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特開2022-180770事例情報管理装置、システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180770
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】事例情報管理装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20120101AFI20221130BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221130BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087446
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】野口 将太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】例情報の内容の客観的な有効性の指標を精度良く算出することで、事例情報の管理者によるメンテナンス作業の負担を軽減すること。
【解決手段】事例情報管理装置(1)は、所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定部(11)と、前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部(12)と、前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える事例情報管理装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記事例情報がユーザの問合せに対する回答としての適切さの度合いを示す有効度と、当該事例情報がユーザの問合せに対して参照された度合いを示す活用度と、を含めて前記有効性指標として算出する
請求項1に記載の事例情報管理装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセス数、又は、前記問合せ対応システムにおける前記問合せの対応として前記特定の事例情報に含まれる回答が利用された回数の少なくともいずれか一方を用いて、前記有効度を算出する
請求項2に記載の事例情報管理装置。
【請求項4】
前記算出部は、
前記特定のユーザが前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセスを行った後に同一の事例情報に関する問合せを前記サービスの問合せ対応システムへ行ったことを、前記分析結果が示す場合、前記有効度をより低く算出する
請求項3に記載の事例情報管理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記特定のユーザが前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセスを行った後に同一の事例情報に関する問合せを前記サービスの問合せ対応システムへ行ない、当該問合せに対する対応として当該特定の事例情報以外の事例情報の回答が利用されたことを、前記分析結果が示す場合、前記活用度をより低く算出する
請求項2又は3に記載の事例情報管理装置。
【請求項6】
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度と前記活用度に応じたメンテナンス通知を出力する出力部をさらに備える
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の事例情報管理装置。
【請求項7】
前記出力部は、
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度が第1の閾値より高く、かつ、当該特定の事例情報に対応付けられた前記活用度が第2の閾値より低い場合、当該事例情報の属性情報又は前記問合せ事例サイトで開示される当該事例情報の構成の見直しを促す前記メンテナンス通知を出力する
請求項6に記載の事例情報管理装置。
【請求項8】
所定のサービスの問合せ事例サイトと、
前記サービスの問合せ対応システムと、
前記問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する複数のユーザからのアクセス履歴と、前記問合せ対応システムにおける複数のユーザからの問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを記憶する記憶装置と、
事例情報管理装置とを備え、
前記事例情報管理装置は、
前記アクセス履歴及び前記利用履歴のうち、特定のユーザにおける前記アクセス履歴と当該特定のユーザが行った問合せに対する前記利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える事例情報管理システム。
【請求項9】
コンピュータが、
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定し、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出し、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する、
事例情報管理方法。
【請求項10】
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定処理と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出処理と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録処理と、
をコンピュータに実行させる事例情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事例情報管理装置、システム、方法及びプログラムに関し、特に、問合せに対する回答を含む事例情報を管理するための事例情報管理装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織が提供するサービスをサポートするために、ユーザからの問合せ対応を行うサポートセンターや、頻度の高い質問と回答の事例をネットワーク上に公開するFAQ(Frequently Asked Questions)サイトが設けられていることが一般的である。ここで、特許文献1には、FAQシステムとコールセンタシステムを連携した問合せ対応支援システムに関する技術が開示されている。
【0003】
FAQサイトにおけるFAQの内容は質問に対する回答が正しいことが求められるため、管理者にとってFAQの内容のメンテナンスは重要である。メンテナンスのためには、管理者がFAQの内容を確認して適宜、修正することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-175276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、FAQサイトの管理者によるFAQ等の事例情報の内容のメンテナンスは、煩雑な作業であり、属人化する傾向がある。そこで、FAQの内容の有効性を客観的に判定する指標が求められる。
【0006】
上述した特許文献1にかかる技術には、FAQの閲覧回数によるFAQの有用度が挙げられているが、FAQの内容の正確さが考慮されていないため有用度の精度が不十分であるという問題点がある。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、事例情報の内容の客観的な有効性の指標を精度良く算出することで、事例情報の管理者によるメンテナンス作業の負担を軽減するための事例情報管理装置、システム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様にかかる事例情報管理装置は、
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える。
【0009】
本開示の第2の態様にかかる事例情報管理システムは、
所定のサービスの問合せ事例サイトと、
前記サービスの問合せ対応システムと、
前記問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する複数のユーザからのアクセス履歴と、前記問合せ対応システムにおける複数のユーザからの問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを記憶する記憶装置と、
事例情報管理装置とを備え、
前記事例情報管理装置は、
前記アクセス履歴及び前記利用履歴のうち、特定のユーザにおける前記アクセス履歴と当該特定のユーザが行った問合せに対する前記利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える。
【0010】
本開示の第3の態様にかかる事例情報管理方法は、
コンピュータが、
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定し、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出し、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する。
【0011】
本開示の第4の態様にかかる事例情報管理プログラムは、
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定処理と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出処理と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、事例情報の内容の客観的な有効性の指標を精度良く算出することで、事例情報の管理者によるメンテナンス作業の負担を軽減するための事例情報管理装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態1にかかる事例情報管理装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態1にかかる事例情報管理方法の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態2にかかる事例情報管理システムを含む全体構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態2にかかるFAQ情報の構成例を示す図である。
図5】本実施形態2にかかるFAQ閲覧履歴の構成例を示す図である。
図6】本実施形態2にかかる問合せ履歴の構成例を示す図である。
図7】本実施形態2にかかる事例情報管理装置の構成を示すブロック図である。
図8】本実施形態2にかかるFAQサイト検索処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本実施形態2にかかる問合せ対応処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本実施形態2にかかる有効性指標の算出処理の流れを示すフローチャートである。
図11】本実施形態2にかかるアラート出力処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
<実施形態1>
図1は、本実施形態1にかかる事例情報管理装置1の構成を示すブロック図である。事例情報管理装置1は、所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報の管理を支援するための情報処理装置である。事例情報管理装置1は、通信回線を介して問合せ事例サイト、問合せ対応システム、管理者端末等と接続されている。問合せ事例サイトとは、所定のサービスのユーザからの過去の問合せとその回答をまとめた複数の事例情報を開示する情報システムであり、例えば、Webサイトである。問合せ対応システムは、問合せ事例サイトと同一のサービスにおけるユーザからの問合せ対応を行うための情報システムである。問合せ対応システムは、いわゆるコールセンターを実現するシステムや電子メール等によるオンラインの問合せに対して自動的に(又はオペレータ端末を介して)応答するシステムを含んでも良い。管理者端末は、問合せ事例サイトの管理者が操作し、事例情報のメンテナンス処理を行うための情報処理装置である。
【0016】
また、事例情報管理装置1は、記憶装置(不図示)を内蔵するか、外部の記憶装置と接続されているものとする。当該記憶装置は、問合せ事例サイトを介して開示される複数の事例情報のいずれかに対する複数のユーザからのアクセス履歴と、問合せ対応システムにおける複数のユーザからの問合せに対する対応として複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを記憶する。
【0017】
事例情報管理装置1は、特定部11、算出部12及び登録部13を備える。特定部11は、記憶装置に記憶されたアクセス履歴及び利用履歴のうち、特定のユーザにおけるアクセス履歴と当該特定のユーザが行った問合せに対する利用履歴とを特定する。言い換えると、特定部11は、問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴を特定する。また、特定部11は、問合せ事例サイトと同一のサービスの問合せ対応システムへ特定のユーザが行った問合せに対する対応として複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴を特定する。
【0018】
算出部12は、特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する。ここで、分析結果とは、事例情報管理装置1が所定の分析ロジックによりアクセス履歴及び利用履歴に対して分析処理を行った結果である。また、有効性指標とは、特定の事例情報の問合せに対する有効性の度合いの指標となる情報である。
【0019】
登録部13は、算出した有効性指標を特定の事例情報に対応付けて登録する。例えば、登録部13は、上述した記憶装置に有効性指標と事例情報とを対応付けて保存する。
【0020】
図2は、本実施形態1にかかる事例情報管理方法の流れを示すフローチャートである。前提として、上述した記憶装置には、複数の事例情報及び複数のユーザにおけるアクセス履歴と利用履歴が記憶されているものとする。
【0021】
そして、所定のタイミングで、特定部11は、問合せサイトで開示される事例情報への特定のユーザのアクセス履歴と、問合せ対応システムへの特定のユーザの問合せに対する対応として事例情報が利用された利用履歴とを特定する(S11)。次に、算出部12は、特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する(S12)。そして、登録部13は、算出した有効性指標を特定の事例情報に対応付けて登録する(S13)。
【0022】
このように本実施形態では、事例情報管理装置1は、予め登録されたアクセス履歴と利用履歴の中で特定のユーザに関するものを用いて、特定の事例情報の有効性指標を求める。そして、事例情報管理装置1は、特定の事例情報と有効性指標とを対応付けて登録する。例えば、あるユーザが問合せサイトで事例情報を確認したことと、同じユーザによる問合せ対応システムへの問合せの対応で用いられた事例情報との関係を加味することで、特定の事例情報の内容の客観的な有効性の指標を精度良く算出することができる。そのため、管理者が、各事例情報に対応付けられた有効性指標を参照することで、事例情報のメンテナンスのタイミングや修正の観点等を検討することができ、問合せサイトの管理者によるメンテナンス作業の負担を軽減することができる。
【0023】
尚、事例情報管理装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる事例情報管理方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、特定部11、算出部12及び登録部13の機能を実現する。
【0024】
または、事例情報管理装置1の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0025】
また、事例情報管理装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、事例情報管理装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0026】
<実施形態2>
ここで、本実施形態が解決しようとする課題について詳述する。
まず、FAQサイトで開示されるFAQ情報は、ユーザが自己解決することを支援し、コールセンター等の負担を軽減するための事例情報であるため、質問内容に対する回答が正確であり、かつ、最新である必要がある。そのため、FAQ情報が不正確であると、ユーザが誤った判断をすることや、それに伴うコールセンター等への問合せが増加してしまう。また、コールセンター等のオペレータもユーザからの問合せへの回答の際に、FAQ情報を利用する。そのため、FAQ情報が不正確であると、オペレータがFAQの回答を引用する際に誤った回答をしてしまうことや、オペレータが誤りを検出し、管理者へ正確に修正を依頼するなどが必要となる。それ故、管理者によるFAQ情報のメンテナンス作業は重要である。
【0027】
しかしながら、FAQ情報の有効性、有用度合い、正確性については、定量的に判定できる指標が十分に開示されておらず、管理者による人手での分析や修正が必要であった。そのため、FAQ情報のメンテナンス作業は非常に煩雑であり、管理者個人の能力や経験による属人化されたものとなっていた。また、FAQサイトでFAQ情報ごとにユーザからアンケートのフィードバックを受ける仕組みも利用されているが、アンケートの回答が少ないことやユーザの主観の影響が大きく、ユーザからのフィードバックだけでは正確性に欠ける。
【0028】
そこで、本実施形態2は、上述した実施形態1の具体的な一実施例として、以下では上述した課題の少なくとも一部を解決するものについて説明する。図3は、本実施形態2にかかる事例情報管理システム1000を含む全体構成を示すブロック図である。事例情報管理システム1000は、企業や自治体等の組織が提供する所定のサービスに対するユーザからの問合せとその回答の事例情報を管理するための情報システムである。事例情報管理システム1000は、FAQサーバ200、問合せ対応システム300、DBサーバ400及び事例情報管理装置500を備える。FAQサーバ200及び問合せ対応システム300は、少なくともネットワーク800を介してユーザ端末100と接続されている。ここで、ネットワーク800は、インターネット等の通信ネットワークであり、有線又は無線の通信網を含む。
【0029】
ユーザ端末100は、所定のサービスのユーザU1が操作する情報端末である。ユーザ端末100は、例えば、携帯型電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末100は、ユーザU1の操作に応じて、ネットワーク800を介してFAQサーバ200へアクセスし、事例情報管理システム1000で管理されるアカウント情報410を用いてFAQサーバ200へログインする。そして、ユーザ端末100は、FAQ情報の検索及び検索結果の表示を行う。また、ユーザ端末100は、ユーザU1の操作に応じて、検索結果であるFAQ情報に対するフィードバック情報をFAQサーバ200へ送信してもよい。また、ユーザ端末100は、ユーザU1の操作に応じて、サービスに対する問合せ内容を含む電子メールを、問合せ対応システム300へ送信してもよい。これに応じてユーザ端末100は、問合せ対応システム300から問合せに対する回答等を電子メールで受信してもよい。尚、ユーザ端末100は、SMS(Short Message Service)やチャットアプリケーション等により問合せを行っても良い。また、ユーザ端末100が電話機能を有する場合、ユーザ端末100は、電話回線(不図示)を介して、オペレータ端末600へ発信を行ってもよい。その場合、ユーザU1は、オペレータU2へ電話による問合せを行い、オペレータU2から回答を得てもよい。
【0030】
オペレータ端末600は、所定のサービスの問合せ担当者であるオペレータU2が操作する情報端末である。オペレータ端末600は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。オペレータ端末600は、少なくとも問合せ対応システム300と接続されている。または、オペレータ端末600は、ネットワーク800を介して問合せ対応システム300等の事例情報管理システム1000と接続されていてもよい。オペレータ端末600は、問合せ対応システム300を介してユーザ端末100からの問合せ(電子メール等)を受信し、オペレータU2の回答入力に応じて、ユーザ端末100へ回答を返信してもよい。その際、オペレータ端末600は、オペレータU2の操作に応じて、問合せ対応システム300を介してDBサーバ400へアクセスし、FAQ情報420等を参照してもよい。または、オペレータU2がユーザU1から電話等の問合せに応答した場合も、オペレータ端末600は、問合せ対応システム300を介してFAQ情報420等を参照してもよい。
【0031】
管理者端末700は、管理者U3が操作する情報端末である。管理者U3は、事例情報管理システム1000の運用管理者であり、少なくともFAQサーバ200で開示されるFAQ情報420のメンテナンス作業を行う担当者である。管理者端末700は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。管理者端末700は、少なくとも事例情報管理装置500と接続されている。または、管理者端末700は、ネットワーク800を介して事例情報管理装置500等の事例情報管理システム1000と接続されていてもよい。そして、管理者端末700は、事例情報管理装置500からメンテナンス通知を受信した場合、メンテナンス通知で指定されたFAQ情報やメンテナンスの推薦情報を画面に表示する。これに応じて、管理者U3は、特定のFAQ情報についてメンテナンスの要否、修正方針、修正内容等を検討できる。また、管理者端末700は、管理者U3の操作に応じて、指定されたFAQ情報の内容やFAQサーバ200のサイト構成の修正指示を事例情報管理装置500を介して行う。
【0032】
DBサーバ400は、事例情報管理システム1000内で共有する情報を管理するデータベースシステムが稼働するサーバ装置である。DBサーバ400は、事例情報管理装置500と接続された記憶装置の一例である。DBサーバ400は、複数台のサーバに冗長化されてもよい。また、DBサーバ400で管理する情報の一部又は全てが事例情報管理装置500内に保存されていてもよい。
【0033】
DBサーバ400は、例えば、アカウント情報410、FAQ情報420、FAQ閲覧履歴430及び問合せ履歴440を管理する。アカウント情報410は、FAQサーバ200及び問合せ対応システム300へのアクセスで共通に利用可能なアカウント情報である。言い換えると、FAQサーバ200及び問合せ対応システム300は、アカウント情報410を共有している。アカウント情報410は、例えば、ログインIDとパスワードの組である。
【0034】
FAQ情報420は、所定のサービスに対するユーザからの問合せ(質問)とその回答の事例情報のうち、問合せ頻度の高いものや頻繁に尋ねられそうな想定質問とその回答を含む情報である。図4は、本実施形態2にかかるFAQ情報420の構成例を示す図である。FAQ情報420は、例えば、FAQID421、タイトル422、質問内容423、回答424及び有効性指標425を対応付けた情報である。FAQID421は、FAQ情報の識別情報である。タイトル422は、FAQ情報の質問の概要を示す文字列データである。尚、タイトル422は、FAQ情報の属性情報の一部である。そして、FAQ情報420は、FAQ情報の属性情報としてタイトル422以外を含んでも良い。属性情報は、FAQの分類項目を示すタグ(文字列)、検索キーワード等であってもよい。質問内容423は、FAQ情報の質問の詳細な内容を示す文字列データである。回答424は、質問内容に対する回答を示す文字列データであり、ユーザによる対処方法、操作等を説明した文章等である。
【0035】
有効性指標425は、対応するFAQ情報(タイトル422、質問内容423及び回答424)の有効性の度合いを示す情報である。有効性指標425は、管理者U3が該当するFAQ情報のメンテナンスをすべきか否かを示す判断指標となり得る情報である。有効性指標425は、対応するタイトル422、質問内容423及び回答424の表現の適切さ、内容の正確さ等を定量的に示した指標値である。
【0036】
有効性指標425は、有効度4251及び活用度4252の組を含む。有効度4251は、FAQ情報がユーザの問合せに対する回答としての適切さの度合いを示す情報である。活用度4252は、FAQ情報がユーザの問合せに対して参照された度合いを示す情報である。尚、有効性指標425は、有効度4251及び活用度4252の組の初期値が設定されていてもよい。
【0037】
FAQ閲覧履歴430は、上述したアクセス履歴の一例である。FAQ閲覧履歴430は、特定のFAQ情報に対してユーザによる閲覧、つまりアクセスがあったことの履歴や、FAQ情報に対するユーザによる評価(フィードバック)を記録するための情報である。図5は、本実施形態2にかかるFAQ閲覧履歴430の構成例を示す図である。FAQ閲覧履歴430は、例えば、履歴ID431、FAQID432、ユーザID433、閲覧日時434及びフィードバック情報435を対応付けた情報である。履歴ID431は、FAQ閲覧履歴430の識別情報である。FAQID432は、閲覧されたFAQ情報の識別情報であり、上述したFAQID421に対応する。ユーザID433は、FAQサーバ200(FAQサイト)へログインし、対応するFAQID432が示すFAQ情報を閲覧したユーザの識別情報である。ユーザID433は、例えば、上述したアカウント情報410に含まれるログインIDである。閲覧日時434は、対応するFAQID432が示すFAQ情報が閲覧された日時や閲覧時間である。例えば、閲覧日時434は、FAQサーバ200からユーザ端末100へFAQ情報を返信した時刻(閲覧開始時刻)や、閲覧開始時刻以後、他のページへのリクエストを受信した時刻(閲覧終了時刻)等を含むものであってもよい。フィードバック情報435は、対応するFAQ情報に対するユーザによる評価のフィードバックを示す情報である。例えば、フィードバック情報435は、FAQ情報の回答により、ユーザの疑問、質問、問合せの目的等が「解決した」や「解決しなかった」等を示す情報である。
【0038】
問合せ履歴440は、上述した利用履歴の一例である。問合せ履歴440は、ユーザからの問合せ内容と回答、回答の際に参照したFAQIDの履歴である。問合せ履歴440は、問合せ対応システム300が問合せメール等に対して自動的又はオペレータ端末600を介して、問合せ者(ユーザU1等)へ行った回答を含む。また、問合せ履歴440は、オペレータU2が電話等で問合せ対応した際の履歴を含む。
【0039】
図6は、本実施形態2にかかる問合せ履歴440の構成例を示す図である。問合せ履歴440は、例えば、問合せID441、問合せ日時442、ユーザID443、問合せ内容444、回答445及び関連FAQID446を対応付けた情報である。問合せID441は、問合せの識別情報である。問合せID441は、ユーザからの問合せメール、電話による問合せ等に応じて発行される。問合せ日時442は、問合せの受付日時や回答日時等である。ユーザID443は、問合せ者であるユーザの識別情報である。ユーザID443は、例えば、上述したアカウント情報410に含まれるログインIDである。つまり、上述したFAQ閲覧履歴430のユーザID433と、問合せ履歴440のユーザID443とは、共通のユーザIDであり得る。問合せ内容444は、問合せメールに含まれる問合せ(質問)の文面や電話応対したオペレータU2により入力された問合せ内容を示す文字列データである。回答445は、問合せに対する回答内容を示す文字列データである。回答445は、問合せに対する回答メールの文面や電話応対したオペレータU2により入力された回答内容を示す文字列データである。関連FAQID446は、回答に際して参照(利用)されたFAQ情報の識別情報であり、上述したFAQID421に対応する。
【0040】
図3に戻り説明を続ける。
FAQサーバ200は、所定のサービスの問合せ事例サイトの一例であるFAQ情報の検索サイトを提供するサーバ装置である。FAQサーバ200は、複数台のサーバに冗長化されてもよい。FAQ情報の検索サイトは、アカウント情報410内のアカウントを持つユーザからの問合せとその回答の事例情報のうち、問合せ頻度の高いものや頻繁に尋ねられそうな想定質問とその回答を含むFAQ情報を検索するためのWEBサイトである。FAQサーバ200は、ユーザ端末100によるユーザU1のログイン処理を行い、問合せ内容を含む検索要求を受け付ける。FAQサーバ200は、検索要求に含まれる問合せ内容に応じてFAQ情報420を検索し、検索結果をユーザ端末100へ返信する。FAQサーバ200は、検索結果に応じたユーザU1によるフィードバック情報を、ユーザ端末100から受信してもよい。FAQサーバ200は、検索ユーザ、検索結果のFAQ情報、フィードバック情報等をFAQ閲覧履歴430としてDBサーバ400へ登録する。
【0041】
問合せ対応システム300は、アカウント情報410内のアカウントを持つユーザからの問合せを受け付け、問合せの回答を行うための情報システムである。問合せ対応システム300は、複数台のサーバに冗長化されてもよい。また、問合せ対応システム300は、一般的なコールセンターシステムを含むものであっても良い。問合せは、ユーザU1からの電子メール等や電話である。
【0042】
問合せが電子メールの場合、問合せ対応システム300は、問合せ内容とユーザID(ログインID等のアカウント情報)を含む電子メール(問合せメール)を、ユーザ端末100からネットワーク800を介して受信する。そして、問合せ対応システム300は、問合せメール内の問合せ内容に基づき、FAQ閲覧履歴430を検索し、検索結果のFAQ情報の回答を用いて回答内容を含めた電子メール(回答メール)を生成し、回答メールをユーザ端末100へ返信する。そして、問合せ対応システム300は、回答内容を含めた問合せ履歴440をDBサーバ400へ登録する。
【0043】
また、問合せ対応システム300は、検索にヒットしなかった場合、問合せ内容をオペレータ端末600へ出力する。このとき、問合せ対応システム300は、オペレータ端末600からのFAQ情報420の検索要求に応じて、DBサーバ400に対してFAQ情報420の検索を行い、検索結果をオペレータ端末600へ返信しても良い。
【0044】
そして、問合せ対応システム300は、オペレータU2により入力された回答内容を、オペレータ端末600から受信し、回答内容を含めた回答メールを生成し、ユーザ端末100へ返信する。または、オペレータU2によりユーザ端末100へ回答済みの場合、問合せ対応システム300は、オペレータ端末600から受信した回答内容を含めて問合せ履歴440をDBサーバ400へ登録する。または、問合せ対応システム300は、受信した問合せメールをオペレータ端末600へ転送し、回答内容を含めた対応結果をオペレータ端末600から受信してもよい。尚、問合せが電話の場合、問合せ対応システム300は、電話をオペレータ端末600等へ転送し、オペレータU2による対応を促す。
【0045】
これらの後、問合せ対応システム300は、オペレータU2により新規に入力されたFAQ情報を、オペレータ端末600から受信した場合、FAQ情報420をDBサーバ400へ登録する。また、問合せが電話の場合、オペレータ端末600から受信した回答内容を含めて問合せ履歴440をDBサーバ400へ登録する。
【0046】
尚、問合せ対応システム300は、問合せの受付及び回答を行うためのWEBシステムであってもよい。その場合、問合せ対応システム300は、アカウント情報410内のアカウントによりログイン処理を行い、問合せ受付フォーム等からユーザからの問合せ内容を受け付け、オペレータ端末600へ通知する。そして、問合せ対応システム300は、オペレータU2による回答をオペレータ端末600から受け付け、問合せ者向けの画面に回答として表示する。
【0047】
事例情報管理装置500は、上述した事例情報管理装置1の一例である。事例情報管理装置500は、特定の事例情報についての有効性指標の算出処理やアラート出力処理を行う情報処理装置である。事例情報管理装置500は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータで実現されてもよい。
【0048】
図7は、本実施形態2にかかる事例情報管理装置500の構成を示すブロック図である。事例情報管理装置500は、記憶部510、メモリ520、通信部530及び制御部540を備える。記憶部510は、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置の一例である。記憶部510は、プログラム511を記憶する。プログラム511は、本実施形態2にかかる有効性指標の算出処理やアラート出力処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0049】
メモリ520は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部540の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部530は、ネットワーク800との通信インタフェースである。
【0050】
制御部540は、事例情報管理装置500の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部540は、記憶部510からプログラム511をメモリ520へ読み込ませ、プログラム511を実行する。これにより、制御部540は、特定部541、算出部542、登録部543、判定部544及び出力部545の機能を実現する。
【0051】
特定部541は、上述した特定部11の一例である。特定部541は、FAQ閲覧履歴430及び問合せ履歴440のうち、特定のユーザIDを含むFAQ閲覧履歴430と、当該ユーザIDを含む問合せ履歴440とを特定する。尚、特定部541は、ユーザがFAQサーバ200で検索を行った際、又は、問合せ対応システム300へ問合せを行い回答がなされた際に、処理を開始してもよい。
【0052】
算出部542は、上述した算出部12の一例である。算出部542は、特定されたFAQ閲覧履歴及び問合せ履歴に対して所定の分析処理を行い、分析結果に基づいて特定のFAQ情報について、上述した有効度と活用度を算出する。ここで、分析処理とは、FAQ閲覧履歴及び問合せ履歴の統計情報を算出することや、各履歴のFAQ情報の内容の類似関係等の解析を行なうものであってもよい。所定の分析処理には、公知技術を用いることができる。
【0053】
例えば、算出部542は、FAQサーバ200における特定のFAQ情報へのアクセス数、又は、問合せ対応システム300における問合せの対応として特定のFAQ情報に含まれる回答が利用された回数の少なくともいずれか一方を用いて、有効度を算出する。特に、算出部542は、特定のユーザがFAQサーバ200における特定のFAQ情報へのアクセスを行った後に同一のFAQ情報に関する問合せを問合せ対応システム300へ行ったことを、分析結果が示す場合、有効度をより低く算出するとよい。今回起票された問い合わせに該当するFAQ情報を、問合せ者(ユーザ)が過去に確認していた場合、当該FAQ情報の内容では問合せの課題が解決できなかった可能性が高いため、当該FAQ情報の有効度が相対的に低いといえるからである。
【0054】
また、算出部542は、分析結果が以下の内容を示す場合、活用度をより低く算出するとよい。まず、上記同様、分析結果が特定のユーザがFAQサーバ200における特定のFAQ情報へのアクセスを行った後に同一のFAQ情報に関する問合せを問合せ対応システム300へ行ったことを示す場合が前提となる。その上で、分析結果が、当該問合せに対する対応として当該特定のFAQ情報以外のFAQ情報の回答が利用されたことを示す場合である。つまり、ユーザはFAQサーバ200によりFAQ情報の検索を行ったが、何らかのFAQ情報の閲覧を行ったとしても問合せの回答が得られず、それ故、問合せ対応システム300へ問合せを行ったこととなる。そして、問合せ対応システム300又はオペレータU2によりFAQ情報420内に回答とり利用可能な情報が見つけられたことを示す。それ故、回答に用いられたFAQ情報が十分に活用されていなかったといえる。
【0055】
また、算出部542は、特定のFAQ情報へのアクセス数が多い場合には、活用度を加算し、一定期間のアクセスが少ない場合には活用度を減算してもよい。
【0056】
また、算出部542は、特定されたFAQ閲覧履歴430に含まれるフィードバック情報435に応じて、有効度を加減算する。例えば、フィードバック情報が「解決した」を示す場合、算出部542は、該当するFAQ情報の有効度をより高く算出する。一方、フィードバック情報が「解決しなかった」を示す場合、算出部542は、該当するFAQ情報の有効度をより低く算出する。
【0057】
また、算出部542は、特定されたFAQ閲覧履歴及び問合せ履歴に対する分析処理により、FAQ情報ごとのアクセス数や問合せでの利用回数を算出してもよい。そして、例えば、質問Q1に関する回答A1を含むFAQ情報1へのアクセス数が他のFAQ情報2等と比べて高く、質問Q1についてオペレータへの問合せでの利用回数が他の問合せと比べて少ないものとする。その場合、算出部542は、FAQ情報1の有効度に所定値を加算する。この場合、回答A1の内容でユーザの問合せに関する課題が解決した可能性が高く、回答A1の有効性が高いと考えられるためである。一方、FAQ情報1へのアクセス数が他のFAQ情報2等と比べて高く、質問Q1についてオペレータへの問合せでの利用回数が他の問合せと比べて多い場合、算出部542は、FAQ情報1の有効度に所定値を減算する。この場合、回答A1の内容でユーザの問合せに関する課題が解決していない可能性が高く、回答A1の有効性が低いと考えられるためである。
【0058】
登録部543は、上述した登録部13の一例である。登録部543は、算出部542により算出された有効度4251及び活用度4252を、該当するFAQ情報420に含めて登録する。
【0059】
判定部544は、所定のタイミングで、特定のFAQ情報における有効度及び活用度の組と所定の閾値の組との大小関係を判定する。ここで、所定の閾値の組は、第1の閾値α、第2の閾値β、第3の閾値β、第4の閾値αの組とする。第1の閾値αは、有効度Nが相対的に高いことを表すための基準値である。第3の閾値βは、有効度Nが相対的に低いことを表すための基準値である。よって、第3の閾値βは、第1の閾値αより低い。第4の閾値αは、活用度Mが相対的に高いことを表すための基準値である。第2の閾値βは、活用度Mが相対的に低いことを表すための基準値である。よって、第4の閾値αは、第2の閾値βより高い。言い換えると、第1の閾値α>第3の閾値βであり、第4の閾値α>第2の閾値βである。
【0060】
そのため、判定部544は、特定のFAQ情報における有効度Nが第1の閾値αより大きい(高い)か否かを判定し、また、有効度Nが第3の閾値βより小さい(低い)か否かを判定する。また、判定部544は、特定のFAQ情報における活用度Mが第4の閾値αより大きい(高い)か否かを判定し、また、活用度Mが第2の閾値βより小さい(低い)か否かを判定する。
【0061】
出力部545は、特定のFAQ情報に対応付けられた有効度と活用度に応じたメンテナンス通知を出力する。メンテナンス通知には、該当するFAQ情報(FAQID等)と、メンテナンスの推薦情報を含む。メンテナンスの推薦情報は、管理者U3に対して該当するFAQ情報の所定のメンテナンスを促すメッセージ(テキスト情報)である。例えば、出力部545は、特定のFAQ情報に対応付けられた有効度Nが第1の閾値αより高く、かつ、活用度Mが第2の閾値βより低い場合、FAQ情報の属性情報又はFAQサーバ200で開示されるFAQ情報の構成の見直しを促すメンテナンス通知を出力する。これは、該当するFAQ情報の有効度が相対的に高く、活用度が相対的に低いため、FAQ情報の内容自体は問題ないといえる。一方、この場合、FAQ情報に対応付けられた属性情報(タイトル、検索キーワード、タグ等)の見直しや、FAQサイトのサイト構造、FAQ情報の構成の見直しが必要である可能性が高いといえるためである。
【0062】
また、出力部545は、特定のFAQ情報に対応付けられた有効度Nが第3の閾値βより低く、かつ、活用度Mが第4の閾値αより高い場合、FAQ情報の内容の見直しを促すメンテナンス通知を出力する。これは、該当するFAQ情報の有効度が相対的に低く、活用度が相対的に高いため、FAQ情報の内容自体の見直しが必要である可能性が高いといえるためである。
【0063】
また、出力部545は、特定のFAQ情報に対応付けられた有効度Nが第3の閾値βより低く、かつ、活用度Mが第2の閾値βより低い場合、FAQ情報の削除を促すメンテナンス通知を出力する。これは、該当するFAQ情報の有効度と活用度が共に相対的に低いため、FAQ情報自体の価値が低く、不要である可能性が高いためである。
【0064】
図8は、本実施形態2にかかるFAQサイト検索処理の流れを示すフローチャートである。まず、ユーザU1は、所定のサービスに関する質問についてユーザ端末100を用いてFAQサーバ200に開示されるFAQ情報を検索するものとする。このとき、ユーザ端末100は、ユーザU1のログインID(ユーザID)及びパスワードを含むログイン要求を、ネットワーク800を介してFAQサーバ200へ送信する。これに応じて、FAQサーバ200は、受信したユーザU1のユーザアカウントによるFAQサイトへのログイン処理を行う(S111)。具体的には、FAQサーバ200は、受信したログインID及びパスワードを、アカウント情報410と照合し、一致すれば、ログインを許可し、その旨、ユーザ端末100へ返信する。
【0065】
ログイン後、ユーザ端末100は、ユーザU1に入力された問合せ内容を含む検索要求を、ネットワーク800を介してFAQサーバ200へ送信する。これに応じて、FAQサーバ200は、問合せ内容を含む検索要求を受信する(S112)。そして、FAQサーバ200は、問合せ内容に基づきFAQ情報420を検索する(S113)。具体的には、FAQサーバ200は、検索要求に含まれる問合せ内容を検索キーワードとして、FAQ情報420内のタイトル422や質問内容423、属性情報(タグ等)を検索し、検索結果を取得する。ここでは、検索にヒットしたものとする。検索結果には、FAQID421、タイトル422、質問内容423及び回答424が含まれるものとする。そして、FAQサーバ200は、検索結果を、ネットワーク800を介してユーザ端末100へ返信する(S114)。
【0066】
これに応じて、ユーザ端末100は、受信した検索結果を画面に表示する。そのため、ユーザU1は、ユーザ端末100を介して検索にヒットしたFAQ情報のタイトル、質問内容及び回答を参照し、問合せの課題が解決したか否かを検討する。このとき、FAQサーバ200は、ユーザU1からフィードバック情報を受け付け、FAQサーバ200へフィードバック情報を送信する。
【0067】
これに応じて、FAQサーバ200は、ユーザU1によるフィードバック情報を受信する(S115)。そして、FAQサーバ200は、当該検索処理及びフィードバック情報についてのFAQ閲覧履歴430を登録する(S116)。例えば、FAQサーバ200は、履歴IDを発行し、検索要求を受信した際のユーザID、検索にヒットし検索結果に含めたFAQID、ユーザの閲覧日時を特定する。そして、FAQサーバ200は、発行した履歴ID431、特定したFAQID432、ユーザID433及び閲覧日時434、並びに、受信したフィードバック情報435を対応付けたFAQ閲覧履歴430をDBサーバ400へ登録する。
【0068】
図9は、本実施形態2にかかる問合せ対応処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ユーザU1による上述した図8のFAQサイト検索処理が実行済みであるものとする。例えば、ユーザU1は、FAQサーバ200に対する検索結果では、所定のサービスに関する質問が解決しなかったものとする。このとき、ユーザU1は、問合せ対応システム300へ問合せを行う。ここでは、電子メールで問合せを行うものとする。
【0069】
まず、ユーザ端末100は、ユーザU1に入力された問合せ内容及びユーザIDを含む電子メール(問合せメール)を、宛先を問合せ対応システム300やオペレータU2としてネットワーク800を介して送信する。これに応じて、問合せ対応システム300は、ネットワーク800を介してユーザU1からの問合せメールを受信する(S121)。次に、問合せ対応システム300は、受信メール(問合せメール)から問合せ内容及びユーザIDを抽出する(S122)。尚、ユーザIDは、問合せメールの送信元メールアドレスであってもよい。そして、問合せ対応システム300は、問合せ内容を解析してFAQ情報の項目に分類する(S123)。例えば、問合せ対応システム300は、所定のクラスタリング技術を用いて、問合せ内容を、FAQ情報のカテゴリ、タグ、検索キーワード等に分類する。または、問合せ対応システム300は、形態素解析等を用いて、問合せ内容の文章からFAQ情報のカテゴリ、タグ、検索キーワード等を抽出してもよい。
【0070】
そして、問合せ対応システム300は、分類に該当するFAQ情報があるか否かを判定する(S124)。例えば、問合せ対応システム300は、ステップS123で分類された項目(カテゴリ、タグ、検索キーワード等)を用いて、FAQ情報420のタイトル422、質問内容423や属性情報を検索する。検索にヒットした場合、分類に該当するFAQ情報があると判定されるものとする。この場合、問合せ対応システム300は、該当するFAQ情報420の回答424を含めた電子メール(回答メール)を生成し、回答メールをユーザU1のアカウントを宛先として返信する(S125)。その後、問合せ対応システム300は、問合せ履歴440を登録する(S126)。具体的には、問合せ対応システム300は、問合せIDを発行し、問合せメールの送信日時又は受信日時を問合せ日時とし、ステップS122で抽出したユーザID及び問合せ内容、回答メールに含めた回答を特定する。また、問合せ対応システム300は、検索にヒットしたFAQ情報、つまり、回答時に参照又は利用したFAQ情報のFAQIDを関連FAQIDとする。そして、問合せ対応システム300は、発行した問合せID441、問合せ日時442、ユーザID443、問合せ内容444、回答445、及び、関連FAQID446を含めて問合せ履歴440をDBサーバ400に登録する。
【0071】
また、ステップS124で分類に該当するFAQ情報がないと判定した場合、つまり、検索にヒットしなかった場合、問合せ対応システム300は、オペレータ端末600へ問合せ内容を出力する(S127)。これに応じて、オペレータ端末600は、問合せ内容を表示し、オペレータU2が問合せ内容を把握する。そして、オペレータU2は、FAQサーバ200等を介してFAQ情報420を検索するか、マニュアル等を参照して回答を決定する。その後、オペレータ端末600は、オペレータU2に入力された回答を含む回答メールをユーザ端末100へ返信する。または、オペレータ端末600は、回答を問合せ対応システム300へ送信してもよい。
【0072】
また、オペレータU2が検索しても該当するFAQ情報が見つからなかった場合、オペレータ端末600は、オペレータU2から新規のFAQ情報を受け付け、問合せ対応システム300へ送信する。これに応じて、問合せ対応システム300は、オペレータ端末600から受け付けた新規のFAQ情報420をDBサーバ400に登録する(S128)。その後、ステップS126と同様に、問合せ対応システム300は、問合せ履歴440を登録する。
【0073】
図10は、本実施形態2にかかる有効性指標の算出処理の流れを示すフローチャートである。例えば、事例情報管理装置500は、FAQ閲覧履歴430又は問合せ履歴440の更新時に、有効性指標の算出処理を開始する。
【0074】
まず、特定部541は、更新のあったFAQ閲覧履歴又は問合せ履歴のユーザID及びFAQIDを特定する(S131)。そして、算出部542は、特定したユーザID及びFAQIDを含むFAQ閲覧履歴及び問合せ履歴を取得し、FAQ情報の利用傾向を分析する(S132)。具体的には、算出部542は、FAQ閲覧履歴430の中から、特定したユーザID433及びFAQID432を含むレコードを取得する。また、算出部542は、問合せ履歴440の中から、特定したユーザID443及び関連FAQID446を含むレコードを取得する。そして、算出部542は、取得した各レコードについて所定の分析処理により利用傾向を分析する。
【0075】
そして、算出部542は、分析された利用傾向に基づいて、各FAQ情報における有効度及び活用度を算出する(S133)。その後、登録部543は、算出した有効度及び活用度をFAQ情報に登録する(S134)。尚、算出部542及び登録部543は、該当するFAQ情報に登録済みの有効度及び活用度を更新(加算又は減算)してもよい。
【0076】
図11は、本実施形態2にかかるアラート出力処理の流れを示すフローチャートである。例えば、事例情報管理装置500は、FAQ情報の有効度及び活用度の登録時(更新時)に、アラート出力処理を開始する。
【0077】
まず、判定部544は、有効度及び活用度が登録又は更新されたFAQ情報の有効度N及び活用度Mを取得する(S141)。そして、判定部544は、取得した有効度N及び活用度Mの組と所定の閾値の組との大小関係を判定する。まず、判定部544は、有効度Nが第1の閾値αより高く、かつ、活用度Mが第2の閾値βより低いか否かを判定する(S142)。ステップS142でYESの場合、出力部545は、FAQ情報の属性情報(タグ等)又はFAQサイトの構成の見直しを促すメンテナンス通知Aを出力する(S143)。
【0078】
一方、ステップS142でNOの場合、判定部544は、有効度Nが第3の閾値βより低く、かつ、活用度Mが第4の閾値αより高いか否かを判定する(S144)。ステップS144でYESの場合、出力部545は、FAQ情報の内容の見直しを促すメンテナンス通知Bを出力する(S145)。
【0079】
一方、ステップS144でNOの場合、判定部544は、有効度Nが第3の閾値βより低く、かつ、活用度Mが第2の閾値βより低いか否かを判定する(S146)。ステップS146でYESの場合、出力部545は、FAQ情報の削除を促すメンテナンス通知Cを出力する(S147)。一方、ステップS146でNOの場合、アラート(メンテナンス通知)が出力されない。この場合、有効度も活用度も高く、よく参照され、かつ、ユーザの解決にもつながっている可能性が高いため、メンテナンスの必要性が低いためである。
【0080】
ステップS143、S145又はS147の後、管理者端末700は、事例情報管理装置500からメンテナンス通知を受信し、メンテナンス通知で指定されたFAQ情報やメンテナンスの推薦情報を画面に表示する。これに応じて、管理者U3は、特定のFAQ情報についてメンテナンスの要否、修正方針、修正内容等を検討できる。そして、管理者端末700は、管理者U3の操作に応じて、指定されたFAQ情報の内容やFAQサーバ200のサイト構成の修正指示を事例情報管理装置500を介して行う。
【0081】
以上のことから、本実施形態2により実施形態1と同様に、事例情報の内容の客観的な有効性の指標を精度良く算出することで、事例情報の管理者によるメンテナンス作業の負担を軽減することができる。特に実施形態2では、有効度と活用度という異なる尺度の指標を組み合わせて用いることで、有効性指標をより精度よく算出できる。また、有効度と活用度の組合せに応じたメンテナンス通知を行うことで、管理者による必要性や修正方針や修正内容の検討を効果的に支援できる。また、当該メンテナンス通知により、管理者が効率的に事例情報のメンテナンスを行うことができる。
【0082】
また、本実施形態2では、FAQサイトと問合せ対応システムを連携(ユーザのアカウント情報を共有)することで、特定のユーザにおけるFAQ情報へのアクセス履歴と問合せ履歴を特定でき、これらを用いた利用傾向の分析を行う。例えば、問合せ対応システムに問合せを起票したユーザが事前にFAQサイトにて、あるFAQ情報を確認していたなど、FAQ情報の参照や利用状況により、ユーザの行動分析を行うことができる。それ故、正確にFAQ情報の有効度や活用度を判定することができる。例えば、問合せを起票したユーザが、その問合せ内容に該当するFAQ情報を確認した上で、問合せを起票しているのであれば、そのFAQ情報の内容では、疑問が解決できないということになる。そのため、当該FAQ情報の有効度は低く算出される。また、問合せを起票したユーザが、事前にFAQサイトを確認しているにもかかわらず、その問合せ内容に該当するFAQ情報を閲覧していなかった場合は、そのFAQ情報を検索等で見つけることができていないということである。そのため、管理者は、FAQ情報の内容を修正するのではなく、検索キーワードやFAQサイトの構造の見直しが必要といえる。本実施形態2では、管理者に対して有効度及び活用度に応じたメンテナンス通知を行うため、管理者のメンテンナンスを支援できる。
【0083】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0084】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0085】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0086】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える事例情報管理装置。
(付記A2)
前記算出部は、
前記事例情報がユーザの問合せに対する回答としての適切さの度合いを示す有効度と、当該事例情報がユーザの問合せに対して参照された度合いを示す活用度と、を含めて前記有効性指標として算出する
付記A1に記載の事例情報管理装置。
(付記A3)
前記算出部は、
前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセス数、又は、前記問合せ対応システムにおける前記問合せの対応として前記特定の事例情報に含まれる回答が利用された回数の少なくともいずれか一方を用いて、前記有効度を算出する
付記A2に記載の事例情報管理装置。
(付記A4)
前記算出部は、
前記特定のユーザが前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセスを行った後に同一の事例情報に関する問合せを前記サービスの問合せ対応システムへ行ったことを、前記分析結果が示す場合、前記有効度をより低く算出する
付記A3に記載の事例情報管理装置。
(付記A5)
前記算出部は、
前記特定のユーザが前記問合せ事例サイトにおける前記特定の事例情報へのアクセスを行った後に同一の事例情報に関する問合せを前記サービスの問合せ対応システムへ行ない、当該問合せに対する対応として当該特定の事例情報以外の事例情報の回答が利用されたことを、前記分析結果が示す場合、前記活用度をより低く算出する
付記A2又はA3に記載の事例情報管理装置。
(付記A6)
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度と前記活用度に応じたメンテナンス通知を出力する出力部をさらに備える
付記A2乃至A5のいずれか1項に記載の事例情報管理装置。
(付記A7)
前記出力部は、
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度が第1の閾値より高く、かつ、当該特定の事例情報に対応付けられた前記活用度が第2の閾値より低い場合、当該事例情報の属性情報又は前記問合せ事例サイトで開示される当該事例情報の構成の見直しを促す前記メンテナンス通知を出力する
付記A6に記載の事例情報管理装置。
(付記A8)
前記出力部は、
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度が第3の閾値より低く、かつ、当該特定の事例情報に対応付けられた前記活用度が第4の閾値より高い場合、当該事例情報の内容の見直しを促す前記メンテナンス通知を出力し、
前記第3の閾値は、前記第1の閾値より低く、
前記第4の閾値は、前記第2の閾値より高い、
付記A7に記載の事例情報管理装置。
(付記A9)
前記出力部は、
前記特定の事例情報に対応付けられた前記有効度が前記第3の閾値より低く、かつ、当該特定の事例情報に対応付けられた前記活用度が前記第2の閾値より低い場合、当該事例情報の削除を促す前記メンテナンス通知を出力する
付記A8に記載の事例情報管理装置。
(付記B1)
所定のサービスの問合せ事例サイトと、
前記サービスの問合せ対応システムと、
前記問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する複数のユーザからのアクセス履歴と、前記問合せ対応システムにおける複数のユーザからの問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを記憶する記憶装置と、
事例情報管理装置とを備え、
前記事例情報管理装置は、
前記アクセス履歴及び前記利用履歴のうち、特定のユーザにおける前記アクセス履歴と当該特定のユーザが行った問合せに対する前記利用履歴とを特定する特定部と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出部と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録部と、
を備える事例情報管理システム。
(付記B2)
前記算出部は、
前記事例情報がユーザの問合せに対する回答としての適切さの度合いを示す有効度と、当該事例情報がユーザの問合せに対して参照された度合いを示す活用度と、を含めて前記有効性指標として算出する
付記B1に記載の事例情報管理システム。
(付記C1)
コンピュータが、
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定し、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出し、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する、
事例情報管理方法。
(付記D1)
所定のサービスの問合せ事例サイトで開示される複数の事例情報のいずれかに対する特定のユーザからのアクセス履歴と、当該サービスの問合せ対応システムへ当該特定のユーザが行った問合せに対する対応として前記複数の事例情報のいずれかが利用された利用履歴とを特定する特定処理と、
前記特定されたアクセス履歴及び利用履歴の分析結果に基づいて、特定の事例情報の有効性指標を算出する算出処理と、
前記算出した有効性指標を前記特定の事例情報に対応付けて登録する登録処理と、
をコンピュータに実行させる事例情報管理プログラム。
【0087】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 事例情報管理装置
11 特定部
12 算出部
13 登録部
100 ユーザ端末
1000 事例情報管理システム
200 FAQサーバ
300 問合せ対応システム
400 DBサーバ
410 アカウント情報
420 FAQ情報
421 FAQID
422 タイトル
423 質問内容
424 回答
425 有効性指標
4251 有効度
4252 活用度
430 FAQ閲覧履歴
431 履歴ID
432 FAQID
433 ユーザID
434 閲覧日時
435 フィードバック情報
440 問合せ履歴
441 問合せID
442 問合せ日時
443 ユーザID
444 問合せ内容
445 回答
446 関連FAQID
500 事例情報管理装置
510 記憶部
511 プログラム
520 メモリ
530 通信部
540 制御部
541 特定部
542 算出部
543 登録部
544 判定部
545 出力部
600 オペレータ端末
700 管理者端末
U1 ユーザ
U2 オペレータ
U3 管理者
800 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11