(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180817
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
G06F13/00 540P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087524
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 義輝
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】小野田 千紘
(72)【発明者】
【氏名】林 明穂
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB12
5B084BB17
5B084DB01
5B084DC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】顧客の携帯電話をRCSに対応するように促す配信システム、サーバ装置、配信方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報管理サーバは、ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知及びSMSを利用したSMS通知又は印刷物を配送する配送通知の何れかが設定された情報と、RCS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報とを、少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部と、配信DBの宛先情報を用いて、ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定するように、携帯キャリアサーバに要求する確認要求部と、携帯キャリアサーバの判定結果に基づいて、配信DBに示された通知内容を、RCS通知にて、ユーザの端末に送信するRCS配信部と、RCS通知が正常に完了しなかった場合、配信DBにおける通知方法に、配送通知を設定する制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部と、
前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信する送信部と、
前記送信部による前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する制御部と、
を備える配信システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信部による前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了した場合、次回以降の通知を、前記RCS通知、前記SMS通知又は前記配送通知の何れとするか問い合わせる確認通知を、前記ユーザの端末に送信し、前記確認通知に対する回答に応じて、前記配信DBにおける前記通知方法を設定する、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記配信DBにおける前記通知方法の初期設定を、前記RCS通知に設定する、
請求項1又は請求項2に記載の配信システム。
【請求項4】
ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部と、
前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定するように、携帯キャリアサーバに要求する確認要求部と、
前記確認要求部による要求に応じて前記携帯キャリアサーバが判定した判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信するように、携帯キャリアサーバに要求する送信要求部と、
前記携帯キャリアサーバによる前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する制御部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項5】
ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部を備えるコンピュータにより実行される配信方法であって、
確認要求部が、前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定するように、携帯キャリアサーバに要求し、
送信要求部が、前記確認要求部による要求に応じて前記携帯キャリアサーバが判定した判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信するように、携帯キャリアサーバに要求し、
制御部が、前記携帯キャリアサーバによる前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する、
配信方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項4に記載のサーバ装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記サーバ装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインで情報を通知する電子通知サービスが提供されるようになった。このような電子通知サービスは、例えば、新製品などを紹介する情報を顧客に通知する通知手段として種々の企業に利用されている。特許文献1では、顧客に通知を行う際、顧客がすぐに見ることのできる確率が高いアドレスに情報を送信する技術が開示されている。
【0003】
このような電子通知サービスのうち、携帯電話番号を宛先とするメッセージサービスが広く普及している。携帯電話番号を宛先とすることにより、通知先の相手のメールアドレスが不明であっても、メッセージを送信することができ、利便性が高いためである。
【0004】
携帯電話番号を宛先とするメッセージサービスには、いくつかの通信プロトコルが存在している。例えば、RCS(Rich Communication Services)、及びSMS(Short Message Service)がある。RCSは、携帯電話用のインスタントメッセンジャーを端末レベルで実現するための規格である。RCSにおいては、通信キャリア間の相互接続を考慮した設計がなされ、異なる通信キャリア間であってもメッセージのやり取りが可能である。また、RCSでは、送信することができる情報量の上限が、SMSよりも大きく設定されている。したがって、SMSが限られた文字数のテキストのみの少ない容量の情報のみを送受信可能であるのに対し、RCSでは画像など大容量の情報が送受信可能である。このため、顧客に様々な情報を通知したい企業にとっては、RCSにより情報を配信したいという要望がある。
【0005】
しかし、携帯電話のほとんどにSMSがプリインストールされているのに対し、RCSはプリインストールされていない場合がある。また、インストールされていたとしても有効化されていない場合があった。このため、RCSに対応している携帯電話と、RCSに対応していない携帯電話とが混在し、顧客に対してRCSによる情報を送信するかSMSによる情報を送信するかを判断することが困難となる場合があった。
【0006】
この対策として、代替配信機能(フォールバック機能ともいう)が存在する。代替配信機能は、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する機能である。この代替配信機能は、例えば、携帯キャリア(携帯電話事業者)が保有する。この機能を利用することによって、RCSに対応していない携帯電話については、自動的にSMSを配信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、代替配信機能を用いてRCSに対応していない携帯電話にSMSで情報を通知することができたとしても、顧客にその携帯電話をRCSに対応させるように促すことはできなかった。
【0009】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、顧客の携帯電話をRCSに対応させるように促すことができる配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る配信システムは、ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部と、前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信する送信部と、前記送信部による前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する制御部と、を備える。
【0011】
また、本発明は、上述の配信システムにおいて、前記制御部は、前記送信部による前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了した場合、次回以降の通知を、前記RCS通知、前記SMS通知又は前記配送通知の何れとするか問い合わせる確認通知を、前記ユーザの端末に送信し、前記確認通知に対する回答に応じて、前記配信DBにおける前記通知方法を設定する。
【0012】
また、本発明は、上述の配信システムにおいて、前記制御部は、前記配信DBにおける前記通知方法の初期設定を、前記RCS通知に設定する。
【0013】
また、本発明の一態様に係るサーバ装置は、ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部と、前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定するように、携帯キャリアサーバに要求する確認要求部と、前記確認要求部による要求に応じて前記携帯キャリアサーバが判定した判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信するように、携帯キャリアサーバに要求する送信要求部と、前記携帯キャリアサーバによる前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する制御部と、を備える。
【0014】
また、本発明の一態様に係る配信方法は、ユーザに通知するメッセージを示す通知内容、前記通知内容を通知する通知方法としてRCSを利用したRCS通知、SMSを利用したSMS通知、又は印刷物を配送する配送通知のいずれかが設定された情報、及び前記RCS通知と前記SMS通知の宛先となる携帯電話番号を示す宛先情報、を少なくとも含む配信DBを記憶する記憶部を備えるコンピュータにより実行される配信方法であって、確認要求部が、前記配信DBのうちの前記宛先情報を用いて、前記通知内容の実態を示す実メッセージを前記ユーザの端末に送信することなく前記ユーザの端末がRCSに対応しているか否かを判定するように、携帯キャリアサーバに要求し、送信要求部が、前記確認要求部による要求に応じて前記携帯キャリアサーバが判定した判定結果に基づいて、前記ユーザの端末がRCSに対応している場合に前記RCS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末がRCSに対応していない場合に前記SMS通知にて前記通知内容を前記ユーザの端末に送信するように、携帯キャリアサーバに要求し、制御部が、前記携帯キャリアサーバによる前記RCS通知又は前記SMS通知が正常に完了したか否かを判定し、前記RCS通知が正常に完了しなかった場合、前記通知内容を前記SMS通知で前記ユーザの端末に送信することなく、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定し、前記SMS通知が正常に完了しなかった場合、前記配信DBにおける前記通知方法に前記配送通知を設定する。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、上記に記載のサーバ装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記サーバ装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顧客の携帯電話をRCSに対応させるように促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る携帯キャリアサーバ30の構成例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る配信対象データ120の構成例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る配信DB220の構成例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る配信システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る配信システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る配信システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、配信システム1は、例えば、企業サーバ10と、情報管理サーバ20と、携帯キャリアサーバ30と、生活者端末40とを備える。配信システム1の構成要素(企業サーバ10、情報管理サーバ20、携帯キャリアサーバ30、及び生活者端末40)は、通信ネットワークにより通信可能に接続されている。
【0019】
企業サーバ10は、情報管理サーバ20を介して顧客(ユーザ)に情報を配信する企業の端末装置である。生活者端末40は、企業からの情報配信を受ける顧客の端末装置である。
図1の例では、配信システム1に、1つの企業サーバ10、及び、1つの生活者端末40が設けられる場合を例示したが、これに限定されない。配信システム1において、複数の企業サーバ10が設けられ、複数の生活者端末40が設けられる構成であってよい。
【0020】
また、携帯キャリアサーバ30は、携帯キャリア(携帯電話事業者)の情報処理装置である。
図1の例では、配信システム1に、1つの携帯キャリアサーバ30が設けられる場合を例示したが、これに限定されない。複数の携帯キャリアのそれぞれの携帯キャリアサーバ30が配信システム1に設けられる構成であってもよい。
【0021】
企業サーバ10は、例えば、サーバ装置、クラウド装置、PC(Personal Computer)、などのコンピュータ装置により実現される。企業サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、情報管理サーバ20、携帯キャリアサーバ30、及び生活者端末40である。なお、本実施形態では、企業サーバ10は、情報管理サーバ20とのみ通信する。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、企業サーバ10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部12は、例えば、配信対象データ120を記憶する。
【0023】
ここで、配信対象データ120について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る配信対象データ120の構成例を示す図である。配信対象データ120は、情報管理サーバ20に依頼する配信の内容が示された情報である。
図4に示すように、配信対象データ120は、例えば、顧客ID、携帯番号、郵送宛先、及び通知内容などの項目を備える。顧客IDは、顧客を一意に識別する識別情報である。携帯番号は、顧客IDにて特定される顧客の携帯電話の電話番号である。郵送宛先は、顧客IDにて特定される顧客に郵送物を郵送する場合の宛先となる住所を示す情報である。通知内容は、顧客に通知するメッセージの具体的な内容を示す情報である。
図4には、携帯番号が「090-1111-1111」であり、郵送宛先が「東京都中央区…」である顧客に、「TF銀行からのメッセージ…」で始まるメッセージを配信するように設定された場合の例が示されている。
【0024】
図1の説明に戻り、制御部13は、企業サーバ10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。制御部13は、企業サーバ10を統括的に制御する。制御部13は、例えば、配信対象データ120を、通信部11を介して、情報管理サーバ20に送信する。
【0025】
情報管理サーバ20は、企業サーバ10からの要求に応じて、通知先の生活者端末40に情報を配信する制御を行うコンピュータ装置である。情報管理サーバ20は、例えば、クラウド装置、サーバ装置、PCなどにより実現される。
【0026】
情報管理サーバ20は、企業サーバ10からの要求に応じて、通知先となる顧客の生活者端末40に、RCSを利用した通知(RCS通知)、又は、SMSを利用した通知(SMS通知)を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。具体的に、情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応している場合には、その生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。また、情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応していない場合には、その生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0027】
情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを、任意の方法で判定してよい。例えば、情報管理サーバ20は、生活者端末40から申告された情報に基づいて生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0028】
また、情報管理サーバ20は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を、携帯キャリアサーバ30に要求するようにしてもよい。この場合、携帯キャリアサーバ30は、携帯キャリアサーバ30の機能(後述するRCS送信可否確認部333の機能)を用いて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定し、その判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から通知された判定結果に基づいて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。
【0029】
また、情報管理サーバ20は、顧客の生活者端末40に行ったRCS通知、又はSMS通知が失敗した場合に、その顧客に郵送物が配送されるようにする。情報管理サーバ20が、顧客に郵送物が配送されるようにする処理については、後で詳しく説明する。
【0030】
携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40に、RCS通知及びSMS通知を行うコンピュータ装置である。携帯キャリアサーバ30は、例えば、クラウド装置、サーバ装置、PCなどにより実現される。携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20からの要求に応じて、通知先の生活者端末40に、RCS通知又はSMS通知を行う。具体的に、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40にRCS通知を行うように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40にRCS通知を行う。また、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40にSMS通知を行うように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40にSMS通知を行う。
【0031】
また、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。
【0032】
生活者端末40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などのコンピュータ装置である。生活者端末40は、例えば、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44とを備える。通信部41は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、企業サーバ10、情報管理サーバ20、及び携帯キャリアサーバ30である。なお、本実施形態では、生活者端末40は、携帯キャリアサーバ30とのみ通信する。
【0033】
記憶部42は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部42は、生活者端末40の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部42は、例えば、RCSに係るアプリケーションプログラム(RCSアプリ)、及び、SMSに係るアプリケーションプログラム(SMSアプリ)が記憶される。なお、RCSアプリと、SMSアプリとが、同一のアプリケーションプログラムにより構成されていてもよい。
【0034】
制御部43は、生活者端末40がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部43は、生活者端末40を統括的に制御する。例えば、制御部43は、CPUに記憶部42が記憶するRCSアプリを実行させることによって、RCSに係る機能を実現する。ここでのRCSに係る機能とは、例えば、RCS通知を受信し、受信した情報に基づいて、RCS通知により通知されたメッセージを表示する機能である。また、制御部43は、CPUに記憶部42が記憶するSMSアプリを実行させることによって、SMSに係る機能を実現する。ここでのSMSに係る機能とは、例えば、SMS通知を受信し、受信した情報に基づいて、SMS通知により通知されたメッセージを表示する機能である。
【0035】
表示部44は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含み、制御部43の制御に応じて、RCS通知により通知されたメッセージ、或いは、SMS通知により通知されたメッセージ等の画像を表示する。
【0036】
図2は、実施形態に係る情報管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。情報管理サーバ20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。通信部21は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、企業サーバ10、及び携帯キャリアサーバ30である。
【0037】
記憶部22は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部22は、情報管理サーバ20の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部22は、例えば、配信DB220を記憶する。
【0038】
ここで、配信DB220について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施形態に係る配信DB220の構成例を示す図である。配信DB220は、配信に関する情報が記憶されたデータベースである。配信DB220は、例えば、企業サーバ10から受信した配信対象データ120に応じて生成される。
【0039】
図5に示すように、配信DB220は、たとえば、顧客ID、携帯番号、郵送宛先、通知内容、通知方法、通知完了フラグ、及び通知日時などの項目を備える。顧客ID、携帯番号、郵送宛先、及び通知内容のそれぞれの項目に示される内容は、配信対象データ120と同様であるため、その説明を省略する。これらの項目は、例えば、企業サーバ10から通知された配信対象データ120に基づいて設定される。なお、通知内容を、キャリア側に持たせて、情報管理サーバ20が保持しない構成としてもよい。ここでのキャリア側とは、携帯キャリアサーバ30である。この場合、情報管理サーバ20から携帯キャリアサーバ30に、配信対象データ120の通知内容が送信され、送信された通知内容が記憶部32に記憶される。情報管理サーバ20には通知内容が記憶されない。
【0040】
通知方法は、顧客に情報を通知する場合における通知方法が設定される項目である。通知方法は、RCSフラグと、SMSフラグと、郵送フラグの項目を備える。RCSフラグは、RCS通知を行うか否かを示す二値の情報である。SMSフラグは、SMS通知を行うか否かを示す二値の情報である。郵送フラグは、郵送物を郵送することによる通知(「配送通知」の一例)を行うか否かを示す二値の情報である。
【0041】
例えば、RCSフラグに「1」が設定された場合、RCS通知が行われる。一方、RCSフラグに「0」が設定された場合、RCS通知は行われない。例えば、SMSフラグに「1」が設定された場合、SMS通知が行われる。一方、SMSフラグに「0」が設定された場合、SMS通知は行われない。例えば、郵送フラグに「1」が設定された場合、郵送通知が行われる。一方、郵送フラグに「0」が設定された場合、郵送通知は行われない。通知方法においては、RCSフラグと、SMSフラグと、郵送フラグのうち、いずれか一つのフラグに「1」が設定され、残りのフラグには「0」が設定される。
【0042】
本実施形態では、この図の例に示すように、通知方法の初期設定値として、RCSフラグに「1」、SMSフラグに「0」、郵送フラグに「0」、がそれぞれ設定される。しかしながらこれに限定されない。通知方法の初期設定値は、任意に設定されてよい。
また、キャリア側に、通知方法におけるRCSフラグとSMSフラグを持たせて、情報管理サーバ20が保持しない構成としてもよい。ここでのキャリア側とは、携帯キャリアサーバ30である。この場合、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40ごとのRCSフラグとSMSフラグとを、記憶部32に記憶する。例えば、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果に基づいて、RCSフラグとSMSフラグを設定する。具体的には、携帯キャリアサーバ30は、RCSに対応している生活者端末40にはRCS通知を行うように、RCSに対応していない生活者端末40にはSMS通知を行うように設定する。
また、RCSフラグと、SMSフラグと、郵送フラグの各々を一つのフラグ(以下、通知方法フラグという)で設定されるようにしてもよい。例えば、通知方法フラグに「0」が設定された場合にRCS通知を行い、通知方法フラグに「1」が設定された場合にSMS通知を行い、通知方法フラグに「9」が設定された場合に郵送通知を行うようにしてもよい。
【0043】
通知完了フラグは、顧客への通知が完了したか否かを示す二値の情報である。例えば、通知完了フラグに「1」が設定された場合、顧客への通知が完了したことを示す。一方、通知完了フラグに「0」が設定された場合、顧客への通知が完了していないことを示す。この場合、通知完了フラグの初期設定には、「0」が設定される。
【0044】
通知日時は、顧客への通知を行う日時を示す情報が示される。
【0045】
図2の説明に戻り、制御部23は、情報管理サーバ20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部23は、情報管理サーバ20を統括的に制御する。制御部23は、例えば、RCS送信可否確認要求部230と、RCS配信要求部231と、装置制御部233とを備える。
【0046】
RCS送信可否確認要求部230は、実メッセージ(配信DB220における通知内容)を送信することなく、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0047】
具体的に、RCS送信可否確認要求部230は、配信DB220を参照して顧客の携帯番号を取得する。RCS送信可否確認要求部230は、取得した携帯番号を携帯キャリアサーバ30に送信することにより、当該携帯番号に対応する生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を、携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS送信可否確認要求部230は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定結果を、携帯キャリアサーバ30から取得する。
【0048】
このように、RCS送信可否確認要求部230は、携帯キャリアサーバ30に携帯番号と付随するその他の管理情報を送付して、実メッセージ(配信DB220における通知内容の実態、すなわち「TF銀行からのメッセージ…」の部分)を送信することなく、当該携帯番号に対応する生活者端末40がRCSに対応しているか否かを確認する。これにより、顧客の生活者端末40に実メッセージを送信して、その結果送信が成功まで、RRCS通知とSMS通知を順次行うような試行錯誤をする必要がない。
【0049】
RCS配信要求部231は、装置制御部233の指示に従い、通知先の生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS配信要求部231は、例えば、RCS通知の宛先となる携帯電話番号(配信DB220における携帯番号)と、実メッセージ(配信DB220における通知内容)を携帯キャリアサーバ30に送信する。これによって、RCS配信要求部231は、顧客の生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0050】
SMS配信要求部232は、装置制御部233の指示に従い、通知先の生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。SMS配信要求部232は、例えば、SMS通知の宛先となる携帯電話番号(配信DB220における携帯番号)と、実メッセージ(配信DB220における通知内容)を携帯キャリアサーバ30に送信する。これによって、SMS配信要求部232は、顧客の生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0051】
装置制御部233は、情報管理サーバ20を統括的に制御する。装置制御部233は、例えば、RCS送信可否確認要求部230からの要求を、通信部21を介して、携帯キャリアサーバ30に送信する。ここで、RCS送信可否確認要求部230からの要求とは、顧客の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するように求める要求である。
【0052】
装置制御部233は、通信部21が携帯キャリアサーバ30から受信した、RCS送信可否確認要求部230からの要求に応じた判定結果を取得する。RCS送信可否確認要求部230からの要求に応じた判定結果とは、顧客の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを示す判定結果である。
【0053】
装置制御部233は、RCS送信可否確認要求部230からの要求に応じた判定結果に基づいて、顧客に実メッセージを配信する。装置制御部233は、携帯キャリアサーバ30によってRCSに対応可能と判定された生活者端末40については、その携帯電話番号(配信DB220における携帯番号)と、実メッセージ(配信DB220における通知内容)をRCS配信要求部231に出力する。これにより、装置制御部233は、RCS配信要求部231を介して、顧客にRCS通知を行う。また、装置制御部233は、携帯キャリアサーバ30によってRCSに対応していないと判定された生活者端末40については、その携帯電話番号(配信DB220における携帯番号)と、実メッセージ(配信DB220における通知内容)をSMS配信要求部232に出力する。これにより、装置制御部233は、SMS配信要求部232を介して、顧客にSMS通知を行う。
【0054】
装置制御部233は、顧客に行った電子通知(RCS通知又はSMS通知)が、正常に完了したか否かを判定する。上述したように、装置制御部233は、携帯キャリアサーバ30によって判定された判定結果に基づいて、電子通知を行っている。このため、顧客に行った電子通知のほとんどが、正常に完了すると考えられる。しかしながら、携帯キャリアサーバ30の判定後に、顧客が携帯電話を解約したり、携帯キャリア(携帯電話の通信事業者)を変更したり、RCSアプリやSMSアプリをアンインストールしたりする場合があり得る。この場合、電子通知は、正常に完了せずに失敗すると考えられる。また、電子通知を行った際に携帯電話の電源が入っていなかった場合、電子通知は、正常に完了せずに失敗する。
【0055】
装置制御部233は、顧客に行った電子通知が失敗した場合、その顧客に対応する配信DB220の通知方法に、郵送通知を設定する。具体的には、装置制御部233は、配信DB220の通知方法における郵送フラグに「1」を設定し、その他のRCSフラグとSMSフラグに「0」を設定する。
【0056】
このように、本実施形態では、RCS通知が失敗した場合、SMS通知ではなく郵送通知に設定する。これにより、本実施形態では、顧客の生活者端末40をRCSに対応させるように促す。
【0057】
RCSに対応していない生活者端末40にSMS通知を行うようにした場合には、顧客はSMSでメッセージを受信することができる。このため、生活者端末40で情報を受信できればよいと考える顧客は、惰性で、SMSによる受信を続けてしまう可能性が高い。この場合、顧客の生活者端末40をRCSに対応させるように促すことができない。一方、RCSに対応していない場合に生活者端末40に対し、メッセージが郵送物となって郵送されてきた場合、顧客は、生活者端末40をRCSに対応させなければ、生活者端末40で情報を受信することができないことを理解する。このため、生活者端末40で情報を受信したい顧客は、生活者端末40をRCSに対応させるようにすると考えられる。したがって、顧客の生活者端末40をRCSに対応させるように促すことが可能となる。
【0058】
一方、装置制御部233は、顧客に行った電子通知が、正常に完了した場合、その顧客に次回希望確認を行う。次回希望確認とは、次回以降の通知について、顧客が希望する通知方法を確認することである。例えば、装置制御部233は、電子通知が成功した携帯電話番号に、確認通知を行う。
【0059】
確認通知は、次回以降の通知方法を確認する通知である。例えば、RCS通知が成功した生活者端末40に行う確認通知は、「次回以降の通知について、希望する通知方法を選択してください」などのメッセージと共に、三つの選択ボタン「RCSによる通知」、「SMSによる通知」、及び「郵送による通知」が表示される通知である。
【0060】
この場合、顧客は、生活者端末40に表示された確認通知を視認し、顧客が希望する通知方法に対応する選択ボタンをタッチ操作などで選択する。これにより、顧客が希望する通知方法が、情報管理サーバ20に通知される。装置制御部233は、情報管理サーバ20に通知された情報を、通信部21を介して取得する。装置制御部233は、取得した通知方法を、その顧客に対応する配信DB220の通知方法に設定する。
【0061】
具体的に、装置制御部233は、顧客が次回以降の通知にRCS通知を希望した場合には、配信DB220の通知方法を変更しない。初期設定として、RCS通知フラグに「1」が設定されているためである。また、装置制御部233は、顧客が次回以降の通知にSMS通知を希望した場合には、配信DB220の通知方法におけるSMS通知フラグに「1」を設定し、その他のRCSフラグと郵送フラグに「0」を設定する。また、装置制御部233は、顧客が次回以降の通知に郵送通知を希望した場合には、配信DB220の通知方法における郵送フラグに「1」を設定し、その他のRCSフラグとSMSフラグに「0」を設定する。
【0062】
図3は、実施形態に係る携帯キャリアサーバ30の構成例を示すブロック図である。携帯キャリアサーバ30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。通信部31は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、情報管理サーバ20、及び生活者端末40である。
【0063】
記憶部32は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部32は、携帯キャリアサーバ30の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部32は、例えば、RCS送信可否確認結果情報320を記憶する。RCS送信可否確認結果情報320は、携帯電話がRCSに対応しているか否かを示す情報である。RCS送信可否確認結果情報320は、例えば、携帯電話の電話番号と、その携帯電話がRCSに対応しているか否かを示す情報とが対応づけられた情報である。
【0064】
制御部33は、携帯キャリアサーバ30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部33は、携帯キャリアサーバ30を統括的に制御する。制御部33は、例えば、RCS送信可否確認要求受付部330と、RCS配信要求中継部331と、SMS配信要求中継部332と、RCS送信可否確認部333と、RCS配信部334と、SMS配信部335と、装置制御部336とを備える。
【0065】
ここで、RCS送信可否確認要求受付部330、RCS配信要求中継部331、及びSMS配信要求中継部332のそれぞれを備える構成を、振分部33Aと称する。また、RCS送信可否確認部333、RCS配信部334、及びSMS配信部335のそれぞれを備える構成を、配信部33Bと称する。
【0066】
図3の例では、振分部33Aと、配信部33Bとが、携帯キャリアサーバ30に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、複数の携帯キャリアのうち、1つの携帯キャリアが振分部33Aと配信部33Bを備え、残りの携帯キャリアが配信部33Bのみを備える構成であってもよい。また、情報管理サーバ20が振分部33Aを備え、複数の携帯キャリアのそれぞれに設けられた配信部33Bを利用して配信を行うようにしてもよい。
【0067】
RCS送信可否確認要求受付部330は、RCS送信可否確認要求部230からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をRCS送信可否確認部333に出力する。
【0068】
RCS配信要求中継部331は、RCS配信要求部231からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をRCS配信部334に出力する。
【0069】
SMS配信要求中継部332は、SMS配信要求部232からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をSMS配信部335に出力する。
【0070】
RCS送信可否確認部333は、RCS送信可否確認要求部230からの要求を、RCS送信可否確認要求受付部330から取得する。RCS送信可否確認部333は、取得した要求に応じて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。
【0071】
RCS送信可否確認部333が、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する方法は任意に決定されてよい。例えば、RCS送信可否確認部333は、生活者端末40の携帯電話番号にRCS通知に関する制御信号を通知する。この制御信号には、例えば、RCS通知を利用可能か応答するように要求する要求信号が含まれている。生活者端末40は、RCS通知に関する制御信号を受信すると、受信した制御信号に対して、RCSを利用可能か否か、携帯キャリアサーバ30に応答を返す。RCS送信可否確認部333は、生活者端末40からの応答に基づいて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。RCS送信可否確認部333は、判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。
【0072】
RCS配信部334は、RCS配信要求部231からの要求を、RCS配信要求中継部331から取得する。RCS配信部334は、取得した要求に応じて、生活者端末40にRCS通知を行う。
【0073】
SMS配信部335は、SMS配信要求部232からの要求を、SMS配信要求中継部332から取得する。SMS配信部335は、取得した要求に応じて、生活者端末40にSMS通知を行う。
【0074】
なお、情報管理サーバ20からの要求(RCS通知又はSMS通知の要求)を、配信部33Bが直接取得するようにしてもよい。例えば、携帯キャリアサーバ30が振分部33Aを備えていない場合、或いは、情報管理サーバ20が、携帯キャリアサーバ30の振分部33Aを利用しない場合、情報管理サーバ20は、RCS通知又はSMS通知の要求を、振分部33Aを介さずに配信部33Bに送信する。
【0075】
この場合、RCS配信部334は、RCS配信要求部231からの要求を、RCS配信要求中継部331を介することなく、直接取得する。RCS配信部334は、情報管理サーバ20から取得した要求に応じて、生活者端末40にRCS通知を行う。また、この場合、SMS配信部335が、SMS配信要求部232からの要求を、SMS配信要求中継部332を介することなく、直接取得する。SMS配信部335は、情報管理サーバ20から取得した要求に応じて、生活者端末40にSMS通知を行う。
【0076】
装置制御部336は、携帯キャリアサーバ30を統括的に制御する。装置制御部336は、例えば、通信部31が情報管理サーバ20から受信した情報に基づいてその内容を判定し、その情報がRCS送信可否確認を要求するものである場合には、その情報をRCS送信可否確認要求受付部330に出力する。
【0077】
装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した情報がRCS通知を要求するものである場合には、その情報をRCS配信要求中継部331に出力する。装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した情報がSMS通知を要求するものである場合には、その情報をSMS配信要求中継部332に出力する。
【0078】
装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した情報がRCS配信要求中継部331を介さずにRCS通知を要求するものである場合には、その情報をRCS配信部334に出力する。装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した情報がSMS配信要求中継部332を介さずにSMS通知を要求するものである場合には、その情報をSMS配信部335に出力する。
【0079】
図6は、実施形態に係る情報管理サーバ20が行う処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報管理サーバ20は、企業サーバ10から送信された配信対象データ120を取得(ステップS1)。情報管理サーバ20は、取得した配信対象データ120に基づいて、配信DB220を生成する(ステップS2)。
【0080】
情報管理サーバ20は、顧客の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する(ステップS3)。情報管理サーバ20は、配信DB220を参照して顧客の携帯電話番号を取得し、取得した番号を携帯キャリアサーバ30に送信し、携帯キャリアサーバ30にその番号の携帯電話がRCSに対応しているか否かを判定するように要求する。携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20からの要求に応じて、制御信号を通知するなどして、その番号の携帯電話がRCSに対応しているか否かを判定しその判定結果を情報管理サーバ20に送信する。情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から判定結果を受信する。
【0081】
情報管理サーバ20は、顧客の生活者端末40がRCSに対応している場合、その生活者端末40にRCS通知を行う(ステップS4)。一方、情報管理サーバ20は、顧客の生活者端末40がRCSに対応していない場合、その生活者端末40にSMS通知を行う(ステップS5)。
【0082】
情報管理サーバ20は、顧客に行った電子通知(RCS通知又はSMS通知)が、正常に完了したか否かを判定する(ステップS6)。顧客に行った電子通知が正常に完了した場合、情報管理サーバ20は、次回希望確認処理を行う(ステップS7)。次回希望確認処理は、確認通知を行うことによって、次回以降の通知について、顧客が希望する通知方法を確認する処理である。次回希望確認処理の流れについては後述する。
【0083】
一方、顧客に行った電子通知が正常に完了せず失敗した場合、情報管理サーバ20は、その顧客に対応する配信DB220における通知方法の郵送フラグに「1」を設定する(ステップS8)。情報管理サーバ20は、その顧客に対応する配信DB220における通知方法のRCSフラグ及びSMSフラグに「0」を設定する。
【0084】
情報管理サーバ20は、配信DB220を更新する(ステップS9)。情報管理サーバ20は、例えば、電子通知が正常に完了した配信について、その配信DB220における通知完了フラグに「1」を設定する。ここで、情報管理サーバ20は、更新後の配信DB220を、配信結果として企業サーバ10に報告するようにしてもよい。
【0085】
情報管理サーバ20は、郵送フラグに「1」が設定された顧客に郵送処理を行う(ステップS10)。郵送処理は、実メッセージの内容を印刷した郵送物を顧客に郵送する処理である。郵送処理の流れについては後述する。
【0086】
図7は、
図6のステップS7に示す次回希望確認処理の流れを示すフローチャートである。本フローの前提として、情報管理サーバ20は、電子通知が正常に完了した生活者端末40に、確認通知を送信済みであるものとする。
【0087】
情報管理サーバ20は、確認通知に対する回答を受信する(ステップS70)。回答には、顧客が次回以降の通知に対して希望する通知方法として、RCS通知、SMS通知、又は郵送通知のいずれか一つが示されている。
【0088】
情報管理サーバ20は、顧客からの回答に、RCS通知、SMS通知、又は郵送通知のいずれの通知方法が示されているか判定する(ステップS71)。情報管理サーバ20は、回答にRCS通知が示されている場合、本フローに係る処理を終了させる。配信DB220における通知方法の初期値として、RCSフラグに「1」が設定済みであるためである。なお、処理を確実にするために、ここで、情報管理サーバ20が配信DB220を参照し、RCSフラグに「1」を設定し、SMSフラグ及び郵送フラグに「0」を設定するようにしてもよい。
【0089】
情報管理サーバ20は、顧客からの回答にSMS通知が示されている場合、対応する配信DB220における通知方法のSMSフラグに「1」を設定し、RCSフラグ及び郵送フラグに「0」を設定する(ステップS72)。
【0090】
情報管理サーバ20は、顧客からの回答に郵送通知が示されている場合、対応する配信DB220における通知方法の郵送フラグに「1」を設定し、RCSフラグ及びSMSフラグに「0」を設定する(ステップS73)。
【0091】
図8は、
図6のステップS10に示す郵送処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報管理サーバ20は、配信DB220を参照し、郵送フラグに「1」が設定されているものを抽出する(ステップS100)。情報管理サーバ20は、抽出した配信DB220を用いて、郵送対象データを生成する(ステップS101)。郵送対象データは、郵送物を手配する際に用いられる情報であって、例えば、宛先となる住所、氏名、通知内容などが示された情報である。情報管理サーバ20は、生成した郵送対象データを用いて、郵送物の配送を手配する(ステップS102)。情報管理サーバ20は、例えば、印刷業者に郵送対象データを送信し、郵送を行うように指示する。情報管理サーバ20は、郵送処理が正常に完了した郵送について、その配信DB220における通知完了フラグに「1」を設定する。
【0092】
以上説明したように、実施形態に係る配信システム1は、記憶部22と、RCS送信可否確認部333と、RCS配信部334と、装置制御部233とを備える。記憶部22は、配信DB220を記憶する。配信DB220は、顧客に通知する実メッセージ(通知内容)、通知方法、及び宛先となる携帯電話番号が示された情報である。通知方法には、RCS通知、SMS通知、郵送通知のいずれかが設定される。RCS送信可否確認部333は、配信DB220の携帯電話番号を用いて顧客の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。RCS配信部334は、RCS送信可否確認部333による判定結果に基づいて、生活者端末40がRCSに対応している場合にRCS通知にて実メッセージを生活者端末40に送信し、生活者端末40がRCSに対応していない場合にSMS通知にて実メッセージ送信する。装置制御部233は、RCS配信部334によるRCS通知が正常に完了したか否かを判定し、正常に完了しなかった場合、配信DB220における通知方法に、郵送通知を設定する。
【0093】
これにより、実施形態に係る配信システム1では、顧客の携帯電話をRCSに対応させるように促すことができる。メッセージが、SMS通知ではなく、郵送物となって郵送されてきた場合、顧客は、生活者端末40をRCSに対応させなければ、生活者端末40で情報を受信することができないことを理解する。このため、生活者端末40で情報を受信したい顧客は、生活者端末40をRCSに対応させるようにすると考えられるためである。
【0094】
ここで、RCS送信可否確認部333は、「判定部」の一例である。RCS配信部334は、「送信部」の一例である。装置制御部233は、「制御部」の一例である。実メッセージは「通知内容」の一例である。顧客は「ユーザ」の一例である。郵送物は「印刷物」の一例である。携帯番号は「宛先情報」の一例である。郵送通知は「配送通知」の一例である。生活者端末40は、「ユーザの端末」の一例である。
【0095】
また、実施形態に係る配信システム1では、装置制御部233は、RCS配信部334によるRCS通知が正常に完了した場合、確認通知を、生活者端末40に送信する。確認通知は、次回以降の通知を、RCS通知、SMS通知又は郵送通知の何れとするか顧客に問い合わせる通知である。装置制御部233は、確認通知に対する回答に応じて、配信DB220における通知方法を設定する。これにより、実施形態の配信システム1では、顧客の希望に応じた通知方法にて、次回以降の通知を行うことができる。
また、実施形態に係る配信システム1では、装置制御部233は、SMS配信部335によるSMS通知が正常に完了した場合、確認通知を、生活者端末40に送信するようにしてもよい。装置制御部233は、確認通知に対する回答に応じて、配信DB220における通知方法を設定する。これにより、実施形態の配信システム1では、顧客の希望に応じた通知方法にて、次回以降の通知を行うことができる。
【0096】
また、実施形態に係る配信システム1では、装置制御部233は、配信DB220における通知方法の初期設定を、RCS通知に設定する。これにより、実施形態の配信システム1では、確認通知に対する回答として、RCS通知が示された場合に、配信DB220における通知方法を変更する必要がなく、処理負荷を低減することが可能である。
【0097】
また、実施形態の情報管理サーバ20は、記憶部22と、RCS送信可否確認要求部230と、RCS配信要求部231と、装置制御部233とを備える。記憶部22は配信DB220を記憶する。RCS送信可否確認要求部230は、配信DB220の携帯電話番号を用いて顧客の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するよう、携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS配信要求部231は、RCS送信可否確認要求部230による要求に対する携帯キャリアサーバ30の判定結果に応じて、生活者端末40にRCS通知を行うよう、携帯キャリアサーバ30に要求する。装置制御部233は、携帯キャリアサーバ30によるRCS通知又はSMS通知が正常に完了したか否かを判定し、正常に完了しなかった場合に、配信DB220の通知方法を、郵送通知に設定する。これにより、実施形態に係る情報管理サーバ20では、上記と同様に、顧客の携帯電話をRCSに対応させるように促すことができる。
【0098】
ここで、情報管理サーバ20は、「サーバ装置」の一例である。RCS送信可否確認要求部230は、「確認要求部」の一例である。RCS配信要求部231は、「送信要求部」の一例である。
【0099】
上述した実施形態では、ステップS7に示す次回希望確認処理において、RCS通知、SMS通知、又は郵送通知の中から1つ、希望する通知方法を顧客が回答する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。顧客は、希望する通知方法を1つ選択してもよいし、複数選択してもよい。例えば、顧客が、次回以降の通知方法として、RCS通知と郵送通知の両方の選択した場合、次回の通知は、RCS通知と郵送通知の両方が実施される。
【0100】
また、上述した実施形態では、通知方法が、「RCS通知、SMS通知、又は郵送通知」である場合を例に説明したが、これに限定されない。通知方法として、電子メール、SNS(Social networking service)などの方法が適用されてもよい。
【0101】
また、情報管理サーバ20により確定させた通知方法を、企業サーバ10に通知するようにしてもよい。この場合、例えば、情報管理サーバ20は、ステップS9にて、企業サーバ10に、最新の通知方法と共に配信結果を報告する。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における配信システム1、及び情報管理サーバ20の全部又は一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0103】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 配信システム
10 企業サーバ
20 情報管理サーバ(サーバ装置)
230 RCS送信可否確認要求部(確認要求部)
231 RCS配信要求部(送信要求部)
232 SMS配信要求部
233 装置制御部(制御部)
30 携帯キャリアサーバ
330 RCS送信可否確認要求受付部
331 RCS配信要求中継部
332 SMS配信要求中継部
333 RCS送信可否確認部(判定部)
334 RCS配信部(送信部)
335 SMS配信部(送信部)
40 生活者端末(ユーザの端末)