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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180832
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】求人者と求職者とのマッチング方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221130BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087547
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】319005833
【氏名又は名称】ミイダス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】神長 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】大羽 成征
(72)【発明者】
【氏名】鹿内 学
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ジョブマッチングサービスにおいて、求人者の各々のニーズに沿って、求職者と求人者のマッチング精度を高めるマッチングシステムを提供する。
【解決手段】求人者と求職者とのマッチングシステムは、求人者に関連する求人者端末と、求人者端末にネットワークを介して接続し、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末と、を有する。サーバ端末は、複数の求人者情報、求職者情報及びエージェント情報を各々、記憶部に格納し、複数のエージェント情報を、求職者端末に送信しS101、求人者端末から、複数のエージェント情報のうちいずれかのエージェント情報の選択を受信しS102、選択されたエージェント情報、求職者端末に関連する求職者情報に基づいて、複数の求人者情報のうち優先度の高い求人者情報を検索しS103、検索されたオファー情報を、求職者端末に送信するS104。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、
複数の求人者情報、求職者情報及びエージェント情報を各々、記憶部に格納し、
前記複数のエージェント情報を、前記求職者端末に送信し、
前記求人者端末から、前記複数のエージェント情報のうちいずれかのエージェント情報の選択を受信し、
前記選択されたエージェント情報、前記求職者端末に関連する求職者情報に基づいて、前記複数の求人者情報のうち優先度の高い求人者情報を抽出し、
前記抽出された求人者情報を、前記求職者端末に送信する、
マッチング方法。
【請求項2】
前記エージェント情報は、エージェントの名称、当該エージェントのアバターデータ、当該エージェントのマッチング基準及び当該エージェントのマッチング特徴データを含む、前記請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項3】
前記エージェント情報として、各々のエージェントのアバターデータを、前記求人者端末に表示させ、
前記求職者端末から、特定のエージェントの選択を受信する、前記請求項2に記載のマッチング方法。
【請求項4】
前記マッチング基準データは、前記求職者の希望職種、希望年収、希望勤務地及び希望休日数のいずれかまたは複数を含む、請求項2に記載のマッチング方法。
【請求項5】
前記マッチング特徴データは、前記マッチング基準を満たす項目及び/数に応じて抽出する求人情報に関連するオファーを含む、請求項2に記載のマッチング方法。























【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求職者と求人者とのマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Eコマースサービス(NETFLIX(登録商標)、Taobao(登録商標)等)において、所定の基準に基づくアイテムの推薦リストを併置する行列型ユーザインターフェースを用いた推薦システムが工夫されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、ユーザがどのタイプの番組を視聴するか、の基準に基づいて番組を推薦する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-505412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、Eコマースや動画配信サービスとは異なり、ジョブマッチングサービスにおいて、アイテムとなる求人情報の良し悪しを求職者がひと目で評価することは困難であり、また求職者の多くは早々に良いマッチングを得て就職することを望むため、長期にわたって多数のアイテムのアクションデータを得ることは困難であり、求職者毎の嗜好の違いに合わせた推薦アイテムの抽出は困難である。
【0006】
そこで、本発明は、ジョブマッチングサービスにおいて、求職者の各々のニーズに沿って、求職者と求人者のマッチング精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、複数の求人者情報、求職者情報及びエージェント情報を各々、記憶部に格納し、前記複数のエージェント情報を、前記求職者端末に送信し、前記求人者端末から、前記複数のエージェント情報のうちいずれかのエージェント情報の選択を受信し、前記選択されたエージェント情報、前記求職者端末に関連する求職者情報に基づいて、前記複数の求人者情報のうち優先度の高い求人者情報を抽出し、前記抽出された求人者情報を、前記求職者端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジョブマッチングサービスにおいて、求職者の各々のニーズに沿って、求職者と求人者のマッチング精度を高めることを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る、マッチングシステムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
図3図1の求職者端末200を示す機能ブロック構成図である。
図4】サーバ100に格納される求職者データの一例を示す図である。
図5】サーバ100に格納される求人者データの一例を示す図である。
図6】サーバ100に格納されるエージェントデータの一例を示す図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
図8】求職者端末に表示される、エージェント情報を示す画面例を示す図である。
図9】プレイヤーの応募頻度を比較するためのユーザインターフェースに表示する条件を示す図である。
図10】条件別のプレイヤーの応募頻度を比較する図である。
図11】プレイヤーの応募件数、Sランクオファー選択率、合格率を比較するためのユーザインターフェースに表示する条件を示す図である。
図12】条件別のプレーヤーの応募件数、Sランクオファー選択率、合格率を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るマッチングシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、就職や転職等の求職を行う求職者に関連する求職者端末200と、企業等の、採用活動を行う求人者に関連する求人者端末300と、を仲介するサーバ端末100と、により構成される。
【0012】
サーバ端末100と、求職者端末200及び求人者端末300とは、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100は、ジョブマッチングサービスを提供する事業者によって運営されるものであり、求人者情報及び求職者情報を管理し、エージェント情報として、求職者に対する求人者のマッチング基準及び特徴を管理し、求職者からのエージェント情報選択要求に基づいて、優先順位付けされた求人情報を抽出し、求職者に対して提示を行う装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0014】
求職者端末200は、就職または転職を希望する求職者であって、サーバ端末100により提供されるサービスを利用する求職者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0015】
求人者端末300は、企業等の、人材の採用活動を行い、求人者に関連する情報を提供する求人者であって、サーバ端末100により提供されるサービスを利用する求人者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0016】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、求職者端末200及び求人者端末300とを備え、求職者または求人者が各々、求職者端末200、求人者端末300を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、求職者または求人者が操作を行う機能を備えても良い。
【0017】
図2は、図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介して求職者端末200及び求人者端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、求職者に関連する各種データを格納する、求職者データ格納部121、求人者に関連する各種データを格納する、求人者データ格納部122、エージェントに関連する各種データを格納する、エージェントデータ格納部123等を有する。さらに、記憶部120は、求職者端末200、求人者端末300と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、求職者端末200または求人者端末300からの入力を受け付ける指示受付部131と、求職者に関連する各種データを参照し、処理する、求職者データ管理部132と、求人者に関連する各種データを参照し、処理する、求人者データ管理部133と、求職者と求人者とのマッチングを処理する、マッチング処理部134とを有する。この指示受付部131、求職者データ管理部132、求人者データ管理部133、マッチング処理部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0021】
指示受付部131は、サーバ端末100が提供し、求職者端末200または求人者端末300において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、求職者または求人者であるユーザが、(クリック、タップ、スワイプしたり、キーワードを入力したり、アイコンを押下する等して)所定の入力を行ったとき、求職者端末200または求人者端末300から通信部110を介して指示を受付ける。
【0022】
求職者データ管理部132は、求職者に関連する各種データ(例えば、求職者ID、求職者の基本情報、経歴情報、資格情報、希望条件情報、及び活動情報等)を管理し、処理を行う。
【0023】
求人者データ管理部133は、求人者に関連する各種データ(例えば、求人者ID、基本情報、求人情報、活動情報等)を管理し、処理を行う。
【0024】
マッチング処理部134は、求職者によって選択されたエージェント情報を基に、求職者にマッチする求人者情報を抽出することで、求職者端末200に対してマッチングを支援する情報を生成し、提供する処理を行う。
【0025】
図3は、図1の求職者端末200を示す機能ブロック構成図である。求職者端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0026】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0027】
表示操作部220は、求職者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、求職者端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、求職者端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である求職者端末200により実行される。表示操作部を介して、求職者は、提供される適性試験に対して、キーボードの場合は、キーボードの押下、マウスの場合は、マウスによりカーソルの移動、タッチパネルの場合は、タップ、スワイプ、ピンチ操作等を行うことができる。
【0028】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0029】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、求職者端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0030】
なお、サーバ端末100に表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、求職者端末200を備えない構成としても良い。
【0031】
なお、求人者端末300の機能構成についても、求職者端末200と実質同一であるので、説明を省略する。
【0032】
図4は、サーバ100に格納される求職者データの一例を示す図である。
【0033】
図4に示す求職者データ1000は、求職者に関連する各種データを格納する。図4において、説明の便宜上、一求職者(求職者ID「10001」で識別される求職者)の例を示すが、複数の求職者の情報を格納することができる。求職者に関連する各種データとして、例えば、求職者の基本情報(求職者の氏名、生年月日、Eメールアドレス等の連絡先等)、経歴情報(求職者の学歴、職歴、直近の年収等)、資格情報(資格、語学、スキル)、希望情報(希望年収、希望する契約形態、希望勤務地、希望職種、希望業種等)、及び活動情報(応募先、進捗(合否等))等の情報を格納することができる。その他、適性試験(適性試験のスコア、適性試験によって測られる特性(問題解決力、ヴァイタリティ、人あたり、チームワーク、マネジメント力、ストレス要因、上下関係性等)別のスコア)等、各種試験の結果、内容等の情報を格納することもできる。
【0034】
図5は、サーバ100に格納される求人者データの一例を示す図である。
【0035】
図5に示す求人者データ2000は、求人者に関連する各種データを格納する。図5において、説明の便宜上、一求人者(求人者ID「20001」で識別される求人者)の例を示すが、複数の利用者の情報を格納することができる。求人者に関連する各種データとして、例えば、求人者の基本情報(会社名、業種、設立年月日、所在地、従業員数、会社HPのURL、その他会社紹介文等)、求人情報(求める人物像、勤務時間、年間休日数、待遇(給与等)、福利厚生、勤務地、契約形態(雇用(正社員、契約社員)、業務委託等)等)、及び活動情報(応募者、進捗(合否等))等の情報を格納することができる。その他、適性試験(求人者企業に属する社員の(企業全体、部署別等の)適性試験のスコア、適性試験によって測られる特性(問題解決力、ヴァイタリティ、人あたり、チームワーク、マネジメント力、ストレス要因、上下関係性等)別のスコア)等、各種試験結果、内容等を格納することもできる。
【0036】
図6は、サーバ100に格納されるエージェントデータの一例を示す図である。
【0037】
図6に示すエージェントデータ3000は、エージェントに関連する各種データを格納する。ここで、「エージェント」とは、ジョブマッチングサービス等の人材採用業界において、求人者と求職者との間を取り持つ代理人もしくはコンサルタントを意味するものとし、特に、本実施形態においては、求人者情報に関連するポジションオファーの優先順位付けされたリストを提供するウェブサービス上の仮想人格をさすものとする。図6において、説明の便宜上、一エージェント(エージェントID「30001」で識別されるエージェント)の例を示すが、複数の利用者の情報を格納することができる。エージェントに関連する各種データとして、例えば、エージェントの名称(「A」、「安藤」、「B」、「馬場」、「C」、「千葉」等)、エージェントのアバターデータ(エージェントをイメージした顔画像データ等)、マッチング基準データ(求職者と求人者とをマッチングするに際して基準となる条件項目、例えば、職種及び待遇特徴(年収、年間休日数及び通勤距離を含むがこれに限らない))、及びマッチング特徴データ(エージェントが提供する、マッチング基準を満たす及び/または数に応じて抽出する求人情報に関連するオファーの種類、例えば、1)Sランクオファー:希望通りの職種であり、3種待遇すべてで求職者の希望通り、2)Aランクオファー:職種は希望通りでないが希望に近く、3種待遇すべてで求職者の希望通り、3)Bランクオファー:職種は希望から大きく離れており、3種待遇ではすべて求職者の希望通り、4)Cランクオファー:希望通りの職種であるが、3種待遇のうち1つで求職者の希望未満)のいずれか等)等の情報を格納することができる。その他、マッチング条件項目として、上記適性試験等の試験のスコア等を含むこともできる。
【0038】
<処理の流れ>
図7を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する求職者と求人者とのマッチング方法の処理の流れについて説明する。図7は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
【0039】
ここで、本システム1を利用するために、求職者及び/または求人者(もしくは求人企業の社員)は、求職者端末200、求人者端末300(もしくは求人者企業のいずれかの部署に属する社員の各々の端末)の各々のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、前述の求職者基本情報等、求人者基本情報等を各々入力し、既に求職者、求人者のアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能となる。この認証後、ウェブサイト、アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェースが提供され、図7に示すステップS101へ進む。
【0040】
まず、ステップS101の処理として、サーバ端末100は、通信部110を介して、求職者端末200に対し、エージェント情報を送信する。例えば、サーバ端末100は、記憶部200のエージェントデータ格納部230を参照し、エージェント情報を、求職者端末200に送信し、求職者端末200の、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して提供されるユーザインターフェースにおいて、エージェント情報として、エージェントの名称及びアバター(顔画像)が表示される。ここで、「アバター」とは、仮想的な人物像をさし、対象に言語的表現により性格や背景の物語等、視覚的表現により姿形や動き等、聴覚的表現により声質等を付与することで、対象への愛着や没入感をつくることができる。本例では、複数のエージェント推薦における推薦主体(エージェント)に人物像を付与することで、推薦主体の個別性格の違いを表現することを狙いとし、視覚的要素として、漫画的表現に基づきミニマル型を採用する。このように、エージェント毎にアバターを設定することで、求職者は、エージェント間の人物像の違いを擬人化して理解することが容易となる。
【0041】
図8は、求職者端末に表示される、エージェント情報を示す画面例を示す図である。図8に示すように、求職者端末200に表示される画面において、左半分メニューと右半分のアイテムリストが表示される。本例において、メニューから3種類のエージェントの名称(安藤、馬場、千葉)及びアバター(顔画像)が表示される。ここで、エージェントとして、「安藤」はSランクオファー(求職者の希望通りの職種であり、3種待遇(年収レベル、年間休日数、通勤距離/時間等)すべてで求職者の希望通りの求人者のポジションオファー(Sランクオファー))を優先的に提供するエージェントであり、「馬場」は、職種は求職者の希望通りでないが希望に近く、3種待遇で求職者の希望通りのポジションオファー(Aランクオファー)及び/または職種は希望から大きく離れているが、3種待遇では求職者の希望通りのポジションオファー(Bランクオファー)を提供するエージェントであり、「千葉」は、職種は求職者の希望通りのオファーであるが、3種待遇のうち1つで求職者の希望通りのポジションオファー(Cランクオファー)を提供するエージェントである。このように、エージェントは、職種及び待遇特徴といった条件の組合せにおいて、求人情報の中から優先的にポジションをオファーする特徴を有しており、このような特徴は求職者に対してエージェントのアバターとともにまたは別に提示することができる。また、アイテムリストに提示される各アイテムは、希望職種カテゴリと、年収レベル、年間休日数、通勤距離の3種待遇特徴によって区別されるポジションオファーに対応する。例えば、アイテムリストとして、求職者に対して90件のポジションオファーが提示され、1分毎に3件がランダムに入れ替わる。提示アイテムの定期的な入れ替えを行うことで、求職者は各時点でもっとも良いと思われるアイテムに対する応募を行うように促されるが、これに限定されず、例えば、表示順序は表示と関連した優先度に基づいて表示されてもよく、また、日毎に優先度を再計算のうえ異なる順序の提示を行うこともできる。ここで、サーバ端末100は、求職者から求職者端末200を介して、事前にアンケート形式で、希望職種と3種待遇特徴に対する希望条件の回答を受け付けることができる。
【0042】
次に、ステップS102の処理として、サーバ端末100は、求職者端末200から、上記表示した複数エージェント情報のうち、エージェントの選択要求を受信する。例えば、求職者は、求職者端末200で表示される、図8に示すような画面において、メニューで提示された3種類のエージェントのアバターのいずれかをクリックで選択する。サーバ端末100の制御部130の指示受付部131は、求職者端末200から通信部110を介して、エージェントの選択要求を受信する。エージェント毎にアバターを設定することで、求職者は、エージェント毎の人物像の違いについて、より容易かつ詳細な理解を行うことができるので、求職者に対し、積極的にエージェントの選択及び求職に対する行動を促し、また、その行動頻度の向上を図ることができる。例えば、図9図10に示すように、求人オファーの中から複数のエージェント(マルチエージェント)が各々提示する推薦リストへの求職者の応募頻度は、単体のエージェント(シングルエージェント)が提示する推薦リストへの求職者の応募頻度と比較して、時間経過に伴い低下する開始のタイミングを遅く、また低下の程度も小さくすることができ、また、複数のエージェントに対してアバターを設定することで、求職者の応募頻度はより低下しづらくすることができる。また、例えば、図11図12に示すように、137名のプレイヤーの行動の時間推移を、マルチエージェント(アバター付き)、マルチエージェント、シングルエージェント(アバター付き)、及びシングルエージェントの4種間で比較したところ、まず、(a)に示すように、4種の条件のうち、マルチエージェント(アバター付き)に接したプレイヤーが、最も平均応募回数が高く、シングルエージェントよりマルチエージェントに接したプレイヤーのほうが、応募回数が高く、また、シングルエージェント及びマルチエージェント各々についてアバター付きに接したプレイヤーが、より応募回数が高い結果となっている。また、(b)に示すように、マルチエージェントと比較してシングルエージェントに接したプレイヤーのほうが、プレイヤーの希望職種と同一で、希望以上の待遇を提示するSランクオファーを選択した割合が高い結果となっているが、一方でSランクオファーの場合は合格可能性が低くなる傾向となる。また、(c)に示すように、マルチエージェント(アバター付き)に接したプレイヤーがオファーに対する合格率が最も高く、シングルエージェントよりマルチエージェントに接したプレイヤーのほうが、合格率が高く、また、シングルエージェント及びマルチエージェント各々についてアバター付きに接したプレイヤーが、より合格率が高い結果となっている。
【0043】
次に、ステップS103の処理として、サーバ端末100は、求職者端末200から受け付けたエージェント選択に基づいて、求人者情報を検索する。例えば、求職者が、エージェント「馬場」を選択したとき、サーバ端末100の制御部130のマッチング処理部134は、記憶部120のエージェントデータ格納部123に格納された、エージェントデータ3000を参照し、対象エージェントのマッチング基準データ(例えば、職種、待遇(年収、年間休日数、通勤距離/時間))及びマッチング特徴データ(「安藤」の場合、「S」ランク)を参照し、また、求職者データ1000を参照し、対象求職者の希望条件情報(例えば、職種、待遇(年収、年間休日数、通勤距離/時間)を参照し、これらの基準データ、特徴データ及び求職者の希望条件情報を基に、求職者データ2000を参照し、求人情報を検索する。さらに詳細には、例えば、求職者が、職種について、「クリエイティブ」を指定し、また、待遇として、「年収500万円以上」、「年間休日数100日以上」、「通勤時間1時間以内」を指定したときに、エージェント「安藤」として、「Sランク」、すなわち、職種及び待遇の4特徴の全てで求職者の希望を満たすような最良のオファー群を上位とする、求人者のポジションをオファーできるよう求人情報を抽出する。仮に、求職者が、エージェント「馬場」を選択した場合は、「A、Bランク」、すなわち、4特徴のうち最良のオファー群を提示せず、職種の異なる次善のオファー群を上位とする求人情報を抽出し、また、エージェント「千葉」を選択した場合は、「Cランク」、すなわち、4特徴のうち最良のオファー群を提示せず、希望通りの職種のなかで待遇に難のある次善オファー群を上位とする、求人情報を抽出することができる。
【0044】
次に、ステップS104の処理として、サーバ端末100は、求人者情報検索結果を基に、抽出された求人情報、すなわち、ポジションオファーに関連する情報を求職者端末200に送信する。例えば、サーバ端末100のマッチング処理部134は、エージェント「安藤」に関連するマッチング基準データ及びマッチング特徴データ、及び求職者の希望条件情報に基づいて、「クリエイティブ」職種、「年収500万円以上」、「年間休日数100日以上」、「通勤時間1時間以内」といった、職種及び待遇の4特徴の全てで求職者の希望を満たすような最良のオファー群を上位とする、求人者のポジションのアイテムリストを、求職者端末200に対して送信する。
【0045】
図8に示すように、求職者端末200において、求職者のエージェント選択に基づいて抽出されたアイテムリストが入れ替わるように表示され、本例においては、「クリエイティブ」職種について、「年収500万円以上」、「年間休日数100日以上」、「通勤時間1時間以内」の全ての条件を満たす求人情報(ポジションオファー)がアイテムとして表示される。求職者が、異なるエージェント選択を行う度に、異なるアイテムリスト、すなわち、ポジションオファーの表示内容及び/または順位が入れ替わる可能性がある。また、本実施形態において、求職者は、応募プロセスとして、表示されたアイテムリストのうち、所望のオファーを選択することで応募を行い、所定の質疑によるオンライン面接または対面方式の面接を受け、面接による回答結果に基づいて合否通知を受けることができる。求職者の応募先、選考進捗に関連する情報は、求職者データ2000及び求人者データ3000の活動情報として各々更新される。
【0046】
以上のように、異なるマッチング基準及び特徴を有する複数のエージェント(マルチエージェント)に基づいた、優先度の異なる求人情報(ポジションオファー)を並列的に推薦することで、求人サービスにおいて、アイテムを選択しやすくなり、求職者と求人者とのマッチング精度の向上を図ることができる。
【0047】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 マッチングシステム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 求職者端末、300 求人者端末、NW ネットワーク
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