17を非形成とした不織布の表面積を基準とし、第2プリーツ17を形成して不織布の表面積を基準よりも増加させた場合、圧力損失がどのように変化するか、に関して検証を行った。具体的には、第2プリーツ17の幅寸法W2を14,7,4.7,3.5としたサンプルを作成した。試料ホルダ内のプリーツ数を5とすることで、各サンプルの表面積を、第2プリーツ17を非形成とした不織布の表面積にて除した理論面積比率を2.5,3,4.1,7.2とした。これら4つのサンプルに加え、第2プリーツ17を非形成とした不織布についてそれぞれ圧力損失を測定した。圧力損失の測定は、MIL-M-36954C規格に基づいて行った。MIL-M-36954C規格では、サンプルを直径25mmの試料ホルダに取り付け、吸引ポンプを調節して流量が8L/minとなるようにして、このときの圧力損失を差圧計で測定する。そして、各サンプルの測定結果を、第2プリーツ17を非形成とした不織布の測定結果にて除した圧力損失比率を算出した。検証実験の実験結果は、
図7に示される通りである。
図7は、横軸を面積比率(無単位)とし、縦軸を圧力損失比率(無単位)としたグラフである。
【0038】
検証実験の実験結果について説明する。
図7のグラフによれば、面積比率が増すほど圧力損失比率が低下する傾向にあることが分かる。このことから、第2層14に第2プリーツ17を形成すれば、第2層14に第2プリーツ17を形成しない場合よりも、第2層14の表面積が大きくなることから、圧力損失が低下し、呼吸がし易くなる、と言える。さらには、第2層14に形成する第2プリーツ17の数を多くしたり第2プリーツ17の幅寸法W2を広くするなどして第2層14の表面積をより大きくすると、一層高い圧力損失低減効果が得られる、と言える。
【0039】
次に、第2プリーツ形成工程での温度環境を変化させる比較実験について説明する。比較実験では、第2プリーツ形成工程において第2プリーツ17を形成する際の加工温度を90℃、110℃、130℃、150℃、170℃としたサンプルを作成するとともに、第2プリーツ17を非形成とした不織布を参考例として用いた。これら5つのサンプルと参考例についてそれぞれ捕集率及び圧力損失を測定した。捕集率の測定は、ASTM-F2299規格に基づいて行った。ASTM-F2299規格では、0.1~5.0μmの粒子と0.5~25cm/secの気流テスト速度を使用するため、30mm□のサンプルを直径25mmの試料ホルダに取り付け、粒径0.1μmのPSL(ポリスチレンラテックス)標準粒子を、流量を2.83L/minとして供給し、サンプルの通過前後での粒子数を測定する。捕集率は、サンプルの通過後の粒子数をサンプルの通過前の粒子数にて除した値を、1から差し引くことで算出される。圧力損失の測定は、検証実験と同様に、既に説明したMIL-M-36954C規格に基づいて行った。捕集率及び圧力損失の各測定は、各サンプル及び参考例を複数ずつ用意して行った。比較実験の実験結果は、
図8及び
図9に示される通りである。
図8は、比較実験の実験結果をまとめた表である。
図8の表には、第2プリーツ17の有無、第2プリーツ形成工程での加工温度(単位は「℃」)、捕集率(単位は「%」)、圧力損失(単位は「Pa」)と、が示されている。
図9は、横軸を加工温度(単位は「℃」)とし、縦軸を捕集率(単位は「%」)及び圧力損失(単位は「Pa」)としたグラフである。
図8に記載した各サンプル及び参考例の捕集率及び圧力損失の数値は、いずれも平均値(捕集率平均及び圧力損失平均)である。
図9に記載した各サンプルの捕集率及び圧力損失のプロットは、いずれも平均値である。
図9には、各サンプルの捕集率及び圧力損失の最小値及び最大値を、プロットを縦断する線分の下端位置及び上端位置にて示している。これに対し、
図9には、参考例の圧力損失の最小値及び最大値を2本の一点鎖線にて示しており、図中の低い値が圧力損失の最小値であり、高い値が圧力損失の最大値である。
【0040】
比較実験の実験結果について説明する。
図8の表及び
図9のグラフによれば、加工温度が90℃のサンプルは、参考例より圧力損失平均は低く、捕集率平均は若干高い。加工温度が110℃のサンプルは、90℃のサンプルよりも圧力損失平均が低くなっており、全てのサンプルの中で圧力損失平均が最も低い。加工温度が130℃、150℃のサンプルは、いずれも捕集率平均が参考例よりも低くなるとともに圧力損失平均が参考例よりも高くなっていることが分かる。特に、加工温度が150℃のサンプルでは、捕集率平均の低下と圧力損失平均の増加が顕著となっている。それだけでなく、不織布繊維が部分的に溶解したためか加工具から引きはがす際に破けやすくなっている。また、170℃のサンプルに関しては、不織布の繊維が完全に溶解してしまい、捕集率及び圧力損失の測定がいずれも不可能であった。このように、第2プリーツ形成工程において150℃よりも高い温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すると、熱可塑性材料からなる第2層14に含まれる繊維に溶融が生じるため、目詰まりや高さ方向のへたりが発生し表面積が減少して捕集性能が低下するとともに圧力損失が高くなる、と推考される。これに対し、加工温度が110℃のサンプルは、捕集率平均が参考例よりも僅かに低くなるものの、圧力損失平均が参考例よりも低くなっていることが分かる。特に、加工温度が110℃のサンプルは、90℃のサンプルよりも圧力損失平均が低くなっており、全てのサンプルの中で圧力損失平均が最も低い。90℃のサンプルは、捕集率が参考例よりも高くなるとともに圧力損失が参考例よりも低くなっていることが分かる。130℃のサンプルは、捕集率平均が参考例よりも低くなるとともに圧力損失平均が参考例よりも高くなっているが、参考例の圧力損失の最大値(
図9の上の一点鎖線)と比べると圧力損失が低くなっている。繊維を絡み合わせることで製造される不織布の繊維数は不均一であるため面内分布が存在し、捕集率や圧力損失にバラつきが生じるが、帯電加工が施された第2層14は静電作用によって微粒子を捕集するため、捕集率より圧力損失の方がバラつき範囲は大きくなる。このことから、130℃も加工温度としては許容範囲内である。このように、第2プリーツ形成工程において90℃以上で130℃以下の温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すると、熱可塑性材料からなる第2層14に含まれる繊維にへたりや溶融が生じ難くなり、表面積が減少し難いことから、捕集性能が十分に高く保たれるとともに圧力損失が十分に低下する、と推考される。また、仮に第2プリーツ形成工程において90℃よりも低い温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すると、熱可塑性材料からなる第2層14に形成した第2プリーツ17の形状を安定的に保つことが難しくなるため、圧力損失が高くなるおそれがある。その点、第2プリーツ形成工程において90℃以上の温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すれば、第2層14に形成された第2プリーツ17の形状が安定的に保たれるとともに圧力損失が低く保たれる、と推考される。
【0041】
以上説明したように本実施形態のマスク10は、第1層13と、第1層13に対して重ねられる第2層14と、第1層13との間で第2層14を挟むよう配される第3層15と、を備え、第1層13、第2層14及び第3層15には、互いに重なる部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツ16が形成され、第1層13、第2層14及び第3層15のうちの第2層14には、第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向に沿って複数並ぶよう形成される。
【0042】
このようにすれば、当該マスク10を装着した場合には、互いに重ねられる第1層13、第2層14及び第3層15を通して空気が取り込まれることになる。その際、空気に含まれる微粒子は帯電した第2層14に静電効果で捕集される。第1層13及び第3層15は第2層14より剛性がありマスクの強度を補う。第1層13、第2層14及び第3層15には、互いに重なる部分を折り返して第1方向に沿う第1プリーツ16が形成されているので、第1層13、第2層14及び第3層15が使用者の口の動きに追従し易くなるとともに、第1層13、第2層14及び第3層15の表面積が仮に第1プリーツ16を非形成とした場合に比べて大きくなる。そして、第1層13と第3層15との間に挟まれる第2層14には、第1プリーツ16が形成されているのに加えて、第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向に沿って複数並ぶよう形成されることで、第2層14の表面積がより大きくなっている。これにより、当該マスク10を通過する空気に係る圧力損失が低下するので、必要な捕集性能を担保しつつ呼吸をし易くすることができる。しかも、第2プリーツ17は、第2層14に形成されるものの、第1層13及び第3層15には非形成とされているので、第2プリーツ17を形成するための加工を容易に行うことができる。また、第2プリーツ17は、第2層14を挟む第1層13及び第3層15によって保護が図られているので、不用意な変形が生じ難い。
【0043】
また、第2層14は、第1層13及び第3層15のうち、第2方向について少なくとも下端側部分(一端側部分)13E3,15E3から中央側部分13C2,15C2に対して重なるよう配されており、第2プリーツ17は、第2層14のうち、少なくとも第1層13及び第3層15の下端側部分13E3,15E3から中央側部分13C2,15C2に対して重なる部分に形成される。このようにすれば、使用者が当該マスク10を装着する際、第1層13及び第3層15のうちの第2方向についての下端側部分13E3,15E3または中央側部分13C2,15C2が使用者の口鼻を覆う状態とすれば、呼吸時に取り込まれる空気が第2層14の第2プリーツ17を通過する。第2プリーツ17によって第2層14を通過する空気に係る圧力損失が低下しているので、呼吸がし易くなる確実性が高い。
【0044】
また、第2層14は、第1層13及び第3層15のうち、第2方向について一端側部分13E1,15E1から他端側部分13E2,15E2にわたって重なるよう配されており、第2プリーツ17は、第2層14において第2方向について全域にわたって形成される。このようにすれば、第2方向に沿う第2プリーツ17が第2方向について第2層14の全域にわたって形成されることで、仮に第2プリーツが第2方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層14の表面積を大きくすることができる。これにより、第2層14を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができるので、呼吸がよりし易くなる。また、仮に第2プリーツが第2層14において第2方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層14に第2プリーツ17を容易に形成することができる。
【0045】
また、第2層14は、第1層13及び第3層15のうち、第1方向について少なくとも中央側部分13C1,15C1に対して重なるよう配されており、第2プリーツ17は、第2層14のうち、少なくとも第1層13及び第3層15の中央側部分13C1,15C1に対して重なる部分に形成される。このようにすれば、使用者が当該マスク10を装着する際、第1層13及び第3層15のうちの第1方向についての中央側部分13C1,15C1が使用者の口鼻を覆う状態とすれば、呼吸時に取り込まれる空気が第2層14の第2プリーツ17を通過する。第2プリーツ17によって第2層14を通過する空気に係る圧力損失が低下しているので、呼吸がし易くなる確実性が高い。
【0046】
また、第2層14は、第1層13及び第3層15のうち、第1方向について一端側部分13E1,15E1から他端側部分13E2,15E2にわたって重なるよう配されており、第2プリーツ17は、第2層14において第1方向について全域にわたって並ぶよう形成される。このようにすれば、第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向について第2層14の全域にわたって並ぶよう形成されることで、仮に第2プリーツが第1方向について部分的な範囲にしか形成されない場合に比べると、第2層14の表面積を大きくすることができる。これにより、第2層14を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができるので、呼吸がよりし易くなる。
【0047】
本実施形態に係るマスク10の製造方法は、第1層13、第2層14及び第3層15の順に重ね、さらにその重なり部分の一部を折り返して第1方向に沿う第1プリーツ16を形成する第1プリーツ形成工程と、第2層14に第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17を第1方向に沿って複数並ぶよう形成する第2プリーツ形成工程と、を備える。
【0048】
第1層13、第2層14及び第3層15には、第1プリーツ形成工程において、互いに重ねられた部分の一部が折り返されることで第1方向に沿う第1プリーツ16が形成される。この第1プリーツ16により、第1層13、第2層14及び第3層15が使用者の口の動きに追従し易くなるとともに、第1層13、第2層14及び第3層15の表面積が仮に第1プリーツ16を非形成とした場合に比べて大きくなる。第2層製造工程に含まれる第2プリーツ形成工程では、第2層14には第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向に沿って複数並ぶよう形成される。このように、第1層13と第3層15との間に挟まれる第2層14には、第1プリーツ16が形成されているのに加えて、第1方向と交差する第2方向に沿う第2プリーツ17が第1方向に沿って複数並ぶよう形成されることで、第2層14の表面積がより大きくなっている。これにより、当該マスク10を通過する空気に係る圧力損失が低下するので、捕集性能を担保しつつ呼吸をし易くすることができる。しかも、第2プリーツ17は、第2層14に形成されるものの、第1層13及び第3層15には非形成とされているので、第2プリーツ17を形成するための加工を容易に行うことができる。また、第2プリーツ17は、第2層14を挟む第1層13及び第3層15によって保護が図られているので、不用意な変形が生じ難い。
【0049】
また、第1プリーツ形成工程では、一対の第1プリーツ加工治具20の間に互いに重なる第1層13、第2層14及び第3層15を挟み込んで第1方向に沿って折り曲げることで第1プリーツ16を形成するとともに、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面の少なくとも一方において第2方向に沿って延びるよう形成された溝部23に第2プリーツ17を受け入れるようにした。このようにすれば、第1プリーツ形成工程が行われると、一対の第1プリーツ加工治具20の間に互いに重ねられた第1層13、第2層14及び第3層15が挟み込まれて第1方向に沿って折り曲げられることで、第1プリーツ16が形成される。このとき、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面の少なくとも一方において第2方向に沿って延びるよう形成された溝部23に第2プリーツ17が受け入れられることで、第2プリーツ17に潰れなどの変形が生じ難くなる。これにより、第2プリーツ17の形状が保持される確実性が高くなるから、第2プリーツ17による圧力損失の低下効果が得られる確実性が高くなる。
【0050】
また、第1プリーツ形成工程では、一対の第1プリーツ加工治具20をそれぞれ回転軸22周りに回転させることで間に挟んだ第1層13、第2層14及び第3層15に第1プリーツ16を形成するとともに、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面の少なくとも一方において複数の第2プリーツ17の配列間隔と同じ間隔を空けて回転軸22周りに並ぶ複数の溝部23に複数の第2プリーツ17を受け入れるようにした。このようにすれば、第1プリーツ形成工程が行われると、互いに重ねられた第1層13、第2層14及び第3層15を挟み込んだ一対の第1プリーツ加工治具20が回転軸22周りに回転されるのに伴い、第1層13、第2層14及び第3層15に第1プリーツ16が形成される。このとき、一対の第1プリーツ加工治具20の対向面の少なくとも一方において複数の第2プリーツ17の配列間隔と同じ間隔を空けて回転軸22周りに並ぶ複数の溝部23に複数の第2プリーツ17が受け入れられることで、複数の第2プリーツ17に潰れなどの変形が生じ難くなる。これにより、複数の第2プリーツ17の形状がいずれも保持される確実性が高くなるから、第2プリーツ17による圧力損失の低下効果が得られる確実性がより高くなる。
【0051】
また、第2層製造工程では、熱可塑性材料からなる第2層14を製造しており(熱可塑性材料からなる第2層14を用いており)、第2プリーツ形成工程では、90℃以上で130℃以下の温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成する。仮に130℃よりも高い温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すると、熱可塑性材料からなる第2層14に含まれる繊維にへたりや溶融による目詰まりが生じるため、圧力損失が高くなるおそれがある。仮に90℃よりも低い温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成すると、熱可塑性材料からなる第2層14に形成した第2プリーツ17の形状を安定的に保つことが難しくなるため、型崩れによって圧力損失が高くなるおそれがある。その点、第2プリーツ形成工程では、90℃以上で130℃以下の温度環境にて第2層14に第2プリーツ17を形成しているので、熱可塑性材料からなる第2層14に含まれる繊維にへたりや溶融が生じ難くなるとともに、第2層14に形成された第2プリーツ17の形状を安定的に保つことができる。これにより、捕集性能を担保しつつ圧力損失を十分に低下させることができる。
【0052】
<実施形態2>
実施形態2を
図10または
図11によって説明する。この実施形態2では、第2層114及び第2プリーツ117を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0053】
本実施形態に係る第2層114は、
図10及び
図11に示すように、第1層113及び第3層115に対して部分的に重なるよう形成されている。詳しくは、第2層114は、第1層113及び第3層115よりもY軸方向についての寸法が小さくされており、第1層113及び第3層115のうちのY軸方向についての中央側部分113C2,115C2と下端側部分113E3,115E3とに対して選択的に重なるよう配されている。なお、
図10には、第2プリーツ117のY軸方向についての形成範囲を示す。第2層114が第1層113及び第3層115よりもY軸方向について小型になっているが、装着時に口鼻を覆うことができれば、捕集効果は十分に発揮される。また、マスク110を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができる。
【0054】
そして、このような構成の第2層114には、
図10に示すように、第2プリーツ117がY軸方向について全域にわたって形成されている。従って、仮に第2層が実施形態1と同様に第1層113及び第3層115と同じ程度の大きさとされるとともに第2プリーツが第2層114においてY軸方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層114に第2プリーツ117を容易に形成することができる。また、第2層114は、
図11に示すように、Y軸方向についての端位置が、第1層113及び第3層115のうちの第1プリーツ116に係る折り目116Aと一致するよう配されている。このようにすれば、第2層114のY軸方向についての端部が第1層113及び第3層115のうちの第1プリーツ116に係る折り目116Aに接触することで、第2層114がY軸方向について位置ずれし難くなる効果が得られる。
【0055】
以上説明したように本実施形態によれば、第2層114は、第1層113及び第3層115の下端側部分113E3,115E3に対して選択的に重なるよう配されており、第2プリーツ117は、第2層114において第2方向について全域にわたって形成される。第2層114が第1層113及び第3層115よりも小型となるが、装着時に口鼻を覆うことができれば、捕集効果は十分に発揮され、当該マスク110を通過する空気に係る圧力損失をより低下させることができる。また、仮に第2層が第1層113及び第3層115と同じ程度の大きさとされるとともに第2プリーツが第2層114において第2方向について部分的な範囲に形成された場合に比べると、第2層114に第2プリーツ117を容易に形成することができる。
【0056】
また、第2層114は、第2方向についての端位置が、第1層113及び第3層115のうちの第1プリーツ116に係る折り目116Aと一致するよう配される。このようにすれば、第2層114の第2方向についての端部が第1層113及び第3層115のうちの第1プリーツ116に係る折り目116Aに接触することで、第2層114が第2方向について位置ずれし難くなる。
【0057】
<実施形態3>
実施形態3を
図12によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第2プリーツ217を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0058】
本実施形態に係る複数の第2プリーツ217は、
図12に示すように、幅寸法が第2層214におけるX軸方向についての位置に応じて変化するよう構成されている。詳しくは、複数の第2プリーツ217は、第2層214のうち、X軸方向についての中央側での幅がX軸方向についての端側での幅よりも狭くなっており、X軸方向についての中央位置にて最小幅となるのに対し、X軸方向についての両端位置にて最大幅となる。このようにすれば、第2層214の表面積は、X軸方向についての中央側の方がX軸方向についての端側よりも大きくなることから、第2層214を透過する空気に係る圧力損失は、X軸方向についての中央側の方がX軸方向についての端側よりも低くなる。従って、使用者がマスク210を装着する際、第1層213及び第3層215のうちのX軸方向についての中央側部分213C1,215C1が使用者の口鼻を覆う状態とすれば、呼吸がよりし易くなる。また、マスク装着時、耳紐の引力によってマスク本体長辺方向の両端部は使用者顔面に接触しやすくなっている。本実施形態では、両端部分の第2プリーツ217の数量を減らすことで装着感を改善している。さらに、第2層214においてX軸方向についての端側では、中央側よりも第2プリーツ217の形成数が少なくなるので、仮に全ての第2プリーツを中央側での幅で統一した場合に比べると、第2プリーツ217を形成する前の展開状態とした第2層214の大きさが小さくなる。これにより、第2層214の材料コストを削減することができる。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、第2プリーツ217は、第2層214のうち、第1方向についての中央側での幅が第1方向についての端側での幅よりも狭い。このようにすれば、第2層214を透過する空気に係る圧力損失は、第1方向についての中央側の方が第1方向についての端側よりも低くなる。従って、使用者が当該マスク210を装着する際、第1層213及び第3層215のうちの第1方向についての中央側部分213C1,215C1が使用者の口鼻を覆う状態とすれば、呼吸がよりし易くなる。また、マスク210の長辺方向について第2プリーツ217を減らすことで装着感を改善できる。さらに、第2層214において第1方向についての端側では、中央側よりも第2プリーツ217の形成数が少なくなるので、仮に全ての第2プリーツを中央側での幅で統一した場合に比べると、第2プリーツ217を形成する前の展開状態とした第2層214の大きさが小さくなる。これにより、第2層214の材料コストを削減することができる。
【0060】
<実施形態4>
実施形態4を
図13によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から第2プリーツ317を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0061】
本実施形態に係る第2プリーツ317は、
図13に示すように、第2層314のうちのX軸方向についての一部にのみ選択的に形成されている。詳しくは、第2プリーツ317は、第2層314のうち、X軸方向についての中央側部分14Cには形成されるものの、X軸方向についての両端側部分14E1,14E2には非形成とされている。第2層314におけるX軸方向についての第2プリーツ317の形成範囲は、例えば40mm以上とされるのが好ましいが、必ずしもその限りではない。このようにすれば、上記した実施形態1のように、第2プリーツが第2層314においてX軸方向について全域にわたって並ぶよう形成される場合に比べると、第2プリーツ317を形成する前の展開状態とした第2層314の大きさが小さくなり、マスク本体長辺方向の両端部は一般衛生マスクと同形状になる。これにより、装着感は更に改善され、また、第2層314の材料コストを削減することができる。
【0062】
以上説明したように本実施形態によれば、第2層314は、第1層313及び第3層315のうち、第1方向について一端側部分313E1,315E1から他端側部分313E2,315E2にわたって重なるよう配されており、第2プリーツ317は、第2層314のうち、第1方向についての中央側部分14Cに選択的に形成される。このようにすれば、第2層314のうち、第1方向についての両端側部分には、第2プリーツ317が非形成とされる。従って、仮に第2プリーツが第2層314において第1方向について全域にわたって並ぶよう形成される場合に比べると、装着感は更に改善され、第2プリーツ317を形成する前の展開状態とした第2層314の大きさが小さくなる。これにより、第2層314の材料コストを削減することができる。
【0063】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0064】
(1)第2プリーツ17,117,217,317は、垂直方向に対して斜め方向に沿って延在する形状、つまり第1プリーツ16,116に対して90°以外の角度で交差する構成であってもよい。
【0065】
(2)第2プリーツ17,117,217,317の具体的な設置数や幅寸法や配列間隔は、適宜に変更可能である。
【0066】
(3)実施形態2に記載の構成において、第2層114のY軸方向についての大きさは、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0067】
(4)実施形態3に記載の構成において、複数の第2プリーツ217の幅寸法が例えば2種類に設定されていてもよい。その場合、第2層214の中央側部分14Cに配される複数の第2プリーツ217の幅寸法と、第2層214の両端側部分14E1,14E2に配される複数の第2プリーツ217の幅寸法と、の2種類となり、前者が後者よりも小さい関係となる。また、複数の第2プリーツ217の幅寸法を3種類以上とし、同じ幅寸法となる第2プリーツ217が複数ずつ含まれるようにすることも可能である。
【0068】
(5)実施形態3,4に記載の構成において、第2層214,314が実施形態2に記載されたものと同じ程度の大きさであってもよい。
【0069】
(6)実施形態4に記載の構成において、第2層314が、第1層313及び第3層315のX軸方向についての中央側部分13C1,15C1に対して選択的に重なるような大きさであってもよい。その場合、第1層313及び第3層315よりもX軸方向について小型となる第2層314の全域にわたって第2プリーツ317を形成することが可能であるが、必ずしもその限りではない。
【0070】
(7)実施形態4に記載の構成において、第2層314における第2プリーツ317のX軸方向についての形成範囲は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0071】
(8)第2プリーツ17,117,217,317がY軸方向について第2層14,114,214,314の一部にのみ形成されていてもよい。
【0072】
(9)第1プリーツ加工治具20の具体的な構成は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0073】
(10)第1プリーツ16,116の具体的な設置数や幅寸法は、適宜に変更可能である。
【0074】
(11)第1プリーツ16,116が中心から上下に向かう折り返し方であってもよい。このような第1プリーツ16,116を備えるマスク10,110,210は、「オメガ型プリーツマスク」などと呼ばれる。
【0075】
(12)マスク本体11は、正面から視て長方形以外の形状でもよい。例えば、マスク本体の外形の少なくとも一部に曲線が含まれていてもよい。
【0076】
(13)紐部は、一方の端部がマスク本体11のX軸方向についての一方の端部に取り付けられ、他方の端部がマスク本体11のX軸方向についての他方の端部に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10,110,210…マスク、13,113,213,313…第1層、13C1,213C1…中央側部分、13E1,313E1…一端側部分、13E2,313E2…他端側部分、13E3,113E3…下端側部分(一端側部分)、14,114,214,314…第2層、14C…中央側部分、15,115,215,315…第3層、15C1…中央側部分、15E1,315E1…一端側部分、15E2,315E2…他端側部分、15E3,115E3…下端側部分(一端側部分)、16,116…第1プリーツ、16A,116A…折り目、17,117,217,317…第2プリーツ、20…第1プリーツ加工治具、22…回転軸、23…溝部